2018-04-19 23:25:21 更新

概要

とある理由からアズールレーンの世界へ来ることになった提督。待っていたのは、指揮官がいなく皆が
好き勝手に生活している光景だった。


前書き

注:「アズールレーン」をプレイしたことが無いので、想像で書いております。
  村雨以外は全員アズレンのキャラです。

艦これと同名のキャラ設定が違い過ぎて驚きました。


「ここが彼女の言っていた鎮守府か。」


彼女から時空転送装置を受け取り、提督は今いる世界と違う別次元の世界へとやって来た。


「・・・・・・」


提督は周囲を見渡すが、


「確かに、建物も綺麗だし技術が発達しているようだが、鎮守府自体はそんなに変わっていないように見える・・・」


生活していた場所が古い町並みが多かっただけで、案外近代的な街並みもありだと提督は思った。


「とりあえず、鎮守府に入って皆に挨拶でもしよう。」


提督は鎮守府の中に入った。


・・・・・・


中に入ったものの、


「誰もいないのか? 人の気配がない。」


廊下を進み、食堂にも立ち寄り、各部屋の扉を叩くが・・・物音すらしない。


「休日なのかな、でも最低1人は当番でいるはずなんだけど・・・」


そう言いつつ、執務室へと向かう提督。


「・・・・・・」


執務室に入り、提督が真っ先に目にしたのは、


「着いたか、遅かったな。」


壁にもたれ掛かっている、銀髪の女性。


「来てもらう前に、装置を渡して場所を説明したはずだが?」


「ああ、あの時の。」


装置を渡された時はフードを被っていて、顔が見えなかった。


「まぁいい、今日からあんたにはこの鎮守府の指揮官をしてもらう!」


着任したばかりだと言うのに、言動は偉そうで態度も悪い。


「今この鎮守府にいるのは君だけか? 他の皆はどこに?」


「ああ、他の奴らなら外出したり部屋に籠ったりしている。」


「・・・・・・」


「あんたがここに来るかなり前からこの鎮守府は荒れていてな、各人好きなように行動するようになった。」


「・・・・・・」


「恐らく、命令をしても従う奴はすぐにはいないと思う。」


「・・・・・・」


「そこで、この鎮守府の治安を良くしてもらおうとあんたに来てもらったわけだ・・・期待してるよ。」


そう言って、女性は執務室から出ようとして、


「前提督はどこに?」


「前提督? ああ、「私たちの面倒を見れない」と言って、鎮守府から早々に去ったよ・・・あんたはどれだけここにいられるかな?」


女性は笑いながら執務室から出て行った。


・・・・・・


「とりあえず、鎮守府内を回って見るか。」


誰かいるだろう、そう思いつつ提督は鎮守府内を見回った。


「おや? 外に誰かいるな。」


窓の向こうに人影らしき姿を見つけ、歩いて行った。



「お、重い~!」


「どうしよう・・・今日中にどかさないと行けないんだけど・・・」


2人の犬?っぽい子が岩を押していて、


「何をしているんだ?」


提督が2人に尋ねた、


「!? うわっ!? あんた誰?」


とても驚いたようで、1人が警戒する。


「今日ここに着任した提督だ、よろしく。」


「・・・提督?」


もう1人はおどおどしているせいか、提督を見て口を閉ざす。


「・・・で、2人は一体何をしているんだ? 岩を押しているが、何かの訓練か?」


「訓練って・・・違うぞ! この大きな岩を今日中にこの場所から移動させなきゃいけないんだよ!」


耳と尻尾? がついている女の子が男口調で答える。


「? この岩を? 一体どうして?」


「加賀さんから言われたんだよ! 「今日中にこの岩を移動させないと食事抜き」って!」


「・・・加賀?」


提督は首を傾げる、


「はい、今この鎮守府で一番偉いお方が加賀さんなんです。 加賀さんが今までずっと指揮官の代わりに皆に指示をして・・・


 戦艦や空母は出撃に、重巡や軽巡は遠征に・・・そして私たち駆逐艦は、雑用を命じられてます。」


「ふ~ん。」


「それで、この岩を今日中にどけないと「あなたたちの食事は出ないわ。」と言われてしまって・・・」


「ふむ、それは大変だな。」


「と・に・か・く白露! 夕方になる前にこの岩をどけるぞ! 早く手伝え!!」


「う、うん。」


白露と呼ばれた女の子は一緒に岩を必死に押していた。


・・・・・・


「あんた誰? まさかあいつが言ってた新しい指揮官ってところかしら?」


振り向くと、そこには金髪の女性が不機嫌そうに立っていて、


「え~っと、誰かな?」


提督が質問するが、


「はぁ!? 私を知らないなんてもう一度士官学校へ戻ったら? 不愉快だわ!!」


金髪の女性はムスッとする。


「悪いね、君の機嫌を損ねるつもりはなかったのだが・・・」


「ふん! どうせ前の指揮官みたくすぐに辞めるんでしょ? この根性なし!」


彼女は不機嫌のまま立ち去った。


「う~ん、オレ何かしたのかな~?」


心当たりがなく、提督は考え込む。


・・・・・・


「あら、もしやあなたは新しい指揮官様ですか?」


今度は目の前に赤い狐の姿の女性が現れて、


「そうだけど・・・誰かな?」


