2018-03-04 20:35:20 更新

概要

現在、過去、未来。家族シリーズ短編集です。


前書き

子供達などオリキャラが出るので苦手な方はご注意ください。








↑いろは「家族旅行?」

第1章的なものです。他に続編が3つほどあるんですがとりあえずこちらを読んでいただかないとこの作品はわけわからないです















おとは「お姉ちゃ〜ん。もうすぐ着くよ〜。お姉ちゃんってば〜」


おとは「ハチロー!やっちゃえ!」


八郎「ア〜ウ〜」ペチペチ


さとは「(( _ _ ))..zzzZZ」


おとは「全然起きないよ…」


八幡「おいおい爆睡かよ」


おとは「徹夜でゲームしてたらしいよ」


八幡「相変わらずだな…」


いろは「えっと…着替えはあるし…あれは持ってきたしそれとあれとあれと…あれ?あれ持ってきたかしら?あれ?」


八幡「あれあれうるさいぞ」


いろは「むう…忘れ物がないか不安なんですもん」


八幡「いや…そんな家から長い距離じゃないんだし忘れたら取りに帰ればいいだろ…」


いろは「そうなんですけど〜」



〜♫




いろは「あ、あなた電話ですよ」


八幡「運転中だしお前出てくれ。どうせお袋だろ」


いろは「ほんとだ、お義母さんからですね」ピッ


いろは「もしもし。……はい……はい、わかりました」


いろは「はい、私達ももうすぐ着きます……はい、ではまた後で」ピッ


八幡「なんだって?」


いろは「川崎家と茅ヶ崎家はもう着いてるそうです。私達が最後ですね」


八幡「茅ヶ崎もか。今年も全員集合できそうだな」


いろは「そうですね〜。よかったです」


八幡「おし、着いたぞ」


おとは「わぁ〜久しぶりだね!みんな元気かな〜」


八幡「おとは、いい加減さとは起こしてくれ」


おとは「パパが起こしてよ。パパならすぐだから」


八幡「は?なんで?」


おとは「いいから」


八幡「おい、さとは、起き…」


さとは「…んにゃ…なに、お父さん。着いたの?」


おとは「(睡眠中のお姉ちゃんの耳どうなってるんだろ)」


いろは「(先輩の声を入れためざまし時計でも作ろうかしら…なにそれ私ほしい)」


さとは「ふわぁ〜」アクビ~


おとは「お姉ちゃんお姉ちゃん!早く行こ!みんな待ってるよ!」


さとは「はいはい」





さとは「寒い…」


さとは「久しぶりだな…」





さとは「おばあちゃん家」

















みなさんお久しぶりです!

比企谷いろはです!

今日は12月31日です

今年もいよいよ終わりが近づいてきました


毎年私たち家族は私の夫である比企谷八幡の実家で年をあけるのが恒例となっています

ということで今年も無事、先輩の実家に到着しました






おとは「うわっ寒すぎっ…」


「おとはお姉ちゃんだー!」


「おとはちゃーん」


「おとはお姉ちゃん。久しぶり〜」




車から降りて早々、2人の男の子と1人の女の子がこちらに走ってきました




おとは「おお!三姉弟!みんな元気だったかー!」


「元気!元気!」


「鬼ごっこしよー!」


「走って転ばないようにね?」


おとは「よーし!おとはお姉ちゃんが鬼だー!がおー!」


「わー!」


「やー!」




いやあ…元気だなあ。若いってすごいなあ…。

いや私も若いけどね。今も。うん。まだいける。



「雪だー!とーう!」ダイブ


「あははは!!つめたーい!」


「ちょ、ダメだよ!服よごれるから!お母さんに怒られるから!」


おとは「雪合戦だー!」




…いけないかな…





八幡・さとは「「若い子は元気だねえ…」」




先輩も同じこと思ってたみたいですね

ていうか、さとは。あなたはそれ言っちゃダメでしょ…




「なに年寄りくさいこと言ってんの」




八幡「お、よお、久しぶりだな」



八幡「……沙希」






沙希「久しぶり。遅かったね」


いろは「お久しぶりです!」



こちらは、茅ヶ崎沙希(ちがさき さき)

旧姓は川崎。

みなさんご存知、高校生時代に先輩のクラスメイトだった人です

おとはと今も走り回って遊んでる三児の母で1番下の子と2番目の子が小学生、どちらも子供らしくやんちゃな子たちです

1番上の子が中学生だったかな?沙希さんに似てしっかり者のお姉ちゃんって感じです

私たちと同じ5人家族ですね

茅ヶ崎家とは、先輩の妹の旦那の姉の家族というまあちょっと…遠い関係にはなるんですが

私たち比企谷家、小町の川崎家、そして沙希さんの茅ヶ崎家はなにかと交流が多くあり、いつのまにか年末いっしょに過ごすのが当たり前になってきました





さとは「沙希おばさん、久しぶり」


沙希「いろはとさとはも久しぶり。おとはは…うちの子たちと遊んでくれてるみたいだね。みんな元気そうでよかったよ」


八幡「そっちも元気そうで。今年も無事いっしょに過ごせそうだな」


沙希「そうだね。あ、あと妹もきてるよ」


八幡「え?」





「はーちゃん!」ダキ




八幡「うおっ…とと…おお、久しぶりだな……けーちゃん」


京華「ふふっ、久しぶり!」


いろは「わっ、京華ちゃん!久しぶりだね!」


京華「久しぶり〜」



勢いよく先輩に抱きついてきたこの子は

川崎京華(かわさき けいか)

沙希さんの妹です

今は東京で働いてるんだっけ



京華「びっくりした?」


八幡「したした」


京華「はーちゃん元気だった〜?」


八幡「おー元気だったぞー」


京華「私も元気だった〜」ニコー


八幡「いやあ姉はいっつも刺々しい雰囲気だったけどなあ…けーちゃんはいい子に育ってるようでなによりだ」


沙希「あ?喧嘩うってんの?」


八幡「今年はこっちで過ごすのか?」


京華「うん。はーちゃんに会いたくて遊びにきちゃった」ギュウ


八幡「そうかそうか。会えて嬉しいぞ」


京華「えへへ〜」


さとは「………京華お姉ちゃん」


京華「あ、さとはちゃん久しぶり。元気だった?」


さとは「元気でしたね。はい。それよりさ、ちょっとくっつきすぎじゃないかな」


京華「ん?」


さとは「お父さんから離れて。くっつきすぎじゃない?くっつきすぎだよね」


京華「えーそんなことないよ〜」グイ


八幡「おっとと…」


さとは「いやどうみてもくっつきすぎだよね。うん。離れて」


京華「さとはちゃん顔が怖いよ〜ふふふ〜」ニコニコ


八幡「おいおい、仲良くしろよお前ら」





何年たっても先輩の前では甘えた子供みたいになるところは変わらないみたいですね京華ちゃんは

お互いの呼び方も変わらず

学生時代からこの光景を見てきてますし微笑ましいものですが、さとははよく思ってなさそうですね…




八郎「うう…」ブルブル


いろは「あ、八郎ごめんね。寒いよね」


沙希「っと、そうだね。早く入ろう。私も子供たち呼びに来たんだった」


沙希「ご飯もう小町とおばあちゃんが先に始めてるよ」


いろは「え、じゃあ早く手伝いに行かないとですね」


沙希「私もすぐ行く」


さとは「離れて」グググ


京華「や〜だ〜」グググ


さとは「京華…おばさん。いい歳なんだしさ。やめたほうがいいよ」


京華「あらら、言うようになったねさとはちゃ〜ん」ニコニコ


八幡「仲良くしろって」






まだやってたんですね…


さて、先輩はまあ置いといて





これからおせちの準備やなんやら…

今年最後も大忙しです!







