2017-07-19 11:32:42 更新

概要

美的感覚がおかしな世界で提督が頑張って生きる話+色々と小話(予定)、かなりのご都合主義で進行、艦これSS処女作。


前書き

物書きド素人且つ遅筆です、ゆっくりしていってね!!

2017/6/23 1万PV達成、お気に入り4、しおり158、コメント32、オススメ0、評価39、応援35

自分の作品が万単位の閲覧をされたのは初めてです、感謝多謝。


プロローグ

金剛「軍人や上司としてはrespectしてるけど、Loverとしての魅力はnothingデース!!」



金剛型の部屋の前で聞こえてしまった、できれば聞きたくはなかった類の言葉だ。


今まで艦娘達に好意を持ってもらおうと、出来る限り無理のない環境や編成、補給などを心掛けてきた。


どうやらそれも無駄な努力に過ぎなかったようだ、容姿の悪さが異性との関係に響くのは承知していたがどうやら甘く考えていた、これも慢心か……



榛名「提督には申し訳ないですが、榛名も提督が理想の男性とは考えにくい所があります、素晴らしい指揮官なのは確かです」


霧島「私も榛名の意見に賛同ですね」


比叡「私は元々お姉様一筋です!! 司令は目じゃありません!!!」



彼女の妹達もどうやら同意見で纏まったようだ、尚更心にグサッと見えない何かが刺さる。


自分の容姿の悪さといったら、短足・チビ・力士体型と三拍子揃っていて顔が朝○龍である、救いようがない。


学生時代のあだ名はドルジだったし、鍛錬好きで筋肉質過ぎたから細身が好きな大多数の女の子にウケが悪かった。


中学時代から露骨に冷たくされたり「ブサイク死ね、生きる価値無し」みたいな視線で一部の女子から睨まれたこともある。


うっすらと汗をかいた時に駆逐艦達から「ちょっと臭い」と言われた時も結構傷ついた、ちゃんと清潔を心がけているのに……



俺は元々は海上自衛隊の一兵卒だったのだが、数年前の深海棲艦の出現により提督に昇進した。


提督適性試験という簡易テストがあるのだが、妖精さんが視認でき尚且つ会話まで出来たので問答無用で提督の椅子に座らされて現在に至る。


妖精さんが見えるのは少数で、会話まで出来るのは数えられる程度しかいないそうなので提督就任はもはや命令に近い強制ぶりだった。


学生時代は女性から疎まれて過ごしたので大学卒業後は、女性から逃げる為に海上自衛隊に入ったのに何故こうなったのか、正直辛い……


友人の数合わせで合コンに連れていかれた日には、女子から完全無視を決められ開始数十分で帰ったからな、もう二度と行かぬわ……



先ほどの金剛型姉妹の発言にショックを受けて覚束無い足取りでようやく提督執務室に着いた、唯一の安息の地である。


大体の提督は秘書艦という助手の艦娘を指定するのだが、俺は顔がアレなのでこんな顔を朝から終日まで見る艦娘が気の毒に思えて秘書艦は指定していない。


他の鎮守府の話だと秘書官指定しないと艦娘達からブーイングや志願者が出るそうだが、俺は着任して数年だけど出たことは無い。


艦娘も元は女の子だから何も悪くはない、俺だってブスか美人選べと言われたら美人を選ぶ、仕方のない事だ。


なんか考えてたら色々辛くなってきた、仕事止めて私室のベッドで軽く寝よう、今まで報告以外で誰も来なかったしバレはしないだろう。



提督「世の中外見が全てと言う気はないが、8-9割は占めているよな…… なんでチビ不細工に生まれちまったんだろ…… 辛いわ、寝るか……」



???「提督よ、私の声が聞こえますか? 目覚めなさい」



あれ、俺の部屋には誰もいないはずなんだが……


目を開けて声の発する方に顔を向けたが、真っ白い空間に、猫を抱えた女性が居た。


何処か見たことのある衣服と猫だ、もしかして猫吊しか?とも思ったが


それにしては美人で頭身がリアルすぎる。



猫吊し「そう、私はあなた達の言う猫吊し、ただあの姿は大部分の鎮守府に深刻な不具合が起きた時に見せる仮の姿」


猫吊し「本来はこの世界を管理している、あなた達の言葉で言うならば女神にあたる存在」


提督「それは……凄いものだ、それで此処は恐らく夢の中とは思うがこんな場所に姿を見せるとは、俺に何か問題でもあったのか?」



俺が考えていた事をあっさり先読みしてきたあたり、本物の女神様かもしれないな……



猫吊し「察しが早いと説明する手間が省けて助かります、私は貴方が艦娘の待遇向上や国の防衛に対して多大な功績を挙げた事を見てきました」


猫吊し「そして自分らしく生きられない苦悩も」


猫吊し「多少の下心有りとはいえ、貴方は艦娘達を支えてきました、だが貴方自身は艦娘からはあまり報われていない」


提督「!?」


猫吊し「そのように警戒なさらないで、私は貴方が貴方らしく生きられる場所を今までの功績に対して与えたい、それだけなのです」



何処まで知っているんだ?  監視されるのは好きではないが、相手は神の様な存在、隠し事など到底できないか??



提督「その褒美は俺にとって大きな不利益になる事は無いのか?」


猫吊し「誓いましょう、貴方にとって恩恵となることを」


提督「……わかった、その褒美、有り難く受ける事にするよ」


猫吊し「良い返事です、そして貴方の意識はたった今、目覚めようとしている、目覚めた時には既に恩恵を授かっているでしょう」



猫吊しがそう言うと急に光が強くなり、彼女の姿が次第に消えていく。



提督「ま、待ってくれ!! まだ聞きたいことがいくつか……!! 眩しい!!!」


猫吊し「私が貴方に出来る事は此処まで、貴方の行く道に幸あれ」



提督、目覚める

眩しい光と共に俺の意識が覚めていくのがわかる、目を開いた時には見慣れない天井が見えた。


此処は何処なのだろうか? そんな事を考えていると視界の外から男性の声が聞こえた。


声が聞こえる方に顔を向けると、白衣を来た初老くらいの男性が居た、恐らく医師だろうか。



医師「気が付いたようだね、ここは軍の管轄の病院だ、気分が悪いとか身体が動かないとか異常は無いかね?」


提督「う~ん…… だ、大丈夫です、俺はどうして此処に寝てるのでしょうか?」


医師「詳しい事は私には知らされてはいない、元帥が君を見つけて此処に送ってきたのだよ」


医師「あと、君は2日ほど眠っていたので、身体が固かったり少し動きが鈍いと感じるかもしれない、退院後は適度な運動を推奨するよ」


医師「そういえば君の目が覚めたらお偉いさんに連絡を寄越せと言われていたな、君はここでまだ安静にしてるといい」



はぁ、軍の病院かぁ、とりあえずは安心して寝てはいられそうだ、って確か元帥が俺を見つけたって言ってたよな!?


何でだ!? 俺は確か私室で仮眠をしていただけのはず、それが何故元帥が俺を見つけたことになっているんだ……


色々考えてもわからん…… と、とりあえず元帥に呼ばれるまで大人しくしていよう……



明後日、診断と検査を受けて目立った後遺症や違和感が無いと判断された俺は退院し、俺を拾ったという元帥と会談することになった。


憲兵に連れられて移動用の車両に連れていかれるが、この時に憲兵が疑問を隠せない顔で俺を観察するように見ていた。


立場を考えたら無理もない、どう考えても怪しい男だからな、おまけに超不細工だし不安を煽るのも無理はない。


どうのこうの考えているうちに、そう遠くなかったのか数分で元帥が待っている建物に到着した。



憲兵「こちらの入り口から元帥がお待ちしている部屋に案内します、付いてきてください」



俺は軽く肯定の返事をして周りを見渡す、外から見た感じ極端に大きい建物ではなかったが軍の偉い人が来るだけあって質実剛健な作りをしている。


比較的新しいように見えるし憲兵の人数もかなり多い、そして立哨や巡回担当の憲兵達は俺の顔を見る度に微かに驚愕の表情らしきものを見せる。


不細工すぎていつもこんな反応されるから慣れてしまった自分が正直悲しいところである。


憲兵が部屋の前で止まり立哨している憲兵達に敬礼をする、そしてドアをノックして問いかけた。



憲兵「元帥閣下、予定通り会談を希望していた人物を連れて参りました、入室よろしいでしょうか?」


元帥「ああ、入室を許可する、入ってくれたまえ」



許可と同時に憲兵が部屋のドアを開き俺を招き入れる、どうやら立派な机に陣取っている壮年の男性が元帥の様だ。


だがどうにも違和感がある、それは俺が知っている元帥の顔ではないからだ。


元帥とは直接会話した事が無いとはいえ、大規模作戦に片手で数えられる程度に参加した俺は顔を見たことがあるし、写真なども見たことがある。


しかし目の前にいる元帥は俺が全く知らない人物だ、どういうことなんだ、これは……



元帥「憲兵、君は退出してくれ、彼とはあまり聞かれたくはない話をするのでね」



そう指示されると憲兵は部屋から出払った行った、元帥は俺の顔色を窺い口を開いた。



元帥「色々と知りたい、という顔をしているね、無理もない話だ」


提督「失礼しました元帥閣下、私を介抱していただきありがとうございました」


元帥「そう畏まらなくても良い、君は軍属ではないのだからね、取り敢えず椅子に座りたまえ」



ど、どういう事だ!? 俺は確かに鎮守府所属のはずだ、色々理解が及ばない事が有りすぎる……



元帥「先ずは君を介抱した理由を簡潔に説明しよう、お告げと思われる様な夢を見たのだ、猫を抱えた女性が君が倒れている場所を私に教えてきた」


元帥「そしてその女性は君の事を艦娘を救済する者と言っていた、私は半信半疑で指定の場所に向かった、そして君が倒れていたという訳だ」



そうか、猫吊しが根回ししておいたから俺は無事だったのか。



元帥「そして君には大変辛い事実かもしれんが落ち着いて聞いて欲しい」



何だろうか、こんな前置きがあると言うことは大変なことが……



元帥「君が身に付けていた軍の認識表から調べた事だが…… 君の戸籍はこの国には少なくとも無かった」


提督「……はっ? えっ、いや?」



言いたい事があるのに衝撃がデカすぎて喉から上に出てこない、上半身と頭から変な汗が出てきたのが分かる。


取り敢えず俺は深く一呼吸入れて元帥に問いかけた。



提督「私はこの国に存在しない人間ということはこれから先どうなるのでしょうか?」


元帥「話が脱線するが、君にはお告げに従って艦娘を率いる提督に就任して貰いたいと思っている、信じがたいがお告げは本物だった」


元帥「つまり君は艦娘を救う何かを持っているということだ、我が国……だけではなく艦娘という存在はかなり冷遇されている」


提督「冷遇の理由をお聞かせ願いたいのですが……」



元帥は深い溜め息をつき、逡巡しながら口にした



元帥「艦娘は容姿が…… 醜いのだ……」


提督「容姿が……ですか?」


元帥「そうだ、世辞ですら美人とは言えぬ、私としては国を守ってくれる艦娘達に対して容姿が優れぬからと見下すつもりは毛頭ない」


元帥「だが世間はそうでもないのだ、現に鎮守府就任を拒否、またはそれが認められない場合は強行的に退役する者も続出しているのだよ……」



まるで俺自身が受けてきた差別や迫害を艦娘達が受けているのか、にわかに信じがたいが……


戸籍は無く軍属ではなくなった俺、見知らぬ元帥、容姿が醜い艦娘…… この違和感、俺はもしかして……


ここは俺が今まで生まれ暮らしていた世界とは違う? 高い確率でそうとしか思えないな……



元帥「艦娘を救ってくれる者が存在している、怪しげなお告げにすら縋りついたら君が倒れていた」


元帥「私のやり方では艦娘達を救うのは難しいのだ、艦娘だけに構っていられる立場でもない、君が艦娘達を救っては貰えないだろうか」


元帥「正直に言えば打算的な考えもある、今ここで艦娘達の信頼や力を失えば我が国は深海棲艦に辱められるだろう」


元帥「断られるのは苦しすぎるが、巻き込まれただけの君には拒否権がある、君の意見も尊重しよう、提督として着任しては貰えないだろうか?」



俺は艦娘だけでなく女性のほとんどに差別や迫害を受けて生きてきたが、ここで我関せずを貫いて良い物なのだろうか。


そんなことをしたら差別をしてきた奴らと同じ場所に立ってしまう気がしてならない、この申し出を受けるべきか?


