2017-12-13 21:42:56 更新

概要

提督と赤城さんの短編お話になります。
まだまだ初心者ですが読んでいただけたら幸いです。


前書き

キャラのイメージが崩れる恐れがあります。
無理という方はブラウザーバックをお勧めします。
概要を付け忘れたので加えました。


提督「」スヤスヤ


赤城「こら、提督、起きなさい」ペシッ


提督「ぅ...ん」ゴシゴシ


赤城「まったく...目を離した隙にこれですか」


提督「ごめんなさい...」


赤城「提督はまだ幼いですが仮にも軍人、ましてやこの鎮守府のリーダーです」


赤城「その貴方がしっかりしていただかないとこの艦隊の規律も乱れます、子供だからといって甘えないでください」


提督「き、気を付けますっ」







提督「えっと...摩耶さんの字はこうっと...」カキカキ


提督「...ど、どうですか?」


赤城「提督なんですから、艦娘の字を書けて当たり前です、いちいち聞かないでください」


提督「...ごめんなさい」




提督「ほ、報告書を書き終えました、確認をお願いします」


赤城「分かりました」


赤城「...提督、字が違いますよ」


提督「す、すみません」


赤城「謝らないで直してください」


提督「は、はぃ!」カキカキ


赤城「あと、ペンの持ち方も違います」


提督「えっ...あ、これで合ってますか?」


赤城「違います、いいですか?こうやってお箸を持つように握って...」


提督「...」ウトウト


赤城「提督、聞いてます?」


提督「...ん...あっ!起きてます起きてますっ」


赤城「...」







赤城「なことがありました...」


赤城「前はこんな事は無かったんですが…」


加賀「提督の身体に不調があったのではないかしら」


赤城「明石さんが不在で正確にはわかりませんが風邪っぽさはありませんでした」


加賀「艦隊の指揮に支障が出ては困るわ」


加賀「今夜、提督と話してみましょう」


赤城「そうですね」






ー提督の私室ー



提督「ここは...こうっと...」


コンコン


「加賀と赤城です、中に入っても良いかしら」



提督「!」


提督「ち、ちょっと待っててくださぃ!」



「...分かりました」



提督「い、ぃいですよ...」



赤城・加賀「失礼します」ガチャッ



提督「ご、御用はなんですか?」


加賀「おどおどしいわ、どうしたの?さっきもそうですが、何をそんなに慌ててるの?」


提督「!...ななな、何でもないですっ」


加賀「...」


赤城「落ち着いてください、今日はあなたの事でお話があります」


提督「はぃ...?」


赤城「提督、どこか具合が悪いところがありますか?」


提督「...ぃえ、大丈夫です」


加賀「隠さないでいいなさい」


提督「大丈夫ですって」


赤城「では、執務中の居眠りはなんですか?寝不足ですか?」


提督「!」ビクッ


提督「ぁ...ぅう...そ、それは頭痛薬を飲んで眠く...」


赤城「この頃、毎日ですか?」


提督「...そ、それは...その」


加賀「もういいわ、行きましょ赤城さん」


赤城「加賀さん?」


加賀「話す気がないならいいです、提督は早く寝なさい」


加賀「こんな時間に失礼したわ」ガチャッ


赤城「...では、おやすみなさい提督」


提督「お、おやすみなさい...」






赤城「加賀さん、やっぱり提督は...」


加賀「えぇ、あの子、何か隠してるわ。恐らく、夜ふかしでもしてるんだわ」


