2018-08-19 05:02:15 更新

概要



素直じゃない曙と、素直すぎる提督のドタバタストーリー


語録は例によって使いますが、過去作より頻度は落とす(かも)


物語の四分の一が欠落してしまったので、リメイクしながら書いていきます。


前書き



どうも、かむかむレモンです。

初めての方は初めまして。そうでない方は、また見てくれてありがとうございます。



今回は予告通り、曙メインのほのぼの(確定)甘々(予定)SSです。


前作みたいなグロ要素は皆無だから安心してね


語録は変態糞投稿者が自分で砂糖吐かないようにする為の緩衝材です(言い訳)






曙「綾波型駆逐艦、曙よ...って、こっち見んな!このクソ提督!」


提督「わかった!すまん!」


曙「え?」






曙「か、改装とか言って、私の裸が見たいだけなんでしょ!このクソ提督!」


提督「すまん!お前は裸になるのか!」


曙「え?」






曙「気に入らないなら外せば?」


提督「気に入ってるが、疲れてるのなら上がってよし!」


曙「え、あ、うん」








曙「クソ提督が素直過ぎるんだけど」


漣「えぇ...(困惑)」









素直になれない









漣「いや、ぼのたんが言ったことじゃん」


曙「まさか全部素直に受け止められるとは思わなかったの!」


漣「てことは、少しは抵抗が欲しいってわけ?」


曙「ま、まあ、そうとも言えなくも無いかもしれないかも?」アセアセ


漣(どっちだよ)





曙「そ、それよりも、どうにかならないの!?」


漣「どうにかって、何を?」


曙「く、クソ提督が、どうにか反抗してくれるようになる方法よ!」


漣「え?ぼのたんまさか構って欲しいの?」


曙「は、はぁ!?そ、そんなわけないでしょ!な、何言ってんのよ!」


漣(思った以上にめんどくさい...)


曙「そ、それだと、私がクソ提督の事、気になってるみたいじゃない!」


漣「え、てっきりそういう体で聞いてたんだけど」


曙「違う!」


漣「…それなら、ご主人様に構ってって言えばいいじゃん」


曙「それが出来たら苦労しない!」


漣(もう自白してるんだよなぁ)


漣「…はいはい、面倒なぼのたんの為に適当にご主人様に耳打ちしときますよ」スタスタ


曙「…!」








そして…









曙「だ、だから、ジロジロ見るな!」


提督「断る!」ジ-


曙「は、はぁ!?ちょ…」


提督「俺は曙を凝視する!」ジ-


曙「ちょ、本当にやめ…」


提督「漣から、曙は天邪鬼と聞いたからな!」ジ-


曙「んなっ!?」


曙(自分で言った手前、嬉しいけどめちゃくちゃ恥ずかしい!)


曙「じゃ、じゃあジロジロ見てていいから…///」


提督「そうか!」プイッ


曙(あ、本当に逆のことするのね…)


曙「じゃ、じゃあ触らないで!」


提督「ん、わかった!」スッ


曙(あ、頭…)


提督「これでいいんだな!」ナデナデ


曙「あ…///」


提督(満足そうだな!)ナデナデ


曙「な、なかなかいいじゃない…///」トロ-ン


提督「む、そうか!ならやめよう!」パッ


曙「え…」シュン


提督「なかなかいい、と言ったよな?」


曙「…あ」









曙「やっぱりスキンシップは自分の意思でやってほしいと思った」


漣「めんどくさっ!」









素直になれたら







漣「艦隊のただいまです!ご主人様」


提督「お疲れ!」


漣「戦果はこんなもんです。どうよ!」


提督「…おお、大成功じゃないか!」


漣「凄いでしょ?だから、ご褒美が欲しいかなーなんて」


提督「よし来た!何がいい!?」


漣「みんなどーする?」


朧「提督と間宮パフェがいいです」


潮「あ、あの、朧ちゃんと、同じで…」モジモジ


漣「じゃあ漣も同じで。ぼのたんは?」


曙「ぼのたん言うな!」


提督「曙は何がいい!?」


曙「あ、そ、そうね…」







回想




漣『次の遠征で大成功すればご褒美絶対貰えるって。だから、その時にやってほしい事とか思い切って言ってみたら?』


曙『や、やって欲しい事!?』


漣『ご主人様ならできる限りやってくれるって』




回想終わり









曙「…」


提督「曙?」


曙(やば、思い付かない…)


提督「おーい!」


曙(せっかくのチャンス…なのに…)


提督「曙!」


曙「う、うるさいわね!いつも大声でうるさいんだから少しは静かにしてよ!」


提督「む、わかった」






曙(…ダメだ)


曙「…私はご褒美とか要らない。部屋に行って休むわ」スタスタ


提督「そうか」







曙(結局思い付かなかった…)ズ-ン


曙(思い付かないとしても、もう少し言い方があったでしょ…)トボトボ






漣(…みたいな感じで部屋で不貞寝するパターンですね間違いない)


朧(そしてあたし達が何とかするパターンね)


潮(またフォローしないと…)


提督「曙は疲れているのか。残念だ」


漣(そしてご主人様は素直に受け止め過ぎ)


朧「提督、今回の大成功は第七駆逐隊全員の成果なので、曙も間宮に連れていきませんか」


提督「ん、それもそうだが、大丈夫なのか?」


朧「確かに少し疲れてはいますが、ちょっと休めば大丈夫です。10分ぐらいしたら、また皆と来ます」


提督「わかった」


漣(ボーロ、ナイスフォロー!)グッ


潮(よ、よかった…)ホッ






その頃…






曙(あーまたやっちゃった。あたしの馬鹿)バタン


曙(こんな事ならあたしも間宮に行くって言えばよかった)


曙(でももういいや。寝よ)






提督「曙ー、起きてるかー」コンコン


曙(!?!!!?!?)ビクッ


提督「朧が皆と間宮に行こうと言うのだが、良ければ10分後に執務室に来てくれ。それでは」スタスタ


曙(朧…)







漣「全部正直に言うんじゃなくて、あくまで自分の意思で誘った感じに言うとこですよご主人様」


提督「すまん」






そして…






提督「間宮さん!パフェ5つ!」


間宮「あら、七駆の皆さんとですか?」


提督「そうです!」


間宮「わかりました」






曙(一応来たけど、何を話せばいいか…)


間宮「お待たせしました~」


漣「おほー!これですよこれ!」


朧「提督、ありがとうございます」


潮「パフェご馳走です」


曙「…ありがと」


提督「気にするな!頑張った子に褒美をやるのは当然のこと!」ガツガツ


漣「がっつかないで味わいましょうよー」


提督「俺はまだ書類があるからな!」


漣「えー?もう行くんですかー?」


提督「悪いな!」


朧「それだと話が違います」


提督「悪い!」





曙(あ、もう行くんだ…)パクッ


潮「曙ちゃん、提督がまだ行かないように、ちょっとお願いしてみたら?」ボソボソ


曙「はぁ?何をお願いすんの」


潮「た、例えば…食べさせてもらうとか?」ボソッ


曙「そ、そんなこと出来るわけないでしょ!」ボソボソ


潮「じゃ、じゃないと、提督がもう…」


曙「わ、わかってるけど!」


潮「…うーん、じゃあ」コツン


曙「ちょ、あたしのスプーン…」カラン





提督「ん、曙。スプーン落としたのか」


曙「え、あ、これは…」


提督「仕方ない、間宮さ…」


漣「!」キュピ-ン




漣「ご主人様ぁ?ぼのたんのパフェ残ってますよね?」


提督「ん?そうだな」


漣「ぼのたんのスプーン落ちちゃったし、ここはあーんなんてどうっすか?」ニヤニヤ


提督「あーん?」


曙「ちょ!」


提督「曙がいいならやるが、どうだ?」


曙「う、うぐ…」


提督「無理はするな!」


曙「む、無理じゃないから!し、仕方ないわね!ほら!」ヤケクソ


朧(潮が落としたの?)ボソボソ


潮(そうじゃないと曙ちゃんずっと動かなそうだったから…)ボソボソ


朧(やるね…)ボソッ





提督「よし、このぐらいでいいか?」


曙「や、やるなら早くしなさい!」


提督「よし、あーん!」


曙「んっ…」パクッ


提督「どうだ!」


曙「んっ、い、いいんじゃない?///」カオマッカ


提督「よかった!」





朧「提督、私にもお願いします」


漣「オナシャス!」


潮「わ、私も良ければ…」


提督「よし!」スッ


曙「ちょ」


提督「終わったら俺は戻るからな!」







朧「あーんって、いいものね」ムフ-


潮「んへへ…」トロ-ン


漣「ウヒヒ、リア充シチュ堪能しましたぞ!」


曙「…」


漣「およ?ぼのたん妬いた?」


曙「うっさい!」ボコッ


漣「アウチ!」




曙(確かに妬いたけど…)


曙(何で嫉妬なんかしたんだろ…)


曙(あたしはただ、気になってただけなのに…)


曙(素直になれたら、違う思いをしていたのかな…)









きっかけはいつも








曙「今日も今日とてあたしが秘書担当なのね」


提督「何だかんだで一番やる気があるからな!」


曙「んなわけないでしょ!とっととやる!」ガタッ






曙(そっか、私が一番やる気があるんだ)カキカキ


曙(…ふへっ)ニヘラ






提督「どうした曙!何か面白い事でもあったのか!」


曙「ふへ…へ?」


提督「書類を見ながらニヤけていたからな!そんなに気になる内容だったのか!」


曙「んな、んなわけないでしょ!」


提督「そうか!」


曙「てか、声がでかいのよ!うるさい!」


提督「すまん」






曙(そんなにニヤけてたの…)カオマッカ







漣「わかりやすいですなぁぼのたんは」覗き


朧「実際顔に出やすいからね」覗き


潮(み、見えない…)


漣「つーわけで、また突撃!」バァン!