幸いな事に鎮守府の提督としての経験は数年に渡って習得している、持てるものを以って最善を尽くす、そうあるべきだろう。



提督「元帥閣下、お眼鏡に適うかどうかは難しいですがお受けします、条件がいくつかありますが……」


元帥「本当かね!? いかんな、つい嬉しさが表に出てしまったようだ、条件を言ってくれ、善処しよう」



俺が肯定の意思表示を見せると元帥は安堵した様子を見せた、余程切羽詰まっていたんだろうな……



提督「私が提示する条件は戸籍の確保は必須として、もう一つは鎮守府への物資輸送の優先順位を上げて頂くことです」


元帥「前者は少々時間がかかるが出来ないことは無い、あまり合法的な方法では無いがね、後者はここで確約出来るという証拠がない」


元帥「だから着任後は密に連絡を取り合い物資のやり取りを行おうではないか、こちらも出来る限りの誠意を見せよう」


提督「分かりました、これで取引の成立ということで宜しいでしょうか?」


元帥「細かい点は後日に話し合ったり資料として閲覧してもらうことになるが大筋の合意は得られた、私は成立として考えている」



敵と接触して命のやり取りを行うのは彼女たち艦娘だ。


物資が底をついたり滞ったりする、これはとにかく避けなければならない、最も重要な要素の一つだ。


お互いに満足する合意が得られて俺は思わず息を吐き出した。



元帥「ところで君は軍属で鎮守府所属だったというのは本当かね? 君が着ていた制服や認識票、偽物とは思えぬくらいしっかりと作られていたが」


提督「ええ、私は数日前まで確かに鎮守府に提督として着任し艦娘達の指揮や管理をしていました、数年ほどの経験ではありますが」


元帥「……君はまさに天啓のような何かなのだろうな、この時代では非科学的ではあるがな、艦娘や妖精に頼っている立場でこう言うのも難だが」


元帥「提督の経験があって助かった、それで身体の方はどうかね、異常などは見られたか?」


提督「異常は見られませんでした、極めて健康です、あと肥満に見えますけど体脂肪率かなり少ないので安心してください、鍛えてますので」


元帥「そうか、健康状態も良好なら明日にでも担当する鎮守府に着任してもらえないだろうか、着任に関する書類などは今日中に鎮守府に送ろう、後で写真を撮らせてくれたまえ」


元帥「戸籍については少々の時間が必要だが必ず確保させよう、今後の人生に関わってくるからな、今日は来賓用の個室に泊まると良い」


提督「ありがとうございます、少々考えを纏める時間が欲しかったものでして」


元帥「来賓用の個室には外で待機している憲兵に案内してもらうと良い、本日は話も纏まった、解散としよう、ご苦労だった」


提督「会談の機会を用意していただきありがとうございました、これにて失礼いたします」



カチャリ…… バタンッ。(ドアの音)



元帥「……極めて眉目秀麗な男子だった、世が世なら傾国の美男とでも呼ばれていただろう、あとは艦娘を毛嫌いしてくれなければ良いが」



提督が鎮守府に着任しました

やや遅めに朝を迎えた俺は支給された最低限の生活必需品と返してもらった制服を鞄に積め、施設を出て憲兵に乗用車まで案内された。


元帥は既に大本営の方に帰られたそうだ、あのくらい偉いと無理もないな、今回はどうにかして時間を作ったのだろう。


憲兵が言うには鎮守府の案内は現地所属の艦娘がしてくれるそうな、書類は早朝にデータで送ったそうなので今頃あちらでは準備をして待っているだろう。


数時間はかかるそうなので運転手と雑談したり、軽く居眠りしたり必要書類の確認でもしながら車に揺られながら行くか。





────長門、着任予定のI基地、提督執務室



長門「事務仕事を疎かにする気はさらさら無いが……」



私は執務机に小奇麗に纏められた書類の束を見ながら溜め息を一つ吐く、数週間は戦闘はおろか演習もしていない。


提督が不在の今、代理が出来る誰かかやらなければならないのだ、それが私だったというだけの話だ。


こんな醜女しか居ない場所を希望する提督など居らず、男性の提督で長続きしているのは粗暴で道徳と倫理の無い者だけだ。


女性の提督も多少は存在するが、艦娘以上の醜女は見たことは無い。


艦娘は長寿命・高い身体能力・長い青年期・強力な艤装を扱う力などの恩恵を受けることができる、だが引き換えに美貌を極度に失ってしまう。


妖精さん自体もかわいいにはかわいいが、かなりシュールでなんともいえないタイプのかわいさなのだ。


妖精さんの美的感覚は恐らく我々とは正反対なのだろう、だが妖精さんの力を借りねばこの国を守ることは出来ない。



長門「次の提督など早急には見つからないだろうな……」


大淀「たっ!! 大変です!!! 長門さん!!! 新しい提督がこちらに来られます!!!」


長門「大淀、どうしたと言うんだ、新たな提督が着任して数か月以下で辞めていく、そんなに騒ぐ事ではないだろう?」


大淀「てっ、提督の写真を見てください!!! とっ、とにかく見てください!!!」



大淀が持ってきた書類を加減して引ったくり、緑茶を飲みながら流し読みする。


どんな男が来ようとすぐに辞めて行くのだから、顔などそこまで気にする必要は……


次の瞬間、私は驚愕のあまり緑茶を噴き出さずにはいられなかった。



大淀「きゃああぁぁっ!? 長門さん汚い!! 噴出さないでください!!!」


長門「ごほっ!! けほっ!! そんなことは些末事だ!!! なんだ、この……この……」


大淀「美男子とかイケメンという言葉では形容出来ないくらいの端正なお顔ですよね!!! 正直女としてちょびっと濡れちゃいましたよ!!!」



大淀が醜い面を赤面させながらもじもじしている、正直不気味としか思えん。


午後には着任する……だとぉ!? こうしてはいられん、すぐにでも出迎えと案内の準備をせねば!!!


こんな不細工を通り越した女のような何かしかいない場所に、こんな美丈夫が来るとは信じられん!!!



長門「……全艦娘を広間に招集させろ、今すぐにだ!!!」


大淀「了解しました!!! 緊急放送で全艦娘を招集します!!!」


長門「提督の顔の事については伏せておく、提督が来るまでに事態の沈静化は難しいだろうからな……」



────提督、I基地入り口前



運転手「到着しました、入り口はあそこですね」


提督「ありがとうございました」



荷物を確認して送迎車から降り、基地運営施設の入り口を見やる。


此処が今日から人生の一部をかけて働く場所、そして俺と同じ差別を受けた艦娘達がいる場所。


上手くやれるだろうか? いや、持てる全てを使って向き合う、それだけを考えるんだ。


俺は浮き足立つ心を押さえつけ呼び鈴を押した。



長門「もしもし、本日着任する提督か?」


提督「ああ、そうだ、○○提督だが書類が届いていると思う、入れては貰えないだろうか?」


長門「了解した、入ってくれ、皆も待っている」



失礼する、と一言だけ告げドアを開けると、数十人の艦娘が俺を待ってくれていた。



長門「わ、私は長門型一番艦の長門だ、提督、当基地は貴方を歓迎する」


提督「おお!! 君が誉れ高い長門型の長門か!! 提督として歓迎を受けた事に報いる様、尽力しよう」



ん? 容姿が醜いと元帥から聞いていたが、長身の美人じゃないか……


他の艦娘達はどうなんだ? 俺は辺りを見回した


大勢の美少女と美人が俺を食い入る様に凝視している、正直怖い。



長門「そ、それでは提督、皆に向かってスピーチをお願いしたい……」



長門がとろけた瞳で俺にスピーチを求めている、何故か呼吸も荒い、疲れているのだろうか? 心配になる。


と、とりあえず先ずはスピーチをするか……



提督「艦娘の皆よ、俺は元帥閣下の推薦でこのI基地に就任した、元帥閣下は艦娘の待遇に酷く嘆いておられた」


提督「過労死や轟沈をさせる時代にそぐわぬ、非人道的な運営とも呼べない管理をする提督もいると聞いた」


提督「艦娘の待遇を自分の手が届くところから改善したいと考えている」


提督「俺は神様でも無いし人間を止めている訳でもない、だから自分の手の届く場所だけだ」


提督「先ずは君達からだ、君達の待遇を改善し、そこから戦績を上げていく」


提督「戦績に繋がるとなれば、時間はかかれど艦娘の待遇改善も次第に広がるのではないかと考えている」


提督「持てる全てを以て最善を尽くす、だから君達も俺に力を貸してくれる事を願っている、俺からは以上だ」



上手く容姿の事をはぐらかしてスピーチ出来たと思うが、反応や如何に……


……あれ? とても静かだ、シーンという擬音が聞こえそうなくr



艦娘達「ウオオオオォォォォォ────ッッッ!!!!」



揺れた、建物と地面が、歓声? 怒号? 腕を振り上げる艦娘達から発せられた音が、とにかく凄まじい振動を起こした。



長門「喝ッッッ!!!!」



長門が仁王立ちで一声を投じる、それだけで艦娘達は静寂を取り戻した、何が起こっているのか見当がつかない。


歓迎されているのか? 以前の鎮守府での着任時、歓迎はしてくれていたのは確かだが淡泊で落胆が隠せていない反応だったのを思い出す。



長門「提督にはこれから荷物を執務室に置いてもらう、その後に各施設を把握してもらい解散となる」


長門「申し訳ないが着任が非常に急すぎた為に歓迎会は開けない、代わりにささやかな宴会程度は翌日までに用意しよう」


提督「その辺りは無理もない、では長門、執務室までの案内をお願い出来るかな?」


長門「勿論だ、ついてきてほしい、お前達は雑務や訓練を終わらせたら寮で待機だ、提督への質疑応答は後ほど時間を確保しよう」


長門「解散だ!!!」



長門が「こっちだ」と手招きをするので付いていくことにしよう、艦娘達は渋々と自らの持ち場に戻っていく。


艦娘は容姿が醜いと聞いたが、皆の顔をさらっと確認しても美人と美少女しかいない。


元帥が嘘をついているのだろうか? だがこんな意味のない嘘を吐くとは思えない、何かがおかしい。


この世界は俺が元居た世界とは違う可能性が高いという説も気になる、まさか価値観が根本から違うのか?


