2018-02-12 10:54:59 更新

概要

俺ガイルの恋愛ifストーリーです。
ヒロインはまだ決まってませんが。


俺に青春なんてあるわけが…

「私、比企谷くんの事が好きです」


言った後、どれだけの静寂が続いたのかわからない。

10秒、20秒。あるいは1分以上経っていたかもしれない。

時間を忘れるほどに俺たち奉仕部、そして一色は驚いていた。


長い沈黙を最初に破ったのは雪ノ下だった。


「比企谷って、まさかこの男?」


雪ノ下にしては珍しく、俺に指を指しながら言った。おい、いくらなんでも失礼ですよね。いやいいけど。


「はい、そうです」


女の子はきっぱり答えた。


もちろん、俺のことを好きな女子がいることにも驚きはあったのだが、それよりもこの場で告白した理由の方が気になっていた。


「な、なんでそれを奉仕部に?」


俺の疑問を由比ヶ浜がテレパシーで受け取ったかのように口に出した。


「はい。実はここにいる一色さんと目が腐った男の人が付き合ってるって噂を聞いて。もしかしたらと思って。」


一色の方をちらりと見ながら説明する。

てかその噂本当だったのかよ。相変わらず酷い言われようである。


「今までは片想いのままでいいかなって思ってたんですけど、やっぱ少し気になっちゃって」


「では、依頼とは恋のキューピッドをしてほしいというより、付き合ってるかどうかだけ知りたい、と?」


「そうです」


「だそうよ。どうなの?あなた達」

雪ノ下が俺たちに聞く。

由比ヶ浜は何故かモジモジしていた。


とその前に、ひとつ確認しなければならない。このケースは一度経験したことがあるからな。

「罰ゲームではないのか?」

「ちがいます!」

即答だった。告白は本当なのだろう。


「それで、どうなの…?」

雪ノ下と由比ヶ浜の質問に答えようとした俺より先にずっと顔を赤くしていた一色が答えた。


「つつつつきあってるわけないじゃないですか!!///」


いやうん、そうなんだけどさ。ちょっと拒否りすぎじゃないですかね。八幡泣いちゃうよ。


「そ、そうなんだ」

由比ヶ浜がホッとしたように言った。どうやら噂は由比ヶ浜にも伝わっていたらしい。


「そうですか、ありがとうございました」


女の子は、もう用はありませんとばかりにカバンを持ち、立ち上がろうとしたが


「ちょっとまって!」


由比ヶ浜の制止の声で席に座り直した。


「な、なんでヒッキーのことがその、す、好きなの?」

「この男を好きになるなんて余程の理由があるのでしょう?」


少しだけ気になる。何故かというと、この子と1度も話した覚えがないからである。


「実は、数ヶ月前の事だったんですけど、電車で席を譲ってる姿をたまたま見て…」


これを聞いた時点でかなりチョロいんじゃないかと思ったのだが、まだ理由はあるみたいだ


「この人いつも目が腐ってるなって思ってたのに、おばあちゃんに席を譲る時の顔がすごく優しそうな顔をしてて。」


「なるほど。ギャップ萌えという奴かしら」

「確かに、ヒッキーって優しくなる時はいつもより目が柔らかくなるもんね、エヘヘ」


由比ヶ浜が何かを思い出しているような顔で言う。


「とにかく私と先輩は付き合ってません!」

「ありがとうございました。では失礼しました」


女の子が出て行ったあと少しの間、変な空間に包まれた。


「世の中には物好きがいるものね」

「ヒッキー、どうするの?あの子の事」


「どうするのって言われてもな…。付き合う気なんてねーよ」


見た目は可愛いらしいとは思ったが、俺は見た目で人を判断しない。


「そ、そっか」


「では、今日の部活はこの辺にしましょうか」






由比ヶ浜と雪ノ下が鍵を返しに、俺は玄関に向かう。

気づいたら一色はいつの間にかいなくなってた。

