2018-05-25 23:42:59 更新

概要

8編は戦後日常編はなしでメモリーの4までに。2018 1月6日次回のサブタイ追加。以降の更新は誤字脱字修正のみ。


前書き

※8編に戦後日常編はなし。
予定してた初霜さんのほうは次の9編に変更。


※キャラ崩壊&にわか注意です。


・ぷらずまさん
被験者No.3、深海棲艦の壊-ギミックを強引にねじ込まれ、精神的にダークサイドに落ちた電ちゃん。なお、この物語ではほとんどぷらずまさんと電ちゃんを足して割った電さん。

・わるさめちゃん
被験者No.2、深海棲艦の壊-ギミックを強引にねじ込まれ、精神的にダークサイドに落ちた春雨ちゃん。

・瑞穂ちゃん
被験者No.1、深海棲艦の壊-ギミックをねじ込まれ、精神的にダークサイドに落ちた瑞穂さん。

・神風さん
提督が約束をすっぽかしたために剣鬼と化した神風ちゃん。今はなんやかんやで和解して丸くなってる。やってるソシャゲはFGO。

・悪い島風ちゃん
島風ちゃんの姿をした戦後復興の役割を持った妖精さん。

・明石君
明石さんのお弟子。

・陽炎ちゃん
今の陽炎の前に陽炎やっていたお人。前世代の陽炎さん。

・元ヴェールヌイさん(北方提督)
今の響の前々世代に響やっていたお人。
北国の鎮守府の提督さん。

・海の傷痕
本編のほうで艦隊これくしょんの運営管理をしていた戦争妖精此方&当局の仮称。



※やりたい放題なので海のような心をお持ちの方のみお進みくださいまし。


【1ワ●:E-2-輸送ゲージ】



甲大将「……」イラ



北方提督「いやー、なるほどね。基地航空隊はそういう仕組みか。そして陽炎ちゃんが割れなかったボスマスの情報は」



乙中将「意地悪いなー。航戦2以上はダメ、空母を編成するとマスから逸れるのに、相手に空母ばっか出てくる。航巡がいなかったら詰んでたかもしれないね……特に日向さんと扶桑さんと利根筑さんは……お疲れ様」チラ



筑摩「も、もう勘弁してください。一体何回出撃したのかすら記憶がなくて……」ゲッソリ



扶桑「撤退数は56回です……友軍がいるとしても輸送ゲージ2000は不幸だわ……戦力との兼ね合いでドラム缶を駆逐と軽巡の方にガン積みでも1回で80が限度でしたし……」ゲッソリ



利根「吾輩、1日で26回も大破したのは初めてなのじゃー……」ゲッソリ



日向「あっはっは! 私はこういう戦いをやってみたかったんだよ! 空母がいない状態、航戦で制空権を狙っていく戦いが!」キラキラ



北方提督「瑞雲はやっぱり尊い、よね」



陽炎ちゃん「それならこの人らに全て任せればよかったのでは……」



日向「馬鹿をいえ。疲れた状態では存分に楽しめないだろう?」



陽炎「日向さんも割と自由ですよね。北方さんと相性いいなおい」



北方提督「ま、問題点はやっぱり装備回りかな。開発はあらかたしまくったし、任務も平行して装備ももらったけど……」チラ



丙少将「分かる。ああ、分かるよ。まったりの俺のところに飛龍蒼龍はやっちまったってな! 江ノ草隊と友永隊めちゃくちゃ強い設定だもんな……! 秋月の防空値イカれてるし、開発不可の駆逐最強装備の10cm高角砲+高射装置を持ってないもんな……!」



秋月「私、駆逐の中でもかなりの便利屋でしたね……高連装砲ちゃんがここまで強い装備に設定してあったなんて」



秋津洲「……」ズーン



北方提督「落ち込まないで。二式大挺の行動半径大きいし、他の航空機の行動半径が2マス増える。秋津洲さん、尊いよ」



秋津洲「……かも? あたし、使える?」キラキラ



北方提督「……今回は二式大挺ちゃんだけ貸してね」



秋津洲「▂▅▇█▓▒░(’ω’)░▒▓█▇▅▂うわあああああああ!!」



瑞穂「つっても水上機母艦必要なんだから性能に不満あっても秋津洲しかいないでしょうよ。私は絶っっっ対に出ないから」


バサバサ


瑞穂「提督一同が土下座するなら出撃してあげてもいいけど、瑞穂ちゃんは味方の背中を撃つことしかしないからね」


バサバサ


瑞穂「さっきから私の頭に降りてこようとしているこのフクロウなによ!? 機銃で蜂の巣にすっぞゴルア!」



響「スヴァボーダさんが瑞穂ちゃんのことをお気に召したようだ。思えば電とわるさめさんもお気に入りだから、違法建造者に興味を持っているのかな」



瑞穂「変なやつね……」



明石君「速吸さん、記録のほうはどうです?」



速吸「ええ、准将を除く各艦隊50回の出撃により、ルート固定艦は大分絞れましたね。ボスマスルート前までの編成は軽巡×1と駆逐×2です。そしてボスマスへは索的値は300、そして秋津洲さんを加えたところ、到達しました。水上機母艦×1です。戦艦×1以上の編成で砲撃戦が2巡しますね。それと他海域からのデータの計算上、彩雲装備でT字不利を回避できる説が濃厚……」



甲大将「全員にキラ付けて、航空基地隊出して急に夜戦になるマス乗り越えてボスまで行くぞって意気込んで」



甲大将「初手に羅針盤でお仕置きマスに逸れて、またキラ付けからやり直すんだろ? おまけに資源もその度飛ぶし。それでようやく今から輸送ボス撃破しに行ける」



甲大将「ただのデータならともかくこっちはみんな人間がやってるんだぞ。お前らよくこんなゲームやってられんな」



甲大将「クソゲじゃねえか」



乙中将「」



甲大将「秋津洲、おら、旗艦で出てくれ。木曾と江風……は北方のところだから使えねえし、今日は出かけてっか」



甲大将「友軍艦隊にいるやつで、とりあえず北上と大井」



北上「私と大井っちはやる気ないけど大丈夫?」



大井「気乗りはしませんね……」



甲大将「大丈夫。お前らいつもやる気ないだろ。残り3人はルート固定用の軽巡は由良で、駆逐×2は山風と秋雲かな。頼めるか?」



由良「あ、今はお暇ですから由良で良ければお力になります」



山風「まあ、メンバー的に私が出るしか、なさそうだし……」



秋雲「陽炎不知火は……」チラ



陽炎「大本営の仕事で疲れてるから今回はパス」



不知火「同じく」



黒潮「見ての通り出撃って感じじゃないんや。秋雲、よろしゅーなー。たまには上のお願いも聞いてーな」



秋雲「あいよ……そいえば秋雲は陽炎型だったっけか。姉妹艦効果薄くて忘れてたや」



響「秋津洲さん、甲の旗艦だなんてすごい」



秋津洲「人生、本当になにが起きるか分からないかも……」






甲大将「ん、ちょっと待て」



甲大将「雷巡の先制雷撃めちゃくちゃ強くね?」



筑摩「ええ! タ級を砲撃戦前に撃沈させるのは大きいです!」



弥生「ドラム缶を外せるとこんなにも変わる、んですね……」



利根「確か吾輩らの大破の半分近くタ級じゃったな……」



甲大将「秋津洲と山風に対空装備ガン積みさせといてよかったわ。由良にも甲標的積んでおいたし、なるほどな。大体分かってきた。あ、これ、秋津洲はダメでも瑞穂にも甲標的積めるんじゃねえの!」←ちょっと楽しくなってきてる。



日向「秋雲が大破したぞ。避けきれなかったか」



甲大将「んー……構わん。夜戦ゴー」ポチ



秋雲《嘘だといってよバーニィ! 大破状態で探照灯強制発動の捨て身献身とか秋雲の柄じゃないってえ! これだから甲はさあ!》



丙少将「ちょ、甲さん!? 俺らロスト心配して大破撤退が主ですよ!?」



甲大将「陽炎ちゃんでも割り切れてねーとかだっけか。悪い島風のことだから、死にはしねーだろ。ほら、なんか秋雲に攻撃いっても耐久1でずっと耐えてる。これ、大破→夜戦じゃ撃沈しない仕様なんじゃねえの?」



丙少将「……そういえば昼戦でもそうだったな。利根と筑摩と駆逐が大破しまくてったけど、ロストはしなかった」



乙中将「でもロストシステムあるらしいから……となると、これ、大破した戦闘の中では沈まないんじゃないかな。なら、そうだな。大破進軍がアウト、なのかなー……」



乙中将「皆さん、ながらクルージングは絶対にアウトね。特に北方さん」



北方提督「分かってるさ。後、今は改修作業で忙しい」



明石さん《この装備でいいんですね?》



北方提督《ああ、ネジが5つも飛ぶけどマックスになるはず》


カーンカーン


明石さん《あ、すみません。失敗してしまいました》



北方提督「ま、仕方ないさ。面倒だから成功するまでやってしまおう。まだネジはあるしね」



明石さん《うーん、私がミスするような難易度ではないはず。これ多分、確率的な操作されてますね。偶然力なのかなあ?》



明石さん《ああ、また失敗してしまいました。負担が大きくなりますけど、確実化したほうが……》



明石君《姉さんだっせえな。俺ならその改修失敗する気しねえけど》



明石さん《やかましい! 私の実力以外の運要素が邪魔してるんですってば! 中型砲の改修ミスるなんて10年ぶりですよ!》



北方提督「ちょっと待ってて。そう高い値段でもないし」



明石さん《ネジですよね! お値段これで割引できません!》



北方提督「資本主義の犬め!」



明石さん《役割には逆らえないんですよ!》



明石君「コントかよ……」



甲大将「北上! 大井が戦艦棲姫潰したから残りは旗艦の重巡棲姫だけだ! でももうお前しか攻撃出来ねえ! また行くのめんどいから決めてくれ!」



速吸「こちらからの声は出撃中の皆さんには聞こえないですよっ……って、ええ!?」



丙少将・乙中将「!?」



北方提督「夜戦とはいえ姫にcritical500ダメ越えだって……!? こんなのただの雷巡ゲーじゃないか!」



北上《あーよかった……活躍できて……》



日向・筑摩・利根・響「北上様大先生――――!」



丙少将「んー、雷巡の木曾に魚雷積んでも先制雷撃発動してねえから……甲標的載せたやつが先制雷撃できるんじゃないかこれ」



北方提督「陽炎ちゃん! 甲標的を積める兵士は!?」



陽炎ちゃん「んーと、少し待っててー……あ、黒潮、そっちから海外サバ通してアクセスして」



黒潮「はいな」



陽炎ちゃん「あー、雷巡は全員にちとちよさん……いない人はまあ、いいか。後は瑞穂さんと由良さんの改二に」



甲大将「あ、由良はこのまま私がもらってっていい? 友軍枠から選べっていわれてるしさ」



由良「え、ええ? 甲って柄じゃありませんよ。利根さん筑摩さんみたいにたくさん出撃させられないのなら構いませんが」



甲大将「大丈夫だろ。次のラスダンだけだし」



由良「んー、それならまあ」



甲大将「さんきゅ。よろしくな」



陽炎ちゃん「あ、後は阿武隈さんの改二も」



響「ちょうど阿武隈さんが来たよ」



阿武隈「すみませーん、由良さんいますかあ?」



丙乙甲北方「……」



丙乙甲北方「友軍枠の阿武隈ゲットオ――――!」


ガシガシガシガシ


阿武隈「急に提督勢に抱き付かれた阿武隈なんですけど!?」



丙少将「甲さん、あなたのところは雷巡が2名もいるんですよ」



北方提督「そうだそうだ」



乙中将「大きい響ちゃんのところには雷巡最強の木曾さんいるじゃん!」



甲大将「というか北方のやつはいいとしても、いやダメか。私と阿武隈から離れろよ。セクハラだぞ」



丙少将・乙中将・北方提督「産まれてこの方そんなの気にしたことないくせに!」



甲大将「女を辞めた記憶はねーよ……私をなんだと思ってんだお前ら……」



阿武隈「ゆ、由良さん、なんなんですかこれぇ……」



由良「今は甲標的を積める人が人気あるんだよ……」



阿武隈「は、はあ……確かに積めてましたけども」



瑞穂「……クリア画面見なさいよ」



甲大将「新しいボスマス出たな。クリアじゃねーのかよ……」



陽炎ちゃん「あ、クリアしたら解析が取れた。ボスマスは1回撃破でゲージは割れるって。あっ……」



陽炎ちゃん「進路の縛りは同じくだけど、戦闘はターン制じゃなくなってリアルみたいに戦えるって」



丙少将「やっとかよ……」



陽炎ちゃん「でも固定のほうが……」



陽炎ちゃん「海外艦、ドイツ艦が2隻以上とフランス艦1隻の連合の空母機動じゃないと逸れる。ボスマス編成は割れないー」



丙少将「友軍枠にリシュリューはいたっけか。でもドイツ艦のほうが無理だな……」



乙中将「青ちゃんのところしか条件満たせないじゃん」



丙少将(鹿島んとこにいったっけか……っと連絡来た。あいつが休暇中に俺に連絡とかプライベートの話とは思えねえな……)



丙少将「……、……」



丙少将(メインサーバー? あの野郎、内陸で休暇取らせても海のトラブルと関わる羽目になってんのかよ……)



【2ワ●:メインサーバー 考察】



悪い島風【逃がしちまいましたよー】



丙少将「准将から報告は聞いている。今から確認を取るぞ。此方ちゃんも」

 

 

此方「うん」

 


丙少将「追尾してるか?」


 