提督が尋ねると、


「航空母艦の赤城と申します、よろしくお願いしますね、うふふ。」


先ほどの金髪の女性と違って丁寧な女性である。


「そうか、今日から世話になる・・・よろしく。」


提督は手を出すが、


「握手ですか? 冗談はやめて下さい、私はまだ指揮官様を認めたわけではありませんよ・・・」


そう言って、握手を拒否された。


「せいぜい頑張って下さい。 すぐに立ち去ることになると思いますが、ふふふふ。」


赤城と名乗る女性はその場から去った。


・・・・・・


「ふぅ~・・・」


執務室に戻って椅子に座る提督、


「何と言うか、個性的と言うか・・・対応が難しそうだな。」


昔の鎮守府では艦娘達は常に明るく気軽に接することが出来たのに、


「堅苦しいと言うか・・・嫌われているのかな~。」


着任したばかりだと言うのに、自信を無くす提督。



夕方、


外出をしていた者、外で作業をしていた者、部屋で籠っていた人間が執務室に集まった。


「航空母艦加賀、以後お見知りおきを。」


「ふん! 戦艦ネルソンよ! 忘れたら殺すわよ?」


「さっきの指揮官・・・く、駆逐艦白露です、よろしく。」


「おぅっ! 夕立だぞ、よろしくな!」


1人ずつ軽い挨拶を終えた後、


「そして私が重巡プリンツだ、よろしく!」


装置を渡してきた本人からの紹介も終わり、


「今日から世話になる、皆には何かと迷惑を掛けるかもしれないが、指導の方をよろしく頼む。」


提督は皆の前で敬礼をした。


「さてと、白露に夕立。 結局岩は移動できなかったようね?」


岩が残っていたことで不機嫌な加賀、


「す、すいません・・・加賀さん。」


加賀の怒りに怖がる白露、


「言ったはずよね? あの岩をどけない限り、食事は出ないって!」


「・・・・・・」


白露と夕立は無言のままだ。


「それと、ネルソン! 私は偵察をするように言ったはず。 任務をすっぽかしてどういうつもり?」


「うるさい! この私に命令なんかするな!!」


仲が悪いのか喧嘩を始める2人、


「ふん、あの2人は無視して私が残りの説明をしてやろう。」


プリンツと名乗った女性が提督を外に連れて行く。



「今、出撃で残りの部隊は鎮守府を開けている・・・戻ったらすぐに執務室に行くように指示をする。」


どうやらプリンツは加賀と違って計画的に行動するようだ。


「正直驚いたよ、まだこの場にいることをな。 前提督はネルソンと加賀に散々罵倒されて尻尾を巻いて逃げたというのに、


 あんたは中々根性があるようだ。」


「それはどうも。」


「でもまぁ、いつまで続くか・・・これは見物だな。」


そう言って、その場から立ち去るプリンツ。


「・・・・・・」


提督は上空に光る星をただ見つめていた。


・・・・・・


「今日はもう寝よう。」


枕元に村雨と自分が映った写真立てを置いて、


「・・・おやすみ。」


写真立てを見つめ、そのまま就寝する提督、


・・・・・・


翌日、


執務室には昨日いなかった子達が整列していた。


「深夜に出撃をしていた者だ・・・一応この鎮守府にいるメンバーはこれで全部だ。」


プリンツが答えると、残りの子達が軽い紹介を始めた。


「航空母艦の翔鶴です。」


「同じく航空母艦の瑞鶴、よろしく。」


「駆逐艦綾波です、よろしくお願いします。」


「はっはっは! 駆逐艦雪風だよ! 幸運艦は私の事、はっはっは!」


「重巡愛宕・・・あなたが指揮官? ふ~ん。」


愛宕と言う名の子は提督に興味津々だ。


「昨日着任したばかりだ、皆には何かと世話を掛けるかもしれないが、よろしく。」


提督も挨拶を交わし、これで鎮守府に所属する全員と会った。


・・・・・・


「おや、まだやってるのかあの2人は・・・」


昨日岩をどかせなかった2人がまた必死に押している。


「ご苦労様、白露と夕立。」


提督が近くまでやって来て、


「はうっ・・・し、指揮官・・・」


相変わらずおどおどして口を閉ざしている。


「おいこら白露、 早くしろよ!」


夕立が必死に岩を押し続けている。


「今日また食事が出なくなるぞ! もうお腹ペコペコだよ!」


昨日は本当に食事抜きにされたようで、夕立のお腹が鳴り続けていた。


「どれどれ、オレが手伝ってやろう。」


提督が岩に触れて簡単に動かす。


「おおっ!?」


夕立は驚き、


「どこに移動すればいいかな?」


提督が聞くと、


「そ、そのまま海の中に放り投げてもらえば・・・」


「あ、そう。 じゃあ放り込むね。」


片手でそのまま動かし、岩は海の中へと落とした。


「これでいいのか?」


「う、うん! 助かった、感謝するぞ!」


夕立は提督に礼を言うと、


「加賀さんに報告だぁ! これで食事にありつけるぞ。」


そう言って、白露を置いてその場から去る。



5分後、



「加賀さんから食事代を貰ったぞ! ほら、白露! 100円だ!」


白露に100円を渡す夕立。


「ちょっと待て、100円とはどういう事?」


食事代と言っていたが、100円ではおにぎり1個が精いっぱいであるが、