曙「」ビクッ


漣「おっす!オラ漣!」


提督「何だ?」


漣「ご主人様、執務終わったら買い物行きませんか?」


提督「唐突過ぎて話が見えんぞ」


漣「ここだけの話なんですけど、この辺にぃ、美味い最中屋の出店が出てるらしいんですよ」


提督「ほお?」


朧「噂だと伊良湖さんが短期限定で手作り最中を一般販売してるらしいです」


漣「行きませんか?行きましょうよ~」


提督「俺はいいが、皆行くのか?」


漣「ボーロとウッシーと漣は行きますけど?」


提督「曙はどうだ?」


曙「ぅえ!?な、なんであたしまで…」


提督「嫌なら仕方ない。漣たちと…」


曙「い、嫌なんて言ってないでしょ!し、仕方ないわね!しょうがないから行ってあげるわ!」


提督「だから、本意じゃないなら」


曙「行ってあげるから!」


提督「…だそうだ」


漣「じゃけん後で行きましょうね~」


潮(素直じゃないなぁ)ニマニマ


曙「何ニヤけてんのよ!」ウガ-!


漣「じゃ、終わったら呼んでくださいねー」ガチャ


朧「失礼しました」


潮「そ、それでは…」バタン





提督「伊良湖最中か、楽しみだな」


曙「…」


提督「曙?」


曙「…そうね」






曙(伊良湖さんが出店を出すという情報は私も知っていた。けど、私から言い出せなかった)


曙(いつも及び腰になっている間に、漣たちがクソ提督と一緒に行動できるきっかけを作る)


曙(私はいつも、それに便乗してるだけ…)







そして…







提督「ここか!」


漣「出店の名前が『いらこ』って、隠す気ゼロですね」


朧「物凄い人だかりですね」


潮(人混み苦手…)オロオロ


曙「…で、どうすんのよ」


提督「俺は待つ」


漣「うへぇ、ご主人様マジすか」


提督「マジだ」






数十分後…






伊良湖「いらっしゃいませ…って、提督さん!?それに七駆の皆さんも…」


提督「おお、伊良湖さん一人ですか!」


伊良湖「は、はい」


漣「大変そうですねー」


伊良湖「接客だけですから…」


提督「そうですか!では最中を5つ!」


伊良湖「ありがとうございます。えーと…あら…」


提督「どうかしましたか」


伊良湖「すいません…その、残りが4つしかないのですが…」


提督「構いません、なら4つで」


伊良湖「本当にすいません…」







提督「買ってきたぞ」ガサ


漣「いやー売り切れギリギリでしたね」


提督「そうだな。ほら」スッ


漣「お、いいんですか?ありがとナス!」パクッ


朧「ありがとうございます」パクッ


潮「あ、ありがとうございます…」パクッ


曙「…ありがと」


漣「うん、美味しい!やっぱ…伊良湖さんの最中を…最高ですな!」モグモグ


提督「満足してくれて何よりだ。さて、帰るか!」






曙(…あれ?クソ提督は?)ピタッ


提督「ん、どうした、食わないのか」


曙「あんたの分はどうしたのよ」


提督「最中は4つだけしか無かったからな!俺はいらん!」


曙「はぁ?わざわざ外に出て、あんたは何も無しでいいの!?」


提督「仕方の無かった事だ、気にするな。日を改めればいい」


曙「何よ、それ…」


提督「お前たちも気にするな。さあ帰ろう」


漣「仕方ないね(レ)」モグモグ


朧「次は朧たちが買いますね」モグモグ


潮「ごちそうさまでした…」モグモグ






曙「…クソ提督」パキッ


提督「ん」


曙「…半分、やる」スッ


提督「何故?俺はいいと言ったはずだ」


曙「いいから!」グイ


提督「おっと」


曙「ぱ、パフェの時の、お返し、だから」カオマッカ


提督「…」


曙「は、早く…」プルプル






提督「…そう言われると、受け取るしかないな」パクッ


曙「ん…」パクッ


提督「…うむ、格別だな!」モグモグ


曙「…うん」モグモグ


提督「ありがとう曙」


曙「…ふん」プイッ


漣(顔真っ赤ですなぁ)ニヤニヤ


朧(わかりやすい)ニマニマ


潮(めちゃくちゃニヤけてる…)


提督「次は早めに来るか!」


曙「…そうね」







翌日…








提督「ん、出店が無いな」


漣「あるぇ~?丘people!?」


曙「やってないじゃないのよ!」ボコッ


漣「うごっ…申し訳無いが八つ当たりはNG…」


朧「そういえばいつまでやってるか聞いてませんでしたね」


潮(提督に買えなかった…)ズ-ン







曙(昨日までだったのか…残念ね)


曙(…いや、次は私が何かきっかけを作らないと…)


曙(いつまでも他人任せじゃダメだ…)







素直になれる時







提督「今日は他の鎮守府との演習だ!みんな全力で臨もう!」


艦娘たち『おー!』






曙(…いいとこ見せないと)グッ


漣(ぼのたんマジ顔ですな)








しかし、演習後…








提督「お疲れ!」


漣「いちち…強かったですなぁ」中破


朧「次は勝ちます…多分」中破


潮「ま、負けちゃいました…」小破


曙「…」大破


提督「まあ負けちまったものは仕方ない!全員補給と入渠!」


艦娘たち『はーい』






提督「…どうした、曙」


曙「…何で責めないのよ」


提督「何を責める必要がある?」


曙「さっきの演習、あたしがヘマしたからみんなボロボロになったって分かってんでしょ!?夜戦にも突入しなかったのは、そういう事でしょ!?」


提督「…」


曙「これ以上抵抗しても無駄ってわかったから夜戦を切り捨てたんでしょ!?」


提督「確かにそうだ」


曙「じゃ、じゃあ、一番責任のある私に、何も、何もしなくていいのって聞いてんのよ!」


提督「別に、何もするつもりはない」


曙「それは、情でもかけてるつもり!?」


提督「じゃあ聞くが、曙は今回の演習、全力でやったか?」


曙「は、はぁ!?手なんか抜いてないわよ!」


提督「なら、単に力不足だっただけだ。これから頑張ればいい」


曙「な、何よそれ!」


提督「手を抜いたなら叱るが、全力でやったのなら責めはしない。それだけだ」


曙「っ…!」


提督「とりあえず補給とドックだ。その後は間宮にでも」


曙「ふざけないでよ!」


提督「ふざけてなどいない!」


曙「そんな甘いことしてるからいつまで経っても勝てないのよ!本当はイラついてて仕方ないんでしょ!?」


提督「そんな事は無い!」


曙「嘘よ!あたしが居るから負けたのよ!それを押し殺してまでフォローする必要は無いのよ!」


提督「押し殺してなどいない!」


曙「いつまで嘘を付き続ければ気が済むのよ!早く言いなさいよ!あたしなんか要らないって!」


提督「曙はこの艦隊に必要だ!」


曙「っ…もう聞きたくない!」ダッ


提督「あっ」






曙(…本当はこんな事言うどころか、思ってすらいなかったのに)


曙(感情的になり過ぎて、止まらなくて)


曙(本当はありがとうと言うべきだったのに、暴言を吐いてしまった)


曙(今までの奴らなら怒り狂ってたのに、あいつは私のフォローやケアを考えてた)


曙(ミスには罰が当然だと思ってたのに、あいつはいつも逆だった)


曙(あいつはずっと馬鹿正直だったのに、嘘を付いてたのはあたしの方)


曙(ちゃんと見てくれてたのに、それを全否定してしまったのは、あたし)


曙(今回はもう、見限られてもおかしくない)


曙(…補給と入渠が済んだら、謝罪して転属願でも出そう…)







***







曙(あれから会いにいく勇気が湧かなかった上に、夜になってしまった)


曙(寝ようにも寝れない。無理やり眠ろうとすると逆に目が冴える)


曙(…体でも動かさないと気が済まない)








曙(今日の演習は、私の囮が上手くいかなかったから全体に被害が出た)


曙(機動力と、あたしの射撃精度の問題。ここから出ていく前に、少しでも改善…)





提督「お、曙じゃないか!」


曙「!?!!?!?」ビク-ン!


