2015-08-13 09:05:03 更新

概要

ここ音ノ木坂王国には9人の勇者たちと魔神にまつわる伝説があった。

そして今、その伝説による運命の歯車が動き始めた………


前書き

注意
作者がまだSS初心者のため誤字脱字、表現等至らないところだ多々あります。
なので温かい目で閲覧していただけると幸いです………
ちょくちょく見返して誤字脱字を修正しながら進めていきます。
かなりの長文になる予定です( ̄▽ ̄)


〜プロローグ〜


女王「ようやく9人揃いましたね……【神器】に選ばし者が……」


絵里「はい……」


女王「真姫のことをまだ気にしているのですか?」


絵里「ッ⁉︎」


女王「やはりそうでしたか」


絵里「………」


女王「確かに国への反逆は重罪です」


絵里「しかし!真姫は……」


女王「今や彼女は立派な反逆者です」


絵里「ですが私には! ー 女王「落ち着きなさい!」


絵里「………」


女王「なので私からお願いがあるのです。真姫の目を覚まさせてあげてください…」


絵里「それはどういう意味でしょうか?」


女王「私は決して彼女を恨んでなどいません。むしろ悪いのはこちらなのです。ですが、国としてはそれを認めるわけにはいかない……彼女を処罰せざるをえません」ウツムキ


絵里「そんなっ⁉︎」


女王「心配しないでください。私には考えがあります。なので真姫をきちんと連れ帰ってきてくださいね…」


絵里「……わかりました。必ず連れて帰ってきます!」


ことり「どうしたの?絵里ちゃん、お母さん?」


絵里「ことり⁉︎……まさか、聞いていたの?」


ことり「うんん、今来たところだよ?」キョトン


絵里「そう……」


ことり「???」


絵里「なんでもないわ」


ことり「みんな準備ができたみたいだから絵里ちゃんを探しにきたの」


女王「そうですか。今の私はこうして見送ることしかできませんが……気をつけて行ってきてくださいね 」


絵里「はい…必ず……」


ことり「うん!行ってきます!」


絵里とことりはそう言うと王室を後にして仲間と共に旅立っていった



女王 「どうかこの世界を………お願いします…… 」



プロローグ 完

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〜絵里の章〜


絵里「はぁ〜〜〜疲れた〜」


私の名前は絢瀬絵里

ここ音ノ木坂王国騎士団の一員である


???「あらあら、伝説の勇者様がそんなのでどーするの〜?」クスクスッ


絵里「あんじゅ団長……その呼び方はやめてくだいって言ってるじゃないですかぁ〜」


あんじゅ「でも、ほんとのことでしょ?【神器】に選ばれし伝説の9人の勇者……その内の1人なんだから」クスクスッ


そう、私は伝説…いわゆるお伽話に出てくる勇者たちが持っていたとされる【神器】を持っているのだ

正しくは自分の意思で呼び出せる?とでも言った方が良いのだろうが………


絵里「でも、そんなのはただのお伽話であって作り話じゃないですか」


あんじゅ「でも実際にあなたは神器を持ってる訳だしね。あなたが作り話なんて言っても説得力がないわよ?」クスクスッ


絵里「むぅ…」ムスッ


???「どーしたん、えりち?」


???「任務で何かあったの?」


絵里「希ぃ〜。真姫ぃ〜。団長がいじめてくるのよ〜〜!」ウワ-ン


希「あ〜なんやそんなことか」シラ-


真姫「いつものことでしょ」シラ-


絵里「2人ともひどいわ……」ガ-ン


この2人は東條希と西木野真姫。私と同じく音ノ木坂王国騎士団の一員であり、【神器】も持っている。


あんじゅ「2人とも任務おつかれさま〜。何か収獲はあった?」


希「はい。この前団長が言っていた場所に奇妙な洞窟がありまして………」


あんじゅ「やっぱり………おそらくそこが伝説にある【魔神】の封印場所ね…」


真姫「ここまでくるとあの伝説もただのお伽話ではなさそうね……」


希「そうやね…………

約200年前に【神器】という神と同じ力を宿す武器をもつ9人の女神がいた。その頃の世界は人間と悪魔が争い、戦いが絶えることはなかった。そこでその勇者達はこの世界の人間を滅ぼして悪魔だけの世界を作ろうとした【魔神】を倒すために力を合わせて戦った。しかし、魔神の力はとても強大であったため、倒すことができなかった。そこで勇者達は魔神を封印し、復活してもすぐに力を取り戻さないように魔神の魔力を【7つの宝玉】に分割して閉じ込めた。そして、7つの宝玉を王国の各地へ隠した。その時勇者達は神器を失ってしまったが世界を守ることができた。

確かこんな話やったよね?」


あんじゅ「そのとうりよ」


真姫「でもまだこの世界にはまだ悪魔はいるわよ?それに、伝説にあるような悪魔もこの世界にはいない。みんないい人たちだわ」


絵里「そうよ!悪魔と戦うだなんてムリよ」


希「やっぱり伝説は全てが正しい訳ではないんかもな……」


あんじゅ「その点については私が説明するわ」


絵里「何か知ってるんですか?」


真姫「………」


あんじゅ「ええ。まず悪魔についての説明ね。悪魔っていう生き物が見た目は人間と変わらないというのは知っているわよね?」


絵里「はい」


真姫「見た目からは判断できないわね」


希「でも、悪魔は人間と違って魔法を使うときなんかは目が紅くなり瞳は黒くなる。そして身体能力が飛躍的に上昇する」


あんじゅ「ふふっそのとうり。それぐらいはさすがに知ってるわね。そしてこの音ノ木坂王国の領内にいる悪魔のほとんどが人間との共存を望んでいる。だけどね、そうじゃない悪魔もいる。無論人間もおなじよ。今はそれが表面化していないだけで、またいつもの争いが起こってもおかしくないわ………おそらく魔神が復活すればまた戦いが始まるわね…まぁあくまでもその伝説が実話ならの仮定でしかないけれどね」


真姫「でも、ここまできたらあの伝説も実話だと信じざるを得ないと思うけど?」


希「せやなぁ…」


絵里「はぁ…………」


希「どうしたん、えりち?」


絵里「いや、ちょっとね……なんで伝説の勇者が私なんだろうって思っちゃってね。私以外にも適任は多いはずなのに」ハァ


希「例えば?」


絵里「団長……」


あんじゅ「私?でも私は神器なんて持ってないからねぇ」


真姫「そんなこと言ったら私や希だってそうよ。だから、これは受け入れるしかない事実よ。運命ってやつね」


絵里「運命ねぇ」ハァ


真姫「もう!そんなことうじうじ考えても仕方ないでしょ!」ツクエドンッ!


希「ま、真姫ちゃん落ち着いて…」オロオロ


絵里「そうね〜。真姫の言うとうりね。とりあえず何をしたらいいかわからないけど素直に受け入れるわ」


あんじゅ「ふふっ 3人とも仲がいいのね。私は今から国王に洞窟のことを報告してくるわね」


絵里「私達も今日は休みましょ」


私たちがいろいろ話しているうちにいつの間にか辺りは暗くなっていた


希「せやな〜」


真姫「………」


絵里「真姫、どうしたの?」


真姫「何でもないわ、また明日ね」


絵里「そう……また明日!」


そう言って私は本部を後にして帰宅したのだった。








真姫「希……ちょっといいかしら?」


希「ん?どうしたん?ーーーーー」


ーーーーーー

ーーーー

ーー


・絵里宅・


私は足早に家へ帰るとすぐに部屋にこもった

ベッドの上に寝転がり今日のことについて色々自分で検討してみた……


絵里「なぜ私を選んだの?」


そんな独り言を言いながら私は【魔弾神剣グラム】と言う名の神器を片手に眺めながらぼやいてみた………


この神器は名前のとうり剣でありながらも魔弾も撃つことができるという遠近両用の優れものの武器である。


ついでに希と真姫の神器も紹介しておこうと思う


希の神器は【双滅神銃ランカスター】という名の2丁拳銃である


真姫の神器は【烈風呪神刀】と言う少し長めの刀である


私達はそれなりに神器を使いこなしているつもりではあるが正直なところ神器を扱うのには個人が保有している【魔力】に依存しているのだろうと私は思う


この世界には魔法と言うものも存在するがこの国では魔法は【悪魔の力】として使用が禁じられている


ほんとにおかしな話よね?


この悪魔を敵視しているとしか思えない規制に私は度々疑問を覚える


そんなこんな考えている内に今日の真姫の言葉がフラッシュバックしてきた


「これは受け入れなければならない事実よ」


絵里「はぁ………。真姫はああ言ったものの………どうしたらいいのかしら?」


そんなことを考えている内に私は深い眠りに落ちてしまった…


ーーーーーー

ーーーー

ーー


翌日……

・騎士団本部・


あんじゅ「みんな、急に集めてわるいわね。」


絵里「何かあったんですか?」


あんじゅ「緊急任務よ………しかも極秘のね」


普段少しフワフワしている団長から発せられるただならぬ雰囲気に周りは静まり返っていた………


あんじゅ「真姫そして希の隊は今すぐ南領にあるヴェネルの街へ向かってちょうだい」


希「何かあったんですか?」


あんじゅ「急な応援要請が入ったの」


真姫「…………」


あんじゅ「真姫?どうしたの?」


真姫「いえ、何も……」


あんじゅ「そう?じゃあ、とりあえず2人はそちらをお願いね!」


のぞまき「はい!」


あんじゅ「絵里は私と一緒に封印の洞窟へいくわよ」


絵里「えっ‼︎2人でですか?」


あんじゅ「流石にそんな訳ないわよ……私とあなた、そして私の隊を合わせた20名ほどで行くわ」


絵里「やけに少なくないですか?」


あんじゅ「こっちの任務は国の方があまり公にしたくないらしいから少数精鋭で行くことになったわ」


絵里「わかりました」


そして私は希達とわかれて団長と共に封印の洞窟を目指し出発した


ーーーーーー

ーーーー

ーー


・封印の洞窟 入り口・


絵里は 「ここが封印の洞窟……」


あんじゅ「少し中を確かめてみましょうか………」


洞窟に入るとすぐに大きな空間になり、そしてそこにはとてつもなく大きな扉が1枚あった

おそらく扉の奥にはあの伝説の魔神が封印されているのであろう…


あんじゅ「ここの奥に魔神が………」


絵里「どうしますか?」


あんじゅ「とりあえず少しだけ扉を開けてみましょうか……」


絵里「でも、こんな大きな扉………」


あんじゅ「ん〜〜ちょっと押してみたら?案外軽くいけるかもしれないし」


絵里「そ、そうですね……」


団長は相変わらずどこか軽いというかなんというか………

少し天然なのではと改めて思ったりしたけれど、私は扉に手をおき思い切り押してみると

ゴゴゴゴゴゴッッッ

と鈍い音が洞窟に響き渡り、団長の言うとうりとても簡単に開いてしまった……


絵里「開きましたね………」


あんじゅ「そ、そうね………」


どうやら団長も冗談のつもりで言ったらしく、呆気にとられていた


あんじゅ「私が先に中を確認してみるわ。少し下がって誰も来ないか見張りをしていてちょうだい」


団長にそう言われ私は扉から少し離れ、団長は扉の奥へと向かおうとした……
























その時だった!

団長いきなり私の方へと振り向き……

私に向かって手に持っていた剣を振り下ろそうとしてきたのだった!


