2018-01-26 20:38:23 更新

概要

映画 「君の名は。」リバイバル上映!!   それにビビッドに反応した○○瀧君と××三葉さんのやり取り。大いにネタバレ/解析厨視線で書かれています。


前書き

絶賛「君の名は。」ロスに苛まれている皆さん、こん○○わ!
私自身が解析厨であり、この作品の【真の姿】に迫ろうとしたときに、避けて通れなかったのが、「歴史は書き変わったのかそれともそうではないのか」という視点でした。
そして、私はとある一シーン(作品の中でしつこく言及しています)を見た時に、自身の仮説が正しく、「歴史は書き変わっていない」という結論を導くことに成功しました。
「えぇ、そんなわけないよぉ」「三葉を死なせないように尽力したのが真実じゃないのか?」などのご意見もあろうかと思いますが、ここでは、解析厨の○○瀧君に語らせることで、「画面の三葉は一度死んでいる」と信じている××三葉さんをどう説得するのか、を中心に描いています。
ネタバレは当然のことですが、当方の持論がもとになっているため、世間一般の解釈・解析結果と相違している可能性は大いにあります。「作者の一意見」が下敷きになっていることを配慮していただいて読み進めていただければ幸いです。
発想は、「自分の解析結果をどのように知らしめるか」というところから入り、二人のダイアローグ中心で構成すると決定。主人公の名前を瀧と三葉にしたのは、まあ、あの作品にに出ていた彼ら、と受け取ってもいいし、別人と考えてもらってもいいようにしてあるだけで太郎と花子でもよかったっちゃあ、よかった話です。
製作は実質10日ほど。2017/6/8、関西圏で最後の劇場が終焉を迎える一日前にUPさせて頂きました。
改訂履歴
2017/6/8  第一版 上梓(11314字)
2017/8/5  DVD/BD発売にともなう、映像の修正を勘案した記述に調整。
        さらに推敲/修正などを加える(11526字)。
2018/1/26 予告編に関わる部分を大幅改定。これで一応の完成とする(12128字)


瀧 「いやあ、あの作品だけは、何度見ても泣かされるわぁ。「君の名は。」」

三葉 「それって、あたしたちのことじゃ、ないよね?」

瀧 「そ、そんな事あるわけないじゃん、あれは、立花瀧君と宮水三葉さんのラブロマンスだし…」

三葉 「まあ、私的には、そこまでボロボロ泣ける作品じゃないけどね」


瀧 「ほほぉ、あの感動作がお気に召さないと」

三葉 「だいたい、あの予告編、ラブコメ要素しか映してなかったじゃん」

瀧 「ああ、最初に出した予告編かぁ。あのまま別の予告編も出さず、突っ走ってたら、ここまでヒットしたかどうか、わからないところだよね」

三葉 「それは私もそう思った。ラブコメ的にしか見えなかったし、あの悲劇的な展開を見せることはこれっぽッチもわからなかったし」

瀧 「「来世は東京のイケメン男子にしてくださぁぃ」とか、なんて間抜けた人なんだろう、とは思ったね」

三葉 「私が同じ局面でも、そこまでのことは言わないと思うわ。いくら東京に行きたいって思ったってね」

瀧 「でも、その後に作った予告編は、重たい雰囲気も感じられる、作品がよくわかる予告編にしてあったよな」

三葉 「私自身は連れていかれてみた口だったけど、この予告編を見た友人に「行こうっ」て誘われたんだよね」

瀧 「だから映画の予告編ってめちゃくちゃ重要だと思うんだよな。見せ方、切り取り方で見たいと思わせられるかどうかが決まってしまう」

三葉 「それでも私的にはあんまり響かなかったのも事実なんだよな」

瀧 「それはそうと、あの映画、何回見た?」

三葉 「え、2回だけど、それが何か?」

瀧 「この作品って、2回目までですべてが手の内に入るように仕組まれている作品なんだよ。だから、3回目にすべてが繋がって泣ける作品に仕上がっているんだよ」

三葉 「ああ、消化不良って言うか、お腹いっぱいになっちゃったから3回目は行かなかったけど、そこまでやってたら、私も瀧くんくらいに凄いリピーターになってたかもしれないってことなのかな?」

