2014-09-16 14:57:12 更新

概要

http://jbbs.shitaraba.net/bbs/lite/read.cgi/internet/14562/1405356151/l30


前書き

下ネタがところどころにありますが、あまり気にせずにお楽しみください。性的描写タグはつけてはません。
また下ネタ以外にも、若干のヤンデレ(?)、変態要素などもありますが、なるべくSAO原作ラベルやアニメの世界観を意識しつつ、ポケモン世界での楽しい攻略や冒険、敵との闘いを書けたらなと考えています(笑)
ですが、ストーリー上ポケモンとは関係のない描写もお送くりします。そして僕自身、桐ヶ谷和人(キリト)と結城明日奈(アスナ)が好きなので、二人をイチャイチャさせることが多いです。
転用という感じにしてますが、どちらかというもこちらがオリジナルです。


【設定など】
登場人物
桐ヶ谷和人(キリト)
結城明日奈(アスナ)
桐ヶ谷直葉(リーファ/スグ)
その他、原作アニメに登場している人物たち。世界観は現実世界のためアバター名ではなく本名で記載する。

※変更点:朝田詩乃(シノン)も途中から登場させることにしました。

原作ライトノベル、アニメと相違なる点がもしかしたらあり。長編を予定しております。最後まで書くつもりでいますので、読んでいただけるとありがたいです。
それでは、よろしくお願いいたします。






和人「なんだ明日奈、知らないのか?ポケットモンスター通称ポケモン、1990年代からあの大手ゲーム○リークが開発して任○堂が販売してる、大人から子供まで幅広い世代に未だに愛されてる、日本が世界に誇るあの大人気ゲームシリーズだぞ!」


明日奈「いや、もちろん知ってるけど、でもどうして今頃になってポケモンの話が出てくるの?」


和人「ふふふ…、実はな、ここだけの話なんだが、近いうちにポケモンの最新作が発売されるって情報を聞いたんだよ!」

わくわくッ


明日奈「え!?でもポケモンってもう長いことシリーズ開発されてなかったのね?どうして今になって新しいシリーズが出ることになったの?」


和人「ああ、どうやらゲーム○リークも任○堂も経営があまり芳しくないだろ?だからSAOやALOみたくフルダイブ技術を使って、今の時代にあったポケモンを出して勝負を仕掛けたいらしい。俺たちが仮装世界でモンスターと闘ったように、仮想世界のポケモン世界で実際にポケモンたちと一緒に旅をしたりバトルをしたりして、かつてのポケモンブランドを取り戻したいらしい。」



明日奈「ふ~ん、そうなんだ。それで、キリト君はその新しいポケモン買うつもりなの?」


和人「あぁもちろん!なんたってあのポケモンシリーズがバーチャルMMOに殴り込みだもんな! 将来創る側になりたい俺にとっては勉強にもなるし、これは大ヒット間違いなしだ!」


明日奈「ふふ、キリト君らしいね。」ニコッ


和人「明日奈はやらないのか?」


明日奈「え、あたし!?う~ん…、確かにポケモンやってみたいかも。キリト君もやるっていうし…。」


和人「実は俺、中古ショップで昔のポケモンのソフトとハードを買いあさって一通りプレイ済みなんだ。個体値とか努力値とか、そのあたりも大体は把握したよ。」


明日奈「ふふ、さすがは団長を倒した黒の剣士様だね! ポケモン界も攻略ってわけかぁ」


和人「明日奈はやらないのか?」


明日奈「う~ん……、確かにピカチュウとか可愛いから会ってみたいけど、ALOのこともあるしなぁ~。」


和人「ユイのことか? それなら大丈夫だよ。 バーチャルMMO対応になったポケモンは捕まえたポケモンのデータをそっくりそのままALOへ連れてくることもできるんだ。」


明日奈「えっ!? それって、ゲットしたポケモンをALOに連れてきて、ユイちゃんと会わせることも出来るってこと?」


和人「あぁ、だから最近ALOにログインしてる時間よりこうやってリアルで過ごす時間の方が多い俺たちにとっては、ユイに寂しい思いさせないように、遊び相手を連れてきてやることも出来るってこと」


明日奈「へぇー、すごいねそれ! 可愛いポケモン捕まえたら、ユイちゃんきっと喜ぶね!」


和人「ま、そんなわけでかつてゲーム業界で天下を治めてた任○堂やゲーム○リーク様が、俺たちがプレイしてきたバーチャルMMOにどう殴りこむのか、お手並み拝見ってわけだ」


明日奈「でもキリト君、その新しいポケモンのソフトって、いつ発売なの? それにポケモンが出る話、今キリト君から初めて聞いたよ?」


和人「ふふふ…、驚くなよ明日奈? 実は俺、その新作ポケモンのテストプレイヤーに選ばれたんだ!!」



明日奈「えっ?テストプレイヤー!?」


和人「シッ、声がデカイよ明日奈、本当はテストプレイヤーであることは、他人にあまり言うなって言われてるんだよ」




明日奈「アワワ…ご、ごめんね(キリト君、ポケモンの世界でもビーターになっちゃうの?)」


和人「まぁ、SAOやALOでの事件やデスガン事件のこともあって、俺も明日奈もすっかり有名人になっちゃったし、それに目をつけた開発スタッフ側が直々に依頼してきて、断る理由もなかったし、しかも報酬も出るらしい。明日奈は俺よりも目覚めるのが遅かったから、俺が選ばれたってことみたいだ」


明日奈「凄いねキリトくん、直々に依頼されるとは、さすがは幾つもの事件を解決した英雄だね!」ニコッ


和人「おいおい、なんかそう言われると照れちゃうだろ//」


明日奈「だって本当のことじゃない……ふふふ//」


ベンチに腰掛け仲睦まじいそうに話している若い二人、それを物陰からじーっと恨めしそうに見つめる少女が二人


???「ンン~~~、キリトとアスナの奴、真昼間からあんなに堂々とイチャイチャしてッ」ピキピキッ


??「ちょっとリズぅ…、里香さん。また覗きなんて趣味悪いですよ。」


里香「だってさぁ~、あんなに堂々と見せつけられちゃったら、いくら見慣れた光景でも、やっぱり気になってしょうがないわよ!そういうあんたはどうなのよ、珪子!?」


珪子「え!?そ、それは…私だってぇ…そのぉ…。」



里香「もぉー!!もったいぶらないでハッキリ言っちゃいなさいよ、アンタも気になってるんでしょ?」


珪子「うぅ~…そ、それより里香さん、キリトさんの話聞いてました?」


里香「ちょっとアンタ、何話題変えようとしてんのよ!」


珪子「いいからッ、キリトさんが話してたことですよ!」


里香「キリトが話してたことって、ポケモンのこと?」


珪子「そうです! 私ポケモンそのものは知ってますけど、もちろんプレイはしたことないので、興味津々です」 瞳キラキラッ


里香「私もポケモンの存在は知ってるけど、動画とかで見たことあるくらいかな~」


珪子「キリトさんの話では、ゲットしたポケモンをALOへ連れて来られるってことですしね!」


里香「そらゃ~ますます興味深い話ね、使えるポケモンがいたらクエスト攻略や鍛冶屋の仕事もはかどるわねッ!」



珪子「私はピナの友達になれるような可愛いポケモンが欲しいです」


里香「ったく、キリトの奴、自分一人だけ抜け駆けなんかしてさぁ~、私たちだってSAOの世界で生き残ったプレイヤーだっつぅの!しかも私数少ない美少女プレイヤーにしてさらに数少ないマスタースミスだし…」 チッ


珪子「それ自分で言っちゃいますか…」 ボソッ


里香「なによッ、事実じゃない!」ドヤァッ


そんな彼女達の存在にも気づかずに、ベンチに腰掛け昼間の暖かな日差しを浴びながら照れあっていた若い男女の会話は弾んでゆう


明日奈「でもさぁ〜、キリト君だけなんかずるいなぁ。私だってキリト君と同じ攻略組でしかも奥さんなのに…」

プンプンッ!


和人「いや、そう言われてもな~。まあ明日奈にはポケモンの情報なるべくたくさん話すからさぁ、そう怒るなよ」


明日奈「ふふ、まぁそういうことなら許してあげなくもないかなぁ~♪」ニコッ


和人「でも、本当はいっちゃダメなことなんだかな! 他人には言うなよ。」


明日奈「うん、誰にも言わないよ」


和人「まあ俺も、テストプレイヤーといってもしょっちゅうダイブするわけでもないし、勉強もあるけどALOでユイやみんなと会う時間や、こうして現実で明日奈と会う時間もあるからな」キリッ


明日奈「キリトくん……//」きゅん



里香「ンアァーー、明るいうちからあんなにイチャつきやがって~~!!」


珪子「ちょっと里香さんッ、声が大きいですよ! ばれちゃいますよッ!」



和人「さて、そろそろ行こうか明日奈」


明日奈「ねぇキリト君、この間美味しいお店見つけたんだけど、今から行こうよ~!」


和人「おっ、いいね。ちょうど腹も減ってたしなぁ~。」

トコトコトコ……




珪子「行っちゃいましたね、あの2人」


里香「まったく、見せつけてくれるわね……、いつものことだけど」







その日の夜…


和人「ただいま、スグ」


直葉「あ、おかえりお兄ちゃん。今日は遅かったね。」


和人「あぁ、明日奈とご飯行って来たんでな」


直葉「ふ~ん………」

じ~~~~


和人「な、なんだよ…」


直葉「べっ、別に~(いつもより帰りが遅かったし、もしかして明日奈さんと変なことでもしてたんじゃ!?)」



和人「そういえば今日は母さんは出張で帰ってこないんだな、俺は明日奈と食べて来たし、このまま部屋に行くよ。明日は俺が飯を作るから、スグもおやすみ。」


直葉「え……、あっ、うん……」


スタスタ……バタン


直葉「今日のお兄ちゃん、なんとなく怪しい…、何かを隠してる?やっぱり明日奈さんとあんなことやこんなことを……//」






和人の自室にて…


和人「さて、明日は休みだし、課題もないし、早速ポケモンのテストプレイをやっておくか!」


和人「ポケットモンスター……リンクスタートッ!!」


ウウィィィィン…、ピコピコッ!




ここは仮想空間、ポケットモンスターの世界


アナウンスNPC『ポケットモンスターの世界をようこそ、これより、テストプレイヤーによるチュートリアルを開始いたします!!』


和人「お、早速初期設定か」



NPC『まずIDとパスワードを設定し、アバター名と性別を設定してください』


和人「え~と、ALOとの設定っと…」ピッ


NPC『ALOとのリンク完了、アバター名は同様、〝キリト〟となります。なお、本作品のアバターは自分自身がポケットモンスターの世界を冒険するためのリアリティの演出のため、リアルのあなた自身とまったく同じになります』


キリト「お、リアルの俺とまったく同じ姿に! ここはSAOと同じなのか…やるなゲーム○リーク!」



博士NPC『ポケットモンスターの世界へようこそ。私の名前はマウンテンブレード博士。この地方のポケモン研究の第一人者なんだよ、よろしくね』ニコッ


キリト「マウンテンブレード?……やけに長い名前だなぁ。どんなネーミングセンスだぁ」



マウンテンブレード博士(以外博士)『ポケットモンスター縮めてポケモン、ポケモンがいかなる生き物なのかは、ここにいるプレイヤーなら問わずしても知っているかな?』


キリト「まぁそらゃーポケモンくらいみんな知ってはいるしだな…、俺なんて中古屋でハードとソフト買いあさったから、その辺のテストプレイヤーとは一味も二味も違うぜッ!」(`・ω´・)+



アスナ?「きゃー、キリト君かっこいいよぉ…///」


キリト「!!?ッ」


プレイヤーと化したキリト少年の背後に、明らかに明日奈と見られる美しき胡桃色の長い髪をかき分け、いとしき黒の剣士様を見て顔を紅くに染めた



キリト「どうして明日奈の声が!……ってあり、誰もいない?」


キリトは振り返りあたりを隈無く見渡すが、その声の主であるはずの自身の想い人の姿はどこにもなかった




博士『ふふ、驚いたかな?』


キリト「!?」


博士『これは試作段階だけど、このゲームのちょっとした遊び心仕様だよ。プレイヤーの心の中にある最愛の人のイメージを、旅のはじまりの時だけ具現化したってわけさ』


キリト「えっと…、その演出要りますかね?」


博士「ふふ、誰だって新しい門出を祝してもらいたいのは、やっぱり好きな人だったりするだろ?」 にこっ


キリト「は…はぁ。(制作スタッフの俺へのあてつけかぁ?)」ハァッ


博士「まぁ、その好きな人もこの世界にログインしてプレイヤーとしてダイブしたら、一緒に旅することもできるよ!ポケモンほ旅は、今やボッチだねじゃなくてね、カップルで楽しめちゃうってわけだよ!」


キリト「何!?そうなのか…、じゃ、アスナともこのポケモン世界を攻略できるかもしれないなッ!!」


博士「ふふっ、君のガールフレンドはアスナちゃんって言うのかい?まぁ、クエスト攻略頑張ってね!」


キリト「あぁ…ありがとう。……えぇっと〜」


博士「あぁ、僕のことは普通に博士でいいよ!」




キリト「えっと…、じゃあ博士! 聞きたいんですけど、このテストプレイではどこまでゲームを進められるの?」


博士「あぁ、ポケモンの世界ではポケモンリーグ公認のジム戦や四天王、チャンピオンたちとの戦いや、プレイヤー同士の戦いが魅力だよね?だけどこれはあくまで体験版みたいなものだから、そこまではできない。最初のエリアに登場してくるポケモンたちをゲットしたり、そんな基本的なことかな。」


キリト「なんだ、SAOみたいに上まで行けるとばかり思ってたけど、そんな感じなんだなぁ」


博士「ふふ、でもね、テストプレイと言っても豪華な特典もあるよ! このプレイでゲットしたポケモンの経験値やアイテムや資金なんかは、正規プレイの時に引き継ぐことができるから、今のうちに気合入れてプレイをすることをお勧めするよ!」


キリト「何ッ⁉︎それはプレイしがいがあらそうだな!今のうちに、後々使えそうなポケモンを捕まえておくのも良さそうだな」


博士「ふふ、その通り!頑張っておくれよ、黒の剣士様!」


キリト「なッ⁉︎ なんで俺のその呼び名を?」


博士「はは、SAOやALO事件のことで君は世間的にも知られてるだろ?このポケモン界でもそれは例外じゃないってことさ。もちろん、正規プレイのときは、他のプレイヤーの前でそのことをいじりはしないけど、アバターでバレちゃうだろうけどね」


キリト「うぅ…、なんだか先が思いやられるな…」ハァッ


博士「さて、無駄話はこのくらいにして、ポケモンマスターを目指す者なら誰もがお待ちかねの、最初のパートナー選びと行こうか!!」


キリト「おっと、そうだった!まずは肝心な御三家選びからはじめないとなッ!この先のジムリーダーや四天王たちがどのタイプの使い手なのかはわからないけど、どの御三家を仲間にするかは、ゲーム攻略の重大な鍵になるしなッ!」


博士「ふふ、さすがだねキリト君! ではお待ちかね、君の最初のパートナーとなる御三家ポケモンの登場だよ!」


キリト「このポケモン新シリーズの御三家は、どんなポケモンなんだ?」


博士「そのタイプは従来通り、草•水•炎の3タイプだよ。ではます、草タイプから紹介しようか!」


キリト「おぉ〜!」






博士「まずは草タイプの御三家、ウグイスポケモンのグラーバだッ!」


グラーバ「キュイーンッ!!」


キリト「おぉ、全身緑色でウグイスみたいな見た目をしているなッ! 羽の部分が葉っぱになっているのか!」


博士「グラーバは草タイプに加えてひこうタイプも合わせ持っているんだ。素早さが高くて育てやすいのが特徴だよ!」


キリト「う〜ん、なかなか育てがいがありそうだな」


博士「続いて水タイプの御三家、シャチポケモンのキエールだッ!」


キエール「クウィーン!」


キリト「シャチがモチーフか、なんだか水族館にいそうだな!」


博士「キエールは攻撃力が高いのが特徴だよ」


キリト「へぇー、パワープレイヤー向けか」


博士「そして最後、炎タイプの御三家、火の犬ポケモンのクラッドだッ!」


クラッド「ワオォーンッ!」


キリト「うわぁ、なんだこいつ!?尻尾が刀みたいな形になってる」


博士「こいつは御三家の中でもバランスが取れていてね、所謂オールラウンダーって感じかな」


キリト「………、なるほど」


博士「さぁキリトくん、この3匹の中から君のパートナーとなるポケモンを選んでくれたまえッ!!」


キリト「………、ハイッ、決めたました!」


博士「お、もつ決まったのかい!?随分と即決だけど、時間をかけてじっくり考えてもいいんだよ?」


キリト「いや、一目見たときから直感でこいつだって思った…、俺がパートナーに選ぶのは………」


グラーバ(ドキドキ…)

キエール(ワクワク…)

クラッド(ソワソワ…)




キリト「お前だぁッ!!」





時同じくして、ALO新生アインクラッド22層ログハウスにて…


ユイ「あ、ママ〜」


アスナ「ユイちゃん、いい子にしてた?」


ユイ「ハイッ、あれ…、今日はパパはいないんですか?」


アスナ「あ、パパはね、ちょっと用事があって今日はログインできないんだ」


ユイ「そうなんですか…」しゅんっ


アスナ「元気出してユイちゃん、今日はパパはいないけど、ママと一緒に遊ぼうね〜♪」


ユイ「……ハイ、そうですね!」



ピンポーン!!


アスナ「あれ?誰だろう、はーい!」

ガチャッ


リズベット「やっほーアスナ、遊びに来たわよー」

シリカ「こんばんわ、アスナさん」

リーファ「おじゃしまーす」


アスナ「あらみんな、いらっしゃい」

ユイ「こんばんわ、みなさん」



リズベット「あれ、キリトは?」


アスナ「あぁ、キリト君なら今晩はちょっと忙しいって…」


リズベット「ふ〜ん、そうなんだ…」

シリカ「キリトさんがいないのは珍しいですね…」


リズベット(もしかして、早速ポケモンの世界にログインしてるのかしら…)

シリカ(きっとそうですね…) ひそひそ


アスナ「2人とも、どうかしたの?」


リズシリ「なんでもないわよ(です)ッ」


リーファ(え…、お兄ちゃんなら部屋にいるはずなのに、ログインしてないんだ…?)



ユイ「うぅ…、やっぱりパパとママ、2人が揃ってないとさみしいです…」

うるうるっ


リーファ「元気出してユイちゃん、お兄ちゃんはいないけど、今日は女の子同士でみんなで遊ぼうよ!」


シリカ「そうですね、キリトさんがいないのは寂しいですけど、みんなで何か楽しいことでもしましょう」


リズベット「たくぅ〜、キリトの奴、こんな可愛い娘を放ったらかして、もしかしたら……浮気!?」


ユイ「えぇ!?パ、パパが浮気…」

うるうる…


アスナ「ちょ、リズぅーーー!」


リズベット「あははは、冗談だって、冗談。 こんな可愛い娘と奥さんがいるのに浮気なんてしてたら、この私がとっちめてやるんだからッ!!」


アスナ「もぉ〜〜〜」


リズベット「まぁ、せっかく女子だけで集まったんだし、楽しくパァーっと女子会といきましょうかーー!」


ユイ「わぁ〜い、なんだか楽しいです」


アスナ(ふふ、ユイちゃんが元気になってよかった)


リーファ(お兄ちゃん、やっぱり怪しい……)





一方その頃、ポケモン世界のキリトはというと…


キリト「じゃ博士、早速こいつのレベルアップがてらフィールド探索でもしてくるよ」


博士「あぁ、気をつけて行っておいで。と言うっても、この辺りはレベルの低いポケモンしか出てこないし、いざという時は私の研究室に戻ってポケモン回復マシーンを使えばいいし、まぁ君なら心配ないかな」


キリト「いよいよ始まるのか、俺とコイツの新しい冒険が!」


博士「ふふ、その子のこと、大切に育ててやっておくれ、それじゃ、また何かあったらいつでも立ち寄るといいよ」


キリト「あぁ、この世界も攻略してみせるぜ!」


博士「それと、ポケモントレーナーの旅のお供と言ったらこれ、モンスターボールとキズくすり、それとポケモン図鑑を渡しておくよ!」


【キリトは、モンスターボール5個、キズくすり3個、そしてポケモン図鑑を手に入れた!!】


キリト「おぉ、ありがとう博士!」


博士「モンスターボールとキズぐすりに関しては説明はいらないね。問題は図鑑なんだけど、今回から図鑑の仕様が変わったというか…」


キリト「なんだかこのポケモン図鑑、スマートフォンみたいな形だな…」


博士「ふふ、今回のポケモン図鑑はね、図鑑だけじゃないんだよ。本来のポケモン図鑑としての機能に加えて、マップとアイテムストレージ管理、ワンセグやラジオ機能、他のユーザーやキャラクターとの連絡の機能、それから近くでイベント発生があればお知らせしてくれる機能まで…、これ1台に集結しているんだよ!」


キリト「へぇー、それは凄いな!ポケモン界も随分とハイテクになったな〜」


博士「他にも隠された機能があるから、それは旅をして自分で見つけてみてね、それじゃ、改めて、幸運を祈るよ、キリト君!!」


キリト「あぁ、行ってくるよ博士!」





キリトが博士から初めてのポケモンを貰い、辺りのフィールドを探索してから数時間後…


和人「……う〜ん、ログアウト完了っと、ポケットモンスター、なかなか攻略しがいがありそうだな…」


和人はポケモンの世界からログアウトし、時計を見てもうこんな時間かと思い、軽くシャワーを浴びて眠ることにした。


和人「さ〜て、軽くシャワーでも浴びようかな……、あ、アスナからLINEだ」


何気無く自身の携帯端末の画面を眺めてみると、恋人明日奈からのメッセージが届いていた


明日奈『キリトくんへ、ポケモンの世界はどうだったぁー? 楽しかった? 可愛いポケモンとか見つかったかな? ユイちゃんがね、パパがいないって寂しがってたよ! 今度はポケモンを連れて一緒にALOにログインして、ユイちゃんのこと喜ばせてあげてね! それじゃおやすみ アスナより』


和人「そっかぁ〜、ユイにはさみしい思いさせちゃったなぁ。よし、コイツを明日奈やユイに見せびらかしてやるかッ」


キリトはシャワーを浴びる前に、明日奈に返信した


和人『アスナありがとう、それとユイにはさみしい思いさせちゃったな。 今度ALOにログインする時は、新しく仲間になった俺の相棒を連れて行くよ! だから楽しみにしててくれ! それと、明日か明後日、何処か遊びに行かないか?特に課題も出されてないしさ。』




すると、しばらくして明日奈から返信が送られてきた


明日奈『ホントに!?すっごく楽しみ!ユイちゃんも喜ぶと思うよ! あと、明日だけど、じゃあ私ね、行きたいお店があるんだけど、買い物デートってことでどうかな?お昼前に原宿駅前に集合でいい?』



これを読み、和人はすかさず返信した


和人『わかった、じゃ明日原宿でな、おやすみ明日奈!』




明日奈とのやりとりを終えて、和人はシャワーを浴び、就寝した。







そして翌朝…


直葉「あ、おはようお兄ちゃん! 今日は早起きだね」


和人「おはよスグ、今日は明日奈と原宿で買い物する約束しててな」


直葉「え、そ、そうなんだ……(明日奈さんとデート…明日奈さんとの間に何か悪いことがあったわけじゃない。それに昨日も明日奈さんとお兄ちゃんは会っていてそれで帰りが遅くなった…でも昨日お兄ちゃんはALOにログインしなかった……どうして?)」


和人「お〜〜い、スグぅ?」


直葉「え、うわぁぁ〜な、なにお兄ちゃん?(顔近ッ//)」


和人「なんか苦い顔してたけど、考え事か?」


直葉「な、なんでもないよぉ〜//」


和人「そっか、ならさっさと朝ごはんにしよう。今日は俺が作る番だったな。軽い感じで、目玉焼きとトーストと、あとサラダの盛り合わせにスープでいいか?」


直葉「え、う、うん。それでいいよ!」



トントン…ガタガタ…チーン…


和人「それじゃ、いただきます」

直葉「いただきま〜す!」


もぐもぐ…ごくごく…むしゃむしゃ…



直葉(う〜〜ん、明日奈さんとのことかどうかはわからないけど、でもお兄ちゃん、やっぱり私に何かを隠してるような……)

じぃ〜〜〜


和人「な、なんだよスグ? さっきから俺のこと見て、どうかしてのか?」


直葉「え、えぇ〜!? あ、あのねお兄ちゃん…その〜(えぇい、こうなったらもうやけだ、思い切って聞いちゃえ!)」


直葉「あ、あのねお兄ちゃん!!」

バァンッ!!

和人「な、なんだよスグッ!?」


直葉「えぇ〜と、どうして昨日の夜は、ALOにログインしなかったの?」


和人「………へぇ?」


直葉「だってね、昨日は明日奈さんとご飯食べてて帰りが遅かったんだよね?そして帰ってからお兄ちゃんずっと部屋にいたよね?」


和人「あ、あぁ…そうだけど」


直葉「いつもだったら、明日奈さんとデートした帰りや学校帰りでも、家に着いたらまずご飯食べてお風呂入って、課題や勉強がある時はそれを済ませて、そして寝る前の夜の時間にALOにログインしてみんなでクエスト攻略したり、遊んだりするよね?」


和人「あぁ…その通りだな。」


直葉「でも昨日のお兄ちゃん、いつもとは何か違ってた気がする…。私、昨日の夜はALOにいてね、みんなで集まってたんだぁ、明日奈さんもログインしてたよ」


和人「あぁ、明日奈から寝る前にメッセージがきてたよ!」


直葉「明日奈さんは、お兄ちゃんには用事があるからログインできないんだ〜って、みんなに説明してたけど、お兄ちゃんずっと部屋にいたはずだよね?」


和人「え、あぁ…そうだ、昨日は部屋にいたぞ」


直葉「ユイちゃんもね、お兄ちゃんがいないから寂しがってたよ。」


和人「あぁ…、それも明日奈から昨日の夜言われたよ」


直葉「お兄ちゃん、昨日は自分の部屋でALOにログインしないで、いったい何をしてたの………?」


和人「え、え〜と、それはだなぁ…」

(・_・;


直葉(明らかに動揺してる、やっぱりお兄ちゃん、私に何か隠し事してるんだ!)