第1話 授業参観







八幡「授業参観…?」


いろは「はい。来週あるみたいですね」


八幡「授業参観ってついこの前もなかったか?」


いろは「それはおとはの方です。今度はさとはの学年があるんですよ」


八幡「ああ…なるほど。そういやおとはどうだったんだ?」


いろは「目立ってましたよ〜。あの子授業でどんな問題でも誰よりも早く手を挙げるんです。すっごいドヤ顔で」


八幡「ほーん。他の子供の親もいるだろうに緊張しないのか。やるじゃないか」


いろは「それでなにがすごいかって自信満々に答えた答えが全部間違ってることですね。盛大に」


八幡「……おいおい」


いろは「まあ先生も小学生は元気なのが1番ですって言ってましたし大丈夫ですよ」


八幡「今度勉強教えるか…」


いろは「さとはの方はどうですかね〜。あの子成績はいいみたいですし」


八幡「……んー………」


いろは「どうかしましたか?」


八幡「さとはの授業参観。俺も行っていいか?」


いろは「え!?でも仕事が…」


八幡「有給とるよ。今はそこまで忙しくないしな」


いろは「そうですか…。でも突然どういう風の吹き回しですか」


八幡「俺も娘たちの学校生活を見てみたくなっただけだよ。父親としてな」


いろは「へーいい心がけじゃないですか。なんか気持ち悪いですね」


八幡「なんでだよ…」


いろは「ん〜じゃあそうですね。あなた1人で行ってみましょうか」


八幡「は?」


いろは「いえ実はその日、町内会の方で用事があったのでどうしようかと思ってたんですよ」


いろは「でもあなたが行ってくれるなら町内会断らなくても大丈夫そうですね」


八幡「い、いやいやいや俺1人で行くの?やばいだろそれは。不審者が来たようなもんだぞ」


いろは「自分で言いますか…。大丈夫ですよ。そんな腐った目でも…あのー…そう、サングラスでもしとけば」


八幡「さらに不審者感でてませんかねそれ」


いろは「あなたが授業参観に来たらきっと喜びますよあの子。そうだ、いっそ当日まで内緒にしときますか!」


八幡「な、なあやっぱりいろはも付いてき…


いろは「あーもーつべこべ言わない!父親として堂々と行けばいいんです!」






…………………


……………


………


……








ー 授業参観日 当日 ー






八幡「結局1人かよ……」


八幡「えっと…さとはのクラスは…」







八幡「ここか…」


八幡「………」


八幡「は、入っていいんだよな」


八幡「そうだよ。娘を見に来たんだ。なにを迷うことがある。堂々と…そう堂々と…」


???「小学校の教室のドアの前でブツブツと…。これはいよいよ通報した方がよさそうね」


八幡「おぅわっ!!?」


雪乃「こんにちは。比企谷くん」


八幡「ゆ、雪乃…?おまえどうしてここに…」


雪乃「どうしてって、今日は授業参観よ。息子を見に来たに決まっているじゃない」


八幡「ああ…そうか。そうだよな。てか同じクラスだったのか」


雪乃「知らなかったのね。今のところ毎年同じクラスみたいよ」


八幡「マジか…」


雪乃「それにしても比企谷くんが授業参観なんてイベントに来るなんて意外ね。……もしかしてそれを利用していたいけな女の子たちを…」


八幡「んなわけないだろっ」


雪乃「ではまさか人妻狙いなの…?やだ怖いわ…」サッ


八幡「お前は本当に俺をなんだと思ってるんだ…」



「あ、あの〜。教室に入りたいんですが…」



雪乃「あ、すみません。とりあえず入りましょうか」


八幡「そ、そうだな」















ドア ガララ





秋人「あ、母さん!」


雪乃「今日はがんばりなさいね」


秋人「任せといて!」グッ


「うわー!秋人の母ちゃんめっちゃ綺麗!」


「ほんとだー!秋人くんのママすごーい!」




「わっ、みてみて。さとはちゃん。秋人くんのママきたよ。きれいだね〜」


さとは「うーーん。そうだね〜〜」


「あはは…さとはちゃん元気ないね」


さとは「授業参観とか嫌だよ…。ママに見られたくない」


「確かに普通そうだよね〜。私も嫌だな〜。あー今日の授業あてられたくない〜でも手あげなきゃママうるさそうだな〜」


さとは「はぁ…めんどくさい…」




「秋人くんいいなあ〜あんな美人なママで」


秋人「そ、そうかなあ?普通だと思うけど。別に美人じゃないしもうおばさ…」


雪乃「秋人、今日の授業で答え間違えたらご飯抜きよ」


秋人「なんで!?」


八幡「落ち着けおばさん。事実だ」


雪乃「い、言うようになったわね…比企谷くん」ギロ



秋人「え!?さとはちゃんのお父さん!?」




さとは「えっ…」バッ


さとは「パ…え?パ、パ…」


「パ?パがどうしたの?さとはちゃん」






さとは「ぇえええええええパパァアアアアア!?!?!?」














八幡「お、そこにいたか。ようっ、さとは」


さとは「よ、よう!じゃないよう!な、な、なんでパパが!」


八幡「いやーなりゆきで」


さとは「なにそれ〜!!聞いてないよ!パパに見られるなんてママより恥ずかしいよ!か、帰って!帰っ…」


八幡「今日はがんばれよ」ナデナデ


さとは「ふにゃぁあぁああしゃとはがんばりゅぅ〜〜///」トロン


秋人「(しゃとはって…)」


雪乃「(……かわいい)」


さとは「はっ!?やめてよパパ!頭ナデナデしたってダメだよ!さとはは認めないよ!」


八幡「今日頑張ったらマッ缶買ってやるよ」


さとは「さとはがんばる!超がんばる!」グッ


秋人「(あんなダメなさとはちゃん初めて見たよ…)」


雪乃「(かわいい)」












先生「はーい!それでは授業を始めますよ〜」


先生「今日はいつもと違ってみんなのママさんやパパさんが見ている中だけどみんなはいつも通り!元気よく!!勉強しましょー!おー!」




「「「「おー!」」」」



先生「はーい!拍手!拍手〜!盛り上がっていこー!!」




パチパチパチパチッ





八幡「あれが担任の先生か」


雪乃「あら…?まさか初めて見たの?」


八幡「ああ。まあな。なんというかすげえ元気な人だな。教師似合いそうだ」


雪乃「…………」


八幡「…なんだよ、こっち見て」


雪乃「いえ、ふふふ…そうね元気な人ね…ふふ」


八幡「…?……なんなんだよ…」













先生「ではではまずは教科書の47ページを……」


先生「って……えっと…比企谷さん?大丈夫?」


さとは「だ、だだだだだだだだだだだだ大丈夫ですっ」ガタガタ


先生「そ、そう…」


八幡「どしたのあいつ」


雪乃「あなたがいるから緊張してるんじゃないかしら」


八幡「え、俺のせい?マジかよ、声かけたりした方がいいのか」


雪乃「たぶん今それは逆効果よ…」






さとは「(さっきは勢いで頑張る!とか言っちゃったけど…)」


さとは「(パパがみてる…パパが…パパが…)」


さとは「(やっぱり緊張するよ〜〜〜〜〜〜〜)」


さとは「(と、とにかく落ち着かないと…。そう、落ち着くのよさとは…落ち着け…落ち着け…)」


先生「………ではまず今の問題を正解率99%の比企谷さんに答えてもらうかな!」


さとは「ひゃ、ひゃい!?あ、えっと、えと」


さとは「(落ち着け落ち着け〜!)


先生「比企谷さん…?」


さとは「おち、おちつく…おち…えと、さ、さ、さんてん…いち4…159265358979323846264338327…」ブツブツ


先生「なぜに円周率!?国語の授業だよ!?てかすご!よく覚えてるねそれ!?」



「あははは!!さとはちゃんおもしろーい!」

「さとはちゃんがんばれー!」




さとは「〜〜〜っ///」




八幡「あんなさとは…初めてみたな…」


雪乃「十中八九あなたのせいだけれどよかったわね。娘の知らない1面がみれて」


八幡「……ふっ…そうだな…」


八幡「(がんばれ…さとは)」


先生「次は昨日、授業でやった物語覚えてるかなー?その続きからいきましょう!」












先生「…さて、じゃあ…最後を葉山くん!読んでください」


秋人「は、はい!」ドキドキ


八幡「なんだ、さとは程じゃないが随分緊張してるみたいだな」


秋人「一言でも噛んだらお小遣い抜きと言ったからかしら」


八幡「鬼かお前は…」


雪乃「冗談よ。あの子もまだまだ子供ということね」


秋人「〜〜〜」


秋人「〜〜だから、A君は思いました。僕はたった1人の友達、Bくんとの時間を大切にしていきたいって」


秋人「おわり」


先生「はい、よく読めました」


雪乃「友達がテーマのお話とはあなたには酷な時間だったわね」


八幡「お前もダメージ入ってるだろ。無理するな」


雪乃「入ってないわ。断じて入ってないわ。ノーダメよ。あなたこそ瀕死状態のようね。悲惨な過去だったようで心中お察しするわ」


八幡「ばっか。俺の小学生時代なめるなよ」


雪乃「あら、では友達がいたの?」


八幡「……」


八幡「ふむ……そうだな、まずどこからどこまでが友達なのか定義してもらっていいか?」


雪乃「いえ、もういいわ。そのセリフは友達がいない人間のセリフだわ」




先生「あ、あの…すみません。少し静かにしていただけると助かるのですが…」


八幡「あ、す、すんません」


雪乃「す、すみません」




子供達「「「「「あははははっ〜」」」」」





さとは「(恥ずかしい!///)」プシュ〜


秋人「(〜///)」







先生「と、ということでみんなこのお話どうだったかな〜?」



「うーん…Aくんかわいそう!」



先生「あら?なんで?」



「だって友達一人しかいないじゃん!友達は多いほうがいいじゃん!」


「そーだよねー!寂しいよねー!」


「オレは友達100人いるぜー!」


「うそつけwwww」



先生「はいはい。みんな静かにー!」


先生「そうだよね〜。友達いっぱいると楽しいよね」



「うん!楽しいー!」



先生「友達がいることはとてもとてもとっても!いいことだよ!」


先生「ひとりぼっちは寂しいもんね」


「やだー!そんなのー」


「当たり前じゃんそんなの!」





雪乃「言われてるわよ」

八幡「言われてるぞ」



雪乃「…はい?」


八幡「…あ?」



周りの親「「「(さっきからなんなのこの2人…)」」」




さとは「(もう目立つのやめて〜!!!///)」


秋人「(もう帰りたいぃいいい〜///)」




先生「ひとりぼっちか…」ボソ




八幡「…?」


雪乃「…」




「せんせいー?どうしたのー?」



先生「あ、ごめんね!」


先生「みんなに先生からお願いがあります!」



「なあにー?」

「なになにー!」



先生「友達は物語に出てきたAくんのように1人でもいい。何人でもいいんだよ。それこそ100人いてもいい。少なくても多くてもいい悪いことじゃないよ。数なんて関係ないんだ」



先生「ただ…大切にしてほしい。それが一番大事なことだから」



先生「〇〇くん、そういえば△△くんと仲がよかったよね」



「うん!△△くんはオレの親友だよ!」



先生「そっか。じゃあもし△△くんが困っていたらどうする?」



「助ける!!」



先生「ははっ、即答だね。うん。とてもいいことだよそれは。その人を助けたいと思える気持ちがあるっていうのは友達としてほんとにいいことなんだ」


先生「〇〇くん。ちゃんと助けてあげるんだよ?男の子が嘘ついたらカッコ悪いよ?」



「うん!!!!」



先生「友達一人ひとりとたくさんたくさん遊んで笑いあって仲良くなってほしい。もし友達が困っていたらその時は助けてあげてほしい。もし友達がいけないことしていたらちゃんといけないことだよって言ってあげてほしい」