悪い島風【ええ。位置もサーチしてるので、あなたのゴーサインで】



悪い島風【30分もあれば捕獲できる状況です。下手に刺激してもあれだし、今は泳がせてあるけどね】



悪い島風【ま、どうするかの話を聞きに戻りました】



丙少将「そっか。メインサーバのやつだが、悪い島風を現海界させた張本人と推定。そのままこちらの世界をさ迷っていて、悪い島風が疑似ロスト空間を形成してそれを察知していた。悪い島風と電が当局から情報を抜いていたところで侵入された。疑似ロスト空間を利用されて、妖精ver深海棲艦を建造して准将と鹿島のところに放った」

 

 

丙少将「俺らの情報を整理するとこの流れだが、色々と見えて来る」

 

 

丙少将「まず疑似ロスト空間に侵入したタイミングだ。悪い島風の意識が当局に割けられているところに侵入したのは、思考機能付与能力がある時点で偶然じゃねえ。機を見計らっていたと俺は見るが」

 

 

丙少将「どうやって、その状況を知ったのか」

 

 

此方「メインサーバは私が行っていた仕官妖精の管理と、当局が行っていた戦後復興妖精の管理も補助していたんだよね。だから二人の役割は把握しているはず。そのデータが残っていたから、戦後復興妖精の目的を演算していくつか予想出来てたんだと思う。だから……」

 

 

此方「断定は出来ませんが」

 

 

此方「もともとメインサーバが当局の想を持っていて、バレないようにここの近くに撒き餌したのかと。戦後復興妖精が当局にご執心になることを見抜いていたと思われます。まあ、それも恐らく手段の1つでしかなかったと思うのですが、実行したのはこれが当たったからでしょう」

 

 

此方「そもそも相手が相手。当局の想がここの近くにあった偶然を疑うべきですから。神と人間の中間管理職ともいう海の傷痕を神の社と賽銭箱の間に設置しといたってところに芽生えた個性、スパイスなユーモアを感じます……」

 

 

悪い島風【あ、マーマのそれかも。妖精工作施設のデータもあったし、私も解体可能、まあ、私の目的はほぼ達成されましたが、艦これ的にいえば勝利A判定ですかね。足りなかったのは私に関する当局の記憶。それだけがピンポイントでなかったってところ】

 

 

悪い島風【これはあり得ないことです。想ってのはそれだけで瑞穂ちゃんみたいにまんま人間の基盤になるので。壊れていたとしてもそれは個人の塊のはずですから、存在すればそこに断片はあるはずなんですよ。あの『私に必要な情報の中で、とある特定の想だけがなかった』のは状況的に不自然と見るべきなので『当局の想を持っていた線でいうなら、当局の一部の想を消したまたは持ち逃げしていた』が自然】

 

 

悪い島風【……つまーり、なるほど】

 

 

悪い島風【私にケンカ売ってんのか】

 

 

此方「恐らく今まで見つからなかったのは『運』だと思う」

 

 

丙少将「世界規模で演算していたやつが運に頼るのか?」

 

 

此方「製作秘話になりますけど、丙少将は雪風の運の良さを知っていますよね。あれって史実効果でして『機能』なんですよ。戦後復興妖精の『ご都合主義☆偶然力』はそれを装備にした幸運の力です。ここまで行けばもはや運ではなく運命に近くなるんです」

 

 

丙少将「……」

 

 

此方「最も何でもできる訳じゃないです。例えば宝クジ1等のクジがどこにあるかくらいなら予想をつけます。これが今も人間が解明出来ていないけど、確かに存在している超能力の1つに該当します」

 

 

此方「私達が知る廃課金は何らかの要素でこの域に達していることが多かったです。准将でいうなら見当がそれに近いですが、あの人は思考の組み立ての力……考える力も大きい。限定的な範囲ではありますが、少なくともあの海の戦いにおいてその二つの要素が常軌を逸してました」

 

 

此方「あの人の深海妖精論を読みましたよ。レール自体は正しい。核心には迫っていますが、細かいところでけっこう外れています。だから電ちゃんに留まらず、暁の水平線に行くまでにバグや中枢棲姫勢力、フレデリカさんの出会いを必要とした」

 

 

此方「謎の全てに通じる電ちゃんのいるこの鎮守府に准将が着任した時、すでにゴールまでのレールは敷かれていたというわけです。お二人が幼馴染みで互いを好きあっている、だなんて奇跡的とさえ」

 

 

此方「准将が例え途中で殉職していても、そのバトンを引き継ぐ誰かがまた私達に近づく。それが繰り返されて、ほぼ確実に世界は私と当局にたどり着いた。もう『艦隊これくしょん』はクリアされる運命でした」

 

 

悪い島風【鎮守府(闇)は本来クリアまでにかかるであろう残りの350年を短縮したっつーことでっす。本官のやつマジで当たり引いたわ】



悪い島風【乙中将だけど、この鎮守府(闇)と誰よりも早く仲良くしたり貸したりしていましたよね。あれが嗅覚、こっちは直感力といってもいいです。ちなみに方向性が違いますが、神風もコレのジャンルです】

 

 

悪い島風【准将は『少しの情報があれば真実に辿り着く』で、乙中将は『なにもないところから情報源に当てをつける』んです】

 

 

悪い島風【今は乙ですが、こいつ本来は甲の器ですよ。未来的には甲将席がベスト。まだガキ臭いところがありますから、乙に留まってるけどね】

 

 

悪い島風【今の元帥なんか引退させてやりゃ良かったんだよ。あのジジイを老害にしたのは下のテメーらが上に行きたがらねえからでーす】

 

 

悪い島風【お前は丙将席がベストかな。甲大将は史元帥。丁将席が青山君、そして乙将席は元ヴェル。提督の最終世代はこの布陣が最高だったと思うよ。あ、フレデリカさんは性格さえあれじゃなけりゃ元帥と丁将席のどちらも行けそう。私が元帥なら艦隊も闇以外は大異動させてたなー】

 

 

丙少将「そういうのは酒の席で語れよ。話が逸れてんだろ」

 

 

悪い島風・此方【「すみません……」】

 

 

悪い島風【あー……丙少将のことだから被害を恐れているんだけど、少なくとも無関係の一般人には危害は及ばせませんよ】



丙少将「それで悪い島風、もう化かし合いは止めにしよう。装備の全性能を教えてくれ。どう考えてもその力が必要なんだが、お前の言葉が信用出来ねえのはさすがに分かるだろ。そこの不確定要素から固めねえと策を組み立てられねえんだよ」


 

悪い島風【よろしい。ならば契約だ】

 


悪い島風【それとこれだけいわせてー。丙少将のことだから被害を恐れているんでしょうけど、もう全ての準備はわるさめちゃんプレゼンツの間にこさえてあるので大丈夫でっす】


 

此方「……どゆこと?」



悪い島風【想力工作補助施設で各装備の性能は極限までパワーアップしてます。ただいまサーバのやつのために悪い連装砲君をほとんど擬似ロスト空間の制御に回しております。その意味ですが、サーバのやつを好き勝手させないためでっす。マイホームの力は榛名の誘拐騒ぎの時に見せましたが、実演してみましょうかね】



悪い島風【マーマ、ちょっとごめんねー】



悪い島風【ゆるゆるゆる。1秒……5秒……10秒っと】


パシッ


此方「急に平手……」



悪い島風【痛くもない力でしょうよ。それで丙少将】



悪い島風【何秒に見えました】



丙少将「あ、一瞬だが……?」



此方「……」



悪い島風【10秒です。時間が速く感じましたよね】



悪い島風【これがロスト空間の時間の速さ。装備のマイホームは擬似ロスト空間の性質をある程度は操作可です。もちろん純粋なロスト空間とは違って人がいても快適な仕様です。想力工作補助施設で手を加えたものとご認識していただければ】



丙少将「そういえば青葉から誘拐騒ぎの話は聞いたな。もしかして榛名達がいたのは擬似ロスト空間だったのか? だから戻った時、まだ強盗の現場だったってことか?」



悪い島風【ま、大体合ってる。私がつくことで実験も兼ねてました。天気なり時間のズレなり繊細に調整して擬似ロスト空間であることを気付かせないようにね。ちなみにあそこには長月と准将と電も少し引きずり込んだけど、気付けていなかった風なので大成功かな。ロスト空間の管理権限を所有している以上、リアルなんてやりたい放題ですよ】



悪い島風【それプラス、偶然力もあるのでサーバのやつがなにをしようが無駄ですし、すぐにでもこっちから発見できます。ま、あなたが危惧するような被害は出しませんのでご安心を】



丙少将「それも確証がいる」



丙少将「此方ちゃん、つーわけで契約するが、念には念を入れてその情報の裏付け頼めるか?」

 

 

此方「了解」

 

 

此方「それで疑似ロスト空間の管理権限の問題、そして戦後復興妖精の装備はどうするんです? 想力工作施設は疑似ロスト空間の生成と保持が可能なので、これを破棄したら怒られるどころでは済まないと思いますし、軍にいる以上は私を鹵獲した意味を考えると入手の必要があると思いますが」

 

 

丙少将「そうなんだよなあ。最後に悪い島風との戦い前に吹っ掛けようと思っていたところだが……」

 

 

悪い島風【あ、そうだ。私を倒した艦の兵士の提督にあげようと思っていたんですよ。ギミックがそれに関連したものです。准将、そして北方提督は確定的に狙っている。他はまあ、我欲がないんですよね】



丙少将「当たり前だろ。俺らの手に余る宝箱だわ」

 


悪い島風【そこをギミックに応用して】

 

 

悪い島風【もともとメンバー全員出撃可でしたが、相手するのだるいので想力でボスマスくる前に仲間割れさせようとしていたんですよね。仲間同士で戦う。殺し合うレベル。つまり戦争させて、私はそれを遠くから酒の肴に笑い転げる予定だったんですよ】

 

 

此方「低俗な……」

 

 

悪い島風【もちろんセーフティはかかるので、本当に死ぬ訳じゃないです】

 

 

悪い島風【そして再出撃は不可】

 


悪い島風【疑似ロスト空間の管理権限は渡してもいいよ。中立になれるマーマが所持できるようにするのでそれが無難かな、と進言しておきましょう!】

 

 

悪い島風【丙少将としても想力工作施設は北方提督にだけは渡したくないと見ました!】

 

 

悪い島風【そして私は准将と神風から首を斬ると】

 

 

悪い島風【いわれてしまいましたので】

 

 

悪い島風【気が変わった。故の提案】

 

 

悪い島風【私が出る前に神風倒されるのは萎えるので】

 

 

悪い島風【初めから紅白戦にしよ?】

 

 

悪い島風【丙乙甲&戦後復興妖精チームvs准将北方提督チーム】

 

 

悪い島風【ただこれ、准将北方が『丙乙甲に加えて私が敵に回る時点でかなり不利』なので少しテコ入れしますけどね】

 

 

悪い島風【もちろん、提督さん達が納得すればでいいですよ?】

 

 

丙少将「お前と組めと? あくまで敵はお前だぞ。沈める相手と組んで戦うのかよ?」



悪い島風【勝てばその後で私を倒せばいいじゃん。そこまでは共闘って話だよ。なぜこの形式を提案したのかといえばー】



悪い島風【丙乙甲は准将に負けたことを悔しがってるからさ】



丙少将「……」



悪い島風【それと手っ取り早い方法を選択しただけ。ま、准将に勝ちたいなら演習でもすればって話だけど分かってるだろ?】



悪い島風【あいつは意味のない演習で本気を出さない、いや、出せないに近いかな。全て決着したんだ。あの時と違ってどうしても勝たなければならない理由がもうないからね】



悪い島風【でも、少なくとも神風に関しては例外っぽいね。なので、喧嘩を売った相手の私が混ざることで話は別になる】



悪い島風【ラストチャンスですよー】



丙少将「その前にサーバの策が先な」

 

 

悪い島風【……ま、そーですね】

 

 

【3ワ●:仲良くなる訓練 3】


 

武蔵「おお、想像以上だな。偵察機の映像が間に合ってない」

 

 

北方提督「神風はやっぱり対艦兵士だと強いね」


 

隼鷹「無理なんだって。こっちもきっちり作戦立てないと勝てるものも勝てないってば。夜の神風とか戦いたくねーよー……」

 

 

リシュリュー「そうね。隼鷹は夜だと動けないしね。私も相手するのは嫌だからお酒飲みながら見ているわ」


 

リシュリュー「それにしても闇討ち仕様とは考えたわねー……訓練の成果も出てきてる」

 

 

隼鷹「私達がああいう動き方をしてやれば神風を活かせたのかなー……」



若葉「自由過ぎてこういった協調性とは皆無だったな」

 

 

………………

 

………………


 

神風「………」



長門「まだまだ!」

 

 

神風「……!」

 

 

…………………

 

…………………



 

若葉「おお、長門が間合いに入った刀神モードの神風の初撃を艤装を割り込ませて防いだ……戦艦はさすがだな」

 

 

隼鷹「うちではガングートしか出来なかったよな……抜刀からのあれは、来ると思ったらもう斬られてるレベルで速いからなあ……」

 


リシュリュー「さすがに元帥艦隊は私達とは違うわよ」



リシュリュー「長門は胆力があるわ……懐に入られた神風にちっとも怖がらない。被弾には慣れていても、斬られるあの痛みはまた別で慣れていないでしょうに」



ポーラ「んー……切り抜ける性質上1回仕留め損ねるとどうしたも距離が空いて不利になるんですよねえ……あの戦闘スタイルだと攻撃に手一杯で航行に錨を駆使して色出すのも難しいですし」


 

陽炎ちゃん「……」


 

