2018-10-20 11:12:59 更新

概要

【オススメ】
作中では、泊地の地理的な位置関係などを利用した作戦や策略が多々出る予定です。

なので、「艦これ 泊地」などで画像検索して泊地や基地の位置関係を見ながら読むと楽しいかもしれません。あ、楽しくなかったらすみません。


色々宣っておきながら、本作は史実に則した物語ではありません。

また史実では基地であった場所も本作では泊地として改変してるなど結構テキトーです。地名の知名度を優先しました(独断と偏見)。


前書き

実は睦月提督です。(唐突)
にゃしい言う方が好きです。勿論言わない方も好きです。

p.s.話練り直しました。


??「遠征ご苦労さん」


??「燃料は1番、弾薬は2番倉庫だ」









「提督~倉庫の扉が開かないってー」




??「はぁ?……ちょっと待ってろ」










ギギギ……






??「ぐぎぎ……えぇ……」





??「ふんっ……!開かない……っ!」ギギギ



埃だらけで扉を開けるこの男……


この男こそ、これより数年後……










提督『押し通る!!前だけ見て進めぇぇぇ!!!』






そう、この若者こそ、

後に調略と策謀と陰謀とイカサマで敵を悉く打ち破り"天下のクソたぬき野郎"と謳われることとなる"提督"である。





だが今は__





提督「あぁぁぁぁああああああ指挟んだぁぁぁああ!!」イタイ!