瀧 「その可能性は十分あるね。俺ですら30回は観に行ってんだから」

三葉 「ええ?30回?凄いけど、巷では何か、3桁鑑賞した人もいるらしいよね」

瀧 「500回近い人がいるって聞いたときに、俺は卒倒しかけたけどね」

三葉 「ほんとにそんな人、いるの?いるとしたら、監督さんから直々になんかもらってもいいレベルよね」


瀧 「まあ三葉さんも2回は観に行っているわけだけど、この作品は何回も観てすべてが手の内に入っている人にしてみれば良くできた話だなって思うわけですよ」

三葉 「え?どのあたりが?」

瀧 「あの彗星天体ショーのシーンが特にそうだね」

三葉 「オープニングもなかなか綺麗だったけど、それも関係あるの?」

瀧 「ああ、大あり。オープニングって、彗星の破片が落ちてくるところを映すわけだけど、糸守の町って電気ついてたよね?」

三葉 「そうだったかしら?」

瀧 「そうなんだよ。実際はラストシーンのように、停電して落ちてくるのが正しいんだよね」

三葉 「でも、これって、登場人物みんなで歴史を変えたからオープニングを否定できたってことでいいんじゃないの?」

瀧 「普通はね。「ああ、歴史は書き変わったんだ」って思う人が大半だと思う」

三葉 「じゃあ瀧くんは、「あのオープニングは間違っている」とでも言いたいわけ? 」

瀧 「間違っている、というのはちょっと違うなぁ…「正しくない」と言った方がいいかな?」

三葉 「それって言い方が違うだけなんですけど…」

瀧 「でも、このストーリーが、タイムリープが主題にないことくらいはわかってくれるだろ?だから、歴史が変化した、は都合よすぎるんだよ」

三葉 「都合よすぎる、ね…それは何となく理解できるわ」

瀧 「で、俺はいろいろと思い返してみたんだ。推理ものの小説にしたって、ラストから読み進めれば真犯人はわかってしまうけど、そこに至る経緯がわかりやすくなるって言う手法を使ってストーリーを分析しようと思ったんだ」

三葉 「たいてい、あの手の小説って、ラストから話しを膨らませてるって聞いたことあるし」

瀧 「で、同じことが「君の名は。」で言えば、2013.10.4に誰も死なないっていうことが"確定"するタイミングだって気がつくんだよ」

三葉 「ふんふん。なんか面白くなってきたわね。続けてくれる?」

瀧 「画面の瀧くん、2013年の事故の後のwebニュースを見ていただろ?その時のケータイは、2013年に売られていたiPhone。要するに2016年に見ていたわけではないってことなんだよ」

三葉 「いま、敢えて2016年に見ていないって言ったのは、歴史を上書きしていないってことが言いたかったのね」

瀧 「まあ、それもあるね。ところで、あのとき2013年の瀧くんが見ていたニュースの内容、覚えてる?」

三葉 「なんだっけ?」

瀧 「変電所で事故が起こって停電していたっていう内容の記事だっただろ」

三葉 「そうなんだ」

瀧 「ていうことはどういうことか?」

三葉 「まだ要領を得ないんですけど…あ、あれ?」

瀧 「ほら、だんだんおかしいことに気が付くだろ?映像では電気が付いているのにニュース記事では停電していることになっている…これってどういうことか?」

三葉 「何か、ちょっと聞きたくないなぁ…」

瀧 「映画の中で、三葉たちが演じた歴史が正解で、それ以外は間違いだってことなんだよ」

三葉 「歴史に正解とか間違いとか、あるってこと?まだよくわかんないなあ。わかるように説明してもらえる?」

瀧 「それじゃあ説明していくよ。まず、ぼくの中では、この映画ではそもそも三葉をはじめ、町の人はだれ一人死んでいないラストシーンにつながる部分が正しい、それしか事実はないって思っているんだよ」

三葉 「それはなんとなくわかるよ。だって、テッシーも、サヤちんも、三葉をいじめていた松本もその取り巻き二人も、みんな生きていたわけだからね」

瀧 「そうなった時に、起こった現象を逆にたどっていくと破片衝突←三葉町長説得←破片分離←サヤちん捕まる←町役場大騒動←サヤちん放送始める←変電所爆破 という順番だよね」

三葉 「なんかいろいろ端折ってるけど、だいたいそんな感じね」

瀧 「でもこれって、瀧が入った三葉の仕業じゃないよね?」

三葉 「あ、ほんとだ」

瀧 「確かに道筋は、瀧の入った三葉が立てた計画だけれども、実行しているのは三葉本人とその仲間たちだよね」

三葉 「そうなるわね」


瀧 「ここからが問題なんだよ」

三葉 「ふんふん」

瀧 「みんなは、三葉が浴衣を着て、天体ショーをテシサヤと見ているのが「正しい歴史」で、隕石の直撃を受けていると思ってしまうだろうし、それはそれで仕方ないんだと思う」

