2019-03-22 19:09:14 更新

パァン パァン


佐天『あーあー、マイクテス、マイクテス、初春の今日のパンツはピンクのフリル』


初春『ちょ、何言ってるんですか! 』


佐天『いいじゃん別に、減るもんじゃないし』


初春『私の中の何かが減っていってるんですよ! きっと』



上条「相変わらず仲良いな、あの二人は」


美琴「そうね、学校にいる時も、ほとんど一緒にいるもの」


垣根「……やっぱあの二人ってそうゆう関係か? 」


浜面「ああ、前々から怪しいとは思ってたが、その辺どうだ絹旗の意見は? 」


絹旗「うーん、一概に否定できないのが超友達としての意見です」


フレンダ「結局、プライベートまではわかんないってことよ! 」


一通「しっかし、壮大な光景だね」チラッ


土御門「そりゃあそうぜよ、都内随一と言われる我が校の生徒から教師まで勢揃いだからな」


青ピ「軽く、五千は超えとるやろうな」


上条「しかしまぁ、たかが体育祭の為に毎年こんなデカイ運動競技場借りるかよ」


一通「いっそのこと建てた方が手取り早い」


浜面「そいえば、御坂の他の姉妹はどうしたんだ? 」


美琴「みんなそれぞれ、体育祭実行委員として仕事してるわよ」


上条「美琴は、やらないのか? 」


美琴「私はほら、動く方専門だから」


垣根「どうせめんどくさくて逃げた口だろ」


美琴「…」ギクッ


垣根「ま、心配すんな。ここに集まってるやつなんて大抵おんなじ理由で固まってんだかよ」


一通「そうだぞ〜、まァそこの垣根君は違う理由だろうけどな」クビクイッ



『一家に何台でも、あなたの家族として、友達として、親友として、話し相手として! 白いカブト虫印の、垣根冷蔵庫がお送りいたします』



一通「お前、あれ見せたいが為にここにしたろ」


垣根「うーん、やっぱうちの冷蔵庫は最高だね」グッ!


浜面「ってか、垣根ん家ってマジであの垣根冷蔵庫だったんだな」


垣根「おうよ、就職に困ったら言えよ、うちの専属運転手にしてやるぜ」


一通「テメェのパシリになるくらいなら上条家に自宅警備員として住み込むわ」


上条「役に立ちそうもない警備員は入りますせんですよ」


初春『ただいまより、開会式を行います。生徒全員は、席にお座りください』


美琴「お、ようやく始まるわね」


佐天『まずはじめに、アレイスター・クロウリー学園理事長による開催の言葉です』


ガラガラガラガラ


アレイスター「生徒諸君、おはよう」


「「「「「おはよーございます」」」」」


上条「理事長は相変わらずビーカーの中なんだな」


浜面「あれまじでどうなってんだろうな」


美琴「聞いた話じゃ、理事長エラ呼吸出来るように手術したと」


土御門「俺は全身サイボーグって聞いたにゃ」


青ピ「そもそもそこにいないで、ホログラフィーって話やで」


一通「そン中なら青ピの説が一番可能性が高そうだな」


アレイスター「本日はお日柄もよく、体育祭日和です」


アレイスター「日頃から元気な我が校の生徒諸君の事ですから、体育祭でもその本領を出してください」


アレイスター「以上、短く終わります」


(((((ほんと短⁉︎)))))