私室にはTVくらいはあるだろうから、施設の案内が終わったらじっくり確認したい。



長門「満点、とは言えないが良いスピーチだったと思う、ここは最前線には遠く育成向けの基地であるのでね」


長門「最前線の基地には向かない内容だった、ちゃんと事前に調べておいてくれていたのには感心だな」



廊下を歩きながら長門はそんなことを言う、それは就任に当たって当然の事ではないのか?と俺は問いかけた。



長門「艦娘の提督というのは軍では非常に人気のない役職だ、特に男子からの人気は常にワースト争いだ」


長門「艦娘を見てどう思った? 顔が整った女子が居ないと思っただろう、艦娘用の基地は男子からは『醜女の墓場』などと言われている」



醜女の墓場だと? やはり価値観が大分おかしい様だ、艦娘は可憐な少女や美しい女性しかいなかった。



長門「だからわざと嫌われようとおざなりなスピーチをしたり、職務怠慢を貫いて異動する提督ばかりだった」


長門「酷い者は暴力沙汰や汚職が常態化している者さえいた、艦娘は戦闘と汚職と暴力の板挟みにされ疲弊しきっているのだ」


長門「男性提督の定着率は最低だが、女性提督は今は数こそ少ないが定着率が高いのでそちらに移行していく可能性もあるだろう」


長門「だから貴方の様な真面目な男性提督が着任して嬉しかったのだと思う、まだ第一印象に過ぎないがね」


長門「さて、執務室が見えてきた、あそこが執務室の入り口だ」



俺も学生時代に女子から多少の嫌がらせを受けていた事はあったが、そんな生易しいものではない。


ずさんで人命を軽視するブラック鎮守府が、この世界では割と当たり前に行われているようだ、それも相手が不細工という理由なだけで。


人である上でそんな外道な事は絶対に許してはならない、自分の心に戒めとして覚えておかねば。


長門がドアを開けてくれた執務室、内装は質の良さそうな家具が見栄え良く配置されている。


視線の先には長髪のストレートヘアの眼鏡をかけた知的な艦娘が立っていた、顔からはまだ少し幼さが抜けていない感じがある。



大淀「ようこそI基地へ!! 私は事務担当艦の大淀です、有事の際には戦闘も行いますが普段は事務や経理を行っております」


提督「こちらこそよろしく頼む、これは有り難いな、実は以前の担当鎮守府では事務担当艦はいなかったので、今回は仕事が捗りそうだ」


長門「秘書艦がついているから仕事の負担はそれなりに軽減されていただろう」


提督「俺みたいな男と毎日面合わせして仕事やりたいという変わり種の艦娘はいなかったよ」


長門「そんなバカな……」


大淀「あ、ありえません…… と、とりあえず荷物は私が提督私室に運んでおきますね!!」



何がありえないのかわからんが、俺はそう多くはない荷物を大淀に手渡した、彼女の顔は紅潮していてほんのりと息が荒い、軽度の風邪でも引いているのだろうか、無理はいけない。


長門に連れられ執務室を出るが大淀がとても名残惜しそうにこちらを見ていた、またすぐに会えるのにどうしたものか。


工廠には明石、食堂には間宮、酒保兼居酒屋には鳳翔、娯楽施設には夕張がそれぞれ説明と案内を買って出てくれた。


皆、美人で気立ての良い娘達だ、何故か皆一様に顔が赤く息が荒かったが……



長門「重要施設の説明はこれで終わりだ、細かい事は後日必要になったら適当な艦娘に聞いておいてほしい、これで解散だ」


提督「ありがとう、助かったよ、俺は執務室に戻るよ、考えたいことが色々とある」


長門「了解した、フタマルサンマルからは提督への質疑応答の時間を設けたいので、その時間になったら広間に来て欲しい」



わかった、と俺は長門に告げ執務室へと歩を進める。


執務室には大淀が待機していたが、一人で考える時間が欲しいと提案したところ、酷く落胆して執務室を去って行った…… 年頃の娘は難しいな……


先ずはこの世界の世俗を簡潔に確認せねばならない、椅子に座りリラックスした姿勢でTVのリモコンの電源ボタンを押した。



提督、常識を知る

……うむ、とりあえず落ち着いてから考えよう。


TVを1時間ほどで見終えた俺は混乱した頭を出来るだけ正常に戻す為に、深く呼吸する。


この時間で学んだ事、気づいた事をちゃんと事実と受け止めて纏めてみよう。


男子の俳優やアイドル、アナウンサーなどが俗に言う冴えないモブみたいなおっさんやリアクション芸人みたいな外見の人しかいないんだが……


女子の方はモテない女芸人や喪女みたいな人しかいない、かなりの地獄絵図だ……


逆にモテないのを売りにしている芸人とか、個性派・色物俳優などはハンサムや美人が多い。


マスコットもかわいい系とシュール系の立場が逆転している、この世界のサン○オとかデ○○ニーの立ち位置どうなっているのか……


ただ衛生観念は変わっていないのか、顔が荒れている人はあまりいなかった、この世界のハンサムや美人も肌は綺麗だ。


あと背丈に関しては男子の中背は少なく見えた、極端にチビとノッポが好まれ体型は肥満と干物が人気。


女子の方は背丈は十人十色だったが、肥満みたいなタイプがどうやらかなり男子受けが良いらしい、だが乳房が大きい人はあまり好まれない模様。


相撲中継がたまたま放送していたので視聴してみたが、客層のほとんどが若い女性であることに気付く。


力士達の扱いもまるで男性アイドルのようだった、黄色い歓声が飛び交っていた。


これらを踏まえると…… 俺ってもしかして…… いやまさかそんな馬鹿な!!


今思い出すと案内をしてくれた艦娘達は、何故か熱っぽい顔と視線で俺を見ていた。


俺は思わず洗面所の鏡の前に立ち、自分の顔と身体をペタペタと触る。



提督「……俺ってハンサム扱いなのか!?」



もしそうだとしたら、この世界では自分の振る舞い方を考えねばならない。


だが自分がハンサムだと自覚して生きた事など全くないので、どうしたらよいのかさっぱりだ。


しぱらくは当たり障りのない、尚且つ謙虚に生きていくのが良いかもしれない。



大淀「提督、そろそろ質疑応答のお時間です」


提督「ああ、わかった、準備はすぐに終わるから待っていてくれ」



ノックの後に聞こえてきた大淀の声に返事を返し、支度を手早く終わらせる。


振る舞いに悩んでいるところに質疑応答の時間、非常に困ったものだ。


ある程度は真摯に答えるつもりだが、はぐらかすところはうまくやらんとな……



────提督、運営施設の広間



開始時間まで残り15分程度、送迎車の中でも見たがもう一度、I基地所属艦娘について再び確認をすることにした。



『戦艦』:長門(改)  『高速戦艦』:金剛(改)、榛名(改)、ビスマルク  『航空戦艦』:伊勢(改)、日向(改)


『正規空母』:蒼龍(改)、飛龍(改)、グラーフ・ツェッペリン  『装甲空母』:大鳳


『軽空母』:鳳翔(改)、龍驤(改二)、飛鷹(改)、隼鷹(改)、千歳(航)、千代田(航)


『重巡洋艦』:古鷹(改二)、加古(改二)、高雄(改)、愛宕(改)、摩耶(改)、鳥海(改)、鈴谷、熊野  『航空巡洋艦』:最上(改)、三隈(改)


『軽巡洋艦』:長良(改)、五十鈴(改二)、名取(改)、天龍(改)、龍田(改)、夕張、大淀  『練習巡洋艦』:香取(改)


『駆逐艦』:陽炎(改)、不知火(改)、黒潮(改)、親潮(改)、浦風、磯風、浜風、谷風、皐月、水無月、文月、長月、菊月、三日月、望月、秋月


『潜水艦』:伊19(改)、伊58(改)、伊26、U-511  『工作艦』:明石  『給糧艦』:間宮



現在のところ、計56名の大所帯だ、一流どころの提督は100名超えていても統括しているとの事だ、信じられない……


教育担当の艦娘は既に『改』には到達しているか、一部の艦娘は『改二』に改装されているようだ。


資料によると、この基地は『改』まで到達し尚且つ的確に指示を理解し、戦闘行動に移せるようになるまで練度を高めるのが目的と書かれている。


指定の練度まで達した艦娘は戦闘が激しい地域の鎮守府や泊地に送られていく。


教育係は他所の鎮守府から直接指定でもされない限り、この基地に残って教育を続けていくとの事だ。



大淀「提督、そろそろ開始の時間ですが準備はよろしいでしょうか?」



簡潔に肯定の返事をして質疑応答の前に心身を引き締める、広間は既に大勢の艦娘が集まり喧噪が聞こえる。


いつの間にか用意された簡易ステージに上がり、テーブルの近くの椅子に腰かける、逆側には長門と大淀が座った。


お昼に放送していた某番組を思い出す、お題の書かれたサイコロなんか出てきそうな。



長門「皆、よく集まった、これから提督への質疑応答の時間を設ける、提督との円滑な情報伝達や意思の疎通の為にな」


長門「あまり俗な質問はするな、提督が拒否するような品の無い質問をした場合は訓練メニュー追加を検討する」


長門「開始前、くじ箱で全員に番号を書いた紙を配った、順番に質疑応答をしていくがフタフタマルマルには終了予定だ」


長門「時間の都合上、最後までに全員が質問するのは難しいだろう、その辺りは覚悟しておけ」



俺が言うのも難だが、長門はかなり司会に向いていないと苦笑せざるを得ない。


真面目なのが取り柄なのは良い事だが、これでは盛り上がりが無い、艦娘達もざわついている。



提督「長門、あまり堅苦しくしないように、コミュニケーションの催しなのに全く盛り上がっていないぞ」


長門「提督…… あまりハメを外させない方が……」


提督「構わない、聞きたいことも委縮して聞けなくなるぞ」


金剛「テートクの言う通りデース!! 長門はprudeね!!」


鈴谷「そ~そ~!! 長門さんいっつもおかたいってば!!」


長門「ぬぅ…… 提督、お困りなら私に代わってくれ」



渋々と腕を組んで椅子に腰かける長門、女の子なんだから股おっぴろげて座るのやめなさい……



提督、質疑応答を受ける

大淀「では提督への質疑応答を開始します、番号1番をお持ちの方、どうぞ」


龍驤「ウチが1番やね!! んじゃあ…… 司令官はお好み焼きは好きぃ?」



龍驤か、酒保と居酒屋で忙しい鳳翔に代わって軽空母のリーダーを務めているそうな。


改二という事もあり、経験と信頼を買われて稀に大規模作戦にも駆り出されるそうだ。



提督「お好み焼きは好きだ、関東生まれだから粉物は滅多に出てこなくてな、たまに食べたくなるな」


龍驤「ほぉ~、わかっとるねぇ、ついでだけど大阪と広島のではどっちがええ?」


提督「広島のお好み焼きが好きだな、大阪のも嫌いではないが甲乙つけるなら広島のお好み焼きだ」


龍驤&黒潮「そ、そんなぁ!!」


浦風「ぃやったぁ~!! ぶち嬉しいのぅ!!! 提督、食べとうなったらウチが作ったるけぇ!!!」


提督「ありがとう、その時はぜひ浦風に頼むよ」


龍驤&黒潮「…………」(呆然としている)