そりゃああんな噂されたら一色にとってもいい気分じゃないだろう。相手が葉山とかならまだしも。



「お兄ちゃんおかえりー」

「小町って告白されたことあるのか?」


家に帰るなりただいまも言わず俺は気になっていたことを聞いた。

実は女の子に告白された当たりからずっと気になっていたことだ。


「…」

「小町ちゃん、目が腐ってるわよ。」

「なんかあったの?」


小町は聞いたが、何かあったのはなんとなくわかっているのだろう。


「いやまぁ、ちょっと気になってな」

「あるよ?」

「な…んだと…」


まあこんな可愛くて誰にでも公平に接する完璧な女の子が男子にモテないはずがない。

ないが…


俺はふと、数週間前の出来事がフラッシュバックする。

一色が泊まりに来た時、恋バナをするだとか話してたよな。


「ま、まさか…」


「大丈夫だよお兄ちゃん。お兄ちゃんが心配してるようなことはないから」


「そ、そうか」


「お兄ちゃんが妹離れするまで小町がお兄ちゃんのそばにいてあげなきゃだもんね!」


「こ、こまちぃ…」


流れてきそうな涙をなんとか堪え深呼吸をした。

我ながらシスコンだ。


「で、なにがあったの?話してみそ」


隠すことでもないか。また喧嘩になるのやだし。


「今日珍しく依頼が来たんだが…――」



説明してる最中小町がずっとニヤニヤキラキラしていたが一通り今日あったことを話した。


「俺は自分の恋愛事情より小町の恋愛事情の方が気になってたんだけどな」


「それは小町的にポイント高いけどさ。その女の子、それを奉仕部の人達に相談するなんて…しかもいろはさんもいたんでしょ?大丈夫だったの?」


「なんのことだ?」

ほんとになんの事言ってんだこいつ。


「いや、あれー、まだだったの?

まいいや!」



次の日の朝


ピンポーン

家のチャイムがなった。

また一色か?と恐る恐るドアを開けると――


「お、おはよう八幡」

「とととととつか!?どどどどうひたんだ?」


動揺の余り思いっきり噛んだ。

今はそんなことはどうでもいい。


「ほ、ほら。昨日約束したでしょ?朝練のない日は毎日一緒に登校しようって」


「ぐはァ!!!!」


神様。なぜあなたはこのような天使を生み出してしまったのでしょうか。


「ご、ごめんね。迷惑だった…かな?」

「そんなこと天地がなくなってもあるわけないだろ!!!待ってろ!!秒で準備する!!!」


俺は文字通り秒で準備した。もちろん小町に行ってきますと伝えてから。


「いい天気だね八幡」

「そ、そうだな。」

なにこれ傍から見たらカップルに見えるんじゃないの?

テニス部の王子と腐った目の男が付き合ってる噂とか流れちゃうんじゃないの?


「そういえば、俺戸塚に家教えたことあったか?」

「ううん。千葉村行った時にね、小町ちゃんが教えてくれたんだよ。いつでも来てくださいって」


確かに小町も戸塚のこと気に入ってたからな。


もうすぐで学校に着くというところで俺は忘れ物をしたことに気がついた。

自転車である。


勢いで家を飛び出したせいですっかり忘れてた。

しかし、戸塚が早めに来てくれたおかげで遅刻はせずに済みそうだ。


『戸塚と一緒に』学校へ入り『戸塚と一緒に』靴を履き『戸塚と一緒に』教室に入った。


一限目から数学かよ…と思ったが、『戸塚と一緒に』受けるのなら全くもって苦痛じゃない。




ベストプレイスで昼食をとった後、俺は図書室に向かう。


本はなるべく自分で買ったものしか読まないのだが、生憎財布の中には11円しか入っていない。


何にするかなと悩んでいると――


「あれ、先輩?」


「…」


「なんで無視なんですかぁ!!」


「ああ、俺のこと?先輩だけじゃわからんだろ。世界中に何人先輩いると思ってるんだよ。俺から言わせれば、産まれたばかりの赤ちゃんもまだ産まれていない赤ちゃんにとっては先輩なわけで…」


