2018-08-18 00:49:10 更新

概要

その身を深海に落とした提督は、かつての仲間に温かく迎えられ楽しい日常を取り戻しつつあった。
…だが、悪夢はまだ終わっていなかった。


前書き

この作品は『深海に落ちた提督』の続編です。

また、続編の制作に伴って提督に『氷川 麗華(ひかわ れいか)』という名前をつけさせていただきました。


耳を劈く轟音、けたたましく響くサイレン、幾重にも混じりあった悲鳴、叫び声…


それはまさに地獄絵図。

積み重ねてきたものが一瞬で崩れ去り、劫火に焼かれ灰燼に帰していく。


—ああ、またか…


守ると決めた場所、守ると決めた仲間、守ると決めた人…目の前でそれらが崩れ去っていく。

それなのに、私はただそれを見ていることしか出来ない。






—また私は…肝心な時に何も出来ないまま終わるのか…
















第一章 横須賀へ

「…よし、今日の訓練はここまで! みんな、お疲れ様」


麗華がそう声をかけると、海上に散らばっていた艦娘達が一斉に彼女の元へ集まってくる。

全員が集まったのを確認すると、麗華は訓練を受けた艦娘一人一人に今日の訓練でよかった所、そして次に向けての改善点を告げていく。


「…次は雷ね。砲撃と雷撃、どちらも前の訓練より精度が上がっていた上に、味方のカバーもしっかりできてた。でも、ちょっと一人で動きすぎよ。…頼りにして欲しいのはわかるけど、もう少し全体のことを考えてフォローにまわりなさい」


「頼ってもらえるのが嬉しくって、つい…次はもう少し気をつけるわ」


「よろしい。…じゃあ、最後に榛名。今日の訓練の旗艦、お疲れ様。ちゃんと艦隊全体を見て、的確に指示を出せてた…流石ね」


「…いえ、まだまだです。最後の方はどうすればいいのかわからなくなってしまって、指示が少し遅れてしまいました。…これでは、旗艦失格です」


そう言って、榛名は視線を下に向けるとガックリと肩を落とす。その様子を見て、麗華はおもむろに榛名の頭に手を置くと、そのまま優しく撫で始めた。


「ふぇっ!? て、提督!?」


「落ち込む必要は無いよ、榛名。最後は判断が難しい場面が多かったし、多少指示が遅れるのも無理ないと思う。…でも、逆にあそこでの判断が瞬時にできるようになれば、榛名はもっと強くて頼りになる存在になると思うな」


頭を撫で続けながら、麗華は優しい笑みを榛名に向ける。すると、暗くなっていた榛名の表情がパッと明るくなった。


「提督…! …わかりました! 榛名、これからもっと精進致します!」


「期待してるよ。あっ、でも絶対に無理しちゃダメだからね?」


「うわぁ…その発言、完全にブーメランじゃん? この前も一人で無茶して響に…」


「ちょっ…鈴谷! それは言わない約束…って、みんなも笑わないでよ!」


鈴谷の的確なツッコミに珍しく狼狽する麗華の姿を見て、どこからともなく笑いが起きる。笑われたのが不服なのか、麗華は顔を真っ赤にして艦娘達を叱ろうとするが、その姿はどこか楽しそうにも見えた。


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2018-05-28 00:11:33

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