「これで売店で腹が膨れそうなお菓子を買って空腹を凌いでんだ。」


「・・・・・・」


提督は一瞬耳を疑い、


「ほら白露! 早く売店へ行くぞ!」


「う、うん。」


2人が去ろうとして、


「待て2人とも、ちょっとオレに付き合え。」


提督が指示すると、2人は「?」の表情を浮かべ無言でついて行った。


・・・・・・


着いた場所は・・・食堂。


「食料はあるかな・・・」


冷蔵庫を失敬して開けてみると、


「おっ、野菜に肉に調味料もある、これは好都合だ。」


提督は冷蔵庫から必要な材料を取って行く。


「し、指揮官! 冷蔵庫にある食材はほとんど加賀さんやプリンツさんたちの所有の物です・・・」


おどおどしながら小声で説明する白露。


「あ、そうなの? いいよ、オレが後で買い物に行ってくるから。」


と、何も気にせずに調理を始めた。


・・・・・・


10分後、


白露と夕立の前に提督特製チャーハンが置かれた。


「簡単に作ってみた、さぁ食べろ。」


2人の目の前にスプーンを置いて、


「・・・・・・」


白露が不思議そうに見つめる中、


「すんすん、とってもいい匂いだぞ。」


臭いを嗅ぎ、夕立はスプーンですくって口に運んだ。


「う、うめぇ! 凄くうめぇぞ白露!!」


それからどんどんと口に運び続ける夕立、


「・・・・・・」


遠慮しつつ、スプーンを掴んでチャーハンを口に運ぶ白露、


「はむ、はむ・・・お、おいしい。」


白露の表情が一瞬だが笑みがこぼれる。


「そうか、それは良かったな。」


提督も安心して2人を見つめる、


「あら、何かしら? とてもいい香りがするわね♪」


食堂に誰か入って来た。


「あ、愛宕さんと・・・ネルソンさん!?」


白露が2人を見て震える、


「ふん! 駆逐艦の分際が食堂で食事なんていい身分ね!」


機嫌が相変わらず悪いのか、椅子に座って白露たちを罵倒する。


「指揮官が調理してたの? 残っているならこの私にも頂けるかしら?」


愛宕が椅子に座って注文をする。


「・・・どうぞ。」


愛宕の前に先ほど白露たちに出したチャーハンを出し、


「・・・いただきます。」


スプーンですくって口に運ぶ愛宕、


「うん・・・これは中々、ご飯も香ばしくて味付けも程よくて・・・おいしいわ。」


提督特製のチャーハンを気に入った様子だ。


「それはどうも。」


提督は一応礼を言った。


「指揮官と会ってから私、貴方にとても興味が湧いたのよ♪」


愛宕が急に話題を変えてきて、


「どうかしら? 今日の夜、私と一緒に過ごさない?」


「出た・・・愛宕の「夜のお誘い」。」


遠くで休憩しているネルソンが、愚痴をこぼした。


「悪いが、オレには嫁さんがいるから・・・お断りする。」


提督はきっぱりと断る。


「!? 愛宕の誘いを断る人間がいるなんて!」


提督の言葉にネルソンは驚きを隠せない、


「さてと、用も済んだしオレは執務室に戻るとするか。」


そう言って、提督は白露たちの皿を片付けると食堂から出て行った。


・・・・・・


「し、指揮官!」


誰かに呼び止められ、振り向くと・・・


「? どうした、白露と夕立?」


2人が目の前に立っていて、


「指揮官、これからは指揮官の命令に従います。」


「・・・・・・」


「私も! こんなに腹いっぱい食えたのは久しぶりだ! 指揮官の側に着けば何か面白そうだ! 夕立も言う事を聞くぞ!」


「・・・そうか。」


提督は改めて、


「これからもよろしく。」


2人に対して敬礼をした。


・・・・・・


「はぁ!? 何言ってんの愛宕! あの指揮官が気に入ったって!?」


愛宕の口から聞いた予想外の言葉、


「ちょっ! さっき誘いを断られたじゃない! それなのに何で!?」


ネルソンは驚きを隠せない、


「・・・特別理由なんてないわ。 でも、あの指揮官に付いていればこの先、面白そうな予感がしただけよ♪」


そう言って、愛宕は食堂から出た。


「愛宕と言い、プリンツも! 本当、意味分かんないわ!」


ネルソンは1人食堂で叫ぶ。


・・・・・・



その後も、提督は交流を図り、一部の人間から「悩みを聞いて欲しい」との相談があり、


提督は進んで彼女たちの悩みを聞き、助けてあげた。


その結果、白露たちと同様に「指揮官の指示に従います」と提督側に着く人間が増えた。




「おはようございます、指揮官様。」


廊下で赤城と会う、


「愛宕や翔鶴たちと仲良くやっているようですね・・・ここまで出来るとは正直驚きました。


 私、赤城も指揮官様のお役に立てるような事があればいつでもお呼びください。」


「ああ、よろしく。」


赤城も提督側へと着いた。


・・・・・・


提督に着く艦娘は増えたが・・・残るは3人・・・しかし、お互い仲が悪そうな加賀・ネルソン・プリンツの3人だ。


「はん! こんな指揮官のどこに惹かれたのかしら!」


ネルソンは相変わらずの不機嫌さ、


「私は赤城さんや翔鶴と違って簡単に心を許さないわ。」


何も言ってないのに、挑発する加賀。


「ふむ、ここまでやるとは・・・やはりあんたは期待通りにやってくれているな。」


