2018-04-27 18:57:55 更新

概要

流行りものに乗っかってみた。感想のような妄想その6

注意事項

適当なタイトル
誤字脱字、二次創作にありがちな色々と適当な文章


前書き

グラーフ・シュペー追撃戦の感想の様な妄想





章タイトル



「なぁ、あかね よー」


Z1(レーベ)は悩んでいた、どうしたもんかと


「一応、俺達にも立場ってあるだろ?」


悩みの種は赤い髪をした女の子。いやもう芽が出た挙げ句に大輪の花まで咲かせているが

これが赤組の人間であれば問題も無かったが、残念な事に青組の、しかも指揮官様だ

1艦娘相手とはいえ、こんな所(作戦海域)で密会してるのがしれたら どっちに転んでも事だった


だってのに…


「立場ね…」


赤い髪の女の子、あかね は つまらなそうに口を尖らせる

それも一時、髪を揺らして振り返る頃には満面の笑顔を浮かべていた


「立場…。たしかにそうね、だけどねレーベ…」

「…んだよ」


そっと彼女の傍により、その手をとって見つめ合う


指揮官と艦娘と、敵と味方、そんな客観的な立場の前に、もっと大事な想いがあった


「私のイヴが危ない橋を渡ってるのに、心配しないはずないでしょう?」

「…あー…もー…なんだ…」


言葉が出ない、何かを言おうと口が動くが、何かは喉元に引っ掛かって奥へ落ちていく

苦し紛れに頭を掻いて、その笑顔を直視できずに視線を逸す


アダムとイヴ…。自分で吐いた口説き文句が返ってくるのは中々に照れくさかった


「イヴはそっちだ。アダムは俺の役だって…」

「そう? 私はどっちでも良いけれど? ネコでもタチでもイケるワンっ」


両の手を招き猫に置き換えて 可愛らしく首を傾げる あかね


「何キャラなんだよ お前は…」


もう呆れるしかない。怒るのさえもバカらしくなってくる


「何って、そんなの…」


呆れる彼女の頬を取り、驚く彼女の唇を奪う


「あなたのイヴ、でしょう?」

「…だったら、コッチに入ればいいのに」

「そうも行かないわ。立場ってあるでしょう? お互いに、ね?」


どこまでも飄々と、からかうように微笑む あかね


「…さっさと行け。ばーか…」

「あはは。武運をレーベ」


お前もな、そんな言葉は不要だろう。死んだって死にやしないような奴だ

むしろ、自分の身を心配するべきか


「…ったく。仕事増やしやがって」


シュペーの援護に加えて、あかねが逃げるまで時間稼ぎ…ま、やるこた変わらんか

そうしてきっかりと、あかねの背中が影の形も無くなった頃


「おっと、此処は通さんぞ」

「うふふ。…あなたはZクラス?」


薄笑いを浮かべる女がそこに居た

あかねの脳天気な笑顔とはまた違う。冷笑、笑顔のくせに そうは見えない違和感は、ある種の不気味さが漂っていた





「ちっ…」


直撃にした砲弾に、たまらず たたらを踏む グラーフ・シュペー

まだいける。だとしても時間の問題だった

たかが巡洋艦相手と侮ったのもそうだし、先のダメージが残ってるのも厳しい


逃げ帰る港も相手の庭、強行突破するだけの力も最早ない

後、打てる手段と言えば、戦って沈むか、一緒に沈むか…

そうね、わざわざ相手の勲章になってやる必要もないのだから


栓を抜く…


暴走を始めた機関が熱を生み、刻々と膨れ上がっていく


終わりか…。ずっと1人で戦って、こんな私でも少しは…

そっと目を閉じる。さようなら、誰にも届かない言葉は口に出るその前に


「チャージなどさせるものかよ」

「へ?」


声がする。途端、溜まっていた熱が一気に逃げ出していく

慌てて開いた目には不可解なものが映り込んでいた


「指揮官権限により、その自爆 無効とするわっ」

「あ、かね…さん?」


赤い髪の女の子。全ての感情を踏み倒す程の満面の笑顔


「やだ。あかね ちゃん て呼んでって何時も言ってるのに」

「いや、そんな事はどうでもよくて…なんで、つっ!?」


話してる暇なんか無かった

飛んでくる砲弾、腕を盾にして慌てて あかねを庇う


「あはははっ。死ぬかと思ったわっ」

「そうね。生きた心地がしない、本当に…っ」


冗談を言っていられるだけまだマシか

じゃなくても、どうして この娘は笑っていられるのか

「シュペーなら大丈夫って」言いそうだけど、こんな死に体に、そんな信頼は重すぎる

こんな手をしていたって、抱えられるもんじゃない


「エイジャックスっ、止まって…っ」


背に腹は変えられない、抱えたものが重すぎる

自分一人なら覚悟は付いたが、一番巻き添えにするわけにもいかないのが手元にある


「あら、なんですの? 今更命乞い?」


怪訝に思いながらも発砲を止めるエイジャックス


「んー? 何か見えるねー。人影?」


目を凝らすアキリーズ。焦点を結んだ視界に映ったのは赤い髪の女の子だった

しかも手を振っている。なんだろう? なんて悩みもしたが、とりあえず振り返すことにした


「やっほー☆ミ」

「遊んでる場合ですか」

「あたっ。なにすんのさー」


エイジャックスに頭を叩かれて、頬を膨らますアキリーズ

そんな彼女には取り合わず、眉間に皺を寄せていく


「人質…まさかの。このタイミングで、ですの?」


だとして、あれはどこのどなた?