先生「もし…自分が困っていたら…その時は勇気を出して友達に助けてほしいって言ってほしい」


先生「これからみんなは大人になっていきます。そうしたらいろんな人と出会って、いろんな友達ができるかもしれません。それこそ本当に!100人できるかもしれません」


先生「でも、もしかしたら大好きだったお友達とお別れしちゃうこともあるかもしれません」



「ええーやだー!」



先生「ふふっ。嫌だよね。だから…友達との時間を、今を、なによりも大切にしてほしい」



先生「今、大事な友達がいる子もこれから友達を作ろうとしている子も…」







先生「後悔…。後悔だけは絶対にしないように」





八幡「……」


雪乃「……」





先生「っとまあ難しい話はここまで!とにかく!お友達とはいつまでも仲良くいっぱいいっっっぱい!遊びましょう!みんなわかったー?」



「はーい!せんせー!」


「わかったー!」






雪乃「私達の人生は……どうだったかしらね」


八幡「……」




八幡「忘れたわ。そんな昔の話」















キーンコーンカーンコーン





先生「お、では今日の国語の授業はここまでです。宿題忘れないよーに!」


先生「お母様方、そしてお父様方も本日はお忙しい中最後まで授業参観にご参加くださり本当にありがとうございました。後ほど別室にてご質問やご相談などなど受付ておりますのでなにかございましたらご遠慮なくお越しください」





八幡「ん?もうこのまま学校も終わりなのか?」


雪乃「ええ、だいたいの親子はこのまま一緒に帰るでしょうね」




「ママー!ぼくどうだったー?」

「よくがんばってたわよー」

「母ちゃんはやく帰ろ〜つかれた〜」



「先生ー!さよならー!」

「じゃあなー!バイバイビー!」




先生「はーい!さよなら〜。気をつけて帰るのよ〜」


先生「…ふぅ」


先生「……………」


先生「……」チラ




八幡「んじゃ、とっとと帰るとするか」


雪乃「ところで比企谷くん」


八幡「ん?」


雪乃「担任の先生はどうだったかしら」


八幡「は?…どうって…いいと…思うぞ。たぶん。授業はわかりやすかったし。なによりあの明るいところがやっぱ子供たちにうけてるみたいだしな」


八幡「…理想の教師だなとは思ったよ」


雪乃「……ふふ」


八幡「なんで笑うんだよ」


雪乃「だ、そうですよ。先生」


先生「ベタ褒めしていただきありがとうございます」


八幡「うおっ!?」


雪乃「よかったわね」


先生「うん。まさか八幡がそんなに褒めてくれるなんて思わなかったよ」


雪乃「それだけあなたは変わったってことよ」


八幡「なに、マジで意味わからんのだが。てか今先生、俺のこと名前で…」


先生「八幡は八幡じゃん」


先生「本当に…久しぶりだね」


八幡「????????」


雪乃「わかりやすいほどにまで混乱してるわね…ふふ…」


先生「むぅ…笑わないでよ雪乃お姉ちゃん。てかやっぱり気づいてなかったんだ…」


八幡「あ、…えっと…?」


先生「授業中に思い出してくれたりするかな〜ってちょっと期待したけど全然ダメだったみたいだね。けっこう落ち込むなあ」


八幡「思い出す…?俺と先生は今日初めて会って…」


雪乃「ふふ…もう許してあげなさい。この男、本当にわからず困ってるわよ」


先生「はあ…。そうだね。それじゃあ改めて自己紹介」


先生「まあ教師としては初めましてだし…」


先生「初めまして。比企谷さとはちゃんのお父様。私、さとはちゃんのクラスの担任を務めさせていただいております…」





留美「鶴見留美といいます」






八幡「…………えっ?」






ーーーー私、見捨てちゃったし…。もう仲良くできない…仲良くしてもまたいつこうなるかわからないし…なら…このままでいいかなって




ーーーーなあお前



ーーーーお前じゃない





ーーーー……留美








八幡「鶴見…留美…。留美…?ああ、そうか…!そうか思い出した!ルミルミか!!」


留美「うわっ、キモ。なんでその呼び方で思い出すの。ほんとキモい」


雪乃「ごめんなさい。とてつもなくおぞましいわ。吐きそうだわ」


八幡「いやお前…気づけるわけないだろ!何年…いや何十年ぶりだよいったい。よく思い出したわ俺も」


雪乃「私も最初は驚いたわね」


留美「ドッキリは大成功みたいだね」


八幡「マジで驚いたわ…」


八幡「そうか…お前、先生になったんだな」


留美「うん」


八幡「似合ってねえな」


留美「む、さっきは褒めてくれたじゃん。ひどい」


八幡「はははっ、悪い悪い、冗談だよ」


留美「…」ムス


八幡「留美」ポン


留美「なに…」


八幡「頑張ってんだな…お前も。えらいえらい」ナデナデ


留美「ちょ、ちょっと子供達もいるんだから。てか子供扱いしないで!昔とは違うんだから!」




八幡「…また会えて、よかったよ」


留美「…っ…」


留美「……」


留美「…///」







留美「私も、また会えてよかったよ。八幡」ニコ












……………………


……………


………


……








ー 帰宅中 ー





八幡「どうだった今日の授業」


さとは「パパのせいでなんにも頭に入ってこなかった。パパのバカ」


八幡「ご、ごめん…」


さとは「…」


八幡「…」


さとは「ねえ、パパ」


八幡「ん?」


さとは「ど、どうだった?さとは」


八幡「……ああ、よくがんばってたよ」ナデナデ


八幡「(だいぶってかかなり緊張してたが…)」


さとは「えへへ…///」


さとは「パパ、おんぶ」


八幡「えっ…もう小学生なんだしそろそろ…」


さとは「おんぶ〜!」ム~


八幡「はぁ…仕方ないな。ぉいしょっと」


さとは「…///」ギュウ


八幡「……(重く……なったなあ)」



八幡「なあ、さとは」


さとは「なに?」


八幡「友達、いるか?」


さとは「…いない」


八幡「じゃあほしいか?」


さとは「……」


さとは「わかんない」


八幡「あはは…そっか、わかんないか」


さとは「…」


八幡「さとは」




八幡「お前のしたいことをしろ。やりたいようにやれ。焦んなくていい。楽しいことがあったらそれをめいっぱい楽しめ。もし…楽しくなかったらパパでもママでもいい。教えてくれな。さとはが泣いてるとパパも泣いちゃうからな」