加賀「明日の午前1時に提督の部屋へ行ってみましょう」


赤城「...仕方ありませんね」




午前1時




加賀「赤城さん、起きてください」


赤城「むにゃ...加賀さん?」


加賀「提督の様子を確認しにに行くんでしょう?」


赤城「...そうでしたね、行きましょう」ゴシゴシ





赤城「ふぁああ...中途半端に寝ると眠いですね」


加賀「しっ、もしかしたら声や足音で提督に勘づかれるかもしれないわ」


加賀「なるべく音を立てずに行きましょう」


赤城「分かりました」




ー提督の部屋前ー



赤城「!...明かりがついてますね...」


加賀「はぁ、まったく...」


加賀「行きますよ」


赤城「えぇ」



ガチャッ



提督「!?!?」ビクッ



赤城「提督!一体何時だと思ってるんですか!?」


提督「ぇ...あぅ...」


加賀「しまいにはスマホですか、あと、その書類の束はなんですか?」


提督「...ぅ...」


赤城「そこに座わりなさい」


提督「...」ガクガク


赤城「そこに座れ!!」


提督「!」ビクッ


提督「はぃ...」


加賀「まず聞くわ、この書類達はなに?」


提督「...」


赤城「昼間にやらなかった書類を貯めてたんでしょう」


提督「...」


加賀「はぁ...呆れてものが言えないわ」





説教は朝まで続いた




加賀「もう朝ですか」


提督「...」シクシク


赤城「立ちなさい、大淀さんに遅延の事を謝りに行きますよ」グイッ


加賀「あと、スマホは没収よ...しっかり頭を冷やしなさい」


提督「...」シクシク





大淀「遅延・・・?」


赤城「はい、提督が貯め込んでいたみたいで...それに気づけなかった私にも非があります、本当に申し訳ございませんでした」ペコッ


提督「...」シクシク


赤城「ほら、提督も謝りなさい」ググッ


大淀「あ、赤城さん?その必要はありませんよ、提督は毎日、しっかり出してくれてます」


赤城「え...では、この書類の束は...?」


大淀「それは、もうすぐ進水日の赤城さんを祝うためにその日の分を前倒ししてやってるだけですよ」


赤城「そ、そんな...」


大淀「でも、提督も可愛いですね、プレゼントにミサンガを作ってあげるってそれで私のスマホで調べながらコツコツと」


提督「!」フルフル


大淀「あ、言っちゃダメでしたか、すみません」



赤城「提督...」



提督「」ゴシゴシ


提督「...えへへ」ニコッ









パシィッ!!










提督「...ぇ...え?」


大淀「ちょっ!?赤城さ」


赤城「ふざけないで!!進水日だから何?余計なお世話。第一に今は戦時中、そんな呑気に祝い事をしてる余裕などありません、夜遅くまで起きて前倒した分をやって、そして、なんですか、執務中に居眠り。艦隊の指揮がとれなくなったらどうするんですか!?もう少し提督としての自覚を持ちなさい!」


赤城「そんな余計な事をせず明日からちゃんと......」



提督「へへ...へ...へへへ...」プルプル



赤城「っ...!」



提督は笑っていた。


身体を震わせながら笑っていた。


顔が笑っていても目が笑っていない。


瞼をぐわっと開き、真っ暗な光の無くした眼で私を見つめていた。


黒と混ざった深い藍色の目【酷く悲しい】そういう感情が渦巻いている。




提督「・・・もういい」




バァン!!