私はあまりに突然のことで対処することができなかった………………


???「《一閃》!!!!!!」シュパッ


絵里「ッ⁉︎」


団長の剣が私に当たるギリギリのところで見覚えのある漆黒の刀を持った人物が割って入ってきたのだ

そして団長の剣を弾き飛ばしたのだった


あんじゅ「…あなた、なぜここに?」


???「あんたこそ何やってんのよ!」


あんじゅ「 チッ 」


団長は舌打ちをしながら素早く扉の方へと下り体制を立て直し、私は未だに状況の理解が追いついていなかった。


あんじゅ「命令違反なんてあなたらしくないわね〜?任務はどうしたの?真姫」


真姫「希に任せたてきたわよ。あんな任務が本当にあったかもわからないしね」


あんじゅ「私ね〜頭のキレる子ってやっぱり嫌いかも〜〜。先にあなたを始末しておくべきだったわ」


真姫「…………やっぱりあなた………」




ーーーーーー

ーーーー

ーー


・昨日の夜…………


真姫「希……ちょっといいかしら?」


希「ん?どうしたん?そんな怖い顔して?可愛い顔がだいなしやよ?」クスクス


真姫「もうっ!カラカワナイデ!!こっちは真剣な話をしようとしてるのに……」


希「ごめんごめん。そんなに怒らんといてよ。それより、うちに何か相談?」


真姫「まぁいいわ………ちょっと団長について気になることがあってね…」


希「団長?団長がどうかしたん?」


真姫「最近変だと思わない?特に魔神の話をするとき……妙に詳しいしと思わない?」


希「そう言われればそうやね………悪魔についても色々と知っとるような口ぶりもしとったしなぁ」


真姫「やっぱり希もそう思う?」


希「うん。まぁここであれこれ言ってもしゃあないし、明日注意深く観てみるしかないんやない?」


真姫「そうね………そうしましょ。引き止めて悪かったわね。それじゃあまた明日」


希「うん。また明日」



・今日(任務へ向かう途中)


真姫「………」


希「真姫ちゃん?やっぱり昨日こと気にしとるん?」


真姫「ええ………」


希「確かに今日も急な話やったしなぁ」


真姫「極秘に進めたいのなら私達と絵里と団長の4人で行けばいいと思わない?」


希「確かに………この任務も妙にタイミングがあってるなぁ………」


真姫「これは何かあるわね……」


希「そんなに気になるんなら向こうに行ってきてもええよ?」


真姫「でもっ………」


希「それに、こっちの任務は本当にあるか何とも言えへんしな……」


真姫「まさか……騙されたの?」


希「それは街に着かんと何とも………でも、もしうちらの勘が正しければえりちが危ない……」


真姫「なッ⁉︎」


希「あくまで可能性の話や。だから、こっちはうちに任せて真姫ちゃんはえりちのところへ向かってくれへん?真姫ちゃんの方がうちより戦闘に関しては上やしな…」


真姫「わかったわ!ありがとう希!」


希「真姫ちゃん……気をつけるんやよ…………」


真姫「わかってるわ。それじゃあ!」


希(真姫ちゃん………えりちのことをたのんだで………)



ーーーーーー

ーーーー

ーー


絵里「状況が全く飲み込めないんだけど………」


真姫「ようするにあいつは悪魔よ!そして魔神を復活させようとしている。それには私たちが邪魔だったから私と希を遠ざけて、さっきあなたを殺そうとしたのよ!!」


絵里「だ、団長が………悪魔………」


真姫「そうよ。私たちはこいつにずっと騙されていたのよ!」


絵里「どういうことですか?団長…」


あんじゅ「ふふふっ さっき真姫が言ったとうり、私は悪魔よ」スッ


そう言うとあんじゅの目が赤く…赤く染まり、瞳は黒くなっていった………


絵里「どうしてこんなことを⁉︎」


あんじゅ「どうして?決まってるじゃない!魔神を復活させるためよ!!!そして、この世界の人間を滅ぼし悪魔だけの世界を作る!そのためよ!!」


絵里「そうですか………それなら私はあなたを全力で止めます!」ジャキッ


あんじゅ「あなた達にそんなことできるかしら?」ニヤニヤ 


真姫「もうあなたの思惑どうりにはさせないわ。2対1ならこちらに武があるわ」


あんじゅ「2対1?ふふっ 何を言っているの?」


真姫「どういう意味よ?」


あんじゅ「2対20よ!私が連れてきた騎士達はみんな私の部下だって言ったでしょ?」クスクスッ


絵里「なッ⁉︎」


騎士A「そういう事だ。人間たち」


後ろを振り向くとそこには先ほどまで仲間であった騎士たちがみな【悪魔の目】をしていた…………


騎士B「あんじゅ様の邪魔はさせない!」


真姫「くッ……これは流石に予想外ね………」


あんじゅ「あなた達!少しの間時間を稼ぎなさい!私は魔神の封印を解いてくるから」クスクスッ


そう言ってあんじゅは扉の向こうへ姿を消した………


真姫「待ちなさいっ!!」ダッ


騎士C「おっと…ここから先は行かせないぞ」ザッ


真姫「くそッ!」


絵里「真姫!落ち着きなさい。とりあえず先にこいつらを倒すわよ!」


真姫「そんなことをしている時間はないわ!」


絵里「このまま押し通って行っても状況が悪化するだけけよ!」


真姫「ああ!もうっ!早く片付けるわよ!!」


騎士A「そう簡単にはやられんぞ!」


ーーーーーー

ーーーー

ーー



・封印の間


あんじゅ「ようやくここまできたわね……………魔神復活の時が!!!


ようやく会えるわね、魔神よ………


いえ……




ツバサ……………………………


またあなたと共にこの世界で…………」



ーーーーーー

ーーーー

ーー



絵里「しぶといわね…………」


真姫「早くしないと!魔神が!」


絵里「流石に数が多すぎるわよ…」


真姫「やっぱり押し通ーーーー」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴッッッッッッッ!!!


真姫がそう言いかけた時、突然洞窟が崩れ始めたのだ…………


真姫「⁉︎」


絵里「な、なによこれ……洞窟が崩れ始めて…………」


騎士A「魔神様の復活の時だ!!」


騎士B「ついに……ついに……」


絵里「なッ⁉︎早すぎるわよ!」


真姫「絵里!とりあえずここを出るわよ!このまま岩に潰されてしまうわ!」ダッ


絵里「わかってるわよ!」ダッ


そうして私と真姫は洞窟を急いで出た………


・洞窟 外


私と真姫は辛うじて洞窟の外へと脱出した

そして完全に崩れ果てた瓦礫の山をただ虚しく見つめていた………


絵里「どうしてあいつらは逃げなかったのかしら………」


真姫「わからないわ………」


私たちと戦っていた悪魔たちは魔神が復活したと感じるやいなや、私たちには目もくれずその場に跪いていたのだ


真姫「それにそんなことを考えても仕方がないわ……」


すると瓦礫の中から黒く不気味な光が溢れ出した


絵里「な、なに⁉︎」


光は瓦礫の山を吹き飛ばし、そこにはあんじゅが居た…………


あんじゅ「ふふっ 残念だったわね。小さくて無力な伝説の勇者さんたち。生贄が多かったから思ったよりも早く封印を解くことができたわ〜」クスクス


真姫「生贄……?」


あんじゅ「そうよ。封印を解くためには生贄が必要だったのよ〜」


絵里「まさか………」


あんじゅ「そのとうりよ」ニヤニヤ


そう、つまりはさっきの悪魔たちはみんな生贄となった、ということだろう…


絵里「狂ってるわ……」


そしてあんじゅの隣には………

見慣れない少女が立っていた


真姫「あれが………魔神?」


絵里「……………」


あんじゅ「そうよ。彼女こそがあの伝説に出てくる魔神よ。」クスクスッ


真姫「とてもそんな風には見えないわね………」


魔神「………」


あんじゅ「失礼ねぇ………あなた達の勝手なイメージを押し付けないでくれるかしら?まぁまだ力を取り戻した訳じゃないけれどね。とりあえずここは引かせてもらうわ」バイバーイ


絵里「待ちなさいっ!!!」


魔人「…………」ギロッ


そう言って魔法で魔神と共に闇の中へ姿を消そうとした時、一瞬だけ魔神がこちらを睨んだように思えた…………


絵里「ッ!?」ゾクッ


私は一瞬だけとてつもない恐怖を感じた………

まるで自分の心臓を握り潰されるかのようなおぞましい感覚………

そして私はその恐怖心からか、力なく膝から崩れ落ちてしまった…………


真姫「なによ…………いまの………」ガクガク


真姫も私と同じ恐怖を感じたのだろか

彼女の身体はとても震えていた………


絵里「あれが…伝説の魔神……」


真姫「どうやら…………本物みたいね………」


先ほどの恐怖から私たちは彼女は本当に魔神であるのだと確信したのだった…


絵里「………完全に私の判断ミスね……

あそで真姫の言うとおりにしておけば………」ウツムキ


真姫「いえ………むしろこっちの方が良かったわよ」


絵里「なぜそう思うの?」


真姫「おそらく強行突破していたら今頃ここの下敷き、もしくは私たちも生贄にされかねなかったわ………」


絵里「でも魔神は復活しなかったかもしれないじゃない!」


真姫「それはないと思うわ……こんなに早く封印が解かれてしまうなんて……」


絵里「………」


真姫「これは絵里せいじゃないわ、私たちの責任よ………」


私と真姫はそれぞれ思うところはあったけれども、ひとまず本部へ戻ることにした………



ーーーーーー

ーーーー

ーー


・騎士団本部・


希「魔神は復活してしまったけど、二人とも無事でよかったわぁ〜」


絵里「何を呑気なこと言ってるのよ…」


希「まぁまぁ、起こってしまったことを後悔するくらいなら次にどうするべきか考えるんがええとうちは思うけど?」


真姫「そうは言うものの………今回は状況が悪すぎるわ……………」


希「真姫ちゃんまでそんなこと言わんといてよ〜」


絵里「でも、これから先どうすると言われても何が最善なのかがわからない以上下手に動かない方がいいわ」


希「まー確かに……」


街へ戻った私たちは先ほどの出来事を国王の元へと報告しそして本部の仲間たちにも同様に話した


ひとまず今日は解散にして明日今後について話し合うことになった


団長の裏切りに魔神の復活………


今日1日でいろんなことが重なりすぎて私の頭の中はとてもぐちゃぐちゃしていて、落ち着かなくて、真姫と希と色々と相談していた………



???「ちょっといいかしら?」トントン


絵里「はい、どうぞ…」


すると突然誰かがここを訪ねてきたのだった


???「こんにちは、絵里さん、希さん、そして真姫さん」


絵里「じょ、女王様⁉︎」ガタッ


女王「急にお邪魔して悪いわね」


希「と、とんでもないです」アセアセ


真姫「なんでそんなに焦ってるのよ…」


絵里「ま、真姫はよく冷静でいられるわね………」


真姫「私も一応驚いているんだけど?」


絵里「そ、そう?」


希「と、ところで今日はどのようなご用事で?」


女王「はい。どうしても皆さんに話しておかなければならないことがありまして…………少々長くなってしまいますが時間の方はよろしいですか?」


真姫「はい」


絵里「私も大丈夫です」


希「と、とりあえずこちらにお座りください」ササッ


女王「あんまり気を使わなくてもいいのよ?でも、ありがとう」


希「は、はい」


突然の女王様の訪問………


この国で2番目に権力がある人が突然現れたのだ


そりゃあ誰でもあせるわよね?


きっと真姫がおかしいんだわ………


私はそんなことを思いながら女王様の話に耳をかたむけた


女王「まずは魔神の話からしましょうか」


絵里「その件については本当に…申し訳ありませんでした」


女王「いえ、絵里さんは悪くありませんよ。あんじゅの策略に気付けなかったこちらの責任です」


真姫「でも、私たちのせいで魔神は復活してしまったと言っても変わりないわ」


女王「これに関しては誰もどうしようもなかった。だから自分たちを責めるのはやめてください」


絵里「……………」


希「それで、魔神の話というのは?」


女王「9人の勇者と魔神の伝説は知っていますよね?」


3人「はい」


女王「そしてあなた達はその伝説の【神器】を持っている……」


真姫「私たちに魔神をもう一度封印しろと言うことですか?」


女王「いえ、それでは意味がないのです。それではまた誰が魔神を復活させてしまうでしょうから…」


絵里「では、どうしたらよろしいのですか?」


女王「今の魔神はまだ肉体と魂が復活しただけであって、本来の力を取り戻してはいません」


希「7つの宝玉………」ボソッ


女王「そうです。魔神の完全復活には7つ宝玉が必要なのです」


絵里「つまり、宝玉をあいつらはよりも早く見つければ…」


真姫「完全復活を阻止できるってわけね」


女王「そういうことになります」


絵里「場所はわかっているのですか?」


女王「まだわかっていません」


真姫「それじゃあ探しに行けないじゃない……」


絵里「これから片っ端から探すしか…」


女王「いえ、その必要ようはありません。その7つの宝玉はそれぞれ別々の遺跡に封印されてることはわかっています。ですから宝玉の正確な在り処がわかるまではそちらには手を出さないということです」


希「でも、それやと先を越されてしまうんじゃ…………」


女王「その心配はありません。正しくはまだ宝玉には手を出せないと言った方が良いかもしれません」


絵里「どういうことでしょうか?」


女王「実は宝玉にも魔神と同じような封印がされているそうです。そしてその封印は魔神の封印が解かれた約3年後に解かれるそうです。それに加え、宝玉の封印は1つずつ順番にしか解かれていかないそうです」


真姫「なぜそんな面倒な仕掛けを?普通は魔神が復活しても魔神の手にわたらないような封印をすると思うのだけど?」


女王「実は宝玉にはもう1つ使い道があるのです」


希「なんか話がえらいことになってきたよ………」ボソッ


絵里「そ、そうね……それでその使い道とは一体何なんですか?」


女王「宝玉を7つ集めてそれに特別な魔法をかけると、この世界の邪悪な力を全て消し去ることができるそうです。つまりは人間と悪魔の境が無くなるということです」


3人「?????」


女王「簡単に言えば心に強大な悪を持つものは消えて無くなるということです」


絵里「つまり、魔神も消えて無くなる…」


女王「そういうことです」


希「宝玉にそんな使い道があったなんて………知らんかったなぁ」


真姫「女王様はどうしてそんなことを知っていたのですか?」


女王「ナイショよ」ニコッ


真姫「どういうことですか?」


女王「重要国家機密情報だからね」


絵里「なるほどね……こんな話が知れ渡ったら大変だものね」


女王「そういうことです」ニコッ


希「それじゃあ、うちらはこの3年の間に残りの勇者を探せばええんやろか?」


女王「おそらくその必要もないでしょう」


絵里「なぜですか?」


女王「あなた達勇者は運命よって自然と集まるようになっている………そう言っておきましょう」


真姫「よくわからないわね」


女王「今はそれでいいのです。それと1つ頼みたいことがあるのです」


絵里「なんでしょか?」


女王「私直属の部下になっていただけませんか?」


絵里「え、ええと……つまり………女王様の護衛役になれということですか?」


女王「あくまでも名義上の話ですが」


真姫「また急な話ね」


女王「どうでしょうか?」


絵里「一応理由を説明してもらえませんか?」


女王「もちろんきちんと話します。まず、私の予想が正しければこの国は2つに割れてしまうでしょう……」


3人「えッ!?」ガタツ


真姫「どういうことですか…?」


女王「簡単に言いますと、悪魔を倒そうとする人たちと悪魔と共に生きていくべきだという2つに分かれるということです」


希「なるほどなぁ……確かにこれだけのことがあって魔神まで復活してしまったわけやし、悪魔を倒そうとする人たちが出てもおかしくない」


女王「はい。それに加えて国王までも悪魔の討伐に乗り出そうとしています。しかし、それは間違っていると私は思います。罪のない方々まで巻き込んでしまっては、それはただの虐殺でしかありません。ですから討伐派の人間が簡単に動けないように抑えておく必要があるのです」


