2018-05-17 14:36:10 更新

概要


警告:このSSに前作のようなイチャラブ要素はほぼありません。(重要)
R-15でしたが、R-18(G)とします。


前書きを見てからお読みください。


信頼していた艦娘に裏切られた提督と、その陰謀に巻き込まれた初期艦朝潮の復讐劇


前書き


どうも、初めまして。かむかむレモンです。
前作『提督「艦娘からのアプローチが怖い」』を見ていただいた方たちはまたお会いしましたね。



今回は復讐劇です。



警告:変態糞投稿者は前作とは真逆のジャンルに挑戦しているため、イチャラブ要素は皆無予定です。大事な事なので2回言いました。

不慣れですが、グロテスク描写も出てきます。

自分の推し艦、嫁艦が悪役として出るかもしれませんので、注意してください。

それでも構わないという方のみおすすめします。



至らない点が目立つかと思われるので、何か気になるところがありましたらご指摘下さい。











プロローグ:全ての始まり












深夜·某鎮守府埠頭







提督「お、おい!何やってんだよ!」ガタガタ


摩耶「へー?あんだけたらふく酒飲んだ割には、随分早い目覚めだな」ニヤニヤ


提督「ま、摩耶!どうなってるんだ!?とにかくこれを解いてくれ!」ギチギチ


川内「この期に及んでまだ理解出来てないの?ほんっと鈍いよねぇ」アキレ


提督「せ、川内!?何を言って...み、みんな!?」


陽炎「いやーバカだよねぇ。勝って兜の緒を締めよって自分で言ってた癖にさ」クスクス


赤城「まあ、悪く思わないで下さいね。これも全てあの人の計画ですから。そうよね?加賀さん」


加賀「そうね。バカな人間に従うのはもううんざりだと言ってましたから」


提督「だ、誰なんだ...」








大和「私ですよ。『元』提督」


提督「...嘘だ」


大和「信じられない?まあ当然か。こんな指輪で馬鹿みたいに浮かれればねぇ」キラッ


提督「そんな...何故だ!」


大和「これから死にゆく者に言う必要ある?」


艦娘たち『ないでーす!』ゲラゲラ


提督「くっ...!」ポロポロ


大和「さ、とっととボートを出して。深海棲艦共の餌にしちゃいましょ」


黒潮「了解や~」グイグイ


提督「やめろ!くそっ...!」ジタバタ



不知火「暴れるな」ドカッ


提督「ゴフッ!?」


不知火「全く、お前ごときに無駄な労力を使いたくないんですよ。見てて気分が悪くなります」ゲシッゲシッ


提督「がっ...ごはっ...」ポロポロ


大和「あらら、大の男が泣いちゃってますねぇ。情けない」


提督「お前ら...お前ら...!」ギリギリ


大和「ふーん、目だけは生きてるんですね。見てて吐き気がします。不知火ちゃん!黒潮ちゃん!」


黒潮「ボート出すで」


不知火「ふん、大人しくしていろ」


提督「今までの信頼は...嘘だったのか!?」


大和「アッハッハ!バーカ!信頼してたのはお前だけだ!」ゲラゲラ




『ウケるー!』『間抜けー!』『ギャハハ!』




提督「畜生...!畜生!」ジタバタ


大和「もう諦めろ。あんたはもうすぐ死ぬんだから」バイバイ








ボートが出て、しばらく経ち...








大和「さーて皆さんお待ちかね!戦艦大和の弾着観測射撃の時間です!」


艦娘たち『イエー!』パチパチ


大和「いつも昼間にドンパチやってましたが、今回は夜間初挑戦!」


艦娘たち『いいぞー!』


大和「世界に誇る46センチ砲が火を吹きます!とくとご覧あれー!」ガチャ





零観妖精「」ビクビク


大和「おい、ちゃんと働かなかったらお前も奴と同じ目に遭わせるぞ」


零観妖精「は、はい...」ビクビク


大和「ほら、とっとと行け」


零観妖精「ごめんなさい、ていとくさん...」ブ-ン






朝潮「ちょ、ちょっと!何をしてるんですか!?」ドタドタ


陽炎「...ちっ、うるさいのが来たね」


朝潮「先程からの騒ぎ...大和さん!あなたは何をしてるのかわかってるんですか!?」


大和「...あーあー、なぁに?指輪を渡されなかった初期艦様?」イライラ


朝潮「っ...そ、それは...」


大和「今からみんなにショーを見せようと思ってたんだけど、あんたが来たお陰で白けたんですけど?どう責任取ってくれんの?」イライラ


朝潮「ショー...ですって?」


大和「あんたの愛しい愛しい提督様なら海の上にいるわ。連れ戻してきたきゃ自分でやってよね」イライラ


朝潮「っ...司令官!」ダッ











大和「...はーい皆さん、とんだ邪魔が入っちゃいまして申し訳ございません!ショーの続きを始めます!」



大和「零式水上観測機からゴミの位置情報が届きましたー!それでは、全砲門!」グググ





大和『てぇ!』ド-ン!







***







提督「くそっ!くそっ!解けねぇ!」プカプカ



提督「畜生!信じてたのに...何故...!」






「...かーん...れいかーん...」







提督「ん!?この声は...」






朝潮「司令官!」ザパッ


提督「あ、朝潮!」


朝潮「司令官、反乱です!」


提督「わかってる!とにかくこれを解いてくれ!」


朝潮「そんな時間はありません!私が担いで...」






ピカッ







提督「...!」


朝潮「よし!さあ逃げま...」


提督「朝潮危ない!」


朝潮「え...」








その時、とてつもなく大きな衝撃が俺と朝潮を襲った。



巨大な水柱が上がり、俺は空中に放り出された。



薄れゆく意識の中で見えたのは...朝潮が血飛沫を上げながら、くるくると宙を舞っているところだった...








***








大和「...成功でーす!」ジャ-ン


艦娘たち『おぉー!』パチパチ


大和「いちいちうるさい蝿も同時に処理出来ましたー!」


艦娘たち『おぉー!』パチパチ


大和「以上で夜間弾着観測射撃ショーを終了します!皆様、ありがとうございましたー」


艦娘たち『おつかれー!』


大和「さ、今後は計画通り、お願いね」





大和「バイバイ。馬鹿な人間さん」ニタリ











最悪の目覚め







元帥「えー、提督よ。鎮守府に着任する前に、一つだけ言っておこう」


提督「はっ」


元帥「お主は司令室で命令を下すだけが仕事ではない。艦娘だからと言え、蔑ろにすればしっぺ返しを喰らうぞ」


提督「はい」


元帥「提督とは艦娘との信頼関係を築かねば成り立たん役職じゃ。努々忘れるでないぞ」


提督「了解しました」


元帥「さて、儂からは以上じゃ。そろそろお主の初期艦になる艦娘が来るはずじゃが...」





朝潮「失礼します」ガチャ


元帥「おお、来たか」


朝潮「初めまして。御鎮守府に初期配属されました、朝潮です」


提督「初めまして」





***






提督「な、中破しただと!?」


提督「て、撤退だ!」





提督「無事か!」


陽炎「ちょっとしくじっちゃった...」


提督「今すぐドックに入れるぞ!」


朝潮「陽炎さん!しっかり!」





***






提督「改二おめでとう。お祝いに皆で外食だな」


摩耶「へへ、対空射撃なら任せな!」


川内「ありがとー!じゃあ帰ったらお試し夜戦したい!」


赤城「食べ放題ですよね?」


加賀「気分が高揚します」


提督「う、うっす...」






***






提督「ケッコンカッコカリねぇ...」


朝潮「司令官、誰に渡すつもりですか?」


提督「...俺は、朝潮に渡そうと思ってるが...」


朝潮「ほ、本当ですか!?でも、駆逐艦である私に装備しても...」


提督「...」


朝潮「...司令官、提案があります」


提督「ん?」


朝潮「その指輪は大和さんに渡すべきです」


提督「...いいのか?」


朝潮「その代わりですが、一つ約束してください」






***







熱い...




身体中が熱い...




なんだ?今度は痛い...




熱かったところが痛い...





苦しい...




誰か助けてくれ...




誰でもいい...助けて...






***







提督「...はっ!?」ガバッ





あれは...夢、だったのか?


ここは...どこだ?





「目ガ覚メタカ?」


提督「ああ...え!?」


「フム、ナカナカ頑丈ナ男ダ」


提督「お、お前は、深海棲艦!?」


「オ前タチカラハ戦艦棲姫ト呼バレテイルガナ」


提督「くっ、ここはどこだ!」キョロキョロ


戦艦棲姫「深海サ」


提督「ここが...深海だと!?嘘つけ!何故空気が...いてっ!」


戦艦棲姫「アマリ動クナ。傷ガ開クゾ」


提督「傷...そうだ、俺は...」





ル級「戦艦棲姫様、駆逐艦ノ救命ニ成功シマシタ」ガチャ


戦艦棲姫「ヨシ。ゴ苦労」


提督「駆逐艦...そうだ、朝潮は!?」


戦艦棲姫「アノ小娘ナラ助カッタヨウダ」


提督「そ、そうか、よかった...うぐっ!いてて...」ビキッ


戦艦棲姫「ソレデ、オ前タチガアソコデ何ヲシテイタカ教エロ」


提督「何故言う必要がある!」


戦艦棲姫「言ワナイナラ、貴様ハ要ラン」ズズズ


提督(戦艦棲姫の艤装が...)


戦艦棲姫「貴様ハ忘レテルカモシレンガ、ココハ貴様ニトッテ敵地ノ真ッ只中ダ。大人シク従エヌナラ、ココデ殺ス」


提督(...冷静になれ。確かに戦艦棲姫の言う通り、ここは深海棲艦の本拠地のようだ。朝潮もいるようだし、ここは言うことを聞くしかない)


提督「...わかった」


戦艦棲姫「ククク、物分カリガヨクテ助カル。サテ、教エテモラオウカ」






俺は覚えている範囲で、戦艦棲姫に話をした。


戦艦棲姫は時折、口元を綻ばせていたが...