提督の行いに関心しているプリンツ、


「それで、ネルソン! また偵察任務をサボったわね? 何度言えば分かるのよ?」


「何度も言わせないで! あんたの命令に従う義務がないわ!」


2人はまた喧嘩を始める。


「いい加減喧嘩なんて止めたら? しかも執務室で・・・指揮官の前でみっともない。」


プリンツが口を出したところで、


「うるさい! あんたにはより言われる筋合いはないわ!!」


「プリンツ・・・この私に喧嘩を売っているのか?」


今度は3人の言い争いになり、


「あのさ、喧嘩を止めてくれないか?」


提督の言葉でようやく落ち着いた3人。


「何で3人はそんなに仲が悪いの? 見たところ特別喧嘩になる理由が見当たらないんだけど?」


提督の質問に、


「別に・・・ただこいつらに命令されるのが嫌なだけよ!」


ネルソンは主張する、


「でも、オレが来る前は加賀が代わりの上官だったんだろ、だったら従う必要があるのでは?」


「ふん! こんな奴の命令に従うくらいなら死んだほうがマシよ!」


「そう、じゃあ今すぐ死ねば?」


加賀が挑発して、


「加賀もさぁ、どうしてそう喧嘩腰になるかなぁ? そんな事をしなくても君が偉いことは鎮守府全員が知っているはずだよ。」


「指揮官には分からないだろうけど、強くあるためには日々の態度も重要なのよ!」


「ふん!」 と鼻を鳴らして言い張る加賀、


「後プリンツ、君は真意が掴めない・・・まるでだれも信用していない感じに見えるな?」


「指揮官、余計な詮索はしなくてもいい。」


プリンツが指摘して、


「・・・はぁ~。」


提督がため息をして一言、


「つまり何だ・・・君たち3人は「サボテン」の様だな。」


サボテンと言われた3人は同時に批判した。


「どういう意味? 「トゲトゲしい」とでも言いたいのかしら?」


「そうね、ネルソンはまさにそのタイプだわ。」


「はぁ!? 加賀! あんたになんか言われたくないわよ!」


「サボテン・・・私たちがサボテンだと? そう言い切る理由は?」


プリンツの質問に、


「「トゲと言う強情さを張って自身の弱い内面を見られたくない」と言っているつもりだけど?」


「・・・・・・」


3人は無言になる、


「「傷つくのが嫌で、敢えて突っ張っている様」に見える、と言いたいんだけど?」


「・・・・・・」


「化かし合いだけで実際本気でぶつかり合った事がないんだろう、お前らは?」


「・・・・・・」


「まぁ、オレの知った事ではないが・・・」


そう言って、提督が話題を変えて、


「ところで、出撃や遠征はどうやって決めてるんだ?」


提督の質問に、


「別に・・・単に「行きたい人間が行く」 「暇な人間が行く」 と特には決まっていない。」


「はぁ、何だそれ?」


提督は呆れる、


「作戦などしない、敵が襲撃して来たらその場で考え、行きたい人間が好きな様に出撃、ただそれだけだ。」


加賀は普通に答えたつもりだが、


「そうか・・・ならそんな責任のない人間に出撃させる気はないな。」


と、3人に「出撃拒否」を命じた。


「ふざけないで! あんたに何の権利があってそんな・・・」


ネルソンが反論するが、


「一応オレはこの鎮守府の指揮官だけど?」


「・・・・・・」


何も言えずに、無言になる。


「とにかく、お前ら3人は出撃を禁止する! 勝手に出撃した場合は厳罰を与えるからな・・・」


そう言って、必要書類を書き終わると提督は執務室から出ていった。


・・・・・・


翌日、航空母艦翔鶴含む6人が出撃・・・提督がそれを見送った。


「旗艦を翔鶴にして、瑞鶴に駆逐艦4人・・・問題ないだろう。」


執務室に戻ると、プリンツが既に入室していた。


「・・・・・・」


しかし、提督は相手にしない。


「指揮官、少しいい?」


プリンツから先に口を開き、


「指揮官は私の事をどう思っているのかしら?」


自身の評価だろうか・・・いつもと違う質問をしてきて、


「そうだな・・・強気で偉そうだ。」


「・・・・・・」


「優しく言うなら素直でなく、どこか虚勢を張っているようにも見える・・・まるで自分の脆い部分を隠している様にね。」


「・・・そう。」


プリンツは納得して、


「半分正解・・・でも凄い事よ、 会ってそんな時間も経ってないのにそこまで読み取れるなんてね。」


「それはどうも。」


「いや、指揮官は・・・もう全部分かっているのかもね。」


意味深な発言をしてプリンツは執務室から出る。


「・・・何をしに来たんだあいつは?」


提督は不思議に思いつつ、書類整理を始めた。


・・・・・・


突然の無線連絡・・・旗艦の翔鶴からだった。


敵部隊と交戦中、援軍を求むとの報告だった。


「すぐに援護に向かわせよう! 戦闘可能の艦娘は、愛宕と赤城だな・・・」


提督はすぐに2人を呼び、作戦内容を話して行く。


「? 一体何の騒ぎかしら?」


廊下を歩いていたプリンツが執務室を覗く、


「・・・・・・」


提督と愛宕たちの作戦内容を聞いてしまい、


「・・・・・・」


その場から走り去るプリンツ。


