2017-12-19 00:15:18 更新

概要

これは本編では語られなかったノビスケの記録そして可能性

それは大きな夢であり、束の間の休息なのかもしれない


前書き

安定の気に入らない方は戻るを押すんだよ?


【第二部】短編集 第⒐5話 戻らない時間


第三章の刑務所にて


これはまだノビスケが脱出をする前の刑務所での話


刑務所編


【クッキーマイスター】


刑務所での労働作業でラインから流れてくるクッキーの選別をしていた


師匠「馬鹿野郎!!」ドゴッ


ノビスケ「ぐぁ!!」


師匠「これはなんだ?あぁ?」


ノビスケ「焦げたクッキーです」


師匠「たわけ!!」ドゴッ


ノビスケ「ぐはっ!」


「そんな殴らなくても」


ノビスケ「いいんです大丈夫ですから」


師匠「この黒焦げのクッキーがそのまま流れてきたが?危うく箱に入りかけていたが?あぁ?」


ノビスケ「はい・・・・」


師匠「お前は自分から弟子にしてくれと言ったよな?」


ノビスケ「はい・・・」


師匠「強制はしてない、辞めるなら今だ」


ノビスケ「俺は師匠を見た時凄いと思った・・かっこいいって思った!憧れだけじゃ終わらせたくないんです!やります!俺はやります!」


師匠「ふっ、では、ラインスピードを二倍にするぞ」


ノビスケ「はい!」


高速で流れてくるクッキー


その中から形の悪いクッキーや焦げているクッキーを取り除いていく


ノビスケ「ぐっ!(間に合わない!)」


師匠「ストップだ!!」


「へい」


ラインが止まる・・それは他のみんなも手を止めてしまう事だ


そうなれば遅れに遅れ・・責任者の師匠が怒られる


みんなにも迷惑をかけて師匠にまで・・・


ノビスケ「くっ・・・」


師匠「今日はここまでだ」


ノビスケ「俺はまだやれます!」


師匠「今日は終わりだチャイムが鳴ってるだろうが」


師匠「それとも?みんなに残業してくださいって頼むか?」


ノビスケ「・・・・すみません」


ー食堂ー


ノビスケ「・・・・・」


看守A「どうした?元気ないな食わないなら俺が貰うぞ」スッ


ノビスケ「・・・・・」バシッ


看守A「いてっ・・何かあったのか?」


ノビスケ「仕事が上手くいかなくて・・」


看守A「確か、あのおっさんの所だったな。あの人そんな厳しい人ではないと思うが?」そぉ〜と


ノビスケ「厳しいのは厳しいでいいんです。問題は出来ない自分にあるんですよ。師匠にもみんなにも迷惑をかけてしまって・・」バシッ


看守A「いっ、迷惑かける事が悪いことなのか?」


ノビスケ「何を言ってるんですか?当たり前じゃないですか」


看守A「迷惑なんてかけてなんぼだろ?迷惑のかからない奴ほどつまらない奴はいない」


看守A「きっとあのおっさんもお前にはかなり期待してるんじゃないか?じゃなきゃ厳しくはしない」


ノビスケ「そうでしょうか・・・俺には邪魔にしかなってないような」


看守A「はぁ・・ちょっと来な」


言われるがまま着いて行くともう誰もいないはずの仕事場に一人師匠がいた


師匠は一人仕事をしていた


黙々と流れるクッキーを取り分けていた


ノビスケ「っ!遅れた分をやってるんだ・・手伝わなきゃ!」


看守A「待て」グイッ


ノビスケ「うげっ!何するんですか!行かないと」


看守A「よく見てな」


ノビスケ「ん?」


よく見ると仕切りにラインを止めてはなにかメモをとっていた


師匠「やはりこの癖を直せば早くなるか後これをこうすれば・・」


師匠「ならこうすればいいか・・うむ」


ノビスケ「あれって・・・もしかして」


看守A「最近はいつもああやってんだよ。まるで誰かに教える為にメモまでとって」


ノビスケ「師匠・・・・」


看守A「あの人なノビスケが来るまではたまに仕事して後はサボってばかりだったんだ。だけどなノビスケが来てから人が変わったように仕事をしだしたんだ」


看守A「何ていうか目が違うんだよな」


ノビスケ「目?」


看守A「前と違って輝いてんだよあのおっさん何か生きがいでも見つけたのかね?」


ノビスケ「師匠・・師匠」


看守A「焦ることはないゆっくり一緒に頑張っていけばいい。そうだろ?」


ノビスケ「はい!ありがとうございます!師匠ぉおおお!!」ダッ


看守A「あ、行っちゃったよ」


看守A「・・・・・・・」


看守A「頑張れよ」


その後刑務所を脱出する前までには四倍の速さのラインスピードで仕事をしていた


みんなからはクッキーマイスターなんて呼ばれていたな・・


あと少し・・あと少しだけ時間があったならきっと師匠を越えていただろう・・いや、越えられるわけないか




【諦め】


歓迎会・・・


文字通り今俺は歓迎会の会場(トイレ)にいた凄く臭い


どうしてこうなったかと言うと・・


刑務所にいるみんなは良い人ばかりだ


やはり元極道だったりする人が多いだけはある


ちゃんと自分のルールというものを持っている


でも、そんな人ばかりではない


俺みたいな新人をよく思わない人達もいる


いつもこっちを気に入らないって顔で見ている二人がいる


でも不思議と怖くはなかった


刑務所の中だから向こうも迂闊に動けるわけもないだろう


それに万が一呼ばれても殺されはしない


そう思ってるからなのかな? それとも色々と諦めているからなのかもしれない


まぁ、どちらにせよ睨んでくれているだけなら害はない


それだけなら良かったのにね


自由時間に数人のおじさん達と将棋をやっていた時その一人から声をかけられる


舎弟「ちょっと来いや」


ノビスケ「え?嫌ですけど」


舎弟「あぁ?逆らうのか?」


ノビスケ「俺今将棋してるし」


舎弟「将棋?誰と」


ノビスケ「この人達と・・っていない」


気づくと向こうで将棋をしていた


こっちをチラチラと見ながら目で謝っているようだった


舎弟「暇なんだろ?来いよ」


ノビスケ「・・・・・・」


道行く道でみんなが怯えたようにこちらを見てくる


なんだろう女子校の時と少し似てるかもしれない


あの時のみんなの嫉妬が怯えに変わっただけだ


ここで大きな声で助けを呼べばどうにかなるかもしれないが


やめておこう・・・


あまり使われていないと思われる凄く汚いトイレに案内された


てか、入り口から臭い


いつか呼ばれるとは思っていたがトイレとは・・


舎弟「ここだ入れ」


ノビスケ「うわっ・・すげぇ臭え」


舎弟「おら!早く入れや!」ドン


背中を押される


ノビスケ「いっ、なんでこんな明らかに臭そうなトイレになんか入らないといけない」


舎弟「兄貴が待ってんだよ!早く行け!」


ノビスケ「なんで・・こんな」


舎弟「早く行けや!!」ドン


もう一度さっきより強く背中を押される


ノビスケ「わかったよ!」


仕方なくトイレの中へと入る


そこは小便器が四つと個室が二つある普通に学校や公共施設などにあるトイレだ


ただ、凄く汚い


何度も言うが汚い


その汚いトイレの一部でも違和感のないくらい臭そうなおっさんがいた


兄貴「よう」


ノビスケ「・・・・・・」


舎弟「兄貴が挨拶してるだろうが!返事しろや!」ドン


またまた背中を押される


痛みに耐えながら挨拶と思われる掛け声を返す


ノビスケ「よう」


舎弟「兄貴にそんな口きいてんじゃねぇぞ!!」ドン


背中がわりと痛い


ノビスケ「はぁ・・何の用なんですか?」


兄貴「お前が気に入らない」


なんとも率直で分かりやすい理由だ


バカな俺でも分かりやすい


だからこそ言える


ノビスケ「ふざけんな・・帰る」


そんなふざけた遊びに付き合ってる暇もない


舎弟「待てよ!」ガシッ


ノビスケ「触んな!!」バシッ


舎弟「この!!」


帰ろうとする俺を掴みそれを反射的に殴った


でも、相手は大人だ、俺の攻撃なんて痛くもかゆくもないだろう


やり返しに殴られた


ノビスケ「ぐぁ!」


凄く痛い


舎弟「兄貴!」


兄貴「やれ」


そこからは一方的に殴られ蹴られ


途中からもう一人も加わり


叩きつけられ 踏みつけられ、罵倒され


抵抗しようにも二人掛かりではどうにもならない


でも、途中で抵抗をやめた


俺はもう・・この刑務所に入った時から諦めていたんだ


信じる事も抗う事もやめてしまったんだ


人生に諦めていたんだ


このままここで歳をとって刑務所を出た頃にはもう俺の知ってるみんなは遠くに行っている


俺の経歴も何もかもボロボロだ


その中でもう一度やり直そうなんて思えなかった


一度の失敗でもう分かってしまった


もう俺は


変わる事なんて出来ない


身体から力が完全に抜けていく


???「それでいいのか?小僧」


兄貴、舎弟「っ!」


二人の攻撃が止んだ


兄貴「お、お前は・・」


???「お前?誰に口聞いてんだ?」


兄貴「極道さんどうしてこんな所に」


極道「ちょいと小耳に挟んでなつまらん事をしてる奴がいるってな」ギロ


兄貴「っ!」


舎弟「うっ!」


極道「小僧立てるか?」


ノビスケ「・・・・・」


痛む身体をゆっくりと立ち上がった


極道「うむ・・・・」


極道「汚ねえ目だ・・」


ノビスケ「・・・助けてくれてありがとうございます。これで失礼します」


極道「逃げるのか?」


ノビスケ「・・そうですね」


極道「俺は助けてやったわけじゃない勘違いするなよ?」


ノビスケ「貴方も殴りたいんですか?どうぞ」


極道「弱い者いじめはしない主義でな、ただ、喧嘩なら一対一でやれって事だ」


極道「おい、お前もそう思うよな?」


兄貴「は、はい!よし!かかってこいよ」


ノビスケ「・・・・・」


こんなのは言ったもの勝ちだ


公平に言っているように思えるが所詮あの男も向こうの仲間だ


よくいるいじめっ子とかでタイマンだとか言いながら仲間うちで囲みそれを一対一とか言うんだから呆れるを通り越して爽快だ


極道「小僧俺も弱い者がいじめられるのは見たくない。助けてくれというならー」


弱いか・・その通りだ


俺は・・弱い


でも・・・言われるのは腹が立つ


気付いたら俺は


ノビスケ「弱い?いじめ?俺が?黙れよお前」


極道「ほう・・・・」


弱さを否定した


何がしたいんだろう俺は


俺は・・・


俺は・・


俺は!!


ノビスケ「あああああ!!もう馬鹿らし!!」


極道「どうした?弱い者なら逃げてもいいんだぞ?怯えてもいいんだぞ?助けてやる」


色々と考えていたのが馬鹿らしくなってきた


と言うよりさっきからこの男の言ってる事が心にグサッとくる


いじめ、弱い、怯え、逃げ


俺がまだ荒れていた時嫌いだった言葉だ


どうやら俺はまだ昔の俺に未練があるようだ


昔の俺が言っているようだ


ノビスケ『考える前に動けよ!うだうだ考えて勝手に諦めてんじゃねぇぞ!』


変わろうとするばかりで昔の自分を全て否定してしまったんだ


前を見ようとして大事なものを置いてきてしまったようだ


この先辛いことが待ってるだろう


それこそ生きているのが嫌になるほどに


それでも・・・


後の事なんてその時に考えればいい


今があるから先がある


なら今を!!


全てはまだ許せないけど少しだけほんの少しだけ許せたかもしれない


ノビスケ「ふぅーーー」


極道「目つきが変わったな」


ノビスケ「来いよ歓迎会だろ?歓迎してくれよ」


兄貴「こいつ!!」


お互いが殴りかかろとする


相手の拳と俺の拳が当たろうとした時しゃがんだ


最初から正面から殴りあう気はない


悔しいけど正面からやりあうには今は部が悪い


兄貴「なっ!」


相手の拳がスカリ前のめりになる


そこですかさず膝後ろを蹴る


これをダイナミック膝カックンと呼ぼう


膝をついた奴の目の前には最高に汚れた小便器


やるなら今しかない!!


ノビスケ「掃除の時間だ」頭ガシッ


兄貴「や、やめ!」


ノビスケ「うぉおおおらぁああ!」


ガシャーーン


ふきふきふきふきふきふき


ノビスケ「・・・・」ふきふきふき


兄貴「ちょっ!やめっ!うえ!臭!」


舎弟「や、やめろ!!」ダッ


後ろから殴りかかってくる舎弟


ああいう感情的になってる奴は楽だ


身体を少し捻らせ避けると自分から小便器へ突っ込んでいった


そこをすかさず頭を掴み


ノビスケ「さぁ行こう」ガシッ


今度はゆっくりと小便器へと顔を近ずけさせる


ゆっくり


ゆっくり


小便器が迫る恐怖を味わう


舎弟「い、いやだ!いやだ!」


ピタッ


舎弟「いやぁあああ!!」


小便器が鼻へとソフトタッチ


そこからゆっくりと上下に動かし


ゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシ


ノビスケ「うぉおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」


それはまさに大根おろしのように


数分後ーー


ノビスケ「掃除完了」


極道「綺麗になったな」


ノビスケ「あの、ありがとうございます」


極道「なんのことだ?」


ノビスケ「いえ、なんでもありませんとにかくありがとうございます」


極道「よくわからんがまぁいいだろう。それより行くぞ」


ノビスケ「え?何処へ?」


極道「実はお前に用があったんだ」


ノビスケ「まさか・・」


極道「安心しろこいつらみたいな馬鹿な事はしない」


兄貴「うぅ・・うぇええ」


舎弟「がばがばがば!」


極道「俺もよここを出たら真っ当に暮らそうと思ってな・・娘にも会いたいしな・・」


極道「だからよ手伝ってくれないか?更生プログラムをよ」


ノビスケ「更生プログラムって確か日常生活をシュミレートしたゲームでしたよね?」


ノビスケ(まぁ、エロゲーだけどね)


極道「そうだ!それだ。どうしても先に進めなくてなお前の噂は知ってるぞ。一日でクリアしたんだってな」


ノビスケ「え、えぇ・・まぁ」


他の人達があまりに酷い選択肢ばかりを選び進まなくなってしまった時俺にコントローラーがまわってきた


思うままに選択肢を選んでいたらクリアはした


クリアは・・ね


最後に主人公がホモになってしまったが


ノビスケ「まぁ、いいですよ」


極道「おお!助かるぞ」


こうして何故か大勢の中でエロゲーの解説をしている俺がいた


これで本当にこの人達はここを出てやっていけるのか?別の意味で諦めという文字がまた出てきた


ノビスケ「ここで!男友達を選べ!友情大事!」



「「「おおおお!!」」」




【最高のクソゲー】


ノビスケ「・・・・・・・」


たくさんの人たちが今この大人数教室にいる


目の前には大きなディスプレーがありその前に立つ


ノビスケ「特別講師のノビスケです。よろしくお願いします」


手にはコントローラーを持ち


ノビスケ「それでは早速だが始めよう」


どうしてこうなったのかと言うと


看守A「ノビスケちょっといいか?」


ノビスケ「はいなんでしょう?」


看守A「聞いたぞ?更生プログラムで稀に見るいい成績をだしたとか」


ノビスケ「あ〜まぁ・・」


看守A「流石最近までは普通に暮らしてただけはあるか」


ノビスケ「それで何のようなんですか?貴重な自由時間を無駄にしたくないんで」


看守A「今日これから別の班の更生プログラムがあるんだが俺が担当なんだよな?でも、俺正直ああ言うの苦手でな・・それを言ったら給料減らすぞって言われてな」


ノビスケ「減らされたら?」


看守A「前に刑務所の中を案内したろ?そのせいでかなり減らされたんだぞ」


看守A「他の班には教えてやったらしいじゃないか」


ノビスケ「あれは・・・」


看守A「トイレでの件は見なかったことにしてやるからな?」


ノビスケ「気づいていたんですか!」


看守A「まぁなでも気づいたのは終わった後だったからな?」


ノビスケ「むぅ・・・」


看守A「とにかく頼むな!仕事場には言っておくから、これソフトな」


ノビスケ「はぁ・・・・・」


そして今にいたる


このゲームソフトは俺が初めて更生プログラムに参加した時にやっていたゲームの続編らしい


これの前作をクリアした所為でこうなってしまったのだが


ノビスケ「これからシュミレートしつつ解説をしていきます」


このゲームはジャンルが首かっきり系女子と言うよくわからないジャンルだ


一応恋愛シュミレーションゲームだ


ホラーではない


多分


主人公は高校二年生らしく


攻略対象キャラは四人いる


一人目が主人公の幼馴染みの


田中 美咲(たなか、みさき)


主人公が幼少期の頃からの仲で勉強に家事も一通り出来る


主人公が大好き


欠点と言えば事あるごとに首をかっきろうとすることぐらいだ


今の今までよく生きてこれたな主人公よ・・・


二人目が日本人と外国人のハーフの金髪美女


名前が・・


ヤローブッ、コロ、シャア


名付け親は出てこい!


前世の記憶を持っているらしい厨二病女子主人公の一つ上の高校三年生だ


鉄パイプを異様に嫌がるらしい


三人目が主人公の友人の妹で一つ下の高校一年生の


首屁 詩織(くびへ、しおり)


結婚したらマシの名前にはなるか


友人を通じて出会うらしいのだが事あるごとに首へし折っていい?と聞いてくる


みんな主人公の首に恨みでもあるのだろうか


そして四人目が主人公の妹で2つ下の中学三年生


佐藤 真由香(さとう、まゆか)


主人公の父は一度離婚しており再婚相手の連れ子だ


血の繋がりはないが兄妹だ


口癖が近親相姦ダメ絶対らしいがそれしか言わない


選択肢も近親相姦ダメ絶対しかなく主人公も妹には、そうだな、ダメだな絶対としか言わない


攻略出来るのか?無理だろ


初めて会った瞬間から、近親相姦ダメ絶対て言う子をどうしろと


隙あれば首に噛み付く


主人公は獲物か?


そして、エロゲーやギャルゲーなどでお馴染みの親友キャラは


首屁 棐(くびへ、しおる)


兄妹揃って恐ろしい名前だ


説明文には男のように見えて実は男であると言う意味不明な説明があった


必要か?その説明


彼は女の子の好感度やアドバイスをくれるいい奴なのだが、事あるごとに首へし折ると言う


まだ、聞いてくる妹の方が可愛く思える


てか、それは・・本当に親友ですか?


と、簡単に説明したところでゲームを始めた


どれを攻略しようか迷ったがここは唯一首への恨みがないヤローブッ、コロ、シャアさんにしよう


名前はあの名作映画を連想させるがそれは些細な事だ


金髪だしそれにデカイ!


ゲームは主人公が学校に遅刻しそうになり急いで向かっているところ曲がり角でおっさんとぶつかるところから始まった


佐藤『遅刻だぁ!!』


ドン


おっさん『あふん』パンチラ


おっさんって・・てかなんでスカートなんだよ!


ちなみに主人公の名前は


佐藤 砂糖(さとう、さとう)だ


親はきっと主人公の事が嫌いなのだろう糖尿になれと心を込めてつけたのかな?


主人公の名前は変えられるようなので変えることにした、このままだと苗字から名前で呼ばれるようになっても意味がない


それはこのシュミレートの仲良くなる過程をやる上であまりよくない


何よりも主人公の将来の為に


佐藤 一樹(さとう、かずき)


まぁ、こんなもんだろう


名前を決めたあと再び画面を見ながらプレイを再開する


おっさんの見たくもないパンチラを目撃した主人公は朝から最悪の気分で学校へ向かうのだった


そこへ後ろから幼馴染み田中美咲がやってくる


手にはカッターが握られている


美咲『一樹、おはよう!』シュッ


一樹『ん?』


ここで選択肢が出る


☆避ける


☆受け止める


☆舐める


この選択が出る事すらおかしいが一応みんなに聞いてみる


「嬢ちゃんの気持ち受け止めてやろうぜ」


「あぁ」


「舐めようぜあの子も一緒によ、ぐへへへ」


「避けてからの押し倒しだ!」


みんな論外ですね


勿論避けるを選んだ


批判の声が上がる中ゲームは進む


次の選択肢が来るのにそう時間はかからなかった


幼馴染み田中美咲との死闘で学校を遅刻してしまった佐藤一樹は門前にいる体育教師に叱られていた


体育教師『これで何度目だ?あぁ?佐藤よ!』


一樹『いや、その・・・』


選択肢が出た


☆素直に謝る


☆先生は今まで食べたパンの枚数を覚えてるか?っとドヤ顔で人差し指を立てて言う


☆木を伝って学校へ入ろうとする同士(田中美咲)を先生に報告する


☆先生を倒して通る(なお、女の子の好感度が友達以上だと一緒に戦ってくれるぞ)


これだったらやはり素直に謝るが正解だろう


「戦え!!」


「そうだ!」


「先生を冥土へ連れて行け!」


「この小僧嫌いじゃないぜ?やれ!」


どうやら闘争心の高い人ばかりのようです


俺は素直に謝るにカーソルを合わせボタンを押そうとする


「小僧!逃げるな!この画面の主人公の目を見ろ!」


「ああ、こいつは謝る玉じゃねぇな!」


ノビスケ「・・・いや、でも」


「逃げるな!」


ノビスケ「わかりましたよ!」


先生を倒すを選んだ


するといきなり主人公佐藤一樹の服がビリビリに破れ高校生とは思えない筋肉モリモリのマッチョマンになる


一樹『先生来いよ・・終わらせようぜ?』


先生『よかろう!いざ参る!』


ファイナルラウンド


ファイ!!


ノビスケ「格ゲーになった!」


適当にコントローラーを押しまくった


先生『虚空陣奥義・・・』ギュン


一樹『昇◯拳』ドゴッ


先生『うわぁ・・うわぁ・・うわぁ』


KO!!


一樹『安らかに眠ってくれ』


見事先生を冥土へ送った主人公は元の体に戻り何故か無事だった制服を着て教室へ


服・・破れてたよね?


ノビスケ「ん?」


ほらな?俺達の言った通りだと言わんばかりの視線でこちらを見てくる


これ正解のルートなのか?主人公犯罪者になったが


ノビスケ「こっちじゃなくてみんな画面見てくださいね」


教室の席に着いてひと段落する主人公


ここで友人の首屁棐が登場する


棐『遅かったな』


一樹『ちょっとゴミ掃除をしていたんだよ』


棐『へぇ〜そうなんだご苦労さん。それはともかく首へし折る!』


一樹『っ!』


選択肢が出るんだろうな・・


先生『そこ!うるさいぞ!』シュッ


先生の手から放たれた高速のチョークが友人首屁棐の眉間を貫通した


力なく倒れる友人に対して


一樹『すみません廊下に立ってます』


その一言で済んでしまった


昼休みになり屋上へ流れるように行った


普通に閉まってる鍵を主人公佐藤一樹は数秒で解鍵


そして何故かその閉まっていた屋上に人影が


なんか色々と無理矢理感が否めない


それは今回の攻略キャラ


ヤローブッ、コロ、シャアさんだ


そこで何故か一緒にご飯を食べて仲良くなる


お互い屋上に来た理由は触れないのな


放課後になり保健室に友人の見舞いに行った


ここから行きたい場所を選択出来るようだ


そこには友人の他に女の子がいた


友人の妹との首屁詩織だ


詩織『っ!』


棐『やぁ、来てくれたのか』


一樹『まぁな、大丈夫か?』


棐『これくらい平気さ、それより首へし折る!』


詩織『お兄ちゃん今は大人しくする!』


一樹『ははは、可愛い妹さんだね』


詩織『可愛いだなんて・・その・・佐藤さん首へし折ってもいい?』


選択肢が出る


☆いいよ


☆痛くしないでね


☆帰宅部の練習の時間だ帰ろう


☆木から降りられなくなってる馬鹿(田中美咲)を助けに行く


ノビスケ「うむ・・・・」


普通に考えればマシなのが帰宅部かな?


てか、幼馴染みは木から降りられなかったのかよ


助けに行くと幼馴染みルートになりそうだ


ここは


「助けに行かないとな」


「困っとる人がおったら助けたらなな」


ノビスケ「やはりみなさんはそう思いますか」


ノビスケ「ですが、ここは帰りましょう」


「小僧見捨てるのか」


ノビスケ「何かを成すために何かを犠牲にしなければいけない」


ノビスケ「貴方達ならわかりますよね?」


「・・・・・・・」


「小僧・・好きにせえや」


ノビスケ「はい」


ゲームだから言える事だか本当に・・現実でそうなったなら俺は多分選べない


これがゲームで良かった


その後ヤローブッ、コロ、シャアさんとの仲を深めていった


妹の佐藤真由香はまず意思疎通から不可能なので基本無視


部屋に行かない限りイベントが進む事はない


真由香『・・・・・』じーーー


そして遂にヤローブッさんとデートの約束をする事に成功した


ノビスケ「はぁ・・疲れてきた」


「小僧変わろうか?」


ノビスケ「いえ、大丈夫ですよ」


なんやかんやで少し続きが気になってきていたりする


今変わればきっとノーマルルートかバットルートだろう


俺はなんとしてもヤローブッ、コロ、シャアさんとゴールインしたい


ゴールインって卑猥な意味じゃないからね?