和人(マズいなぁ、ポケモンのことは明日奈以外には言えないし、別にやましいことはしてないけどおかしな誤解を招くのも面倒になるしな…う〜ん、どうやって切り抜けるか………)


直葉「んー、お兄ちゃん、私に何か隠し事してるのッ!?」

バァンッ!!

和人「いや、そのなスグ、え〜と………(なんとか誤魔化すしかない!)」


直葉「お兄ちゃん、昨日の夜、ALOにログインしないで、自分の部屋で一体何して過ごしてたの?明日奈さんの言ってたその用事って、一体どんな用事なの!?」



和人「えぇ〜も、スグ、いや直葉さん、君は何か勘違いしてるんじゃないかな?」


直葉「え?」


和人「俺は別に何もやましいことをしていたわけではないし、スグに心配や迷惑をかけることなんて本当にしてないんだ!」


直葉「う〜ん……」


和人「その目は信じてないな…、俺たち血の繋がりはないけど世界でただ一人の大切な兄妹じゃないか! 俺のいうこと、信じてくれないのかい?」

うるうる…


直葉「うぅ、それは…その…私はお兄ちゃんのこと信じたいけどぉ//」


和人「だろ、だったらスグは何も考える必要なんてないんだよッ」(`・ω´・)+


直葉「いや…そんなドヤ顔で言われても…。なら、昨日何してたのか教えてくれてもいいじゃん! やましいことなんてないんでしょ!」


和人「あー、あれだよあれ、課題と勉強をしてたんだよ」


直葉「課題と勉強……、ホントにぃ〜?(絶対怪しい…)」


和人「ほ、本当だってぇ!(信じてないな、こりゃ)」


直葉「課題なら、お兄ちゃん、いっつも明日奈さんの家かお兄ちゃんの部屋で、明日奈さんと2人でやってるじゃない?それに簡単な課題なら、ALOのログハウスでもアスナさんとやってるよね、いっつも?」


和人「あ、あぁ…昨日の課題は少し変わってたんだよ。俺1人でやらなくちゃダメだったというか、いつもみたいに明日奈に迷惑かけちゃいけなかったって感じでさ…勉強も、俺最近、将来のために英語の勉強をしてるんだよ。だからそれに時間かかっちゃったんだよ!」


直葉「むぅ〜、なんか納得できないような…」


和人「ほ、本当なんだよぉ〜スグッ!俺だっていろいろと今から将来のために準備をしているところなんだよ!」


直葉「うぅ〜、なんか腑に落ちないような……、お兄ちゃんもともと成績良かった方だし、英語の勉強してるなんて話聞いたことないよ、私」


和人「まったく〜、俺がたった一人の可愛い妹相手に、嘘なんかつくわけないだろ」(`・ω´・)+


直葉「えぇ!? お、お兄ちゃんが…わ、私のこと……可愛いって///」



和人「だから、直葉が余計なことなんて考える必要性はないんだよ」

アタマナデナデ…

直葉「ふぇえ、お…お兄ちゃん///」(//∇//)



和人「じゃ、俺は明日奈のところに行くから、夜ご飯までには帰るからなぁ〜!!」 トコトコ…キィーン


直葉「…うん、い、行ってらっしゃい、お兄ちゃん///」



キィーン…ガタン、ガシャリッ



直葉「お兄ちゃん…行っちゃった…」

ポカーン…


直葉「まぁ、お兄ちゃんがあそこまで言うなら………、でも怪しいなぁ〜、う〜ん………、そういえばお兄ちゃん、原宿行くって言ってたような………」




桐ヶ谷家付近の街路にて…


和人「ハァハァ…、なんとか上手く切り抜けられたかな…、まったくスグの奴、明日奈以外には内緒でポケモンにログインしてただけっだっつの! さて、今から行っても少し早いかな? まぁ遅刻は良くないし、今から向かうか!」



その頃、再び桐ヶ谷家リビングにて…


直葉「う〜ん、やっぱり気になっちゃうなぁ。そもそも明日奈さんは、そのお兄ちゃんの用事ってのを知ってたわけだよね…、お兄ちゃんは今から明日奈さんとデートだし、今明日奈さんに電話で聞くのもなんかなぁ…、どうしようかな」

(´・_・`)



そう、直葉は悩んでいて仕方がなかったのた。その悩みの種は言うまでもなく、自身の義兄和人のことであるが。


直葉「んあぁ〜もう! やっぱりお兄ちゃんが昨日ALOログインしないで何してたのか、気になっちゃうよぉ〜、本当に勉強してただけなのかなぁ?」



直葉の思いは複雑であり、葛藤していた。もちろん、あそこまで言ってきた兄の言うことを信じたいという思いもあるが、それと同時に抱くのは、兄の発言に対する腑に落ちない部分。その二つの狭間に直葉は揺れていたのだ、そう、彼女の胸部にある丸い二つの母性を感じるふっくらとした果実が揺れ動くかの如く…




直葉「う〜ん、でもこのままモヤモヤしたままお兄ちゃんの帰りを待つんじゃ、何も変わらないよね!うん、そうだ、こうなったら……!!」


直葉はどうやら、何か決断をしたようであった。もちろんその決断の事実も、そしてその決断の果てに何があるのかも、彼女の悩みの張本人である義兄が知る余地などない…





午前10時45分頃、原宿駅前にて…

明日奈「あ、来た来た、お〜いキリトく〜ん♥︎」


和人「やぁ明日奈、随分早いな!」


明日奈「ふふ、キリト君との買い物楽しみだから、待ち合わせよりも早く来ちゃったんだぁ〜(^ ^)」


和人「ははッ、俺も…早く明日奈の顔見たいな〜って思って、少し早めに家を出ちゃってさ」


明日奈「ふふ、キリト君ったら//」


和人(まぁ本当は、スグから逃れたくて必死だったってのが大部分なんだよな…) はぁ…


明日奈「ん、どうしたのキリト君?」


和人「いや、なんでもない。それよりこれからどうする?原宿で買い物って、服でも買いたいのか?それとも食事か?」


明日奈「これから暑くなるでしょ?だからこれからの時期に合わせた新しい服でも買おうかな〜って思って、ランチは原宿で最近できた美味しいパンケーキのお店を調べて来たんだぁ〜」にこッ


和人「ほほぉ〜ん、下調べは入念にってわけですか?」


明日奈「もっちろん! 私だって女の子ですしオシャレにくらい人並みに興味あるわ。それにせっかくのデートだし、楽しまないとね!」


和人「女の子って、やっぱりみんな流行には敏感な感じなのかな?」


明日奈「んもぉ〜、本当は私だけじゃなくて、キリト君にもいろいろと調べて欲しいんだけどなぁ」 プンプンッ



和人「えぇ…そんなこと言われてもなぁ、俺そういう流行りとかイマイチわかわないし」


明日奈「なら、次のデートはキリト君がいろいろと下調べして私をエスコートしてね!」


和人「え!? あぁ……、うん、わかったよ」


明日奈「ふふっ、やったぁー!」ニコッ


和人「それはさておき、早いとこ明日奈の行きたいお店に行こうぜ!」


明日奈「うんッ!」





和人と明日奈が買い物デートをしているその頃、直葉はというと……


直葉「うぅ〜、やっぱり勝手にこんなことしちゃうのは罪悪感あるなぁ」




やはり兄が何か隠し事をしているのではないのかと仕方が無い直葉は、その兄和人の自室の前にいた


直葉「お兄ちゃんは今頃明日奈さんとデート中だし、お母さんもいないし、今この家の中にいるのは私だけ…。べ、別に何もやましい気持ちなんかないもん…// ただ、お兄ちゃんが何かおかしな隠し事をしてないか…気になるだけだもん//」



兄妹とはいえ、他人の部屋に勝手に入るのは悪いと思いつつも、直葉は自分にそう言い聞かせて、ドアノブを握りしめた



直葉「男の人が部屋で一人っきりになって、しかも他人には知られたくないことって…………、まさか////」


直葉は、兄が思春期の男子がよく1人部屋で勤しむであろうとある行為をしているのではないかと想像して悶々とした。しかし兄くらいの年齢の健全な男子がそういった行動をし、それを妹にしられたくないということは、桐ヶ谷家に限ったことではない、よくあることだ。それは直葉も理解している、しかし……



直葉「じゃ、じゃあ…お兄ちゃんの部屋のゴミ箱には、もしかして……///」



直葉は、改めて兄がSAOとALOの両事件を解決した英雄であると同時に、どこにでもいるような普通の男の子でもあるのだと思った…


直葉「うんん、まだそうと決まったわけじゃないし、それにお兄ちゃんには明日奈さんがいるし、でも1人の時でもしたい時ってあるかもしんないし………って、私は一体何考えてんのよぉ〜//」



兄の部屋の前まできて、悶々として時間を無駄に浪費することの勿体無さに気がついた直葉は、決心して兄の部屋に入ることにした


直葉「そ、そうよ! 別にお兄ちゃんがそんなのをしていたとしても、私は軽蔑したりしないし、むしろありのままのお兄ちゃんを受け入れるもんッ// それに、明日奈さんだけでは処理しきれなかったっていうなら、その時はその分を私が……////」



直葉の悶々は、なかなか終わりが見えない。


直葉「と、とにかく! ここまできたら中に入って、軽く調べるだけ!そう、調べるだけよ! 私まで変になっちゃったらお兄ちゃんにも悪いし、覚悟を決めて、いざっお兄ちゃんの部屋ヘッ!」


ガチャッ!



直葉「おっじゃましま〜す………って、お兄ちゃんは今頃明日奈さんとデートだし、いるわけないよね〜」


時間はかかったが、どうにか和人の部屋に侵入することに成功した直葉、この部屋に入るのははじめてではないが、数分、いや数秒前までの悶々の影響か、罪悪感とともにおかしな緊張感が自分でも感じ取れる。しかし彼女がこの部屋に入った目的はただ一つ、兄が隠し事をしていないかを確かめること。

直葉は、一つ呼吸を置き、胸で疼く悶々を深く鎮め、部屋の中を見渡した



直葉「やっぱりまずは……ゴミ箱から//」


直葉は不安しつつも部屋の隅の方に置かれていた黒いゴミ箱を覗き込んだ。



直葉「じぃ………ん、あれ?ない…」


ゴミ箱の中には、直葉が不安に思っていたそれらしきものは見つからなかった。その中にあったのは、コンビニで購入したのであろう菓子の箱や包みがくしゃくしゃに丸められて、幾つか捨てられていただけだった…


直葉「ティッシュは……ない…ふぅ〜第一クエストはクリアだッ!」ガッツ!


どうやら直葉にとって、兄の部屋のゴミ箱の中にはないでほしいものとは、ティッシュのようであった。

それがないと確認し、彼女は安堵した。それは、兄が何か怪しい隠し事をしていないかを確認するためのこのクエストにおいて、第一クエスト攻略を意味した。しかし、まだ怪しい何かがこの部屋の何処かにあるかもしれない。それを確認しない限り、直葉はグランドクエストを攻略できないのだ…



直葉「てかアタシ、何でティッシュがなかったからって安心したんだろう…。別にあったらあったで、まぁ…そのぉ//」



複雑な感情を胸の内で踊らせる直葉だが、ここは兄の部屋と言うなのダンジョン、グランドクエスト攻略のために、次の行動に出る


直葉「テーブルの上はっと? あれ、これって英語のテキスト…? お兄ちゃん、本当に英語の勉強やってるんだ…」


和人の机の上の状態は、まさに勉学に励む学生らしい散らかり方をしていたのだ。ペンや消しゴムなどは当然だが、直葉が一番目を奪われていたのが、比較的新しい英語のテキストと単語帳のようなものである。しかもそれは、ただ新しいのではなく、中をぱらぱらとめくってみると所々に蛍光マーカーで引かれた線が見れる。これを見て、この部屋の主が英語の勉強をしていないという結論に至る者はおそらく皆無であろう。

直葉も、その例外ではなかった……



直葉「お兄ちゃん………」




直葉は自分自身の行動に恥を感じた。兄のことを疑ってしまった自分自身が恥ずかしくて仕方がなかった…


直葉「お兄ちゃん……、本当に英語の勉強してたんだ。一生懸命マーカーまでつけて、それなのに私は…」



直葉は、兄は自分が心配しているようなことはしてないのだと思い、申し訳ない気持ちでいっぱいになった…



直葉「うぅ……ごめんね、お兄ちゃん。お兄ちゃんが帰ってきたらこのことは正直に言ってきちんと謝ろう…」



そう思い、直葉は部屋を出ようとしたが、テキストやノートの下に隠されている見慣れないパッケージの存在に気がついてしまった



直葉「ん、なにこれ……ポケットモンスターテストプレイ版…?」







その頃、デート中の和人と明日奈はとあうと、買い物を終えとある店でランチをしていた



明日奈「ふふ〜♪ 一杯買っちゃったね」


和人「あぁ、その分荷物が大変だけど…」


明日奈「思わずたくさん買っちゃったね、キリト君は英語の本買ってたけど」


和人「新しいのが欲しくてな、なかなか大変だよ英語は」


明日奈「将来のために頑張ってるんだね〜、えらいえらい」




そう、和人は本当に英語の勉強をしていたのだ。将来はフルダイブ技術に代わる新しいシステムを作りたいと考えている彼だが、英語はそのために必要となるので自ら勉強している。明日奈はそのことをなんとなくではあるが把握していたが、直葉は知らなかったのだ



明日奈「そういえばキリト君、ポケモンはどうだった?」


和人「あぁ、とりあえず進めるところまでは進めたよ。といっても、テストプレイだからまだ最初の方だけど。博士から最初のポケモンもらったから、そいつのレベルアップが主かな」


明日奈「御三家選びね! それで、どのタイプにしたの?」


和人「それはユイに見せるまでのお楽しみ。ALOにログインしたとき連れてくるよ。」


明日奈「えぇ〜、早く見たいなぁー。じゃ今夜ALOにログインして見せてよ。ユイちゃんも喜ぶよ〜!」


和人「そうだな、ユイには昨日会えなかったし、勉強も結構捗ってるし、今夜はALOにログインするか」


明日奈「あっ、でもポケモンのことってみんなには秘密にしておいた方がいいよね、どうする?」


和人「それじゃ、みんなにはバレないように俺と明日奈とユイの3人だけでこっそり集まるってことで」


明日奈「了解〜!」






そしてその日の夕方


和人「ただいま」


直葉「あ、おかえりお兄ちゃん…」


和人「あれ直葉、今日は部活はなかったのか?」


直葉「うん、今日は体育館の点検でお休みだったの…それよりお兄ちゃん、今日はALOにログインするの?」


和人「え、あぁ〜、今日はそのつもりだけど」


直葉「そうなんだ(ということは、やっぱりお兄ちゃんが昨日ログインしなかったのはあのポケモンのソフトのプレイのため…)」





そして夜、新生アインクラッド22層のログハウスにて…


ユイ「あ、パパァ〜!!」


キリト「ユイ、昨日はごめんな。お詫びと言っちゃなんだけど、今日はユイとアスナにサプライズがあるぞ!」


ユイ「え、何ですかぁ?」


アスナ「ふふ、私も見るの初めてだから、楽しみだなぁ」わくわくッ


キリト「その前に、ポケモンのことについて説明しないとな」


ユイ「ポケモン…?」



キリトはユイに、ポケットモンスターについて説明した。


ユイ「なるほど、パパはポケットモンスターのテストプレイのために昨日はログインしなかったんですね、それで、どのポケモンを貰ったんですか?」



キリト「ふふふ…、これが俺の初めてのポケモンだ、出てこいッ!」



ブオォォン〜〜!!


アスナ&ユイ「おぉ〜〜〜!!」



キリトは二人の目の前でモンスターボールを開いた。中から出てきたのは……







その頃、リーファはというと…


リーファ「あ、2人とも〜」


リズベット「やっほ〜リーファ!」

シリカ「こんばんわ、リーファさん!」


リズベット「あれ、キリトとアスナは?」


リーファ「2人なら多分、ログハウスだと思うけど…」



リズベット「はぁ〜、相変わらずお熱いことね…、こっちでもリアルでもイチャイチャしちゃってさ」


シリカ「何時ものことですけど、ラブラブですよね〜」


リーファ「うん…(そういえばアスナさんは、ポケモンのこと知ってるのかな?)」


リズベット「なによリーファ? そんな顔して?」


リーファ「えっ!? 私そんな顔してました?」


シリカ「なんか難しい表情してたようなぁ…」


リズベット「もしかして、兄貴が今頃イチャイチャしてると思ってヤキモチぃ〜?」ニヤニヤ


リーファ「そ、そんなんじゃないですよ// あの2人がイチャイチャしてるのは今に始まったことじゃないし!」


リズベット「んじゃ、なんでそんな顔してたのよ〜?」


リーファ「え、そ、それは……」


リズベット「何かひっかかるわねぇ〜、悩み事なら隠さないで言っちゃいなさいよッ!」


シリカ「そうですよ、私たちに仲じゃないですかッ! それとも、言いたくないことですか?」


リーファ「いや、そんなんじゃないけど…(ポケモンのこと、2人になら言ってもいいかな…)」




リーファは思い切って、2人にポケモンのことを告げた


リズベット「なるほど、ポケモンねぇー」


シリカ「やっぱりキリトさん、昨日はポケモンをやってたんですね!」


リーファ「えっ? やっぱりって…」


リズベット「実はね、昨日の放課後学校でね…」




リズベットは、リーファに知っている全てを告げた


リーファ「やっぱり、お兄ちゃん本当にポケモンのテストプレイしてたんだ!」


リズベット「そうなのよ! アイツ私たちには内緒でいち早くポケモンやってるのよ!」


シリカ「そうなんです! アスナさんにはそのことを伝えたんです。 しかもポケモンのことは本当はまだ内緒にしてないといけないらしいんです…」


リーファ「うぅ…、なんかズルいような。アスナさんには言ったのに、私たちには内緒にしてるところがまた…」


リズベット「まったくよッ、抜け駆けなんて許しておけないわッ!!」


シリカ「ポケモンもバーチャルMMO対応だから、ALOの世界に連れてこられるらしいですよ」


リーファ「へぇ〜、それにしてもお兄ちゃん、SAOもベーダテスターだったのに、ポケモンでも選ばれるとは…」


リズベット「私だってSAOを生き抜いたプレイヤーだし、しかも数少ない美少女女性プレイヤーにしてマスタースミスよッ!! 誰よりも早くポケモンをプレイする権利くらいあってもいいじゃない!」


シリカ「私だって、数少ない美少女プライヤーにしてビーストテイマーですっ、それに加えてさらに希少な幼女! モンスターを扱うならビーストテイマーなる私の右に出る者はいませんッ!」



リーファ(それ自分で言っちゃうんだ…)


リズベット「とにかく、このまま納得しないわ! 早速2人のところへ乗り込むわよッ」


シリカ「そうですねッ、行きましょー!」


リーファ「でも私たちがお兄ちゃんたちのところに乗り込んだところで、ポケモンを出来るようになるわけじゃないような…」


リズベット「どのみち、ポケモンは発売されるわけだし、今のうちから情報を搾り取れる分だけ搾り取ったって無駄じゃないわッ!」


シリカ「そうですよッ、リーファさんだって置いてけぼりにされて悔しくないんですかッ!?」


リーファ「た、確かに、勘違いとはいえ心配はしたし、やましいことじゃなかったけど、やっぱり秘密にされてたのは」


リズベット「でしょ〜ッ!」


リーファ「………わかった、私も行きますッ!」


リズベット「そうこなくっちゃッ!」


シリカ「そうと決まれば、レッツゴーです!」








再び、キリトたちがいるログハウスにて…


クラッド「ワオォーーンッ!」


ユイ「これがパパのポケモンですかぁ〜!!」


アスナ「へぇー、子犬みたいで可愛いわねぇ!」


キリト「ふふ、これがこいつの情報だ!」


ポケモン図鑑

クラッド 火の犬ポケモン

タイプ:ほのお

高さ:0.5m 重さ:10.3kg

特性:もうか

夢特性:ぐれん(相性の悪いポケモンが相手の時、炎タイプの技を2回繰り出せる。2回目の技の威力は0.75倍で、PPの減りには影響しない)

※オリジナル特性


種族値

HP50.攻撃55.防御49.特攻55.特防47.素早さ52 合計308


尻尾が刀のような形をしており、そこから炎を発生させる。主人に忠実で、敵とみなした者には容赦無く吠えまくる。





アスナ「もしかして、この子を選んだのって尻尾が刀みたいだから?」


キリト「もっちろん!」(`・ω´・)+


アスナ「ふふ、キリト君らしいわね」くすくす


ユイ「可愛いですね〜、ほーら、こっちにおいで」


クラッド「ワンッ!」


キリト「お、さっそくユイになついたな」


アスナ「私も〜、お手!」


クラッド「ワンッ!」


アスナ&ユイ「かわいい〜!」






ドンドンドンッ


キリト「ん、誰だ?」


リズベット「ちょっとキリト、アスナ、いるんでしょ〜? 開けなさ〜い!」


シリカ「無駄な抵抗はやめて、大人しく出てきてくださぁ〜い!」


リーファ「お兄ちゃん、私もう知ってるんだからねッ!」



アスナ「リズたち!? なんだか様子がおかしいしような…」


キリト「もう知ってるって、もしかしてポケモンのことがバレたんじゃ…」


アスナ「嘘!? 私リズたちには言ってないし、キリト君リーファちゃんに話したの?」


キリト「まさか、とりあえずクラッドはボールに戻すか。ごめんなユイ、クラッドとはまた後で遊ばせてやるからな」


ユイ「わかりました」


キリト「戻れクラッド」


ブォォォン…




リズベット「お前たちは完全に包囲されているッ!」


シリカ「そうですッ! だから無駄な抵抗なしないでくださぁ〜い」


リーファ「お兄ちゃん、可愛い妹に隠し事するなんてどういうことッ!」



キリト「あーもうわかったわかった、今開けるから」


アスナ「だから私たちを犯人みたいに言わないでよぉ〜」


ガチャッ


リズたち「……………」


キリト「やぁ皆さん、あまり穏やかじゃないような…」


アスナ「どうしたのみんな?」


ユイ「なんだか皆さん怖いです」



リズベット「キリト…、あんた私たちに隠し事きてな〜い?」


キリト「え、な…なんのことかな?」


シリカ「アスナさんだけずるいですー、私たちにも教えてくれてもいいじゃないですかぁ」


アスナ「ず、ずるいって言われても…」


リーファ「ひどいよお兄ちゃん、私にも教えて欲しかったな…」


キリト「………バレてる…よな…」





キリトは3人に、正直にポケモンのことを話した



リズベット「たくー、私たちに黙ってるなんて水臭いわね」


キリト「いやだって、他人には言っちゃいけないってことになってるし」


リーファ「でもアスナさんには話したんでしょ」


キリト「いやぁ、アスナには話してもいいかなぁーって思って、ついつい自慢したくなったというか」


アスナ「そ、そうよ! 私はキリト君の彼女だし、知る権利があるわッ!」


シリカ「うぅ〜、そんなのズルいですぅ〜」


リーファ「それなら私は妹だし、身内ってことで知る権利があるわッ!」


リズベット「私だってキリトの剣作ったし、知る権利があるわッ!」


シリカ「私だって、キリトさんに助けられたことあるし、知る権利がありますッ!」






キリト「あぁーーーもうわかったわかった! 3人にもポケモンの情報教えるからッ!」


リーファ「ホントにッ!? やったぁ〜〜!」


リズベット「ふふ〜んッそうこなくっちゃ〜!」


シリカ「ありがとうございます、キリトさんっ」


アスナ「えぇ〜、いいのキリト君?」


キリト「しかたがないさ、こうなったら。でも3人とも、ポケモンの情報は解禁になるまでは誰にも言うなよッ!」



リズベット「えぇ〜、タダで黙ってろってゆ〜の〜?」


キリト「え?」


リズベット「そうねぇ〜、じゃキリトが何でもいうこと一つ聞いてくれるっていうなら他の人には言わないでおいてあげる〜」


キリト「なッ!?」


アスナ「…………えっ」


シリカ「キ、キリトさんが…なんでも///」


リーファ「いうことを…聞いてくれる///」



アスナ「ちょッ、リズぅーーーー!!」


リズベット「あはははは、冗談だってばぁ〜。そうだなぁ、じゃ狩り手伝ってくれるってことてどう?」


キリト「まぁそれくらいなら…、いいだろアスナ?」


アスナ「うん! 狩だったらわたしも手伝うよ!」


リズベット「ふふッ、ありがとう2人とも!」





リーファ「うぅ…なんかちょっと罪悪感が…」しゅん


シリカ「やっぱりご迷惑でしたよね…ごめんなさいキリトさん、アスナさん、それにユイちゃん」 うるうる


キリト「いや別に、謝ることなんて…」


リーファ「よく考えたら私も、お兄ちゃんが変なことしてるって勘違いして、ポケモンのことだって隠そうとして隠してたわけじゃなかったし、それにポケモンのことをアスナさんにだけ教えてそれになんかヤキモチ焼いちゃって///」


アスナ「ヤ、ヤキモチ!!?」


リーファ「わ、わぁ!! と、とにかく、お兄ちゃんもアスナさんも、なんか…その…ごめんなさい」ぺこりっ


シリカ「私もごめんなさい…ユイちゃんがせっかくキリトさんとアスナさんと3人で過ごしてたのに…」しゅん



キリト「べ、別にいいんだよ。だから謝るなって! リーファもシリカも」


ユイ「もちろんパパとママと3人で過ごす時間は大切ですが、こうやってみなさんと一緒にいるのも楽しいですーー!」


アスナ「ほら、ユイちゃんもこう言ってるからさ!」




リズベット「ちょ、ちょっとーーー!なんか私だけ悪者みたいじゃないッ!?」








フィールドにて…


リーファ「ヤアァァァァーーッ!」


リズベット「チェストーーーッ!」


シリカ「やぁ〜〜〜っ!」


モンスター「グオォォォッ!」



ユイ「うわぁ〜、みなさん強いですッ」


リズベット「って、キリトッ! 手伝うって言ったくせに高みの見物!?」


キリト「いやぁ…だって、その程度のモンスターならリズたちだけで十分だし」


リズベット「なによ〜ッ、可愛い乙女たちにだけ狩りさせといて、自分は百獣の王気取りってわけ〜ッ!!」


キリト「べ、別にそんなつもりは」


アスナ「まあまあリズ、強いモンスターが出たら私とキリト君でやっつけてくれるって!」


リーファ「まぁこの辺りは強いモンスターあまり出てこないんだよね〜」


シリカ「えへへ、せめて強いモンスターがもっとたくさん現れるといいんですけどね〜」


リズベット「ったく、こんな雑魚モンスターばっかり倒してもレアアイテムなんか出てこない、どうせならもっと強いモンスター出るフィールドかダンジョン行こうよ〜ッ 」




強いモンスター「グオオォォォンッ」


シリカ「うわぁ、リズさん!都合良くなんだか強そうなのが出てきましたよッ!」


リズベット「まってましたぁ〜、さぁ出番よキリトッ!!」


キリト「へいへい」


アスナ「あれキリト君? まだストレージから剣出してないの?」


キリト「剣は使わないよ。」


アスナ「えッ!?」


キリト「ふふ、ちょっと試したいことがあるんだ!」 (`・ω´・)+






強いモンスター「グオォォォォン!!」


シリカ「うわぁ〜〜〜、キリトさん、危ないッ!!」


リーファ「お兄ちゃん、逃げてぇーッ!!」


リズベット「キリトッ! 剣使わないでどうするつもりよッ!?」


アスナ「キリト君ッ!!」


キリト「大丈夫さ、俺が使うのは剣じゃない……コイツだぁッ!!」


ブォォォォンッ!


