2018-05-08 15:09:53 更新

概要

サラトガの誕生日(進水日)に何か贈ろうと考える提督と買い物に行く村雨の物語。


提督がチラシを見て何やら悩んでいます、


昔、提督の部下であり店の従業員でもあったサラトガさんのお誕生日(進水日)に「彼女に何か贈りたい。」と言うので、


提督が不器用ながらも各チラシやカタログを隅々まで凝視しているのです。


「う~ん、サラトガに送るとしたら何がいいと思う?」


結局私に相談して来て、


「そうですねぇ~、大人の女性ですから服とか化粧品とかはどうですか?」


「・・・服や化粧品か。」


補足するとまたカタログを眺め始めた提督、


「・・・・・・」


「出来れば、私にもプレゼントして欲しいかな~。」と思いつつ、


「少し店を開けますね、買い出しに行って来ます♪」



最近、店から少し離れた所に建ったデパートがオープンし、まだ一度も行った事が無かったので、


今日はそのデパートへ行ってみようかと思います。



・・・・・・



入り口に到着・・・流石、スーパーとは比較にならない程の大きな規模ですね!



「まずは、色々と回って見ようかな♪」


私は胸を躍らせて中に入って行きました。


「すごい、各消耗品や食料品何でも揃ってる・・・」


買い出しの際に足りない食材のために違う店に何度も足を運んでいましたが、このデパートには私が普段から必要な食材が


全て揃ってる・・・次もこのデパートに決まりね♪



必要な物は全て買ってと、せっかくですからもう少しだけ回って見ようかしら♪


「・・・・・・」


あらぁ、このコート・・・高級ブランド品ですよね? 値段は・・・ちょっと無理かなぁ ↓ ↓


高級だけあって値段も飛び抜けて高いです、


「提督に頼んで買ってもらおうかなぁ~。」


最初はそう思ったものの、


「でも、提督の毎月のお小遣いが1万円・・・私が何年分の贅沢をしてもいいのかしら?」


何故か提督の小遣いの値段を浮かべて葛藤する村雨、



そんな時のいつものお約束! 自分の中の天使と悪魔が脳裏に出て来た!


※何故か天使の代わりに巫女村雨、悪魔の代わりにヤンデレ村雨が出て来る。



ヤ「いいじゃな~い、いつも提督のお世話してるんだし、たまには自分のご褒美と思って買えばいいのよ~♪」


ヤンデレ村雨がささやき、


巫「提督はいつもあなたの事を大事にしてくれています、そんな提督に内緒で自分だけ贅沢をしていいのでしょうか?」


巫女村雨が制止する、


「・・・・・・」


天使と悪魔の意見が分かり過ぎていつも悩む村雨。


ヤ「小遣いは小遣い! 私は私! だから躊躇わず買っちゃえばいいのよ!」


ヤンデレ村雨の言い分も何となく分かる、


巫「でしたら、今度提督と一緒にデパートに来てお互い承知の上で買えばいいでしょう、そうすればお互い気まずい


  雰囲気にはならなくて済みます。」


「・・・・・・」


巫女村雨の言う通り、今欲しいわけではなくせっかくなら提督にも見てもらいたい。


「そう、提督に一度見てもらってそれからでもいいわよね。」


巫女村雨(天使)の方に賛同した村雨。


・・・・・・


「・・・子供用おもちゃにおむつ。」


提督と村雨の間にまだ子供はいない・・・これから作るのか、当分先なのか。


「でも、やっぱり提督と私の子供欲しいかな。」


赤ちゃん用靴下を手に乗せてそう願う村雨、


・・・・・・


「あら、奥様。今流行の基礎化粧品お試しになりませんか?」


化粧品売り場で女性店員に声を掛けられた。


「う~ん、どうしよう。」


村雨は悩む、


「あら? 少し肌が荒れていらっしゃいますね! お手入れが出来ていないんじゃありませんか?」


「・・・・・・」



図星、全く持ってその通り!