真姫「!?」


絵里「国王様までそんなことを………それでその討伐派を抑えるために私の力が必要ということですか?」


女王「そういうことです。そして騎士団という組織は元々国王直属の兵士であるのが前提にあります。なので騎士団に所属していると悪魔討伐の任務が出された際に従わなければなりません」


真姫「ちょっと待って。討伐派を抑えるってことは反逆してるのと同じじゃないの?」


女王「それについては大丈夫です。魔神を倒すという目的自体はお互いに同じですからね。討伐派を武力は使わずに圧力のみで抑えるつもりですから。しかし、騎士団に所属していて命令に反することがあればそれこそ反逆になりかねません」


希「考え方ややり方は人それぞれやけど目的は同じやからお互いに下手には手を出せないということですね」


女王「そういうことです。さすがの国王も民の反感を買うようなことはしないと思いますので……」


絵里「わかりました。そういうことであれば是非お願いします。2人ともいいわよね?」


真姫「もちろんよ!」


希「うちもや!」


女王「ありがとうございます。それでは

騎士団を辞め、私の護衛役として働くことを命じます」


3人「はい!」


女王「私はひとまず王宮へ戻ります。今日はあなた達は休んでください。お疲れでしょうからね。明日から、よろしくお願いします」


こうして私達3人は騎士団を辞め、女王様の元に仕えることになった


そしてこれが後に【義聖団】と名乗るようになったのだった




絵里「なんか今日だけでいろんな事があったわね………頭がおかしくなりそう」グダ-


希「うちもやわ〜〜」クデ-


真姫「………」


絵里「どうしたの真姫?」


真姫「…………どうしてみんな平和を壊そうとするのかしらね………無駄な争いは何も生み出さないのに…」


希「どうしてやろな……」


絵里「2人ともらしくないわね」


真姫「絵里は何も思わないの?」


絵里「思わないと言えば嘘になるわ…でも、うじうじしたって仕方がないって言ったのはどこの誰だったかしらね〜〜?」クスクスッ


真姫「!」


絵里「だから今は目の前のことに集中しましょ!だから元気だしなさいっ!」


真姫「絵里………ありがとっ」ボソッ


絵里「何か言った?」ニヤニヤ


真姫「な、何にもないわよ!」


希「あらあら、真姫ちゃんは素直なやいねぇ〜」ニヤニヤ


真姫「もうっ!」


絵里「とういわけで明日から気合いれていくわよ!」


真姫「どういうわけよっ!!」


絵里「ふふふっ」


こんな風にいつか毎日たわいもないことで笑ってみんなが幸せに暮らせる世界を作りたい

と、私はこの時思ったのであった………



そしてだんだんと視界が霞んでいき、見えなくなっていった………………………



ーーーーーーーーーーーーーーーーーー



・???・


空には大きな雨雲がかかっていてあまり気分のいい日ではなかった

私は必死で街中を駆け回ってきた


絵里「ーー!どこにいるのよ!!!!」


そして、ある人物を必死で探していた


どれぐらい走り回っただろうか………

次第に雨が降り始めそして豪雨へとなっていった


希「えりち!そっちはおった?」ハァハァ


絵里「ダメ……見つからないわ」ハァハァ


希「あっちの方を探してみよ!」


絵里「わかったわ!」


私と希は狭く入り組んだ通路を抜けて街の外れまでやってきた


希「いた!」


絵里「ーー!!あなた…一体どうして……」


ーー「あんたに何がわかるのよっ!!!!!!」


絵里「!?」


希「その目………どうして…………」


ーー「ーーーーーーーーーーーーー」


私の視界はまた霞んでゆきそして、見えなくなってしまった………




ーーーーーーーーーーーーーーーーーー












ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

・義聖団本部・


絵里「ふぁぁ………」ノビ---


寝覚めはいいとは言えないものの、とても良く寝た気がする


穂乃果「絵里ちゃん大丈夫?」


海未「すごくうなされていましたが…」


絵里「ええ………」


どうやら私は夢をみていたらしい

とても、とても長い夢を…………


穂乃果「悪い夢でもみたの?」


絵里「ちょっと昔の夢をね………」


穂乃果「へ〜〜どんな過去?」


海未「穂乃果!人の過去を詮索するような事をしてはいけません!」


穂乃果「そんなに怒らなくても…」 シュン


絵里「大丈夫よ海未。まだあなた達と会う前の夢を見ていただけよ………ちょうど3年ほど前のことよ」


海未「私たちと会う前ですか……」


絵里「色々あったのよ。忘れるなってことかしらね」クスクス


決して変えることはできず、そして忘れることのできない過去…………

こんな時に夢に出てくるなんて…

なんか不思議ね



穂乃果「絵里ちゃんも起きたことだし、出発しよ!」



絵里「そうね、宝玉を取りにいくわよ!希達が別の任務でいない分私達が頑張らないとね!」


そうして私達3人は1つ目の宝玉を取りに行くために遺跡を目指した……




〜絵里の章〜 END


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〜ことりの章〜


ことり「はぁ〜〜〜〜〜〜〜…………」ダラ---


私の名前は南ことり

突然ですが私はいま、とても憂鬱な気持ちなのです


???「でも、ことりちゃんが家出するなんて思わなかったよ?」


???「きっとことりちゃんも成長したんだにゃ」ウンウン


???「凛ちゃん……それはちょっと違うような………」


凛「それじゃあ何て言えばいいの?」


???「う〜ん………反抗期?」


ことり「うぅぅ…………」ウルッ


凛「わー!かよちんがことりちゃんを泣かせたにゃ!」


花陽「え?え!?ことりちゃんごめんね。そんなつもりじゃ………」アセアセ


ことり「うん………」グスッ


ここはレーンの村という悪魔が住んでいる村です


王都から近いところにあるので私はよくお母さんに内緒でここに遊びにきていました


そして、親友である凛ちゃんと花陽ちゃんはもちろん【悪魔】です


魔神の復活からもう半年が過ぎていて、人間と悪魔の対立が以前よりも少しみ目に見えて分かるようになってきちゃったけれど、この村はそんなことはなく人間である私を快く歓迎してくれます


私達3人はとっても仲良しでなんと、私達は3人ともあの伝説に出てくる【神器】だっけ?そんなようなものが使えるのです


昔からの親友でもあり、神器を扱える勇者?でもある私達の絆はとても強いものだと思ってます


そして今、私はなんと人生初の家出をしてきたのです!!


花陽「えっと……元気だして?花陽達が相談に乗ってあげるから…ね?」


ことり「花陽ちゃぁぁぁぁあん」ダキッ


花陽「ぴゃあ⁉︎」ビクッ


ことり「やっぱり花陽ちゃんは優しいね…」ウワメ


花陽「///」


凛「かよちん照れてるにゃ〜」ニヤニヤ


照れてる花陽ちゃんはかわいいなぁ〜〜〜〜〜〜♡♡

そんなことを思いながらも私の心の憂鬱が晴れることはありませんでした


花陽「でも、ことりちゃん。どうして家出なんてしてきたの?」


ことり「えっととそれはねーーーーーー



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ーー


・王都 王室・


ことり「お父さんはどうしてそんなに悪魔が嫌いなの?」


あ、言い忘れてましたが実は私この音ノ木坂王国のお姫様なのです♡


凛ちゃんと花陽ちゃんはもちろんこのことを知ってるよ


国王「急にどうしたんだ?」


ことり「私ね、悪魔はお父さんが言うような人たちだけじゃないと思うの。優しい人たちだっていっぱいいると思うの。お母さんもいつもそういってるよ」


国王「お前たちは2人とも考えが甘いのだ!このまま悪魔を世界に野放しにしておいたらいつ何をされるかわかったものじゃない!魔神が復活したのがいい例であろう!!」


ことり「でもだからと言って全ての悪魔を敵対視するのは間違ってると思う!」


国王「だまれだまれ!お前たちは何もわかっていない!」


ことり「何もわかってないのはお父さんの方だ!もう知らない!!出てく!」


国王「ふんっ 何処へでも好きなところに行くといい」


ことり「お父さんのわからずや!!」



ーーーーーー

ーーーー

ーー



ことり「って事があったの…」


凛「なんか、思ってたよりも壮絶だったにゃ………もっと軽い喧嘩かと思ったにゃ」


花陽「やっぱり私達悪魔はよく思われてないんだね………」


ことり「でもね、みんながそう思ってる訳じゃないよ!私はこの村のみんなの事大好きだもん!」


凛「それでも王様が凛たちのことを敵だとみなしてるってことはここも危ないよね………」シュン


花陽「そうだね…………」シュン


悪魔と人間の区別は見た目ではわからないからこの村が悪魔の住む村だとは見ただけではわからないのです


もちろんこの村の人達が必死で隠してるんだけどね


ことり「うん……でも、今のところは大丈夫だと思うよ」


花陽「どうして?」


ことり「お母さんがね、新しく義聖団っていうのを作ってね、討伐派の勢力を上手に抑えてるの」


凛「女王さまは凛たちのこと敵だとは思ってないの?」


ことり「うん!悪魔達と共存していくべきだって言ってるよ」


花陽「じゃあ今、王都では王様と女王様は争ってるってこと?」


ことり「うん。お母さんもお父さんのやり方は間違ってるって言ってるよ。あ、もちろん直接そんな言い合いはしてないけどね。お父さんは騎士団、お母さんは義聖団を上手く使って表面上では争わないようにしてるの」


凛「なんかとっても、大変そうだにゃ〜」


ことり「流石に直接口論になんてなっちゃったら国内で紛争が始まっちゃうかもしれないしね」


花陽「王都に住んでいる人たちはどうしてるの?」


ことり「…………」


花陽「何かあるの?」


ことり「街のみんなはお父さんに無理矢理従わされてる感じなの」


凛「そんなことして暴動とかは起こらないの?」


ことり「実を言うとね討伐派の人たちはほとんど騎士団に入っちゃってるの」


花陽「え!?」


ことり「だから共存派のみんなは騎士団にかなりの圧力をかけられててね…」


花陽「でも、義聖団があるんじゃないの?」


ことり「義聖団ってのはね、確かに討伐派の勢力を抑えてはいるの………でもそれは武力的均衡を保ってるわけじゃないの」


花陽「どういうこと?」


ことり「義聖団はね、今たしか3人しかいないらしいの………」


凛「じゃあどうやって討伐派を抑えてるの?そんな人数じゃすぐにやられちゃうんじゃ………」


ことり「ことりも詳しくは知らないんだけどね、騎士団っていうのは何か大義名分が無いと組織としての行動が起こせないらしいの………だから、お母さんが義聖団を使って口実を作らせないようにしてるらしいの」


