2017-09-30 02:35:42 更新

概要

( ・ω・)4篇です。


前書き

※キャラ崩壊注意です。


※やりたい放題なので海のような心をお持ちの方のみお進みくださいまし。


【1ワ●:リアル連動型マリカ 2】


 

木曾「俺はバイクか。いいね、ウイリーが出来る」



球磨「カートより速度が出るはずクマー」



山風「……」ビクビク



球磨「まーだびびってるクマ……」



明石君「ま、最悪置物でも怪我しなきゃいい」



木曾「だな。それより、アイツだろ。明らかに特別な車に乗ってるぞ」



明石君「外車だな」



悪い島風【悪い連装砲君を魔改造した悪い連装砲君verカマロでっす!】

 


明石君「ドイツ車仕様か。かっけーなー」



2



明石君「ちょ、山風さん」



山風「なに」



明石君「なんでずっとガガガガって感じで壁に向かってアクセル踏んでるんだ。木曾さんと球磨さん、悪い島風のやつはもう半周くらい先にいるぞ……」



山風「バックの仕方、分からない……」



明石君「仕方ねえな。妨害チャンスまでに整えとかねえと」ブロロロ



明石君「ブレーキ踏みながら、このバーを下げろ。ほら、メーターの横にあるRの英文字が光っただろ? この状態でアクセル踏めば戻るから。アクセルはゆっくり踏めよ」



山風「……ん」ブロロロ



明石君「そうそう。次は同じくバーを動かしてDのところを光らせてアクセル踏めば前に進む……」



山風「ん、わかった。ありがと」ブロロロ



山風「このJは……」ピョンピョン



山風「ああ、ジャンプか……」



曙「……」ムスッ



山風「そのキントウンみたいな乗り物は楽そうでいいね」



曙「デートか。イチャイチャしてんじゃないわよ」



明石君「俺的にはアッキーの面倒見ている感覚だけどな……」



山風「……曙ちゃんも釣りの時みたいな格好してる」



曙「させられているのよ……コースアウトしたら、私が釣り上げて戻さなきゃならないんだから。落ちないようにしなさいよ」



曙「死なないとは思うけど、多分痛いと思うし……」ボソッ



明石君「それじゃアイテム取りに行くぞ。そう何度もチャンスはねえからな。俺はとにかく悪い島風を狙うわ」



山風「それじゃ行こう」


ブロロロ


明石君(木曾さんと球磨さん、大丈夫かな。前に演習した時に球磨型はむちゃくちゃやるような。落ちるの覚悟でいちかばちかのショートカットとかは止めてもらいたい)←マリカ予習してきた。



2



木曾「ギャハハ、速えーと気持ちいいな! バイクは初めて乗ったが最高時速でブッ飛ばしても感覚で乗りこなせるもんなんだな!」



球磨「お前は感覚でなんでもやってしまえるようになってしまったクマー……出会った頃は魚雷も9割外すやつだったのに」



球磨(……それにしても悪い島風のやつが、先頭争いに加わらずに後方の集団に留まっているのが恐いクマ)



球磨「楽しむのはいいけど、警戒を怠ってヘマするんじゃ……あ、木曾、速度落とせクマ! そのまま突撃するとドッスンに潰されてしまうクマ!」



木曾「だったら逆に速度あげりゃいいんだよ!」



球磨「キノコブースト……まあ、回避出来たのならいいクマー」



木曾「悪い島風このままぶっち切って、1位独走しとけば終わるんだろ! 俺に任せとけ!」ヒャッホウ



木曾「スゲー! 球磨姉、この坂をのぼってプロペラを取ってみろよ! パラグライダーみたいに空を滑空できるぞ!」キラキラ



球磨「複合ステージクマー……」



球磨「ステージはWiiのやつで、キャラにアカベエとかいたし、アーケードも混ざってるクマー……となると、なにか他のオリジナル要素のギミックとか仕込んでいる危険も」




球磨(……あのままで終わると思えないクマ) 



球磨「それにあいつの外車のカート、かまろ? どっかで見覚えあるクマー、思い出せないけど……うーん……」



球磨「……、……」



球磨「( ゚(エ)゚)ハッ!」



………………


………………


………………



悪い島風【さてと悪い連装砲君verカマロよ。後方でノロノロしていたお陰でいいアイテムも取れたし、行きますか】



悪い島風【この手のゲームは超得意だぜ】



悪い島風【あの島風(クソガキ)譲りの速さを持つ私がかけっこで負けるわきゃねーだろ!】



2



明石君「ん、木曾さん達が二週目に入ってからコースの風景が変わったぞ。テレサ……ここは……あっぶね!」キキキ



明石君「ヒュードロ池じゃねえか!」



木曾「おい野郎の明石と山風。悪い島風が三位をキープして球磨姉の後ろにいるから頼むぞ。ステージもガードレールねえからチャンスだ。暗闇の底に叩き落としてやれ!」



明石君「おう。俺は3連単の赤甲羅取れたから、全部撃ってやるつもりだ」



山風「あたしはスター取れたから、ぶつかって飛ばしに」



球磨「作戦変更! お前ら妨害なんて考えずに逃げたほうがいいクマ! このマリカは桃鉄やスマブラよりヤバい設定されているクマー!」



悪い島風【一撃目、行きますよー】



明石君「空が光った? これもしかして……」



悪い島風【ドオオオオオン!!】



明石君「あばばばば! 落雷ィィィ!」



明石君「死んだかと思ったし! クルマもショートして動かねえんだけど!」



妖精「出番っす。直します」 



明石君「おお、そうくるか。でも、タイムロスだな……身体もちっちゃくなってるし。山風さんは大丈夫……か?」



山風「うん。スター使ったから無事」ピカピカ



明石君「よっしゃ、俺は甲羅飛ばすからぶつかってきてやれ!」



山風「無敵だもんね。跳ねにいく……」



悪い島風【させるかよ! 変☆形!】



球磨「やっぱり――――!」



球磨「あの車種、漣と一緒に映画で見た!」



球磨「トランスフォーマーのバンブルビーだクマー!!」



木曾「ずっりィな! 金属生命体かよ!二足歩行で走るなよ! タイヤで走れよな!」



明石君「かっけえ……!」キラキラ



山風「でも、あたし無敵だし、当たれば壊せる、かな」



悪い島風【もっちろん! スター使えば私の悪い連装砲君の装甲もぶち破れるよ!】



山風「なら行くよ……木曾さんと球磨さんはその間に1位をぶっちぎるべし……」



悪い島風【……!】



山風(位置取りを変えて私から離れた……避けているってことは本当に効くのかな?)



山風「当てるよ……吹っ飛べ」



悪い島風【く、足を少し持っていかれたか。少しタイムロス、でも山風たん! ブレーキは踏もうね! その速度だと落ちますよ!】



山風「あ、ここヒュードロ池、しま、」キキキ



明石君「落ちたアアアア!」



曙「釣り上げてくるわ……」



悪い島風【よお! 艦これ世界に需要のねえイレギュラー!】



明石君「甲羅では、無理かなあれ……」



悪い島風【よそ見した代償は高いぜ!】



明石君「っ! 踏み潰す気かよ! 避けきれ、」


グチャ


曙(紙みたいに潰れてひらひらしてる……)


3


悪い島風【そーれそれそれ! その貧弱な車で逃げてみろよお!】



球磨「街ステージのビルを飛び映って移動とかお前、管理権限あるからってガキ大将みたいなズルし過ぎだクマ!」



悪い島風【それが速度的にはその他と同じなんだよねえ! 一気に距離は詰められていないしね!】



悪い島風【それにテメーらは実質仲間だから4体1じゃねーか! ちょっとくらい眼を瞑れってんですよ!】



悪い島風【っと、そろそろ3周目のラストか!】



球磨(といってもデフォで踏み潰し出来るのはどうなんだクマ……)



悪い島風【いっておくけどさ……このゲームはただのメンテナンスの時間稼ぎの繋ぎだよ。メモリーをちりばめ終えてから、あなた達は焦りを覚えるでしょう】



球磨「?」



悪い島風【なんたってメモリーにあるのは!】



悪い島風【誰も知らない最初期の真実で、埋もれていた英雄達がそれでようやく表の世界に認知される!】



球磨「……つまり、最初期の闇クマ?」



悪い島風【お味噌汁! ご飯! 魚の煮物!】



悪い島風【天・津・風ちゃん♪】



球磨「……頭おかしくなったクマ?」



悪い島風【例えばさ、高速修復材、誰が作ったと思う!?】



悪い島風【一人の少女の希望と勇気が作ってその涙の滴に、何度テメーらは命を助けられたっつーうんだよ!】



悪い島風【軍の連中が手柄としてその功績を世間にパフォ利用するために更なる兵士を集めるためのエサにされたよ!】



悪い島風【10にも満たねえガキどもで捨て艦戦法するあの北方の始まりの海で、私とあいつの未来は始まったのさ!】



悪い島風【メモリーの中にあるのは、私の真の目的までたどり着ける、最初期からの私の記憶なんですから!】



球磨「!」



悪い島風【……ん?】



ガガガガガ



ガガガガガガガ



ガガガガガガガガガガ!



悪い島風【おう"っ!】



悪い島風【艦載機だとう!】



グラーフ「待たせた。支援艦隊到着だ」



グラーフ「我が祖国の車を傷つけたくはないが」



グラーフ「あの性悪には前々からの借りを返しておかなければな……」



グラーフ「SBD」



ドオオン!



悪い島風【しまった、友軍艦隊のこと忘れてた!】



球磨「グラーフ――――! よくきてくれたクマ!」



グラーフ「球磨、私は艤装があるとはいえ出来ることは進路妨害程度に限られる」



グラーフ「勝て。メモリーを入手しろ」



グラーフ「表に出ていない英雄なぞ、この海の歴史の中に腐るほどいるだろう。だが、それを究明することも」



グラーフ「戦後処理の一環」



グラーフ「最終世代として生き残った我々の責務だろう」



悪い島風【全く、テメーらはいつの世も先祖の尻拭いの輪廻の歴史に遊ばれてますよねえ!】



球磨(……もう少しまともに頭を回してみるクマ……木曾は下手に頭使わせるよりも感覚に任せてぶっち切っていたほうが素質のパフォーマンスは発揮できるクマ)



球磨「……、……」



悪い島風【さ、走れ走れ! ラストステージ!】



悪い島風【残りの2週はスターロードだ!】



4



木曾「っち、追い付かれるな。1位だからかろくなアイテム引けねえし……」



木曾(この場所は予習でやったことあるな)



木曾(確か、この辺りを)