大淀「早速波乱の雰囲気ですが会場が少し温まってきました、番号2番をお持ちの方、どうぞ」


間宮「私です、ええっと今後の参考までにお聞きしたいのですが、提督の好きな食べ物と嫌いな食べ物は何ですか?」



間宮は言わずとしれた給糧艦の顔だな、彼女が配属している施設は食に対する不満が非常に少ないと聞く。



提督「そうだな、すぐに思いつくのはハンバーグとピザだ」


ビスマルク&グラーフ「ガタッ!!」(立ち上がる音)


金剛「ビスマルク、Sit downネー」


蒼龍「グラーフ、急にたちあがっちゃダメだって」


提督「実はな、実家にいた頃は両親が和食派であまり洋食が無かった、だから子供が好きそうな洋食は大体好きだぞ、反動で子供舌になってしまってな」


提督「嫌いな食べ物はセロリと魚介の卵かな、生臭いものは苦手だ、他にも色々あるがすぐには思い出せないな」


間宮「ありがとうございます、参考になりました」


鳳翔(これはいけません…… 私は洋食はあまり得意ではない……)


大淀「実に間宮さんらしい質問でしたね、次は番号3番の方、どうぞ」


千歳「3番です、では質問しますね、提督はお酒は強いですか?」



千歳は育成強化中の軽空母だったな、この質問をしてくるということは恐らくこの世界でも酒豪……



隼鷹「まあそこは気になって当たり前だよなぁ? 酒とコミュニケーションは切っても切れないしねぇ」


飛鷹「あなたは理由をでっちあげて呑みたいだけでしょうが」


提督「期待に応えられず済まないと言っておこう、俺は下戸だし一年を通して酒を飲む習慣はない」


千歳「ああ、そんなぁ……」


隼鷹「どうしてそこで呑むと言ってくれないのさぁ!! 千歳ぇ、今夜はやけ酒に付き合うぜぇ!!」


千歳「流石は隼鷹、話が分かるぅ!!」


飛鷹「呑ませないわよ?」


千代田「飛鷹さん、千代田も手伝うよ、お姉もいい加減にしなさい!!」


大淀「提督は下戸なので皆さんはアルハラとかしないでくださいね? 次は4番の方、どうぞ」


浜風「4番はこの浜風です、提督は既に秘書艦の選定はお決まりでしょうか?」



浜風、不知火と同じくらい生真面目な艦娘だな、銀髪と片目隠れの髪型は印象的だ。



提督「秘書艦か…… 俺は秘書艦は余程の事がない限りは雇わない方針でいる」


提督「大淀には事務と訓練に集中してもらい、長門は育成と戦闘に復帰をさせようと考えている」


浜風「!? ……差し支えなければご理由を聞かせていただけないでしょうか」



浜風以外の艦娘達もざわめいている、ここはしっかりと説明せねばならないな。



提督「事務仕事を軽く見ている気はない、だが戦闘や訓練と違って命の危機や身体を痛めつけるという事は無いだろう」


提督「艦娘は常に過酷な任務に心身を晒している、君達には休める時はしっかりと休み、仲間との親睦を深めて貰いたい」


提督「それが俺の考え方だ」



偽りのない本心を吐いたが、どう受け取るのだろうか…… 正直なところ一人執務に慣れ過ぎてしまっているのもある。



浜風「……わかりました、それが提督のお考えならば」


大淀「提督がそう仰るならば致し方ありませんね…… 次は5番をお持ちの方、どうぞ」



暫くは当たり障りのない質問(身長・体重・年齢・趣味・軍の志望動機など)を受けた。


流石に軍の志望動機については「女性から迫害されていて逃げたかった」とは言えないので、とりあえず無難な理由にしておいた。



大淀「さて、時間も圧してきましたのであと2-3人の質問で締め切ろうと考えています、番号14番の方!!」


鈴谷「14番は鈴谷だよ!! みんな意外に質問しなかったからするけど~、提督は何人の女の子とお付き合いしたことあるぅ?」



鈴谷か、良くも悪くも気さくな今時の女子学生という印象が強い娘だ、そしてやはり恋愛系の質問が来たか。



長門「鈴谷!! どういうつもりだ!!」


鈴谷「長門さんとみんなも気になってるんじゃないの~? だって提督ってばこんなにカッコイイし超イケメンなんだよ?」



確信に近いものを感じていたが、鈴谷にはっきりとイケメンと評価されるとなんともむず痒い感覚がするな……


俺はこの世界ではどうやら容姿が非常に整っているらしい。



長門「提督、無理に答える必要は────」


提督「鈴谷の予想を裏切るようで済まないが、俺の過去の女性遍歴はゼロだ、女性と交際したことは無い」


鈴谷「ええ~…… えええぇぇぇっ!?」



会場の空気が一気に疑惑や困惑の様相を見せる、艦娘達が動揺を隠せずにざわつき始めた。


長門、大淀、鈴谷は絶句して俺の顔を見つめ続けている、そんな顔で見るな…… 俺が生まれた世界だと信じられないレベルの不細工なんだよ……



鈴谷「うそだぁっ!!! 鈴谷をからかって遊んでるんでしょ!?」


提督「質問には答えた、もういいだろう? あまり触れてくれるな……」


鈴谷「ぶぅ~…… なんか納得いかない……」


熊野「……恐らく提督自身の理想が高すぎて、それに釣り合うほどの淑女がいなかった、ということもありましてよ?」


鈴谷「あぁ~…… そういう事もあるのかなぁ、提督って超イケメンだしね……」


大淀「か、かなり際どい質問にも動じず、切れ味鋭い返答でした、番号15番の方、どうぞ」



とてもすごい誤解を受けたまま終わったような気がする…… 次は答えやすい質問を希望したい。



伊58「15番はゴーヤだよぉ!! 提督って普段もお堅い感じの喋り方なのぉ? ちょっぴり近寄りがたい子がいると思うでち」



伊58ことゴーヤ、Uボートと仲良いあたり潜水艦組では面倒見がよさそうな娘だ。


このような質問をするという事は堅苦しく息苦しい態度と思われている可能性がある、少し考え直さないといかんか?