凛「凛には難しくてよくわからないにゃ……」


花陽「ようするに何か理由がないと何もできないってことだよね?」


ことり「うん。今のところ騎士団が強行手段に出てないから、お互いに手を出して闘えないって感じだね」


凛「なるほどにゃ!」


花陽「凛ちゃんほんとにわかったの?」


凛「ぜんぜんにゃ!」


花陽「あははは…………」


ことり「凛ちゃんらしいね」クスクス


凛「なんかバカにされてる気がするのは気のせいかにゃ?」


花陽「そんなことないよ、凛ちゃん」クスクス


凛「かよちんまでひどいにゃ…」


ことり「まぁそういうことだから騎士団が強行手段さえ使わなければ大丈夫だよ」


凛「どういうわけにゃ!」


花陽「それならとりあえず一安心だね。でも、ことりちゃん今日どうするの?」


凛「無視なんてひどいにゃ……」シュン


ことり「?」


花陽「だって家出してきちゃったんでしょ?」


ことり「あ………」


凛「そういえばそんな話をしてたきがするにゃ」


花陽「え?今その話をしてたんだよね?」


ことり「忘れてた………」アハハ…


花陽「じゃあ今日はうちに泊まってく?」


ことり「お願いします」ペコリ


凛「やったにゃー!今日はいつもより賑やかになるにゃ!!」テンションアガルニャ-


花陽「そうだねっ」


そうして私はしばらくの間凛ちゃんと花陽ちゃんのお家に泊まることになりました


私は凛ちゃんと花陽ちゃんと一緒にとっても楽しい時間を過ごしました

家出をしたなんて事を忘れて…………


そしてあっという間に1週間ほど経ちました……



ーーーーーー

ーーーー

ーー


・1週間後 ・


花陽「そういえばことりちゃん」


ことり「なぁに?」


花陽「いつまでここに居るつもりなの?」


ことり「どうして?」


花陽「みんな心配してるんじゃ……特にお母さんのが」


ことり「あんな所には帰りたくない…」


花陽「ことりちゃん……」


私はそんなこと言いながらも花陽ちゃんの急な言葉に胸が痛くなったような思いがしました


お父さんとは喧嘩してしまったけれど、お母さんに何も言わずに出てきてしまったのは流石に罪悪感があったのです


凛「おはよー!2人ともどうしたの?」


花陽「ことりちゃんがいつまでここに居るつもりなのか聞いてみたの」


凛「ずっとここに居ればいいにゃ!かよちんもそう思うでしょ?」


花陽「それはそうだけど…………」


凛「だけど?」


花陽「流石に何も言わずに出てきちゃったのはいけないと思ってね…」


凛「うーん……確かに………」


ことり「でも!私は戻りたくない!!」


凛「どうしてにゃ?」


ことり「あんな窮屈なところになんていたくない…………みんなが毎日争ってるのなんてもう見たくない………」ジワッ


私はそう言うとなぜか涙が出てきちゃったの…………


どうしてだろうね………


花陽「………」


凛「そうにゃ!!!」


ことぱな「!?」


凛「2人とも今から一緒に出かけよう!連れて行きたい場所あるにゃ!」


凛ちゃんが突然そんな事を言い出して

私達は少し戸惑っちゃったけど

私達は凛ちゃんに連れられて一緒に村を出ました



ーーーーーー

ーーーー

ーー


凛「ここにゃ!」


そう言って凛ちゃんが連れてきてくれた場所は村を出てちょっと歩いた森の深いところにあるとても見晴らしがいい場所でした


そしての美しい景色の中にはとても栄えていて、活気のある王都も見えた……


ことり「すごく綺麗な景色だね……」


私はそう言ってしばらくの間その景色みとれてしまいました


凛「でしょ!凛のお気に入りの場所なんだっ!」


花陽「きれい………」


凛「ここから見える朝日がとっても綺麗なんだよ」


ことり「ずぅっと向こうの方まで見えるねぇ……」


視線を王都からさらに向こうへ向けると、そこには私の知らないいろいろな場所が見えて少し感動しちゃいました


凛「ここに来るとね、今まで自分が悩んでた事がとっても小さく感じるんだぁ」


凛ちゃんの言うとおり、ほんとに自分がとっても小さな存在であるということを改めて実感できて、なんて小さなことで悩んでたいたんだろうって思えてきちゃった


ことり「凛ちゃん。ありがとう」


凛「気にすることないにゃ! あっ! 朝日が昇ってきたよ!」


花陽「うわぁ……………」


ことり「ほんとに綺麗だなぁ………」


凛「雲がなければもう少しよく見えるんだけどね」


私と花陽ちゃんは昇ってきた朝日に釘付けになってしまいました


少し雲が多いけど逆にそれが朝日の光を際立たせているようにも見えました


そのあまりの美しさに私はとっても元気をもらった気がします


ことり「私…王都に戻ろうかな……」


花陽「ことりちゃん?」


ことり「もう1回お父さんと話してみるよ!」


凛「それがいいにゃ!」


花陽「でも、もしダメだったらどうするの?」


ことり「もしそうなったらね、お母さんにお願いして義聖団に入ろうと思うの」


花陽「えっ!?急にどうしちゃったの?」


ことり「私ね、自分で思ってることを相手に伝えることは大切だと思うの。でも言葉だけじゃ伝わらないこともあるって、今回のことでわかったの………自分がどれだけ本気なのかは、お互いに本気でぶつかり合わなきゃ伝わらないって……」


花陽「そっか……」


ことり「だからね、今度は全力でぶつかってみようと思うの。自分の思ってることを行動で示していこうと思う!そうすればお父さんだけじゃなくて他のいろんな人たちの助けにもなると思うの!」


凛「ことりちゃんすっごくカッコいいにゃ!」


花陽「ことりちゃんはすごいなぁ……花陽には絶対にできないや………」


ことり「そんなことないよっ!花陽ちゃんだって変われるよ!」


花陽「うん………ありがとう…」


凛「このまま王都にもどるの?」


ことり「そうだね……そうしよっかな!思い立ったらすぐに行動しないとね!」


凛「ことりちゃん。お願いがあるにゃ!」


ことり「?」


凛「もしことりちゃんが義聖団に入るなら凛も一緒に入れて欲しいにゃ!」


花陽「ええっ!?凛ちゃんまで!?」


凛「かよちんも入る?」


花陽「ムリムリムリムリムリ!!!」


凛「じょ、冗談にゃ………かよちん戦闘は苦手だもんね。流石に無理にとは言えないにゃ」


ことり「それじゃあ王都に行こっか!今からならお昼前には着けそうだし」


凛「いっくにゃ〜!かよちんも行くだけ一緒に行こうよ〜」


花陽「い、行くだけならいいよ?」


凛「なんで疑問系?」


ことり「でも、花陽ちゃん……今日の朝何か頼まれてたような………」


花陽「!!!!!!!!」


凛「そうなの?」


花陽「忘れてたぁ!!!!ごめんね!また今度一緒に行こうね!」ダッ


そう言うと花陽ちゃんはものすごい勢いで村へ走って行ってしまった……

そんなに大事な用事だったのだろうか…

確かお米がどうとか言ってた気がするようなしないような…………


ことり「花陽ちゃん、ものすごい勢いで行っちゃったね」アハハ…


凛「凛はこっちのかよちんもすきにゃ!」


ことり「ふふっ 2人とも本当に仲良しだね」


凛「ことりちゃんも同じぐらい仲良しだよ?」


ことり「! ありがとう」ニコッ


そうして私と凛ちゃんは新しい目標を胸に秘め、王都に向けて歩いていった


ーーーーーー

ーーーー

ーー


・王都・


ことり「すごく曇ってきちゃったね」


凛「雨は降らないで欲しいにゃ…」


ことり「そうだね〜」


そんな会話をしながら私と凛ちゃんは王都にやってきた

私の場合は戻ってきたの方がいいのかな?