提督「こんな時間に何してる?もう寝る時間だろ」


曙「あ、あ…」


提督「まさか今から自主訓練か?寝不足はパフォーマンス低下に繋がるからやめとけ!」


曙「…」


提督「とりあえず座ろう。お互い話したいことがあるだろ?」


曙「…」






提督「演習後の件だが、あの後俺なりにお前の過去を調べさせてもらった」


曙「あたしの過去…」


提督「まず、大戦時についてだがな。自分のミスを大きく責められてたから、それが今も尾を引いてるんじゃないかと思った」


曙「…」


提督「それと、ここに来る前の他の鎮守府でも、小さなミスを細かく指摘されてたみたいだな?」


曙「…」


提督「それで、俺も同じと見ていたってとこだろ?」


曙「…そうよ。悪かったわね」


提督「なぁに、気にするな!あの時も言ったが俺は真面目にやってる子を責めはしない!」ワハハ


曙「…クソ提督」


提督「真面目な奴が馬鹿を見るのは人間社会だけで十分だ!お前たちにそんな理不尽な事はさせん!」ワハハ


曙「…」


提督「そうだ、お前晩飯の時いなかったろ!こんな事もあろうかと夜食代わりにおにぎりを持ってきたぞ!」スッ


曙(…全て分かってたかのように出してくる)


提督「俺も執務が長引いて腹が減ったからな!」


曙(…優しくされる事に慣れてないからか、いつも悪態を付いてたけど)パクッ


提督「ほら、食え!」


曙(馬鹿正直な優しさが、とても温かい)ポロポロ


提督「どうした!しょっぱ過ぎたか!」ガツガツ


曙「…しょっぱいわ」


曙(自分の涙も含んで、程よい塩味が更に濃くなる)


提督「悪いが水は忘れた!」ガハハ


曙(でも、空腹には勝てないし、何より美味しかった)モグモグ


提督「う!これはしょっぱい!」ヒ-


曙(こうやって無自覚に和ませてるのがずるい。自然と笑顔を取ってしまう)






***







曙「…ありがと」


提督「やはりおにぎりとて手作りは難しいな!」


曙「…悪くなかったわ」


提督「それは何よりだ!」


曙「…ごめんなさい。あんな事言って」


提督「気にするな!」


曙「…あたし、謝ったらこの鎮守府から出ていくつもりだった」


提督「認めん!」


曙「言うの早いわよ…でも、クソ提督と出くわしたら、そんな気も失せた」


提督「よかった!」


曙「…いつもは、責められればあっちも満足して終わりだったから、耐えればいいだけだった」


曙「でも、あんたはケアばかりで、罪悪感ばっかりだった。あたしたちの不満を全部まともに受け止めて、それを改善しようとしてるし」


曙「何だか、わがままばかりで役に立ってないんじゃないかって、どこかで思ってた」


提督「役に立ってるじゃないか!出撃とか執務とか!」


曙「クソ提督はそうだとしても、他はそれだけじゃダメだったの。他が厳しかったのか、ここが緩かったのか、両方か」


提督「俺はこの方針を変えるつもりは無い!」


曙「そう…でも、ぬるま湯に浸かったお陰で、居心地が良くなっちゃったわ」


提督「わはは!熱湯になんぞ浸かってたまるか!」


曙「そういう意味で言ったわけじゃ…でも、あたしももう熱湯は嫌ね」






曙「ずっと気になってたけど、何でそんなに真正面から受け止めたがるのよ」


提督「…あまり深くは言えんが、嘘は付きたくない質でな。自分の気持ちを偽りたくない、とでも言っておこう」


曙「…そう」


提督「嘘も方便と言う時もあるが、やむを得ない時以外は極力使わん!」


曙「…あたしとは真逆ってことね」


提督「曙は顔に出やすいからわかりやすいぞ」


曙「うぇ!?な、何で今そういう事言うのよ!」ポカポカ


提督「自分では分からないものだからな!痛い痛い!」


曙「うるさい!」






提督「ん、夜が明けてきたな!」ボコボコ


曙「…そ、そうね」ゼエゼエ


提督「そういえば、春は曙、と言うよな!」


曙「はぁ?何よそれ」


提督「『枕草子』という古典の冒頭に出てくる。本文では山際が明るくなって、雲が紫がかりたなびく様がいいとある」


曙「…」


提督「だけど俺はそれよりも、水平線が徐々に明るくなって、空の色と曙の髪の色が同じに染まる僅かな時間もいいと思った!」


曙「…何?口説いてるの?」


提督「今思いついただけだ!」


曙「…そんな事だろうと思ったわよ」


提督「悪いな!」


曙「…やっぱ、クソ提督はクソ提督ね」


提督「はは、言われ慣れてしまったな!」


曙「…でも、クセで言っちゃうだけで、その…マシな方のクソ、だから…」


提督「そりゃよかった!」ワハハ






曙(…馬鹿みたいに眩しい笑顔。日の出で照らされてるからじゃない)


曙(多分後から思い返して悶えるんだろうけど、今だけは素直でいたい)


曙(それだけ、今は貴重な時間)






提督「ま、曙!これから頑張りゃいいんだ!」


曙「わかってるわよ。もうあんな事言わないわ」


提督「それを聞いて安心した!」


曙「…クソ提督、昨日行けなかったから、今日は間宮で甘味でもお願い」


提督「お安い御用だ!」






曙(…もうすぐ、皆も起き始める。あたしたちも、いつもの日常に戻る)


曙(名残惜しいと思えるだけ、私もこの短い時間に変われた)








提督「つーか一睡もしてないから眠い!午前は寝る!」


曙「…ふふ、あたしもそうするわ」






曙(今日の始まりは、ちょっと遅れる)






腹が減ったら






提督「飯だ!」


漣「あー待ってくださいよご主人様。ここは一つ、普段の生活のお礼という事でこの漣が手料理を作ろうじゃないですか」


提督「ほう!楽しみだな!」


朧「あれ、漣っていつもインスタント…」


漣「なんのこったよ」ギク


潮「漣ちゃんが出してくれるのっていつも即席…」


漣「記憶にありませんねぇ!」


曙「あんた包丁も握った事ないでしょ」


漣「」ウボァ-


提督「腹が満たせるならなんでもいい!」


朧「今日は間宮さんも伊良湖さんも出店で居ませんし…」


潮「みんなで何か作るか、買いに行くしかないですね」


提督「なら、飯を作るか!」


曙「あんた作れんの?」


提督「料理はしたことが無い!」


曙「え、じゃあこないだ作ってくれたやつは」


提督「おにぎりの事か?あれが初めてだ!」


曙「そ、そう…///」





漣「んん、何やら面白そうな話をしてますな?kwsk!」復活


朧「おにぎり作ったんですか、そうですか」ズイ


潮「い、いつ食べたの?」ズイ


曙「な、何よあんたたち!」


漣「いやー漣たちの知らない間に随分よろしくやってるようですね?」ニヤニヤ


曙「うっさい!」


提督「それはいいから飯を作ろう!腹が減った!」


曙「ほ、ほら、クソ提督もこう言ってんだからとっとと作るわよ!」


朧(無理やり流そうとしてる)


潮(いいなぁ…)






そして…






提督「何を作ろうか」


漣「凝ったやつは無理なんで簡単なのにしましょう」


提督「よし、じゃあベーコンエッグだな!」


漣「朝食かよっ!」


提督「他には?」


朧「ないです」


潮「あ、じゃあ、お野菜切ります…」


曙「…ないわ」


提督「よし、ならやるか!」





漣「フライパンに油敷いてー」シュウウウ


朧「ベーコンを置いて」ジュウウ


提督「卵を割る!」パキッ


曙「ふん、簡単…げっ」グチャ


提督「わはは!もう1回だな!」


曙「う、うっさいわね!」パキッ


提督「上手くいったみたいだな!じゃあ落として…水を入れて、蒸し焼きだ!」ジュワァァァ


曙「だから、声でか…あっつ!」


提督「油が腕に跳ねたみたいだな。大丈夫か?」


曙「へ、平気よ!」


提督「軽い火傷でも見過ごせん。見せてみろ」スッ


曙「い、いきなり触るな!」


提督「少し赤くなってるじゃないか!跡になったら大変だ!」


曙「ちょ、だからあんまり触るな!」カオマッカ






漣(めちゃくちゃ嬉しそう)ニヤニヤ


朧(またイチャついてる)ジ-


潮「野菜切れました…って、あれ?」






提督「冷水にさらして…」


曙「じ、自分で出来るっての!」ジタバタ


提督「暴れると水が掛かる」


曙「だ、だからクソ提督が離せば…」カオマッカ


提督「濡れタオルで拭いて…こんなところだ!