木曾「ギア入れ換えて、ジャンプだア!」



悪い島風【近道か! 行ってらー!】



木曾「ん、追ってこねえ……艦載機を交わしながらじゃキツいか? リスクの回避を選ぶとはさすが営業だな! 俺がこれに成功すれば追い付いては来られねえ!」 



木曾「着地点にズレはねえ。勝った。こういった感覚のなんとなくを成功させるのは俺の得意だからな!」



ヒュー



木曾「よし、着地っ!」


グチャ


木曾「」



球磨「リアル連動型でそんな風に落ちればそりゃ無事では済まないクマ……跳ねて落ちたし」



球磨「曙! 木曾が追い付かれる前に早く釣り上げるんだクマー!」



曙「すでに向かってるわよっ!」



悪い島風【アハハ、絶望のお知らせだ! 引きがいい!】



球磨「!? 3位でスター引いたクマ!?」



グラーフ「艦載機も弾かれる……」



悪い島風【当たり前だ! 深海棲艦に科学兵器が通じねえパーパのシステムを弄って、全ての攻撃を効かねえようにしてあるアイテムだからな!】



悪い島風【踏み潰してやら! 球磨……!】



悪い島風【捕ったりイイイイ!】



球磨「クマ――――!」


グチャ



悪い島風【そして、近道をする!】ジャーンプ



木曾「ンだと。でも、しくじった、か?」



木曾「コースから外れたところに落ちてやがる」



曙「釣り上げたけど、壊れたバイクの修理に時間も取られるのね……あいつが落ちてくれたら、楽なんだけど」



悪い島風【ちょっとズレちまったけど】



木曾「人型の乗り物きたねえな! 腕でコースのはじっこをつかんでぶら下がってやがる!」



悪い島風【簡単にはクリアさせませんっ! よじ登りまして!】



悪い島風【もう少し足を止めてろ! 木曾!】



悪い島風【捕ったりイイイイ!】



グチャ



……………


……………


……………



山風「惨事だね……」



山風「アッシー……あのバンブルビー、解体出来ないの?」



明石君「無茶いうなよ。さすがの俺もアレは解体して壊すことはできねえわ……」



山風「ところでそれは……サンダーのアイテム?」



明石君「おう。どうすっかねえ。これって全員小さくしちまうし、これで妨害成功しても木曾さんと球磨さんが追い付けるとは限らねえし、周回遅れの俺らは論外だし……」



明石君「つーか、山風さんまたスター引いたのか……」



山風「……、……」



山風「ぴ、こーん」



山風「グラーフ、さ――――ん!」



グラーフ「む、悲痛に叫ぶ時以外に大きな声を出せたのか」



山風「木曾さんと球磨さんがここの辺りに来た時に、あたし達のところで止まるように、して欲しい……」



グラーフ「妖精可視の才があれば手荒に行かずとも済むのだが、致し方あるまい。了解だ」



………………………


………………………


………………………



木曾「おおい! グラーフ、なんで俺らの進路妨害してンだよ! 止まれってことか!?」



球磨「山風と明石君がなんか手を降っているクマ」



木曾「……作戦でもあんのかね」


キキキ


山風「悪い島風は、先にいった。近道はしないみたい……」



山風「サンダー、見られたから、ジャンプのタイミングで使われたら不味いと判断したんだと思う……」



グラーフ「しかし速度をあげて超スピードで走っている。どうやらこのレース、負けてくれるつもりはないらしい」



山風「グラーフさんは艦載機を全機飛ばして悪い島風を少しでも妨害して。アッシーとは根性値高いから逆走して、悪い島風を同じく身体を張って、妨害で」



山風「木曾さんは、このまま追って。正攻法で追う人がカモフラージュでいるから」



山風「アッシーはその前にサンダーを私のいうタイミングで使って欲しい……」



明石君「おう」



山風「私と、球磨さんは」



山風「――――、――――」



一同「ナイスアイデア」




5



悪い島風【なんか作戦会議してるけど、どんどん離され てますよー……】



悪い島風【……明石君が逆走したな。追い付けねえと判断して、私がゴールする前に妨害する腹か……?】



悪い島風【木曾が追ってきてるか……】



ドオオン!



悪い島風【サンダー来た!】



悪い島風【残念ながらショートはしないですよ! 仕様に乗っ取って小さくなりますけどね!】



悪い島風【……ん、このレーダー】



悪い島風【スター使った山風が近道か!】



ガガガガ!



悪い島風【こなくそっ! 悪い島風ちゃんのワイルドスピード並の運転テクで回避してやるぜ!】



グラーフ「なるほど、戦闘経験は浅いのか」



悪い島風【……く、進路制限で本命、恐れを知らない艦載機か! 】



SBD「ドオオオン!」



悪い島風【自ら、巻き込まれることにも関わらず、艦爆落とすか……!】



悪い島風【すぐに修理してやるもんね! たかが十数秒程度のタイムロスでなにも変わりませんよ!】



悪い島風【それにまだ完全に壊れていないよ! 腕が、動かせる!】



山風「着地、怖いけど、スター状態、なら」


ドン


山風「上手く、出来た。スター、切れたけど」



悪い島風【ラッキーだ! 落ちた場所が悪いね!】



悪い島風【キャッチ】ガシッ



山風「ひ、止めて、来ないで……」



悪い島風【うへへぇ、その顔たまんないです! 命に代えても宇宙の闇夜に沈めないと!】



悪い島風【&リリース!】ブンッ



山風「いやあああああ―――!」



曙「山風! すぐに引き上げるから待ってなさい!」



悪い島風【残念でしたー!】



ヒラヒラ



悪い島風【――――!】



悪い島風【やられた!】



球磨「ふう、タイミングばっちりだクマー」



悪い島風【サンダー使って踏み潰した紙状態の球磨を! 山風が輸送しやがったのか!】



球磨「お返しに、甲羅を当てておいてやるクマー!」



悪い島風【野性の勘ですかねえ! 後ろ向きでよく狙いつけられますね!?】



悪い島風【急がなきゃ負けちゃう!】



木曾「安心しろ。急いでも負ける」



悪い島風【バイクで腕伝って登ってくんじゃねえ! っていうかそこに陣取るンじゃねえよ! 前、見えねえだろうが……!】



悪い島風「運転中のドライバーに対してやっていいことと悪いことがあるんですよ!」



木曾「じゃかましい」



明石君「へへ、そこにはトラップがあるぞー!」



ツルッ



悪い島風【そんなバナナ――――!】



曙「んしょ……はあ、なんとか戻せた……」



山風「た、助かった。曙ちゃん、ありがと……」



曙「……別に礼なんていいわよ」



グラーフ「……球磨がもうゴールする」



山風「チェック、メイト……」



悪い島風【ち、】







悪い島風【ちくしょー! 負けたアアアア!】



木曾・明石君・グラーフ「WRYYYYYY!」



曙(グラーフさんが……)



山風(段々面白いノリが出来る人に、なってきてる……)



【2ワ●:リアル連動型 スマブラ 2】


1


飛龍「ちょっとちょっと!」



飛龍「私の艦載機、味方にも当たるように設定されてるんだ!? 扶桑さん、ごめーん! チーム戦じゃないみたい!」


ドカーン!


扶桑「ぐぼっ」



乙中将「扶桑さんがぶっ飛んで星になったア! どうやら友永隊はスマッシュ技設定されてるみたい!」


ヒュン


扶桑「1機減りました、残り2機です……」



飛龍「扶桑さん、ご、ごめんね! ちょっと乱闘状態で狙いをつけるのが難しくて!」



扶桑「お気になさらず……仕様をつかむための尊い犠牲と思っておきます……」



夕立「ぽーいー! アームズ!」バキッ



夕立「アーンド! ぽいキック!」ドゴッ



飛龍「夕立が素敵なパーティー始めてる……」



扶桑「敵キャラの鳩尾とか喉元とか狙ってるのは野生の本能でしょうか……」



乙中将「楽しそうなのが怖いよね……」



乙中将「僕は設置型。これモデルなにかな。スネークとかかな。メタナイトがよかったなー」



乙中将「夕立がスピードの近接タイプで、扶桑さんも近距離型だけど夕立より速さがないけどパワーがあってリーチが長い。飛龍は遠距離だね」



扶桑「私、これモデルはドンキーだと思います……」



乙中将「うん、さっき空中でクルクルしながら移動してたもんね……」



扶桑「いわないでください。想像したら恥ずかし過ぎます……!」バキッ



乙中将「ぐふっ」



扶桑「あ、ああ! すみません、つい……!」



乙中将「軽傷だから大丈夫……」



乙中将「でも、クリアはしなきゃね」



飛龍「そういえば丙少将のところはクリアしたんですよね。なにやらメモリーがもらえたとか」



扶桑「一体何のデータが入っていたのですか?」



乙中将「あー、先日の会議で見せてもらったんだけど」



乙中将「軍が記録していない最初期の戦闘映像だった。まあ、戦後復興妖精の契約映像でもあったけど」



乙中将「本来の姿だと思われる戦後復興妖精と、最初期の島風が映ってた。あの北方領土奪還作戦で、作戦を成功させたのは」



扶桑「やはり、島風さんと天津風ですか」



乙中将「『戦後復興妖精との契約により同化した島風』と『天津風艤装』だ。記録では天津風のほうの艤装は見つからず、島風のほうは身体が見つからず。悪い島風は島風の身体と天津風艤装を持っているよね。その辻褄も合う推測も立った」



乙中将「あの映像をもとに調べたら、あの作戦での彼等の戦果は見直されるかもね。最初期時代に軍が握り潰したと思われるものもたくさんあると思うから、どうなるかは分からないけれど、きっとあれは真実だと思う」



飛龍「……准将はなんと」



乙中将「僕と同見解だね」



扶桑「あなたと准将がそういうのなら、恐らくそうなのでしょうね。とりあえず、クリアしてメモリーを持ち帰らなければ」



夕立「乙さん! 敵、全滅させたっぽい!」



乙中将「よくやってくれました。次のステージか」



飛龍「でも闇は1度、失敗したんですよね。友軍艦隊による支援が期待できるとはいえ、大丈夫、でしょうか」



扶桑「最近ではあの子犬の件もありますし、やはり心配ではありますね……」



乙中将「ま、大丈夫だと思うよ」



乙中将「さて、僕らはちゃっちゃとこの茶番をクリアして」



乙中将「『艦隊これくしょん』の海域に出撃しなきゃね」



一同「了解!」ッポイ



2



わるさめ「よくぞゼルダ城まで辿り着いたなー!」



わるさめ「楽しく遊ぼうネ☆」



乙中将「ちょっと……僕らんところのラスボスわるさめちゃんかよ!」



飛龍「嫌な予感しかしませんよ!」



扶桑「胴体から上だけしかありませんね。その胴体は宙に浮いていて……」



わるさめ「トラ☆ンス」



乙中将・扶桑・飛龍「!?」



扶桑「あの、胴体と繋がってはいない二つの白い手は」



乙中将「マスターハンドだ!」



扶桑「わ、私のところに飛んできました! 空から拳を降り下ろしてきますっ!」



わるさめ「と思わせて、優しく掌で包み込みます」



乙中将・飛龍「!?」



わるさめ「指の隙間から、通常サイズまで小さくした超テクニシャンの左手のほうを忍び込ませます」



扶桑「い、いやっ、どこを……!」



扶桑「……あ、や、やめ」



扶桑「きゃあああああ―――――!」



わるさめ「完成です」



扶桑「……」パクパク



乙中将・飛龍「扶桑さ――――ん!」



わるさめ「ごちそうさま! やり捨て御免☆払いのけ!」



ドガアアアン!



乙中将・飛龍「」


シュン



扶桑「」



乙中将「復活しても屍のままじゃないか……!」



飛龍「想像もしたくありませんが、精神肉体ともに壊滅的なダメージを受けることは分かります……」



わるさめ「わるさめちゃんのが張りがありました! この調子で(自主規制)して(自主規制)した後に(自主規制)吹かせてやるよオ!」



飛龍「予想を裏切らない最悪な行程だよ!」



夕立「悪いことはダメ! 姉としてお仕置きするっぽい!」タタタ



わるさめ「よくぞ向かってきたぽいぬ姉!」


ワーワーギャーギャー


乙中将「夕立のあの身のこなしはさすがだね………」



飛龍「おまけにあのキレッキレな動き、今日はギアがいい感じに入ってますよ!」



乙中将「……、……」



乙中将「………、………」



乙中将「さて、夕立が時間を稼いでくれている間に作戦会議だ。扶桑さん、酷だけど話だけはがんばって聞いてね……」



乙中将「――――、――――」



扶桑「後は、お願いしますね……」



乙中将「ごめんよ扶桑さん……」



扶桑「不幸には慣れてますから……」



3



夕立「」



わるさめ「ぽいぬ姉の弱点は脇腹だって知ってるんだゾ☆」



わるさめ「5分も耐えるとはなかなかー……わるさめちゃん自信なくすぜ……」



わるさめ「さあ、一機失おうか!」



わるさめ「やり捨て御免☆払いのけ!」



ドガアアアン!