戦艦棲姫「フム、トスルト貴様ハ寝首ヲ掻カレタワケカ」


提督「...笑いたきゃ笑え」


戦艦棲姫「イヤ、コレハ好都合ダ」


提督「な、なんだ」







戦艦棲姫「人間、復讐シナイカ?」







提督「復讐...だと?」


戦艦棲姫「ソウダ。信ジテイタ艦娘ニ裏切ラレタナラ、復讐シタクナイカ?」


提督「馬鹿な、何を言って...」


戦艦棲姫「自分ニ嘘ヲツクノハヨクナイナ。貴様ノ心ハ、深海ノヨウニ暗ク、禍々シイ」


提督「そ、そんなわけ...」


戦艦棲姫「我ラノ条件ヲ飲メバ、多少手助ケヲシヨウ。我々ノ目的ハ艦娘ト、害アル人間ノ排除。貴様ハ艦娘ヲ恨ンデイル。利害ハ一致シテルダロウ?」






...戦艦棲姫の言う通り、復讐心が無いといえば嘘になる。




割れ物を扱うように、大切に運用してきた。


日頃のケアも怠らず、娯楽面も充実させた。


実績を上げ、ある程度の発言力を持てるよう尽力した。


皆の信頼を得られるよう、身を削る思いで仕事をしてきた。






なのに、奴らは突然、俺を殺そうとした。


いや、ずっと前から計画していたような口ぶりだった。




俺の今までの行いが全て無駄だった。


そう思うと、無念と怨嗟が入り交じり、どす黒い感情が湧き出てくる。




許せない。



許せない。



裏切り者に、復讐を。



裏切り者に、制裁を。



地獄に落とすだけでは足りない。



死より恐ろしい復讐をしなければ、気が済まない。






提督「...お前らの条件とは、なんだ」


戦艦棲姫「我ラノ指揮ヲシテクレ。貴様ハ何度カ聞イタコトノアル、優秀ナ提督ラシイカラナ」


提督「...へっ、ここでも提督をやれってか?」


戦艦棲姫「優秀ナ人材ハ、有効活用シナケレバナ」


提督「...いいだろう。お前らに俺の力を貸してやる。だから、俺にも力を貸せ」


戦艦棲姫「取引成立ダナ」ニヤリ


提督「...奴ら、絶対に許さねぇ」ブツブツ






戦艦棲姫「サテ、デハ我ラノ一員トナッテモラウガ、覚悟ハ出来テルナ?」


提督「何をするんだ?」


戦艦棲姫「ナァニ、チョットシタ『注射』ダ」


提督「ふん、とっととやれ」


戦艦棲姫「フフ」プスッ


提督「...!?」






な、なんだ!?この感覚は!?



上下左右がひっきりなしに反転し続けている。


色覚も何もかも、反転を繰り返している。


体の奥が苦しいのに、力が湧いてくるようだ。


血管を何かが駆け巡る。焼けるように冷たい。凍えるように熱い。何もかもが逆に...






戦艦棲姫「フフ、安心シろ。直ニ楽にナる」





戦艦棲姫の声が、重複した声から普通の声に聞こえてきた...






戦艦棲姫「...ようこそ深海へ。我らは貴様を歓迎する」






戦艦棲姫の声が明瞭に聞こえたと同時に、俺はまた意識を失った。








暗い海の底にて








大和「こ、これを...私にですか?」


提督「ああ。嫌なら受け取る必要は...」


大和「そ、そんなことございません!是非とも、受け取らせて下さい!」


提督「そ、そうか...わかった」


大和「...私は、朝潮ちゃんに渡すと思ってましたから、その...」


提督「...話し合ったんだ。それで、君に渡すと決めた」


大和「う、嬉しいです...」






***









提督「うぅ...」


「あ、起きた」


提督「...お前は...?」


タ級「私は人間どもから戦艦タ級って呼ばれてる。まあ名乗る名前も無かったし、そのまま呼ばれっぱなし」


提督「...そうか」






戦艦棲姫「起きたか」ガチャ


提督「あ、お前...」


戦艦棲姫「ふふ、存外馴染むのが早いな。良質な依り代だったようだな」


提督「...俺に打ったあれはなんだ?」


戦艦棲姫「あれか?我ら深海棲艦の血液だ」


提督「...血液だけか?」


戦艦棲姫「ただの血液ではない。かつて貴様らの恐れていた姫、鬼たちの血液だ。深海因子の含有量も桁違いだった」


提督「深海因子...」


戦艦棲姫「深海因子は怨念で増殖すると言われている。姫と鬼たちでさえ、その血の狂気に呑まれる時があるというのに、人間であるお前が未だに正気を保てるとは思わなんだ」


提督「...?」


戦艦棲姫「要は、貴様を試したのだ。口だけのホラ吹きとなるか、本物の復讐者となるか。どうやら貴様は血に打ち勝ったようだがな」ククク


提督「あれは...お前たちの狂気だったのか」


戦艦棲姫「ふふ、合格だ。改めて歓迎しよう。『提督』よ」


タ級「よろしく~」








***







提督「そうだ、朝潮は!?」


タ級「ああ、あのおチビちゃんならもう峠を越えたよ」


提督「よ、よかった...いや、よくねぇ...」


タ級「あーそうそう、一つ言わなきゃ...」


提督「誰が撃ったかはわからないが、きっと大和に決まってる...朝潮にも構わず撃ちやがって...」ブツブツ


タ級「おーい、聞いてる?」


提督「許せねぇ...許せねぇ...!」ゴゴゴ


タ級「あーこりゃダメだな。聞いてない」






提督『許さねぇぇぇぇぇ!!!!!!』ビリビリ






タ級「!」






同時刻、本拠地集会場...






戦艦棲姫「...というわけで、新たな...ん?」ビリビリ


空母棲姫(空気が震えた...)ビリビリ


ル級改「戦艦棲姫様、この声はもしや例の...?」


戦艦棲姫「...ふふ、どうやらそのようだ」


重巡棲姫「ダイソーン、随分活きのいいやつ拾ってきたねぇ」


戦艦棲姫「その名で呼ぶな」


深海海月姫「...良い怨嗟。まるで全てを灼き尽くすかのよう」


空母棲姫「なるほど、我らの血に打ち勝ったのは嘘じゃないようね」


戦艦棲姫「半端者だったら即死する濃度にしたからな」


ヲ級改「期待できそうです」


ネ級f「あれなら、私たちが従うに相応しいですね」


戦艦棲姫「ここにいない者たちにも伝えねばな。新たな『提督』が舞い降りた、とな」







***






提督「はぁ、はぁ」


タ級「いきなりデカい声出さないでよ」


提督「あぁ!?」


タ級「怒りたいのはわかるけどさ、とにかくおチビちゃんの事言うから落ち着きなって」


提督「ちっ...」


タ級「舌打ちどうも。おチビちゃんはあんたよりもかなーりヤバい状態だったんよ。ここまではOK?」


提督「...で?」


タ級「そのままだと死んじゃうから、もう私らみたいになるしか生かす方法は無かったんよ。だから、おチビちゃんにも深海因子を取り込ませたワケ」


提督「何ぃ!?」ガシッ


タ級「まあそう焦らず、最後まで聞きなって。深海因子にも色々あるんだよ。あんたが打ち込まれたのは姫とか鬼の超危険なやつ。あれはとびきりの狂気の代わりに姫や鬼に並ぶ力が与えられるんだ。流石に人間に深海棲艦の膂力は与えられないけど」


タ級「おチビちゃんに打ち込んだのは私らみたいなごく普通?の奴らの深海因子。もちろん血の狂気はあるけど、馴染みやすくて深海化も簡単なのさ。深海化したお陰でこっちの薬も遠慮なく使えて、死なずに済みました、めでたしってこと」


提督「そんなこと、勝手にやっていい訳あるか!」グググ


タ級「じゃあどうしろっての?あの子見殺しにすりゃよかったの?」


提督「それは...!それは...」


タ級「そうそう、一旦力抜いて、深呼吸。ほら」





提督「...それで、朝潮は深海化したんだな?」


タ級「そ。まあイ級みたいにはなってないから安心して。ちょっと色白になっただけだから」


提督「だが...」


タ級「おっと、まさかあんた、治ったなら彼女だけでも元の場所へ、なんて思ってないでしょうね?」


提督「...」


タ級「図星か。言っとくけどそれはやめときな。そもそも味方だった奴から撃たれたんだろ?そんな奴がいるとこに戻ったら、口封じで殺されるよ?ましてや深海化してんなら、捕獲されて実験台にされるでしょ」


提督「...畜生」


タ級「自分が不甲斐ないって思ってんなら、これからの復讐で返せばいいじゃん。もう過ぎた事なんだし、今に集中したら?」


提督「...深海棲艦でもまともな事を言えるんだな」


タ級「褒め言葉として受け取っとくよ」ニシシ


提督「朝潮...」





朝潮「お呼びですか?司令官」ガチャ





提督「あ、朝潮!」


タ級「おーこりゃ驚きだわ。もう歩けるまで回復したんだ」


提督「...ちよっと待て。歩けるまで...だと?」


タ級「おチビちゃん見っけた時は足が無かったんだよね。あんたは骨が折れまくってた」


提督「...この足は?」


タ級「生えたね」


提督「生えた」


タ級「生えた」


朝潮「...事情は担当していた深海棲艦から聞きました。私と司令官はもう深海棲艦の一員なんですね」


提督「...ああ」


朝潮「司令官、一つ言っておきます。私はあの忌まわしい所に戻るつもりはありません」


提督「...」


朝潮「大和さ...いえ、大和の謀反は私も許せません。私だけならともかく、司令官を殺そうとした罪は万死に値します」


朝潮「ですから、復讐をなさるなら私も加勢します。それに、私は司令官との約束もありますから」


タ級「くぅー!泣かせるねぇ。こりゃ忠犬だね」


朝潮「次に忠犬と言ったら、その額に穴が開きますよ」ユラッ


タ級「おー怖い怖い」ヘラヘラ


提督「...もう、後戻りは出来ない。いいな?」


朝潮「覚悟の上です。むしろ、楽しみにしている節もあります」


提督「...上等だ」


タ級「んじゃ、戦艦棲姫さんに伝えてくるねー」スタスタ









同刻、鎮守府では...








大和「いやーいい椅子!やっぱ玉座は人間には勿体ないですわ!」


神通「遠征に行ってましたから、少し残念です」


鳥海「起こしてくれれば行ったんですけど...」


大和「ごめんねー。撮影しとけばよかったなぁ。あ、そういえば他のみんなは?」


鳥海「酔い潰れてますよ」


大和「まあお祭り騒ぎしちゃったし、無理ないわね。そうそう、陽炎型以外駆逐の子たちは平気よね?」


神通「まだ気付いていないです。大和さんがあくまで『悲劇のヒロイン』であると信じてる様子ですね」


大和「オーケーオーケー。大本営のバカ共も信じちゃってるし、私女優になれるんじゃないかしら?」


鳥海「私たちなら容姿だけで行けますからね」


大和「映画界の未来は明るいわね!あっはっは!」








朝潮型の寝室...







大潮「...んゆ?司令官」ムクッ


荒潮「...どうしたの?」


大潮「司令官の声が聞こえたような気がして...」


満潮「...司令官は行方不明だって言われでしょ」


大潮「んん...」


満潮「大和さんが言ってたでしょ。私たちが遠征に行ってる間に、深海棲艦が攻めてきたって」


荒潮「あまりの大軍だから司令官が囮になって、それっきりって言ってたわねぇ。朝潮姉は皆の静止を振り切って司令官と一緒に行ったままだけど...」


大潮「...でも、さっき聞こえたのは絶対司令官ですよ」


満潮「寝惚けてるだけでしょ。とっとと寝なさい」


大潮「んん...」


満潮(朝潮...司令官...)