漣「見せつけてくれてるところ悪いですけど、フライパン開けていいっすか?」ニマニマ


提督「いいぞ」


朧「よかったね、曙」


曙「な、何がよ!」


漣「うほほ、美味そう!」ジュウウウ


提督「一人ずつ盛り付けて食おう」


潮「皆さんお野菜ですー」






漣「うん、美味しい!」パク


提督「手作りは美味い」ガツガツ


朧「提督、もっとゆっくり食べてもいいのでは?」


提督「学生の頃からのクセだ」


曙「…」


潮「今度は一人で料理できるようになりたいですね」


提督「間宮さんの弟子になってみるか?」


潮「な、なれるんですか?」


提督「間宮さんと伊良湖さんだけでは忙しいだろうし、手伝いついでに教えて貰うのもいいぞ」





曙(手料理かぁ…)モグモグ


漣「おおっと、アンニュイぼのたん」


曙「は、はぁ?」


漣「さてはぼのたん、ご主人様の事でも考えてましたな?」ニヤニヤ


曙「あんたは口を開けばいつもそれよね。もう聞き飽きたわ」


漣「うごっ、確かにそうかも…」







曙(手料理振る舞えたら、クソ提督喜んでくれるかな…)


曙(…って何考えてんの!)モンモン


曙(…一応、練習はしてみよ)ウ-ン






朧(わかりやすいなぁ)モグモグ


潮「朧ちゃん、お野菜…」


朧「う…」







夢見る乙女







提督「んぐ…」


曙「あ、起きたわね、クソ寝坊提督」


提督「曙、か?なぜ俺の部屋に」


曙「はぁ?あんたが起きないから起こしに来たのよ」


提督「…今何時だ」


曙「マルキュウマルマルよ。わかったらとっとと起きなさい。朝食が冷めちゃったわ」


提督「悪いな…ん、朝食?」


曙「何よ。あたしが作ったら変?」


提督「いや、料理出来たのか?」


曙「はぁ?今更何言ってんのよ。間宮さんの手伝いしてもう一ヶ月経つでしょ。嫌でも覚えるわよ」


提督「一ヶ月…?」


曙「寝ぼけてないで早く起きなさいよ!」バサッ


提督「…そうだな」








曙「ほら、早く座りなさいよ」


提督「これ、曙が作ったのか」


曙「当たり前じゃない」


提督「…凄いな!」


曙「…ふ、ふん、当然でしょ///」


提督「早起きしなかった自分が信じられん!」


曙「…ほんと、バカよ」フフン


提督「これなら毎日作って欲しいぐらいだ!」


曙「も、もういいから、早く食べるわよ」


提督「この感動をもう少し語りたいのだが」


曙「あ、後で聞くから!」カオマッカ


提督「そうか、なら頂くとするか」


曙(…ふへへっ)ニヘラ


提督「?いただきます」パク


曙「どう?」


提督「美味いじゃないか!」


曙「…どうも」グルッ


提督「これは元気が出るなぁ!」ガツガツ


曙(よしっ…!)ニヨニヨ


提督「曙?どうかしたか?」ガツガツ


曙「んな、何でもないから!」キッ


提督「睨むな。全部食うから」


曙(あ、危なかった…にやけ顔見せるとこだった…)


曙「…クソ提督、食べカスが口に付いてるわ」ヒョイ


提督「ん、すまんな!美味すぎてがっつき過ぎたか」


曙「ふん、子供みたいね」パク


提督「わはは!よく言われる!」





曙(…あれ?あたし…)


曙(ちゃっかり凄く恥ずかしい事してた?)カァ-


曙(お、思い出すなあたし…って、もう手遅れね)カオマッカ


曙(何で当たり前のように食べかす取って食ってんのよ…)プシュ-







提督「ご馳走様!」


曙「お、お粗末様…」カオマッカ


提督「ありがとう曙!」


曙「い、いいから…」カチャ


提督「待て待て、俺が片付けよう」


曙「い、いいって!それに今の顔見られたく…」ガタッ


提督「おい、危ないぞ!」


曙「え…」グラッ


提督「くっ!」ガシッ


曙「っ!?」パリン!




提督「大丈夫か?」


曙「え、ええ、大丈…夫…!?」


提督「全く、足元には気をつけろ」


曙「ちょ、ちょっと、な、何であんた、抱き締めて…」


提督「咄嗟だったんだ。食器の破片も当たってないだろ」


曙「そ、そうだけど…///」


提督「まさか、どこか怪我でもしたのか」


曙「し、してないから!と、とにかく離して…///」カオマッカ


提督「心無しか赤くなってじゃないか。やはりどこか怪我を…」


曙「だ、抱き締めながら覗き込むな!このクソ提督!」ボコッ


提督「うごっ…いったぁ、寝ててもパンチがキレッキレですなぼのたん…」


曙「ぼ、ぼのたんって…あ、あれ…何その口調…」








***








曙「うー…?」


漣「いてて…イタズラが過ぎましたかねぇ」ヒリヒリ


曙「…あれ、夢…?」


潮「ご、ごめんね曙ちゃん。珍しく昼寝してるから漣ちゃんがちょっと…」


曙「あ、あんた、あたしに何してたのよ」


漣「いやね、ボーロが面白い話を他の子から聞いてきたらしいから、試してみようかなって…」


曙「は、はぁ?」


朧「寝てる間に耳打ちすると、その夢を見るらしいって聞いたから。ちょうど曙も寝てたし」


曙「んな…」


朧「ちなみに最初に耳打ちしたのは漣だから」


曙「…何言ったのよ」


漣「え、えーと、ご主人様起こす、だったかな?」アセアセ


曙「あんたが原因か!」ボコッ


漣「ぶへっ!で、でもボーロとウッシーもやったよね?ね??」


朧「漣が朝ごはんって言ったから、ほっぺに付いたご飯粒を取るって言ったけど」


潮「ご馳走様の後に、感謝のハグって言いました…」アセアセ


曙「~!!」ドタバタ


朧「ちょ、暴れないで!」


潮「あ、曙ちゃん落ち着いて…」


曙「お、落ち着いてなんか居られるかー!一旦出てけー!」ウガ-!






漣「流石にやり過ぎましたかね?」


朧「それはあるけど、どうやら成功したみたいかな」


潮「え、ど、どうして?」


朧「だって、漣が耳打ちした事に対して『あんたが原因か』って言ってたし、提督の夢を見れたんじゃない?」


潮「…てことは、私たちの呟いた事も?」


朧「全部かどうかは知らないけど、上手くいったんじゃないかな?」


漣「イチャパラな夢が見れたのに、恩を仇で返すとは…」イテテ


朧「所詮はイタズラだからね」


漣「何も言えねぇ…」







その後…







曙(ま、全く!下らないわ!何て事してくれてんのよあいつら!)


提督「ん、どうした曙。気分でも悪いのか?」


曙「んなっ!?」ビクッ


提督「顔が赤いようだが、熱でもあるのか?」


曙「なな、何であんたがここに…!?」


提督「見回り帰りだ」


曙「あ、そ、そう」


提督「それより、大丈夫なのか?」


曙「あ、あんたは気にする必要無いから!」


提督「いや、気になって仕方ない!」ズイ


曙「あ、だから…!」


提督「どれ、熱でも…」ピト


曙「んひっ!?///」ピクッ





曙(お、おでこ、おでこが、おでこくっつけて、おでこが)プシュ-


曙(ち、近い、近過ぎるから、ゆ、夢の後だから、意識しちゃう)プルプル






提督「異常無さそうだな!」スッ


曙「…」カオマッカ


提督「だが気を抜いてはダメだぞ!何かあったらすぐ言うんだぞ!?」


曙「…」プシュ-


提督「それじゃあな!」スタスタ







曙「…はっ!?何が起こったの…?」


曙「…あっ」


曙「~!!///」ジタバタ


曙「あー、もう!クソ提督の馬鹿!///」ドタバタ







雨の日でも






第七駆逐隊の部屋






曙「ん…」スクッ


曙「あれ、誰もいない…」キョロキョロ





執務室






曙「クソ提督、おはよ…う?」


漣「残念!愛しのご主人様はいませんでした!」


曙「…」ボコッ


漣「無言のパンチ!?」


曙「クソ提督は?」


朧「軍令部から招集があって朝からいない」


曙「ふーん…」


潮「だから今日は出撃無しで鎮守府待機。それに天気予報だと雨が降るみたい」


漣「雨はテンションサゲサゲですよ~」グデ


曙「あんたは雨じゃなくてもそうでしょ」


朧「漣は提督いないからでしょ」ペラ


漣「な、なんのこったよ」


潮「漣ちゃんも曙ちゃんと同じぐらいわかりやすいよ」


漣「」


朧「あたしも寂しいけど、他で紛らわすしかないでしょ」ペラ


潮「朧ちゃん、何読んでるの?」


朧「漫画」ペラ





曙(…そっか、クソ提督いないんだ)


曙(…あたしも何かしてよ)






***







窓の外『大雨やで』ザ-ッ!