三葉 「誰だってそう思うでしょう」

瀧 「でも、もしこの映像が間違っていたとしたらって考えるようになったんだ」

三葉 「間違ってるって…起こってなかったってこと?」

瀧 「ああ、彗星のカタワレが落ちてくるという事実以外はね」

三葉 「でも、そう考えるのって、かなり無理があるんじゃないの?三葉やテシサヤだって影響受けているわけだし…」

瀧 「じゃぁ、三葉さんは、劇中の三葉が死んだって証明できる?」

三葉 「あ、で、でも、三葉の目には割れた彗星のカタワレの残像が…」

瀧 「その後暗転するけど、爆風にさらされて死んだ、とは描かれていないよね」

三葉 「確かにそうだけど、あの後悲劇が起こっているのは間違いないはずよ」

瀧 「そこなんだよなあ。映画って、いろいろと考えさせられる部分があるから面白いんだよな」

三葉 「どういうことよ?」

瀧 「俺は、いろいろ考えて、死んでいないと思っている、三葉はとりあえず画面上をなぞって画面の三葉は死んだと思っている。俺たち二人の間でもこれだけ意見が分かれるんだ。多くの人もこの二つ…大抵は三葉が考える、「三葉は一度は死んでいる」と考えるのが妥当だと思うんだよな」


三葉 「それでもさっきのことの答えになってないんだけど…」

瀧 「ああ、webニュースの件ね。2013年のニュースでこの記事をその時の瀧が見ていた、ってことは、この事実しか存在しない、ということなんだよ。あ、ちなみに記事が配信されているのは2013年10月6日だけどね」

三葉 「この事実しか存在しない?急にわけがわからんくなったわ。もうちょっとこう…うまく説明できんの?」

瀧 「言い方を変えようか。電気が付いている2013年10月4日の糸守町の出来事は、この事実に反する出来事になってしまっている、というのでどうかな?」

三葉 「停電していない糸守が間違ってる?それはちょっと無理ありすぎじゃない? だって、死んでいるから名簿とかにも記載があったわけでしょ?」

瀧 「500人程度の名簿が、あれほどの厚さになるのはむしろおかしいよね」

三葉 「サヤちんとテッシーだって書かれてたし…」

瀧 「住んでる場所も地区も違っているはずなのに、彼ら二人がカップルのように並んで書かれているのは明らかにおかしい。だいたい、彼らの家族が巻き込まれていないと考える方がどうかしている。勅使河原の自宅は、神社を横目に見られる場所に位置しているので、確実に隕石落下での被害範囲の中。早耶香の自宅の位置関係はわからないまでも、二人が並んでいるのは、それこそ紙面の都合か、夢の中の出来事かのような記述なんだよ」

三葉 「それはそうだけど・・・」

瀧 「もう少しだけ遡ろうか。三葉の書いた日記が瀧の携帯から消えていくシーン。あんな風にまどろっこしく文字化けまでして消えていくなんてありえない」

三葉 「あ、それは私もそう思った。いきなり消えている方がドギマギ感が増幅されるのになぁ、なんて」

瀧 「さらにもう少し巻き戻すね。ラーメン店で、瀧だけはなぜか10月中旬なのにTシャツ一枚でラーメンすすってたよね」

三葉 「それ、気が付いてなかったわ」

瀧 「それにバックで流れている野球中継。応援団の音声が入ってたから、国内の試合はほぼ確実。でもこの時期にやっているのって日本シリーズくらいで、しかも日本シリーズは金曜日に試合の設定はないんだよ」

三葉 「確か、瀧達御一行は金曜日からの2泊3日の旅行だったもんね」

瀧 「だいたい、糸守の地形を町の人たちがだれ一人言い当てられないって、どんだけ地元愛がないんだ、と思ってしまったよ」

三葉 「まあスケッチだし、色が付いていなかったことはあったとは思うけど、湖の存在だけでわかりそうなものだったしね」

瀧 「東京から飛騨に向かう部分も書いてあることは結構めちゃくちゃ。新幹線の座席が逆に描かれている/車内アナウンスが、東京出発直後の内容なのに風景は田舎っぽいところ/飛騨古川駅の2番線には「ひだ」は入らない/気動車の排気ガスが排出されるマフラーの位置は画面左側で、あの煙突上の突起物は信号炎管というもの/名古屋駅通路の通過時刻と乗った「ひだ」に一時間程度のタイムラグ などなど・・・」