提督「この口調は提督に就任してから意識して変えた、一兵卒だった頃は年相応の若者口調だったぞ」


提督「30代になって人の上に立つ事を考えたら、見かけだけでも正さないとならんと思って矯正した」


提督「堅苦しいと思うが気兼ねなく話しかけてくれ、道徳や倫理が欠如した言動さえしなければ怒る事は滅多にない」


伊58「そうでちたか、提督の事ちょっと分かったでち!!」


大淀「理解が深まったようで何よりです、次が時間的に最後の方になりそうです、番号16番の方、どうぞ」



時間も予定の終了時間にかなり近づいてきたな、やはり際どい質問もあったがどうにかここまで簡潔に答えたと思う。


最後はどんな質問がくるだろうか、気を抜かずに答えねば。



高雄「番号16番は私、高雄です、提督は秘書官を雇わないとの事ですが志願は受け付けていますか? 私は志願を強く望んでいます」


提督「確かに雇わないとは言ったが…… 君は何故志願を考えたのか、聞かせてもらえないだろうか」



まさか最後の質問で秘書艦をやりたいという艦娘が出てくるとは思いもしなかった、かなり強めに雇わない理由を説明したのだが。


艦娘達も固唾を飲んで静かに耳を傾けている。



高雄「わかりました、私が提督の秘書艦を志願した理由は『艦娘の指揮と運営をする上で理想の提督』と考えたからです」


高雄「提督は艦娘の待遇を向上させたいと仰っていました、この基地に着任した過去の提督も似通った事を口にしたことはありましたが、実行した方は皆無です」


提督「その理由だと俺も口だけの提督である可能性が高いのではないか?」


高雄「確かに…… 可能性の問題ではありますが、提督は着任のスピーチも質疑応答についても『醜女』と呼ばれる私達に対してとても真摯に接して下さりました」


高雄「私は今までの艦娘としての生き方に疲れ果てています、恐らく皆も私と同じ気持ちを持っているのではないかと」


高雄「貴方の様な真摯で誠実な提督なら、今の状況を改善してくれるのではないかと期待を持っています」


高雄「提督の目標をお手伝いしたい、その想いから秘書官を志願しました、私の考えは以上です」



ここに来て艦娘達自身の問題が浮き彫りになったか、志願する理由としては最もな理由ではあるが……


志願を望んでいるならば、素直に力を借りるべきだろうか? 俺の女性不振の部分がこの決断を鈍らせる。



提督「…………」


高雄「あの、提督……?」


提督「高雄、君を秘書艦に任命する、今後は迷惑をかけるだろうがよろしく頼む」


高雄「!? あっ、ありがとうございます、提督!!」



彼女は大勢の前でしっかりと意見を述べた、信用するとまでは言い切れないが気持ちを汲み取らないという選択は出来なかった。


もう一度ちゃんと艦娘達と向き合う、俺もそういう覚悟を持たないといかんな。


さて、これで質疑応答の時間は終わりか? 多少の問題はあったがつつが無く終わったようだ。



大淀「これにて質疑応答の時間を終了します、提督、本当にお疲れ様でした」


提督「今夜は遅くまで皆に付き合わせてすまなかった、僅かでもお互いに距離を縮められたなら幸いだ」


長門「これにて解散だ、明日の準備を済ませ速やかに就寝するように」



────高雄、基地の敷地内、寮へと続く道


私は提督への質疑応答の催しを終えて、妹達と夜空の下で雑談しながら歩いている。


基本的に部屋を出てしまえば目的がバラバラなので、部屋を除いて姉妹全員と会うのはあまり無いものね。



摩耶「んあぁ~!! 今日は大騒ぎな一日だったなぁ」


愛宕「摩耶ちゃんの言う通りね~、ぱんぱかぱ~んなハンサムが提督として着任してくるんですもの~」


鳥海「あれほどの美男子は色んなメディアでも滅多にお目にかかれません、ましてや『醜女の墓場』に着任するとは予測など不可能です」


愛宕「鳥海ちゃんは変なところまで生真面目に計算するんだから~、それとぉ、高雄すごかったわぁ」


摩耶「確かになぁ、アタシなんて提督がハンサムすぎて尻込みしてたってのによぉ」


高雄「ふふっ、今でこそ安堵してるけど、心拍の高鳴りがすごい事になってたのよ」


高雄「それに私達を見て顔色をあまり変えない人なら、差別せずに私たちの待遇を向上してくれると思ったの」



鈴谷の質問に対して提督は動揺こそ感じたが、不快な表情は全く見られず。


運よく私の番も辛うじて回ってきた為、秘書官の志願を願い出るという一種の賭けに出た。


提督の理想に非常に共感したのは勿論、言葉にしようのないハンサムな提督のお傍に居たいという私欲もあった。


断られるのは覚悟していたが、今は秘書艦に任命された事に胸を撫で下ろしている。



鳥海「司令官さんの方針は私達にとっては非常に魅力的ではありますが、今までの提督の事を考えると疑惑の方が強いですね」


鳥海「だけど高雄姉さんが志願するという事は、司令官さんには期待を持っても大丈夫だと信じたいです」


摩耶「高雄姉はそういうところ鋭いよな、アタシなんてちっともわかんねぇ」


愛宕「摩耶ちゃんはそのままでいいわよぉ、摩耶ちゃんの可愛くていいところだもの~」


摩耶「愛宕姉も考え無しという点ではアタシと似たようなもんだろ!? 能天気でふわふわしすぎ!!」



愛宕は掴みどころの無い部分ばかりを見せる、だけど時折聡明な艦娘が気づかなかった事を指摘することがある。



愛宕「んもぅ~、高雄ったら眉毛の端が吊り上がってるわよぉ?」


高雄「愛宕、貴女は提督についてどう思う? 貴女が特に動きを見せなかったのが気になって」


愛宕「あらぁ、高雄ったら鋭い~、そうねぇ、まだ分からない部分がたっくさぁ~んあるからなんとも言えないわねぇ」


高雄「では『好き』か『嫌い』かで答えるならどちらかしら?」


愛宕「ん~…… 『好き』かしらね、自分だけがいいとこ横取りってタイプではなさそう、まだわからないけどぉ」


高雄「愛宕がそう言うなら私の考えが間違いになる確率は低そうね」


愛宕「ふふ~ん、信頼してもらえてうれしいわぁ」


摩耶(やっべ、話についていけねぇ……)


鳥海(摩耶ったら全く理解できていない顔ね、後でわかりやすく教えてあげないと)



今日の出来事を色々と雑談している内に、私達高雄型専用の部屋に到着した。


時刻もフタサンマルマルに近い、入浴の準備をして身体を洗い、明日に備えて就寝しなければ。


今日はいつもより大きな出来事があったけれども、これからの展望を考えると少し希望が湧き立つ、そう感じられる一日だった。



────提督、私室


艦娘達からの質疑応答を無事に終えた俺は、提督執務室に備え付けられた私室でくつろいでいる。


入口に下駄箱と段差がある畳部屋で地べたで寝るのが大好きな俺には嬉しい誤算だ。


以前の鎮守府の私室は洋室でベッドだったのである、畳と布団で寝られるのは良い物だ。



提督「色々と質問されたもんだな、容姿の良い男だと女の子はやはり喰いつきが違うな…… まあそれは男にも言える事なんだけどな……」


提督「以前の世界では不細工な俺が世間の女子から疎まれ、この世界では俺から見たら見目麗しい艦娘達が迫害されている、か……」



皮肉に近いが何とも言い難い状態だな、布団を敷きながらそんなことを考える。


彼女たちは自ら疲れ果てていると言っていた、提督としては執務や待遇改善をしてあげられるが個人としては彼女達に何をしてあげられるのだろうか?


個人的にしてあげられるようになるにはもっと理解をお互いに深める必要がある、先ずは日々のコミュニケーションと執務で結果を出さねばならない。


明日は執務で基地の現状を把握し、そこから舵取りを検討しなければならない


色々と思案するが今日は夜も遅く時間切れのようだ、今日は風呂に入って体中の汚れを落として寝る事にしよう。



提督、執務に従事する

時刻はマルロクマルマル、時計のアラームが数秒鳴り響いたところで俺は目を覚まし体を起こしてアラームをオフにする。


カーテンを開き天気を確認、良くも無く悪くも無く薄曇りと言ったところか、降雨するという感じの雲ではないな。


顔を洗い眠気を覚ましてから制服に着替えようとするも、新たな制服は本日中に届くと書類に書いてあったので今日限りは私服で過ごすことになる。


以前の制服だとデザインと階級は違う、勲章はそれなりにあったものだから恐らくおかしな事になると思われる、だから避けよう。


人と面会するような仕事は提督代理だった長門、事務担当艦の大淀、秘書艦の高雄に任せれば一応は大丈夫だろう。


コンッコンッとドアを叩く音が聞こえ、その後すぐに秘書艦の高雄の声が聞こえてきた。



高雄「提督、起きていらっしゃいますか? マルロクマルマルを過ぎたので念の為確認に参りました」



おお、すごいな、ちゃんと遅刻しない程度の時間に確認に来てくれた。


以前は稀に寝坊した時には遅刻確定の時間に渋々見に来てたという感じだった、出来る限り顔も見たくなかったんだろうな……


これはコミュニケーションの機会ではないだろうか? 以前の世界なら間違いなく露骨に嫌悪感を見せられお断りされたが、今度は行けるだろうか?



提督「ああ、おはよう高雄、ちゃんと起きて布団から出ている、立って待たせるのも何だから部屋に入ってくつろいでいると良い」


高雄「えっ? えっと、し、失礼いたします!!」



とりあえずズボンをささっと穿いて、ドアの鍵を開け高雄を部屋に招いた。


ああ、良かった、高雄の顔を見る限り露骨に嫌悪はされていないようだ、少なくとも顔には出ていない、まあこれから嫌がられたら流石に止めるが。


急な訪問だったので上着はまだ来ていないがノースリーブインナーシャツを着ているから、セクハラにはならんだろう。



高雄「おはようございます提督、今日も私服でお過ごしになられるのですか?」


提督「実は以前の制服は傷みや解れが酷くてね、一度新調しようと思っていたんだ、今日の内に新品の制服が届くから明日からは制服を着用する」


提督「面会が必要な事案は長門、大淀、そして君に頼もうと思っている、その時はよろしく頼む」


高雄「はいっ、高雄に御申しつけくださいね」



制服の事はとりあえずはありえそうな理由で誤魔化した、この世界に連れてこられた事は出来る限り隠さなければ。


間違いなく頭のおかしい人物として色んな人物から目を付けられてしまうだろう、これに関しては些細な事にも迂闊な言動は出来ない。


色々考えて準備をしていたら、恐らく視線だろうか? 俺は嫌悪感を向けられてばかりだったので視線に関してはやや敏感になっている。


この部屋にいるのは俺と高雄、つまり高雄が俺を凝視している事になる、俺は警戒しながら高雄の方に目を動かした。


すると、どうだ、高雄は俺の出っ張った腹部を目を見開き、唇を真っ直ぐにして凝視していた。



提督「どうしたんだ? 具合でも悪いのか?」


高雄「…………」


提督「高雄、聞こえているか? 高雄、しっかりしないか」


高雄「はっ!? て、提督!! 申し訳ございません!!」


提督「俺の腹が見事に出っ張っているのはわかるが、見つめるようなものでもないだろう?」



我に返った高雄は顔を紅潮させ、あたふたしながら姿勢を正し、そして言った。



高雄「提督のお腹は…… その、あのぅ…… すごくセクシーだなって思いまして…… や、やだっ、私ったら!!」


提督「俺の出っ腹がセクシー……」



そっ、そう来たかぁぁぁ~…… 何がセックスアピールになるかは不明瞭な部分はあったが、まさかこんな出っ腹が性的な要素になるとは……


自分はこの世界ではハンサム扱いらしいが、どのように性的魅力を感じるのかを折角なので聞いて見るか。



提督「俺みたいに背が160cm強しか無い上に横と奥行きが長い、ぶっちゃけるとかなり太っている男子を君はどう思う?」


高雄「ぶっちゃけ!? 提督もそういうお言葉使いをなさるのですね…… 体型についてはそうですね……」


高雄「小柄な男性はとても庇護欲をかきたてられます、太っている男性は柔和な印象が強くなりますし、丸みがあって抱き締め甲斐があると思います」


高雄「お顔はとても可愛らしいと思います、例えるのが難しいくらいに美青年です、外出したら芸能界隈などは特に気を付けてください、海軍の後ろ盾があるから簡単には手を出してこないとは思いたいです」


高雄「提督のお顔と体型で甘え上手だったら大概の女性は落ちるのではないでしょうか、提督は自立心がとても強そうな印象がありますが」


高雄「す、少し熱弁してしまいました、申し訳ありません!!」


提督「いや、貴重な意見をありがとう、見られるのは慣れているが評価というのはされた記憶があまりないのでな」


高雄「提督は容姿が際立ちすぎて評価するのが難しいのではないかと思いますよ? 私のような醜い女が提督を評価するというのもおかしな話ですし……」


提督「そう卑下するものではない、君は服装をしっかりと整えているし礼節も備えている、本当に醜い人間というのは外面に差はあれど内面が特に酷いものだ」


提督「高雄の様な女性から高い評価を頂けるのは実にありがたいことだ、もっと自信を持ってくれ」


高雄「提督、ありがとうございます……」



提督という立場とはいえ、何で俺はちょっと上から目線で褒めているのだろうか、なんというか我ながら実に気持ち悪い。


見られ慣れているというのは嘘ではないな、汚物を見る目で見られてばかりいたからな、はっはっは!! はぁ……


だが、高雄から異性の評価をもらえたのは良い参考にはなりそうだ、何かしらの武器になるかもしれん。


さて、着替えも終わったことだし、腹も減ったし高雄と一緒に食堂へ向かうとしよう。



提督「準備良し、執務に必要なものは執務室に準備してあるから大丈夫か、高雄、部屋を出よう」


高雄「その前に提督はお食事は済ませましたか?」


提督「ああ、これから食堂に向かうのだが」


高雄「提督、それは避けたほうが良いと思います、艦娘達に囲まれて色々な攻めに遭います、狼の群れに子羊とはまさにこの事ですわ」


提督「そ、そうか、俺は何処で食事をしたらよいだろうか?」


高雄「私が執務室まで食堂の料理を持っていきますのでお待ちください、料理カートは間宮さんが恐らく置いてある場所を知っていると思いますので」


提督「分かった、流石は秘書艦だな、大人しく執務室で料理を待っている事にする」


高雄「お任せください、秘書艦と一緒に食事をすることになりますが問題はございますか?」


提督「いや、何の問題もない、ではここで別れることにしよう」


高雄「はい、また後ほどに」



執務室に向かって歩いていくが艦娘と遭遇する気配はない、皆は食堂に一直線なのだろうか。


執務室のドアを開けるも見事な無人、ドアを閉め座り心地の良さそうな執務用の椅子に深く座る。


悪くはない座り心地だ、これなら長時間の執務にも身体は耐えられそうだ、眠気はまた別の話だが。


執務室の色んな家具を物色しているとドアをノックする音と高雄の声が聞こえた。


高雄の声に対して許可の返事をするとドアが開き、高雄の姿と料理を乗せたカートが現れる。



高雄「お待たせしました、提督の希望を聞き忘れていた為、好きな料理と答えていらっしゃったハンバーグ定食を持ってきました」


提督「おお、良いね、ちゃんと答えておいて良かった、これが間宮の料理か……」



以前の鎮守府は小規模だった為に給糧艦は所属していなかった、当番制だった為にみんな頑張っていたがやはり本職には及ばなかった。


匂いと盛り付けだけで美味いと確信できる、間宮の料理はすごいものだ。


高雄は鯖の味噌煮定食という非常に渋い定食を持ってきた、年頃の娘が食べるものにしては渋いな……


それにやはり艦娘であるせいか、戦艦や空母より多少は少ないが健康的な男子の俺より量が多いな。


茶碗というかそれラーメンどんぶりなのではないか? というような食器に白飯が山の様によそわれ、鯖の味噌煮も5尾ほど皿に盛りつけされている、サラダは大皿、味噌汁もどんぶりである。