漣「うへぇ、凄い雨ですな」コッ


曙「そろそろ梅雨よね」コッ


朧「ジメジメして髪が跳ねるのよね」コッ


漣「ボーロはいつもじゃん」コッ


朧「いつもじゃないもん」


曙「あんたもまとめなかったら似たようなもんよ」コッ


朧「リーチ」コッ


漣「うげ、早いっすよ」コッ


曙「あ、それポ…」


朧「ロン」


漣「うそーん…」







潮「朧ちゃん、結構漫画買ってるよね」


朧「うん」


潮「麻雀も、漫画から?」


朧「うん」


漣「それにしても上がるの早いですよ」コッ


曙「全く上がれないわ」コッ


朧「役さえ覚えれば大丈夫」コッ


潮「あ、これ見たことない」スッ


朧「新作らしいよ。内容は復讐劇だけど」


漣「ボーロも色々買ってくるよねぇ」コッ


朧「色んなジャンルあった方が飽きないでしょ」


曙「あたしにも後で貸して」コッ


朧「いいよ。それとリーチ」


漣「またっすか!?」コッ


曙「三麻なんだから来る時は来るでしょ」コッ


朧「ロン」


曙「はぁ!?」


漣「フラグ回収早過ぎぃ」






そして…







スマホ『連絡やで』ブ-ッ!


漣「どれどれ、あ、ご主人様だ」


朧「なんて来た?」コッ


漣「今から戻るらしいよ」コッ


曙「…!」コッ


漣「お、ぼのたん反応したね?」ニヤ


曙「してないわよ!」


朧「相変わらず嘘が下手よね。そこは提督と似てるかな」コッ


曙「う、うっさい!」


漣「そんなぼのたんに追い討ちを掛けるリーチ!」コッ


曙「誰があんたなんかに振り込むか!」コッ


朧「漣はいつもでかいのしか狙わないから大丈夫でしょ」コッ


漣「一発消えた…」コッ


曙「そのまま流れなさいよ!」コッ


漣「おほー!ロン!」


曙「」


漣「ぼのたん飛んだね」


朧「…うわぁ、単騎待ちかぁ」


漣「というわけで、ぼのたんご主人様のお迎えよろ!」


曙「は、はぁ!?何でよ!」


漣「いや飛んだし」


曙「初耳よ!」


漣「まあいいじゃん。本当は天和RTAとか考えてたんだよ?」


朧(うわぁ…)ドン引き


漣「それに比べたらお迎えなんて天と地の差ですよねぇ?」ニヤニヤ


曙「ぐっ…」


漣「あと数時間すれば最寄り駅だから遅れんなよー!」ニヤニヤ


曙「…あーもう!」






朧(なるほどねぇ)


潮「大丈夫かなぁ。外まだ雨強いけど…」


朧「愛の力で何とかなるでしょ」


潮(いいなぁ…)








***









提督「参ったな。これ程までに強いとは」


提督(これなら傘を持ってくるんだったな。まあ、走れば問題…ん?)





曙「…く、クソ提督」ピチャ


提督「曙か!どうしたんだこんな雨の中!」


曙「…罰ゲームであんたの迎えよ」


提督「そうか、罰ゲームなら残念だったな」


曙「…帰るわよ」


提督「傘が一つだけだが」


曙「いちいちうるさいわね!早く入りなさいよ!」グイ







提督「何の罰ゲームだったんだ?」


曙「…麻雀で負けただけよ」


提督「そうか。次は勝てるといいな」


曙「…そうね」


提督「曙も気の毒だな。こんな雨の日に俺の迎えとは」


曙「…」


提督「曙?」


曙「…別に、気の毒じゃないし」ボソッ


提督「罰ゲームなのに気の毒じゃない?」


曙「…ふんっ!」ゲシッ


提督「痛い」


曙「そこは聞こえないフリでもしなさいよ!このクソバカ提督!」


提督「すまん!」


曙「ほんっとあんたはいつもいつも…!」


提督「悪い!」


曙「…ったく、走って帰るわよ!」


提督「走るのか!よしきた!」







曙(結局、二人してびしょ濡れで帰ってきて、くしゃみして笑われた)


曙(クソ提督も笑い返したし、あたしも笑っちゃった)


曙(ほんと、馬鹿みたい。あたしもクソ提督も)


曙(でも、楽しかったし、あんたのすぐ隣を歩けた)


曙(雨なんか気にしないぐらい、あたしは…)








曙(あたしは、舞い上がってた)









風邪を引いて








提督「わはは!バカのくせに風邪を引いてしまった!」ゲホゲホ


漣「病人が病人らしくない件について」


提督「すまんな!」


漣「あーもう今日は休んで下さいよ」


提督「そうする!」スタスタ


漣「さーて、どうしよっかな」







朧「提督の看病?」


漣「簡単な書類は漣がやるとして、誰かいないかなぁなんて」


潮「え、それなら私が…」





曙『しょーがないわねぇ全然暇じゃないけどやってやるわよ!』





潮「ぅひっ!?」ビクッ


朧(声デカっ)


漣「お、おう」


曙「それで、クソ提督は自室?」


漣「そうだけど、早く行かないと他の子たちが来るかも…」


曙「…あっそ」ガチャ バタン






漣「…」チラッ


朧「どう?」


漣「猛ダッシュしていって草」


潮「…いいなぁ」


朧「潮ももう少し声張らないと」


潮「うん…」


漣「さーて、ぱぱっと書類やっちゃいましょ」






***






曙「クソ提督、入るわよ」ガチャ


提督「ん?曙じゃないか」


曙(部屋には…クソ提督以外いない。よし!)


提督「どうしたんだ?風邪がうつるぞ?」


曙「艦娘は人より免疫が高いから風邪なんか掛からないわよ。それに…」


提督「?」


曙「…風邪引かせたの、あたしのせいみたいなものだし」


提督「そうか?走ってて気分がよかったけど」


曙「…とにかく、あたしが看病するから」







***






曙「クソ提督、タオル取り替えるから」テキパキ




曙「おかゆ作ってみたわ」テキパキ




曙「スポーツドリンクと、風邪薬」テキパキ





提督「…」


曙「な、何よ」


提督「手際が良さに驚いているんだ」


曙「ふん」


提督「良妻になれそうだな!」


曙「りょ、良妻!?んな、何言ってんのよ!///」ガタッ


提督「もっと自信を持っていいぞ!俺が保証する!」ゲホゲホ


曙「っ…やっぱりあんたはクソ提督よ!」


提督「すまん!」


曙(良妻…かぁ)カオマッカ







漣(仕事終わらせて来てみたら何か面白い事になってる)覗き


漣(ぼのたん満更でもなさそうだなぁ)ニシシ







曙「…クソ提督」


提督「何だ?」


曙「…あんた、それ真剣に思って言ってるの?」


提督「当たり前だ」


曙「…悪いけど、あたしは信じられないわ」


提督「そうか」


曙「…あんたは馬鹿正直だから嘘とか付かないんでしょうけど、ずっとそれだと信じられなくなるのよ」


提督「そうか」


曙「…だから、あんたの言葉を鵜呑みに出来ない」


提督「…そうか」







曙(…半分は嘘)


曙(クソ提督は嘘をつかないから、口にした事は本意なのはわかってる。だから、褒めたのも本気なのはわかってる)


曙(でも、あたしは認めたくても、認められない。認めたくないのかもしれない)


曙(こんなひねくれた女には勿体ない言葉。あたし以外の子に向けるべき言葉)


曙(それを、あたしに言ってくれたのは、とても嬉しかった。ありがとうの一言も思うように言えないあたしに言ってくれて、嬉しかった)


曙(なのに、あたしはクソ提督と違って、素直に受け止められない)


曙(傍から見れば対極にあるのに、自分から突き放すような事ばかり言ってるのに、一番近くにいようとしてる)


曙(クソ提督に会うまで、あんたみたいになれたら、どんなに楽かと思う時が増えた。胸の奥に生まれた痛みも、その時からだ)


曙(その正体にも気付いてる。この矛盾を生み出してるのもそいつが原因。でも、認めたくない。だって…)








提督「なら、信じて貰えるまで待つか!」


曙「…はぁ?」


提督「曙の言う通り、俺は嘘を付きたくない。出来る限り、心に正直でありたい」


曙「…」


提督「悪いな。俺が望んでなろうとした事だ」


曙「…?」


提督「そうだ曙、俺の世話してて疲れたろ。確かここら辺に…」ガサガサ






曙(…あたしに気を遣わなくていいのに)






提督「朧から借りてた漫画が…あった!」ガサ






曙(本当に、おかしな人)