さとは「え?パパが?やだ、泣かないでパパ!」


八幡「ははっ、ありがとな。大丈夫。さとはが元気でいてくれさえすればパパも元気だから」


さとは「わかった!さとは元気でいる!」


八幡「いい子だ」


八幡「そうだ、友達作る時は男には気をつけろ。いや男はやめろ。男はみんな狼だから。さとはのこと食べようとしてるから」


さとは「え、ほんと?うわわ、みんなさとはのこと食べる気だったんだ…わ、わかった!気をつける!」


八幡「(みんなって…さとは意外とモテててんのかな…さすが、いろはの子だな。うんうん)」→謎のドヤ顔


さとは「あれ…?でもパパも男だよね?」


八幡「パパはいいんだよ。パパだから」


さとは「??????」













さとは「ただいまー!」


八幡「ただいま…」


おとは「ぅう…」


八幡「え、おとは…なんで泣いてるの?」


おとは「うわぁあああああんパパのバカー!」


八幡「なんで!?」ガーン


いろは「あなた、おかえりなさい。授業参観、さとはのだけ行っておとはのは行かなかったら拗ねてるんですよ」


八幡「ああ…なるほど。わ、悪かったよおとは。次はパパ絶対行くから。な?」


おとは「うわぁあああああああああん」


八幡「うえ、え、えっと…えっと……ご、ごめんなさい」ドゲザ


いろは「あなた、どうしていいかわらないからってそんな綺麗な土下座を子供にしないでください…」


八幡「うっ…」


いろは「それに…」




いろは「……土下座する相手を間違えてますよ」




八幡「え?」


八幡「っ!?」ビクッ



いろは「…」ゴゴゴゴゴゴゴゴッ



八幡「(あ、これヤバイ、怒ってる。超ヤバイやつだ)」


いろは「今日、学校で…」


八幡「あ、そうそう、さとは、頑張ってたぞ。かしこいところはいろはに似たのかな?きっとそうだ。それにすごくモテるらし…」


いろは「担任の女性の先生を口説く父親がいたと聞きました」


八幡「はい!?」


いろは「鶴見先生、美人ですもんね」


八幡「いやいや待て待て」


いろは「なんですか、妙に授業参観行きたがると思ったらそういうことだったんですか」スス…


八幡「待って包丁はダメだあぶない包丁ダメ!」


いろは「そういえば昔からの知り合いだったとか。どういうことか説明していただけますか?」


八幡「っ!?雪乃!あいつの仕業かぁああ!」ダダダッ


いろは「待ちなさい!先輩の浮気者ー!!」






授業参観 【完】

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー









八幡「うーす」


小町「あ、兄さん。お帰り〜」


八幡「おう」


いろは「遅くなってごめん!ご飯手伝うよ」


小町「ありがとう!お母さん。兄さん達きたよ」


八幡母「久しぶりだねえ…いろはちゃん」


いろは「お義母さん。お久しぶりです」


八幡母「元気そうでよかったよ」


いろは「お義母さんの方こそ」


八郎「あーうー」


八幡母「八郎ちゃんも久しぶりだねえ。ん〜ほんとに可愛いね〜」


さとは「おばあちゃん、元気そうだね」


八幡母「おお、さとはちゃん。大きくなったねえ」


さとは「そうかな?」


大志「兄さん!お久しぶりです!」


八幡「誰が兄さんだ。てか誰だよお前。帰れよお前」


元気「さとは姉さん!ちわっす!」


さとは「誰が姉さんだ。てか誰だよお前。帰れよお前」


元気「口悪すぎっすよ!?」


小町「あなた〜。ちょっと手伝って〜」


大志「あ、うん。今いくよ」


八幡「小町!そんなやつをあなたなんて呼ぶんじゃありません!!」


おとは「おばあちゃ〜ん!!」ダキー


八幡母「あはは、おとはちゃんはいつも元気だねえ」


おとは「おばあちゃんおばあちゃん〜」ギュウギュウ


いろは「ちょっとおとはやめなさい!おばあちゃん潰れちゃうでしょ!」


元気「あれ?誰かテレビのリモコンみてないっすかー?」


小町「兄さん!いちいち大志さんにちょっかい出さないで!」


大志「小町…」ウルウル


八幡「あ、てめえ!小町味方につけるのは卑怯だぞ!小町から離れろ!」


沙希「いろは、鍋あふれてるよ」


いろは「きゃー!!」







さとは「ああ…毎回毎回…賑やかだなあ…ほんと」
















チーン…





八幡「……」


八幡「ただいま」



八幡「……親父」



さとは「…」


おとは「…」



八幡「さて、と。ほれ、俺と母さんからだ。っとこれはおばあちゃんからだな」


さとは「なにこれ?」


八幡「お年玉」


おとは「マジで!?やったー!!」


さとは「…ありがとう」


おとは「ありがとうパパー!大好きー!」ダキー


八幡「あとでおばあちゃんにもお礼言っとけよ〜」


おとは「はーい!ひゃっほー!うっひょーお年玉ー!!」


さとは「おとは、うるさい。騒ぎすぎ」


八幡「やれやれ…」





「八幡くん。久しぶり」




八幡「おお、久しぶりだな」



「どうだい、今から一杯」



八幡「おいおいもうかよ。鬼嫁に怒られんぞ」


沙希「誰が鬼嫁だって?」


八幡「げっ」


沙希「あんた、今日ぐらいは許すけどほどほどにね」



「ああ、わかってるよ」


「八幡くん。鬼嫁から許しも得たし、飲もうよ」


「大志くんもどうだい」




大志「いいですね。鬼姉がいいって言うなら俺も付き合います」


八幡「おい鬼嫁。つまみ頼む」




沙希「あんたらね…いい加減にしないと、ほんとにキレるよ?」















おとは「今回の笑ってはいけないってなんだっけ?」


元気「んーと…アメリカンポリス?らしいすよ」


京華「紅白も見たいなぁ」


おとは「あれ、京華お姉ちゃんって紅白派だっけ?