上条「こうゆうのって普通もっと長々と喋るもんだよな」


浜面「毎年毎年、理事長楽しすぎだろ」


佐天『次に、選手宣誓』


垣根「あれ、軍覇じゃね? 」


上条「姿を見ないと思ったら、宣誓するからかよ」


一通「おい、女帝も出てきたぞ」


美琴「二人一組なんだ、今年は」


上条「去年は駒場先輩一人だったよな」


軍覇・麦野『宣誓!』


軍覇『俺たち! 』


麦野『私たちは! 』


軍覇『スポーツマンシップに則り』


麦野『正々堂々、戦い殺り抜き』


軍覇『全身全霊を賭けて勝利を掴み取り! 』


麦野『蹂躙の限りを尽くすことを誓います! 』


軍覇『男子代表・削板 軍覇! 』


麦野『武闘派兼女子代表・麦野 沈利! 』


パチパチパチパチパチ


上条「なんともはや、麦野さんらしい」


浜面「あいつ、運動会を武闘大会と勘違いしてるんじゃないか? 」


初春『それではこれより、第22回とある学園大体育祭を開催いたします! 』


佐天『プログラム1の200メートル走に出る選手は、速やかに移動をお願いします』


上条「お、俺だ」


浜面「俺もだ」


一通「おお、しっかりやってこいよ」フラフラ〜


垣根「既にフラフラじゃねえかw」


一通「給水所行ってくらァ」


美琴「早すぎでしょ」




黄泉川「えーでは一応説明しとくぞ」


黄泉川「全員まっすぐ200メートル走れ、以上! 」


「「「「「雑っ⁉︎」」」」」


上条「ま、まぁ黄泉川先生らしいよな」


浜面「確かに走るだけだよな」



給水所


一通「おーい、コーヒーくれ」


美爽「この炎天下の中そんなもん欲しがんのはあんただけだよ」


一通「で、あるのかないのか」


美爽「ないよ、これで我慢しな」:スポドリ


一通「しかたねェなァ〜」ゴクゴク


美爽「……ねえ、あんた何にでんの」


一通「ンー、騎馬戦と借り物と棒倒し」


美爽「・・・・・・ふーーん、そうなんだ」


一通「・・・・・・なんだよ」


美爽「べっっっつにぃ~~」


美爽「あ、ほら上条たちが走るみたいだよ」



黄泉川「それじゃあ、各選手位置について」


上条「浜面~適当に頑張れよなぁ」


浜面「ま、ぼちぼちやりますかな」サッ


黄泉川「よーい、走れぇぇぇぇぇ! 」バァァン! 


上条「うぉ! うるさ! 」


浜面「(こんなん、かるーくトップだぜ)」タタタタッ


上条「・・・・・・ん? 」




美琴「ね、ねえあれ」


垣根「ん? どうした御坂、浜面が開始早々こけて酷い顔がもっと酷くなったか? 」


滝壺「有情破顔拳! 」バキャァァ! 