凛「これからどうするにゃ?」


ことり「私はとりあえずお父さんのところへ行って話をしてきたいな」


凛「そっかぁ〜」


ことり「凛ちゃんにも付いて来て欲しいんだけど…いいかな?」


凛「凛が行っても大丈夫なの?」


ことり「うん!その方がお父さんにもいろいろ話しやすいしね!」


凛「わかったにゃ!」


そう言ってお父さんがいるお城へと凛ちゃんと一緒に向かうことにしました

するとその途中に……


凛「なんか向こうの方が騒がしくないかにゃ?」


と、突然凛ちゃんに言われて見てみるとお城から少しのところにある中央広場で何やらすごい人だかりができていた


ことり「ほんとだね」


凛「後で見に行ってみよ!」


ことり「今じゃなくていいの?」


凛「まずはことりちゃんの用事を済ませてからにゃ!」


ことり「凛ちゃん、ありがとう!」


そして私達はその人だかりを横目にみて通り過ぎていった………………



ーーーーーー

ーーーー

ーー


・城内・


ことり「あれ?お父さんがいない?」


城内にやってきた私たちは王の間にやってきたのですが、お父さんの姿が何処にも見当たりませんでした


凛「どっか行ってるのかなぁ?」


ことり「う〜ん……」


凛「どうする?」


ことり「とりあえずお母さんの所へ行って何処にいるか聞いてみよう」


そして、城内にあるお母さんの部屋の前にやってきたけれど………


凛「中から話声が聞こえるにゃ」


ことり「多分ノックして入れば大丈夫だと思うけど………」


そう言って私が部屋の扉をノックしようとした時でした

不意に部屋の中の話が聞こえてきました………



女王「遂に騎士団が強行手段に乗り出してきました」


???「そんなっ!?」ガタッ


女王「情報によるとレーンの村という悪魔の住む村を襲撃するとのことです」


ことり「えっ………………」


私はそれを聞いた瞬間驚きのあまり固まってしまった……

頭の中が真っ白になってしまった……………


???「決行はいつですか?」


女王「それが……もうすでに向かっているらしいの………」


ことり「っ!?」


それを聞いた途端

私は花陽ちゃんの事が頭に浮かんできた


ことり「行かなきゃ…………」


凛「ことりちゃん?どうしたの?」


少し離れたところにいた凛ちゃんには聞こえていなかったらしい


ことり「今すぐ村に戻ろう!」


凛「え?どうして?」


ことり「騎士団が動いたって……………レーンの村が…………花陽ちゃんが危ない!!」


凛「え? えっ!?」


いきなりの事に凛ちゃんの頭はついてこれていないらしい


ことり「とにかく急いでっ!!事情は走りながら説明するから!!」ダッ


凛「わ、わかったにゃ!」ダッ


そう言って私は凛ちゃんの手を引っ張って村へ向かっていった……


ーーーーーー

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ーー



???「では、私はそのレーンの村に向かえばいいんですね?」


女王「お願いします」


兵士「報告です!」


女王「どうしましたか?」


兵士「大変です!広場で暴動が起こりました!そして、国王様が…………国王様が殺されました………」


女王「なっ!?」


???「こんなタイミングで………」


女王「詳しく説明してください」


兵士「はい、実はーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーとのことです」


???「真姫が!?…………どうして!?」


女王「絵里さん、あなたはそちらへ向かってください」


絵里「村の方はどうするのですか?」


女王「そちらは私が向かいます……」


絵里「ですがこのタイミングで女王様が抜けられては………」


女王「レーンの村はそこまで遠くない。すぐに戻って来れられるので大丈夫です」


絵里「わかりました………案内してちょうだい!」


兵士「はいっ」



ーーーーーー

ーーーー

ーー



走ってしばらくして雨が少し降り始めてきた

なんてタイミングの悪い雨なんだろう

私と凛ちゃんは全速力で村へと走っていった…………


凛「どうしてこのタイミングでこんなことを………」


ことり「わからない………」


凛「皆んな………無事でいて………」


ことり「花陽ちゃん………」








そして村に着いた時私達は絶望した……

家なんて物は一つ残らず壊され、焼かれていた

彼方此方には戦った形跡が見られた

村には人の気配は全くない

此処には以前村があったとはとても思えないような有様であった

そして、村の住民であろう悪魔達の屍体も……………そして、生き残っている者の姿はどこにも見られなかった…………



凛「か………かよちん……………みんな……………」ガクッ


ことり「こんなの…………ひどすぎる………ひどすぎるよ……………」ボロッ


私達は言葉を失ってしまった

あまりの酷さに涙が溢れ出てきた

そしてさっきまで小雨だった雨が突然豪雨へと変わっていった…………

凛ちゃんはそのまま膝から崩れ落ち泣き叫んでいた…………


凛「どうして……………どうしてこんなこと!!!!なんでっ…………………」ポロポロ


ことり「こんなの…………間違ってる…………」


凛「みんな…みんな死んじゃいやだよ…………凛を置いていかないでよ…………

かよ………ちん…………うわぁぁぁぁあ!!!!!」


ことり「凛ちゃんっ………」ギュッ


私達でさえこんなに悲しいのに……

凛ちゃんがどれだけの悲しみや苦しみに苛まれているのだろうか……

私には全く想像がつかなかった

だから私はひたすら強まっていく雨の中、只々凛ちゃんを抱きしめてあげる事しかできなかった……………………






女王「これは酷い…………」


ことり「お母さん…………?」


女王「こ、ことり!?どうしてここに?」


お母さんは何人かの護衛を連れて私達より少し遅れてやってきました

私はお母さんに今までの事の経緯を全て話し、そして…………



女王「ことり。本気で言っているの?」


ことり「うん。本気だよ。私を義聖団に入れて!」


女王「…………」


凛「凛も………凛も入れてください…」


女王「!? 」


ことり「凛ちゃん……大丈夫なの?人間のせいでこんな事になっちゃったのに………」


凛「人間が憎くないと言えば…それは嘘になると思う…………」


ことり「………」


凛「でも、凛はみんなで仲良く暮らしていきたいと思ってる………きっとこの村のみんなもそう思ってたはず…………だから凛はその願いを叶えたいの!」


ことり「凛ちゃん………私もそう思う!花陽ちゃんだってきっとそう思ってる!私もこの世界を変えたい!だからお願い!!私達を義聖団に入れて!!!」


女王「……2人の意志はきちんと受け取りました。わかりました、2人の義聖団へを許可します……いえ、こちらからお願いします。是非入って下さい」


ことりん「「はい!!!」」


女王「凛さん……本当に申し訳ありません。私がもう少し早く気付いていればこのようなことには………」


凛「女王様が謝ることじゃないにゃ。全ては魔神復活させた連中のせいにゃ。だから気にすることないにゃ」


女王「ありがとうございます。これからよろしくお願いします」


凛「もちろんにゃ!凛達は【神器】だって持ってるし、絶対にやってみせるにゃ!!」


女王「!!!凛さん……【神器】を持ってるのですか?」


凛「うん!ことりちゃんも使えるよ?」


女王「ことりまでも………」


ことり「ごめんなさい……今まで黙ってて……」


女王「そういうことでしたか…………これもまた女神の導きでしょうかね…」


ことりん「?」


女王「いえ、なんでもありません。私はこれから急いで戻らなけらばなりませんのでお先に失礼します………」


ことり「何かあるの?」


女王「……先ほど王都で暴動が起こりました………」


ことり「え!?」


凛「王都でもそんなことが………」


女王「はい………そうですね…………あなた達も一緒王都へお願いします。詳しい事は移動中にお話しします…」


そう言って私達はこの村を後にして王都へと向かった

その際にお母さんから暴動について聞かされた………………

私はあまりの衝撃にしばらくの間、独り泣いていた……



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・10日後


あの事件から10日が経ちました

国王が亡くなったこともあって国は少し混乱気味です

騎士団は解散するかと思いきや、なんとこの国から一部独立して新たな組織を作りあげたそうです

つまり騎士団の団長の命令1つで動けるようになってしまった…………

しかし、国政はほぼすべてお母さんがこなすようになり国民の方は少し安定してきたように見えます

そして私はこの10日間、ただひたすら落ち込んでいました

どんな人であっても国王は私のたった1人のお父さんでした………

私はお父さんを失った悲しみに耐えられませんでした

ですがようやくもち直すことができそうです


ことり「おはよう」


凛「ことりちゃん……もう大丈夫?」


ことり「うん……ごめんね、心配かけちゃって」


凛「気にすることないにゃ!それよりも早く行こ!」


ことり「うん!」


そして今日、私と凛ちゃんは正式に義聖団に入団することになりました



・義聖団本部・



絵里「あなた達が新入りさん?って、ことり姫!?」


希「どうして姫様がこんなところに?」


ことり「今日から義聖団に入ることになったの。だからよろしくね!」


やっぱりびっくりしちゃうよね………

仕方のない事だけど……


絵里「は、はい。こちらこそ……」


希「よろしくお願いします」


ことり「2人とも、これから私に敬語は使ったらダメだよ?あ、姫って呼ぶのもナシだよ!」


絵里「で、ですがしかし………」


ことり「もう!!これからは仲間なんだから変に気を使わなくていいからね?」


希「わ、わかりました…」


ことり「むぅ…」ムスッ


絵里「え、ええと……よ、よろしくね?ことり?」


ことり「うん!」


凛「ことりちゃんってやっぱり凄い人なんだね!」


希「えっと……」


凛「凛は凛にゃ!これからよろしくにゃ!」


希「よろしくな。凛ちゃん、ことりちゃん」


絵里「凛もこれからよろしくね」


凛「こちらこそにゃ!!」


ことり「よろしくね、みんな!」


こうして私と凛ちゃんの義聖団としての生活が始まった

魔神を倒し。平和な世界を作るために…


そういえば、義聖団は私たちは以外は3人居たって聞いていたけどもう1人はどこへ行ったのだろう………

それとも私の勘違いでしょうか?

まぁどっちでもいいよね?♡


私はこの日、この世界を平和にしてみせると心に誓った


〜 ことりの章 〜 END

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〜海未の章〜


海未「今日はこの街で宿をとることにしましょう」


絵里「そうしましょうか。これだけ歩くと流石に疲れるわ」


穂乃果「もうクタクタだよ〜〜」グデー


私たちは今、王都から少しばかり離れたところにあるマルヌという街で宿をとることにしました

と言うのも魔神が復活してからもう3年が過ぎ、1つ目の【宝玉】封印が解けたとのことです

私たちはそれを悪魔達よりも先に回収するために王都からこの街へやって来ました



・宿屋・


穂乃果「宝玉ってさぁ、大体この辺りにあるんだよね?」


絵里「そうね、でも詳しい位置まで分からないからしばらくはここを拠点に探さないとね」


穂乃果「それにしても女王様ってすごいよね〜あんな物まで持ってるなんて」


海未「そうですね。しかし、あれがなければ宝玉の位置を知ることされ出来ないのですから…………」



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・2日前・


女王「いきなり集めて申し訳ありません。急用なもので」


海未「どうしたのですか?」


この日私、穂乃果、絵里は急遽女王様に集められました

希と凛とことりは、別の任務があり今は王都にいないので…


女王「実は1つ目の【宝玉】の場所がわかりました」


絵里「ついにですか………」


女王「これを見てください」


そう言って女王様は何やら不思議な地図を見せてきました


海未「これはいったい何ですか?」


女王「これはMagic Distribution Map 通称MDMと呼ばれるものです」


穂乃果「まじっくでぃすとなんちゃら?」


絵里「穂乃果…………」


女王「要するにこの地図はこの世界に今ある自然の魔力の分布を表したものです。この赤い点が魔力の集まっているところで色が濃いほどそこには大きな魔力あるということになります」


穂乃果「なるほど……」


海未「本当にわかったのですか?」


穂乃果「流石にここまで説明されたら分かるよ!」ヒドイッ


絵里「まぁまぁ落ち着きなさい、穂乃果」


穂乃果「でも、自然の魔力ってどういうこと?」


女王「この世界のあらゆるものは必ず魔力を秘めています。なので生物以外の魔力を読み取ることの出来るのがこの地図です」


海未「でも、そんなもの役に立つのですか?」


女王「人間はあまり使いませんが悪魔達は何に使うかは知りませんがよく使うそうです。そんな事はどうでもいいのですがここを見てもらえますか」


穂乃果「真っ黒だね……」


海未「これはとてつもなく魔力が高い場所ということでしょうか?」


女王「そういうことです。そしておそらくこれが宝玉だと思われます」


絵里「それでは私たちはここに向かえばいいのですね?」


女王「よろしくお願いします」


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絵里「借りてきたはいいけど、いざ見てみるとすごいアバウトね……」


