2017-10-31 16:05:36 更新

概要

思い付きの扶桑と山城です。


どうして空は、あれほどにも青いのか。


海から見上げない空。

敵機の飛ばない空。

雲一つない空


紙飛行機を投げる。

少し急ぎ足に進んだ紙飛行機は、やがて陸に降りて止まる。


紙飛行機は飛ぶ為に生まれた。

それなら今、止まったままの紙飛行機は幸せなのだろうか。


私たちは戦う為に生まれた。

それなら今、戦っていない私は不幸せなのだろうか。


戦えることは嬉しいけれど、戦うことは幸せなのだろうか。


地面に休む紙飛行機をじっと見つめる。


空にいない紙飛行機。

海にいない私。


敵のいない戦場を想像した時、私は何を感じるのだろうか。

だから空を見上げているのだろうか。


風が髪を撫でる。

紙飛行機を揺らす。

ふわりと浮いた紙飛行機が、少しだけ飛んで前に進んだ。


「扶桑姉さま!」


聞き慣れた声に首を傾げる。


「遂に私たちにも大規模改装が行われるそうですよ!」


嬉しそうな声。

幸せそうな声。


「これで欠陥戦艦の汚名返上は間違いなし…! ぅふふっ、ふふふふふふ…!」


それでも本当に幸せなのだろうか。


「さあ、行きましょう、姉さま!」


差し出された手を握る。

また少し、風が吹いた。

そっと私の背中を押す。


「ええ、行きましょう、山城」


何が幸せなのだろうか、よく分からないけれど。


あなたと前に進めることを、私は幸せだと思いたい。


 完


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