三葉 「よくここまで見つけたねぇ。瀧くんって鉄道マニアだったっけ?」

瀧 「え、そ、それは・・・まあ、ブログの受け売りだったりもするけど…」

三葉 「でも、客観的に見て、この間の情報っておかしなことばっかりだったことは今の説明でわかったわ」

瀧 「だろ?今までは確かに入れ替わりのドタバタばっかりだったのに、ご神体に口噛み酒を奉納して、急に意識が2016年10月3日に飛んでからの瀧って尋常じゃない部分が結構多いんだよ」

三葉 「先輩にも『今日はなんだか別人みたい』って言われてたしね」

瀧 「あ、そうだ。2016年10月3日って月曜日なのに、どうして三葉はデートの約束、取りつけたんだろ?」

三葉 「あ、それ、私も気がついてなかった。日曜日だと思いこんでたけど日曜日って10/2だもんね」

瀧 「学校も普通に休みだった様子。その上駅前は、休日みたいな感じだし、デートスポットもカップルだらけ。これもおかしな部分だよね」

三葉 「本当ね。こんなに出てくるんだ」


瀧 「こんなにおかしな部分がこの時間帯だけ出てくる。瀧がスケッチを描き始めてから――デートを始めてから、でもいいかもしれないなぁ--図書館までの出来事のうち、ミステリアスに描かれている部分が多い。そこから導き出した俺の結論は…」

三葉 「え、なになに?」

瀧 「この間に観客が見た瀧の画像はすべてが「夢の中の出来事」であり、本物ではない。よってお祭りのシーンでも三葉は死に直面していない」(ドヤァ)

三葉 「いやいやいやいや!! そんなはずないって!あの局面で三葉たちが死んでいないって考える方がどうかしてるよ」

瀧 「じゃあ、逆に、三葉が死んでいる方が納得いくってか?」

三葉 「だってそうでしょ?あの彗星から隕石が分離したのは、落下の一時間半ほど前(19:20)。それまでに退避するなどの時間的余裕はどこにもないはずよ」

瀧 「三葉は、とにかく「一旦は死んだ三葉が、歴史をやり直して死なずに済んだ」説をとりあえずは信じるってことだよな。」

三葉 「ええ」

瀧 「(ニヤリ)じゃあ、冒頭のこのセリフはどう説明つける? 三葉が言ったのは「そういう気持ちに憑りつかれたのは、多分、あの日から」だったよな」

三葉 「え?」

瀧 「だから、「そういう気持ちに憑りつかれる」ことがあなたの思っている状況で実現可能なら、その説を認めるよ」

三葉 「あ・・・三葉は瀧に出会ってないと、そういう気持ちには憑りつかれないはずだわ…」

瀧 「では、三葉をはじめ、皆さんが見てこられた、テシサヤと3人で彗星ショーを見ている状態で、この感情って…」

三葉 「浮かばない…でも待って!!!」

瀧 「お、まだ俺の説に楯突こうってのか?」

三葉 「最初に死んでしまっていて、2013年10月4日をやり直したことで生き返ったとしたら、どうよ?」


瀧 「あーー、まぁだこのストーリーがわかってないよなぁ。もう一回2013年のwebニュースに戻るよ」

三葉 「えぇ、どうしてまた振出し?」

瀧 「いや、ここが重要ポイントだからだよ。もう一度言うけど、2016年に歴史を改竄する前・・・3年前の2013年に14歳の瀧は変電所爆破の記事を見ているんだよ」

三葉 「それはさっき聞いたわよ」

瀧 「なんでこのときだけ、webニュースが登場したのか。それはそれが「正しい」からに他ならないわけよ。その前の「自衛隊提供」の避難状況を示した映像も動いている動かぬ証拠。これが真実だったことにつながるんだよ」

三葉 「確かに、ほかのシーン、図書館でも検索している様子は映っていても登場人物が見たであろうそれらを観客は実際の映像とかは見てないもんね」

瀧 「あるのは、雑誌や新聞の記事という文字情報ばかり。このときに2013年の実際の状況を示す動画なり、ニュース映像があり、観客である我々もそれを目のあたりにしていたら、俺だって「歴史が書き換わったわ」と認めざるを得ないけどね」