元気「テレビ2つあるっすから。なんとかなるっすよ!」


おとは「ねえ、お姉ちゃんはどっちみる?」


さとは「寝る。年越しそばできたら起こして」


おとは「ほんといつでもブレないね…」


いろは「とりあえず落ちつきましたね〜」


八幡「料理お疲れ。ありがとな」


いろは「いえいえ」


八幡「ん、もうなくなったか。おい、いろは。ビール」


いろは「あ、はい」


小町「ちょっと兄さん。いろは姉さん料理で疲れてるんだからそれぐらい自分で取ってきなよ」


小町「いろは姉さんもそんな律儀にビール持ってこない!注がない!」


いろは「え…でも…」


小町「でもじゃないの」


沙希「相変わらず旦那に甘いね、いろはは」


いろは「ん〜そうですかね〜?」


小町「そうだよ。兄さんに甘すぎ」


沙希「いろはが優しすぎるからこいつもつけ上がるんだよ。もっと厳しくていいんだよ」


八幡母「いろはちゃん。容赦しなくていいんだよ」


いろは「わ、わかりました」


八幡「待て待て。わかるな。謝るから。もうビール取ってこなくていいから。これ以上厳しくならないでください…」


いろは「これ以上って、私が厳しい時なんかありましたか?」


八幡「厳しいというか怒るとマジで怖い……ん?」ピロリン


八幡「雪乃からメールだ」


いろは「……は?……なんですか?大晦日でも不倫ですか?」


八幡「だからその目やめろ怖いんだよ!なんで光がないんだよ!てかただメール1通きただけだろ!」


沙希「たしかに雪ノ下とこいつってなんか不倫しそうなイメージあるね」


小町「いやあ案外結衣さんとっていうのもあるかも」


沙希「最低な男だね」


いろは「どういうことですかあなた!!」


八幡「おかしい!なんで俺は責められてるんだ!」


八幡母「そろそろご飯にしようかね〜」



みんな「「「はーい」」」」



いろは「あなたっ!」


八幡「だれかこいつ止めてくれー!!」








第2話 文化祭









沙代子「どうも。一色いろはが生徒会長だった代の副会長(本牧 牧人)と書記(藤沢 沙和子)との間の子供、本牧沙代子と言います。さとはちゃんの1番のお友達です」


さとは「突然なに…誰に言ってるの?」


沙代子「いや…忘れられてるかなと思って…」


さとは「早く帰ろ」


沙代子「うん。そうだね」



「本牧さん!」

「や、やっと見つけた!」



沙代子「うっ…あなたたちは…」


さとは「誰…?」


沙代子「この人たちは…」



「お願い!どうしてもライブがしたいの!」

「お願いします!どうにか!」

「書記ちゃんにしか頼めないの!」



沙代子「あ、あの前にも言いましたが私に言われましても…」


さとは「(あだ名みんな書記ちゃんなんだ…困ってるみたいだけどどうしよう…)」



おとは「お願いします!書記ちゃん先輩!」



さとは「えっ…」


さとは「なにやってるの…おとは…」


おとは「あれ?お姉ちゃんだ。いたんだ」


さとは「なにやってるの、本牧さん困ってるよ」


おとは「あ、これはね…今度文化祭あるじゃん?それでさ…」









さとは「つまり、ある3年の先輩の最後の思い出を作るために今回の文化祭でライブがしたいと」


おとは「うん!」


さとは「すればいいじゃん」


おとは「できないの!」


さとは「え、なんで」


おとは「もう枠がないの!」


さとは「じゃあ無理だね。本牧さん帰ろ」


沙代子「う、うん」


おとは「待って待って待ってお姉ちゃん!書記ちゃん先輩!」


さとは「なに…」


沙代子「その書記ちゃん先輩ってやめない…?恥ずかしいよ…」


おとは「どうしてもやりたいの!」



「お願いします!」

「お願い!」

「お願い!」



沙代子「ですから、何度も言いますが私に言われましてもどうにもできないんです」


さとは「このモブ3人は軽音部なんだよね」


おとは「モブって…そうだよ」


さとは「で、そのもう1人のある3年の先輩って?」


おとは「『ほんわか歌姫ちゃん』だよ」


さとは「は?なにそれ?」


おとは「知らないの!?総武のほんわか歌姫ちゃん!この辺じゃ有名だよ!?」


さとは「どの辺なの…」


おとは「総武高校軽音部の元部長でその歌声はほんわかと周りを包み込み、聞いた者の心を癒すって言われてるんだ。噂では不治の病も治る気がしなくもないんだって」


さとは「は、はあ…それ人間?」




おとは「癒しの波動!ほんわかぱっぱ!めぐめぐめぐりっしゅ☆」キラッ



さとは「…」


さとは「…」ギュウ


おとは「ちょ、ちょちょっとなんで抱きつくのお姉ちゃん///恥ずかしいからやめ…いや目怖いよ!なんかガチな目してるよ!」


さとは「…あ、ごめん。お姉ちゃんのこと誘ってるのかと思って」


おとは「なんでそうなるのさ…」


さとは「で、いまのなに」


おとは「歌姫ちゃんの決め台詞だよ。知らない?」


さとは「初めて聞いたよ…なにアイドルかなんかなのその人?」


おとは「んーそんな感じ」


さとは「そ、そんな感じですか…でもその人って軽音部引退したんでしょ?」


おとは「うん…でもみんなもう一度聞きたいんだよ。ほんわか歌姫ちゃんの歌が。同じバンド仲間だったこの3人もそう。だからこうして抗議してるんだ」


さとは「なんでおとはまで?」


おとは「私はほんわか歌姫ちゃんの大ファンだもん!」


さとは「なにその設定…絶対後付け…」


おとは「それ以上言っちゃダメ!!」


おとは「私はほんわかファンクラブ会員番号No.1なんだから」ドヤァ


さとは「そんなのあったの…」


「お願いします!」

「お願い!」

「どうにか!」


本牧「あわわわ…」



さとは「まだやってるし…」


本牧「さとはちゃんたすけて〜」サッ


さとは「(な、なんで私の後ろに隠れるの…)」



「「「お願いします!」」」



さとは「い、いや私は関係ないんだけど…」


おとは「3人も必死なんだよ…」


さとは「ねえ…思ったけどこれって文化祭のことなんだよね…本牧さんって確か生徒会の書記でしょ?頼む相手間違えてない?」



「「「うっ…」」」



おとは「うっ…」



さとは「…」ジトー


沙代子「」ウンウン


さとは「文化祭実行委員長とかじゃないの?」


おとは「あ、あはは…いやどうにか書記ちゃん先輩に頼んでその実行委員長にライブのこと伝えてもらおうと思って…」


さとは「なんでそんなまどろっこしい…。直接言えばいいじゃん」


おとは「その…今年の実行委員長……」


さとは「?」


おとは「生徒会長なんだ…」


さとは「うぇ……」




さとは「はぁ…なるほどね…よりによってあの人か…」




おとは「あ、そうだ!お姉ちゃんってさ」


さとは「嫌だよ」


おとは「なにも言ってないよ!?」


さとは「いやなんかわかる。嫌だ。絶対いやだ」


おとは「みんな聞いて!ここにいるお姉ちゃんはね。風の噂で聞いたんだけどあの生徒会長と仲がいいんだよ!」




「「「おーー!」」」



沙代子「そうなの!?」


さとは「やめてなにその後付け設定。風の噂ってなに。お願い。やめて。やめてください。嫌だよ絶対」



おとは「お姉ちゃん…」ウルウル


さとは「うっ…」



「…」ウルウル

「…」ウルウル

「…」ウルウル




さとは「……」















ー 生徒会室 ー







さとは「なんで私が…帰りたい…帰りたい…」


沙代子「さ、さとはちゃん…」


おとは「頑張ってお姉ちゃん!」グッ


沙代子「大丈夫?いける?」


さとは「無理。帰る」


おとは「大丈夫!いけます!」


沙代子「じゃあ行くよ」


さとは「ねえ本牧さん。いつの間にそっち側ついたの?絶対自分に来るのがもうめんどくさくなったんでしょ、ねえ?」





コンコンッ






「どうぞ」







沙代子「失礼します」



「本牧か。どうした。忘れ物か?」


「ん?そっちは…」



おとは「こ、こんにちは〜です…」


さとは「……」



「比企谷じゃないか。そちらは確か妹さんか?珍しいな。どうした比企谷。やっと…」







「俺のものになる気になったか?」キリッ






さとは「なりません。気持ち悪いです。帰ります(真顔)」クル


おとは「帰っちゃダメ!」グイッ


さとは「ぐえっ」


沙代子「お仕事中にすみません。少しご相談がありまして…」



「相談?ふむ…聞かせてくれ」



沙代子「実は…」















日限山 陽真(ひぎりやま はるま)

総武高校現生徒会長。頭脳明晰。容姿端麗。生徒会長選挙において引いてしまうほどズバ抜けた支持率で当選。実力も確かなもので統率力はかなりのもの。つまりあれだよあれ。完璧超人。アニメから出てきたような生徒会長だよほんと。まあとはいえこの人ならそんなチート級なのもおかしいことではないんだけどね。だって親が親だし。知らない人多いけど。






陽真「ダメだ」




さとは・おとは・沙代子「「「(ですよねー)」」」



沙代子「ダ、ダメですか」


陽真「ああ、もうライブ会場での枠は締め切っている。今更認めれるわけがないだろう」


さとは「ごもっともですね。失礼しました。帰ります」


陽真「待て比企谷。俺のものにならないか」キリッ


さとは「会話の流れおかしいですよ。あのそれ会うたびに言うのやめてください。怖いです」


おとは「そこをどうにかお願いできませんか!」


陽真「義妹よ。無理なものは無理なんだ」


さとは「待って。おとはの呼び方も字もおかしくない?」


おとは「でもみんなが…」


陽真「『ほんわか歌姫ちゃん』…だろ?」


おとは「っ!」


さとは「(いやそんな真顔で歌姫ちゃんとか言わないで笑っちゃう怖いから笑わないけどいややっぱ笑いそう)」プルプル


陽真「もちろん知ってるよ。皆が望んでいることもな」


おとは「だったら!」


陽真「だがお前たちも知っているだろう。今回、ライブ会場となる場所ではお笑い芸人や有名歌手を呼ぶ予定になっている」


さとは「え、枠がないとかそんなレベルじゃないじゃん」


陽真「ああ、これだけでも大変なことだ。時間配分もある。出だしからフィナーレまですでに計画は立てている。そんな中、お前たち生徒をステージに上げれる時間を作るなんてことはまず無理だ」


おとは「…そ、そうだ。この際どこでも…」


陽真「もちろんダメだ。所構わず歌われたら混乱が生じる。お前たちが自由に歌えば、他も便乗しだすだろう。入場者数も今年は例年の倍に多いだろうからな。下手したら大混乱だ」


さとは「え、今年多いの?なんで?」


沙代子「実は今回の文化祭……海浜高校と合同で行うんです」


さとは「マジすか」


さとは「(歌手やらもくるとなったらこれは確かに相当な数になる…人が多いのやだなあ…休もうかなあ…)」


陽真「今から変更するとなると海浜高校の方々にも迷惑がかかる。もちろん我が校の文化祭実行委員の人らにもな」


おとは「うっ…」


陽真「つまり、だ」




陽真「無理だ。お前たちに出る幕はない」



さとは「…」


おとは「ううっ…」


沙代子「…おとはちゃん」



「陽真ァ!!こんなに頼んでるんだからいいじゃねえかァ!!」



陽真「アランか…。お前まだ帰ってなかったのか」


沙代子「アランくん!」


さとは「え、だれ?」


沙代子「南足柄(みなみあしがら)アランくん。生徒会会計だよ」


アラン「会計のアランだァ!よろしくッ!!!」


さとは「ハジメマシテ、ヒキガヤデス」


おとは「(うわっお姉ちゃん目が死んでる!)」


沙代子「(さとはちゃん苦手そうだもんな〜私も苦手だけど…)」


さとは「(なにこの無駄に声がデカイ人。なんでこれが会計なの。会計できるの)」


陽真「声がでかい。もっとおとせ」


アラン「おうッ!!!悪いなッ!!!!気をつけるッ!!」




陽真「はあ…。お前たちももう帰れ。何度でも言う。無理なものは無理だ」




さとは「……」




陽真「……何か言いたそうだな比企谷」


さとは「いえ、確かに無茶苦茶なお願いですけど…完璧超人の生徒会長様にしてはずいぶん簡単に無理だダメだって言うんだなって」


さとは「……あの人なら……こんな状況でもなんとかできそうですけどね。ま、子は子。親には勝てないか」


陽真「……なんだと?…」ピク


おとは「…親?」


沙代子「?」


陽真「……」



「会長」シュッ



おとは「わっ、びっくりした!え?え?ど、どこから現れたの?」


沙代子「ふ、副会長…」


さとは「え、あれ副会長なの?忍者じゃなくて?」


沙代子「生徒会副会長の巨福呂坂清貴(こぶくろざか きよたか)さんだよ」


さとは「すんげえ名前ですね」


陽真「なんだ」


清貴「そろそろ海浜高校の玉縄生徒会長との会議のお時間です」


陽真「もうそんな時間か。わかった。すぐ向かうから準備を進めておいてくれ」


清貴「Yes, Your Majesty」サッ


おとは「えっ!?き、消えた!?」


さとは「(なんなのうちの生徒会…)」


沙代子「あはは、相変わらずすごいなぁ副会長さん」


アラン「うむッ!いい動きだッ!!」


さとは「(この中で平然と書記やってる本牧さんが1番すごいのでは…)」


陽真「…」


陽真「お前たちも来い」


おとは「え!?」


陽真「ライブ会場は今やうちだけであれこれできるものではない。どうにかしたいなら海浜高校にも話をしてみるんだな」


陽真「…話ぐらいは聞いてもらえるよう頼んでやる」


おとは「あ、ありがとうございます!すぐバンドの人たちに連絡します!」


沙代子「あの生徒会長が…こんなことを許してくれるなんて…」


さとは「…(無理やりだったけど焚き付けてみるもんだね)」


陽真「…比企谷。やはりお前はおもしろい。俺のものになれ」キリリッ


さとは「なんでそれ言う時っていつもキメ顔なんですか。いい加減やめていただかないと、陽乃おばさんに言いつけま…


陽真「ほら、さっさと行くぞお前たち」


おとは「は、はい!」


さとは「やっぱあの人は怖いのね…」


沙代子「さとはちゃんって何者?あの生徒会長を相手にあんな堂々と…」


さとは「別に…まあちょっとね…」


さとは「ていうか生徒会、会計といい副会長といいキャラ濃いすぎでしょ。きっついんだけど」


沙代子「大丈夫だよ。これ短編集だからもうほぼ出番ないしモブとして忘れてもオッケーだよ」


さとは「本牧さんってたまにぶっ飛んだこと言うよね…」


陽真「そうだ。お前たち。会議中の海浜の生徒会長には気をつけろよ」


さとは「…どういうことですか?」




陽真「あいつは…動くぞ。とにかく動く」





さとは「(…は?動く?なにが?)」












……………………


……………


………


……










玉縄「うーん、それは……」カタカタ




玉縄「ベリーベリーdifficult!!ん〜〜〜troublesome!!!だよ。キュートグァールズ」クネクネクネクネクネクネクネクネクネ




沙代子「(すっごいクネクネしてる…)」


おとは「(めっちゃクネクネしてる…)」


さとは「(酔ってきた…)」



陽真「おい、玉縄。その手の動きやめろ。酔う」


玉縄「おっとこれはソーリーソーリー」


おとは「ふ、2人は仲がいいんですか?」


陽真「別に」


玉縄「もちろん!」


おとは「あはは…でも改めてすごいですね。文化祭を合同でやるんなんて」


陽真「過去にも何度か合同でイベントを開催したことがあるしな。そう考えると俺たちがというより学校同士の仲がいいとは言えるかもな」


玉縄「父が生徒会長をしている時も合同イベントをやっていたらしいよ」


陽真「ああ、あの時代はすごいな。多くのイベントを成功させている。その時のうちの生徒会長は総武高校史上初2年連続で生徒会長をやり遂げているしな。俺が尊敬する人間の1人だ」