垣根「あひぃぃぃぃ~」イタキモチイイ~


滝壺「で? 浜面がどうしたの? 」


美琴「うん、なんかね」


美琴「全然前に進んでないのよ、全員」




浜面「な、なんなんだよこりゃぁ~!! 」


上条「浜面達の走ってるレーンが、浜面達とは逆に動いてる! まるでこれじゃあ巨大ランニングマシーンだ! 」


黄泉川「上条正解じゃん、実はこの競技場のレーン全体が、コンベアー式になってる! 」


「「「「「「「えええええええええ~~~~~~」」」」」」


黄泉川「全員分かったことで、早くゴールするじゃん」


浜面「したくても全然前に進んでねえんですけど! 」


黄泉川「そこは、日頃の訓練、もとい体育の成果を出すじゃんよ」


浜面「んな無茶言うな! 」


上条「浜面! レーンが動いてるのなら、レーン以外の所を走ればいいんだよ! 」


浜面「そ、そうか! それならいけ」


黄泉川「言っておくが、レーン以外の所走ったら失格じゃん」


上条「・・・・・・・・・・・・」


浜面「・・・・・・・・・・・・」


上浜「「ちっくしょーーーーー!! 」」




垣根「おーおー、叫んどるな」


絹旗「超凄いですね、去年はこんな仕掛けなかったですよね」


美琴「どうせ理事長の思いつきでしょうけどね」




一通「うわァ、暑苦しいのがさらに暑苦しいことやってやがるぜ」


美爽「その点、あなたは涼しそうですこと」


一通「これも文明の力だな。俺はあっちの原人とは出来が違うンですゥ〜」


美爽「まぁ確かに違うわな。こんなアルビノモヤシ」


一通「はァ? 誰がアルビノ貧弱モヤシだよ! 見ろ、この健康的な肌を! 」


美爽「白すぎて、むしろ不健康極まりだろ」



〜〜〜お昼〜〜〜


上条「いや〜ようやく終わった」


土御門「まだ午前だけだけどな」


垣根「それより飯だ! 屋台出てるから、行ってみよーぜ」


浜面「あれ? そいえばアクセラレータは? 」


垣根「どうせ救護室でイチャコラしてるだろうぜ。あんなモヤシは置いて行くぞヤローども!」


美琴「一応、私たちもいるのだけでども」


絹旗「まったくです、こんなプリティーなJCを野郎共なんかと超一緒にして欲しくないですね」


フレンダ「そうよ、もっとレディーと扱って欲しいわけよ」


垣根「レディ〜だぁぁ? 」チラッ


美琴「」ストン


絹旗「」ゼッペキ


フレンダ「」ヤセタダイチ


垣根「ははは、せめてあと二段階は成長してくるんだな! あべしぃぃいぃ!!」


絹旗「今すごい悪意を超感じました」


フレンダ「結局、私たちはまだ発展途上なのよね」


美琴「……」ペタペタ


美琴「……うん! 大丈夫! ママもお姉ちゃんも大きいから、私も大丈夫なはずよ! 」




〜〜〜屋台エリア〜〜〜


ガヤガヤガヤガヤ


上条「おお、中々の賑わいぶりじゃねえか」


土御門「にゃぁ〜、毎年こんなもんぜよ」


青ピ「ええ匂いばっかで、目移りしてまうなぁ」


美琴「見てみて! クレープ売ってる」


絹旗「超美味しそうです! さっそく買いましょう」


フレンダ「いやいや、普通デザートは最後でしょ」


イラッシャーイ、オイシイオイシイナポリタンダヨー


上条「え? 屋台でナポリタン? 」


土御門「なかなか面白そうぜよ」


「お、そこのお兄さん方、どうだいうちの鉄板ナポリタンは絶品だよ! 」


上条「そうだな、せっかくだしもらおーかな」


土御門「俺もー! 」


青ピ「僕もや〜! 」


「毎度〜! 鉄ナポ三つ入ったよ〜」


「はーい」


「まず最初はオリーブオイルをケチケチしな〜い」ドバドバ


「具材は肉から火を通して、いい色着いたら今朝取れた卵を投入してトロトロになるくらい混ぜる」


「そしてうちの秘伝のトマトペースト」


「パスタあがりまーす」


「最後に、パスタの茹で上がりに合わせて〜」


「あいよ、ナポリタン三丁お待ちー! 」


上条「おお早い! 無駄がなかった」


土御門「うまそうだにぁ〜」


上土青「「「いただきまーす」」」


上条「・・・・・・・・・・・・・」


土御門「・・・・・・・・・・・・」


青ピ「・・・・・・・・・・・・・・」


「どーよどーよ? うちの鉄板ナポリタンは」


上土青「「「う、美味い!! 」」」


青ピ「な、なんなんや! この美味さは! いままで上やんが作ったパスタが一番やったけど、これは正直それを上回ってるで! 」


土御門「あんなにオリーブオイルを使ったにも関わらず、それ程しつこくなく、トマトペーストと最高の味わいを醸し出してるぜよ! 」


上条「ふわっふわの卵、濃すぎず薄すぎないトマトペースト、ジューシーかつオイルがしつこくない肉、そして最高のパスタ! これは屋台で出すレベルを超えてやがる! 」


「い、いや~そこまで絶賛されると、逆に照れちまうよ」


上条「いやいや! まじで美味いって! 正直俺じゃここまでのは作れないよ」


青ピ「ワイ、これが高級イタリアンの料理って言われても納得するわ」


土御門「こんな美味いパスタを作れるおねーさん、是非お名前を! 」


「へへへ、そんな人様に名乗るほどのもんじゃないけど、皆はあたしをぺパロニねぇさんって呼ぶぜ」


上条「ペパロニ姉さん」


青ピ「僕ファンになっちゃったわ」


土御門「ここのこと、皆にも言っておくにゃ! 」


垣根「ん? なんだよお前らこんな所にいたのかよ」


上条「おお! 垣根ここのパスタ食べてみろよ、信じられないくらい美味しいぞ! 」


垣根「ほおぉ? 上条がそこまで押すとはな、どれ俺も食べてみようかな、お姉さん俺にも同じものを」


ぺパ「あいよー! 毎度あり! 」


土御門「他のメンツはどうしたんだにゃ? 」


垣根「女子連中が甘味巡り始めだして浜面置いて逃げてきた」


青ピ「ああ~それはしょうがないなw」


ぺパ「はいよーイケメンのお兄さん、鉄板ナポリタン一丁! 」


垣根「来た来た! どれどれ」モグモグ


垣根「・・・・・・・・・・・・」


上条「どうよ? 」


垣根「お姉さん」


ぺパ「ん? どうかしたかい」


垣根「将来自分の店を持ってみないか? 」


ぺパ「はぁぁぁ? 」


上条「ちょwwおまえ話し飛ばしすぎだろ」


垣根「どうなんだよ、正直な気持ち」


ぺパ「ん~いや、いきなりそんなこと言われてもな、自分の店か」


垣根「お姉さんがその気があるなら、垣根グループは全面バックアップするぜ。約束する」


ぺパ「ん~~~~~、わかんない! 」


垣根「・・・・・・わかんない? 」


ぺパ「そう、それが今のあたしの正直な気持ちだよ」


垣根「・・・・・・オーケー、じゃあ気が変わったらいつでもこの番号にかけてきてくれ、相談に乗るぜ」メイシダス


ぺパ「ま、気が向いたらかけるよ」


垣根「上条、俺は先に席に戻ってるぜ」モグモグ


上条「お、おう」


青ピ「なんや、話があさっての方向過ぎて付いてイケんわ」


土御門「あの垣根が、見たこともないくらいマジメな顔してたにゃ」


ピーンポーンパーンポーン


初春『体育祭実行委員会からお知らせです、この後も日差しが強く、みなさん脱水症には気を付けってちょちょっと、なんですか垣根さん! 放送室に勝手に入ってこないでください! 』