武蔵「なんだ、久し振りに間近で見て熱が出てきたか?」



陽炎ちゃん「いやー……頑張ってるなって」



陽炎ちゃん「私は適性なくなって泣く泣く海から去ったから分かるわ。あの子はその状態で長門さんとやりあえるまでになるって信じられないわねえ。しかも神風艤装で」



陽炎ちゃん「多分、素質の廃要素の源は執念じゃないかな……なんか選んだ道で逃げるってことをしないというか、生きることに命を投げ捨てるという矛盾になってるほど意味不明に特化してるというか……」



陽炎ちゃん「……ま、兵士になる前の事情も関係してそうだから深くは探らないけど」



武蔵「ああいう根性値高いやつは私も長門も好きだぜ」



陽炎ちゃん「あー、確かにあの手の武人タイプは好きそう」



リシュリュー「初撃で仕留められないとダメね。長門さん、もう気付いて事前に副砲の砲撃準備を始めてるし……」

 

 

北方提督「……というか他の連係レベルが凄いね。寄せ集めとはいえ、さすが将席の人達だった。そこに練巡の指導も混ざるとここまで短期間で形になるものなのか……」



北方提督「夜になる前に君達を半分も掃除して夜になれば長門さん以外を仕留めたし。相討ちだけど、一騎討ちそこまで持っていけたら神風に任せられるからね」

 

 

北方提督「長月&菊月の素質が素晴らしい。電はトランスだけが能だと思っていたけど、近距離はほぼ当ててたし判断も悪くない。ま、15年も海の真ん中にいれば嫌でも強くなるか。鹿島さんから指導受けてたみたいだしね」

 

 

武蔵「電はデータの性格よりもずっと度胸あるぞ」

 

 

武蔵「サラトガの夜戦艦載機と駆逐が半端ねえよな。グラーフはサラトガと長く組んでただけはあって上手……いや、龍驤と似て小賢しいだな。あいつは妖精可視才もねえのによくやるよ」

 

 

リシュリュー「ここまで持っていけたのは旗艦指示の賜物ね。天津風ちゃん頑張ったわね。偉い偉い」

 

 

天津風「こちとら必死よ。連携訓練しないと出撃どころじゃなかったわ……」

 

 

北方提督「ふむ、天津風にもっと旗艦やらせれば良かったかな」

 

 

天津風「嫌よ……北方勢なんか私にはまとめられないわよ……」

 

 

若葉「……ん? 神風のやつ新技を覚えたのか」

 


北方提督「へえ……あの海を踏む技術を両足で使えるようになったのか。もうあの艤装の航行術もマスターに近いね」

 

 

北方提督「遅くなることでもっと速くなる」

 

 

陽炎ちゃん「スローボールの後のストレートみたいな」

 

 

隼鷹「3人くらいに見える」

 

 

ポーラ「2人です。酔いすぎですよう」

 

 

リシュリュー「あなたもね。ちゃんと1人だから。残像は見えないから」

 

 

北方提督「両足で海を踏めたら旋回よりも速く振り向くことも出来る。さっきいったポーラの弱点もなくなるね。航行術も器用になるし」

 


北方提督「で、体術で一番強い艦の兵士は誰だっけ?」

 

 

武蔵「金剛。神風は陸で金剛をあしらったらしいが、海となるとまた話は別だろ。長門であれなら金剛はちと難しいな」

 

 

北方提督「金剛さんはそこまで強いのか」

 

 

武蔵「次点で大和と私、長門、木曾、神通が並ぶんだが、金剛との間には壁がある。体術なんて砲雷撃と航行性能の効率化が主だろ。至近距離の殴り合いなんか鍛えねえよ。金剛だけがその分野をガチで修めてる。つうか本格的なのは金剛が開祖じゃねえかな……」

 

 

武蔵「興味あるなら丙甲元と闇の演習の映像を見てみるといい」

 

 

北方提督「そうしようかな。ちなみに体術なら私も自信はあるよ。陸になるけど戻ったら金剛さんと手合わせしてみよう。面白そうだ」

 

 

武蔵「ただの人間がよくいうよ。自由ってのは勇敢か腑抜けじゃねえとぼさけねえよな」



若葉「建造状態の私達よりも強いぞ?」



武蔵「マジかよ。じゃあ、手加減はしてやるから私とやるか?」

 

 

北方提督「構わないよ。手加減はしてくれないと困るけども」

 

 

2

 

 

神風「ぜえぜえ……勝った、わ……紙一重、運みたいなものだけど……」


 

神風「どうでしたか、鹿島さん……」

 

 

鹿島「もっと精進です。神風さんが相手と一騎討ちの状態になったのなら圧倒するまでにならないと。互角ではダメです。それでは神風さんを外して他の方を入れたほうがいいので」

 

 

鹿島「がんばってください♪」

 

 

長門「手厳しいな。だが、その通りではあるか」

 


鹿島「長門さん、運、でした?」

 

 

長門「違う。あそこまで拮抗したから勝負を決めたのは運のように見えるかもしれんが、実際に神風と戦ってみないと分からない」

 

 

長門「ガングートのやつが神風とやりたくないってのがよく分かったよ。神風が近付いて来ると、どうしとも神風のみに意識を割いてしまう。秒単位の神経削り合いの攻防戦だ。刀一本の超速度、慣れないのもあってすぐに赤疲労になるんだよ……」

 


神風「……逆にいえば慣れられたら私は負ける訳ですか」



長門「そうなるな。初見の相手くらい仕留めてみせろ」



鹿島「んー、神風さん、これは私の個人的な考えですが、その刀を振るう理由、たくさんあると思いますが、なるべく切り捨てて1つの理由にしてください。これ、きっと疑似ロスト空間で生きてくると思うんです」



神風「これまた難しい……」


 

天城「それで私はなぜ演習場に呼び出されたのでしょう……」

 

 

鹿島「申し訳ないですね。天城さんに攻撃はしないのでサラトガさんとともに神風さんを沈める気で艦載機を発艦させてもらえますか?」

 

 

鹿島「妖精可視才持ちの空母との経験を積ませてあげたいので」

 

 

天城「斬りかかってこないということでしたら構いませんよ。ですが夕食の支度もあるので2時間でお願いしてもよろしいですか?」

 

 

鹿島「了解です。さあ神風さん、2時間しかありませんよっ」

 

 

神風「了解……!」

 

 

3

 

 

提督「ふむふむ、お見事。良い成長グラフです。実践に投入出来るレベルにはなりましたね」

 

 

グラーフ「准将が休暇中に色々あったんだ。あまりの失敗続きでビスマルクや電がキレたり、天津風が半泣きになったり、神風の代役になってもらった島風の体が飛んだりな」

 

 

ビスマルク「イライラして砲塔の角度間違えて、グラーフに当ててしまったわ。主にあなたがそんなところにいたから悪いのだけど」

 

 

グラーフ「ビスマルクさん、任務の間は別だが同郷だからといって気安く喋りかけないでもらえないだろうか」

 

 

ビスマルク「ほらこの調子よ。すねちゃったのよね。すぐに建て直すと思うけど」

 

 

グラーフ「難しいな。私と貴様の心の間にはベルリンの壁が3枚ほどある」


 

ビスマルク「そんなに壁が出来ちゃったの……」

 


プリンツ「准将! そんなのすぐに私が壊して差し上げますよ!」

 

 

ろー「私もー」

 

 

提督「お願いします。そして島風さん」

 

 

島風「なんですかー?」

 

 

提督「遅いです」

 

 

島風「Σ(´□`;)」

 

 

提督「なにが本来の性能を邪魔しているかはお分かりですか?」

 

 

島風「素体性能、ですかね?」

 

 

提督「ええ。メモリーの最初期の島風さんは速度50ノットまで出せていたみたいです。これは適性率によって艤装の航行性能をフルに引き出せていたからです。あなたはそういうタイプではありません」

 

 

提督「鹿島さん教えてあげてください」

 

 

鹿島「了解」

 

 

鹿島「過去にケースはありますから。島風さんって主に二つのタイプに偏るんですよ。両方、の人もいますけど稀です。1つは航行面で速い人。島風さんのイメージはこちらが主ですが、もう1つ」

 

 

鹿島「自律式の連装砲ちゃんの扱いが上手い人です。あなたはこちらですね。このタイプは戦術面に寄りがありますから、島風艤装の魚雷の扱いに長けます。通常性能と比較すると回避が低めで雷撃が高めですので短期間で成果をあげるには酸素魚雷の扱いの上達、です。速度も意識して損はありませんが、速くなること事態が目的ではないですね」


 

鹿島「戦果を伸ばすなら神風さんとは違って、速さは第1に置くのは止めましょう。でも、疑似ロスト空間の性質がどういう風に作用するか分かりません。提督さん、そこらはどうしましょう?」

 

 

提督「想力は無限ではありませんので神風さんと速度の要素を取り合いする必要もないですし、そもそも呼応するのはあなたではなく、神風さんの方だと思いますね。ま、今を生きる以上、変化があるので断定は出来ませんが……」

 

 

提督「魚雷の命中率をあげましょう。そのために連装砲ちゃんも囮に使うくらいの。ここらは訓練でしたことありますよね。それです。あなた射撃性能も平均より高めですので対空も上がり幅は期待できます」

 

 

島風「あ、砲撃とか機銃も好きです! 弾も速いよね!」

 

 

提督「速ければなんでもいいんですね……」

 

ガチャ


北方提督「失礼する」



提督「どうかしました?」



北方提督「神風と准将に話がある。出来れば3人で」

 


提督・神風「構いませんが」



【4ワ●:もっと捨てるべきなのでは?】



北方提督「口を出すべきではないのかもしれないけど」

 

 

北方提督「神風、上手くなったね。強くなった」

 

 

神風「努力が形になるのは嬉しいですが、慢心はしません。精進あるのみです」

 


北方提督「だけど、ここらで頭打ちだと思う」

 


北方提督「あの頃の北国の寒さのような冷えた空気と刀のような殺気が薄くなってる。神風の必死さが消えてるからだと思う」

 

 

北方提督「前に私が准将のことを聞いたね。ハッキリさせておいたほうがいいといったやつだ。君は司令官として、といったね。それは本当かい?」



神風「いきなりなにを。そこは間違いありません。いくつかの感情を経由しますが、それが形成する矢印の先には司令官としての信頼です」

 

 

北方提督「満足してるように見えるんだよね。君は北方にいた頃よりも元気で明るいから。ここに来てからだから原因は察することは出来る。准将、貪欲さに飢えていないのは不安要素ではないのかい?」

 


提督「……、……」

 

 

提督「出来ることはしているつもりです。神風さん次第ですね」



提督「あ、すみません。少し席を外します。丙少将から呼び出しかかったので……」

 


………………


………………



北方提督「神風にモチベーションの維持のために悪い島風ちゃんの首を切れ、と約束させたみたいだし、そこらに気付いて懸念していたんだと」



神風「?」



北方提督「捨てただけ。自分のことを捨てることで強くなった人間だと思っているんだろうね。あの人は合同演習からもう人間止めかけていたし……必要があれば合同演習でも仲間の死より勝利や検証を優先してたよ」



神風「それは確かに……」



北方提督「今は違うね。捨てさせているのは取るに足らないものだよ。強くなるために神風にとって本当に大事なモノを捨てさせたくないんだと思う」



神風「意外と優しい……」



神風「とはいいません。あの人と電さんが凡人なら私なんか劣等ですよ。なにかを捨てるために強くなれるなら一切合財持っていってもらっても構いません」



北方提督「ほう。春風や旗風を殺せるのかい?」



神風「それは……」



北方提督「それでいい。捨てたら苦労するよ。それを強さと錯覚するだけの冷酷に過ぎない。もっといえばただの状況判断だ」



北方提督「そこらを把握して神風次第といったのかもね。神風は『自分や電さんのように捨てなくても強くなれる』という意味じゃないかな。要は神風に期待しているってこと」



神風「ハア? あんまり適当なこといってると斬るぞ?」



北方提督「こわ……」



神風「捨てなくても強くなれるだなんて話があるか。捨てていたからこそあの人は戦争終結まで辿り着けたし、私だって色々な犠牲を払って今の強さを手に入れているの」



神風「代価がなしとか詐欺を疑うわ。無料だなんてものには裏があるのが相場よ。そもそも私は至近距離戦しか出来ないんです。色濃い死をベッドしてようやく敵を倒すチャンスを得る」



神風「捨てなきゃ戦えない。それが私です。今も割りとそうではあるのですが、そのうち電やわるさめと同じように神風の形をしたナニカになるでしょう」



北方提督「そういえば」



北方提督「現実の世界に理想を見るか、理想の世界に現実を見るか。男女で傾向があるらしいね。前者が男、後者が女だとさ」



北方提督「さて神風に質問だ。旗艦を担っているけども」



北方提督「どういう旗艦を目指すんだい? そこまでいっておいてまさか理想を語らないよね?」



神風「最も欲しいのは常に的確な判断を下せる能力です。艦隊をS勝利に導くことに貢献する」



北方提督「丁に影響されてるねえ……」



北方提督「S勝利の意味はたくさんあるけど、最初期からのあしき風習だと思うんだよね。殉職者を出しても『S勝利判定』になるのはさ」



神風「でなければ死んだ仲間が報われません」



北方提督「ではその仲間を死なせてまでも手にする勝利と、死なせずに撤退するのとどっちがいい?」



神風「状況によりますが、選べるのならば後者でしょう」



北方提督「だよね。神風はそっちだと思った」



北方提督「……鹿島さんと准将も話を気づいてなさそうだからいうけどさ」



北方提督「今の神風はもうその艤装を実戦レベルで扱えるから」



北方提督「敵を倒すことに集中するのではなく」



北方提督「仲間を守るために刀を振るったほうがいい」



北方提督「その答えなら神風はそっちのほうが全体に意識が行く。そして神風は一体に集中しなきゃだ。だからその一体は姫とか鬼ではなくて『最も仲間の被害に繋がる敵』を『感覚』で選ぶといい」