沙代子「そんな昔から…」


おとは「よくわかんないけどすごいですね!」


さとは「(おとは…気づいてないな…)」



玉縄「おっと話を戻そうか。それで日限山くん。どういうことだい」


陽真「こいつらが強情だから連れてきただけだ」


玉縄「ふむ…」カタカタッ


玉縄「……どう考えてもreckless!!だとわかっていながら?」


陽真「…」


玉縄「しかし『ほんわか歌姫ちゃん』か…。噂には聞いているよ。我が海浜高校にもファンがいるようだしね」


さとは「えっ、そんな人気なの?」


おとは「言ったじゃんこの辺で有名だって」


さとは「い、言ってましたけども…」


陽真「実際、この件に関してはうちの大多数の生徒が望んでいることではある」


玉縄「だけど今年は」


陽真「ああ、ライブ会場は歌手や芸人の参加という大イベントでスケジュールもパンパン。準備も終盤だ」


玉縄「だというのに…」


玉縄「…」カタカタッ


玉縄「今更、スケジュールをChange!しようというのかい?」


陽真「おい、変更ぐらい英語覚えとけ」


玉縄「っ!」ギクッ


おとは「え、どういうことですか?」


玉縄「と、とにかく!用件はわかったよ」


玉縄「……ふむ……」


おとは「(うう…やっぱり無理なのかな…)」


さとは「(厳しい状況ではあるね…)」


玉縄「まあ…日限山くんとばかり話していても仕方ないね。せっかく来たんだ。君たちの言葉を聞こうか」


おとは「え!?」


玉縄「バンドメンバーの方々は来ているのかい?」



「わ、私達です!」

「もう1人はその、今日は来れなかったですが…」

「…急なことでしたし…」



玉縄「いいよ、では君達の意見を聞こうか。日限山くん、いいかい」


陽真「まあそうなるか…。ああ、話をさせるために連れて来たんだしな」


おとは「あ、あの!話を…聞いてくれるんですか!」


玉縄「なにをそんなに驚いているんだい?」


おとは「い、いや、なんといいますか、普通にダメだって言われるかなあって…」


玉縄「ノーノー」


玉縄「ブレインストーミングはね、相手の意見を否定しないんだ」


おとは「ブレ?え?なに?」


玉縄「…」カタカタッ‼︎


玉縄「『ほんわか歌姫ちゃん』最後のライブ!なんともcharming!なイベントだ。確かにDifficult situation!ではある。でもすぐに結論を出すのはナンセンスさ!」