わるさめ(……ん、扶桑はあそこでまた泣きながら寝たままで、乙中将と飛龍は複雑な地形利用して下に隠れたか)



わるさめ「ラスボスだからねえ……」



わるさめ「感知、出来ちゃうんですよね……」



わるさめ「追尾式ロケット☆パンチ」



4



乙中将「なんだあれ! 追跡してくるんだけど!」



飛龍「あの卑猥な手の形! 捕まったらただじゃ済みませんよお!」



乙中将「トランスっていったから恐らくあのマスターハンドには艤装と同じく想が入魂してあるはず!」



乙中将「でもなんの想だよ! 男優かなんかの想かよ!」



乙中将「でも、右手は僕らを狙ってて、片方の手は夕立が相手してるから、本体はがら空きのはず! 飛龍、任せたよ!」



飛龍「とりあえず艦載機、発艦!」



飛龍「乙中将、その爆弾かなにかを設置して追ってくるあれを撃退できませんか!」



乙中将「出来なくもないけどリアルだから煙るし、地形が壊れるかもしれない。あれは自動追尾だから、僕らの首を締める結果になりかねないから、まだそれは決断できないよ!」



わるさめ「……みーっけ! ぽいぬ姉は左手の相手で精一杯で助けに来ないぞー」



乙中将「ふ、風船で浮いてる?」



飛龍「チャンスです! あの風船を割れば、友永隊!」



わるさめ「あらよっと」



乙中将「え、艦載機が消えた!」



飛龍「ち、違います! 今のは、わるさめが艦載機を、手で」



わるさめ「マスターハンドは各自1キャラ扱いなのさ!」



乙中将「……、……」



わるさめ「艦載機お返しー!」



ガガガガ!



飛龍「痛っ! 被弾しました!」



乙中将「あ! むらびとの技のしまうと取り出すかよ!」



わるさめ「かかっておいでよ動物の森イイイイ!」



飛龍「艦載機、発艦!」



わるさめ「く! 4方向からの同時攻撃か!」



わるさめ「当たって砕けろ動物の森イイイイ!」



乙中将「被弾を気にせず突っ込んできた!」



乙中将「後ろの右手と挟み撃ち……!」



飛龍「あ、あああ―――――!」


ガシッ


わるさめ「シェイク!」



飛龍「うわあああ――、ふ、振らないでえええ!」



飛龍「き、気持ち悪く……」



飛龍「もうダメ、見ないでください、乙中将……!」



(自主規制)



乙中将「飛龍……」



わるさめ「余所見してんじゃねえよ! 部屋から作戦考得るのは出来ても現場じゃできねえのかなあ!」



わるさめ「野郎はオープンザドア君しか興味ないからとっととスマッシュ!」



ドガアアアン!



わるさめ「さて、残りは一機ずつだ。誰から仕留めるかなー……」



5



飛龍「最悪……私達が一番最悪なんじゃないですか……!」



乙中将「ああ、わるさめちゃんが相手の時点で、恐らく僕らが一番の貧乏くじを引かされてる……!」



夕立「ぽい!」ドゴッ



乙中将「夕立が左手をかなり追い込んでる……!」



マスターハンド・右手「…………」



飛龍「ふ、扶桑さん! 狙われてるううう!」



扶桑「……2度も」ムクリ



扶桑「穢されないわ……!」


ガシッ


扶桑「少し痛いですからお覚悟をっ!」


ボキッ


乙中将「ナイス! 人差し指をブチ折った! 悶絶してる!」


バキボキゴキ


飛龍「ついでにスマッシュ!」


ドガアアアン!



乙中将「これは思わぬラッキーだ! 大した苦労なく右手を仕留めた!」



夕立「ぽ、ぼいいー!」



夕立「乙さん達、後は任せるっぽいいい~……」



ドガアアアン



乙中将「かなりダメージ与えてくれたね! ありがとう! 後は僕らに任せてゆっくり休んでて!」



わるさめ「左手、パーで払いのけろー!」



飛龍「全機発艦! 食らう前に仕留めてやる!」



わるさめ「おっとしまってやんよ!」



乙中将「……く、払いのけダメージを覚悟で左手を艦載機から守る気か……わるさめちゃんのパーセンテージ的に……!」



飛龍「ああ、ダメだ、押し負け……」



わるさめ「飛龍、討ち取ったり――――!」



ドガアアアン!



わるさめ「左手よ! そのまま乙中将と扶桑も凪ぎ払えー!」



乙中将「わるさめちゃん! 僕らにメモリーくれる気はないの!?」



わるさめ「あるよ! でも話は別なんだよね! 契約上、遊びに本気でなきゃならないのさ! だからねだるな勝ち取れ!」



ドガアアアン!



わるさめ「!? 左手が吹っ飛ばされた!?」



わるさめ「……あー」



ガングート「支援艦隊ガングート、到着だ」



乙中将「ガングートさん……」



乙中将(……まだ電ちゃんのほうが……これも貧乏くじ引いたっぽいなあ)



ガングート「よう乙の将、数年前の演習振りか。あの時の決着をつけたいもんだが、今はこいつを沈めるのが先だな」



乙中将「嫌だよ! 北方とは2度とやりたくない! 君達、提督からして大道芸人集団だもんよ! というか演習はそっちが反則犯して僕らの勝ちだったじゃん!」



ガングート「あんな結果では不完全燃焼だろう」



わるさめ「だーかーらー! 余所見してんじゃねえよ! 待ってやらないかんな!」



乙中将「あ、しま、」



ドガアアアン!



ガングート「オラ」


ドガン!


わるさめ「いったああい! 女の子の顔面容赦なく殴るううう!」



わるさめ「調子乗ってんじゃねーやい!」



わるさめ「ポケット戦艦がアアア!」



ガングート「こんな茶番に付き合わされる身にもなれ。それとお前、例の春雨だったか?」



ガングート「なんでそっちにいる」



わるさめ「一応いっとくけど演技に過ぎないからね! 私にもこうする理由があるのさー!」



ガングート「敵につくか。そうか。それじゃ……」



わるさめ「動作が遅いね!獲った!」



ガングート「リーチが短いな」



わるさめ(ん、砲塔の向きが私じゃなくて……)



ドンドン!



わるさめ「あ、扶桑……お前、乙中将の」



ドガアアアン!



扶桑「」



ガングート「都合いい。扶桑が爆弾を服に隠してたもんでな……けほっ」



わるさめ「……くそ、お前こそ仲間を敬えよ!」



ガングート「おら」


ゴキッ


わるさめ「い、痛……腕が折れ……」



ガングート「おいおい、この程度で心折れかけているのか。とても訓練を受けた軍人とは思えないな……」


ゴキッ


わるさめ「や、止め、ふ、ふええん……」



ガングート「お前のようなやつにゃ少し痛みを刻み付けておかないと繰り返す羽目になる」



ガングート「深海棲艦(バケモノ)側についたテロリスト、この言葉を知ってるか?」



ガングート「お前を赦すかどうかは神が決めることだが」



ガングート「神のもとへ送るかどうかは俺が決めることだ」



ガングート「ハハハ!」



わるさめ「っひい!」



ドカバキボコ



ガングート「うちの神風より遥かに弱いが……ったく、こんな軟弱者が本当に日向と伊勢と神通を倒したのか……?」



わるさめ「……う」ムクリ



ガングート「根性数値は春雨とは思えんな」



わるさめ「しょせん何も知らねーやつだからと、黙って聞いていれば……!」



わるさめ「チューキちゃん達はバケモノじゃねーよ!」



わるさめ「お前よりも人類に貢献した」



わるさめ「人間だ!」



ガングート「吠えたな。その威勢やよし! 」



ガングート「が、実力は伴ってないな!」



…………………


…………………


…………………



時雨・夕立「ロシアの軍人怖い……」ガクガクブルブル



白露「は、春雨、大丈夫……?」



わるさめ「大丈夫だから、白露姉……」



乙中将「……」



乙中将「ガングートさん、少しやり過ぎ……わるさめちゃんもあれだけど、あれは青ちゃんも怒るよ……」



ガングート「やり過ぎ、か。……覚えておこう」



ガングート「が、謝りはしないぞ。准将がやっていなかった部分を私が悪童にしてやったまでだ」



乙中将「そこは痛み分け……としても、そこじゃなくて中枢棲姫勢力の悪口ね……?」



ガングート「なおさらだな」



ガングート「あの海戦の内野のことはよく分からないが、どんな事情があっても『Rank:SSS』の深海棲艦だろう。実際、当時はどれだけ国民の不安を煽ったか知っているはずだ」



ガングート「ランクが上なほど、大きな海の粗大ゴミってことだろうよ」



わるさめ「なんだと……」



白露「は、春雨、ダメだよ!」



ガングート「准将は上手く丸め込んで利用してみせたからな、なかなかの器とお見受けした。准将には敬意を払っているが、春雨、お前は准将の格を下げる愚か者だ」



白露「ちょっと! いい加減にしてください!」



ガングート「ただ意見が食い違うだけでそんなに怒ることかね……」



ガングート「今日はそうだな、空気を呼んで帰るか」



山城「わるさめのやつは、まあ、あなたがやってくれたから置いといて、扶桑お姉様を道具扱いしやがったわよね」



山城「少し外で」



神通「語りましょうか」



ガングート「構わん」



蒼龍「……乙中将、いいんですか?」



飛龍「止めたほうが」



乙中将「いいよ別に。程度は分かってるはずだから」



乙中将(あー……だから北方は好きじゃないんだ……)



乙中将(神風ちゃんといい、闇とケンカになりそうだから、最終作戦は外野に回されたこと気付いてもいないのね……)



乙中将(あそこの人達、提督からして闇に思い入れ持ってる人ばっかだし、一悶着ありそう。青ちゃんにも伝えとくかな……)



乙中将「嫌な臭いがしてきたなー……」



わるさめ「……」



乙中将「わるさめちゃん?」



わるさめ「……ひゃう」



わるさめ「す、すみません、私、闇に帰ります、ね」



乙中将(なんか春雨ちゃんみたいになってる……)



【ワ●:鎮守府(闇)と鎮守府(北方)と】



提督「……了解です。わざわざありがとうございます」



提督「珍しくわるさめさんが部屋に閉じ籠っているのはそういうことですか……」



ぷらずま「どういうことなのです。あのわるさめさん、お忍び里帰りの時以上に落ち込んでいるからさすがに気になるのです。今はまだ暁お姉ちゃんも立ち直れていないのに……」



提督「……」



ぷらずま「別に聞いても我を失ったりしないのです」



提督「ガングートさんが中枢棲姫勢力の皆さんをわるさめさんの前でバケモノ、海の粗大ゴミだと馬鹿にしたらしいです」



ぷらずま「あー……それに加えてフルボッコにされたと。道理でわるさめさんが凹むわけなのです」



ぷらずま「……中枢棲姫勢力のことは私達の中でだけ功績が認められていますからね。ガングートさんの評価は世間一般のものと捉えて構わないのです」



ぷらずま「が、司令官さん」



ぷらずま「わるさめさんへの暴力はお友達の教育としては少し度が過ぎますね……?」



阿武隈(電ちゃんがそれいっちゃうんだ……)