・・・・・・


「以上が翔鶴たちを援護する作戦である、愛宕と赤城! 頼めるか?」


「もちろん、お受け致しますわ!」


「指揮官様のお役に立てれば、何なりと!」


「よし、すぐに出撃準備を・・・」


言い終える前に加賀が執務室にやって来て、


「プリンツを見ていないか?」


「プリンツ? さっきまでいたはずだが。」


「そうか・・・ただ武器庫にあいつの艤装が無かったから出撃にでも行ったのかと思ってな。」


「! 何だって!」


加賀の言葉を聞いて提督は驚く。


・・・・・・

・・・



「翔鶴たちは無事離脱させた、後はこの劣勢な状況を何とかしないと・・・」


提督が指示した「出撃拒否」を無視して、援護のために単身出撃したプリンツ。


「・・・損傷は軽い、まだまだ戦えるわ!」


そう言って、プリンツは応戦する。



「くっ!? 敵の数が多い。」


既にプリンツの周りを敵が包囲した。


「・・・生きて帰れそうにないわね。」


プリンツは「ふぅ~」っとため息をつき、


「指揮官に私の凄い所・・・見せようと思ったのになぁ。」



提督に褒めて欲しかったのか、もしくは自分を見て欲しかったのか・・・命令無視までして、単身で翔鶴たちを援護しに来たプリンツ。



「まぁどうせ指揮官は私の事なんか何とも思ってないはずだし。」


急に態度を改めて現実を見直し、、


「さぁ来なさい! 全て沈めてあげるわ!」


そう言った刹那、


「オレの命令を無視するとは・・・お前も偉くなったもんだな。」


「えっ・・・」


聞き覚えのある声がして、プリンツは振り向くと・・・


「し、指揮官!?」


隣に指揮官がいて彼女は驚く。


「お前は出撃するな、と言ったはずだが?」


提督はかなり不機嫌の様子、


「ちょっ!? 何で指揮官がこんな戦地にいるわけ!?」


提督に向かって叫ぶプリンツ、


「・・・敵はまだいるぞ? それなのにオレと会話を始めていいのか?」


「!」


提督に言われ、プリンツは態勢を立て直す、


「・・・ふん。」


プリンツよりも先に提督が一瞬で敵の間合いに入り、各個撃破していく。


「なっ!? あいつ! 敵を徐々に沈めてる!!」


プリンツはその光景に目を疑う、


・・・・・・


「さてと、敵は殲滅・・・これで話が出来るな。」


「・・・・・・」


「何故命令無視をした? 無視をすることでオレに対しての反抗意識を示したいのか?」


「・・・違う。」


「指揮官の命令にも従わない、責任感も無い、仲間意識も無いお前は一体何をしたいんだ?」


「う、うるさい。」


「聞いてるだろ、口だけ達者、それとも・・・ただの自信家か?」


「うるさいって言ってるでしょ!!」


プリンツが叫んだ、


「・・・・・・」


「頼んでもいないのに・・・何も言ってもいないのに勝手に余計な世話を焼いてきて・・・


 あんたのその勝手なお節介がイラつくのよ!!」


「・・・・・・」


「全てを見透かしたようで、私たちに詰め寄って来て・・・あんたに私の何が分かるんだ!!」


「・・・・・・」


「挙句に私がサボテン? そうよ、どうせトゲトゲしくて、内面が脆くて人に本心を見せられない弱い女! 悪いのかよ!!」


「・・・・・・」


提督は無言のままだ。


「はぁ・・・はぁ・・・」


プリンツは溜め込んでいた不満を一気にぶちまけた。


「・・・脆い部分があってもいいじゃないか。」


提督が口を開く、


「自分の脆い(弱い)部分が露わになるのは、決して悪い事じゃない。」


「・・・・・・」


「それを乗り越えればいいんだし、助けが必要なら誰かに助けてもらえばいい。」


「・・・・・・」


「だから、そんな虚勢を張ってないで「素直」になれよ。」


「・・・・・・」


「お前を見てると、加賀やネルソンと同じ、ただ惨めにしか思えない。」


そう言って、提督はその場から離脱した。


・・・・・・

・・・



プリンツはその後帰還、すぐに執務室に呼ばれた。


「出撃拒否を命じたにも関わらず、無視して出撃したお前には厳罰を与える・・・と言いたいところだが。」


「?」


「仲間である翔鶴たちを助けに行った事は、お前なりの仲間意識を持っていた、と判断し今回はお咎めなしとする。」


プリンツの罪は見逃してもらえた。


・・・・・・


その後、鎮守府の治安も徐々に良くなり、


「指揮官、夕立お腹が空いた!」


執務室に駆逐艦たちが入室することが多くなった(食事目当てであるが)。


「まだ11時半だ、12時まで待ってくれ。」


「嫌だ! 夕立はお腹空いた! 何か食べないと死ぬ~!」


夕立は相変わらずこの態度、提督も「やれやれ」と思う。



執務室に駆逐艦がこうして長い間留まることはない(前の上官が加賀で、特別な場合以外は入室拒否と命じられていた)のだが、


この前の出撃の事があってか、加賀とネルソンも提督に口出しをしなくなり、駆逐艦たちが自由気ままに


執務室に頻繁に来るようになった。



「指揮官、綾波も・・・空腹です。」


「雪風も! お腹が空いちゃった、はははは~。」


「・・・分かった分かった。」


