2017-06-29 08:33:53 更新

概要

普通怪獣ちかちーは、とっても大切なものを見つけました。


前書き

何か書きたくなったので書きました。
初投稿です。
地の文みたいに書きたかったけどコレジャナイ感あります。
サンシャインまだ見てない人いるかもだから、一応ネタバレタグつけました。


才能がある人が羨ましい。

夢を持っている人が羨ましい。

私こと高海千歌は、いつもそう思ってる。




私は昔から普通だった。

もしかしたら、普通にすら届いてないのかもしれない。

勉強だってできないし運動も普通。

将来の夢だって、持ったことなんてなかった。

何をやっても人並みで、何か結果を残すことで褒められたことなんて一回もなかった。

…とは言っても、別に誰かに褒められたい訳じゃない。

何か一つ、皆より優れてる才能が欲しかった。

何か一つ、皆に誇れるような夢を持ちたかった。


昔は才能が欲しいなんて思ってなかった。

努力すればなんとかなる、きっとすぐに追いつくことができるって思ってたから。

けれど、そんな期待とは裏腹に努力したって伸びなくて。

どんどん周りに差を離されて。

曜ちゃんと果南ちゃんの凄い才能に挟まれて。

だから、余計に私の存在がちっぽけに見えてしまった。

その時に初めて思ったんだ。

「他人よりも優れた才能がほしい」って。

そして、その時から私は努力することを辞めた。


それから中学校に入って。

曜ちゃんに、やってみない?と誘われても

「私には(才能がないから)無理だよー。」

って。

私には何もないことを自覚して心が痛くなるたびに、曜ちゃんに「大丈夫?」って聞かれて。

でも私は「大丈夫!」って答えるしかなかった。

本当は大丈夫なんかじゃなかったけれど。

なんでもできる曜ちゃんに何がわかるの?って思っちゃうことだってあった。

そう思っちゃうたびに、自分の醜さを感じて。

余計に心が痛くなって。

だから中学校では、心の距離を空けた。

いつか私が曜ちゃんを傷付けてしまいそうで怖かったから。

そして、私の心が壊れるのが怖かったから。





____だから、高校に入って、

「東京に行こう」って誘われた時も、行きたくはなかった。

結局、断ろうとした時の曜ちゃんの悲しそうな顔が見てられなくてつい、「うん、行こう!」って言ってしまい、とうとう今日、行くことになってしまったのだ。

曜ちゃんと他愛もない話をしながら、秋葉原に行くために沼津までバスで、そこからは電車に乗って向かった。

その間ちょっと眠くて寝てしまったが、曜ちゃんに起こされて何とか乗り換えることができた。


秋葉原へ降り立つと、早速人混みが。

広いところへ出た瞬間ビル群に囲まれて、私はやっと東京に来たって実感した。

駅前でいろんな人に配っていたチラシを、メイドさんが私達に渡してくれようとした瞬間、突風が吹き抜ける。

それと共に、突風でメイドさんが手放してしまったチラシが舞い上がる。

私も曜ちゃんにくれようとした時にチラシが舞い上がってしまったので、曜ちゃんと手伝うことに。

一枚二枚と拾っていき、ようやく最後の一枚というところで最後のチラシが風に攫われてしまった。

私はそれを夢中で追いかけた。

階段を駆け上がり少し走ると、チラシは大きなモニターの下に落ちた。

また飛ばされないように駆け寄り、拾おうとした瞬間、また突風が。

予期せぬ事態に対応出来ずに、そして私の願いとは裏腹にチラシは舞い上がる。

あちゃー、と私は空を見上げようとした。

その瞬間私は目を、そして心を奪われた。

私と同じくらいの年の。

そして、私と同じような普通の女子高生が、普通の女の子が画面の中でキラキラと輝いていたから。

だから、私は思った。

普通でも輝けるんだって。

私も輝きたいって。

今日、この瞬間私は変われた気がした。




私のちっぽけで、でもあの空に浮かぶ太陽のように輝いてる夢、

「見つけたよ。」

それは、スクールアイドルになって輝くこと。

今日から絶対に、私は諦めない。

いつかきっと私も輝いてみせるよ。

…だから、頑張れ普通怪獣。

頑張れ私。







後書き

今後も超短編を不定期で書こうと思います。


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