そこからもどうにか順調に進んでいった


妹が引きこもりになったり首屁兄妹との死闘を繰り広げ


やっとここまで来た


ヤローブッ、コロ、シャアさんを名前の呼び捨てで呼ぶくらいまで仲良くなり


遂に彼女の核心に触れる


ここで失敗したならきっとバットルートだ


気合を入れてコントローラーを持つ


今なら2フレームで昇◯拳が出せる気がする


彼女のグリンベレー同好会が潰れかけた時彼女はトラウマの前世の記憶で今まさに押し潰されそうになっている


ヤローブッ『怖い・・怖い・・一樹』


このままでは駄目になってしまう


ここで彼女の前世の話を聞いた


彼女の前世は傭兵だった


それはそれは強い傭兵で


瞬きする間に一瞬で終わらせるほどに


しかし、彼は大きな失態をおかしてしまった


それはある100万ドルポンっとくれた依頼主から少女を拉致るように言われ拉致ってしまった


依頼主からは大金を貰い、その少女の父親にも恨みがあった彼は


喜んだ


しかし・・・それは彼にとっての鬼を生み出す・・いや、復活させてしまったのだ


その父親は元コマ○ドー部隊の一員


依頼主は殺され部下達も失い


その父親と一対一になった


それは彼が望んだ事だ


銃を捨て人質を捨てた


彼なりのプライドがそうしたのだ


片手に握られたナイフを構える


結果は酷いものだった


電話ボックスを投げられる狂人に勝てる筈もなく


最後には


鉄パイプで


ズサッ


『大佐・・・・・・』バタッ


死んだ


彼女は毎日その夢を見る


どんなに頑張っても最後は鉄パイプを投げられる


そして腹を貫き己が血肉がパイプから流れ出る


でも、彼女は耐えた


だって彼女にはグリンベレー同好会(何をするかは本人も分からない)があったからどうにか耐えてこれた


しかし、そのグリンベレー同好会も部員は彼女と主人公だけだ


潰れる事になり彼女は唯一の在りどころを無くした


今彼女は不安で怖くて何処から鉄パイプが飛んでくるか怯えている


あと電話ボックスも


そんな彼女に答える最後の選択肢


一樹『・・・・・・・』


みんなが息を飲む


俺も手に汗を握った


昇◯拳のコマンドを何度も何度も頭の中で練習する


てか、これしか出来ない


いつ始まっても大丈夫だ


開始早々かましてやる


最後の選択肢が出る


最後というだけあり選択肢はたくさんあった


この中から・・正解を選ぶのはむずか・・・・


☆ビールでも飲んでリラックスしなよと言いながら彼女のポケットに20円入れる


☆筋肉モリモリマッチョマンの変態になる


☆甘ったれるな!と鉄パイプで殴る


☆大丈夫、俺が守るから・・絶対にと言いつつ抱きしめる


☆首屁兄妹との最終決戦に備える


☆木から降りられなくなっている遭難者(田中美咲)をいい加減に助けに行く


☆鉄パイプを持ち全てを終わらせる


ノビスケ「これってどう見ても抱きしめるが正解だよね」


「小僧本当にそれでいいのか?」


ノビスケ「え?」


「それは彼女の為の選択なのか?」


ノビスケ「彼女は今苦しんでる!なら、手を差し伸べてあげるのが!」


「手を差し伸べて?一生守るのか?ん?」


「本当にそれがいいと思うならそれでもいいさ。それもまた一つのあり方だ」


「だけどな?俺たちの世界じゃこんなのはただの甘えだ!その場しのぎにしかならない事を覚えておけ」


ノビスケ「・・・・・・・・」


本当にこれが正解なのか・・・みんなはどうして駄目だと思うんだ?


考えろ・・・・


彼女の為の選択


その場しのぎ


甘え・・・


ノビスケ「っ!」


確かに抱きしてやれば彼女は安心するだろう喜んでくれるだろう


でも、その後はどうなる?


トラウマがなくなったわけじゃない彼女は一人になるたびにそれに怯えるようになり


結果・・主人公に依存してしまう


ノビスケ「これは・・酷いな」


「小僧時間はまだある一つ一つ考えてみな」


看守B「あの〜そろそろ時間で・・」


「なんか言ってるな」


「あぁ?」


「聞こえんぞ?あぁ?」


看守B「あ、まだ時間あった〜はははは」


「小僧まずは一番上の選択肢からだ」


ノビスケ「一番上・・」


☆ビールでも飲んでリラックスしなよと言いながら彼女のポケットに20円入れる


ノビスケ「一見ふざけた選択だ。だけど!」


どんな選択肢にもそれなりの意味がある


ゲームだからと舐めていたのかもしれない


考えろ俺は今主人公の気持ちになるんだ!


ノビスケ「そうか!確かこの時主人公の父親は会社が上手くいかず帰ってはビールを浴びるように飲んでいた描写があった筈だ!」


ノビスケ「あれはアルコールに頼った現実逃避!主人公は彼女にビールを飲んで全てを忘れろと言っているんだ!」


ノビスケ「でも、家にないかもしれない。だから主人公は今持ってる全財産20円をあげたんだ」


ノビスケ「値段はあれだけど全財産をあげるこの意味」


「全財産をあげるそれはこの先の人生をかけるも同然それほど心配してる」


ノビスケ「それを悟られたくないからわざと気さくに言ってるのか!」


「そうだ、分かってしまえば彼女はまた傷ついてしまうからな」


ノビスケ「主人公の覚悟と優しさに俺は・・・」


「泣くのは早いぞ!」


ノビスケ「あぁ、そうだな。でも、これは違う」


「何故だ」


ノビスケ「抱きしめるのと同じさその場しのぎにしかならない。下手したらそうやって酒に逃げるようになって・・酒に依存してしまう」


「待っているのはアル中の道だな」


「かつて俺がそうだった・・・小僧辛いぞ?」


「酒飲みてぇ・・・」


ノビスケ「あぁ、答えはまだ見つかってないけど分かるこれではない!」


ノビスケ「そんな事はさせない!次だ!」


☆筋肉モリモリマッチョマンの変態になる


ノビスケ「これは・・・・」


どういう意味だ?筋肉モリモリマッチョマンの変態ってなんだ?


言葉通りだと筋肉モリモリでマッチョマンでパンツでも被ってればいいのか?


それになんの意味が・・・


分からない


ノビスケ「主人公の気持ちになるんだ」


筋肉モリモリマッチョマンこれはやはり強さを意味している


何処から鉄パイプが飛んでこようと守ってやる!この筋肉で防いでやるって意味だろう


でも、変態はなんだ?


ノビスケ「っ!」


紳士だ!!


ある人が言っていた


変態とは紳士であると


変態紳士になれと


そう、あれは数年前に家のベランダで下着を漁っているい人が言っていた


「男なら誰でも変態と言う名の紳士なのさ!変態紳士にな、ちょっ!やめっ!ぎゃあああ!」


問答無用でボコボコにして通報したけど


ノビスケ「うん、これも違うね」


紳士になったところで彼女は変わらないだろう


主人公が通報されて終わるだろう


ノビスケ「次だ・・・」


☆甘ったれるな!と鉄パイプで殴る


ノビスケ「これは駄目だろ・・人として」


何人か「え?」と言っていたが当たり前だろ


暴力は何も生まないし生んだとしてもそれは復讐心くらいだろう


ノビスケ「次だ」


☆首屁兄妹との最終決戦に備える


ノビスケ「もうあの兄妹には関わりたくない」


何度首屁兄妹の所為で死んだか


一々意味のない、はい、いいえの選択肢が多すぎる


たまに、はい、いいえの選択肢の順番が変わってる時もあったし


お陰でよく見ないで押して何度死んだか


ノビスケ「うん、これはないね」


ノビスケ「はぁ・・次」


段々と疲れてきた


もうこの手でリセットボタンを押したいが


この人達の視線がそれを許さない


☆木から降りられなくなっている遭難者(田中美咲)をいい加減に助けに行く


ノビスケ「・・・・ずっと木の上にいるのかよ」


この田中美咲は好感度でいうと最初の時点でもうカンストしてるらしい


だから、田中美咲のルート以外は基本木の上にいないと他のヒロインとのイベントを壊してしまうらしい


だけど今までも所々の選択肢で彼女を助ける選択肢が出てくる


その度に彼女の呼び方が変わる


最初は馬鹿から始まり今では遭難者になっていたりする


そろそろ助けてあげたいが


ノビスケ「助けたら美咲ルートだろうな」


これもなしだ


そしてこれが最後だ


☆鉄パイプを持ち全てを終わらせる


ノビスケ「全てをか・・」


俺は何故かこの選択肢にカーソルを合わせて


「それにするのか」


ノビスケ「あぁ・・全てを終わらせよう」


押した


彼女のトラウマも全てを終わらせよう


一樹『全てを終わらせる!!』


何処から出したか分からない鉄パイプを持ち


地面に刺した


ノビスケ「ん?」


一樹『うぉおおおおお!!』


地面が大きく揺れ鉄パイプが光に包まれ


やがて地面が割れ龍のようなものが出てくる


ノビスケ「んん?」


一樹『お前の!トラウマもしがらみも過去も前世の記憶もついでに期末テストの結果も全て終わらせてやる!!』


ノビスケ「・・・・・・・」


ヤローブッ『一樹やめて!そんな事をすれば』


一樹『覚悟の上さ!』


ノビスケ「・・・・・・」


一樹『ぐっ!力が足りねぇ!』


ヤローブッ『私の私の力を使って!』


一樹『いいのか?』


ヤローブッ『いいの使って一樹』


一樹『ふっ、分かった』


???『いけません!そんな事はさせません』


一樹『お前は!』


???『私は学校の前にある木の精霊よ』


一樹『みさきぃいいいい!!』


木の精霊『田中美咲という名はもう捨てました。それより今すぐやめなさい!この世界を壊す気ですか?』


一樹『この世界に未練などないわ!』


ヤローブッ『邪魔するなら容赦しない!』


木の精霊『そうですか・・ならもう終わらせるしかありませんね。貴方達を!』


一樹『小賢しい!大人しく木の上で生涯を全うしておればいいものを!』


ヤローブッ『もう殺っちゃおうぜ』


ノビスケ「・・・・・・」


一樹『さぁ!始めよう世界をかけた戦いをよ!』


木の精霊『これは私の不始末・・もっと早く貴方を殺せる事が出来たならこんな事にはならなかった・・もっと本気であったなら・・・いえ、言っても仕方ありませんね・・一樹!!』


一樹『美咲!!やろー!!』


ヤローブッ『ブッコロッシャァアア!!』


ノビスケ「だぁあああ!!もう無理だ!!」


プツン


今まさに戦いが始まろうとした瞬間画面と俺がプツンと二つの意味で切れた


みんなはなんだ!と騒ぎ出す


いいところだったのによ、などという奴までいる


もう限界だった


ノビスケ「なんだよこれ!!ふざけんな!!こんなクソゲーやってられるか!!」


ノビスケ「なんでいきなり鉄パイプで地面割れてんだよ!いきなりファンタジーいれてんじゃねえよ!青春学園ラブコメとかじゃないのかよ!」


ノビスケ「いや、ファンタジーはいいよ。学園ファンタジーとか結構さ?良さげな感じではあるよ」


ノビスケ「いきなり過ぎるだろ!なに?いきなり世界を股にかけた戦いが始まってんの?いきなり最終決戦?おかしいだろ?」


ノビスケ「てか、なんで主人公魔王みたいになってんの?ヒロインの子はその側近みたいになってるしさ?性格悪そうだし!主人公に何があったの?あの鉄パイプを地面に刺す数秒に何があったの?確かにあのくらいの歳は色々と変わっていく時期ではあるけど変わるってレベルじゃないんだよ!もう別人だ!どうしてこうなったの?凄く知りたいよ!」


ノビスケ「それに!美咲!どうした美咲!何があった!ずっと木の上で放置されてたから精霊になっちゃったの?受け入れちゃったの?他にやり方あったでしょ?」


ノビスケ「しかも美咲が主人公を隙あらば首を狙ってた理由がここで回収されるのかよ!まぁ、そこはとりあえず納得はするよ!一応理由はあったんだな!て事は・・あれ?一番まともなのって美咲じゃねぇか!」


ノビスケ「一人でもまともなのがいてよかったよ!ってまともなわけないだろう!」


ノビスケ「こんだけプレイヤーを置いてけぼりにするゲームなんて初めてだよ!」


ノビスケ「クソゲーだ!こんなのやってられるか!ハァ・・ハァ・・」


コントローラーを叩きつけてその場を後にする


言いたいことがあり過ぎておかしくなりそうだった


この時の俺は完全に危ない人だ


ここが刑務所で良かった・・


ノビスケ「もう頭がいてぇえええ!!」ダッ


「・・・・・・なんだ?今のは」


「最近の若者はわからんな」


後から聞いた話だとこのゲームを作った会社はとっくの昔になくなっておりその残ったゴミ(クソゲー)を独自のツテで譲り受けたらしい


そしてそれを捨てるのも勿体無いので有効活用しようという事になったらしい


いわゆるゴミ処理である


全くもってふざけている


この一日で俺は講師を降りた


この後シュミレーターを受けてはいないが


あの一件もありましなものにはなったと聞くが


まぁもう関係のない話だ


やはりゲームは一日一時間という事だ


それから脱出後


ノビスケ「・・・・こんなクソゲーでも捨てられないんだな・・」


とある部屋にはそのゲームがあった


在庫セールでただにも等しい値段で売ってあり


気付いたら買っていた


やる事もなくただそこに飾られていた


クソゲーでも何故か心に残っているから


まぁ、プレイはもうしないがな


いや、出来ないと言った方がいいだろう


命の危険に関わるからな・・・本当に




【あったかもしれない未来・・】


「行きな小僧生きろ」


ノビスケ「なにを言ってるんだ!俺も戦う」


「邪魔なんだよさっさと行け!」


メイド「みんなの思いを無駄にするんですか?」


ノビスケ「っ!・・ありがとうございます・・絶対死なないでください!」ダッ


メイド「・・・・・私は」


「ふっ!お前もまだ若いこんなおっさんはほっとけこれからだろ?行け」


メイド「ありがとう・・」ダッ


「行ったか・・当初の作戦とは違うが・・気合入れろお前ら!」


おおおおおおおおお!!


メイド「ノビスケさんこっちです!急いで」


ノビスケ「くっ!・・・」


メイド「みんな貴方に託したんですよ前を見なさい!」


ノビスケ「なんで・・俺なんか」


メイド「その答えは今見つけなくてもいいんです。ゆっくり探せばいいのです。その為の人生だから」


ノビスケ「・・メイド・・そうだな!まだ、時間はある探すよ」


メイド「はい貴方なら見つけられます」


メイド「ここを曲がってください!」


ノビスケ「はい!」


メイド「次は広場を通った方が近いです!」


ノビスケ「広場だな!」


ーー広場ーー


ノビスケ「・・見逃してはくれないよな」


メイド「・・・・・読まれていたのね」


看守A「めんどくさい事しやがってよ・・囚人共全員を使うとは」


ノビスケ「全員?そんな筈はない逆に俺を殺そうとしている奴らもいた」


メイド「気づかなかったのですか?」


メイド「あれは全部演技だったんです」


ノビスケ「・・・・え?」


看守A「知らないのかよ・・」


メイド「ああやって騒動を起こしてノビスケさんが逃げる時間を稼いでいたんです。争っていたように見せたのは看守長の判断を遅らせるため」


ノビスケ「判断って・・」


メイド「邪魔者の排除です。こっち側の人間がいたら排除は出来ませんからね・・まぁそれも時間の問題です」


ノビスケ「じゃあ!あいつらは死ぬのをわかって!」


メイド「はい・・そうです」


ノビスケ「なんで言わなかった!」


メイド「言ったらついて来ましたか?」


ノビスケ「戦った!」


メイド「そして仲良く犬死ですか?」


ノビスケ「犬死って!メイド!」


メイド「あの時逃げなかったら皆なんの為に命をかけた事になるの?犬死させたかったの?」


ノビスケ「っ!・・それは」


メイド「ノビスケさん戻りますか?」


ノビスケ「くっ!・・・進むよそれしか出来ないんだ」


ノビスケ「だから!どけ!看守A!」


看守A「無理だ!はははは」


ノビスケ「看守Aさん!あの時言ってたあやめってもしかしてー」


看守A「言うな!何も言うな!」


ノビスケ「あやめは!」


看守A「黙れ!」シャキン


ダッ


メイド「来ます!」


ノビスケ「無事です!病気も治って元気にしてます!今度会いにー」


看守A「っ!俺にそんな資格はない!」シュッ


メイド「あぶない!」サッ


ノビスケ「っ!資格?ふざけやがって!!」


ノビスケ「どけ!メイド邪魔だ!兄貴なら会いに行ってやれよ!!」シュッ


スパッ


看守A「なっ!」


メイド「っ!」


ノビスケ「ぐっ・・」


メイド「ノビスケさん!!」


看守A「馬鹿か・・お前は馬鹿か!ナイフ相手に素手で!」


ノビスケ「ちょっと手が切れただけだ」


メイド「よくも!!」


ノビスケ「メイド落ち着いてくれ大丈夫だから」


メイド「くっ!」


看守A「次は急所に当てるぞノビスケ!」


ノビスケ「・・・・・」


看守A「ほら、拾え!そいつで俺を殺してみろ」


ナイフが床に投げられる


何故敵に武器を渡すんだ?


やはりおかしい


冷静に考えろ


ノビスケ「いらないそれより話を聞け」


看守A「うるさい!!」ダッ


シュッ


ナイフが近づいてくる


正直怖いもし刺さったら痛いだろうな


死ぬのかな・・・


でも、こんなのあやめが・・今まで頑張ってきたあやめが!


ノビスケ「っ!!」サッ


看守A「避けただと!」


わざとらしい・・・


素人の俺が見ても慣れているのが分かる


ノビスケ「聞き分けの悪いお前はぁああ!!」


もし今のが本気なら避けられはしなかっただろう


やはり看守Aさんは殺す気はないんだ


良かった・・


でも


隙の出来た看守Aに大きく振りかぶり


看守A「あ、やべ」


その拳を振り下ろした


ドゴォン!


看守A「ぐはっ!!」


大きくぶっ飛び倒れる


一発ぶん殴らせろ


それで俺は許す


ノビスケ「残りはあやめさんから説教だ」


看守A「・・・・・ははは」


看守A「そりゃあ・・怖いな」


ノビスケ「生きてください看守Aさん生きてあやめさんに会ってやってください。頑張ってきたんです。たった一人で」


看守A「・・・俺はもう・・汚れてしまってる今更・・」


ノビスケ「それでも!たった一人の家族でしょ!兄貴が妹に会うのに権利なんて資格なんていらない!」


ノビスケ「会ってこれからを支えてあげてください」


ノビスケ「他でもない貴方しか出来ない」


看守A「・・・・・・」


ノビスケ「・・・・・・」


ノビスケ「メイド行こう」


メイド「ですが・・」


ノビスケ「大丈夫さ看守Aさんならね」


メイド「そうですね」


ノビスケ「とにかくここを出なきゃ・・でも」


メイド「皆さんが心配ですか?」


ノビスケ「時間稼ぎにしかならないなら時期にみんな殺される・・それを知って逃げるなんて」


メイド「ですが・・皆さんの想いを無駄にするつもりですか?」


ノビスケ「無駄か・・いや、無駄にはしない!」


メイド「では、早く逃げましょう」


ノビスケ「まだ、看守長はまだ迷ってるんだよな?なら!」


メイド「まさか・・看守長を」


ノビスケ「まだ間に合う看守長がみんなを殺す前に捕まえてぶん殴ってやる!」


メイド「無茶です!こうなった今簡単に姿を現したりしません!」


メイド「何処にいるかも分からない」


ノビスケ「無茶でもなんでもやる!まだ間に合うんだ!なのに逃げるのかよ!そんなの嫌だ!」


メイド「では、聞きます・・どうするのですか?」


ノビスケ「手当たり次第に部屋という部屋へ行けば、この刑務所の何処かにいることは確かなんだ」


メイド「あれが見えます?」


ノビスケ「ん?所々にあるパイプのような穴か?まさか!その中に!」


メイド「違います。真面目に答えてくださいあれはなんだと思いますか?」


ノビスケ「ん〜換気線か何かかな?やっぱりこういう場所ってどうしても空気が悪くなるから」


メイド「半分正解です。確かに空気を入れ替えて換気をするパイプですがそれだけではありません」


ノビスケ「分かった!抜け穴だ!」


メイド「中は空気が通れるくらいの細い網が何重もしてあります。まず入る事は無理です」


ノビスケ「う〜ん・・なら」


メイド「毒ガスです。これはいざという時にボタン一つで刑務所内を全て毒ガスで満たします」


ノビスケ「っ!」


メイド「そして監視カメラ強行手段しようものならボタン一つでみんな死にます」


ノビスケ「そんな・・・」


メイド「やるなら迅速かつ的確に一発で看守長のいる所へ行きボタンを押す前に看守長のボタンを踏み潰すしかありません」


ノビスケ「え?看守長ってロボットなの?ボタン付いてるの?」


メイド「察してください比喩です」


ノビスケ「ん〜比喩ね・・・」


メイド「ですから逃げましょう」


ノビスケ「・・・出来ないよ」


メイド「何度も言わせないでください!みんなの死を無駄にー」


ノビスケ「まだ死んでない!その言い方やめろ!!」


メイド「っ!・・やめません!無理矢理でも連れて行きます!」


ノビスケ「メイド・・頼むよ」


メイド「私は死なんて怖くありません、もうこの世に未練はないと言えば嘘になりますが、それはいつか向こうで果たせば良いことです。彼も天国なんかに行くはずはありませんから先に地獄で待ちます。ですがここではあまりに・・あまりに!報われません・・」


メイド「私じゃないノビスケさん貴方です。私はここで死ぬ事があってもノビスケさんが生きていればそれでいいんです」


メイド「死なせませんノビスケさん!」


ノビスケ「・・・・メイド」


看守A「ちょいとお話中失礼しますよ」


ノビスケ「看守Aさん」


メイド「まだやりますか?」ギロ


看守A「やめとくよ。それよりここで毒ガスが出るのを待つのか?」


メイド「看守Aさんノビスケさんを連れて行くのを手伝ってください二人掛かりならすぐに」


看守A「ん?嫌に決まってんだろ?それより行くんだろ?」


看守A「看守長のボタンだっけか?比喩にしてもボタンはないだろそんなに丸くねぇぞ?縦長だぞ?見るか?」


メイド「潰しますからどうぞ見せてください」シャキン


看守A「じょ、冗談だからな?」


ノビスケ「看守Aさん看守長の居場所知ってるんですか?」


看守A「あぁ、行くんだろ?奴を潰しによ」


ノビスケ「潰すまではしたくないけど・・はい!」


メイド「はぁ・・・」


看守A「お前は先に外に出てろ」


メイド「命令するなゲス野郎」


看守A「うわ、口悪!」


ノビスケ「メイドさん」


メイド「着いて行きます。それが嫌ならさっきの続きです」


ノビスケ「ありがと・・」


看守A「よし、全力ダッシュだ!鍵かけられる前に走れ!」ダッ


ノビスケ「よっしぁ!!」ダッ


メイド「先が思いやられます」ダッ


看守A「こっちを右だ!」


ノビスケ「はい!」


看守A「あ、違った!左だ!左!引き返すぞってうわ!」ドン


ノビスケ「いきなり止まらないでくれ!ぐはっ!」ドン


メイド「おっと!」ドン


ノビスケ、看守A「「ぐえっ!」」


メイド「失礼しました」


ノビスケ「お、おもー(女性に重いは言ってはいけないんだった)か、軽いぞ〜ははは」


メイド「ノビスケさん」


看守A「重いんだよ!早くどけ!」


メイド「あぁ?」


看守A「んだよ!」


ノビスケ「早く・・・お、重いよ(軽いよ〜)」


それから先へ進むと


ピーーー


メイド「走って!」ダッ


ノビスケ「え?」


看守A「くそっ!ドアが閉まるぞ!走れ!!」ギリギリセーフ


メイド「ノビスケさん早く!」ギリギリセーフ


扉が閉まる


ノビスケ「閉まったぁああ!!」


看守A「くそっ!」


メイド「ノビスケさん!」


ノビスケ「うぉおおおおお!!」


こんな所で!立ち止まってなんていられないんだ!


邪魔だ!邪魔なんだよ!!


こんな所で終われねぇよ!


