2018-08-17 20:28:09 更新

概要

繋ぐ希望

繋ぐ明日

繋ぐ鎮守府

君が君である為に

また笑える為に

変わり行く自分に戸惑いながらも歩いて行こう

それが俺だから

俺の決めた道だから


前書き

これは【捨てられた鎮守府と捨てられた提督】の続編の【おんぼろ鎮守府と捨てられた提督】の続編の【おんぼろ鎮守府と歩み続ける提督】の続編の【大切な鎮守府と歩み続ける提督】の続編の【大切な鎮守府と道を照らす提督】の続編の【君の居た鎮守府と道を照らす提督】の続編の【君の居た鎮守府と裏と表を行く提督】の続編の【帰るべき鎮守府と裏と表を行く提督】の続編の【帰るべき鎮守府と変わり行く提督】の続きになります!まず、それらから見てもらわないと全く分かりません

0章はとりあえず本編を見てから見る事をオススメします。てか、更新してるのか?

増えるの!まだ増えるのかぁああ!これ以上増えると本当ワケワカメですね!

豆腐の味噌汁が好きです

専門用語とかは全く分かりませんし、文章もおかしかったりしますが、中傷コメなどはせず、気にいらない方はそっと戻るボタンを押して忘れてください

それが貴方の為です

それでも良い方はどうぞ見てやってコメントを残してやってください

キャラ崩壊注意ですよ!本当に注意ですよ!


10章キャラ紹介(予定)


他にも出る場合があります


【川内】


西鎮守府所属で主に裏の方で動く事が多い


最近はある艦娘の動向を追っていたが・・


提督とは昔に那珂ちゃんのライブ(路上)でニアミス?している


【神通】


所属不明で何をしているかも分かっていない


提督父の五人の初期艦の一人で提督の事を産まれた時から知っているが本人は会わせる顔がないと思っている


(更新情報)だが、吹っ切れたのか提督に対して鬼教官と化した


【鈴谷】


南鎮守府の秘書艦で南提督の命令は必ず遂行する程に従順だが、その本心は・・


提督父の五人の初期艦の一人で提督と一緒に入渠ドッグに入るとバケツと同じ効果が出る体質を作ってしまった娘でもある


【羽黒】


おんぼろ鎮守府とは反対側の町外れにある孤児院で子供達の面倒を見ている


だが、彼女は元艦娘ではなく海軍にも所属していない艦娘で本来なら捕まってしまうのだが隠れて暮らしている


彼女の存在を守る為に孤児院にいた青年がおんぼろ鎮守府へと忍び込み捕まってしまっている


叢雲、電、青年、三人を失ったと思った彼女は・・


【曙】


三代に続いた登面鎮守府を一人で壊滅させて海軍に捕まってしまう


とある施設で提督と出会うまでは一言も喋る事がなく解体を望んでいた


大井とはなんやかんやで仲が良い?


【叢雲】


提督とは孤児院で初めて出会い提督の甘い考えに呆れて相手にしていなかったが電が着いて行ってしまった事で提督を敵視


電を連れて帰ろうとするが明石に邪魔をされて大破状態で病院にいた提督を説得の末に襲い負けて海軍に捕まってしまった


とある施設で再会を果たすが・・


【吹雪】


とある施設で出会い右腕がなく戦う事もしなくなり軍刀になる事を望んで解体されるのを待っていた


提督父の五人の初期艦の一人で赤ちゃんの頃の提督とは何回もお風呂に入っていたりもしている


提督とは唯一赤ちゃんの時以外にも面識がある


頑張る事が報われると思っていたが頑張らない事で報われる道を探そうとしている


おんぼろ鎮守府で初の〇〇をする


あらすじ


無人島での駆逐棲姫との戦いを終えた提督達は帰路に着く


春雨の残した思いを彼女自身の未来に繋げる事を決意する提督


野良艦娘達の辛さを知りも前へと進む事を選んだ研修生達


長い長いクルージングはたくさんの大切な事を教えてくれた忘れられない日になった


各々の新たな決意を胸に西鎮守府へと帰投するのだった


疲れ果てて眠る研修生達を背に提督は日が登らないうちに西鎮守府を去った


南鎮守府へ向かう為に


物語は提督が西鎮守府を去る少し前


研修生達が寝静まり執務室での提督と西提督の会話から始まるのだった



未来よりも今を


ー西鎮守府執務室ー


西提督「という事で明日はと言うより今日だが夕方までは自由時間として気難しい話しとか式とかなんてのはすっ飛ばして研修生達のこれからを祝ってパーティーをしようと思う。だからそれまでは好きに休むなりなんなりさせておいてやってくれ」


提督「分かりました。みんなにはそう伝えておきます。でも良いんですか?7日目も一応は研修期間ですよ?」


西提督「彼等は十分研修をした。俺が教官なら卒業しても良いと思える程にはな。だからお前も今日はゆっくり休め」


提督「正直もう眠いですし明日はゆっくりさせてもらいますよ」


西提督「おんぼろ鎮守府の面々も今日は泊まっていくそうだし研修生達に話す機会を与えてはどうだ?」


提督「そうするとバレそうな気はしますが面白そうですね」


みんなには俺が研修生だと言う事をもう一度言っておけば大丈夫だろう


不知火が露骨に嫌そうな顔をするけど


西提督「それと分かってるとは思うが研修報告書には今日の事はそのまま書くなよ?」


提督「あ・・・」


やばい!報告書の存在を忘れていた!全く書いていなかった・・後で書かないと


西提督「ん?大丈夫か?」


提督「あ、はい、大丈夫です。報告書はちゃんと書いておきます」


西提督「いや、ちゃんと書いてはまずいと思うが?」


提督「ちゃんと適当に書いておきますから大丈夫です!」


一日目とか何してたっけ?覚えてない・・


これは徹夜か?


西提督「そうか、なら安心だな。帰って早々呼びだして悪かった。そろそろ休むと良いと言いたいが・・」


提督「ん?」


西提督「なぁ、友よ。人間が艦娘達に出来る事とはなんだろうな」


提督「え?」


西提督「共に海へ出て戦う事か?それとも安全な鎮守府で指揮をする事か?」


西提督「人間は海へ出ても足手まといにしかならない。それはお前だって分かっているだろう?まさか今回の事で自分は共に戦う事が出来るなんて思っていないよな?」


提督「思ってるわけないですよ。あれは俺の我儘で本当ならもっと簡単に終わらせる事が出来た。運が良かっただけなんです」


寧ろ俺一人の力なんて少しの助けにもならないと知らされた


俺は共に海へ出ても何も出来ない


提督「っ・・悔しいですよ。彼女達に戦わせる事しか出来ない・・俺がどんなに頑張っても越えられない壁がある」


西提督「・・・・・・」


提督「だからって指を咥えて見ているつもりはないですが」


提督「俺は俺の出来る事をするつもりです」


西提督「そこまで分かってそう言えるなら何も言う事はない」


提督「これを確認したかったんですか?」


西提督「いや、ここからだ。俺の個人的な考えではあるが」


提督「聞かせてください」


西提督「うむ、お前が来てから西鎮守府は大きく変わった。艦娘達が目に見えて生き生きとしている」


西提督「その表情や行動や言動がどれを取っても俺だけの居た西鎮守府にはなかった」


西提督「研修生達が来てから更にそれは強くなった。艦娘達が歳相応の女の子の様に愛おしく思う様になったんだ」


西提督「ふっ、自分でも笑ってしまうが父親の気分とはこう言うものなんだと思う」


西提督「もう、彼女達は俺の娘と言っても良いかもしれない」


提督「妙高さんは違いますよね?西提督さんが父親なら妙高さんは母親ですね」


西提督「茶化すなよ否定はしないがな」


提督「西提督さんの気持ちは分かりますよ。彼女達は兵器だと言われてますが普通の女の子なんですよ」


西提督「・・・・・・」


提督「彼女達にも幸せになる権利があるんです。それは今でなくても先の未来でも」


西提督「本当にそうか?」


提督「え?」


西提督「本当に彼女達の未来を考えて良いのか?」


提督「っ、それは彼女達には未来を幸せを夢見る事もしてはいけないと?」


西提督「違う。俺は彼女達の幸せを願っている」


提督「なら西提督さんはどう言うつもりで」


西提督「部分解体された艦娘ならすぐにとは言わないが平和な社会でゆっくりと成長して女としての幸せを掴む事が出来るだろう」


西提督「だが、現役の艦娘達はどうだ?此処は平和か?身体は成長するのか?」


西提督「彼女達は兵器と恐れられ戦う事を強いられて明日には死ぬかもしれないと怯えながら死ぬまで生きるだけなのか?」


提督「それは・・・」


西提督「俺は此処にいる娘達には幸せになって欲しい・・だけど、俺は戦う事を強いる事しか出来ない・・」


西提督「艦娘が人間に恋をしても伝える事はしない・・それが普通なんだ。彼女達は自分を兵器と自覚して・・その恋心を押し殺す事しか出来ないんだ」


提督「っ・・・・・」


西提督「なぁ、例えばだ艦娘に一ヶ月後に約束をしたとしよう。彼女の観たがっていた映画のチケットが手に入ったとな」


西提督「嬉しい筈だろ?でもな彼女は凄く悲しそうな顔をするんだ・・嫌なんかじゃない。寧ろ嬉しい・・だが、一ヶ月後に自分は此処にいるのか?生きているのか?そう思うだけで苦しくなって泣いてしまったんだ」


西提督「その苦しさは一ヶ月後まで残ってしまう・・残ってしまったんだ」


提督「西提督さん・・」


もしかしてこれは例え話しではなくて


本当にあった


西提督「約束をした自分を恨んだ!憎んだ!どうしてこうなってしまったんだって・・」


西提督「どうすれば良かったんだって・・」


西提督「でもやっと気づけたんだ」


西提督「今から映画に行こうって・・未来じゃない今を見てやらなければいけなかったんだ」


提督「今を・・・・」


西提督「艦娘は普通の女の子でありそうでない。それは覚えておかないといけない事だ」


西提督「彼女達は歳をとらない永遠に生きる事も出来る。だが、人間の一生より早く死ぬ娘が殆どなんだ」


西提督「提督!だからこそ俺は彼女達に未来ではなく今を見せてやりたいんだ」


提督「・・・・・・・」


西提督「その為に出来る事を考えた。そして一つの答えに行き着いた」


提督「それは・・その答えは!」


西提督「彼女達にせめて女としての幸せを感じさせてやる事だ」


提督「っ!」


それってもしかして


西提督「提督、これは強制じゃない。俺からのお願いだ。これからもし艦娘達から夜の事を求められる時があったら」


西提督「受け入れてやって欲しい」


提督「待ってください!そんな簡単に」


西提督「簡単ではないんだ」


提督「え?」


西提督「お前だから言えたんだ。艦娘と人間を分け隔てなく愛せるお前だからこそ」


提督「愛せるだなんて・・俺は」


そんな人間じゃないんだよ俺は・・


西提督「艦娘にとって思いを伝えると言う事は兵器としての自分を知った上でそれを覚悟した上で言うんだ」


西提督「それは出撃よりも怖く大破より苦しい事なんだ。でも、それを隠し続ける事が一番苦しい・・と思っている」


西提督「俺もこれからそう言う事があったら妙高に相談する事になるが受け入れようと思ってる。まぁ、俺には言ってくる奴はいないがな」


提督「でもこんなの・・」


西提督「不誠実だと思うか?」


提督「・・言ってる事は理解出来ます・・でも、俺は・・俺には」


求められても満足させてやる事は出来るのか?


更に苦しくさせてしまうだけでは?


俺は彼女達の勇気に答える勇気を持てるのか?


西提督「怖いか?彼女達の好意が」


提督「怖いなんて思わない思う筈がない寧ろ嬉しいですよ」


西提督「なら、それで良いじゃないか難しく考える必要はない」


西提督「こんな事を言ったがこれは俺の勝手な考えだ押し付ける気はない。お前が思う今を彼女達に見せてやれば良い」


提督「俺が思う今か・・」


俺は明日には死んでしまうかもしれない彼女達に何をしてやれるんだ


何を見せてやる事が出来るんだ


西提督「・・・・・・・」


西提督「すまない。思い悩ませてしまったな今の話しは忘れてくれ」


提督「いえ、それが俺の出来る事なら・・俺しか出来ない事なら」


俺にはその答えはまだ分からない


だけど、分からないからと何もしないわけにはいかない


西提督さんが示してくれたこの道が


それが彼女達を守る事になるなら


彼女達に未来と言う不安ではなく今を見せる事が出来るのなら


提督『俺は一生童貞でも良い!』


あの時武蔵さんに言った一生童貞宣言を


中途半端にしていた思いを捨てて


提督「俺は!喜んで童貞を捨ててやる!」


撤回させてもらいます!!