三葉 「でも、それはない。でも500人が死んでいる記事はある・・・矛盾している、という部分は何となく理解してきているけど…」

瀧 「2013年の瀧の時間で考えると、10月3日に見ず知らずの高校生の女性から何か「名前はみつは」とか言われながら紐を渡された、その次の日に糸守隕石災害があったわけだけど、ここで死者が出ていたかどうか彼の中では記憶がない。3年後に入れ替わりが起こるわけだけど、過去のことは訂正・修正・書き替えられない、と考えると、どうなのか、ってことだよ」

三葉 「つまり?」

瀧 「2013年の(誰も歴史をいじっていないと思われる)時点で変電所爆破の記事を見ているということは、もはやこれは動かしようのない事実。オープニングで電気のついている糸守町に落ちてくる隕石の画像そのものも間違っていると断定できてしまうんだよ」

三葉 「だとしたら…」

瀧 「だから、2013年10月4日の時点で「電気が付いている」糸守町の画像はすべて間違いなんだよ。ということは、浴衣に着替えている三葉も、一緒に随伴しているテッシーもサヤちんも、みんな間違ってる。よって、起因するすべての事象は間違いということが証明できる、というわけだよ」

三葉 「間違い、とは言うけど映像になってはいるよね?」

瀧 「そこが監督さんの凄いところだと思うんだよ。間違いというより、これが正しいと見せかけることで「ウワ、三葉死んじゃった」と思わせる。そうすると、当然その後の瀧の動きは必然的になる。「世界のどこにいたって、俺がもう一度必ず会いに行くって」という思いを募らせていく。だから彼の動きに共感するし、感動できるんだよね」

三葉 「うーん、なんかそこまで深いお話だとは思ってなかったなぁ…」


瀧 「そろそろ結論にはいるけど、世の中のオタクといわれる人は、別の時間軸がどうとか、いろいろ解析しておられるみたいだけど、この作品は至ってシンプルだと思うんだ」

三葉 「最後の入れ替わりをしてからの歴史が唯一無二ってこと?」

瀧 「そう。だから、瀧と三葉の時空を超えた入れ替わりも起こったわけだよ」

三葉 「口噛み酒を飲んで入れ替わったのは、間違いなく、三葉が死んでいると起こりようがないわよね」

瀧 「お、だんだんわかってきているじゃん。日付は特定できるけど、隕石落下日以降に彼女が死んでいると、入れ替わりなんて起こるわけがない」

三葉 「しかも、それまでは月と日は同一だったのに、このときだけはイレギュラーだもんね」

瀧 「あ、そうだ。俺が「もしかしてこれって歴史は書き変わっていない」って思った最初のきっかけがこの口噛み酒トリップなんだ」

三葉 「どのシーンでそう思ったの?」

瀧 「それは最終最後。三葉が隕石、いや、彗星の直撃を受けるかのようにゆっくりと迫りくる、青色の物体が瞳に映っているときにだよ」

三葉 「あれ?確か隕石って赤い色で表現されてたよね?オープニングでもそうだったし」

瀧 「彼女の深層心理の中で、隕石が落ちてきたことは間違いない。どこで遭遇したのかまではよくわからないけど、それがあまりにもすごすぎて、きっちり記憶できていなかったのだと思う。だから、直撃を受けたような感覚/自分の真上に落ちてくるかのように錯覚した/彗星ショー自体の記憶の方が鮮明で、それが落ちてくるように感じたのがそのまま表現されてしまったんだよ」

三葉 「直前には、他にも破片らしいのが落ちてきていたしね」

瀧 「そう。いい加減、というよりは、おかしい表現なんだよ。特に人的被害を考えなければ、隕石が落ちたのは宮水神社近くの宮水家近傍。これは疑いようがない。このこと自体の歴史は動いていない。だから、口噛み酒トリップで、宮水家にいない三葉の上に落ちてくるのは完全に間違いだといえるんだよ」

三葉 「口噛み酒トリップがそこで断絶しているから、彼女が死んだ、という風には考えられない?」

瀧 「よっぽど殺したいんだなwwあそこで途切れたのは、彼女が糸守から離れたから。だから、東京に行く→帰ってきて髪を切ってほしいとお願いする、のときに、東京編が映らなかったんだ。もちろん、もしかすると彗星の直撃を受けた後のことも描かれていたかもだけど、それをストーリー上でやったらネタバレもいいところ。だからやらなかったんだとみるね」