神風「……、……」



北方提督「この路線はオススメだ。過去の電を考えたら分かるけど、最強には理解されない孤独がついてくるものだ。でもね」



北方提督「最高の兵士ならば周りに敬愛される孤高に変わる」



北方提督「最後の海では電が正にそれだった。試してみる価値はあると思うよ」



北方提督「それが出来たらさ、たくさんの人を」



北方提督「喜ばせてあげられるんじゃないのかな」



神風「……」



北方提督「神風の不運はね」



北方提督「香取さんも鹿島さんもそれぞれで教えてなお足りない。君がこの時代の練巡に恵まれていなかったことだ」



北方提督「ぶっちゃけ私が一番向いてそう」



神風「そんなことはありません。二人の教えは確かに私を導いてくれていますから。私の精進が足らないだけです」



北方提督(鹿島さんは艦兵士の教科書の延長線の上、香取さんは艦兵士の専門書の延長線上。この子にはもっとアウトローな教えが要るとは思っていたんだよねえ……)



北方提督(私に練巡の適性あれば良かったんだけどね……まあ、無い物ねだりしても仕方ない)



北方提督「もう時間はあまりない。がんばれ」



【5ワ●:メインサーバー 鹵獲準備編】



丙少将「つーことだ。メインサーバのほうは乙さんと甲さんと悪い島風に任せるから、准将は海域を突破しといてくれ」



提督「了解。それで悪い島風さん、そろそろ自分と想力を繋げるの辞めてもらえませんかね……紅白戦になる以上、策が筒抜けになるのは痛すぎるので」



悪い島風【……、……】



悪い島風【いーですよ。スマホは繋げたままだからな。それとわるさめちゃんと電はトランスタイプにしておくよ。もちろん一体化じゃないからね。それで勝負にはなりますかねー】



提督「お二人次第ですね。それで自分が勝った場合ですが、元ヴェールヌイさんはどうするんですか。建国しちゃいますよ……」



悪い島風【擬似ロスト空間に建国させればいいじゃん。問題はあるけど、違反ではないからね。人間は宇宙は人類のものだって宇宙人対策にいっちゃってるけど、擬似ロスト空間はなにも明言されていないよー。どうせ作っても国は潰される。受け入れ規模はほぼ無限だし、今の世界に不満全て解決しちゃえるからね。でも勝てた場合の話ですし、思うとこあるならそっちで話をつけておけば?】



提督「……そうですね」



提督「では自分は海域に出撃してきますね」



悪い島風【さてと、私は乙丙の兵隊借りて大規模かくれんぼの鬼役やってきまーす。メインサーバのやつを見つけるぞー】



【6ワ●:とあるランチでのこと】



島風「ごちそうさまでしたー!」



天津風「あなたもう少しゆっくり食べなさいよ……消化に悪いわよ」



島風「らーめんとか具材食べたらすするだけじゃん。あ、でも間宮さんのお料理美味しいから速く食べると損した気分にはなりますね!」



間宮「あはは……ありがとうございます」



神風「……、……」



神風「仕込みから味付け、どれを見ても手間の愛情が感じ取れます。私も炊事を年単位で修行しましたが、届きませんね」



電「……、……」ズズズ



島風「電ちゃん、難しい顔してどうしたの?」



間宮「なにか嫌いなモノでも入ってましたか?」



神風「残すのなら私に寄越しなさい」



電「いえ、嫌いなモノなどありませんし、残しません。しかし、やはり……」



間宮「そういえば最近、いや、丙甲の演習の後の辺りから中華系のお料理をお出しするとそんな感じになりますよね」



電「中華において私はマーミヤンを越える味と出会ってしまったのですよ……」



間宮・神風・島風・天津風「!?」



間宮「……!」



間宮「少しお時間を頂けますか」



電「ほう、その秘蔵の高級食材を取り出すとは」



電「素材からこだわった本気料理を食べて比較しろ、と……」



電「よろしいのです。受けて立ちましょう」



島風「私達も食べていい!?」



間宮「もちろん。少しお待ちください」



………………


………………


………………



神風「餃子に天津飯、チャーシューメン、回鍋肉、えびのチリソースに、フカヒレスープまで……」



天津風「すごく美味しい。グルメみたいな感想すらいわせてくれない。語彙が貧弱になる美味しさよ」



島風「うま――――!」パクパク



神風「この味に勝てる店があるの? というか評価基準は」



電「……」パクパク



間宮「どうでしょう」



電「質問なのです。このチャーシューメンなのですが、お店で出すとしたらいくらになりますか? もちろん0円とかはなしで黒字の値段価格」



間宮「素材、仕込先、下味、色々と工夫を施しても……お店で出すとなると」



間宮「600円、ですかね」



電「……間宮さんの完敗、ですね」



間宮「そんな……! 長年研究してきた電ちゃんの好みにも合うように味つけしてなお負けるだなんて……!」



電「加えてあのお店のチャーシューメンは……」



電「500円だったのです」



間宮「ワンコイン!?」


バァン!


間宮「あり得ません……!」



電「……このお店なのです」



神風「……かんこちょう、鳴いてません?」



天津風「そもそもこの味を越えるのなら有名店になってると思うけど?」



島風「間宮さんを越えるとかぜひとも食べに行きたいねー」



電「確かに有名店ではないのがおかしいのです。詳しくは知らないのですが、私はこんなことで嘘をつきません」



電「ちなみに司令官さんと私とわるさめさんの地元です」



間宮「……、……」



提督《えー、皆さん、闇所属艦隊、それとリシュリューさんは1時間後にプレイルームに集合してください。E-2のボスマスゲージを吹き飛ばしに出撃します》



島風「お? 通常海域じゃなくてエクストラステージ?」



天津風「とうとう来たわね」



神風「私達の訓練の成果を見せる時が来ましたか」



電「さて皆さん、出撃なのです」



【7ワ●:E-2】



提督「フランス艦が必要なのでリシュリューさんをお借りすることになりましたが、彼女はどうです?」



ビスマルク「それで私も外してリシュリューか。彼女、戦艦の仕事をそつなくこなすから大丈夫でしょう」



神通「モニターで観戦できるのはいいですねー」



山城「神通は北方艦隊で明石君のところと演習しに行かなくていいの?」



神通「もう10連戦させられましたからね。区切りがいいので今日はあがらせてもらいました」



山城「ガングートや長門とかの戦闘民族と10連戦とかよくやるわ」



神通「それより准将、この艦隊の夜戦仕様は面白いのですが、対潜装備がありませんよね。潜水艦はどうするのですか?」



提督「対空に寄らせてあるので、潜水艦相手は皆を信じてお祈りするのみです。凌げば次に進めますので。潜水艦はマーク出ますし、警戒陣で突破です」



山城「神風が隊列から出ないけど、温存してるの?」



提督「いいえ、旗艦大破で強制帰投になりますので突っ込ませるのはボスマスのみです。公式記録には残りませんが、上手く行けば神さんは深海棲艦撃沈の戦果です」



神通「神風さんは真っ直ぐな子ですし、応援したいですね……」



ビスマルク「1度神通に聞いてみたかったんだけど、適性率10%でどうやったらそんなに戦えるわけ?」



神通「根性と執念?」



ビスマルク「あなたのは参考にならないようね……その2つは神風も相当だし」



提督「神通さんは特殊なケースですので……」



山城「あ、すごいじゃない。大破どころか中破なしでボスマス直行してるわよ。輸送の時は全員合わせて116回も大破したのに……」



提督「あれは聞いた限りギミックと配置が嫌がらせとしか」






天津風「来たわね。電探確認、敵も連合かー」



天津風「ホ級エリート×3とPT小鬼軍×3と、本丸は浮砲台が×2とヲ級改×2……え」



天津風「旗艦がロ級後期型flagshipの5隻編成……?」



電「……」



島風「私の偽物の嫌がらせじゃん……神風ちゃんが倒せない深海棲艦だ……」



リシュリュー「どうするの? 私が狙ってあげましょうか?」



天津風「お願いします。それで神風さんは……」



神風「長月ちゃん&菊月ちゃんは貸してください。この3名は遊撃枠でお願いしたい」



長月「分かった。旗艦指示には従おう」



菊月「ま、護衛は私と長月に任せておけ」



長月「ところで今更だが、望月はやる気のほうは大丈夫なのか?」



望月「もう眠りたくない……眠るくらいなら戦う」



長月「望月の欠陥が直っただと……」



天津風「置いといて。それでろーちゃんとサラトガさんグラーフさんは訓練した通りでお願いします。三日月と私は機銃も装備してるから基地航空隊が漏らした小鬼群片付けかしら」



天津風「全員、神風の動向にも意識を向けておくように」



天津風「以上ね! それじゃ戦闘海域に突入!」



一同「イエス、マム!」



3 



望月「護衛にあたしがつくとしても、ヲ級改2隻の攻撃はさすがに凌げないぞ」



プリンツ「うーん、私も敵空母を狙いますけど、あの砲台が邪魔です。でも必ず1体は序盤で大破にしてやります!」



グラーフ「よろしく頼む」



サラトガ「私はあまり制空権を意識した装備ではないです。夜戦仕様が祟って昼戦に移行するまでには空母を沈めておきたいのですが、グラーフさん大丈夫ですか?」



グラーフ「ああ、仕事はこなす。私の役割だからな」



グラーフ「……艦載機発艦」






三日月「甲大将の艦隊はさすがですね! 上手いです!」



島風「うんうん。でもこのパターン、神風ちゃんがヲ級に突撃しようとする流れじゃないかなー」



天津風「タイミングを伺ってるわね。私達は少し前に出ましょう。グラーフさんの初手が控え目なのは陽動でしょうから。ほら、バカみたいにヲ級が艦載機発艦し始めた」



グラーフ《聞こえるか。私の装備と練度は把握しているな。少し数を減らしてくれ。その後ならば確保が可能だ》



天津風「了解。それじゃ前に出ましょう」






神風「二人とも、私に気を回す必要はないので仕留められるなら仕留めてくださいね」



菊月「艦隊として出撃している以上そのつもりだ」



長月「しっかし昼になったり夜になったり、これが擬似ロスト空間の性質か。擬似ロスト空間ってのはゲームの世界みたいだな」



長月「4年も過ごしたけど、これとはまた違うよな」



菊月「そうだな。此方のやつが快適にしてくれていたんだろう。拉致られた身でしてくれていた、というのもあれだが」



神風(天津風ちゃん達が前に出て、ろーちゃんも魚雷を狙いに深く潜りましたか……)



神風「出陣します」



長月「厄介なヲ級だな?」



神風「浮砲台」






サラトガ「……What?」



プリンツ「狙いに行ったのは浮砲の小鬼……?」



グラーフ「まあ……神風のアレは考えても分からないな」



望月「その通り。神風は気にせず続行のほうがいいよ。天津風のほうもそうするつもりみたいだし」






神風「うーん、やっぱりね」スイイー



神風「こいつら全員でグラーフさんを狙ってたか」スイイー



神風「ここまで近寄れば深海棲艦特性で私達に気が向くでしょう。なのでお二人で適当に沈めてあげてください」スイイー


ガガガガガガガガガガ


長月「艦載機の嵐の中でよく悠長に喋っていられるな!」



菊月「こいつも闇の住人らしいな」



菊月「長月、照らしあげるから当ててくれ」


ドンドン


長月「まずは一体!」



長月「だが艦攻の礫が避けきれないぞ! 長くは持たん!」



神風「……」



神風「頑張ってください。次の仕事があるので」






提督「……、……」



神通「……素晴らしい動きです」



山城「砲台が攻撃準備に入る前に突撃したから事前に読めていたってことよね。謎の世界だわ。あんな無茶苦茶なやつの護衛やらされている長月と菊月がこの艦隊の不幸枠ね……」



ビスマルク「あの子達ってあのキスカで海の傷痕を撤退させただけあって素質高いし、肝も座ってるから大丈夫でしょ」



電「あの敵陣の真っ只中で探照灯とか端から見たら自殺行為なのですが……それは長月さんと菊月さんの役割なのでがんばれ、なのです」



電「ところで司令官さん、神風さんの動き方が変わりましたがなにかあったのです? まさか神風さんとも一緒にお風呂入ったとか?」



山城「不潔だわー……」



提督「入ってません。雷さんだけです」



提督「神さんのあの変化はよく分かりません。攻撃は最大の防御といわんばかりの攻め方でしたが、今は艦隊の皆の支援に徹する動きをしてますね。また変な進路を取りましたし」



提督「……、……」



提督「……不自然な五隻編成、空いた枠に、とか?」



提督「あー、ヤバいですね。提督としての能力不足で神風さんを制御出来なくなりかけています。あの子の感覚を読んで対応しなければならないとか……」



提督(あのタイプは乙中将と相性がいいんだけどな。けど……あの子の心的に自分が期待に応えてこそですね)



提督(腕をグイグイ引っ張られてるような感じだ。神風さんについていけてないのは自分のほうか……)



ビスマルク「あ、ろーとリシュリューがヲ級改を沈めたわね。うざったいPT小鬼群も天津風と三日月が処理してるし……」



神通「でも神風さんの動きがひっかかります。それで終わりではないと考えているような気がしないでもありません」



山城「……長月と菊月がもう大破寄り中破の装備損傷ね」



提督「……、……」



提督「…………、…………」



提督(今回は見守るのもありですが、この雰囲気のまま勝利させて帰還させれば明確な形になる。勝ちの意味が大き過ぎますね)