荒潮(んー、何か嫌な予感がするわねぇ...)










悪魔の産声








深海拠点







戦艦棲姫「よし、二人とも目を覚ましたな。皆、聞こえているか」


戦艦棲姫「こいつはかつて鎮守府で提督を担っていた男だ。我らはこいつに煮え湯を飲まされた事が何度もあるが、今はこちら側だ」




深海棲艦たち『...』ギロッ




戦艦棲姫「今のこいつにとって艦娘は敵である。故に、我らに勝利をもたらすだろう。同胞たちよ、我らは今一度立ち上がるのだ」


提督「...ふん」


朝潮「...」






***






提督「深海棲艦なんか、もっと居るものだと思っていた」


戦艦棲姫「ここ最近は同胞が現れる事すら珍しい。主に貴様のせいだがな」


提督「そういえば、俺の事を知ってるような口ぶりだったな」


戦艦棲姫「当たり前だ。私は何度か貴様の艦隊と対峙している。我らの支配域を幾度となく奪った挙句、精鋭部隊ですら返り討ちにしているからな」


提督「ふん、謝らないでおく」


戦艦棲姫「結構。貴様に求めるのはその類稀な指揮能力だ。それを示せば皆も文句は言うまい。さぁ、ここだ」ガチャ






提督「ここは?」


戦艦棲姫「集会場だ。小娘、気圧されるなよ?」ククク


朝潮「深海棲艦は面白い冗談も言えるのですね。見直しました」






空母棲姫「...ふむ、お前が例の提督か。私は空母棲姫だ。お前の力、よく知っているぞ」


重巡棲姫「あたしは重巡棲姫。あんたの力、期待してるよ」


深海海月姫「...ビキニ環礁以来ね。深海海月姫です」





提督「...これだけか?」


戦艦棲姫「他はもうすぐ戻る。後で顔を合わせておけ」


提督「へい」


朝潮「かつて戦った事のある顔ぶれですね」


提督「ああ。どいつもこいつも手こずらせてもらったな」


空母棲姫「貴様らに婆呼ばわりされるのは心外だったぞ」


重巡棲姫「断末魔をネタにされてんのは腹立ったなぁ?」


深海海月姫「...?」





戦艦棲姫「まあ待てお前たち。提督よ、復讐相手はどのぐらいいるんだ?」


提督「...俺の鎮守府の艦娘だ。数はバカみてぇに多いが、少なくともあの夜、あの場に居た奴らだけは必ず報復する」


戦艦棲姫「名前を言え。おい、リストを作成してくれ」


ル級改「はっ」ペラッ


提督「...大和、赤城、加賀、摩耶、川内、陽炎、不知火、黒潮。こいつらは実行犯だ」


ル級改「...」カキカキ


提督「もし姉妹艦も関与していたら、容赦なく手を下す。情など一切掛けない」


ル級改「戦艦棲姫様」カキカキ


戦艦棲姫「よろしい。貴様の鎮守府はどこだ」


提督「地図が無けりゃわからねぇよ」


戦艦棲姫「おっと失礼。ル級」


ル級改「はい、ここに」


提督「よし。まずここはどこなんだ」


戦艦棲姫「ここだ」スッ


提督「...東シナ海だと!?俺の鎮守府は関東だぞ!?」


戦艦棲姫「偵察に向かわせたイ級がお前らを拾ったんだ」


提督「あの一体しか出てこない奴が...そうか」


朝潮「複雑な気持ちです」


戦艦棲姫「それで、お前たちの鎮守府はどこだ?」


提督「ここだ」スッ


戦艦棲姫「...ふふ、改めて長旅をしてきたな」


提督「ああ。片道だがな...ん?何の音だ?」ピピピッ








ル級改「戦艦棲姫様、駆逐棲姫様から救援要請です」


戦艦棲姫「場所はどこだ」


ル級改「南西諸島方面です。現在敵主力部隊と交戦中」


戦艦棲姫「...クックック、早速出番じゃないか?」


提督「...ああ」


戦艦棲姫「皆、部下を回すよう...」


提督「部隊構成はわかるか」


ル級改「...敵旗艦神通、随伴艦川内、那珂、赤城、加賀、親潮」


提督「...!」ゾワッ


ル級改(ん?今こいつの目が青く...?)


提督「面白ぇ。叩き潰してやる」


戦艦棲姫「こちらは誰を向かわせればいい?」








***







駆逐棲姫(くっ、まだなの!?)


タ級f『駆逐棲姫様、このままでは...』


駆逐棲姫『わかってる。このままやらせはしない!』





親潮「楽勝ですね」


加賀「この戦闘が終われば、大和さんが提督となっても文句は言われなくなる」


赤城「乗っ取り計画も大分進んで、やっと大手を振って歩けますね」


神通「それにしても、温い相手です 」


那珂「神通ちゃん張り切り過ぎ~☆」


川内「こりゃ夜戦まで行かないかなぁ」






『スキあり』






神通「!?」ドゴ-ン


イ級f『うわ、ほんとに精鋭部隊じゃん』


ロ級f『新しい提督さん、これほんとに勝てるの?』


提督[安心しろ。俺の指示通りに動けばいい]


ハ級f『ま、私ら沈んでも大丈夫だから、気楽にいきます』


提督[よし、ワ級たち、駆逐棲姫たちを守れ]


ワ級f『了解』








神通「...何でしょうか、こいつら」


赤城「増援にしては雑魚ですね」


川内「でも奥のワ級はちょいと厄介だね」


加賀「何にせよ、全て沈めればいいだけです」





提督[赤城はお前たちを狙って攻撃してくる。加賀はお前たちが逃げる方向を予測して攻撃してくる。だが順番さえ分かれば交互に避けられる]





イ級f『おぉー』ヒョイ


ロ級f『すげぇ!いつもはすぐ沈むのに全く当たらねぇ!』ヒョイ


ハ級f『流石は敵の司令官だっただけありますね』






赤城「なっ!?」


加賀「避けた?バカな...」





提督[リロード中は蛇行しながら回避しようとするクセがある。避ける方向を予測してこっそり魚雷を打て]





イ級f『まずは私から!』バシュッ





赤城「!?」ドゴ-ン


加賀「赤城さん!?」


赤城「バカな...いつの間に!」大破





イ級f『す、凄い!』


ロ級f『神通たちが来るぞ!』


提督[回り込め!]





神通「よくも赤城さんを!」


那珂「雑魚のくせにー!」


川内「親潮ちゃん、赤城さんの護衛を!」


親潮「了解!」





提督[川内型はどいつも強敵だが、ちゃんと弱点がある。実は奴らは肉迫されると弱いんだ。だから、攻撃される直前に思い切って前進し、零距離射撃をお見舞いしてやれ]




ロ級f『はは、マジか...』


ハ級f『それじゃ、やってみます...そらっ!』ド-ン!





川内「!?」大破


ハ級f『おお、上手くいったようです』


神通「川内姉さん!?」


那珂「駆逐艦如きが何故!?」


ハ級f『なるほど、タイミングは掴みました。また行けそうです』


提督[よし、ワ級たち。さり気なく加賀を撃て]


ワ級f『了解』ド-ン!






加賀「ちっ、いきなり何を...」


親潮「小賢しい!」







提督[回り込んだら魚雷を撃て]






ロ級f『全部くれてやるぜ!』ドドドド





加賀「なっ!?」ドゴ-ン!


親潮「え!?きゃあ!」ド-ン!






ロ級f『やったぜ!全部命中!』


イ級f『敵部隊の損害、甚大です』


提督[よし、ワ級。捕獲できるか?]


ワ級『いけます』


提督[よし、大破してる奴を連れてこい]







赤城「加賀さん...親潮ちゃん...」


加賀「すいません赤城さん...不甲斐ないばかりです...」大破


親潮「魚雷を放棄しないと...」大破




ワ級f『いきます』ドドドド


赤城「...!?」


加賀「赤城さん、危ない!」ガブッ


親潮「え...」


ワ級f『一人捕獲』ゴクン


赤城「加賀さんが...」


親潮「食われた...」


ワ級f『残りも捕獲します』グルッ






川内「くそっ...こんなはずじゃ...」


那珂「たかが雑魚一匹なのに、なんでこんなに強いの!?」中破


神通(いつもの駆逐艦ならこんな動き出来ない...まるで全て見通してるかのよう...)中破


ワ級f『面倒なんで丸ごと捕獲します』


那珂「え、何あれ...」ゾクッ


神通「補給艦が...口を...?」ゾクッ


川内(まるで鯨みたいなでかさ...こいつ、まさか!)


川内「みんな!逃げるよ!」


ハ級f『余所見は禁物ですよ』ドン!ドン!


神通「ぐっ...!」大破


那珂「顔はやめてぇ!」大破


ワ級f『グッドタイミングです』ガブッ









戦艦棲姫「...驚いたな。かつての貴様の精鋭を、まさか駆逐艦と補給艦で壊滅させるとは」


提督「俺もここまで上手くいくとは思わなかった。だが、これで証明できたな」


戦艦棲姫「貴様の指揮能力か?」


提督「いや、それはどうでもいい。重要なのは艦娘が持つクセだ。それさえ的確に教えれば、駆逐艦だけでも撃破できる」


重巡棲姫「はぇ~すっごい」


空母棲姫「初めはバカなのかと思ったが、面白い奴だな」


提督「ただ叩き潰すだけじゃつまらん。奴らが雑魚と見下してた駆逐艦にやられてこそ、屈辱も与えられるだろ?」


深海海月姫「...ふふ、趣味の悪い人」


提督「何とでも言え。俺は今ご機嫌なんだよ。早速実行犯が三人も来たんだからな!ハッハッハッハ!!」







戦艦棲姫(私も初めは的外れな編成だと思っていたが、まさかここまでとは...)



戦艦棲姫(我らでは到底思い付かない発想だ。それに、艦娘の動きをよく見ているからこそ成しえた結果だ)




戦艦棲姫(これほどの観察眼を持つ人間はそうそういない。それを手放した艦娘は余程のバカか、あるいは...)