「いかがです? ほんの少しだけ試してみませんか?」


「・・・・・・」


結局、試すことにした村雨、


「奥様お肌が綺麗ですのにお手入れが苦手なんですか?」


「・・・・・・」



苦手ではないけど・・・艦娘時代は常に潮風に、店では蒸気や油に晒されていたわね・・・



「あら奥様お肌がぷるぷる! こんなに弾力があるのに何てもったいない!」


店員は次に化粧品を取り出し、


「あらヤダ私、少し燃えてきて参りましたわ。」


手際よく村雨の肌にお手入れするプロの店員、


・・・・・・


数分後、


「どうでしょうか奥様?」


「・・・!!?」



鏡を見てびっくり! お肌がいつもと比べてプルプルもっちもち! 化粧も施されてまるで別人みたい!



「・・・・・・」


「欲しい・・かな?」と思う村雨に、


「どうでしょう? これを機に揃えて見ればいかがです? 今なら一式で何と・・・」


「・・・・・・」


「5万円です!」


「・・・・・・」



ご、5万円!!? どうしよう・・・提督のお小遣いの5か月分!!? そんな贅沢私に許されるの?



村雨はまた葛藤・・・そしてお決まりの、


ヤ「買っちゃえ村雨! 女と言うのは常に美しくあるべきなのよ、提督もそれくらい大目に見てくれるわよ!(にやにや)」


ヤンデレ村雨が村雨の耳にささやく、


「・・・・・・」


決断に悩む村雨に、


巫女「提督は前に言っていませんでしたか? 「村雨は化粧なんかしなくても十分綺麗だよ。」と・・・


    提督はあなたの「素の素顔」が好きなのではないですか?」


「・・・・・・」



そう、提督は一緒に買い物に行った時私にそう言った。



ヤ「ちっ、結局買わないのかよ。 この根性なし!」


ヤンデレ村雨が消える。


「・・・・・・」


結局、今回も巫女村雨に賛成した村雨。


・・・・・・

・・・



「ただいま~。」


村雨が店に戻り、


「おかえり、どうだったデパートは?」


「はい、品揃えが豊富で今度は提督と行きたいと思っています♪」


「そうか・・・そうそう、サラトガへのプレゼント決まったんだけど。」


提督はカタログを取り出して、


「村雨がさっき服か化粧品って教えてくれたから、この化粧品を注文してみた。 オレにはよく分からないけど女性には


 人気商品だって言ってたよ。」


提督が指差す化粧品は・・・


「・・・・・・」


先ほど村雨が体験したあの、5万円の化粧品一式!!?


「・・・・・・」


流石の村雨も何も言えず・・・


ヤ「はぁ!? あの高級化粧品を妻のあなたにではなく別の女に!? こんな男、雷撃処分すれば!!」


ヤンデレ村雨が勝手に飛び出した。


巫「提督は誰にでも優しいんですよ、あなたもそれを承知の上で提督の妻となったのでしょう?」


巫女村雨まで勝手に出る始末、


「・・・・・・」


村雨は悩む、


ヤ「ほら村雨、提督に言っちゃえ! 「何で私には無いのよ!」って!!」


「・・・・・・」


巫「さっき買わなかったのは自分が決めた事、提督に当たるのはただの八つ当たりですよ。」


「・・・・・・」


村雨は悩んだ末に、


「提督!!」


村雨は叫び、


「ど、どうした村雨?」


提督の問いに、


「私も・・・その化粧品、欲しいです!」


ヤンデレ村雨まではいかないが自分も欲しいと要求をしてしまった村雨に、


「ああ、2つ注文してるから心配するな。」


提督は何と2つ注文(10万円分)していた。


「・・・・・・」


巫「あなたの旦那様ですよ、あなたが欲しいこと位はあの人に伝えなくても分かっていますよ。」


巫女村雨は最初から結末が知っているかのように振る舞い、


ヤ「ちっ、提督もふざけた演技して・・・でも、流石私が愛した男よね~♪」


ヤンデレ村雨は満足して消えていき、


巫「今の私、これからも提督を支えて行ってくださいね。」


巫女村雨も村雨の前から姿を消した。


・・・・・・

・・・



その後、店に届いた化粧品は真っ先に村雨にプレゼントする提督、


休日の日は鏡と向かって化粧をする村雨の姿があった。


もう1つはサラトガの誕生日当日に合わせて化粧品を郵送。


後日、サラトガから「私にこんな高価な物を、提督ありがとうございます!」との


お礼の言葉が書いた手紙が店に届いた。









「お祝い」 終











このSSへの評価

このSSへの応援

このSSへのコメント


このSSへのオススメ


オススメ度を★で指定してください