クラッド「ワォォーンッ!!」


リーファ「な、何あれッ!?」


シリカ「子犬の…モンスター?」


ユイ「あの子はクラッドです、パパの最初のポケットモンスターですッ!」


リズベット「あれが、キリトのポケモン?」



キリト「お前の強さをアスナたちに見せてやるぜッ クラッド、あのモンスターに向かってひのこだッ!!」


クラッド「ワーオーッ!!」

ボォォー


強いモンスター「グアァァァァ〜〜!」


アスナ「凄い、効いてるわッ!」



強いモンスター「グオォォォーーッ!」


リズベット「敵の反撃よ、キリトーーッ」


キリト「かわすんだクラッドッ!」


クラッド「ワンッ!」 シュッ


シリカ「は、速いッ!」


リーファ「かわしたッ!?」


キリト「よし、もう一度ひのこだッ!」


クラッド「ワオー!」


強いモンスター「グァァァァー!」


リズベット「つ、強いッ!」


キリト「トドメだクラッド、ひっかくたいあたりッ!!」


クラッド「ワオーーーッ!!」

バンッ!


強いモンスター「グァァァァァア〜〜!!」


パリ〜ンッ!!




モンスターは消滅した…


キリト「よくやったぞクラッド!」よしよし


クラッド「ワンッ!」


アスナ「凄いキリト君、ポケモンで強いモンスターを倒しちゃった!」


ユイ「わぁー、パパ凄いですぅ〜」


キリト「いやぁ俺は何もしてないさ、クラッドのおかげさッ!」


クラッド「ワンッ!」



リーファたち「………………」




キリト「あ、そういえばリーファたちにはまだ見せてなかったな。俺の初めてのポケモン、クラッドだッ!」


クラッド「わんッ!」



リーファたち「か…………」


キリト「?」


リーファたち「かっわいぃ〜〜〜!」



リーファ「これがお兄ちゃんのポケモン!?子犬みたいで可愛いー!」


シリカ「わぁー、ピナと遊ばせてあげていいてますかッ!?」


リズベット「何よキリトッ、こんなポケモンがいるんなりさっさと教えなさいよッ!!」



キリト「お、おい、そんなみんなで寄ってたかって、クラッドが怯えてるだろ」


クラッド「わぉ〜(´・_・`)」


リズベッド「なによ〜ケチケチしないのッ、だいたいアンタ何もしてないじゃないの」


リーファ「怖がらないで〜、お~よしよし」ヨシヨシ( ,,´・ω・)ノ)


シリカ「ふふ、すっごく可愛いです〜」

なでなで


クラッド「ワンッ!」


リズベット「ほらぁ〜、もうすっかり私たちに懐いてるじゃない! 飼い主に似て美女に弱いのね〜」


キリト「か、飼い主に似てって…」




その後リーファたちはクラッドたちとたくさん遊んだのであった。そして翌朝…


和人「ふぅ……、昨日はあの後クラッドとみんなを遊ばせるために遅くまでダイブしたから寝不足だな〜、まぁ明日奈やユイも楽しんでくれたからいいけど……」


直葉「あ、おはよお兄ちゃん。昨日はたくさん遊んだねー」


和人「おはよスグ、おかげで寝不足だよ〜」


直葉「ふふっでもユイちゃんもすっごい楽しそうだったよ」


和人「まぁな、明日奈にも自慢できたし俺的には満足ではあるかな」



直葉(むぅ〜〜、また明日奈さんばっかり、私には自慢したくなかったの?)ぷくっ


和人「ん、どうかしたかクズ?」


直葉「お兄ちゃん、なんで私にはポケモンのこと教えてくれなかったの?」


和人「いやーだって言っちゃいけないことになってるし、それにテスト段階って言ってもポケモンが発売されるのはそんなに遠くないって話だし…」


直葉「えぇ〜なにそれ!? 明日奈さんには教えたの妹の私には黙ってるなんてひどい!


和人「いや〜だって、明日奈は特別というかなんというか…」


直葉「むぅ……明日奈さんだけなんかズルイなー」ぷんぷん


和人「いや…悪かったって。まあ別に隠そうとして隠してたってわけでもないけどさ……それよりもスグ、ちょっと気になることがあるんだけど」


直葉「ん、何?」


和人「どうしてスグは俺がポケモンのベータテスターだって気づいたんだ?」


直葉「えぇッ!? そ、それは…そのぉ…リ、リズさんたちから聞いたからよッ!(お兄ちゃんの部屋に忍び込んだなんて言えない//)」


和人「なんだそうだったのか、それにしてもリズたちも酷いよな。影に隠れて俺と明日奈の会話を盗み聞きだなんて、まったく良い趣味じゃないよ」


直葉「あはは、そうだね〜(お兄ちゃんがやましいことしてるんじゃないかと勘違いして勝手に部屋に入る妹の方が趣味悪いよね…はぁ…)」


和人「まぁ、約束通り内緒にしてくれればいいんだけど」


直葉「それよりお兄ちゃん、お兄ちゃんのポケモン可愛かったねッ!! 私ポケモンって言ったらピカチュウとかイーブイとか、あのあたりくらいしか思いつかないから、新しいポケモンもたくさん出るんのかな?」


和人「俺もくわしくは知らないけど、それなりに新ポケモンは出ると思うぞ。まあ俺たちの世代だとやっぱりピカチュウとかイーブイとか、あの辺りがポピュラーだもんな。 既存のポケモンももちろん出るだろうしなッ!」


直葉「クラッドみたいな可愛くて強いポケモンならたくさん捕まえてほしいな〜、ALOのクエストでも役にたつもん!」


和人「あぁ、でも昨日試してわかったんだけど、ALOでモンスターを倒しても、ポケモンの経験値にはならないらしい。あくまでも連れて来られるだけみたいだな。もちろんポケモン世界での強さは反映されるけど、俺的にはバトルでの経験値のためにポケモンのほうで鍛えたいな」


直葉「え〜そうなんだ、ALOでは経験値もらえないんだね。あのモンスター、結構強かったのになぁ。」


和人「ま、まだテストだからな、これからどうなるかはわかんないし、俺も出来るだけ時間を割いてやるつもりではいるけど」





同時刻、結城家の明日奈の自室にて…


明日奈「ふわぁ〜、昨日の夜はつい楽しくて遅くまでダイブしてたなさから夜更かししちゃった〜。でもユイちゃんも楽しそうだったし、たまにはいいかな〜。それにしてもキリト君のクラッド、子犬みたいなのにすごく強かったなぁ。 可愛い見た目なのに強いって、なんだかキリト君に似てるかも…ふふっ♥︎」





さらに同時刻、別の場所では…



里香「昨日はつい遅くまではしゃぎちゃったわね〜、まあ楽しかっからいいんだけど。それにしてもキリトのクラッドは確かほのおタイプかぁ……、炎ってことは鍛冶に使えるわよね? 私もポケモン始めたら御三家はクラッドにしようか………、べ、別にキリトと同じのにしたいってわけじゃないし// あ、あくまでも鍛冶に使えると思って炎タイプにしたいだけだしねッ// …………うぅ〜何考えんよのアタシ////」



珪子「ふぁ〜、昨日は楽しかったなぁ、夜遅くまでログインしちゃったけど。それにしてもキリトさんのクラッド可愛かったなぁ〜、他にも可愛いポケモンとかたくさんいるのかな〜? ふふっ、私も早くポケモンやってみたいかもッ そしたら私もキリトさんと一緒に……///」




再び桐ヶ谷家にて…


直葉「そういえばお兄ちゃん、今日の予定は?」


和人「あぁ、特に用事はないけど……、明日奈と逢おうかな〜」


直葉「えぇ〜!? 今日も明日奈さんとデートッ! お兄ちゃん昨日だって明日奈さんと夕方までデートしてたじゃんッ!!」


和人「別にいいだろっ、俺と明日奈は付き合ってるんだし………//」


直葉「むぅ〜(またそうやって明日奈さんばっかり、たまには私にも構って欲しいのにッ//)」



和人「あのぉ……直葉さん?」


直葉「きょ、今日はやめておいた方がいいんじゃないッ? ほらぁ、昨日はみんな遅くまでダイブしてたから明日奈さんだってきっと疲れてると思うしッ!」


和人「えッ………まぁ確かにそうだけどな」


直葉(よしッ!! じゃ今日はずっとお兄ちゃんと2人で…///)


和人「なら、俺の方から明日奈の家に行こうかな。それなら二人でまったりできるし!」


直葉「…………、なんでそぉ〜〜やるのッ!?」


和人「えっ、あの……直葉さん?」キョトンっ


直葉「もぉ〜〜〜お兄ちゃんのばかぁ〜

、なんでそうなるのよっ! それじゃ明日奈さんゆっくり休めないでしょ? 」


和人「いやぁ〜だから、明日奈の部屋で二人でゆっくり休めばいいかな〜って」


直葉「あ、明日奈さんの部屋で…ふ、2人で休むぅぅぅッ!?………/////」

カァァァァァア///////


和人「お、おいスグ大丈夫かっ? 顔真っ赤だぞ……?」



直葉「お、お兄ちゃんッ!!?」


和人「はっはい!?なんでしょう直葉さん……」


直葉「明日奈さん家に行くって言うなら、わ…私も一緒に行くッ!!」


和人「えぇッ!?」



と、いうわけで……


明日奈「ふふ〜、キリト君いらっしゃ〜い♥︎」


和人「よっよぉ〜明日奈」


直葉「こんにちわ明日奈さん」


明日奈「あれ、直葉ちゃん? キリト君、直葉ちゃんも一緒だったの?」


直葉「いやぁ…私も明日奈さん家見てみたいな〜って思って(本当はお兄ちゃんが明日奈さんとエッチなことするんじゃないかと心配で…//)」


明日奈「そ、そうなんだぁ〜いらっしゃい直葉ちゃん(もぅ〜、せっかくお父さんもお母さんもいないからキリト君とS○Xやり放題だと思ったのに……)」



そしてここからしばらく、正妻明日奈と妹直葉の修羅場?……が始まった。






直葉「あのぉ〜お手洗い借りてもいいですか?」


明日奈「トイレならあっちだよ〜」


直葉「あ、ありがとうございまぁ〜す」

スタタタタ…



なんだか少し不機嫌そうな明日奈の顔を見て、和人は彼女の心境を即座に察した


明日奈「もぉ〜キリト君ったら!! 直葉ちゃんも一緒ならそう伝えてよね」 プンプンッ!!


和人「いやぁ…スグがどうしても一緒に行くって聞かなくてさ」


明日奈「キリト君と2人っきりだと思ったのにぃ…(もしかして、私が昨日のポケモンバトルを見て思いついた獣プレイをキリト君としようと思ったことを察したの……やるわね直葉ちゃんッ!)」





直葉「……何故だろう、なんか嫌な胸騒ぎかする…ついて着て正解だったわ。明日奈さんお兄ちゃんに変なことしようとしてた気がする!なんとなくだけど。」



なんとなくではあるが、その直葉のなんとなくでした読みはズバリ当たっていた。明日奈の家に行こうとしたのは和人であったが、明日奈は昨日見せられたクラッドのバトルを見て、「今度、キリトくんとあんな感じで激しい獣プレイもいいわね…//」と思っていた。和人一人で結城家に訪れていたら、今頃間違いなくそのプレイが現実のものとなっていただろう…



直葉「べ、別にお兄ちゃんと明日奈さんがそのぉ…そういうエッチなことするのが嫌ってわけじゃないよ。恋人同志でそういうことするのは…そのぉ、おかしなことじゃないし/// で、でもぉ〜妹がいる前でそういうのを見せつけられるのは複雑というかなんというかさぁ……、と、とにかく、私はお兄ちゃんが心配なだけだもんッ!! そう、明日奈さんがお兄ちゃんのこと襲わないか、妹である私にはお兄ちゃんのことを心配してあげる権利と義務があるわッ!!」




直葉は、結城邸のトレイの個室内で一人、用も足さずに1人決意を固めたのであった。




和人「それにしても明日奈、今日はご両親は?」


明日奈「今日はお父さんもお母さんもお兄ちゃんもいないんだ。だから私だけだったの」


和人「へぇ、そうなんだ」


明日奈「それなのにキリト君、せっかく家で二人っきりだと思ったのにさぁ〜、直葉ちゃんもついて来るならそう言ってよね」ムッ〜〜〜


和人「わ、悪かったってぇ、今度この埋め合わせはするからさ。2人っきりでまたデートでもしよう!」


明日奈「ふふっやった〜♪ (仕方がない

キリト君との獣プレイは次回のお楽しみっと!)」


和人「直葉には「昨日はみんなで遅くまでダイブしてたから明日奈さんも疲れてるよ」って言われてさ。だからどこが出かけるよりも家に行って2人でのんびりしようかなって思って」


明日奈「え、そうだったんだぁ〜(フッ甘いわね直葉ちゃん、そんなことで私たちの邪魔をすることができるとでも?)」


和人「迷惑じゃなかった?」


明日奈「そんな迷惑だなんて、 キリト君がウチに来てくれるならいつでも大歓迎よッ! 私全然疲れてもないし〜(そうよ、いつでもキリト君とヤレるように常に体力は温存してるよう管理してるんだからッ!)」


和人「よかった! それにしても初めて来たわけじゃないけど、明日奈の家は本当に広いよな〜! ウチもこれくらい広いとな」


明日奈「そんなことないよ、キリト君の家も立派じゃない!道場まであるし!」




ガチャッ!


直葉「あっ、お手洗いありがとうございましたー」


和人「あ、俺もトイレ借りていい?」


明日奈「うん、いいよ」


和人「それじゃ俺も…」

スタタタタ…ガチャ!



明日奈「………」


直葉「………」



2人の間にはどこか気まずい空気が流れていた。もちろん和人のことを通して直葉は普段明日奈とも仲が良く、ALOでもプライベートでも会うのだが、どうやら和人のことになると少し違うようである


直葉(うう…なんか変な空気だなぁ)


明日奈(今頃キリト君と獣プレイのはずなのに直葉ちゃん、侮れないわね…でもまだまだ甘いわッ!)



直葉「あはははっ、それにしても明日奈さんの家大きいですね〜。」


明日奈「ふふ、そんなことないよぉー。ついさっきキリト君も同じこと言ってたよぉ〜」


直葉「えっそうなんですか〜。ふふふ」




直葉はどこか嬉しそうだった。兄が自分と同じことを言ってることが。


直葉(お兄ちゃんったら私と同じこと言ってたんだ…やっぱり私たち義理だけど兄妹だよね。仲良しだもんね///)


明日奈(直葉ちゃんなんだか嬉しそう…でも所詮は兄妹よ、キリト君は私のものよッ!)





ここから、和人がトイレから戻ってくる少しの間だが、2人の戦いが始まった



明日奈「ふふふ、直葉ちゃんがトイレに行ってる間キリト君と話してたんだ。将来結婚して、この家よりも大きくて立派なお家建てて一緒に暮らそうって!」


直葉「えっえぇ!!?」


明日奈「ふふっ、私たちまだ未成年だねど、大人になったら早く結婚したいなぁ〜。あ、もちろん式には直葉ちゃんも来てくれるよね?(ふふ、先手は貰ったわ!)」

ニコッ


直葉「でも、お兄ちゃんと明日奈さんだけでそんな大きな家に住むなんて…、なら私泊りがけで遊びに行きますよっ!!」


明日奈「大丈夫、キリト君との赤ちゃんたくさん作るつもりだから、子供部屋は多い方がいいしその分お家も大きくしないとねッ!」 ニヤニヤ


直葉「えぇッ!? お兄ちゃんと赤ちゃん…た、たくさん作るって……////」


明日奈「えぇ、キリト君赤ちゃん何人欲しいかなぁ〜?

(そうよ、キリト君に孕まさられる権利と義務があるのは世界でただ一人この私、結城明日奈だけなのよッ!! ふふふ…ごめんね直葉ちゃん妹であるあなたには認められない…そう私だけに許された特権なのッ!!)」


直葉「お、お兄ちゃんと……子作り…//」 プシュ〜〜〜〜//


明日奈「今のうちから練習しとかないと…キリト君いっつも外に出すから」 ボソっ


直葉「!!!!!??? そ、そんなのダメェェェ〜〜〜〜〜〜ッ!!」


明日奈「わぁっ、どうしたの直葉ちゃん、いきなり大声出して?(ふふ、効いてるようね)」


直葉(今、明日奈さんさらっと凄いこと言った……いっつも外に出すって……やっぱりお兄ちゃんはとっくに明日奈さんと身体の関係を…//// このままじゃ危ないッ! わ、私がいても目の前でお兄ちゃんが襲われるッ!!)





第一ラウンドは明日奈の圧勝に終わった。しかし続く第二ラウンド、直葉の反撃が始まる!!






直葉「で、でもお兄ちゃんならそんな豪邸よりももっと庶民的な伝統のある、そうまさにうちみたいな古風な創りの家の方がいいと思いますよ!」


明日奈「えっ……まあ確かにキリト君と私新婚生活はログハウスで暮らしてたけど…」


直葉「それにお兄ちゃん、私の剣道の練習にたまに付き合ってくれるし、やっぱりうちみたいな道場があるといいですね!」


明日奈「えっ!!? キ、キリト君と……つっ突き♂合う…ですって……//」

グッ!!


直葉「そう、お兄ちゃんったら私に激しく突いてくるですぅ〜」


明日奈「キッキリトくんが…私以外の女に突く♂って、しかもその相手が妹だなんて…」 アセアセ


直葉「しかもお兄ちゃんの竹刀って硬くて大きいから痛いんですよねぇ〜」


明日奈「えッええええぇぇぇ〜〜〜ッ!!!!??」


直葉「あれ〜どうしたんですか明日奈さん?(ふふっ明日奈さん焦ってる…)」 ニヤッ


明日奈(ど、どうして直葉ちゃんがそんなことを知ってるの!? 確かにキリト君のは大きくて硬いけど……/// それは私だけが……もしかして直葉ちゃん、私がいないところでキリト君とッ!?)


直葉「お兄ちゃんの子供ならきっと剣道やるだろうから、その時は道場で私とお兄ちゃんが先生になって教えてあげないとぉ〜」


明日奈「………」





直葉の反撃により状況は一転したかに思えたが、この瞬間明日奈の目の色が変わった






明日奈「剣道もいいけど釣りなんかもどうかな?」


直葉「えっ、釣り?」


明日奈「キリト君結構釣りにはまってた時期があってね、意外にアウトドアなところもあるから、楽しめるかな〜って思って」


直葉「でもお兄ちゃんが釣りしてるところなんか、私見たことないし…」


明日奈「あっ、SAO時代の話よ、私たちが新婚生活してた時にね、キリトくんが釣ってきたお魚を私が料理してたの〜、そういえば直葉ちゃんはSAOでのキリトくんのこと詳しく知らないわよね?」


直葉「えぇ……まぁ」


明日奈「私リアルでも釣りってしたことなかったし、どんな感じかと思って触らせてもらったんだ…キリト君の竿を!!」ドヤァ


直葉「ええぇッ、お兄ちゃんの…さ、竿を///」


明日奈「キリト君の竿、硬くて太くてなんかゴツゴツしてたかな〜。でもね私の手によく馴染むのぉ〜〜」ニコッ


直葉「な…馴染むって……//」


明日奈「こうね、キリト君の竿を思い切ってギュッてしたときの感触と言うか、凄く良かったの。その時確信したんだ、この竿は私にピッタリだって!!」


直葉「うぅ…うわぁぁぁ//」


明日奈「でも急にビクッてなるから、私も思わず強く握っちゃって、そしたらキリト君に「アスナぁ…そ、そんなに強く握っちゃダメだぁー」って怒られちゃったのぉ~」 てへぺろっ


直葉「そそ…そんなことまでぇ////」


明日奈「ふふ、今度のデートは思い切ってキリト君と釣りデートなんかもいいかなぁ〜。 あっ、ALOでユイちゃんと3人で釣りができる湖にも行きたいな! そういえばポケモンにも釣竿ってあったよね…それもいいかなぁ〜」


直葉「………」


明日奈「ふふッキリト君のすごいつりざお、早く握りたいなぁ〜」ハァハァ…



直葉(あ…危ない!! このままじゃ、お兄ちゃんのが……、危ない/// やっぱりお兄ちゃんのは……私が守らないとッ//)




直葉「えっと…その時は私も呼んでくださいね」ニコッ


明日奈「え? そうだね〜最初はキリト君と二人きりで行って、その次はユイちゃんも一緒にALOでやって、その次の時に呼んであげるね〜」ニコっ


直葉(明日奈さんはいつでもお兄ちゃんのことを襲うつもりなんだ…こうなったら私も徹底的にやらないと!!)


明日奈(ごめんね直葉ちゃん、お兄ちゃんのことが気になる気持ちはわかるけど、でもキリト君は私だけのものよッ!! もぅ、キリト君のことを考えたらまた湿ってきたわ//)





ガチャッ


和人「ふぅ〜スッキリした……って、どうしたんだ二人とも?」


明日奈「あ、キリト君。なんでもないよ〜〜」 ビリビリッ


直葉「そうだよお兄ちゃん、ちょっと明日奈さんとお話してただけだよ〜」ビリリッ


和人「え、あぁ…そう」




この時、明日奈と直葉の間に発生したビリビリと音を立てる黄色い稲妻のようなものを、和人は己の視覚と聴覚でしっかりと感じ取った…

結局この日は夕方まで3人で結城邸で過ごした。帰宅時、和人は楽しい時間を過ごせたと満足していた。しかし明日奈は和人と自室で2人きりで過ごせなかったこと、そして直葉は自分が目の前にいたにも関わらず和人と明日奈が終始イチャイチャしていたことにやや不満であった。




明日奈「それじゃキリト君、直葉ちゃん、またね。」


和人「それじゃまたな、明日奈」


明日奈「ふふ、今度はキリト君1人で来てね〜。2人だけで私の部屋で勉強会ついでにまったりしたいな〜//」


和人「あぁ、楽しみにしてるよ」 ニコッ


明日奈「あ、あとそれとは別に、ちゃんと今度デートに連れてってよ! 私、キリト君と行きたいところあるんだ〜♪」


和人「ああッ任せておけっ!!」


明日奈「ふふっ楽しみにしてるね♪」


直葉(むぅ〜また私の前でイチャイチャしてぇーーー、まぁカップルだから当たり前だけどさぁ)


和人「ん?どうかしたかスグ?」


直葉「え! ううん何でもないよお兄ちゃん。それより明日奈さん、私もまた明日奈家にお邪魔していいですか?」


明日奈「もっちろん! 直葉ちゃんも歓迎するよ。キリト君について来るんじゃなくて、直葉ちゃん1人で遊びに来てもいいんだよ〜」ビリビリ


直葉「あはは〜私はお兄ちゃんと遊びに行く方がいいかな〜」ビリビリ


和人「?」




この時和人は、また再び明日奈と直葉の間に先ほど見たのと同じビリビリとした電撃がぶつかり合うのを感じたのであった…。

2人の女の戦い?は、続く…のだろうか







そして帰宅後、桐ヶ谷家にて…



和人「ふぅ〜、今日はほとんど明日奈の家で過ごしたから、もう夜かぁ〜」


直葉「じゃ夜ご飯にしないとね。お兄ちゃん何食べたい?今日は私が作る番だし」


和人「そうだな〜すぐ出来るのだと炒飯とかかな?」


直葉「オッケー!じゃチャーハンとあとは適当にサラダにするね。」



そして十数分後…


和人「いただきます!」パクッ


直葉「ふふ、いただきます」あん


和人「うん、直葉の料理は相変わらず美味いな〜」


直葉「…………ねぇお兄ちゃん?」


和人「なんだ直葉?」


直葉「私と明日奈さんの手料理、どっちが美味しい?」


和人「えッ!? な、なんだよいきなり…」


直葉「だってぇ〜、私負けたくないんだもん、明日奈さんにッ!」


和人「えッ!?」


直葉「むぅ〜、お兄ちゃんったら私が目の前にいたのにさぁ、あんなに明日奈さんとイチャイチャしちゃって〜」プクッ


和人「いやぁ…べっ別にいいだろ//俺と明日奈は恋人同士なんだし」


直葉「でもぉ〜可愛い妹の前では少しは遠慮してよね! 」


和人「あのなぁ〜、別にスグの目の前で明日奈と仲良くしてたって迷惑かけてるわけじゃないだろ?」


直葉「もぉ〜〜ッ!! お兄ちゃんって本当そういうところわかってないんだからッ」 プンプンッ


和人「えッえぇ〜と…ごめん(スグはなんで困ってるんだろう?)」


直葉「もうーーお兄ちゃんッ!」ドサッ


和人「は、はい! なんでしょう直葉さん…」


直葉「別に私は明日奈さんとイチャイチャしてることに怒ってはないよ。そりゃお兄ちゃんと明日奈さんは恋人同士だしsaoの中では結婚までしてたし、だからその…そういう行為をするのも当たり前だとは思うけど…//」


和人「は、はぁ……」


直葉「でもぉ、なんかこう妹の目の前であんなに堂々と見せつけられるとなんか悔しいというか、なんか比べられてる気がするのッ!!」もじもじ


和人「いや〜比べるとか言われてもな、明日奈は明日奈でスグはスグだからなぁ」


直葉「うぅ、それはそうだけどさぁ〜」


和人「ま、まぁ直葉の前ではTPOには気をつけるように努力はするよ」


直葉「むぅ〜〜〜、お兄ちゃんって本当女心わかってないというかデリカシーないというか、よくそれで明日奈さんみたいな綺麗な人と恋人になれたよね」 ハァ


和人「うぅ…俺ってそんなに女心わかってないのかなぁ〜(確かにデートしてる時とかにたまに明日奈にも言われるけど)」






夕食後、直葉の自室にて…


直葉「はぁ…、やっぱりお兄ちゃんは私のこと妹としてしか見てないというか、まあお兄ちゃんのそういう鈍感なところ嫌いじゃないけど…///」 もじもじ


直葉「もちろんお兄ちゃんには明日奈さんがいて、私も普段明日奈さんと仲良くさせてもらって、だからあの2人が愛し合うのには嫌悪感は全然ないけど、もうちょっと構って欲しいというかさぁ、そういうところでは明日奈さんに負けたくない感じがあるというかさ、う〜〜〜ん…、とりあえず宿題も終わったし、ALOにでも潜ろうかな」



ウィィィィン!