俺の方は朝からハンバーグかよ、と思われがちだが身体を鍛えるのが好きなので朝から肉はあまり苦にはならない。


うーむ、やはり育ちが良いのか高雄は綺麗に魚を食べるな、魚だけではない、食べ方そのものに品がある。


量が凄まじいので時間内に食べ終えるのにも速さが必要だ、手早く食べてはいるが品の無さは感じられない、見事だ。


俺も食べ物には感謝して余程苦手なもの以外は綺麗に食べようとするが、それに品の良さを加えるとなると難しいものだ。



高雄「普段は周りの艦娘もたくさん食べるので慣れていましたが、男性の前でこんなにたくさん食べるところを見られるのは恥ずかしいですわ……」


提督「君達には食べる義務がある、気にしないで任務に支障がない程度にしっかりと食べるべきだ」


高雄「ご配慮に感謝いたします、艤装をしばらく装備しなければこんなに食べなくて済むのですが……」


提督「それは噂程度には聞いたことあるな、実際は見たことは無いが」


高雄「ええ、一般の成人男性程度の食事量で済みます、艤装を扱うには多量のエネルギーが必要みたいです」



艦娘はやはり謎だらけだ、人間から改造されるというが物理的要素はなく霊的な何からしいが……


艤装も人間では今のところ整備は難しいそうだ、明石が整備出来るから人間でも出来そうではあるが、機械的な部分はともかく「それ以外」の部分は全く手が出せない。


明石も元々人間のはずだが艦娘に改造されて以来「それ以外」の部分が「知覚」できるようになったらしい、見えるのか理解なのかはわからないが。


艤装は明石と妖精さん達に任せるしかないようではある、自前の艤装の簡単な整備くらいは艦娘でも出来るようだが。


色々考えている内にハンバーグ定食を食べ終えた、見た目に違わぬ美味しさで口も腹も満足だ。


高雄もあれだけあった鯖の味噌煮定食を俺とほぼ同じ時間で食べきった、すごい速さで箸動かしていたからな……


ちょっとした食休みをしてから執務を行うと高雄に提案、カートと食器は食休みを終えたら食堂に持っていくとのことだ。



────十数分後



高雄に食器を片づけてもらい、執務室に戻ったと同時に本日の執務を開始。


先ずやらねばならない事は入渠ドックの修繕だ、銭湯のような施設で複数の艦娘が入渠できる仕組みになっている。


今すぐに使える入渠ドックはたったの一つ、つまり最低限しかない、これでは実戦をすることは出来ない。



提督「忙しいところ済まないが、入渠ドックが何故1つだけ残されて壊滅状態なのか聞きたい」


高雄「……詳しい事はわかりませんが全てを壊してしまうと、ドックを使わざるをえない状況になった時、対応できないからだと思います」


高雄「作戦行動中に決断を迫られ結果として艦娘を轟沈させる以外に、艦娘に重大な不備や事故が起こると信用を問われ、降格の原因になるという話を聞いたことがあります」


高雄「後は歴代の提督は我々艦娘に嫌われる為、そして異動の理由を作る為に意図的に修理せずに放置したままにしてあるのだと思います」



彼女の話を聞き唖然とする、あまりにも意味が分からない、そして独り善がりで傲慢にも等しい理由を聞かされ腸が煮えくり返りそうになる。


恐らく中破・大破の怪我を負った艦娘を数日放置することもざらにあったのだろう、明石の説明では修復剤の貯蓄も少なく常に順番待ちの状態だったそうだ。


大本営に問題を持ちかけても前線勤務の基地ではない為、後回し・たらい回しばかりで入渠ドックの修復がままならなかったそうだ、提督が長期的に着任しなかったのも原因の一つかも知れないとも言っていた。


命を懸けてまで国土と国民の命を守ってくれている艦娘達に対して、姿が醜いからという理由でこの仕打ちだと……!!!


元帥が嘆くのも無理はない、せいぜいふざけた態度で艦娘達を冷遇する程度だと考えていた俺が浅はかだった。


生活品質や生命にも関わる施設を、自分の保身の為だけに最低限の機能を残して放置する、これは紛れも無く迫害そのものだ。


滾る怒りを抑えきれず、俺は拳を振り上げ執務机に叩きつけようとするが、高雄が見ている事に気づき怒りを堪え拳を震わせながら静かに下した。



高雄「提督……」


提督「済まない、俺たち海軍の将校が不甲斐無いばかりに艦娘達を辛い目に遭わせてきた」


高雄「良いんです、提督は何も悪くないです、だって着任したばかりで何も悪い事をしていないのですよ?」


高雄「だから『あなた』は何も悪くないんです」


提督「……ありがとう、君に救われたな、まだ明確な目的も無く大雑把にしか言えないが…… これから色々良くしていこう」


高雄「独りで抱え込まないでください、私はそれをさせない為に貴方の秘書艦になったのですから……」



艦娘から好意的に救ってもらったのは初めてかもしれないな…… 彼女達は常に苦しい思いしていたというのに高雄は強い女性だ。


気持ちを落ち着けてこれから何をすべきなのか、しっかりと考えなくてはならない。


実戦や高度な演習に艦娘が耐えられるように、工廠関連を最優先として修復していく事にしよう。


資材については元帥から約束を取り交わさなければならない、ある程度にまとまったらすぐに連絡だ。


高雄と相談した結果、入渠ドックが実用に耐えられる数を揃えるまでは基地内演習と鍛錬に費やし『自発的な』出撃は可能な限り保留。


資源の確保は大本営からの配給と、無理のない遠征任務で慎ましく稼ぐことになりそうだ。



────数時間後



昼食も朝と同様に執務室まで運んでもらい残さずに食べて、執務をこなしている内に時刻は夕方間近。


巡洋艦が引率して練度が未熟な艦娘達を編成して演習を行っていたのだが、どうやら無事に演習を終えて執務室まで報告にやってきたようだ。


紅白二組に分かれて演習を行っている模様、本日の編成は確かこの書類に……



紅組:天龍・大淀・皐月・水無月・文月・長月   白組:香取・夕張・菊月・三日月・望月・秋月



ふむ…… 高速の水雷戦隊による演習だな、まだ夜戦をさせるには早いのだろうか、昼に切り上げて報告とはな。


正直、艦娘の練度の把握は一朝一夕で見定め把握するのは無理なので、俺自身も時間に余裕があったら視察せねばならないな。



天龍「演習の結果を報告しに来たぜ、駆逐のチビ共はぼちぼちってところだ、夕張と大淀は兼任だから正直気長に考えてくれってところだな」


香取「天龍ったらしっかりと報告なさい、勝利側は紅組です、大淀の状況把握と天龍の指揮、皐月と水無月が相手の目的を巧く阻み、文月と天龍が先陣を切り長月がフォローに回り手堅く攻めたのが勝利の要因と思います」


香取「白組の敗因は文月と天龍の攻撃までは読めていましたが、長月のフォローまで手が回せず後退などで立て直しをしなかったのが敗因とと考えています」


天龍「香取が説明したほうが分かりやすくて早ぇからそっちの方がいいだろ、んで今日のMVPは文月だ、こいつは見た目に寄らず結構好戦的だぜ、天然と見せかけて抜け目無いところもあるしな」


文月「ん~、なんかねぇ、もやもやってするところで攻撃とかぁ身体を動かすとぉ、なんとなくうまくできちゃうの~」


天龍「天然で勘が鋭いとかなかなか質が悪いな、おい」


皐月「悪戯に全然引っかからなくて、卯月お姉ちゃん悔しがってた事もあったね~」



以前の鎮守府では報告が事務的なのは仕方ないとは思うが、本当に必要事項だけ報告してあっさり解散だったからな……


こうして艦娘の様子まで報告してくれるのは初めてだ、色々な事が判って今後に役立てそうだ。


そしてMVPか…… 「良くやった」的な言葉でしか褒めてなかったな、褒めても基本的に無反応だったのがすごく辛かったが……


大規模作戦の時にMVPを勝ち取った艦娘に褒美を進呈しようとしたら、かなり塩分の高い事務的対応されて以来、何もしないのが正解と気づいて辛かった……



提督「MVPか、良くやったな、文月」


文月「むふぅ~、ありがとぉ、しれいか~ん」


提督「他の皆も演習ご苦労だった、問題や改善すべき要点を纏め報告書として後に提出、解散だ」



解散とは言ったものの皆一様に動かない、むしろ動揺すら見られる、どうしたことか、何か下手を打ったか?


少々の沈黙の後、俺は秘書艦の高雄に視線を向け冷や汗を少々流しながら無言で助けを求めた。


軽く咳払いをして彼女は私に視線を向け、言葉を発した。



高雄「提督、彼女達はMVPの文月に労いを希望しているのだと私は思います」


提督「し、しかし、労いの言葉なら今かけt」


高雄「『良くやったな』が労いの言葉では、多感な精神年齢の駆逐艦や一部の巡洋艦は決して満足致しません」


高雄「過酷な訓練や任務を国の為、国民の為、そして提督の為に自ら課しているのですから、もっと強く労ってあげてください」



強く労ってあげろとは言うが、どうしたらいいんだ…… そもそも強く労おうとして拒否された経験があるのだが……


まさか執務中にコミュニケーションの要望をされるとは思いもしなかった、見通しが甘く出てしまったか。



天龍「おいおい、褒め方がわからねぇんなら文月に直接聞いたらどうなんだよ、女心がわからねぇとやっていけねぇぞ? まあ俺たちは女扱いされる事はそんなにねぇけど」


大淀「文月は提督にどういう風に褒められたいのかな?」


文月「う~ん、あたしねぇ、司令官に抱っこしてほしい!!!」


艦娘達「えっ!?」



なん…… だと……!? フツメン以上の提督のみが許されるスキンシップとか、いきなり難度が高すぎる!!!


