2018-04-06 20:25:55 更新

概要

流行りものに乗っかってみた。感想のような妄想その5

注意事項

適当なタイトル
誤字脱字、二次創作にありがちな色々と適当な文章


前書き

紅染の来訪者クリア後の感想のような妄想




桃色の闖入者



燃える紅葉、焼ける夕日、海に浮かぶ赤い社

朱の風に乗って響く笛の音は、紅色の世界に染められる事もなく

涼やかに緩やかに穏やかに、ただただ散歩に来た少女の足取りを奏でていた


「そうしていれば それなりに見えるものだな、お前でも」


一歩、笛の音に分け入る加賀

鳥居の上へと声を掛ける、その言葉は 本音半分と呆れ半分と大雑把なものだった


もう少し、聞いていたくもある

素直にそう思える旋律ではあったが、コレの遊びにこれ以上付き合ってる時間もなくなっていた


最後の一歩を奏で終える。残心…と、ゆっくりと笛から口を離した

赤色の髪が揺れている。紅色の世界において尚、薄れることもない真紅は…


何処に居ても悪目立ちをする普段の彼女のようであった


「惚れ直した?」


振り返ると人懐こい笑顔を返す あかね


「そうだな。アレがなければ…な」


ため息と一緒に視線を後ろに流し、その閉じられた社の奥へと思いを馳せる


「うふふっ。意識がなくても体は素直なものだったわっ」


綺麗な寝顔。段々と朱が差す白い肌、上がる吐息に、少女の香りは水を誘い…


「何だかイケナイ事をしてる気分」

「そのものだ、馬鹿者」

「あははははっ♪」


呆れるばかりの加賀に あかねの笑い声が降りかかる

だが、悪い気はしなかった。それは、自分の好意がそうさせるのか

こんな状況でさえ変わらない 彼女のへの安心感か…


そう、こんな状況でなければ私も もう少し…


「イケニエ? だっけ? どうせロクでも無い事に使うんでしょう?」

「…」


ピタリと止む笑い声

取って代わったのは、至極真面目な…いや、そう聞こえるような無感情な声だった

責める様でいて、その実はどうでも良さそうな。からかいながらも、その実は飽いている様で


「かぎ…あーかーぎー。居るんでしょう?」


遅れて数拍、杜の陰から音もなく姿を見せる赤城


「今はまだ…何も…」


そこを見ず、淡々とした答えが返ってくる


「ですが、重桜の未来のため。引いては指揮官様の、あかね様ためだと…」

「ふーん…」


鳥居の上から赤城を見下ろす

相変わらず こっちを見ようともしない。普段のヤキモチ焼きが珍しい程に

よっぽど言いたくないの? よっぽど見られたくないの? よっぽど後ろめたいのかしら


「かぎ」

「はい?」


呼びかけて、漸く こっちをみた彼女の元にそのまま飛び降りた


「ちょっ!?」「なっ!?」


驚いた顔が可笑しかった

赤城は勿論、加賀でさえ目を丸くしているのが愉快でたまらない


都合3階建てくらいだろうか

少なくとも少女が1人飛び降りて、無事かどうかはシュレディンガー的な高さではあった


「ナイスキャッチ♪」


良いタイミングだ。ほとんど重力を感じさせずに、気づいた時には赤城の腕の中に収まっていた


「…ほんとう、心臓に悪いお方…」


抱きしめる。腕の中の真紅を、必要以上に抱きしめて…苦しめて…





紅色の世界。残されたのは赤城と加賀の二人


「ほんとう、どうやって上ったのでしょうねぇ」


誰もいなくなった鳥居を見上げてポツリと呟く赤城

いや、大事なのはソコじゃない。鳥居の上なんかよりも、この聖域にどうやって潜り込んだのか

私達の動向が何処でバレたのか…本当に、本当に空恐ろしくて憎らしくて愛おしい…どうしようもない お方


「猿みたいに…じゃないか…」


猫みたいに。そんな表現も確かにあったが、アレがそんな可愛いモノの訳がない

まるでイレギュラーだ、バグと言ってもいい。世界に出来た染みの様で

もしかしたらと、そんなものに期待をしたくなるのは私の弱さなのかと首を振りたくなる


「赤城…あまり深入りをするんじゃ」


ああ違う、深入りをしたくないのは私の方だ

ああ違う、深入りをさせたくないんだ あの娘には


違うんだ、重桜の未来なんかよりも、あの娘が笑っている今をと願いそうになってしまって


「ええ…もちろん。あかね を あの娘を、天衣無縫のあの存在を 是が非にも…私達の未来のために…」

「…」


何処か遠くを見る赤城の瞳

見つめているのは重桜の未来か、あの方か、それとも あの娘なのか

妄信的な狂信はいっそのこと…


恋をする少女のようであった


「赤城…傍若無人って言うんだ。ああいうのは…」


良くも悪くもだが


「はぁ…」知らず溢れた溜め息は、紅色の世界に煤けていった





1人参道を下る あかね

軽い軽い足取りで、けんっけんっぱっと、飛び跳ねながら長い階段の先へと消えていく


(重桜の未来のため。引いては指揮官様の、あかね様ためだと…)