上条「は? 垣根」


土御門「あいつはなにやってるにゃ」


垣根『あーあー、今紹介に預かった学園一のイケメンこと垣根 帝督だ』


青ピ「いやいや、自分で学園一って」


垣根『ちょっっっとこの時間を借りてお前らに言いたいことがある! いいかお前ら、いますぐ屋台エリアにある鉄板ナポリタンを食え』


上条「ぶっ! 」


土御門「あいつどうした? ここの料理美味すぎてついに壊れたか」


青ピ「それか暑さにやられたかやね」


垣根『そこのナポリタンはお世辞抜きに美味い、上条の作ったパスタより正直美味い! 寮住まいのお前らならわかるはずだ、上条の料理は一級品だ。が、そこのパスタに限って言えば上条より何枚も上手だ。この俺と、垣根グループの名に懸けて言うぜ。お前ら! 今すぐそこのパスタを食べてみろ! 』


上条「なんともはや」


土御門「なんて大々的な宣伝だ」


青ピ「それに、効果はてきめんみたいやしね」チラッ


「おい、ここだろ、さっき放送でいってたの」


「ああ、あの垣根が押すんだから本物だろうな」


「お姉さん、こっち鉄板ナポリタン三つね」


「こっちは五つお願い! 」


ワイワイワイワイ、ガヤガヤガヤガヤ


上条「垣根の宣伝、効果あり過ぎるだろ!! 」


土御門「仕方ないにゃ! よくも悪くもあいつもこの学園じゃ顔がきくそうだにゃ」


青ピ「その垣根君がここまでして宣伝したんや、そらみんな興味もつわ! 」


ぺパ「は、はいはいはいはい! 少々まっててくださいよぉ~」


上条「す、すげぇ、ものの数分で超満員だ」


土御門「こりゃ早く退いて席に戻るかにゃぁ」


青ピ「せやな、あと飲み物でも買って戻ろうや」


上条「じゃあペパロニさん、頑張ってください! 」


ペパ「あいよー! 兄さん達も残り種目がんばんなー! 」




美琴「あ、帰ってきた」


フレンダ「結局、あんた達は何食べてきたの? 」


上条「ん? 垣根も宣伝してた鉄板ナポリタンだよ」


絹旗「おお、ここにもあの宣伝に踊らさせて食べに行った人達が超いやがりますよ」


土御門「そいつは間違ってるぜ、あいつが宣伝する前から俺たちはあの店で既に食事済みだにゃ」


青ピ「むしろ垣根君に教えてあげたの僕らやし」


美冬「つまりあいつは、教えてもらったにも関わらず、さも自分が見つけて食した様な言い方をして、群衆を惑わかしたんですね」


上条「いや、惑わすって」


美琴「まぁそんなに強く言わなくていいんじゃない? 垣根も善意であそこまでの宣伝してあげたんだろうし」


浜面「確かにあれには驚いた」


絹旗「そういえば、その当の本人である垣根は超どこに行ったんんですか」


上条「さぁな、また違う店を食べ歩いてんじゃないのか」


美冬「いないと言えば美爽お姉様ともやしはまだ給水所でしょうか」


浜面「あいつ結局午前中もずっと給水所にいたな」


土御門「なぁに、心配するなよ、午後になったらイヤでも出てくることになってるんだからよ」


青ピ「せやで、何と言っても午後こそが本番みたいなもんやし」


絹旗「今頃救護班は超大急ぎで手当ての準備をしていることでしょうね」




ピーンポーンパーンポーン


初春『皆様お待たせいたしました、ただいまよりとある学園午後の部・乱を開始いたします』


ウォォォォォォォォォ! キタゼェェェェェェ!!


佐天『では午後の部最初のプログラム、借り物競争を開始いたします』




上条「お、確かこれ一通が出るやつだぜ」


浜面「おぉ、あいつはどんなに人がいようと上から見たら一発でわかるな」


一通「ハァァァァ」ボ~


絹旗「超超やる気な下げですな」


美琴「ま、あいつはこのてのイベントは消極的だしね」




黄泉川「えールールを説明するじゃん、トラックの半周、つまり六百メートルあるが、その二百メートル毎にお題を書かれた紙が置いてあるから、そのお題あった物を用意して係りの者に見せてOKを貰えば次に進んでいいじゃん」


黄泉川「各人健闘を祈るじゃん! 」


「「「???」」」


一通「(黄泉川がこう言うッてことは、なンかあンな)」



佐天『さーさ、始まりますよ! 学園名物の一つ、大人数による借り物競争! なにしろこの種目、小中高まとめてなのでとにかく人が多い! 』


初春『500人いますからねぇ』


佐天『いやぁ~多い! うちの学校人多すぎですよw 実行員の人、あのお題の紙一つ一つ手書きなんだよね、友達が言ってたけど』


初春『へぇ~それは大変でしたね』


佐天『そして今回から、この放送ブースにゲストを招いていきます! 最初はこの人! お昼の放送でもやらかしてくれちゃいました! 自称学園一のイケメルヘン王子、垣根帝督さんでーす! 』


