2018-08-21 01:53:06 更新

概要

「あなたのバッテリーは何%ですか?」そう問われるSF的な未来はどこか奇妙さを感じます。


前書き

自作の再転載です。
短編一話完結。



海未「うーん、これは参りました」

 

海未「バッテリーがもう12%しかないじゃないですか」

 

海未「充電しなければなりませんね」

 

カタッ

 

海未「…あれ?もう先客がいますね…」

 

海未「…穂乃果、電源も点かないくらい使って何をしていたのでしょうか」

 

海未「うーん…でも充電器は一個しかないんですよね〜…困りました」

 

???「私が貸しましょうか?」

 

海未「お?本当ですか?誰でしょうこんな所で」

 

???「私は困った人を見つけたら黙ってらんない人です」

 

海未「へえ、大したお方ですね」

 

???「で、貸しましょうか?充電器なら、有りますよ」

 

海未「ええ、是非お願いします」

 

カチッ

 

海未「ふーっ、危ない所でした」

 

???「初対面で失礼なのですが、こちらで寝ておられるのは誰でしょうか?」

 

海未「ああごめんなさいね、気にしないでください。私の友達なのですが、先日から忙しくてきっと疲れ果てちゃったんですよ」

 

???「そうですか、それはお疲れ様でございます…」

 

海未「ありがとうございます」

 

???「職は何をされているのですか?」

 

海未「えっ、私たちですか?」

 

???「貴女たち意外誰がいるんですか、ほほほ…」

 

海未「あ、そうでしたね、フフッ、失礼しました。私たちは、μ'sと称したアイドルグループを作って活動しています。先程まで、ラブライブを10連覇致しました。以後、ご承知おきをお願いします」

 

???「へえーっ、あの噂のグループですか!それはそれはお会いできて光栄に思います。これまた10連覇とは大した貫禄でいらっしゃる」

 

海未「いやいや、それほどでも…ただ…」

 

???「どうされました?」

 

海未「私はもう、潮時なんじゃないかって思ったりする時もありますね」

 

???「ほう、それはどういったことで?」

 

海未「はい…私も高校、大学を卒業していって、あれから思い出せばこの世の中は随分と変わったものです。私たち人間はいろんなことを経験していきました。でも、私は?ずっとこのようなことを続けてきて、そんなモヤモヤとした、何とも言えない気持ちがそうっと、頭をよぎりました。でも私はまだやらなければならないのです。それは私たちみんなの夢を叶える為です。決して浅はかではない、そしてこの友達の為にも」

 

???「そうですか…」

 

海未「多分、あなたと同じです」

 

???「?」

 

海未「私だって、彼女が大変だったら支えますよ、全力で。いや、大変でなくても、どんな時も支えます。例え身を粉にしようとね」

 

???「あなたはとても素晴らしいお方です。何とも自信と友情に満ち溢れていらっしゃる。私も、見習いたいものです」

 

海未「ありがたいお言葉です」

 

???「まあ一つ言わせて頂くと、自分の意思も大切に扱うべきではないでしょうか」

 

海未「?」

 

???「そら、あなたのバッテリーだってもう残り少ないではないですか」

 

海未「それとこれは関係ないですよ、今充電しているから大丈夫です」

 

???「そうかもしれませんが、寒くなればなるほど、バッテリーというのは早く減ってしまう。だから、暖めてあげないと駄目なんです」

 

海未「はあ」

 

???「おっと失礼しました、私の節が調子に乗ってしまった。今言ったことはどうか忘れてください」

 

海未「は、はあ…」

 

???「それにしてもここは暗いですね、もっと明るい電球をつけましょう」

 

海未「いや、ダメなんです」

 

???「それは?」

 

海未「それは…節約です」

 

???「あなたもしかして…」

 

海未「はい、今、生死を彷徨っているところなんです」

 

???「やはり…」

 

海未「もう電気が残り少なくて困っていたのですが、あなたが来てくれたおかげで助かりました」

 

???「それは何よりでございます」

 

海未「さて、私は仕事に行かないと…」

 

???「え!まだ少ししか充電なさっておりませんよ!そんな状態で行ったら、行ったら…」

 

海未「ええ、分かってます。でも、私、もう決めたんですよ」

 

???「…!」

 

海未「では、ほんの数分ですが、ありがとうございました。貴重な資源です…」

 

ブチッ

 

???「あ、待ってください!」

 

バタン

 

???「行ってしまわれた…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???「何でも電気で動くこの未来。何とも薄情なものだなあ…」

 

穂乃果「…フフッ」

 

FIN


後書き

お読みになって下さりありがとうございました。ご意見ご感想是非どうぞ。


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