直葉「リンクスタート!」





一方、和人の自室にて…


和人「直葉のやつ、いったい何がいけなかったのかな〜? てゆうか俺はそこまで乙女心がわからないのか? 明日奈とだって仲良くやってるし、リズやシリカやシノンとだって仲良くしてるつもりなんだけどな〜」


和人は、相変わらず微妙な乙女がイマイチわからないでいた…




ALO内にて…


リーファ「あっリズさん、シリカちゃん」


リズベット「やっほ〜リーファ!」


シリカ「あれ、キリトさんは?」


リーファ「あぁ、お兄ちゃん今夜はポケモンだって。なんか任○堂に提出しないといけないレポートみたいなのがあるんだってさ」


リズベット「へえ〜なんか大変そうね」


シリカ「私たちももっと早く知ってればキリトさんのお手伝いできたのにな〜」


リーファ「ところで、今日はどうします? 」


リズベット「そうね〜、とりあえずアスナたちのログハウスにで行こうか」


シリカ「そうですね」






一方その頃、ポケモンをプレイ中のキリトはというと


キリト「さてと、今日は任○堂にいろいろと提出しないといけないレポートがあるから、ダンジョン攻略でもしようかな」


クラッド「ワンッ!!」


キリト「ここから1番近くて手頃なダンジョンは……、ここから少し離れたところにあるこの洞窟かな。行ってみるか!」


クラッド「ワンッ!」


キリト「しかしこのポケモンの世界、本当によくできてるよな〜。なんというか、SAOやALOとはまた違った世界観というか、あの博士もNPCとは思えないほどの完成度だったし、バーチャルMMOもここまで浸透したんだなって改めて感じるよ」


クラッド「!? ワンワンッ!」


キリト「ん?一体どうした?」


クラッド「ワンワンッ!!」


ざわざわ……


キリト「あそこの草むらに何かいるのか…もしかして新しいポケモンか? よし、行ってみよう!」


タタタタタッ!


ざわざわ…ざわわ


キリト「やっぱり何かいるな、行けクラッド、あそこに向かってひのこだ!」


クラッド「わおーー!」


ボオォォォ〜!!



???「チューーーー!!」


キリト「こ、このポケモンはッ!」







再びALOにて…


アスナ「そういえばキリトくん今日は任○堂に提出しないといけないレポートがらあるからポケモン進めるって言ってたっけ、今頃頑張ってるんだろうな〜」


ユイ「ポケモンはどこまで進められるんですか?」


アスナ「パパが言うには、まだベータ版だからジム戦は出来ないみたいだよ。簡単なフィールドやダンジョンなら攻略出来るんだって!」


ユイ「新しいポケモンにも早く会ってみたいです〜」


アスナ「ふふ、そうだね。たくさんいた方がなんだか楽しそうだもんね。ユイちゃんも私たちがログインしてない間寂しくないもんね(キリト君との新しいプレイスタイルも浮かぶかも……//)」


ピンポ〜ン


アスナ「あっリズたちかな?はぁ〜いどうぞ。」


ガチャッ


リズベット「やっほーアスナにユイちゃん、遊びに来たよ〜!」


シリカ「今日も楽しく女子会ですぅ〜」


リーファ「お、おじゃましま〜す」


アスナ「みんないらっしゃい!」


ユイ「いらっしゃいです〜!」


アスナ「ちょっと待っててね、お茶でも淹れるわ」


ユイ「私も手伝いますよママ〜」


アスナ「ありがと〜ユイちゃん」



トントンッ!


リーファ「ん、誰だろう?」


アスナ「シノのんかな? 最近学校のことで忙しくてログイン出来なかったらしいけど、今日は来るかもって言ってたし!」



ガチャッ!


シノン「あら、みんな揃ってるのね」


アスナ「シノのんいらっしゃい〜♪」


ユイ「いらっしゃいです、ユイちゃん」


シリカ「お久しぶりですシノンさん」


ユイ「あら?キリトの姿がないようだけど…」


リーファ「お兄ちゃんなら今日はポケモンですよ」


リズベット「そうなのよ、あいつったらこんな美少女たちを放ったらかしにして今頃ポケモンのレベル上げでもしてんよよ〜」


シノン「はぁ、相変わらずの廃人ね…」


リーファ「ちょ、シノンさん。お兄ちゃんを廃人って、まあ事実だけど」あはは


シリカ「あはは…まあしょうがないよ。なんか任○堂にプレイしてみて気づいたことや感じたことをいろいろ報告しないといけないんだって」


シノン「へぇ〜、あいつも大変なのね。」


アスナ「さぁ、シノのんも揃ったしみんなで楽しくお茶しましょッ!」


アスナ以外「はぁ〜いッ!!」





一方その頃、キリトとクラッドであすが…


キリト「まさかこんな最初のフィールドでこいつをゲットできるとはな、お手柄だぞクラッドッ!」なでなで( ,,´・ω・)ノ


クラッド「ワンワンッ!」


キリト「それにダンジョン探索も思いのほか進んだしな、少し早いけど今日はもう落ちてALOに行くか。早速アスナとユイに自慢しないとな、報告のレポートもALO内で書くか!」





キリトはどうやら、とあるポケモンをゲットしたらしい。そのポケモンもアスナたちに見せるべく、ポケモンのプレイは早めに切り上げ、クラッドとそのポケモンを連れてALO内にダイブすることにした。

キリトがログハウスに到着するまでの間、女子会を催しているアスナたちはというと…




全員「いっただきまぁ〜す!!」


モグモグ…ゴクゴク…


ユイ「ママの料理とお茶はいつも美味しいです〜」


シノン「本当にアスナの料理はあきないわよね」


リズベット「本当にアスナって女子力高いわよね〜」


アスナ「もう、みんなってば。なんだか照れちゃうよー。」うふふっ


リーファ(うん、悔しいけれど本当にアスナさんって女子力高いよね。ALOでもリアルでも料理上手だし、とてもかないっこないなぁ……はぁ)


シリカ「私もアスナさんみたいにお料理スキルがあればな〜」


アスナ「簡単なやつだったら今度教えてあげるよ」


リーファ(お兄ちゃんもSAO時代にアスナさんの手料理で胃袋掴まれたんだろうな……アスナさんって可愛いし優しいし料理上手だし、本当に完璧だな〜まぁちょっと変なところもあるけど…。私がアスナさんに勝てるところって何かあるのかな。)



リズベット「ん、どしたのよリーファ?なんだかさっきから黙り込んじゃって」


アスナ「もしかして具合悪いの?」


リーファ「あッいえ、ちょっと考え事してて…」


シノン「考え事?」


リーファ「私もアスナさんみたいに料理が出来たらな〜って思って…。」


シリカ「でもリーファさんもリアルではキリトさんにお料理作ったりするんですよね?」


リズベット「そういえばそうよね。キリトと当番制で夜ご飯作ったりするんでしょ?」


リーファ「ええ、うちは親が仕事で留守にすることも多いから、お兄ちゃんと私で当番制でご飯作ったりしてますよ!」


シノン「ということは、リーファはキリトの手料理を食べるってことよね?」


リーファ「え、まぁそうですけど。」


シノン「キリトの手料理かぁ…、なんか想像できないような」


シリカ「キリトさんの手料理…うう、なんだか羨ましいです。」


アスナ「キリト君の手料理かぁ…。(いつもはキリト君に振る舞う側だから、考えたことなかったかも)」


リーファ(あれ、みんな羨ましがってる?)


ユイ「リーファさん、パパの手料理ってどんな感じなんですか?」


リーファ「お兄ちゃんの手料理? お兄ちゃんああ見えても結構お料理上手なんですよ! といっても作るのはカレーとかチャーハンとかそんなのばっかりだけど」


リズベット「ほほ〜お、カレーと来たか!いかにも男が作りそうな料理って感じねぇ〜!」


シリカ「うう〜、ますますリーファさんが羨ましいです。」


シノン「キリトのカレーかぁ、なんだか面白そうかもね」


アスナ「いいなぁ〜リーファちゃん。私もキリト君の(手料理)…食べたいな〜〜」


リーファ「……………え?」


アスナ「ん、どうかしたリーファちゃん?」


リーファ「あの…ア、アスナさん、今なんていいました?」


アスナ「えっだからそのぉ、キリト君の(手料理)を食べたいなぁ〜って」


リーファ「ちょ、アア、アスナさんッ、みんなの前で何言ってるんですかッ!?」


アスナ「え? 何言ってるって、私なにかおかしなこと言った?」


シリカ「え、別におかしなことなんてないと思いますけど。」


シノン「恋人の(作った手料理)を食べたいって、ごくごく普通のことだと思うけど」


アスナ「そうだよね、全然おかしなことなんて言ってないと思うけどな。」


リズベット「なんか今日のリーファちょっと変よ、なにかあったの?」


リーファ「私はいたって普通ですよ!!? みんなの方が絶対におかしいって!!」


リーファ以外「???」キョトン



リーファ(アスナさんったら、みんながいる前でお兄ちゃんの♂を……たた、食べたいだなんて/// これは私への宣戦布告!? というか、アスナさん以外もおかしい、もしかしてみんなお兄ちゃんのことを襲う気なんじゃ…//) ブルブルッ


アスナ「ちょ、リーファちゃん本当に大丈夫? なんか急に真っ赤になったというか、ブルブルしてるけど…」


ユイ「風邪でもひいたんですか?無理は良くないですよ…。」


リーファ「風邪なんてひいてないよ、ちょっと驚いただけというか…。」


アスナ「確かに私の家に遊びに来たときは特に体調悪かった様子はなかったよね」


リズベット「え?リーファ、アスナの家に遊びに行ってたの?」


アスナ「うん、夕方まで私の家に遊びに来てくれてたの。もちろんキリト君も一緒だったよ!」


リーファ(強いて言うなら、そのときおかしくなったんですよきっと。)


アスナ(ん? もしかしてそのときリーファちゃんの目の前でキリト君とラブラブしてるところ見せつけて動揺しちゃったとか…。ごめんねリーファちゃん! まあ私もキリト君との仲を自慢したくなっちゃっというか、ついつい調子に乗っちゃってね。でもキリト君も結構迫って来たし//)


リズベット「風邪じゃないんなら別にいいけど、なんか変なの」


アスナ「あはは、まあ具合が悪くないならそれでいいけどね〜」


リーファ「あははは……」





トントンッ!!


キリト「アスナぁ〜、ユイ〜、ちょっと見せたいものがあるんだけどぉ!」


ユイ「あっ、パパが帰って来ました!」


アスナ「あれッキリト君!? 今日はポケモンの方へログインしてたんじゃ…、とにかく今開けるね。」



ガチャッ

キリト「やぁアスナにユイ……って、あれ? みんな来てたのか!」


シリカ「おじゃましてます、キリトさん!」


リズベット「やっほ〜キリト!」


シノン「久しぶりね、キリト。」


キリト「お、シノンも来てたのか。久しぶりだな。」


アスナ「それにしてもキリト君、今夜はポケモンのプレイをしてたんじゃなかったの?」


キリト「あぁ、かなりスムーズに進んだんで早めに切り上げて来たんだ。それと、アスナとユイに自慢したいことがあってなぁ〜!!」


リーファ「へぇ〜、それでそんなに慌ててALOにログインして来たんだ。」


ユイ「わぁ〜、自慢したいことってなんですかパパ?」わくわくっ


アスナ「なるほど、それで急いでこっちへ来たんだ。それで自慢したいことって何かな?」ワクワクッ


リズベット「ちょっと、アスナとユイちゃんだけずるいわよッ!! キリト、私たちにも教えなさいよぉーー!」


シリカ「もしかして、新しいポケモンですかッ!?」


シノン「ポケモンねぇ……、そういえばもうみんなは一度ここで見たのよね。私はその日はリアルで忙しくてログインしてなかったから、まだ実際にバーチャル世界でポケモンを見たことないのよね。」


リーファ「あ、そういえばシノンさんはまだ見てないんですよね?」


シリカ「そうそう、キリトさんのクラッド、とってもかわいいんですよぉ〜」


シノン「へえ〜、そこまで言われると見てみたいわね。」


キリト「まあまあそう慌てるなよみんな、今見せてやるよ。ついさっき、フィールドで新しくゲットしたんだ!」


一同「おお〜!!」わくわくッ


キリト「よしッ出てこい!」





ボワァァァアンーー!





黒いピカチュウ「ピィ〜カァッ!!」



一同「かッ、かわいいぃぃ〜〜〜!!」




アスナ「これ、ピカチュウだよねッ!?」


リズベット「まさかポケモンの代名詞を間近で拝めるなんて!」


シノン「へぇー、これがポケモンか〜」


リーファ「すごいお兄ちゃん、ピカチュウ捕まえたんだ!」


シリカ「わぁ〜可愛いです!」


黒ピカ「ピカピカッ!」


アスナ「あれ、でもピカチュウって黄色のはずだよね? どうしてキリト君のピカチュウ黒色なの?」


キリト「ああ、どうやらこいつ色違いらしい」


黒ピカ「ピカッ!」ドヤァ(`・ω・´)


アスナ「ええッ、色違いって滅多に出ないんじゃなかったっけ!? 」


リズベット「しかも黒って、あんたどんだけ黒色すきなのよw」


キリト「たまたまだって。出現するカラーは俺が選べるわけじゃないし、フィールドでたまたま黒色のこいつを見かけて運良くゲットしたってだけだよ。」


シリカ「うふふ、なんだかキリトさんらしいです」


シノン「それにしても、よく出来てるわね〜」


リーファ「やっぱりポケモンといえばピカチュウなんだねー!」


黒ピカ「ピカチュッ!」ドヤッ!


キリト「そういえばみんな集まって、女子会でもしてたのか?」


ユイ「はい、パパの話題で盛り上がってましたよ」


アスナ「ちょ、ユイちゃん…//」


シノン「リーファがキリトの(作った手料理)を食べたことを自慢して、アスナが羨ましがってたのよ」


アスナ「シ、シノのん//」もじもじっ


リーファ「ちょッシ、シノンさんッ!!」カァァァ〜〜///




キリト「え、俺のを食べたいって………?」


アスナ「だってぇ、リーファちゃんは妹だしそういう機会が普段あるじゃない。でも私は普段キリト君に(お弁当作ったり)してあげる側だから、ちょっと羨ましいな〜って」もじもじっ


リーファ「わわわぁ〜アスナさん、みんなの前でなんてこと言うんですかッ!? しかも私、お兄ちゃんと普段そんなことしてないですよッ!!」


アスナ「え? だってリーファちゃんキリト君の手料理食べるんだよね?」 キョトン…


リーファ「そうです、私が言ってるのは手料理の話ですよ! アスナさんみたいにそのぉ〜、そういう話はしてないです//」


アスナ「そういう話って?」


リーファ「えッだからそのぉ…お兄ちゃんとそういう…ことを…//」 もじもじっ


アスナ「え、私はただキリト君の手料理食べたいって話をしてただけだけど……」


リーファ「…………………え?」




この時、わずかな間ではあるが、ログハウスに沈黙が続いた。



シリカ「もしかしてリーファさん、アスナさんの言ってたこと、何か勘違いしてたんじゃないんですか?」


シノン「…………」


リズベット「ははぁ〜ん、なるほどねぁww」ニヤニヤッ


ユイ「リーファさんはなにを勘違いしてたんですか?」


リーファ「………………///」

カアァァァーーーー!!


アスナ(リーファちゃん、ひょっとして!!?)


キリト「??」




リズベットとシノンはリーファが何を勘違いしていたのかを直ぐに察した。しかし二人よりも僅かながらに若いシリカがそれを理解するのには少しばかり時間を要した。そしてまだ幼すぎるユイには、当然理解が及ばないことは言うまでもなかった。

それと同時に、勘違いをしていたことに気付かされたリーファ本人はいうと、みるみるうちに真っ赤になっていた。

アスナもその状況から瞬時に何についての勘違いだったのかを察したが、鈍感なキリトはユイ同様にイマイチわからないでいたのであった。


そして翌日……



和人「ふわぁ〜、結局昨日の夜は時間かかっちゃったなー。それにしても、なんだかあの後変な空気になってたというか、俺なにか変なことでもしちゃったのかな?」


直葉「わぁ! お、お兄ちゃん……」


和人「おはよスグ、早くしないと遅刻するぞ」


直葉「う…うん(うう〜、恥ずかしくてお兄ちゃんのことまともに見れない。てゆうか、なんでお兄ちゃんは察してないわけ!? 鈍感にもほどがあるでしょ。)」



ピンポーンッ!!


明日奈「おはようキリト君、直葉ちゃん。迎えに来たよ〜!」


和人「おはよ明日奈、すぐに支度するから待ってて。」




身支度を済ませて自宅を出た和人と直葉はそれぞれ学校へと向かった。

直葉とわかれた和人は、迎えに来た明日奈と共に学校へと向かうのであった。




和人「それにしても、昨日は俺がログハウスでピカチュウ見せた後くらいから、みんな変な感じになってたけど、あれはなんだったんだ?」


明日奈「変な感じって?」


和人「なんか気まずい空気だったと言うか、特にリーファがもじもじしてて今朝もなんとなくおかしい感じだったというかさ…」


明日奈「えッ!? もしかしてキリト君気づいてないの……」


和人「え、何が?」


明日奈「はぁ〜〜、君って本当にそういうところ鈍感だなぁ(まあそういうところも含めて好きになったんだけど//)」


和人「だから何がさ?すっごく気になるんだけど…」


明日奈「いや、キリト君は知らなくてもいいよ、てゆうか知らない方がいいかも」


和人「なんだよそれ、すっごく気になるんですけど」


明日奈(まあ直葉ちゃんには一応フォローしてあげといたけど、キリト君鈍感だしなぁ、てゆうかまさか直葉ちゃんがあんなことまで考えていたとは、なかなかやるわねあの子……、こうなったら本当に直葉ちゃんの目の前でキリト君としちゃうとか// いやいや、それじゃ流石に直葉ちゃん可哀想すぎるかな? でも変な勘違いをさせないためにもあえてそうしたことに走るのも直葉ちゃんのためになるんじゃ…)


和人「お〜〜い明日奈、どうしたんだ黙りこんで?」


明日奈「え、ううん! なんでもないよ/// それよりも、ピカチュウ可愛かったなぁ〜!」


和人「え、あぁ! まさかピカチュウがあんなに簡単に手に入るとは思わなかったよ。」


明日奈「しかも色違いだもんね〜、それにしてもピカチュウってそんなに珍しいポケモンなの?」


和人「出現率はあまり高くないらしい。しかも初めの方のフィールドだったからな。でもなあ、実戦に使えるかは別の話だからなー。」


明日奈「ピカチュウって強いんじゃなかったっけ? アニメのピカチュウすっごく強いじゃん?」


和人「おいおい、アニメと実際のゲームとを一緒にするなよ。 アニメ版のピカチュウは確かにチートだけど、実際のピカチュウは種族値もそこまで高くはないしなぁ。まあ特性は結構強いけど…」


明日奈「でも可愛いじゃんピカチュウ! ユイちゃんも嬉しそうにしてたしね」


和人「まあマスコット的存在だからな、もしパーティーに入れないときは、ALO内でユイの遊び相手にでもしてあげるか。」





和人と明日奈が仲睦まじく登校していた頃、直葉はというと…





直葉「はぁ……昨日の失態が忘れられない。みんなの前であんな勘違いして、うぅ〜〜恥ずかしいよぉ// しかもお兄ちゃん今朝も気づいてなかったみたいだし、本当にそういうところは鈍感なんだから。 まあ気づかれたらそれはそれで嫌なんだけど…」 ブツブツッ


友達A「あ、直葉ちゃんおはよう!」


友達B「おはよー!」


直葉「あ、おはよ二人とも…」


友達A「あれ? 直葉ちゃんなんか顔赤いけど大丈夫?」


友達B「風邪でもひいたの?」


直葉「ううんなんでもないよッ!(もう、お兄ちゃんの馬鹿ッ!! )」







そんなことがあり数時間後、学校では昼休みを迎えていた。



里香「しっかし、まさか直葉のやつがあんなこと考えてとはねぇーwww」ニヤリッ


珪子「私、理解するのに時間かかっちゃいました//」


里香「ま、あんたはお子様だからわかるのに時間かかったのも無理ないんじゃらないの〜」


珪子「もぉ〜里香さん、 子供扱いしないでくださいよッ!! 明日奈さんや里香さんとそこまで年の差ないじゃないですかッ!!」 プンプンッ


里香「何ムキになっちゃってんのよ、かっわいいー!」


珪子「んも〜、里香さんッ!」


里香「あははごめんごめん、でもあんたも直葉の勘違いに気がついたってことは、そういうこと知ってるんだ〜」ニヤニヤッ


珪子「ええッ!? そそ、それはぁ……////」もじもじっ


里香「隠すな隠すなぁ〜、まああんたも健全な思春期女子ってことね。で、一体何で知ったのよぉ?」ニヤニヤッ


珪子「ちょっと里香さんッ、それ立派なセクハラですよ!? てゆうか、そういう里香さんこそそういう破廉恥なことどうやって知ったんですか?」


里香「んなもんエロサイトに決まってるでしょ!」キッパリッ


珪子「ちょッ、何恥じらいもなくそんなこと言ってるんですか!?」


里香「だって本当のことだもん、別に思春期女子がエロサイト観てもおかしくないし、恥じることでもないでしょ。」


珪子「え、じゃあ明日奈さんとかも……」


里香「あ〜〜、明日奈はないわね。明日奈にはキリトがいるし、四六時中キリトのことばっかり考えてるから、わざわざエロサイト見て悶々とする必要もないのよ。」


珪子「じゃ、キリトさんもそういうエッチなサイトとかは見ないってことですか?」


里香「さぁ〜ね、本人に直接聞いてみればぁ?」


珪子「なッ、そんなこと聞けるわけないじゃないですかッ///」


里香「んふふ〜、なに赤くなっちゃってんのよww やっぱりお子ちゃまねぇ〜」ニヤニヤッ





校内カフェテリアでそんな会話を弾ませている二人の会話の話題となった和人と明日奈はというと、同じく校内にて昼食をとっていた。



和人「クシュッ!」


明日奈「風邪でもひいたの?」


和人「いや…体調は良いはずなんだけどな、誰かが俺の噂でもしてるとか、いや、そんなベタなこと今時ないかな。」


明日奈「キリト君の噂…(もしかして直葉ちゃん、それともリズ!?)」


和人「それにしても今日のサンドなんだかいつもと違うような…」


明日奈「あっわかる? いつもとちょっとだけ味付け変えてみたの!」


和人「へぇ〜そうなんだ! 」モグモグッ


明日奈「ふふっ、気に入ってもらってよかった〜♥︎」




生徒A「おい見ろよあの2人…」


生徒B「あぁ、また人前でイチャイチャしてよ、しかもあんなに顔近づけて「あ〜ん」とかしてるし………」


生徒C「本当に呆れるくらいにラブラブだなぁ〜、てゆうかあんなこと2人っきりの時にやれよな」


生徒D「わざわざ人前でやるとか、完全に見せつけてるよね、あれ……」


生徒E「リア充の中のリア充だなあの2人は、あそこまで堂々とイチャついてると逆にムカつかないね、俺は。」





ワイワイ…ザワザワ…



和人「ん? なんだか周りが賑やかになったような…」


明日奈「それにしても、羨ましいなぁ〜直葉ちゃん。私もキリト君が作った手料理食べてみたいなぁ〜。」


和人「そういえば昨日もそんなこと言ってたな、手料理って言っても明日奈ほど美味しく作れるわけじゃないぞ」


明日奈「でも直葉ちゃんは美味しいって言ってたよ。それに私は美味しいから食べたいんじゃなくて、キリト君が作ってくれるものだから食べたいのぉーーッ!」


和人「んんーーー、なら今度のお昼ご飯は俺が作ってこようか?」


明日奈「え、本当に!? やったぁーー!!」 わ〜いっ



周りの目など全く気にせず恋人同士ならではの楽しい時間を過ごす二人、昨日の夜ALO内での会話でもあったように、和人の手料理の話になり、最愛の明日奈のためにお昼ご飯を作ることになった和人。しかし後日、このことが新たなる火種?を生むことになることを、当然2人は知る余地もないのであった。







そして授業が終わり、自宅へと帰宅した和人。その日もポケモンのデータを進めておきたかったため、ALOに潜る前にポケモン世界へとダイブしていた。



キリト「それにしても、一体何を作って行けばいいのかなぁ、学校で食べるお昼ご飯だし、あんまり重たいものは不向きだよな。」


クラッド「ワンワンッ!」


黒チュウ「ピカ〜〜ッ!」


キリト「なぁ、お前たちは何が良いと思う?」


クラッド「わお?」


黒チュウ「ぴか?」


キリト「まあ、ポケモンのお前たちに聞いてもわかるわけないよなぁ。」


クラッド「…………!?」 クンクンクンッ


キリト「ん、どうしたんだクラッド?」


クラッド「……………、ワンワンッ!」

バタバタッ!