「ああそういうのいいですから。先輩は先輩ですっ」


キャルンっと一色が言った。うぜぇ。


「お前も本借りに来たのか?」


意外だな、と思ってしまった。


「はい。意外だなとか思いました?」


「何、エスパーなの?」


「最近、私も読んでみようかなーって思ってですね」


私も、という事は誰かに感化されたのだろうか。


「そういえば、昨日のっていったらちょっと違うが、噂の件、すまん」


「なんで謝るんですか?」


「なんでって、昨日その噂のせいで嫌気がさしていなくなったんじゃないのか?」


「あー、あれですか。いいですよ、先輩は悪くないですし。噂なんて勝手にさせとけばいいじゃないですか」


思ったよりもさっぱりしてるんだなと思った。



俺が気に入る本をなかなか見つけられずにいると、一色が聞いてきた。


「太宰治とかってどこにあるんですかね」


言いながら、一色は脚立に乗り上の棚を見渡す。


「太宰とかの小説は上にはないと思うぞ」


「そうですか」


俺のアドバイスを聞き、脚立から降りようとしたその時、一色が足を踏み外した。


「きゃっ!」


「危ねぇ!!」


とっさだったが何とか支えることが出来た。


モミ


しかし目の前に、というか俺の顔に一色の背中がくっついてる状態なので何も見えない。


モミモミ


てかさっきからこの感触はなんだ…


モミモミモミ


「…」


あ、待て。この前読んだラノベで同じ光景があった…


とするとこ両手にこの伝わるこの感触は…


「きゃ、きゃああああああああああ/////」


「ちょ、大声出すな!」


俺は高速で両手を離した。


すると、一色の大声によって図書委員らしき生徒が駆け寄ってきた。


「ど、どうしましたか!?」


「あ、ああ。いや。こいつが脚立から足を踏み外してな…」


「そ、そうでしたか。気をつけてください」


言って図書委員らしき生徒は去っていった。


振り返ると既に脚立から降りていた一色は自分の胸を片手で隠すようにし、真っ赤になった顔で唇をわなわなさせながら、

「な、なななな、なんで揉むんですか!///」


先程の反省からか、声を抑えて言った。


「た、たしかにドジった私が悪いですけど、揉む必要ないじゃないですか!」


「す、すまん。何、小さいなりになかなかいい感触だったぞ、うん」


俺は意味不明の慰めを入れたが、逆効果だったみたいだ。


「い、いい感触って///へ、変態!!

結衣先輩と雪ノ下先輩にちくりますよ!!」


「マジでそれはやめてくれ。やめてください」


そんなことチクられたら俺はいよいよ抹消されるに違いない。


「頼む、それだけは…」


「わかりました」


あれ、何かすんなり許してくれたな。逆にいいの?


「ただし」


よくなかった。


「私の命令を何でもひとつ聞いてください」


「え、えぇ…」


「まさか断るんですか?」


「いやさすがに何でもは…」


「揉みましたよね?6回も」


なんで数えてるんですかね。

くそ、チクられるよりはマシか。俺が悪いしな。


「わかった」


一色はふっふーんと鼻を鳴らした後、


「私を名前で呼んでください」


「呼んでるだろ、一色」


「下の名前です」


「それはキツいでしょ」


ぼっちの俺にとって、今まで下の名前で呼んだことがある女子は小町と留美だけだ。


「揉みましたよね?」


「…」


「はぁ、わかった」


俺は深く深呼吸をし、一色の目を見て言った。


「い、いろは」


「/////」


「お、おい?」


「ッハ

さ、そろそろチャイムがなります。もどりますよ」


あ、あれー?名前で呼べって言っといて無視?


俺は羞恥を捨て呼んだのに、一色はそそくさと図書室を出ていってしまった。

…………………………本は?