『そうだ!こんな所で終わる玉じゃねぇよな!』


『合わせるよ!!』


ノビスケ「「「邪魔だぁああああああ!!」」」シュッ


ドォオオオン


看守A「え!!扉が吹っ飛んだ!」


メイド「えぇ、そうですね(少し漏らしたかも)」


ノビスケ「セーフだ!行くぞ」


看守A「あ、あぁセーフなのか?」


メイド「セーフに程遠いアウトのセーフです」


看守A「ノビスケ身体は平気か?」


ノビスケ「大丈夫です。頑丈なのが取り柄ですから」


メイド「扉が閉まっているという事はもう毒ガスが・・」


看守A「それはまだ大丈夫だ。あれを作動するのには少し時間が掛かる。トイレ休憩を入れてもまだ間に合う・・わけもない!」


ノビスケ「とにかく急がないといけないというのは確かなんですね」


看守A「すまんが寄り道をしたい良いか?」


ノビスケ「トイレですか?」


メイド「男性なら何処でも出来ると思いますが?」


看守A「は、恥ずかしいだろ・・って!違う!」


看守A「間に合うか分からんが一人多分死のうとしてる奴がいる食堂へ行きたい」


ノビスケ「っ!節子さん!」


看守A「あの毒のプリン一番傷ついているのはあいつだ。人の食べる姿が笑顔が好きなあいつだ。もしかしたら」


看守A「いや、一番はお前だなすまん・・それでも気になるんだ・・頼む」


メイド「ノビスケさん決断なら早く!時間がありません」


ノビスケ「食堂へ行く!節子さん俺は貴女の作るご飯が好きなんです!それは今も変わりません!確かにやった事は許されません今回が初めてではない事も分かる。それでも償わず死ぬなんてそんな事させるか!」


ノビスケ「節子さんのご飯はみんなを笑顔に出来る。これからもきっと」


看守A「ノビスケ・・・ありがと」


メイド「二人ともこっちへ!」


ー女子トイレー


ノビスケ「メイドさん?」


看守A「外で待つってのは駄目か?」


メイド「勘違いしないでください!貴方になど見せませんしそういう用事でもありません」


看守A「頼まれても見るか・・くそ」


メイド「ノビスケさんは・・命令とあらば」


ノビスケ「え、遠慮しておくよ」


メイド「そうですか、それではこの一番奥の個室へ」


ノビスケ「え?いや、だから」


看守A「まさか?天井のダクトか」ガタッ


メイド「そうですここから行けば早く行けます。扉もありませんし監視カメラもありませんから少しなら時間が稼げます」


メイド「私が先導します着いてきてください」


ノビスケ「ダクト内は四つん這いにならないと通れないけど・・やばくないか?」


メイド「私はここのダクトの迷路を熟知しています。私が先頭でないと迷いますよ」


ノビスケ「いや、その・・・(スカートの中見えるんじゃ・・)」


看守A「ノビスケ急ぐぞ!俺がメイドの次に行こう」


メイド「ノビスケさん私の次に来てください」


ノビスケ「あ、はい」


看守A「ちっ」


ー食堂天井ダクト内ー


メイド「ここから降りたら丁度業務用冷蔵庫の真上に出ます。まずは冷蔵庫の上へ降りてください」


看守A「節子は」


ノビスケ「いました。食堂の席に一人座ってます」


看守A「あれは・・ゆっくり降りるぞばれないように」


メイド「はい」


ノビスケ「わかりました」


看守A「お前らはここに隠れていてくれ最悪の事態を想定しておく」


メイド「そうですね、その可能性もありますしその方がいいでしょう」


ノビスケ「最悪の事態って?」


メイド「今節子さんの座ってる席の机にあるのが何か分かりますか?」


ノビスケ「あれって・・まさか」


メイド「そう言うことです。ですからもしもの時は」


ノビスケ「その時は仕方ありません」


看守A「では、行ってくる、ノビスケ」


ノビスケ「ん?」


看守A「これからする事に対して先に言っておく信じてくれ」


ノビスケ「分かった、こっちも最悪の事態の為に行動をする」


看守A「頼もしい奴だ」


看守A「おい、節子なにやってんだ?」


節子「っ!看守A!」


節子「看守Aこそなにしてるのさ今何か騒動が起こってんだろ?止めに行かなくていいのかい?」


看守A「いや〜お腹減っちゃってさ?動くに動けないわけよ悪いんだけどなんか作ってくれよ」


節子「何かって言われても・・」


看守A「・・・・・」


看守A「お!そこにあるのはプリンか?」サッ


節子「っ!看守A!返して!」


看守A「いいじゃんこれ食ったらさっさと仕事に戻りますよって」


節子「駄目!それは・・とにかく駄目よ。何か別に作ってあげるから」


看守A「いつもの節子なら飯の時間まで待ての一点張りでこんな事しようものならゲンコツ・・そうだろ?いいよ、準備とかあるだろ?」


節子「き、今日は特別よ・・・」


看守A「あれ?そう言えばこの時間ならそろそろ飯の準備とかで忙しいのにな?何もないな?」


節子「・・・・・・じゃあ、食べればいいじゃない。もう知らない!」


看守A「そうさせてもらうよ」


スプーンいっぱいに乗ったプリンが看守Aの口へ入った


看守A「・・・・・」モグモグ


節子「っ!!」


節子「は、吐き出しー」


ノビスケ「吐き出せぇえええ!!」ドゴッ


看守A「グボラァ!!!!」


口からプリンが飛び出す


ノビスケ「メイド!!」


メイド「はい!」消毒液


メイド「飲め」グイ


看守A「っ!!!」


メイド「ゆすげ」グラグラ


看守A「(@_@)ブルブル」


メイド「吐き出せ!!」ドゴッ


看守A「うぇええ!!」


メイド「終わりました」


ノビスケ「うん、ありがと」


看守A「お、お前ら・・・うぇ・・不味っ・・信じろって言ったろ」


ノビスケ「信じたさ」


メイド「えぇ、信じました」


ノビスケ、メイド「「馬鹿なことするんだろうなって」」


看守A「うぐっ・・・」


節子「ノビスケ!・・良かった・・生きてて」


ノビスケ「節子さん言いたい事はたくさんあります」


ノビスケ「でも、それはこれが終わってからにします」


節子「・・・・・・・」


ノビスケ「メイド頼みがある」


メイド「なんなりと」


ノビスケ「節子さんを連れて先に外へ行っててくれ」


メイド「それは出来ません!私は!」


ノビスケ「メイドだろ?主人の言うことくらい聞いてくれ」


メイド「それでも!」


ノビスケ「メイド・・頼む」


ノビスケ「信じてくれ」


メイド「っ・・・分かりました」


ノビスケ「ありがとう、看守Aさん」


看守A「よし、口の中もだいぶマシになった・・まだ消毒臭えけど」


看守A「節子飯の準備して待ってろ」


節子「・・・・うん」


メイド「行きましょう節子さん(外に台所ってあるのかな?)」


ノビスケ「さてとこっちも行きますか」


看守A「ノビスケお前も」


ノビスケ「野暮なこと聞かないでくださいよ?」


看守A「馬鹿な奴だ」


ノビスケ「これでも最近はあやめさんに少し頭良くなったんじゃない?って褒められたくらいですよ?」


看守A「ほう・・簡単にはやらんぞ?」


ノビスケ「姉みたいなものだからそれはないけどあやめさんもう好きな人いるし」


看守A「俺に勝てるくらいじゃないと認めんぞ!」


ノビスケ「勝てると思うよ?勝てる人が想像できません」


ノビスケ(スネ夫さんには負けたって聞いた事あるけど本当かな?)


看守A「え?まじ?」


ノビスケ「まじ!」


看守A「むむむ・・・・」


ノビスケ「まぁ、向こうはそう言う目では見ていませんが」


看守A「あやめ・・厄介な奴を好きになったのか・・・」


ノビスケ「いい人ではあるんですけどね」


看守A「帰ったら色々と聞かないとな・・・」


ノビスケ「えぇ、だから早く終わらせて帰りましょう。管理室か・・」


看守A「あぁ、この先に看守長がいるはずだ」


ノビスケ「開かないね」


看守A「確定だな」


看守A「離れてろ」ガチャ


ノビスケ「看守Aさん銃は必要ありませんよ」


看守A「え?」


ー管理室ー


看守長「くそっ!あのガキめ!小癪な真似をしやがって」


看守長「ここの奴らも馬鹿ばかりだ!もう限界だ毒ガスを使う!」


看守長「誤作動をしないようにとロックをかけ過ぎたか」カタカタ


看守長「まぁいい10分もあれば終わる」


看守長「ふふふ、逆らったらどうなるか思い知ればいい」


看守長「中には使えそうな奴も居たがああいう奴は探せばたくさんいる」


看守長「作動させたら秘密通路で逃亡だ」


看守長「・・そう言えばあのガキの姿が見えなくなったな監視カメラのない所で死んだか?」


看守長「まぁいい出られはせんのだ。隠れていようが苦しんで死ぬだけだ」


看守長「ふふふふ、これで完了だ!後はこのボタンを押せば」


ドォオオオン!!


看守長「え?ドアが吹っ飛んだ?」


ノビスケ「ふぅ・・」


看守A「何者だよお前は」


ノビスケ「・・・・・・」


看守長「なんなんだ!看守A!どういう事だ!」


看守A「看守長もうお終いにしようや」


看守長「なんだと!今まで積み上げてきた物を壊せと言うのか!ふざけるな!」


看守長「それに貴様も同罪なんだぞ!」


看守A「分かってるさ、だがもう潮時だ」


看守A「俺もあんたも負けたんだノビスケに」


看守長「ま、まだ!負けてねぇ!ここまで来たからって調子に乗るな」ガチャ


ノビスケ「拳銃!」


看守A「看守長!!」ガチャ


ノビスケ「こっちもあったのか!」


看守長「撃つのか?恩人を撃つのか!」


看守A「なら撃たせないでくれよ」


看守長「ふふふ、ははは!!」ガチャ


バンッ


ノビスケ「っ!」


看守長「ぐぁ!!」


看守A「残念だ・・」ガチャ


バンッ


看守長「ぐぁあ!」


看守A「これで最後だ!」


ガシッ


ノビスケ「もういいだろ!殺す事はない」


看守A「甘すぎるぞノビスケそんなんじゃあ足元をすくわれるぞ!」


ノビスケ「でもダメなんです!それを許したらこいつと同じだ」


看守A「お前は見て見ぬ振りをすればいいんだ!これは俺一人の犯行だ」


ノビスケ「もう見てる」


看守A「あのな!少しは俺の言う事を!」


看守長「ぐぉおおおお!!」ダッ


ノビスケ「あ、逃げた!」


看守A「ちっ!まだ動けんのかよ!」


看守A「待てや!!ノビスケそこは頼んだぞ」ダッ


ノビスケ「え?」


看守A「ボタンが押されてる!あと少し経てば毒ガスが出るぞ!止めといてな!」


ノビスケ「ええ!!いや、どうやって?てっ!もう行ったし!止めないと看守Aさんも死ぬのに・・」


ノビスケ「信用されてんだよな・・なら!やる前から諦めるなんてダメだよな!」


ノビスケ「これだな・・えっとたくさんボタンがあって分からないな」


機械「毒ガス発射まであと一分です」


ノビスケ「っ!!」


あと一分で毒ガスが刑務所内に噴出されてしまう


適当にボタンを押していけばもしかしたら止まるかもしれないが


そんな時間もない


それにそんな事をして噴出を早めてしまう場合もある


あと、一分だ


考えろ


このたくさんのボタンから止める為のボタンを探すんだ


ふと横を見るとキーボードがあった


ノビスケ「あ、無理なやつだ・・」


俺はパソコンにあまり詳しくなく


最近ローマ字入力が出来るようになったくらいだ


テレビとかで見るようにキーボードをカタカタやって止めるタイプなら


まず無理だ


ノビスケ「でも・・でも!」


機械「毒ガス噴出まで後三十秒」


ノビスケ「最後まで足掻いてみるよ!」カタカタカタカタ


キーボードを縦横無尽に叩く


ノビスケ「ここか!」ポチッ


ボタンも押しまくる


ノビスケ「おりゃぁあああ!!」カタカタカタカタカタカタ


機械「5・・4・・」


ノビスケ「うぉおおおお!!」カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ


機械「3・・2・・1」


ノビスケ「止まれぇえええ!!!」


もうダメだ・・そう思った時


『仕方ない・・・』


ノビスケ「っ!」カタカタ、タン


機械「停止します」


一瞬だけ身体が勝手に動いた


その身体はパソコンのキーボードのボタンを数個押して


最後を溜めるようにして押した


少しうざい押し方だが


機械は止まった


ノビスケ「なんだ・・何が起きたんだ・・」


扉をぶち破った時もそうだがやはり俺は


ノビスケ「スーパーマンなのか!」


ノビスケ「なわけないわな・・気の所為であって欲しいが・・」


でも、普通ではない事は分かる


今は助かってるけどいつかこの力が暴走でもしたら


そう思うと怖くなった


ノビスケ「・・・もう使わないようにしなきゃ」


使い方が分からないから使わないようにするのも少し難しかったりする


まぁ、後で考えればいい


ノビスケ「それより今は」ダッ


看守Aさん達がどうなったか


出口へ向かって走る


その途中他の囚人達が歓喜の声を上げる声が聞こえてきた


その声は出口へ向かうほど大きくなっていた


そして出口へ近づく程周りが明るくなり


温かくそして悲しくなってきた


身体が止まる・・これ以上先に行こうとしない


ノビスケ「っ!」


行くな・・そう言ってるように思えた


後ろを振り返るともうさっきまでいた場所はなくなっていた


立ち止まってはいけない・・・そう決めたじゃないか


もう、後戻りも出来ない


ノビスケ「苦しみも悲しみも全てを受け入れるよ・・なんて口だけかも知れない・・でも、そうあれるようにこれから歩んでいくさ」


今はこれでいいんだ


動かなかった身体が動くようになった


ノビスケ「・・・・・行くよ」


ガチャ


ドアを開けて外へ


ノビスケ「看守Aさん!」


そこで見たのは


看守Aさんや節子さんそれに俺を助けてくれた囚人達だった


「小僧負けんなよ」


ノビスケ「はい!」


師匠「行けノビスケ元気でな」


ノビスケ「師匠・・おす!!」


看守B「お宝DVD大切にしろよ?」


ノビスケ「はい!一生の宝物にします!(まみに捨てられたな・・あのゲームと一緒に)」


看守A「よくやったなノビスケ」


ノビスケ「看守Aさん・・・俺」


節子「いいんだよ。これでいいんだよ」


ノビスケ「節子・・さん・」ポロポロ


看守A「あやめの事頼んだぞ」


節子「ちゃんと食べなさいよ」


ノビスケ「はい、看守Aさん、節子さんさようなら」


その夢は俺が望んでいた現実だったのかもしれない


だけど所詮これは夢なのだ・・・


ーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーー

ーーーー


北条家編


セリナの屋敷


ーノビスケの部屋ー


ノビスケ「はっ!」ガバッ


ノビスケ「・・・・夢か」


ハル「嫌な夢でも見たの?」


ノビスケ「嫌な夢・・か」


ノビスケ「って、なんでここに?」


ハル「泣いてたから一人に出来なかったの」


ノビスケ「本当だ・・泣いてるな」


ハル「過去に後悔でもしてる?」


ノビスケ「してる・・かな」


ハル「それは失礼だよ過去を生きた人達に」


ノビスケ「・・・・・分かってるさ」


ハル「まぁ、でも」ギュッ


ノビスケ「ハル・・さん?」


ハル「今は後悔していいからね?」


ノビスケ「・・ありがと・・ありがと」


ハル「よしよし」ナデナデ


ー部屋の外ー


セリナ「先を越されちゃったかな・・はぁ」


セリナ「ノビスケも辛い事があったんだね・・気づいてあげられなくてごめんね」


執事長「今夜は静かに眠れそうだな」


メイド長「そうですね」


執事長「なんで絵本なんて持ってんだ?」


メイド長「さぁ?なんででしょうか執事長こそ何故アルバムを?」


執事長「さぁな?なんでだろうな」


セリナ「二人とも、もう少し選ぶのもがあったでしょうに・・・ノビスケは幼稚園児ではないわよ?メイド長、絵本って今時の子供でも喜ぶか怪しいし、執事長、アルバムなんて見せてどうするの?過去でも語るの?私から言わせれば他人の過去なんて知ったことではないわ」


執事長、メイド長「「っ!!」」


執事長「お嬢様が手に持ってるのは?」


セリナ「これ?睡眠薬よ私も使ってるし眠れないならこれを使えば」


執事長「それは・・・」


メイド長「一番駄目だと思いますが?」


セリナ「え?なんで?」


メイド長「没収ですね」


執事長「そうだな」


セリナ「なんで!」


ノビスケ「ごめん・・みんな」


ハル「大丈夫だからね寂しくないよ苦しくないよ」ナデナデ


ハル「私達は家族なんだから」


その時のハルの笑顔にはなにか他の感情があるような笑顔だった


でも、それを見た人は誰もいない


ハル「偽物でもね・・・」




北条家編


従兄とのあの事件が終わった後のつかの間の日常


【過去で失われた物】


俺のいた時代ではもう亡くなっている人がいるがまだこの時代では生きている


それと同じようにこの時代ではあった物が俺のいた時代ではなくなっている物がある


例えば食べ物だ


それは結構あったりする


一番の理由はやはり戦争を挟んでの原材料の調達困難や製造方法を知ってる人がいなくなったりで戦争前と戦争後では当たり前の物が当たり前じゃなくなった


そうなるとその後に産まれてくる人からしたら当たり前じゃないが当たり前になるのだ


現に今俺はビックリしていた


話には聞いた事があるがまさか簡単にこんな所にあるなんて


いつもは食材の買い出しは業者に頼み持って来てもらっているが


今回は頼み忘れがあったりでメイド長と二人で近くのスーパーまで買い物に行った


執事服を着た俺とメイド服を着たメイド長


周りの視線が痛い・・・


それもスーパーに着くまでに慣れてしまった


ノビスケ「スーパーはあまり変わらないんだな」


メイド長「何を言ってるのですか?スーパーなど何処も似たようなものです。それより買い物を済ませてしまいましょう」


ノビスケ「だな」


メイド長と二人でいると何故かメイドといるように思えてしまう


だからたまに口調が雑に変わってしまうが本人は気にしていないらしい


メイド達は無事だろうか・・・


ノビスケ「今は信じて待つだけだ」


メイド長「ノビスケさんもう少し見ていても?」


ノビスケ「え?俺を?」


メイド長「店内をです」


ノビスケ「お目当ての物は?」


メイド長「もうカゴに入れましたが・・その・・」


ノビスケ「いいんじゃないかな?少しくらい時間が掛かっても何かあれば俺の所為にすればいいし」


メイド長「ありがとうございます。それでは少し失礼します」


ノビスケ「はいよ〜気をつけてね」


ノビスケ「やっぱりメイド長も女性なんだね」


女性は買い物が大好きで店内を隅から隅まで見るらしい


まぁ、それが女性だけか?と聞かれればそうではないが


女性に多いというのもまた事実だ


この時男のする事は満足するまで待つ事だ


ノビスケ「まぁ、変わらないとは思うけど俺も店内を見てみるか」


待つのもいいが折角だし俺も買い物を楽しませてもらおう


ノビスケ「う〜んパッケージは変わってるけど見た事ある物が多いな」


ノビスケ「まぁ、無い物もあるけどね」


ノビスケ「少し喉が渇いてきたな」


メイド長「ノビスケさん」


ノビスケ「ん?終わったの?」


メイド長「はい、もう充分です」


ノビスケ「そうかなら帰ろうか」


メイド長「喉が渇いたんですか?」


ノビスケ「まぁ・・そうだけど屋敷まで我慢できるよ」


メイド長「いいですよ。一本くらいならカゴに入れてください」


ノビスケ「いや、一本でも予算を使うのは駄目だよ」


メイド長「安心してください。それは私の奢りです」


ノビスケ「いや・・でも・・」


メイド長「いつも頑張っているお礼です。それとも私からのお礼は要りませんか?」


ノビスケ「その言い方はずるいな分かったよ言葉に甘えさせてもらうよ」


メイド長「若いのだから遠慮はしないでくださいね」


ノビスケ「メイド長もそんなに歳とってるとは思えないがあまり変わらないんじゃ?」


メイド長「お、煽てても何も出ませんよ!2リットルタイプでもかまいませんよ」ニヤニヤ


ノビスケ(凄くにやけてるこれはレアだ。2リットルもいらないけど折角だし)


メイド長「どうぞ選んでください」


ノビスケ「じゃ、遠慮なく。う〜ん、お茶にしようかな」


その時


ノビスケ「ん?」


見つけた


ノビスケ「これは・・・」


当たり前で当たり前じゃない物を


ノビスケ「こ、この黒い液体に赤いラベルそして名前」


メイド長「コーラがどうかしましたか?」


ノビスケ「コーラだと!!」


メイド長「ここではあまり大声を出すと良くありませんよ?ほら、小さい子供が哀れみの目で見てますよ」


子供「・・・・・・・」ジー


母親「こら、あの人達を見ては駄目よ」


メイド長「・・・・・・」


ノビスケ「ご、ごめん、でもコーラがあるなんて・・」


メイド長「大袈裟ですね何処にでもありますが?初めて見たわけではないでしょうに」


ノビスケ「いや、それが初めてなんですよ」


メイド長「本当ですか?」


ノビスケ「はい、だからこれにします。いいですか?」


メイド長「もしかしてノビスケさんは・・・」


ノビスケ「ん?」


メイド長「そうですよね・・ハルから外で倒れていたと聞きましたがやはり前の家でなにかあったのですね」


メイド長「きっとコーラも買えない程の貧乏で・・それが嫌で抜け出してそのせいで記憶喪失になって」


ノビスケ「メイド長?あの落ちついてください」


メイド長「前の家では虐待をされていて思い出そうとするだけで苦しくて」


最近になって分かった事なのだがメイド長は妄想癖があるようで


スイッチが入ると自分の世界へ行ってしまうのだ


セリナの前や執事長の前では発動しないのだが最近よく二人でいる時にだけ発動している


この時の解除方法は


メイド長「それでそれでノビスケさんは!」


ノビスケ「てい!」トン


メイド長「ふぎゃ」


頭を軽く斜め45度で叩けば戻る


メイド長「はっ!・・失礼しました。・・さてと買い物を終わらせましょうか」


カゴいっぱいにコーラが入れられる


ノビスケ「メイド長?一本でいいんですよ?そんなにたくさんは」


メイド長「遠慮はしなくていいのですよ」


ノビスケ「いや、遠慮とかではなくて」


メイド長「思う存分飲んでくださいね」


ノビスケ「本当に遠慮とかじゃなくてですね?あれ?いない」


メイド長「さぁ、お会計は済みましたので帰りましょう」


メイド長「あ、帰ったらすぐ仕事ですね?近くの公園にでも行きましょう」


ノビスケ「・・・・・・」


どうやらメイド長の中では俺は貧乏で虐待を受けていた可哀想な子供だったと思われているようだ


この一件のあとすぐに誤解は解けたから良かったよ


ー公園ー


この公園の噴水を見ると肌寒くなってくる


一応死にかけていたんだトラウマにでもなってるのだろう


いい気分ではない


メイド長はこの公園で倒れていたとは知らないようだ


もし知っていたらここに行こうとは言わないだろうし


公園ベンチに座ってコーラを渡される


メイド長「さぁ、どうぞ!」


そしてまたこの公園で新たなトラウマが生まれそうだ


後に控えた大量のコーラ達がそう予感させていた


ノビスケ「と、とりあえず一本だけ頂きます」


メイド長「全部どうぞ」


ノビスケ「全部はちょっと・・」


メイド長「遠慮はいけませんよ?」


ノビスケ「と、とにかく一本だけ飲ませてもらうよ。飲み過ぎるのもほらいけないしさ?」


メイド長「確かにそうですね。私としたことが・・」シュン


見るからに落ち込んでいる


こうなると数分はこのままだ


ほっておくのが一番だ


コーラの残りは帰って冷蔵庫にでも詰め込んでおけばいいだろう


ノビスケ「やっと・・話しでしか聞いたことのない飲み物が飲めるんだ」


感激と言っても過言ではない


たけしさん達がよくコーラが飲みたいと言っていたので気にはなっていた


アーニャさんとアンリさんはあまり好きではないと言っていたが


アンリさんが言うには骨が溶けるとか


アーニャさんが言うにはやばい薬が入ってるとか


もはや兵器覚せい剤だ


まぁそんなのはガセに決まっている


ただのジュースだろう


それなのに闇の取引などでも使われているとかないとか


あの戦争でレシピを知ってる人間が亡くなってから


市場からコーラが消えた


普通に考えれば一人くらい知ってる奴がいるだろうと思うが


このコーラという飲み物は極秘レシピらしく知ってる人間はコーラの会社の上の人間でも信頼における人達でその中の一人くらいしかいなかったらしい


なのでトップの人間と最も信頼されている人間の二人しか知らないのだ


つまり世界中に二人しか知らないレシピなのだ


レシピも残っておらず何度も試行錯誤を繰り返したが結局コーラを復活させる事は出来なかった


コーラを作ろうとした会社が生まれ潰れていく


そんな幻のコーラが今まさに俺の口へと


キャップを捻り開ける


プシュッ!と爽快に炭酸の音がする


メイド長「一気にゴクッといってくださいコーラとはそういう飲み物です」


いつの間にか回復していたメイド長が言う


ノビスケ「一気に?」


成る程炭酸はそんなにきつくないのかな?一気にゴクッといけるのか


それはいい


あまり炭酸系のジュースを飲まない俺には丁度いい


自分の時代にはもうないのが悔やまれる


ノビスケ「頂きます!!」ゴクゴクゴク


シュワァアアア!!