西提督「提督・・そうか、お前ならそう言ってくれると信じていた!」


提督「あ、だけど、最初はそう言うのではなくデートから始めてお互いをよく知った上で」


西提督「ふっ、ヘタレだな」


提督「ヘタレで良いんですよ。こんなヘタレ好きになるなんてあり得ないですからね」


あ、言ってて悲しくなった・・


西提督「そうか?俺が知るだけでも結構好いてる奴はいるぞ?阿武隈とかお前の前に出る時はしきりに前髪を整えていたりするし、荒潮はお前の背中を愛おしそうに見ているぞ」


提督「へ?」


西提督「朝潮の奴もお前を見てる時は目が輝いているぞ?愛宕もお前の前だとパンパカパーンのテイションが少し上がっている」


提督「ふぁ?」


西提督「イムヤだってカロリーメイト(メープルシロップ味)をくれたなんて余程の事なんだぞ?雷は・・うん、何も言うまい」


西提督「刺されるなよ」ボソッ


提督「えっと・・これって・・」


西提督「ふふ、案外すぐに来るかもしれないな友よ」


提督「はわわわ!」


え?モテ期?モテ期が来たんですか!


西提督「どうだ今度彼女達とゆっくり話す時間をー、ん?」窓の外を見る


提督「西提督さん?」


西提督「・・・・・・」


提督「外に誰か?」


西提督「よし!善は急げだ荒潮を呼んで来よう!荒潮ーーーー」


荒潮とか洒落にならない!事案が発生してしまう!


提督「っ!あ、もうこんな時間ですか!そろそろ部屋に戻ります!失礼しました!」ダッ


ガチャ


ドン


西提督「・・・・・・・」


西提督「・・気を遣わせてしまったか止めるべきなんだろうが」


西提督「すまない・・俺にも守りたい場所があるんだ」


窓の外を見ながら呟くのであった


西提督「っ・・・くそ・・」


見捨てる弱さ


ー西鎮守府廊下ー


提督「ん?明石さん?」


窓から外をジッと見つめている


その表情は普段の明石さんとは違って少し悲しそうに見えた


マリッジブルーとか?


ないな


明石「提督か・・どうしたの?眠れないの?」


提督「いえ、西提督さんと少し話していたんだけど明石さんはどうしたんですか?」


西提督さんも窓の外を見ていたけど何かあるのか?


そう思い見ようとしたら


明石「見ない方が良いよ」


提督「え?」


明石「嘘、見てほしい」


提督「明石さん?」


明石さんがこんな曖昧な事を言うなんておかしい


目を見ると少し赤くなってる


何かあったのは確かだ


明石「いや、その・・何やってんだろ」


明石「ごめん少し船の上で呑み過ぎたみたい・・さっきの事は忘れて部屋に戻るね」


提督「待ってください」ガシッ


明石「・・離して」


提督「何があったんですか」


明石「っ・・何もない」


提督「嘘です。自惚れかもしれないけど明石さんは俺を待ってたんじゃないんですか?俺に何かして欲しいんじゃ?」


明石「っ!」


態々部屋から離れた此処に居たのも偶然じゃない筈だ


提督「話してください」


明石「本当自惚れよ・・ただ私は此処で酔いを冷ましていただけ」


提督「冷ますなら此処じゃなくても良かった筈です。何故部屋から離れた此処にする必要が?」


明石「偶然よ。もう行くから」


提督「待ってください!」


偶然だとしても泣いている事実はあるんだ


何かはあったんだ


分かってる。俺じゃあ力不足なんだって


でも、少しでも頼ってくれようとしたかもしれない


助けて欲しかったのかもしれない


例えそれが間違いだったとしても


気付いた後の後悔よりはマシだ!


俺は明石さんの力になりたい


その為になら


提督「明石さん俺は頼りないかもしれない!だけど何でも良い。力になる事は出来ないんですか?俺はそんなに信用出来ませんか!」


提督「まだ、俺は貴女を・・守れないんですか」


まだ、貴女の背に隠れていなければいけない程に弱いんですか・・


気付いてないと思ってるけど裏で色々とフォローしてくれてるのは知ってんですよ?


少しでも返せませんか?


いえ、返します!


明石「提督・・」


提督「明石さん・・君が泣いた理由を教えて欲しい・・俺が出来る事をさせてください」


明石「・・・・・・」


提督「君が窓の外を見れば分かると言うなら見るよ。見るなと言うなら見ない」


提督「言ってくれないと分からないんですよ・・」


明石「っ・・・・」


提督「違っていたとしても、その・・寂しいなら・・そんな夜があるなら!」


明石「?」


明石「・・寂しいなら何してくれるの?」


提督「俺で良ければ・・な、慰めますから」


明石「へぇ・・ナデナデでもしてくれるの?」


提督「いえ、大人の意味で言ったんです」


明石「・・・・・・え?」


提督「嫌ならいいんです。でも、俺でも良いって言ってくれるなら・・貴女を抱かせてください」


明石「っ!本気?」


提督「こんな事で冗談なんて言わない」


明石「へぇ〜・・じゃあ、好きなの?私の事」


提督「はい、好きです」


明石「そんなはっきり言うんだ」


俺を最初に信じてくれて此処まで支えてくれた明石さん


嫌いになんてなれないし


好きか嫌いかと言われれば


好きとはっきりと言える


その言葉に嘘はない


提督「嘘は苦手ですから、俺は明石さんの事を異性として好きです」


明石「そう言う目で見れるんだ。こんなガサツで可愛げもないのに」


提督「そんな事ないですよ明石さんは可愛くて魅力的な女の子です!」


明石「ふ、ふ〜ん、女の子とか言っちゃうんだ」


提督「何かおかしかったですか?」


明石「ううん、別に」顔近づけ


提督「っ!」


明石「ねぇ、可愛いって本当に本当?」


提督「本当に本当です」


明石「女の子って本当に思う?」


提督「思います!」


明石「そうか、そうなんだ」


明石「じゃ、良いよ」目を瞑り


提督「明石さん」


明石「慰めてよ・・忘れさせてよ・・本当は結構辛いんだ」


提督「分かりました。それが望みなら・・」スッ


明石さんも大事な仲間だから元艦娘だとしてもそれは変わらない・・彼女達の為なら俺は


不誠実だとしても


提督「っ・・・・」


本当に良いのだろうか・・俺がやってるのは弱っている人に漬け込んでいるだけなのでは?


明石「ねぇ・・もう一回言って好きって・・」


提督「っ!」


いや、そうだとしても苦しみを少しでもなくせるなら


後で、責められても、蔑まれても


今だけでも愛そう・・彼女を


提督「好きだよ明石さん・・」


明石「ん、私も好きだよ」


明石「提督だから言うんだからね?」


提督「あぁ・・・」


俺は覚悟を決め彼女へと唇を近づけてキスをー


提督「っ・・・・・」


明石「・・・・」ポロポロ


出来なかった・・


泣いてる娘に・・後悔を背負ってしまおうとしてる娘を


そのままには出来ない!


まだ、間に合うかもしれないんだ!


明石「提督?」


提督「ごめん」スッ


明石「あ・・」


彼女をゆっくりと離して迷わず窓の外を見た


提督「あれは・・・・」


明石「なんでしないの・・・」


提督「・・出来ないよ今の明石さんには」


明石「っ・・・なによ・・ヘタレただけじゃない」


提督「だね・・でも、今すればお互いが後悔するだけだよ・・」


明石「生意気に・・折角覚悟を決めたのに・・恥かかせて最低」


提督「・・すみません」


明石「謝んないでよ・・」


提督「はい・・」


明石「・・・なんで見たの」


提督「見ないと俺が後悔しそうだったからです」


現に見なかったら後悔してた


そして何も知らずに後悔させていた


提督「明石さん説明してくれますね?どうして外に大井さんと北上さんがいるんですか?」


北上さんを背負ってまだ立つ事も難しいであろう大井さんが一歩一歩西鎮守府の外へと向かっている


此処から逃げようとしているのか?


明石「・・馬鹿」ボソッ


提督「何か言いました?」


明石「ヘタレ野郎って言ったの!はぁ・・凄く恥ずかしい・・」


顔を真っ赤にしてる明石さんは凄くレアだけど


提督「あの・・ハンカチをどうぞ」


明石「拭いてやる甲斐性くらい見せなさいよ!」


提督「すみません・・」


明石「だから!・・はぁ、もういい・・本気になった私が馬鹿みたい。良い?他の娘にこんな中途半端な事したら許さないからね?分かった?」


提督「はい!明石さん恥をかかせてすみませんでした!明石さんが魅力に欠けたとかではー」


明石「もういいから!黙る!この話しはお終い!良い?」


提督「は、はい!」


最低な事をしてしまった。でも、今は気持ちを切り替えないと


それをした意味がなくなってしまう


提督「なら、改めてどう言う事ですか?何故外に大井さんが」


明石「見たら分かるでしょ?さっきから殆ど進んでないけど逃げようとしてる」


明石「この事は私だけじゃない西鎮守府の艦娘達もおんぼろ鎮守府の娘達も気付いてる」


提督「西提督さんも気付いていた」


なのに黙っている。みんなも明石さんも


提督「どうして止めないんですか」


明石「止めると言う行為がどれだけの事になるか分かる?」


明石「彼女達は南鎮守府から逃げて来たお尋ね者だってのは知ってるよね?」


提督「それは知ってますけど」


研修生達から大井さん達はそんな事をしないと何か理由があるんだと聞いた


俺もそう思ってる。北上さんとは話してはいないけど大井さんはそんな事をする様な娘には思えない


明石「彼女達が悪い悪くないは関係ないの。あるのは南鎮守府が彼女達を探しているという事」


明石「もし、匿っている事がバレてしまえば・・少なくとも西提督は罪に問われ此処に居られなくなる」


提督「そんな・・」


明石「そうなったら此処にいる娘達は解体されるか使われても酷い扱いを受けるかしかない」


明石「普通の艦娘達の様に扱われるなんて事は絶対にない。なんでか分かる?」


提督「元が野良艦娘だからですよね」


明石「そう、元が野良艦娘ってのは良く思われてなくてね。西提督だから周りは何も言えずにいるけど」


提督「西提督さんが居なくなれば・・」


明石「西鎮守府は確実に崩壊する。下手をすれば西提督を守る為に戦いが起きてしまうかもしれない」


提督「それだけじゃない西提督さんが居なくなれば無人島の娘達もどうなるか・・下手をしたら白紙になる事もある」


いや、また信用を失ってしまったら今度こそ止められない


少なくとも犠牲は出てしまう


明石「今、彼を失うと言う事は艦娘と人間との大きな一歩を無くしてしまう。それを分かってるから大井は北上を連れて此処を去ろうとしてるのよ」


提督「俺達の為に・・」


西提督さんは出て行けなんて絶対に言わない


そうなると分かってても匿う


でも、自ら出て行こうとしてるのを止める事も出来ない・・


今すぐにでも止めて此処に居ろと言いたい筈なのに


みんなを守る為に言えないんだ


他の娘達も分かってても見守る事しか出来ない


凄く辛いだろうな・・


明石「正直言うよ・・私はさ後悔してる。こうなるって分かってて北上を生かしてしまった事を」


提督「それが明石さんの涙の理由なんですね」


北上さんを生かしてしまった事


それが明石さんの後悔なんだ


明石「泣いた事は言わないで欲しいけど・・うん、そう、私が勝手に生かしてしまった。この先辛い運命しかないのに」


提督「でも北上さんは人質として大井さんといるって事になってますから捕まっても大井さんは罰を受けるでしょうが北上さんは酷いことにはー」


明石「ううん、傷を診たから分かったんだけど艤装は殆どなくなってしまっていたけど問題は無理矢理艤装を外しているって事なのよ」


提督「なんだって無理矢理って!」


明石「リンクしてる状態のまま外すなんて凄く痛かっただろうな・・それをもし大井が見たらどうするかな?」


提督「そんなの助けるに・・そうか!」


提督「大井さんは北上さんを助けようと南鎮守府から逃げた!」


北上さんを守る為に一人で南提督に歯向かったんだ


そして追われる事になった


明石「実験か何かだったのかもしれないけど捕まったら何をされるか想像出来ない」


提督「北上さんの傷は見ましたけど・・あの傷は南提督がやったんですね・・」


南提督・・許せねえ!女の子にあんな傷を残すなんて


そう言えば大井さんのおでこにも切り傷を残していたな


どんなゲス野郎なんだ


明石「私はそう思ってる。証拠はないけど・・仮に彼女達が証言しても意味はないけど」


提督「くっ・・」


落ち着け・・今此処で怒ってもどうにもならない


もし、今、目の前に南提督が居たらやばかったけど


今はそうじゃない


今確認したいのは一つだ


これだけの事を知っててそれでも


提督「・・明石さんは助けたいって思うんですよね?」


窓の外の彼女達を見ながら言う


明石「うん、彼女には北上には生かしてしまった責任を取りたい」


明石「今のままじゃ南提督に捕まる前に北上は大井をその手で・・」


《うぁあああああ!!