提督(様子を見て訓練した方式で指示を出してみますか……)






長月「はあはあ……後はリシュリューが仕留めてくれるだろ」



神風「っ!」



菊月「どうした……?」



神風「お気になさらず」



神風(……このパターンは)



神風《司令補佐から通達。即時、警戒陣を。艦載機弾薬温存です》



………………


………………


………………




リシュリュー「とりあえず」


ドンドン


神風「さすがです。ホの字を仕留めましたね」



天津風「でも空に勝利Sの文字が出ないわね……」



神風「……姫ね。それもかなり上位の」



グラーフ「その感覚電探は馬鹿げた性能をしているな。偵察機が反応をキャッチした。新たにホ級旗艦の水雷戦隊、それと」



グラーフ「当たっている。姫だな。この装備は深海15inch連装砲後期型×2と特殊潜航艇、鳥型艦攻か……」



「コンナトコマデキタノ? バカナノ…? オロカナノ……ッ?」



「アハハハハハッア!」



島風「……ええと確か!」



島風「チャーシュー棲姫!」

















欧州棲姫「フフ、オイシソウ……ッテ、チガウワ!」










長月&菊月「」



神風「ノリツッコミですって……!?」



島風「あー、お昼に食べたチャーシューを食べたい」



サラトガ「わるさめさんみたいで面白い方ですね!」



グラーフ「サラ、雰囲気に騙されるな。アレの台詞的にただの欧州棲姫ではない」



リシュリュー「思考機能付与されているわよね?」



グラーフ「ああ。つまり少なくとも」



グラーフ「中枢棲姫勢力の幹部クラスだ」



天津風「ど、どうしよう。分からない。そんなの私じゃ……」オロオロ



神風「天津風ちゃん、大丈夫だから落ち着いて。根拠は」



神風「周りにいるのは最後の海を乗り越えた最終世代の兵士だということ」



天津風「!」



天津風「……、……」



天津風「私とろーちゃん、そして三日月と長月&菊月で水雷戦隊の相手ね。制空権だけは渡さないでください。後はリシュリューさん、それと島風、神風が分からないからやり方は任せる……」



一同「了解」



リシュリュー「神風とろーちゃんは置いておいても島風は近距離まで詰めるの大変でしょ? あのレベルの相手なら策になるし、久しぶりにやる?」



島風「おう? あれというとあれですね! やりましょう!」



島風「それじゃ神風ちゃん、競争だね!」



神風「よーいドン」 スイイー



島風「あ、ずっる――――いっ! 待て――――!」






神風(ふう、サラトガさんとグラーフさんは頼もしいわね。あの後に欧州棲姫と制空権を拮抗させてる。うちの酔っ払い空母に二人の勇姿を見せてあげたいわ……)



欧州棲姫「……ココデ――――!」



島風「追いついた! 消臭力さんには悪いですがさくっと勝たせてもらいますよ!」



欧州棲姫「チガウ、ワタシ、ニオイケサナイ!」



欧州棲姫「コンナノ、ワタシ、ノゾンデナイ……! チャーシューデモ、ショーシューデモナクテ、ワタシハ……!」



神風「さあ、その首もらい受けるわ!」



神風「長州力!」









欧州棲姫「私ヲ切レサセタカラ大シタモンデスヨ――――!」



ドンドン!







神風「見てから回避余裕でした」



欧州棲姫「バケモノカヨッ!」



島風「あっぶな! 1発で大破しちゃうから手加減してくださいよ!」スイイー



リシュリュー《弾着観測連装砲ちゃん行ったわよー》



島風「お見事! 意思疎通可能範囲、了解ですっ! 指示を出しとくね!」



ヒュー、ストン



連装砲ちゃん「オイッス」



欧州棲姫「!?」



神風「センターリシュリューからのバックホーム! さすがの強肩ね! 敵の背中の艤装に着地したわ!」



リシュリュー《投げやすいのよね》



島風「連装砲ちゃん! 行っけ――――!」



島風「豚骨!!」



島風「ハリガネ!」



島風「おかわり」



島風「ダダダダダ――――!」



連装砲ちゃん「オウッ」チャキ



ドドドドドドドンドン!




欧州棲姫「ッ!」






欧州棲姫「……クッ、ウットオシイ!」ポイッ


ドンドン!


島風「あ! 連装砲ちゃんが大破しちゃった!」



島風「くっそー! 仇は取るから!」スイイー



島風「……」ジーッ



島風「ねーねー、姫さん」スイイー



島風「その両手で持って乗ってるやつ。それって速い?」スイイー



欧州棲姫「……」スイイー



島風「……あ、頭の冠で思い出しました。欧州棲姫さんだ。すっごく気品があってオシャレな深海棲艦だから覚えてました」



欧州棲姫「……」テレ



島風「後その乗り物はレッド◯ロンで見たことあります! なんで原付に乗ってるんです?」スイイー



欧州棲姫「ヤカマシイッ!」ドンドン!







プリンツ・望月・サラトガ「……」



サラトガ「少なくとも」



プリンツ「中枢棲姫勢力幹部クラスだ」



望月「キリッ」



グラーフ「合ってた! 間違いはない! あいつがただ水母棲姫や戦艦棲姫のようなお笑い枠だっただけだろう!」




10



提督「緊急速報」




















提督「島風さんアホの子だった」





電「わるさめさんが天然になればあんな煽り方しそうなのです……」



神通「こ、個性的なだけかと」



山城「あまりに残念だから鬼の神通ですらフォローに回ったわ……」



提督「後」



提督「北方勢なんなんです……戦い方が自由過ぎるよ……」



提督「弾着観測連装砲ちゃんってなに……」



山城「ちょっとビスマルク! あんたんところの所属でまともなの天津風と三日月と望月の3人だけじゃない! ろーちゃんなんか水雷戦隊相手なのに嬉々として突っ込んでいたわよ!?」



ビスマルク「ヤマシロ? 私も数に入れなさい?」



ビスマルク「……北方は自由過ぎたのよ。みんなアトミラールの気質がどこかに感染してしまっているわ。あ、私以外ね? 私は誇り高き栄光のドイツ戦艦だから」キリマルク



山城「あんたも怪しいわよ……」



電「あの欧州棲姫は完全にセンキさんタイプなのです……」



提督「救われましたね。チューキさんタイプだったらコントの始まりですでに島風さんは沈められていると思われます……」



11



天津風「もう嫌よ! 私、戦いたくない!」



欧州棲姫(壊)「……ク、ウ」←大破



三日月「分かります……神風さん島風さんが欧州棲姫を分離させて私達が水雷戦隊を片してからサラトガさんの艦載機が全て欧州棲姫へと」



三日月「大破してなお必死にダメ与えてくる相手を」



三日月「全員で囲み、四方八方からなぶって……」



望月「序盤で島風が精神を大破させてたのが大きいよな……」



天津風「これが人間のやることなの!? どちらが悪者か分からない! こんなのあんまりよ! 深海棲艦だって生きてるのに、せめてせめて……!」



ドンドン


天津風《総員なぶるのは止めて!》


ガガガガガ



サラトガ《了解です。サラは別になぶっているつもりでは》



天津風《皆さん!》



天津風《もう一撃で仕留めてあげてください!》


ドオオン!


天津風《命を!》


ドンドンドン!


天津風《命を尊んで!》










リシュリュー《嫌よ。あいつのエイみたいなダッサイ飛行機で服が汚されたもの。なるべく苦しんで死んで欲しいわ》


ドンドン


ろー《分かったー。ろーは楽しく辺りを泳いでますって!》


スイイー


島風《あ、ちょうどいい! そういえば准将から酸素魚雷の扱い上手くなれっていわれてたから練習しなきゃだ!》


ドオオオン


神風《アッハッハ! 姫姫姫の御首ィ――――!》


チャキ









三日月「准将、聞こえますか」



三日月「これが北方なんです(真顔」



望月「まー……なんつーか……准将ブーストかけても最弱のうちの戦いなんざこんなもんだ」



リシュリュー「あなたみたいなお笑い芸人が欧州感出してるってだけでリシュリューは気分が悪いのよ。でもなぶるのも飽きてきたし、そろそろ沈ませてあげるわ」



ドンドンドオオン



神風「ここ! もらっ――――!」


ドオン!


神風「……ぶっ!」パチャン



島風「神風ちゃん大破! 左腕が被弾してパージしちゃった!」



リシュリュー「タイミングが悪かったわね。あなたごとリシュリューが沈めちゃった♪」



【8ワ●:E-2突破報酬】



天津風「帰還、しました。目標撃破完了、です」ポロポロ



山城「よくがんばったわね……」ナデナデ



天津風「私、私っ、欧州棲姫さんが可哀想でっ……」



提督(途中まではとても素晴らしい連携でした。いい感じでしたよ。とはいえないこの空気……)



提督「皆さん本当にお疲れ様でした。戦争は悲しいですよね……あの欧州棲姫さんとは仲良くなれた気がしましたから……」



神風「……」



リシュリュー「ごめんってば……」



神風「いえ、謝ってもらうことではないです」



神風「ただ私と単艦演習してもらいたいなって……」



リシュリュー「あなたと決闘なんてイ・ヤ♪」



神通「でも神風さんの働きは素晴らしかったと思います」



神通(欧州棲姫が現れるまでは……)



神風「神通さん……」



提督「ええ、今までで一番いい働きでした。深海棲艦を倒さずとも大きな戦果は確かにあります。偉大な一歩です」



神風「納得は出来ません。すみません。少し疑似ロスト空間に赴いて今日の反省点を克服してきます」



三日月・望月(なぜ戦闘中にその真面目さが最後まで出せないのか……)



サラトガ「最後はともかく形にはなりましたね。あのレベルの艦隊に大破なしで勝利したのは運の要素を極力減らせたからです」



グラーフ「やはり戦艦の存在は大きいな。二人は艦隊に欲しいところだ」



提督「……とのことですがリシュリューさん」



リシュリュー「疲れるからイヤよ」



提督「それは残念……」



天津風「ねえ島風……」



島風「ん、天津風ちゃんおこ? どったの?」



天津風「あなたがあの空気を作り出した原因! あなたはいつもそう! そのマイペースで指揮を乱すのよ!」



島風「……」



提督「まあ、落ち着いてくださいよ。反省は次までに生かすよう指揮を執りますから」



天津風「いいえ、今日はいわせてもらうわ。恥ずかしいのは格好だけにしておきなさい……!」











天津風「この痴女風!」



提督「」



島風「天津風ちゃん、落ち着こう」



島風「どっちかといえばさ」



島風「天津風ちゃんの格好のほうがえっちじゃん」



天津風「あり得ないわ。ねえ准将?」



提督「いや、痴女度は島風さんですよ」



島風「可愛いと思うんだけどなあ。えっちな格好なのは?」



提督「天津風さんに軍配があがるかと」



島風「だよねー」



天津風「」



電「司令官さん、珍しく馬鹿いってないで報酬画面なのです。確認してください」



提督「あー、突破報酬ですか……」



提督「あ、装備の中に岩本隊ある。それと、これなんだ。衣装? よくわかりませんね」



島風「瑞穂ちゃんの時みたいにカードはあるんですかー?」



提督「ありますね。3枚もある」



神風「現海界させてあげてください」



提督「ですね。皆さんステージに注目です」



ワーワーパチパチ



照月「どうも! 秋月型防空駆逐艦二番艦、照月でーす!」



神風・プリンツ・ろー「長10cm砲ちゃんです!」


ダキッ


照月「う、うぅー……苦しい……!」



電「遠征のほうに回す駆逐も少ないのです。正直次がラスダンであることを考えると準備方面で捗る軽巡駆逐辺りが一番ありがたいですね。艦隊の幅も広がりますし」



グラーフ「総統のおっしゃる通りだ。防空駆逐は皆の助けにもなる。しかも欧州のほうからスカウトが来て支援に出向いた実力者だ」



提督「照月さん。悪い島風さん……島風さんに似た人に捕まりました?」



照月「そうなんですよ! 帰国した時、報酬にしとくから拉致りますね! って島風さんみたいな子がですね……!」



提督「なるほど、詳しい話を……」



サラトガ「あ、それならサラが照月ちゃんの案内をしながら」



提督「……サラさん、耳を貸してもらえますか」コソコソ



サラトガ(分かっております。この案内で照月ちゃん口説き落とします♪)



提督・サラトガ「( ・ㅂ・)و ̑̑ グッ」



照月「?」 






提督「はい。では残り2名を現海界させてあげないとですね」



ワーワーパチパチ



春風「ごきげんよう。神風型駆逐艦の三番艦、春風と申します」



旗風「同じく神風型駆逐艦五番艦、旗風と申します。それにしても久しぶりだなあ。この格好を着付けたのも……」



神風「ウオオオオアアアア\( 'ω')/アアアアアッッッッ!!!!」


ダキッ


旗風「ふふ、神風姉が元気そうでなによりです」



春風「司令補佐もお久しぶりです。あなたの鎮守府のお噂はかねがね……」



提督「3年振りですか。お久しぶりです。いやー、お二人とも背も伸びて大人っぽくなりましたね。お綺麗になられた」



春風・旗風「……」ジーッ



提督「……うん?」



春風「申し訳ありません。司令補佐がそのようなことを色のある顔でいうとは思わず、少し動揺してしまいました……」



旗数「……お褒めいただき、ありがとう存じます」



旗風「って感じでしたよね、私。ふふっ」



リシュリュー「うーん、可愛らしい子達ねー」



ビスマルク「神風の妹とか嘘でしょ……似ているのは格好だけじゃない」



ろー「でも神風ちゃんの初めの頃の雰囲気と似てるよー?」



神風「というか二人からお手紙が返って来なかったのって捕まってからか……」



春風「ですわね……」



神風「あ、そうだ! お二人に聞きたいことがあるのよ!」



旗風「なんでしょう?」



神風「彼氏は出来た!?」



ビスマルク「いきなりなに聞いてるのよ。今はまだ他に聞くことあるでしょうに」



神風「今聞くことなんです! 二人が雌猫のごとく盛って動画で男との情事を保存しているのかなあって思うと気が気ではないわ! 恋人いたのなら私にも会わせて! どぐされなら伐採する!」