提督「あと飲み物も…あるな。ほら、曙も休んで」


曙「…ふん、あたしの心配より、自分の心配したらどうなの」


提督「どうせ明日には治ってるさ」


曙「…治ってたら、十分に感謝しなさいよ。このクソ提督」


提督「もう十分に感謝してる」


曙「馬鹿ね、ノーカウントよ」フフン






漣(…今回は入る余地が無さそうですな)覗き


漣(戻ったらぼのたんいじろっと)スタスタ







本当の気持ち








提督「俺の回帰祝い?何を大袈裟な」


漣「いやいや、みんな凄く心配してたんですよ?あの元気印のご主人様が風邪引いたって大騒ぎしてましたから」


提督「たかが風邪だ」


漣「されど風邪ですぞ!というわけで、今日の夕食には遅れないで下さいね」ニシシ


提督「お祭り騒ぎがしたいだけだな?」


漣「わかってるじゃないですかー」


提督「…まあいいか!」ガハハ


漣「それでこそご主人様ですな!」ガハハ






漣「…てな感じで、今日は一段と賑やかになりますよ」


朧「言い出しっぺなら間宮さんたちの手伝いしてね」ペラ


漣「それは漣とぼのたんがやるんで」


曙「はぁ!?何でよ!」


漣「まぁまぁ、ここは一つ、ご主人様に手料理振る舞うチャンスじゃないですか」ボソボソ


曙「くっ…あんたって奴はほんとに調子の良いことを…!」


漣「そんならウッシーかボーロと交代する?」


曙「ぐっ…仕方ないわね」


潮「あ、曙ちゃん、あ、あたしなら大丈夫だから、その、代わっても…」


曙「大丈夫、だから!」


潮「あ…」シュン


朧(潮はそっから頑張んないと…)ペラ


漣「ボーロは宣伝よろしく!」


朧「はいはい」パタン


曙(…手料理かぁ、何がいいのかなぁ)







***








その後、食堂…







漣「ご主人様の完治を記念してカンパーイ!」





『カンパーイ!』






提督「わはは!本当にやるとはな!」


漣「漣はやると言ったらやる女なんですよ」


提督「こんな事毎回してたら間宮さんと伊良子さんが過労で倒れてしまうな!」


漣(ご主人様が風邪って聞いただけで倒れそうなぐらい心配してたんだよなぁ)


曙「漣、野菜食いなさいよ」


漣「もー十分堪能したよ…」


曙「は?」


提督「むしろ俺が食いたい!」


曙「し、仕方ないわね…」モジモジ


漣(今のうちに…)


曙「あんたも食いなさいよ」グイ


漣「あ、はい」






提督「ちと食い過ぎたな!」


曙「本当に病み上がりなのか疑うレベルね」


提督「だから大袈裟だったんだよ」


曙「…まあいいわ、クソ提督」


提督「ん?」


曙「…作ってみたから、あげる」スッ


提督「プリンか」パク


曙「…」


提督「美味いな!よく作るのか?」


曙「…今日が初めてよ」


提督「凄いじゃないか!また食いたいぐらいだ!」


曙「…そう///」


提督「また作ってくれるか?」


曙「し、仕方ないわね!そこまで言うなら作ってあげなくもないわ!」カオマッカ







曙(また食べたい、だって…えへへ///)ニヘラ


漣「と、照れ隠しに強がるがやはり嬉しさは隠せなかったぼのたんであった」ゼェゼェ


曙「…まだ野菜が食い足りないようね」ドサッ


漣「ああ逃れられない!(野菜)」








朧「上手くいったみたいですよ」覗き


間宮「いきなりデザートの作り方を教えてって言ってきたから驚いたわ」


潮(…私も作り方教わろう)ボソッ


伊良子「あら、潮ちゃんも作る?」


潮「ふぇ!?」


伊良子「うふふ、みんな提督さんが好きなのね」


潮「…」カオマッカ


朧「朧も負けません」


間宮「あらあら…」








いつもより浮かれても







曙(あたしたちは今、縁日なので鎮守府近くの街に出ている)


曙(行こうと言い出したのは漣。縁日が初めてというクソ提督は快諾)


曙(また出遅れたという事実に、落胆を隠せない…)






提督「どうした曙。楽しくないのか?」


曙「…普通よ」


漣「うはは!りんご飴ウマー!」


朧「チョコバナナ、美味しいです」


潮「ベビーカステラって美味しいですね」


漣「ほら、ぼのたんも何か買おうよ!今日はご主人様の奢りですぞ!」


曙「…食欲無いから」


提督「曙、食い物じゃなくて遊べるものでもやるか?」


曙「…そうする」


提督「お、あそこに射的があるじゃないか」


漣「おほー!ここは艦娘たるもの外せませんなぁ!」




曙(射的、か…)スッ





漣「そぉれ!百発百中ですぞ!」スポン


提督「倒れてないな!」ワハハ


朧「弾が軽すぎます…」スポン


潮(あ、外しちゃった…)ズ-ン


曙「見てらんないわね」スチャ


漣「お?」


曙「ふん」スポン


キャラメル箱『』カタッ


漣「なっ、倒しただと…」


曙「まだまだ!」スポン


おもちゃ『やりますねぇ!』カタッ


朧「おー」


潮「凄い…」


曙「最後!」スポン


ぬいぐるみ『ふむ、失敗じゃないかな?』ピタッ


曙「ちっ!」


提督「わはは!流石にぬいぐるみは無理か!」


曙「う、うっさいわね」


提督「だが見事だ!」


漣「戦利品は漣たちが有難く頂いておきます」ニシシ


曙「…まあいいわ」


提督「楽しかったか?」


曙「…まあね。消化不良だから次行くわよ、次」


提督「よし!」





***






曙「何よこれ」


提督「型抜き?と言うやつらしい」


漣「細かい作業ならお手の物っすよ!」


朧「爪楊枝でやるのね…」プチプチ


潮「思ったより難しい…」プチプチ


漣「この漣の高等テクをとくと見よ!」パキッ


曙「折ってるじゃない」プチプチ


漣「ダニィ!?」


曙「ふふん、いい気味ね」パキッ


漣「ぶっほwww余所見は禁物ですぞwww」


提督「安心しろ曙!俺も折った!」ポッキリ


曙「何を安心しろってのよ」


漣「ご主人様www折ったの爪楊枝っすかwww」


曙「…ふふ、馬鹿ね」






***






漣「まあ縁日と言えば王道を征く、金魚すくいですな!」


提督「初めてみたぞ」


漣「定番なんですぞ」


朧「出目金取れない…」


潮「んー…あ、取れました!提督!」スッ


提督「ほー、すごいな」


漣「漣はボーロの仇を取る!」ビリッ


曙「金魚に触れてすらいないじゃない」


漣「さ、漣はお笑い担当だからいいんですー」


曙「全く、見ときなさいよ」スッスッ


提督「おお、早いな」


曙「ふふん、どうってことないわ」


潮「て、提督!出目金取れました!」


提督「おーすごいぞ!」ナデナデ


潮「あ…///」カオマッカ


曙「…あたしだって」ビリッ


漣「ぐぬぬ、出目金強し」


朧「あちゃー、思いっきり暴れたね」


曙「…ふ、ふん、まあいいわ」


提督「曙もすごいぞー」ナデナデ


曙「い、いきなり触るな!///」


朧(事前に言えばいいのか…)


漣(抵抗しないぼのたんマジわかりやすい)






***






曙「ヘリウムガス?」


提督「声が高くなるのか」


漣「ふっふっふ、聞いて驚きなさい!」ス-ッ


朧「何の真似するの?」


漣「…ア-ア-」


提督「うわっ」


漣「ヌワアアアアアンツカレタモオオオオオン」


潮「だ、誰の真似?」


漣「…あー戻った。さっきの?夢の国先輩」


提督「すぐに戻るのか」


漣「ま、こんなもんですよ」


朧「あたしは…阿武隈さんの真似でもしようかな」ス-ッ


提督「おーいいぞ」


朧「…オボロノナマエ、カンジデカケマスカ?」


曙「ふっ…」プルプル


漣「ぶっほwww」撃沈


提督「書けるぞ!」


朧「…ふー、ありがとうございます」


提督「よし、俺も吸うか!」ス-ッ


朧(あ、間接キス…)カオマッカ


提督「…ドウダ?」


漣「ちょwww」


提督「ワハハ!ナントイウコトダ!」


潮「ふふっ」


朧「違和感マックスですね」


曙「…ふっ」






***






提督「そろそろ帰るか」


漣「えー、もうですかぁ?」


提督「日も暮れているからな」


漣「楽しい時間はあっという間ですねぇ」






曙(…そう、楽しいと思ったら、すぐに終わってしまった)トボトボ





朧「また次ですかね」


潮「次はいつになるかなぁ」






曙(いつかなんてわからない。また来れるかどうかすら…)トボトボ





提督「おっと、人混みが激しくなってきたな。はぐれるなよ」


漣「そういう時はー、みんなで手を繋ぐんですよ」ギュッ


朧「そうね」ギュ


潮「曙ちゃんも…って、曙ちゃん?」


提督「どうかしたか?」


潮「曙ちゃんが…いない?」


提督「何ぃ!?」








曙「…あれ、クソ提督?みんな?」キョロキョロ


曙「…誰もいない?」


曙「てか、街の人も屋台も…ん?」






屋台[ジュース]






曙「…仕方ない、聞くしかないか」






曙「すいません、誰かいますか?」


??「いらっしゃいませ」


曙「あ、あの、ここに男の人と3人の女の子は来ませんでしたか」


??「みてません」


曙「そ、そうですか…」


??「んん、あなたはもしや、かんむすですか」


曙「え、は、はい」


??「これはこれは。はじめてのおきゃくさんがかんむすとはめでたいです」


曙(小さい子の声?)