三葉 「では隕石落下を目撃している浴衣姿の彼女の方はどう説明つけるの?」

瀧 「まあ確かに俺も「ここで死んでいない」と確実に証明するのは至難の業だと思っている」

三葉 「ほら、やっぱり」

瀧 「ただ、このシーンが、どのタイミングで流れていたのか、を考えてほしい」

三葉 「ええっと…瀧が三葉に電話をして、三葉の電話が鳴るんだけど、相手はテッシーだった、ってところだよね」

瀧 「そうだね。前日に東京に行って髪切って、学校はサボった、というのがその日の三葉だったよね」

三葉 「あれ?ここって、もしかして、瀧くんがデート終わりに電話かけてるから…あ、ちょっと待って。よくよく考えたら、日にちがずれてるじゃん!!」

瀧 「そうですわね。よくここに気が付きました」

三葉 「となると、2016年10月3日と、2013年10月4日をこのときなんで並列的に表現したのか…」

瀧 「なかなか鋭い指摘じゃありませんか。そこに気が付いてほしかったんですよ」

三葉 「え?どういうこと?」

瀧 「監督さんの頭の中を我々は考えてみればいいと思うんだよ。一種の「おかしな世界」に瀧も我々観客も放り込まれてしまっている。それまで電話もメールもつながらないと知っているのに電話をかける。もちろんつながらない。それは既に知っているはずなのにここであえて提示させることで、「何かが起こった」と思わせる。だから、「三葉は死んでしまった」と思いこませることも可能になったというわけだよ」

三葉 「なるほどねぇ」

瀧 「日付がずれていることはどちらかというとどうでもいい。ただ、さっきも言ったように、三葉の身に何かが起こった、と誤認/刷り込むことが本来の目的。結果もあえて見せない暗転だけ。ただ、隕石落下→死亡、は普通の思考ならそう直結する。だからあえて「間違っている情報」なのに映像にしてあるわけだよ。でもそう考えると、オープニングからトリックを仕込まれているなんて、数回見た程度の人では理解できないはず。そこは監督さんうまくやったと思うわ」


三葉 「カタワレ時で二人が出会えたのはどう感じる?」

瀧 「すでに授業で「人ならざるものに出会うかもしれない時間」なんて、ユキちゃん先生はいうわけだけれども、ぼくは二人が出会える「別次元の2013年10月4日」に二人とも放り込まれた、と考えてる」