神風「お姉ちゃん、ヤキいれるのは得意だから!」



一同「」



提督「すみませんね。神さんちょっと過激な恋愛と直で関わってしまって。神さん、休憩どうぞ」



旗風「ええと、残念ながらお相手はおりません……」



春風「旗はアプローチする相手がいるので、いつ出来てもおかしくありませんね」



旗風「ちょ、ちょっと、春風姉、止めてください。あの人はそういうのじゃないよ」



神風「そういうんじゃないのね! 安心した!」



電「……大学生でしたよね? スケジュールは大丈夫なのです?」



春風「ええ、ご心配なく」



神風「司令補佐! 私が春と旗の案内をしますね! さ、行こう行こう! 大和さんと武蔵さんもいるから挨拶しに行こう!」






照月「あ、サラトガさん、あの人って」



明石君「……」コツコツ



照月「秋月姉の実のお兄さんだよね!」


タタタ、ダキッ


明石君「歩いているだけで見知らぬ美少女に抱きつかれるとかさすがは鎮守府だわ」



明石君「サラトガさん、この子は誰です……? 」



サラトガ「秋月さんの姉妹艦の照月ちゃんですー」



明石君「うん? あ、その鉢巻……」



照月「秋月型防空駆逐艦二番艦の照月! よろしくね!」



明石君「つうかアッキーの妹なら俺の義理の妹みたいなもんか。明石の男のほうだ。よろしくー。とりあえず暑苦しいので離れなさい」


グイッ


照月「あれ? なんか聞いていた感じと違います?」



明石君「あえて聞かない。それとアッキーならさっきまで北上大先生と……」


ダダダダ


サラトガ「あ、目を輝かせながら走ってきましたね」



秋月「あなたは――――!」キラキラ



照月「秋月姉だ! やっと会えた! 」



秋月「照月! 私がお姉さんになる日が来るなんて感動で胸が一杯です!」



北上「……サラの姉御、彼女が今回の囚われのお姫様、もとい突破報酬ですかい?」



サラトガ「イエス。春風さんと旗風さんもゲットです」



北上「おお、豪華じゃん」



照月「北上さん! よろしくお願いしますね!」



北上「よろー。明石君の妹でもあるの?」



明石君「ってことになるな。ま、アッキーが楽しそうでなによりだ」



照月「良いお兄さんだねえ」



秋月「ですけど、絶対あいつに近づいちゃダメですからね!」



北上「あらよっと!」



照月「ちょ、ちょっと!」



秋月「北上さん、いきなりスカートめくらないであげてください! 姉として怒りますよ!」キッ



北上「すまん」



北上「それで明石君、どうなのさ」



明石君「これがアッキーの妹だって……?」



明石君「戦闘力が違うぞ……? 海で大破したアッキー見たことあるけど確かスクリュー柄だったし……」



秋月「ね、照月、分かりましたよね! あの男は節操なしの馬鹿ですから近づいちゃダメですよ!」



照月「あ、はは、なるほどねー……」






大和「あ……! 神ちゃんと、あのお二人は!」キラキラ



武蔵「おー……春と旗か」



春風・旗風「武蔵さん、ご無沙汰しております」ペコリ



春風・旗風「……それと」



春風・旗風「大和さんよくぞご無事で――――!」


ダキッ


大和「心配かけてごめんなさいね。でもこの通り元気です!」



春風「すぐにでも会いに行きたかったのですが、お忙しそうなのでら落ち着くまでは、と連絡だけで我慢しておりました」



武蔵「別に構わなかったのに。お前らガッコはいいのか?」



旗風「あ、大丈夫です。私達は突破報酬? それで閉じ込められておりまして」



春風「艤装も渡されてお馴染みの格好に着せ替えられましたね」



武蔵「あいつほんと好き勝手やってんな……」



神風「那珂さんも来ないかなー……」



春風「さすがに難しいでしょう。那珂さんは毎日が過密スケジュールみたいですし」



神風「仕方ないかあ……」



神風「それで皆さん」



神風「また丁の艦隊に来ませんか?」



武蔵「断る」



大和「武蔵は会わないうちにツンデレになったみたいでして」



武蔵「違えよ!」



春風「司令補佐ともお会いしたのですが、ずいぶんと雰囲気がお変わりになられましたよね」



旗風「……本当に驚きました。人ってしばらく見ない内に変わるんだなあって」



武蔵「あいつはあの頃よか大分丸くなってはいるなー……」



大和「お二人も背が伸びましたね。すっかり垢抜けて綺麗な大人になりました。こういった月日の流れを容姿で感じられるって、良いものですね」



神風「それで続きですがお二人とも私のところを贔屓してくださいよ! ちょうど戦艦が欲しいって流れになりましたし!」



武蔵「北方のリシュリューとかガングート誘えば良いじゃねえか。連携的な意味合いでは神風もそっちのがいいんじゃないのか?」



神風「ガングートさんは甲大将のところに、リシュリューさんは疲れるから嫌だそうです!」



大和「せっかくですし、今晩辺りに皆でお話しますか!」



武蔵「まさか春や旗と酒が飲める日が来るとはなー」



春風「そうですねえ。私も旗もあまり強くないですが」



旗風「お酒は飲めますけど、まだ私には美味しいって感じがいまいちよくわからないのです。そういえば神風姉」



神風「うん?」



旗風「司令補佐との進展はどうです? 私と春風姉のお兄さんにはできそうですか?」



神風「そういうのではないわ! むしろ今はその手の思考は邪魔だとさえお姉ちゃんは思う!」クワッ



武蔵「神風はなかなか面倒くさくなったよな……」



神風「心外です! 私は司令補佐の指揮に応えることに全力であるだけです!」



春風(どうやらあの頃と変わらないモノもあるみたいですね)



春風「……ふふ」



【9ワ●:司令官さんが乙女心を分かってきたのです】



わるさめ「以上が最後の海での皆の頑張りだゾ☆」



春風・旗風「ちょっと言葉が出ません」



旗風「こういうのは躊躇いますが、素直な印象をいいますと、よく全員生還、できましたね……としか」



神風「あー……私も海の傷痕と戦いたかったなあ。木曾さんと江風さんのところが私だったらそこで奴の首を刎ねていたわ」



江風「抜かせ。お前じゃ絶対に海の傷痕を倒せねーよ。威勢がいいのは嫌いじゃねえけど、江風達全員でなんとか勝てた海なンだぞ。神風一人で倒せるなら苦労はしねーよ」



わるさめ「そもそも神風じゃ無理。あの本調子じゃないぷらずまに負けた時点で役不足っス。本丸行く前に深海棲艦の軍勢でアウトー」



望月「そだな。たまのビッグマウスだ。海の傷痕どころか姫一人に苦戦した挙げ句、倒せなかったし」



神風「」



木曾「終わった後で話を聞くのと実際に戦場にいて体験するのとでは天地の差だぜ。まー、でもあそこに神風がいたらと考えるとすげー頼もしいよ」



神風「き、木曾さん。私の中で木曾さんの評価が鰻登りです。ぶっちゃけ粋がった年寄りのチンピラだと思ってました」



木曾「粋ってんのはどっちだっての。表出やがれ」



春風「神風、どの程度戦えるようになりました?」



旗風「なったんですよね?」



神風「……(目そらし」



わるさめ「お春にお旗、艤装もあるんでしょ? 気になるのなら姉と戦ってみればー?」



江風「おいいい! この二人はエンジョイ勢なンだぞ! トラウマ植え付ける気かよ!」



春風「わたくしと旗も、それなりに強くはありましたよ?」



神風「……少なくとも戦果は長女の私が負けてたよね」



旗風「うーん、そんな気がするようなしないような」



わるさめ「峰打ちでいいじゃん。エンジョイ勢とかぷらずまが戦うとなれば絶対に5体満足じゃすまさねーけども」



旗風「あ、一応は閉じ込められている間に艤装もあったから馴染ませおいたよ。体は覚えておりまして、砲雷撃はこなせます」



春風「ですね」



神風「……言葉は安し。あの適性率から私がどのように這い上がってきたのか教えてあげましょう。手加減はするし、スイッチは入れないようにするから安心して」



春風「スイッチ?」



望月「入れば仲間の手足を削いででも戦闘不能にしてしまう。私も三日月も手足を削がれてダルマになりかけた」



春風・旗風「」



木曾「一応、やり過ぎねえように俺も側で待機してっからよ。それで終わったら俺とも演習しようぜ。江風もやるだろ? 一応、神風も駆逐艦だぜ?」



江風「うーん、そうだなー。戦ってみたくはあっかな」



わるさめ「それじゃ演習場に飛ばしてもらおー!」



2



提督「……」



北方提督「大和さん、准将が武蔵さん相手だと縮こまるのは何故だい?」



大和「ひびりさんだからです♪」



提督「手厳しい……」



武蔵「昔からは考えられない人間味だよなあ。びびるって感情も最後の戦いで手に入れたか?」



提督「……鎮守府で過ごす日々の中ですかね」



武蔵「聞きたいことあったんだ。最後に電を復活させた時、ロスト空間でなにやったんだ? 女神を作って電の想とチューキ達の想にそれぞれの死体に入れたと聞くが、よく1、2時間でやり遂げたよな。あれってどうやったんだ?」



提督「現在進行形で人は死して想になりますからね。自分と龍驤さん初霜さん本官さんの3人で女神の要素を探して引っ張り込みました。本官さんがそれで女神妖精の性能を使用できたので」



提督「電さんの想はお話した通り、呼んだら向こうから来てくれました。そして自分はチューキさんと仲良かったですからね。ここは最悪、わるさめさんを引っ張ってこようかな、と。チューキさんの想も呼び寄せることに成功」



提督「わるさめさんが電さんの死体を輸送してくれていたのと、本官さんがチューキさん達の艤装を深海妖精の性能でロスト空間に輸送してもらっていたので、器はそろえました」



提督「そしてまず中枢棲姫艤装をロスト空間にて修復、そこにチューキさんの想を仕込んで復活させます。その後チューキさんが家族の想を引っ張り寄せて、残りのメンバーも同じく復活させる。次に電さんの死体と想を使用して女神の力で復活させて」



提督「本官さんにより、中枢棲姫メンバーの艤装を使用して違法建造でぷらずまさんver海屑艦隊のトランスタイプ」



提督「最後に現海界って流れですね」



武蔵「電もチューキ達も死んだ場合に利用するって策を事前に用意していやがるのがお前の怖いところだよ……」



北方提督「なるほどねえ……それが海の傷痕に読み負けたといわせた最後の一手か。確かに電、中枢棲姫勢力ともに廃と重で構成された海の傷痕の特攻艦の完成」



大和「大和は話についていけないとです……」



北方提督「此方選手、いかがでしたか」



大和「当局さんの件もあるので聞くのは……」



此方「ダイジョブダイジョブ。少なくとも当局が満足していたことはあの想を調べて分かったし、鹵獲された時点で割り切ることにしていたから。薄情、と受け取られるかもですが」



此方「今の私になにをいうかも分かる」



提督「……全くです」



此方「ロスト空間で女神を作る。それに間に合う可能性はなくはないけど、限りなく不可能に近い。そのレベルで見てた」



此方「私は艦の兵士の皆の心を集めても結局のところ分かってなかったんだよ。人間の精神面のことを知ったかぶってたに過ぎない。当局もきっとそう。弱点に成りうるとは考えていたし、だから数百規模の深海棲艦を湧かせたり、最強の電ちゃんや中枢棲姫勢力を撃沈させた。そんな心を折るような戦いをした」



此方「運を除いて敗因を突き詰めると、心のほうで劣ってたから負けた」



此方「以上が海の傷痕からの批評です」



提督「こういう席ですし、此方さんに聞いてみたかったんです。あえて皆さんの前でいいますが、当局さんって大悪党ですけど、優しい人だと思いますか?」



此方「……どうだろうね。役割からして私を今の風にすることが目的でそのために他を切り捨てられた人だから。本官さんが死んでから、私と当局の個性もそれぞれ変わり始めた。私からしたら当局は優しい人だよ。突発的なトランス現象で生まれ落ちた私の唯一無二の家族といってもいい」



此方「でもさ、私もよく分からないところなんだ」



此方「むしろ准将のほうが知っているんじゃないかな。当局は私に本当の弱味は見せない。最後、私がいない時に当局と会話をしたんでしょう? きっとそれがわたしでもなく、海の傷痕でもなく、今を生きた当局という命の素顔だったと思うから」



提督「自分は深海妖精を陸地に誘ってから、この戦争を運営管理している海の傷痕の存在に気付き、心からの怒りを覚えました」



提督「利益すらなかった戦争の枠で子供を数多く殺し、時間を止め、未来への歩みさえ遮る。こんな業は人間が出来る訳がなく、人類史において殺さねばならない唯一無二の悪だと」