提督「……少し様子を見てきますね」



………………


………………


………………


龍驤「北方の連中はなー……海外艦多すぎ、イロモノ多すぎで尖り過ぎやで。過去に演習したことあるんやけど、2度とやりたくないわ……」



明石君「仲間の仇とまでは行かねえが、さすがに気分悪いな」



大淀「……島風さん、天津風さん」



天津風「みんな別に悪い人じゃないわよ……我が強いだけで」



島風「……うーん」



島風・天津風「……」



天津風「あんまり言いたくないけど」



天津風「准将、すごく嫌われてるわよ。主に一人だけどね。北方とはあまり関わらないほうがいいと思う」



島風「そだね……」



卯月「あー、長月、菊月」



菊月「北方には三日月と望月がいたな」



長月「別に司令官の悪口は聞いたことないぞ?」



鹿島「そういえば香取姉から准将と因縁のある教え子が北方にいると……」



大淀「……」



明石さん「もしかしなくてもあの子ですか。私、艤装を魔改造してあげて、特製の刀も作りましたよ?」



ぷらずま「因縁、というと……」



間宮「考えられるのはあの撤退作戦、ですよね」



大淀「はい。1/5撤退作戦時、准将が指揮を執った子達は心がバッキバキに折れて適性なくなりまして」



龍驤「丁の鎮守府から北方に異動というと」



龍驤「神風型か……」



大淀「あの作戦時に准将に脅迫紛いの指示を受け、15%まで適性落ちて春風さんと旗風さんは解体したのですが、お一人だけ軍に残ったんです」



大淀「神風さん」



大淀「准将は神さん、と呼んでいたとか……」



ぷらずま「ほう、親しげじゃないですか。どうせ神風さんにそう呼んでくれ、と頼まれたのでそう呼んでいたのでしょうが」



阿武隈「ここに着任するよりも前に?」



卯月「なるほどっぴょん。深海妖精のためなら兵士を平気で殺すような時の司令官に、純粋な駆逐(少女)がなにかの勘違いで好意を……」



阿武隈「つまりぃ……」



一同(被害者か……)



【3ワ●:とにもかくも、神風】

 

 

大和「ほえー、鎮守府(闇)みたいに広いんですね」

 

 

武蔵「闇の鎮守府はもともと丁のやつが口挟んで、フレデリカを着任させやがっただけで本来あそこはただの港になる予定だったらしいぞ」

 

 

大和「丙少将と青ちゃんさんの鎮守府近いと思いきや、そんな予定が……」

 

 

武蔵「丁のやつが噛んでいたんだから、秘書官の大和も知っていると思っていたが……」

 

 

武蔵「そういや、丁のやつは書類関係は大和ではなく、あいつに仕事を手伝わせていたっけか」

 

 

大和「そうですねえ……私を秘書官にした理由は人と合う時の空気のためだとかなんとか、マスコットみたいな秘書官でしたから……」

 

 

武蔵「北方は闇みたいな新設より重要な上に歴史がある。そーいや乙中将はここで補佐官やってたみたいだな」

 

 

大和「あ、丙少将から聞きました。乙の旗は代々この鎮守府に着任するのがしきたりみたいなものですが、ここにいると一般人が来るから別の鎮守府を持たせてもらったとか」

 

 

武蔵「その一般人っつーのは親御さんだろうな……あの人の地元近いし。ん、あいつは……」

 

 

トコトコ

 

望月「あ、うーす……」

 

 

武蔵「髪が跳ねてるが寝てたのか? もう昼過ぎだぞ」

 

 

望月「皆ががんばってくれたお陰でニート生活満喫してる。司令官ならいないよー。ガングートの姉さんも隼鷹もリシュリューさんも酒飲みポーラもー……」

 

 

望月「天津風と島風は闇にいったしなー……」

 

 

大和「望月ちゃんは行かないんですか? 長月ちゃん菊月ちゃん卯月ちゃん弥生ちゃんもいますよ?」

 

 

望月「あー、そだね。仲良いの卯月くれーだけど……」

 


望月「向こうの司令官がクソ真面目すぎて上手くやれる自信ないし、あたしはこの北国で冬眠して生涯を閉じるよ」

 

 

武蔵「閉じんな。引き込もってないで外出ろよ……」

 

 

望月「めんどくせー……」

 

 

望月「本日はどんな用件で」

 

 

大和「落ち着きましたからね。先代の丁准将鎮守府の1/5作戦の後に、駆逐艦の皆さんが北方の鎮守府に異動したと聞きましてご挨拶に」

 

 

大和「聞いた限り、神風さんはいるのですよね?」

 

 

望月「いるよ。大和さん、今の准将どう思ってる?」

 

 

大和「青ちゃんさんですか。少しこじらせていますが、可愛い人だと」

 

 

望月「あの撤退作戦の後、神風型はごっそりここに異動してきたけど、神風以外は那珂さんと同じく1ヶ月で解体申請したことは」

 

 

大和「ええ……知ってはいます」

 

 

望月「そんな顔すんなよなー。大和さんのせいじゃねーし……」

 


大和「……青ちゃんさんのせいだとでも?」

 

 

望月「原因はそうだと思うよ……」

 

 

望月「神風なんか本当に嫌ってるからなあ……現存してた神風型は皆、艤装適性率が10%前後にまで落ちたから。それでも残ったのは神風だけ。あの作戦で姉妹艦失って、大和さん死んで」

 

 

望月「あの司令官は、なにか間違ったことしたのなら論理的な内容でお願いしますって怒ってた神風に真顔でいったんだろ……」

 

 

望月「あんときの神風は16の新兵だったし、経験もそうない時に1/5撤退作戦のアレはねー……とあたしゃ思うよ」

 

 

武蔵「ったく、あの頃からあいつにもう少し人の心がありゃコミュ能力も多少はマシになっていた気がするんだ。指揮に間違いはなくても、それ以外が全部間違ってた」

 

 

武蔵「あいつの言葉は大体、概ね正しいんだが、兵士は物わかりの良い機械じゃねーんだからよ……」

 

 

武蔵「でも、あいつは好ましいほうに変わったと思う」

 

 

望月「武蔵さんがそういうならそうなんだろね。卯月も好いているみたいだしさあ……」

 

 

武蔵「もしかしてあいつ北方全員に嫌われてるのか?」

 

 

望月「いんや、神風くらいじゃねーかな。嫌い、というより、怖がられてるかねえ……うちの司令官は元々艦の兵士だからビビらないし、ガングートさんもリシュリーさんも己の目で見極める人だし、ポーラはどーでもよさげ」

 

 

 

望月「島風と天津風は印象と大分違って面倒見の良い人だって連絡きたし、三日月はどっちつかず。卯月達と神風の間で処理に困ってそう。若葉も初霜がいるからそうだな。香取さんも鹿島から聞いたみたいで好意的。そんでろーちゃんはゴーヤのツレであの作戦にも参加してる。ビスマルクも褒めてたよ」

 

 

武蔵「割とお前らは闇の連中と繋がりあるんだなー」

 

 

望月「ま、とにもかくも」

 

 

望月「神風」

 

 

大和「うーん……」

 

 

武蔵「どうかしたか?」

 

 

大和「神風ちゃんってあの鎮守府では」

 

 

大和「青ちゃんさんになついていた珍しい子だったと……」

 

 

武蔵「あー、なんか二人でいたとこ見かけた気はするな」

 

 

大和「青ちゃんさん、武蔵の第2艦隊についていたじゃないですか。訓練のデータ取ってくれていたと思いますが」

 

 

武蔵「そうだな。でも、神風達とあいつの話しなかったからな。私があんまり好いてねえ感じ、伝わってたんじゃねえの」



武蔵「神風は真面目で本読むのが好きで……あいつと趣味は合いそうではあるから……」

 

 

武蔵「あの頃のあいつだよな……」

 

 

武蔵「……嫌な予感しかしないから触れたくねえ」

 

 

大和「一応の根拠、青ちゃんさんの相性検査知ってます? 私もびっくりしたんですが、1位はグラーフさんだったのですけど、2位は神風さんだったんですよ」

 

 

武蔵・望月「マジかよ」

 

 

2

 

 

望月「あそこのスタジイの木の木陰にいる。それじゃあたしゃ部屋にもどっから、なんかあれば神風、若葉と三日月も食堂にいるはずだからー。香取さんと酒飲みと天然ドイツ人は知らね」

 

 

大和「はい。ありがとうございます」

 

 

望月「ん、じゃねー」トコトコ

 

 

神風「……」

 

 

武蔵「本読んでんのか。変わらねえな……」

 

 

大和「神風ちゃん、大和です、お久しぶりです。読書の邪魔してごめんなさいね」

 

 

神風「……はい。お久しぶりです。武蔵さんも」

 

 

武蔵「おう」

 


神風「なにか私に用件でも」

 

 

大和(……壁がある感じですね)

 

 

大和「落ち着いたので挨拶と、あの時のお詫びに北方まで足を運んだのですが……あ、その私とおそろいの和傘、大事にしてくれていたんですね」

 

 

神風「ええ。宝物の1つです」

 

 

神風「それと、お詫びなんてとんでもないです。生きていてくれた。それだけで十分ですから、お詫びは止めてください。前に武蔵さんからも謝られましたが、力不足だったのは私も同じでしたから……」

 

 

武蔵「神風、妹達は元気にしてっか」

 

 

神風「はい、元気に暮らしているみたいです」

 


武蔵(……なんだ、笑えてるじゃねえか)

 

 

大和「青ちゃんさんとは会いました?」

 

 

神風「は?」

 

 

神風「( #^ω^)ビキビキ」

 


武蔵(名前出しただけで即キレたぞおい……)

 

 

大和「ごめんなさいね……」

 

 

神風「あ、ち、違います!」

 

 

神風「エリート、フラグシップ、鬼も姫も入り交じった深海棲艦を50の数も引き受けてくれた大和さんが謝るだなんてとんでもないです。私達のために敵に背を向けなかった大和さんには感謝の言葉しかありませんから!」


 

大和(……武蔵からあの後のことは聞きましたが、神風ちゃんはどんな風に思っているのか、聞いてみたいですね)


 

大和「無事に民間に被害を出さずにやり遂げた、と聞きましたし、お力になれたのなら幸いですね」

 

 

神風「……護衛や救助はこなれた分野でしたから」

 


神風「ただ、あの男は私達、神風型各1艦に……」

 

 

神風「鬼旗艦の艦隊と戦わせる決死を強いましたが」

 

 

武蔵「……すまん」

 

 

神風「いえ、指揮官の判断です。武蔵さんにあの時点で艤装を渡すと、大和さんの救援に駆けつけたはずです。ある程度、距離が離れてから、艤装を渡すのはありな判断かと」

 

 

神風「もちろん、武蔵さんを責める気はありません。私だって姉妹に置き換えてみれば、絶対に理性が吹っ切れて命令を無視していた未熟者でしたから……」


 

武蔵「 =(´□`)⇒グサッ!!」

 

 

武蔵「……くっ、ああ、あの時の私は愚か者だったぜ」

 

 

神風「あの作戦はついこの前までの最終決戦まで継続されていました。その結果、全員生還を私達は成し遂げましたよ」

 

 

神風「私の姉妹達は艤装適性がなくなったとはいえ」

 

 

神風「責務をまっとうしてなお、生き永らえています」

 

 

神風「これ以上の戦果は望めませんから」

 

 

大和「ではなぜそこまで青さんを……」

 

 

神風「あいつの名前出すの止めてもらえませんか」

 

 

神風「 ( #^ω^)ビキビキ」

 

 

大和(それとこれとは話が別なんですね……)

 

 

神風「……私は作戦に関する指揮を問題視するつもりも、責めるつもりもありません。作戦は成功したんです」

 