垣根『いえーい! お前ら! 燃えてるかぁ! お前らの垣根さんがここにいるぞー! 』


佐天『いやーテンション高いですねー! 』


垣根『そりゃそうだろ~、うちの祭りは午後からが本番だ! 午前中なんて準備運動だぜ』


佐天『さて、そんな期待の高まる午後一発目は借り物競争なんですが、これはどう見ますか垣根さん? 』


垣根『まぁぶっちゃけ、お題次第だな』


佐天『と、言うと? 』


垣根『簡単なものだといいんだが、難しい物、例えばデカい物とかだとそれだけ持ってくるだけで時間がかかるだろ』


佐天『ほぉぉ』


垣根『過去には何回か理事長をビーカーごと台車で運んで持ってきた奴もいる』


佐天『そういえば確か、去年にもいましたね、しかも三人ががりで』


垣根『偶然にも三人のお題にあったのがよかったな、一人だと大変だったな』


佐天『さぁ! そんな色々大変そうな借り物競争! いよいよスタートです! 』




黄泉川「よーーい、スタート!」


バァァァァァン! 


ウァァァァァァァ! 


佐天『さぁ各人一斉にスタート! さあこの中の誰が一番にゴールするのでしょうか! 』


一通「はァ、みなさンごくろうなこッた」トコトコトコ


一通「こうゆうのはな、以外と最後の方がよかったりすンだよ」



上条「早速歩いてるぞあいつ」


美琴「やる気ってものが微塵もないわね」


美春「あ! お姉様たち見つけた! 」


フレメア「にゃあ、おねえちゃんみっけ」


美冬「おや、お友達の所はいいのですか? 」


美春「うん! 午後はお姉様たちといたい! 」


美琴「そうなの、じゃあ一緒に見てましょ」ナデナデ


美春「はーい! 」



一通「やれやれ、やっと着いたぜ、さァて最後に残ったお題はなンだ? 」ガサゴソ


「海の食材」


一通「やりィ、楽勝だぜ」ニヤァ


一通「えーっと」キョロキョロ



土御門「とったと思ったら周り見だしたぜよ」


青ピ「誰か探してるんやない? 」


上条「……なんかこっち見てねえか」


一通「」クイクイ


土御門「誰か呼んでるみたいぜよ」


青ピ「ぼく? 」ジブンユビサシ


一通「」チガウチガウ


一通「」ソノヨコユビサシ


上条「もしかして、上条さんですか? 」


青ピ「ぼくの横にいるのは君か土御門のどっちかやろけど」


土御門「あれは明らかに上やんを指差してるぜ」


上条「いきなりのご指名ですか、仕方ないな」スクッ


美琴「頑張ってね〜」


美冬「せいぜい転ばない様に気をつけてくださいね」




上条「で、この上条さんにご用ですか」


一通「その通りだ、いいから一緒に来い」


上条「やれやれ、んでお題にはなんて書いてあったんだ? 」


一通「……友人の中で頼りになるやつ」


上条「はぁ? それでお前俺を選んだのか」


一通「そうだが、なンか問題あッか? 」


上条「い、いやあ正直驚きが隠せないんですけども、まさかお前にそんな風に思われてたなんて」


一通「何言ってやがる、俺たちはダチだろうが」フッ


一通「お前のこと、結構しンらいしてンだぜ」


上条「一、一方通行ぉ」ウルッ


一通「(ま、ウソ8割の冗談2割くらいだけどな、ほンらいのお題だとぜっていゴネるだろうしな)」




初春『どうやら、はやくも一組第一のお題を持っていきましたね』


佐天『しかも来たのは垣根さんと同じくヘプタゴンの一方通行先輩と上条当麻先輩のようです』


初春『一体お題は何ですかね、上条先輩を引き連れてきたってことは、料理が上手な人とかですかね』


垣根『わかんねえぞ、意外と将来女に刺されそうな奴ってお題かもw』


初春『それなら垣根さんが呼ばれそうですけどよ』


垣根『残念だったな、俺は既に未遂が何件かあるからそのお題なら呼ばれないな』ハハハ


初春『それは残念です、(刺されればよかったのに)』ボソッ


垣根『聞こえたぞぉ、お前そんなにおれに刺されて欲しかったのか?』


初春『はい、出来ればメッタ刺しにされて欲しかったです』ニッコリ


垣根『こいつぅ〜、前々からおれの扱いが雑だと思っていたが、そこまでおれが嫌いか!』


初春『え? 垣根さんを好きな人なんて地球人類に存在するんですか』


垣根『そ、そこまで言うか』ブチッ


垣根『いいぜ、この垣根帝督の恐ろしさをみせてやるぜ! くらえメルヘンパンチ! 』


初春「ふっ、はぁぁ!」 ブチャァァ


垣根『がぁ! そ、その技は』


初春『陸奥圓明流、浮嶽(ふがく)』