ただ扉の前でもがくのみ。







提督「だいじょぶかなぁ……?ばい菌入ったりしてないかなぁ……?」ヒリヒリ






「もう!バカじゃないの!?しっかりしてくださいよ!!ほら、指見せて」




提督「ありがとう……」ズキズキ




??「ったく……本来は北上さん専用の薬箱なのに……」


??「そう言いつつも手当してあげるんだよね」


??「ほんと、何だかんだで提督に甘いわよねー」


??「あとで貴女たち魚雷撃つわね、特にメロン」


??「うぇ!?なんで!?」



??「あっ由良用事思い出した、あでゅー」ピュ-




??「えっちょっ待っ!置いてかないでよ~~!!」


??「あっこら!待ちなさい!!」









提督「いででででで!!!!指!!!千切れるからぁぁぁぁぁぁあ!!!」














phase01 抜錨











……



……



……





@大本営






『なんだこのザマは!!』


『MI作戦が成功しても、新たに築いたミッドウェー哨戒基地が壊滅しては、何の意味もないではないか!!』


『機動部隊は壊滅、若き鬼神と謳われたあの提督も、今は療養中だ』


『奴がしくじったのか』


『いやぁそもそもこれは、哨戒基地警備のための追加戦力を彼に与えなかった大本営、軍令部作戦課の落ち度であろう』


『そうだ!攻略後の疲弊した兵力でミッドウェー島の実効支配など……』


『どう責任を取るつもりだ!?』





元帥『まぁ落ち着け』


『『『…………!』』』




元帥『確かに手痛い損失だ。だが、機動部隊ならまだある』


元帥『残存兵力を集め機動部隊を再編するのだ』


元帥『指揮官の人選はそうだな……』





元帥『中将、君に任せる』


中将『……承知、いたしました』





【ナレーション】


2ヶ月前のMI作戦成功の報告を受けた大本営は、すぐさま攻略したミッドウェー島に哨戒基地を建設するよう命令。



大規模な作戦を終えたばかりの一航艦への十分な補給は間に合わず、疲労困憊なところへ今度はミッドウェー島奪取を目論む深海棲艦の猛攻撃に会う。



艦隊は高い練度と巧みな戦術を駆使し奮戦するもその戦力差は如何ともし難く、基地、艦隊は共に壊滅。



開戦以来未曾有の大敗北であった。










中将「というわけで、君を推薦しておいたから」


「…………は?」


「いやしかし私は、輸送艦隊の指揮しか……」


中将「お前が第五航空戦隊、いや、新編第一航空戦隊司令官、提督になるんだよ!」


「それは決定ですか?」


中将「おん」


「氏ね」


中将「何か言ったかね?」


「いえなにも」



中将「頼むよ提督?なーはっはっはっー」


「……」













「は?キレそう」














元帥『君を、第一航空戦隊司令官に任ずる』


提督『全力を尽くしましゅ。……かみまみた』




元帥『……血ぃ出てるよ?大丈夫?』


提督『ふぁい……』










提督「というわけで、異動になった」


由良「……ぇ」






由良「新編第一航空戦隊……?」


提督「ああ。中将が俺を司令官に推薦したらしい。着任は5日後」


由良「ぃぃ5日後!?」


提督「急過ぎだ。今入ってる輸送任務はどうするんだ……」


由良「……」















提督「由良?」



由良「ぁ……いえ」




由良「……すごいですね、一輸送部隊の指揮官が一航戦を任されるまでになるなんて」


提督「わかる」ソレナ





提督「由良には長いこと世話になったな」


由良「……」


提督「初めて部下に持った艦娘が由良で、ほんとによかったよ」肩ポン


由良「……嬉しい」



由良(連れて行っては……もらえないか……)


由良(今まで……ずっと2人で……)






提督『君を預かることになった。よろしく。』




提督『あれ!?!?!?第三泊地から頼まれてたのってボーキサイトだっけ!?えっえっ弾薬送っちゃったよォ!!」



……

……

……





提督『輸送とは前線に荷物を届けるは勿論のこと、戦闘を避け無傷で生還することも任務のうち。輸送は一度きりの仕事ではない。輸送力の維持!これも立派な輸送艦隊の責務である!』キリッ




提督『……っべー。えっ、あっ……ゆ、由良、俺は次どうしたらいい?』









由良(最初は2人で苦労の連続だったけど)




由良(提督さんは頑張って頑張って……)




元帥『これを』


提督『これは……』


元帥『おめでとう、輸送艦隊司令で甲勲章とは、大したものだ』


提督『はい!ありがとうございます!!』





提督『やったぞ由良!!』


由良『おめでとう提督さん!!』


提督『由良のおかげだ!!そだ!ホルムアルデヒドはどこだ!?腐らないように付けとこう!!5%でいいんだっけ?』


由良『いや普通に置いとくだけでいいと思う……』




由良(やばっ……涙が……)ウルッ





由良(やっぱり……)




由良(由良も……一緒に行きたいなぁ……)






「あ、あの!」





提督「ん??」


由良「あ、いや……由良は?」






提督「一緒に異動だけど?」



由良「そうだよね、やっぱり……」









由良「……えっ?」


提督「えっ?って……え?……もしかして嫌です?」


由良「いやいや!!そうじゃなくて……」


提督「由良なくして今の俺はないからな!!当然だろ!」


由良「提督さん……」


提督「というか由良がいないと何も出来んしな俺」


由良「この先不安過ぎるのでそういう発言は控えて下さい……」




提督「どうせ機動部隊には、空母を守る護衛の艦が要るし、それなら気の知れた奴に任せたいのは当然だろ」


由良「まぁ……うん」


提督「まぁでも来るか来ぬかは、自分で決めるが良い」

由良「行く」


提督「早い」ハヤイ...


提督「まさに即断即決。俺でなければ見逃しちゃうね」








提督「早速異動の用意するか」


由良「……うん!」







提督「終わった」


由良「えっ早くない……?」



提督「だって持ってくもんとか特にないし……」


提督「あ、安心しろ。甲勲章はここにあるぞ」


甲勲章 in サンプル瓶


由良「ほんとにホルマリン漬けにしたの!!?!?」



提督「いいじゃん別に」


由良「いやいやだってこれ……えぇ……まぁいいや……」



由良「と、とにかく由良はまだ準備終わってないから……」


提督「何が終わってないので?」


由良「んー私物の整理とか?」


提督「手伝おうか?」


由良「い、いいよ恥ずかしいから」ベシベシ


提督「思春期だねぇ」ニマニマ


由良「違うから!」


提督「違うの?」


由良「ち、違わないけど……」


提督(可愛い)


由良「ていうか提督さん早く過ぎでしょ……」


提督「だって私物とか特にないもん」


由良「そういうものですか?」


提督「いつ死んでも恥をかかないようにな。特に成人向け雑誌は気に入った物も断腸の思いではあるが必ず処分するようにしている。隠して見つかった時のダメージが大きいのでな」ドヤドヤ