 

大和「ではなぜ……」

 

 

神風「海の傷痕がアライズさせた深海棲艦100体なんですから、準備不足、対応しきれなかったですよね……」

 

 

神風「私達、神風型は始めての大規模作戦、あの男の指揮に忠実に従って駆逐棲姫率いる水雷戦隊を神風型3人で各1艦隊ずつ決死で足止めしました」

 

 

神風「脅迫紛いの指示により……至るところから水分を噴出し、女としても撃沈するような無様をさらし……」

 

 

神風「バッキバキに心折れて適性なくなりました」

 

 

神風「そんな私達に」

 

 

神風「作戦の後になにか一言くらいあってもよかったんじゃないんですか……」

 

 

神風「人間として」

 

 

神風「私達を道具としか考えていません。神風型はあの男に使い捨てにされたんですよ」

 

 

神風「提督志望ともあろう御方が、私達の艦名、それと格好も相まって特攻かなにかのための駆逐艦だと思っていたんじゃないですか………?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 



私達は新撰組かよ。

 

 

 

 


 

大和・武蔵(あ、目から完全にハイライト消えた……)

 

 

武蔵(あん時のあいつなら相手が駆逐艦でも兵士として来た以上、甘えたこというなって更に突き放すんだろーな……)

 

 

武蔵(あ、でも上層部の人事が珍しく有能じゃねえか。あいつを適性施設に飛ばした理由、垣間見えた気がするぞ……)

 

 

大和「で、でも、私は神ちゃんがよく青さんとお話しているのを見かけましたが……」

 

 

神風「なるほど。私の前で気安くあいつの名前を出したのはそこで誤解されているからですか」

 

 

神風「……少し色をつけてお話します。やつの言葉に出していない台詞は私がこう思っていたであろうという想像をもとに付け加えます」

 

 

神風「誤解だとご納得して頂けましたら、今後は私の前で2度とやつの名を出さないでください」

 

 

神風「では」

 

 

【4ワ●:神風:鎮守府(丁)にて、オープンザドア君と】

 

 

神風「……」パラ

 

 

提督「神風さん、探しました。次の遠征のスケジュールについて少し丁准将から伝言がありまして」

 

 

神風「!」バッ

 

 

提督「明日の7:00の海上護衛の遠征にご同行願えますか?」

 

 

神風「あ、うん、分かった」

 

 

提督「どうも。それでは」

 

 

神風「ちょっと待って。み、見ましたか?」

 

 

提督「気配が薄くてすみません。見ました。自分も読書が趣味でして、ついお手元の本に目が行きました」

 

 

提督「それでは失礼」

 

 

神風「あ、補佐官さんも本を読むんですか」

 

 

提督「ええ、それでは」

 

 

神風「な、なんでそんなに帰りたがるんですか」

 

 

提督「? 用件は伝えましてお返事もいただけましたし」

 

 

神風「そういえば大和さんや武蔵さん、司令官以外とは業務上のお話しかしませんよね。食堂でもいつもお一人ですし」

 

 

提督「そうですね。一人が好きなので」

 

 

神風「補佐官さんはどんな本を読むんですか?」



提督「この戦争関連です。といってもあなた達のモデルについての史実系はあまり読みませんが」

 


神風「そ、そうなんですか」

 

 

神風・提督「……」

 

 

提督(めんどくさ……)

 

 

提督「そういう本はどういうところが面白いのです?」

 

 

提督「挿し絵的に十代の女の子向けとお見受けしましたが」

 

 

神風「あ、うん。私達、海に出ると護る側で弱音は吐けないから、こういう護られる側視点のお話って憧れまして」

 

 

提督「なるほど……自分も護る側に分類されるの、かな」

 

 

神風「私達はそうですね。あ、そうだ。興味あるのならお貸ししましょうか?」

 


提督「……その本は、神風さんの趣味なんですね?」

 

 

神風「そうなりますかね」

 

 

提督「ありがたくお借りします」

 

 

神風「!」パアア

 

 

神風(なんだ、人を寄せ付けない雰囲気あってとっつきにくい人かと思っていたけど、意外と話せる人なのね)

 

 

神風(……引かれなかったし)

 

 


 

 

提督「遠征、お疲れ様でした」

 

 

提督「あ、これ、ありがとうございました。読み終えましたので、お返し致します」

 


神風「はい。男性向けのお話ではないですが、面白かったですか?」


 

提督「新鮮味がありました。このお話、モチーフはこの海の戦争だったりします?」

 

 

神風「え、そうなのかしら。陸での戦いだけど……」

 

 

提督「艦娘が深海棲艦になる、という説は有名ですよね。味方が化物と化してかつての味方と殺し合ってました。男と女の立場を入れ換えての陸での戦争に替えた風に思えます」


 

提督「ので、面白かったですね」

 

 

提督「主人公の少女には感情移入はできませんでしたが、 自分に艤装があれば、こんな風に戦えていたのかもしれないと新鮮な想像が出来ました。仮想戦記も悪くないものです」

 

 

神風(あれ? 私と補佐官さん、趣味も同じでジャンル嗜好もマッチしてるの、かしら)

 

 

神風「わあ……!」キラキラ




 

 

大和「あ、確かに一時期、神ちゃんと青ちゃんさん一緒にいるところを見かけてました! 神ちゃんが楽しそうだったので、覚えています♪」

 

 

武蔵「私も覚えてるな。あいつのほうは楽しそうでもなんでもなさそうだったように見えたが……」

 

 

神風「いつも私のお話に付き合ってくれましたし、感情を表に出さないだけの恥ずかしがり屋さんだと思っていたんです」

 

 

神風「あの人も私のこと、気に入ってくれているのかなって」

 

 

武蔵「断言する」

 

 

武蔵「それはない」

 

 

大和「む、武蔵っ!」

 

 

神風「いえ、いいんです。間違っていません」

 

 

 




 

 

 


完全なる私の勘違いでしたから。


 


 

 


 

 

神風「今思えば、補佐官として指揮を取る際には第2艦隊というのが通例でしたから、提督として鎮守府に着任するためにそのチャンスを棒に振るわけにも行かず、その時が来たら上手く舵を執るために『嫌々』話に付き合ってくれたんでしょうね」

 

 

大和「ああ……あり得そうな話ではありますね……」

 

 

武蔵「第2旗艦の私と折り合い悪かったが、神風が妙になついていたから、私もお前とケンカしないようにあいつが指揮を取る際は従ってたしな」

 

 

武蔵「……丁のやつが目をつけた教え子だ。そういう計算は出来るやつだし、するやつ、か(メソラシ」

 

 

神風「ええ。あの頃の私は、ただただ」

 

 

神風「愚かでした」

 

 

武蔵(新鮮で面白いっつー感想もどうも嘘くせえな。どうせ補佐官として指揮執る時のために神風の性格を知っておこうってところか。そのために本も借りてみたんだろう……)

 

 

武蔵(あいつ、私と大和の知らんところでなにやらかした?)

 

 

武蔵(……嫌な予感しかしねえ)

 


2

 


神風「そういえば、青山司令補佐って、お一人でいることが多いですよね」

 


神風「別に悪いとかそういうことではありません」

 

 

提督「そうですね」

 

 

神風「……」

 

 

提督「なにか」

 

 

神風「なにか過去に?」



神風「あ、気軽に聞いてしまって、ごめんなさい」

 

 

提督「なにもありませんよ」

 

 

神風「そういえば、今日のお昼の麦飯の握りは私が作ったんですが、お味はどうですか?」

 

 

神風「神風にしては珍しく料理が下手ですけど」

 

モグモグ

 

提督「普通に美味しいですよ。ごちそうさまです」

 

 

神風(表情は変わらないけど……まあ、それならいいか)

 

 

丁准将「珍しい組み合わせであるな。なので、申し訳ないが、耳が悪さをしていた」

 

 

提督「いえ、別に聞かれて困る話もしていないので」

 

 

丁准将「青山君の過去が気になるのか、神風君」

 

 

神風「え……いや」

 

 

丁准将「いやいや、この男を見ていればなにか過去にあったと思うのが普通である。かくいう我輩もそうだ」

 

 

丁准将「しかし、青山君の心の一寸先は闇、ならば深入りはしないほうがいいぞ」

 

 

丁准将「父と祖母が死に、母に捨てられ、自殺未遂を犯した男の心情は気になる。我輩は戦いの中で死を望む兵士ではあるが、そういった不幸で死を選ぶ輩の人間的心は全く分からん」

 

 

神風「……!」

 

 

提督「丁准将、あなたは少し言葉に気遣いが足りないように思えます」

 

 

丁准将「まさか君が傷ついた、という訳でもあるまい?」

 

 

提督「あなたは誰かをオモチャのように、遊びでつつく」

 

 

提督「あなたは知らずのうちにオモチャにした人間に恨まれて割を喰いそうだ。まあ、ろくな死に方しないタイプの人間に見えますね」

 

 

丁准将「クハハ、心当たりが多すぎる。しかしだ、青山君、仮にも師へ、その言葉はあんまりである」

 

 

丁准将「君を次の丁に推薦しようと思っていたが、取り止めるかもしれんぞ。将の席ならば鎮守府に提督として無条件で着任できるというのに」

 

 

提督「別に。提督になろうとして軍に入ったわけではなく」


 

丁准将「クハハ! そうだったな! 君のそういう目的のために極限まで研ぎ澄まされたところは好ましい!」

 

 

提督「……それでは失礼します」

 

 

…………………

 

…………………

 

…………………

 

 

神風「司令官、あまり人の過去をネタにするのは……」

 

 

丁准将「我輩と青山君のいつものコミュニケーションだが」

 

 

丁准将「怒ったと思うか?」

 

 

神風「いや、いつもと変わりませんでしたが」

 

 

丁准将「異常であろう?」

 

 

丁准将「『気にしていない』のだよ」

 

 

丁准将「家族の死も、それを話の種にされるのも、小馬鹿にされるのも」

 

 

丁准将「ま、我輩はこう見えても彼を気に入っている。あの人を寄せ付けないオーラのまま、目立てば彼の身に待つのは破滅であろうよ」

 

 

神風「そんな過去があれば、あんな風に人と関わりたがらないのも分かります……」

 

 

神風「人と深く関わるのが、怖いのですかね」

 

 

丁准将「なんとかしたいのか?」

 

 

神風「もちろんです」

 

 

丁准将「大和君でも無理だがね。心は開かん。しかし、1つアドバイスである」

 

 

丁准将「彼の目的は戦争終結である」

 

 

丁准将「神風君、兵士として強くなるといい。そこが本当の彼とのスタート地点となろうよ。趣味だの本だの、男だの女だのではなにも変わらん」

 

 

神風「まあ、大和さんがどんな風に気にかけても、変わりませんからね……」

 

 

丁准将「余計なお世話は一番艦(長女)の気質かな」

 

 

神風「とにかく、私はあの人のこと武蔵さんみたいには思いません。同じ鎮守府の仲間ですから、お互いに支え合う存在になるべきでしょう」

 

 

丁准将「……」

 

 

神風「あの人が過去の闇に溺れているのなら、なんとか助けられるよう精進します」

 

 

神風「護衛や救助は得意ですから」

 

 

丁准将「フハハ、恐らく」

 

 

丁准将「泣く羽目になるな」

 

 

丁准将「実に楽しみである」ニタニタ

 

 

神風(うっとうしい……)



3

 

 

神風「よし! 演習、終わり! どうでした!?」

 

 

丁准将「いや、むしろ我輩が君に聞きたいのだが」

 

 

丁准将「神風君なにがあった。大和君を単艦で中破させたように見えたが……?」

 