無邪気な駆逐艦にすら体臭が気になると言われて、それ以来近寄られなくなったというのに……


高雄、助けてくれ!!! どうしたらいいんだ…… 視線を彼女に向けてみるも、彼女も若干冷や汗をかいている。


彼女の顔が近づいてきて「少しよろしいですか?」と小声で耳打ちを要求、俺は耳を傾けた。



高雄「提督は艦娘と密着したり肌同士が触れても問題はありませんか?」



何を言っているんだ? こんな美少女・美女と合法的に密着出来るとかご褒美だろう? と思ったが『この世界』では美醜感覚が逆転しているという事を混乱して忘れていた。


こ、これはフツメン以上の提督達がごく当たり前に行っていた、そして羨望だった艦娘とのコミュニケーションが俺にもチャンスが来たということなのか!?


焦ってはいけない、下心を持つなというのは無理だが相手は女性だ、紳士的に事を済まさねばならない。



提督「……その点については大丈夫だ、むしろ艦娘達の方が俺に触られるのは嫌悪感はないのか?」


高雄「とんでもありません、提督ほどの美男子に言い寄られて嫌悪感を示したら、女として欠陥があるのではないかと思います」


提督「そ、それは言い過ぎなのではないか? とにかく俺は抱っこしてあげる事に抵抗はない、少し覚悟はいるが……」


高雄「良かった…… それなら文月を抱っこしてあげてください、きっと喜んでくれますよ」



耳打ちでの打ち合わせを終わらせ、改めて天龍・香取達と向き合う、そして椅子から立ち上がり文月の前に歩いていく。



提督「文月、良く頑張った、俺で良ければその…… 文月が希望する抱っこをしようではないか」


文月「やったぁ!! あたし、司令官だから抱っこしてもらいたかったの~」


長月「嘘だろ、ありえん……」


菊月「何てことだ……」


皐月「あっ!! いいないいなぁ!!!」


水無月「次はさっちんがMVP取って抱っこだね!! でも驚いたなぁ、抱っこしてもらえるなんて」


三日月(文月姉さんいいなぁ…… っていけません!!! 提督に抱っこしてもらうなんて、そんな恐れ多い……)


望月(流石のあたしも、驚きで眠気が水平線まで吹っ飛んだぜぇ……)



艦娘達が固唾を飲んで見守る中、俺は文月の前で片膝を折って屈んだ、文月は今か今かと待ちわびている様にも見える。



提督「文月、抱っこをするにはそのだな…… 文月の腋に手を通さないといけない、その様な事をされても大丈夫か?」


文月「うん、いいよぉ」


提督「よし、わかった、では行くぞ、よっと!!」



俺は文月の腋に手を当て下半身の力と腕力で文月の身体を押し上げ、そして高く掲げた。


俗にいう「高い高い」の状態である、まさか自分が小さな女の子相手にこんな事をする日が訪れようとは……



提督「よーし文月、たかいたか~いだぞ!!!」


文月「あははっ!! 天龍さんの電探よりたかぁ~い!!!」


天龍「し、信じられねぇ…… 男の提督が艦娘とイチャつくとか、俺は寝ぼけているのか?」


秋月「文月ちゃん楽しそう、私も頑張ってMVPになれば抱っこしてもらえますかね?」


香取「秋月、貴女は巡洋艦である私達とそんなに体型が変わらないので流石に厳しいと思いますよ」


香取「彼は、歴代の提督と違い、色々と規格外の感性と器の広さをお持ちなのかもしれませんね……」



一頻り高い高いを繰り返した後、両腕で文月の下半身と背中を支えて抱っこの姿勢をする。


睦月型の下の姉妹は駆逐艦の中でも一際小柄な艦娘ばかりだ、10歳児程度の体躯しかない文月はそう力を込めなくても易々と持ち上がった。


そういえば体臭は大丈夫だろうか? 昨日はちゃんと風呂に入って石鹸で体を洗ったのだが、何しろ前科があるのでな……



提督「文月、ああ、その、なんだ…… 俺って体臭がキツイと昔言われたことがあってな、臭くはないか?」


文月「ん~ん? 全然臭くないよ~? すんすん…… なんかすごく安心する匂いだよ~♪」


提督「そ、そうか、それは良かった、では文月、解散もしなければならないから抱っこはここまでにしよう」


文月「えぇ~っ!? 短いよぅ…… もっと抱っこしてもらいたい!!」


長月「文月姉、あまり司令官を困らすな、さあ、降りるんだ」


文月「やだぁっ!!! あたしもっと司令官に抱っこしてたい!!!」


菊月「困ったものだ、文月姉が聞き分けないのは珍しいが……」


三日月「そうね、普段はそんなに我儘を通す姉ではないのだけど」


望月「んあ~、これだとキリが無いねぇ、司令官、妥協点を見つけてあげないと文月姉はずっとコアラの様にくっ付いたままになるよ?」



妥協点とか言われても、こんなイレギュラーは過去に類を見ないわけで…… 我儘を通そうとする子供の対応何てしたことないぞ……



香取「提督、このままでは解散できません、なので文月を部屋まで抱っこしてあげるというのは如何でしょうか?」


香取「文月もこれ以上は提督に迷惑がかかります、提督がお仕事出来なくなったら皆が困ります、提督も貴女の事を苦手に思うようになるでしょう」


文月「むぅ~、皆が困るの?」


天龍「そういうことになるわな、あんまり提督に迷惑かけると抱っこどころじゃなくなっちまうぞ?」


文月「司令官に抱っこしてもらえなくなるのやだ、だから香取先生の言う通りにする……」


天龍「よぉし、良い子だ、部屋に着いたらちゃんと降りるんだぞ」


文月「……は~い」



二人のおかげで渋々ながら妥協点で了承してくれたようだ、流石は普段から駆逐艦の教導をしているだけはある、正直ホッとした。



提督「皆、ご苦労だった、先ほど言った通り演習の問題点等を纏めて後に提出、解散とする」


提督「高雄、駆逐艦寮まで皆を送ってくるので執務室の留守を頼む」


高雄「承りましたわ、いってらっしゃいませ、提督」



高雄に留守を任せ、執務室の外へ出る、天龍と香取は書類作成の為に自室へ、大淀と夕張は各々の持ち場へ戻るとの事ですぐに別れた。


文月を抱っこしながら廊下を歩く、文月は俺の身体にしっかりと両腕で抱き着き笑顔を浮かべている。


皐月と水無月は今回の演習の内容を賑やかに話し、長月と菊月と望月は頷きながら相槌を打ち、三日月はそんな三人を静かに眺めていた。


秋月は流石にちびっこ達の輪に入りずらそうだったのか、俺より2-3歩下がって歩いていた。



金剛「Oh... Holy Fuck... 私の目の前でIncredibleなCaseが起こっているネー!!! テ、テートクに艦娘が抱き付いているネー!!!」


榛名「あまりにも現実離れな光景過ぎて、榛名は大丈夫ではありません……」


ビスマルク「驚くべき光景ではあるけれども、一介の駆逐艦が提督に密着するなんて風紀によろしくないわ」


金剛「そうじゃないデショー!! Very Handsomeなテートクに合法的にくっつけるなんてShit!!で羨ましいデス!!! これだからKrauts Girlは困るネ!!!」


ビスマルク「ハッ!! 料理の事でInselaffenに難癖つけられる筋合いはないわね、貴女は英国淑女にも大和撫子にも程遠い、日本式に言うなら笑止千万ね!! ハルナを見習ったらどうかしら?」