提督は諦めて、


「じゃあ何を作って欲しい? リクエストしてくれ。」


「おおっ! 夕立はそうだなぁ~。」


夕立が考える中、


「し、白露は・・・かつ丼が・・・食べたい。」


白露がリクエスト・・・それに夕立が反論し、


「おいこら白露、1人でリクエストすんなよ~!」


他の駆逐艦たちも昼食メニューの言い合いが始まる。


「決まったら食堂に来てくれ。 材料の用意をしてくる。」


提督は言い争っている駆逐艦たちを放って食堂へと向かう。


・・・・・・


「指揮官、今何と言った?」


一瞬何を言ったか理解できなかったようで、加賀がもう一度訪ねる。


「言った通りだ、加賀とネルソンはこの鎮守府から出て行ってくれ。」


「ちょっ!? ふざけないで! 何で出て行かなければならないの!!」


加賀とネルソンの鎮守府退任案、もちろん2人は猛反発する。


「2人共喧嘩ばかりで、肝心の出撃・遠征任務を行わない、駆逐艦たちには威圧する・・・気まぐれな生活、


 はっきり言ってただの役立たず! 正直お前らは必要ない。」


「指揮官! この私に喧嘩を売っているのか?」


加賀が提督に攻撃を仕掛けようとする、


「ほぅ、オレと闘うか? 構わないけど・・・修理はしないからな、損傷した所は自分で何とかしろ、それでいいよな?」


提督が2人を凄まじい怒気で睨みつける、


「・・・・・・」


本能が危険を察したのか、途中で腕を下ろす加賀。


「指揮官、私たちが喧嘩をしていた事、任務を放棄している事・・・確かに私たちに非がある。


 でも、退任しろだなんて・・・いくら何でも罪が重すぎるわ。」


ネルソンが大人しい口調で抗議するが、


「それで、言いたいことはそれだか?」


ネルソンの意見を完全に無視する提督、


「・・・・・・」


怖いのか、何も言い返せないネルソン、


「まぁ、出て行くのはいつでもいいから・・・その代わり、2人が勝手に起こした問題は全部お前らの責任だ。


 オレと他の皆は一切干渉しない、覚えとけ。」


それだけ言って、提督は皆の食事作りのため、執務室から出て行った。


・・・・・・


「指揮官、話があるんだけどいい?」


深夜の執務室にプリンツが入室して来て、


「? どうしたこんな夜中に?」


提督は不思議に思っていると、


「・・・・・・」


何故か顔を赤らめるプリンツ、




「確かに素直になれって言ったけど・・・」


提督は何故か困った表情で、


「何でオレなのさ?」


「「素直になれ」と言ったのは指揮官でしょ?」


「・・・・・・」


提督は頭を掻く、


突然プリンツから発せられた言葉・・・「あんた(指揮官)に惚れちゃった♡」


「悪いけど、オレには嫁さんがいるからお断りだ。」


提督はきっぱりと断る、


「そう・・・でも私は諦めないから。 指揮官の口から絶対に「うん」と言わせてやるからね♪」


プリンツは本気の様で、


「ふん、勝手にしろ。」


提督も彼女の想いを理解してあげた。


・・・・・・


1週間後、


「もうすぐ昼か・・・」


書類作業をしていた提督が時計を見る、


「そろそろ調理に掛かるか・・・プリンツ、悪いけど残りの書類の整理を頼む。」


「了解♪」


代わりにプリンツが椅子に座って整理を始める。


現在プリンツは秘書艦として提督を支えており、心を開いていた。


赤城と愛宕には第1部隊・第2部隊の旗艦に任命、出撃と遠征で活躍してもらっている。


一方、鎮守府退任を命じられた加賀とネルソンは・・・


・・・・・・


「指揮官、お腹空いたぞ!」


相変わらずの夕立の主張、


「分かった分かった・・・少し待ってくれ。」


提督は厨房に立つと、冷蔵庫から食材を出す。


「ふむ、たくさん入ってるな・・・これなら何でも作れそうだ。」


冷蔵庫の中身を確認すると、


「今日は何を食べたいんだ?」


提督の言葉に、駆逐艦の皆が意見を出し合った。


「・・・・・・」


食堂にいる皆を陰から覗く1人の人間、


「そんなところで何をしているの、加賀?」


「!?」


振り向くと、そこにはネルソンがいた。


「別に・・・駆逐艦たちと指揮官が楽しくしているからな。」


輪に入りたいのかそわそわとする加賀に、


「だったら素直に「私も輪に入りたい」って言えばいいんじゃない?」


ネルソンにしては珍しく、無難な言葉を発した。


「それが出来れば苦労しないんだが?」


「あ、そう。」


喧嘩が始まるのかと思いきや、意外に両者は冷静を保ったままだ。


そんな2人をよそに、


「早く決めてくれ、昼休憩が終わるぞ?」


「う~んと・・・そうだなぁ~。」


夕立が考えていると横から・・・


「お寿司が食べたいです。」


綾波だった。


「・・・よし、今日の昼は寿司にする!」


決まったようで、提督は冷蔵庫から食材を取り出す。


「ちょっ! 指揮官、夕立は違うのが・・・」


夕立が文句を言うが、


「・・・今日は寿司で我慢してくれ、寿司と言う言葉に過剰に反応した人間が入り口にいるからさ。」


「?」


夕立が振り向くと、


「・・・・・・」


加賀が陰で見つめていた。