初春『そっちからやってきたので、カウンターとしては楽でしたよ。本当は牙斬にしたかったですけど、佐天さんの前だったので流血が多い技はやめておきました』


垣根『ふ、不覚』ガクッ


佐天『さぁ。実況席の決闘も終わったところで、現場はどう動くのか!』



吹寄「ん? まさかあんた達がトップで来るとはね」


上条「よお吹寄、お前そう言えば実行委員だったな」


吹寄「そうよ、私だってこの大量のお題を書いた一人なんだから」


一上「「ごくろーさまでーす」」


吹寄「それで、肝心のお題を書いた紙は? 」


一通「ン」


吹寄「どれどれ……あんたこの内容でよく一緒に来たわね」


上条「仕方ないだろ、一方通行の、ダチの頼みなんだからよ」フフッ


吹寄「(また上手く騙されてるわね)まぁ、いいでしょ合格よ、じゃあ次のお題をとって」


一通「おお」ドレニスッカナ


一通「ンじゃこれ」ガサゴソ


「夏」


上条「アバウトすぎだろ‼︎ 」


一通「なンだこりャあ、カレンダーでももッてこいッてか」


吹寄「さあね、それは次の委員の子の判断に任せるわ」


上条「夏、夏っぽいものとか? もうすぐ初秋だってこの時期に」


一通「いッそのことケータイのカレンダーの八月だけ見したらダメか」


上条「い、いやぁそれは流石に手を抜きすぎじゃあありませんか? 」


一通「夏ッ…夏ッ…‼︎ おい、今すぐ美春のやつ連れて来い」


上条「は? 何言ってんですか一方通行さん、お題は夏ですのよ、春じゃねえぞ」


一通「いいから連れて来い、あっちがトンチみてェなお題だったらこっちは正攻法でいッてやらァ」




美春「呼ばれて来たよ! 美春だよーって元気に挨拶してみる」


一通「よし、これでオーケーだ」


上条「何を考えてんだ、おまえは? 」


一通「なァに簡単なことだ、こいつが答えってだけだよ」


上条「はい? 」


一通「説明メンドーだから、向こうでしてやる」



佐天『さあさあ、トップを走る一方通行先輩一行は、今度は学園でも有名な御坂四姉妹の末妹・美春ちゃんを引き入れました』


初春『これは、また訳がわからない感じになってきましたね。律儀に上条先輩も付いてきてるし』




海原「おや、予想外の人が一着できましたね」


一上「「だまれストーカー」」


海原「ひどい言い草ですね、一応これでも先輩なんですよ僕」


一通「同級生の妹につきまっとって、あまつさえ待ち伏せまがいの行為を繰り返す奴をせンパイとはみとめませーン」


上条「そうだそうだ、おかげで美琴は胃に穴が開きかけたんだぞ」


美春「そういえば美琴おねーさま、一時期内科に通院してたかも! って美春は思い返してみる」


海原「そうでしたか、でしたら今度お見舞いがてら胃に優しいものでも」


一通「あいつにとっての最高の痛目止めだったら、お前がこンご俺たちの前に出て来なければ済む話だ」


海原「ははは、善処しときましょう。それでお題の方は」


一通「ン」オダイノカミワタシ


海原「どれどれ……ええっと、すいません、これ僕の見間違えじゃなきゃ『夏』って書いてあるんですけど」


一通「みたまンまだ」


海原「ですが、あなたが連れてこられたのは、御坂四姉妹の末妹の美春さんですよね? どこに夏が? 」


一通「ふっ、仕方ねえェな、バカ共にもわかりやすく説明してやるよ」


海原「ええ、是非とも」


上条「(え、上条さんもさらっとバカのカテゴリーにはいてるんでせうが、まぁ実際知らないけど)」


一通「いいか、主に俺たちが夏ってさすのは7から9月までの三ヶ月だ」


海原「まぁ、それが普通ですね」


一通「だがな、それは太陽暦での話なンだよ」


上条「⁇太陽暦? 」


海原「……なるほど、陰暦ですね」


一通「せーかい」


美春「⁇ ねーねー、太陽暦とか陰暦とか、よくわかんないんだけど」


上条「安心しろ、上条さんにもさっぱりわかんないからな」


一通「つまりだ、太陽暦ってのは俺たちが今まで見てきたカレンダーとかも暦で、陰暦ってのはまた少し違った暦の見方ってところだ」


海原「陰暦によれば、夏は4月から6月とされているんです。そして日本における4月の上旬は春、つまり」


美春「私のことなんだね! 」


海原「ええっその通りですよ」ニコッ


一通「で、はンていはどうなンだよ」


海原「はい、いいですよ合格です。次のお題をこの箱から取ってください」サッ


一通「ン」ガサゴソガサゴソ、ピラ


『大好きなあの人えの気持ち』


上条「なんじゃこりゃあ! 」