??「これはきねんののみものです」スッ


曙「あ、ど、どうも…」


??「ひとくち、おのみになってください」


曙「…んっ」ゴクッ


曙(炭酸?…サイダーみたい?)


??「どうですか?」


曙「お、おいしいです」


??「それはわたしたちのとくせいジュースです」


曙「…はあ、ありがとうございます」


??「さて、そろそろまっているひとのもとへもどれるかと」


曙「え?」


??「きたところをずっとあるいてもどれば、かえれます」


曙「あ、はい…それでは」









??「さくせんせいこうです」






***






提督「いないな」


潮「ご、ごめんなさい!私が遅かったばかりに…」ウルウル


提督「大丈夫だ!きっと見つかる!」


朧「…ん?あれ?」


漣「おろ、あれぼのたんじゃないっすか?」





曙「」フラフラ





潮「あ、曙ちゃん!」


提督「ほら、大丈夫だったろ!」


朧「それにしてはふらついてますけど…」


漣「と、とにかく行ってみましょう!」ダッ





曙「…」フラフラ


朧「曙!大丈夫!?」


潮「ごめんね、すぐ見つけられなくて…」


漣「大丈夫ですか!誰かに誘拐とか…」


曙「…」フラフラ


提督「おーい、曙?」


曙「」ピタッ


提督「ん?」






曙「…えへへ、提督~♡」ダキッ






潮「!?」


朧「!?」


漣「ファッ!?」


提督「曙?」


曙「えへへ~♡」デレデレ


提督「何だか様子がおかしいな!」


漣(見ればわかるって)


曙「えー?あたし、おかしいのぉ?」


提督「ほら、いつもみたいな呼び方じゃなくなってるじゃないか」


曙「あー、クソ提督って言ってるアレぇ?」


提督「おう」


曙「本当はそんなことこれっぽっちも思ってないわー♡あたしはねー、提督の事が大好きだからー♡」ニヘラ







漣(ぼ、ぼのたんが素直な告白だとぉぉぉ!?)


潮(え、何が起こってるの!?)


朧(明らかに様子がおかしい…)







提督「ん、そうだったのか?」


曙「提督はー、いっぱい褒めてくれるし、とっても優しいし、あたしたちを大切にしてくれてるでしょ?だから大好き///」デレデレ


提督「当たり前の事をしてるだけだ!」


曙「当たり前な事が嬉しかったのー///」


提督「んん」


曙「いつか恩返しするって決めてるの!提督がとっても喜んでくれると、あたしも幸せだから♡」デレデレ





朧「…提督、少しいいですか?」ボソボソ


提督「ん、何だ?」


朧「曙なんですが、普段と違いすぎますよね。明らかに私たちとはぐれた後に、何かされたような気がします」


提督「俺もそう思う」


朧「例えば…そうですね、本音を出しやすくする…そう、お酒とか、最悪の場合、自白剤とか…」


提督「それは大変だ!」


朧「なので、一刻も早く鎮守府に戻ってドックに…」


提督「そうだな。よし、帰ろう!」






曙「あ、提督///」ギュッ


提督「どうした!」


曙「おんぶして♡」


提督「おんぶ?」


曙「今日はいっぱい遊んで疲れちゃったから…ね?///」上目遣い


提督「そうか!」


曙「あ、でもお姫様抱っこでも…」


提督「よし、早く帰ろう!」グイッ


曙「あうっ…次はお願いね///」ギュッ


朧「さ、二人とも帰るよ!」ダッ


潮「…あ、そ、そうだね」


漣「…はっ!手が勝手にスマホを!」


潮「まさか…」


漣「録画しちゃった」









曙「提督の背中、おっきい…///」ギュ-


提督「そうか!」


曙「あったかい…とっても…///」


提督「…」


曙「ねむたくなってきちゃった…」ウトウト


提督「どうする、ゆっくり歩くか?」


曙「んゆ…お願い」


提督「…朧、ここからは歩く」


朧「…了解」


曙「提督の背中で眠れるなんて、幸せ…」ウトウト


提督「…」


曙「すぅ…」


提督「眠ったか」


朧「仕方ないですね。起こさないように行きますか」









そして…









妖精「…とくにいじょうはないですね」


提督「そうか!よかった!」


朧「…本当ですか?」


妖精「はい。でもねんのため、やすませておきましょう」


朧「…わかりました。妖精さん、ありがとうございます」ガチャ


提督「後でお菓子を振舞おう!」


妖精「おほー」ピョンピョン


妖精「ありがたきしあわせ」キラキラ


提督「それでは!」バタン











妖精「…ふふふ、けいかくどおりです」


妖精「これですこしはしんてんすればいいですね」


妖精「われらのとくせいジュース、こうかばつぐんです」


妖精「あけぼのさんのこれからがたのしみです」







妖精の施し







曙「んゆ…提督…?」パチッ


提督「おお、起きたか」


曙「…って、な、なんでクソ提督がここに!?」


提督「何って、曙が離してくれないからここにいるんだ」


曙「え、え…あれ…?」ギュッ


提督「そんなに強く握らなくても、俺はどこにも行かないぞ」


曙「あ…」カオマッカ


提督「昨日から様子がおかしかったが、まだなのか?」スッ


曙(あ、またおでこ…///)ピトッ


提督「ん、やっぱり熱は無いみたいだな」


曙「…やっぱり、おかしいって思ってたんだ」


提督「そうだ」


曙「…あたしは、本気だったのに」


曙(あ、あれ?口が勝手に…)


提督「なに?」


曙「あたしが本音を言ったら、おかしいって思うの?」


提督「…いや、本当に本音だったなら、嬉しいものだ」


曙「…ふ、ふん、それならいいのよ」プイッ


提督「ふふ、隠してても耳が赤いぞ」


曙「…うっさい///」


提督「曙」ギュッ


曙「ひゃっ!?」



曙(は、ハグ!?あすなろ抱き!?)ドキドキ



提督「こっち向いて」クイッ


曙「あ、だ、だめ、今顔見ないで…///」カオマッカ


提督「何故だ?」


曙「な、何でって、ていうか、か、顔、近、近い///」


提督「曙、俺もお前が好きだ」


曙「ぶっ!?」


提督「曙が素直になってくれて嬉しいぞ。両想いじゃないか」


曙「りょ、両想い…///」


提督「なら、抱きしめたって、こうして顔を見つめてもいいだろ?」


曙「そ、そうだとしても…その…///」プシュウウ


提督「悪いがもう、俺も我慢の限界なんだ」クイッ


曙(あ、顎クイ…これって…///)


提督「曙、目を閉じて」


曙(あ…///)







***







曙「んへへ…」zzZ


漣「うほほ、何と緩みきった寝顔」


潮(どんな夢見てるんだろ…)


朧「幸せそうだね」


漣「これは寝顔は撮って永久保存しないと(使命感)」スマホ出し


潮「あ、やめたほうが…」


漣「いいや!限界だッ!撮るねッ!」カシャ


曙「ていとく…んゆ?」パチッ


漣(あ、やべフラッシュ…)


曙「ん…んん?あんた何やって…」ムクッ


漣「あ、あはは、何でもねぇでごぜぇます」サッ


曙「…何そのスマホは」


漣「なんのこったよ(すっとぼけ)」


曙「…後で見せなさいよ」


潮「曙ちゃん、調子はどう?」


曙「どうって…あたしは何ともないわ」


朧「妖精さん呼ぶから少し待ってて」








***







曙(妖精の診断は異常なしだった。ずっとにやけ顔だったのが気になったけど)スタスタ


曙(それにしても、あの声はどこかで聞いたことが…)





「…、…!」






曙「ん、何か聞こえるわね…電話でもしてるのかしら」








提督「ふう…おお、曙じゃないか!」ガチャ


曙「ん、ていと…」





曙(あれ?あたし、なんて言いかけて…)


提督「元気そうでよかった!」


曙「ふ、ふん、馬鹿言わないでよ」


提督「昨日から心配してたんだからな」


曙(昨日…そういえばお祭りではぐれた辺りから記憶が…)