三葉 「そうでないと、同い年で二人が出会えるはずないもんね」

瀧 「今までの入れ替わりは必然的な部分があっても、この同い年の二人が出会えることだけは"奇跡"あるいは超常現象といえなくもない」

三葉 「組紐を渡したり、文字を書いたりなんて実体がないと無理だもんね」

瀧 「でも、ちゃんとSFっぽいことは実現できている」

三葉 「え?どういうこと?」

瀧 「2016年の瀧が2013年の三葉に託せたものと、2013年の三葉が2016年の瀧に言えなかったことだよ」

三葉 「過去が未来に干渉してはいけない、というあたりよね」

瀧 「だから、未来を生きる瀧が三葉に組紐を渡せ、手のひらに文字もかけたんだよ」

三葉 「あの時、三葉は何と書きたかったんだろう…?」

瀧 「お前なら、なんて書く?三葉」

三葉 「は、恥ずかしくって、言えないよ、そんなの(カァァァァ)」

瀧 「(オ、テレテルテレテルw)まあ、こればっかりは当事者でない三葉さんに聞いたところで仕方ないか…」

三葉 「でも、あの時の瀧くんて『名前書いとこうぜ』っていっときながらあんな事書いたよね」

瀧 「それは俺も映画の瀧じゃないから想像で言うけど、彼が三葉に伝えたかったのは、本当は気持ちだったんだと思う」

三葉 「でも名前って言ってる…」

瀧 「あのシーン、よぉくみてみ。『目が覚めても忘れないようにさ』と言ってさらさらと手のひらに書き「名前書いとこうぜ」って言ってるんだよね」

三葉 「ほらぁ、名前って言ってるじゃん・・・あれ?」

瀧 「書いた後に言ってるんだよ。つまり、これは彼なりの照れ隠しなんですよ」

三葉 「ふぅーん、映画の瀧君も、そこにいる瀧くんもそんな風に奥ゆかしいところがありすぎて、困っちゃうんだけどなぁ」

瀧 「そ、それは、俺が考えたことだから…それにしてもこれも「やりやがったな」って思ったシーンだよね」

三葉 「でも、三葉が転んで起き上がるときに右手を見るシーンは、さすがの私も感動はしたけどね」

瀧 「あ、感動してないって言ってたのに…(ウリウリ)」

三葉 「ポロポロ泣くほどではないっていっただけだって…もう本当にこの男ったら…」


瀧 「そろそろ映画館が見えてくるころだけど…うわっ、なに、このひとだかり??」

三葉 「なんか、エヴァンゲリオンの映画の公開の時にめちゃくちゃ並んだんで早朝に緊急開館したクラスの込みっぷりよね」

瀧 「言っても、興行成績邦画第2位の成績のアニメーション映画ですからね。また見たいって思っている人が多いって証明ですよ」

三葉 「でも何でここまでヒットしたんだろ?」

瀧 「ああ、それもいろいろと考えてみたけど、なんか理由は判然としないんだよね」

三葉 「どこにでもありそうなボーイ・ミーツ・ガール的な題材だし、入れ替わりものだし・・・わたしも誘われてなかったら座ってなかったもん」

瀧 「30回もお金払ってスクリーンで観た映画なんて今までなかったし、それに値する作品も出てきていなかった。いろいろな意味で「財布を緩ませる」効果があったんじゃないかなって思ったりもするよなぁ」

三葉 「それでも瀧くんはまた見たいんだ…」

瀧 「スクリーン映えする作品だから当然なんだよ。IMAX版を見た時の感動たるや、もう表現のしようがなかったものだよ」

三葉 「そんなにきれいだった?」

瀧 「ああ!あのご神体に向かおうとする場面の木々。モミジの赤が鮮烈すぎて何度でも見たいと思ったのはそのせいかもしれないねぇ」

三葉 「DVDとかも出てるのに…ホントすごいね」

瀧 「いままでのアニメーション映画とは全く違うからかもしれないね。今までは画面の向こうの人たちの話。この作品だけは、みんなが自分事のように思えたからかもしれないね」

三葉 「自分事、ね。」

瀧 「単なる三葉と瀧のラブストーリーじゃなく、彼女・彼にきっちり寄り添えるからだと思うんだよね。今までの作品で、登場人物に成りきる/演じようと思ったことなんかないからね」

三葉 「成りきる?演じる!! それって、かなり重度の病気ですよ。大丈夫?瀧くん…」

瀧 「心配してくれてありがとう。多分、もう治らないと思うけどww」

三葉 「実際、瀧君も、私が同じ状況になったら、同じ行動に出てる?」

瀧 「うん、可能性は高いね。それでも、実際には、歴史のやり直しではなく、自分探し、彼女探しだったわけだけどね」

三葉 「そっかぁ・・・私を探してくれるんだぁ…」

瀧 「そ、そうと決まったわけじゃないけどな(テレ)」

三葉 「無理しなさんな、少年www」


瀧 「チケットは何とか買えたけど…ほんとカップルだらけだね」

三葉 「デート映画としては金字塔って感じだよね」

瀧 「そう言われれば…確か同じ時期にいろいろ恋愛系の映画も出てたけどここまでヒットした作品ってないよね」

三葉 「実写には越えられない壁がある…複雑だよね」

瀧 「仮にこの映画、同じシチュエーションで俳優さんがやってたら、多分大コケだよ」

三葉 「断言できる?」

瀧 「登場人物に感情移入できたからみんな感動したわけだし、ラストシーンにも一定の評価があるんだと思う。俳優さんのもつキャラクターや演技の優劣、しぐさ、すべてが計算しつくされても、この作品は越えられないよ」