由良「……へ、へぇー……」





由良「別に誰も聞いてないけど……」


由良「というかそれバラしたら意味なくない……?」


提督「」




提督「……ふぅ」


由良「……?」





提督「ええい!!転属奉行じゃ!!出会え出会え!」


由良「何この茶番」





提督「その段ボールの中身を改める!!」


由良「ちょっダメだってば!!」





提督「……ふぇ?」






提督「……?……??」つ電マ






由良「?どうしたの……?」


提督「えっ」






提督「あ……いや……」






提督「これ、このピンクの……可愛いね……何に使うのかなぁ↑??」




由良「これ?夕張からもらったの。首とか凝ったときに使うと気持ちいいの」


提督「気持ちいいの?」


由良「うん、気持ちいい」


提督「……気持ちいいの?」


由良「??うん、気持ちいいよ?」


提督「えっっっっっっっr」


由良「??」



提督(どうする……どうすんのこれ)


提督(これ絶対ソッチ用のだけど……夕張め……言わずに渡したな?)




由良「提督さん?」


提督「……これな、本当の使い方あるの知ってる?」


由良「え?知らない」




提督「……知りたいか?」


由良「え?うん」







提督「……」チョイチョイ


由良「……?」耳貸し


提督「ゴニョゴニョ」




由良「……え?」





由良「!?!??!/////////」ボンッ






由良「えっ!?えっ!!えっ!?嘘!?////」


提督「……」ヤサシイメ


由良「だって夕張そんなこと……!!えっ……!」//////




由良「……ぁ」クルッ


提督「……」ヤサシイメ



由良「て、提督さん!!違うの!!由良はそんな!!そんな風に使った事ないもん!!本当だよ!?信じて!!」カオマッカ


提督「分かってるよ……夕張にからかわれたんだろ……見つけた時は心臓飛び出るかと思ったけど……まぁ、良かった」


由良「夕張~~~~~~っ!!!!」





提督「とにかくこれは処分しよう……」


由良「あ……ゆ、由良が捨てとくからそれ……」


提督「あ、そ、そう?うん……」


由良「あの、この事は……」


提督「分かってる……約束する……」


由良「うぅ……じゃ、じゃあ提督さんもう向こう行ってて」


提督「はい……その、ごめん由良……」


由良「う、ううん……その、ありがと……知らずに恥かくところだったから……グスッ……1番見られたくない人に見られたけど……」ウルウル


提督「……」


由良「……グスッ……」



提督「じ、準備出来たら教えてね……」


由良「……」コクリ




ガチャ

バタン








5日後



提督、新編一航戦司令官着任。



提督「おお……ここか。我らが新天地」


由良「……うん」





ボロっ





提督「一回り見てみたが、ボロっちいなあ……」


提督「もっと綺麗なとこだと思ってたぞ」


由良「…………由良も」


提督「まぁいずれ改築するだろう。しばらくの辛抱よ」


由良「え?そうなの?」


提督「いや知らん」スタスタ


由良「えぇ……」










提督「さて……と」



提督「由良、夕立、村雨……」


由良「はい」


村雨「はいはーい」


夕立「ぽい」




提督「これからこの戦、主役は我ら……新編一航戦となる」


提督「立ちはだかる敵はコソコソ鼠輸送していた今までの比ではない」






「「「…………」」」






提督「…………」




村雨「……」ゴクリ




提督「…………」




夕立「……?」




提督「…………」




由良「……提督さん?」









提督「…………はぁ……嫌だなぁ」くっそ情けない声








村雨「ずこー」ズコ-


由良「提督さん……」






提督「すまん……」






コンコンコン




夕立「ぽい?」



提督「あ、おう、入れ」





ガチャ





翔鶴「新編第一航空戦隊旗艦、翔鶴。着任いたしました」


瑞鶴「同じく瑞鶴。よろしくお願いします」



提督「遠路遥々ご苦労でありました。一航戦長官となった提督だ。よろしく頼む」


提督「こちらは秘書艦の由良です。由良、これより2人を案内してやってくれ」


由良「はい。よろしくお願いします」


翔鶴「お世話になります」




翔鶴「提督、元帥閣下より一航戦への初任務が」つ資料


提督「え?もう?……コホン。わかった。ひとまず2人は泊地を一回りしてくるといい」


翔鶴・瑞鶴「はい」








ガチャ



バタン




提督「はぁ……」ペラ




提督「顔合わせは済んだな。お前たちも行っていいぞ」


村雨「えーもう?」


提督「なんだよー」


村雨「提督~由良さんと何かあったでしょ」


提督「鋭いなコイツ」(そんなことないぞ)


