2017-10-09 02:31:58 更新

前書き

アンケートと間違えて誤って作品を消してしまいました・・・・本当に申し訳ございません。内容を変えて新しく書き直すことにしましたのでよろしくお願いします。


提督「・・・すまないが、資材の貯蔵の状況を教えてくれないだろうか。」



加賀「お断りします、私に命令するぐらいなら自分で確認してください。」



彼女の言葉はとてもじゃないが上官に向ける言葉ではない。ましてや、上官の命令を拒否するなんてもってのほかだ。



通常ならば、彼女にはそれ相応の罰を与え態度を改めさせ無ければならないのだろう。しかし・・・



提督「・・・そうだな、では私が確認してこよう。」



彼女たちの受けてきた仕打ちを考えると、どうしても強く出ることができない。



加賀「・・・なんで私が人間なんかの監視なんてしなければならないのかしら。全く不愉快極まりないわ、早く出ていってくれればいいのに。」



加賀の辛辣な言葉を背に受けながらも、俺は資材庫に足を運ぶために執務室を後にした。



提督「・・・・はぁ。」



恵まれた気温に、心地の良い風を頬に感じながらも俺はため息をついていた。











俺が着任している鎮守府は、艦娘達を酷使して戦果を稼ぐ所謂『ブラック鎮守府』と呼ばれる場所だった。



しかし、旧提督の行いが明るみに出たことで鎮守府を追放され、後には荒れ果てた施設と気力も希望も失った艦娘達が残されるのみとなってしまった。



だが、前線基地を放っておけるほどの余裕はわが国には無く、すぐさま新しい提督が着任した。しかし、今まで散々虐げられてきた艦娘は提督に・・・いや、人間に心を開くことはなく着任する提督たちを逆に虐げるようになってしまった。



ほとほと困り果ててしまった大本営は、失っても代えの利く俺のような新米提督に白羽の矢を立てたのだ。



まだ着任して1週間も経っていないが、もう既に体のあちこちは傷だらけだ。それでも後任の事と艦娘達のことを考えると、逃げ出すわけにもいかない。そんな思いで俺はここにいる。



摩耶「おうおう、なんだよ辛気くせぇ面しやがって。そんな顔で出歩いてんじゃねぇよクソが。」



考え事をしながら歩いていると重巡洋艦の摩耶と出会った。まずいな・・・まだ仕事が残っているのに・・・



提督「やぁ摩耶。すまない、少々気分がすぐれなかったみたいだ。次からは気をつけるよ。」



なるべく刺激しないように、早々に立ち去ろうとしたが・・・



摩耶「気安く呼ぶんじゃねぇよ・・・!」ドスッ



提督「・・・・っ!!!!」ガク



鳩尾に強い衝撃を受け片膝をついてしまう・・・どうやらダメだったようだ・・・



摩耶「なんだなんだ?私たちを散々使っておいてその程度か?笑い話にすらならない・・・ぜっ!!」バキィ



提督「ぐっ・・・・!!」



顔に蹴りを入れられ壁まで飛ばされる・・・人間と艦娘じゃ力が違いすぎる。



摩耶「ここまでされてんのに反撃の一つもなしか?情けねぇな、一発ぐらい入れてみやがれよ」



心底憎そうに俺を見下ろす摩耶・・・しかし、俺は・・・



提督「・・・・私を殴って、気が済むなら・・・それで構わない・・・・」



決して、彼女たちを憎むことはない。彼女たちの行動の意味を理解しているからだ、痛みを・・・理解しようとしているからだ。



摩耶「っ!!ちっ・・・!つまんねぇやつだな!!!」



最後にキッと俺を睨めつけた後に摩耶はどこかへ行ってしまった、今日はもうこれで満足したらしい。



提督「よっ・・・と・・・」



提督(少々痛むが体を動かすことに問題はないみたいだ。よかった、今後の仕事に支障はなさそうだな。)



提督「速くいって確認しないと、加賀の機嫌がますます悪くなってしまう。」



なるべく艦娘と出会わないように資材庫を目指して再び足を進めた。



資材庫に着くと中では妖精さんたちが世話しなく働いていた。



提督「やぁ、妖精さん。お疲れ様です。」



妖精「」ペコリ



彼女(?)達は主に艦娘の建造や装備の整備、そして資材の管理をしてくれている。その生態や特徴はいまだ謎に包まれてはいるが人間に対しては友好的なので協力を仰いでいるという状況だ。。そして、この鎮守府でまともに接してくれる数少ない存在でもあった。