金剛「いい度胸してるネ、今から近海に出なサーイ!!!」


ビスマルク「貴女との練度いくら離れてると思ってるの!? 私の教導をしているのは貴女!!! 勝てるワケないでしょう!!!」


金剛「だってテーブルゲームでもビデオゲームでも滅多に勝てないなら、力に訴えるしかないデース!!!」


榛名「お姉様、お止め下さい、榛名がお姉様の為に頑張って練習相手になりますから!!」


金剛「あ~ん♪ 流石は私のLovely Sister 榛名ネー!!! 特訓して、いつかジャガイモ戦艦にギャフンと言わせてやるのデス!!!」


グラーフ「よさないか、二人そろって見苦しいぞ、良い歳した戦艦がみっともない真似をしないでくれ」


グラーフ「高速戦艦三人で部屋に住んでるのに、貴女達は仲が良いのやら悪いのやら……」


グラーフ「しかし、フミヅキは役得だな、私もアトミラールに抱っこしてもらいたいものだ」


金剛・榛名・ビスマルク「えっ!?」



高速戦艦達と空母一隻がすごい会話をしていたが耳に入っていなかったフリをしよう、うむ、そうしよう。


このSSへの評価

52件評価されています


SS好きの名無しさんから
2017-07-18 18:58:59

SS好きの名無しさんから
2017-07-16 11:05:13

SS好きの名無しさんから
2017-07-16 02:36:35

SS好きの名無しさんから
2017-07-15 18:39:01

もうぐりさんから
2017-07-15 12:12:41

ポテ神提督さんから
2017-07-12 12:36:32

SS好きの名無しさんから
2017-07-11 08:56:56

SS好きの名無しさんから
2017-07-16 03:41:00

SS好きの名無しさんから
2017-07-06 12:42:39

SS好きの名無しさんから
2017-07-05 15:37:03

SS好きの名無しさんから
2017-07-04 11:29:28

SS好きの名無しさんから
2017-06-26 17:51:54

SS好きの名無しさんから
2017-06-25 00:39:58

SS好きの名無しさんから
2017-06-23 12:26:19

SS好きの名無しさんから
2017-06-22 05:33:12

SS好きの名無しさんから
2017-06-21 07:27:33

SS好きの名無しさんから
2017-06-21 03:29:16

SS好きの名無しさんから
2017-06-20 17:56:15

SS好きの名無しさんから
2017-06-20 17:39:08

SS好きの名無しさんから
2017-06-20 07:17:18

SS好きの名無しさんから
2017-06-20 05:29:59

SS好きの名無しさんから
2017-06-20 03:50:55

SS好きの名無しさんから
2017-06-20 02:35:44

SS好きの名無しさんから
2017-07-09 10:46:17

SS好きの名無しさんから
2017-06-18 22:01:09

SS好きの名無しさんから
2017-06-18 16:31:08

SS好きの名無しさんから
2017-06-17 22:12:45

SS好きの名無しさんから
2017-06-17 20:04:49

ひやしらいすさんから
2017-06-17 15:07:01

SS好きの名無しさんから
2017-06-17 09:11:24

SS好きの名無しさんから
2017-06-17 01:51:30

SS好きの名無しさんから
2017-06-17 01:44:25

SS好きの名無しさんから
2017-06-16 20:45:44

SS好きの名無しさんから
2017-06-16 01:42:12

SS好きの名無しさんから
2017-06-16 00:23:47

SS好きの名無しさんから
2017-06-15 22:16:25

SS好きの名無しさんから
2017-06-15 11:33:35

SS好きの名無しさんから
2017-06-15 07:56:35

春雨麻婆豆腐さんから
2017-06-14 23:40:46

SS好きの名無しさんから
2017-06-14 21:48:16

SS好きの名無しさんから
2017-06-14 21:46:44

SS好きの名無しさんから
2017-06-14 20:55:16

SS好きの名無しさんから
2017-06-14 15:06:30

SS好きの名無しさんから
2017-06-13 15:27:55

SS好きの名無しさんから
2017-06-13 06:02:24

SS好きの名無しさんから
2017-06-12 22:43:07

SS好きの名無しさんから
2017-06-11 23:23:50

SS好きの名無しさんから
2017-06-11 19:59:22

SS好きの名無しさんから
2017-06-12 19:38:56

SS好きの名無しさんから
2017-06-11 08:21:00

SS好きの名無しさんから
2017-06-16 16:00:21

SS好きの名無しさんから
2017-06-17 15:49:42

このSSへの応援

49件応援されています


SS好きの名無しさんから
2017-07-19 22:09:08

2017-07-19 15:06:11

SS好きの名無しさんから
2017-07-19 10:34:25

SS好きの名無しさんから
2017-07-18 18:59:07

SS好きの名無しさんから
2017-07-16 03:40:55

SS好きの名無しさんから
2017-07-15 18:39:05

SS好きの名無しさんから
2017-07-14 15:51:27

SS好きの名無しさんから
2017-07-09 10:46:13

SS好きの名無しさんから
2017-07-07 10:58:43

SS好きの名無しさんから
2017-07-06 12:42:30

SS好きの名無しさんから
2017-07-05 15:37:08

SS好きの名無しさんから
2017-06-29 21:21:01

SS好きの名無しさんから
2017-06-26 14:52:40

SS好きの名無しさんから
2017-06-25 00:39:54

SS好きの名無しさんから
2017-06-22 05:33:07

SS好きの名無しさんから
2017-06-21 03:29:19

SS好きの名無しさんから
2017-06-20 20:03:34

SS好きの名無しさんから
2017-06-20 07:17:20

SS好きの名無しさんから
2017-06-20 05:55:41

SS好きの名無しさんから
2017-06-20 05:30:02

SS好きの名無しさんから
2017-06-20 03:50:57

SS好きの名無しさんから
2017-06-19 23:49:37

SS好きの名無しさんから
2017-06-19 02:03:18

SS好きの名無しさんから
2017-06-18 16:31:10

SS好きの名無しさんから
2017-06-18 15:44:46

SS好きの名無しさんから
2017-06-18 12:17:26

SS好きの名無しさんから
2017-06-17 22:12:50

SS好きの名無しさんから
2017-06-17 20:04:53

SS好きの名無しさんから
2017-06-17 16:00:51

SS好きの名無しさんから
2017-06-17 12:12:42

SS好きの名無しさんから
2017-06-17 01:51:32

SS好きの名無しさんから
2017-06-17 01:44:22

SS好きの名無しさんから
2017-06-16 20:45:47

SS好きの名無しさんから
2017-06-16 14:02:32

ポテ神提督さんから
2017-06-16 12:34:40

SS好きの名無しさんから
2017-06-16 08:55:22

SS好きの名無しさんから
2017-06-16 01:42:41

SS好きの名無しさんから
2017-06-15 07:56:38

SS好きの名無しさんから
2017-06-14 20:55:18

2017-06-14 18:20:58

SS好きの名無しさんから
2017-06-14 15:06:39

春雨麻婆豆腐さんから
2017-06-14 14:14:50

SS好きの名無しさんから
2017-06-13 15:28:02

SS好きの名無しさんから
2017-06-12 22:42:58

SS好きの名無しさんから
2017-06-11 23:23:08

SS好きの名無しさんから
2017-06-11 23:13:58

SS好きの名無しさんから
2017-06-10 22:27:00

SS好きの名無しさんから
2017-06-10 12:39:16

SS好きの名無しさんから
2017-06-10 05:10:09

このSSへのコメント

37件コメントされています

1: SS好きの名無しさん 2017-06-11 07:42:42 ID: b4whJtXS

デブをモテモテにするのホントやめてほしい、切に

2: SS好きの名無しさん 2017-06-11 10:34:14 ID: 4HIKzpX8

別に見なけりゃ良いじゃんキモいな

3: SS好きの名無しさん 2017-06-11 13:14:09 ID: BFJlNWwG

↑同意

4: SS好きの名無しさん 2017-06-11 23:14:52 ID: Qtw82XtH

あまり見ない設定……これは面白くなりそう

5: SS好きの名無しさん 2017-06-11 23:24:10 ID: rVyXopfk

期待

6: SS好きの名無しさん 2017-06-12 04:37:01 ID: -fbT3OTN

こういう一風変わったのを見たかった、期待

7: SS好きの名無しさん 2017-06-12 20:16:00 ID: zExVNeMa

不細工が不細工のまま頑張るのかとオモタ

8: SS好きの名無しさん 2017-06-13 06:02:45 ID: Ge8d8MTC

期待

9: SS好きの名無しさん 2017-06-13 18:40:36 ID: 7fRhzE84

見た目そのままで美的感覚がね
なるほど?

10: SS好きの名無しさん 2017-06-14 11:22:09 ID: Argvjnei

なるほど元の世界では容姿が整った人が美人だが……転生した世界は容姿の整った人はブスということかな?

11: SS好きの名無しさん 2017-06-14 12:50:55 ID: 8FJ3Pttu

自分は迫害されながらも
この世界の子のためにか
男前やねえ

12: 春雨麻婆豆腐 2017-06-14 14:14:15 ID: pjN0YFTi

容姿逆転か…。面白そう。

13: MPL 2017-06-14 14:58:06 ID: IABDNgtp

>>4 >>5 >>6 >>8
期待していただき感謝

>>7
提督は依然として不細工のまま進行します

>>9 >>10 >>12
美醜逆転というジャンルのようです、たくさん見かけるワケではないですがそこそこの支持があるジャンルだと思います

>>11
悪人とか斜に構えた人は書くのが難しいので、主人公で出番の多い提督は善人寄りで書こうと思っています

14: SS好きの名無しさん 2017-06-14 21:10:53 ID: EDGPDkon

容姿が逆転ではなく美的感覚が逆転してるのか期待

15: SS好きの名無しさん 2017-06-14 21:48:45 ID: eQXEBzcM

美醜逆転物は好きなので楽しみです
更新も早くありがたい限りです

16: SS好きの名無しさん 2017-06-14 23:41:19 ID: pjN0YFTi

クッソワロタ

17: SS好きの名無しさん 2017-06-15 04:33:14 ID: HB9aZmUw

オレモコノセカイヘイケレバビダンシニナレルノカ・・ウギギギ

18: SS好きの名無しさん 2017-06-15 07:58:26 ID: jpEa1x-2

続きが気になる。頑張って下さい(^^)

19: SS好きの名無しさん 2017-06-16 04:39:10 ID: uA7869mP

あべこべは良い物だ。

20: SS好きの名無しさん 2017-06-16 16:00:09 ID: LVjpOWHN

不細工どもの集会所

21: SS好きの名無しさん 2017-06-17 01:45:27 ID: ivo8AMBn

ワクワクするぜ!

22: SS好きの名無しさん 2017-06-17 09:07:29 ID: It2OerhU

こういう良い意味での男前には幸せになって貰いたいな

23: SS好きの名無しさん 2017-06-18 06:39:59 ID: LzrgS7ex

ブサメンと美少女はあるのにイケメンとブスって無いよな

24: SS好きの名無しさん 2017-06-18 19:41:30 ID: 73llNowy

これは面白そうだ、期待しますよ!

25: SS好きの名無しさん 2017-06-18 21:14:19 ID: aJuiEH-N

これクソ面白いな

26: SS好きの名無しさん 2017-06-18 22:02:59 ID: qEYyaIGK

久々に面白いの見つけた!
マジで期待してるで!

27: SS好きの名無しさん 2017-06-19 06:49:45 ID: NEuYNfDF

正直キモい

28: SS好きの名無しさん 2017-06-20 07:18:29 ID: KqE8un1k

↑じゃあ見んな

29: SS好きの名無しさん 2017-06-21 11:14:53 ID: A_XWuZ-C

催眠凌辱に通ずるものがあるな、これ

30: SS好きの名無しさん 2017-06-22 04:10:07 ID: XmeoAq6n

提督も艦娘もお互い前へ進めていく感じだね、実にいい!

31: SS好きの名無しさん 2017-06-22 13:12:45 ID: Y3fsBIxO

いい作品だと思うけど出来ればある程度まとめて出して欲しい
小出しだともどかしい

32: MPL 2017-06-23 20:03:33 ID: us-cQGIU

>>14 >>15 >>19
自分も一部の価値観が逆転するのが面白いと思ったので、大雑把ながら書きました。

>>18 >>21 >>24 >>25 >>26
期待ありがとうございます、時間が余り次第書いていきたいです。

>>22
ハッピーエンド好きなので、その辺りはある程度考えています

>>29
片方が無自覚というのは確かに似ていますね

>>30
提督も艦娘も悩みの根源は大体同じなので、相互に解決しあえれば理想と思っています。

>>31
大雑把な展開とシチュエーションとか考えていないので、自分の力量では大部分が小出しにならざる得ないです。
職場の暇な時間帯にスマホで投稿する事もあるので尚更小出しになってしまうので申し訳ない。

33: SS好きの名無しさん 2017-06-24 00:00:55 ID: xmqUVviB

楽しみ。頑張って下さい!

34: SS好きの名無しさん 2017-06-25 21:26:01 ID: 7PHFXkII

更新されていくのが楽しみ
頑張って下さい
俺は浦風が好きです(小声)

35: SS好きの名無しさん 2017-06-29 20:54:53 ID: 1r6IlIrk

次まだー(´・ω・`)

36: SS好きの名無しさん 2017-07-07 06:03:04 ID: 8iq8uo_0

人だけではなく、物に対しても感覚が逆なのかな?
車やバイクとか

37: MPL 2017-07-15 19:15:26 ID: GFfKaOe2

>>33 >>34 >>35
応援ありがとうございます、私にとっても浦風は駆逐艦においてトップクラスの好みの艦娘です

>>36
物に対しては特に描写はしていないので建物とか車両とか服のデザインは、現実世界と美的感覚は同じと思います


このSSへのオススメ

2件オススメされています

1: SS好きの名無しさん 2017-07-06 12:43:43 ID: Zi4U2g0W

こういうSSをまっていた…(嬉し泣き)。

2: SS好きの名無しさん 2017-07-14 12:38:27 ID: CIwbYuUl

いつも楽しみにしています
お体にお気をつけて頑張って下さい


オススメ度を★で指定してください