おとは「まったく意味わかんないですけどなんかありがとうございます!」


さとは「へえ…」


陽真「そういう男だ」


さとは「どっかのすぐに結論を出した人とは大違いですね」


陽真「現実を言っただけだ。後はお前たちがその現実を変えれるかどうか、やってみろ」


さとは「…生徒会長」


陽真「なんだ」


さとは「ありがとうございます。生徒会長がここに連れて来てくれなければなにも始まらなかったです」


陽真「…ふん」




玉縄「…」カタカタッ ターン‼︎




さとは「ところであの人、たまにパソコンをカタカタ打ってるのはなにか意味あるんですか」


陽真「ああ、あれは検索してるだけだ」


さとは「はい?なにを」


陽真「Go○gle翻訳」


さとは「……」






玉縄「さあさあ!みんなPreparationいいかい!レッツ!ブレインストーミング!!」クネクネクネクネクネクネクネクネクネ











……………………


……………


………


……






玉縄「で、イシューは?」クネクネ


さとは「それでコンセンサス得られるんですか?全員のモチベーションも考えて…」


玉縄「アグリー。フレキシブルで柔軟な発想が必要だね。それと…」クネクネ


さとは「ちょっと待ってください。それについてはアグリーですけど…バッファをしっかり取ってかないと…」


玉縄「これはフラッシュアイデアなんだけどね…」クネクネ


さとは「人のアサインも確実にやっていかないと」クネクネ


おとは「お姉ちゃん…さっきからなに言ってるの?」


さとは「え、なにが」クネクネ


沙代子「さ、さとはちゃん。クネクネしてるよ」


さとは「あれ、いつの間に…」


おとは「で!話はどうなったの!」


さとは「正直私もよくわかってない。適当に言ってたし」


おとは「ええ……」


陽真「いい時間だな。今日は解散だ」


玉縄「おっともうそんな時間か」


おとは「ええ!もうですか!」



「あ、あの私達!本当にライブが!」

「お願いします!」

「ライブやらせてください!」



陽真「もう帰れ。ここまでだ」


おとは「そ、そんな…」


陽真「……」


陽真「玉縄、少し残れるか?」


玉縄「ん、いいよ」


さとは「……」


おとは「あ、あのもう少しだけ話を…」


さとは「おとは」


おとは「お、お姉ちゃん」


さとは「帰ろう」


おとは「でも…」


さとは「たぶん大丈夫だから」ボソ


おとは「え…?」















陽真「どう思う」


玉縄「difficult!!」


陽真「普通に喋れ」


玉縄「……難しいね。やっぱり」


陽真「…」


玉縄「彼女たちの想い、どれだけ本気なのかはよく伝わったよ。そしていまだ諦めていない」


陽真「そう…だな」


玉縄「あとはもう、最後の希望があるとすれば、君が動くことぐらいかな」


陽真「はぁ…どう動けと言うんだ」


玉縄「君ならできるだろう」


陽真「さっき難しいと言ってただろ」


玉縄「でも君ならどうにかできる」


陽真「信用しすぎだ」


玉縄「君とはお互いリスペクトできるパートナーシップを築いて…」


陽真「シナジー効果を生んでいく、か」


玉縄「ああ」ニコ


玉縄「僕は君ほどできる男じゃない。だから僕は僕にできる仕事をするよ」


玉縄「父は言った。ブレインストーミングに無駄なことは1つもない。多くの人々の全ての意見を無駄にするなと」




玉縄「だから、これまでのみんなとの日々を無駄になんてしない。僕は海浜高校生徒会長として絶対に文化祭を成功させる。その為ならなんでもするよ」




玉縄「日限山くん。君はどうする」


陽真「…俺は」


陽真「お前たちが言うほど俺は完璧超人じゃない」


陽真「でも…」




ーーーおお、あの雪ノ下陽乃の子か。懐かしいなあ。学生時代のあの子は本当に優秀だった。


ーーー問題も多かったですけどねえ。でもやはり、あの頃からもう完璧って感じでしたね。





ーーーま、子は子。親には勝てないか





陽真「やっぱり母さんには負けたくないな」







……………………


……………


………


……







ー 数日後 ー






おとは「お姉ちゃーん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃーん!」


さとは「ちょ、ちょっとうるさいって。落ち着いて。どうしたの」


おとは「できるようになったんだって!」


さとは「なにが?」


おとは「ライブだよ!ライブ!ほんわか歌姫ちゃんのライブ!」


さとは「そっか…」


おとは「そっか…じゃないよ!すごいよ!やるんだよライブを!やったー!」


さとは「何分やるの?」


おとは「10分だって。ちょっと短いよね〜。やれるだけよかったけどさ」


さとは「(10分ね…。その10分のためにどれだけ手を回したのかやら…)」


おとは「お姉ちゃん?どうしたの?」


さとは「いやあ…なんでも…」


おとは「文化祭、楽しみだね」


さとは「……」





さとは「ま、そうだね」








……………………


……………


………


……







ー 文化祭当日 ー






結衣「いやあ、本当に人多いなあ」


結衣「私たちの頃とは大違いだよ」


勇気「母上ー!あれやりたーい!」


愛「やりたーい!」


結衣「はいはい。あれね」


おとは「あー!愛と勇気じゃん!やっはろー!」


愛「おとはお姉ちゃんだー!やっはろーでござるー!」


勇気「やっはろーでござる!」


結衣「おとはちゃん。やっはろー」


おとは「やっはろーです!」


おとは「2人とも文化祭楽しんでるー?」


勇気「たのしいー!」


愛「しいー!」


おとは「まだまだテンションあがってこー!」


勇気「こー!」


愛「こー!」


結衣「あ、そうだ…おとはちゃん。今、時間大丈夫?」


おとは「はい、今は交代の時間なんで」


結衣「もしよかったらだけど…少しだけこの子達のこと見てもらえないかな?遊んでもらえると嬉しいんだけど」


おとは「全然いいですよ!!私に任せてください!」


結衣「よかった…。ありがとね。また後で連絡するから」


おとは「了解です!」


おとは「さ、2人とも!レッツゴー!」


愛、勇気「「ゴー!」」






結衣「ふふっ…元気だなあ」


結衣「…」


結衣「…さてと」














ー とある空き教室 ー






ドア ガララ






結衣「…」


結衣「あは、意外と変わってないなあ」




「結衣…?」




結衣「…え、ゆきのん!?」


雪乃「だから、ゆきのんはやめなさい」


結衣「どうしてここに?」




雪乃「……たぶんあなたと同じ理由よ」




結衣「……ははは、そっか。ゆきのんもか」


雪乃「座って。実は紅茶を持ってきてるの。まあ、水筒に入れたものだけれどね」


結衣「わあ!いいね!」


雪乃「どうぞ」コポコポ


結衣「いただきます…」


結衣「ああ…なんだろう…懐かしい味だなあ」


雪乃「思ったほど変わってないわね。ここ」


結衣「私も同じこと言ってたよ」



雪乃「……」


結衣「……」



雪乃「やっぱり私にとってここは、特別な場所みたいね」


結衣「いろんなことがあったからね〜」


雪乃「…あったわね。いろんなことが」


結衣「ヒッキーも今日来てるのかな」


雪乃「どうかしら。仕事かもしれないわね」


結衣「…ここで待ってたらさ。来たりして」




雪乃「……どうかしら、ね」
















ー 数時間後 ー








結衣「それでヒッキーが告白していろはちゃんと付き合い始めたんだよね〜」


雪乃「バタバタしていたわねあの時は。付き合うまでが大変だったわあの2人は」


結衣「そうそう、喧嘩したりしてさ。やばかったよね。仲直りできて本当よかったよ。……あれ、でもどうやって仲直りしたんだっけ?」


雪乃「……どうやって…だったかしら。…思い出せないわね…」


結衣「記憶力のいいゆきのんでも?」


雪乃「私も歳かしらね」


結衣「ええ、やめてよ、私たちまだまだだって!」


結衣「それにしてもやっぱりヒッキーが告白って想像つかないや」


雪乃「いろはさんの話によるとずいぶん情熱的だったらしいわね」


結衣「らしいね」


雪乃「告白といえば、あなたもされたじゃない。情熱的なのを」


結衣「あ、あれは。恥ずかしいからやめてよ」


雪乃「あら、あなたが恥ずかしがったら彼が可哀想よ」


結衣「だって〜」


雪乃「大勢の前で、インパクトあったわよ。あれこそ情熱的な告白というものじゃないかしら?すごかったわよ。あれは」







「我は!剣豪将軍!材木座義輝!!!わ、わ、我はここに誓う!由比ヶ浜結衣を絶対に!………絶対に!!幸せにしてみせると!!」


「我は!由比ヶ浜結衣を愛している!!一生!愛し続ける!」


「だ、りゃかりゃ、だか、えっと、えと…」


「ゆ、結衣。わ…、おれ、ぼ、僕と…ぼくと…」



「結婚…してくださぃ」






雪乃「よく通る声だったわね。だんだん声が小さくなって最後らへんはよく聞こえなかったけど」


結衣「もうやめてー!///」


雪乃「それに応えたあなたといい……人生なにが起きるかわからないものね。本当に」


結衣「…それはお互い様だけどね」


雪乃「…ふふ…そうね」


結衣「って、やば、もうこんな時間」


雪乃「あら、思いのほか話し込んでたみたいね」


結衣「そろそろ子供たちのとこ行かなきゃ」


雪乃「私も一度、息子の様子でも見てみようかしら」






ドア ガララ






おとは「到着〜」


愛「ちゃく〜」


勇気「く〜」


さとは「疲れた…ほんと、疲れた…」


秋人「大丈夫か、比企谷」


おとは「お姉ちゃんなんでそんな疲れてるの?」


秋人「うちのクラスお化け屋敷だったんだが…」






…………………








さとは「がおー」






「比企谷きたー!!!!」


「なに今の可愛すぎwww」


「まじ最高!心打たれました!本当にありがとうございます!」


「きゃー!比企谷さんマジかわいいー!マジ卍!」


「ね、ね、もう一回やって今の!がおーって!あ、インスタのせていい?」


「もう一周しようぜ!もう一周!」




さとは「いや…お化けなんで怖がって欲しいんだけど」



「なにこの行列はー!」


「ちょっと男子ども!あんたら何回お化け屋敷きてんのよ!」


「忙しい〜」


「比企谷さん!ご指名入ったんだけどいいかな?」




さとは「なにもよくないんですが。お化け屋敷だよねこれ」





陽真「指名してやったんだ。さあ、俺を怖がらせてみせろ」


さとは「なにやってんですか生徒会長」


秋人「ちょ、陽真兄さん!比企谷を指名とかどういうことだ!」


陽真「俺のものになれ。比企谷」キリッ


秋人「ダメだ!そ、そうだ!俺も!俺も比企谷を指名する!!」



「「「「きゃ〜〜!修羅場きた〜!」」」」





さとは「なにこれ…」








…………………






秋人「てな感じで」


おとは「わぁ…なんというかさすがだね!お姉ちゃん!」


さとは「帰りたい……」


結衣「あははっ、みんな楽しんでるね〜」


雪乃「ほんとね」


おとは「…あれ!?どうしたんですかお2人でこんなところに!?」


愛「ママ上〜」ダキッ


勇気「母上〜」ダキッ


秋人「母さんまでどうして…いやそうか…ここは……そういうことか」


雪乃「そういうことよ」


さとは「奉仕部…ですか」


おとは「ああ!なるほど!」


結衣「またここに来てみたくてね〜」


雪乃「あなたたちこそなぜここに?」


おとは「実は最近、私たちこの教室には結構来てるんですよ!溜まり場?みたいな感じですね!」


雪乃「そうだったの?」


秋人「ああ、定番の集合場所だったりとかいろいろな。今は休憩しようと思ってきた」


結衣「へ〜仲良いんだね。みんな」


おとは「ちょっと休憩したらいよいよだね!ほんわか歌姫ちゃんのライブ!」


結衣「ほんわか…歌姫ちゃん?」


雪乃「なにかしらそれは」


おとは「うちの学校のアイドル的な人です!」


結衣「へーそんな子がライブやるんだ」


おとは「楽しみ〜!」


秋人「グッズはもう売り切れたらしいな」


さとは「グッズまであったの…」


結衣「そんな人気なら私も見にいこうかな?」


愛「みたーい!」


勇気「みるみる!」


結衣「あ、そうだ。ねえ、おとはちゃん。そういえばヒッキ…パパは今日こないの?」


おとは「パパですか?パパは今日は仕事だけどたぶん…」







ドア ガララッ!





おとは「あれ?バンドメンバーのみんなと…」


沙代子「た、大変だよ!みんな!」














おとは「ええ!?トラブル!?そんなもう時間ないよライブまで!」


沙代子「うん…」ハァハァ


沙代子「今はお笑い芸人の人でマイクしかいらなかったからなんとかなってるけど…」


沙代子「このままじゃ、ライブの時間がなくなるかも…」


秋人「おいおい…」


おとは「ダメだよそれは!」



「私たちこのまま歌えないのかな…」

「ここまできたのに…」

「やっぱりダメなの…」



おとは「みんな…」


沙代子「今、裏方さんたちが大忙しだよ。でも人手が足りなくて…」


さとは「……」




雪乃「どうやら悪い状況みたいね」


結衣「文化祭でトラブルか…こんな時にあれだけどなんか思い出しちゃうな〜」


雪乃「あまり…いい思い出でもないけれどね」


結衣「あはは…あの時のヒッキーは…ね…」


雪乃「……困ってるようだけどもしよかったらお手伝いしましょうか?」


秋人「か、母さん?」


雪乃「トラブルというのは音響機材かしら?いずれにしても多少は役に立てると思うわ」


結衣「私はそういうのわかんないけど手伝えることがあったら手伝うよ〜」


おとは「おお!これが奉仕部!」


雪乃「奉仕部とは違うわ。ただ困ってる子供達を見たくないだけよ」


結衣「おお〜ゆきのんいいこと言う〜」


雪乃「ゆきのんはやめなさい」





「でも…もうどうにも…うう…」

「だよね、あと1時間もないし…ぐすっ」

「…みんなに迷惑だし」





さとは「……」


結衣「あらら…えっと…」


雪乃「…あなたたち…それでい




さとは「え、なに泣いてるんですか。てか諦めるんですか。うわ、最低ですね」



「「「…っ!」」」




さとは「みんなを巻き込んで、ここまできて、ちょっとトラブルがあったからって簡単に諦めるんですね。ていうかみんなに迷惑?もうかけてるじゃないですか。十分すぎるほど。あなたたちのわがままでどれだけの人が苦労したと思ってるんですか?それなのにあなたたちが諦めるとか最低の裏切りですね」



「そ、それは…!それは…」



さとは「まあ、その程度の気持ちならいいんじゃないですか。ライブやらなくて。悲しむ人もいるだろうけど仕方ないしだいたい私とかほんわか歌姫ちゃん全く知らないし。周りがすごい言うから期待はしてたけどメンバーがこんな感じならそんなすごい人でもなさそうだしね。あれでしょ、歌とかじゃなくてちょっと可愛いからチヤホヤさてるだけ勘違いアイドル的な」