夕立「提督さん逆でしょソレ」


提督「あ」


村雨「やっぱり~」


提督「大したことじゃないから大丈夫だよ」


村雨「そうなの?」


提督「良いからもう行った行った!じゃないとスキンシップするぞーー」手ワキワキ


村雨「きゃー♪」


夕立「何をー!徹底抗戦っぽい!」


提督「ふっ……遅いッ」ガシッ


夕立「なっ……!?」





提督「でやぁぁぁ!!」コショコショ




夕立「あはははははははははっ!!!降参!!降参っぽいー!!!!」


提督「何ィー?それでも貴様は帝国海軍かー?」コショコショ


夕立「きゃははははははは!!!村雨!!村雨助けてっぽいーー!!」


村雨「えーどうしよーかなー?」


夕立「村雨ーー!!」


提督「ふふふ、村雨ェ……夕立を見捨てるのか?それとも返してほしくば……分かってるな」


村雨「ぐぬぬぬ……」



村雨「もう……///分かったわよ……」ヌギヌギ


提督「!?」


村雨「かかったわね!今よ夕立!」


夕立「ぽいっ」脱出


提督「ダニィッ!!」



村雨「提督もまだまだねー!退却ー退却ー!!」



夕立「童貞提督チョロすぎっぽーい!!」



提督「お、おのれえええええええええ!!!!」




きゃっきゃっ

きゃっきゃっ









ガチャ


バタン






提督「……ふむ」




提督「さてと、資料資料」ペラッ









指令書『ミッドウェー島再度攻略の為戦力を拡充すべし。なお増援は送らじ』




提督「…………」



提督「今からでも辞退間に合うかな」








その夜





@由良私室






由良「…………」



由良「…………」ガサゴソ



由良「…………ゴクリ」//











提督「そういえば由良、アレ結局どうした?」


由良「っっ!?!?////す、捨てましたけど……??」カオマッカ


提督「そうか」


由良「も、もうその話はしないって約束したでしょ?」


提督「ごめんごめん」


由良「も、もう……」アセアセ





phase02 策謀






@執務室





提督「……なんじゃこりゃ」


提督「増援は送らじって……バカなのこいつら?もう転職したい……」


提督「チーズ蒸しパンになりたい……」








由良「提督さん?用って何?」




提督「まぁこれを見たまえ」つ指令書


由良「……?」ペラッ




提督「ミッドウェー島を再度攻略するために戦力を上げろ。ただし増援はしない」


提督「大本営はそう仰せですよ」





由良「これは流石に支離滅裂な思考・発言では?」


提督「海軍はいつも金曜のカレーの具のことで頭がいっぱいだからね、仕方ないね」


由良「何にしても無理ですよ、自力でなんて」


提督「そうは言っても命令が出たからには、やらねばなるまい」


由良「でも現状うちには、由良と翔鶴さん、瑞鶴さん、夕立ちゃん、村雨さんしかいないし……」


提督「……5隻じゃまともに戦えん」


由良「そうね……」







提督「仕方ない……」





由良「どうするの?」


提督「不貞寝する」


由良「無能」


提督「冗談です」








提督「というわけで、直接大本営に掛け合う」


提督「少しの間留守にするがその間、この泊地のことは全て由良に任せてある。彼女の指示に従うように」




「「「「了解」」」」



瑞鶴「……でもさ、本当に援軍なんてくれるの?」


提督「ん?」