まさか、商船を襲った時の一般人…などと不埒な事は言わないと思いたいですが


「エイジャックスっ、アキリーズっ」

「おやおや?」


呼ばれてみれば、血相を変えたレナウンが駆け込んでくる所だった


「レナ、ウン…どうして?」


困窮を極める。怪訝が困惑に変わっていくのを自覚する

突然に現れた人質に、間に合うはずのないレナウンの登場はイレギュラーに過ぎた

いや、レナウンが間に合ったのは僥倖、これでコチラの形勢は盤石に…いや、でもレナウンの様子がおかしいのは…


「変な事とは、承知の上ですが…」


息も絶え絶えに、先を急ぐ様に口を開くレナウン


「いいよっ。アキリーズに言ってみ?」

「では、その…変な人みませんでした?」


その問に流石のアキリーズも閉口し

「あははっ。鏡いる?」冗談かと思って冗談を返すに至る


「至って冷静…いえ、慌てているのはそうですが…」

「では、なんですの?」


慌てていると、冷静に自己評価が出来るほどには頭が働いているようで

だとしたら、何? 変な人…って、そんな素っ頓狂な事…


「レナウンやっほー♪」


「「「あ」」」


脳天気な声に、脳天気な笑顔で、脳天気に手を振っている女の子

3人の声が一様に重なり、次の瞬間は思い思いに口を開いてた


「あれかーっ」

「やっと…みつけた」

「マジですか…」


間違い探しを見つけた子供のようだったり、迷子を見つけた姉のようだったり

あるいは、幽霊を見つけた様な顔をしながら戦闘は収束していった





「先ずは、綾波からの伝言です」


震えるこめかみをおさながら、最初の要件を伝えるレナウン


「さっさともどってくるのですよ、お馬鹿…以上」


いつもの事なら無視もできたが、ラプラタ川に向かったなんて聞いた日には心臓が止まるかとも思った


「違うのよレナウン。休暇中に商船にのっていたら、たまたまシュペーに襲われただけで」


用意していた言い訳(シナリオ)をレコーダーの如く再生する あかね


「そう…だったんですか」


ホントっぽい嘘の言い訳に、怒り気味だったレナウンの空気が萎んでいった


「まって。まちなさいレナウン? あなたそれで良いんですの?」


あんまりにも、あっさり引き下がったレナウンを慌ててエイジャックスが止めに入る

そんな安い言い訳が通るんなら警察なんてものは


「ですが。実際に指揮官が商船に乗られていた記録(偽造)もありますし」

「そう。その船は私が沈めた…」

「…」


今さっき あったはずのレナウンとシュペーがピッタリと口裏を合わせてくる

裏でつながっているんですの? それを疑いたくなるほどに出来すぎていた


「だとして。そこから、此処まで? その娘が泳いできたとでも?」

「うん、そう。…たぶん」

「そうじゃないでしょうか? たぶん」

「…」


頭が痛い。そんな女の子の細腕で? ありえないでしょう


「じゃあ、こうしましょっ」


そうして当事者は口をひらく


「あっこの岸まで先にたどり着いた方の言い分を信じるってのは?」

「…。まぁ、そうですわね…」


しょうもない戯れだとは思った

だが負ける道理もない上、以降の会話の主導権は握れるし

万一でも、この娘が向こうの岸まで泳ぎきれるのなら…まぁ、先の言い分の信憑性もあがるだろうかと


「アキリーズ、合図を…」

「はーい。それじゃあ、位置に付いて…よーい、どんっ」


当然の様に先行するエイジャックス

対して あかねは、変わらずシュペーに抱えられたまま その背中を見送っている


「良いの?頑張って向こうまでいかないと、言い訳も聞かないんじゃ?」

「あら、アキリーズ。おバカに見えて結構敏いのね」

「いやー、信じないしょっ」


一応はと、心配そうに覗き込んでくるアキリーズに笑顔を返す


「さて、シュペー。向こう岸まで届く?」

「無理。手前で落ちると思う…」

「じゃあ、手前でいいわ」

「良いけど。それでも勝てないと思うよ?」