しかしまあ、俺も借りる気にはなれなかったので一色に倣って図書室を後にした。





失敗した。部室に来て気づいたのだが読む本がない。


「あれ、ヒッキー今日は本読まないの?」


「あぁ、ちょっと金欠でな」


「そなんだ。じゃあさじゃあさ、ゲームしようよ!」


本もなく暇なので、由比ヶ浜の提案に乗ることにした。


「じゃあなにやる?誰が一番早く家に帰れるかゲームするか?」


「それゲームじゃないじゃん!帰りたいだけでしょ!」


もちろん却下された。


「よし決めた!次この部室に入ってくるのは誰だゲーム!負けた方は勝った人の言うことをなんでも聞く!」


由比ヶ浜が提案したが、この部室に人が来るなんてほとんどない。暇つぶしになんのかこれ。


だが、せっかく由比ヶ浜が決めたのだ。それを無下にはするまい。


「私はねー、いろはちゃん!」


まあ、妥当なところだろう。普段の俺ならそう答えていた。しかしこいつは知らない。図書室で俺がやらかした事件を。


今のあいつは俺の顔を見たくないはずだ。最後無視されてたし。


だから俺は、一色の次に可能性のある――


「平塚先生」




開始から20分ほどが経っただろうか。

今更だけどこれ、両方来なかったらただのドア見つめゲームになるんだが。


と、俺がこのゲームに飽き始めていると、廊下を歩く音が聞こえる。


「来た!!!」

俺もドアの方を見つめる。勝ったな。


「こんにちはー、雪ノ下先輩、結衣先輩。ついでに先輩も」


「やったぁ!!!!」


由比ヶ浜がガッツポーズをし、一色にハイタッチをする。一色は「え、どうしたんですか?」という顔をしていた。


「一色、お前なんで来るんだよ」


単純な疑問だった。

あんなことがあったら普通来ないだろ。


「先輩ひどーい!!」と嘆いたあと一色は俺の耳元に顔を近づけ、「いろは、ですよ?」と俺にだけ聞こえるように言った。


ほんとにやるのかよ。しかもこいつらの前で。

まあ、呼ばなきゃいい話だが。


「実はねー」

由比ヶ浜が俺たちのやっていたゲームの内容を説明した。


「だからありがとね、いろはちゃん!」

「いえいえ、お役に立ててよかったですー」

「俺のお役にも立って欲しかったがな」


まあ別に負けてもいいけど。このゲーム罰ゲームとかあったっけ?


「何しに来たんだよ」


「誰に言ってるんですか?」


一色が、ニヤニヤしながら言ってきた。

クソ、こいつらの前で呼ばせる気なのかよ。

てか普通一色しかいないだろ。


「おまえだよ」


「お前って誰ですか?」


めんどくせぇなこいつ。


「い、いろはしかいないだろ」


「「…え?」」

ずっと本を読んでいた雪ノ下と由比ヶ浜の声が重なった。これ面倒になるやつだ。


「なんでヒッキーがいろはちゃんを名前で呼んでるの?」

「セクハラで訴えていいのよ、一色さん」


「なんでなんですかー?」


いらだたしい顔でニヤニヤしてきたので、ほっぺたをつねってやろうと思ったが耐えた。


ここで変に言い返したら俺は本当に通報されかねない。

「ま、まあなんつーかあれだ。何となく、だ。」


「なんとなくで名前呼ぶの!?バカ!変態!ヒッキー!!」


ヒッキーを罵倒用語みたいに使うな。


「なるほど、ひねくれもここまでくるとこうなってしまうのね。哀れだわ」


すごい冷ややかな目で見られてる。やめて、ほんと心痛むから。違うんです。理由があるんです!!言えない理由が!!!