海未「大体の場所が分かるだけ良いと考えておきましょう。とりあえず今日はもう寝ましょう。明日、早朝から出発しますので」


絵里「なんか、私よりも海未の方が団長っぽいわね」クスクス


海未「そんなことありませんよ。義聖団の団長は絵里でなければ務まらないと思いますし。穂乃果もそう思いますよね?」


穂乃果「………」zzz


絵里「ふふっ 寝ちゃってるわね」クスクス


海未「私たちも早く寝ましょうか」


絵里「そうね」



・翌日・


海未「少し早く起きすぎましたね……」


絵里が寝ているのを見てそう思いながら穂乃果の方へ目をやると、なんと穂乃果の姿がありませんでした


海未「どこへ行ったのでしょう………穂乃果がこんなに朝早く起きるなんて………」


私はそう呟き街へ穂乃果を探しに行きましたがすぐに見つけることができました


穂乃果「あれ?海未ちゃん、どうしたの?」


海未「穂乃果こそどうしたのですか、こんなに朝早く」


穂乃果「ちょっと早く目が覚めちゃって……寝れそうになかったから裏でちょっと剣術の稽古をしてたの」


海未「珍しいこともあるものですね」クスクス


穂乃果「最近すごい訓練ばっかりやってたからどれだけ成果がでてるか気になっちゃって」アハハ


海未「では、久しぶりにやりますか?」


穂乃果「おぉ!海未ちゃんやる気満々だね!やろ!」


海未「手加減はしませんよ」


穂乃果「もちろん!」


…1時間後…


穂乃果「朝から疲れた〜」


海未「それにしても穂乃果の剣はいつ見ても美しいですね」


穂乃果の神器は【神聖剣エクスカリバー】というらしく、いかにも他の神話にも出てきそうな名前ですが、見た目が非常に美しく穂乃果のようにいつも光輝いて見えます


穂乃果「そうかなぁ?海未ちゃんの弓もカッコイイじゃん!」


私の神器は【氷亂神之弓】という弓です

この弓には矢がなく自分の魔力を氷の矢へと変換し撃ち込むという少し特殊な弓です

今の私の魔力では一度に15〜20本ほどの矢を高速連射できます


海未「そう言っていただけるとなんだか嬉しいですね」


穂乃果「でもさ、いつも思うんだけど海未ちゃんあれだけ撃ってもよくガス欠にならないよね」


海未「女王様いわく私は他の人よりも魔力が格段に多いらしいです。なのでこの弓を使うことができるようです」


穂乃果「ほえ〜〜〜やっぱり海未ちゃんはすごいね!」


絵里「2人ともこんなに朝早くから何やってるの?」


穂乃果「あ!絵里ちゃん!おはよ!」


海未「おはようございます絵里。少々稽古をしていただけですよ」


絵里「熱心なのはいいけどムリはだめだからね?」


海未「わかっていますよ」


絵里「それならいいけど。もう少ししたらここを出て探索に行きましょ」


穂乃果「どこから探しにいくの?」


海未「あの地図によると街の西側でしたよね?」


絵里「そうね。とりあえず西の森から探しに行きましょ」


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・マルヌの街 西の森・


穂乃果「全然見当たらないね……」


海未「そうですね………」


絵里「そんなに簡単に見つけられても困ると思うけど?」


海未「それもそうですが……」


穂乃果「流石にこれはね……」


私たちはかれこれもう3時間ほど探していますがそれらしきものは影も形もありません

絵里の言うとうり簡単に見つかってもらっては困るのですが、それでも手がかりさえつかめていません


絵里「まぁもう少しだけ探してみましょ。それでも見つからないなら1度街へ戻って考えましょ」


海未「そうですね……………ッ!?」


穂乃果「ッ!?」


海未「絵里、穂乃果…」


絵里「ええ」


穂乃果「2人とも感じたんだね」


海未「はい。 なんとなくですが魔力の流れが変わりましたね……」


先ほどまでと辺りを取り巻いている魔力の感じが変わったように感じました

絵里と穂乃果もそれを感じたからでしょうか、2人とも顔つきが少し変わりました


絵里「この辺りにあるのは間違いないわね……でも、どうしていきなり」


海未「絵里、あれを見てください」


私が指差したその先には魔法で時空が歪んでいるような、そんな感じの結界みたいなものがありました


絵里「なるほどね、見ただけでは分からないように魔法で風景を同化させてるのね」


穂乃果「どうりで歩いてるだけじゃ見つからないわけだね!」


絵里「とりあえず行ってみましょうか」


海未「……」


絵里「海未?」


海未「いえ、なにも」


今…一瞬何処からか視線を感じました

気のせいなら良いのですが、ここで下手に言うと注意力が散漫になる可能性があるので黙っておきましょう


絵里「かなり強い魔法で守られてるわね。これじゃあ中には入れないわね」


穂乃果「2人ともちょっとどいて?」


海未「穂乃果?」


穂乃果に言われたとうりに私と絵里はその場を離れました

そして穂乃果の右手にはあの美しい剣が…………


穂乃果「よーし!いくぞ!!」


絵里「ほ、ほのか!?」


海未「あなた!まさか!?」


穂乃果「《ホーリージャッジメント》!!!!!」


穂乃果の右手の剣の一撃は眩い光を放ちながらいとも簡単にあの強力な結界を破壊してしまいました…………


穂乃果「いえ〜〜い!」ピース


海未「穂乃果!何をやっているんですか!」


穂乃果「え?何って、結界あったら先に進めないから壊しただけだよ?」


絵里「もう少し別の方法はなかったのかしら………」


海未「あなたは森ごと吹っ飛ばす気ですか!?」


穂乃果「ちゃんと加減したからのダイジョーブだよ〜〜」


海未「はぁ………」


絵里「海未………あなたもいろいろ大変そうね」


海未「他人事みたいに言わないでください!」


穂乃果「早くいこ〜よ〜」


海未「まったく………」


穂乃果はいつもこうやって何も考えずに強引にやってしまうのです……

私は昔からずっとこれには悩まされてきました………

ですが今回は結果として先に進めるのでよしとしましょう



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・宝玉の間・


穂乃果「これが宝玉かぁ」


絵里「思いの外簡単に手に入ったわね」


海未「そうですね。ですがこれを王都に持ち帰るまでが任務ですからね。油断はできません」


絵里「そうね。早いうちに引き返しましょう」


海未「……」


そして私たちはここを後にした



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・マルヌの街 西の森・


宝玉を無事手に入れて街へ戻る道中、また先ほど感じた視線を何度か感じました…………

やはり気のせいではなかったらしいですね

敵となると厄介ですね

そう思いながら私は歩みを止めた


絵里「どうしたの海未?いきなり立ち止まって?」


海未「………」


穂乃果「海未ちゃん?」


海未「先ほどから私たちの跡をつけているようですが、あなたは何者ですか?」


私は振り向きざまに唐突にそう質問した


???「ほぅ………私の隠密を破っていたとはなかなかだな」


絵里「なッ!? いつから!?」


海未「私が視線を感じたのは穂乃果が結界を破る直前でした」


???「それほど前から気づかれていたとは、私も鈍ってきたかな」


そう言って出てきたのは腰に刀を差し、とても顔が整っていて美しい女性だった


穂乃果「あなた、誰?」


英玲奈「私の名は英玲奈。その他は見ればわかるな?」クスクス


英玲奈と名乗るその女は1度深く目を閉じ、そして開かれたその目は【悪魔の目】をしていた


絵里「それで、私たちに何か用かしら?」


英玲奈「言わずともわかるだろう?」ニヤニヤ


穂乃果「絵里ちゃん、海未ちゃん」


海未「わかっています!」


そして私たちはそれぞれ神器を手にし臨戦態勢に入った


英玲奈「それは答えはNOということでいいか?」ニヤニヤ


海未「当然です。宝玉は渡しません!」


3対1であれば確実にこちらに武がある

私はそう考えていました


英玲奈「それなら少し強引な手段を使うとしよう……」


そして英玲奈も刀の柄に手を置いた


絵里「いくわよ!」


海未「はい!《アラウンドショット》!!」


無数の氷の矢が英玲奈に向かって放たれた


英玲奈「はぁっ!」


しかし英玲奈はそれをたった一太刀で全てなぎ払った

そしてその直後、絵里が飛び出していき英玲奈の足元を狙い斬りかかる

だがそれも英玲奈は大きく上に飛び上がり簡単に避けられてしまう


英玲奈「なかなかいい連携だがまだ甘いな」


しかし英玲奈が飛び上がっだ先には穂乃果が既に技を構えていた


穂乃果「もらった!《ホーリージャッジメント》!!!!」


英玲奈「甘いと言っただろう?」


穂乃果「!?」


英玲奈の姿が突然穂乃果の前から消えた


海未「穂乃果っ!!上です!」


私はそう言いながらあの体勢からでは防御は間に合わないと判断し4、5本ほど矢を放った

しかしそれもまた一太刀で弾かれしまう


穂乃果「海未ちゃん、ありがとう」


海未「穂乃果、油断してはいけませんよ」


絵里「さっきのあれはなによ……瞬間移動にしか見えなかったけど……」


海未「相手の力量がまだ正確に計れていない以上無闇に攻撃を仕掛けるのは危険ですね」


英玲奈「おしゃべりしている暇があるのか?」


そしてまた英玲奈の姿が見えなくたった


刹那………


穂乃果「うぐッ……」


海未「穂乃果!!」


突然穂乃果が腹部を抑え倒れた


絵里「っ!? 一体何が……」


そして英玲奈はいつの間にか絵里の真後ろに立っていた


英玲奈「動きが鈍いな」ニヤニヤ


絵里「ぐはッ」


絵里が英玲奈の存在気が付いた時には既に遅く、振り向きざまに絵里の横腹に英玲奈の蹴りがクリーンヒットした


英玲奈「今ので肋骨3、4本はいったか?本当に人間は脆いな」ニヤニヤ


海未「絵里!!」


私は相手の力量を完全に見誤った……

今、目の前で何が起こったかさえ理解が追いついていない……

そして私たちでは敵う相手ではないと瞬時に感じた

穂乃果と絵里が一瞬にしてそしてたった1撃で沈められたのだ………


英玲奈「そうだな、今一度問おう。宝玉を渡してくれないか?そうしたら命までは取らないでおこう」


絵里「ダメよ……海未………」


英玲奈「お前は黙っていろ」


絵里「っうぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」


英玲奈は先ほどと同じ所を思い切りふんずけた


海未「くっ……」


私はどうしたら…………

このままでは皆んな殺されてしまう……


英玲奈「どうする?」ニヤニヤ


穂乃果「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」


すると突然穂乃果が立ち上がり英玲奈斬りかかっていったのだ


英玲奈「興ざめだな」


英玲奈はそう言い、刀を抜き穂乃果に向かっていった…………


海未「穂乃果ぁぁぁぁっ!!!」


穂乃果「っ!?」


私の身体は無意識に動き出し

そして…………


絵里「海未ぃぃぃぃぃぃ!!!!!」


穂乃果の元へと足を運んでしまった…………












海未「っ………だいじょう…………ぶ……ですか…………ほの………か……っ」


穂乃果「海未ちゃん……どうして……」


海未「ほのかだけだも…………にげて………くださいっ…………このままではっ…………みんなころされてっ………しまい…………ますっ」


穂乃果「海未ちゃん!!海未ちゃんっ!!!!しっかりして!」


海未「どうか………ほのかだけでも…………ぶじでいてっ…………くださぃ……」


穂乃果「海未ちゃぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!!!!!」


穂乃果にそう言い残し私の意識は深い闇の底へと落ちていった…………………



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海未「ここは…………」


私は目が覚めると、そこは見慣れない部屋のベットの上でした


海未「あの時……私は…………」


ことり「海未ちゃんっ!!やっと………すぐに絵里ちゃんを呼んでくるね!」


そう言ってことりすぐにいなくなってしまった


海未「どうなっているのでしょう……」


絵里「海未!」


すると突然ものすごい勢いでことりと絵里がやってきました

そして絵里は私を力一杯抱きしめてきました


絵里「よかった………ほんとによかったわ」ポロポロ


ことり「海未ちゃん………」ポロポロ


海未「あの、すいませんが状況があまりつかめていないのですが………ここは一体どこなのですか?」


絵里「あぁ ごめんなさい。ここは城の病室よ」


海未「!? ということはここは王都なのですか!?宝玉はどうなったのですか!?穂乃果は!?」


ことり「お、落ち着いて海未ちゃん」アセアセ


海未「っ……申し訳ありません。しかし、私はあの時致命的な攻撃を受けたはず………」


絵里「私も海未が斬られた後に何があったかは詳しくわからないの。私もあの後気を失ってしまって…………ただ、穂乃果が英玲奈に勝ったということは間違いないみたい」


海未「穂乃果が英玲奈に勝った………しかし、どうやって?」


絵里「わからないわ………私たちをここまで運んで来てくれたのも穂乃果みたいよ。そうなのよね、ことり?」


ことり「うん。あの時はほんとにびっくりしたよ。2人とも傷だらけで………海未ちゃんなんて私の魔法でも治せるかどうかわからないほどだったんだよ?」


ことりは戦闘ができない代わりに義聖団の中でも、いえ、おそらくこの世界で1番の治癒魔法の使い手なのです

そのことりでも治せるかわからないほどの傷を負っていたとは……

本当に私が生きているのが不思議です


海未「ことりが治してくれたのですか。ありがとうございます」


ことり「これくらい当然だよ。私はこれぐらいしかみんなの役に立てないから」


海未「そんなに謙遜しないで下さい。私たちはいつものことりに助けられているのですから」


ことり「海未ちゃん………ありがとう」


海未「ところで、穂乃果はどこにいるのですか?」


ことり「………」


絵里「………」


海未「どうかしたのですか?」


私がした質問に2人は言葉を詰まらせました

恐らく何かあったのでしょう………


海未「話してもらえませんか?」


絵里「穂乃果は………義聖団を辞めたわ……」


海未「なっ!? どうして!?」


私は予想もしていなかった絵里の言葉に思わず声を上げてしまった


ことり「わからない……でも穂乃果ちゃん……いつもと雰囲気が違ったの」


絵里「私もそう感じたわ……あれは少なくとも私の知っている穂乃果ではないわ」


海未「義聖団を辞めてその後どうしたのかわからないのですか?」


絵里「……騎士団に入ったわ………そして今は騎士団の団長よ………」


海未「騎士団の…団長?」


絵里「ええ、もう少し厳密に言うと穂乃果が騎士団を乗っ取ったってところかしらね」


海未「………」


あの穂乃果がそんなことを………

私には全く理解ができません

やはり直接会った方が早いのでしょうか………


海未「騎士団の本部へ行けば穂乃果に会えますか?」


絵里「穂乃果に会うつもり?」


海未「はい、やはりきちんと自分の目で確かめたいのです」


絵里「そう………じゃあ騎士団本部へ行きましょう」




穂乃果「その必要はないよ?」


私たちが立ち上がり向かおうとした時、突然穂乃果がやってきました……


ことり「穂乃果ちゃん………」


穂乃果「海未ちゃん、あの時はごめんね。私のせいであんなことに」


海未「いえ、気にしないで下さい。それより穂乃果……どうして義聖団を辞めたのですか?」


穂乃果「海未ちゃんには関係ないことだよ」ギロッ


海未「っ!?」


穂乃果「でも、別に宝玉を集めて魔神を完全には復活させないっていう目的は同じだからその時は穂乃果も力をかすよ」


海未「穂乃果………」


絵里とことりが言った様に、穂乃果の雰囲気は私から見ても違うとはっきりわかりました

あれはいつもの……私の知っている穂乃果ではありません………

では一体私たちの目の前にいるこの人物は誰なのでしょうか…………


穂乃果「それじゃあね」


海未「待って下さい!」


穂乃果「なに?」


海未「一体………あなたは一体誰なのですか?」


穂乃果「変なこと聞くね、海未ちゃん。穂乃果は穂乃果だよ。言いたいことはそれだけ?」


海未「穂乃果……あなたに一体なにがあったのですか?」


穂乃果「お前には関係ないって言っただろ。2度も言わせるなよ」ギロッ


海未「っ!?」


絵里「ちょっと穂乃果!待ちなさい!」


穂乃果は絵里の制止を無視してこの場を去っていきました…………


ことり「海未ちゃん……だいじょうぶ?」


海未「すいません、少し1人にしてください」


ことり「うん………絵里ちゃん、いこ」


絵里「海未………何か力になれることがあったらいってね?私たちも協力するわ」


海未「ありがとうございます………」


そうして絵里とことりも病室を去っていきました



海未「本当に………どうしてしまったのですか………穂乃果………」ジワッ


あれは私の知る穂乃果ではない

なぜこんなことになってしまったのか

私の頭のなかはそのことでいっぱいになってしまった

穂乃果のあの冷たい目………感情のないあの言葉…………

その1つ1つが私の心をいやに締め付けてくる

どうして…………なぜ……………

私は1人、病室のベットの上でそんなことを考えていました…

そして、ただひたすら涙をながしました


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・翌日 義聖団本部・


絵里「海未、もう体の調子はいいの?」


海未「はい。ところで希たちはまだ帰っていないのですか?」


ことり「騎士団があんなことになっちゃったからすぐに帰ってくると思うんだけど……」


海未「今さらながらなんですが私はどれくらいの間意識が無かったのですか?」


ことり「ちょうど一週間くらいだよ」


海未「そんなにも………」


絵里「ほんとに心配したのよ?あのまま目が覚めないんじゃないかと……でも、元気になってくれてよかったわ」


海未「ことりには感謝しきれませんね」


ことり「海未ちゃんが元気になってくれて本当に良かったよ」


海未「この恩はいつか必ず返します」


ことり「うん!それで絵里ちゃん、今日は何をするの?」


絵里「そうね…………今日はとりあえず初めにほのーー 凛「ただいまにゃ!!!!」


絵里が始めようとしたとき、ちょうど凛たちが任務を終えて帰ってきました


ことり「おかえり!凛ちゃん!希ちゃん!えと……どちら様?」


希「ただいま。えっとこの子はにこっち。新しく義聖団に入れようと思って連れてきたんや」


にこ「ちょっと希!紹介するときにその呼び方はないでしょ!そこはちゃんとフルネームで言いなさいよ!」


希「え?そうなん?」


絵里「………」


海未「………」


ことり「………」


にこ「あんた…………まぁいいわ、私は矢澤にこ。よろしくね」



絵里「よ、よろしく…」


海未「よろしくお願いします……」


ことり「よろしくね!」


希たちが連れて来たのは矢澤にことういうちょっと小柄で華奢な少女でした

これで私より年上と言うのですから少々驚きです

義聖団に入れるということは彼女も【神器】の使い手なのでしょう

そして私たちは希たちからここまでの経緯を説明してもらいました



希「そういえば海未ちゃん、もうだいじょうぶなん?大怪我したって聞いたんやけど?」


海未「はい。ことりのお陰でこの通りです。ご心配をおかけしました」


凛「さすがにゃ!ことりの ちゃんがいれば怪我なんてへっちゃらにゃ!」


ことり「私的にはみんなには怪我なんてして欲しくないな……」


凛「な、なんかごめんにゃ………」


絵里「雑談はその辺にして、早速本題に入るわよ」


海未「穂乃果のことですか…」


絵里「ええ、希たちはさっき帰ってきたばかりだから最初から説明しないといけないしね」


希「穂乃果ちゃんがどうかしたん?」


凛「そういえばまだ来てないにゃ」


にこ「穂乃果って誰よ?その子も団員なの?」


絵里「そのことについてだけど……今から説明するわ」


そうして私たちはそれぞれ席に着き、絵里は昨日までにたあった出来事を任務の報告がてらに全て話した



希「穂乃果ちゃん………」


凛「どうして………」


にこ「いきなり状況がシリアスすぎるわよ………」


海未「そういうことですから、今からまず何をすべきか話し合おうと」


希「穂乃果ちゃんはうちらのこと忘れてしまった訳やないんやよね?」


絵里「ええ、記憶の方はおそらく大丈夫よ。人格だけが変わったと言ったところかしらね」


希「なるほどね………」


海未「何か心当たりがあるのですか?」


希「…………ごめんな、うちにも分からへんわ……」


私は希の返答に少し間があったことに少し違和感を覚えましたがここで問い詰めてもおそらく希は言わないと思いそのまま話を流したました


海未「そうですか………私も絵里も先ほど言ったように英玲奈と穂乃果が戦った様子がわからないもので、何がきっかけなのか全く検討がつきません」


希「英玲奈っ!?」ガタッ


にこ「急にどうしたのよ?知り合い?」


希「ごめん……何もない……女王様なら何か知ってるかもしれんし、ちょっと聞いてくるわ」


にこ「あ、ちょっと!希!」


希は英玲奈と言う言葉を聞い途端、表情が少し変わりました

そして、逃げ出すようにこの場を去って行きました

にこの言うように知り合いなのでしょうか?