赤城「提督!!待って!!」





赤城「そんな...見失った...!?」


赤城「どうしましょう...」


加賀「赤城さん!どうしたんですか?」


赤城「そ、それが...」



加賀「そんな...彼が...」


赤城「私...どうしたら...」


加賀「考えるのは後よ、まずは提督を探し出しましょう、私は鎮守府西棟に彩雲を飛ばします、赤城さんは東をお願いします」


赤城「...はい」




それから、数時間探し続けた



赤城「加賀さん、提督は...?」


加賀「残念だけど、いなかったわ」


赤城「そうですか...」


加賀「私は引き続き鎮守府内を探しますので赤城さんは周辺をお願いします」


赤城「はい、分かりました」




ー外ー



赤城「...少し冷えますね」ブルル


赤城「...提督」


赤城「私ったら、なんて酷いことを...」


赤城「まず先に濡れ衣を着せてしまった事を謝るべきでした...」


赤城「それに、叩かずに優しく注意してあげてれば、こんな事には...」


赤城「秘書艦...失格ですね」




ピピッ



赤城「彩雲の皆さん?」



ピ-ピピッ



赤城「見つけたのね...!場所は...崖...?」


赤城「早く行きましょう」






ー鎮守府周辺の崖ー





赤城「!...いました!提督!」




提督「...へへ...へへへ...」ジャキッジャキッ




赤城「...提督?」




提督「...へへ...なに?」ニカッ




赤城「!」




提督は口を三日月の様に鋭く大きく広げながら振り向いた


提督は笑っていた。


その笑顔は歪んでいた。


相変わらず目は真っ暗のまま、だが、さっきとは明らかに違う。


黒に紅色が混ざり、その目は怒りを孕んでいる。


提督は、軍刀と紐きれを手に握っていた。


紐きれは恐らくミサンガだ


先程のジャキッジャキッという音はそのミサンガを切っていたのだろう。


自分にくれるはずだったミサンガが無惨に切り裂かれたのを見ると心までもが斬られているかのような感覚が襲い胸が痛む。


謝らなければ。


私は胸の痛みを抑えて口を開いた。


赤城「提督、申し訳ございませんでした」


赤城「あの時、書類を貯め込んでいたと決めつけてそれを怒り、間違いを謝らずに提督を叩いてしまったこと、そして強く注意をしてしまった事を深く反省しております」


提督「で?」ニッ


赤城「私を秘書艦から外してください...」


提督「...」


提督「...違う」ギリッ


赤城「え...と...」


いきなり、彼の顔に険悪の形相が帯びる。

その小さな身体と童顔に見合わない程の

怒気、失望、悲哀が混ざった表情が私を圧倒した。


提督「僕にどうして欲しいの、何を求めてるの?」


赤城「...わ、私の事を許さなくてもいいので、今まで通り、提督に仕事をして欲しい...です」


提督「...」


提督「っ...」クスッ


提督「あははっ...ははははっ!辛くて苦しい仕事をまたやらなきゃなの?...あははははっ!」


提督「嫌だよ」


赤城「っ...!」


提督「まず、なんでこんな仕事をボクがやらなきゃいけないのさ」


提督「この国の皆の為?平和のため?そんなの知らないよ」


提督「他の鎮守府の提督は皆、大人、ボクだけ子供、おかしくない?」


提督「父さんが軍人だからってボクまで提督になる必要ある?」


提督「勝手に大人同士でやってろよ、ボクまで巻き込むな」


提督「母さんは死んじゃって写真でしか顔を知らないし、周りの人は皆冷たいし」


提督「必死に自分のやりたい事を抑え込んで、父さんや皆の言う事を聞いて」


提督「頑張って成し遂げても、皆が言うんだ。そんなの出来て当たり前って...」


提督「...っ」


提督「何が凄くて何が当たり前なの!?」


提督「どんなに努力して頑張ってもボクがやって来たことは全部当たり前の事だったの!?」



提督「...認めてよ...」


提督「誰か認めてよ!誰でもいいから褒めてよ!」


提督「っ!」ギロッ


赤城「...!?」ビクッ


提督「赤城さんの進水日が近いって聞いたから、お祝いして喜んで欲しかった」


提督「赤城さんはボクの前じゃ、いつも真面目でちっとも笑ってくれない」


提督「だから、せめて笑わせたかった!」


提督「眠いのを我慢して精一杯準備をしたよ」


提督「初めてやりたい事、好きな事が出来た」


提督「...なのに」


提督「余計なお世話だったんだ...」


提督「赤城さんまで冷たかった、みんなと一緒だったんだね」


赤城「そ、そんな...提督、ごめんなさい...私...そうとは知らず...」


提督「もういいよ、謝って欲しいとは思っていないから」


赤城「...」


提督「頑張って作ったミサンガももう必要ないから軍刀で切ってみた、少し力を入れただけで容易く切れたよ」


提督「壊すのって簡単なんだね...」


提督「だから、ボク自身を壊すのも簡単だよね」


赤城「て、提督!?なにを!?」


提督「生きてたって辛いだけだもん」


赤城「駄目です!それだけは!誰もそんなの望んでません!」


提督「他の誰かなんて知らないよ、ボクが望んでるんだ」


赤城「やめなさい!!」ガシッ


提督「!」


提督「離して...」