戦艦棲姫(いや、それよりも...どうやら我らは、とんでもない悪魔を目覚めさせ、味方に出来たらしい。愚かな艦娘共よ、感謝するぞ)ククク










復讐の始まり










親潮「んん...ここは...」


親潮「私...補給艦に呑み込まれて...あ、赤城さん、加賀さんは!?」キョロキョロ


親潮「って...拘束されてる!?何これ...」





提督「おはようございまーす」ガチャ


親潮「あ、し...司令...!?何故!?」


提督「驚いたか?まあ無理もないか」ヨイショ


親潮「あなたは...死んだはず...」


提督「ところがどっこい、生きてまーす」ニヤニヤ


親潮「...これを外して下さい」


提督「...はー、言うとは思ったけど、こんなに早いとはな。お前、今自分が置かれてる状況を理解出来てないみたいだな」ガチャガチャ


親潮「な!?」


提督「アシスタントさーん、来てくれー」パンパン





タ級「はーい」


親潮「し、深海棲艦!?」


タ級「おチビちゃんじゃなくてよかったん?」


提督「朝潮は今艤装のテストしてるから他の奴らに回す」


親潮「あ、朝潮さんも...生きてるんですか!?」


提督「こいつらのお陰でな。さーて無駄話はここまで。これから何をされるでしょう?」ガチャガチャ


親潮「ま、まさか...」


提督「復讐...といきたいところだが、幸いお前は実行犯ではないから拷問にランクダウンしましたー。残念だなぁ」


親潮「ご、拷問ですって!?私は何も...」




タ級「おー、早速反応したよ。嘘乙」ビ-ッ!


親潮「!?」


提督「すげーなその嘘発見器。取り付けなくてもわかるんか」


タ級「深海の技術は地球一ーってね」


提督「嘘を着いたからペナルティでーす。とりあえず古典的なやつからいくか」


親潮「何をするの!?離して!」ジタバタ


提督「バカが。その拘束具は深海棲艦の残骸から作られた特殊拘束具だ。それに含まれる残留思念は艦娘に対して強度が増す」


親潮「くそっ!!」ガチャガチャ


提督「んー、深海でもスマホって繋がるんだな。とりあえず爪から剥がすか」


タ級「全部でおけ?」


提督「いいぞ」


タ級「りょうかーい。じゃあ大人しくしてなー」


親潮「いやだぁ!いやぁぁぁぁぁ!!!」ジタバタ


タ級「そう暴れても無駄だって。大破した駆逐艦如きが戦艦に敵うわけないでしょ。ほら」ブチッペリッ


親潮「あああああああ!!!!」


タ級「いい声出すねぇ。さて、爪はあと19枚あるよー」


親潮「痛い!痛い!!」ジタバタ


タ級「いい加減にしろよクソガキ」ドスッ


親潮「がふっ!?げほっ!」


提督「おいおい、ペンチ腹に刺すなよ」


タ級「だいじょーぶ。刺さってはいないよ。さて続き続きっと」ペリッペリッ


親潮「いやぁぁぁぁぁ!!!!」







タ級「いやー、爪って案外剥がすのムズいんだね」ケラケラ


提督「途中から剥がすの上手くなってんじゃん」


タ級「そう?どれも血だらけでわかんないよ」


提督「まあいいや。さて親潮。これからも嘘を着くとペナルティを課す。お前の知ってること、全て教えろ」ギロッ


親潮「...」ビクッビクッ


提督「あー、爪剥がしただけで気絶かよ。タ級」ヤレヤレ


タ級「はいはーい」スッ


親潮「ぎゃっ!?」バチン!


タ級「はい起きましたー。電流で起こされんの初めてでしょ」


親潮「ひっ...」


提督「さて、もう一度問う。お前の知ってること、全て教えろ」


親潮「な、何から言えば...」


提督「そうだなぁ、この反逆に関わってる奴らの名をを全て挙げろ」


親潮「は、はい、大和さん、赤城さん、加賀さん、摩耶さん、鳥海さん、川内さん、神通さん、那珂さん...です」


提督「おっと待て、陽炎、不知火、黒潮もだろ?」


親潮「...そう...です...」ポロポロ


提督「ちなみにそいつら実行犯だから隠そうとしたって無駄だ。他には?」


親潮「...い、いません」


タ級「ダウトー」ビ-ッ


提督「はいペナルティー。どうすっかな」


親潮「ひっ...」


タ級「爪剥がしたし、指全部切るってどう?」


提督「あーいいっすねそれ面白そうですね」


親潮「ば、化け物め...」ガクガク


提督「お前らが俺を化け物にしたんだぞ?タ級、ちょっとオプション付ける」


タ級「え?」ハサミ持ち


提督「ただ切るんじゃすぐ終わっちまうだろ?『捻り切れ』。できるだけゆっくりな」ニタァ


タ級「...アハハ」ニヤニヤ


親潮(し、司令の目が青く...あれはまるで...)


タ級「ほらいくどー」ガシッ


親潮(深海棲艦...!)ゾクッ


タ級「ホラホラホラホラ」グリグリ


親潮「い、痛い!!やめて!」


タ級「やめねぇよ?」ブチブチ


親潮「あぁぁぁぁぁ!!!!」ブチブチ








タ級「ゆっくりやってたら疲れちゃった」


提督「お疲れ。さて続きだ。他のメンバーは...」


親潮「い、言います!言いますから!」


提督「ほーう?」ピクッ


親潮「な、那智さん!足柄さん!筑摩さん!千代田さん!大淀さんです!それ以外は本当に知りません!」ビクビク


提督「利根と千歳、他の駆逐艦は関わっていないのか」


親潮「あ、姉を巻き込まないために言ってません!他の駆逐艦たちは知りません!私と陽炎姉さんたちは偶然計画を聞いてしまっただけです!」


提督「ふーむ。なるほど」


親潮「け、計画については詳しくは知りません!ただ、司令から鎮守府を乗っ取るとだけ聞いただけです!」





タ級「反応無し。マジっぽいね」


提督「よしよし、いい子だね~」ナデナデ


親潮「ヒッ」ビクッ


提督「よし、もうお前は用済みだ。タ級、こいつ達磨にして蛇責めにでもしておいて」


タ級「蛇責め?何それ」


提督「大昔に他国の暴君が考えた刑のこと。後はスマホ見て」


タ級「どれどれ...あー、なるほどね。用意してくるね」スタスタ


親潮「そ、そんな!助けてくれるんじゃないんですか!?」


提督「...はぁ、親潮。お前は何事も真面目に取り組んで非常に優秀だと思っていたが、自分が危うい状況に陥ると、脳みそがお花畑になるみたいだな」


親潮「え...」


提督「何で俺を裏切った奴らを助けなくちゃならない?何で情報を言えば助かると思ってるんだ?つくづく呆れるわ」


親潮「お、親潮は...」


提督「ちなみにもし助けたとしても、こっから出すわけにはいかないし、万が一鎮守府に返しても、お前は仲間の情報を売った裏切り者だ。何をされるかはお前もわかるだろ?」


親潮「い、いや...」ポロポロ


提督「自分だけ助かると思ったら大間違いだぞ?反逆に巻き込まれた自分を恨め」


親潮「ごめんなさい...ごめんなさい...」


提督「今更謝っても遅せぇよ。仕上げにかかるか」ゴソゴソ





タ級「持ってきたよー」ドスン


提督「どれどれ...うはは、お前これ毒無しの蛇だろ」


タ級「だって毒ありだったらすぐ終わっちゃうじゃん?」


提督「パーフェクトだタ級!そんじゃ、達磨にしてやれ」


タ級「ん。猿轡と目隠しは提督が付けたん?」


提督「それぐらいならやるわ」


タ級「お疲れさん。そんじゃ、覚悟しなよー」メリメリッブチッ


親潮「んーーーー!!!!」


タ級「切ったやつどうする?」


提督「そうだなぁ、一緒に壺にいれとこう」


タ級「ほいほい。よいしょっと」ブチッブチッブチッ


親潮「...」ビクン


提督「失神したら即効強心剤」ブスッ


親潮「ぎっ!?」ビクン!


提督「失神しながら死ねると思うな。恐怖と絶望を味わいながら死ね」


タ級「マッパにしてー、切ったのいれてー、メスガキぽいっと」ボトッ


親潮「んー!!んーーー!!」


タ級「おー、蛇たち驚いて動きまくってる」


提督「実行犯じゃないから死なせてやる。死ねるだけありがたいと思え」


タ級「蓋してー、縛ってー、終わり!」


提督「フハハハ!さーて戻るか」スタスタ


タ級「おやすみー」バタン









親潮(いや!いや!蛇がまとわりついてくる!)



親潮(どうして私がこんな目に...こんな...)



親潮(...もうダメなんですね...司令の言った通り、関わった私がいけないんですね...)



親潮(司令...ごめんなさい...)



親潮(私は...ただ巻き込まれただけ...でも、抜ける勇気がありませんでした...)



親潮(あぁ...蛇が体の中に入ろうとしてる...)



親潮(いや...死にたくない...いや...)