提督「大本営で楽しそうに喋っていましたし、確信もしました。ですが、最後に腹を割って喋れば当局の口から出た言葉全ては今後のため」



提督「……此方さんを想う愛に関連していた」



提督「役割だからのみの理由とはとても思えない」



提督「……いざ、終わらせてみれば」



提督「自分のためだけにあの戦いに生きていた自分ですから、同じくあの戦いのために生きていた当局のことも分からなくはないことに気付いた」



提督「解り合うし、意識を伝えるというのは難しい。自分達のように先の子供は理由を覚え、戦いに身を投じて、そして悟り、こうして未来永劫、繰り返されていく。我々の経験を語ってもきっと未来の子供の魂には刻まれない。自分が大戦時のことをざっぱに悲しいなあ、と思うのと同じで分からない。思いしるその日までいつまでも自分本意だ。自分のような馬鹿は特に」



北方提督・武蔵「……」



電「……お茶が美味しいのです」ズズズ



北方提督「電、いつからそこに」



電「少し前です。司令官さんの隣の椅子が空いてないので大和さんのお膝を借りているのです」



提督「すみませんね……」



大和「むしろお礼をいいたいといいますか。電ちゃんを膝に乗せるだなんてけっこうレアな体験させもらっていますのでー」



電「ま、75点をあげましょう」



大和「ふふ、採点が厳しいなあ」ナデナデ



電「此方ちゃんもよーやくこうして暇が出来たのに、それが悪い島風さんのせいで休暇、とはいかないのが残念なのです」



此方「大本営の毎日の尋問に比べれば天国だよ……」



北方提督「じゃ、そろそろ私から」



北方提督「准将、最終海域の話は聞いてるよね」



北方提督「手を組まないか」



提督「もともとあなたと組まされましたが」



北方提督「組むからといって協力関係になれるとは思わないからね。力を合わせて本気で勝ちに行くという意味で組みたいんだ」



提督「建国ねえ……」



北方提督「ああ、別に違反ではないはずだ。法の整備は整っていないからね。妖精工作補助施設で疑似ロスト空間内に作る。なに、もちろん危機管理も任せてくれ。こちらとしてはあなたが噛んでくれても構わないよ?」



大和「ほわー……話の規模が大き過ぎますね」



武蔵「冗談ではないだろうな。真顔だ」



提督「うーん……」



北方提督「なぜ躊躇う。新たな場所は人類に必要だと思わないかい?」



電「トランスタイプになって研究部にいた頃に会ったやつの中でこーいうやつたくさんいましたね。本気で憐れに思えたのです」



北方提督「なにが憐れだという」



電「道徳観のなさがですよ。利権を獲得するために汚い手を使う。それでいてルールに触れてないだの合法だの、と正当性を主張するところがそっくりなのです。責められたら、悪くない、と法に正しさをすがるがごとき主張を始める」



電「法に」



電「正義も悪もないって知ってるくせに」



電「私の哲学ではありますが、道徳のない人間に人間としての幸福はありません。動物としての幸せが関の山でしょう。ただの正当性を欲しがるのはあなたの昔からの欠陥なのです」



電「温かい道徳の基盤がない自由に人の幸福が満ちることはあり得ません」



電「私から見てどうもあなたは争いを憂い過ぎて疲れているようですね。分かりますよ。私はトランスタイプになって虚しさは飽きるほど、痛みには慣れすぎましたから」



北方提督「……」



電「疲れたのなら私みたいに国を作るのではなく施設を作るといいのです」



電「施設名は心のやすらぎが花言葉のペチュニアでいいのでは?」



電「老人ホーム、ペチュニア」ニタニタ



北方提督「く、ここまで小馬鹿にされたのは初めてだ」



武蔵「まー……私は電の言葉に共感したけどな」



提督「同じく。誰かのために、としてもそれが疑似ロスト空間で新しい国を、ではねえ。それでなければならない決定的な理由が弱いです。曖昧なプランですし……」



提督「諦めないのなら勝ってからもう1度この話をしましょうよ。とりあえず勝ちに行くのは自分も同じではあるので、獲らぬ狸の皮算用は置いておいて勝利のために手を組みましょう」



北方提督「それでお願い。思っていたより上等な返事をもらえたよ」



此方「戦後復興妖精&丙乙甲連合軍ってかなり厳しいと思うけど……闇の人達も今回はほとんど向こう側にいるし、北方はええと……甲大将に取られたガングートさん以外はこっちか友軍枠みたいだけど」



提督「うちの鎮守府の子達なら欠陥直すために観察しまくってきましたから。経歴から性格、細かな癖まで把握しています。確かに強い子達ですが、今回は敵に回ってもらえたほうが楽のようにすら感じます」



北方提督「それに丙乙甲の旗艦も私の艦隊だし、1航戦もいる」



提督「赤城さん加賀さんはうちに来て欲しかったです」



北方提督「分かる。提督なら誰もが赤城加賀の1航戦の指揮を1度は執ってみたいと思うものだ」



北方提督「電のお姉ちゃんズもみんなこちらだよ」



電「なのです」



電「司令官さんと私の敵に回る。この展開を知れば闇のお友達は血の涙を流して世界を恨むでしょう。それでもなおこの手で傷つけなければならないだなんて」



電「電は悲しいのです♪」



北方提督・此方・大和(とっても嬉しそう……)



提督「……そういえば、電さんがアカデミーを卒業して初めて着任した鎮守府の提督さんでしたっけか」



北方提督「そうだね……想い出はいつも持ち歩いてる。あの頃の電はういういしさの塊で可愛いかったよ。私のところに来たのも『響お姉ちゃんの司令官さん。仲良くなれそうだから』と」ポチ



大和「可愛いすぎますー……」



《あ、あの……私のお名前は、花、はわ、間違えましたっ。駆逐艦の電なのです》



電「おいカメラ止めろ――――!」



電「着任挨拶なんか撮影して保存していたのです!?」



此方「可愛い。そう、これが私の望んだ電の適性者ですよ」



武蔵「お前にもこんな愛らしい時代があったんだな……」



北方提督「准将、取引といこう」



提督「オーケー。それでとりあえずの手を打ちましょう」



電「……」ムスッ



提督「……、……」



提督「今の電さんのほうが好きですけどね」



電「!?」



電「私はとても嬉しいのですがちょっと待ってください! いつからそういう乙女心を察することが出来るようになったのです」



武蔵「今年一番驚いた……感動したぜ……」



提督「」



大和「ねえ武蔵、まだなにか彼に望みますか?」



武蔵「……わーったよ。私の目が節穴だった。お前と神風のほうがこいつのことをちゃんと見てた。なにも不満はねえよもう」



大和「ということで准将」



大和「私と武蔵はこちらの陣営につきます」



北方提督「スパスィーバ……!」



武蔵「神風のことは頼むぜ。もうここしかねえんだから、勝たしてやりたいってのは私も同じだ。大和を取り返した今でも、いや、今だからこそか。あの頃の仲間には思い入れがありすぎる」



提督「……、……」



提督「わかりました」



提督「この延長戦、もっと策を煮詰めます」



北方提督「決まりだね。こちらの総指揮は准将で構わない」



提督「了解です。やはり向こうは悪い島風さんが兵士として突出していますからね。少なくとも海の傷痕クラスには強いので、ただの策では無理なところもある。特定の方のタイプトランス疑似での強化許可も降りておりますが……」



木曾「よう。悪いけど、話は盗み聞いてた」



神通「あ、私と日向さんもです。とても面白い話をしていたので……」



日向「今回私達はこちら側ではあるが、些細なことだ。だが向こうは違うだろうな。丙乙甲は少なくとも本気の准将と戦って勝ちたいと思っている。少なくとも丙さんはな」



木曾「大将も同じだな」



神通「乙中将も、です」



日向「丙乙甲の旗艦を務めた私達がいうんだ。間違いはない」



提督「……、……」



電「まー、私は遊びのつもりでしたが、全身全霊とあなたがいうのならばもちろん応えるのです。私に遠慮など不要です」



電「これが最後」



電「私はもう1度だけ、ぷらずまになりましょう」



日向「そう。それでいいんだよ」



神通「真剣とは持てる力を全て出しきらなければ意味を成しませんから」



木曾「ハハ、大将の敵に回ったのは初めてだが、恐ろしくやる気が出る。もう戦争終わってツレになっちまったからかね」



提督「了解。ですが奇策は用いません」



提督「これだけの大艦隊、歴戦の兵士しかおらず、闇の時のように闇の策を弄する必要もなく、練るのは単純に」



提督「正面から相手の策を叩き潰す正攻法のみです」



大和「主砲一斉掃射ーって感じの戦いが大和は好きですね!」



武蔵「私も小細工は苦手だ。日向はオールラウンダーだが、木曾も神通も気質的には当たって砕いていくほうが性に合ってんだろ」



木曾「ハハ、そだな。俺の性格はチンピラに過ぎねえよ」



神通「まあ、猪口才相手を単純に捩じ伏せる戦いが気持ちいいですね」



北方提督「よし、私のグループは作戦練ろう。私、あんまり得意じゃないから旗艦の人達は手伝ってくれ。日向さんはそうだな」



日向「今、向こうはいないんだろ?」



日向「長門はこっちに誘って来よう。貸しがあるんだ」



北方提督「おお。負ける気がしないね」



3



提督「少し悪い島風さんのところ行ってきます」



提督「ぷらずまさん、それに神風さんもついて来てもらいますか」



電「メインサーバーの鹵獲現場に? なにしに行くのです?」



提督「悪い島風さんを本気にさせに挑発です」



提督「その前にぷらずまさん、想力工作補助施設の件ですが、ちゃんと扱えて情報は抜けたんですよね?」



電「一見ややこしい能力していますが、トランスタイプなら深海棲艦艤装扱うのと勝手はあまり変わりませんでしたよ。艤装を動かすのと同じように、想力を工作出来たのです」



提督「ちょっと調べて欲しいものがあるんですよ。ええと、これこれ、ちょっと気にはなったので捕獲しておいたのですが」



大和「それは、鉄の破片ですか?」



武蔵「艤装のか?」



此方「……電艤装?」



提督「イエス。戦争終わってから護身用に持ち歩いておりました。初対面時に悪い島風さんをザックリさして妖精であるかどうか確認するためにも使用しました」



電「それを調べてどうするのです?」



提督「この中に想が入っています。陽炎ちゃんと陽炎さんと不知火さんの騒ぎの時に疑似ロスト空間に出来ていた最初期の研究所、興味があって調べ回りましてその時に」



提督「少し気になる想と出会いまして」



提督「最後の海で中枢棲姫さん達を復活させたようにこの艤装に想を入れておいたんです」



電「悪い島風さんは気付いていないのです?」



提督「気付いている素振りはありませんねえ……」



提督「……ま、バレてないってことは」



提督「最後のあの時、当局が自分に仕込んだといったのは確定的ですしね」



此方「……どゆことです?」



提督「悪い島風さんが自分の想の解釈がしづらい理由を勝手に誤解しているようですが」



此方「あー……なんか複雑でよく分からないとか」



提督「そんな複雑なこと考えておりませんよ。つまりそういうことです。当局が念を入れて戦後についてなにか起きそうなトラブルについては一応の手を打ってある、と。後はお前なら勝手に気付いてくれるだろって。今、分かりましたが」



提督「自分には想の解釈がされないようになんかされてると思われる。やっぱりそうですよね。悪い島風さんが自分の心を解釈出来ていたのなら陽炎さん不知火さんの戦後日常編の時に」



提督「研究所で自分がなにしていたかを問い詰めて来ないのはおかしいですから。まずはその辺りのネタバレに赴きます」



提督「その前にぷらずまさん、想力工作補助施設がありますよね。悪い島風さんが留守にしている今がその時です。少し作業を手伝って欲しいのです。これの中身の情報を抜きます」



提督「電艤装、浄化解体されて想が抜けてなお特異な性質で溜まり場になったものですね。えーと、響さんのペンダントにヴェールヌイさんの想がありましたが」



提督「丙少将の桃鉄ゲームで調べたにも関わらず、悪い島風さんは響さんのあの戦後日常編の時に改めて念入りに調べるまでヴェールヌイの艤装だと分かっても、そこにヴェールヌイがいるとは気付いていなかったような風です」



提督「グラーフさんが悪い島風さんを発見した時、艤装の溜まり場を用いた装置にもギリギリまで気づかなかった。ファントムステルスを見破られたことでその怪しい装置を調べ、そこでようやく察知したと思われます」



提督「ので、想が完全に消失していなかったバグの関係した溜まり場周りも同様に探知または解釈が難しいのかもしれません」



此方「まあ……あの子の探知は私よりも性能が低いはずだしね。もしかしたら私や当局とも違って近距離でも直感的な察知は無理だとしともおかしくないね。でも話をしていた限り」



此方「私よりもずっと人間出来ているけど」



提督「どうでしょう。あの人は自分と似て鈍感なところもあるかと思いますけどね。まあ、これに入れた後にメモリーを観たのですが、あの最初期の研究所を疑似ロスト空間が映していた理由も分かりました。悪い島風さんは絶対に気付いておりませんね」



