2017-05-20 00:13:55 更新

概要

 何かプロローグ的なのにしたかった。


前書き

 キャラ崩壊注意です。


「……俺が代わりに出撃出来たらな」


 艦娘が出撃した後の鎮守府はやけに寂しい。


 俺はため息交じりに溜まっている書類に手を出していく。


「ん……?」


 ふと書類の確認をしていると、あるものが目に入る。


「うぇ……本部からか……」


 先程出したため息の重さが増えるようにもう一度ため息がでる。


「ハァ……取り合えず見るか」


 出してみた書類の中身に俺は思わず苦笑いを浮かべる。


「何だこれわ」


『本部開発:肉体変換薬』


 アカン、見た瞬間にそう思えた。


 しかし、無視しても後が怖い。


 逃れられないかと小さく呟き、俺は薬を飲んだ。


「うぶぅ!?」


 喉を通る途中に薬が俺の喉にくっ付く。


(息が! 言葉も!)


 パクパクと口を開け閉めを繰り返すが、次第に俺の視界がブラックアウトした。




「……ん?」


 目が覚めると、体が以上に軽く感じた。


(何だ……やけに頭が痛いのです?)


 ふと、違和感を感じ、何時もと違った布団から起き上がり、窓ガラスを見る。


「……何ですか、これ?」


 俺の姿は完全に電変わっていた。


 違和感は、それだけじゃなかった。


(!? 体が、動かせない!)


 抵抗しようとした体から力が抜け、意図せず唇が動く。


「あれ? 私何で布団から出てる?」


(え? 電……さん?)




明石「何か提督不在だったけど、恐らくいつも通りだろう。駆逐艦達、遠征に行ってこい」


電「了解なのです」

子日「分かったよ」

若葉「了解した」

大潮「分かりました」

村雨「分かったわ」

RJ「……うち、軽空母なんやけど」


提督(どうしてこんなことに)


 何時もならばおやつを食べながら平和だな~、とか考えて居たであろう俺は、遠征で敬礼(電の体だが)していた。


明石「おっし、お前等東京急行(弐)に行ってこい。ドラム缶は持ったか?」


全員?「「「「「はい」」」」」

RJ「だから……うち」


 こうして俺は、遠征に向かった。




電「RJさん! 一緒に遠征行くの久しぶりなのです!」

RJ「何でうち一緒に居るんやろうなぁ。この遠征、失敗すると思うで?」

村雨「ちょっとRJさん、周りを乱したらダメよ?」

RJ「何でうちが怒られなきゃあかんねん?」

大潮「そんなことより、早く進みましょう!」

RJ「そんなことって……」

若葉「私も賛成だ」


T(意外と真面目なんだな)


 俺は割と遠征をなめていた。


 俺個人、戦場を知っているが故に、遠征部隊はお気楽だと思っていた。


 この何気ない会話でさえも、それぞれの有効視界範囲を確認している。


 全員が全員、目を光らせえているようだった。


電「……ん?」


 電が、遠くの水の波紋を見つめていた。


 すると彼女は突然、主砲をその方向に向けて発砲した。


村雨「……やった?」

電「勿論なのです」

龍驤「敵地先行……ばれんように抜けるで」


 瞬間、全員の気配が変わった。


 先程までの雰囲気は無く、静かに、気を張り詰めていた。


 幸い、敵が現れることは無かった。




電「これで帰投すれば終わりなのです」

子日「そうだねぇ」

RJ「……ホンマ、軽空母居るのになぁ」

大潮「まあ、さっさと帰投しましょう?」

村雨「そうねぇ。早く帰投して――」

若葉「敵影、補足!」


 若葉の叫んだ先には軽巡一隻、駆逐五隻が居た。


T(今戦うのは分が悪すぎる!)


 こちらは資材を運んでいる最中、碌な兵装さえ装備はされていない。


 思わず舌打ちをしかけるが、俺は直ぐに思い出せた。


T(こいつらはいつもこんな戦場を?)


 攻撃する武器は無し、被弾すれば最悪燃料に引火する。


龍驤「ほな行った!」

電「ッ! 感謝します!」

イ級「キィィィィィィィイイイイ!!!」

龍驤「おっと、ここから先は通さへんで?」


 龍驤は特に後退をすることもなく、敵艦隊の相手をしていた。


若葉「30,20,10……海域離脱!」

村雨「分かったわ。龍驤さんに電文飛ばしておいたわ。そのうち追いついてくると思う」

電「龍驤さんも運が悪いのです。今日は後何かい行くのか分からないですから」

大潮「被弾しませんよ、龍驤さんなら!」

子日「RJなら被弾するってことぉ?」

全員「「「「……」」」」

RJ「せめて否定して!」


T(……ん? 何か、体が、動かな……)


 俺の意識は暗闇の中でブラックアウトした。


 最後に見た景色はボロボロになった龍驤が駆逐艦と会話をしているところだった。




「……くそだな、俺」


 あの日の遠征は憶えていた。


 俺がお偉いさんと会話が終わった後、帰投していると遠征組が大破していたからだ。


「……」


 机の上にある資料を見る。


 薬の資料は消えて、何時ものような資料が山積みにされていた。


「……もし、もしだ」


「俺が、彼女達の代わりに」


「出撃、できるなら……」


 俺は自分の想像が可笑しくて鼻で笑う。


「ないな。うん」


 俺は俺の出来ることをしよう。


 そういえば、甘味処が欲しいって声が……。




『本部開発:ケッコンカッコカリ指輪 α版』


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