・・・・・・


「ほい、綾波は卵と納豆とねぎトロにマグロね。」


綾波に握り寿司を出すと、順々に各人間に寿司を提供していく。


「お前らは・・・これでいいのかな?」


加賀の前に「いなり寿司」を出し、ネルソンには「マグロ・ブリ・イカ(主に海鮮類)」を提供した。


「いただきま~す!」


駆逐艦たちが一斉に食べ始め、


「・・・いただきます。」


駆逐艦に続いて2人も食べ始める。


「・・・うむ、いける。」


「うん・・・これは中々悪くない。」


2人の感想はそれなりの高評価の様だ。


「オレは執務室に戻ってる。」


2人に敢えて聞こえる程度の言葉で発した提督・・・


・・・・・・


「・・・来たか?」


執務室に加賀とネルソンがやって来て、


「それで、決心は着いたか?」


「・・・・・・」


2人は無言のままだ、


「考えなくてもわかることだろう? 昔と比べて喧嘩はしなくなったが、仲間への配慮はない・出撃しない・気まぐれ・・・


 役立たず以外どう答えればいいんだ?」


「そ、それは指揮官が私たちを指名しないから・・・」


「指名しないと何も出来ないのか? プリンツの様に「私に出撃させて!」みたく自分で意見具申すらしないのか?」


「・・・・・・」


「単にやる気がないだけだろう? 時間が過ぎればオレの考えが変わると安易に考えているのか知らないけど、


 そんなに甘く見ないで欲しいな。」


「・・・・・・」


「・・・で、いつ出て行くんだ? オレは2人よりも頼りに出来る艦娘をすぐにでも着任させたいんだが・・・」


「・・・・・・」


しばらくの沈黙・・・その時だった、


「指揮官、大変です! 綾波さんが・・・」


白露が大慌てで入って来た。


「? 綾波がどうした?」


提督は白露について行き、気になった加賀達も一緒について行った。


・・・・・・


「し、指揮官・・・」


そこには、鉄製のコンテナの下敷きになっている綾波の姿が、


「おい、大丈夫か?」


提督は綾波に近づき、安否を確認する。


「綾波は大丈夫です・・・でも、足が引っ掛かっちゃって。」


提督は綾波の体を引いてみるが、びくともしない。


「・・・おい、加賀! 何をしている? 早くこのコンテナをどけろ!」


「わ、私がですか?」


加賀は動揺して、


「お前意外誰がいるんだ? こんな鉄製コンテナ、駆逐艦では押せないし愛宕たちは遠征、


 今対処できるのは加賀、お前だけだろ?」


「・・・・・・」


「早くしろ! 綾波が二度と歩けなくなってもいいのか? 後遺症が残って生活に支障が出てもいいのか・・・加賀ぁ!!」


「! くっ・・・」


提督に言われ、加賀はコンテナを押した。


「うぐぐぐぐ・・・」


当然ながらびくともしない。


「加賀! 本気でやれ、その程度ではこのコンテナは動かんぞ!」


「ううん・・・うぐぐぐぐ・・・」


渾身の力で押してみるが、コンテナは全く動かない。


「ちょっと加賀! もっとちゃんとやりなさいよ!」


後ろで見ていたネルソンも加賀といっしょに押し始めて、


「いい? タイミングよく一緒に押すわよ! 分かった?」


「・・・ああ、分かった。」


2人はタイミングを合わせ・・・


「行くわよ、3,2,1・・・今よ!!」


2人は息を合わせて押してみるが・・・やはり動く気配がない。


「加賀、何をやっている? 本気でふざけているのか?」


「はぁ・・・はぁ・・・」


加賀はその場に腰かけて、


「何故休んでいる? オレは休めと命令していない、押してくれとしか言っていないぞ!」


「・・・無理、です。」


加賀は急に自信を無くして、


「私には・・できま・・せん。」


「加賀、ふざけるのも大概に・・・」


「ごめんなさい! 私には・・・無理です、どかせません!」


「・・・・・・」


「ごめんなさい・・・ごめんなさい。」


「・・・そうか。」


提督が手を挙げて、


「もういいぞ、上げてくれ。」


「了解♪」


と、プリンツがクレーン操作をしてコンテナを持ち上げた。


「!? えっ?」


加賀は目の前の状況を理解できていない。


「綾波ご苦労様、 中々の演技だったよ。」


提督の合図で綾波が立ち上がる、


「いえ、そんな・・・でも、指揮官に褒めてもらえるのは嬉しいです。」 


挟まれていたはずの綾波は何事も無かったかのように歩いて行った。


「・・・どういうことですか? 私を騙したんですか?」


加賀は提督を睨みつける、


「まぁ、結論としてはそうなるな。」


「説明してください、私にこんな恥をかかせて・・・どういうつもりですか?」


「はぁ?」


提督は呆れて、


「何だ、夕立たちに散々やらせていたくせに、それすら忘れているのかお前は?」


「・・・・・・」


「散々立場の弱い夕立たちに自分たちの質量以上の岩をどかせと命令しておいて・・・それで、


 加賀はどうだ? コンテナはどかせたのか? 何も出来ずにその場で諦めていたじゃないか!!」


「・・・・・・」


「しかも、夕立たちは出来なかった罰で食事抜きにされた・・・お前はどうだ? 