明石、提督「「っ!」」


外から悲鳴が


窓から大井が叫んでるのが見えた


苦しんでる?


明石「もしかして!北上が!」


提督「何が起こったか分からないけど行こう!」


明石「待って!彼女達に関わると!」


提督「分かってる!西鎮守府が駄目なら!おんぼろ鎮守府として彼女達を助ける!これなら文句ないだろ!」


と言うか明石さんもそれを望んでいるのはもう分かってる


最初から有無も言わさずに決めれば良かったのに


せめて相談して欲しかったよ


明石「提督・・・・」


明石「もう仕方ないな!」ダッ


急いで外へと向かう途中に何人かの西艦娘の娘達が心配そうに見ていた


提督「任せろ!」


明石「あんた達は部屋に戻りな!」


君達は何も見ていない。それを察してみんなが部屋へと戻っていった


それと同時におんぼろ鎮守府のみんなが待っていたかの様に集まってくる


如月「提督!」


まるゆ「私達も!」


不知火「手伝います!」


提督「目立ってどうする!解散!」


如月、まるゆ、不知火「「「っ!」」」ガーーン!


明石「私達に任せな!」


みんな疲れてる筈なのに無茶しやがって!さっさと休め!


二人で大井さんの元へと向かった


北上さんを背負っている大井さんが苦しそうに蹲っている


北上さんは背中にしがみ付いている


提督「大井さん!」


大井「提督・・さん・・うっ!」


北上「うぅ・・・」ギュゥウウウ!


大井「き、北上さん・・うぅ!」


提督「何が起こって」


明石「北上は!起きてるの!」


北上「・・来ないで・・いやぁああ!」ギュゥウウウ!


大井「うぁあああああ!」


提督「ちょっ!北上さん!大井さんが苦しそうだから!なんて力だ!引き剥がせない!」


こんな力でしがみ付かれたら大井さんが潰されちゃう!


提督「おい!北上!離せ!!」


北上「いや・・・・いやいやいや!」シュッ


北上さんの手が俺に


提督「っ!」


明石「あぶない!」


バシッ!


提督「明石さん!俺を庇って・・」


明石「う・うぅ・・中々良い一発ね・・こっちは大丈夫だから!」


提督「くっ!」


何が大丈夫だ血が出ているのに・・


でも、北上さんはまるで艤装を展開してると言っても良いくらいの力はあるんじゃないか?


艤装は展開されてないのにどうして


明石「それより北上は悪夢にうなされているの!無理に起こしてはだめ!」


明石「あんたの馬鹿みたいな幻想を!なんでも良いから聞かせてあげて!」


提督「分かった!」


幻想か・・・そんな事今まで言った事ないぞ?


明石「お願いね・・」 バタッ


提督「っ!」


明石さん・・一発でノックアウト


俺が当たったらどうなるか


いや、そんなのは関係ない!


幻想なんて言われても分からないけど俺は俺の思った事を伝える!


提督「北上さん!もう大丈夫だから!誰も君を虐めたりなんかしない!」


大井「うぅ・・提督・・さん」


北上「っ!!」ギュゥウウウ!


提督「俺が守るから君も大井さんも必ず守るから!」


大井「うぁあああ・・北上さん!」


提督「大井さんが苦しんでるよ?そろそろ離してあげてくれないか?」


北上「うぅ・・うう!」ギュゥウ


提督「南提督の事は聞いたよ・・怖かったよね?でも、もう大丈夫だよ。もうあんな目には合わせないから」


北上「う・・・うぅ・・」ギュゥ


提督「約束する・・南提督はこの手で・・・」


提督「この手で・・」


俺がどうにか出来る相手ではないよな・・


まぁ、でも・・


提督「髪の毛むしるくらいはやってみるからさ」ナデナデ


北上「・・・・っ」ギュッ


提督「いてっ!」


太もも辺りをつねられた・・


北上「すぅーーーー」


それで満足したのか大人しく眠ってくれたようだ


提督「やっと収まったか・・」ナデナデ


可愛い寝顔しやがって・・痛かったぞ


大井「どうして・・・・」


提督「いてて、つねられたところから少し血が」


いや、少しどころじゃないな血が滝みたいになってる・・つねられたところが浅くて良かった


少し足がふらつくけど立てるな


提督「さぁ、戻りましょう歩けますか?」北上抱え


明石さんは・・まぁ、明石さんだから大丈夫だろう


後で回収するので待っててください


大井「待って!自分が何をしたか分かってるの!」


提督「分かってますよ・・西鎮守府を巻き込むつもりはないですから安心してください」


大井「っ!何を言ってるの!研修生の貴方に何が出来るんですか!また、自分を犠牲にすれば良いと思っているんですか!いいですか?今回ばかりは駄目なんです!下手をすれば貴方が司令官になれる未来もなくなってしまうんですよ!」


提督「・・・・・・」


大井「貴方達にはもう十分助けてもらいました。感謝していますありがとうございます」


提督「・・・・・・」


大井「本当ならこれからの貴方達研修生の成長を見たかったけど・・」


提督「なら見れば良いじゃないか」


大井「簡単に言わないでください!」


提督「諦めてんじゃねえよ!」


大井「っ!うるさい!何も知らない癖に!もうほっておいてください・・迷惑なんですよ!」


提督「そっちこそ何も知らない癖に!却下だ馬鹿野郎!」


大井「なっ!」


これ以上話しても意味はない大井さんを無視して歩く


北上さんはこっちの手にあるし来るだろう


大井「ちょっと!おーーい!」


あ、でも、これだけ言っておこう


提督「俺は一度でも自分が犠牲になればなんて思った事はないですから勘違いしないでください」


提督「俺は此処で終わる気はないですから」


そう言ってまた歩きだす


これだけは勘違いさせたままなのは嫌だから


大井「・・・・・・」


大井「もう・・研修生の癖に何カッコつけてんのよ」


大井「信じても良いのかな・・」ボソッ


歩いて行く提督の背を見ながら呟くのだった


提督「もうこっちも覚悟決めてんだよ・・くそが」


こんなに良い娘達に南提督は!


怒りでどうにかなってしまいそうなのを抑える


北上を抱えて少し後ろを大井さんが着いて来るのを確認しつつ医務室へと向かうのだった


川内「ふ〜ん・・どうやら言った通りになりそうだね神通」


神通「・・・・・・」


川内「西提督も気付いたと思うし動くしかないよね」


こっそりと提督を見つつ何処か嬉しそうに呟くのだった


まだ、夜は続く


抱きしめる力


それから少し時間が経ち


ー西鎮守府医務室ー


夕張「ほぉ〜ら大人しくしようね」口押さえ


大井「っーーー!(提督さん助けて!)」プルプル


提督「ん〜・・こうならどうだろうか?」書き書き


大井「ーーーーーーっ!(提督さん!)」手を伸ばし


夕張「おっと!集中してんだから邪魔したらダメだよ?」ガシッ


大井「っ!」


夕張「しーーだよ?」


大井「っ・・・・・」ウルウル


夕張「よしよし、良い子だね〜ご褒美!だよ!!」注射器


チクッ


張り紙【おんぼろ鎮守府第二出張所(西鎮守府とは全く関係ありません)おんぼろ鎮守府の者以外の入室を禁ずる】


提督「これで良いだろう」ペタペタ


医務室の前に張り紙を貼る事で西艦娘達も西提督さんも入れないし西鎮守府とは関係ない事も書いたから万が一があっても大丈夫


だって此処はおんぼろ鎮守府第二出張所だから!


俺って天才だな


夕張「ふぅ・・提督、とりあえずは北上さんも明石も大丈夫だよ」


夕張「大井さんの方もさっきまでぶつぶつ言ってたから黙らせー、じゃなくて疲れて眠ったから当分は起きないと思うよ」


提督「そうですか良かった。夕張さんすみません疲れてるとは思ったんだけど助かりました」


大井さん安らかに眠っている


信じてくれたのかな?


スカートが大胆にめくれてるのは信用の証なのか?


夕張「ううん、こっちこそ明石の願いを聞いてくれてありがとう。凄く気にしてたから」


夕張「それで足は大丈夫?」


提督「ええ、何とか歩けますし明石さん回収と治療ありがとうございます。寝てるところを起こすのは駄目だと分かっていたんだけど今は夕張さんしか頼れる人がいなかったから」


おんぼろ鎮守府だけでどうにかしないと西鎮守府には頼れない


夕張「ううん、気にしないで、夜這いかと思ったけど」


提督「ちょっ!俺はそんな事」


夕張「ふふ、少し期待してたんだよ?」


提督「からかわないでください!」


夕張「ふふ・・ごめんねお姉さん久しぶりに提督と話せた気がして舞い上がってたよ」


提督「たく・・そう言われて悪くはないですけど」


夕張「ちゃんと言えてなかったね。お帰りなさい提督」


提督「うん、ただいま夕張さん。って言ってもまだ西鎮守府ですけどね」


夕張「帰る場所は場所であって場所ではない。私にとっての帰る場所は提督なんだよ?」


提督「夕張さん・・うん、俺も夕張さんや明石さん如月達がいる場所が帰る場所だと思ってますよ」


夕張「・・・・・・」


提督「夕張さん?」


なんでそんな泣きそうな目を・・


夕張「そう思ってくれるなら安易に私達の帰る場所を無くすような事はしないでね?心配したんだからね?」


提督「すみません。でも、安易にはー」


夕張「分かってる!分かってんだよ!安易じゃないから厄介なんだよ!と言うか問題はそこじゃない!」


夕張「もう貴方の道を着いて行くって決めたんだから・・背中が常に見える場所で歩いて・・じゃないと迷うから・・もう迷いたくないから・・」


提督「・・・・・・」


夕張「ごめんね。ちょっと感情的になっちゃった」


提督「夕張さん・・俺はみんなの居場所を守るから夕張さんを一人にはさせないから・・だから!背中じゃなくて一緒に隣を歩いてください」


提督「じゃないとすぐに転けてしまうんで」


一人じゃ何も出来ません


提督「支えてください」


貴女の手で


提督「俺は貴女を支えますから」


俺の手で


それがきっと艦娘と人間とのあるべき姿だと思うから


夕張「・・少し見ない間にかっこよくなっちゃって。本当に夜這いされても良かったかもね」


提督「夕張さんそう言う冗談は」


夕張「冗談だと思う?」


提督「え?」


夕張「試してみる?」


提督「・・・本気ですか?」


貴女もなんですか・・俺は最低な人間なんですよ?


艦娘だから・・元艦娘だからって・・


夕張「・・・・・・」


提督「・・・・・・」


夕張「ふふ、今はやめておくかな?その気があるならデートでも誘ってね?」


夕張「まぁ、その時は覚悟していてよね?なんせ元艦娘ですから。動き出した時間の責任はとってね?」


それって・・そう言う事なんだよね?


まだ、その答えは今の俺には出せないや・・


でも、今答えを出さなかったことに安心している自分もいた


また、逃げたのか俺は・・


提督「っ・・・・・」


夕張「ふふふ」


提督「・・・まだ、勝てませんね夕張さんには」


夕張「人生経験が違うからね?あ、でも、歳について触れると怒るから」


提督「夕張さん歳はいくつですか?」


夕張「おい、こら」


提督「ははは、っ、いてて、まだ足が痛みますね」


歩けない程ではないけど当分は風呂に入る時が大変そうだ


夕張「浅いけど抉れてたからね痛いと思うけど北上さんも悪気があってやったんじゃないって事だけは分かってあげてね?本人は軽くつねったつもりだと思うし」


提督「あれで軽くですか・・夕張さんは知っているんですか?」


夕張「ん?知っているとは?」


提督「明石さんは何かを言おうとしていた。でも、今は聞けない。夕張さんは何か知っているんじゃないんですか?」


提督「明石さんが本当に北上さんをそのままに出来ない理由は北上さんの力と関係している違いますか?」


夕張「・・・・・・」


提督「南鎮守府の事もあるのは分かります。でも、明石さんの言い方はそれよりも重要な事があるように言ってました。それが力の事なら納得出来るんです」


提督「あれは北上さんの今後の生活に大きく関わる・・もう少し遅かったら大井さんは北上さんの手で・・」


そうなったら北上さんは正気でいられるのだろうか?