提督「声が聞こえなくなったな」


タ級「本当に殺してよかったん?」


提督「実行犯は、厳密には殺さないからな」


タ級「...ははーん。じゃああの子は死んでよかったってこと?」


提督「...ちっ、情など掛けないと言った筈なんだが、俺もまだ甘いな」


タ級「まぁいいんじゃない?じゃ、次頑張ってねー。あたしは疲れたから寝る」バイバイ


提督「ああ。お疲れ」







朝潮「司令官、お疲れ様でした」


提督「朝潮か」


朝潮「今から復讐に?」


提督「...ああ。お前も来い。復讐は始まったばかりだ」










美味しい食材








赤城「...加賀さん、起きてますか」


加賀「起きてます。この拘束具、異様に頑丈ですね...」グググ


赤城「どうやら私たちは深海棲艦に拉致されたみたいですね。どうやってここから脱出しましょうか...」







提督「脱出?何を馬鹿げた事を言ってるんだ?」ガチャ


朝潮「おはようございます」






赤城「提督...!?」


加賀「...そう、全て合点がいったわ」


提督「ほー、青いほうは冷静だなぁ。赤いほうも見習ったほうがいいぞ」ヨイショ


赤城「...ふん、死んだと思ったら深海棲艦に寝返ったようですね。国賊め」


提督「あー?てめぇらに裏切られるまでは英雄と呼ばれても過言じゃなかったぞ?」


加賀「お前は机でのんびりしてただけでしょう。私たちの力があってこその評価です」


提督「...朝潮、どう思う?」


朝潮「司令官を逆上させようとしているだけです」


提督「俺もそう思う」


赤城「で?何かなさるつもりで?」


提督「ああ。今から楽しい時間が始まる。朝潮、いいか?」


朝潮「用意は出来てます」ゴトン


加賀「何ですかそれは」


提督「まあお前ら、それなりに腹減ってんじゃないすか?」


赤城「...」


加賀「...」


提督「ここにぃ、美味い食材の入った壺があるらしいっすよ」


朝潮「大食艦である二人も満足するかと」


提督「残さず食ってくれよな~」スッ


赤城「そ、それは...」


加賀「誰の...腕ですか」


提督「あ、そうだ。お前ら食えば何の食材だったかわかるって言ってたな」


朝潮「ああ、食通だから何でもわかるとかほざいてましたね」


提督「俺が説明するより食ったほうが早いだろ。ほら、口開けな」


加賀「近寄らないでください!」


赤城「や、やめなさい!こんな事してタダで済むと思って...」ジタバタ






提督「済むと思ってるに決まってんだろ」グイッ


赤城「モガッ!?」


加賀「赤城さ...んむ!?」


朝潮「ほら、新鮮な生肉ですよ」グググ



提督「お前にはよく飯をせびられたなぁ。その度俺は食事を抜いて、腹ペコのまま書類を片付けてたなぁ」


朝潮「一航戦ともあろうものが司令官に乞食ですか。大層な誇りをお持ちですね」


赤城「あ...あが...」モゴモゴ


提督「ちゃんと噛んで食えよ」ゴスッ


赤城「んぐ!?」ブチッ


提督「ほら、顎動かして、ちゃんと味わえよ」グリグリ


赤城(な、なんて力!人間がこんな力を...)ガブッガブッ


朝潮「美味しいでしょう?つい先程出来上がったんですよ」グリグリ


加賀「んぐ...おぇぇ!!」ゲロゲロ


朝潮「おっと、吐いてしまいましたか。これは罰を与えないとですね」


提督「しょうがねぇな~。加賀が吐いたんなら赤城が責任取んないとな」


加賀「!?」


赤城「もがっ!?」


提督「赤城はいつも言ってたよなぁ?加賀が何かやらかした時は責任を負うって。加賀も同じような事言ってたよなぁ?」


加賀「っ...」


提督「そうさなぁ、単品じゃ美味くないんだろうなぁ...じゃあ、赤城の一部をトッピングとしようか」


朝潮「名案ですね。どこにしましょうか」


加賀「や、やめて下さい!」


赤城「そんな...」


提督「一航戦は目がいいって聞いたからなぁ。とりあえず片目をくり抜いてやるか」


赤城「え...」ゾクッ


加賀「だ、ダメ!」ジタバタ


提督「は?聞こえねぇな」グリッ


赤城「いやぁ!やめてぇぇぇ!!!」


提督「その言葉、俺は何度も言ったけど叶わなかったよ」ブチッ


赤城「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!!!」


提督「ほー、眼球って思ったより硬いな。これを腕に詰めて...よし」


朝潮「赤城の眼球添えの出来上がりです。とっとと口を開けなさい」


加賀「...」


提督「あーこりゃまたペナルティかなぁ」


加賀「た、食べます!食べますから...!」


提督「おーいい子だねお前ほんとに。ちゃんと味わえよな」スッ


加賀「っ...」ガブッモグモグ


提督「おーちゃんと噛んでんなぁ。人肉を味わってるとか正気じゃねぇなー」


朝潮「相棒の一部ですら食べるとは、私には理解しかねますね」





加賀「くっ...さぁ、食べましたよ」


提督「まだ残ってんじゃん。全部食えよ」


加賀「なっ...」


提督「さーん、にー」


加賀「も、もう、許して...」


提督「はいアウトー。もう片方の目もいっとくか」グリッ


赤城「んんー!」モゴモゴ


提督「赤城は地道に食ってんのに、加賀は欲張りだなぁ」ズブズブ


加賀「...」ポロポロ


提督「朝潮ー、赤城失神しかけてるから強心剤よろしく」ブチッ


朝潮「了解です」プスッ


赤城「ぎぃっ!?」ビクン


提督「あーあー、加賀がわがままなせいで赤城は目が見えなくなっちゃったー」


加賀「...」ポロポロ


提督「あと手だけだったのになぁ。さ、食えよ」


加賀「...」ガブッ


提督「おー怖ぇなー、がっつくのかよ」


朝潮「食人鬼ですね」





提督「よーし、どちらも食べきったところでクイズです。これは何の食材でしょうか?」


赤城「...」


加賀「...」


提督「あらー、まだわかんないかぁ。それじゃあもっかい食ってもらおうかー」


赤城「ま、まさか...」ゾクッ


加賀「くっ...」


提督「腕はあまり肉付きが良くなかったから分かりにくかったかな?それじゃあ脚ならいけんだろー」


朝潮「これでダメなら食通の名が泣きますね」


赤城「うぅ...」ポロポロ


加賀「もうやめて...」ポロポロ


提督「つべこべ言わねぇでとっとと食え。トッピング追加されてぇか?」


加賀「っ...」ガツガツ


提督「あらら、加賀さんったら人肉にハマったみたい。心底気持ち悪い」


朝潮「どういう神経してるんでしょうねぇ」





赤城「も、もういや...食べられない...」


提督「あら?赤城さんったら話聞いてなかったわけ?こりゃペナルティだなぁ」


加賀「赤城さん...!」


赤城「ごめんなさい...先に逝きます...」ガリッ


提督「おーっとそうはさせるか」ガシッ


赤城「んぐっ!?」


提督「舌噛み切って死のうなんて甘っちょろい事すんなよ。まだ楽しい食べ物クイズしてんだからよ」


赤城「んぐぐ...」ギリギリ


提督「途中退店は認められておりませんってな。朝潮、加賀の片目と前歯を抜き取っちまえ 」


朝潮「その程度でいいんですか?」


提督「どっちも両目潰しちゃ正解言っても信じないだろ?だから歯で妥協した」


朝潮「それもそうですね。まあ、わがまま言って両目くり抜かせた加賀が悪いんですけど」ペンチ持ち


加賀「あ、朝潮!やめなさい!」


朝潮「気安く私の名を呼ぶな、売女」グリッブチッ


加賀「いっ...!!!?」


朝潮「腹が立ったので一発ぶちこんどきましょうか」ゴッ


加賀「ああああぁぁ!!」


提督「あー、こりゃ奥歯取れたな。まあいいか。前歯よこして。赤城に食わせるから」


赤城「いやぁ!いやぁぁぁぁぁ!!」


提督「んなこと言っちゃうとまた加賀がペナルティ喰らうぞー?」








赤城「か、加賀なんかどうでもいい!助けて!私を助けてぇぇぇ!!!」



加賀「!?」



赤城「お、お願いします!私だけでいいから助けて下さい!お願いします!!!」







提督「...フハハ、こりゃ見物だ。あの赤城が、加賀を売ったぞ。傑作だな!」


朝潮「もう誇りもクソもありませんね」


加賀「そんな...赤城さん...」


提督「残念だったねぇ加賀さんよぉ。赤城はお前の事はどうでも良くなったみたいだ」


加賀「嘘...こんなの夢...」


提督「これは現実だ。どうだ?裏切られた気分は?最高に最悪だろう?俺の味わった苦しみはこんな程度じゃねぇよ」


加賀「...」






提督「赤城さんよぉ、まだお肉残ってるけど、加賀に全部くれてやっていいわけ?」


赤城「い、いいです...」ガタガタ


提督「あらら、こりゃ友情も絆もぜーんぶ捨てたわけだ。恥ずかしいと思わないのかよ」


赤城「た、助かりたいです...」ガタガタ


提督「...はー」









提督「助けるわけねぇだろ、ゴミ」グッ









赤城「んぐっ!?」


提督「前歯を奥歯に置いてーガッチリ固定してー」グググ


朝潮「思いっきり噛んでもらいましょう」ゴツン!


赤城「んがっ...あぁぁぁ!!」


提督「クッソウケる。助けるわけねぇのに、裏切った奴に助けを求めてやんの」ゲラゲラ


赤城「うぁぁぁ...」


提督「バカ丸出しな赤城は置いといて、そろそろクイズに答えてもらうか。さて加賀。正解したらお前だけ助けてやるよ」


赤城「ぅえ!?」


加賀「...本当ですね」


提督「あらあら、やる気満々だな。まあ、正解できたらな」






加賀(手と脚のサイズからして、小さな子のもの...)


加賀(血の気が引いてて少し白んでいたけど、つい先程出来たと言ったという事は、生きていた子のもの)


加賀(つまり、可能性としては私たちの艦隊の子か、それ以外の捕虜。しかし、この男は他の捕虜を私たちに食わせるとは思えない)


加賀(そうなると、裏切りに関わった私たちの誰かとなる。川内さんたちほど大きくないから...まさか...)





加賀「...お、親潮さん...じゃないですか?」


赤城「...!?」







提督「正解ー!」パチパチ


朝潮「これこそ食通ですね」パチパチ


赤城「...」


提督「では、本人に登場してもらいましょう。朝潮」


朝潮「よいしょっと」ズズッ







加賀「...ひ、ひどい...」


赤城(まさか...本当なの!?)


提督『ひどいよ赤城さん、加賀さん。私を食べるなんて』裏声


朝潮「ぷっ...」クスクス


提督『私、赤城さんたちに見つかったお陰で、殺されちゃいましたよ?絶対に許しませんから』(裏声)


朝潮「し、司令官、それ以上は我慢出来ませんので...」フフッ


提督『謝るまで、私は二人を見ていますので』(裏声)