手前に落としたとしても。艤装を付けた艦娘との水泳対決じゃ有利になるほどの距離でもない


「良いのよ。目標はエイジャックスだから」

「…。ああ、わかった」


相変わらずだと思った。一言でいえば、セコいとさえ思う


シュペーが動く。あかねを抱えたまま、大きな腕を、大きく振りかぶって、思いっっきりっ


投げた


「たーまーやー☆」


どんどん小さくなっていく あかねをアキリーズの声が見送った





「ふぅ…ま、こうなりますわよね」


そろそろ対岸も近いが、振り返っても女の子の影はなし

溺れてなきゃ良いですけど、そうなればレナウン達が助けているでしょうし


「っぇ、きゃぁぁっ!?!?」


そうして、それは突然落ちてきた


「やっほーエイジャックス」

「なっなっなっ。あなた、どうして…」

「おほほほほっ。泳いでいくなんて一言も言ってませんわよ」

「なんて小賢しい」


その脳天気な笑顔もそうだし。なにより、自分の声音を真似されているのに腹が立つ


「降りなさいっ。こんな事したって貴女が勝てるわけ」


しがみ付く あかねを振り払おうとするエイジャックスだったが、その重みは唐突に軽くなる


「はいっ。いっちばーん」


付いたのは対岸。先に足を着いたのは、あかねだった





「そいや指揮官って言ってたねぇ。レナウン…」

「…はい」


ニヤニヤと笑っているアキリーズに、静かにうなずいて返すレナウン

その内心、身内の恥をみられたような羞恥心が渦巻いてもいた


「噂通り。エイジャックスが苦手そうなタイプだ」


遊んでいるようで理詰めで動いてる妹

そうして、アレは何だろう きっとそうだ、本当に遊んでるだけの奴だ

いわば理屈の通じない相手で、その行動原理が分からない初対面ではきっと対処の仕様がないはず


現に負けているし





「それじゃ。グラーフ・シュペーは轟沈って事でOK?」

「…ええ、いいですわよ」


ムスッとしていた。エイジャックスが、いつも微笑みを絶やさない彼女が、ムスッとしていた


「おう、なかなかレアな顔」


それは、姉(アキリーズ)の目からしても珍しい表情だった


「ねぇ、エイジャックス?」

「なんですの?」

「小娘に負けた感想は?」

「っ!」


「むふっ」と、あかねが嫌らしい笑顔を浮かべた瞬間

耐えきれずに飛び出すエイジャックス


「はーい。どーどー、落ち着きなってエイジャックス」

「離してくださいましアキリーズ。あの小娘、一発引っ叩かないとっ」

「こっこまでおいでー、べろべろばー」

「はーい、そこも煽らなーい。お姉さん面倒みきれないぞー☆」



騒がしい。戦闘とは違った騒がしさ、久しく忘れていた賑やかとかそういった物を思い出す


「…ふぅ」


どうしてこうなったのだろう、1人息を吐くシュペー

轟沈する覚悟は宙ぶらりんのまま、書類上はそういう事になり気づけば あかねと一緒に帰りましょうって…


「いいのかな…」


国を裏切るようなそんな真似


「良いんじゃないですか?」


静かな声だった。怒るでも、受け入れるでも無く、淡々と、ただ静だったけど

良いと言うほど 良くは思って無さそうだった


「嘘つき。そんな気も無い癖に」

「轟沈、した事にはなってますから」

「脅しのつもり?」

「否定はしません。させて欲しくないとは思いますが」

「真面目ね」

「良く言われます」


つまりは、あかねの友人に収まっているなら何もはしないと


「まぁ…良いか…」


少し疲れた。頭をよぎる弱音が肩から力を抜いていった





部屋に戻ると、前触れもな あかねに抱きつかれるシュペー

勢いのままにソファに押し倒されて それっきり、何をするでもなく1分が10分に、10分が一時間にと時間が過ぎていく


肩透かし、ではあった。なにかされると思ってはいたけど

とはいえ、こっちも疲れていたし、なにもないならそれでもよかった


とんとん と、こくこく と時間と鼓動が時を刻んで、どっちがどっちで、どっちもどっちで


胸に掛かる彼女の重み、多少の息苦しさと、吐息のこそばゆさ