三葉 「そうかなぁ。私と瀧くんなら、画面の二人をすんなり越えられそうなんだけど」

瀧 「仮に俺たちでやるとしても、高校生時代は演じられないよ。お互い年取りすぎだって」

三葉 「そぉお?まだまだ17歳で通用すると思っているんだけどなぁ…」

瀧 「どっからくるんだよ、その自信は…」

三葉 「あっ、さっきの実写化の話、そんなところも影響してくるよね」

瀧 「普通に年は取っていく設定だし、だいたい、高校生程度の年齢の俳優さんに、あの瀧の慟哭は絶対演じられないよ」

三葉 「私も、そう思う。私が見ても一番かっこいい三葉を演じられるのは、あの画面の三葉さん以外にはいないもん」

瀧 「坂道転がって、「すきだ」を見てひとしきり泣いた後の、決然とした三葉、だね。俺も彼女に惚れたのはそのシーンだよ」

三葉 「実写化してもらって、超絶爆死・酷評の嵐、っていうカタルシスが見てみたい気もするけどなぁ」

瀧 「おいおい、それだけは勘弁してくれ。ていうか、見たいか、そんな映画?」

三葉 「今の日本の映画界、そんな映画ばっかりでしょうよ」

瀧 「・・・・・・否定できない…」

三葉 「まあ実写化は多分新海監督がOK出さないだろうから大丈夫だよ」

瀧 「そう願いたいね」


三葉 「あ、そろそろ入場、始まるみたいよ」

瀧 「公開初期みたいな熱気が感じられる…本当に公開一週間くらいはこんなもんじゃなかったからね」

三葉 「そしてはまっていく人が多数…ってですか」

瀧 「また彼らに逢える・・・それだけでここまで客が呼べるんだから、凄いことだよ」

三葉 「今までのアニメーション映画とは全く違う感じがするよね」

瀧 「それは感じてるね。そうでないと、1900万人超/250億強/全世界で最も売れた邦画という記録が作られるはずがない」

三葉 「これ、日本各地でもこんなことになっているはずだから、又記録塗り替えるんじゃない?」

瀧 「それはあるだろうね。まあ、一次公開の記録に足し算してくれるのかどうかはよくわからないけど」

三葉 「ま、とにかく彼らのドタバタ劇と熱情を帯びた恋愛ストーリーを堪能しましょうか!!」

瀧 「ああ、そうだな。俺も久しぶりの君縄、堪能することにするわ」


【おしまい】




後書き

今回も、ご精読いただきましてありがとうございました。
実は「歴史は書き変わっていない/オープニングをはじめいくつかの表現は夢の中あるいは幻」という結論に達したのはなんと2017年に入ってから。実際、ほかの方々の解析を見ているとそんなことに気が付いている人も大勢おり、今頃かよ、といわれかねません。
この結論に自力で到達したわけですが、そのきっかけとは、ある日「逆から小説読むと見えなかったものが見えてくる、正解が分かってしまうではないか」ということを利用して、映画も覚えているシーンを逆回しで見てみたのです(会話の中にもそういうところがありましたよね)。
その時に、瀧が14歳の2013年に、当時のIphone(2016年に現役の6ではない)でwebニュースを見ている場面に遭遇したのです。「あっっっっっっっ」
さあ、そうなると、いろいろおかしなことばかりで彩られ始めます。いきなりの破片落下シーンですら「あーきれいだな―(棒)」なんてものではない。罠・トリックだったことに気が付くわけです。タイトル出る前のオープニング。浴衣姿で彗星ショーを見ている、これも実際はおかしい・・・。しかも「まるで夢の景色のように、ただひたすらに、美しい眺めだった」といえる局面にないはずの彼女がそれを言える・・・。
2016.10.3のデートからの一連の出来事がすべて矛盾だらけ。駅・列車関連もきっちり書いているがゆえに疑問点がどんどん出てくる。極めつけは、ここにも書いてますが「三葉の日記がゆっくり消えていく」というシーン。電磁的なものがあのように消失を見せつけることに疑問が生じる。
当初私もこのストーリーが「いろんな時間軸で語られているのでは」と感じていたのですが、解析魂に火がつき、終わってみれば、「入れ替わりは死を回避するためではなく、歴史を間違いなく確定させるための必然だった」ことに気が付くのです。
それを今回、画面上の「瀧くん」ではない、別の解析厨の瀧に語らせているわけですが、ご納得いただけるかどうか、は私からはわかりません。死からの復活の方がロマンチックでいいじゃん、と思っておられる方も多いと思うので、こういう、現実的な見方をすると興ざめするかも、とは思っています。
ただ、死というものは、そう簡単に覆らない。東日本大震災が下敷きとしてあるこの作品だから「死なずに済んだ」もう一つの物語、という観点で見ることも可能である、見る人に様々な考慮させる余地を残したという面で言っても、この作品…「君の名は。」は、たぐいまれな傑作と言ってもいいでしょう。
4タイトル目、となりましたが、どうもこのサイト利用者には「君縄ヲタ」はいらっしゃらない様子。一人気を吐く作者でした。


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