提督「資材庫の貯蔵状況を確認しに来ました、資料をいただいてもよろしいでしょうか?」



妖精「」コクリ



妖精2「」タッタッタ ヒョイ



妖精が手招きをするともう一人の要請が紙切れをもって走ってきた。



提督「ありがとうございます。」ペラッ



提督「・・・なるほど、燃料やボーキサイトは余裕があるな。だが弾薬が心許ないな・・・遠征をお願いするか。」



妖精「」テクテク ストン



書類を見ていると妖精さんが肩まで登ってきていた、本当に器用なんだな。



提督「こんなところまで上がってきちゃ危ないですよ?」なでなで



妖精「~♪」ニコニコ



本当に、彼女たちには癒される・・・こころで感謝をしながらゆっくりと床に下ろす。



提督「またきますね。では、今日はこれで・・・」



妖精「」ふりふり



妖精さんに見送られながら資材庫を後にした。




歩きながら、彼女の部屋に行っていないことを思い出した。



提督「しまったな、いつもの時間より少し遅れてしまっている。」



少しだけ速足で厨房を目指した。



厨房に着くまで幸運というべきか、艦娘の誰とも出会うことはなかった。いや、本当は異常なのだろうが今は優先させることがあるので気にしないでおこう。



そう考えつつ、厨房の冷蔵庫の中身を確認する。どうやら俺の買いだめておいた食材は誰も手を付けていないようだった。



提督「よかった、今日は簡単な和食をつくろう。」



冷蔵庫から卵や豆腐、野菜、味噌や魚などを取り出し栄養のバランスを考えながら丁寧に調理をしていく。



提督「おっと、白米も炊いておかないとな。これぐらい食べないと体が心配だ・・・」



部屋に引きこもってしまった彼女は俺がこの鎮守府に着任するまで碌な食事を摂っていなかったらしく、その衰弱具合は異常だった。



提督「さて・・・こんなものかな。」



献立を完成させ、さめる前に急いでもっていかなくてはならない。それに・・・道中で艦娘に会うのもなるべく避けたい。



提督「前はひどい目にあったからな・・・もう汁ものを被るのは勘弁だ。」



そう自分に言い聞かせ、こぼさないように部屋を目指した




提督「・・・ふぅ。よかった・・・」



無事に彼女の部屋の前まで来ることができた、道中にある駆逐艦の娘に会ったが露骨に無視されたのでそのまま来ることができた。喜ぶべきか否か・・・まぁ今考えたって仕方ないよな。



一旦考えることをやめ、扉をノックし呼びかける。



提督「おはよう、もう起きてるかな?」コンコン



中でゴソゴソと布がこすれるような音がしてしばらくしたのちに、ゆっくりと扉が開いた。



「・・・・」ギィ



中からは小さな女の子・・・駆逐艦曙が顔を出していた。いつもより少し表情が暗い。遅れたことに少しだけ怒っているのだろうか?



提督「遅れてすまなかった、中に入ってもいいかい?」



手に持っているお盆を見せながら曙に問う。



曙「・・・・・」キィ



少し扉を大きく開けて曙は再び部屋の中に入っていった。これは入ってきてもいいという合図だ。



提督「ありがとう、お邪魔します。」キィ



お盆に気を使いながら肩で扉を押して中に入る。部屋の中は明かりは一つもなく彼女一人にしては広すぎる部屋の片隅に布団が一枚敷かれているだけだった。



提督(何度来てもこの部屋の孤独感には慣れないな・・・部屋を変えるといっても聞かないからな・・・理由はわかってはいるが・・・)



曙「・・・・・・」クイ



提督「おっと、ありがとう。遠慮なく座らせてもらう。」



曙「・・・・・・」コクン



感情が乏しい彼女は言葉を滅多に話さないので動作で読み取るしかない。しかし、伊達にこの数日間必死になったわけじゃない。大体の彼女の心情は読み取ることができるようになっていた。



提督「今日は和食にしてみたよ、お魚が好きだっただろう?」コトッ



お盆を床に置き、俺がこの部屋に予め持ち込んでおいた折り畳み式の机を広げる。



曙「・・・・」ストン



俺のその行動に合わせて出来上がった机の前にちょこんと足をそろえて座った。彼女も俺の行動を読み取って行動してくれるようになってくれていたことに少しだけ感動する。



提督「さぁ、食べようか。いただきます。まずはなにが食べたい?」



曙「・・・・・」



手を合わせてからお箸を取り、曙に何が食べたいかを聞く。曙は早速焼き魚のほうに視線を移したので骨を取って口元に運んでやる。



曙「・・・・・」パク モグモグ



提督「はは、今日はサンマを焼いてみたのだがどうだろう?気に入ってもらえたかな?」



曙「・・・・・」コクン



心なしかいつもより少しご機嫌な様子で首を振り肯定する。よかった・・・機嫌は治ったようだな・・・何気に俺はこの時間が好きだったりする。



提督「そうか、奮発した甲斐があったよ。あ、水が飲みたいのか?どうぞ」



最初の頃は何としてでも食事を摂ってもらおうと食べ物を口の前に持って行ったことから始まった。うっとおしそうにしていたが、俺があきらめる様子を見せないと観念したように口を開き食べてくれた。