キリト「あッおいクラッド、どこへ行くんだよッ!?」

バタバタ……






クラッド「わんわんわん〜♪」


キリト「たくっクラッド、いきなり走り出して何かあっ……って、何食べてるんだ?」


クラッド「わおっ?」むしゃむしゃ


キリト「それは……きのみ? クラッドはきのみが好きなのか?」


クラッド「わん!」


キリト「へぇ〜、まあポケモンがきのみが好きなのは当たり前っちゃ当たり前かな。それにしても、この世界のきのみって人間の舌にもあるのかな……」


クラッド「わんわん〜!」


キリト「お前本当に美味そうに食べるな、どれどれ俺も……」ムシャリッ


黒チュウ「ピカァ……」


キリト「!!? これは美味いなッ、甘くてコクがあって、凄いみずみずしいぞ!」 もぐもぐっ


黒チュウ「ピカピカーー!」


キリト「ピカチュウも欲しいのか? ほぉーら、お食べぇ〜〜」


黒チュウ「ピッカァ〜〜」もぐもぐッ


キリト「それにしても、普通のきのみがこんなに美味しいだなんて驚きだな。そうだ、これをALOに持って行ってアスナに料理してもらおう!」






同時刻、ALOに潜っていた明日奈であるが…





アスナ(うふふ、キリト君の手料理がついに食べられる。楽しみだなぁ〜、早く約束の日にならないかなぁ〜〜♪ せっかくならキリト君の手料理を一緒にキリト君もその場で食べたい………ってイヤイヤイヤ、何考えてんのよ私!! さすがに他の生徒がいる前でキリト君に襲いかかるだなんて………、でも私たちのラブラブ度合いを見せつけるという意味であえてそうするのもいいかも。 あぁ〜〜とにかく今から楽しみだなぁ////)

ハァハァ…ジュルルゥ…




アスナは1人で御花畑の世界にいた。キリトの手作り弁当を食べられる約束の日が楽しみで楽しみで仕方がなかったのだ。

しかしそんな彼女の様子を第三者から見てみると、ニヤニヤ、いやニタニタと緩んだ口元から垂れ落ちそうなよだれ、ほんのりと赤みを帯びた頬、それに加え小さくこぼれ落ちる吐息……。それは最愛の人に想いを馳せている恋する乙女にも見えなくはないのだが、それよりも一般的にはあまり正しくはないとされるベクトルに傾いた思考がもたらしたものと言った方が正しいかもしれない。もちろんそれは彼女の彼に対する深い愛情からきているものだが、果たしてそれが彼との関係性を知らぬ者が今の彼女の状態を見て理解できるかは、もちろん別の話である。



アスナ(はぁ〜キリト君、キリト君のこと、お昼のベンチでも食べてみたいよぉ……。あのベンチの場所でできるのはせいぜい一緒にご飯を食べるか手を繋ぐか、あとたまにキスするか。やっぱり人目がつくところだと、そのぉ……流石に愛し合えなかったというかね。

私がキリト君とそういう愛の営みをするのは、いっつも私の家かキリト君の家、あとはそういうホテルとか…学校だと誰もいない屋上や教室や個室とかだし、あとたまにトイレでも……///

んあぁ〜〜〜〜、もっとキリト君と人目や場所なんか気にしないで愛し合ってみたい、もっともっともっと、キリト君の全てを感じてみたいよ……//)

ホワァホワァ〜〜



恋する乙女アスナは、また1人御花畑の世界に待っていたのであった。



ユイ「ママァ〜、さっきからなんだか嬉しそうな…怖いような…、一体どうかしたんですか?」オドオド


アスナ「えっ、あぁーーなんでもないよユイちゃん!」


ユイ「そうですか、なんだかちょっと様子がおかしかったというか…、でもママ、なんだか少し嬉しそうにも見えました」


アスナ「え、本当に!? うふふ、やっぱりわかっちゃう〜♪」


ユイ「はい、もしかして現実(向こう)で何かいいことでもあったんですか?」


アスナ「そうなの! 実はね、今度学校で食べるお昼ご飯をキリト君が作ってくやるだぁ〜〜。」 るんるん♪


ユイ「へぇ〜、それは凄いですね、パパの作ったお料理、私も食べてみたいですぅ〜」


アスカ「そっかぁ…、じゃパパに甘えてALO内でも作ってもらおっか! 私もキリト君の手料理2回食べられるし」


ユイ「本当ですか!? やったぁーーー!」わいわいッ





キリト「アスナ〜、ユイ〜!」


アスナ「あ、噂をすればキリト君!」


ユイ「あっ、パパァ〜〜!」


キリト「ん?どうかしたのか2人とも?」


アスナ「実はね、キリト君がお弁当作ってくれるって話したら………ってキリト君、どうしたのそれ?」


キリト「ああ、これか? これ、クラッドがたまたま見つけたきのみなんだけどさ、すっごく美味いんだ!」


ユイ「うわぁ、こんなにたくさん!」


キリト「せっかくだからアスナに料理してもらいたくってさぁ〜」


アスナ「…………、そうだッ!!」


キリト「うわぁ! なんだよ当然ッ」


アスナ「あのねキリト君、実はね………」




アスナはキリトに、現実世界で父の手料理を食べられる母を羨ましがった娘のためにも、ALO内でも手料理を作って欲しい旨を伝えた。



キリト「なるほど、でも俺にはアスナほどの料理スキルなんてないしな〜、上手く作れるかな…」


アスナ「大丈夫だよ〜、キリト君って結構器用な方じゃない!」


ユイ「早く食べたいです〜〜!」わくわくッ


キリト「まぁユイの喜ぶ顔も見たいし、リアルで明日奈とお弁当食べる時の練習にもなるか……!」





というわけで、急遽持ち込んだきのみを使いアスナとユイのために手料理を振る舞うこととなったキリト。しかしこの手料理をめぐり、ログハウス内がしゅらばとなることをこの時彼が知る余地はなかったのであった。







キリト「さてと、きのみを使って何を作るかだけど、一体何を作ろうかなぁ…………」 う〜〜ん


リーファ「だったらお兄ちゃん、きのみパンなんてどうかな? 簡単だし美味しいと思うよ!」


リズベット「なら私はクッキーがいいわね、オシャレだし可愛いじゃない!」


シリカ「なら私はケーキもいいと思いますよ! 」


シノン「タルトなんかもありなんじゃないかしら。ケーキやクッキーよりも大人っぽい気がするわよ。」


キリト「…………………えっ」


アスナ「ちょっとみんな、何勝手に入ってきてるのよ! てゆうかいつの間に来てたの?」


リズベット「いつの間にって、さっきから居たわよ」


シノン「そうよ、キリトがきのみを使って何か作るってくたりあたりから居たわよ。」


アスナ「うそ……全然気がつかなかった」


キリト「あぁ、俺もだ。」


リーファ「2人とも自分たちの世界観に入りすぎなんだよ…」


リズベット「毎度ながら本当に呆れるわよね〜、現実でもバーチャルでもイチャイチャしちゃってさぁ…」はぁ…


キリト「べ、別にいいだろ! ここは俺たちの家なんだしさ」


アスナ「そ、そうよっ///」


ユイ「そういえば皆さん、料理についてリクエストしていたようですが…」


リーファ「そうそう、私はパンがいいなぁ〜♥︎」


リズベット「何言ってんのよックッキーがいいに決まってるでしょ! ねぇキリト〜!」


シリカ「そんなことありません、ケーキがいいですよねぇ〜キリトさん?」 ニコニコッ


シノン「あらキリト、あなたはタルト派のはずよねぇ……?」じ〜〜〜


キリト「えぇ…えっとぉ………」


アスナ「こほんっ、ちょっとみんなぁ〜何勝手なこと言ってるのかなぁ?」


シノン「あら、私たち何か気に障ることでも言ったかしらん?」


リーファ「そ、そうですよねぇ〜。」


アスナ「そもそも、キリト君は私とユイちゃんのためにお料理してくれるんだよぉ〜〜、だからお料理のリクエストも私かユイちゃんがするのが普通なんじゃないかなーー。」


リズベット「えーーー!そんなのつまんないわね、何を作ってもらうかくらいのリクエストくらい別にいいじゃないの!」


シリカ「そうですよ、どのみちキリトさんの手料理食べらることには変わりないし、それくらい許してほしいです!」


ピナ「キュウーーーー!」


キリト「まあ、きのみはたくさんあるし、リクエストに挑戦するのは可能だと思うけど…」


アスナ「んもぉ〜、キリト君まで!」ぷんぷんッ


シノン「フェフ本人がOK出してるんだし、別にいいじゃないのそれで!」


シリカ「やったぁ〜〜♪」


アスナ「ううぅ〜〜〜(キリト君の作った手料理だから、独り占めしたかったのにぃ〜〜)」


リズベット(ふふ、作戦成功ねッ!)ひそひそッ


リーファ(ええッ!)




それは、リーファたちがログハウスに訪れる前のことである……



リーファ「きっとアスナさんのことだから、この間の会話を聞いてお兄ちゃんの手料理を食べたいとか言うはずですッ!」


リズベット「まぁ、この流れからすると不思議じゃないわね〜」


リーファ「そうでしょッ、アスナさんばっかりお兄ちゃんの手料理食べれてずるいですっ!!」


リズベット「イヤイヤイヤ、あんたはいっつもリアルで食べてるでしょッ!!」


シリカ「そうですよ、私たちの中ではリーファさんが一番恵まれてますよッ!」


リーファ「私はリアルで妹だからOKです。皆さんとはその点で違うんですよー。」 ドヤァ


シノン「ちょっと、仲間割れしてどうするのよ……。みんなもキリトの手料理食べたいってことで集まったんじゃないの。」 ハァ……


リズベット「おっと、そうだったわ………。このままアスナだけに二つの意味で美味しい思いさせてたまるもんですかッ!」


シリカ「そうですよ。いっつも学校で御構い無しにイチャイチャしたところを見せつけられて、私たちだって仮想世界の中くらいキリトさんを独占したいですぅ。」


シノン「私はみんなとは学校違うけど、面白そうだし付き合ってあげるわッ!」


リーファ「よし、そうと決まれば、今ここに、『お兄ちゃんの手料理をアスナさんに独占させるのを防ごうの会』の発足を宣言しますッ!!」


リーファ以外「おおぉ〜〜〜ッ!!」


リーファ「発起人は私リーファってことでお願いします。」


シリカ「発起人って、リーダーってことですか?」


リズベット「じゃさっそくだけどリーダー、一体どうするのよ?」


リーファ「そんなの決まってますよ、さっそくログハウスへ乗り込みましょう。」


シノン「ただ乗り込むだけなの? 会を発足させたわりには随分と安易な発想だと思うけど……」


リーファ「シンプルだからこそいいんですッ! きっと今頃ログハウスでは、アスナさんがお兄ちゃんに甘えていつも通りイチャイチャしてるはずですよッ!!」


シノン「確かにそう言われると説得力があるわね…」


リズベット「そうと決まればこうしちゃいられないわ、早速ログハウスへ突撃よッ!」






ということがあり、アスナ以外の女子たちによる派閥が結成されていた。一同はさっそくキリトとアスナとユイが過ごすログハウスへと足を運んだが、案の定そこにはいつも通り仲睦まじく凄く若き夫婦とその娘の姿があった。

そして現在に至っている。



リーファ「んふふ、早く出来ないかな〜♪」


リズベット「キリト、早く〜!!」


キリト「わかってるて、そう急かすなよ」


シリカ「ああ〜、ようやく憧れの憧れのキリトさんの手料理が食べられるんだねぇ〜〜、ピナッ!」


ピナ「きゅうーーー!」


シノン「でもキリトってALOで料理スキル上げてるの?」


キリト「あぁ、多分大丈夫……なはず」


ユイ「パパならきっと大丈夫ですよー。」


アスナ「うぅ…なんか悔しいような(でもまあ、リアスではキリト君の手作りお弁当は私だけのものだから、今回は仕方が無いかなぁ)」


トントントン…ガタガタ……


キリト「うわぁッ!!」


アスナ「えッ! どうしたのキリト君!?」


キリト「いやぁ、きのみを熱しようとしたら間違えて熱しすぎちゃったよ…」


アスナ「大丈夫? 火傷とかしてない?」


キリト「平気だよ、ただきのみは焦げちゃったけどぉ……」



リズベット「うわぁ〜、見事に丸こげねww」


シノン「本当にこのシェフで大丈夫なのかしら……」


リーファ「お兄ちゃん、リアルだと手際良いのに、ALO内だとそうはいかないのか。」


シノン「確かALOだと戦闘はプレイヤー依存なのよね? 料理とかは戦闘とは違くてプレイヤーの腕に依存しないの?」


リーファ「どうやらそうみたいですね、戦闘と料理は違うというか、料理に関してはスキルの問題というか………」


アスナ「私も手伝おうか?」


キリト「大丈夫だよ、アスナはみんなと座っててくれ。」


リズベット「そうよ、それにアスナが手伝っちゃうとキリトの手料理じゃなくなっちゃうでしょ〜!」


アスナ「そ、そうよね…(チッ、みんなにキリト君の手料理食べさせない作戦失敗かぁ〜)」 しゅんっ


シリカ「そうですよ、まぁ私は例えどんなに真っ黒焦げになっちゃってもキリトさんの作ったものなら喜んで食べますけどねぇ〜、ねぇピナッ!?」


ピナ「きゅーーーー。」


アスリファリズシノ「えッ!?」


キリト「おぅ、ありがとうシリカッ!!」


シリカ「えへへっ///」




リーファ(し、しまったぁーーー!)


リズベット(そうよ! 普通に好きな人が作るものなら例え見た目が悪くとも食べたいって言った方がイメージいいじゃないのよッ!)


シノン(してやられたわね。これでこの戦場はシリカが優位に立ったも当然、今私たちの中でキリトへの印象が一番いいのはシリカなはずよね……やるわねシリカ)


シリカ(ふふ、皆さん甘いですよぉ〜、皆さんキリトさんの手料理を食べることだけに目を奪われ過ぎです。ただ食べるだけじゃなくて、キリトさんとの距離を縮めることも考えなくちゃ。そう、キリトさんの手料理を食べることはそのための手段でしかないんです、それ自体が目的で終わってるようじゃキリトさんのハートまではいただけませんッ!)







確かにシリカの言う通りであった。


発起人であるリーファも、リズベットもシノンも、ただキリトの手料理を食べたいという理由で集いここへ来た。それはシリカも同じである。

しかし、シリカがリーファたちと違っていたのはただキリトの手料理を食べるだけで終わらせなくこと、つまりその先を見据えていた。彼女たちが彼の手料理を食べたいと思うただ一つの理由は、彼に好意を抱いていることに他ならない。リアルでそれが叶うリーファですらそうだ。

シリカが何故、彼女たちとは違い手料理を口にすることだけで満足しないかというと、それは彼女が<妹>のような存在だから、いや、そうでしかなかったからである。

アスナ、リズベット、シリカはあのデスゲームの中でキリトと出会った。リズベットは彼の刀を作るべく彼と共に素材となるレア鉱物を入手すべく氷雪地帯に訪れた。リスベットはそこで命の危機に見舞われたが、それを彼に救われ、ドラゴンの巣で一晩をともにした。仮想世界の中の、ただのデータでしかないはずなのに、触れた手には温もりがあった。人肌が恋しかった彼女の心はなんの躊躇いもなく彼に奪われ、刀を完成させた後、その想いを伝えようとしたが、その時タイミングよく現れた親友アスナのキリトへの想いに気付き、自らの想いを告げることなく自ら身を引いた。

アスナとキリトは、最初から今のような所構わず愛し合うような関係ではなかった。両親に言われるがまま、エリートコースと言う名の用意されたレールの上を歩いていたアスナだか、気まぐれでプレイしたデスゲームに囚われ、両親の自分へ対する失望感や閉ざされてゆく自らの世界観、全てに恐怖と焦りを感じ、半狂乱に至っていた。そんな時にキリトと出会い、共に戦い、共に過ごし、彼女は全ての恐怖、焦り、そして閉塞感から救われた。あの世界で生きる意味を教えてくれたキリトという少年、その少年と共に生きたいと。アスナ本来の明るく女の子らしい性格が取り戻されたのは、間違いなくキリトという存在があってこのそだ。あの世界で他者との接触を避けていたキリトは、始めて他人のために生きることを誓い、そして愛を知った。キリトはアスナのために生き、アスナはキリトのために生き、それはデスゲームが彼らの手によりクリアされ、ALOというまた違った世界から囚われたアスナを救い出した後になっても、変わることは永遠にないだろう。

二人はただ普通の恋愛を楽しむ若い男女とはまるで違う。死と隣り合わせの世界で出会い、そこで愛を知り、共に生き延び、ある時は助け、ある時は助けられ、最後まで死線を共に戦い抜いた。恋愛という尺度では計り知れない、底知れぬ愛がこの2人にはある。

それは、メンバーの中で最年少であるシリカですら理解していた。だからこそ、日頃から劣等感に強いられていたのであった。普段から実の姉妹のように仲が良く、学校でもALO内でも行動を同じくするリズベット、彼女もシリカ同様キリトを想いそれが叶わなかった存在。しかしシリカと違うのは、想いを伝えようとしたこと。

シリカは思った。

-自分がキリトに対する想いは紛れもなく本物だ、しかしそれを伝えようとしたことがあっただろうか-と。

シリカもキリトに命を救われて彼と出会った。命を救われたことだけで言えば、アスナやリズベットと同様である。しかしアスナはキリトに命を救われたばかりか、キリトの命を救ったこともある。キリトがアスナに対し「俺の命は君のものだ、君のために使う、最期まで一緒にいよう」という発言、キリトとアスナは互いに命までをも預ける間柄であった。シリカには、そこまでのことがキリトとの間にあったのであろうか。答えはノーである。

キリトにとってシリカという存在も、もちろん大切な存在だ。しかしそれはアスナのような最愛の存在、命を捧げられるほどの存在ではない。まさに"妹のような存在"であろう。わかりやすく言うのならば、"仲間"として、"友人"として大切に過ぎないのだ。ピナを蘇らせる蘇生アイテムはシリカ1人では手に入りそうにはなかった。そのため、"妹"を放っておけなかったキリトは蘇生アイテム入手のために短い間だが行動を共にすることとなるとなるが、それも面倒を見てもらった妹と兄、といった感じだろうか。

シリカはこう思うことがあった。フレンド登録した後、自分からキリトと会う時間を作って積極的にアタックしていれば、キリトは自分のことを"妹"ではなく"女"として見てくれたのではないか、自分もアスナのように強ければ、キリトの隣にいるのはアスナではなく自分ではなかったのか……。

シリカはキリトに、女として見てもらいたいのだ。しかし、キリトにはアスナという絶対な存在が在る。この二人が別れることなどは本当にあり得ないのだ。つまり、自分がキリトと、いや、桐ヶ谷和人と結ばれることは絶対にあり得ない。シリカも、綾野珪子もそれが承知の上だ。しかし、報われない恋だとしても、自分の抱く嘘偽りない恋心を伝えることまでは諦めたくない。いつしかシリカはそう決心していた。

学校の昼休み、カフェテリアでリズベットこと里香と昼食をともにすることが多い。そして、和人と明日奈はそこから丸見えであるベンチで昼食を共にする。明日奈の手料理を美味しそうに食べる和人、そんな和人を見て心から幸せそうに微笑む明日奈。そんな2人の様子を窓越しに見て、珪子は数え切れないほど明日奈を羨ましがっていた。

明日奈が憎いわけではない。嫉妬でもない。桐ヶ谷和人の心は最初から結城明日奈のものだ。奪われたわけでもなしい、それに明日奈には普段から世話になっている。課題でわからないところがあれば教えてくれるし、プライベートでも付き合いがある。綾野珪子にとって結城明日奈は優しいお姉さんのような存在である。

だからこそ、明日奈に対する憎しみはないし、嫉妬という表現も合いそうで合わない。本当にただ、羨ましいのだ。

そんな中で、キリトが仮想世界の中とはいえ料理を作ることになった。今現在の状況である。そこで少女シリカは決意したのだ。

-今までの、ただ見ているだけの自分では駄目なんだ、これをきっかけにキリトとの距離を縮めて想いを伝えたい。報われない恋だというのはわかっている、だからこそせめて想いだけでも伝えるんだ-



そんなシリカにとって、今回の機会は、ただキリトの手料理が食べれるというだけではない、非常に大きな意味があることなのだ。




シリカ(そう、今までのアイドル系美少女シリカちゃんのままだ駄目なんだよね……これからはもっと積極的にならないと、この想いをキリトさんに気づいてもらおうだなんて考えないです。キリトさんは鈍感だし、こういうところは鈍いから、だから私から伝えないと…!!)



そんな1人の少女の決意に、アスナが気がつかないわけがない。


アスナ(シリカちゃん、なかなか積極的ねぇ………。でもごめんねシリカちゃん、キリト君を愛する気持ちは誰にも負けないし、負けるわけにはいかないわッ!)




アスナもまた、複雑であった。

シリカ、リズベット、リーファ、シノン、この4人はアスナにとって大切な友人だ。そしてこの4人の友人達が、自身の恋人キリトに対して恋心を抱いているのを、アスナは知っている。

親友の恋を応援してやりたい、それは健全な精神を宿しているのならば当然に思うこと、しかし、その相手が自分の恋人ともなれば、話が変わる。だからこそ複雑なのだ。

キリトはアスナのことを心から愛し、アスナもキリトのことを心から愛している。それは本人たちが一番理解しており、周知のことでもある。もちろん、アスナがキリトのことを信じていることは言うまでもない。

しかし、キリトは優しい。そして少し押しに弱い。そして周りには何故か女性が多い。女性のような中性的ではあるが整った綺麗な顔立ち、人付き合いが苦手でありながらここぞと言う時の行動力と決断力、そして何より彼が長けているかのが、守りたいものを守ろうとする真っ直ぐな強さである。アスナもそんな彼に惹かれて恋に落ち、仮想世界でも現実世界でも結ばれた。

キリトは変に鈍感だ。だからアスナ以外の女性の気持ちに気づかない、天然ジゴロでも言っておこうか。女心がイマイチわからなかったり、デリカシーのないことを何の悪気もなく言うこともたまにだがある。そのことについても、アスナに怒られることがしばしばある。その度に、女心は難しいな、と頭をかくのだ。

ただ彼は優しい。正義感が強い。それはSAOでもそうだったし、今でも変わらない。だからアスナ以外の異性にもモテる。リズベットやシリカ、シノン、そして血の繋がりがないとはいえ妹でもあるリーファがその良い例だ。みんなキリトに心を奪われた。助けてもらい、優しくしてもらった。しかしキリトは、それらの行いを彼女たちの心を奪うためにしてはいない。本当に優しいから、ただそれだけが理由である。

だからこそ、今のような状況が出来たが、本人にその自覚などあるはずがない。キリトは人が良すぎる、だからこそ彼を好きになってしまったアスナ以外の女子からすれば酷だ。

キリトが女の子に優しくするのは、モテるためではない。本当に彼の優しさや正義感から来る行いだ。何の悪気もない。そして、その相手がたまたま女の子だったというだけである。結果的にその女の子たちはキリトに恋をする、しかしキリトが愛するのはアスナだけ。だからこそ、決して報われない恋心を抱き若い時間を消費してゆくリーファ、リズベット、シリカ、シノンという4人のも乙女が生まれたのだ。酷ではあるが、本当にキリトには悪気がない。それもまた酷であるのだが。

キリトとは、なんて罪作りな少年なのだろうか。しかしリーファたちはそんな彼を責めないし、アスナを悪く思うこともしない。例えどんな事情や理由があろうとも、アスナの存在があろうとも、キリトが好きな自分という存在に嘘をついていないからである。だからそこ、異性に興味津々な青春期を、例えキリトと結ばれなく過ごすことになろうとも、後悔はないのだ。


アスナは、それらのことを分かっているのだ。キリトに恋する親友たちのことも大切だ。しかし、キリトを愛する気持ちで負けるはずがないし、負けてはならないのだ。ヤキモチとか嫉妬とか、そう言った類ではない。

これは、アスナにとって自分自身との戦いなのだ。キリトを愛する気持ち、そのための戦いだ。例え相手がキリトに恋をする親友達であっても、アスナは手を抜かず、正々堂々と真正面から受けて立つことを、僅かな時間で決めたのだ。






アスナ(みんなのことは大切な親友だと思う。でも、いやだからこそ、私はキリト君に対する愛で負けちゃダメなのよッ!! 私明日奈は、例え誰が相手であろうと、キリト君と自分の気持ちのためにも、心を鬼にして全力で戦いますッ!)