此方「当局のほうはブラフだと……?」



武蔵「お前のそういう根本の性格は不動なままか……」



提督「誉めないでくださいよ。照れます」



大和「あれ? 北方さんのフリーダムが感染……」



提督「いやいやまさか……」



提督「こほん。とにかく自分はぷらずまさんとこれを調べてから神風さんも連れて悪い島風さんを脅しに出ますね」



提督「あのメインサーバーの目的は恐らく」



提督「自分の見当がヒットすれば」



提督「戦後復興妖精さん」



提督「殺意剥き出しになりますね」



電「あなたという人は……」



電「それでこそなのです♪」



【10ワ●:薄翅蜉蝣、蟻地獄】



瑞鶴・加賀「……はあ」



陽炎ちゃん「……」プルプル



不知火「腕立てが20回も出来ないとは呆れてモノもいえません」



陽炎ちゃん「もー無理……」パタリ



陽炎「体力ないわねえ。いっつも引きこもっていたせいよねえ。昔は私達が息を切らしても追いつけなかったのに」



伊58「これだから都会っ子は」



不知火「ゴーヤさんはうちで最も体力ありますからね」



陽炎ちゃん「ちなみに都会っ子じゃないわよ。田舎でもないけど。というか、ここまで体力落ちていたとは思わなかった……」



瑞鶴「体力作りのために提督さんと朝に走るんだっけ?」



陽炎ちゃん「うん……島風の日課に付き合うことに……」



加賀「体力つけなさい。もはや不健康の領域よ」



伊58「……うーん、見れば見るほど昔の面影がないでち」



陽炎「ん? ゴーヤって私と不知火より長いんだっけ?」



伊58「ゴーヤは10年だからアブーと卯月より1年長いでち。まー、この陽炎が軍に来た時は今の乙中将が乙将席に着いてから。それから瑞鶴のあの提督半殺し事件が起きてからすぐ解体していったと聞いてはいたー。二人は同じ鎮守府だよね?」



瑞鶴「そうだねー……」



加賀「ええ……南方のほうで。正直この子があそこに来たのは驚きでしたが、てっきり将のところに行くかと」



陽炎ちゃん「それいったら加賀さんもでしょ」



加賀「駆逐艦と正規空母では違うのよ」



陽炎ちゃん「あー、航戦は別にしても戦力の偏りになるから将のところにはもともと正規空母がいて基本2名までなんだっけ……」



陽炎「やっぱり私より強かったのかしら?」



瑞鶴「残念ながらね」



不知火「ヒーロさんは子供の頃から不知火達のヒーローでしたからね」



陽炎ちゃん「昔の私はそんなに輝いていたのね……割と加賀さんからはきつく言われていたけど、愛の鞭でしたか」



加賀「……ええ、砲雷撃精度も高かったけれど」



瑞鶴「勝負勘と旗艦性能も半端なかったわね……でも一番は」



加賀・瑞鶴「航行術」



加賀「まだあなた以上の素質は見たことがないわ……」



陽炎ちゃん「すばしっこかっただけですよ」



瑞鶴「演習してた時は届くようで届かない。そんな感じだったかなー」



伊58「聞きたいけど、どーせ感覚の天才肌でち」



陽炎ちゃん「どっちかといえば感覚派なのは確かね。兵装の殺し合いの最後は理屈じゃなかった気はする…………」



陽炎ちゃん「それと、ぶっちゃけあの瑞鶴さんのあの件? あいつの指揮のせいもあるから胸がスカっとしたわ。いつかあの司令はシメられるとは思ってたし……」



瑞鶴「……まあ、悪いやつというより」



瑞鶴「提督に向いていなかったんだと思う」



加賀「そうね、根からの悪人だとは思わないわ。指揮に秀でたところはなくあまり努力もしない人でしたけど、鎮守府では明るい人で、いいところもたくさんありましたから」



瑞鶴「こいつ以外の駆逐はみんな好いていたもんね。ちょっと今の提督さんと似てるかも」



陽炎ちゃん「そういえば龍驤さんが解体したのもあの司令が絡んでたらしいわねー……昔から変わってなかったってことか」



瑞鶴「あー……後で龍驤から聞いた時はびっくりした。明るい話じゃないからお互い触れないようにしてるけど」



伊58「ところで皆は最終海域の仕様は聞いてる? この面子では陽炎不知火が未確定で、加賀は提督さんのほう。瑞鶴とゴーヤは丙と乙だから今回は提督さんの敵に回るでち」



瑞鶴「ゴーヤよ、ぶっちゃけあの提督さん敵に回すのめちゃくちゃ怖くない? 丙乙甲がバックにいるとはいえ、この鎮守府にいたせいもあって、勝てる気がしないんだけど……」



伊58「んー? ゴーヤはそうでもないでち」



伊58「色々と話は聞いて提督さんも見たけど、戦争終結してからはなんか雰囲気から怖さが抜け落ちて、なんだか今はもう丙乙甲の指揮のほうがって気がしないでもないよ?」



伊58「あの提督さんは確かにすごいとしか言えないし、ポンコツのゴーヤ達を部下に最強の鎮守府にまで持ち上げたでち。これ以上ない指揮官だったけど」



伊58「ゴーヤ達が勝てば、面白いでち」



伊58「ゴーヤ達がめちゃくちゃ優秀だったからこそ」



伊58「提督さんの指揮もすごかったって解釈のほうがいいな」



伊58「お礼的な意味合いで、あの提督さんも電ちゃんもわるさめもまとめて叩き潰して敗北の味を初体験させてやるでち」



陽炎「ゴーヤの根性の源はこういうメンタル面よね」



瑞鶴「なるほどねえ。ま、ゴーヤのいう通りか。おちびに関しては1度は叩きのめしてやりたいとは思っていたのよ。戦争中は敵わなかったけど、これがラストチャンスよね」



加賀「5航戦妹、今度は負けないわ。必ず七面鳥にしてやる」ギロ



瑞鶴「」



陽炎「私はパス。観戦でいいや」



陽炎「不知火は参加するでんしょ? どうする?」



不知火「司令のほうです。お誘い受けようかと」



陽炎「だよねー……」



陽炎ちゃん(やる気あるようで……)



陽炎ちゃん(あー……引きこもりたい)



陽炎ちゃん(こんな私より今の陽炎のほうが強いだろうな。私が届かなかったモノ、持ってるし)



陽炎ちゃん(小さい頃は犬にびびってた二人が)



陽炎ちゃん(世界に名の轟く英雄だものね……)






陽炎ちゃん「……」プルプル



不知火「なんだかんだでがんばるんですね」



陽炎ちゃん「びびったわ。200メートル走ってぜえぜえいうのはさすがにね……健康ではありたいし」パタリ



陽炎ちゃん「どうしても連続で30回出来ないわ……今年で私、いくつになるんだっけ……」



不知火「24です」



陽炎ちゃん「そっか……あ、春先なのに珍しいやつが」



不知火「トンボですか?」



陽炎ちゃん「薄翅蜉蝣(うすばかげろう)」



不知火「蟻地獄のやつでしたっけ? 昆虫に詳しいのですか?」



陽炎ちゃん「いんや、陽炎時代に何気なく図鑑を開いた時に、私と同じ名前だったからちょっとその項目を読んだだけ」



不知火「あ、分かります。不知火も気性現象の不知火のことを知ってますから」



不知火「鬼火の一種で正体は蜃気楼だとか。陽炎は小規模な気象現象ですが、不知火のほうが大きいみたいですよ」ヌイッ



陽炎ちゃん「ふうん。ま、あの陽炎よりは背もあんたのほうが大きいわよね。私は解体して長いから私が一番、大きいけど」



不知火「縦だけじゃないですか」



不知火「さっきからヒーロさんの周りをその薄翅蜉蝣が粘着して飛んでます。その子、損傷でもしているのでしょうか。不安定な飛びかたです」



陽炎ちゃん「こういう飛び方なのよ。カゲロウというだけあってひらひらと不安定で、つかもうとしてもかわされるみたいな。陽炎稲妻水の月のごとし」



不知火「すばしっこいとかなかなか捕まえられないという意味でしたか。あ、ヒーロさんの頭に止まりましたよ。そのトンボって羽を畳めるのですね」



陽炎ちゃん「うーん、珍しい」



陽炎ちゃん「この子が羽化するのは次の季節のはずなんだけどね」



【11ワ●:甲大将とガングートさん】



甲大将「お前、近場の教会にいたのか。クリスチャンなの?」



ガングート「こう見えても私なりに敬虔だぞ」



甲大将「信仰はなく知識しかねえが、神って救ってくれんの?」



ガングート「救ってくれるさ。考え方の違いがあるだけだ」



ガングート「私の育ての親は部族出身でな。家では眠っている者を起こしたら怒られるんだ。眠っている間は魂が体を留守にしているから起こしたら魂が戻って来なくなると」



甲大将「文化の違いってやつか。睡眠はコンビニみたいに能率化して管理的だよな。おかしな話ではある。リアリストは神を信じないやつが多いが、歯車になってる資本主義の思想根底には神の魂があるっつうのに」



ガングート「そうだな。資本主義は神に労働を捧ぐ思想だ」



甲大将「お前は労働する気がなさそうだよな。私もだが」



ガングート「あー……今回の騒動か」



ガングート「途中まではそれなりだったんだが、どうも戦後復興妖精や神風を眺めているとな、馬鹿らしくなってきた。休暇と割りきって楽しんではいるぞ?」



甲大将「それがいいよ」



甲大将「一連の話を聞いたが、やる気なくなったわ」



甲大将「男の提督連中はなんであんなに楽しそうなんだ」



ガングート「ハハ、男の子だからじゃないのか」



甲大将「んー、珍しく丙少将も楽しそうだったしな。私も馬鹿騒ぎは嫌いじゃねえんだけどいまいちやる気がなー」



ガングート「そういえば甲大将はメモリーを見たか?」



甲大将「中途半端なところだけは見た。マリアナんとこだけ」



ガングート「その後の当局との会話からハワイ漂流、レイテ突入、その後に戦後復興妖精は内陸に行って詐欺と政治やらやり始めるんだが、なんとも救われない物語だったよ」



甲大将「救われねえのか……まあ、今の戦後復興が答えだもんな。本当にあった最初期の映画ってだけで観る価値はあるか」



甲大将「バトルよりそっちのが興味ある。あの少佐君、私の先祖の次太郎だろ。私は信じてねえんだが家にグラマンF6Fでサマールの島を飛び回って深海棲艦と戦ったって伝えがあるんだよ」



ガングート「飛び回っていた」



甲大将「ちょっくら観てくるわ……」



甲大将「ああ、そうそう。私んとこも一応ラストは出るけど旗艦はガングートにすっからよろしくな。深く考えなくていいぞ。面子的にマジなやつはいないから、好きにして構わねえ」



ガングート「そうか。あなたの仲間達はどうする?」



甲大将「あいつらに負けんのはなんか癪だな」



ガングート「了解した。それと聞きたいんだが、駆逐艦で最も強い兵士は誰だ?」



甲大将「江風」



甲大将「っていってやりたいがその結論は親馬鹿ならぬ提督馬鹿かね。あいつも強いんだが、卯月辺りと同格ってところか。まあ、トランスタイプ含めるのなら電、次点でわるさめだろーよ」



甲大将「含めないのなら最後の海基準だと、そうだな、想力をロスト空間で兵器化出来るっつう点で」



甲大将「初霜改二」



甲大将「純粋な駆逐艦の兵士としてなら」



甲大将「響改二」



甲大将「そんなところだと思うぞ。見事に闇だらけだな。ああ、私には神風は計り切れねえや。話を聞いた限り、度胸とか根性が相当なのは分かるけど」



ガングート「……そうか。なるほど」



甲大将「?」



ガングート「私は少しやる気が出てきたぞ」



甲大将「ほう。そりゃ良かった。まあ、なんかあるなら悔い残さねえようにな。ラストだろうし」



ガングート「ああ。ずっと戦ってみたかった相手がいた」



甲大将「……、……」



甲大将「ま、それなら楽しんで来てくれ」



【12ワ●:戦後想題編 メモリー:2-2】


マリアナ海戦の筋書きはこうだ。

連合軍は敵深海棲艦勢力、空母棲姫を北方鎮守府の第一艦隊旗艦島風が特攻により撃破、同時に殉職。


これでうっとうしい立場は断ち切られ、本来の役割に戻る。


対深海棲艦海軍のテコ入れ作業、彼等と戦い、このように死んでいくだけでは数年で人類は敗北するだろう。ただでさえ選ばれた少女しか戦えない戦争だ。陸からの支援が必要不可欠だった。


島風(ちょっと! どうして海から逃げるの! このままじゃ……)


戦後復興妖精(サラトガが支援に来たし、放置しとけ。向こうは艦載機も補充出来るし、大鳳も中破程度の損傷だ。あいつはそれでも発艦可能な装甲空母な。敵の姫様はぶっ殺したから、後は突撃気質のザコを空から蹴散らして終わりだ。死ぬとしたら判断を誤った駆逐の清霜一匹くらいじゃねーの)


それだけいってもぎゃあぎゃあうるさいので無視を決め込む。


島風に身体の舵を取られないように細心の注意を払いながら、ロスト空間(想の海)の中でただ一つある我が屋の鎮守府に向かって、航行する。島風も私と同化した時に大体の情報を知ったはずだ。誰かが死んだらすぐにご対面することになるだろう。そうなればこのガキも黙ってくれるだろうか。


木材で作られたログハウスのある孤島が見えてきた。


砂浜で艤装を外して、そこらに捨て置いておいた。重い足取りで家の扉を開くと、そこにはパーパとマーマがそれぞれの作業に没頭している。「ただいま」と声をかけると、マーマから「お帰り」とそっけない声が帰ってくる。パーパは作業に夢中なまま、こちらに目を向けすらしなかった。


戦後復興妖精「パーパ、色々と話をしたいんだけど……」


当局「当局は深海妖精製作で忙しいのだ。猫の手も借りたいほどにな。だが、特別に休憩がてら聞いてやるのである。ここでうるさくすると此方が怒るので、そうだな、外に出るといい」パーパに腕を引っ張られるように連れ出された。下手打つとマーマの殺人衝動で殺されるからな。


島風「あなたがこの戦争を始めたんだってね!」案の上、島風の声が出る。「ふざけているにも程がある。こんなことやれるの、人間じゃないよ! 今すぐに辞めるべきです! 子供でも分かる!」


戦後復興妖精「こいつなんとかし