じわじわと、自分の胸に さざなみが寄せてくるのは触られている羞恥によるものか、あるいは心根によるものか


「…ダンケ」


ふと、思い出した様に呟いたのは、好きでも嫌いでも、イエスもノーでもない言葉


「…」


その言葉に あかねの動きが止まる

気になって胸元に視線を落としてみれば、ちょうど彼女と目が合った


「なに?」


変なことでも言ったろうか?

いや、でも、確かに急に礼を言われても困るかな…。とも思ったが、言葉、分かってない可能性も…


「意外だなって」


通じてはいた。それでも、返答に要領を得ずに聞き返す


「意外って?」

「どうして邪魔したのっ、とか怒られるかなーってさ?」

「そんなの…」


そんなの…なんだろう?

改めて言われれば、任務の邪魔をされたんだしそれも良かったかも知れないけど

タイミングを逃した…? というか、あの時はそれどころじゃ、誰かさんを守るので頭が一杯だったし


「怒ってほしかったの?」


思ってもない事を口にする

頷くとは思わないけど、そうするならほっぺの一つでも抓ってやろうかと


「それで気が済むなら…。あ、いたいたいたいたい」


だから ほっぺを…そんな程度の為に腕を動かすのも億劫で

猫じゃらしの様に揺れているアホ毛に噛み付く事にした


「気が済んだ」

「気が済んだ」


同じ言葉なのに、受け手と攻め手でどうにも意味合いが変わってくる言葉だった


「けど、もうあんな危ないことは…」

「やめないわよ?」


「どうして?」聞き返してもしょうが無さそうな力強さで否定された


「目の前に触れる乳があるのよっ。それを見捨てるなんてとんでもないっ」

「…」


目の前の女は、言い放った。淀みも躊躇い戸惑いも一切のない澄んだ言葉であった


「いったっ、いたいたいたいたいたい」


だからもう一度。抜け毛の一本や二本は覚悟して欲しい


「あかねって、バカだよね…ほんと」

「褒め言葉ねっ」


齧られた事でOKが出たとでも思ったのか、また人の胸でくつろぎだす あかね


怒るべきなのか…


まあ、多分そうなんだろうと思う反面、極端に抵抗するほどイヤでもなかった

くすぐられる こそばゆさと、それ以外は多少 もやもや する程度の事

何より、疲れていたのが大きい。一々振り払うのも億劫だった


「はぁ…」疲れと呆れとが入り混じった吐息

肩から力を抜くと顔が横に流れて、ソファから零れる細腕に目が泳ぐ


そして、唐突に浮かぶのは、鉄甲、甲殻、鎧装、どう言い繕っても 女の細腕に似つかわしくない異形

国のためと、仲間のためと、自分を律して縛るため。外すこともなくなってどれくらいになっただろうか


久しぶりに思い出した感覚。それは、触れてみたいと、触りたいと、抱きしめたいと…


至って普通の少女のものだった


ぐさっ


「あ…」


気づけば、腕が動いて…あまりにも自然に抱きしめようとしていて、異形を這わせたままの腕はそのまんまに


「あいったぁぁぁっ!!」


赤い、赤い爪の先から、雫が滴り落ちた



ーおしまいー



そりゃ怒られる、と思ったんだけど


「自業自得ですね…」

「…あかねは本当にしょうがない人」


駆けつけた綾波とインディアナポリスに、あかねが怒られていた


後書き

レーベ「よしっ、これで終いだっ」
あかね「いったいってっ。背中叩かないでよ」
レーベ「るっせ。所構わず乳ばっかり触ってるからだろ」
あかね「なに?自分がないからって…ふひひひ」
レーベ「ふんっ」
あかね「いったっ、やめっ、いたいからっ」
レーベ「俺の前に、お前が少しは女らしくしろってんだ」
あかね「なに? レーベはそういう娘が好きなの?」
レーベ「ふんっ」
あかね「いったぁぁいっ」

シュペー「なに、あかねはドMなの?」
綾波  「いえ、お馬鹿なだけです…」
インディ「…欲望に素直なだけ」


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