どちらにしろ穂乃果の事と英玲奈の事について後で詳しく聞くとしましょう


凛「その英玲奈って人はだれにゃ?」


絵里「さっき説明した、私たちが戦った悪魔の名前よ」


にこ「希はそんな奴と知り合いなのかしら?」


ことり「でも、希ちゃんすごく怖い顔してたよ……」


海未「そうですね……」


その後、私たちはしばらく話し合いましたが結局何も収穫はありませんでした…

そして、希はこの場には戻ってこず、そのまま解散となりました


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・希の家・


その日の夜、私は穂乃果の事について聞くために希の家へやってきました


希「それで、話って言うんはなに?」


海未「穂乃果についてです」


希「どうしてうちに聞きにきたん?」


海未「希……あなたは何か知ってるんじゃないですか?」


希「………」


海未「お願いします、教えてください」


希「どうしてそんなに知りたいの?」


不意に希の声のトーンが少し低くなりました

そしていつもの優しい表情は一切なくなり張り詰めた空気が漂いました


海未「私にとって穂乃果は誰よりも大切な人です。だから、穂乃果に何かあったのなら何とかしてあげたいのです!」


希「海未ちゃんは穂乃果ちゃんについてどこまで知ってるの?」


海未「残念ながら私には何もわからないのです………ただ、今の穂乃果は私の知る穂乃果ではないということは分かります」


希「そっか……」


海未「ですから、どんな些細なことでもいいので教えてください!」


希「私が穂乃果ちゃんについて心当たりがあるのは1つだけ…………穂乃果ちゃんは幼い頃にこの国で秘密裏に行われてた実験の犠牲者だってことだよ………」


海未「実験………?」


希「私も実験の内容は詳しく知らないけど、多分その影響だと思う」


海未「穂乃果にそんなことがあったなんて…………」


希「知らないのも無理はないよ。この実験に関与した人はほぼ全員殺されてるからね……」


海未「ならどうして希は知っているのですか?」


希「昔の友人の家で資料を見つけてね。もう全て燃やされちゃったけど…」


海未「そうですか……それで、どうすれば穂乃果は元に戻るのですか?」


希「一応女王様に聞いてきたんだけどね、こればっかりは分からないらしいよ」


海未「そうですか………ですが必ず穂乃果を元に戻してみせます!」


希「そうやねっ!うちも出来る限り協力するでっ!」


希の表情はいつの間にか元に戻っていました

本当にこの人は私にはよく分かりません

つかみ所がないと言うか………


希「あ、そうそう。さっきの話は絶対に他人には話しちゃあかんよ」


海未「それはなぜでしょうか?」


希「さっきもいったやろ?関与した人は皆殺されてるって。それにこの国には何か大きな秘密がありそうやしな」


海未「わかりました」


希「今は穂乃果ちゃんを元に戻す方法を気長に模索しながら、宝玉を集めるんがいいと思うで」


海未「そうですね。魔神の事もありますし、両方とも必ず何とかしてみせます!」


希「その意気やで!」



穂乃果………いつか必ず貴方を元に戻ししてこの世界を救ってみせます!




絵里「希!」


すると突然絵里がやってきました


海未「え、絵里!?」


希「どうしたんえりち?そんなに慌てて」


絵里「海未もここにいたのね。ちょうどよかったわ。宝玉が見つかったわ。今すぐ女王様のところへ行くわよ!」


海未「わかりましたが、どうしてそんなに慌てているのですか?」


絵里「宝玉の封印が2箇所同時に解けたみたいで………女王様も予想外だって言うから急いでみんなを集めてるの」


希「2箇所同時に………確かにおかしな話やね………」


絵里「とりあえず今すぐ集まってちょうだい!」


海未「はい!」


そうして私たちは女王様の元へと集まっていった


〜海未の章〜 END

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〜真姫の章〜


私はこの世界を守りたい、平和にしたいと思っていた

けど、現実は違った

私がそう思っていた世界はもっともらしい綺麗事で溢れかえっていた


人を騙し、裏切り、消す



あの時もそうだった…………



だから私はこの世界を………………

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真姫「お父さん、何か手伝えることはある?」


真姫父「そうだな………じゃあ、患者の見回りをお願いしたい」


真姫「分かったわ」


魔神が復活してそろそろ半年が経とうとしていた

私はいつもの通りに義聖団で任務をこなしながら父が営んでいる病院の手伝いをしていた

母親は私が小さい頃に事故で亡くなったらしく母親に関する記憶などほとんど残っていなかった


真姫父「いつもすまないな」


真姫「これくらいどうってことないわ。それより、今日も行くの?」


真姫父「国王様からのお呼び出しだからな。いやでも行かんとならんのだ」


この頃、父はよく王様に呼び出されていて、城で何やら話をしているらしい


真姫「気をつけて行ってきてね」


真姫父「そんなに心配する必要はないといつも言っているだろう」


真姫「でも…………あの人は何をするかわかったもんじゃないわ」


真姫父「例えどんな人であっても一国の王である人だ。そんな無茶苦茶な事はしてこないだろう」


真姫「…………」


真姫父「じゃあ、行ってくる」


真姫「行ってらっしゃい………」


そうして父は城へと向かって行った

何故だか今日は嫌な予感がしていた

何か起こるのではないかと…………



しかし、そんな心配は杞憂であった

その晩、父は何事も無かったかのように家に帰ってきた

が、しかしその表情はとても険しかったことから、おそらく何かあったのだろう

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・義聖団本部・


真姫「はぁ………」


希「ため息なんかついてどうしたん?幸せが逃げてまうよ?」クスクス


真姫「そんなことで逃げる幸せならいらないわ」


希「そう言わんと、真姫ちゃん。またお父さんのこと?」


真姫「………」


希「そう心配せんでもええと思うんやけどなぁ」


真姫「分かってるんだけどね……それでも心配になっちゃうのよ」


希「確かに最近不穏な動きが目立ってきているけどなぁ。何で呼び出されてるのかわからん以上何も言えんし……」


希もやはり何かを感じているのだろう

王様の様子がどうにもおかしい

そう感じていたのは私だけではなかった

らしい


真姫「いいことじゃないのは確かよ。いくら聞いても教えてくれないからね」


希「うーん…」


真姫「もうしばらく様子を見ることにするわ」


希「うちも何かわかったらすぐ教えるな」


真姫「ありがとう」


私はここでふと疑問に思ったことがある

希はなぜ私の父のことを知っているのだろう?と


真姫「希……あなたってどうして何でもしっているの?」


希「それはどういう意味や?」


真姫「そのままよ」


希「うちとて何でも知ってる訳やないんやけどなぁ」


真姫「じゃあどうして私の父親のことを知っているのよ」


希「………」


真姫「まぁいいわ、また色々相談するかもしれないからよろしくね」


希「うん」


真姫「それじゃあね」


希「ねぇ、真姫ちゃん」


真姫「なに?」


希「真姫ちゃんはこの世界、この国をどう思う?」


真姫「別にどうも思わないわよ。ただ、私の日常を侵すものがあるならそれを排除するまでよ」


そう、私は今ある毎日が続けばそれでよかった……………


希「そっか………」


真姫「なぜそんなことを聞くの?」


希「ちょっと気になったからね」


真姫「じゃあ希はどう思うのよ?」


希「今のこの状況は好きじゃないなぁ。けど、うちは今を楽しむことにしとるでな」


真姫「………」


本当に希は不思議であると思った

と同時に少しだけ希の中にある何か触れてはいけないものが見えた気がした…


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


そして、あの日は唐突に訪れた


それはとても曇っていて朝から嫌な日だった


私は父に連れられて一緒に王様の元へと行くことになったのだ


・城 待合室・


真姫「何で私まで呼ばれたの?」


真姫父「分からない。だが、良いことでないのは確かだろう。油断するなよ」


真姫「………」


待合室にはご丁寧にお茶とお菓子まで用意されていた


そして1時間ほど経った時私たちは呼ばれたのだった




国王「よく来たな」


真姫父「今回はどのような件でしょうか?娘まで連れて来させるとは………」


国王「要件はいつもと変わらんよ。もう一度だけ聞こう、どうする?」


真姫父「お断りします」


真姫「えと……何の話?」


国王「おや?話していなかったのかね。

簡単に言えばあの病院にいる悪魔を殺せということだ」ニヤニヤ


真姫「なっ!?」


この人は何を言っているのだろうか

そこまでする必要なんてあるはずがない


真姫父「私には患者を殺すことなどできない。何回も断っているはずだ」


国王「そうか、残念だ……非常に残念だ。ならば私が自分の手でやるしかないな」


真姫「あんた、本気で言ってるの?」


ここまでくるともう狂ってるとしか言いようがない

誰かがこの人を止めなければ………


真姫父「そんなことさせません!」


国王「お前たちはおとなしく寝ていろ」


真姫「何を馬鹿なこと……を……」


そう言いかけたとき不意に私は凄まじい眠気におそわれた


真姫父「こ、これは………」


国王「ちょっと小細工をさせてもらったのだよ」


待合室にあったお茶とお菓子のことだろうか

いや違う、私も父もあれには手を付けていなかった

なら何故…………

私たちはそのまま眠りに落ちた…………


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


真姫「……ここは…………」


私は目をさますと城の近くにある街の広場で手錠をかけられ座らされていた

そして目の前には沢山の人が…………


真姫「このっ!」


私は手錠壊そうとしてみるけれど全く壊れる気配がない


真姫父「真姫………」


横を見ると父も私と同じようにされていた…………

そして国王が父へと近づいて行く………


国王「これより罪人の処刑をとりおこなう!」


真姫「なッ!?」


私たちが罪人?

何をふざけたことを言っているのだ

一体何をしたって言うのだろうか……


真姫父「私はどうなっても構わない。だが娘は何も関係ないだろ!」


国王「だからどうした?」


真姫父「貴様っ!」


国王「ボソボソボソボソ」


真姫父「!?」


国王は父の耳元で何かを囁いた

父はそれを聞くと目を大きく見開き少し動揺していた


国王「さて、どうする?」ニヤニヤ


真姫父「………わかった…その代わり最後に一言だけ娘に言わせて欲しい」


国王「いいだろう」


私にはその会話のやりとりが全く理解ができなかった

そして父が私の元へとやってきて耳元で誰にも聞こえないように私だけに話しかけた


真姫父「私の書斎に行けば全てわかる。だから何とかして生き延びてくれ…」


父は私にそう言い残した………


真姫「待ってよ!どういう意味よ!」


真姫父「あとは頼んだぞ……」


国王「ではまずお前の処刑からだ」ニヤニヤ


真姫「どうしてこんなことするのよ!?」


国王「そいつをとりおさえておけ」


真姫「痛いわねっ!離しなさいよ!」


私はあっという間に数人の兵士に押さえつけられてしまった

その上手錠までされているのではどうしようもない…………


真姫「やめてよ…………お願いだから…………」


国王「では、さらばだ!」


真姫「やめてぇぇぇえええええ!!!!!!!!」


私の叫びには耳も傾けず、父は無残にも


首をはねられてしまった……………


私の目の前で……………………


真姫「いやぁぁぁぁあああああ!!!!!!!!」


何故父は殺されなければならなかったのだろうか…………

私は何て無力な人間なんだろうか………


真姫「なんで…………なんでこんなことするのよ!!!!!」


国王「貴様には一生分かるまい」ニヤニヤ



国王は笑っていた………



人を……父を殺しておいて平気な顔で笑っている



父は誰かを助けるために今まで病院で患者を診てきたのだ



その仕打ちがこれか……………




なんでこんな奴が王様なのよ…………




許さない…………絶対に許さない!