ゴゴゴゴゴ……ッ!




そんな女の戦いの火蓋が切って落とされたとき、肝心のキリトはというと……




キリト「やべッ、また失敗しちゃったよ〜〜!」


アスナ&シリカ「えッ!?」


ユイ「またきのみが丸焦げになっちゃってますねぇ〜」


シノン「本当に大丈夫なの〜?」


キリト「だ、大丈夫だってばぁ、今度こそ上手く……はず…」


シノン「同じミスを2回連続でした人に言われても説得力ないわよねぇ〜」


キリト「うぅ………」



いつも通りクールな言い方で呆れ気味に放ったシノンの言葉に、キリトは返す言葉もなかった。どうやらこうした状況でも、シノンはシノンのままで行くようだ。

きのみを2回も連続で焦がしてしまったキリトは、少し落ち込んでいた。まるで主人に叱られた小動物のような顔で項垂れていた。

そんな彼の様子を見て…•



アスナ(はぅ……、落ち込んだ顔のキリト君可愛い/// って、そうじゃなくて、こういう時こそ彼女として、そして奥さんとしてキリト君のことを優しくフォローしてあげないとッ!!)


シリカ(シノンさんはいつも通りクールな感じなんですね。余裕ってことなんでしょうか……、私は積極的に行きますよぉ〜だッ!! さっそくキリトさんに優しくフォローを……)



リズベット「たっくぅ、あんたって本当にドジよね…ほらッ手見せなさいッ!」


ギュッ!


キリト「え、ちょッ、リズ!?」


アスナ「…………………えッ」


シリカ「えッ?」




突然のリズベットの行動にアスナとシリカは言葉を失った。自分が今まさにキリトをフォローしようとしたその矢先に、リズベットはなんの躊躇もなしにキリトの手を握ったのだった。

その頬は、うっすらと赤みを帯びていた。




リズベット「う〜ん……、よしッ火傷はしてないみたいね。まったく、気をつけなさいよぉ〜!!」

ポンッ!


キリト「お、おぅ…ありがと、リズッ!」


ニヤリと笑みを浮かべながらポンッとキリトの肩を叩くリズべット。それをみてシリカは、「やられたッ!」と思った。



シリカ(うぅ〜〜やりますねリズさん! 先手を取ったからといって油断してました。まさかこんも簡単にキリトさんとの距離を縮めてくるとは…。そうでした、リズさんにはこれがある。私にはない、誰にでも気さくに接することができるフレンドリーさがある! さりげなくキリトさんにボディタッチまでしてくるとは……) ムキィィィーーー!




シリカは瞬時に、リズベットの行動と自分にはないキャラクターについて分析した。

リズベットは元気が取り柄のお転婆娘的なキャラクターであろうか、裏表のない飾らない性格で、リアルでも男女問わず友人が多い方だ、いや、もっと言うと、誰とでも友達になれる素質がある。ノリが良く、分け隔てなく接する彼女には、女子力が高くSAO内でも女性プレイヤーの中でも5本の指に入る容姿も持つアスナや、その幼く可愛らしい容姿からアイドル的扱いまでされていたシリカとは、また違った魅力を持っていた。

一見、サバサバしてて女子力がないように思える彼女だが、女としての魅力がないとは言えない。アスナという大きな存在に埋れ目立たなかっただけで、SAO時代でもリズベットの人気は男性プレイヤーの中でも高い方であった。

リズベットのアバターがアスナの手により現在のものとなってから、彼女が営んでいた武具店の売り上げは大幅に伸びた。リズベット見たさに店に通う者も少なからず存在し、あまり知られてはいないが「リズベットファンクラブ」なる催しまで存在していたという。

シリカは、アスナにあって自分にはないものは何か、そればかりに気を取られていた。リズベットにあって自分にはないものについても、考えるべきだったと省みることとなった。





シリカ(私もリズさんみたくもっと気軽に、自然に肩をポンッってできるような親しみやすさがあるといいのかなッ!)




一方、目の前で親友が自分の恋人の手を握り、肩にまで手を触れたところを見てしまったアスナはというと……。




アスナ「んふふ〜、リズゥ〜〜、な〜にしてるのかなぁ〜〜?」


ゴゴゴゴゴゴッ………


その表情、確かに笑ってはいる。しかし、にこやかではない。

美しい笑顔であるのには変わりないが、見るもの全ての動きが止まる、肺が呼吸をすることを忘れる、背筋がピンッとなり、凍りついたかのように寒気を感じる。そしてそれは、相手に、自分の身に起きる想像したくない少し先の未来をイメージさせる。

まるで戦いの神、阿修羅だ。こんな可愛らしい阿修羅は、世界中を探してもここにしか存在したいであろう。




リズベット「ひぃッ!!?」


思わず、生命の危機を感じた小動物のような声を上げたリズベット。

しかしリズベットも負けたくない。キリトは自身の初恋の相手、しかしそのキリトが愛するのは阿修羅の如く目の前に立ちはだかる親友アスナ、もちろん親友の恋愛を邪魔しないことが何より正しいだろう。そのためにも、SAOでは身を引いた。しかし、SAOクリア後は別なのだ。相手が親友とはいえ。第二ラウンドまで負けたくはない。例えキリトが自分に振り向いてくれなくとも、抱く恋心に嘘はつけない。





リズベット「こ、これはあれよッ! ゲームの中とはいえ、火傷してないか心配だからチェックしてあげたのよ!」



必死さの中から、咄嗟に出た言い訳。しかし嘘ではない。好きな男子がスキル上の問題とはいて不器用で、心配になったのは紛れもない事実。

その場しのぎととして考え出されたいくつのもフレーズという名の選択肢の中から、最善と思えるものが口から出たのだ。



アスナ「そっか、キリト君のこと心配してくれたんだ……、でもね、それはキリト君の奥さんである私の役目だよねぇ?」


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ………!!



おそらく世界一可愛いであろう阿修羅の笑みはより深みをまし、そしてさきほどよりも引きつっていた。

リズベットはそんな阿修羅と化した親友の姿をみて、一瞬であるが自分が今まさに大蛇にでも呑み込まれるかのような、そんな喰われるイメージを頭のなかで再生してしまった。生物としての本能、恐怖とはまさにことことだ。

アスナのキリトへの愛情は、もはや隠喩という表現技法が通じるものではない。

リズベットは絶句した…。




リズベット(………キリトのことが好きなのは事実だし、アスナも大切な親友。そんなアスナとキリトが愛し合っている、応援すべしなんでしょうけど、親友が相手でも自分の気持ちをぶつけたかったわ………、やっぱりそう簡単にはいかないようね、アスナ!!)





アスナ「それにリズぅ〜〜、なぁ〜にキリト君の肩に何気無しに触れちゃってるのかなぁ〜?」 ニコッ!




これまた可愛らしい笑顔で制圧するのはアスナ。しかし、リズベットも押され気味とはいえ言葉を発することを放棄するわけにもいかず…



リズベット「こ、これくらい普通にやるでしょ!? 別に逆セクハラしたわけじゃないんだし、ねぇ〜〜キリト?」


キリト「いや、逆セクハラって…/」


アスナ「むむッ、キリトく〜〜んッ!」


キリト「はッハイ!?」ビクッ


リズベット「あれ〜キリト? ひょっとしてあんた、アスナという美人な若妻がいながら、私に興奮しちゃってるぅ〜ww?」 ニヤニヤッ


キリト「え!?」


アスナ「そ、そんなこと!? ってキリトくん……?」 じ〜〜〜ッ


キリト「ってアスナまで!? そんな、俺がリズになんかに興奮するわけないだろッ!」


リズベット「ちょッ、 リズ「なんかに」って何よッ!!? す、少しくらい興奮してもいいじゃないの!!」


キリト「いや、だってさ、俺にはアスナがいるし!」


リズベット「…………えっ」


アスナ「キリトくん………」



このやりとりの当事者ではない、少し離れたところから見聞きしていたリーファ、シリカ、そしてシノン、彼のこの発言に耳を立てた。




キリト「俺がドキッとするのは、やっぱりアスナだけなんだよッ! だからアスナ以外の女の子にそういう……ドキッてしたりとかさ、とっとにかく、俺がドキってするのはSAOでも今でもそしてこれから先も、アスナただ一人だよッ!」




そう言って彼は、そのただ1人自分をドキッっとさせる唯一の存在の前に行き、グッと肩を抱き寄せた…



アスナ「キ、キリトくん………//」



その唯一の存在である彼女、目を小動物のように可愛らしくうるうると光らせ、じっと彼を見つめた。


そう、とても幸せそうな顔で……



アスナ「ゴメンねキリト君、私、キリト君がリズに鼻の下のばしてるんじゃないかと思って…変なふうに迫っちゃって………」


キリト「いや、いいんだよアスナ。俺のことをいつまでもドキドキさせてくれるのは、アスナただ1人なんだよ」ニコッ


アスナ「キリトくん………、嬉しいッ!!」 ギュッ




唯一の存在をグッと抱きしめ、彼はそうつぶやいた。

2人とも、頬を赤く染め、ただ幸せそうに見つめ合い、2人だけの世界に浸っていたのだ。何故だろうか、2人の周りの空気だけ、窓から入り込んだ光に照らし出されたかの如くキラリと輝きが粒のように散り、ほんのりとした淡い彩りのもやのようなものがかかっているのは。

これらが、ALO内でも不具合や、魔法スキルによる視覚効果ではないことは、言うまでもない。





そんな2人だけの世界観を間近で見ている4人の乙女と1人の少女はというと…





リーファ達(この…………、リア充がぁぁぁぁッ!!!)


ユイ「わぁ〜、パパとママ、今日もラブラブですねぇ〜!!」



娘である幼き少女だけは、両親が愛し合う見慣れた光景に特に何かを感じることはなかった。それもそのはずだ、彼女の両親は、そこがALOだろうが現実世界だうが、そんなことは関係なくお構いなしなのだ。

しかし、招かれざる客であろう4人の乙女たちは、胸の内を口にはせず、敢て内にとどめた。別に、どストレートに突っ込んでも良かったのだが、改めてこれだけの客人の前でイチャつかれると、呆れるしかなかったのだ。




シリカ(やっぱりアスナさんか……そうですよねぇ)

(ノω・、) ウゥ・・・


リズベット(何よキリトの奴、私には全く興奮しないってこと……)

(ノ_・。)


リーファ(そう…だよね、私なんかじゃアスナさんにはかないっこないよね)

(/ _ ; )





三者三様に落ち込むリズベット、シリカ、そしてリーファ。

しかし、そんな3人を尻目に、唯一平然さを保つことに成功していた少女が、呆れた顔をして場の空気を破壊する…






シノン「…………え〜と、お楽しみのところ悪いんだけどッ」



キリト「えッ!?」

アスナ「あッ//」



シノンの一声で、この空間には今、自分たちにも人がいることに気づかされる。そして……



シノン「あんた達がお花畑の中にいる間、きのみがまた一つ犠牲になったわよ……」


キリト「……………え?」


ユイ「わあぁ、大変ですパパ! きのみを熱していた鍋からものすごい煙がぁーー!」


キリト「え、ちょ、ッて、うわあああ!!」




フツフツと音を立てる、もくりと熱を含んだ煙が暴れ出す、そんなリビングに慌てて向かいキリトは火を止めた。

ヤケドしないよう手袋をはめ、慌てて中にあるきのみの様子を見てみると、案の定、丸焦げであった………




キリト「あ〜あ………、またやっちゃったよ」 しゅん


シノン「自業自得でしょッ、熱したきのみを放ったらかしにして、アスナとお構いなしにイチャつくからよッ!!」


キリト「はい、シノンさんの仰る通りです……」


アスナ「ううぅ……何も言えないよぉ」



下を向き、小さく縮こまるキリトとアスナ、その目の前で、まるで飼い犬を叱りつけるかの如く大きく立ち尽くすシノン。

その仁王立ちとも言わんばかりの姿は、他の乙女たちからすれば圧巻であった。




シリカ(す、すごいシノンさん。絶賛ラブラブモード中だった2人の世界をこんな風に壊してしまうなんて!)


リズベット(うわぁ〜、やるわねシノン。それにしてもキリトとアスナ……ぷふッ、なんて様よwww) ふふっ



リーファ(アスナさんだけじゃない、シノンさんも相変わらずクールでいて、ブレがないというか、お兄ちゃんのこと飼いならしてるッ…………って、お兄ちゃんは犬や猫じゃないッ!! まあ、確かに可愛い顔してるけど///)




シノン「まったく、もぅ……こんなんじゃいつまで経っても料理なんか出来ないわよ。 待っている間に現実でもALOでも夜になっちゃうわよ…。」



キリト「大丈夫だって、 きのみはまだあるし、集中力を高めて挑めば、絶対に上手く作れるってばッ!!」


アスナ「そうよ、集中力を極限まで高めたキリト君に、出来ないことなんてないわ!」


シノン「なるほど、ということはちゃんと集中出来る環境下にさえいれば、アンタは料理が出来ると?」


キリト「ああ、そういうことだ。」


シノン「なら、私たちがここにいちゃ邪魔になるわよね? それなら、キリトの料理が出来るまで、このログハウスから離れた方がいいようね。」


キリト「え、そんな、邪魔になることなんてないけど…」(´・ω・`)


シノン「なら、どうしてこう何回もきのみを丸焦げにしちゃったわけ?リズベットにちょっかい出されて、アスナといちゃついて、それでついさっき失敗したじゃないの? 」


キリト「うぅ……、それを言われると…」


リーファ「確かに、このまま失敗し続けて夜になっちゃうのはね…」


シリカ「でも、キリトさんがお料理してるところ、見てみたいかもぉ…」


リズベット「まあ、私たちはもともとキリトの料理を食べたくて集まったんだし、確かに早く作ってもらいたいわよねぇ」


アスナ「はぁ…、仕方がないかぁ〜(もっとキリト君とイチャイチャしたかったけど、また次回のお楽しみか。)」


キリト「なら、ハウスの庭で、クラッドやピカチュウ達の遊び相手でもしてやってくれないか?」


クラッド「わんわんッ♪」


黒チュウ「ピッカァ〜!」


アスナ「確かに、それだと待ってる間も楽しめそうだしね、ねぇユイちゃん?」


ユイ「わぁ〜、またポケモン達と遊んでみたいです!」


シリカ「そういえば、キリトさんのポケモン達に、まだピナのこと紹介してませんでしたねっ!」


ピナ「きゅううう〜〜!」


リズベット「なるほど、悪くない待ち時間ねッ!」


シノン「なら決まりねッ! 私たちはあなたの料理完成を、庭で遊んで待つことにするわ。」


キリト「よし、その間に俺はとびっきりのきのみ料理を作るとするかッ!」


アスナ「うふふっ、じゃキリト君、私たちはみんなで遊んでるから、お料理が出来たらメッセージで教えてねッ!」


ユイ「楽しみにしてますよ、パパ!」


クラッド「わんッ!」


黒チュウ「ピカッ!」


キリト「おう、みんな行ってらっしゃい〜。」



キィィィ…バタンッ



キリト「さてと、気を引き締めて作るかッ」キリッ




クラピカ「ワーワー!!」

※クラッド&ピカチュウの略


女子たち「きゃ〜きゃ〜!!」





こうして、1人で集中してきのみを料理することとなったキリト。

彼は果たして、無事に料理をすることが出来るのだろうか…


現実世界、時同じくして、数年ぶりとなるポケモン新タイトルの発売を決定し、キリトを始め各MMOにて名を馳せた者たちをデータテスターとして迎え入れた大手ゲームメーカー任○堂と開発を行うゲーム○リークス、そして株式会社ポ○モン…。

一つのゲームを作ることはもちろん容易ではない。莫大な費用と時間をかけることになるのはゲームを楽しむ子供でも理解が及ぶことであろう。しかしながら、今回のポケモン新タイトルに感しては、その考えは通用しないようである。

バーチャルMMOがもはやゲームの主流となった時代、確かな経営資源と技術、そして自社ブランドとチャネルにより、ゲームメーカー以外の様々な分野において、仮想世界という市場は浸透している。



スタッフA「いや〜、ベーダテスター達からの意見、かなり集まりましたね」


スタッフB「ああ、なんせあの《黒の剣士様》が直々にプレイしてくださってるんだからな」


スタッフA「キリトって名前でしたよね? まあ彼は、SAO事件をはじめとしてこの世界においては有名人ですもんね!」


スタッフB「ハハ、そうだな! さて、作品も形になっている。あとはベーダテスター達からの提出意見を見直し、最終的な調整を行おう。 このプロジェクトは間違いなく成功する! ふふ、誰もが驚くだろうな……。」


スタッフ「そうっすねッ! んじゃ、さっそく取り掛かりますかねー!」









再び場面は戻り、ALO内のキリト達であるが…


キリト「………………、どうしようっ」

(=゚ω゚)





アスナ「あッ、キリト君からだ!」


リズベット「おっ、ようやく完成したってわけね!」


ユイ「それじゃ、さっそくログハウスへ戻りましょう!」





キリトからのメッセージを受けてログハウスへと戻った一同だが、待ち受けていたのはしょんぼりとした表情で俯いていた黒の剣士ならぬシェフ1名であった。

その様子を見て、一同は事態を察したのだった…




リーファ「お兄ちゃん…もしかして……」


キリト「………てへぺろっ(ゝω・」


アスナ「はぅ……、キリト君かわいい…//」 スクショ カシャッ


リスベット「って、何やらかしてくれてんのよ!」


シノン「まさか、きのみを全部焦がすとは」 はぁ


キリト「いや、全部じゃないぞ! あと二つだけ2個だけ残ってるぞ!」(`・ω・´)


シノン「ドヤ顔で何言ってるのよ…」


リズベット「あんたそこそこ器用なんでしょ!? 何故にそこまでして焦がした!!?」


キリト「いやだって、みんな熱する物をご希望だったし、俺もせっかくだから気合入れて作ろうと思ってさ、でもついつい熱が入りすぎちゃったんだよ…二つの意味でね!」

(`・ω・´)キリッ


リーファ「いや、そこまで上手くないしドヤ顔で言われても…」


ユイ「うう〜、残念ですね〜」


シリカ「あと二つだけだと、みんなの望むものは作れないですよね…」


アスナ「そっか〜それは残念だね〜。でもしょうがないよね〜。残り二つじゃ私とユイちゃんしか食べられないよねぇ〜、というわけでみんな、残念だったね、また来てね〜〜」ニコッ





リーファ達「…………はッ?」



この時、アスナとユイを除く女子たちの表情が、一斉に険しくなった。




リーファ「え〜と、どうして私たちが帰らないといけないんですかぁ〜? 」


シリカ「それと、どうして私たちは食べられなくてアスナさんは食べられるのが前提で話が進むんですかぁ〜?」


シノン「まあユイちゃんはいいとして、何故私たちが選択肢から外れるのかしらねぇ……」


アスナ「え? だって私はキリト君の奥さんで、ユイちゃんは私たちの子供だよぉ〜〜。残りのきのみは二つだけなんだし、それを私とユイちゃんが頂くのは、ごくごく普通なことだと思うよぉ〜♪ 」


ユイ「わ〜いッ」



女子たちはいずれも満遍ない笑みでそれぞれ語り始めた。しかし、約一名を除いて、その目は一切笑ってはいなかった。

彼女たちの視線と視線の間には、ビリビリと音を立てた稲妻のようなものが感じ取れる。




リズベット「そもそも、ユイちゃんはよしとして、まずアスナが食べられるのはおかしいわッ!」


アスナ「………どういうことかなぁ〜リズぅ〜〜?」


リズベット「だって、アスナはまたいつでも機会があるじゃないッ! でも私たちはそれが限られてるはずよ、仮想世界の中くらい、私に譲れなさいよッ 」


アスナ「あら〜、そんなこと言うなら私なリーファちゃんが1番この場に相応しくないと思うよ〜」 ニコッ


リーファ「ッ!? どういうことですか?」


アスナ「だって、機会という観点で言えば、リアルでも1番長い期間キリト君と過ごしてるのはリーファちゃん、いや、直葉ちゃんだよね? それにキリト君と交代してお料理してるんだから、直葉ちゃんは既に何度もキリト君のを食べてるはずだよね〜? なら、今回は遠慮すべきじゃないのかなーー?」ニコッ


リーファ「わ、私は妹だから、それは当然の権利ですよッ! それにリアルと仮想世界はまた別の話ですよね。」


アスナ「あら〜、それを言うなら私は妹よりもはるかにキリト君に近い[奥さん]だよッ! 今はまだ恋人だけど、SAOでは結婚もしてたし、近い将来本当に結婚するんだし、私は誰よりも揺るぎないものを持ってるはずだよねぇ〜」

ゴゴゴゴゴッ………



シリカ「まったくもう、皆さん相手のことを資格がないだの言ってますが、そんなことよりも自分が1番相応しいってことをアピールするのがポイントだと思いますよぉ〜」 ふっ


シノン「あら、同感ねッ!」


シリカ「やっぱりキリトさんの手料理を食するのに相応しいのは、この私ですぅっ!!」


リズベット「あらぁ〜、どうしてそうなるのかしらッ!?」 ギロッ


シリカ「今回の食材はきのみですよね? きのみというと、リスみたいなちっちゃくて可愛らしい小動物が食べるイメージがあります! この中でそのイメージにピッタリなのは果たして誰でしょうか……、それッ、それはこの私、シリカをおいて他にいませんッ!」


リズベット「何よその理由ッ!? 呆れてものも言えないわよッ!」


シリカ「まぁ、普段から鍛冶屋で鉄を叩いてるだけの、女子力も男運もないリズさんには、殿方から守ってあげたいと思わせる小動物系女子の魅力を幾ら話しても伝わらないですよねぇ〜〜ww」


リズベット「………鉄と一緒に頭から暖炉に突っ込んだろかックソガキッ」

ピキッ!!



ユイ「リズベットさん、なんだか怖いです……」ぶるぶるッ


クラピカ「…………(>_<)」ガタガタ!




余りにも過熱した少女たちの舌戦に、幼いユイは恐怖を覚えてしまった。ユイはAIでありながら人間顔負けの感情模倣を有するが、やはり幼いことに変わりはないのだ。キリトとアスナが22層で新婚生活を送っていた頃と比較すれば著しい成長を遂げたと言えるが、負の感情に対する耐久はまだ乏しい。

そしてポケモンであるクラッドとピカチュウ、彼らはある意味無知である。女という生き物の怖さを初めて知ったのだ。そんな2匹は、互いに身を寄せ合い、ただ縮こまり、そして声すら上げることを忘れ、ただただ震えていた。まさに小動物のありのままの姿である。





アスナ「ちょっと2人ともッ! ユイちゃん達が怖がってるじゃないッ!!

(ふふ、ここで仲裁に入ることでか弱い娘とポケモン達を守る出来る奥さんアピールよ、アスナッ!!)」




ここにきて、敢えてあざとい行動をとるアスナ。もちろん、怖がる娘を守るという使命感は胸に抱いていることに変わりはなかったのだが…。

しかし、それを待っていたかのように狙い撃つスナイパーが1人…。




シノン「あら、1番怖がらせるようなことしてたのはアスナなんじゃないかしら?」


アスナ「ん? 何か言ったかなぁ〜シノのん?」 ニコッ


シノン「私は、アスナの笑顔が1番恐怖を覚えたわ…、デスガン事件の比じゃないわねッ!」


リーファ「あの事件と比べても怖いって……、よほどのことですよね、それ」


シノン「まあ私はみんなとは違って、誰かをここから弾き落とそうだなんて考えたりはしないけど、でもせっかくだし、キリトの作ったものは味わってみたいわよね…」



この中で、年長者ではないが、最も冷静さを保ちつつも口撃をしかけることに長けていたのはシノンであった。キリトとの出会いも他のメンバーと比べるとタイミング的には遅く、そして付き合いも浅いだろう。

しかし、だからこそ彼女はこうした振る舞いが出来るのかもしれない。






アスナ(あえて普段通りのクールキャラで、ブレない姿勢で戦うつもりなのね、シノのん。 やるわね…。)





女子たちが戦いを繰り広げてる中、その事の発端となった黒のシェフが、おどおどとした様子で口を開いた……。



キリト「あのぉ〜、みなさん。お取り込み中悪いんだけど…」


女子達「何ッ!?」


キリト「ヒィッ、え…えっと、みんなが色々とヒートアップしてるうちに、みんなの分の料理が完成したんだけど……」


女子達「え……、ええええ!!?」


キリト「ははは、さあみんな、召し上がれっ!」


アスナ「二つしか残ってなかったのに、全員分出来たの!?」


キリト「みんなのリクエスト通りの市なはとても2つだけでは出来なかったからさ、きのみを使ったジュースにしてみたよ!」


リーファ「えっ、ジュース?」


キリト「一応手間は加えてるぞ! ただ果汁を絞っただけじゃなくて、自分なりに味付けしたり、あと盛り付けにも凝ってみたぞッ!」




ドヤ顔をしてみるキリト、しかし女子達の前に用意したジュースには、確かに説得力があった。

いつの間に用意したのだろうかを思わせるシンプルで透明なグラス容器の中には、これまた水のように透明で光に反射しキラリキラリと輝きを放つ、微かに甘い香りを漂わせる果汁が注がれている。

その水面には、爽やかさを演出させるかの如く、緑色のミントが小さいながらに存在感を放ち、水面のかすかな揺れに合わせて踊っていた。


目の前のそれを見てゴクリって唾を飲む一同。誰も、直ぐにそれを口に含まないのには、もちろん理由があった。予想をはるかに上回る完成度に、感心していたからである。まるで芸術作品を見ているかのようだった。

そこにいるシェフ以外の誰もが思った。なんて綺麗な作品なんだと…。一同は、舌で楽しみ前に、その作品を目で楽しんでいたのだ。



キリト「あれ、みんなさっきから黙って見つめてるけど、飲まないの?」オロオロッ




シェフからの一言で、一同はハッと、我に返った。目の前にあるこれに目も心も奪われすぎていたことに気が付く。




アスナ「そ、そうよね! それじゃいただきま〜す!」


ユイ「わ〜い、いただきまーす!」


ゴクゴクッ



まずそれを口に含めたのは最愛の妻と娘。



ユイ「うわぁ〜、凄く美味しいですー!」


キリト「おぉ、そうか、それはよかったよユイ!」



無邪気な娘からの感想に、素直に喜ぶシェフ。娘からのその言葉であるが、飲み干してから直ぐに発せられた言葉だ。もちろん、心なくしての発言ではない。素直な感想だ。本当に美味しかったから美味しいと言った。子供は、いやユイは、実に素直である。

しかし、妻は違った。娘のように味わってから直ぐに言葉を放つことはなかった。それを見て、シェフは、いや、夫は言った。



キリト「どうしたアスナ? も、もしかして口に合わなかったか……?」



少しだらしなく、うるっとした目をした夫からの問いに、妻は少しだけ間を置いた……。



アスナ「キ……キリトくん……」



キリト「ア…、アスナ…? (も、もしかしてアスナの好みじゃなかったのか!!?)」




アスナ「だ……、大好きぃッ!!!」


バシッ!!