いや、もうそうなったら手遅れだった


間に合って良かった


夕張「う〜ん、言って良いのかな・・」


提督「知っているなら教えてください。お願いします」


夕張「・・そうだね。此処まで来たら言わないと駄目だよね。明石も多分言うつもりだったと思うし」


夕張「うん、提督の言う通りだよ北上さんの力・・と言うより障害が明石の一番の理由だよ」


提督「障害?」


夕張「提督は艦機能障害って知ってる?」


提督「いえ、知りません。そんな名称初めて聞きました」


夕張「やっぱり知らないよね?普通はそうだよ。艦機能障害はね艦娘としての本来の力を持たない娘をそう呼んでるの」


提督「北上さんがそうだと?」


夕張「うん、北上さんの場合は艦娘としても人としても生きるには難しい状態になってしまっているの」


提督「それがあの力の暴走ですか」


夕張「あれは暴走じゃないんだよ」


提督「え?違うんですか」


夕張「説明すると艦娘と艤装の関係から話さないといけないけど」


提督「お願いします」


夕張「分かった。艦娘って艤装を展開すると人間とは比べ物にならないくらいの力を発揮するよね?」


提督「はい、艤装を展開すれば鉄の棒なんて簡単に折ってしまうでしょうね」


それこそ本気で抱きしめられたら全身の骨がバキバキになってしまうだろうな・・


夕張「此処で問題です。その力は何処から来てるでしょうか?」


提督「え?艤装を展開したら力が出るんだから艤装からですよね?」


夕張「そうなると北上さんは艤装展開していなかったのにどうしてあんなに力が強かったのかな?ってなるよ?」


夕張「まさか北上さんはゴリラとか言わないよね?」


提督「言いませんし思ってもいませんでしたよ」


夕張「ふふ、なら良かった。艦娘としての力は私達自身にあるんだよ。艤装じゃないんだよ」


提督「なら、艤装は何故?」


夕張「まず、前提として聞いて欲しいんだけど、艦娘は自分の力を自分自身で使う事は出来ない」


夕張「例外はあるけど」ボソッ


提督「え?力はあるのに使えないって」


夕張「ざっくり言うと私達の中にある力の源が力を出してそれが私達の中に良い具合に充満する事で力を発揮出来るんだけど制御が出来ないから艤装がやってくれているってわけ」


夕張「分かった?」


提督「本当にざっくりだな・・」


夕張「詳しく言うから大丈夫」


夕張「提督の為に例えで教えてあげるね」


提督「例え?」


そう言うと近くのホワイトボードに何かを書き始めた


夕張「あれ?出ない?」


インクが出ないのか四苦八苦しているがやがてインクの出るペン(油性)を見つけ書き始めた


【力の源】→【窯】


【力】→【窯の火】


【艦娘】→【部屋】


【艤装】→【おっちゃん(派遣)】


提督「・・・・・・」


なんか派遣社員がいるんだけど・・


夕張「以上の例えを見ながら聞いてね?左が本当で右が例えね」


派遣社員が例えられた・・


夕張「部屋の中には窯があって常に燃えてるの」


夕張「でも、危ないから普段は窯は蓋を閉めてる何故か?常に燃えてるわけで中には火があるから開けてると窯から火が出てきて部屋を火でいっぱいにするの」


夕張「その部屋が火でいっぱい状態なのが艦娘で言う戦闘状態なの」


夕張「逆に窯の蓋を閉めて火を出ない様にしてる状態が艦娘で言う普通の状態」


夕張「でも、閉めていても中で火は燃え続けているから多少火は出なくても熱エネルギーは出るから普通状態でも普通の人間よりは身体能力が高い」


夕張「ここまでは良い?」


提督「えっとつまり、艦娘の力の源から力が出て身体を巡ってる状態が艤装展開状態で出てない状態が普通の状態って事かな?」


夕張「火は燃えてるから蓋を閉めてても?」


提督「あ、出てない状態でも多少の力の漏れはあってそれが普通の人より身体能力が高い理由だと言うことですよね?」


夕張「うん、正解!」


提督「でも、艤装が出てきてませんね」


夕張「焦らないで次はおっちゃん出てくるからね?おっちゃんの説明始めるからね?」


提督「そこは艤装って言おうよ・・」


夕張「では、いざ蓋が閉まっている時誰が開けるのか?部屋?窯?窯の火?」


夕張「違います!おっちゃんです!」


提督「艤装が力を開放するって事ですね」


夕張「そう、おっちゃんが窯の蓋の開け閉めをしてくれてついでに火が大好きだから部屋に充満させるとはしゃいで力をどんぱちします」


提督「おっちゃん・・」


夕張「これが、艤装展開された艤装の主砲などを使っている状態」


提督「つまり艤装自身も開放した力を使って撃ったり走行出来たり出来ると」


そうなると燃料とか弾薬っているのか?それとはまた違うって事かな?


夕張「そう、でも、このおっちゃんはしゃぎながらちゃんと火の調整をしてるの」


提督「調整?」


夕張「火を部屋に充満させるって言っても限度があるでしょ?キャパシティを超えても火を出し続けると部屋が壊れちゃうからね」


夕張「今の部屋にあった火の量を出してくれるの」


提督「それって毎回必要な力の量が変わってるって事?」


夕張「うん、そうだよ。だって部屋は成長するから」


提督「ん?ああ、艦娘の事だったよね?」


なんか例え要らないような・・


余計分かりにくくないか?


夕張「練度が上がれば部屋が大きくなって火もたくさん出るようになるの。そうすればそれだけ強くなるって事」


提督「つまり、練度に合わせた力を艤装は調整して引き出してくれているって事ですね」


夕張「そう!!」


テイション高いな・・


でも、そうなると艦娘達は元から力をMAXまで持ってるけど練度を上げる事で本来の力を取り戻してると言った方が近いかもしれない


だって、窯はもうその火力を出せる状態で部屋が狭いから調整しないといけないだけで


だとするなら・・練度がMAXになった時彼女達に艤装は必要なのか?


練度って必要なのか?


元から持ってる力をなんで制約する必要があるんだ?


これじゃあ、まるで人間を・・・


夕張「提督どうしたの?難しい顔して・・難し過ぎて頭壊れた?」


提督「壊れてないですよ正常です。それよりなんかテイション高くないですか?」


夕張「いやね?明石にいつも言われてたのお前の説明は分からんって、だから理解してくれるのが嬉しくて嬉しく」


提督「はは、確かにおっちゃんを例えに出されたのは初めてでしたから少し困惑しますけど、分かりやすいですよ続きお願いします」


夕張「おお、お姉さん少し、いやかなり君にドキリと来たよ!呼び捨てで呼んで」


提督「続きをお願いします!夕張さん!」


俺はヘタレだよ!


夕張「はい!」


夕張「それからおっちゃんはちゃんと使った後の窯の後片付けもしてくれるから」


提督「艤装展開解除もしてくれると」


夕張「うんうん、で、また必要な時におっちゃんが来て」


提督「力を開放してくれると」


夕張「これが普通の艦娘の状態ってところかな?」


夕張「で、次が本題なんだけど北上さんの事ね」


提督「はい」


夕張「分かっての通りまずおっちゃんがいない」


提督「なかったですね艤装」


夕張「おっちゃん引き継ぎも出来ずにリストラになって・・これだから派遣は」


提督「正規の艤装の外し方をしていないって事ですね」


夕張「私さ・・本気で提督と結婚考えても良いよ」


提督「続きをお願いします」


夕張「・・・・うん」


夕張「でもね?運が良かったんだよね北上さんは」


提督「どう言う意味ですか?」


夕張「調べたから分かったんだけどおっちゃんが、いえ、艤装が無理矢理外されたのはそうなんだけどその後に誰かが艤装を展開できない様にしてくれていたと思うんだ」


夕張「その時にね?窯の蓋が閉まってくれたの」


夕張「でも・・多分無理矢理リストラしたおっちゃんを呼び出しちゃったんだろうね・・今更なんだって話で」


提督「無理矢理ないはずの艤装を展開した」


夕張「怒ったおっちゃんが窯に蹴りを入れておっちゃんは窯の蓋と共に吹っ飛んだ」


提督「えっと艤装が力の源を壊した?」


夕張「・・・・・・・」


提督「いや、違う・・艤装が完全になくなって開放状態のままで閉じられなくなった」


夕張「新婚旅行何処がいい?」


提督「そろそろ落ち着きましょうよ夕張さん」


夕張「・・うん、ごめん。つい嬉しくて」


提督「まぁ、その・・今度食事くらいは行きましょう」


夕張「うん、楽しみにしてるね」


提督「はい」


夕張「さっき言った事覚えてるのかな?」ボソッ


提督「夕張さん?」


夕張「ごめん何でもないよ?それで続きなんだけど、窯の蓋が吹っ飛んだから閉める事は出来ないし閉めるおっちゃんもいない」


夕張「火は調整もされずやりたい放題に出てそれは部屋を内側から壊す程の勢いがあったと思う」


夕張「あと少し明石の処置が遅かったら内部爆発してたと思う」


提督「艤装がないとそんな事になるなんて・・」


夕張「でね・・明石は迷ったと思うんだ助けるべきか人思いに殺すべきか」


夕張「それで助ける道を・・ううん、苦しい道を選ばしちゃったんだ」


夕張「ごめん言い直すね。明石はね?助ける(殺す)か、苦しむ(生かす)道かを迷ったんだよ」


提督「・・・・・・」


夕張「多分だよ?これは本人に聞かないと分からないけど・・」


提督「ん?」


夕張「提督が居たから苦しむ道を選んでしまったんじゃないかな?って責めてるわけじゃないんだよ?信用して言ったんだよ?」


提督「・・かもしれませんね」


提督「でも、選んだのは明石さん自身です。明石さんの強さがそれを選んだんですよ」


夕張「・・・・・・・」


夕張「・・やっぱり提督は良い男だよ。明石が気に入るのも分かる」


提督「ただのヘタレですよ」


夕張「うん、ヘタレだけどヘタレじゃない・・好きだよ私」


提督「ありがと」


夕張「うん」


提督「でも、今は説明をお願いします。北上さんはどうなったんですか?」


夕張「あ、ごめんね?北上さんの窯は一定の火の量を出すようにする事で閉じなくても閉じられなくても火によって自身の力で死ぬ事はなくなったんだよ」


夕張「でも、もう・・調整してくれるおっちゃんもいない」


提督「もしかしてその調整って」


夕張「あらゆる力の調整をしてくれなくなってるの」


夕張「艤装展開でもね?私がもしまだ現役の艦娘で提督を艤装展開状態で力強く抱きしめたとしたらどうなると思う」


提督「背骨がバキバキにー」


夕張「ならないよ」ダキッ


提督「っ!」


いきなり抱きしめられた


柔らかいこの感触と女の子特有の香りが・・たまらん!


提督「あ、あの夕張さん?」


夕張「こうなるんだよ?」


提督「え?」


夕張「艤装はね感情にも反応してくれて好きな人大切な人とかにはね全力で抱きしめてもこの力なんだよ」


夕張「電ちゃんが艤装展開状態で殴りかかってきても何時もの普通の状態と変わらない力になるって事だよ」


夕張「逆にムカつく奴とかなら全力で抱きしめたら背骨どころの話しじゃなくなるけどね」


ドキドキで何も耳にはいらない・・


提督「あ、あの夕張さん・・・・」


夕張「あ、ごめんね離れるね」


提督「え?あ、はい」


それでも・・もうちょっとぐらい良かったかもな・・


夕張「北上さんは艤装展開状態と変わらない力を持って解除も出来ないし力も調整出来ないから」


夕張「悪夢にうなされて咄嗟に大井さんを抱きしめた」


夕張「それだけなんだよ今回の事は」


夕張「本人からしたらあんな事をするつもりはなかったし提督を傷つけるつもりもなかった」


夕張「悲しいよね・・大切な人をその手で抱きしめる事も出来なくなってしまったんだよ」


夕張「相手が人間なら触れる事も怖いよね・・」


提督「・・・・・・・」


俺には想像出来ない苦しみなんだろうな・・


夕張「これが今の北上さんに起こってる事だよ。そして明石は・・」


夕張「その手でたくさんの人を傷つけた・・北上さんと同じ障害で」


提督「え?」


夕張「明石もそうなんだよ。ずっと前に艤装を正規の方法で外さずにね。それからたくさん苦しんだんだよ」


夕張「死のうとも考えたらしい・・でも、生きた。生きてたくさん苦労してね。やり遂げたんだよ」


夕張「自分で制御するって方法をね」


提督「明石さんにそんな過去があったなんて・・」


だからなんだね・・その苦労が苦しみを


誰よりも知ってる自分が選ばせてしまった事に


後悔してまた苦しんで


俺に助けを求めたんだ


夕張「話せるのはここまでだよ。後は明石から話してくれるのを待ってあげてきっと近い未来話してくれるかもしれないから


提督「はい、俺はそれまで待ちます」


そして俺のするべき事が完全に決まった


選ばせて後悔させてしまっている


それをその後悔を越えようとしている


なら俺は


全力で北上さんを大井さんを助ける!