 

神風「司令官には聞いてないです。司令官補佐です」

 

 

丁准将「……だそうだぞ、青山君」

 

 

提督「艤装の弾薬庫と燃料庫を調べて見なければ砲撃精度も正確には測れませんが、観測できた限り8割で当てていたように見えます」

 


提督「夜戦、恐くないんですか?」

 

 

神風「夜はあんまり怖くないわ。潜水艦は怖いけど……」

 

 

丁准将「毎年の合同演習の後日となるが、決闘演習でも出てみるか? 今、龍驤君が解体したゆえ、チャンプは長門君だが、この調子なら駆逐部門ではいい線行けるかもしれんぞ?」

 

 

神風「それ公式戦ではないですし…でも、1位は誰でしたか?」

 

 

丁准将「甲の江風君、乙の夕立君だが、正確には不在だな。駆逐と軽巡の素質最強は解体していなくなってしまったのだ。1位に君臨しても意味があまりないゆえ、個人演習が盛んなのは戦艦と空母だな。ま、戦艦ではうちの大和君ではある。空母は天城かサラトガ、赤城か」

 

 

丁准将「軽巡は阿武隈、駆逐は卯月だったはずだ」

 

 

提督「阿武隈のほうはともかく、卯月は驚きですね。まあ、噂程度に知ってはいますが……」

 


神風「例のキスカの生存者、ですか……」

 

 

提督「強いのならば惜しい人材ではありますが、仕方ありません」

 

 

提督「強い素質を持っていても、心が折れたのならそれまでですから。この辺り神風さんは才能がおありだと思います」

 

 

神風「!」

 

 

丁准将「心技体、我輩の目から見ればこの全てを備えている兵士は木曾君、神通君、日向君と伊勢君、龍驤君、赤城君くらいだな。工作艦明石もそうだが、あれはただ歳喰っているゆえだな」

 


神風「というかその面子は明石さんに限らずみんなベテランでは……」

 

 

提督「丁准将より歳上なのは明石さんだけですけどね」

 

 

丁准将「うむ……兵士の色恋沙汰嗅ぎ付けると、男はどんな車乗ってるの? と聞くバブル世代のババアである……」

 


丁准将「ところで『心技体』が完全な兵士は珍しく、提督として未熟であればそういった良い兵士ほど舵執りが難しくなる。青山君、この中の才能で1つ取るとしたらどれを重要視する」

 

 

提督「体ですね。技術がある程度あればの話ですが。心は兵士であればいいので……」

 

 

丁准将「しかしだな、これはカテゴリがいかにも別である風だが、連鎖するものでもあるよ。健やかな身体に健やかな心は宿る、といった風にな。心技体、どれか1つさえあればな」

 

 

丁准将「他はおのずとついてくる。二兎を追う者、一兎をも得ず。二兎、三兎捕まえたければ、まずは一兎を捕まられるよう精進すべし、だ」

 


提督「……勉強になります」



丁准将「神風君はこれに当てはめると体、そして心が最もダメだな。根性値が低い。理不尽1つで心が折れてしまいそうである」

 

 

神風「……そんなことはないと思いますが」

 

 

丁准将「今日はまぐれではないのかな。少女の青き気分でブーストかかっているだけの瞬発的な能力をもとに作戦は組めないぞ?」

 

 

丁准将「……」ニタニタ

 

 

神風(っく、相変わらずこの司令官は………!)

 

 

丁准将「ま、神風君、感情が君は盲目にしているだけだ」

 

 

丁准将「青山君は引きこもっている部屋の空気を換気でもしたまえ」

 

 

丁准将「君達、相性自体は悪くはないよ」

 

 

神風「!」パアア

 

 

丁准将「我輩はこれにて」

 

コツコツ

 

丁准将「武蔵君」

 

 

武蔵「ん? なんか用か?」


 

丁准将「年よりの冷や水だが、破局に命を賭けよう」

 

 

武蔵「意味分からねえ……とうとうボケたか」

 

 

丁准将「フハハハ! いい得て妙な表現ではあるな!」

 

 

……………

 

……………


……………

 

 

神風「青山司令補佐は」

 

 

神風「鎮守府の提督になるつもりは?」

 


提督「丁の准将なら、自分の馬鹿げた仮説にも耳を傾けてくれそうですし。今はまだ論文が完成していないのでお見せできないのが心苦しいですが」


 

提督「あ、すみません、答えになっていませんね」

 

 

提督「この戦争を終わらせるのが目的です。提督としての着任は方法の問題に過ぎませんのでこだわってはおりません。が、提督として着任したほうが捗るかも、と最近は思います」


 

神風「あの、私、もっと精進します!」

 

 

神風「一番強い駆逐艦、いや、艦の兵士になるって」

 

 

神風「決めました!」

 


提督「はい。応援しています」

 

 

 

神風「だから」

 

 

 


――――だから、もし青山司令補佐が、

 

 

 

 

――――鎮守府に提督として着任することになった時、

 

 

 

 

 

――――私をあなたの、

 

 

 

 

――――第1艦隊の旗艦にしてくれませんか。

 

 


提督「……、……?」

 

 

神風「……」

 

 

提督「機会に恵まれたのなら、その時はお願いします」

 

 

神風「よしっ!」

 

 

神風「それでは夜の訓練もう少ししてきますね!」

 

 

神風「あ、それと」

 

 

神風「大和さんみたいに私のことは神ちゃんでいいです!」

 

 

提督「そういえば大和さんそう呼んでましたね」

 

 

提督「……神さんで」

 



 

 

武蔵「神風、知ってっか。ロボットに気持ちを言葉で伝えても伝わらねえんだ。インプットしてやらねえと」

 

 

神風「そうですね……」

 

 

神風「約束を、了解です、といったのに」

 

 

神風「あいつが提督として鎮守府(仮)に着任した時、その約束も覚えていなかったみたいで」

 

 

 

 

 

 

 

 


 



私には一報もありませんでしたが。


 

 

 

 

武蔵「」

 

 

 

大和(……あら?)

 

 

大和(青ちゃんさんがあの鎮守府に着任したのは撤退作戦の大部後でその頃の神ちゃんは北方に来ていたから……)


 

大和(その約束)

 

 

大和(神ちゃんのなかではまだ有効だった?)

 

 

神風「もう話は山頂付近です……」

 

 

武蔵「転がり落ちるだけか……」

 

 

神風「転がりません。落ちるだけです」

 

 

神風「断崖絶壁ですから」

 


2

 

神風「えっと、包装紙の中に感謝のお手紙も入れておいて、と」

 


神風「うん! 完成ね!」ガッツポ

 

 

那珂「あ、神風ちゃん、手作りじゃん! それ誰に渡すの? お姉さんに教えてー♪」

 


神風「あ、その、これは……な、なんでもないです!」

 

 

那珂「あの明るい憲兵さん?」

 

 

神風「違います。司令官と陸軍の人達には皆で上げたじゃないですか」

 

 

那珂「と、なると……青ちゃんさんかな。補佐官さんにも皆であげたけどー……」

 

 

那珂「最近、本の貸し借りしてるところ見たよー? あれれー、本命? 那珂ちゃん気になるなあ♪」

 

 

神風「っ! そ、それじゃ失礼します!」

 


…………………

 

…………………

 

…………………

 

 

神風「あ、あの、青山司令補佐!」

 

 

提督「あ、なんでしょう」

 

 

神風「あれ、今の大和さん、ですか?」

 

 

提督「ええ……少しからかわれてました」

 

 

神風「そういえば、大和さんと仲良さげですよね」

 

 

提督「あの人は誰にでもあんな感じだと思いますけど」

 

 

提督「なにか自分に用でしょうか?」

 

 

神風「あ、ええと、その、あのですね……」

 

 

神風「これ……」

 

 

提督「……、……」

 

 

提督「中身は本ですか?」

 

 

神風「ち、違いますよ! 今日は何の日か知っているはずです!」

 

 

提督「チョコレート、ですか」

 

 

神風「ああ、もう! そうですよ、チョコレートです! 恥ずかしいので、さっさと受け取って持ち帰ってください!」

 

 

提督「……どうも」

 

 

 

 

――――ハア。

 

 

 

神風(あ、あれ? 今、溜め息、つかれた……?)

 

 

提督「ありがとうございます」

 


神風(なにかの間違いよね、うん)

 

 


 

 

武蔵「……」キリキリ

 

 

武蔵(立ち込めてきた暗雲から雷落ちることが確定してっから胃がめちゃくちゃ痛ってええええ!)キリキリ

 


大和(武蔵が小破クラスのダメージ受けてます……)

 

 

4

 

 

神風「あれ、大和さん、青山司令補佐はいないんですか?」

 

 

大和「青ちゃんさんですか。ごめんなさい、分かりません。でも今日は提督が司令部に呼び出されたので、今日の分の執務を頼まれていたはずですよ?」


 

神風「了解しました。ありがとうございます」

 

 

神風(それなら借りた本を返すのはお昼の時でいいかな)


 

トコトコ

 

 

春風・旗風「……」ジーッ

 

 

神風「あれ、二人ともどうかしたのかしら。青山司令補佐の部屋の扉見つめて……」

 

 

旗風「春姉が少しお話があるそうで」

 

 

春風「お留守、でしょうか。返事がありません」

 

 

旗風「まだ朝方ですし、寝ているのかもしれません」

 

 

神風「違、」

 

 

春風「えいっ。失礼致します♪」

 

 

神風「ち、ちょっと、執務室にいるみたいだから」

 

 

旗風「中に入ってしまいました。仕方ありません、春姉を連れ戻してきますね……!」

 

 

旗風「司令補佐のお部屋、本が山積みですねー……」

 

 

神風「勉強家なのかな……?」

 

 

春風「といっても軍学校の成績はあまりよくなかったと本人から聞きましたが……相変わらずよく分からない殿方ですね」


 

神風「……、……」

 

 

神風(……最新の妖精図鑑と海外の深海棲艦の生態小説に、最近の安全海域の海図に……愛知県の、常滑の海にばつ印に、このプリントアウトされたコピー用紙には)

 

 

神風「深海妖精、論?」

 

 

バサバサ

 

 

神風・春風・旗風「!?」

 

 

提督「あー……床で寝てしまってたか」

 

 

提督「……」

 


提督「すみません」

 

 

春風「い、いえ、というかなぜあなたが謝りになるのです……」

 

 

提督「ノックで起きられなかったみたいですから。あなた達がしないわけないです」

 

 

提督「っと、寝起きの姿はあまり見せたいものではないので、失礼ですが、自分に用件なら、少しお待ちを……」

 

 

旗風「ふふ、はい。では出ましょうか」

 

 

春風「……」トントン

 


神風「な、なに」

 

 

春風「いえいえ、最近仲が良いですよね。図々しいかもしれませんが、念のためにこの人の人柄の確認をしに来たのです。姉妹艦ですから、分かるんです。でも」ヒソヒソ

 

 

春風「私達が悪いのに気を遣ってくれる優しい殿方なのですね。わたくしは彼の良さに気づきませんでしたわ」ヒソヒソ

 

 

神風「や、止めてもらえるかしら。そ、そういうんじゃないからっ……」

 

 

提督「……、……」

 

 

提督「神風さん、すぐに済みますので少し残っていただいても?」

 

 

神風「え、あ、うん」

 

 

春風「旗風、お邪魔虫は退散致しましょう」

 

 

旗風「春姉、い、痛いから引っ張らないでくださいよぅ……」

 

 

パタン

 

 

神風「あの、昨日のちょこれいと、食べましたか?」

 


提督「はい。ありがとうございます」

 

 