キリト「えッ、ええ!!?」






夫には、一瞬何が起きたのかわからなかった。妻が自らの料理を口に含み、そして黙り込んだ。もしかしたら、舌に合わないものを出してしまったのかと、不安になった矢先に、突如抱きつかれたからのだ、無理もない。

抱きついてきた妻の表情は、実に幸せそうであった。





キリト「ア、アア…アスナ!? い、いきなり抱きついてきた一体どうしたんだよッ!?」


アスナ「えっ……、あ、ああぁぁぁ! え、えっとぉ、こっこれはね、感動しちゃってつい………ね///」




頬を赤く染めながら問いに答える妻。彼女が味わった喜びを抱きつくという形で表現で行ったのには、難しい理由はない。ただただ、嬉しかった。理由はその他にはなかった。

もちろん、最愛の人が作ってくれたから、というのも美味しいと感じる理由である。しかし、それに抜きにしても、本当に美味しかった。そして、それを味わえる喜びに幸福感を覚えた。それが問いから答えるまでに要した間の理由だ。



キリト「そ、そんなに美味しかったのか!? 」


アスナ「もっちろん!!」


キリト「あ、ありがとアスナ…// でも、だからっていきなり抱きつきだなんて、オーバーな奴だな〜。」


アスナ「だって本当に美味しかったんだよ!! だから思わず、キリト君に抱きついちゃったんだよぉ…//」


キリト「アスナ……///」




黙って見つめ合い、顔を近づける二人。愛を感じ合う男女が顔を近づけてすることなんて決まっている。

まさに二つのの唇と唇がゼロ距離になろうとしたその時…………、




リーファ「ストォォーーーーーーーーーーップッ!!!」




キリアス「えっ!!?」



リーファの声は、ログハウス中に響き渡るほどに大きなものであった。それを聞いて、夫婦は、いや、キリトとアスナは我にかえった。アスナがこの短い間で我にかえるという経験をしたのはもう何度目だろうか。

二人はまた頬を赤く染めた。招いた覚えのない客人達ではあるが、リーファ達のことをすっかり忘れていたのだ。完全に、二人だけの世界に陥っていた。

そして、彼らの視界に飛び込んだのは、鬼の形相でこちらを見つめる、と言うよりも、睨みつけているリーファをはじめとした四人の少女たち。




キリト「え、えっとぉ、みなさん、そんな怖い顔をして……」 ガクガクッ




思わず裏返った声で、しかも小刻みに震えながら4人の少女にそう問うキリト。その問いに少女たちは次々と答えた。




リーファ「お兄ちゃん達、私たちのこと完全に忘れてたでしょ?」


キリト「いやぁ……そんなこと…ない…よ」


リーファ「絶対嘘ッ!! 堂々とアスナさんとキスしようとしてたしてたもんッ!!」



顔を赤くしてキリトに大声を上げるリーファ。その赤さの理由は怒りからなのか、恥ずかしさからなのか……


キリト「お、落ち着けよリーファ、とにかく、その手に持っている物騒な物を腰に戻そうな、なッ!?」




リズベット「あんたねぇ、何堂々と人前で見せつけてくれとんじゃいッ!!?」


リーファに引き劣らない勢いで声を上げるリズベット。怒りを通り越して呆れたという表現はよくあるが、その呆れを通り越して再び怒りに達したのだろうか。


キリト「見せつけるだなんてッ!? 人聞きの悪いぞ、そんなの!! だいたいリズ達が勝手に上がり込んだんじゃないかッ?」


アスナ「そそ、そうよッ! てゆうかリズ、そんな物騒なものでキリト君の頭を叩こうとするようやモーションはやめてよッ!!」



シノン「確かに今のあんたらからすれば私たちは招かれざる客だけど、TPOってものがあるじゃない?」



シノンはここでもクールだった。怒りというより、最初から呆れしかなかったからである。しかし、流石にこの状況でバカップルの呆れた行動を見てしまうと、黙るわけにもいかなかったようだ。



アスナ「ここは私達の家よ!? 夫婦が自分たちの家でそういうことするのは、当たり前のことじゃない//」


リズベット「な〜に顔を赤くして開き直ってるよのッ! 私たちを目の前にしてそういう行為に及ぶことが問題だって言ってるよのッ!!」


キリト「いやだって、完全に2人だけの世界だったというか……」


リーファ「あぁーー! やっぱり私たちのこと忘れてたんだッ!!」


キリト「あッ、違ッええっとぉ……」




だらしない様子でてんやわんやするキリト。女子達からの口撃は止まらない。

そんな中、頭に水色の小さなドラゴンを乗せた少女はというと………、



シリカ「うう…キリトさん……!」


キリト「え…シ、シリカ……さん?」



思わず自分よりも年下のシリカをさん付けしてしまったキリト。シリカは今にも泣き出しそうな瞳をしていた。

キリトは何故シリカが泣き出しそうなのか、理解に苦しんだ。



キリト(なんでシリカが泣きそうな顔をしてるの? いや、泣きたいの俺の方なんだけど…、もしかして、リーファ達が怖いのか?)


シリカ「うぅ…、キリトさんのばかぁ」

うるうるっ


変に鈍感なキリトに、乙女の微妙な心理を理解するのは、やはり容易ではないようだ。





ユイ「あれ、どうしたんですか皆さん? せっかくパパが料理してくれたのに、まだ飲まないんですか?」


クラッド「わんッ!」


黒チュウ「ピカッ!」



ポケモンであるクラッドとピカチュウ、この二匹は、リーファたちがキリト達に攻め入ってるさなかにきのみジュースを堪能した。

人間ではない彼らは、もちろんキリト達のように言葉を発することは出来ないが、とても嬉しそうな様子だ。

そんな様子を見て、リーファたちも我に帰ることとなる。



リーファ(そうだったわ、お兄ちゃんの料理食べるためにここに来たんだった!)



キリトとアスナに迫るのは一旦おやすみにして、一同はきのみジュースをそれぞれの口に含むことにした。


4人「ゴクゴクゴク………、!!?」


アスナと同じように、一同は間を置いた。もちろん意図的なものではない。味を感じているのだ。そしてほぼ同じタイミングで口を開いた。



4人「お……、美味しいぃぃぃ〜〜!!」



4人は、嘘偽りのない心からの声をほぼ同時に放った。これはキリトの気を惹こうしたものではない、本当に美味しいからそう言った、ただそれだけである。

そして4人は、それぞれが同じ考えに至った。

それは、「今なら、キリトに自然に抱きつける!」ということである。

彼女たちがそうすることは、どんなに擁護しても自然ではないだろうが、彼女たちより前に同じものを飲んだアスナがキリトに抱きつくのを見たからである。しかしアスナの場合は、相手が愛する人ではあるが、気を惹く目的で抱きついたわけではない。相手がキリトだったから、キリトに対する愛が自然にそうさせたのだ。

アスナがキリトに抱きついたのと、今からキリトに抱きつこうとする4人は、似てるようで違う。しかし、4人からすればそんなことは関係ない。もうこの際、キリトに抱きつければそれでいいとまで思えてきている。



リーファ(アスナさんは嬉しくてお兄ちゃんに抱きついた……なら私だって!)


リズベット(アスナは考えずに自然にキリトに抱きついたのかしら…、いや、もうこの際考えるとか考えないとかどうでもいい!!)


シリカ(みんな考えることはきっと一緒なはず、なら……!)


シノン(勝負は一瞬、わずかな遅れが敗北を意味する……、そう!)




4人(1番最初にキリト(くん、さん)に抱きついたものが勝者よッ!!)


4人の考えることは同じであった。そして4人は、手に持っていたグラスを置き、目にも止まらぬスピードで、一斉にキリトに向かった。

獲物をハントする獣のように……!



リーファ「お兄ちゃん、おいし〜〜〜」


リズベット「キリト、おいし〜〜」


シリカ「キリトさん、おいしーー」


シノン「キリト、おいしーーッ」



キリト「!!?」




キリトを狙い一斉に抱きつこうとした4人のはずだが、その動きがキリトの目の前で、いや、彼から獣を追い払うかの如く突如その間に現れた守護者により制止されていた……。




アスナ「……………うふふ、みんなぁ〜、一体、私のキリト君に何をしようとしたのかなぁ〜?」 ニコッ



白くて細い腕が一つ、4人の前にかざされていた。仮想世界の腕とは言え、実に美しい腕である。その腕は何かを護るというよりも、護りたいと思わせるほど美しいものだろう。

その腕の主である美しい少女は、4人の前で笑っていた。しかしそれは、微笑みではなかった。そしてその微笑みではない笑顔の後ろには、再び阿修羅が召喚されていたことに、4人が気がつくまでには時間を要さなかった……。





4人「…………………。」


アスナ「うふふ、4人とも黙っちゃって、一体どうしちゃったのかなぁ〜?」

ニコっ





4人は、言葉を失った。考えることを放棄した。我に帰ることすら出来なかった。後悔したとかしてないとか、そうしたことではない。愚かだったと、省みることすらない。打ちひしがれたのだ、目の前にある現実に…。

無力と化した者は、食われるしかない。そうだ、許されないのだ、主張することすら。








そして日付は変わり、翌朝………、




和人「いや〜、それにしても、昨日もついついダイブし過ぎたなぁ〜。と言っても、俺だけ明日奈達よりも早く落ちたんだけど…。それにしても、何で明日奈達は遅くまでダイブしてたんだろう……。」





あの後、時間も遅くなったので、キリトは当たり前のようにログアウトしようとした。

しかしアスナは「やらなきゃいけないことがあるから私はまだ潜ってるねぇー。」と、他の女子たちと共にキリトがログアウトした後もしばらくの間ALO内にて時を過ごしていた。その間に何が起きていたのかを、当然和人は知らないのであった。






所変わって、ポケモンゲーム開発スタッフ達は、とあるビルの一室に集ってた……。




スタッフA「まさかここまで順調に進むとはな……、それにしてもベーダへスター達の意見や感想は本当にいい材料にらなった。」


スタッフB「あぁ、本当にこんな短期間で形になるとはね、彼らのおかげだよ。」


スタッフC「そうっすね〜! そういえばベーダテスター達への報酬って一体何なんすか? やっぱり現物支給っすかね?」


A「まあ、そうなるな。 無難ではあるが、それなりの特典でもつければ文句は言われないだろう…。」


B「それはそうと、特典といえば正規版に付ける特典も必要だが、この間の会議で出た案で問題はないかな?」


A「あぁ、今回は今までにない試みをすることになるしな、VRMMOに殴り込みをするのだし、やりすぎるくらいでも問題はない!」


C「あとはその他諸々のことを決めて、改めて最終チェックに入れば、世にお披露目ですねー!」



コンコンッ!


C「ん、どうぞー!」


スタッフD「失礼いたします、例の方々がお見えになられました。再びあの件ににつてお話があるとのことで!」


A「ん、もうこんなじかんか。よし、では向かおうか!」


B&C「了解ッ!」








再び所変わり、桐ヶ谷家にて……、



直葉「おはよ………おにいちゃん……」


和人「おは…ってうわッ!? ど、どうしたんだよスグ!?」



直葉の様子が明らかにおかしかったのを、和人は確認した。

昨日までは何時もと同じように、直葉は健康的な顔つきも身体つきをしていた…はずだ。それなのに今の直葉の様子は、それとは大きく異なった。

一晩しか経っていないはずなのに、心なしか、頬が少しだけだが痩せこけているように和人の目には写ったのだ。それと、なんとなくだが、身体の線が何時もよりも細い。自慢の胸は相変わらずだが……。

それよりも大きく異なるのは、いつも感じられる覇気がまるでないことだ。まるで魂でも吸われたかのように、いつもの元気の良さがない。それに、目付けもおかしかった。

今の直葉に気力がないことを、和人は一瞬で把握した。




和人「どうしたんだよ直葉? 昨日はあれから俺以外はみんなしばらく潜ってたらしいけど、もしかしてだいぶ夜更かししたんじゃないのか?」


直葉「ううん……。昨日は…お兄ちゃんが落ちたあと……ほんの少しだけ明日奈さんと…お話をして……、それでねぇ…………、そのあとすぐにみんな…落ちたん…だ……よ。」


和人「えッ、そうなのか? 俺が落ちたあとみんなもすぐ落ちたってことか……、夜更かしはしてないのか?」


直葉「うん………、落ちたあとは……すぐに…寝たよぉ……。」


和人「ならどうしてこんな血の気のない顔色に……、今日は学校休んだ方がいいんじゃないのか!?」


直葉「ううん………、大丈夫だよ…おにい………ちゃ…ん……。」



心配する和人であったが、直葉はいつもよりも遅いスピードで身支度を済ませ、学校へと向かった。

和人は、明らかに様子がおかしい妹が心配になり、「具合悪い時は無理しないで早退しろよッ」とだけ一応伝えた。

学校へ向かう途中、明日奈と合流し、共に登校した。あの後、直葉と時を同じくした明日奈はというと、何時もと変わらない元気な様子であったため、和人は安堵した。

しかし、学校で見かけた里香と珪子だが、2人の様子も直葉同様におかしいことを確認し、和人は心配になった。何故明日奈は元気なのに、明日奈と一緒にいた3人はまるで魂の抜け殻状態だったのだろうか……、放課後までそのことが気になり、授業もいつも以上に集中出来なかった。

ちなみに、みんなとは違う学校に通うシノンこと詩乃の様子も、直葉たちと同様であったことは、言うまでもない。


授業終わり、和人と明日奈はいつも通り放課後デートを楽しんでいた。しかし和人は、今朝の直葉の様子が気になっていた。そこで和人は、明日奈に尋ねることにした……。




和人「なぁ明日奈?」


明日奈「ん、なぁにキリト君?」


和人「昨日は俺が落ちた後、明日奈達は少しだけだけど、ALOに潜ってたんだよな?」


明日奈「うん、そうだよ。」


和人「えっとぉ〜、その時に、直葉に何かあったのか?」


明日奈「えっとぉ……、どうして私にそんなことを聞くの?」


和人「実は、今朝直葉の様子がちょっとおかしかったんだよなぁ…。元気がなかったというか、なんか心ここに在らずって感じだったんだよ。」


明日奈「へ、へえ〜〜、それは心配だねぇ…。」


和人「昨日はあの後はすぐに落ちて、夜更かしもしてなかったって言ってたんだけど、でも一晩であんなにも様子がおかしくなるなんて、心配なんだよ…。」


明日奈「そ、そうなんだ……、直葉ちゃん今日は学校はおやすみしての?」


和人「無理するなとは言ったんだけど、本人は大丈夫だって言って、結局登校はしたよ。でも今日は早めに帰ったらみたいだ。さっき直葉からメッセージが来たんだけど、授業は全部出たけど、念のため部活は休んで、今は家にいるみたいだよ。」


明日奈「………、そっかぁ…。」



和人からの言葉を聞き、明日奈も心配そうな表情をする。

それもそのはずだ、実は昨日、和人ことキリトがログアウトした後、こんなことがあったのだ……。





リーファ「…………」


リズベット「…………」


シリカ「…………」


シノン「…………」


アスナ「……………うふふ」 ニコッ




不敵な笑みを浮かべ仁王立ちをする明日奈、そしてその前で無言で正座をするリーファたち。

しかし彼女たちは、アスナから正座を強いられたわけではない。気が付いたら、彼女の前で自ら正座していたのだ。いわば本能的な正座である。

そんな4人を目の前にして、不敵な笑みを絶やさないアスナ。ちなみにその場にユイはいなかった。アスナに、ポケモンとピナ達と共に別室で遊んでいるように言われていたためである。可愛い娘に、この地獄絵図を見せたくないという、アスナの親心が働いたのだ。



アスナ「さてと、みんなさっきから黙り込んでるこど、私の言いたいこと……、わかるよね?」 ニコッ


にこっとした笑顔で皆に問うアスナ。 それに聞いてリーファ達はしばらく間を置き、「………はい」っとだけ口にした。



アスナ「うん、わかってくれればいいんだよ♪ でもね、私のキリト君に今度変なことしようとしたら…………、わかるよねッ?」 ニコッ!


先ほどやりも増した、可愛らしい表情でニコっとしてみせたアスナだが、目は一切笑っていなかった。

それと、「私の」という部分を強く強調して4人に言い聞かせてみせた。更には、次はどうなるのか…、その答えを会えて言わず各々に考えさせてみせた…、こうかはばつぐんだ!



リーファ(…………こ、こわいッ!!)


リズベッド(こ、こんなに怖い思いをしたこと、SAOにいた頃にもあったっけ………?)


シリカ(………た、助けてぇ、キリトさん…)


シノン(デスガンの………比じゃないわよ…)



恐怖とは不思議なもので、その度合いが極端に強すぎると、震えることすら出来なくなる。4人はまさに、その状態であったのだ…。

その夜は、それで皆ログアウトしてのであった……。





明日奈(わ、私は別に、悪いことしてないもんッ! 私のキリトに変なことしようとした直葉ちゃん達が悪いんだもんッ………、でも、ちょっとやりすぎちゃっまかなぁ〜〜〜。)



明日奈は、まさか直葉がそんなことになっているとは知らず、昨日の行動を少し省みっていた。

いくら親友とはいえ、自らの恋人にちょっかいを出されるのは、気持ちがいい事ではないはずであ。そうした意味では、明日奈が不満に思うことは、なんの非もない、普通のことである。しかし、普段は普通に仲良くしており、そして親友でもある直葉や里香達に対して、申し訳ないことをしたという罪悪感が芽生えたのだ。



和人「おーい、明日奈、明日奈ってば!!」


明日奈「えっ、あぁごめん!!」


和人「まさか明日奈まで直葉達みたいに…、大丈夫かッ!?」


明日奈「私は大丈夫だよッ!! そ、それよりもキリト君、もし迷惑じゃなかったら、これから直葉ちゃんのお見舞いに行ってもいいかな?」


和人「えッ、今から直葉のお見舞いに?」


明日奈「うん、やっぱり私も直葉ちゃんのこと心配だし、こういう時は、もしかすると、同じ女の子同士だとわかることがあるかもしれないしねッ!」


和人「まあ、それで直葉が元気になるんなら越したことないよな!」



と言うわけで、急遽直葉を見舞うべく和人と共に桐ヶ谷家へと向かうことになった明日奈。

その頃、自室で過ごしていた直葉はというと……。




直葉「……………ふふふ、むふふふふッ!!」


ベットの中一人篭り、不敵にも笑いっていた直葉。しかし、彼女には、何か狙いがあったようである。


直葉「お兄ちゃん、私のこと絶対に心配してくれてるはず。てゆうけ、メッセージまでくれたもんねッ!」


自身の携帯端末を、嬉しそうに眺める直葉、その画面には妹の身体のことを心配している兄からのメッセージが映し出されていた。

それを眺め、にやけが止まらない直葉。ベットの上でただ1人悶々となって、肉付きの良い脚をバタバタとさせて、はしゃいでいた。



直葉「んあぁ〜〜〜、お兄ちゃん早く帰ってこないかなぁ。今日はお母さん、締め切り近くで忙しいって言ってたし、つまりお兄ちゃんが帰ってきたらこの家には私とお兄ちゃんの2人だけ、しかも今私は具合が悪いことになってるから、お兄ちゃんが看病してくれたりして………////」




風邪でもないのに、直葉の顔は赤く染まっていく。

と言っても、体調が良くないということは本当であった。

直葉は昨夜、白く輝く阿修羅の前に跪いていた。阿修羅と言っても。この世のものとは思えぬほどの美しさであったが……。ただ、その時植え付けられた恐怖を忘れることは出来ない。

ログアウト後、直葉は虚無感に襲われた。何をしているのだろうか、何がしたかったのであろうか、そんな言葉が心の中で踊る。

今日はもう眠ろう、と心中で呟き、改めて身をベットに預ける。しかしそう簡単には眠れない。眠ろうとすればするほどに、睡眠欲が満たされないことに気がつく。そうしているうちに、わずかな温もりと共に、カーテン越しに朝日が部屋へと入り込んだ。

ほとんど眠ることが出来ず、無気力な感じ。元気がなかったのは本当のことだった。

いつも以上に重たく感じる身体を起こし、鏡の中のもう一人の自分自身を見つめてみる。

今日は学校を休むべきか……、そんなことを考えてる時、突然閃いたのだ。




直葉「お兄ちゃんったら、今朝も私のこと気にかけてくれてたし、部活だってお兄ちゃんと過ごせる時間を少しでも長くしたいから、わざわざ休んだんだからねッ!」


もちろん、理由はそれだけではない。顔色が悪いのは確かであったため、それを見た周囲の者たちから、今日は無理をするなと勧められたのだ。



直葉「まぁ元気がなかったのは本当のことだけど……。お兄ちゃんが看病してくれるんならまた明日から元気になれるもん♪」




兄の帰りを今か今かと待ちわびる直葉、この頃、自宅付近まで来ていた和人と明日奈であるが……、




明日奈(確かに直葉ちゃんには悪いことしちゃっまかもなぁ〜。フォローのついでお詫びと言っちゃなんだけど、お粥くらい作ってあげよう!)



昨日のことで、少しばかり罪悪感を感じていた明日奈は、直葉の体調が心配になり、和人と共に桐ヶ谷家を訪れようとしていた。



和人「スグの奴、今頃寝てるかなぁ。」


明日奈「お粥とかなら食べてくるかなぁ、食べやすいようにシンプルな味付けにしようかと思うの」


和人「ああ、きっと喜ぶと思うよ。お粥かぁ〜、たくっ、スグの奴羨ましすきるぞ! 明日奈のお粥食べれるだなんて…」


明日奈「もうっ、キリト君は具合悪くないでしょ! お粥は体調が悪い直葉ちゃんに作るんだからね。」


和人「えぇ〜〜、そんなぁ……」


明日奈「うふ、キリト君には直葉ちゃんのお粥が出来た後、何か別に作ってあげるわよ!」


和人「本当かッ!? ありがと明日奈!」


明日奈「もう〜キリト君ったらぁ〜//」



これから妹のお見舞いに行こうというのに、そんなことお構いなしにイチャつく和人と明日奈。

そうこうしているうちに、2人は桐ヶ谷家玄関前についていた。



ガチャッ!


和人「ただいま〜、スグ…寝てるのかぁ?」



下の方から待ちわびていた兄の声が聞こえてきた。ようやく帰ってきたのだと思い、直葉は慌てて下に向かおうとする。しかし、今の自分はあくまでも病人。元気良く駆け下りるのは不自然であるはずなので、それっぽく、ゆっくりと階段をおり兄を迎える……、



直葉「お兄ちゃん、おかえr……」


和人「寝てたのか、スグ?」


明日奈「こんにちは直葉ちゃん? 具合大丈夫なの?」



兄の帰りを待ちわびていた直葉、しかし、そこにいたのは兄だけではなかった。



直葉「あ、明日奈さん!?」


和人「あぁ、直葉の具合が良くないって言ったら、お見舞いに行こうってことになって、来てもらったんだよ。」


明日奈「うん、心配だからついきちゃったの。確かにあんまり顔色良くないね……。」


和人「あれ、そういえばなんだか今朝よりも顔色が良くないような……」




玄関手前で起きたこの僅かな時間の中で、直葉の顔色はより悪くなった。

まさか、昨日の夜、自らを制してみせた張本人がお見舞いに来るとは、予想打にしていなかったからである。いや、予測出来たのかもしれないが、彼女の脳がそうさせなかったのには確かな理由がある。

和人と2人っきりになりたい、看病されてそのまま甘い時間を過ごしたいからである。それもそのはず、昨日のことで、明日奈の前で兄にちょっかいを出すのは駄目なのだと、改めて学んだからである。しかし自宅となれば兄と自分の2人だけになれる。明日奈もそこには介入出来ないと思い、今回の作戦を考えたのだ。

そんな中で、その作戦において最も障害になる人物が訪れようとは……、直葉の顔から血の気が引いた瞬間であった。



直葉「あ、あぁ〜、大丈夫だよお兄ちゃん……(なんで明日奈さんがいるのよぉ〜〜〜! せっかくお兄ちゃんと二人っきりに)」



声にならない声でそう伝える直葉。昨日は自分の方が招かれざる客であったが、今日は明日奈の方が招かれざる客状態となっていたのだ。

しかし……、



和人「やっぱり元気がないなぁ…、無理しなでおとなしく寝とけよ、スグ」


明日奈「そうよ直葉ちゃん、無理しないでお部屋で休んでて。 今からお粥でも作るから、出来たら部屋まで持って行くね」


直葉「え…お粥?」




この一言を聞いて、直葉は自責の念にかられた。

明日奈のことを一瞬でも招かれざる客だと思ってしまった自分が、情けなく思えたのだ。明日奈が今日ここへ来たのは、自分が兄と二人っきりになることを阻止するためではない。自分のことを心配してくれて来てくれたのだ、それなのに自分は………、




和人「スグ……、どうしたんだよ、黙り込んで? 気分が悪いのか?」


明日奈「直葉ちゃん、大丈夫ッ!?」




心配そうに言葉をかける2人。それに対して直葉は、少しばかり間を置いてこう言った。



直葉「ううん、大丈夫! ちょうどお腹も空いてたし、せっかくだから頂こうかなぁ……。」


和人「そっかぁ、じゃ部屋で待っててくれよ。」


明日奈「すぐに作るから待っててね! それじゃ、キリト君、台所借りるね!」


和人「あぁ、俺も手伝うよ。 その方が早く出来るだろ」


明日奈「うん、ありがとう!」




ゆっくりとした足取りで階段を登り、自室へ戻る直葉。彼女は心の中でこうつぶやいた…。



直葉(私の馬鹿馬鹿〜〜〜ッ!! やっぱり明日奈さんは優しいよ…、昨日あんなことがあったのに、私のためにお粥作りに来てくれて……、それなのに私は…)



自責と共に、そんな明日奈の優しさに、直葉は嬉しかった。そして、素直にその優しさに甘えて、素直に謝ろうと思った。



直葉(お兄ちゃんと2人だけが良かったけど、でもここは明日奈さんの優しさに素直になろう……。ありがとう、そしてごめんなさい明日奈さん。)



そう心の中でつぶやいた直葉。このままお粥が届けられるまで寝ていようと思っていたのだが……



直葉「んん〜、なんだかトイレに行きたいかも。」


再び身体を起こし、一回にあるトイレへと向かうことにした直葉。

トイレの個室に向かう途中、物音のするキッチンの様子がチラッと目と耳に飛び込んできた。

その先にある様子、それはハッキリではないのだが、それを感じで直葉は思わずハッしたのだ。



直葉「んなッ…………!」



思わず声を上げる直葉、その先にあったのは………





明日奈「ちょっ、キリト君……んん〜くすぐったいよぉ……//」


和人「おいおい、くすぐったいだなんて……。俺はただ、明日奈の手伝いをしてるだけだぜ」

(`・ω´・)+キリッ!