朝潮「あ、置いときますね」







加賀「この悪魔!こんな残虐な事を...!」


提督「悪魔だぁ?てめぇらに言われたかねぇわ。お前らのために、全てを投げ打って提督を務めてきた俺を裏切っておいて、よくもそんな口が聞けるな」


加賀「親潮さんを...返せ!」


提督「返しただろ。尤も、今はお前らの胃袋の中だがな。いやー怖い怖い」


加賀「っ...」ポロポロ


赤城「...」


提督「さて、ある程度満足したし、次の『食材』が来たらまた来るわ」スタスタ


加賀「ま、待ちなさい!私を助けると言ったでしょう!?」


提督「...こいつら、やっぱバカだな」


朝潮「全くです」


提督「俺を裏切った奴の約束なんか守る道理はねぇし、ましてや相棒を売るクズは助ける価値などこれっぽっちも無い」


提督「人間ってのは、お前らが思ってる以上に冷酷で、残虐なんだよ。特に、裏切った奴にはな」


加賀「そ、そんな...」


提督「裏切り者同士、仲良く親潮とお話してな」ガチャ


朝潮「次の『食材』も楽しみにしてなさい」バタン


提督「自害しようとしても無駄だ。俺はいつでもお前らを見ているからな」バタン


赤城「...」


加賀「...」









提督「...フフフ、フハハハハ!ざまぁみやがれ!!」


朝潮「司令官、あのまま生かしておいてよかったのですか?」


提督「大丈夫だろ。自害とか、何かしら自分勝手な行動をしようとしたらペナルティが課されるって見せてんだから、どちらも迂闊に動けねぇだろうよ」


朝潮「疑心暗鬼に苛まれ続けるという事ですか。流石ですね」


提督「それに加えて、死体がずっと自分を見てると来た。発狂したら精神安定剤でもぶち込んで放置しとこう。また発狂したら、その繰り返しだな」


朝潮「あくまで殺さず、永遠に苦しませるのですね」


提督「おうよ。まだまだこれからよ」










暗闇に嗤う










戦艦棲姫「ふふふ、早速捕獲した艦隊の半分に手を付けたか」


提督「なんだ?俺の獲物だぞ?」


戦艦棲姫「別に取ろうとは思っていない。貴様の働きぶりはモニターで全て見ていたぞ。我らの血に勝ったのも納得のいく狂気を持っているな」


提督「そりゃどうも。そんで?なんか用か」


戦艦棲姫「貴様の『後釜』は随分『優秀』なようだな。どうやら捜索隊が出動したようだ」ククク


提督「...編成はわかるか」


戦艦棲姫「斥候によると、朝潮型3隻、千歳型軽空母2隻、高雄型1隻だ」


提督「...なるほど、待ってろ。マニュアルを渡しておく」


戦艦棲姫「ほう?」


提督「俺が知り得る艦娘ごとのクセを全て載せておく。それに従えば、まず轟沈は無いだろう」カキカキ


戦艦棲姫「お優しいことだ」フン


提督「損害は仕方ないが、損失は許さん。これは絶対だ。いいな」カキカキ


戦艦棲姫「...ククク、まあいい。時間はたっぷりあるんだ。『たっぷり』とな」


提督「...無関係な奴にこの場所を知られるのはまずい。だから、裏切りに関与した奴らだけを攫ってこい。これからも捜索に来たらな」パサッ


戦艦棲姫「ふふ、了解した」ニヤ


提督「俺は残り物の片付けにいく。朝潮はどうする」


朝潮「お供します」


戦艦棲姫「ちょっと待て。行くなら一人、部下を同行させたいのだが」


提督「邪魔しなきゃ誰でもいいぞ」


戦艦棲姫「感謝しよう。それでは、楽しんでこい」スタスタ









戦艦棲姫(...恐ろしいまでに細かく書かれたマニュアルだ。ここまでクセを把握しているからこそ、我らはあいつに手こずったわけか)



戦艦棲姫(しかし、今はそれが仇となったな。その傲慢が、自滅へと向かっていると知らずにな...)







***









神通「...ここは」


川内「神通?起きたね」


神通「姉さん!?ここは!?」


川内「少なくとも、あの世じゃないみたい」


神通「...なるほど、拘束されてますね」


川内「那珂だけ居ないんだよね。どこなんだろ...」





モニター『見ろよ見ろよ』カチッ





川内「っ!?」


神通「何でしょうか...」






提督『映った?』


朝潮『はい』


提督『皆様、こんにちは。裏切り者専属復讐者の提督と申します』


川内「!?」


神通「提督...!?」


提督『今回復讐するのは那珂っ。均整の取れた身体と、皆を魅了するアイドルスマイル』


提督『まだ現状を理解出来てない那珂ちゃんは、俺の復讐に耐えることができるでしょうか』


川内「復讐だって?」


神通「ま、まさかそんな...」


那珂『て、提督!復讐だなんて、嘘だよね!?那珂ちゃん何もしてないよ!』


提督『でも計画については知ってたんだよなぁ?』


那珂『し、知らな...』


朝潮『アウトです』ビ-ッ


那珂『ひっ!?』


提督『嘘つきはお仕置きだどぉ!新入りのル級、このノコギリで指先切っちまえ』


ル級(新人)『は、はい...でもこのノコギリ、錆び付いて切りにくそうですけど...』ビクビク


提督『大丈夫だって安心しろよー。いつかは切れるからヘーキヘーキ』


那珂『や、やだ!やめて!話すから!』


提督『ほー?』


那珂『な、那珂ちゃんは計画について知ってました!提督が深海棲艦との戦争を終わらせる直前で鎮守府を乗っ取るって計画でした』


川内「な、那珂...」


神通「まずいですね...」


那珂『や、大和さんに計画を聞いた川内ちゃんから誘われました!川内ちゃんは提督を行方不明にさせる計画グループで、那珂ちゃんと神通ちゃんは計画を知らない子たちに、大和さんが悲劇のヒロインとなるよう教えこみました!』


提督『...ほう』


那珂『だ、だから鎮守府のみんなは大和さんが提督の遺志を次いでると思ってます!』


提督『...ほーう???』ビキビキ


那珂『な、那珂ちゃんの知ってることはこれだけです!だから助けて!』


提督『...ふむ、確かにお前は俺の要求に応えた』


那珂『て、ていとく...』






提督『だが俺は話せば助けるなんて一言も言ってない。やれ』





ル級『は、はい...』ギコギコ


那珂『いたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁいいいい!!!』


ル級『ひぅっ!?』ビクッ


提督『アイドルの癖に悲鳴だけは獣みてえな声出すんだなお前な』


朝潮『耳障りですね』


那珂『いだい!いだいよぉぉぉぉぉぉぉ!!!』


提督『るっせーなー。もうちっと品のある声を...』



川内「くっ...!」


神通「なんて酷い...」




提督『あー、酷いと思ったら大間違いだぞ神通。これは因果応報ってやつだぞ?』


神通「なっ、聞こえて...!?」


提督『おー、ル級も結構、切るの上手いじゃん』


ル級『いやそんなこと...』


那珂『いたい...あつい...』


提督『でも那珂ちゃんは確かに俺に情報をくれた、それについては評価してやろう』


那珂『は、はい...』ビクビク


提督『そうさなぁ。俺の出すチャレンジに成功したら、解放してやるよ』


那珂『ほ、本当ですか...』


提督『ま、成功できたらな。そのチャレンジの名は...[全力カラオケ熱唱!in ファラリスの雄牛]!』


ル級『よ、用意出来しました...』ゼェゼェ


提督『仕事早いっすね。んじゃ放り込むか』


朝潮『了解』ポイッ


那珂『いたっ!』ガン


提督『那珂ちゃんはどんな歌が得意?』


那珂『こ、恋の2-4-11です...』ビクビク


提督『ふーん。じゃ、始め』バタン


那珂『え!?え!?』


提督『そんじゃ、ミュージックスタート』カチッ


ル級『か、火力はどうしますか?』ビクビク


朝潮『最大で』






那珂「き、気づいてるわ みんなが私を...」



那珂「は、ハートの視線で 見つめてるの

あ、ぁ、アイドルだから 慣れっこだけど

アナタの瞳に気づいて ど、ドキッとしちゃった...熱っ」



那珂「他の人とは違う 『トクベツ』を感じたの

その時から私の胸は 解体されちゃい...あ、熱い!熱いよ!」ジタバタ



那珂「の、喉が焼ける!熱い!ここから出して!助けて!提督!」ガンガン!







提督『あー?何言ってんだかわかんねぇよ』


朝潮『とても那珂ちゃんとは思えない低い声ですね』


ル級『...』ガクブル






那珂「いやぁ!死にたくないい!ごめんなさい!反省してるから出してぇ!出してよぉぉぉぉぉ!!!!」ジタバタ



那珂「川内ちゃん!神通ちゃん!助けて!助けてぇぇぇ...!!!」ジュゥゥ







ファラリスの雄牛『ブォォォォォォォ!!!!』






提督『おー鳴いてるなぁ。けど自慢の歌声が聞こえねぇな?』


朝潮『チャレンジ失敗ですね。残念です』


提督『一生懸命歌ってんだろうなぁ。牛の声しか聞こえねぇけど』


ル級『あ、あの、このままでいいんですか?』


提督『いーのいーの。牛が鳴き止むまでポーカーでもしてようぜ』


朝潮『あ、鳴き止み始めました』


提督『ウッソだろお前。早くね?ままええわ』






川内「狂ってる...」


神通「那珂ちゃん...」






提督『あ、ル級。一航戦のとこに無線繋いで』


ル級『は、はい...繋ぎました』


提督『あんがと。あーあー、聞こえますかーマンイーターども』ガチャ


提督『ついさっき新しい食材が出来たから後で食わせてやるよ。前は生肉だったからけど、今回は焼肉だから更に満足してくれると思うぜ』


提督『...返事しないと、今度はどんなトッピングが...おっとうるせぇな。そうがっつくなよ食いしん坊ども。そんじゃ』ガチャ



提督『那珂ちゃん良かったねぇ。この世から、苦しみから解放されたよ?それに赤城と加賀が美味しくいただくってよ!』



提督『さて、残りはクズ2人か。今から行くぜー』





モニター『終わりやで』ブツン






川内「...」フルフル


神通「い、今からここに...?」


川内「...これは、やばいね」ブルブル





提督「お待たせー」ガチャ


朝潮「ル級さん、まだ続きますよ」


ル級「(›´ω`‹ )」ゲッソリ


提督「さぁて、てめぇらはどうしてやろうかな」ニヤニヤ


川内「く、来るな化け物!あんたなんか人間じゃない!」


提督「はいはい、お決まりの罵倒ごちそうさま。とっととやるか」


朝潮「ル級さん、始めますので休憩終わりです」


ル級「は、はい...」


提督「そうだなぁ...ここ何か装置あったっけか?」スタスタ




神通(関節が外れた!こちらに近付いている奴は油断している!)グリッ


神通(人間なら艦娘の攻撃に耐えられない。ここで仕留める!)ガチッ




神通「提督!覚悟!」ガスッ





提督「んー?」無傷


神通「な、何故!?確実に脳天を砕いたはず!?」


提督「...はぁ、褒めてやりたいところだけど、それより先に怒りが込み上げてきたな」ゴゴゴ


神通「しまっ...!」ダッ


朝潮「逃がさん」ガシッ


神通「くっ!」


提督「大人しくしてりゃ苦しまずに殺してやったかもしれねぇのに、残念だ。ル級」


ル級「は、はい」


提督「こいつの脚、吹っ飛ばしてやれ」


ル級「ふ、吹っ飛ばす...って、火砲ですか?」


提督「そうそう。練習だと思ってやってみ」


ル級「わ、わかりました...」ビクビク


神通「くそっ!離せ!」ジタバタ


朝潮「固定終了しました」ガチッ


川内「クソッ!やめろ!」


提督「ル級、気にすんな。派手にいこう」


ル級「は、はい!」ド-ン!


神通「ウア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!!」


提督「おー、付け根ギリギリまで吹っ飛んだか。狙うの上手いじゃん」ナデナデ


ル級「あ、ありがとうございます」ビクビク


提督「そんじゃ神通。次はこっちまで来てもらおうか」スタスタ


神通「うぐ...」


提督「ここにぃ、川内と神通の拘束具を外すスイッチを置いとこう」カチャッ


神通「くっ...どうやって行けというんですか!あなたが私の足を奪ったというのに!」


提督「地道に這っていきゃ着くだろ。鬼の神通とも呼ばれたお前が、こんな簡単なチャレンジを諦めるのか?」


神通「っ...」


提督「確か他の駆逐艦たちにも似たような事してたよなぁ?匍匐前進のみでグラウンド何周もさせてたよな?あれ何の意味があったの?」


神通「うる...さい!」ズルズル


提督「あれただのいじめじゃね?朝潮どうだった?」


朝潮「やった意味がわかりません。そもそも海上で匍匐前進などするわけないじゃないですか」


提督「ほらー、一番真面目に取り組んでた朝潮でさえ疑問に持ってんだからな?鬼軍曹の真似事でもしてたのかな?」


ル級(あれ?あのスイッチ...)