その抱きしめる力を取り戻してあげたい


提督「明石さんには北上さんに教えてやらないとな」


夕張「部屋でも窯を調整出来るってね」


北上さんが北上さん自身で力を使えるように力になろう!


提督「あぁ!」


その時ドアが開く!


川内「なにしてんのさ・・」


提督「誰だ!此処はおんぼろ鎮守府第二出張ー」


川内「西鎮守府だから馬鹿なの!こんな張り紙して!」


提督「西鎮守府は関わらないでください」


川内「もう遅い!完全に関わってるから君の所為でこっちも大変なんだから」


提督「だからこれ以上」


川内「もうこうなったら向こうが来る前にこっちから行くしかないんだよね」


提督「えっと・・行ってらっしゃい?」


川内「君も行くの!」


提督「え?」


川内「準備して日が昇る前には出るよ」


提督「何処に?ドライブ?悪いけど今それどころではー」


川内「もう!南鎮守府!行くんでしょ?」


提督「っ!」


川内「助けてくれるんでしょ?大井も北上も・・西鎮守府も」


提督「当たり前だろ」


川内「なら、これからドライブに行かない?途中コンビニくらいなら寄るけど?」


提督「その誘い喜んで」


突然現れた謎の少女


彼女に着いて行く事が助ける道になるのかは分からないけど・・


提督「行きましょう」


川内「うん、良い目だね」


提督「君こそね」


その瞳の輝きに賭けてみようと思う


闇の奥から見えるその光に


川内「へぇ・・良いね君!」


提督「・・・・・・・」


まだまだ夜は続きそうだ


夕張「置いてけぼりか・・・でも、そうだね・・私は私の出来ることをするからお願いね」


夕張「提督さん」


要らない覚悟


謎の少女に連れられ食堂へと向かった


お腹が空いたのだろうか?


仕方ない


提督「久しぶりにやるか」


厨房へと足を運ぶ


川内「さてと、ってどこ行くの」


提督「え?厨房ですよ?誰もいませんし簡単なものなら作りますよ」


白米と卵があれば得意料理の卵かけご飯が出来るんだけど・・


提督「ご飯がないか・・」


正確にはあるが水に浸かった炊けてない米で朝になると炊き始めるようになっている


万策尽きたか・・


カップ麺とかは・・いっぱいあるな!


どの味が良いのかな?


提督「今作りますから」カップ麺(マヨコーラエクストラバージンオイル味)袋開け中


川内「いや、そんなの要らないから座りなよ」


提督「え?でも、誰もいませんよ?」カップ麺(マヨコーラエクストラバージンオイル味)お湯入れ中


川内「別にお腹空いてるから来たわけじゃないの!ちょっと話しがあるから」


提督「あ、そうなんですか」カップ麺(マヨコーラ以下略)蓋閉め


川内「大体こんな夜中食べるのは身体によくないよ?」


提督「はい、気をつけます」


川内「よろしい」


提督「では、話しとは?」


川内「確認だよ」


提督「確認?」


川内「さっきは半分強制的に連れて行くような感じに言ってしまったけど強制じゃないんだよ?」


提督「それって・・」


川内「どう?頭冷えた?」


提督「っ・・どう言う意味ですか」


川内「場の雰囲気やその時の勢いで言ってしまう事はあるよね?」


提督「・・俺がそうだと言いたいんですか?」


それは覚悟もないまま簡単な気持ちで行こうとしてると思われていると言う事だ


提督「馬鹿にしないでもらえますか!俺は本当に!」


川内「だったら声を荒げないで私の目を見て言ってくれる?言ったでしょ?私がしたいのは確認だって」


川内「もし此処で行かないを選択しても誰も責めない。私も何も思わない」


川内「君は・・本当に戦う覚悟があるの?人間とそして艦娘と」


川内「味方同士戦う事を本当に覚悟してるんだね?」


提督「っ・・・・・・・」


そう言われてしまうと改めて自分のしようとしている事が大変な事なんだと気付く


そうだ。俺は味方である人を相手に・・南鎮守府の艦娘達も含めて


戦う事になるかもしれない道を進もうとしてる


彼女はそれを本当に知った上で聞いてくれてるんだ


馬鹿にされてたわけじゃない


彼女の最後の警告であり優しさなんだ


川内「・・・・・・・」


提督「ありますよ・・」


川内「仲間同士で血を見る事になっても?」


提督「っ・・それは」


提督「でも、守る為ならしなきゃいけない覚悟なんだってのも分かってます」


川内「分かってても出来なかったらそれは腐ってしまった覚悟・・まだ知らない方がマシだよ」


提督「そうですけど・・」


川内「で?本当は?」


提督「っ・・・・」


川内「うん、もう良いよ。疲れたよね?休んで?研修終わらせて君は君の鎮守府を守れば良い」


提督「ま、待ってください」


川内「話に付き合ってくれてありがとね?・・じゃあね」


そう言って去って行く彼女の背を見て


俺の覚悟はそんなものなんだって・・


いや、行きたい!何が出来るか分からないけど!


俺は!


提督「待ってください!」


立ち止まる彼女は無言のまま振り返らない


本当ならもう遅い筈なのにチャンスをくれている


優しい娘だ


提督「俺も連れて行ってください」


川内「・・・・・・」


何も言わない。でも、彼女の足は止まっている


今生半可な事を言えば足は動き出し、もう止まってくれないだろう


提督「嘘を言っても貴女は見抜くから本音を言いますよ」


でも、そんな生半可で甘々な考えが俺なんだ


提督「怖いですよ。ちびりそうですし、殴り合いになったら負ける自信もあります」


提督「大事な場面で悩んだり、向けた銃はきっと撃てない・・」


提督「敵も味方もみんなが手を取り合って仲良く出来ればって思ってます。そんなあまちゃんなんですよ俺は」


川内「・・・・・・」


提督「大切な人を場所を守る為に行くのは分かってます。それは俺も同じですから・・」


提督「でも、俺は血も争いも見たくない・・見る覚悟なんてないですよ」


もう、涙も血も斬るのは嫌だから・・


だから、そんな光景は無くしてやる!


提督「これが俺の本当の気持ちです」


覚悟なんてない方が良いんだ


それだけ耐えなければいけないんだから


川内「君は・・・・」


振り返り彼女が目が真っ直ぐとこちらを見つめる


提督「俺も行きますから」


川内「今言った事に偽りは?」


提督「ないです」


川内「覚悟はなくても見ないといけない場面があるかもしれないよ?」


提督「でも、逃げたりはしません向き合いますから」


向き合って・・そして奴の毛を引きちぎる


北上さんとの約束だ


川内「それを覚悟と言うんじゃ?」


提督「いえ、誓いです」


川内「誓い?」


提督「はい、俺の為に生き抜いてくれた彼女達との誓いです」


我慢でも耐えるわけでもない


俺が俺である証になるから


川内「やっぱり良い目してる。成る程、西提督が気に入ってるわけだよ。彼のど真ん中ストライクじゃん」


川内「でも、だからなんだろうな・・妹も彼だからあんなに楽しそうに夢を追えたんだ」


川内「もう一度立ち上がる事が出来たんだ・・」


提督「お願いです。君と一緒に」


川内「川内」


提督「え?」


川内「私の名前、川内だから覚えておいてね?遅くなったけど、あの時はありがとね?」


提督「あの時って・・え?初対面ですよね?」


川内「ううん、違うよ。でも、直接話した事ないけどね」


川内(君が那珂を支えてくれていたのは見ていたから)


提督「う〜ん、そう言われると何処かで会ったような・・」


川内「また、会ってあげてね?」


提督「え、あ、はい」


誰に?


川内「じゃあ、行こうか今度こそ」


提督「っ!はい!」


川内「なら、準備してきて成功しても失敗しても西鎮守府には当分の間は来れないと思ってね?」


提督「え?なんでですか?」


川内「西鎮守府が関係してるってバレるよ?」


提督「あ、それは困りますね。なら、もう帰る支度する勢いでしてきます」


研修は途中でサボる事になるけどごめんなさい


川内「うん、立つ鳥跡を濁さずだね」


提督「はい、これが終わったらおんぼろ鎮守府に帰ってからハゲに研修レポートを投げ渡してさっさと帰っ・・・」


そう言えばレポート書いてない・・


提督「やば」


川内「どうしたの?」


提督「レポート書いてなかった・・」


書かないと・・ハゲがグチグチ言う・・それだけ長くハゲと同じ空気を吸わないといけない


絶対にやだ


さっさと渡してさっさと帰っていただくには・・


提督「あ、あのさ、一時間くらい時間くれないかな?」


川内「え?一時間も?ん〜分かったけど一時間だからね?」


提督「うん!ありがとうーー!」ダッ


レポートを一時間で書いてやる!


一日目から色々と思い出さないとな


川内「準備に一時間も掛かる程荷物が多いのかな?」


川内「ん?」


《カップ麺(マヨコーラエクストラバージンオイル味)》


川内「・・・・・・」


その後、レポートを書き終えて眠っている研修生達の枕元にモンエナを置いてモンエナ式お別れ会をして川内さんの所へと行った


川内さんからご馳走様と言われたがなんだったのだろうか?


研修終了


ー研修生部屋ー


提督が部屋を出た直後


金髪「・・みんな起きてるか」モンエナ


メガネ「うん、起きてる」モンエナ


黒髪「こんなにモンエナいらないから・・提督は」大量のモンエナ


黒髪「・・・・・・」ゴクゴク


金髪「ん?黒髪、先輩呼びじゃなかったか?」


メガネ「お付き合いおめでとう」


黒髪「違うから色々あったの」


金髪「色々ね〜」ニヤニヤ


メガネ「キスはしたかい?」


黒髪「殴るよ?なんなら!魚雷出そうか!」


黒髪「ふぅ・・気合い入れよ」ゴクゴク


金髪「やめろよ?マジで出そうとするなよ?」


メガネ「本当に出るのかい?気になるな!頑張れー!」


黒髪「ふぬぬぬぬぬ!」


金髪「ちょっ!マジでやるなって!お前ら今はそんな事してる暇じゃないだろ大将の事!」


黒髪「あ・・・」


メガネ「うむ、提督さんはこのまま行くつもりなのだろうか」


金髪「だろうな・・だからって俺達は連れて行ってもらえないだろうな」


黒髪「良いのかな・・全部任せちゃって」


黒髪「げふ・・」ゴクゴク


メガネ「北上さん達を助けると約束したのは僕達だ・・本当なら僕達がどうにか出来れば良いけど研修生じゃ何も出来ない」


金髪「それを言うなら大将もそうだろ?研修生だからってのは言い訳だ」


メガネ「そうだね。ごめん」


金髪「謝んなよ。そう言ってないと腹が立って仕方ないってのはある・・何も出来ない自分にな」


黒髪「ねぇ、行かない?研修はサボる事になるかもしれないけど・・ペナルティだって研修生だし学校側と西提督さんからお説教と宿題が増えるくらいだと思うし」


黒髪「このまま眠れずに朝を迎えて後悔を残したまま研修を終えてもスッキリしないよ」


金髪「サボりか・・」


黒髪「うぅ・・」ゴクゴク


メガネ「うむ・・」


黒髪「ダメかな?」


金髪「俺さ」


メガネ「僕さ」


金髪、メガネ「「友達とサボるって憧れだったんだよな」」


黒髪「っ!なら、サボろうよ!サボっちゃおう!イェーイ!」


金髪「よし!こうしちゃいられねえ!お前ら準備しー」


黒髪「もう出来てる」制服


メガネ「ちょっと待ってね」制服


数十個ある眼鏡から一つを取り出し装着


メガネ「完了だ」


黒髪「くぅ〜〜」ゴクゴク


金髪「お前ら・・準備した状態で布団に入ってたのかよ」制服


メガネ「そう言う金髪だって制服がシワだらけだよ」


金髪「お前こそ・・あれ?シワなくね?」


メガネ「ふっ、修行が足りないね」


金髪「どんな修行だよ!でも、凄いな・・」


黒髪「はぁ〜〜」ゴクゴク


黒髪「ねぇねぇ!金髪金髪!」グイグイ


金髪「引っ張るなって何だ?」


黒髪「スカートで布団に入ると布団の中でスカート全開だからね。ふふ〜」


金髪「おい、そんな情報はいらん。てか、さっきから異常にテイション高くないか?おかしいぞ?ん?空き缶?」


黒髪「おかしくないし」モンエナゴクゴク


黒髪の足元にモンエナの空き缶が数個ある


そう言えばさっきからゴクゴク聞こえてきてたけど全部黒髪だったのか!