真姫「………殺してやる…………」



私の中に真っ黒でドロドロとした感情が湧き上がってきた



そしてそれは私の鼓動をどんどん早くさせる………



何故だろう………身体の底から力が………得体のしれない何が…………私の中から溢れ出てきた……………




国王「今のお前に何ができる?父親1人助けられないお前に何ができるというのだ?」





真姫「こんなの間違ってる…………」




誰かを助けたい、この国を、世界を守りたいと思った人間が殺されるなんて間違っている




これが私が守りたかったものなのだろうか……………





違う……………





こんな世界………こんな国…………






間違っている…………………









それならばいっそこんな世界……………
















真姫「壊してやる…………全部!!壊してやるわよ!!!!!!」


国王「なにッ!?」


私を押さえつけていた兵士を全て押しのけ私はあの手錠をいとも簡単に壊したのだった

そして右手には無意識のうちに神器を手に取っていた


国王「貴様………その目っ! 今すぐこいつを殺せ!!」


真姫「《乱舞・烈風神斬》!!!!!」


私はあの込み上げてきた力の限りを出してこの一撃を放った


そして私を取り囲みに来た兵士諸共国王の首を一瞬にして跳ね飛ばした……


辺りには真っ赤な血の雨が降り注いでいた…………………


広間にいた大衆からは悲鳴などが飛び交っていた………


私はすぐさまその場を逃げだし、父の遺言の通りに家へと向かった


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


・真姫宅・


あんな大技を放ったというのに全く疲労を感じない…………


むしろまだ力が有り余っている


一体私はどうしてしまったのだろうか…


そんなことを考えながら私は父の書斎へとやってきた

するとすぐに父が私に見せたかったであろうものが出てきた


真姫「何なのかしら…………」


私はそれを手に取り読んでみた


『誰がこれを見ている頃にはきっと私はこの世にはいないだろう


これはただの自己満足でしかないのかもしれないが私はここに自分の家族の秘密についてと私の犯した罪を書き留めておくとする


私は人の身でありながら悪魔の女性を愛してしまった


そしてその女性と結婚し生まれてきたのが真姫である


真姫は人間と悪魔の混血であるが今のところ悪魔特有の体質は見られない


たがこの先、真姫の身に何が起こるか私にもわからない


真姫が生まれすぐにその女性は人間からも悪魔からも迫害され、私はそれを助けてやることができず、最後には人間の手によって殺されてしたまった


私は今でもそれが悔やまれてならない


だから私は真姫にも同じ被害が及ぶのではないかと恐れこの事を隠し続けてきた


真姫にこの事をずっと黙ってきたことを本当に申し訳ないと思う


だから私は何があっても真姫だけは守り抜く、そう誓った



次に私の罪についてだ


私は以前、この国の恐ろしい実験に携わっていた


その実験というのは人口的に人間の体に悪魔の血を混ぜたらどうなるかというものであった


そして人口的に悪魔を作り出すというものだった


その実験のために作られたのがあの病院なのである


その実験では多くの犠牲者がでた


しかし、たった1人だけ成功した少女がいたのだ


その子の名は高坂穂乃果と言い当時はまだ2〜3歳ぐらいだったであろうと思われる


私たちはその子についてどうなったかを見届ける前に私以外殺されたのだ


実験が成功すると同時に…………


私はその後、度々その子を観察しては何か実験の影響はないかを確かめてきたがやはり真姫と同様に何も変化は見られず人間と悪魔の混血では悪魔の力は使えないという結論に至った


だがその子に苦しい思いをさせたのは間違いのない事実である


私はその子にも謝らなければならない


また犠牲になった人たちにも…………


これが私の犯した罪である




それは余談になるが、私はある日この世界のとんでもない事実を知ってしまった…………


宝玉にかける全ての闇を消し去るという魔法は使い方を誤ればこの世界を丸ごと消し去ることができてしまうということを知ってしまった


そして何よりあの伝説には都合がいいように作り変えられているということだ


これはまだこれから先研究の余地がありそうだ…………


最後に、読んだ人物にお願いがある


もし真姫に会うことがあったらすまないと一言伝えて欲しい』



真姫「何よ…………これ……………ふざけないでよ……………」


私は一通り父のこの手紙に目を通し

そして頭の中が真っ白になった


今まで父から聞いてきたこととは全く違う現実に私は絶望した


そしてあの時私の中から込み上げてきたものが何なのか察しがついた


私はそれを確かめるべく鏡に映る自分の顔を確かめてみた……………


真姫「片目だけ…………」


やはりあの力は悪魔のものだった……

混血だからであろうか私は左目だけが悪魔の目をしていた


真姫「私って一体何なんだろう………」


そんな疑問が頭に浮かんできた


自分の母親のことや父のやってきた非道な実験…………


私はますますこの世界に対する憎しみが溢れ出てくるのを感じた


真姫「これからどうしよう…………」


私はこの世界を壊してしまいたい


父を裏切り、母を殺し、そして私を騙してきた………


しかし、この世界を壊す方法はあっても宝玉を集めるのにもう義聖団にはいられない


真姫「あいつのところに行けば……この世界を壊せるかも…………」


私はふとそう思って家を飛び出した

そして豪雨の中、1人この街を抜け出して行った



街の外れから出ようとした時、不意に聞きなれた声が聞こえた


希「いた!」


絵里「真姫!!あなた…一体どうして……」


それは希と絵里だった


真姫「あんたに何がわかるのよっ!!!!!!」


絵里「!?」


一体どうして、と言う絵里の質問に私はつい感情的になってしまった………


何も知らないくせに………………



希「その目………どうして…………」


真姫「あなた達に見えるままよ」


絵里「どういうことか説明してくれない?」


真姫「断るわ。それより何しに来たのよ」


希「真姫ちゃんが暴動起こしたって聞いたから、事実を確かめるために探してたんやけど……」


真姫「やっぱり私が悪者扱いなのね。無理もないわね……」


絵里「どういう意味?」


真姫「都合の悪いことは全て隠しておくのがこの国のやり方ってことよ!」


絵里「………」


真姫「それじゃあね。もうついてこないで」


絵里「待ちなさい真姫!」


真姫「なによ?まだ用があるの?」


絵里「あなたを捕まえて来るように言われてるの………だから大人しく私たちについて来てくれない?」


真姫「もちろん断るわ」


絵里「それなら力ずくで連れて帰るわ!」


真姫「なぜそこまでするの?命令だから?」


絵里「貴方が私たちの大切な仲間だからよ!道を誤った仲間を連れ戻すのは当然だわ!」


真姫「そう…………」


私は強く地面を蹴り、絵里と希の目の前絵まで一瞬にして近づき思い切り腹を殴った


希「うぅっ………」


絵里「くッ………真姫………」


力の加減が未だ上手くできない

私は以前に比べ圧倒的に身体能力が上昇していた

この悪魔の力は私の思っているよりもかなり強力なものらしい………


真姫「まだ立つの?あなたじゃ私には勝てないわよ」


絵里「だったとしても………私はあなたを止めなきゃ………ならないのよ」


真姫「わからないわ………何故そこまでするのか」


絵里「さっきも言ったでしょ!真姫、あなたが大切な仲間だからよ!!」


真姫「っ…………絵里ってどこまでもお人好しね…………」


絵里「うがッ…………」


私はさっきと同じところに蹴りを入れた


そして絵里は気を失ってしまったらしい


真姫「絵里……ありがとう……」ボソッ


希「ま……まきちゃん……」


真姫「希………あなたにお願いがあるわ。私の父の書斎に行って来てくれる?」


希「どうして……今そんなことを?」


真姫「あなたが探してるものがそこにあるかもしれないからよ。あなたがこの世界の秘密について探っているのを知らないと思ったの?」


希「…………」


真姫「だからそこに行ってちょうだい。そして私の家を焼き払って欲しいの」


希「………」


真姫「これはあなたにしかお願いできないことよ。あなたもこの世界に疑問を持っているのでしょ?」


希「………」


希は私の言葉に返事をしてこない

やはり希もこの世界の異常に気がついているのだろう………


真姫「するしないは自由よ、それじゃあね」


そう言い残して私はその場を去った

その後、希が私を追ってくることはなかった…………


私はどうして希にあんなことを言ったのだろうと今でも疑問に思っている……


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・???・


あんじゅ「あなた……どうやってここまで来たの?ここに人間は来られないはずよ?」


真姫「こう言うことよ」


あんじゅ「なるほどね……その目、片目だけれども悪魔の目ね………悪魔と人間のハーフってところかしら?」


真姫「そうよ」


あんじゅ「それで、何しに来たの?お友達まで連れてきて」


真姫「あんた達に協力しようと思ってね」


あんじゅ「その言葉を信じろと?」


真姫「あの国の王を殺してきたわ」


あんじゅ「ふふふっ、あれをやったのはあなただったのね。前言撤回するわ、あなたみたいな人最高に好きよ」クスクス


真姫「それはよかったわ」


あんじゅ「でも何故急にこんなことを?」


真姫「もうこんな世界うんざりなのよ。全て壊してやりたいほどにね」


あんじゅ「本気で言ってるみたいね」クスクス


真姫「冗談で言うわけないでしょ」


あんじゅ「いいわよ。あなた達を仲間にしてあげるわ」


真姫「ありがとう」


私はあの後、いろんな悪魔の住む街や村を回り、ようやくここにたどり着いた


悪魔しかいないこの世界に……………



あんじゅ「でも、あなた達って魔力や魔法についてどこまで知っているの?」


真姫「それはここに来るまでの色んな街や村でちゃんと学んだわよ」


あんじゅ「へ〜〜相変わらず勉強熱心なのね。じゃあ悪魔については?」クスクス


真姫「そっちに関してはあんまりよ」


あんじゅ「ふ〜〜ん。まぁあなたは一応人間でもある訳だしね。そこの子はちゃんと掟を守ってるのね」


???「………」


真姫「掟?」


あんじゅ「そう、私たちの悪魔の秘密を人間には決して知られてはいけないっていう悪魔の掟よ」


真姫「人間には知られてはいけないなんて、それじゃ私には教えてくれないの?」


あんじゅ「別にあなたには教えてあげるわよ。一応悪魔だしね。」クスクス


真姫「それで、どんな秘密よ」


あんじゅ「私たち悪魔はね、人間って呼ばれてる奴らと別に変わりはないのよ。

ただ、あいつらと流れてる血が違うだけ。あいつらよりも魔法に適応しやすいってだけなのよ」


真姫「それじゃあ人間も悪魔も元を辿れば人間ってこと?」


あんじゅ「まぁだいたいはね」


真姫「なるほどね。そして結局は自分たちの都合がいいようにしたってわけね」


あんじゅ「それはちょっと違うわね。私たち悪魔には悪魔って呼ばれる所以がちゃんとあるのよ」


真姫「?」


あんじゅ「私たちはあいつら人間の魂を喰らうことで本当の力が出せるのよ。そしてその分寿命も延びる」クスクス


真姫「人間の……魂………」


あんじゅ「だから私たちは昔、悪魔と恐れられそのまま悪魔と呼ばれるようになったのよ」


真姫「魂を食われた人間はどうなるの?」


あんじゅ「一度に全て喰われれば死ぬわよ。でも、半分ぐらい残っていれば自然に回復するものだからちょっとぐらいは問題ないわよ。それに個人によって喰らう事の出来る魂の量が決まってるしね」クスクス


真姫「じゃあ、あなたは…………」


あんじゅ「限界なんてとっくに超えてるわよ?私が何年生きてきたと思ってるのよ」クスクス


真姫「でも、私の場合はどうなるのよ」


あんじゅ「それは私にも分からないわ。でも、あなたは他人から奪わなくても自分の魂があるからね。無限なんじゃない?」クスクス


真姫「どうりで力の加減が難しいわけね………」


あんじゅ「こんなの慣れよ。あ、でも人間の魂を喰らうのも掟で禁じられてるわよ」


真姫「あんたは破ったってこと?」


あんじゅ「そういうことよ。あんな掟守ってたら息苦しくて死んじゃうわ〜。でもあっちの悪魔たちは誰一人として魂なんて喰らってないと思うわよ。あなたもないでしょ?」


???「うん………」


あんじゅ「じゃあまた今度集めに行きましょ」クスクス


???「でも、掟を破るなんて………」


あんじゅ「ここに来た時点で掟なんてあってないようなものよ」クスクス


???「………」


あんじゅ「じゃあ決まりね」クスクス


英玲奈「何やら面白そうな話をしているな」


あんじゅ「あら英玲奈じゃない。この子たちを仲間に入れることにしたからよろしくね〜」


英玲奈「またお前は無茶苦茶なことを…」


あんじゅ「だいじょうぶよ〜〜」


英玲奈「まぁいい」


真姫「ねぇ、質問いいかしら?」


あんじゅ「なぁに?」


真姫「あなた達はどうして魔神の力を取り戻したいの?」


あんじゅ「………」


英玲奈「あんじゅ、別に話してやってもいいんじゃないか?」


真姫「?」


あんじゅ「実はねーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」


真姫「何よそれ………そのためにあんな芝居までしてるの?」


英玲奈「別に芝居をしているわけではない」


真姫「じゃあ何よ?」


あんじゅ「言うなればこれは呪いね」


英玲奈「確かにそうとしか言えんな…」


真姫「意味がわからないわ」


英玲奈「ツバサに会えばわかるさ。今は眠りについているがな。きっとお前たちも正気ではいられなくなるさ」


あんじゅ「そういうこと。なんでも経験してみるものよ。この続きはまたその時ね」


そして私は魔神完全復活に手を貸すと言う建前の元、宝玉を集めることにした



この世界を壊すために…………………



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あんじゅ「何を考えているの?」


真姫「ちょっと昔を思い出してただけよ」


あんじゅ「そう………うっ……」


真姫「…くっ……この感じ………」


あんじゅ「ツバサが……目覚めたみたいね………」


真姫「うぅっ…………」












あんじゅ「ふふっ それじゃあ行きましょうか」


真姫「ええ、2箇所なんて厄介ね」


あんじゅ「今は英玲奈があんな状態だから頼んだわよ」


真姫「わかってるわ。行くわよ花陽」


花陽「うん」





〜真姫の章 END〜

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〜にこの章〜


にこ「こころ!ここあ!どこにいるの!」


私は1時間ほど前に妹達とあるものを探しに村から少し離れた山にやって来ていた

しかし、いつも間にか妹達とはぐれてしまったのだ…………