神風「美味しかったですか?」

 

 

提督「?」

 

 

神風「よし……じゃないや、なんでそこで首傾げるんですか?」

 

 

提督「すみません」

 

 

提督「市販のチョコを溶かしてまた固めただけですよね? 市販のチョコの味がしただけです。自分、チョコレートは市販のものしか口にしたことないので、美味しいと不味いの基準がよく分からず。ただ甘め、のチョコレートですよね」

 


提督「自分、甘みが強いチョコレート好きじゃないんですが、食べ物を粗末にするのもアレなので」

 

 

提督「我慢して食べました」

 

 

神風「――――」

 

 

提督「?」

 

 

提督「素直な感想ですが、もしかして……ここ」

 

 

提督「嘘ついて美味しいっていったほうが、神風さん的には嬉しかったり、しましたか………?」オソルオソル

 

 


 

 

武蔵「案の定じゃねえかあんにゃろオオオオ!」

 

 

大和「武蔵、気持ちは分かります。青ちゃんさんのビンタ案件が着実と増えていっていますから……」

 


武蔵「分かりやがれ! 人の心があれば分かるこったろーが!?」

 

 

神風「いいえ、ここは別に良かったんです。だって私は正直、誠実にあろうとしての発言で、こういう不器用なところは愛嬌だと解釈しましたから」

 

 

武蔵「お前もなんつーか……」

 

 

神風「間違いなく乙女ふぃるたーかかってました」



神風「ああ、私はあの時の私を殴りたい……! 私が深海棲艦になったら間違いなく艦娘じゃなくあいつの命奪いに行っていたわ……!」

 

 

大和「殺気が……」

 

 

大和(というか、その時点で深海妖精深論があるのならそれが明るみになれば、乙中将がなにか嗅ぎ付けたのでしょうか……)

 

 

大和(……話が逸れるから黙っておきますか)

 

 

5

 

 

神風「馬鹿正直ですね。でも、なんだか嬉しいわ。甘いのはあまり好きじゃないんですね」

 

 

神風「もう1回、作り直してきていい?」

 

 

神風「なんだか意地でも美味しいって言わせてやりたいし! ああ、チョコレートじゃなくてもいいです。好きな食べ物はありますか?」

 

 

提督「柔らかい食べ物ですね。辛めのが好きです」

 

 

提督「というか、その神風さん」

 

 

提督「あなたが自分に構ってくれるのは嬉しく思えますが、自分の正直な言葉を伝えても……」

 

 

神風「!?」

 

 

提督「あ、いや、行動のほうが分かってもらえるかも?」

 

 

神風「!!?」

 

 

神風「ちょ、ちょっと、待って! まだ覚悟が……じゃなくて、私は別にそ、そういう感情ではなくて!」


 

神風「断固として健全を求めます!」

 

 

提督「そこの机にあなた宛の文を書き留めました。お持ち帰り願います」

 

 

提督「それでは」

 

 

神風「……? 分かりました」

 

 

神風「あ、これ、神風型の本、ですか」

 

 

提督「…………」

 

 

神風「……お邪魔しましたー……」

 

コツコツ

 

 

神風(お手紙の内容、なんだろ……?)

 


神風(不器用な人だから、感謝のお手紙とか、かしら)

 

 

神風「……ん? 洗面所の下にあるゴミ箱に」

 


神風「私が、書いて一緒に包んで、おいた」

 

 

神風「お手、紙……?」

 

 

神風「う……」ウルッ

 



 

 

武蔵「……」

 


大和「……」

 

 

神風「……」

 

 

武蔵・大和・神風「( #^ω^)ビキビキ」

 

 

武蔵「おい、聞くのはあれだが、ここまで来たら神風が書いた手紙の内容とあいつがお前に書いた文の内容を教えてくれ」

 

 

神風「……私の手紙は、生涯で唯一の乙女モード前回の内容です。秘めたささやかな胸の想いと、日々、私のお話に付き合ってくれた感謝を、書き連ねた内容です」

 

 

神風「あいつの手紙は『最近、砲雷撃の成績が下がってるから、自分に喋りかける暇があれば訓練に励め。近い内に深海棲艦に殺されそうな相手と仲良くするだけ無駄ですし、疲れますから、今後はお控えください』という内容でした」

 

 

武蔵「……く、でもそれ多分あいつなりに考えがあってのことだが、残念ながら情状酌量の余地は認めねえ……」

 

 

大和「でも、あの、撤退作戦の時は、そんな青ちゃんさんの指示に従ったんですよね?」


 

神風「ええ、最初は支援艦隊が来るまで3人で深海棲艦を誘導して、固めたところに3人で応戦する、と。私達の連携は丁准将にも褒めていただけた部分ですから、そのほうが飛躍的に生存率はあがる、と進言しました」

 

 

武蔵「私はそん時、姫鬼混じりの25体頼まれたんだよな……神風達のところには行きたくても行けなかった。大和のこともあって精度がおろそかというふがいなさだ……」

 

 

神風「那珂さんは唯一、水上偵察機を積んでましたし、別の役割もありましたからね……」

 

 

神風「あの男は即座に私の提案を却下しました」

 

 

神風「私達にこういいました」

 

 

神風「『引き付けが上手く行かなかった場合、護衛対象の民間船に被害が確実に及びますから」」

 

 

神風「『神風さん、あなたは兵士である自覚が足りない。仲間や司令官と力を合わせれば、と幻想を抱いている。指示を無視したこの先の現実にあるのは生き地獄ですよ』 」

 

 

神風「『民間船への被害は出させません。安全航路に深海棲艦が表れた意味、今、軍規に反して自分の指示に従ってもらえない場合、言い訳もできない』」

 

 

神風「『平和が脅かされた時の国民のパッシングはあなた達を精神的に殺せるレベルですから、自分の指揮に従ったという言い訳は用意したほうが身のためですね』」

 

 

神風「『あなた達はもちろん、歴代の神風型、対深海棲艦海軍に留まらず、あなた達の親兄弟も』」

 

 

神風「『一生』」

 

 

神風「『家族共々後ろ指を差される覚悟がおありなら採用できますが』」

 

 

神風「『民間船がある以上、あなた達の決死の勇姿は彼等が覚え、必ず残ります。ならばこの失敗は上層部に、そして上層部は指揮執った自分を大和さんの件と合わせて尻尾切りでしょうかね。ま、あなた達は護衛は得意なはずです。安心して役割に殉じてください』」

 

 

神風「私達は泣き叫びながら、戦ったわ……」

 

 

武蔵「まあ、間違っちゃいねえんだが、なんかあいつがいうとな……」

 

 

大和「言い方ってありますよね……脅迫に聞こえます」

 

 

武蔵「ここにガングートのやついるんだろ? なんていってた?」

 

 

神風「なんだ悪いやつじゃなさそうだ、と」

 

 

武蔵「……そうか、あいつらしいな」

 

 

武蔵「撤退作戦の件に関しちゃあいつは悪くねえよ。そんなことわざわざいわせちまう兵士の心構えの問題もあるからな」

 

 

武蔵「……ただ、私も作戦に参加したから神風の気持ちはすっげえ分かる」

 

 

神風「あれに関してはあの人の指揮に文句はつけませんが、作戦は成功した代償になかば廃人と化していた妹達になにか一言くらいくれても」

 

 

神風「いいんじゃないかなあ……」

 

 

神風「( #^ω^)ビキビキ」

 

 

武蔵「今の闇の連中はまともなのも多いから、それを伝えれば、瑞鶴辺りがあいつをシメてくれると思うぞ」

 

 

神風「やるなら私が、やりたいんです」

 

 

武蔵「そっか……」

 

 

神風「私、あいつが鎮守府に提督として着任したと聞いた時、そして合同演習で武蔵さん達と戦った映像を見て、こいつはクズだったんだって理解したんです」

 

 

神風「北方に異同してからずっとあいつのところと演習を組んでくれと頼んでいたのですけど、司令官があそこと関わりたくない理由があって却下されていましたね……」

 

 

神風「天津風と島風、睦月型の皆さんも嫌だとキッパリ拒絶しましたし」

 

 

武蔵「あー、あの電に会っても複雑だよな」

 

 

大和「どういう意味です?」

 

 

武蔵「北方の提督は先々代の響やってたんだよ。今はそうだな、あいつと歳が同じじゃねえかな。姉妹艦効果って残るやつには解体しても色濃く残るから、思うことあって闇と演習したくなかったんじゃねえか?」

 

 

大和「ほえー、そうだったんですか……」

 


神風「とにかく、お分かり頂けましたら」

 

 

神風「私の前であいつの名前を二度と出さないでくださいね」ハイライトoff

 

 

大和「でも、もう1度お話してみるのをオススメしますよ。青ちゃんさん、本当に変わりましたから。もちろん良い方向に、です。神ちゃんのお慕い像に近くなってると思います♪」

 

 

武蔵「そこに関しては大和と同意見だ。なんなら今から電話して確かめてみるか。よほどのことがねえ限り、私と大和の電話は無視しねえはずだし」

 

 

神風「ならばハッキリさせましょう。私が聞いていることは隠してお繋ぎください。あいつ、私のことを覚えているかも怪しいですし、いると分かればそれで察して来そうですから」

 

 

大和「覚えていると思いますけど、なぜそう思うのです?」

 

 

神風「『必要がないから』」

 

 

大和「そ、そんなことありませんよ。仮にも提督です。慕ってくれていた艦娘のこと、忘れたりなんか……」

 


武蔵「繋げるぞ。会話は聞こえるようにするから、静かに頼む」



【5ワ●:武蔵「今、大和と丁のやつのところにいた時の話をしてたんだが……」】

 


提督《なんとか5秒で出ましたよ。暴力はやめてください》

 

 

武蔵《今、大和と昔話が弾んでんだ。丁のやつのところにいた時の話をしていたんだが》

 

 

提督《すみません、忙しいのでそういう話ならまた後で……折り返しかけますので》

 

 

武蔵《5分程度で済む。どうしても時間作れねえか?》

 


提督《分かりました。何のことです?》

 

 

武蔵《いや、大和と私の記憶で食い違うことがあってな。大和がお前と仲良くしていた駆逐艦いたっていってんだが、私の記憶にはなくてな。那珂と話していたのはたまに見たが》

 

 

提督《……、……》

 

 

提督《……………、……………》

 

 

神風「コタエロヤ( ゚Д゚)アアン!!」

 

 

大和「お、落ち着いてください」

 

 

提督《あー、ええ》

 

 

武蔵(……ふう、覚えてはいそうだな)

 

 

提督《神風》

 

 

武蔵《そうか!》

 

 

提督《型、なのはすぐに思い出せたんですけど。なので大和さんの記憶で合ってると思いますよ》


 

武蔵(▂▅▇█▓▒░(’ω’)░▒▓█▇▅▂うわあああああああ!)

 

 

大和「武蔵、代わってください!」

 

 

大和《大和です! 神ちゃん、あ、いや、神風ちゃんですよね! 春風ちゃんでも旗風ちゃんでもなく、神風ちゃんですよね! 私、庭で青ちゃんさんが本の貸し借りしているのを見たことがあります!》

 

 

提督《あ、神風さんで間違いないです》

 

 


 


 

 



自分には最後まで理解不可能だった逆ハーレム系のオタク本を読んでた子ですね。毎回読むのが苦痛でしたが、あの子が自分の感想楽しみにしていたので、がんばって読んでました。

 

 

 

 

 

 

大和(▂▅▇█▓▒░(’ω’)░▒▓█▇▅▂うわあああああああ!)