美春「な、なんかこの紙の通りにすると、告白する流れみたいだよね! って美春はちょっと胸をワクワクさせてみる」


一通「こ、こりゃなンて遺ごン状だぁ」フルフル


海原「さぁさぁ、早くお題のモノを持ってゴールしないと、他の人に先起こされますよ」ニコニコ


上条「と、とりあえず移動するか


一通「けどよぉ、どおする。そこらへンのカップル捕まえて公開告白させるか」


上条「んん〜さすがにそれは酷ってもんだろぉ」


美春「(おねえさまの誰かをここに連れてくればって思ったけど、上のお姉様二人は絶対無理そうだしここは)」


美春「ここは、美春に任して欲しいかもって、美春は元気に挙手してみる! 」ハーイ!


上条「ええ、美春には心当たりがあるのか」


美春「うん、こういった事でも動じない子が一人いるかも! 」


一通「‥‥‥…まかせていいか?」


美春「うん! たまには私が二人の役にたつよ! ちょっと待っててね! 」


上条「あいつ、いい子だなぁ」ジ〜ン


一通「ああ、とてもあの性格の悪い上さンにンの妹とは思えねえくらいだな」


上条「おいおい、あいつらに聞かれたら大変だぞ」


一通「はっ! このクソうるせえ中だ、俺たちの声なンてかき消されてるぜ」


美冬「ですが後ろで聞いていたら、流石によく聞こえますよ? と、美冬は答えます」


上条「おおう⁉︎ ビックリした! 」


美春「連れてきたよ! 美冬お姉様だよ」


一通「ンなもン見りゃわかる、なンでこいつなンだ」


上条「ま、まぁたしかに美冬だったらできるかもな」


美冬「なんだか褒められているのかそうでないのかよくわからない会話ですね、と、美冬は安易に早く要件を言えと催促します」


上条「って、知らずにここまで引っ張ってきたのかよ! 」


美春「時間がもったいないかなぁ〜って、てへっ♫」


美冬「それで要件は」


一通「ここに書いてある」サッ


美冬「拝見します……なんですかこの女子会の王様ゲームでやらされるような命令は? と、美冬は呆れ半分に聞いてみます」


上条「と、言われましても引いたのは一方通行なわけでして」チラッ


美冬「まぁ、そこのヘタレモヤシが出来ていれば私がここにくることもなかったんですよね、わかりましたいいですよ」


上条「まじか! 」


美冬「まあ見ていてください、美冬の中で世紀の大告白をしてやりますよ」フフッ



初春『ダントツトップの一方通行先輩グループ、美春ちゃんが走っていったと思ったら、今度は上の姉さんである美琴さんを連れてきました』


佐天『え、あれは美冬ちゃんでしょ?』


初春『う〜ん、正直近くで見て見ないと、あの二人って区別が難しいんですよね』


佐天『仲良し御坂四姉妹は皆さん顔がソックリですからね! 』


垣根『いや、見分ける方法ならあるぞ』


佐天『おっと、ここで序盤で初春にやられたはずの垣根さんが復活しました。その見分ける方法とは? 』


垣根『まあ見た通り、あの双子は双子なだけあってほとんどクリソツだ、後ろ姿だけなら判別不可能だ』


垣根『だが、あの二人は正面から見ると』


佐天『見ると? 』


垣根『妹の美冬の方が、胸がわずかにデカくてウエストがわずかに細っごへぇぼぉ‼︎ 』


美琴『な、なんであんたがそんな事知ってるのよ! 』


垣根『た、確かな(海原からの)情報筋だ』


美琴『そ、それにわずかっていっても本当に誤差範囲なんだから! 実際には私と変わらないはず‼︎ 』


垣根『美琴、現実を見ろぉ』


美琴『嘘ダァぁぁぁぁぁぁぁぁ‼︎ 』




上条「なんだか、御坂が実況席で叫んでるみたいだけど」


美冬「きっと知ってはいけない真実を目の当たりにしてしまったのでしょうと、美冬は勝ち誇った笑みを浮かべます」ニヤニヤ


姫神「早い、しかも来たのがあなた達とは意外」


上条「姫神も委員だったのか」


姫神「そう、私も体育祭実行委員」エッヘン


姫神「お題の紙を」


一通「ン」


姫神「拝見……上条くん達当たりを引いたんだね」


上条「あたり?」


姫神「そう、大当たり、はいこれ持って」;マイク×2


上条「なぜにマイクを?」


姫神「今からこれで、全校生徒に向かって、このお題の気持ちを叫んでもらいます」


上条「それで何故マイクが二本なんだ? 」


姫神「それはおいおいわかる」


上条「?? 」


美冬『あーあーテストテスト、お姉様のパジャマはゲコ太柄の黄色いパジャマ』


ハハハハハハハハ


美冬『それではこれより借り物競走のお題である「大好きなあの人えの気持ち」を言います』


ヒューヒュー! カッコイイ〜!