金髪「馬鹿!飲み過ぎだ!」


黒髪「ほらほら、飲め〜」ガシッ


メガネ「ぼ、僕は炭酸はゆっくりと飲む派でー」ゴクゴク


黒髪「ほれほれーー!」押し込み


シュワァアアア!


メガネ「うううう!」


黒髪「もう一本!」カシュ


金髪「今何処から出した!てか、もうやめろ!」ダッ


シュワァアアアアアア!


メガネ「うわぁあああ!」眼鏡バリーーン


金髪「メガネ!」


馬鹿野郎!もう黒髪だけど馬鹿野郎!メガネは炭酸は弱いからゆっくり飲まないとダメなのに!


金髪「もう飲むな!そう言うのは一日一本だ!」ガシッ


黒髪「離せーー!メガネがもっと飲むって」ドボドボ


メガネ「」ダラダラ


金髪「飲んでねえよ!口に当たって流れてるだけだから!」


黒髪「お前にメガネの何が分かる!お前にメガネが救えるか!」


金髪「今救ってんだよ!ああ!お前いい加減にしろ!」ゴツン


黒髪「いたっ!んん!今のは痛かったよ!ふぬぬぬぬ!」


黒髪「ふぬ!」チビチビ魚雷(モンエナ塗装)


金髪「あ!出すのモンエナだけにしろよ!」


メガネ「」


黒髪「女の子に手を出したらいけないんだから!」シュッ


金髪「伏せろ!!」メガネに覆い被さる


メガネ「汗臭い・・・」


金髪「総員対爆防御!!」


ドカーーーーン!!


提督が出発してから数分後西鎮守府の研修生部屋辺りで小さな爆発が起こった


規模はドアが外れるくらいで部屋はちょっと壊れたくらいだった


巻き込まれたと思われる三人の研修生は奇跡的に軽症だったが、念の為に三日間の入院をさせられてしまい研修を病院で終える事になったのだった


ー病室ー


朝潮「角度気に入りません・・やり直しです」花瓶の花取り替え中


阿武隈「ええ・・・もう52回目だよ・・」


西提督「此処に研修を終えた事を証明する。おめでとう・・本当におめでとう!」


金髪、メガネ、黒髪「「「すみませんでした」」」


こうして研修生達の研修は終わった


大切な友達を見つけて


ーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーー

ーーー


ー車内ー


提督「・・・・・」


川内「あ、そこ左」


運転手「はい・・・」


運転手「・・・・・」チラッ


提督「ん?」ニコッ


運転手「・・・・・」プイッ


提督「・・そんな逸らさなくても」ガーン


てか、誰?


謎の運転手それは一体


謎の運転手


車を走らせて少しが経つ


南鎮守府へと向かっているとは思うけど暗くて何処を走っているかも分からない


まぁ、昼間でも分からないと思うけど


川内さんと謎の運転手と共にこれからどうするのか・・


それも今は分からない


これからの事を考えるので不安で仕方がない


そんな中


運転手「・・・・・・」チラッ


提督「・・・・・」チラッ


運転手「・・・・・・」プイッ


提督「・・・・・・」


なんだ?さっきから見られてる?


何か視線を感じてしまう


ちなみに車は八人乗りの普通自動車(ヴェルファイア)で運転手は運転席で川内さんが助手席に座って後ろ席を俺が座っている状態だが、広く軽トラとは大違いで特に座り心地が最高だ


とっ、それは良いとして問題は・・


運転手「・・・・・・」チラッ


何度も此方を見てくるが態々後ろを何度も意味なく見ないと思うけど俺の被害妄想なのかな?


提督「ん?」ニコッ


運転手「・・・・・」プイッ!!


提督「・・・・・・」


うん、やっぱり見られてる


前を向いて運転して欲しいけど、驚く程に安全運転なんだよな


揺れがないのも凄いけど信号を止まる時のカクッてのがないのも凄い


大和さんとは大違い


しかし、こう何度も見られているのは何か言いたい事があるのかもしれない


最初に会った時に一悶着あったのだが・・その事かもしれない


出発直前に車の前で待っていた運転手


軽トラだと思っていた俺はヴェルファイアを見て驚いたっけ


そして運転手は帽子を深くかぶっており服装もタクシーの運転手の様な服だけど女性だと言うのは分かった


膨らみで


とりあえず挨拶をしたんだけど


運転手『乗って・・』


提督「初めましておんぼろ鎮守府の提督と言います。よろしくお願いします。」


川内『うん、挨拶大事だね!』


運転手『・・・・乗って南鎮守府まで行くから』


川内『じゃあ、行こうか提督は後ろに乗ってね』


提督『あの運転手さん』


運転手『っ・・なに?』


提督『提督です。よろしくお願いします』


運転手『・・・・はい』


提督『提督なんです』


運転手『はい・・分かってますから』


提督『なら、貴女は?』


運転手『?』


提督『貴女の名前を教えてください』


川内『へぇ・・・』


運転手『・・なんで?』


提督『どう呼べ良いか分かりませんし、これから共に行くんですから相手の事を知っておくのは必要ですよね?』


運転手『呼ばなくて良いし・・知らなくて良い』


提督『で、でもそれじゃあ!』


運転手『信用できませんか?』


提督『そう言うわけでは・・いえ、そうですね。何者かも分からない人と一緒に行動するのは少し不安です』


提督「俺達がこれからしようとしてる事を考えるなら尚更です」


運転手『そうですか・・なら』ナイフ


提督『っ!』


ナイフの持ち手をこちらに向けて差し出す


提督『何ですかこれは』


運転手『信用出来ないと不安だと思うなら・・これで斬ってください』


提督『冗談でも笑えないですよそれは・・』


運転手『いえ、本気です。貴方にはその資格があります』


川内『・・・・・・』


提督『なんだよそれ・・どんな資格だ・・言ってみろ!!』


今思えば彼女を斬った感触を思い出してしまって自分でも異常に怒ってたと思う


運転手『知りたい?・・なら、言ったら斬ってくれる?』


提督『っ・・お前なんなんだよ!なんでそんな事が本気で言えるんだよ!』


その声と雰囲気で嫌と言う程彼女が本気だと言うのが分かる


分かってしまう・・・・


まるで春雨や白雪の様に・・それが信じてやまない


あるべき道だと本気で思っている


此処までになると信念と言ってもいい


良い事悪い事とかそんなレベルじゃない


提督『っ・・・・』


だからこそ、何を言ってもダメだ


関わってはいけない


じゃないと・・また、俺は・・


運転手『私はね貴方のー』


提督『言わなくて良い!もう聞きませんから・・』


そう言って逃げる様に言葉も聞かずに車へ乗り込んだ


川内『行こっか』


運転手『・・・・・』


それから会話と言う会話はなく今の様な感じが続いている


チラッと見てくるけど、目を合わすと逸らしてしまう


逃げた俺に対して思う事があるのか


それとも君は俺の事を知ってて・・君の正体とで


君を縛ってしまっているのかな?


だとするならこのままには・・


川内「・・・・・・・」


川内「ねぇ、コンビニ寄ってよ喉が渇いた」


運転手「時間がないからダメです」


川内「えー!ケチ!良いじゃん!」


運転手「たださえ予定より一時間遅いんですからダメです」


川内「私の所為じゃないのに・・」


川内さんと話す時は普通に出来てる


俺と話す時だけ俯いて感情のない声になるのは


でも、それは意図的にやってる事であり、何かが邪魔してしまっているだけなんだ


やっぱり話せば何か変わる筈だ


彼女の事を少しでも知りたい


知ってあげたい


逃げるな俺


ユーモアに会話に介入しろ!


提督「すみません。俺がトイレが長くて一時間待ってもらいました。お腹壊しやすいもので・・はは」


運転手「・・・・・・・」


川内「ぷっ、あははははは!トイレ行ってたんだ一時間も良く頑張ったね」


提督「あはは・・本当情けないですよね」


運転手さん黙っちゃったか・・


と思ったら


運転手「・・・・・・・」


運転手「・・出たの?」


提督「え?」


何が?


運転手「・・一時間もトイレに入って出たの?」


提督「あー、出ましたよ。すみません汚い話しをしてしまって」


運転手「・・そう、ポンポン痛くない?」


ポンポン?あ、お腹の事か


提督「い、痛くないですよ。心配してくれてありがとうございます」


運転手「・・・・・・・」


提督「・・・・・・・」


会話がなくなった


てか、いきなりトイレの話しとか・・恥ずかしい


もう南鎮守府に着かないかな・・いや、でも、まだ心の準備が・・


運転手「・・大丈夫ですから」


提督「え?何がですか?」


運転手「一時間遅れても大丈夫ですから気にしないでください」


提督「あ、はい」


フォローしてくれたのかな?


悪く思われてるわけではないのかもしれない


だったら話したい


お近づきになりたいな


俺だって男なんだから女の子に嫌われたままなのは辛い


川内「あ、コンビニあるよ此処を右だよ!一時間くらい大丈夫なら良いよね?」


運転手「それとこれとは別です。直進します」


川内「そんな・・・コーヒー」


運転手「水がありますから我慢してください」


川内「えー!黒く濁った水が飲みたいの!」


運転手「オイルでも入れますか?」


川内「うぅ・・提督」


よし、此処は俺も運転手さんに続いて肯定する事で間を埋める作戦だ


ごめんなさい川内さん


提督「川内さん悪いですが俺も運転手さんの言う通りだと思いますよ。水があるし俺達はドライブをしてるわけではないですしこの間に作戦会議とかをー」


その時それは唐突に来た


運転手さんが言って


俺が運転手さんを肯定する


だけど、俺のポンポンは鳴った


グゥ〜〜


川内「あは♡本音聞いちゃった」


俺の腹は川内さん肯定派の様だ


帰って来てから遅いと言う事もあって朝までカロリーメイト一個で我慢する様にしていたが一番鳴ってはいけない場面で鳴らしやがった


川内「ねぇ!ねぇ!お腹空いたよね?空いたよね!見てあそこにコンビニあるよ?最近のコンビニって弁当も馬鹿に出来ないくらい美味しくなってるんだよ」


添加物半端ないぞ?


提督「いえ、俺は大丈夫ですから」


と言うか深夜に食うなって言ってたよね?


提督「お腹は空いてなー」グゥ〜〜


ちょっとポンポンは黙ってろ


川内「ふふ、提督のお腹は嘘が嫌いみたいだね」


川内「お腹の調子は悪くても性格は良いみたいだね!」ドヤ顔


上手くないからな


提督「・・・・・・・」チラッ


運転手「・・・・・・」


心なしか怒ってる様に見える


手が震えてる


運転手「行きましょう」


提督「へ?」


車は直進せずにコンビニへ


川内「うん、大好き!」


提督「あ、あの良いんです?」


運転手「・・待ってて」


運転手はささっと降りてコンビニへ入っていった


お手洗いかな?


今のうちに川内にコーヒーくらいは買っておこうかな?


提督「俺ちょっと行ってきましょうか?」


川内「待ってて良いよ。でも、ありがと」


川内「運転手を信じて待ってよ」


提督「まぁ、そう言う事なら待ちますか」


俺にもコーヒー買ってきてくれると嬉しいな


川内「ねぇ、その間に運転手の正体知りたくない?」


提督「え?」


川内「教えてあげても良いよ。それからどうするかは考えれば良いと思うよ?正直見てて歯痒いからさ?」


川内「提督なら悪いようにはしないって信じてるから」


提督「・・・・・・・」


川内「どう?」


提督「彼女が俺にとってどう言う人なのか、そして彼女にとって俺はなんなのか気にはなります」


提督「でも、彼女の口から聞きたいです。勝手に知って良い内容じゃないと思うんです」


それが大惨事を起こさないとも限らない


川内「う〜ん、そっか・・じゃあさ?名前だけは?紹介したいし」


提督「まぁ、名前だけなら良いかな?」


俺も自己紹介してるわけだし


流石に名前を聞いてどうにかなるとは思えない


聞いても知らないフリをしてれば良いし


川内「うん、彼女はね?私の妹で神通って言うのよろしくね?ちなみに私も神通も軽巡ね」


提督「川内さんはそうだとしても彼女も艦娘だったんですね。そして妹とは」


道理で仲が良いと思った


そして信じてあげている


川内「もう一人妹が居るけど、まぁ、いずれ分かるよ」


提督「ん?分かりました」


もう一人の妹の名前も気になるけど、いずれ分かるなら待とう


それにしても神通か・・・・


俺は知らないな


提督「川内さん、神通さんは俺の事知ってんですよね?」


川内「うん、よく知ってると思うよ?実際関わったのは短い期間だろうけど、こっそり見てたりとかはしてたよ


え?何それストーカー?