ノビスケ「っ!!」


味それは・・甘く・・甘く・・不思議な味だ


でも、嫌いじゃない


ただ、この強烈な炭酸に俺の慣れていない口は拒否反応を起こした


それでもなお頑張って飲み込んだ


ゴクリ


喉に染みるような大きな音ともに


コーラは胃へは行くことはなく肺の方へ


肺「そこちゃう!!」


コーラ「ええやん」


シュワァアアア!!


ノビスケ「ぶはっぁああ!!」


盛大に口からコーラが噴き出た


メイド長「あ、虹が・・・・じゃなくて!!」


ノビスケ「ゲホッ・ゲホッ・・ゴホッ」


これは一気に飲むものではない


危険過ぎる


メイド長「私としたことが!北条家の執事も命が狙われててもおかしくないのに!失態です・・コーラに毒を入れるなんて」


なにか大きな間違えをしているようだ


違うと言いたいがそれどころではないほど苦しい


ノビスケ「ハァ・・ちが・・う・ゲホッゲホッ」


メイド長「すぐに医療班を!」


「なんだ?どうした?」


「救急車呼びましょうか?」


公園にいた人達が何事かと寄ってくる


メイド長「っ!」シュッ


寄ってくる一人の男性の足元にナイフが刺さる


ギリギリナイフは足ではなく地面を刺していた


「ひ、ひぃ!!」


メイド長「それ以上近寄ると当てますよ?」


「た、助けてぇええ!」ダッ


ノビスケ「な・・なにをしてるんですか・・」


メイド長「喋らないで横になって大丈夫よすぐに良くなる」


メイド長「きっと毒を入れた奴は近くにいる」


メイド長「近寄ってくる奴は信用しちゃダメよ」


ノビスケ「あのだから俺はー」


メイド長「喋らないで!!お願いだから」


手で強引に口を塞がれる


ノビスケ「うう!!」


メイド長「お願い・・・・」


ノビスケ「・・・・・・」


メイド長「大丈夫絶対に助かるからね?」


ノビスケ「・・・・・・」


もうどうにでもなれ


その後すぐに北条家医療チームのヘリが来て


怒られた


ーセリナの屋敷ー


玄関ホールで今日も俺は吊るされている


もう専用のロープまである


ちゃんと名前も書いてある便利だね


いつも俺の隣にはハルが吊るされているけど今日は違った


メイド長「高いですね」


ノビスケ「もう俺は慣れましたよ」


メイド長が吊るされている


その下ではドヤ顔でハルが見ていた


ハル「反省してくださいよ!二人とも」


ノビスケ「はぁ・・なんだろお前にだけは言われたくない感が凄い」


メイド長「悪くありませんね」ボソッ


アーニャさん、アンリさん、俺もコーラは好きにはなれないですよ


残ったコーラは医療チームの人にあげました


プシュ


医療チーム「・・・・・・」ゴクゴク


医療チーム「・・・・はぁ」




【帰るべき場所】


ーセリナの部屋ー


ノビスケ「失礼します。お呼びでしょうか?セリナお嬢様」キリッ


セリナ「ノビスケどうしたの?貴方までおかしくなったの?」


ノビスケ「少しは執事らしくしてみようと思ったのに・・」


セリナ「似合わないからやめときなさい。ノビスケはノビスケのままでいいの」


ノビスケ「うん・・ありがと、じゃあこれで失礼します。やっほーー!」


セリナ「うるさい、でも最低限は執事はやってよ?」


ノビスケ「ですよね〜」


セリナ「っと、こんな話するために呼んだんじゃないのよ」


ノビスケ「なにかあったんですか?」


セリナ「執事長の事なんだけどなにかおかしくなかった?」


ノビスケ「ん?いつもおかしいですよ?俺にばかり怒るとか・・そう言えば今日は一度も怒られてない!確かにおかしいですね」


セリナ「やはり貴方もおかしいのね」


ノビスケ「俺は俺だよ」


セリナ「はいはい、そうですね。話を戻すわよ。実際どう?」


ノビスケ「まぁ、確かに執事長はいつもと違って元気がないですね」


セリナ「実はねハルが執事長の部屋を掃除してる時にゴミ箱から見つけたー」


ノビスケ「くしゃくしゃのテイッシュに関しては触れてあげないでください」


セリナ「ノビスケいい加減に怒るよ?」


ノビスケ「はい・・・・」


セリナ「これよ見て」


ノビスケ「ハガキですか母親と赤ちゃんが写っていて産まれましたって書いてるね」


ノビスケ「執事長宛てにって事は」


セリナ「多分娘さんよ」


ノビスケ「娘?孫とかじゃなくて?若すぎなような」


セリナ「結婚したのが遅かったらしいから仕方ないわよ」


ノビスケ「てか、してたんだ」


セリナ「可愛いわよね」


ノビスケ「うん、執事長の血を引いてるなんて嘘のようだ」


セリナ「本人の前では言っちゃだめだからね」


ノビスケ「わかってますよ。それでこのハガキがなにか?」


セリナ「多分だけどそれが理由なんじゃないかな?」


ノビスケ「喜ぶべき事だと思うけど?なんでそれで元気がないんですか?そんなに嫌だったんですか?」


セリナ「そうなのかもしれないけど私はそうだとは思わないのだからね?ノビスケに頼みたいの」


ノビスケ「要は元気がない理由を探れって事ですか?」


セリナ「そう、執事長貴方になら心を開いてるみたいだからお願い」


ノビスケ「それはないと思うけど」


セリナ「私だとどうしても主従関係と言うか上司部下のようになってしまうの・・こんな時なにも出来ないんだから・・」


ノビスケ「分かった!任せてくれ俺もあんな執事長を見てるのは嫌だからね」


セリナ「ありがとノビスケ期待してるわよ」


ノビスケ「おう!」


ー執事長の部屋ー


ノビスケ「というわけで見ててイライラするからさっさと言え」


執事長「貴様には優しさというものはないのか!」


ノビスケ「そりゃ普通なら時間でもかけてさ?執事長の過去とか知ってしんみりして一度諦めて復活とかあるけど・・それって」


執事長「それって?」


ノビスケ「可愛い女の子とかの話でおっさんましてやおじいちゃんとか誰得?正直面倒いさっさと話せ」


執事長「上司に向かって!貴様は!ふん!いらんお世話だ向こう行け!」


イラッ!


ノビスケ「そうですか!ならそうしますよ!」


ーセリナの部屋ー


セリナ「アホ」


ノビスケ「ひど!」


ー台所ー


メイド長「興味ないですね。仕事はちゃんとしてますし」


ノビスケ「まぁそうなんだけどね?」


メイド長「ノビスケさん私から言える事は一つです」


メイド長「彼は産まれてくる命を喜べる人間です。そして亡くなる命を悲しむ人間だということです」


メイド長「それが身内なら・・どうでしょうか?」


ノビスケ「・・・・・・」


ー玄関ホール上部ー


ハル「会いたいんじゃないかな?その孫に」


ノビスケ「娘な、ならなんで会いに行かないんだ?休みだってもらえてるのに」


ハル「娘かよ!ノビスケくん人に歴史ありだよ!無駄に歳はとってないよ」


ノビスケ「それて・・」


ハル「男の子っていうのはねどんなに歳をとっても子供って事」


ノビスケ「うむ・・・・」


ハル「周りから見たらくだらない事でもムキになって無駄なプライドを持っちゃうものなの私から言えるのはここまで」


ノビスケ「ハルありがと」


ハル「頑張ってね」


ノビスケ「吊るされてなかったらカッコよかったのに」


ハル「それは言わない」ブラ〜ン


ー執事長の部屋ー


執事長「・・・・」写真を見つめ


執事長「今更会いになんて行けない・・か」


執事長「ノビスケにも心配させてしまったし・・よし、明日から気を引き締めるか」


ー天井裏ー


ノビスケ「・・・・・・」


ハル「ここ秘密にしててよ」


ーセリナの部屋ー


セリナ「もう夜なんだからあまり女の子の部屋に何度も入るのは感心しないわよ」


ノビスケ「うん・・・ごめん」


セリナ「どうしたの?俯いて」


ノビスケ「いや、その・・後にしようかなって」


セリナ「もう入ってきたんだから言いなさいよ」


ノビスケ「あの、執事長の件で」


セリナ「顔を見て話しなさい失礼になるわよ」


ノビスケ「分かった・・ぶっ!ははははは!」


セリナ「なんで笑ってんのよ!」


ノビスケ「だって顔にパック着けててそれがおかしくて、はははは!」


セリナ「あ、ほら外したわよ!」


ノビスケ「ははは、それが悪いわけじゃないんだけどね」


セリナ「仕方ないでしょ最低限肌の手入れはしないと」


ノビスケ「いや、それはいいんだよこんな時間に入ってきた俺も悪いし」


セリナ「それで?執事長の事何か分かった?」


ノビスケ「確信はないけど今度二日ほど休みを貰えませんか?出来るなら早目に」


セリナ「それはノビスケのって事?」


ノビスケ「俺と執事長です。今こんな時に屋敷を離れるのは危険だとも分かっています。だから、無理でもいいです」


セリナ「いいわよ。明日にでも二日間休みをあげる」


ノビスケ「いいんですか?もし屋敷に攻めこまれたら」


セリナ「これは殺戮じゃないのゲームなのゲームなんてふざけてると思うけどそれでも助かってる部分はあるの」


セリナ「ゲームにはルールがある。そのルールには次期当主に関わる戦いが起こったらどちらが勝つにせよ二ヶ月のインターバル期間が設けられるの」


セリナ「これはもし守りきってもその後他の勢力にやられてしまわないようにするためよ」


セリナ「じゃないと勝っても勝ってもどんどん敵が来ちゃって時期にやられてしまうのは目に見えているからよ」


セリナ「従兄との戦いから二ヶ月は向こうも手出しは出来ないから動くなら早目にね」


ノビスケ「みんなそんなのを守るのか?」


セリナ「じゃないと勝っても次期当主の座は動かないし、それにその前にお爺様に消されるわ」


セリナ「悔しいけど今はゲームっていうふざけた遊びのルールに守られてる」


セリナ「だからこんなクソみたいなルールでも使っておいて損はないわ」


セリナ「だから安心よ。外にはボディーガード達もいるし」


ノビスケ「じゃあ、明日から二日間お願いします」


セリナ「うん、そっちこそお願いね」


ノビスケ「はい、それでいくつか聞きたいことがあります」


セリナ「なに?スリーサイズは教えないわよ」


ノビスケ「ははは、そんなの興味なんてないですよ」


セリナ「なんかムカつく・・早く言え」


ノビスケ「はい、それではー」


ー翌朝ー


ー執事長の部屋ー


朝四時


執事長「さて、ノビスケを起こして庭の掃除でもさせるか」


トントン


執事長「ん?誰だ?」


トントン


執事長「入っていいぞ」


トントン


執事長「だから入っていいと言ってるだろ」


トントン


執事長「一体誰なのだ!」


ドアへ近づき開けようとドアノブに手をかけた瞬間


執事長「殺気!」サッ


瞬時にドアから離れる


ドアの先から溢れ出る殺気に構えながら向こうが開けるのを待つ


ガチャ


ドアノブが回る


執事長「誰なんだ!」


そしてゆっくりと


ドスッ


背後からの攻撃


執事長「っ!(前ばかり気にして後ろを気にしてなかった!こんな所でお嬢様申し訳ありません)」


バタッ


執事長は気絶した


ノビスケ「ふぅ・・ばれるかとひやひやした」



ノビスケ「ハルは何をしたんだ?全くこっちに気づかなかったけど。まあいいかハルもういいよ」


ドアが開きハルが出てくる


ハル「終わった?」


ノビスケ「うんありがと。こうでもしないと真っ向から勝負しても勝てないからね」


ハル「私がドアの前で囮になってその隙に後ろから執事長を殺すでしたね」


ノビスケ「殺してはないから気絶させただけだから」


ハル「そうだっけ?」


ノビスケ「そうなんだよ。大体そんな事本気で頼んだらやらないだろ?」


ハル「え?やるよ?」


ノビスケ「そういう冗談はさておきばれるのは覚悟してたけど全くばれなかったよ何をしたんだ?執事長もただ事ではない感じだったけど」


ハル「乙女の秘密ってやつよ!それとも・・嫌いなった?怖い?」


ノビスケ「なんでだ?怖くもなければ嫌いにもならないよ。改めて手伝ってもらってありがと」


ハル「また何かあったら言ってね」


ノビスケ「その時は頼むよ」


ハル「うん、任せてね!さてと早く起きたし朝ご飯の支度しようっと」


ノビスケ「あ、ハル!」


料理は大丈夫なのだろうか


とりあえずセリナとメイド長ごめんなさい止められませんでした


執事長の服を適当にバックに入れて


始発の時間を確認する


これから駅まで執事長を担ぐわけだが


まぁなんとかなるだろう


外へ出ようとした時には台所から何か変な匂いがしたが見なかった事にした


ノビスケ「お、重い・・・」


ボディーガード「ノビスケさん駅まで送りましょうか?」


ノビスケ「頼めるかな?ははは」


駅から執事長を担いで電車を待つ


始発なのであまり人がいないと思ったが結構いた


流石日本は働き過ぎと言われるだけはある


周りの人達はこっちに目もくれず黙々と歩いて行く


これが日本のサラリーマンだ


将来はこの中の仲間入りになると思うと先が思いやられる


それから数分後時間通りに来た電車へ乗り一息つく事が出来た


ノビスケ「ここから二時間か・・少し寝るか・・」


何時もより早く起きたので寝てしまうのにそう時間は掛からなかった


ーーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーーー

ーーーー


執事長「うぅ・・・あれ?ここは何処だ?」


周りを見るとどうやら電車内のようだ


窓からは知らない景色が見えるちかくではないようだ


執事長「なんで?電車に?ん?」


肩に重みを感じる


ノビスケ「ぐがぁーーー!」寄りかかり


大体の察しはついた


ここにいる原因はこいつだと


執事長「理由は分からんが今ならこのマヌケ顔に一発どころか二発三発と殴ってやりたいが一応理由を聞いてやるか」


ノビスケ「ふぁ〜〜」爆睡中


執事長「・・・」イラ


バシッ


ノビスケ「うぎゃあ!なんだ!」


グキッ


ノビスケ「ぎゃぁあああ!!」


執事長「折ってはないが説明してもらおうか!こんなふざけた真似をしやがって」


執事長「あの時の拷問よりも痛いぞ?あぁ?それとも!」ギュッ


ノビスケ「執事長落ち着いてください!ぐぇええ!締め付けないでくれ!」


執事長「説明してくれるよな?ノビスケ」


ノビスケ「します!しますから!手を離して〜!死ぬ」


執事長「よし、言え」


ノビスケ「はぁ、はぁ、・死ぬかと思った」


執事長「ここは何処だ?何故あんな真似をした」


ノビスケ「ここは電車です。そして今向かってるのは執事長さんの娘さんの所です」


執事長「っ!!」


執事長「貴様!!」シュッ


ノビスケ「おっと、電車内は静かにお願いしますよ」サッ


執事長「くっ!帰るぞ」


ノビスケ「逃げるんですか?」


執事長「なんだと!」


ノビスケ「最近元気がなかったのってやはり娘さんの事ですよね?あ、違うって言っても信じませんけど」


執事長「何がしたい・・・」


ノビスケ「娘さんとあって産まれたお孫さんを抱いてあげてください」


執事長「セリナお嬢様がー」


ノビスケ「休みは二日間取ってありますし向こうには連絡済みです」


執事長「今更・・会う資格なんて」


ノビスケ「そんな資格は何の役にもたたないので捨ててください」


ノビスケ「資格なんていりませんよ娘に会うそれだけです」


執事長「娘よりセリナお嬢様を選んだのに・・・」


ノビスケ「娘さんから大体は聞きましたよ。執事長さんは奥さんが亡くなって生きがいがなくなり娘さんもぐれてしまい家出。一人で寂しくてその時北条家の執事だった執事長はセリナの教育を任され」


執事長「家に帰らなくなった・・あの時はセリナお嬢様だけが生きがいだった・・妻とはお互い歳をとって出会ったからな・・病気も持っていたし・・長くは続かないだろうなっとは覚悟していた」


ノビスケ「高齢結婚ですか?」


執事長「そこまでではないわい!まぁでもお互い若いとは言えなかったな・・・覚悟はしていたがいざ居なくなると・・何もする気にならなくて」


執事長「娘には愛想を尽かされて・・そして娘より他人のセリナお嬢様を取った・・結婚式も行かずセリナお嬢様の側にいた」


ノビスケ「それで会えないと?」


執事長「あぁ・・今までほっておいたのに今更会えるわけがない・・娘に父親だって・・孫にお爺ちゃんだなんて・・・言えるわけがない」


ノビスケ「もうお互い許してあげましょうよ。少なくとも娘さんはそうしようとしてます。ハガキがその証拠です」


ノビスケ「そうじゃなかったらわざわざハガキなんて送りません」


執事長「・・・いいのかの」


ノビスケ「役立たずですけど俺もいますから」


執事長「・・いや、ノビスケ一緒に来てもらえるか?」


ノビスケ「勿論行きましょう!」


執事長「・・・・・」


まだ、時間はある


残り一時間できっと執事長は覚悟を決めてくれる筈です


俺は眠いから後一時間寝るか


ノビスケ「と言うことで目的地の駅まで寝てるんで着いたら起こしてください。やっぱり朝は早く起きるもんじゃないな。誰が考えたんでしょうね?」


早起きは三文の得と言うがそんな迷信は信じない事にした


ノビスケ「執事長さん聞いてる?」


執事長「娘よ・・・・・」


ノビスケ「聞いてないか」


それから一時間後目的地の駅に着き電車から降りた


ちなみに電車賃は俺のポケットマネーだ


結構お財布に痛い


ノビスケ「ここから少し歩きますよ」


執事長「あ、あぁ・・」


ノビスケ「タクシー呼びます?」


執事長「い、いや歩こう・・そうしよう」


ガチガチに緊張してるな


「・・・・・・」


ノビスケ「ん?」


サッ


ノビスケ「今誰かこっちを見ていたような・・執事長さん」


執事長「落ち着け・・落ち着くんだ・・」


ノビスケ「気のせいか」


怪しい奴なら俺が気付く前に執事長が気付くし


ノビスケ「じゃあ、行きますよ」


執事長「わ、わかっとる」


「・・・・・・」


ノビスケ「もうすぐ着くはずですよ」


執事長「ここらへんなのか・・全然知らない場所だ」


ノビスケ「家出してから会ってないんですよね?知らない場所でも仕方ありませんよ」


執事長「そうだな・・ノビスケ」


ノビスケ「はい?」


執事長「ありがと・・上手くいくかは分からんが死ぬ前には願いが叶って良かった」


ノビスケ「っ!」


執事長「まぁ聞けよ。別に死ぬわけではない。この歳であの仕事だいつ死んでもおかしくないだろ?正直言うと昔の事で会えないって理由は半分だ」


ノビスケ「え?」


執事長「もう半分は会うことでこのふざけたゲームに巻き込まれてしまう事を恐れたんだ」


執事長「俺が関わらない事で平和に暮らせるならそれでいいんだ」


ノビスケ「俺・・余計な事を」


執事長「いや、これも俺の望んだ事だ・・背中を押してくれてありがと・・」


ノビスケ「はい」


「・・・・・」ガチャ


ノビスケ「っ!」


誰もいない


ノビスケ「気のせいなのか?」


執事長「ノビスケ置いていくぞ」


ノビスケ「あ、はい、って場所知らないでしょ!」


この時俺は思った


執事長も一人のただの人間なんだということを


ただの娘に会いたい父なのだと


だとするなら・・・


ー近くの物陰ー


サングラス「予定通りやるぞ。ふふふふ、北条セリナ自身への攻撃または屋敷への攻撃でなければ戦いは成立しない」


サングラス「つまりここであの執事長を殺してもなんの違反にもならない。執事長がいなくなれば北条家はすぐに崩れるだろう。そうなれば勝つのは簡単だ」


サングラス「そうなれば我が主が北条家当主にそうなれば・・きっと」


サングラス「おっと、そろそろ屋敷に戻らねば」


それをさらに向こうの物陰から見る人影が


とある男性「どうするか」


とある女性「独り言の多い人ね。とにかく二人に知らせないと」


とある男性「待て」


とある女性「どうしたの?まさか怖気ついたの?」


とある男性「怖気つく?冗談をノビスケに助けられた命だぞ?決めただろ?裏からノビスケを守るって」


とある女性「うん!きっと彼は頼んでも側には置いてくれない」


とある男性「でも、この恩を無駄には出来ない」


とある女性「今彼らに危険が迫っている私達だけではどうする事も出来ない」


とある男性「何人いるかわからないからね」


とある男性「あの二人に手伝ってもらえればすぐにで終わらせる事が出来る」


とある女性「なら早く知らせましょ?」


とある男性「会話聞こえただろ?」


とある女性「それは・・・」


とある男性「執事長がこの事に気づけばきっと二度と娘に会おうとは思わなくなる・・それはノビスケのやってきた事を無駄にしてしまう。それどころか自分を責めるかもしれない」