すると、部室のドアが開いた。


「一色いるかー。」

「平塚先生、どうしたんですか?」

「ちょっと生徒会の仕事だ。他の役員は呼んである」

「りょーかいです!では先輩、あとは頑張ってくださいっ!」


あの馬鹿。爆弾だけ置いてきいきやがって。


「あと雪ノ下、君も今後の部活のことで話したいことがある。少し職員室で待っててくれないか」

「わかりました」



部室に残されたのは、次に部室に来るのは誰だゲーム兼ドア見つめゲームをしていた俺と由比ヶ浜。


ちょー気まずい。


「ムーー」


なんかずっと睨まれてる。


「こ、紅茶飲むか?」


「……飲む」


紅茶で機嫌直してくれればいいのだが…


紅茶の入れ方は一度雪ノ下から教わった。

雪ノ下のお墨付きだからと少しだけ自信があった。


「どうだ?」


「ん、美味しい。」


まだ怒ってるなこの子。やはり紅茶だけではダメか。


「なぁ、なんでそんな怒ってるんだ?」


「別に怒ってないし」


それは怒ってる人の言うセリフだ。


「トイレ行ってくる」


やっば怒ってんじゃねえか。


由比ヶ浜がトイレに行くと言って部室を出てから10分くらい経った。由比ヶ浜はまだ戻らない。


「探しに行くか…」


このまま微妙な感じで終わるのは俺とて嫌なので、席を立つ。

なぜか少し早歩きである。

早歩きのままドアを開けると何故か由比ヶ浜がいた。

「えっ?」

早歩きどころか小走りになっていた俺は勢い余って由比ヶ浜に衝突し、押し倒すような感じになった。


モミ


「お、おい由比ヶ浜!頭打って…ない…か…?」


モミモミ


この光景つい昼休みもあったよな。

1日に二人の胸を揉むとかどこのラノベ主人公だよなんて考える余裕は俺になかった。


「…」

「……///////」


俺の手はまだ由比ヶ浜の胸を掴んでいる。


「ひ、ひっきー…?////」


「すすすすすまん!!!」

俺は咄嗟に由比ヶ浜の上からどき、由比ヶ浜も立ち上がった。頭は打ってなさそうだ。


「だ、だいじょうぶ、か?」

「う、うん…///」


俺らはとりあえず部室に入り、自席に付いた。


さっきの気まずさとは比べ物にならないくらいに気まずい。


「ね、ねぇ」


「はひっ?」


噛んだ。


「どうだった?」


「なななにがでしょう?」


「わたしの、その、む、胸」


「ななななななんでそそそんなこと聞くんだ??」

俺動揺しすぎてきもい。


由比ヶ浜の胸は、“想像していた”よりも遥かに弾力があり、柔らかく、そして何よりも大きかった。

なんて、言えるはずもなく

「それは言わなきゃダメか?」

「え!?あ、いや、えーと、何でもない!」


「ゆきのんもいろはちゃんもいなくなっちゃったし、帰ろ!」


先程までの態度はどこへいったのか、由比ヶ浜の切り替えの速さは異常である。それとも、気にしないようにしているのかわからんが。



由比ヶ浜と玄関を出、俺は自転車がないことに気がつく。


「確か由比ヶ浜、駅までバスだったよな」

「そうだよー、どしたの?」

「俺今日自転車を家に忘れてな。バスで帰るかなーと」

「自転車ってどうやって忘れるの?」


そうだな、天使が迎えに来た時とか。戸塚が迎えに来た時とか。


「じゃあ歩いて帰ろ!ヒッキーの家まで送ったげるよ」


「女子に送ってもらうってのもな…」


「いいからいいから!」


由比ヶ浜はさっきと違いかなり上機嫌だ。


帰路についてから5分くらい、お互い言葉を交わすことなく歩いてたのだが、由比ヶ浜が変なことを言い出した。


「私のことも名前で呼んでよ、ヒッキー」


「なんでお前まで…どうしてそうなる?」


「だって私の胸揉んだでしょ?」


「うぐっ」


その脅しせこくないですかね。ていうか理由になってないだろそれ。


「ああもう、わかったよ」


「じゃあちょっと呼んでみてよ」


「……結衣」


「えへへ、ちょっと恥ずかしいね」


「そりゃこっちのセリフだ」


なんて恥ずかしい会話をしているとうちの屋根が見えてきた。


「もうすぐだね」


と由比ヶ浜が言うと、玄関から小町が出てきた。


「あ、やっはろー小町ちゃん!」


「およよ?お兄ちゃんと結衣さんじゃないですかー!もしかして…」


「ちがう。

買い出しか?受験生のお前は家で待ってろ、俺がいってくるよ」


「いいのいいの!これも小町の息抜きだから!あっ、結衣さんは家で待っててくださいねー、じゃまたあとでー!」


小町はさっさと行ってしまった。


「…あがってくか?」


「んーでも悪いよ」


「小町もお前がいてくれた方が喜ぶ。小町のために上がっていかないか?」


「うーん、そっか!じゃお邪魔しようかな」


今月だけで女子を二人も家に連れ込むなんて俺も成長したなとは思わずどこのたらしだ?と少し思った。


「お、おじゃましまーす」


あ、忘れてたけどこいつ猫苦手だったんだ。


「ちょっとまってろ、かまくらを俺の部屋に運ぶから」


「いいよいいよ!これを機に猫に慣れたいし」


リビングに二人きりになると、由比ヶ浜が顔を赤らめていた。

おそらく、部室前でのことだろう。


なんか、色々とやばい気がする。何がとは言わない。


俺は慌ててテレビをつけ深呼吸をした。


もしかして俺、青春してるの?



後書き

この回はもしかすると好きじゃないという感想を持つ人がいるかも知れません。

と、後書きに書いておく。

メインヒロイン候補として由比ヶ浜を挙げてます。検討中だけど。


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