 偉そうに振る舞っていた人間がこのザマ、恥をかかせられた? お前の横暴な態度が既に恥だわ!!」


「・・・・・・」


「言いたいことがあるなら言って見ろ! 「私は失敗してもいいが、お前たちは許さない!」とはっきり言って見ろ!」


「・・・・・・」


「言えよ! この上官ぶった、ただの口だけ弱虫銀狐!!」


「・・・・・・」


加賀はしばらく沈黙し・・・やがて、


「そうね、私も・・・駆逐艦たちに同じ事をしていたわね。」


「・・・・・・」


「分かったわ、私はもうこの鎮守府にいる資格がない・・・はっきり分かりました。」


「・・・・・・」


「今すぐに出て行きます・・・指揮官、今までの数々の横暴な態度、申し訳ありませんでした。」


加賀は深々と頭を下げたが、


「謝る相手が違うんじゃないのか?」


「?」


加賀は頭を上げ、


「謝る相手は「オレ」ではないよな?」


「・・・・・・」


・・・・・・


「あ、加賀さんお務めご苦労様です!!」


廊下で会った白露と夕立が敬礼をする、


「・・・・・・」


「? どうしたんですか加賀さん? そんな悲しそうな顔をして?」


白露が不思議そうに見つめる中、


「その・・・い、今まできつく当たってしまって・・・」


「・・・・・・」


「ご、ごめんなさい。」


加賀が白露たちに謝った。


「!? どうしたんですか加賀さん!?」


当然2人は動揺する、


「どうしたんだよ、加賀さん! 私たち、別に謝られる事なんて何も・・・」



「顔を上げて」と説得する夕立たちと必死で謝る加賀がそこにいた・・・



・・・・・・

・・・



「・・・では、2人の処遇だが。」


提督の前で立ちすくむ、加賀とネルソン。


「まずネルソン、貴君は昔と比べて大分落ち着いた。 加賀や皆を積極的に応援に行くその行動に関心する。」


「・・・・・・」


「よって、前に指示した退任命令は無かったことにする・・・今後の貴君の活躍に期待する!」


「・・・ありがとうございます。」


ネルソンは敬礼する、


「続いて加賀。」


「・・・・・・」


「貴君は駆逐艦たちに対する横暴な態度、命令無視や責任放棄等、貴君の行った事は厳罰に値する!」


「・・・・・・」


「本来ならば、躊躇なく厳罰したいところだが自身の行いに反省している点と仲間に対する思いやりを確認でき、


 まだやり直す機会があると判断して・・・」


「・・・・・・」


「ネルソン同様、退任指示を取り消しにする。 これからの活躍に期待する!」


「・・・ありがとうございます、指揮官。」


加賀も提督に敬礼をした。



かくして、鎮守府の治安が戻った。


・・・・・・

・・・



「そうか、帰るのか?」


プリンツが寂しそうな目で見つめる。


「ああ、嫁さんも心配しているだろうし、この鎮守府の治安も良くなった・・・これ以上オレがここにいる理由は無いからな。」


「・・・・・・」


「加賀には「今度こそこの鎮守府の責任者として皆を支えろ、困った事があれば皆に助けを求めろ。」と言っておいた。」


「・・・・・・」


「今の加賀なら大丈夫だろう。 もちろんプリンツ、お前も加賀のフォローをよろしく頼むぞ。」


「・・・・・・」


「何だ? 何か言いたげだな。」


提督の質問に、


「指揮官がいなくなったら私はどうすればいいわけ?」


「・・・・・・」


「指揮官を好きになったのに、いなくなったら私はどうすればいいの?」


「・・・・・・」


提督は少し考えた後、


「別に、もう二度と会わないと言っているわけじゃないよ。」


「?」


「また何かオレの助けが必要な時はその時は遠慮なく呼んでくれ・・・それでいいだろう?」


「・・・・・・」


提督は転送装置を持って笑顔で敬礼をした。


「ほら、悲しそうな眼をしてないで、別れの時くらい笑顔で振る舞ってくれよ。」


「・・・ふん。」


提督に言われ、プリンツも笑顔で敬礼し、


「ああ、また会うその時まで・・・さよならだ。」


「ああ、またな・・・オレの信頼できる艦娘、プリンツ・オイゲン!」


その瞬間、提督は光に包まれ消えていった。


「さようなら・・・指揮官。」


プリンツは昇って行く光をずっと見つめていた。


・・・・・・

・・・



「ただいま~。」


提督が店に入り、


「おかえりなさい、早かったですね~♪」


村雨が迎えてくれて、


「そんなことない、1週間は経っているだろう?」


申し訳なさそうに言うが、


「1週間? 何を言ってるんです? まだ7時間程度しか過ぎてませんよ?」


「えっ?」


提督は時間を確認する・・・確かに行ってからまだ7時間前後しか経過していない。


「そうか、あっちの世界での1日はこの世界では1時間しか経たないのか、当然その逆も・・・」


提督は納得した上で、安心する。


「さてと、もうすぐ夕方だな・・・今日はオレが夕飯作ろうかな。」


そう言って、提督は鍋を取る、


「あらあら、構いませんが何かあったのですか?」


普段と違う提督の態度に気付く村雨、


「まぁね、異世界へ行って出来た大切な戦友が出来てさぁ~。」


「そうなんですか~、 じゃあ夕食の時にゆっくり聞かせてくださいな♪」




村雨と話す約束をして提督はいつものように裏で夕飯の仕込みを始めた。










「新たな出会い」 終











後書き



このSSへの評価

3件評価されています


SS好きの名無しさんから
2018-04-20 01:39:08

SS好きの名無しさんから
2018-04-14 14:04:01

SS好きの名無しさんから
2018-04-13 21:55:04

このSSへの応援

このSSへのコメント

7件コメントされています

1: SS好きの名無しさん 2018-04-14 12:56:27 ID: 36VuOOgL

アズレンと艦これの世界観は
似て異なるので執筆は大変ですが
これからも頑張って下さい!
応援してます!!

2: キリンちゃん 2018-04-15 11:42:45 ID: yv9jjPRd

コメントありがとうございます~♪
次作も検討しておりますので、時間があれば読んでください♪

3: SS好きの名無しさん 2018-04-15 18:19:49 ID: kfeULbxW

もちろん期待しますよ~
今はこの小説が気になりますので
続きお願いします!!
頑張れ作者様。

4: キリンちゃん 2018-04-15 19:24:53 ID: yv9jjPRd

ありがとうございます! 
他のSSと同じグッドEDで書いて行きます。
ただ、登場しているキャラの設定が合っているかどうかが不安です。
次作もキャラの数をもっと増やして書きます~。

5: SS好きの名無しさん 2018-04-16 00:15:20 ID: ZYPrGwac

この提督は霧島とかのいる鎮守府の提督ですか?そうならば霧島がくるとく出来ませんかね

6: キリンちゃん 2018-04-16 05:34:01 ID: tT2c-B-X

コメントありがとうございます~♪ そうです、霧島や村雨の提督です♪
この物語はもう終盤まで書いているので、次作から艦これの
キャラも入れてみようと思います。艦これならネタは豊富ですので、
リクエストあれば是非♪

7: SS好きの名無しさん 2018-04-20 04:07:49 ID: krbg-6Or

もし…バッドEDだったら
どうなってたんだろ?


このSSへのオススメ


オススメ度を★で指定してください