それからというもの曙は俺が運んだ食事を口にしてくれるようになった。だが、なぜか俺がご飯を置いて行っても食べようとはしない。俺が一緒にいないと食事を摂ろうとしないのだ。



だからこそ俺は毎日決まった時間に曙の部屋を訪れ、食事を摂らせているというわけだ。



曙「・・・・・?」キョトン



提督「あ、すまない。次は何がいい?」



考え事をしていて動きを止めていた俺を不思議そうな顔で見ている。いけない、曙にはしっかりと食事を摂ってもらわなければならない。



そうして、曙の食事を再開した。



曙「・・・・・・」



提督「ん、今日も全部食べてくれたね。」



数分の内に食事は終了した。曙は満足そうに目を細めて食器の片付けを手伝ってくれている。機嫌のいい今なら外に連れ出せるかもしれない



提督「・・・そうだ、今日は遠征任務をこなそうと思うのだが。天気もいいことだし、いってみる気はないかい・・・?」



曙「・・・・・っ」ピタッ



動いていた手が止まり、曙はその場にうずくまって震えだしてしまった・・・まだ駄目だったか・・・



遅い後悔を感じながらゆっくりとなだめる様に声を掛けた



提督「そうか・・・急に済まなかった、嫌なら構わないんだ。他の子に当たってみるよ。」



曙「・・ご・・めん・・なさい」



ふと、曙の口から言葉が漏れた・・・



提督「曙・・・君は・・・」



喋れたのか?という言葉を何とか飲み込み、曙の次の言葉を待った。



曙「わ、わた・・・し・・・うみが・・・こわくて・・・・」



久しぶりに声を出したのだろう、その言葉は拙くてとてもぎこちない



曙「わたしの・・・しまいをうばった・・・・から・・・」



だが、その言葉に秘められた恐怖と憎しみは胸にしみるように伝わった。



提督「・・・曙。」ナデナデ



曙「・・・・あ、あぁ・・・」ポロポロ



もう十分彼女は頑張ってきた、その小さな体には考えられないような傷と痛みが刻み込まれているのだろう。



提督「辛い思いをさせてしまって悪かった。だが、信じてほしい。私はいつかきっとお前を海に連れ出してやる。」



曙「ごめんなさい・・・ごめん、なさい・・・」



悲痛な顔で、縋りつくように泣いた曙の顔を見て、俺は・・・その痛みを、傷をわかっていこう・・・そう、思ったんだ。



泣きつかれて眠ってしまった曙を布団に運び、風をひかないように掛け布団をかけてから俺は曙の部屋を出た。



提督「・・・執務室に帰るの大分遅れてしまった。加賀さん、相当怒っているだろうな・・・」



これからの事を考えていると、不意に隣の個室から一人の女の子が出てきた。



叢雲「・・・あらあら、誰かと思ったらアンタか。」



駆逐艦とは思えないほどの利発的な目をしたこの少女は、叢雲だ。



提督「叢雲さん、おはようございます。」



叢雲「慣れない敬語なんてみっともないだけよ。不快だからやめてちょうだい。」



間の悪さを緩和しようと挨拶を交わすもののバッサリと切り捨てられてしまった。



提督「・・・すまなかった。」



叢雲「フン、そうやってすぐに謝れば済むと思っているあたり。人としてのたかが知れるわね。」



叢雲は毎回こんな感じに強い語気で俺をじわじわと追いつめてくる。しかし、そうなるのも無理はない。俺は彼女たちにとっての『敵』なのだ。少々当たりが強くなってしまうのも仕方がない。



叢雲「それにしても、随分とあの娘にご執心のようね。なにか理由でもあるのかしら?」



訝し気な目でそう問われる、どうやらなにか裏があるのではないかと勘繰られているらしい。



提督「そうだな、彼女には立ち直ってほしいと思っている。だからこそ今は助ける必要があるんだ。」



叢雲「・・・あ、そ。如何にもみたいな理由ね。そんなに自分を正当化したいのかしら?本当にみじめよね。アンタ」ツカツカ



もう用は済んだとばかりに廊下を歩んでいく叢雲の背中を見送りながら俺は頭を抱えた。


























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1: SS好きの名無しさん 2017-11-04 06:11:10 ID: q7hWpXDu

非情なようだが。
此処まで反抗的だと憲兵などを用いて強制的に
人材だけ入れ換えてマトモな人を着任させるのが効果的。
もう疲れただろう?楽にしてあげよう。


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