 


 

大和「青ちゃんさん!」

 

 

提督《はい》

 

 

大和「大和、これから闇までビンタしに参りますッ!」

 

 

提督《……》

 

 

武蔵《さすが闇の提督なだけあるな! ほじくり返せば信じられねえ仕打ちばっかしていやがる!》

 

 

提督《あまり精神攻撃は効かないようになりましたよ。自分には物理のほうが効果あります》

 

 

武蔵《珍しく馬鹿かテメエは! じゃあな、くたばれ!》

 

ツーツーツー

 

 

神風「で」ニコ

 

 

神風「あいつのなにが変わったのかしら?」

 

 

神風「というか、そうかあ、嫌々読んでたのかあ……悪いことしたかしら……」

 

 

神風「( #^ω^)ビキビキ」

 

 

武蔵「ああ、すまねえ……お前が正しい……」

 


神風「でも、あの人が変わったのは今ので分かりました。声の感じが優しく砕けた感じになっていましたから」

 

 

大和「む」

 

 

神風「それに今は風の噂で間宮さんとよい仲であるとも聞きました。あの間宮さんです。周りも見守っている感じと聞きましたし、皆がそうするのなら、きっと、とはって……」

 

 

武蔵「お、おう! 今のは偶然悪い感じになっちまっただけだ! そうだろ大和!?」

 

 

大和「え、ええ、そうですね! その通りです!」

 

 

悪い島風【おおっと! 手が滑って爆弾落としちゃった!】

 

 

武蔵「ん? 今、島風の声が空からしなかったか?」

 

 

大和「しましたが、どこにもいませんね。なにかの聞き間違いでは……」

 

ヒラヒラ


 

神風「なにか紙切れが落ちてきて……」パシッ

 

 

『陽炎と提督のヴェーゼ写真』

 

 

武蔵「!?」

 

 

武蔵「なんだこれ、知らねえ!」

 

 

大和「青ちゃんさんはノリでこんなことはしませんよね。本気とも思えませんし、事故かと……」

 

 

大和「私、フォローするのも疲れてきましたあ……」

 

 

神風「……、……」

 

 

神風「浮気ですか、穢らわしい……」

 

 

神風「さすが英雄様です……それに相変わらず駆逐(純粋)艦をたらしこむのがお上手なようで」

 

 

大和「神風ちゃんもお代わりのようで、随分と……」

 

 

神風「適性率15%ですから、神風ちゃんとかあの海で消えてしまってどこにもいないんですよ」ニコ

 

 

神風「まあ、あいつはそうですね」

 

 

神風「やっぱり◯らなきゃダメか」ハイライトoff

 

 

大和「神ちゃん、ちょっと落ち着きにお茶でもしましょう……」

 

 

 

神風「落ち着いております」

 

 

神風「……食堂までご案内しますね」

 

 

プルル

 

 

武蔵「あ、すまねえ。先にいっててくれ」

 

 

 

………………

 

………………

 

………………

 

 

武蔵《んだよ、なにかいい忘れたか?》

 

 

提督《もしかして、神さんが聞いてましたか?》

 

 

武蔵《察してたのかよ……》

 

 

提督《あなたがそんなことで自分に連絡かけてくるとは思えませんし、その話題なら神風型とか那珂さん、大淀さん辺りに聞くと思いましたし……心当たりもありましたからね》

 

 

武蔵《なんで融通利かせなかったんだ?》

 

 

提督《利かせたところで、それもまた騙すことには代わりありませんし、神さんのは勘違いではありませんからね。自分はそーいうやつです》

 

 

提督《あの頃の自分がどういうやつかは把握していたつもりです。あの子の感情も分析してみたところ、多感な頃の駆逐艦あるあるでしたから》

 

 

提督《まあ、戦争終結のためなら、あの子を死なせることに躊躇いなかったと思います。あの頃の自分のあの形で幸せになっていたと思いますか》

 

 

武蔵《なるほどな……確かにそうだ。徹底的にやったのはお前なりの考えか》

 

 

提督《気遣いでもありませんよ。神さんは丁准将とは上手く行ってなかったみたいなので、第2艦隊と関わり合った自分にその分の感情が向いたのだと。操舵をミスりました》

 

 

武蔵《ビンタ案件が4つはあるぞ。今増えたから5つだ》

 

 

提督《!?》

 

 

武蔵《だが、昔のお前の話だろ。今はどう考えてんだ》

 

 

提督《……、……》

 

 

武蔵《少なくとも真面目に悩めはするレベルなんだな。分かったよ、ビンタは結果が出るまで見送りにしてやろう》

 

 

提督《それはどうも……》

 

 

武蔵《暁達がへこんでんのも知ってるし、色々と大変なのは分かってるが、軍を去るなら神風のことも決着つけてからにしてくれ。ああ、この件に関しちゃ手を貸すぞ》

 

 

武蔵《あの作戦の戦後処理みてえなもんだしな》

 

 

提督《……ええ、了解です。お1つ聞きたいのですが、神さんは嘘や方便がかなり嫌いだったので思うのでボッコにされるの覚悟で正直に話したほうがいいですよね?》

 

 

武蔵《……そうだな》



提督《どうも。それでは》



武蔵《あー、待て。陽炎とのありゃなんだ?》

 

 

提督《めちゃ長くなるので今は事故とだけ。近々、大淀さんから連絡があると思いますので……》

 

 

武蔵《あいよ》



【6ワ●:ピエロットマンの世界へ 準備中】

 

 

由良・弥生「え"」

 

 

提督「由良さん弥生さんもう一度、向かいます」

 

 

提督「これ、丙少将がクリアしましたが、メモリーカードをもらえたそうです。恐らく、自分のところと乙中将、明石君提督代理のところも用意されています。これは鍵ですね」

 

 

由良「メモリーカードの中身というのは?」

 

 

提督「先日の会議で見せてもらいました。このパソコンにデータが入っています。では、再生します」

 

 

提督「可視の才がないと見えませんが、島風さんの正面に小さい子供がいます。顔とかは妖精さんで、弥生さんと同じくらいの背がある妖精。会議の結果」

 

 

提督「本来の戦後復興妖精の姿だと判断しました」

 


由良・弥生・暁「!」

 

 

由良「見せてもらっても……」

 

 

提督「構いませんが条件が2つあります」

 

 

提督「その1、他言無用です」

 

 

提督「その2、最初期の闇に関わる部分ですのでお覚悟を」

 

 

提督「気持ちのよい映像ではありません」

 

 

提督「天津風さん」

 

 

天津風「?」

 

 

提督「あなたの死体が映ります。大丈夫ですか」

 

 

天津風「普通に大丈夫じゃないわよ……でも、見るわ」

 

 

提督「島風さんも大丈夫ですか?」

 

 

島風「うん、覚悟は出来てるよ」

 

 

提督「了解。気分が悪くなれば止めますので」

 

 

提督「これは元帥に報告し、明るみにすべき偉大な功績であり」

 

 

提督「長い対深海棲艦海軍でも衝撃映像です……」

 


提督「艦の兵士個人としては、海の傷痕を沈めたぷらずまさんが歴史最大といわれていますが、この映像には」

 

 

提督「歴史最高の武勲が記録されています」


 

【7ワ●:想題(メモリーズ):1947】

 

 

与えられた役割は仕官妖精との約束のため、疲弊しきった世界の復興作業への陰ながらの協力だ。

 

人間を数字で見ていた。

 

意志のある機械として設定されたゆえか、感情の機微に疎くはなかった。この想の海であるロスト空間から、膨大な人の心のデータベースから人の心を計算し、可能性を消していく消去法、そして誰にでも当てはまるようなことをさも超能力があるかのように見せかける話術により、相手の心に触れて言葉を引き出し、更にそこから分析、理解する仕様だ。

 

 

しかし、パーパとマーマが忙しいゆえのオートシステム、ある程度の判断力のため、複雑な自我を持たせられた。


 

深海棲艦に奪われたとある孤島にて、初めての現海界。

 

 

砂浜の奥にある人工樹林の荒れようは深海棲艦との戦闘痕跡であり、その見るも無惨な樹林が積み重なり、テントのような形になっていた。その中に辺りの自然の残骸と同じように生命力が消え失せている女の子がいた。

 


あぐらをかいて座っている。その前には大きくて横に長いバッグ、隣には壊れた艤装が2つ置いてあった。艤装の損傷状態が激しいが、視界に収め、データベースから艤装名を導きだした。艤装名、島風及び天津風。


 

島風「妖精って、あなたみたいなのもいるんだね」

 


戦後復興妖精「はい」

 

 

戦後復興妖精「人間の願いを、叶える妖精です」

 

 

島風「そうなんだ」

 

 

戦後復興妖精「驚かないんですね」

 

 

島風「短い間に、信じられないことばかりあったから」


 

確かにそうだ。深海棲艦に、艤装、妖精、新たな戦争、短い間に人智を越えた奇々怪々の百鬼夜行と言わんばかりの意味不明が押し寄せている。今の最初期はパーパとマーマの狙いからは遠いのは明白だと断言できる。

 


戦後復興妖精「お力になりましょうか」


 

バランス設定がまだまだ悪い。これからパーパとマーマが最初気の兵士と提督というデバッガーを観察しながら、この『艦隊これくしょん』のアップデートを繰り返してバランスは改善されていくが、今の状況が続けば、最悪数年で深海棲艦に陸のほとんどが消し飛ばされる恐れがある。それは不味いといえる事態だったので、今回はその復興支援目的の現海界だった。

 

 

その点に関していえば、いいカモを見つけた。今の艤装適性者は貴重な兵力であり、この子と契約することで人類の抗う術を1つ維持できる。そしてこの最初期の兵士の願いはこの戦争に関わることだという可能性が高いと分析していたからだ。人類へ有利、延命に繋がれば人間は今を生きる力によって決死で次へと繋ぐだろう。今、人間に最も与えるべきモノは時間だった。

 

 

戦後復興妖精「近くにうようよいる深海棲艦を殲滅にすることも、助けが来ないことは分かるはずですし、なによ、」

 


島風「いいよ、もう」

 

 

島風「北方領土奪還作戦は失敗して、私はここで終わり」

 

 

投げやりな言葉だったが、不思議と巌とした決意を感じさせる。


 

島風「撤退命令は出ないから。特攻作戦だったんだ」

 

 

島風「出撃前に、豪華なご飯を食べさせてもらった」

 

 

島風「魚の煮物とお米と豆腐の入ったお味噌汁」

 

 

島風「その代償に」

 

 

島風「心臓を捧げろ、と命令された」

 

 

かの中枢棲姫にあてがわれた電と同じく、捨て艦戦法の被害者か。根性論と武士道を勘違いした非効率な指揮を強制されたようだ。立ち話、人間の上下、なにより状況を踏まえればあり得ないといいきれず、そして致し方ないとはいえる。

 


戦後復興妖精「1つ質問が」

 


戦後復興妖精「生きているのですから、帰ればいいじゃないですか。北方領土奪還作戦はまた後日にやり直すでしょう」

 

 

島風「そう、また出撃させられるんだ」

 

 

島風「勝ち目のない戦いに、何度も何度も」

 

 

島風「死ぬまでずっと繰り返すんだ」

 

 

死んでも繰り返すんだな、それが。

でも、素晴らしい。よく今の段階でこの戦争ゲームの設定をお分かりで。

 

 

島風「キスカのことを知ってる私があなたみたいなことをいうんだ。また来られるよって」

 

 

キスカ、キスカ、と。キスカ島の撤退作戦のことか。

この少女は戦時を経験しているとはいえ、いきなり連行され、戦え、と命令されている。加えてろくな訓練も受けていない女の子だ。このような深海棲艦に囲まれた孤立無縁のなか、このように壊れていないだけでも立派といえる。