とある女性「じゃあどうすれば」


とある男性「ノビスケだけに知らせよう。でも僕達だとばれないようにね元メイド何か案はあるか?」


とある女性「う〜〜ん・・ん?」


若者1「やべ!デパートのヒーローショーのバイトに遅れる!」


若者2「だからあれほど早く寝ろと言ったのに!」


若者1「くそ〜!」


若者2「衣装は忘れてないよな!」


若者1「ここにあるよ!お前のピンクと俺のレッドのな」


若者2「なら急ぐぞ!」


とある男性「どうするか・・・」


とある女性「ふふふ、いい案を思いついたよ元執事」


とある男性「え?」


ー店ー


ノビスケ「手ぶらじゃいけないよね何かお土産でも買おうかな」


ノビスケ「何にしようかな?」


執事長「・・・・・・・」ドキドキ


ノビスケ「う〜〜ん」


執事長「は、早くしてくれ心臓に悪い」ドキドキ


ノビスケ「まぁ落ち着いてね?お、コーラだ」


執事長「う、うむ・・・・」


ノビスケ「まぁまぁ緊張しても仕方ないってなるようになる」


執事長「他人事だと思って・・」


ノビスケ「他人だなんて思ってませんよ思ってたらこんな事しません」


執事長「・・・お前俺の事嫌いじゃなかったのか?」


ノビスケ「いえ?全くむしろ感謝してます」


執事長「そ、そうか」


ノビスケ「こんなもんでいいだろうレジ行ってくるんで先に店の外で待っててください」


執事長「わ、わかったぞい・・」


ノビスケ「ぎこちない歩き方だな」


ノビスケ「・・・・・・さてと」


やはり誰かに見られている


ノビスケ「なんでこんな時に・・」


レジを済ませて人気のない場所へ行く


ここらで人気のない所と言えば・・


地元でもないのに分かるはずもなく


とりあえずスーパーの男子トイレだ


掃除中の看板を置いてひとが入れないようにする


ノビスケ「これでよしっと」


まだいるのだろうか言ってみるか?流石にトイレにまでは着いてこないか


まぁ一応言ってみるか


ノビスケ「さっきからずっとこっちを見てる奴出て来いよ」


ノビスケ「執事長が気付かないから気の所為かと思ったが今の状態じゃ無理もない」


ノビスケ「出て来いよ!出ないならこっちから行くぞ!」


ノビスケ「・・・・・・・」


反応はなし


やはり気の所為か


ノビスケ「まぁそうなるわな」


???「むむ、ばれては仕方ない!とぉ!!」


???「入っていいのかな?と、とぉ!!」


ノビスケ「・・・・・・・本当にいやがったよ」


今俺の目の前にはデパートとかにたまにいる戦隊ものの格好をした二人だ


ちなみに色はレッドとピンクだ


かなりダサい


ノビスケ「・・・・誰?ここはデパートじゃないですよ?」


痛い男「僕の名前はお助けマンレッド」


痛い女「わ、私は!お、お助けマンピンク!」


痛い男改めレッド「お助けマンが来たからには(こうやってヒーローの格好をして顔を見えなくする違和感もないし完璧だ)」


痛い女改めピンク「も、もう安心よ!(予想以上に恥ずかしい・・てかこれ浮いてるよね?好奇心で言わなきゃ良かった・・)」


ノビスケ「とりあえずピンク!お前女だろ出ろここは男子トイレだ!」


ピンク「あ、はい・・ごめんなさい」シュン


レッド「その・・用があってだな・・出来たらピンクもいて欲しいのだが・・」


ピンク「・・・・」ウルウル


仮面に隠れているが泣きそうなのはわかる


正義のヒーローがそんなに簡単に泣くなよ


正直面倒くさい・・・


ノビスケ「わ、分かったよ」


そして、変な格好をした男女と男子トイレで談話をする事になった


他の人が見たら通報ものだな


その頃執事長は


執事長「人って字を書いて飲み込むと良いと聞いたが・・飲み込むのは無理だ・・」


執事長「よ、よう元気そうだな!ってこれはダメだな・・久しぶり。会いたかったよ・・自分で言ってて吐き気がしてきた・・はぁ、何て言おう」


ー男子トイレー


レッド「と言うわけなんだが」


ノビスケ「それは本当なのか?」


レッド「あぁ、この耳で聞いた・・この!お助けマンレッドイヤーで」


ノビスケ「ああそう・・そのくだりは要らないから」


ノビスケ「でも、そうなのか・・俺は余計な事しちゃったんだな・・最悪だ」


ピンク「そんな事はないよ」


ノビスケ「でも、俺がここに来ようとしなければ・・少なくとも二ヶ月は・・これで執事長はもう・・」


レッド「相変わらずそう言う弱さは治ってないか・・大丈夫だ!その為に僕らがいる」


ノビスケ「え?」


ピンク「ようは執事長にばれないように片付ければいいのよ」


ノビスケ「そんな事が出来るのか?」


レッド「無理だ」


ノビスケ「だろうな・・・」


ピンク「私達だけではね」


レッド「ノビスケ手を貸してくれ」


ノビスケ「っ!な、なんでそこまでやってくれるんだ。俺は」


レッド「それは簡単さ正義の味方だから・・いや、ノビスケ君の力になりたいんだ」


ピンク「私達の正体は詮索しないでね。でも、信じて貴方の力になりたいの」


ノビスケ「・・・・・・・」


レッド「やはり信じられないかい?」


ピンク「やはり正体をー」


ノビスケ「ありがと・・信じる・・信じるよ!」


レッド「いいのかい?」


ノビスケ「あぁ、今は疑うより出来る事をしたい」


ノビスケ「でも、もし何か企みがあってこうするなら・・覚悟しておけよ?」ギロ


レッド「あ、あぁ(なんて目だ前とはケタ違いだ)」


ピンク「ふぇ〜(こ、怖い)」


ノビスケ「で?具体的にはどうする?てか、執事長をそのままにしてたらやばいじゃないか!すぐに戻らなきゃ!」


レッド「それは大丈夫だ」


ノビスケ「え?」


ピンク「他のにも協力者がいてねその人達に監視させてるから今の所は大丈夫よ。動きがあったら連絡が来るから」


ノビスケ「協力者か・・・・・」


レッド「思い出させて悪いけど君が従兄に騙された時味方はいたかい?」


ノビスケ「そのことまで知ってるなんてな・・いなかったよ。みんな敵だった」


レッド「そうだよね・・僕らは」ボソッ


ノビスケ「でも最後の最後で助けてくれた人がいたよ。あの時は凄く嬉しかった・・元は向こう側だったんだけどねあの人達のお陰で今があるんだ。感謝してる」


レッド、ピンク「っ!」


ノビスケ「いつかまた会えたら飯でも食いに行きたいな・・あそこのは美味かったけど場所が場所だったしね今度はゆっくりと」


ノビスケ「さっき一人もいなかったって言ったけど訂正するよ。二人頼りになる仲間がいてくれた元メイドと元執事っていう人達だよ。また会えるかな」


ピンク「ノビスケさん!!」ギュッ


ノビスケ「うわっ!」


ピンク「私!私!ごめんなさい!ありがとう!うわーーん!」ポロポロ


ノビスケ「なんでいきなり泣き出したんだ!」


レッド「ノビスケお前って奴はこんな奴らを仲間だって」


ピンク「私ね本当はね!」


レッド「やば!!(元メイドの奴正体を!)」


ノビスケ「本当は?」


ピンク「元メイーぐぇ!」バタッ


ノビスケ「倒れた・・・おい、大丈夫か!おい!まさか奴らが」


レッド「すまん昼寝の時間なんでな勘弁してくれ」


ノビスケ「昼寝って・・トイレの床に寝るのは色々とやばい気が・・」


レッド「そうだよな起こしてやるか・・ん?」


レッド「なんだって!」


ノビスケ「どうした?」


レッド「執事長を監視してる奴から連絡が来た執事長が動き始めたと」


ノビスケ「何処へ?」


レッド「ここだ」


ノビスケ「え?トイレ?」


レッド「歳をとるとトイレが近くなると言うが・・これを見られたら」


ノビスケ「執事長でも気づいてしまう!」


レッド「早く退散しよう!ん?なに!」


ノビスケ「どうした!」


レッド「考え込んでいるのかトイレの前の掃除中の看板にも目もくれず入ってきたと」


ノビスケ「もうすぐそこじゃないか!」


レッド「トイレの個室へ!」


ノビスケ「分かった!」ガチャ


ノビスケ「なんで一緒の個室に入るんだよ!もう一つあったろ!」


レッド「すまない焦っていたので・・」


ノビスケ「なんか臭くね?」


レッド「うむ・・流し忘れだ!」


ノビスケ「流そう」


レッド「もう遅い今流せばばれるぞ」


ノビスケ「最悪だ・・てか、ピンクは?」


レッド「あ・・・置いてきてしまった」


ノビスケ「な、なにをしてるんだ!」


レッド「き、来たぞ静かに」


ノビスケ「もうばれるのも時間の問題だ」


執事長「はぁ・・・・なんて言えばいいのだろうか」


執事長「あ〜屋敷に帰りたい・・ん?」


ピンク「」


執事長「・・・・・・」


レッド(や、やばい!)


ノビスケ(終わった・・・)


執事長「いつの間にトイレに来ていたんだ?まぁいいか」


執事長「はぁ・・」


レッド(どうやら用が済んで出たようだぞ。気づかなかったのか?)


ノビスケ(どうやら予想以上に執事長は馬鹿になってる)


レッド「よいしょっと」ピンク担ぎ


レッド「とりあえずノビスケ君は執事長の近くで護衛を頼む」


ノビスケ「狙ってる奴らはどうする?」


レッド「君達の近くに必ず現れるその時を叩く」


レッド「でも、万が一そっちにばれる可能性があるそのフォローを頼む」


ノビスケ「分かった」


レッド「連絡はこの無線を使ってくれ小さい声でもよく聞こえる高いやつだ」


ノビスケ「それ言われると使いにくいのだが・・」


レッド「冗談だよ。そんなに高くはないよ」


ノビスケ「ならいいけど・・これからの行動はどうしようか?」


レッド「それなんだが娘さんの家に行くのはまずい」


レッド「こっちで予定を組んだその通りに頼む」


ノビスケ「そこまでしてもらって・・本当にありがとう」


レッド「では、作戦を開始する」


ノビスケ「名ずけてミイラ取りがミイラ作戦だ!」


レッド「散れ!」


ノビスケ「了解!」サッ


レッド「・・・・・」ピンク担ぎ


レッド「重いな・・・」


この作戦なんとしても成功させる


まず最初に指定した場所はホームセンターだ


何故そこにしたかというとホームセンターには武器がたくさんあるからだ


刃物類に鈍器類もあるし薬品もある


ゾンビ映画なら必ず行くホームセンター


絶対に仕掛けてくる奴がいる


ーホームセンター(デェック)ー


『』内は無線での会話


レッド『ノビスケと執事長がデェックへ入った』


グリーン『こちらグリーン了解!監視を続ける』


ノビスケ『今の所は怪しいところはない。グリーン協力ありがとうございます』


グリーン『君がノビスケくんだね。噂はかねがね全力で力になろう』


ピンク『木材コーナーで怪しい人あり』


レッド『多分そこに来ると思って待ち伏せしてるのだろう』


ピンク『なんで?木材コーナー?』


グリーン『分からんがあえて相手の目論見通り動いてみるのも手だ』


レッド『ノビスケどうする?』


ノビスケ『長期戦は避けたい確認するフォロー頼む』


レッド『了解!各自フォロー出来る場所へ』


ノビスケ「執事長木材見ましょう木材」


執事長「土産にはならんが・・」


ノビスケ「最近は木材ブームですよ?娘さんにも笑われますよ?」


執事長「そ、そうなのか・・最近のブームってのは分からんな」


ノビスケ「う〜んこの木材いいね」


執事長「なかなかいい木を使ってるな」


レッド『怪し過ぎるな』


グリーン『ほぼ黒だな』


ピンク『なんかチラチラ見てるし捕まえる?』


ノビスケ『俺がやる。もしもの時は頼んだ』


グリーン『お話しなら任せろ』


ノビスケ「本当にいい木材だ」


怪しい人「・・あぁいい木材だこれなら・・」


ノビスケ「執事長!娘さんだ!」


執事長「なっ!!」サッ


瞬時に木材の間に隠れる


怪しい人「お前を殺す武器になー」シュッ


ノビスケ「ふん!!」ドゴン


怪しい人「ぐはぁ!!」


レッド「ちょっと来い」サッ


ピンク「お話しがあります」サッ


怪しい人「え?え?え!」


執事長「行ったか?」


ノビスケ「すみません見間違いでした」


執事長「そ、そうか残念だ」


ノビスケ「さて次々行きましょう!」


執事長「買わんのか?木材」


ノビスケ「ブームは終わりましたよ」


執事長「ブームって・・・・」


捕まえた怪しい人からグリーンがお話しをして分かった情報は二つ


どうやら今回は北条家に関係している何処か奴が仕掛けてきているようだ


それに殺し屋を雇っているらしい


そしてもう一つがその殺し屋の数だ


どうやら後二人いるらしい


とりあえずこの二人をどうにかしないといけない


それにしても本職の殺し屋を喋らすなんて何をしたんだろうかグリーンは


それとも殺し屋でも口が固いのは別なのか?


次に向かわせたのは映画館だ


暗闇にこそ奴らは牙を剥く


だがそこで牙を折る


ー映画館ー


執事長「なんで映画なんて見ないと」


ノビスケ「娘さんと会った時話題がないと嫌われるぞ」


執事長「それは困る・・・で?これはなんだ?」


ノビスケ「今流行りの恋愛映画です。チケットを取るのに苦労しましたよ」


執事長「そうか・・・なんか最近の若い奴は凄いな・・・」


ノビスケ「そうですね〜凄い」チラ


残念な人「・・・・・・」


レッド『いま現在の状況を報告せよ』


ノビスケ『前の方の席へ着いた隣に執事長がいて他はいない?』


ピンク『その後ろの席にいます』


レッド『俺は一番後ろの席だイエローがやってくれたようだな』


ピンク『イエローどう?』


イエロー『完璧よこの5番ホールだけ倍の値段にしたらみんな帰ったわ一人だけそれでも入った人がいるけど』


レッド『つまりこのホールにいる俺たち以外の奴が殺し屋だ』


ノビスケ『もう一人しかいないよ。一人で恋愛映画見るとか残念だしな。イエロー助かるよ』


イエロー『いいのよ。辛かったでしょ?助けになるから・・ん?』


ピンク『むっちゃ見てるよ!でもたまに映画も見てる多少気になってるみたい』


レッド『イエローよくやったターゲットは分かったイエローもこっちに来い』


レッド『イエロー?イエロー!』


イエロー『あの・・だから・・えっと・・』


無線からイエロー以外の声がする


どうやらイエローは誰かと会話してるようだ


『困るんだよね?関係者でもないのに勝手に値上げとか言って人を入れないのは営業妨害だよ?分かる?警察だ!警察呼ぶ!』


イエロー『そ、それだけは勘弁してください・・』


『なら損害分払う?』


イエロー『今は持ち合わせがないです・・・・』


『なら呼ぶね』


イエロー『それだけは!お願いします!』


『そう言われてもね・・大体格好も酷いし何それ?黄色の服に黄色のバンダナ巻いて何がしたいの?そんなに黄色好きなのか?俺のお袋でさえマシな格好してんぞ?』


イエロー『だって・・言われたんだもん・・』


『とりあえず映画は止めないとな』


イエロー『それだけは!』


『まさか?貸し切りにする為にこんな事したのか?中の奴もグルなのか!』


イエロー『もう・・いや・・帰りたい・・・』


『そこをどけ!』


イエロー『グスッ・・・・』


レッド『っ!ノビスケすまんちょっと行ってくるピンクと二人でどうにかしてくれ!』


ノビスケ『分かったイエローを助けてやってくれ』


ノビスケ(てか、格好だけ聞くと不審者だな)


執事長「こんなことまでするのか!最近の若い奴は」


ノビスケ(執事長は映画に夢中か後は向こうがどうでるか)チラ


残念な人「す、すげぇ・・・」


ノビスケ(なんか向こうも映画に夢中になってないか?)


上映終了


ノビスケ(なぜ仕掛けて来ない)


執事長「良かった・・本当に良かった」


残念な人「あぁ、報われない恋が報われた瞬間泣いてしまったぜ」


執事長「貴方もですか?実は俺もなんですよ」


残念な人「いい映画だった」


執事長「あぁ、ノビスケもそう思うだろ?」


ノビスケ「え?そうですね」


執事長「何処が良かった?ん?」


ノビスケ「え?・・えっと(ほとんど見てねぇよ)」


ピンク『ノビスケさん私的には親友との絡みが良かったですよ?男と男の愛ってやつ?』


ノビスケ『(こいつ腐ってやがる)参考にもならないから黙っててね』


執事長「でどうなんだ?」


残念な人「俺も気になるぞ」


ノビスケ「えぇ!えっと・・その」


執事長「まさか?これを見て何も感じなかったなんて事はないだろうな?」


残念な人「いくらなんでもそれは人として終わってるわな」


ノビスケ(この人本当に殺し屋なのか?仕方ない)


ノビスケ「その・・主人公と親友との絡みが・・その好みだったかな?」


執事長「・・・・・・」


残念な人「・・・・・・」


ノビスケ「・・・・・・・」


残念な人「さて、終わったし帰ろうかなっと」ダッ


残念な人は全力で走って逃げて行った


ノビスケ「え!ちょっ!」


執事長「こ、腰が抜けてしまった・・もう好きにしな・・」


ノビスケ「襲わねぇから!!」


レッド『ノビスケ!聞こえるか!』


ノビスケ『どうした!』


レッド『すまん警察沙汰になった』


ノビスケ『なにしたの!』


レッド『非常出口を開けるように頼んだからそこから出ろ』


レッド『普通の出口から出たら』


残念な人「お、おい!なんだ!離せ!!」


警察「お前もあの変人の仲間だな!逮捕だ!」


残念な人「くそ!!離せ!!まだ殺せてねぇよ!」


警察「殺せてねぇ?ほう・・面白い事を言う」


残念な人「し、しまった!」


レッド『早急に脱出しろ!』


ノビスケ『分かった!』


執事長「なにか騒がしいな」


ノビスケ「ピンク!」


ピンク「開いたよ!こっちへ」ガチン


ノビスケ「執事長さあ行こう!」


執事長「た、立てん・・それにそっちは非常出口だろ」


ノビスケ「最近の映画館は非常出口から出る常識でしょ」


執事長「そうなのか・・あ、パンフレットを買いに」


ノビスケ「我慢してください生きますよ」お姫様抱っこ


執事長「ちょっ・・・・」


ガタン


警察「警察だ!!大人しくしろ!」


ピンク「閃光手榴弾っと!」ドン


ピカッ!!


警察「ぎゃぁああ!何も見えねぇ」


ピンク「ぎゃぁあああ!!目がぁあああ!!」


執事長「今のピンクの変な奴は」


ノビスケ「従業員だ。今光ったような」


執事長「そろそろ降ろしてくれ」


どうにか映画館から脱出に成功した


後始末はイエローに任せて次の場所へ向かう


ー取り調べ室ー


警察「いい加減白状しろ!」


イエロー「・・・ママ」


残念な人「はぁ・・・・・」


どうにかノビスケ達は脱出できたようだ。作戦は続行だ


ピンクが遅いが何かあったのだろうか


まぁいい後で来るだろう


次は銭湯だ


一番無防備になる瞬間奴等が黙ってるはずがない


きっと仕掛けてくる


ピンク遅いな・・少し探してくるか


ー銭湯ー


執事長「なぁ・・なんで銭湯になんかいるんだ?」


ノビスケ「え?まさか!それで会おうとしてたんですか?いいですか?単刀直入に言います。加齢臭!臭いますよ?」


執事長「むぅ!そんなに臭うか、そんなに・・・」


ノビスケ「歳をとったら誰でもそうなります。綺麗な身体で会いましょうよ」


執事長「確かに朝は準備などする暇もなく連れてこられたからな香水もつけていない」


ノビスケ「香水なんてつけるんですか?」


執事長「ばかもん!紳士ならば!執事ならばそのくらい気にせんか!」


ノビスケ「すみません・・・」


執事長「うむ・・近いうちに貴様に丁度いい香水を買ってやる。常につけて気にするように」


ノビスケ「分かりました。ありがとうございます」


執事長「今は風呂に入るか」


ノビスケ「はい!」


執事長「なかなか広いなここの風呂は」


ノビスケ「泡風呂が好きなんでここはいいですね」


執事長「銭湯なんて何年ぶりだろうか・・・ノビスケ改めて礼を言う」


ノビスケ「て、照れるじゃないですか執事長らしくない」


執事長「らしくないか・・確かにな。だが、お前が来てから大きく変わったお嬢様もみんな」


執事長「いい方向へ向かってるお前にならお嬢様を・・・」


ノビスケ「セリナを?」


執事長「なに言ってんだ。俺はまだ・・こいつは半人前だ。まだなんだ!ノビスケこれからもビシビシいくからな!覚悟しておけ」


ノビスケ「・・・約束は出来ません」


その声は泡風呂の音で執事長には聞こえなかった


執事長「さて、身体を洗ってこよう」


ノビスケ「俺はもう少し入ってます」


執事長「そうか、分かった」


ノビスケ「・・・・・・」


このままこれがずっと続くなんて事はない


いつかこの平和も崩れてしまう


後少しで戦争が起こる


街も少しずつその傾向を見せてる


俺はみんなを守る事が出来るのか?


それ以前に帰る事が出来るのか?


帰りたいと思い続けられるのか?


ここでの生活は異常から日常になってしまっている


ここに居たいそう思ってしまっている


ノビスケ「早く来てくれないと本当に帰れなくなるぞ・・」


ガラガラ


その時大きな刺青をした大男が入ってきた


明らかに挙動不審で執事長を見つけるとニヤリと笑った


本当にこの人達はプロの殺し屋なのだろうか


とりあえず防水だという無線でレッドに連絡をとる


ノビスケ『不審人物を見つけたほぼ黒だ』


レッド『すまない遅れた。よし、俺も今から入る』


ガラガラ


レッド「待たせたな」


その姿は顔だけヒーローマスクをしている全裸


何気に筋肉が凄い


ノビスケ「もうヒーローでもなんでもないな・・てか、そこまでして顔見られたくないのか?」


レッド「すまないこればかりはどうしても・・でも信用してくれ」


ノビスケ「信用はするさ安心してくれ」


レッド「ありがとノビスケ」


ノビスケ「さて、どうする?あの刺青」


刺青「・・・・・」キョロキョロ


レッド「怪しすぎる・・・黒で間違えないだろう。周りの人達もチラチラ見てるしな」


ノビスケ「もし刺青がいなかったらこっちが注目されてただろうな」


レッド「え?なんで?」全裸ヒーローマスク


ノビスケ「・・・いや、自覚無いならいいよ」


レッド「うむ・・・ん?動き出したぞ」


ノビスケ「執事長の隣に座ったぞ執事長は頭を洗ってるやばいぞ」


レッド「でも刺青も頭洗い出したぞ?」


ノビスケ「とにかく俺たちも近くに」


レッド「だな」


ノビスケ「ん?無線だ」


ピンク『元執ーじゃなくてレッド石鹸投げて〜』


レッド『なに?忘れたの?仕方ないな行くぞ!』ポイッ


ピンク『ありがと〜』


レッド「悪い行こう」


ノビスケ「ピンクも入ってるのな」


レッド「まぁ流石に男湯には入れないけどね。折角来たしな」


ノビスケ「なぁ刺青の奴後ろから倒せるんじゃないか?頭洗ってるし」


レッド「油断は禁物だよ。彼は殺し屋だ。わざと隙を見せてるのかもしれない」


ノビスケ「そうかな?」


すぐ後ろに立ってみる


反応はない


風呂桶を持って素振りをしてみる


やはり反応がない黙々と頭を洗っている


その隣で執事長も頭を洗っている


この二人は頭を洗うのに時間をかけ過ぎだと思うが・・禿げるぞ?


そんなことを思っていると


ノビスケ「あ、手が滑っー!」


カポンと鈍い音がする


バタッ


刺青「」


レッド「・・・・・・」


ノビスケ「・・・まじかよ」


執事長「ん?なんだ」


ノビスケ「執事長さん!顔を洗いましょう!」ゴシゴシ


執事長「ちょっ!やめろ!シャンプーが目に!!」


ノビスケ「レッドはそいつを頼む!」ゴシゴシ


レッド「わ、分かった」


ノビスケが時間を稼いでる間にこいつの回収と周りの人達へのフォローだ


周りの人達がこちらを恐怖の目で見ている


それはそうだ目の前で撲殺事件が起きてんだからな


まぁ、死んでないけど


警察を呼ばれるとやばい


どうする?


レッド「ん?あれは」


ふと風呂場内の説明書きに目がいく


周りの人達の中には子供も多い


そして俺はヒーローのマスクをしている


ノビスケは


ノビスケ「洗うぞぉおお!!」ゴシゴシ


ガシッ


ノビスケ「っ!」


執事長「いい加減にしろよ?」


レッド「やばいもう時間が!」


やるか!


レッド「ふははは!子供達よ私は正義の味方なのだ!怖がる事はない」


レッド「ここに書いてあるマナーを守らない奴をつまり悪を倒すのが私の仕事なのだ!」


レッド「君達も知っておくのだ!刺青をした奴は銭湯に入ってはならない!つまりこいつは悪なのだ!」


子供達「「「まじすか!!」」」


大人達「「「まぁ・・せやな」」」


レッド「ではさらばだ!」


刺青「」ズルズル


レッド「ふははは」


執事長「中々やるな!だが俺には勝てんぞノビスケ」


ノビスケ「無念・・・」バタッ


ピンク『石鹸返すね!レッド』ポイ


執事長「がはっ!!」ゴン


バタッ


レッド「ノビスケ・・執事長まで・・三人運ぶのは疲れるな・・」


ピンク「銭湯ではフルーツ牛乳よね〜」


ーーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーー

ーーーーー


ーとある屋敷ー


サングラス「そうか・・全員ダメだったか分かった。またこちらで考える」


サングラス「また連絡をするでは」ピッ


サングラス「くそっ!!折角高い金をだして雇ったのにこの様は!」


サングラス「やはりタウンページに載ってる殺し屋なんかに頼むのではなかった」


サングラス「こうなれば俺自ら」


???「やっぱりそういう事なのね」


サングラス「っ!セイナお嬢様!」


セイナ「勝手に部屋に入ったのは謝るけど・・話してくれるよね?カイ」


サングラス改めカイ「っ・・どんな処罰も受けます」


セイナ「処罰なんて与えないよ。私の為にやろうとした事なんでしょ?出来ないよ」


カイ「お嬢様・・お嬢様はお優しい・・他のメイド達や執事達もそう思ってます」


カイ「どんな失敗をしてもメイド達や執事達を解雇しないし泥を被ってくれる・・」


セイナ「それが主として当たり前の事よ」


カイ「そう言えるのが凄いのです。もう屋敷の人達の給料やらでお嬢様にほとんど自由に出来るお金がないのも知ってます」


カイ「みんな給料を減らしても良いと言うのに・・解雇もしない」


セイナ「お金だけはちゃんとしたいのどんなに苦しくても・・それに今まで尽くしてくれた人を私の勝手で解雇は出来ない」


カイ「北条家当主になれば苦しい生活ともおさらばしてお嬢様も!」


セイナ「でもね?大事な家族を殺してまで得ようとは思わないよ。他でもないお姉ちゃんを・・・」


カイ「本当にお優しい人です・・貴女のような人が当主になれば・・もう苦しむ人もいないのに」


セイナ「大丈夫よ。お姉ちゃんがちゃんとしてくれるから」


セイナ「もうお終いだよ?いい?」


カイ「はい」


セイナ「さて、後始末かな?」


カイ「それは自分が」


セイナ「いいの私がするから」


カイ「ですが!」


セイナ「命令ですよ」


カイ「はい・・・」


セイナ「まずはその殺し屋だったかな?」


カイ「住所を通報しておきます」


セイナ「なら、お姉ちゃんの執事さん達に謝らないとね。メイドのメイさーん」


メイ「はいはーい!」


セイナ「その迷惑をかけた執事の電話番号調べてくれる?」


メイ「ここにあるよ〜」


セイナ「流石ね」


メイ「へへ」


カイ「お嬢様かけるならもう一人の若い方にしてください。どうやら気付いてるのはそちらだけのようでもう一人には気付かれないようにしていたようですから」


セイナ「若い方って最近入ったっていう子ね」


メイ「えっとノビスケって子ね」


セイナ「え〜と・・ノビスケ・・ノビスケっとノがない・・」


メイ「流石機械音痴!私が打つよ」


セイナ「ありがとね」


カイ(人見知りなのに大丈夫なのだろうか)


ーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーー

ーーーーー


ー喫茶店トイレー


トイレの前に掃除中の札がされていた


しかし、掃除中などしているわけではなく


ピンク「本日二度目の男子トイレね!」


レッド「あまり大きな声をだすな!」


ノビスケ「どっちも大きいぞ」


レッド「す、すまない」


ピンク「ごめんなさい」


ノビスケ「とにかくあまり長いと執事長が怪しむ」


今俺は喫茶店で休憩と言って来ている


そして今は腹が痛いと言ってトイレに駆け込んで執事長を席で待たせている状態だ


勿論その間も執事長へは監視をしている人達がいる


執事長「むむ・・パフェか」


その後ろの席


イエロー「・・・実家に帰りたい」


グリーン「とにかくさなんか食っとけよ」


だけどあまり時間はかけられない


これからどうするかを話さないといけない


ノビスケ「これからどうする?もうそろそろ限界だ」


レッド「やはり元凶を潰さないと」


ノビスケ「その男はどんな奴なんだ?」


レッド「執事服を着たサングラスをかけた男だ」


ピンク「見た所では三十代から四十代?くらいかと」


ノビスケ「う〜ん・・それだけだと分からないな・・ただ執事服という事は北条家関係で間違えはないだろう」


ノビスケ「くっ!ふざけやがって」


レッド「殺し屋はあれで全員の筈だから次は自ら出てくるかもしれない」


ピンク「それか別の殺し屋とかを雇うかも」


ピンク「今までの奴らと同じだとは思えないし・・これ以上は時間はかけられない」


レッド「向こうから連絡とかしてくれたら助かるのに」


ピンク「よくもやってくれたな表出ろやって感じに」


ノビスケ「そんな簡単にーん?」


その時音楽が流れる


それは誰かの携帯が鳴っている事を表している


レッド「違うよ」


ピンク「私も」


ノビスケ「俺だ」


知らない番号だ


もしかしたら?