提督「そんなノロマだと川内にペナルティが出ちゃうぞー」ニヤニヤ


神通「くっ...!」ズルズル


提督「早く走れよー」ニヤニヤ


神通「必ず...殺す...」ズルズル






川内(おかしい...私たちを解放すれば復讐どころじゃ無くなるはず...)


川内(でも提督は神通の一撃をものともしなかった。だから解放したとこで状況は変わらないと思ってるのか?)


川内(...いや、違う。何か凄く嫌な予感がする...)





提督「朝潮、ル級。次の準備しといて」


朝潮「了解です」


ル級「りょ、了解」ビクビク




川内(...ん?提督のポケットから何か出てる...あれは鍵!?)




提督「...ふ」ニタァ




川内(こ、こっちに気づいてる!?やばい!これは罠だ!)


神通「つ、着きました...!」


川内「神通!」


神通「姉さん、今助けます!」カチッ


川内「押しちゃダメ!」




提督「バカが」ニタァ




神通「え...」ザクッ


川内(ぎ、ギロチン...!?)


提督「アッハッハッハ!自分から解放させるわけねーだろ!」


神通「」コロコロ


提督「おーいい顔してんじゃん。何が起こったのか理解出来てねぇって面だわ。ほら見ろよ川内」


川内「ち、近寄るな!」ジタバタ


提督「あら、神通ちゃん川内に嫌われちゃった。可哀想だなぁ...」プラプラ


川内「神通に触るな!」


提督「お前が言ってもなぁ。どう神通、俺触っちゃダメ?」


神通「」プラプラ


提督「なーんも喋んねぇな。つまんね」ポイッ


川内(く、狂ってる...)




朝潮「用意出来ました」ドサッ


ル級「(›´ω`‹ )」←神通が死ぬところ見てしまった


提督「ル級ダウン寸前だけど、ままええわ。お待たせしました、本日最後のデザート(復讐)になります」


川内(やばい!このままでは殺される!)


提督「朝潮、川内って夜戦演習のとき何してた?」


朝潮「自分で目隠しして駆逐艦6隻と対決したりしてましたね」


提督「へー、やっぱ夜戦得意なんすねぇ。駆逐艦6隻ってのが気になるけど」


朝潮「あの時は凄いと思ってましたが、今思えば夜戦慣れしてない駆逐艦をシゴいてただけだと思われます」


提督「やっぱいじめてたわけかぁ。そんでもってハンデくれてても勝てる私TUEEEEやってたわけだぁ」


川内「ち、違う!そんな事を思ってやったんじゃない!」


提督「まあそんな事はどうでもいい。面白そうだからここでやってもらおうか。目隠しどこ?」


朝潮「あー何てことでしょう、私とした事が間違えてこんなものを持ってきてしまいましたー(棒)」


提督「な、何やってんだ朝潮ー。これ目隠しじゃなくてアイスピックじゃないかー(棒)」


川内「」ゾクッ


提督「まあ目ん玉潰せば目隠しと同じ状態だから仕方ないね」


川内「く、来るな!」


提督「やだね」ブスッ


川内「ぎゃああああ!!!!」


提督「はいもう一個ー」ブスッ


川内「ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!!!」ジタバタ


提督「ル級ー、頼んでた薬ある?」


ル級「あ...は、はい!これです」スッ


提督「ほんと何でもあるな深海本拠地」ピュッ


川内「うあ...」ビクビク


提督「あー、見せてから潰せば良かったな。失敗失敗」


川内「あが...」





提督「えー、今からお前に注射を打ちまーす。どんな効果があるかなー?はい川内」


川内「...」


提督「ま、わかんねぇか」プスッ


川内「...!?」


提督「えー、この薬はある感度を3000倍にするものです。何の感度を3000倍にしたでしょーか」


川内「...」


提督「わかんねぇならヒント」コツン


川内「いっっっっ!!!???」


提督「答えは、『痛覚』でしたー」


川内「いだい!いだい!!」


提督「暴れると拘束具に擦って痛いのが続くだけだぞー」ワハハ


朝潮「どこかの対魔忍みたいですね」


提督「朝潮ちゃん?どこで知ったのその単語」


川内「うぐ...」ボロボロ


提督「あー痛すぎて泣いちゃいましたかー。涙が伝うのすら痛いと思うのにバカですねー」


川内「殺して...」


提督「...は?」


川内「殺して...」


提督「...」






提督「なんで殺す必要があるんですか(正論)」ユラッ






川内「!」


提督「勘違いしてるだろうけど、那珂と神通は関与しただけだから、死なせてあげたんだよ。お前ら実行犯は死んで楽になれると思うな」


川内「...」


提督「もし死んだとしても、すぐにこの世に戻れるよう手配してあるからな。諦めて永遠に苦しめ。おーいル級」


ル級「ふぇ...は、はい」←やっと回復


提督「10秒経ったら撃ってみ」スッ


ル級「な、なんですかこれ。割り箸?」


提督「これね、俺がガキの頃よく作っちゃ遊んでた輪ゴム鉄砲。ここに輪ゴムかけて...引き金引けば...」パチン


川内「いだぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」


提督「痛覚3000倍だから砲撃が当たるぐらい痛いんじゃねぇかな。まあどうでもいいけど」


ル級「...なんかいっぱいありますけど...」ゾクッ


提督「これは飛距離をアップさせた改造バージョン。これを部屋中に設置してくれ。ル級だけじゃきつそうだから朝潮も頼む」


朝潮「了解です」


提督「そして、センサーを川内に着けて、完了っと」ペタペタ


川内「いあぁぁぁぁぁぁぁ!!」


提督「あ、そうだそうだ。触れるだけでもクッソ痛いんだった。わはは」


ル級(な、何か思った以上に大きくてずっしりしてる...?)







***






朝潮「着けおわりました」フゥ


ル級「せ、センサーにちゃんと反応してます」


提督「よーし、そんじゃ川内。拘束具を外そう」ガチャ


川内「...いぎっ!?」バタン


提督「あーこりゃいてぇわ。腹打ちしてやんの」ゲラゲラ


川内「んぐぐ...」ズキズキ


提督「えー、今から川内には、駆逐艦たちにやってた夜戦演習と同じ事をしてもらいます。ただし、ゴム鉄砲の発射感覚は10秒に一発。避けるの楽じゃねこれ」


朝潮「ま、避けられなかったら期待外れですね」


提督「ゴム鉄砲の照準は貼り付けたセンサーに向けるよう改造させてある。まー当たった時の痛みはさっき体験しただろうから死に物狂いで避けてね。そんじゃスタート」カチッ


川内「...?...??」





パチン





川内「いっ!?」ズキズキ





パチン






川内「いだっ!?」






提督「おいおい当たってんじゃん。だっせ」ゲラゲラ


朝潮「砲撃よりも遅いゴム鉄砲に当たるとか恥ずかしくないんですか」


ル級(あのゴム鉄砲...めちゃくちゃ速いように見えるんですが...)


提督「ちなみに、10回当たったら弾が変化するからなー。どんどん痛くなるぞー」ワハハ


川内「!?」


提督「死に物狂いで避けてねって言ったよな?せいぜい頑張るんだな。弾が無くなっても補充するから。そんじゃ、バイバイ」ガチャ


朝潮「大好きな夜ですよ。堪能してなさい」ガチャ


ル級「あ、ま、待って下さい...」バタン








川内(よ、避けようとしても、どの方向から来るのかわからない!)



川内(それに、痛みと恐怖で足が竦んで上手く避けられない!)







プスッ






川内「いぎゃああああああ!!!!!」






川内(痛い!痛い!痛い!)




川内(い、今何秒経ったの!?あと何秒で次が...)





プスッ






川内「あぁぁぁぁぁぁぁ!!!」ズキズキ






川内(痛い...来る...次があと10秒で...)



川内(怖い...怖い...怖い...!)



川内(痛いのが来る...!嫌だ...!)





ブスッ






川内「うあああああ!!!!!」









***







朝潮「なんですかあれ」


提督「吹き矢の針。で次が釘か?」


ル級(恐ろしい...あんなの仕込んでたんですか...)ビクビク


提督「弾も恐ろしいが、大事なのは10秒という時間だ」


提督「自分を痛めつける何かが正確な時間と共に襲ってくる。そうなると、人は待つ時間に恐怖を感じる」


提督「何も見えない状態で、痛覚が3000倍になってる今、川内の恐怖心は非常に高まってるだろう」


朝潮「なるほど」


ル級(この人怖すぎ...)ビクビク


提督「発狂して死ぬか、痛みに耐えきれずショック死するかのどちらかだな。まあ死んだらあのセンサーが除細動起こすんだけど」


朝潮「それでもあの川内が当たるというのは変ですね」


提督「極度の恐怖心ってね、感覚を大きく鈍らせるんだよ。だから当たり続けると冷静もクソもなくなる」


ル級「(›´ω`‹ )」ゲッソリ


提督「川内に関しちゃこれでいいかな。ル級お疲れ」


ル級「は、はい...すいません、先上がります...」トボトボ


提督「ゆっくり休めよー」


朝潮「今のところ他の艦娘も居ませんし、私達も次に向けて休みましょう」


提督「俺は拷問方法調べてからにする。お疲れ」


朝潮「了解です。では」スタスタ






提督「ククク、何て楽しいんだ!これが復讐か!」


提督「蜜の味とはよく言ったものだ!ハッハッハッハ!!!!」







狂人の悪意







鎮守府...






大和「...赤城さんたちが行方不明になって数日か...捜索隊からの収穫は無し...どうなってるの?」


大淀「近頃、深海棲艦が活発化しているようですが」


大和「そうだとしても、第一艦隊の精鋭部隊だった彼女たちが、全員居なくなるって相当な事態よ?なのに敵艦隊の目撃情報はほぼ無し。どうなってるの?」


大淀「私にもわかりません。ただ、他の鎮守府からの報告だと、深海棲艦たちに統率力が備わり...」






満潮「し、失礼します!」バタン!