提督「俺は監視されていたんですか?」


川内「う〜ん、これ言って良いかな?まぁ、いっか」


川内「神通は監視してたと言うよりある人が近づけない様に細工をしていたんだよ」


提督「ある人?」


川内「うん、実はそれを最近神通から話してもらって西提督に伝えたら、その人の居場所を特定する様に頼まれて提督と会わせないように動いていたんだよ」


川内「で、最近までは目立った動きはなかったんだけど、演習で勝ったって言う情報を聞いてから動き出したらしいよ。そして近いうちに西鎮守府に来るんじゃないかな?ってなってる」


川内「まぁ、私と神通が動く限り会わせる事はないけどね?嘘情報を流して神通と話して地球一周でもさせてみようかな?ってなってる」


そこまでする人って・・・もしかして


いや、でも、あれは結構前だし


でも・・


提督「その人って誰なんですか」


川内「青葉だよ」


提督「っ!」


青葉さんか・・・・


提督「他にもう一人くらい居ませんでしたか?」


川内「あ、衣笠もいたね」


提督「やっぱりか・・」


あの二人か・・


怒ってるのかな?それとも・・


川内「理由は聞いてないけど、何かあったんだよね?神通は絶対に近づけさせないでって言ってたし」


提督「・・・・・はい、なんで神通さんが知ってたのかは不思議ですけど」


でも、あれは今思えば俺の所為で・・ただ、それを認める程の余裕がなかった


でも、この選択は間違いじゃなかった


今だから言える


今だからそう思えるのかもしれない


俺は彼女の想いを踏み台にして今此処に居るんだ


提督「聞いてくれますか?」


俺の馬鹿な話しを


川内「うん、教えて」


最低な子


あれは母さんが亡くなった時だった


過労だった


母さんが無理していた事は知っていた


でも、母さんだから大丈夫だって勝手に決め付けて・・いや、構ってやれる程に余裕がなかったってのもあったけど、それはただの言い訳だった


葬式が終わり、これからどうなるかも考える余裕もなかった


もう、辛くて悲しくて・・ただ、雨の中泣く事も出来ずに


流れる雨粒を涙だと自分に言い聞かせて


馬鹿みたいに叫んだ


そんな時に青葉さんと衣笠さんが現れた


青葉さんは傘の中に入れてくれた


青葉『風邪引くよ?提督くん』


提督『良いんだよ・・ほっておいてくれ』


青葉『でも!』


提督『いいからほっておいてくれ!』


青葉『っ・・ごめんなさい』


提督『っ・・・・』


衣笠『悲劇の主人公気取って楽しい?』


青葉『ちょっと!衣笠!』


提督『だったらなんだよ!ほっておけよ!』


衣笠『最初からほっておくなら近づかないって馬鹿なの?』


提督『なんだと!』


青葉『もう!衣笠!やめて!喧嘩する為に来たんじゃないでしょ!』


衣笠『あまり情けない顔してるから言いたくなったのよ。本当にあの人の息子なの?』


青葉『うん、提督母の息子だよ。この子は』


提督『・・・・・母さんの知り合いかよ』


青葉『うん、青葉って言うの、こっちは衣笠で私は親友と言っても良かったかもね。よく昔は一緒に仕事してたよ?師匠なんて呼ばれてたし』


衣笠『あんたとは大違い』


提督『・・・・・・』


青葉『いい加減にしないと怒るよ・・』


衣笠『っ・・ごめんなさい。元気付けようと思って』ボソッ


青葉『ねぇ、提督くん雨も酷いし中に入らない?』


提督『俺は此処で良いです・・俺が殺したようなものだから・・このまま死んでしまった方が・・』


衣笠『っ!あんたね!馬鹿な事を言っー』


青葉『衣笠黙ってて!』


衣笠『っ!』


青葉『提督くんどうしてそう思うの?』


提督『・・・・・・・』


青葉『そっか・・・』


何も言っていないのに


そう言うと持っていた傘を放り投げた


青葉さんも雨でビショビショになっていく


衣笠『青葉!もう!』


それに続いて衣笠さんも傘を捨てた


近くに傘はあるのに三人が雨でビショビショに濡れている状態だった


もうこの時点で青葉さんは全部理解したんだと思う


青葉『涙出ないね』


提督『っ・・・』


そしてこう言った


青葉『提督母が苦しんでるのは分かってたんだけど、何もしなかった・・』


青葉『ごめんね・・』


提督『っ!!』


そこからはもう酷かった


何故知ってたのに助けてあげなかったと


親友だったのに見て見ぬ振りをしたのかと


ガキのように喚いて


その時涙が出たんだ


自分の所為じゃないと


偽る事でやっと泣けた


最低な奴だった


全部自分の事なのに・・


でも、青葉さんは悲しそうな顔をしながら、ごめんねと繰り返した


しかし、衣笠さんは良しとしなかった


衣笠『じゃあ!あんたは息子の癖に!一番近くに居たのに何もしなかったの?気付けなかったの?』


提督『っ・・・・』


分かってる二人は悪くない


でも、そうしないとその時の俺は壊れてしまっていた


青葉『衣笠、提督はまだ子供なんだから責めないで』


衣笠『っ・・そうだね彼は子供だ』


提督『なんだよ・・なんだよ!』


それが俺にとっては馬鹿にされている様に見えてしまっていた


衣笠『何も出来ない子供』


提督『っ!』


気付くと衣笠さんに掴みかかっていた


提督『馬鹿にするんじゃねえよ!』


もう止まらなかった


衣笠『・・可哀想に』


無理矢理にでも振りほどいて欲しかった


でも、彼女は無抵抗で


提督『やめろ!』バシン


それを俺は叩いてしまった


赤く腫れた頬


目に涙を浮かべても尚その目は俺を離す事なく見ていてくれた


提督『あ・・・・』


衣笠『気が済んだ?気が済まないなら・・もっと叩いて』


提督『お、俺は・・なんて事を・・』


衣笠『それで前を見れるなら叩きなさい!』


青葉『・・・・衣笠』


その言葉に自分がどれだけ馬鹿な事をしてしまったのかを分かってしまい


叩いてしまった頬を撫でて


衣笠さんから溢れ出した涙を見て俺も涙が止まらなかった


でも、謝罪の言葉が出なくて・・


俺を見るその目は涙に濡れていたけど、確かに俺を俺として見ていてくれていたんだ


その場にへたり込んでまた泣いた


ただ・・泣いた


何も出来ない子供だって事に気付いて・・


そんな俺に青葉さんは言った


青葉『これからは私達が君の母親の代わりになるからね?一緒に行こ?』


青葉『もう苦しまなくて良い。寂しい思いはさせないから』


青葉『貴方と共に人生を歩んで・・終えてあげるから・・それが償いだから』


提督『償いってなんだよ・・』


こんな俺にそんな優しい声をかけてくれた


でも、俺は安いプライドを守る為に


そしてこんな俺なんか救われなくても良いと自暴自棄になって


提督『行かない・・ほっておいてくれ!!』


手を差し伸べてくれた二人を拒絶した


衣笠『強がるな!子供の癖に!あんたはね!これからどんな目に合うか分かってるの!』


衣笠『あんたじゃ絶対に耐えきれない辛い事が待ってる!守ってくれる人も誰もいない!そんな所にあんたが生きていけるわけないでしょ!』


売り言葉に買い言葉だった


そんな言葉に反抗して


提督『あんた達の助けなんて要らない!二度と!俺に近づくな!!』


提督『もう・・俺なんか・・どうなってもいいんだよ!』


青葉『でもね?提督くん』


提督『償いも何も必要ない・・その為に俺は・・俺は貴女の償いの為に居るんじゃない!』


青葉『っ!』


衣笠『そんな事言わないで!もう・・いいから自分を責めないで?ほら、こっちにー』


青葉『・・待って・・駄目』


衣笠『邪魔しないで!今助けてあげないと彼は』


青葉『ううん、その彼がそう言うなら・・仕方ないよ・・』


衣笠『どうしてよ・・どうしてなのよ・・』


青葉『彼女が見てる・・これ以上はこっちが危険』ボソッ


衣笠『くっ!どこまで苦しませれば』


衣笠『良いの?この子はこれから苦しい道を歩む・・それを知ってて提督母と同じ様に信じて手遅れになってから、また泣くの?』


青葉『・・・・・・・』


今思うとこの時の二人の様子は変だった


青葉さんは何かに気付いたのかそれ以上言う事はなかった


でも、衣笠さんは


青葉『帰ろ・・・彼自身が動かないと何も出来ない』


青葉『彼の言う事も間違いじゃないから・・自分自身考えたい事も出来た』


青葉『私自身彼をどう見ているのか・・』


衣笠『諦めないから・・』


青葉『うん・・・』


衣笠『提督!』


提督「っ・・・」


衣笠『・・あんたの事だからすぐに弱音を吐いて・・自殺なんて考えたりするかもしれない』


衣笠『そんな情けない奴助けてやれるのは・・私だけ・・辛いなら助けてあげるから!連絡して!絶対だからね!待ってるからね!』ポロポロ


そう言って涙と雨に濡れたメモを渡された


そこには彼女の連絡先が書いていた


青葉『待ってるからね・・無理しないで』


本当に馬鹿な奴だった・・それを煽りだと思い馬鹿にされたと感じて


絶対に掛けてやるかと


それが俺が此処まで来れたお陰でもあったかもしれない


どんなに辛くても一人になっても


彼女達に連絡したら負けだと、逃げだと・・それだけを思って生き抜いた


それが支えられていると


本当の意味で今気付いたのかもしれない


提督「って事があったんです」


川内「そうなんだ・・」


川内(成る程ね。神通はその時その場に居たんだ。きっと声を掛けようにも掛けられなかったってところかな?)


川内「それからは?何かアプローチはあったの?」


提督「直接来る事はなかったですが何通も手紙をくれてはいたんですよ」


大丈夫?とか心配する内容や全く関係ない今日あった事なんかも色々と


少しその内容が楽しみに感じていた時期もあったけど・・


提督「でも、無視してました。返事を書こうともしましたけど結局書けずです。最後に手紙が来たのは司令官になる前です。結局読まずに置いてきてしまいましたが」


提督「本当・・最低ですよね俺」


川内「ううん、その時を考えるとそうなるのは仕方ない事だよ。提督は悪くない」


提督「いえ、悪いのは俺です。青葉さんや衣笠さんの気持ちを無視して、今の今まで何も出来ずにいた」


川内「思ったんだけどさ聞く限りだと衣笠さんはー」


提督「分かってますよ。わざと叩かせる様にしたんですよ衣笠さんは」


そうする事で俺の悲しみを和らげようとしてくれていたんだ


提督「泣いてしまったのは誤算だったんでしょうけど」


でも、だからと言って


提督「どんな理由があれ女の子を叩いたらダメなんですよ。男として人として最低なんです」


川内「う〜ん・・やっぱり悪いのは向こうだよ。そう思わせてる背負わせてしまってるってのは考えないといけなかったし」


川内「提督がどう思っても私は君は悪くないと勝手に思ってる」


提督「川内さん・・」


川内「でも、これからどうするかは君次第だよ。聞かなかった事にするのも一つの選択」


提督「そうだな。うん、俺は・・」


いつかはしなければいけないとは思っていたけど


会おう


会って謝って俺は元気ですって伝えよう


謝って許される事じゃないかもしれないのは分かってる


どうして今頃になってまた探し始めたのかも気になる


提督「川内さんお願いがあります」


川内「分かった」


提督「まだ、何も言ってませんけど」


川内「もう、変な小細工はやめるって事で良いんだよね?神通にも伝えておくね?」


提督「はい、でも、俺から会いに行く勇気はないですから・・ヘタレかもしれないけど待ちます」


待って来てくれた時にもう一度話そう


今度は子供ではなく


大人として


川内「・・ふふふ」


それから数分後に神通さんは大量の袋を抱えて戻って来た


その殆どが俺の為に買ってきた弁当やら腹痛の薬やら酔い止めやらエナジードリンクやらスッポンドリンクなど


計二万円相当の物を貰ってしまった


でも、神通さんは今まで俺の事を守ってくれていたんだ


川内さんに話す前に青葉さん達が来てしまっていたら、きっとまた子供のままだった


また、泣かせてしまっていた


もう俺は大丈夫だから


提督「運転手さん」


運転手→神通「・・・・・・」


そんな貴女に感謝を込めて


提督「ありがとうございます」


神通「・・・・・・・」


少し笑った様に見えたのはきっと気の所為だろう


川内「やっぱり缶コーヒー最高!」


提督「普通の飲み物がマヨコーラしかない・・コーヒーがない・・」


あれ?やっぱり嫌われてる?


神通「〜〜♪」←マヨコーラ大好き


提督「うぇ・・・」ゴクゴク


神通「ふふふ、可愛い」チラッ


神通「提坊」ボソッ


車は南鎮守府へと更に進んで行くのだった


川内「さて、そろそろ本題に入るよ」


神通「・・・・・・」


提督「はい!」


彼女達の事も気になるけど、今は今を全力で乗り越えてやる!