ノビスケ「出てみよう」


レッド「分かった」


ピンク「逆探知する?」


レッド「いや、しない。まず機器がない」


ノビスケ「もしもし」ピッ


???「あ、あの、こんにちは」


ノビスケ「え?こんにちは」


???「えっと・・の、ノビ・・ノビスケルトンさんの携帯で間違えないでしょうか?」


ノビスケルトン?誰?俺?違うよね?ああ!喧嘩売ってんのね


???「ノビスケルトンさんノビスケルトンさん?もしもし」


ノビスケ「・・違います。ふざけてんのか?そんな名前付けた親の顔が見てみたいですよ。てか殴り倒したい」ピッ


レッド「間違え電話か?」


ノビスケ「そのようです。それかイタズラ電話かだ。凄く腹が立った」


ピンク「また鳴ってるよ」


ノビスケ「さっきと同じ番号か・・無視するか」


レッド「いや、もう一度出てみよう」


ピンク「ワンチャンスよ」


ノビスケ「やだな・・・」ピッ


ノビスケ「もしもし?」


???「あ、あの、こんにちは」


???「先ほどは・・名前を間違えてしまってすみません・・怒ってます?」


ノビスケ「わりと」


???「はぅ・・えっと・・えっと!!」


ノビスケ「時間ないんで用がないなら切りますよ。では」


???「あ!待って!お願い!」


ノビスケ「ならさっさと言えや!こっちはないきなり電話で喧嘩売られてむしゃくしゃしてんだよ!」


???「それは酷い人ですね。電話で喧嘩を売るなんて」


ノビスケ「あぁ!そうなんだよ!だからそいつと話してるのも嫌なんだよ!」


???「そんな人なら言ってやりなさい。えっと・・バーカ」


ノビスケ「バーカ!!」ピッ


レッド「大丈夫か?」


ピンク「そんなに怒るような事言われたの?」


ノビスケ「いや・・はぁ・・もういい、とりあえず一度戻るよ」


自分でも少し大人気なかったかもしれない


本当に名前を間違えただけだったのかもしれない


いや、いくらなんでもそれはないか


原型は残ってるけどスケルトンだからな


いくらなんでもないか


レッド「分かった」


ピンク「何かあったら無線で連絡してね」


ノビスケ「あぁ、分かってる」


戻るとそこには大量のパフェがあった


執事長「ノビスケ・・すまん」


ノビスケ「・・・・・・・」


その後ろの席には変な格好の奴らがいるし


あ、仲間か・・・


グリーン「やあ、こうして顔をあわせるのは初めてかな?」


うん、無視


執事長「さっさと食わないと溶けるぞ!」


ノビスケ「・・・・・・」


こっちも無視したい


ーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーー

ーーー


ーとある屋敷ー


セイナ「また切られました・・・」


メイ「カイ何がダメだったと思う?」


カイ「最初の名前を間違えたのがダメだったと思う」


メイ「だよね、ノビスケをノビスケルトンだからね。でも人見知りのお嬢様にしては後半普通に喋ってたよね」


カイ「そう言えばそうだな」


メイ「これは人見知りを治すいい機会かもね」


カイ「上手くいけばだけどな」


セイナ「リダイヤル〜」ピッ


メイ「リダイヤル教えたのは不味かったかな?」


カイ「諦めが悪いからなお嬢様は」


メイ「これに懲りたら勝手な真似しちゃダメだぞ」


カイ「怒られるかな・・他の奴らに」


メイ「そりゃもうかんかんよ」


カイ「はぁ・・・・」


セイナ「え?パフェがなんですって?もう甘いのはいい?何を言ってーあ、切られた」


セイナ「諦めません!リダイヤル」


メイ「あれ代わってあげないと多分そろそろ着信拒否されるんじゃないかな?」


カイ「仕方ない」


セイナ「いや、だからですね?馬鹿にしてるわけではー」


カイ「お嬢様代わっていただけますか?」


セイナ「え?でも・・・」


カイ「このままでは着信拒否されてしまいます。少し事情を説明するだけですからそれが終わったら代わりますからその時はお願いします」


セイナ「着信拒否?よく分からないけどお願いね」


カイ「おい、電話代わったぞ」


ーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーー

ーーーー


ー喫茶店ー


執事長(ずっと電話ばかりしてるな)


ノビスケ「本当に馬鹿にするのもいい加減にしろ!」


いい加減に切ろうと思った時


カイ「おい、電話代わったぞ」


ノビスケ「ん?」


どうやら電話の相手が代わったようだ


ノビスケ「今度はなんだ?」


カイ「ククク、そう怒るなよ」


カイ「殺し屋を全員倒すなんてやるなノビスケ」


ノビスケ「なっ!」


何かしらアプローチが来るとは思っていたが既に来ていた


いや、気付いてはいたのかもしれない


でも、気付かないように誤魔化していたのかもしれない


ここで話すのはマズイな


ノビスケ「執事長ちょっとトイレに行って来ます」ダッ


執事長「よく行くな・・・」


ートイレー


レッド「これでよしっと」清掃中看板設置


ピンク「個室には誰もいないね。いいよ」


ノビスケ「ありがと」


ノビスケ「それで?次はお前か?」


カイ「そうしたいの山々だが」


ノビスケ「怖いのか?そうだよな?コソコソ隠れてんだからな無能」


カイ「上等だ!今から決着つけてやるからそこでまーぐはぁ!」


ノビスケ「ん?おい」


ゴンっと鈍い音がしたが


メイ「お電話代わりました。メイです。メイドをやらせてもらってます」


ノビスケ「えっと・・とにかくだ!お前ら許さねえからな!」


メイ「はぁ・・カイの馬鹿怒らせてどうするのよ・・」


メイ「あのですね?聞いてもらっていいですか?」


ノビスケ「なんだよ」


メイ「うちの執事が勝手に動きまして・・こちらはあなた達に対して敵意はありません。殺し屋の方もこちらでどうにかしますのでー」


ノビスケ「それを信じろと?ふざけるのもいい加減にしろよ!」


メイ「まぁそう怒らずにね?」


ノビスケ「なら聞くがお前らの主人は誰だ!答えられるよな?」


メイ「代わるからそれでいいでしょ?」


セイナ「もしもし、聞こえますか?」


ノビスケ「その声は・・最初の奴じゃ」


セイナ「覚えてもらえて嬉しいです。それでノビスケさん、この度の私の執事の失態そして名前を間違えるなどの無礼・・すみませんでした」


セイナ「この北条セイナ屋敷の執事達やメイド達の主人として全て私に責任があります」


セイナ「本当に申し訳ありませんでした」


セイナ「殺し屋の件も全てどうにかしますので」


ノビスケ「・・・・・・」


セイナ「どうか許してもらえませんか?」


ノビスケ「もう安全だと言いたいのか?」


セイナ「はい」


ノビスケ「ふざけんな!なら俺はお前らの執事の茶番に付き合わされたって事じゃないか!」


ノビスケ「なにが!許してくださいだ!なにが!もう安全だ!」


ノビスケ「口でならなんとでも言える!電話なら尚更だ!」


ノビスケ「一方的に話してそれをどう信じろと?」


ノビスケ「もしこれが本当だとしても悪いが信じられない・・もう失いたくない」


ノビスケ「てめぇらがこんな茶番に付き合わされなかったら!みんながこんなのふざけてるって言えれば」


ノビスケ「来るなら来い!その時は命があると思うなよ・・」


言いたい事は言えた後は電話を切って


執事長に言おう・・もう俺でどうにか出来るレベルじゃない


ごめん執事長・・・


セイナ「分かりました。行きます」


ノビスケ「あぁ、来いよ」


セイナ「場所はそこの喫茶店でいいですか?」


ノビスケ「え?なんで知って・・」


セイナ「逆探知とかいうものです。よくは分かりません。ノビスケさんの言う通りですね一方的に電話での謝罪・・信じろと言う方が無理です」


セイナ「ですから今から直接そちらへ向かいます」


セイナ「一人で行きますから待っててください一時間程かかりますが良いですか?」


ノビスケ「・・・分かった必ず来いよ」


セイナ「はい、ありがとうございます。あ、注文などはいくらでもしてもらって構いませんので、では失礼します」


ノビスケ「・・・・・・」ピッ


ノビスケ「まじかよ・・・」


どうする信じて待つか?それとも逃げるか?


普通なら逃げる


だけど話していて分かる彼女は嘘をつくような人ではないと


まぁ、これは俺の勝手な思い込みと願望だ


そうであって欲しいと


信じるか


逃げるか


ノビスケ「・・・・俺も甘いな」


執事長のいる席へ戻り二枚の紙にペンを走らせる


そして書いたそれを執事長に渡す


そしてもう一枚を床に落とす


それを


執事長「何か落ちたぞ」


レッド「あ、落ちましたよ」スッ


偶然通りかかったレッドが取る


これは緊急の連絡手段だ


ノビスケ「それゴミなんで捨てておいてください」


レッド「えぇ!」


ノビスケ「ほらさっさと捨てて来い俺の自作のポエムが書いてんだからな読むなよ?絶対に読むなよ?」


レッド「はぁ・・・」テクテク


執事長「バカモン!そのくらい自分でやらんか!他人に迷惑などかけよって!」


ノビスケ「執事長!これを!」


半ば強引にもう一枚の紙を渡し説教を回避する


執事長「な、なんだこれは地図?」


ノビスケ「俺が手を貸せるのはここまでです。後は執事長さん頑張ってください。それは娘さんの家へ地図です。出来るだけ分かりやすく書いたつもりです」


執事長「そ、それはここからは一人で行けと?」


ノビスケ「はい、そうです。覚悟はもうしてますよね?執事長さん」


執事長「約束と違うぞ!」


ノビスケ「二つだけです」


執事長「む!」


ノビスケ「今回の事と後一つだけ嘘をつく事を許してください」


執事長「どうしてもなのか・・」


ノビスケ「はい」


執事長「分かった・・」


ノビスケ「すみません」


執事長「うまくやれよ」


ノビスケ「え?」


そう言って執事長は伝票を持って喫茶店を出た


ノビスケ「まさかな・・」


レッド『執事長が喫茶店に出たのを確認した』


ノビスケ『了解だ。執事長を頼む』


レッド『本当に一人で大丈夫なのか?』


ノビスケ『大丈夫だからそっちこそ油断するなよ?』


レッド『分かってるよ。何かあったらすぐに連絡してくれ』


ノビスケ『あぁ』


ノビスケ「さて、一時間後かどうするかな」


何気なくメニューを取って見る


さっきまでテーブルに大量にあったパフェが大きく写っている


結局五個も頼んでいた


多分写真が原寸表示だと思って一つでは足りないと思ったのだろう


そして俺の分も頼んでくれたのだろう


甘い物は飽きたし何か塩っぽい物でも頼むか


ノビスケ「・・・・・・・」


ノビスケ「店員さん、このメニュー全てお願いします」


店員「えぇ!!お客様その・・」


ノビスケ「大丈夫ちゃんと払えるから」


店員「本当に良いんですか?」


ノビスケ「あぁ、頼む」


店員「分かりました」


ノビスケ「これくらいはさせてもらっても良いよな?セイナさん」


もし来なかったら俺が当分皿洗いをする事になるだけだ


それから一時間後


ノビスケ「うぅ・・・もう食えない」


店員1「蟹グラタン持ってきました」


店員2「海老グラタン持ってきました」


店員3「海老蟹グラタン持ってきました」


店員4「店長オススメ三種のチーズを贅沢に使ったグラタン持ってきました」


店員5「激辛グラタン持ってきました」


ノビスケ「ぐ、グラタンだらけだ・・」


店長「メニュー通りに持ってきていますからね」


ノビスケ「うぅ・・・」


最初の方は良かった


いけるんじゃね?とも思った


でも、三品目からもうだめだった


テーブルがどんどんメニューで埋まっていく


馬鹿な事しなければ良かった


逃げだしたい


一時間はもう経っている


もしかしたらセイナさんもこれを見て逃げだしたかもしれない


そりゃそうだ


俺ならこんな事になってる奴に関わりたくはない


ノビスケ「ぐっ・・金足りねぇよな・・」


セイナ「ですから私が全てお支払いするといいましたよノビスケさん」


ノビスケ「っ!来たのか」


セイナ「はい、約束ですので」


ノビスケ「その・・」


セイナ「はい、店長さんから聞きました。メニュー全部頼んだとか」


ノビスケ「やってる事は餓鬼と変わらないよな・・・」


セイナ「私も一回やってみたかったんですよ!流石ですねノビスケさん」


ノビスケ「え?怒ってないのか?」


セイナ「何故ですか?謝るのはこちらですよ?」


ノビスケ「それはそうだけど・・」


セイナ「ふぅ、メイ達にばれないように歩いて来たのでお腹がすきましたね。ノビスケさん私もご一緒しても?」


ノビスケ「はい!お願いします!助かります」


セイナ「ふふふ、可愛い」ボソッ


ノビスケ「よっしゃあ!やるぞ!」


ーーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーー

ーーーー


ノビスケの書かれているメモを頼りに着いた場所には


一件の家がある書かれている特徴からもここが目的地で間違いないだろう


執事長「ここか・・」


表札を見ても間違いない


ここは娘の家だ


ドアの前まで来るが中々インターホンが押せない


ノビスケがいたら勝手に押してるだろうな


それで仕方なく仕方なくだ


会ってやるって事にしようとしたんだが


執事長「ノビスケに勘付かれたのかもしれないな」


ノビスケは案外鋭い所がある


これを言うと調子に乗るから言わないが


ノビスケはまだ色々と付け焼き刃だが


それでも俺と同等いやそれ以上かもしれない


あいつならノビスケならこの先の北条家をどうかしてくれる


俺の残りの命はその為にあいつに全てを教えるつもりだ


そんな俺がここでヘタレてどうする!


これじゃあ笑われるぞ!


執事長「よし、」ポチッ


インターホンを押した


執事長「・・・・・・」ドキドキ


執事長「・・・・・」ドキドキ


執事長「・・・・」ドキドキ


執事長「出ない・・・」


娘「お父さん?」


不意に後ろから声がする


執事長「ぬわぁ!!」ビクッ


娘「ぬわぁ?」


執事長「いや、違う!えっと久しぶりだな」


娘「うん、お父さんこそ元気そうで良かった」


執事長「どこに行ってたんだ?」


娘「お父さんか今日来るって言うから買い物にね泊まっていくよね?」


執事長「い、いや、それは」


娘「お父さんの部下の人が二日休み取ったからって言ってたし」


執事長「あの野郎・・・」


娘「お父さん・・私もう気にしてないから」


執事長「・・・・・・」


娘「それに最初に逃げたのは私だよ。お父さんじゃない」


執事長「娘・・・」


娘「ごめんなさいお父さん・・一人にして・・」


娘「そしておかえりなさいお父さん」


執事長「っ!・・ごめん・・ごめんな・・」


娘「違うでしょ?言う事が」


執事長「あぁ・・ただいま」


そのすぐの物陰


レッド「良かった・・本当に良かった」


ピンク「うんうん」


グリーン「いい人だ」


イエロー「もう少し頑張ってみようかな」


通りすがりの人(凄く怪しぞあの集団通報したほうがいいのか?)


ーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーーー

ーーーーーー


ー喫茶店ー


店員58「これで最後になります。お冷やでーす!」ドン


ノビスケ「あ、あの怒ってます?」


店員58「いえいえ全然!全く!怒ってませんよ!今日休みだったのにいきなり店長から電話でどうせ暇だろ?って言われてイラって来てそれでも暇な自分とふざけた事しやがったお客様に全然怒ってなんかいませんよ!!」


店員58「どうせ私は!休みの日でさえ家で暇してる寂しい女ですよ!!」


ノビスケ「お、おう・・・すみません」


店員58「だから!怒ってないって言ってるだろ?あは!綺麗な彼女さんですね」


セイナ「そんな彼女だなんて・・」


ノビスケ「否定してくださいよ!」


セイナ「そうですね。違いますよ私はノビスケさんの・・・奴隷?」


店員58「うわぁ〜・・ごゆっくりどうぞ」ダッ


ノビスケ「ちょっ!待っ!なんて事を言ってんだ!」


セイナ「ですがそれ程の事をしました。もう奴隷になるしか・・」


ノビスケ「もういいですって謝ってもらったし本当に一人で来たようだし」


セイナ「それでもです。もう一度言わせてください。ノビスケさんこの度はご迷惑をおかけしてすみませんでした。私はこの次期当主に相応しいのはお姉ちゃんだと思います。だから私はお姉ちゃんや貴方に危害の及ぶような事はしません。約束します」


ノビスケ「待ってくれ・・え?お姉ちゃんって・・まさかセイナさんって」


セイナ「はい、私、北条セイナは北条セリナの妹です」


ノビスケ「妹だって!そう言えば何処と無くセリナに似ている・・」


セイナ「ノビスケさんの事は多少なりと調べさせてもらいました。前の従兄の事があって信用出来ないかもしれません」


ノビスケ「・・・・・・」


セイナ「妹だとしても姉を狙うかもしれない・・でも信じてください。私は絶対にそんな事はしません!絶対に!信じてもらえるならなんでもします!」


なんでもか・・・なんでもって言葉を簡単に使い過ぎだ


なんでもってのは文字通りなんでもやる断るなんて絶対に出来ない


こういう言葉を使う奴は信用出来ない


だから


ノビスケ「なんでもか・・・本当に?」


セイナ「はい!」


絶対に出来ないような事を言ってやる


ノビスケ「その・・えっと・・」


言え俺!やらせろって


嫌われるかもしれないがこれが一番の方法だ


ノビスケ「や、やら」


セイナ「やら?」


ノビスケ「やら、(赤)「胸を触らせてください!!」


ノビスケ(赤てめぇ!!)


赤(さっさと言えヘタレ)


ノビスケ(この野郎!)


青(赤、今は引くよ邪魔してはいけない)


赤(分かってるってノビスケ青春しろや)


ノビスケ「あ、あのセイナさん?」


セイナ「本当にそれでいいんですか?」プルプル


震えてる?それ程嫌か!なら


ノビスケ「あぁ、セイナさんのその胸を触らせてくれ」


セイナ「私・・私!」


拒否しろ、なんならビンタ二発くらいなら甘んじて受ける


セイナ「嬉しいです!ノビスケさん!」


ノビスケ「え?」


セイナ「私ってその高校生にしては・・小さいじゃないですか・・だから魅力とかないのかなって思ってて」


セイナ「でも、ノビスケさんはそれでも触らせてくれって言ってくれた」


セイナ「誰でも良かったわけじゃありません。ノビスケさんならって・・私嬉しです」ポロポロ


ノビスケ「なっ!」


やばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばい


どうやら俺は彼女のコンプレックスに踏み込んでしまったようだ


コンプレックスは強ければ強い程気にして落ち込んでしまう


だけどそれを受け入れてくれる人物もその分気になって強く想うようになるって


お姉ちゃんが昔話してくれたのを忘れていた


セイナ「恥ずかしいですけど・・どうぞ」


ノビスケ「い、いや・・」


セイナ「やはりこんなお子様のような胸では・・・そうですよね・・」


ノビスケ「いや!そんな事はない!小さくてもセイナさんが魅力的なのは変わらない!寧ろ!小さいからいい!」


セイナ「ノビスケさん・・・ありがとうございます」ニコッ


ノビスケ「っ!」


不覚にもドキッときてしまった


セイナ「ノビスケさん・・」


やばい待ってるよ


どうすれば今から冗談でしたーなんて言ってもセイナさんの事だから気をつかって騙されたふりをしてくれるだろうけど心の中では自分が否定され拒否されたと思ってしまう


傷つけてしまう


ならもう・・・


ノビスケ「分かった・・・」ドキドキ


確かにセイナさんのは小さいでも服からでも分かる少し膨れていて片手で隠れてしまうほど


でもそれがいい


正直言おう


俺好みだ


セイナ「あ」


ノビスケ「どうしたの?やっぱりやめとく?」


セイナ「いえ、その、優しくお願いしますね?」上目遣い


ノビスケ「はい」ドキドキドキドキ


手が後少しでセイナさんの胸に触れる


その時


シュッ


何かがセイナさんに飛んでくる


ノビスケ「危ない!」ギュッ


セイナ「きゃっ!」


ガッ


ノビスケ「ぐっ・・・」


抱きしめるようにセイナさんを庇ったが飛んできたそれは頭へと直撃した


灰皿か・・


でも良かったセイナさんに当たらなくて


セイナ「ノビスケさん!ノビスケさん!!救急車を早く!!」


ノビスケ「はは、触りそこねたな」


嬉しいような悲しいような


そう思いつつ意識は深い深い闇の底へ


「・・・・・・・・」



ー病院ー


セイナ「すぅー」寄りかかり


ノビスケ「・・・・・・」


ノビスケ(赤)「さて、動いてくれよ」スク


セイナ「むにゃむにゃ・・」


ノビスケ(赤)「ちょっと行ってくるな」


病室の外にはメイド姿の女性と執事姿の男性が長椅子の上で寝ていた


メイ「ぐがぁ〜」


カイ「うぅ・・・五十万って・・高い・・だろ・・」


ノビスケ(赤)「中に入ればいいのにな」


ノビスケ(赤)「・・・・・」


看護婦「どうしたんですか?」


ノビスケ(赤)「ちょっとトイレですよ」


看護婦「場所分かりますか?」


ノビスケ(赤)「はい大丈夫ですよ」


看護婦「そうですか」


ノビスケ(赤)「少し焦ったな、さてと会いに行きますか今回の元凶に」


ー執事長娘宅ー


娘「はいどうぞ」


執事長「お、ありがと」


娘「どう?美味しい?」


執事長「あぁ、娘にお酌してもらって飲む酒だ不味いわけがない」


娘「もう、調子いいんだから」


執事長「お前の旦那さんにも会えれば良かったんだが」


娘「今は出張で遠くに行ってるから仕方ないよ。それにまた来ればいいでしょ?ここは、お父さんの帰る場所でもあるんだから」


執事長「そうだったな・・ありがと」


娘「もう、なに泣きそうになってんのよ」


執事長「ち、違う!断じて違う!」


娘「本当に〜?」


執事長「目にゴミが入っただけだ!」


娘「ふ〜ん、それにしてもいつもはうるさいくらいなのに大人しいわねおじいちゃんに緊張してるのかな?花音ちゃん」


花音「ぶーぶー」


執事長「可愛いな・・お前には似てないくらいにな」


娘「うわ〜傷ついたわー」


執事長「冗談だよ。お前に似て可愛い。こうやって孫を抱っこ出来るのもあいつのお陰か感謝しないとな」


娘「あいつって?部下の人?」


執事長「あぁ、生意気な奴だが根はしっかりした奴だ」


娘「お父さんが褒めるなんてよっぽどね」


執事長「まぁ、まだまだ俺には届かないがな」


娘「ふふふ、そうね」


花音「あう!」


娘「あら、急に元気になって」


執事長「・・・・・・・・」


家の外では


謎の男「・・・・・目標補足」ガチャ


謎の男「ここからなら確実にやれる・・終わりだ執事長」


ノビスケ(赤)「よう」


謎の男「っ!誰だ!」ガチャ


ノビスケ(赤)「お前こそ誰だ?そんな物騒な物で覗きか?それおもちゃだよな?」


謎の男「お前は病院にいるはずでは!確実に今日は目覚めない筈だ!」


ノビスケ(赤)「だろうなぐっすりだ。まぁあれだ寝ぼけてるとでも思ってくれよ」


謎の男「なにをわけの分からない事を!こうなるなら殺しておくんだった」


ノビスケ(赤)「後悔するならやるなよ馬鹿か?」


謎の男「うるさい!死ね!」ガチャ


ノビスケ(赤)「撃つ前に教えてくれないか?誰に雇われた」


謎の男「言うと思うか?何を企んでる」


ノビスケ(赤)「正直言うと俺は何も出来ない。今この場でお前に攻撃しようものなら撃たれて終わりだ。そんなのはアホでも分かる」


謎の男「潔いな怖くないのか?」


ノビスケ(赤)「俺はもう怖くはないがこいつは違うだから簡単に死ぬ事は出来ない。せめて冥土の土産に俺を殺した奴の黒幕ぐらい知りたいからな」


謎の男「お前は所々意味の分からない事を言う俺を惑わす気か?」


ノビスケ(赤)「そんな簡単に惑わせる人間ならこうまでなってないよ」


ノビスケ(赤)「これでも褒めてんだぜ?セイナに攻撃したのも俺が庇うって分かってたからやったんだよな?それに今回の殺し屋騒動を逆に利用してたよな?いやープロだよ、あんた」