翔鶴「南方の戦況は劣勢と聞いています。こちらに戦力を回せるとは……」


提督「何を言う。ミッドウェーを手に入れるのは大本営の悲願。我らはそれを仰せつかっているのだ。必ず、かならず人員補充は認められる」


提督「心配ない。もし大本営が断るようなことがあってもこの俺が、必ず人員補充を認めさせてみせる。だから、お前たちは安心して励め」


由良「提督さん……」


翔鶴「……はい!」


瑞鶴「……うん」








翔鶴「どんと構えていて頼り甲斐がある人で良かったわね」


瑞鶴「えーそうかなぁー?ってかどこから来てるんだろあの自信……」


翔鶴「あら、瑞鶴は提督が嫌いなの?」


瑞鶴「いや、そんなことないけど……翔鶴姉は?」


翔鶴「悪い人じゃないと思うわ」


瑞鶴「うーん……」


















@大本営、会議室





大本営、軍の中枢である。

ミッドウェーでの大敗北をきっかけに、大本営の高級幕僚達は大きく二つの意見で対立していた。




一つはかねてより敵と戦力が拮抗していたが、最近やや押され気味の南方海域を重要視する「南方戦線重要論」を唱えるいわゆる南方派。


南方戦線を重要視するは、南方戦線が崩されると、当てにしている南方方面の資源地帯に危険が及ぶことを避けるためである。


資源地帯を失えばもはや継戦は不可能となるため、南方戦線最優先は当然という考えであった。




対するは、太平洋に睨みをきかせられる拠点としてミッドウェー島を手に入れることこそ最優先事項とする「ミッドウェー攻略優先論」を唱えるミッドウェー派。


敵にミッドウェーを押さえられると、太平洋の制海権が危うくなり、ひいては、本土への直接攻撃を受ける危険が増すことを危惧しての考えである。


故に資源地帯どうこうよりもまず先に本土の安全が第一という立場であった。




本土攻撃回避か、資源地帯優先か。決着はつかぬまま議論は平行線となっていた。





『南方の鎮圧を最優先にするべきだ!!』


『いや!南方は程々に、ミッドウェー攻略が最優先だ!』


『ふざけるな!!南方は現在もぎりぎりで戦っているのだ!ミッドウェーなぞに戦力を分散させるなど、言語道断!』


『ミッドウェーなぞとはなんだ!!あの島が取られ、そこを拠点に敵機動部隊が活動するようになれば、房総半島沖に敵の飛行場があるも同然なんだぞ!!わかっているのか!!』




元帥『…………中将はどう思う?』


中将『……はい、私はミッドウェーに戦力投入は必須と考えます』


『バカな!!ありえませんぞ中将!』


『無礼であろう!黙っておれ!!』


元帥『静かに』





しーーん




中将『南方は、海軍の、いや、この戦争の心臓部とも言える重要な場所。ここを敵に押さえられることはなんとしても避けねばなりません』


中将『一方ミッドウェーは敵に押さえられるとこちらの太平洋での動きが制限され、最悪本土に攻撃が来る可能性があります』


中将『しかしながら、戦力の分散は悪手。ならばぐらついた南方戦線の戦況如何によっては先のミッドウェーの大敗北の二の舞にならぬようにするのが良いかと』


『しかし中将、その間にミッドウェーに拠点ができ、本土が攻撃されるようなことがあれば如何するおつもりか!!』


『そうだ!!』


『やはりミッドウェーです閣下!』


『馬鹿者!南方が破られればそのまま我が軍は総崩れだぞ!!』


『資源はほぼ南方に頼っておるのだ!南方を守らねば戦争継続は不可能!!』





元帥『…………』ハァ...


