2017-06-04 21:37:40 更新

概要

「提督と霧島」3以降のお話。比叡が鎮守府の資金確保のために店を開くが・・・


司令の事が嫌い・・・


司令が死んだ今もそれは変わらない。


今は妹の霧島が提督として着任、艦娘と提督の両方を行っている・・・見ていて大変である。


司令が生きていた時は”副業”をしていて鎮守府の生活はそれによって保たれていたのだけど、


司令の死後はそれがなくなり、今の生活は生きていくだけなら困らない状態です。


そんな中、私はある決心をしていました・・・それは、



私、比叡が司令の変わりに副業して生活費を稼ぐ



いつも頑張っている霧島のために何かお姉さんらしいことをしたいのが理由だけど、


資金調達は相変わらずできないと聞いたし、せめて生活費くらいは私が稼ごうかな・・・と思ったのが始まり。


幸いにも前の司令の教育で料理が上達したのもあって弁当屋でも開こうかと思っていたところ。


私は上手くいくと思っていた・・・でも、現実はそんなに甘くなかった・・・




霧島に内緒で他鎮守府付近で弁当を並べて販売してみたけど・・・全く売れなかった。


「今日も一つも売れなかった・・・」


ここ数日、私が発する一言はその言葉だけ・・・


味には自信があるんだけど・・・何が問題なのかな・・・


・・・・・・


結局夕方になっても売れずに私は弁当を片付けて帰りました。


「また売れなかった・・・」


弁当の材料費は鎮守府から賄ってもらっているから、売れないということは赤字ということである。


霧島にも「どうしたんです、この出費は?」と聞かれるようになって色々ごまかしてきたけど、


そろそろばれそうで怖いかな・・・



翌日、


メニューをアレンジして数種類の弁当を並べてみました。


やっぱり売れません・・・どうしてかな・・・


・・・・・・


通りすがりの提督や艦娘たちに言われた言葉に私は傷ついた。


「比叡が作っているって、マジで! 誰が買うんだ?」


「お腹痛くするからいらないです」 


「弁当出すってよっぽど自信家だね、不味いって自覚ないんじゃない?」


ショックでした。


弁当が悪いのではなく、私が作ったから誰も買わないことを知って・・・


昔、司令が言っていました。


「こんな不味いもん食えるか!」


あれもショックだったけど、今は道行く人たちに言われたことがもっとショックでした。



皆そんな風に思ってたんだ・・・



と、私は落ち込んだ・・・でも、



鎮守府の皆は気を遣ってくれていた・・・



という事に気付いたのもまた事実。



私は皆に迷惑をかけていた・・・



と改めて気づかされたのも事実・・・ならば尚更。



尚更私は頑張らないと!!



司令だったらこう言うはず、「散々やると言ったお前がここで終わりか?」って。


皆のために・・・そして鎮守府のために・・・私は気合を入れ直しました。


それからはずっと販売を続けました・・・周りが何と言おうと私は諦めなかった。


・・・・・・


今日は記念すべき日です・・・弁当が一つ売れました!


駆逐艦の子がお昼ごはんにと一つ買ってくれました。


「今日は特別に半額でいいからね。」


その子は喜んではしゃぎながら帰っていきました。


その翌日、


弁当を出してからすぐに売れ始め、昼前に売り切れました。


昨日の駆逐艦の子が私の弁当をアピールしてくれたのでしょうか・・・多くの艦娘さんたちが


列を並んで買っていきました。




その次の日も・・・




また次の日も・・・次第に、


「比叡が作った弁当が食堂より美味いって!」


「このボリュームでこの値段はお買い得!」


「売り切れ!? 明日から2倍の弁当持ってきてくれよ!」


・・・なんて言って注文が殺到しました。




嬉しかったです・・・


私の弁当が皆に認めてもらえました。


その時は他鎮守府の道で販売していたのですが、最近では鎮守府に配達まで頼まれるようになりました。


当然の如く、霧島の耳にも入ってしまい、「私に内緒でお姉さまったら・・・」と怒られてしまったけど、


「ありがとうございます」って喜んでいました。



・・・・・・


今では、朝から配達用の弁当作成で大忙し・・・鎮守府の皆が手伝ってくれるようになり、


その結果・・・資金源も豊富になった。


私は鎮守府に貢献できたかな・・・と思いました。



ある日の事、


私は新しい弁当を作っていて、霧島に試食してもらおうと執務室へ持って行った時の事。


自信はあった・・・霧島が食べる・・・


「おいしいです、比叡姉さま。」



よかった・・・後は他の皆にも試食してもらって良ければ・・・これも販売しようかな・・・



そう思っていた時、霧島が・・・


「黙っていましたが、これを・・・」


霧島に渡されたものは・・・手紙?


・・・・・・


裏には「司令」と・・・


・・・・・・


私は手紙を開けて読んだ・・・




比叡へ


これを読んでいるということは、オレはもうこの世にはいないだろう。


お前に伝えたかったことがある、オレはお前にひどい扱いをした。


せっかく作った料理を「不味い」なんて言ったら普通なら比叡でなくても泣くだろう。


でも、わかってほしい。 「不味い」と言ったのはそれでも諦めずに頑張ってほしかったからだ。


そして、敢えて比叡を貶したのは、オレを嫌いになってでもお前自身が成長してほしかったんだ。


これから起こるであろう、資源枯渇や飢餓時代に向けて比叡が成長してくれれば皆の助けになるから・・・


実は、オレが出撃する前、比叡の料理を少しもらったよ。


「美味かった」・・・きちんと味付けもしていて、材料も無駄にしていない。 文句なしの合格だ。


でも、ここで終わらないでほしい。 お前が今度は皆を笑顔にする料理を作ってほしい、


絶対にここで止まるな! 上を目指してくれ!


比叡には周りを元気にする力がある、その力を使ってこの鎮守府をいつも元気にしてほしい。




・・・・・・


文章はここまでだった。




司令・・・・・・司令・・・・・・司令・・・・・・




私は無意識に泣いていました。


司令が「美味い」と言ってくれていたからでしょうか? 


それとも、司令が私をこんなにも思ってくれていたからでしょうか・・・


・・・・・・


私はその手紙にメモだけ添えると霧島に返した。



私はまだやるべきことがある! まだ始まったばかり! 司令! 見ていてください!


比叡! 気合入れて! 頑張ります!!



私は執務室から出ました。


「・・・・・・」


手紙を渡された霧島は気になって開く・・・そこには、


「あら・・・ふふ。」


霧島が思わず笑う。








司令が書いた文面の下に・・・









比叡は、本当は司令の事が好きでした。









「霧島と比叡」 終




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1: トキヤです 2019-01-25 23:16:44 ID: S:WW4mpB

「提督と霧島」シリーズを探しましたが、下書き中でしたか


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