大和「あ、よく戻りましたね...って、他の皆さんは?」


満潮「...千歳さん、千代田さん、鳥海さんは、深海棲艦に捕獲されました」


大和「捕獲...?」


満潮「私と大潮、荒潮には目もくれず、その3人を攫うと海中へ逃げていきました...」


大淀「大型艦を拉致して戦力を減らしている...?」


大和「そうなると赤城さんたちの艦隊が行方不明の理由がわかったけど、親潮ちゃんまで攫う必要があったのでしょうか」


大淀「巻き込まれたという可能性は?」


大和「巻き込むなら、今回だって満潮ちゃんたちも攫うと思います。とにかく、よく戻ってきてくれましたね。今は休んでください」


満潮「は、はい、失礼します...」バタン





大和「ちっ、攫うならいくらでも換えが利く駆逐艦にしろっての。小賢しいなぁ」


大淀「ここまで高度な戦術を弄してくるということは、敵に提督のような指揮官が出来たということでしょうか」


大和「...いや、まさかね」






朝潮型の部屋





満潮「...ただいま」


大潮「おかえりなさい!報告お疲れ様!」


満潮「...うん」


荒潮「...今日のこと、あまり気にしちゃダメよぉ。突然の出来事だったんだもの」


満潮(...駆逐艦3隻と補給艦3隻。敗色などあるはずがない敵艦隊に敗北してる)


満潮(私たちの動きを全て把握しているかのような回避と、高度な連携技術...私は、心当たりがある)


満潮(まさか...)







***







深海本拠地







提督「千代田と鳥海はいい。千歳は違うだろぉ?」


ワ級f「申し訳ありません。千代田を捕獲する際に庇いに入ったので」


提督「...まあいい。やっちまったもんは仕方ない。朝潮型はちゃんと避けたよな?」


ワ級f「はい」


提督「よし、お疲れ」






朝潮「おはようございます。司令官」


提督「おはよさん...」


朝潮「何かお悩みのようですね」


提督「んー、さっき攫ってきた奴らの報告で、無関与の千歳もいるみたいで、どうしようかなってな」


朝潮「...司令官。一つ提案があります」


提督「ん?」


朝潮「千歳さんも、こちら側になってもらいましょう」






***






『お、おい!何やってんだよ!』




『ま、摩耶!どうなってるんだ!?とにかくこれを解いてくれ!』




『せ、川内!?何を言って...み、みんな!?』




『やめろ!くそっ...!お前ら...お前ら...!』




『畜生!信じてたのに...何故...!』




『許さねぇ...許さねえ...!』









千歳「...はっ!?」ガバッ


千歳「な、何なの..あの夢...」






重巡棲姫「おっはー!!!!(クソデカボイス)」


千歳「ひっ!?」


重巡棲姫「おはよ」モゴモゴ


千歳「深海棲艦!?」


重巡棲姫「まま、そう焦んないで。お菓子食う?地上のやつだよ」スッ


千歳「...いりません」


重巡棲姫「残念。美味いのに」モゴモゴ


千歳「ここは、どこなんですか」


重巡棲姫「病院。あたしらのね」


千歳「病院...」


重巡棲姫「あんたはちょっと手違いで連れてきちゃったからね」


千歳「...何が目的ですか」


重巡棲姫「何も?異常無さそうなら帰すけど」


千歳「え?」


重巡棲姫「そりゃそうでしょ。間違って連れてきちゃったのはこっちだし」


千歳「そ、そうですか...そうだ、千代田!千代田はどこですか!」


重巡棲姫「」ピタッ


千歳(雰囲気が変わった...?)


重巡棲姫「...ちょいと話は変わるけど、裏切りについてどう思う?」


千歳「...質問の意味がわかりません」


重巡棲姫「まあ今は他のこと考えずに答えて。どうよ」


千歳「...私は許される事では無いと思います。信頼を寄せていた相手なら尚更」


重巡棲姫「じゃあ、あんたの鎮守府に、あんたの提督を裏切った連中が居るとしたら?」


千歳「え...」


重巡棲姫「その裏切った連中の中で、あんたの妹が居たとしたら?」


千歳「ちょ、ちょっと待って下さい。どういう事ですか」


重巡棲姫「...やっぱり、あんたの妹は何も話さなかったわけか」


千歳「...」


重巡棲姫「少し前、一人の人間と艦娘が重傷を負っている所を保護した。あたしらは手を尽くして治療したが、長くは持たないと診断された」


重巡棲姫「そこで人間はこうなった顛末を全てあたしらに話したんだ。鎮守府の連中が裏切りを起こし、救助に来てくれた艦娘と一緒に撃ち殺されかけた、と」


千歳(...え?どういうこと...?)


重巡棲姫「あんたのとこではどう聞いてる?提督が行方不明になった理由を、何と聞いた?」


千歳「...提督は、深海棲艦の大軍に囮として向かって行った。朝潮ちゃんは皆の静止を振り切って提督と運命を共にした、と」


重巡棲姫「それは誰から聞いた?」


千歳「...千代田です」


重巡棲姫「...あたしらはね、提督の意志を汲んで、関与したグループを攫っちゃ罰を与えてんの。あんたの妹が絡んでるってのは他の奴をゲロさせて得た情報なんだけどね」


千歳「で、では、千代田は...」


重巡棲姫「罰を受けなければならない。あんたは本当に関わってないみたいだから見逃すけど」


千歳「千代田...」


重巡棲姫「つーかさ、あんたの妹は提督裏切ってんだけど、あんた何とも思わないわけ?」


千歳「それは...」


重巡棲姫「あんたが提督のことどんだけ慕ってたかは知らないけど、妹はあんたに黙って提督を亡き者にしようと企むグループにいた訳よ」


千歳「...」


重巡棲姫「複雑なのはわかるけどさ、許せないとは思わない?」


千歳「...」


重巡棲姫「あんたらの提督、めちゃくちゃ苦しそうだったなぁ。裏切られてさぞかし辛かっただろうなぁ」モゴモゴ


千歳(...何だろう、胸の奥から黒い感情が湧き上がってくる)


重巡棲姫「あ、お菓子切れちゃった」


千歳(私は提督をお慕いしていた。でも、千代田は提督を裏切った。何故そのような酷いことを...)


重巡棲姫「あ、そうそう。バラした情報の中で、裏切りグループは鎮守府を乗っ取るとか言ってたね」


千歳(...あの鎮守府は提督がいてこそのもの。誰がそんな愚かな事を...そして、それに与した千代田は...)


千歳「許せない...?」


重巡棲姫「...」ニヤ


千歳「裏切りは許せない...提督を傷付けた者は、許せない...」


千歳(それが、私の意思のような気がする)


重巡棲姫「...だってよ。提督さん」





提督「そうか。わかってくれたか」ガチャ


千歳「て、提督!?」


提督「そう、お前の知る提督だ」


千歳「さっきの話を聞いてたら、死んでしまったのかと...」ポロポロ


重巡棲姫「あたしは死んだとは一言も言ってないよ」


千歳「提督...ご無事でよかった...」


提督「ああ、深海棲艦に救われたんだ。でも、俺の心はまだ救われてない」


千歳「え...」


提督「俺は裏切った奴らを許さない。お前はどうなんだ?」ユラッ


千歳「私は...提督と同じです」


提督「ほう」


千歳「私も、裏切りが...許せないんですよ。ましてや、私たちのわがままを叶えてくれた提督を裏切るなんて...」


提督「...なら、俺に協力してくれるか?」


千歳「協力...?」


提督「俺は裏切った奴らに復讐をしたい。どうだ?」


千歳「...わかりました」


提督「その中に千代田が居てもか?」


千歳「提督を裏切るような女は妹ではありません」


提督「...ふふ、ありがとう千歳。歓迎しよう」


千歳「はい、またよろしくお願いします」








***








千代田「うーん...ダメだ、外れないわね」ガチャガチャ


千代田「千歳お姉、どこにいるの...」






朝潮「おはようございます」ガチャ


千代田「あ、朝潮ちゃん...!?」


朝潮「突然ですが、いくつか質問に答えて貰います」


千代田「ね、ねぇ!千歳お姉は!?お姉は無事なの!?」


朝潮「話を聞いてないようですね。ペナルティです」カチッ


千代田「え!?ちょ、なにこれ!」


朝潮「江戸時代に行われていたとされる石抱ですが?」


千代田「ま、待ってよ!何する気!?」


朝潮「今から出す質問に『正直に』答えなさい。嘘を付かなければ私は何もしませんよ」


千代田「...!」


朝潮「まず一つ。あなたは提督を裏切る計画に加担していましたか」


千代田「う、裏切り!?し、知らない!」


朝潮「ふん、早速嘘を付きましたか」ビ-ッ


千代田「え」


朝潮「では、石を抱いて貰いましょう」ドサッ


千代田「いっ...!」


朝潮「裏切り加担、と。次、あなたが把握している加担メンバーを言いなさい」カキカキ


千代田「っ...」


朝潮「答えないなら石を抱かせましょうか」ヨイショ


千代田「!?い、言うから!」


朝潮「時間切れです」ドサッ


千代田「いっ...!!!」


朝潮「早く答えなさい」


千代田「や、大和さん!赤城さん!加賀さん!摩耶さん!川内さん!陽炎ちゃん!不知火ちゃん!黒潮ちゃん!筑摩さん!大淀さん!神通さん!那珂さん!鳥海さん!那智さん!足柄さん!親潮ちゃん!そ、それだけ!」


朝潮「メンバーは変わらず、と。次、何故加担した?」カキカキ


千代田「や、大和さんが誘ってきたの!鎮守府から提督を追い出して、大和さんが提督代行になれば、好きに生きられるって!」


朝潮「次。何故反対しなかった?」


千代田「お、面白そうかなって思ったからです!」


朝潮「...まだあるようですが?」ピピッ


千代田「っ...ち、千歳お姉と提督が仲良くしてるのが、少しだけ気に食わなかったから、追い出せば千歳お姉と一緒に居られるし...」


朝潮(...何てくだらない理由で、司令官を...!)


朝潮「...」ドサッ


千代田「な、なんで!?嘘ついて無いでしょ!?」


朝潮「黙れ。次、お前が裏切りに加担した際の行動を言え」


千代田「...提督抹消決行後の火消しをしてました!千歳お姉と、他の子たちに、司令官が深海棲艦のせいで行方不明と言い聞かせました!」


朝潮「こいつも火消し、と。最後に、司令官がもし生きていたとしたら、謝罪する意思はあるか?」カキカキ


千代田「...あ、ありま...」


朝潮「どっちだ。早く答えろ」イライラ


千代田「...あります」


朝潮「...ふん。半分は嘘か」ピピッ


千代田「そ、そんなこと...」






提督「朝潮お疲れー」


千代田「て、提督...!?」


朝潮「司令官、予定していた尋問は終わりました。これです」スッ


提督「どれどれ...はぁ、なにこれ」ユラッ


千代田「っ!?」


提督「俺の事が気に食わなかったか。そうかそうか」


千代田「っ...な、なによ!悪い!?大事な千歳お姉にベタベタしなきゃよかったのよ!」


提督「逆切れかよたまげたなぁ...つーか俺、千歳の誘い全部断ってお前といろって言ってたんだけど」


千代田「う、嘘よ!」