リビングの2人の様子は、真正面から見たわけではないし、バレないように少し離れて探るように見ている。

だからはっきりとはしないのだか、それだけでも直葉にとっては、2人が自分のためにお粥を作ってる最中に、イチャイチャしているのがわかるだけの情報量であった。




直葉(なな……、何をしてるのよ…あの2人は……。)

ゴゴゴゴッ!



2人にバレないように、声は出さす、そしてなるべく自身の存在感を消そうとすることに努める直葉。

しかし和人と明日奈は2人だけの世界に浸れば、周りの存在などすっかり忘れることは、直葉もとっくに知っていることだ。実際、昨日のALO内でもそうであった。2人は直葉達の目の前で、直葉達の存在をすっかり忘れてキスまでしようとしたのだから………。

自らの尿意など忘れ、食い入るように見入ってしまう。

リビングで作業する明日奈を後ろから抱きしめるようにして腕を彼女のお腹あたりに持ってくる兄の姿は、手伝うどころか、邪魔をしているようにしか見えなかった。



明日奈「もう〜〜、お料理中なんだし、危ないでしょッ!」


和人「今は刃物も火も使ってないだろ? それに俺が後ろからこうやって抱きつくと、明日奈いっつも喜んでくれるじゃないか?」 ニヤッ


明日奈「もうッ、キリト君のばかッ! お手伝いしないんなら座っててよぉ! 」


和人「だからしてるだろ! こうやって明日奈のことを喜ばせてあげてるのさッ!」


明日奈「うぅ〜〜〜、そんなこと言う人にはお料理作ってあげませんッ!」プクッ


和人「そ、そんなぁ〜〜〜。 ならもう明日奈のこと、後ろからギュッとしてやんないぞッ!?」


明日奈「ええッ!? うぅぅぅ………、キリト君ずるいよぉ〜〜、 そんなの嫌、お料理中もギュッとしてよぉ……」


和人「あはは、よく言えました明日奈! だからそんな悲しそうな顔をするなよッ!」

アタマナデナデッ


明日奈「もうっ、キリト君ったら……//」




直葉「………………。」






直葉は絶句した。現実世界においてフリーズ状態に陥った。

直葉からすれば、あの様子はどう考えも病人の看病のための料理をしている様子には思えない。

兄が後ろから明日奈に抱きついて、ただちょっかい出しているだけ、それ以外の何にも見えない。そんなことを料理中にされたら普通は迷惑なはずだが、明日奈の表情は満更でもない。むしろ嬉しそうな顔をしていた。顔を赤く染めたその顔は、愛に満たされた女の顔であった。

そして和人が意地悪そうに抱きつくのをやめようとすると、やや不満そうに、そして寂しそうになる明日奈の顔。しかし和人がそれをやめず、片方の腕で頭を撫でてやると、再び嬉しそうに顔を赤くした。




直葉「…………このリア充バカップル〜〜!!」



思わず声を上げる直葉、しかもそこそこ大きな声で。どう考えて普通ならばれてしまうはずだ。しかしバレなかった。2人だけの世界には、外部からのちょっとやそっとの刺激だけでは介入することにすらならない。

直葉は、先ほどまで抱いていた自責の念と明日奈への謝罪を、心の中で取り消した。




直葉「何なのよ、もうッ!! 結局2人してイチャイチャしたいだけじゃん、わざわざ家まで来てッ!!」



もちろん2人とも直葉のことが心配だったのは事実だ。だかこの2人は、暇さえあれば何時でも何処でもイチャつく。

それはもう、桐ヶ谷和人と結城明日奈という2人の中にある本能的なものがそうさせる、いわば性である。




直葉「あのバカップルめぇ〜〜〜、爆発しろッ! いや、爆発させてやるッ!!」


直葉はそういうと、トイレに向かい用をたし、やや駆け足気味で自室へと戻った。

そして、お粥が運ばれるまでの間、自室で待っていた。どうバカップルを爆発させてやるかを考えながら……。

そしてしばらくして……、



トントンッガチャッ!



和人「スグ、お粥持ってきたぞぉー。」


明日奈「ごめんね直葉ちゃん、ちょっと時間かかっちゃってぇ〜。」




明日奈は、すぐに作ると言ったはずだが、あれからかなりの時間が経過していた。お粥一つ作るのにはかなりの時間を要した。現実でも仮想世界でも料理上手の明日奈からすれば、お粥一つ作るのなんて簡単なはずだ。

そんな彼女がなぜここまで時間を要したのか、その理由はただ一つ、和人とイチャつきながら作っていたからである。

そしてここから、そんな2人を爆発させるべく、直葉の反撃が始まる。




直葉「あ……ありがと、お兄ちゃん…明日奈さッゴホンゴホンッ!!」



実にわざとらしく咳をする直葉。もちろん顔色が良くないのは事実であるため、和人は疑う余地などなかった。



和人「大丈夫か、直葉ッ!?」


直葉「うん、大したことないよお兄ちゃん……(ふふ、お兄ちゃんが心配してくれてる//)」


顔を赤くした直葉。その赤色の理由が体調不良によるものなのか、あるいは嬉しさからくる恥じらいなのかは……、いや、どちらの理由でもあるのか。

しかし、女の感が働いたのか、明日奈は直葉の心理を読み取るかの如く、彼女の一瞬の表情の変化を見逃さなかった。



明日奈(むむッ、今直葉ちゃんなんだか妙に嬉しそうだったような…。それはもちろん、キリト君に心配してもらってるんだし普通に嬉しいわよね。 でもなんだろう、この胸騒ぎは……。何か嫌な予感がする。)




直感がものを言うことは意外と多いはずだ。明日奈のこの直感は、ズバリ正しかった。



和人「本当に大丈夫かスグ? 自分で食べれそうかぁ?」


明日奈「!!?」



何気ないこの和人の言葉に、明日奈は反応した。その一瞬の反応速度は、SAO時代に二刀流スキルに選ばれたキリトこと和人を凌駕するのではないかと思わせるほどであった。




直葉「えっとぉ……、じゃあ、お兄ちゃんに食べさs」


明日奈「なら、私が食べさせてあげるねっ!!」 ニコッ


直葉「…………えッ」




明日奈は直葉の言葉を遮るかのようにして、ニコッとしてそう言った。

直葉は固まった。目の前にある笑顔に見覚えがあったからだ。それは、昨日見た阿修羅の微笑みと全く同じか、いや、それ以上であった。

直葉は虚しく、再びその笑顔によって制されてしまった。赤くなっていた直葉の顔は、再び血の気が引いて青ざめていった。



直葉「………あ、あのぉ…そのぉ……」


和人「ん? なんだかスグが喋りたがってるような……」


明日奈「あ、キリト君。お水持ってきてもらってもいいかな? 直葉ちゃん、お粥を食べ終わったらお薬飲んだ方がいいと思うし、それにこういう時は水分補給は大切だもんねッ!」


和人「そうだな、じゃ行ってくるよ!」


直葉「ああ、待って、お兄ちゃ……」


バタンッ!!


直葉「………あっ」



明日奈に言われるがままに、水を取りに部屋から出てしまった和人。

部屋には血の気の引いた直葉と、阿修羅の微笑みで直葉を見つめる明日奈。

気まずい…いや、気まずすぎる。恐怖心がまた全身を支配する。震えさえ出来ない、ただ固まるだけしか出来ない。

そんな状況で、重い口を開いたのは、明日奈の方だった。



明日奈「ほらぁ〜直葉ちゃん。せっかくお粥作ったんだし、冷めないうち食にべてね。 お腹空いてたんだよね〜?」


直葉「えっ、あぁ………はい。」



確かに僅かではあるが空腹感はあった。しかし今、自ら食べようと思うほど気が進まない。



直葉(うぅ〜、お兄ちゃんに食べさせてもらいたかったのに。でもそんなこと明日奈さんに言えない、てゆうか明日奈さん怖い……。)


明日奈「ほらぁ〜直葉ちゃん。あーん。」



女の子同士でのあーんをするとは、直葉は思ってもいなかった。このシチュエーションを、兄としたかったところではあるが、ここはもう明日奈に従うしたないのだ。



直葉「あ、あ〜ん………」


もうやけだと思い、直葉は口を開けた。

しかし次の瞬間、直葉の口には、目にも止まらぬスピードでお粥を乗せたスプーンが突っ込まれたのだ。



直葉「ンググググッ!!?」



直葉は何が起きたのか理解できなかった。本当に一瞬の出来事であったからだ。

明日奈ことアスナはSAO時代、閃光のアスナと呼ばれていた。その所以は、敵に視認すら許さなかったほどの高速さと正確さを兼ね備えた剣技にあった。その高速さと正確さはSAOをクリアさせたキリトも認めており、彼と共にSAO攻略を目指す攻略組の中でも双璧をなす存在として名を馳せ、2人して最強プレイヤーとして不動の地位を確立していたほどであった。

その閃光の剣技が、何故かこの現実世界、埼玉県越谷にある桐ヶ谷家の一室にて再現されたのだ。持つべきものを、レイピアから安物のスプーンに変えて。




直葉「ングググッング、ングググ〜〜!」



直葉は状況を理解したが、信じられずにいた。この現実世界で、閃光の如く一瞬にして人の口の中にスプーンを射し込む、というより突き刺すことが出来るなんて、信じがたい。しかし、実際にそうしたことが自身の目の前で起きたからこそ、今の状況が成立しているのだ。




直葉「ング、グング〜!(く、苦しいィ〜〜!)」


明日奈「どうかな直葉ちゃん、美味しいぃ〜?」 ニコッ


恐怖を与える微笑みでそう問う明日奈。しかしその問いに直葉が答えられるはじないことは、明日奈は当然知っている。喉の奥の方までスプーンを突っ込まれ、味を感じることなど出来ずにいた。いや、そうさせるために明日奈はそうしたのだろうが。

しかも、お粥はそこそこ熱い。といっても、流石に火傷しない程度にはしてある。

明らかに苦しそうな直葉、それを見ても微笑みを絶やさない明日奈。その場に和人がいないからこそ、この状況があるのだ。



直葉「ングググ、ググン〜〜〜!!」


明日奈「え、どうなのかな〜直葉ちゃん。美味しいかなぁ?」


直葉「ング、ング!」




明日奈の問いに、スプーンを口に含ませ、首を縦に振りながら必死に答える直葉。

それを確認した明日奈は………、





明日奈「そっか、お口にあったようでよかった〜♪」



明日奈の料理ならば、間違いなく美味しいはずだが、この場合は別の意味で、お口に合わせたと表現した方がいいのかもしれない。

そして明日奈は、直葉の口からゆっくりとスプーンを抜き取った。入れる時は閃光の如く素早く入れたくせに、抜くときはわざとと思えるほどゆっくりであった。



直葉「ンン、ゲホッゲホォ!!」



苦しみからようやく解放された直葉。喉の奥まで無理やり突っ込まれたため、風邪っぽいゴホンッとした咳ではなく、嘔吐するようなゲホゲホッとした音を発する。



明日奈「さてと、気に入ってもらえたようだし、まだまだあるから遠慮しないで食べてね〜、うふふッ」


直葉「ちょ……、明日奈さん、まだ………ンググッ!!」



再び目にも止まらぬスピードで、お粥を乗せたスプーンが、直葉の口に突き刺さる。

しかも今度は連続でだ。口の中にスプーンが含まれたと思いきや、また一瞬にて口から出され、また一瞬にして新たなお粥が乗せられ口の中へと突き刺さる。この繰り返しである。そのスプーン裁きは、瞬きするよりも早かった。

本当に一瞬の出来事だ。かつての閃光としての細剣や、今は亡き絶剣ユウキから授けられたマザーズロザリオの連撃を超えるものが、この瞬間生まれたのだ。


気づけば、直葉の頬はパンパンに膨れ上がっていた。口の中に食べ物を含みすぎたリスの様である。

今にも口から吹き出しそうなのを必死で堪えつつ、少しづつごくりごくりと飲み込む直葉、それを見て明日奈は、微笑みを絶やさずこう言った。




明日奈「直葉ちゃ〜ん、昨日ALOで私が言ったこと、忘れてないよねぇ〜〜?」



その問いに、再び直葉は首を縦に降る。



明日奈「ウフフッ、直葉ちゃ〜〜ん、直葉ちゃんはキリト君の妹さんだし、将来的には私にとっても本当に妹になるから、今回はこれで許してあげるぅ〜〜。」



直葉は言葉を失った。といっても、今は口の中には大量のお粥があるため、話したくても話せないという状況であるが。仮にそうでなくとも、彼女は何も発せられないだろう。

恐怖に満ちた直葉の耳元で、明日奈は呟いた……。



明日奈「直葉ちゃん……、これからは私のこと、みんなの前でも、「お姉さん」って呼んでねッ!もちろん、キリト君の前でもだよぉ〜。 大丈夫、いつか本当に直葉ちゃんとは義姉妹になるんだし、今のうちから練習しておいたら、将来ぎこちなくそう呼べると思うの………、わかったよね? 」





従わなければ身の危険が今以上に増す、と咄嗟に思ったのか、直葉は今まで以上に素早く首を縦に降った。

それを見て明日奈は「よしっ!」と満足気に微笑んだ。

ちょうどその時、和人が水と薬を持って部屋に戻ってきた。




和人「スグ〜、気分どうだ?」


明日奈「あっ、キリト君、ちょうど今ね、お粥食べさせてあげてたんだけど、直葉ちゃん食欲はちゃんとあるみたいだよ。ほらぁ〜、私が作ってあげたお粥やもう平らげちゃったよぉ〜〜。」


和人「そうか、その様子なら直ぐに良くなるかなッ、それにしてもスグ、明日奈のお粥はそんなに美味かったのか? 顔がパンパンになるまで口に含ませて、本当にスグは食いしん坊だなぁ、はははッ!」




何も知らないからこそ、直葉をからかい笑い飛ばす和人。

その後、和人と明日奈は下に降り、お粥を作るついでにイチャつきながら作った卵雑炊を2人で楽しく頂いた。

しばらくして明日奈は帰り、和人は直葉の様子を見に部屋へと訪れ、お粥を完食したことと薬を服用したことを確認すると、今日は早めに寝るようにと伝え、お粥の入っていた容器を持って部屋を後にした。

直葉は大人しく眠ることにした。今日感じたことを忘れ去るためにたが、もちろん忘れることなど出来はしなかった。



和人は、シャワーを浴びた後、自室へと戻り勉強を始めた。それから数時間して勉強を切り上げ、眠る前に少しだけALOに潜ることにした。少しだけでも、ユイと直接触れ合おうと思ったからである。



《リンクスタート!》



そしてALO、新生アインクラッド22層のログハウスにて……、



キリト「やあユイ、元気にしてたかぁ〜?と言っても昨日も一緒だけどなぁ。」


ユイ「はいパパ、あれ、今日はみなさんはご一緒ではないんですか?」



キリト「あっ、そういえば…。でもママは来るかもな、俺と同じで寝る前にちょこっとユイの様子見るかもなッ」


ガチャッ!


アスナ「やっほーユイちゃん、って、キリト君。ふふ、やっぱりキリト君も来てたんだね。」


明日奈も自宅に帰宅後、自室にて勉強や課題をしていた。そしてそろそろ寝ようかと思い、その前に少しだけALOへ訪れユイと話でもしようと思っていた。

2人とも、考えることは同じだったのだ。



ユイ「うふふ、パパとママは似た者夫婦ですねぇ」


キリト「ハハハッ、似た者夫婦かぁ〜」


アスナ「もう、ユイちゃんったら……///」



ユイから冷やかされ、満更でもない2人。アスナに至っては嬉しそうに顔を赤くした。現実世界を含めて、この日何度目であろうか。



ユイ「そういえば、リーファさん達はどうしたんですか?」


キリト「ああ、リーファなら今リアルで寝てるよ。」


アスナ「実はね、リーファちゃん今日リアルで具合が悪くてね、それで夕方までリアルでキリト君の家に行って看病してあげてたんだよね。」


ユイ「えぇッ、そうだったんですか? リーファさんは大丈夫なんですか?」


キリト「ああ、心配いらないよ。確かに顔色悪かったけど、アスナの作ったお粥をあっという間に平らげたし、薬もちゃんと飲んだし、直ぐに良くなるよ!」


アスナ「そ、そうよ〜。だからユイちゃんは何も心配しなくていいんだよッ、リーファちゃんはきっとすぐに良くなるよ、うん!!」


ユイ「そうですか、それならよかったです!」


キリト「あれ、そういえばリズ達は来てないな…。確か昼間学校で見たとき、なんだか様子が変だったような……」


アスナ「あ、あぁ〜〜、きっと2人とも何かが原因で疲れてるんだよ。シノのんは学校違うからわかんないけど、きっと忙しんだよ。きっとそうだよ、うん!」


キリト「お、おう…そうか。」



その後家族3人で他愛のない会話を弾ませ、2人はログアウトして現実世界にて就寝し、ユイも眠りについた。

そして翌朝、いつも通り自分よりも先に起床していた直葉の様子をみて安心した和人であったが、しばらく兄妹の間におかしな空気が流れたことと、直葉が和人をはじめみんなの目の前で、明日奈のことを「明日奈お姉さん」と呼んだことに驚きを覚えたことはいうまでもない。

そして里香達もしばらくの間、明日奈たちの目の前でおどおどと過ごすことになるのは、いうまでもない。





そんなこんなで数日が経過し、和人と明日奈は勉強会と称して、桐ヶ谷家にて室内デートを楽しんでいた。直葉は部活に出かけ、母は用事があり出かけてるため、現在家の中にいるのは和人と明日奈の2人だけ。

勉強に一区切りつけ、休憩がてら明日奈の淹れたお茶と菓子を片手に談笑する2人。そんな中、何気無しにつけたテレビの映像に、2人は目を奪われることとなる。






司会者『えー皆様、この度はお忙しい中お集まり頂き、誠にありがとうございます!』


和人「ん、なんだこれは…何かの会見みたいだけど。」


明日奈「随分と大きな会見だね〜、記者の人も凄く多そうだけど……。」


司会者『それではこれより、どこよりも早いポケットモンスター新シリーズのお披露目会見を始めさせて頂きます!』


キリアス「え……、ええええぇぇぇ!?」


2人は当然驚いた。ベーダテスターとして絶賛プレイ中の和人からすれば、こんな早いタイミングで、しかもテレビという影響力の極めて高いメディア媒体にて大々的に世に知らされるとは、目から鱗であった。

ポカンっとした口を閉ざすことを忘れ、2人はただ目の前に流れるテレビ中継を眺めるのであった。

誇らしげな顔で新シリーズのポケモンについて説明し、記者からの質疑に応答する開発スタッフたち。

VRMMOはSAOやALO両事件のこともあり、未だに良くも悪くも世間からの関心は未だに高い。回復不可であろう打撃を受け、規制する動きまで見られたこのVRMMOというジャンルが再び息を吹き返したのは、電脳世界に生きる茅場の意思から託された世界と種子《ザ•シード》を和人が芽吹かせたことにある。

シノンと出会ったGGOも、アリスやユージオを過ごしたアンダーワールドも、《ザ•シード》もとい、桐ヶ谷和人ことキリトがいなければ語れない。

今回新しく世にお披露目されている、ポケモン新シリーズも、その例外ではないのだ。






記者『何故今回、VRMMOというジャンルにポケモンブランドが進出することとなったのでしょうか?』


スタッフ『フルダイブ技術に対応したVRMMO型のゲームでしたら既に任○堂でも開発発売されていますが、やはりそれだけでは経営は上手くいきません。そして我々は今回、このタイミングで、かつて日本ゲーム界の金字塔を建てたポケモンブランドを引っさげ、一世一代の大勝負に出ることにしたのです。そのために今までポケモンブランドを温存してきたと言っても、過言ではありません!』


記者『おお〜〜!』


記者『新シリーズということで、今までにない新システムが採用されたと思われますが、具体的にはどのようなシステムが採用されたのですか?』


スタッフ『もちろん、従来のポケモンシリーズにあった既存システムはもちろんのこと、今回より登場する新システムも多数用意しております。その中でも1番注目して欲しいのは、プレイヤーパラメイトシステムです!』


ざわざわざわ……がやがやがや……。




和人「プレイヤーパラメイトシステム!?」


明日奈「なにそれッ!?」


記者『そのプレイヤーパラメイトとは、どんなシステムなのですか?』


スタッフ『ええ、例えば、今までのポケモンには、モンスターにはレベルやHPや攻撃力、さらには努力値や個体値や種族値などの数値による概念が存在しました。しかし、プレイヤー、つまりトレーナーにはそうした数値的概念がありません。確かにトレーナーはポケモンも育てるために時間を割いて努力しますが、ポケモンバトルで闘うのはポケモンです。そこで我々は考えました。せっかく仮想世界にダイブしてプレイするのなら、ポケモンだけではなく、トレーナーも共に戦おうと!!』


記者『おおおおーーーーー!!!』




和人「トレーナーも戦うだってッ!?」


明日奈「それって、キリト君もポケモン相手に剣を持って戦えってことなの!?」


和人「いや、まさか…。それとも、トレーナー同士でやりあえってことなのか?」




スタッフ『といっても、ポケモン同士のバトルにトレーナーが直接介入したり、トレーナー同士でバトルをする、という意味ではありません。自分のポケモンとともに切磋琢磨し、身も心も一つにしてバトルをする、という意味です。その演出のためにもトレーナーに数値による概念を取り入れました。例えば、トレーナーにもレベルの概念を取り入れました。レベルと言うよりも、ランクと言った方がわかりやすいでしょうか。そのランクが高くなければ発揮されないスキルなども存在し、ランクが高くなければ挑めないクエストや、ゲットすることが出来ないポケモンも存在するのです。』





和人「なんだ、そういう意味だったのか…。」


明日奈「あはは、そうだよね〜。さすがに可愛いポケモン相手に剣で戦うとか、気が引けちゃうよねぇ〜。」





その後も、スタッフと記者達による質疑応答が繰り返され、ポケモン新シリーズがそのベールを徐々に徐々にと明かしていったのだ。

新たに導入された新システムや新たなポケモン、新たなアイテム。



そのタイトルは、



ポケットモンスターVRMMO

《B-hero》《W-princess》




このタイトルが和人の元へ届けられるのは、後日のこととなる。

果たして和人は、この新しきポケモンの世界にて、どのような冒険を繰り広げるのだろうか………。











桐ヶ谷和人「ポケットモンスターをやろう!」


第一章 Fin
















※続編となる第二章は、後日書き下ろします。

ご閲覧、ありがとうございました。

また、この二次小説を書くに至った経緯や概要、作品の世界観や本作品のポケモン世界の設定なども、後日Wikipediaのようにまとめられればなと思います。

また、本作品は二次創作であり、もちろんフィクションであり、元となった作品の世界観や利益を損ねる意図はなく、これにより利益を得ようする意図もありません。あくまで二次創作小説として、お楽しみください。


最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

pixivの方でもよろしくお願いします。

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1: SS好きの名無しさん 2015-03-24 19:41:43 ID: cq0aGiC2

面白いです。続きが読みたいです

2: SS好きの名無しさん 2016-08-14 23:00:12 ID: zg5cG_aP

面白いちゃっ面白いけど日常パート多すぎ

3: フカ次郎 2017-03-12 00:20:12 ID: gsikBO3i

よく、感情移入がうまくできていると思います。

元のキャラクターの話し方も、そのまま再現されてて、作品的にうまいと思います。

が、日常パートのせいか、笑わせる部分が少ないのと

所々会話の文が長くなりすぎて、見づらくなることがあるので、3行を超えそうだなぁと思ったら

区切りのいいところで、改行し「」を何回かに分けて使うと、いいと思います。


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1: SS好きの名無しさん 2015-02-26 01:03:32 ID: D762OLpR

良いねー

2: SS好きの名無しさん 2015-03-24 19:42:13 ID: cq0aGiC2

面白い


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