元帥『休憩とする』







中将「おお、提督」


提督「中将閣下……」





中将「ミッドウェーのねぇ……」


提督「援軍がなければまずもって攻略は不可能です」





中将「んー」




中将「ムリダナ」



提督「そこをなんとか」



中将「旧一航戦が壊滅してから各地で劣勢になっている。追加戦力をやる余裕などない。わかっているだろ」



提督「……」


中将「ところで今日遊郭行くけどお前も来る?」


提督「行きません」


中将「あ、そう……じゃねー」


提督「…………」







提督「クッソ!殴りたいもぉぉぉぉおおおおおおおお」

















@泊地、提督執務室



由良「あ、おかえりなさい」



提督「うん」


由良「それで?どれくらいもらえることになったの?」


提督「うん?」


由良「いや……援軍のこと」



提督「……それより由良」


由良「……」



提督「……」





由良「……まさか提督さん」








提督「…………」



由良「…………」








提督「何の成果も、得られませんでしたァ!!」


由良「えぇ……」




提督「当然だろ、そんな余裕が今の我が軍にあるとでも?」シレッ


由良「いやいやいやいや」


提督「?」


由良「あんなに自信満々だったのに」


由良「必ず人員補充は認められるって……」


提督「……」








提督「……誰が言ったんだ?」


由良「あなたです」








提督「………………」


由良「コホン……『心配ない。もし大本営が断るようなことがあってもこの俺が、必ず人員補充を認めさせてみせる。だから、お前たちは安心して励め』」




由良「ケホッ……」


提督「声帯模写すんな」


提督「時間稼ぎだよ……無理に決まってるだろ援軍なんて」シレッ


由良「うわぁ……」








由良「で?どうするの?」


提督「まぁ落ち着け……」


由良「でも……」


提督「アレだ、とりあえず……援軍は来るということにしておこう」


由良「えぇ……?」


提督「新参の翔鶴と瑞鶴の、俺に対する信頼が失われては困る」


提督「……言っておくが、これは決してあいつらを騙すのではないぞ?これは間違いなくな?」


由良「えぇ……」


提督「……なんだよ」


由良「はぁ……わかりました」














提督「大本営は我々に援軍を下さるそうだ」


翔鶴「本当ですか!?」


提督「嘘は言わんよ」


由良(嘘です)


提督「なぁ由良?」


由良「え?ぁ……うん、本当ですヨー」メソラシ-


瑞鶴「ふーん……で、どれくらい?」


提督「ん?」


瑞鶴「どれくらい来るの?艦種は?人数は?」






提督「…………」





瑞鶴「……?」




提督「あ!!」




提督「ところで夕立!」


由良(ちょ)