「誓って…か…。ふふっ…」


思わず笑ってしまった

反芻したのは赤城の言葉。私のためとかお国の為だとか…そんな おためごかしを

そうして最後に付け加えられた「誓って」の言葉


「一体何に誓ったのかしら…」


それが あの方なのか、ヤオヨロズのカミガミなのか…


「ま、どっちでも…」


そうして少女は微笑んだ

その瞳をいつかは こっちに向けてやると下心を覗かせて…





「改めまして、重桜艦隊の「被害担当」・翔鶴です」


あの時の人形がそこに居た。いや、人形と言うには余りにも

煌めく銀の髪、血色の通った白い肌、優雅な声と嫋やかな微笑み

全体的に白い癖して滲み出す黒っぽい何か

作り物めいた人形の美しさ。そんなものは何処かへと、今はただ1人の美少女さんだった


「あらかわいい…」


思わずと、あかねの口から本音が漏れる

まるで隠す気もない不躾な視線を まじまじと目の前の翔鶴に向けると

上から下まで、それこそ舐め回すように視線を這わせていた


「うふふっ。ありがとうございますっ♪」


微笑んでお礼を述べて、そんな笑顔のままで ぐいっと踏み込んできた


「そんなことより し・き・か・ん・さ・ま?」


顔が近い。いっそ ちゅーでもしたくなる距離で言葉を続ける翔鶴


「一つ、返して頂きたいものが…」

「ぁぁ…」


その瞳に、責めるような色に、ある種の諦めを感じていた

意識がないとばっかり思ってたけど、ばっちり記憶に残ってたのか


後ろめたい。なんて思うわけが無いでしょうっ

やりたい事をやったのだ、そこに恥も怖れもないわっ


ただ、まぁ…「貞操を」と言われても返しようがないのは困りもの

近づく笑顔から目を逸す、ぱっとみ装備は腰の刀くらいか…

とはいえ、相手はかの五航戦…ただの守り刀というわけもないか、艦娘と修羅場とは ぞっとしないが

まぁ、騒ぎが大きくなれば誰かしら来るか…1分…いや、数十秒では来て欲しいな


そんな打算を巡らせていると、次の言葉は意外なものだった


「ふ・え。お持ちでしょう?」

「え?笛?・・・・あぁ、それなら…」


そう言えばそうだった。何となく拝借してそれっきり、返すことも無いだろうと思ってたけど

本人が取りに来たんじゃしょうがない、私が持ってても意外性のアピールしかしない程度の飾りだし


「はい。確かに…」


受け取った笛を大事そうにしまうと それっきり。なんでも無かった様に出来る距離


「それで、指揮官…いいえ、あかねさん?」


そうやって、区切りを付けるように名前を呼び直して一言


「もっと翔鶴に溺れてみたくはありませんか?」


ほぅっと、吐息が熱くなる。心臓が一段と跳ねるのを自覚する

思い返す感覚と、浮かび上がる感触


あんな、あんな事を、あんな風に、あんなにまで…


声の一つも上げられず、身じろぎ一つも許されず、なんて酷い仕打ちを


あぁ、違うの。本当に、本当は、溺れたいのは、溺れてみたいのは、耽溺するするほど窒息したいのは


「違うわっ、間違っているわよっ翔鶴っ」

「え?」


だんだんと、上がっていく温度が一瞬だけ下がる


「溺れるのは貴女。それをするのは私。決して逆ではないわっ、決してっ」

「…ふっ、うふふふっ」


一拍分空白。戻ってきて思考は歓喜と共に笑みを浮かべる


「欲張りな人。そうやって先輩たちも手篭めにしてしまったのね」

「いやだ いやだ と言っても体は正直だったわっ」

「あははははっ。おっかしいんだっ、あの 先輩たちが…うふふふ」


ああ、おかしい。おかしいし愉しい

あの先輩たちがそうも簡単に、きっと私も そうなんだろう、でもどうせならもっとずっと


「それじゃあ、あかねさん♪ 先輩たちと同じじゃイヤですよ?」

「安心して、明日は休みだからっ」

「やった♪」


そうしてその夜。笛の音は艶やかに響き渡った



ーおしまいー




「…」


部屋の片隅。そんな様子を眺めていたベルファスト

かける言葉もない、いやさもう何も言うまいと諦めの境地まであった


明日が休み。なんて事はなく、遊び呆ける上に

気づけば居なくなって、鉄血土産だとバームクーヘンを持ってくる

そんなもので仕事が減るわけもなかったが…


それでも、彼女は良きメイドであった


ならばと、最優先で処理しないと行けない事をと並べ替え


今夜の予定は全て却下、明日の昼までは使い物にならないでしょうから…

文書の偽造…バレなきゃ犯罪ではないでしょうし。あかね様には事実誤認をさせて、事後承諾を…


あぁ、ベッドメイクも念入りにしないと…


やることは山積みだ。けれど、たとえそうだとしても

主に気取られることの無きように、慎重に丁寧に事を運んでいく


やっぱり、彼女は良きメイドであった


「本当に、世話のしがいのある人で…」


愚痴にしては小さくて、独り言には大きすぎる

漏れた言葉は溜め息で、こぼれた吐息は愉しげだった


後書き

あかね「ねぇ、翔鶴?」
翔鶴 「はい?」
あかね「やめてっ、瑞鶴には手を出さないで…ってのはどうかしら?」
翔鶴 「それは…ちょっと…ドキドキしますね♪」


綾波  「どうして止めなかったですか…」
ベル  「あかね様には健やかにあって欲しいだけですわ」
インディ「…健やか?」
綾波  「爛れてるじゃねーですか…」
ベル  「楽しそうで何より」
インディ「…ダメだコレ」
ベル  「お互い様だと…」


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