2017-11-15 14:00:06 更新

概要

1.出会い【1】


前書き

遅くなりましたが、第1章です。読んでいただけたら嬉しいです。


今日の目覚めもいつもと変わらず悪いものだった。流石に1ヶ月近くも椅子の上で寝ていたら体も痛くなってくる。周りからはまだいびきが聞こえてくる。こんな環境で生活したくはないのだが、家にも学校にも行きたくないならばここにいるしかない。時刻は午前7時40分。真島涼はいつものようにトイレに顔を洗いに行った。


トイレに行くと先に顔を洗っている男がいた。男は顔を拭きつつ振り返ると、


「真島君、おはよ〜う」


と話しかけてきた。その男は、涼がここに住むようになってから唯一打ち解けた内藤康介だった。


「内藤さん、おはようございます。今日はいつもより早いですね。何か用事でもあるんですか?」


「いや〜これと言って用はないんだけどたまには二度寝せずに起きてみようと思ってね〜」


内藤はそう言うとトイレを出ていった。

内藤はまだ若いのだが涼と同様にネットカフェに住んでいる。それも涼よりも前から。涼はなぜネットカフェに住んでいるのか内藤に聞いたことがあった。しかし、その時内藤は「いろいろあったんだよ」と言うだけで、それ以上のことは教えてくれなかった。家族構成やネットカフェにいつから住み始めたかなどは涼はわからず、内藤について知っていることはほとんど無かった。


顔を洗い終え、涼がトイレから出ると入り口の方に見慣れた顔を見つけた。向こうは涼に気づくと、涼に近づいてきた。そして「やっと見つけた…」と言うと涼の頬に強烈なビンタをした。


「なんで連絡もしないで勝手にいなくなるの!」


涙を流し声を荒らげながら言ってくるその人物は涼の幼馴染の川島美羽だった。


「どこへ行こうが俺の勝手だろ」


「馬鹿!またこんなことがあったら私許さないから!!」


美羽は携帯を取り出しどこかへ電話をかけ始めた。電話の相手が出ると「涼が見つかった!」と言ったのでおそらく相手は涼の親だろう。すると、内藤が部屋から出てきてこちらへ向かってきた。


「真島君、この騒ぎはなんだい?」


「どうやら俺は家に帰ることになりそうです」


「そうか〜、これは良かったね、と言ったほうがいいのかな?」


「俺は家には戻りたくないので良くはないですね」


美羽が電話を終え、こちらへ歩いて来るのを内藤は確認すると真島に向かって


「まぁとにかく、良かったんじゃないかな?こんなところよりは家のほうがいいよ」


と言うと部屋に戻っていった。


後書き

いかがでしたでしょうか。不定期投稿ですが、読んでいただけたら幸いです。
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