美冬『ご声援感謝感激雨あられです、美冬が大好きなのは、上条当麻先輩です』


上条「えっ! おれ⁉︎ 」


美冬『そうです、あなたと会ってから、あなたを見る度に幸せな気持ちになれるのです』


美冬『あなたの作ってくれたご飯を食べる度に、心が満たされていく気持ちになります』


美冬『この感じは、お姉様達や妹と一緒にいる時とは違うものです』


美冬『友達といる時とも違う感情、これが恋だと気づいたのはついこの前のことです』


美冬『憶えていますか、ゴールデンウィークに入ってすぐ、美冬が近所の猫にエサをあげていた時です』


上条「あ、ああ何となく憶えてる」


美冬『あの時あなたは、お皿に魚の乗せてきてくれて、一緒に猫が食べているの見ていましたね』


美冬『食べ終わった猫を、あなたは撫でようとしておもいっきり引っ掻かれたんですよね』


上条「う、憶えてる」


美冬『あなたはそれに対して怒るわけでもなく、いつものように不幸だと言って泣いていました』


美冬『美冬がそれに対して、あなたには私が付いているからそんなことないって言ったら』


美冬『あなたは笑いながら、頭を撫でてくれましたね』


上条「そ、そんなことしましたかな? 」


美冬『はい、しっかりと、だけど優しく撫でてくれました』


美冬『美冬は撫でてくれたあなたの笑った顔を見た時、心臓の鼓動が早くなるのがわかりました』


美冬『そしてあなたがその場を去った時、なんとも言えない寂しさを感じました』


美冬『そしてわかったのです、これが恋なんだと』


美冬『協定があるのは知ってます、けど美冬はここぞとばかりにチャンスを生かします』


美冬『私は、美冬は』




『上条当麻が、大好きです』




シーーーーン


上条『え、え〜と、そのぉぉ』


一通「おい上条、返事はきちンとしてやれよ」


上条「一方通行……」


一通「それが漢としてのケジメだろ」


上条「………わかった」


美春「な、なんだかあなたがとってもカッコよく見えるんだけど! って美春は美春は驚愕してみる! 」


一通「…………うっせェ」


上条『あ、ああ御坂妹よ』


美冬『はい』


上条『まずは礼を言わしてくれ、こんな俺のことを好きだと言ってもらえてすげえ嬉しいよ』


上条『正直なところ、なんて言っていいか俺自身よくわかってないんだ』


上条『お前の勇気ある告白を、おれはすごい尊敬するよ』


上条『だからこそ、安易に返事ができない』


美冬『まぁ、美冬としても突然連れて来られて、いきなり愛の告白してくれって言われて少し焦りましたけどね』


上条『でも、お前は真剣に答えてくれたから、俺も真剣に応えようと思う』


上条『だから頼む、俺にもう少し時間をください』ペコッ


美冬『……具体的にはどれほどかかりそうですか』


上条『こ、今年中にはなんとか返事しようかと思ってます』


美冬『……わかりました、では今年中まで待っててあげます、ですので印をください』


上条『なんだ、一筆書いて欲しいのか?』


美冬『いえ、印は』ホッペ二チュッ


上条『ホヘェ⁉︎ な、何をするんでう////』


美冬『流石に口は勘弁してあげましょう、これで逃げられませんよ』ニヤッ


美春「お、おー! 美冬お姉様大胆ですなぁ! 」


一通「……ま、これで二人とも忙しくなるだろうな」


姫神「…………影が、薄い」



佐天『いやぁぁぁ、借り物競争での公開告白、皆さん見入ってましたね』


初春『そうですねぇ、他の参加者の皆さんも自分のこと忘れて見てましたもんね〜』


佐天『さて、借り物競争は一方通行先輩が堂々の一着でゴール、他の参加者の皆さんも続々ゴールしています』


初春『これで午後の残りの競技は、男子と女子の棒倒しと騎馬戦、以上4つになります』


垣根『後半に続く! 』





後書き

はい…………大変遅筆で申し訳ないです、本当はこの回だけで体育祭終わらせる予定だったのですが、ちょっと予想以上にネタが出てきてしまったので、前後編に分けることにしました。
御坂妹可愛いですよねぇ〜、そして遅ばせながら、禁書三期おめでとう!


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