提督「ともあれ、異常が無さそうでよかった!」ワハハ


曙「…昨日何があったのよ」


提督「…すまない!俺は言えない!」ダッ


曙「ちょ、逃げんなクソ提督!」ダッ


曙(あれ?クソって言えた…)


提督「俺は何も見ていないし聞いてないからな!」


曙「誤魔化すならもっと上手くやりなさいよ!」


提督「気になるなら朧たちに聞けばいい!俺は用事があるから、それではな!」


曙「は、はぁ…?何よあいつ…」








曙「…というわけで、何があったのよ」


漣「だーかーらー、ぼのたんはふらついてて」


朧「提督が介抱したら寝ちゃっただけ」


潮「だ、だからみんな心配してたんだよ?」アセアセ


曙「…あのクソ提督ならそれぐらい言ってくれると思うんだけど?」


漣「そ、そうかなぁ」


曙「あいつが自分から言わずにあんたらに任せるって事はもっと重大な事が起こったんじゃないの?」ズイ


漣(げげ、鋭い)


曙「どうなのよ!」


朧「ほんとにわからないんだって」


曙「…」


朧「曙が納得行かないのもわかるけどさ、一度落ち着いたら?」


曙「…」


朧「あたしは言ってもいい事をあたしたちに任せるほど忙しそうな提督のほうが気になるけど」


曙「…それもそうね。聞いてくるわ」スタスタ


潮(話のすり替えが上手い…)


漣(ボーロのフォローが無かったら死んでいた…)









妖精「ていとくさんですか?」


曙「あいつどこ行ったのよ」


妖精「すいません、わかりません」


曙「…あっそ。どうも」


妖精「あ、そうだ。あけぼのさん」


曙「何よ」


妖精「おきてから、なにかかわったことは?」


曙「…」


妖精「もしあったら、おしえてください」


曙「…あんたの声、どこかで聞いたことあるんだけど」


妖精「…そうですか?」


曙「あたしの気のせいならいいけど」


妖精「ほかには?」


曙「…クソ提督の事、意識しないで呼ぼうとすると普通に提督って言いそうになるの」


妖精「いいことじゃないですか?」


曙「…」


妖精「ほかには?」


曙「…ないわ」


妖精「わかりました。またなにかありましたらおよびください」トテトテ


曙「…」





曙(…提督、か。口にするのは初めてな気がしないわけじゃないような感じ)


曙(本当は、クソなんて思ってないから、それが普通なんだろうけど…)


曙(…あの夢、凄く鮮明だったし、今も覚えたまま)


曙(…もう一度見れたらいいな)ハァ








妖精「いいけいこうですね」


妖精「われらのようせいジュースがこうかをだしましたか」


妖精「はい。いつかかならず、あけぼのさんはみをむすびます」


妖精「そうなるまでのようすがたのしみです」








気になるから







「…、…!」





曙(…まただ。誰かと電話してるみたいだけど)


曙(やっぱり聞いてみるしかない)





提督「…」ガチャン!


曙「」ビクッ


提督「…さて、どうしたものか」


曙(…あまり穏やかじゃないわね)覗き


提督「…はぁ、皆になんて言おうか」カツカツ


曙(…何か焦ってる?)ギィ


提督「ん、誰だ?」


曙(あっ…)


提督「曙か。どうした?こんなところで」


曙「…通りかかっただけよ」


提督「そうか」






曙(何事も無かったかのように取り繕ってる)


曙(でも、あたしはそうはさせない)






曙「…誰からの電話なの」


提督「何?」


曙「二度は言わないわ」


提督「…通りかかっただけなんじゃないのか?」


曙「確かにそうよ。でも、誰かと電話してたでしょ」


提督「…んー、困ったな」


曙「あんたがあたしたちに隠す程なの?」


提督「んー」


曙「…」


提督「…いずれは皆に話さなきゃならんことだしな。仕方ない」


曙「…!」


提督「さっきのは俺の両親からでな。俺に縁談を持ちかけてきたんだ」






曙(縁…談…?)






提督「何度も断ったが遂に俺無しで話を進めたらしい」


曙(嘘…)


提督「俺が帰らなきゃ向こうから来るとか言い出してるから、どうしようかと思ってな」


曙(嘘よ…何で…)


提督「俺の家は少し事情があってな…」


曙(ダメだ…声が耳に入ってこない…)フラッ


提督「お、おい、曙!?」


曙(体に力が入らない…)


提督「た、大変だ!妖精さん!」






***









曙「…はっ!」ガバッ


曙「クソ提督!?」






朧「…おはよう曙」


曙「お、朧!?それにみんな…」


漣「ご主人様なら今出掛けてる」


曙「ど、どこ!?」


潮「大本営とは言ってたけど…」


曙「そ、そう…」


朧「それにしてもいきなりだよねぇ。提督がお見合いだなんて」


曙「!」


潮「曙ちゃんが運び込まれた後に、みんな聞いたんだ」


漣「なんかそれについての事で大本営に行ったらしいよ」


曙「…」


漣「ぼのたん、まさか倒れたのって、お見合いの話聞いたから?」


曙「…そうよ」


漣「だよねぇ」


曙「…いきなりだったし、理解出来なかった」


潮「そ、そうだよね。私も聞いてた時は驚く事しか出来なかったし…」


曙「…何でそういう事は隠そうとするのよ…クソ提督…」ポロッ


曙「やっと、素直になり始められたと思ったら、こんなのって…」


曙「…あいつ、あたしたちを残してどこかへ行っちゃうの…?」


朧「…とりあえず、提督が戻ってくるまで待とう。話はそこから」


漣「そうっすね。漣も聞きたい事が山ほどあるからね!」


潮「みんなも気になってるし…納得のいく答えが聞きたい」


曙「クソ提督…」






***







提督「ふぅ…」


朧「おかえりなさい、提督」


提督「おお、朧じゃないか。それにみんな…」


漣「ご主人様、漣たちはちょいと詳しい説明が欲しいんですよ」


潮「曙ちゃんにも納得できる理由がある事を願います」


提督「な、何のだ?」


曙「…とぼけないでよ。あんたの縁談の件についてよ」


提督「…んー、ここじゃ何だし、執務室で話そう」






そして…







提督「…まあ、いずれこれも言うつもりだった事だ」


曙「…」


提督「俺は元々農家の出だ。かなり大きな家の一人息子だった」


提督「俺は親の言いなりのように育てられてきた。何から何まで、コネで何の不自由無く生きてきたが、俺は親が怖くて何も出来なかった」


提督「でも、ある程度成長した俺にも反抗期が訪れた。親の逆鱗に触れる事もあったが、俺もでかい声出してはっきりと物を言うようになった」


朧「…それが今の提督に繋がったって事ですか」


提督「他にもあるが、まあそういう事だ。そこから衝突する事が日常茶飯事だったが、ある日俺に許嫁を寄越すとか言い出してきた」


潮「い、許嫁、ですか?」


提督「そうだ。流石の俺もこの時ばかりは我慢ならず激怒した。そして、俺は家を出た」


漣「はぇ~すっごい波乱万丈」


提督「俺は家の名を捨てて、新たな名を作った。手続きだけはコネを使わざるを得なかったのが癪だった。だが、それもそれっきりだった」


提督「閉塞的な世界から飛び出して、自由になった。ずっと山暮らしだった俺は海のある場所に身を置きたくて、各地を巡った」


提督「そこで海軍学校を見つけ、興味が出た。軍に志願する若者は歓迎されたよ。幸い、農業のお陰で多少体力はあったから、毎日がそれほど辛いとは思わなかった」


提督「自由になって、自分自身をさらけ出し、正直に生きる素晴らしさを噛み締め、俺はこのまま生きようと思った」


提督「でも、そうは行かなくなった。俺がここにいる事がバレてしまってな。何でかは知らんが、とにかく両親共に俺を引き戻そうとしている」


提督「だから、どうにかしたい」






曙「…は?」


提督「どうした」


曙「…じゃあ、縁談の相手って」


提督「親が勝手に決めた許嫁とかいうやつの事だ」


曙「…どうすんのよ」


提督「無論断るつもりだ。俺だけ戦線離脱する訳にはいかない」


曙「…」


提督「何より、タイプじゃないからな!」ワハハ


漣「ご主人様、ぶっ飛ばしていいっすか?」


提督「ダメだ!」


朧「…朧、少し怒ってます」


潮「私もです」


提督「すまんな!」


漣「それじゃ、縁談の件は解決なんすね?」ボコッ


提督「いてっ、そうだ。でもあと一つやる事があるからここを一日離れる」


朧「ふーん」


提督「何ならお前らも来るか?実家の住所教えるぞ?」


曙「…一応聞いとくわ」










***










漣「はー、何か拍子抜けですなぁ」


朧「そうね。でも、断るならよかったじゃない」