赤城「嫌です...」


提督「離してよ!」


赤城「嫌です、絶対に離しません」


提督「いいから離せよ!それこそ余計なお世話だよ!」


提督「本当にボクの為を思うんなら死なせてよ!」


赤城「嫌です...死なせません...」ポロポロ


提督「...なんで泣いてんのさ...意味わかんないよ」


赤城「...腹立たしいんです」


提督「何が?」


赤城「提督がこんなになるまで私が気づいてあげられなかった事が...腹立たしくて...」


提督「...知らないよ!いいから離せって言ってるだろ!」


赤城「貴方を死なせません...!」


提督「しつこいな!余計なお世」



ギュッ



提督「...何で抱きつくの」


赤城「提督...聞いてください...」


赤城「...貴方はただ...褒めて欲しかった...」


赤城「...誰かに...甘えたかったんですよね」


提督「!」


赤城「私は貴方に自分を高く見せようと無意識のうちに真面目ぶっていました」


赤城「甘えなんて許さなかった、提督なんだから出来て当然と決めつけていた、どこかで緩み出すと決めつけて褒めもしなかった」


赤城「...もう...そんな考えも捨てます」


赤城「一人にしてごめんなさい...これからは私がそばにいます」


赤城「だから、私に甘えなさい...もっと頼りなさい、貴方は子供なんだから」


赤城「大丈夫、私が貴方を受け止めてあげる...」


提督「っ...」


赤城「貴方は愛情を温もりを知らない...だから、私が教えてあげる...」


赤城「提督の母親になれるか分からないけど...頑張るから」


提督「...本当にいいの...?」


赤城「えぇ」


提督「...」ギュッ


提督「...温かい」


提督「」ポロリ


提督「...あれ、なんで...?涙が...」ポロッ


赤城「我慢しないで、全部吐き出して」ナデナデ


提督「ーーーっ」ポロポロ


提督は声を出さずに泣いた、これが彼の泣き方なのだろう。

そして彼は数十分、泣き続けた。



提督「...っ...っ...」


赤城「...おさまった?」


提督「...ぅん」


彼の眼には光が戻っていた。


そしてこれまでとは違う


瞳に橙色が灯り、優しさを抱えていた。






加賀「赤城さん」


加賀「提督はいましたか?」


赤城「...」ナデナデ


加賀「赤城さん?」


赤城「...泣き疲れて眠っちゃったのね...可愛い」ナデナデ


赤城「あ、加賀さん、大丈夫です、執務室に戻りましょう」ニコリ


加賀「...」


赤城「加賀さん、どうかしましたか?」


加賀「...いえ、戻りましょう」



この時の私の顔は我が子を見守る母親の顔をしていたらしい。






赤城「そこの字が違うわ...ここはこうやって書くの」


提督「うん、わかった」カキカキ


赤城「そう、それで合ってる、ペンの持ち方も覚えたのね、偉いわ」


提督「へへっ」ニッ






赤城「寝る準備は出来た?」


提督「うん」


赤城「...おいで」


ギュッ


赤城「ふふっ...甘えん坊さんね」


提督「っ...」スリスリ



愛らしい...。



提督「ここはこうやって...できた!」


提督「お母さ...」


提督「!...///」カァァア


赤城「ふふっ、見せて」



なんて愛らしい...。



赤城「全部、合ってるわ」ナデナデ


提督「...へへっ」



これからは私がこの子を守っていくんだ。



提督「あ、そうだ、これ!」スッ


赤城「これは...ミサンガ...」


提督「作り直したんだ、遅くなっちゃったけど」


提督「進水日、おめでとう!」


赤城「...」


提督「えへへ...」ニコッ







赤城「ありがとう...」ニッコリ









本当に愛らしい...。可愛い...可愛い...我が子。






THE-END


後書き

見ていただきありがとうございました。
当たり前って何でしょうね。
頑張ったのに認めてくれないというのは辛いですよね。ほんとひで。
今回はそんなのをお話にしてみました。
評価、コメントしてくれたら幸いです。

誤字脱字等がございましたらご指摘お願いします。


このSSへの評価

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SS好きの名無しさんから
2018-01-08 03:16:38

2017-12-13 23:23:56

SS好きの名無しさんから
2017-12-13 21:27:33

SS好きの名無しさんから
2017-12-13 20:51:57

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SS好きの名無しさんから
2017-12-14 07:58:20

2017-12-13 23:05:12

このSSへのコメント

1件コメントされています

1: SS好きの名無しさん 2017-12-14 08:01:16 ID: PS-LUTdI

可哀想と言うよりも後人を鍛えて後を託さない親父提督が悪い。
まるで秀吉だよ。


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