おとは「お姉ちゃん!」


秋人「おい比企谷っ!」


沙代子「さ、さとはちゃん…」


結衣「……」


雪乃「……」




「ちょ、ちょっと!あの子の悪口はやめてよ!」

「そうだよ!」

「なんであんたにそこまで言われなくちゃなんないの!?」





さとは「じゃあ見せてくださいよっ。あなたたちのライブがどれだけすごいのかを」


さとは「どうしてもやりたい理由があったんじゃないんですか。そんな簡単に諦めていいライブだったんですかっ」





「「「……」」」」





さとは「…トラブルとか時間とかいいから。どうしたいのか言ってください。ちゃんと本音で…言ってください」






「……あ……諦めたくない……諦めたくないよ!やりたいに決まってるよ!」

「ライブがしたい…!」

「私たちのためにも…あの子のためにも…!」





おとは「みんな…!」


さとは「じゃあ……どうしてほしいんですか?」






「「「助けてください!!!」」」





さとは「はあ…」





さとは「わかりました」



ーーーーわかった




雪乃「!?」


結衣「!?」




さとは「なんとかします」



ーーーーなんとかする






おとは「…お姉ちゃん…そうだね。うん!私も手伝うよ!」


秋人「俺もな」


沙代子「わ、私もここまできたらお手伝いしたいです!」




「みんな…ありがとう…」

「ありがとう!」

「ありがとうございます!」




さとは「ちょっと行ってくる」


おとは「あ、待ってよお姉ちゃん!私も!」


秋人「俺は何人か手伝える人集めてくる!」


沙代子「わ、わたしも!」


勇気「我もいくー!」


愛「いくいくー!」


結衣「え、ちょ、2人ともちゃんとお姉ちゃんたちにくっついとくんだよ!離れちゃダメだよー!」


愛、勇気「「はーい!」」



ガララ バタンッ





結衣「大丈夫かなあ…」


雪乃「あとで秋人に面倒見るようメールしとくわ」


結衣「ありがと〜」


雪乃「……ふぅ…私たちが出張るようなことじゃなかったようね」


結衣「…だね」




結衣「いやぁ…それにしても…あーもう、すごかったな〜今の」




雪乃「そうね」フフフ


結衣「やっぱり……親子だね」


雪乃「…あそこまで似るものなのね」


結衣「心配いらなそうでよかったよ。みんなすごいね」


雪乃「ええ、任せましょう。…新しい世代に…」







ドア ガララ






八幡「え、お前ら…なんでいんの?」


結衣「ヒッキー!?」


雪乃「あら、あなたこそ。せっかくの文化祭だというのにこんななにもない空き教室になにしにきたのかしら」


八幡「俺は……って、どうせお前らもだろ…はあ、なんだよこれ恥ずかしいな」


結衣「あはは、私たちやっぱりここに引き寄せられちゃったんだね」


八幡「…みたいだな」


雪乃「仕事だったのでは?」


八幡「早めにあがったよ。どうせだしな。娘たちも見たかったし」


結衣「相変わらず親バカだね〜」


八幡「結衣も変わらんだろ」



雪乃「…比企谷くん」



八幡「ん?」


雪乃「…紅茶、いるでしょう?」


結衣「座って!ヒッキー!」


八幡「……」





八幡「ああ…いただくよ」

















おとは「お姉ちゃん!なんとかするっていってもどうするの?ほんとに時間ないよ」


さとは「決まってるでしょこういう時は」


おとは「こういう時は?」


さとは「他力本願」


おとは「ええ…」


さとは「ていうことでお願いします。生徒会長」


陽真「突然現れてなにごとだ…」


さとは「ライブ会場」


陽真「ああ、トラブルがあったらしいな。それなら今何人か対応してるだろ」


さとは「このままじゃ間に合いません」


陽真「なに?」


さとは「さっき本牧さんに聞いたら機材を予備と交換したりの持ち運びの作業、設置作業などなど。先生も何人か手伝ってるらしいけどとにかく人手が足りていないらしいです」


陽真「ふむ…そこまでだったとは把握してなかったな」


陽真「…それで?」


さとは「行って対応してほしいです。私が知る限り生徒会長が1番人を動かせる」


陽真「…こっちも仕事は山積みなんだが」


さとは「私が全部やる」


陽真「…どうしたというんだ。比企谷」


さとは「…別に。私はやりたいようにやってるだけ」


陽真「…ふん、まあこちらの情報共有不足で悪い状況になったとも言えるな」


陽真「いいだろう。そのかわりこっちの仕事をしっかり頼むぞ」


さとは「わかりました。そのかわり絶対にライブをさせてください。全力でお願いします」


陽真「ふっ、いいだろう。そのかわり、次からさとはと呼ばせてくれ」


さとは「ダメです」


陽真「厳しいな。だがそういうところもいい」


さとは「気持ち悪いです」


おとは「お姉ちゃん!私も手伝う」


陽真「ありがとな。義妹よ」


さとは「おい」


陽真「さて、行くか。と…その前に」


陽真「清貴ッ!!!アランッ!!!」


清貴「副会長、巨福呂坂清貴、御身の前に。お呼びですか会長」シュッ


アラン「会計のアランッ!!来たぞッ!おおッ!!なんかあったのかッ!!!!」


さとは「あ、まだ出番あったんだ(さらっと自己紹介したな)」


おとは「うわ!ど、どこから出てきたの?」


陽真「うんたらかんたらかくかくしかじか」


アラン「なるほどッ!!!俺たちの出番ってわけだッ!!!」


清貴「Yes, Your Majesty」


さとは「え、今のでわかったの」




アラン「おまえらぁッ!!!集合ッ!!!」



ザザッ!



清貴「全員集まれ」



ザザッ!




おとは「うわわ!なんかいっぱい人出てきた!」


さとは「ねえ、あれ副会長と会計だよね?違うの?この人たちも生徒だよね?なんで兵隊みたいになってるの?」






アラン「心臓を捧げろッ!!!!!行くぞお前らァッ!!!」


清貴「ォォオオオオールハイル陽真!!全員出撃!!」





さとは「いや、遊びすぎです」







……………………


……………


………


……








本当に大変だった

みんな走り続けていた


多くの生徒がたった10分の1つのライブのためだけに


みんな、みんな、必死になっていた


その中でやはりすごかったのは我らが生徒会長


副会長や会計とその兵隊?たち。葉山くんや本牧さんが集めた人達と人数が何倍にも増えた中、的確な指示を出し、みんなをまとめていった


ほんと、すごいな、あの人は

気持ち悪いけど


ちなみに何人かの海浜の生徒といっしょに玉縄生徒会長も協力してくれた

指示の言葉が意識高すぎてめちゃくちゃだったけどなんだかんだうまくやっていた






おとは「えっと、えっとーそれはあそこに!」


「了解!」


おとは「それはそこ!たぶん!」


「はい!」


おとは「あーもう!紙1枚渡してきてこれ見て簡単に指示したらいいからとだけ言ってみんなどっか行くなんてひどいよ!無茶振りだよー!わかんないよー!」




葉山「あれ?きみは確か八幡の…おとはちゃんかい?」


材木座「うむ、間違いないな」




おとは「え、葉山おじさんたちどうしてここに!?」


葉山「遅くなったけど遊びにきたんだ。それで途中義輝に会ってね」


おとは「そうだったんですか」


「比企谷さん。これどこにやるの?」


おとは「あ、えっと、それはー……体育倉庫でいいよ!」


「はーい」


「比企谷さーん!」


「比企谷〜」



おとは「ま、待って。今行きます〜」


おとは「すみません!私行きます!おじさんたちは楽しんでってください!それじゃあ!」


葉山「あ、ああ…」


材木座「うむ、走れ若者!青春だ!」


葉山「あれは青春なのかな…」




おとは「それはそこに!えっと!それは…」




葉山「…」


葉山「ふふっ」


材木座「どうした?」


葉山「いや、あの周りに指示してる姿…似てないかい」




葉山「……生徒会長、一色いろはに」




材木座「…ふっ、なるほど。確かに…重なるな」





おとは「もうお姉ちゃん助けてよー!」



ーーーせーんぱーい!助けてくださいよー!





葉山「がんばれ、おとはちゃん」



ピロリン♪



葉山「ん?雪乃からメールだ」


葉山「…」


葉山「義輝。あの空き教室にみんな集まってるみたいだ。行くかい?」


材木座「あそこか…うむ!行こう!」








……………………


……………


………


……












さとは「おとは」


おとは「あ、お姉ちゃん!やっと来てくれた〜」ナミダメ


さとは「ごめんごめん…。…よく頑張ったね」


おとは「ねえ、もしかして」


さとは「うん」





さとは「終わったよ。全部」





おとは「じゃ、じゃあ!」


さとは「早く席とっておいで。ライブ近くで見たいでしょ」


おとは「わぁ!…うん!うん!!行ってくる!」


さとは「行ってらっしゃい」



さとは「ふぅ…」


さとは「なにやってんだろ…私」


陽真「やりたいことをやったんだろ」


さとは「…生徒会長」


陽真「俺のことは陽真でいいぞ」


さとは「お断りします。生徒会長」


陽真「その冷たい即答。なかなかいいな」


さとは「もしかしてMなんですか?Mですよね?」


さとは「…」


さとは「生徒会長、ありがとうございました」


陽真「…ああ、気にするな。生徒会長として当然のことをしたまでだ」


陽真「だからそう惚れるなよ」


さとは「惚れてません」


さとは「まあ…いつかお礼はします。ちゃんと」


陽真「気にするなと言ってるだろ」




「ああ〜〜陽真くんが女の子ナンパしてる〜〜」





陽真「…はぁ…主役のくせにやっと登場か」


さとは「(主役?…ああ、なるほど、じゃあこの人が…)」




「君がさとはちゃんだね〜〜いろいろ私たちのこと助けてくれたみたいでありがと〜〜ほんとにほんとにありがと〜〜」


「まさかもう一度歌える日が来るなんて〜〜嬉しすぎるよ〜〜これで最後の思い出がつくれるよ〜〜最高の思い出になるよ〜〜」




さとは「(ぽわぽわしてるなあ…なんというかもう声がほんわかしすきでしょ。ていうか聞いてると眠たくなってきた)」


さとは「ほんわか歌姫ちゃん、ですか」



「ん〜〜みんなにはそう呼ばれてるね〜」


「ほんわかぱっぱ〜〜」ニパ~



さとは「は、初めまして…」


陽真「時間だぞ、めぐる」



めぐる「うん〜〜さとはちゃ〜〜ん」


さとは「なんですか?」


めぐる「聞いていってね〜〜がんばって歌うからね〜〜私たちの歌が〜〜……みんなへのお礼だよ〜〜」



さとは「…はい。楽しみにしてます」













ワァアアアアアアアッ!!!!!





めぐる「みんな〜〜短い時間だけど〜〜よろしくね〜〜!」



めぐる「癒しの波動〜〜!ほんわかぱっぱ〜〜!」



めぐる「めぐめぐめぐりっしゅ〜☆」キラッ




「「「「「めぐめぐめぐりっしゅー!!!」」」」」





さとは「あれ本当に言うんだ……てか、めぐるなのにめぐりっしゅなんだ」


陽真「それはいまだ謎に包まれている」






めぐる「すぅ〜〜」





大きく息を吸い込み、彼女は歌い始めた






八幡「ん?なんか歌が…」


結衣「っ!…ゆきのん!」


雪乃「ええ…。きっとそうでしょう。……よくやったわね」


葉山「どういうことだい?」


材木座「おお…この歌、こ、これは、なんとも…」







その歌は、まさに、癒し


身体を、心を、全てを、優しく包み込むかのような暖かい歌声


今までの苦労、疲れもなにもかも吹き飛ばして忘れしまいそうなほどの圧倒的な歌声



それはそれは


美しい歌声だった





さとは「文化祭…案外悪いもんじゃないね」


陽真「ところで比企谷。実はだいぶ強引にこのライブをスケジュールにぶち込んだうえ先生方には内緒にしてたんだ。計画の首謀者に俺と玉縄、あとお前らもあげられてなぜかその代表が比企谷になってた」






陽真「ということで………反省文、付き合ってくれ」


さとは「……」







やっぱり文化祭なんて大っ嫌いだ












文化祭 【完】

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