謎の男「命乞いか?悪いが芽は小さくても摘み取る性格でな」


ノビスケ(赤)「本当お前は俺と気が合うな・・本当に・・だからなんだろうな」


ノビスケ(赤)「こんなに気持ち悪いのはな」


謎の男「ふふふ、面白いなお前は名を聞こうか」


ノビスケ(赤)「知ってんだろ?」


謎の男「お前の口から聞きたいんだよ」


ノビスケ(赤)「・・・・・・・」


謎の男「おい、教えてくれよ」


ノビスケ(赤)「ノビスケだ」


謎の男「ノビスケお前の事は忘れないここまで俺をイライラさせたんだからな」


ノビスケ(赤)「俺はお前の事なんてすぐに忘れてやるよ」


ノビスケ(赤)「それとお前は一つ勘違いをしている」


謎の男「なに?」


ノビスケ(赤)「お前はあの馬鹿な殺し屋達に紛れて自分を悟られないように隠れていたつもりだろうが」


ノビスケ(赤)「最初からばれてんだよ」


謎の男「は?」


執事長「そういう事だ」


謎の男「後ろだと!!」


グキッ


謎の男「ぎゃぁあああ!!」


執事長「ノビスケもまだまだって事だなこいつの殺気にも気づかないなんてな」


謎の男「い、いつから・・」


執事長「一週間前から俺の周りをちょこちょことうろついていたのは知っていた」


執事長「手を出してこなかったからな気にしてはいなかったのだがここに来てから殺気立つからな無視出来なかったがノビスケが隠そうとしていたのも分かってしまったからなあいつに任せたんだがまだまだ未熟だったって事だ」


謎の男「くそっ!殺せ」


執事長「殺さんよ。貴様にはとある強制労働施設へ行ってもらおう俺のツテでな裏の人間を知ってる」


謎の男「いつか!絶対に殺してやる!」


執事長「まぁその前に俺の顔が二度と見たくなくなる程の苦痛を味合わせてやるよ」


謎の男「や、やめ!ぎゃぁあああ!!」


執事長「うるさいな向こうに聞こえてしまう」


ノビスケ(赤)「誰か来たぞ」


執事長「回収の人間だ。早いなよし連れて行け」


回収おじさん「はいよ〜こっち来な」


謎の男「か、身体中が痛い・・・」


ノビスケ(赤)「ふぅ、これで一件落着か」


執事長「そうだな、世話をかけたな赤いのあの時ぶりだな」


ノビスケ(赤)「やっぱり気づいていたか本当に勘のいい奴だ」


執事長「貴様の名を聞いてもいいか?」


ノビスケ(赤)「悪いな赤って事にしといてくれ」


執事長「そうか、なら仕方ないな何者かも教えてはくれんよな?」


ノビスケ(赤)「言えることは一つだ俺もこいつもお前達とは違う遠い所の人間だ」


執事長「やはり記憶喪失は嘘か何か目的があるんだな」


ノビスケ(赤)「そうだ、だから先に言っておくそう遠くない未来こいつはノビスケはお前らの前から消える。もしそうなっても探すような真似はするな」


執事長「・・・・そうか」


ノビスケ(赤)「お前達はノビスケの支えになってくれたありがと。こいつが動き出したらそれは決心したってことだ」


執事長「分かったその決心を無駄にはさせないようにしよう」


ノビスケ(赤)「この夜の事はノビスケには内緒で頼むな」


執事長「あぁ」


ノビスケ(赤)「じゃあ、俺は病院へ戻るノビスケは多分そこから直接屋敷に帰るちゃんと別れは済ませて来いよ」


執事長「あぁ・・」


ノビスケ(赤)「・・・・・・」


ノビスケ(赤)「これは独り言だ。戦争は起こるその時北条家当主の座なんて何の意味もないゴミだ。早々に捨てる事だ」


執事長「・・・・・・・」


ノビスケ(赤)「あと・・ハル、あの女何か隠してるな内部崩壊なんてシャレにもならんぞ気をつけな」


執事長「・・・・・・お節介な独り言だな」


執事長「分かっとるよ、分かってはいるんだ、だけど・・」


プルルルルル


執事長「電話か、なんだ?」ピッ


執事長「そうか、こっちの取り分は全部北条セイナ宛に送ってくれ、そうだ、あぁ、じゃあな。また次があったら頼むよアーニャさん」ピッ


執事長「さて、戻るか」


ノビスケ(赤)「ああ〜酒飲みて〜」


シュン


ノビスケ(青)「余り褒められる事ではないね」


シュン


ノビスケ(赤)「独り言だ気にするな、それよりどうだ?」


シュン


ノビスケ(青)「段々と強くなっているこのままでは僕一人では抑えきれなくなるかもしれない」


シュン


ノビスケ(赤)「快晴の日差しはなしってか・・ノビスケとんでもない奴と同部屋にしやがって」


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ーーーーーーーーーーー

ーーーーー




ー病院玄関ー


ノビスケ「それではお世話になりました」


医者「本当なら全治一週間はかかるのに一日とは恐れ入る」


ノビスケ「まぁ、昔から身体は丈夫な方でしたから」


医者「丈夫ってレベルではないが・・まぁいい彼女さんを待たせてはいかんよ。行きなさい」


ノビスケ「え?」


セイナ「ノビスケさーん!」ダキッ


ノビスケ「うわっ!セイナさん抱きつかないでください!」


セイナ「良かった!無事で!」


ノビスケ「朝も会ったでしょ!すぐに帰りましたけど」


セイナ「当たり前です!寝起きの姿なんてはしたない姿見せられませんから」


ノビスケ「俺は気にしないよ」


セイナ「気にするのです!」


ノビスケ「お、おう」


ノビスケ「それで謝罪もしてもらったし病院の費用も払ってもらったしまだなにか?」


セイナ「・・・・・・・・・」


ノビスケ「え?なに?え?」


セイナ「まだ、やってません」


ノビスケ「え?なにを?」


セイナ「ど、どうぞ」


そう言って胸を張る


残念な事に張った所でほぼ変わらない


ノビスケ「えっと?どうしたの?」


セイナ「触りたいんですよね?その・・私の胸」


照れながらそう言うセイナ


ノビスケ「・・・・・・・」


男しては嬉しい事だ


でも、人間としては最低だ。好きでもない男になんでもするという失言を利用して無理矢理触ろうとしている


あの時は雰囲気で触りそうになったが今は言える


あれは嘘だと


嘘ってのは傷つけるか


ノビスケ「セイナさんいいかい?それは君が好きだと思う男性にしてもらうんだ。言った俺が言うのもなんだが簡単にこんな事しちゃダメだ」


ノビスケ「俺はただ安易になんでもするなんて言って欲しくなかったんだごめん」


この時こんな事を言わなければ良かったと後悔する事になる


セイナ「私は!そんな安い女ではありません!」


セイナ「私だって最初に言われた時はビックリしました。でも、私のこんな小さい胸でも触りたいって言ってくれて・・・嬉しくて、でも、心の中では悩んで、迷って、自分が分からなくなって・・」


セイナ「でも、もう遅いです。ノビスケさん好きな男性ならいいんですよね?今ならハッキリ言えます」


ノビスケ「っ!」


やめろ!やめてくれ!


セイナ「ノビスケさん貴方を」


俺は・・・・・・


ノビスケ「俺は・・・君が嫌いだ」


セイナ「え・・・今なんて?」


ノビスケ「っ!・・大嫌いなんだよ!!二度も言わせんなよ!」


セイナ「っ・・そうです・・よね・・こんな私なんか」


ノビスケ「違う・・悪いのは全部俺なんだ・・君は悪くない!君はすごく魅力的で・・・」


セイナ「ノビスケさん・・私もノビスケさんが!」


ノビスケ「でも!・・嫌いなんだよ!大っ嫌いだ!顔も見たくない」


セイナ「ノビスケさん分からないよ・・教えてよ」


ノビスケ「もう行くね・・・会えて良かった」


ノビスケ「ごめん・・」ボソッ


セイナ「ま、待てください・・償いならなんでもします!」


セイナ「お願いします!せめて理由を!」


セイナ「ノビスケさん!ノビスケさん・・・なんで・・」ポロポロ


セイナ「う、うわぁあああん」ポロポロ


ノビスケ「俺は・・・・最低だ」ふらふら


もしあの時告白されていたら俺はきっと・・この世界をこの時間を帰るべき場所にしてしまう


そうすれば・・スネ樹達を裏切ってしまう


それだけはダメだ!絶対に


俺はここにいていい人間じゃないここで幸せになってはいけない!


気づくと目の前に二人が立っていた


ノビスケ「ごめん・・・」


カイ「・・・お前」


メイ「・・どうか涙をお吹きください」


ノビスケ「・・・・・・」ふらふら


カイ「おい、待てよ!」


メイ「ノビスケさん!」


こんな俺は愛される資格なんてないんだ


こんな俺は・・


ノビスケ「っ!!」ダッ


ただ走った


叫んだ


疲れた


まだ足りない


走った


結局落ち着いて屋敷に戻れたのは夜だった


ーセリナ屋敷ー


ノビスケ「ただいま帰りました」


ハル「やっほーお帰り」吊るされ中


ノビスケ「相変わらずだな」


メイド長「お帰りなさいノビスケさん」


ノビスケ「ただいま戻りました。なんかボロボロですけど大丈夫ですか?」


メイド長「大丈夫です」


執事長「遅かったなノビスケお帰り」


ノビスケ「少し寄り道をね」


セリナ「お帰りノビスケ楽しめた?」


ノビスケ「はい・・楽しめましたよ」


セリナ「・・・・そう」


ノビスケ「すみません今日はもう疲れたので休みます・・」


その日の夜俺は夢を見た


刑務所での夢を




【彼の成すべき事】


ハルと俺は別々の部屋の掃除をしていた


ノビスケ「ハルこっちの掃除は終わったよ」


今日はセリナは用事で出かけている


なんでも現当主北条利光に呼ばれて行っているらしい


一応当主になる為の勉強とかなんとか


それに執事長とメイド長が同行している


なので今屋敷にいるのはハルと俺だけだ


だけどサボる事なんてしようものなら帰ってきた時仲良く吊るされる


楽にはならず逆に仕事が増えている


今日中に終わるだろうか・・


ハル「あ、ノビスケくん・・ごめんねもう少しかかりそう」


ノビスケ「全然出来てないじゃないかサボりたい気持ちは分かるけどさ?」


ハル「ごめん・・頑張るから」


ノビスケ「ハル・・なんか顔赤くないか?」


ハル「もう・・察してよね?」


ノビスケ「冗談じゃないデコ触らせてもらうぞ」


ハル「や〜ん」


ノビスケ「あっつ!すごい熱じゃないか!」


ハル「それは一つ屋根の下に異性がいたら・・ね?」


ノビスケ「だから笑えないってとにかくー」


バタッ


ハル「あぅ〜」


ノビスケ「ハル!」


ノビスケ「しっかりしろ!ハル!ハル!」


ハルが倒れてからは急いで部屋に運んだ


どうすればいいのか分からずメイド長達に連絡をしようとするが


ノビスケ「そういえば・・メイド長達携帯は置いていってんだ」


いくら本家でもこちらの情報を探られるのは嫌らしく携帯などの機器は置いていってるのだ


携帯にはその人の情報がたくさんある


他の誰にも知られたくないような事もたくさん


まぁ、それを俺に預けてくれるところを見ると信用してはもらっているようだ


ノビスケ「くそ、どうする」


ハル「はぁ・・はぁ・・・」


苦しそうにしているハル


メイド服を着ているから尚更だろう


ノビスケ「ハル着替えられそうか?」


ハル「はい・・大丈夫です」


ノビスケ「部屋出てるから着替えたら呼んでくれ」


部屋を出て呼ばれるのを待つ


ノビスケ「ちょっと遅いな・・」


バタッ


なにかが大きく倒れる音がする


まさか!


ノビスケ「っ!ハル」


ハル「ごめん・・・無理そうかも」


パジャマを半分着た半着替え状態で倒れているハルをこのままには出来ない


ノビスケ「着替えさせるけどいいね」


ハル「ごめんね・・・」


ノビスケ「あと少しだから」


やはりあの時初めて会った時も思ったけど綺麗な肌をしている


キュッと引き締まったお腹も・・あれ?少し太ったか?


ぽこっとほんの少しだか出ていた


これはダイエットだな治ったら走りにでも行くか


ノビスケ「これでよしっと、ベッドに運ぶよ」ヒョイ


ハル「ありがとね、ノビスケくん」


ノビスケ「後は薬かそれと」


部屋に散らかった服だな


あまり女性の脱いだ服に触れるのはいけないような気がするが今は仕方ない


ノビスケ「たたむだけにしておこう」


ノビスケ「後は・・・」


あまり気乗りはしないが本家に電話をするしかない


ノビスケ「番号は確か・・ふぅー!よし!」ピッ


本家執事「もしもし本家執事だ」


電話にはすぐに出た電話の前で待機でもしてるのだろうか


ノビスケ「もしもし、北条セリナに仕えさせてもらっている執事のノビスケだ。お嬢様はそちらに行ってはいないか?」


本家執事「少し待て」


ノビスケ(緊張するな・・)


前に一度かけた時はあまりにおどおどしていた所為か向こうの執事の人に


本家執事「もっと堂々としなさい!それでも北条家次期当主の執事ですか!」


ノビスケ「ひ、ひぇ〜」


って事があり正直あまり本家に関わりたくはない怖いし


本家執事「待たせた、今は出られる状況ではないが言伝なら受け付けるが?」


ノビスケ「それは困った・・・メイド長か執事長でもいいが」


本家執事「その二人も出られない」


ノビスケ「うむ・・・分かりました」


本家執事「では、失礼する」


ノビスケ「あ、待ってください!」


本家執事「なんだ」


ノビスケ「こんな事頼むのもおかしいですけど・・」


ハルの事を伝えた


本家執事「なるほど熱はどれくらいある」


ノビスケ「38°丁度です」


本家執事「医者は呼んだか?」


ノビスケ「それがどうすればいいか分からず着替えさせてそれからは・・」


本家執事「連絡してもすぐには来れないだろうな今は医者も迂闊には動けない状況だ」


ノビスケ「やはり戦争の影響ですか」


本家執事「起こる確率はゼロに近いけどそれでも動きは制限されてしまうのだろう」


ノビスケ(戦争は・・起こるんだよ・・)


ノビスケ「なら今近くの病院に連絡しても・・」


本家執事「なら医者はこちらで手配しよう。北条家の誇る医療チームだ。それと身体が汗まみれなら拭いてあげるんだ」


ノビスケ「ですが、女性の身体に触れるのは・・」


本家執事「それは命より優先させる事なのか?」


ノビスケ「それは・・」


本家執事「いいか?時に執事は主人や仲間の為なら相手が望まない事でも自分の手を汚してでもやらなきゃいけない時もある。執事は常に主人の下にはいるが好かれているかはまた別だ。その人の事を思うなら嫌われようがやる覚悟を持て」


ノビスケ「はい!」


本家執事「後は栄養のあるものを食べさせろと言っても今の状態でなんでもは食べられないだろう。執事、メモの準備をしろ極秘レシピを伝授する」


ノビスケ「はい、少しお待ちを」ダッ


ノビスケ「メモメモっと・・ってハル!何してんだ!」


ハル「はぁ・・はぁ・・掃除だよ。もう楽になったから・・」


ノビスケ「寝るんだ!」


ハル「嫌よ!離して!」


ノビスケ「ハル!!」


ハル「っ!」ビクッ


ノビスケ「ベッドに戻れ」


ハル「はい・・・」


ノビスケ「・・・・ちょっときついな・・」


執事の道は険しい


ノビスケ「メモ準備できました」


本家執事「頑張りな若人よ」


ノビスケ「へ?」


本家執事「一度しか言わないからよく聞け分量も絶対に間違えるなよ?」


ノビスケ「は、はい!」


レシピ伝授中・・・・


結局二回聞き返してしまった


ノビスケ「すみません・・」


本家執事「本当に執事ですか?」


ノビスケ「はい・・一応」


本家執事「まぁいい、それでは失礼する。医者は一時間以内にそちらへ行くようにする。それまではなるべく近くにいてやれ」


ノビスケ「はい、色々とありがとうございました。失礼します」ピッ


ノビスケ「はぁー緊張したー」


ノビスケ「ハルを拭いてあげないと」


ハルの部屋へ行った


ノビスケ「ハル入るよ」


ハル「ノビスケくん・・」ビクッ


ノビスケ「さっきはごめん大声を出しちゃって」


ハル「気にしてないから大丈夫だよ」


ノビスケ「やっぱり汗が酷いな拭いてやるよ」


ハル「え!いや、いいよ自分で」


ノビスケ「ハル、任せてな?」


ノビスケ「約束するやらしい気持ちなんて微塵も・・少しはあるけど」


ハル「あるんだ・・・」


ノビスケ「ないって言う方が信用出来ないだろ?」


ハル「・・この人は違う・・この人は違う」ボソッ


ノビスケ「ハル?」


ハル「じゃあお願いします」


ノビスケ「じゃあ、背中拭くよ」


ハル「うん」


ノビスケ(うぉおおおお!!)


以下省略


前は自分で拭いてもらいました


はい、ヘタレです


ノビスケ「じゃあ、大人しく寝てくださいよ」


ハル「うん」


ノビスケ(俺は自分に勝った!)


ノビスケ「絶対に掃除とかしようとしないでくださいよ」


ハル「もうしないよ・・・もう怒られるのは・・・辛いから」


ハル「ノビくん・・」ボソッ


ー調理場ー


ノビスケ「さて、この極秘レシピを作るか」


メモをするのに夢中で内容が頭に入ってなかったりする


あるよね?そういう事


ノビスケ「うむ・・見た感じだとおかゆだよな?」


ノビスケ「米を鍋で炊いてって本格的だな、ん?なんだこれ?」


やばい所々字が読めない


焦って書くといつもこれだ


書いてる時は後で見ても分かるだろうと思うが実際後で見た時にはそれすら忘れており結果なんだこれ!!になる


ノビスケ「う〜ん・・もう一度聞くか?いや、絶対に教えてもらえないだろうな」


下手したら執事かどうかも怪しまれてしまう


ノビスケ「材料は分かるがポイントの部分と分量が・・」


ノビスケ「男なら!やって覚えろってね!たけしさんの言葉だったかな」


ノビスケ「分量!適当!ポイント?いらん!がたけしさんだったな」


でも、結局まみとまゆに怒られてからは分量やポイントに一番うるさくなったけどね


まぁ味は変わらず不思議だよね


グツグツ


ノビスケ「塩〜塩〜」


鍋からそんな音がし始め味付けをしようとした頃


玄関のチャイムが鳴った


ノビスケ「時間的に医者かな?」


三十分で来たところを見ると結構無理をしてくれたのかもしれない


ノビスケ「はーい!」


医者「北条家医療チームの医者だ。かなり予定が詰め詰めなんだ早速だが患者は?」


ノビスケ「こっちです。この部屋です。すみませんが用事があるのでこれで」


医者「うむ、任せてください」


急いで調理場に戻る


ノビスケ「・・・・ですよね」


おかゆは見事に焦げていた


火を止めれば良かったのだが


このメモの読める所には火は途中で止めると不味いと書いてあった


ノビスケ「やり直しか・・・ん?」


「いやぁああ!注射はいやぁああ!」


「あばれるな!大人しくするんだ!ちょっとチクってするだけだからね!」


「ノビスケくん!助けて!!」


部屋からそんな声が聞こえてきた


ノビスケ「ははは、よし、作り直すか」


ノビスケ「ふふん〜」グツグツ


「ちょっと!どこ触ってのよ!」ドゴッ


「ぐはぁ!負けん!負けんぞぉおお!」


ノビスケ「ここで塩をさっと!すぐさま!蓋!火を弱火にして・・・」


ノビスケ「・・・・・・・」


ノビスケ「オープン!」


ノビスケ「うん、完成だ」


医者「終わった・・・」


ノビスケ「あ、終わりました」


医者「ただの風邪だ薬を飲ませて安静にしてれば明日には治る」


医者「これ薬な」


ノビスケ「ども、料金は分割払いで良いですか?」


医者「分割かよ!本家から貰ってるどうせこっちでは出せないだろうなって前に来た奴はコーラを貰っただけと言っていたしな」


ノビスケ「あ〜あれですか・・」


医者「では、お大事に」


ノビスケ「ありがとうございます」


ノビスケ「さて、丁度出来たし持っていくか」


ハルの部屋へ行く


ガチャ


ノビスケ「ハルあれ?いない」


ドン


瞬間地面へ組み伏せられ首元に鋭い何かが当たる


おかゆは空中へ飛んで


ノビスケ「ひぃいい!!」


ハル「クソ医者!ふふふ、どう?今度は逆に組み伏せられる気分は?刺すもの違うけどね?注射だけでは飽き足らず何をする気だ?まぁ、興味ないけど・・死ね!」


ノビスケ「ま、待ってくれ!ハル俺だ!」


ハル「覚悟!!」


ビチャ


ハル「っ!あつ!!」


ゴン


ハル「がはっ・・医者め!」バタッ


ノビスケ「あちっ!ハル!大丈夫か!ハル!」


空中へ飛んだおかゆはハルの頭へ熱々のおかゆと鈍器と化した土鍋は容赦なくハルを襲った


自分にも少し散った


ノビスケ「あの・・医者をお願いします。出来れば女性で」


本家執事「・・・・・・・」


その後どうにかご飯を食べてもらい薬も飲んで


寝てもらった


これなら明日には治るだろう


後は


散らかった部屋と調理場をどうにかしなければ


ノビスケ「いつもより疲れた・・」


立ち上がろうとした時裾を引っ張られる


ノビスケ「おっと・・ハル離してくれ」


ハル「うぅ・・どうして・・」


どうやらうなされているようだ苦しそうにしている


タオルで汗を拭く


ノビスケ「もう少しいてやるか」


手を握った


すると少しだけ苦しそうな顔が緩んだ


ノビスケ「ハル・・・・」


ーーーーーーーーーーー

ーーーーーーー

ーーー


こんな所で何やってんだろう


もう決めたじゃない


全てを捨てて生きるって


自分の過去も成すべき事もあの人の事も


ー時代不明ー


私は彼が大好き


だからどんな彼でも受け入れる


今日も彼は一人でいる


そんな彼に声をかける


彼はダルそうにしながらもちゃんと話しを聞いてくれる


それが嬉しくて


大切な時間だった


でも


ハル「誰かこっちを見てるよ?」


彼「ん?」


「あ、あの」


それは彼にとっては好転


私にとっては暗転


声かけてきた人は彼の舎弟になった


もう二人だけの時間はなくなった


邪魔だけどそんな事言えない


だって彼もそんな毎日を楽しんでいるから


それから少しして


ある事件が起きて彼は街からいなくなった


泣いた・・・会いたい


全てを投げ捨てて会いたい


みんなあの事件から彼の悪口ばかり


もう聞きたくない


彼は悪くない悪いのは私だ


私は彼を信じて待つ事にしたきっと彼は帰ってくる







彼は帰ってきた


私の学校まで来てくれた


あの事件と同じようになる


私が人質で彼は・・・


撃たれた


学校が謎の集団に襲われたのだ


舎弟の人と彼は帰らぬ人になった


私は結局なにも出来なかった


私は・・・・・


死にたい


でも死ねなかった・・・あの時私が撃たれていれば良かったのに


数年後


彼の住んでた家に行った


彼のお父さんが子供の頃住んでいた家で今は彼一人が住んでいた


もう彼もいないからここは誰もいない


ここに来るのは初めて・・だけど懐かしく感じる


決心がつかず何年も来れずにいたこの場所


貰った鍵を使い家へ入る


涙が止まらなかった


汚れた廊下、蜘蛛の巣まみれの部屋


埃で咳き込む


二階の部屋が彼の部屋


行くのが怖い・・でも


気がつくと彼の部屋でなく別の部屋にいた


誰かが呼んでる


目の前にある机の引き出しを開ける


その瞬間私の中で二つの声が聞こえるようになった


彼等に頼まれた


彼が成せなかった事をやってほしいと


それからは止まっていた時が動き出したかのように


毎日が楽しかった・・・


不思議な机から言われた時代へ行き


言われた人物を殺す


それが子供だろうとお年寄りだろうと関係なく


彼の成そうとしてた事をやりたかった


私の長い長い冬は過ぎ春が来たようだった


私は今の名を捨てハルと名乗るようになった


そして・・・私は誤ってタイムマシンから落ちてしまった


気づくとそこは知らない場所でタイムマシンもない


二つの声が私を罵倒する


お前のせいで


役立たず


死んでしまえ


私はそれが嫌で嫌で耳を塞ぐけど声は聞こえる


彼が拒絶しているようで苦しかった


もう死のうと思った


その時


一人の少女が声をかけてくれた


「死ぬなら私と一緒に死なない?」


なにを言ってるか分からなかった


「でも今はその時ではないけどね」


何故から分からなかった


私は少女の下につくメイドになっていた


それからも二人の声は罵倒を続ける


身体を奪おうともしてくる


何度少女を殺そうとしたか


それを知ってる筈なのに少女はなにも言わずわたしをここにおいてくれた


一週間が経ち


二つの声が突然苦しみ出した


ここは、時間ではなくそもそも次元が違うと言い出した


ここは、あったかもしれない世界の一つ


急に罵倒するのをやめ私に頼んできた


この時代のある人を殺してほしいと


二つの声に案内され公園へ行くと一人の青年が倒れていた


そいつだと二つの声が言う


同じ存在は二ついてはいけない


同じ存在が二つになればどちかが消えてしまう


そうなれば私達他所者が消える


ならどうするか?