瑞鶴「ちょ」


提督「夕立!お前の第二改装が決まったぞ!」


夕立「改装?」


提督「そうだ。来たる決戦に向けての備えよ」


夕立「夕立もっと強くなれるっぽい?」


提督「おぉ強くなる強くなる。どうだ、受けるか?」


夕立「うん!やるっぽい!」


提督「決まりだな!」


由良「じゃあ夕立ちゃんは先に工廠に行ってて?明石さんがもう来てるから」


夕立「ぽーい!!」



ガチャ


バタン



提督「…………」


村雨「いいなぁ〜夕立、村雨も改二になりた〜い」


提督「まぁそう言うな、すぐ村雨にも来るさ」


提督「しかし……ずっと共にやってきたお前らが改装を受けるようにまでなるとは……嬉しいものだ……」





瑞鶴「ねぇちょっと?援軍の規模は?」


由良「……」


提督「あぁ……それはな」





提督「アレだよ」





提督「南方もギリギリ故、大本営もまだこちらに送る戦力を絞り出すのに苦労している様子。」


提督「規模等が明らかになるのはもう少し先だろう」


提督「ミッドウェー攻略がまた遠のいてしまうなぁ(他人事)」





瑞鶴「そんな悠長なこと言ってられないでしょ!?」


村雨「!?」ビクッ


由良「!」


翔鶴「瑞鶴!」


提督「…………」


瑞鶴「ただでさえ今南方が危ういっていうのに」


瑞鶴「それでミッドウェーにまた変な陸上型が居座って対本土用の拠点にでもされたら、もう終わりなんだよ!?」


村雨「ず、瑞鶴さん、まぁまぁその辺で……」


提督「…………」


翔鶴「すみません提督、ほら瑞鶴謝罪を……」


提督「いや、いい」


翔鶴「ですが……」


提督「いい……瑞鶴のいい通りだ……このままでは我らは負ける」


瑞鶴「だったら!」


提督「だからこそあえて今は、慎重に進めなければいかんのだ」


提督「急いては事を仕損じる……」


提督「心もとない戦力では士気も上がらん……士気が上がらなければ相手に強く出られん……強く出られなければ後手後手に回り、負ける」


提督「心を落ち着かせよ瑞鶴……今は来たる決戦に備え励むのだ……」






提督「俺はお前たちを期待している」


提督「誇り高き一航戦の名を受け継いだお前たちを」



瑞鶴「……!」


翔鶴「提督……」














提督「なんとか乗り切ったな」フッ


由良「弁がたつのね」


提督「別に全てが嘘ってわけでもないしいいじゃん」


由良「ふぅん……そういうことにしておくね」







提督「ま、瑞鶴の言うことは正鵠を射ている」


提督「そう、悠長になどしていられん。特に空母の2人、これからの戦を引っ張っていくには練度が足らなすぎる」


提督「翔鶴、瑞鶴にはより一層厳しい鍛錬を積ませるぞ」


由良「とかなんとか言って、ほんとは援軍のこと勘付かれないようにしたいだけでしょ」


提督「…………」








提督「チガウヨ」


由良「あっふーん」









提督「いや、いつまでも五航戦でいられては困る!一航戦と胸張って言えるよう精進してほしいだけだ!嘘なんかじゃ、ないんだからねっ!」


由良「……」







由良「ほんとに?」ジッ


提督「…………」










提督「それより由良……」


由良「ハァ……もういいです」プイッ











提督「あぁ!……も、もう次の手は打ってあるから!!……なぁ……そんな怒るなよ」すがりつく


由良「きゃっ……もう……大丈夫。由良は提督さんのこと信じてますから……」なでなで


提督(良かった、チョロ可愛くて)


由良「ちょろいな」


提督「」ビクッ


由良「とか……思ってないよね?」ジッ


提督「」


提督「と、とんでもない」ビクビク



由良「いいよ思ってても……由良、提督さんならなんでも許せちゃうから……」


提督「なんか重い」


由良「は?」


提督「由良最高」


由良「ふふっもうやだ提督さんったら……」


提督(由良だけは怒らせてはいけない……古事記にもそう書いてある)


由良「ふふっ……」









後日





提督「…………」


由良「……」



提督「……ミッドウェー攻略は中止になった」


瑞鶴「え!?」


翔鶴「中止……ですか?」


提督「……そうだ」


夕立「じゃあ夕立たちはどうするの?」


提督「択捉島の泊地の改築が終わったのでそちらへ移るようにと」


村雨「でも南方がピンチなんじゃないの?ミッドウェー攻略が中止になった原因が南方なら、南方戦線に送られるのが筋なんじゃ……」


瑞鶴「そもそもなんで中止なのよ!!ミッドウェーを押さえられてそこに敵泊地でも出来たらどうするの!?」


翔鶴「たしかにミッドウェーとハワイを押さえられたのでは、太平洋はもはや……」





机バン!!!!





「「「「!!!」」」」




提督「分かっている!!俺だってこの命令に納得など出来ておらん!!!」


提督「必死に集めた援軍も!お前たちの汗も涙も!全て何のためにあった!?!?」


提督「俺だって悔しいぞ!!」


提督「だがなぁ……命令なら従うのが我らが務め……」


提督「ここはひとつ、曲げて従ってもらいたい……ッ!!」







嚙み切らんばかりに唇を噛み無念の表情を浮かべる提督の様子に艦娘たちはそれ以上何も言うことはなかった……








@練習場





翔鶴「……ふう」



翔鶴「今日はここまでにしましょうか」


瑞鶴「……うん」







瑞鶴「私……提督さんのこと誤解してたかも……」


翔鶴「瑞鶴……」


瑞鶴「提督さん悔しがってた……出撃できないのを」


瑞鶴「それもこれも、私たちが弱いからなんだよね」


瑞鶴「私たちが強ければ、援軍を待って機を逃したりしなかったのに」


翔鶴「…………」


ぎゅっ


瑞鶴「翔鶴姉?」


翔鶴「……強くなりましょう瑞鶴……提督のもとで……あの人たちみたいに……」


瑞鶴「うん……」


翔鶴「さぁ、部屋に戻って、荷物の整理始めましょう」


瑞鶴「うん、単冠湾ってやっぱり寒いのかな?」


翔鶴「楽しみね」


瑞鶴「うん……!」



瑞鶴(加賀さん……見ててね……)



瑞鶴(私は……誰よりも強くなる!)



瑞鶴(強くなって、みんなを守ってみせる!)