子供と大人


提督「では、本題を」


これから重要な作戦の話しがある筈だ!気を引きしめろ!


川内「まぁ、本題って言っても言う事は一つなんだどね?」


提督「はい!」


ゴリ押し作戦とか?それとも野となれ山となれ作戦とか?


どちらにせよ川内さんの事だ。きっと何か考えがある筈だ


どんな作戦だろうと信じよう


神通「休みなさい」


川内「寝て」


提督「はい?」


はい?


川内「クルージングの事聞いたよ。疲れたでしょ?着くまで眠ると良いよ」


提督「ま、待ってください!作戦は?これからの事を話さないと!着いてからじゃ遅いですよ!」


神通「必要ない・・今はね」


提督「どう言う事ですか」


神通「今は何も考えずに寝て」


提督「でも・・気になって」


川内「信じてくれないかな?」


提督「ずるいですよ・・その言い方・・」


神通「・・・・・・」


川内「お願い・・このままじゃ倒れちゃうよ?」


川内「君が倒れたらみんなが悲しむ・・折角ここまで来れた事も頑張りも全部なくなる」


川内「人生にゲームの様にセーブは出来ないけど休む事は出来る。それは常に動き続けなければいけないゲームには出来ない事なんだよ?」


川内「ワンライフノーセーブノーライフだよ提督」


提督「川内さん・・」


なんで自分の事じゃないのにそこまで・・いや、足手纏いになるからかもしれないけど・・


正直疲れてないと言えば嘘になるけど、まだ動ける


だけど・・


神通「・・音楽かけようか?」マヨコーラ天国CD


提督「はぁ・・分かりました。二人はどうするんですか?何処かで止まって仮眠でもとりますか?」


神通「このまま進みます・・」


川内「私達の事は気にしないで夜は慣れてるから」


提督「気になりますよ・・俺だけ休むなんて」


神通「大丈夫」


提督「え?」


神通「もう、置いて行ったりはしないから」


提督「置いて行く?・・何を言って」


神通「もう、見捨てたりしないから側にいるから・・ね?」


優しく子供をあやすかの様に囁いたその声は


心が痛く胸が熱くなった


やがてそれは大きな安心感を感じるようになった


緊張していた気持ちも不安な気持ちも今は感じなくなった


もう置いていかれないんだ。なら、眠っても大丈夫かな?


何故か分からないけどそう感じる自分がいた


提督「あれ?・・」


目頭が熱くなってきた・・


神通「だから、お休みなさい提督」


どうして・・どうして


提督「っ・・・はい」ポロポロ


こんなに貴女のその声が懐かしくて・・


安心出来るんだ


でも、それを聞く前にどっと疲れが押し寄せてきて


そのまま眠りに落ちた


提督「」..zzzZZ


川内「眠ったね。まだまだ、子供だよ提督は」


神通「過酷な事があり過ぎて常に気を引き締めていないといけない状態が解けてなかった・・それが疲れを感じなくなる程に身体に重くのし掛かっていた」


神通「守る為に置いていかれない為に自分を壊してしまったら意味がない。そうなったら・・彼も提督母の様に・・」


神通「やっぱりそうなる前に海軍から」


川内「そうはならないよ」


神通「どうしてそう言えるの?」


川内「まだ子供でいてくれてるからだよ」


川内「子供でいてくれるうちはその前に弱音をはいてくれる。泣いてくれる。逃げてくれる」


川内「大人になると色々な面で強くなった気でいられるけど、違う・・本当は強くなんかない。自分の弱さに気が付かなくてしまっただけ」


川内「だから、弱音を言う事も泣く事も逃げる事も出来ずに気付いた時には手遅れになってる」


川内「たとえ気付いても気付かないフリをして泣く事を逃げる事を恥に感じる。生きる為には必要な事なのに」


川内「子供と大人・・どっちが提督の言う大人何だろうね?」


神通「・・・・・・・」


川内「だから、提督は今は大丈夫だよ。その涙が証だから」


神通「昔は泣かなかった・・それを強さと勘違いして何もしなかった・・何も出来なかった・・」


川内「だから今がある。神通のしなかったは今へと繋がった。それで良いんじゃないかな?」


神通「本当にこの道で良かったのかな?」


川内「それは提督次第だよ。私達に出来るのは彼が道から落ちない様にちょっと支えてあげる事だよ」


神通「そうね。だけど・・」


川内「楽になる為の償いなんて青葉達と変わらない」


神通「っ!知っていたんですね・・」


神通「大丈夫・・これでは終わらせないから・・一生をかけても」


川内「そうじゃない・・私が言いたいのは」


神通「・・言わないで分かってるから」


川内「分かってるなら言わない・・難しいね償いって。でも、何かあったらお姉ちゃんを頼って?」


神通「えぇ・・ありがと」


川内「っ・・・・」


そこで会話は終わってしまった。無言の中車は走り続ける


提督「」..zzzZZ


川内「提督・・君は君のままで良い。子供で良いんだよ・・」


無理に大人になる必要はないんだよ


それから数時間後に太陽が顔を出し、車は南鎮守府から少し離れたコンビニへと到着した


川内「朝日が・・・眠い」


神通「・・・・・」膝枕


提督「」..zzzZZ


神通「大きくなったね・・泣き虫さん」ナデナデ


神通「もう見守るのはやめにする・・貴方を一人の男として軍人として・・でも、最後に」


彼女の顔がゆっくりと提督の顔に近づき…


提督は夢を見た


覚えのない筈のたくさんの家族に囲まれた


あの日の夢を


神通「行ってきなさい貴方の道を・・背は私が押すから!」スッ


神通「いつまで寝ている!!」


バシッ


侵入南鎮守府


朝日が眩しいラジオ体操が流れてそうな時間帯


二つの影が見えた


ー南鎮守府裏口ー


ゴスッ!


「ふにゅ!」


川内「ほら、こっちこっち」


提督「ちょっ、ちょっと待ってくださいよ・・はぁ・・はぁ・・」フェンス上がり中


川内「このぐらいで情けないよ提督」


提督「何も聞かされずに神通さんにビンタで起こされたと思ったらそこらの鬼教官も泣き叫ぶくらいの顔で準備をさせられて車から投げ出されて健闘を祈るとか言われてから川内さんと10キロ走ってこっそりと南鎮守府の裏口のフェンス登って侵入する。自分でも着いて来れたのが奇跡だって思うよ」


起きてから身体の調子が良くなった様な気がしている


なんだろう軽くなったと言った方が良いかもしれない


やっぱり疲れてたんだな


提督「・・・・・・」


それにしても神通さん怖かったな・・


俺何かしたかな?


川内「バレない為にはこのぐらいしないと車でなんか入ったら即バレるよ?」


提督「いやでもさ・・バレてるじゃないですか」


弥生「うぅ・・・」タンコブ


川内「ちょっと油断したかな?次は大丈夫!もう朝でみんな起きてる気を付けて行くよ」


提督「その前に彼女どうするんですか?見たところ駆逐艦だと思いますけど」


フェンスを上がって侵入した先に偶然いた彼女は川内さんの問答無用のチョップで頭を押さえて蹲っている


川内「本当なら一発で殺れたんだけど、今回はそう言うのは無しにしたいから気絶するくらいに手加減したんだけど難しいね・・もう一回やったらいけるかな?」スッ


弥生「あ、いや・・」ウルウル


提督「そのもう一回はなしにしましょう!」


彼女を庇うように前に出て殺人チョップをしようとしてる川内さんに言う


いつの間にか彼女が俺の背中に隠れるように抱きついていた


川内「敵だよ?どいて?」


提督「敵って・・彼女は艦娘でしょ!寧ろ被害者側で」


川内「失望させないでよ・・その娘は確実に南鎮守府の艦娘だよ?」


川内「命令とは言え仲間を沈めてきた娘達なんだよ?大井と北上は何から逃げて来たの?二人を海まで追いつめたのは誰?答えて!」


弥生「っ!」


提督「っ!そ、それは・・此処の娘達かもしれないけど・・彼女だって証拠は」


川内「そう、証拠はない。だからこそ油断出来ないんだよ。命令だから仕方がないって言わないよね?命令されたら許されるの?」


川内「命令を実行した時点で共犯なんだよ。実行した実績がある・・それはもう敵なんだよ」


提督「だけど・・こんな怯えてる娘にっていない?」


気付く彼女は俺の背ではなく前へと出てていた


提督「あ、ちょっと!」


弥生「大井と北上は無事なの?」


川内「そう言うアピールいらないから」


弥生「教えて・・二人は無事?」


川内「敵に教えると思う?」


弥生「教えてくれたら何されても良い・・でも、教えてくれないなら叫ぶ」


川内「そう、なら叫ぶ前に」シュッ


提督「よせ!」ダッ


弥生「っ!」目を瞑る


ゴスッ


弥生「あれ?」


提督「ぐふ!」


川内「何してんの庇うなんて」


提督「は、腹が・・うぇ・」


弥生「大丈夫?吐きそう?吐く?」サスサス


提督「んぷっ・・大丈夫引っ込んだ」


弥生「本当に?」スッ


提督「あぁ、本当だよ」


だから自分の服の両端を持ってエチケット袋がわりに口元に持ってこなくていいから


弥生「ほっ・・」


川内「提督・・邪魔しに来たの?なら・・容赦しないよ今度は吐くまで殴るよ?」ギロッ


吐くまでと言われてもあと一発で吐くよ?


弥生「吐かせない・・」


川内「どいて」


弥生「どかない・・」


川内「なら・・」


提督「川内さん!彼女は嘘はついてないよ。本当に二人が心配で聞いてる」


川内「根拠は?」


提督「勘です」


川内「勘?」


提督「はい、勘です。何故かは分からないですけど彼女はそんな娘じゃないって思えるんです・・うぷっ・・」


弥生「まだ、痛い?やっぱり吐く?」サスサス


提督「もう大丈夫だよありがと」ナデナデ


弥生「えへへ・・」


川内「ふむ・・勘か・・勘なら仕方ないかな?分かった。でも、このままには出来ないから着いて来てもらうけど良い?抵抗するなら」


弥生「しない・・彼に着いて行く。彼の匂い落ち着く姉妹と一緒にいるみたい」


提督「ありがと俺も君を他人とは思えないよ」ナデナデ


弥生「貴方のナデナデ好き・・」


可愛いな


妹がいたらこんな感じなのかな?


提督「俺は提督って言うんだ君は?」


弥生「弥生・・駆逐艦です。あ、あのよろしくね?」上目遣い


提督「っ!」


本当になんだろう?妹の様に見えてきた


お兄ちゃんって呼ばせてみるか?いやだが・・


南憲兵「遅いと思ったら此処にいたのか」


提督「お前は!」


しまった!憲兵だ!捕まえられてしまう!


提督「川内さん!ゲロボディブローだ!」


相手が憲兵なら容赦しなくて良い吐くまで殴れ!


川内「そんな技はない」


提督「なん・・だと!」


弥生「やろうか?」ツンツン


提督「大丈夫だよ。偉いね一人でボディブロー出来るんだ」


弥生「えへ・・へへ」


南憲兵「っ・・こいつが例の協力者?」


川内「そう、時間に関しては少し予定変更があって遅れた」


提督「ん?」


仲間?


南憲兵「警報機を切っているんだから時間通りにしてもらわないとこっちも困るのだが、まぁ良いこっちへ」


川内「行くよ提督、弥生も来てね」


弥生「うん・・」提督の手握り


提督「どうなってんだ?」握り返す


南憲兵に連れられ南憲兵の詰所へと向かうのだった


弥生「〜♪」チラッ


提督「ん?」ニコッ


弥生「ん」ニコッ


南憲兵「あいつ・・やはり」ギロッ


提督「っ!」


今嫌な視線を感じた様な?


殺気の様な・・・


提督「・・・・・・」チラッ


南憲兵「・・・・・・」ギロッ!


あ、俺なんか睨まれてる・・・前見て歩こうよ・・


本当に着いて行って大丈夫なのか不安になる提督だった


弥生(お兄ちゃん・・♪)


後書き

第10章も始まりました!よろしくお願いします!

なんやかんやで此処まで続くと誰が予想出来たのか・・終わりはいつ来るのか!

それは、多分唐突に来ますが、それまでは付き合ってくれると嬉しいです

展開が遅くてすみません・・これでも結構端折ってたりはするんですが・・

何処かへ行く時とかの間の会話って結構重要だと思うんですよ!

とか、色々考えると一章で終わらせる西鎮守府編が此処まで来てしまった・・後悔はない!!!

コメントなどくれると凄く喜びますよ!!引くぐらいに!