消える前に消せばいいもう一つの存在を


うるさいのでさっさと終わらせようとする


本当ならこんな奴の言うことなんか聞きたくもない


でも、それが彼の成すべき事なら私しかいない


そう考えていると二つの声は悲鳴をあげて


それから聞こえなくなった


良かった


これでゆっくり殺れる


ハル「っ!!」


ここが別次元だってのも信じてはいなかった


でも、その青年を見て確信した


ここは別次元だ


ハル「ノビくん・・・・」


でも・・・私は嬉しさのあまり動けない彼をー


今まで我慢してきた分が一気に爆発してしまった


その時私は全ての過去と成すべき事そして彼を捨てた


今度は彼と一から・・・・


でも・・・私に残された時間はあまりないようだ


なら、彼に迷惑はかけられない


ごめんなさいノビくん


私は全てを捨てそして隠し通す決意をした


ーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーー

ーーーー


ハル「うぅ・・あ、身体が楽になってる熱もないし・・ん?」


ノビスケ「すぅー」


ハル「ずっといてくれたのかな?」


ハル「ありがとねノビ・・ノビスケくん」


本当は決意なんて出来てない・・・彼を選ぶかここの彼を選ぶか迷っている


でも、やっぱり違う・・ここの彼は彼であって彼ではない


私が好きなのは彼だ


この彼じゃない


今度こそ私は決心出来た


この彼のおかげだ


彼の成すべき事をやろう


でも、今だけはギリギリまでは


ハル「ふふふ」ナデナデ


ノビスケ「うぅ・・」


この日常を感じていたい


彼の為に私の為に


そしてノビスケくんの為に


ハル「ふふふ、ちゃんと殺してあげるからね」


一人不敵に笑うのだった




【デート?】


今日は庭の掃除をしていた。ボディーガードの人達にも手伝ってもらいかなり大掛かりな掃除になっていた


セリナが指示をして自分もそれに参加していた


ノビスケ「うむ・・・・・」


メイド長「どうしたのですか?手が止まってますよ」


執事長「トイレか?行って来なさい最近よく行くしな」


ハル「じゃあ行きます?連れションってやつを」


メイド長「ハルはサボりたいだけですよね?吊るしますよ?」


ハル「厳しい〜」


ノビスケ「いえ、なんと言うかセリナを見ていたら・・」


メイド長「見ていたら?」


ノビスケ「仕事しかしてないような・・あのくらいの年頃なら少しくらい遊んでも良いと思うんだけど」


執事長「それは分かっているだが言っても仕事をしている方が楽だと言うし」


メイド長「言いたくはないですが遊ぶ友達がいないと言うのも・・・」


ハル「本人が良いって言うなら良いんじゃないの?」


ノビスケ「いや、それじゃあダメだと思うんだ。セリナだってまだ高校生だ。遊びたい年頃だし仕事ばかりしてたらストレスだって溜まる。このままだといつか倒れるぞ」


ハル「そこまでする必要もないと思うけど?自己管理くらい出来るでしょ」


ノビスケ「普通ならね」


執事長「セリナお嬢様が異常だと言うのか!」


ノビスケ「そうです。だから誰かがたまに気分転換でもさせてやらないと」


メイド長「気分転換ですか・・ゲームとかはやりますかね?」


ノビスケ「あ〜メイド長の持ってるゲームはちょっとマイナー過ぎるかな?」


メイド長「そうですか・・・」


メイド長はなにを隠そうゲーマーなのだ


前に部屋に呼ばれ休みの日一日中格ゲーの相手をさせられたのはいい思い出だ・・・


執事長「温泉でも行くか」


ノビスケ「屋敷のお風呂も広いしわざわざ行くのも無駄遣いって言われますよ」


ハル「もうさ言い出しっぺのノビスケくんがどっかに連れて行ってあげれば?」


ノビスケ「え?俺が?」


ハル「うん、デートだよデート」


メイド長「それが良いですね」


執事長「うむ、歳も近いし良いだろう頼む」


ノビスケ「えぇ!」


セリナ「そこサボらない!」


ノビスケ「あ、ごめんなさい!」


ハル「とにかく明日どっか行って来てね」


ノビスケ「むむむ」


その日の夜


ー自室ー


ハルやメイド長から貰った雑誌を見ながら行く場所を考えてるが


ノビスケ「なんでこんなデート必勝とかそう言う雑誌しかないんだよ」


参考にならないか?と言われればそうではないと言えるが


ノビスケ「ジャンルが極端すぎるしな・・」


映画は・・・嫌な思い出しかないしな・・


雑誌には彼女の好みの場所へ行くのも良いぞと最終的にお前らの好きなとこ行けば良いじゃんと投げやりな事が書いてあった


ノビスケ「セリナの好きなところか・・・」


やはり本人に聞いてみるしかないか


時間は遅いがまだ起きてるだろうと思いセリナの部屋へ行った


ノビスケ「セリナ起きてるか?」


ドアを軽く叩き声をかける


少ししてドアが開く


セリナ「どうしたの?ノビスケ」泥パック


ノビスケ「もう笑わないぞ」


セリナ「笑いとってるわけじゃないから・・それで何の用?」


ノビスケ「明日暇だよね?」


セリナ「なに?」


ノビスケ「いや、だから明日暇だよね?」


セリナ「それは分かってるわよ。なんでそんな事聞くのかよ」


ノビスケ「それは・・」


その時ハルに言われた事を思い出す


ハル「いい?誘う時はデートって言いなさいよ!分かった絶対よ」


ノビスケ「でも、デートなんて簡単に・・」


ハル「男のデートと女のデートって考え方が違うから大丈夫よ。基本男とどっか行くのは全部デートだから」


ノビスケ「そうなのか・・分かった」


だからデートでも良いんだな


ノビスケ「明日俺とデートして欲しい」


セリナ「え!な、なななに言ってんの?」


ノビスケ「いや、だからデートに」


セリナ「いきなりどうしたのよ」


ノビスケ「最近仕事詰めでセリナちゃんと休んでるか?」


セリナ「余計なお世話よ。ちゃんと休んでるわ」


セリナ「もしかしてそれでデートしようなんて言ったの?」


ノビスケ「おう、ハルから聞いたが異性と出掛ける事を女性はデートって言うんだろ?考え方の問題ってやつかな?」


セリナ「はぁ・・・なにそれ」


ノビスケ「え?」


その時俺は気付いたハルにまんまと騙されたと


ノビスケ「ハルの奴!」


セリナ「話は終わり?じゃあ出て行ってね」


ノビスケ「ハルには後で仕返しするとしてセリナ明日は何処かへ行こう」


セリナ「嫌よ」


ノビスケ「それじゃあ明日よろしくね」


セリナ「ちょっと!」


返事を無視して部屋を出る


一度嫌と言うと中々考えを変えてくれない


だから少しやり方が汚いが一方的に約束をこじつける


セリナはこういう事には知らないで無視するような人ではない


だからこうすれば


次の日


ノビスケ「準備出来た?」


セリナの部屋へ行くと外へ行く為の準備がされていた


セリナ「むぅ・・・・」


納得いかないという視線付きで


ノビスケ「嫌と言いながらも準備して待ってるんだからこのツンデレめ」


セリナ「さて仕事とっと」


ノビスケ「冗談ですから!でも、一方的だったのにありがと信じてたよ」


セリナ「はぁ・・なんかいいようにされてるような・・」


ノビスケ「よしレッツゴー」


セリナ「ねぇあれなに?」


玄関ホールの上空に何かミノムシのようなぐるぐる巻きにされたなにかが吊るされていた


ミノムシ「・・・・」ぶら〜ん


ノビスケ「ん?あれ?ハル」


セリナ「息できるの?あれ?」


ノビスケ「大丈夫だと思うよ?最初は暴れてたけど大人しくなったし」


セリナ「ちょっと!それやばいって下ろしなさい」


ノビスケ「え〜〜」


なんとかハルは一命を取りとめた


小さな声で殺すと言われたが聞かなかったことにした


なんか声がいつもと違って本気のようで少し怖かった


そして俺たちは出発した


結局昨日は聞けなかったので俺が決めた


何処に行こうかと悩みに悩んだ結果


ー遊園地ー


セリナ「あまり人の多いところは苦手なのに」


ノビスケ「まぁまぁとりあえず楽しみましょうよ」


セリナ「狙われるかもしれないし・・」


ノビスケ「大丈夫絶対に守るから」


セリナ「分かったわよ信じるからね」


ノビスケ「おう」


と言ってもメイド長や執事長が実はこっそり着いてきてるんだよね


メイド長「・・・・・・」ジー


執事長「・・・・・・」ジー


向こうは気付かれてないと思ってるけど


二人とも服装が目立ち過ぎだ


黒のスーツにサングラスって・・セリナが気付いてないだけましか


ノビスケ「ん?手に何か・・っ!」


レーザーポインターが手に当たっていた


ノビスケ「セリナ伏せろ!」


セリナ「え?こう?」


ノビスケ「そこで動くなよ!」


レーザーポインターはまだ当たっているこのレーザーポインターから場所を


ノビスケ「何処だ!」キョロキョロ


ノビスケ「あ・・・」


セリナ「どうしたの?ノビスケなにがあったの!」


ノビスケ「すみませんでした!勘違いでした・・」


セリナ「え?そうなの?本当に?」


ノビスケ「はい、さっさと行きましょ、あ!」


セリナ「どうしたの?」


ノビスケ「トイレ!」ダッ


セリナ「あ、ちょっと・・もう!」


ートイレー


もう何度用が無いのにトイレに行ってんだ?俺は


俺はある人に電話をした


ノビスケ「もしもし聞こえてるか?」ピッ


ハル「聞こえてるよ〜」


ノビスケ「今すぐレーザーポインターを切れ!セリナが気付くだろうが」


ノビスケ「てか、なんで狙撃してんだよ!」


ハル「狙撃じゃなくて監視です!気にせずデートしててね」


ノビスケ「気になるんだよ!レーザーポインターが自分の身体を這っていたら!」


ハル「仕方ないな・・分かったレーザーポインター切るよ」


ノビスケ「後、今いる場所も移動しておけ」


ハル「ちょっと注文多いよ!」


ノビスケ「券売機の屋根の上にいたら目立つだろうが!」


ハル「ちぇ・・分かりましたよ」


ノビスケ「頼むから見つかるような事にはならないようにしてくれよ」


ハル「はいはい・・ん?標的発見」


ノビスケ「さて戻るか」ピッ


「ぎゃぁあああ!!」


ノビスケ「ん?なんだ?」


セリナを待たせている方から悲鳴が聞こえた


急いで向かうと二人の男性が倒れていた


ノビスケ「気絶してるだけか」


セリナ「ノビスケ」


ノビスケ「なにがあったんですか?」


セリナ「それがこの二人に声をかけられたと思ったらいきなり倒れてしまって」


ノビスケ「いきなり?」


メイド長、執事長「( ゚д゚)」ギラン


ノビスケ「ああ・・納得」


セリナにナンパしようと思ったんだろうな


それでそれを察したあそこの二人が


セリナ「何か分かったの?」


ノビスケ「いや、見た所寝不足だね寝させてあげましょう」


セリナ「そうなの?ならほっておきましょう」


ノビスケ「よし、じゃあまずなにに乗る?」


セリナ「こういう所に来たのって本当に久しぶりで何から乗っていいのやら」


ノビスケ「う〜ん俺も遊園地なんて久しぶりだからな」


セリナ「ちゃんとエスコートしてよ」


ノビスケ「よし、あのぐるぐる回るコップにしよう」


セリナ「コーヒーカップねいいわよ」


最初はコーヒーカップに乗った


スタッフ「では、スタート!」


ノビスケ「よし!回すぞ!!」


セリナ「させないからね!」ガシッ


ノビスケ「なっ!」


別のカップでは


執事長「これはどうすればいい?」


メイド長「多分ですが誰が一番回せるかとかそういうものではないでしょうか」


執事長「なるほど回すぞ!」


メイド長「お手伝いします」


スタッフ「ありがとうございました」


ノビスケ「なんか物足りなかったな」


セリナ「あれでよかったのよいきなり飛ばしてどうするの」


ノビスケ(そういえば執事長達も乗ってたな)チラッ


執事長、メイド長「」グテ〜


スタッフ「お客さん?もう一回乗るなら券売機で券をお願いします」


ノビスケ「・・・・・・」


セリナ「次は何処行く?」ワクワク


ノビスケ「ん?そうだな」


メリーゴーランド


ノビスケ「あ、恥ずかしいこれ」馬


セリナ「そうね・・」カボチャの馬車


ゴーカート


セリナ「どりゃぁあ!」


ノビスケ「わわ!スピード出し過ぎだって!」


セリナ「ふふふ!!」


ノビスケ「降ろして!!」


ハル「ふわぁ〜・・ねむ」


ジェットコースター


ノビスケ「俺あんまりこういうのは・・」


セリナ「乗ったんだから覚悟決めなさいよ」


ノビスケ「うわ〜どんどん上がっていく」


セリナ「この感覚・・久しぶり」


執事長「やっと動けるようになったな」


メイド長「そうですね・・まだ少し気持ち悪いですけど」


執事長「とりあえず乗ったがこれは大丈夫なのか?」


メイド長「今もゆっくり動いてますし子供もいますし大丈夫でしょう。高いですね天辺へ来ました」


執事長「うむ、ん?んん?」


メイド長「」


執事長「うぉおおおおおおお!!」


ノビスケ「ああああああああ!!」


セリナ「ひゃっほぉおおお!」


スタッフ「またのお越しを〜」


ノビスケ「もう来るか・・・」


セリナ「あー!楽しかったもう一回行かない?」


ノビスケ「お願いします勘弁してください」


セリナ「残念拒否権はないからね」


ノビスケ「」


この後もう一回乗りました


その時執事長とメイド長も乗っていたが寝ているようだった


流石プロだジェットコースターなんて屁でもないのだろう


ハル「・・・・・・・・」


ノビスケ「あ、おばけ屋敷だ」


セリナ「っ!」ビクッ


セリナ「さ、さぁ次は向こうに行きましょ」


ノビスケ「ほう・・・」


おばけ屋敷


スタッフ「気をつけてくださいね〜」


ノビスケ「はいよ〜」


セリナ「な、なにに気をつければいいのよ!もっと具体的に!」


ノビスケ「ほら行くよ」


セリナ「は、離して〜」


おばけ「ぐわぁああ!」


セリナ「ぎゃぁあああ!!」ドゴッ


おばけ「ごはっ!」バタッ


ノビスケ「殴り倒すなよ!」


結局おばけ役の人達全員KOされてしまった


スタッフ「もう来んな!」


セリナ「来ないわよ!」


ノビスケ「すみません」


それからも色んな乗り物に乗って楽しんだ


お土産も買って


最後に観覧車に乗った


観覧車


ノビスケ「高いなぁ〜」


セリナ「ノビスケ今日はありがと」


ノビスケ「楽しめた?」


セリナ「うん、凄く」


ノビスケ「なら良かったよ俺も楽しかった」


セリナ「またさ・・行こ?」


ノビスケ「あぁ、また行こうな」


ノビスケ「夕日が綺麗だな」


セリナ「えぇ、本当に」


ノビスケ(執事長達が帰ってるな今日はお疲れ様です。なんやかんやで執事長達がいてくれたおかげで俺も楽しめた)


ノビスケ(もしかして・・俺の為だったとか?ないか)


セリナ「・・・・」ポロポロ


ノビスケ「セリナ?」


セリナ「なんでもないわ」


ノビスケ「そう・・・」


あの時なんでセリナは泣いていたのか・・それは分からなかった


あの時のセリナの顔は凄く寂しそうな顔だった


なにも言うことが出来なかった


それから屋敷に戻りあたかもずっと屋敷にいたように振舞っているみんなに今日のお礼と土産を渡した


勿論セリナには内緒で


執事長「よく分かったな」


メイド長「流石ノビスケさんですね」


ハル「ふふふ」


ノビスケ「ハルがまともに見える」


ハル「ひど!!」


ノビスケ「・・・・」


こんな日がずっと続けばいいな・・


ずっと


「逃げんなよ!馬鹿野郎!」


本編



時代不明


ー何処かの無人島ー


ノビスケ「」泥だらけ


ノビスケ「うぅ・・はっ、寒っ!なんか懐かしい夢を見たような気がしたが・・それより今は!寒!そうだったタイムベルトで時間移動をする前に服を全部脱いだから・・」


周りを見渡すがどう見ても海ではない


ノビスケ「確か場所は移動できないから海の上に出る筈なんだが」


ノビスケ「そういえば!アヤカさんは!」


移動する瞬間に気がついたが彼女も下着以外全裸だ


酔っていても冷静な判断と呼べるのかは分からないが脱がなかったら泳げてなんかいなかっただろうし良かったのだろうか


少し感触を感じたが


ノビスケ「うぅ・・寒いアヤカさんを探さないと凍死してしまうぞ」


アヤカさんはすぐに見つかった


すぐ近くに倒れていた


アヤカ「」


ノビスケ「頼む生きててくれよ」


抱き抱えて確かめる


心臓は動いているが弱い


ノビスケ「すぐに暖めないと」


この状況で暖める方法なんてひとつしかない


ノビスケ「ごめんね・・アヤカさん」ダキッ


彼女の身体を包み込むように抱きしめる


ノビスケ「暖かくなってきた」


アヤカ「うぅ・・頭痛い」


ノビスケ「アヤカさん起きたんだね」


アヤカ「あれ?ノビスケくん?あれ?なんで私裸に・・え?・・え!」


ノビスケ「あ、あのアヤカさん落ち着いてください。裸ではないですよ?ほらちゃんと上下の下着はしてるじゃないですか」


アヤカ「っ!!このヘンタイ」


バチン


ノビスケ「うがぁ!!」


アヤカ「わ、私をどうする気!」


ノビスケ「いてて・・アヤカさん落ち着いてくださいって今話しますから」


ノビスケ(酒で覚えてないのか?これはやばいな)


ノビスケ「あのですね?」


アヤカ「近寄らないで!あなたは違うって信じてたのに!所詮あなたも他の奴らと同じように!」


ノビスケ「何を言ってるんだ今はこんな事してる場合じゃ」


アヤカ「それにここは何処よ!こんな所に連れ込んでやるつもりだったの!ヘンタイ!死ね!」


ノビスケ「だから」


アヤカ「きゃぁあああ!!来ないで!!うっ・・」


ノビスケ「アヤカさん?大丈夫か!」


アヤカ「来ないで・・・」


ノビスケ「わけは必ず後で話しますし償いもしろと言うならします。だから」


アヤカ「ノビスケ・・くん」


???「おりゃぁあああ!!」シュッ


ドゴッ


後ろから誰かに鈍器で殴られる


ノビスケ「っ!ぐぁ!!」


背後からの攻撃いつもなら気づけるけど今は全く分からないほど自分も弱っていた


どうやら木の棒で殴られたようだ


それに子供のようだ


殴った奴がアヤカさんを連れて行こうとしてる


ノビスケ「うぅ・・待て」


担いで逃げているから追いつくのにそう時間はかからない


ノビスケ「捕まえた!」


少年「やばい!」


ゴスッ


ノビスケ「おぅふ!」


いきなり股間に衝撃がそして激痛が走る


思わずうずくまる


また背後からやられたようだ


ノビスケ「うぉおおお!」


すごく痛い


少年「逃げよう!」


逃がすか!


ノビスケ「ま、て!」


少女「この!」砂ザァー


砂は目に直撃


ノビスケ「ぎゃぁあああ!!目がぁあああ!!目がぁあああ!!」


某ジブリの大佐にも負けないくらい叫ぶ


そして少年達は逃げていった


ノビスケ「くそっ!くそっ!!まだ!まだだ!」ふらふら


痛む身体を起こして視界もまだ治ってない状態で歩き出す


ノビスケ「絶対に許さねぇ・・・」


続く


後書き

次回、沈む無人島、ピンクの悪魔、ドラえもんの怒り、現北条家の人達

それら全てがノビスケと大きく関わる事に


このSSへの評価

1件評価されています


SS好きの名無しさんから
2017-12-20 19:31:37

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このSSへのコメント

4件コメントされています

1: SS好きの名無しさん 2017-12-21 18:30:14 ID: KdPV_kVg

どうも!
艦これSSから入らせてもらったもんです。
9章の8番と12番って言えば解るかな。
こっちも仕事の合間縫って読ませてもらってますが、のびハザをプレイしているときの感覚を彷彿とさせられる読み応えがあって休み時間のお伴にさせてもらってます。
ノビスケの荒削りで不器用で意地っ張りで少し強がりでよくも悪くもまっすぐなところが艦これシリーズのおんぼろ提督と似たような感じがしてこれはこれで好きだなって思える作品ですね。(お嬢・お嬢姉は如月っぽいかも)
ドラマに例えると「好きな俳優さんが出てるドラマを適当に何タイトルかツ○ヤで借りてきて見た時の、作品は違うけど主演で出てる俳優さん一緒の作品に感じる妙に心地いい既視感と安心感」みたいな感じが好きですよ。
それから、たまにいる中傷コメは気にしないでいきましょう!世の中色んな人いるし、人の悪口とか嫌味言ったり憎まれ口叩くのが三度の飯より好きな人ってどこにでもいるものですし、気にしないで自分のスタイルを貫くのが何よりの反論だと思います!

2: SS好きの名無しさん 2017-12-21 18:32:39 ID: KdPV_kVg

コメ数オーバーしちゃったんでもう一回コメント。
おまけに中傷コメの大体はこの作品の何が良くて何が悪いか具体的に指摘してないし、説得力無さすぎだしで「とりあえず人の悪口言いたいだけだろいい加減にしろ暇人がって言って欲しくてしょうがないドMじゃねえかお前ら」と言うコメントだったし。
むしろそう言う奴らに「お前らの思う壺は癪だから完結まで書き上げてやったぜどうだバカ野郎アーッハッハッハッハ!」ぐらいに舌出して笑ってやれるぐらいに自分のやりたいドラえもんと艦これを表現してしまって欲しいととにかく僕は思うし、楽しみにしてるし、時間がかかっても気にしないんで完結まで頑張ってくださいね!

あと、余談ですがこの作品が一段落したら新訳のびハザのノベライズ版とか余裕があったら書いてほしいな~とリクエストしときます(^^;

3: ポテ神提督 2017-12-21 21:10:03 ID: x_fDaCWn

1、2番さん!

こっちも見てくれたんですね!ありがとうございます!こんなに長文のコメント凄く嬉しくて励みになります!

このドラえもんSSは艦これSSを書く前に書いていたのですが、12章までは書けたんですが、そこから中々書けなくなり感覚を取り戻す意味でも艦これSSを書き始めました

もう数年単位で更新していないんですが、必ず書きますから待っててください

とりあえず12章までは投稿するので見てくれると嬉しいです

4: ポテ神提督 2017-12-22 00:09:03 ID: uPlmNmhm

もう一度1番と二番さんにコメです!

提督のノビスケは似てるかもしれませんね!そう言うキャラしか書けないのかもしれないですけど(笑)

でも、俺は自分の好きに書いています。でも最近は結構評価を気にしていると言うのもあるしリアルで結構大変なのもあって中々更新出来ません

でも、その言葉で少しやる気が出て来ました!

のびハザは俺もやりましたけど、あの傑作を俺がノベライズするなんておこがましいですよ!恐れ多くて出来ませんけど、書いて見たいなとは思います

なんか色々浮かんで来ますね!!


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