@執務室






提督「上手くいったな」


由良「猿芝居が妙にうまくてムカつく」


提督「ひどくね」


提督「ほらあれだよ敵を欺くには」


由良「まず味方から?」


提督「そうそう」





由良「南方にいる元隷下の艦娘に戦況を探らせ、ミッドウェー派が黙殺していた南方の窮状をリークさせる」


由良「さらにミッドウェー派の悪い噂を流して評価を下げ、ミッドウェー攻略を一時的とはいえ頓挫させるなんて……」


由良「ほんとゲスな手が好きだよね」


提督「古典的でいいだろ?」


由良「噂を流されたミッドウェー派の士官が2人、足を引っ張った責任を取って自決したらしいけど」


提督「……」


提督「知らん」


由良「酷いことするのね」


提督「俺に言わせれば、そんなことで死ぬなよって話だぜ」


提督「死んでも残された者の状況は変わらないんだから、挽回する為に行動して死ぬべきだと思いませんか?」


由良「まぁ……そうかもだけど」





提督「しかし効果覿面だったな」


由良「ところでその悪い噂、えげつない内容ばっかりだったけどほんとのことなの?」


提督「いやぁ知らんな、噂はあくまでも噂だから」シレッ


由良「うわぁ……」


由良「えげつないのはこの人だった」


提督「人聞きの悪いこと言うな」


提督「俺たちだけでミッドウェーをどうにかさせようとか考えてた奴らだぞ、どうせアホしかいないに違いない」



由良「異動先が南方ではないのは……」


提督「有力なミッドウェー派はまだいるからな。でもまぁ、みんながみんな南ばかり見ていると北が心配になるし、いいんじゃない?」


由良「まぁ……たしかに」


由良「でも、ミッドウェーがとられると危ないんじゃ……」


提督「俺たちがとっても扱いきれんじゃろ」


由良「補給線の話ですか?」


提督「それもあるし、仮に島を押さえても、周囲にはいっぱい敵がいるんだし、どうせすぐまたボコボコにされて終わりじゃん?」



由良「確かに……」


提督「補給路の安全が保証されなければ戦には勝てないお」


由良「どんなに強い艤装や装備があっても、燃料、弾薬、艤装の修復をする為の鋼材、飛行機のボーキサイト、食料、水がなければ戦えないもんね」


提督「偉い人にはそれが分からんのですよ」





提督「とりあえず、我々は流氷でも楽しみながら南方戦線の戦況を見守るとしよう……」


由良「提督さん……」




由良「まだ夏ですよ?」


提督「細けえこたぁいいんだよ」





つづく


後書き

何書こうとしてたんだっけ


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2018-10-14 00:09:04

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1: SS好きの名無しさん 2018-03-07 01:02:01 ID: Iyri2lW_

期待

2: SS好きの名無しさん 2018-03-07 23:43:53 ID: heD-u55b

続きが楽しみです

3: やをら艦隊司令部 2018-03-16 12:27:47 ID: Fs8OeGN_

1さん、2さん、コメントありがとうございます。

4: SS好きの名無しさん 2018-03-16 14:43:35 ID: bZeteaSm

由良の二の腕・・・良いですねえ
続き期待です

5: SS好きの名無しさん 2018-03-19 14:06:46 ID: Fe8GGpDV

いつのまにやらタイトルが変わっていた件
更新楽しみにしていますね

6: やをら艦隊司令部 2018-03-20 23:00:17 ID: A6MGC5Ar

コメントありがとうございます。

4さん
二の腕……ウッ

5さん
タイトルはピンと来るのがなくてちょいちょい変えてました。分かりにくくて申し訳なひ

7: SS好きの名無しさん 2018-04-01 20:21:20 ID: EjDAI63v

真田丸を見ていたな?

8: やをら艦隊司令部 2018-04-01 20:43:37 ID: LWKAer_g

コメントありがとうございます。

>>7さん

バレたかー大河好きなんすよね

9: ㈱提督製造所 2018-04-14 13:52:21 ID: yfgtd6Dw

何故だろう・・・
一瞬、「そして《やをら鎮守府》へ・・・」と続く気がした・・・・・・

ダッテ此処の由良=サン、ヤタラ有能デ、ソシテチョット「やをら鎮守府」ノ由良=サン並ミニヤバイヨ・・・・・・?

10: やをら艦隊司令部 2018-04-15 19:42:09 ID: lDybJFjc

コメントありがとうございます。

9さん

由良は尽くす相手の為ならどこまでも強くなれる反面、尽くす相手を失うと瞬く間にダメになるタイプ。

11: SS好きの名無しさん 2018-08-05 00:29:06 ID: x8OrKsWb

もう...更新は...無いのかい...?

12: やをら艦隊司令部 2018-10-14 17:36:20 ID: 1oELHNcV

コメントありがとうございます。

11さん

ところがぎっちょん!

13: koro 2018-10-14 22:34:56 ID: HZf-mQoM

おや?
書き直しですかね?


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