2018-06-21 20:18:43 更新

概要

この作品は、一人の青年が様々なトラブルに遭遇しながら必死に提督として成長していく物語です。


前書き

※誤字、脱字または文脈の乱れ等、至らない点が多々あると思いますが、どうか温かい目で見てやってください。
※キャラ崩壊ありです。


時刻は19:15(ヒトキューヒトゴー)、陽はすっかり沈んでしまったが、代わりに月が綺麗に夜空を彩っていた。


時雨は、後退する際に撃った主砲の一発をホ級の顔面にヒットさせたことにより、


ホ級の動きを止めることに成功していた。


ホ級 「ヴオォォォォォォォォ・・・」ガクッ




軽巡洋艦ホ級 15/33 【中破】




ホ級はなにやら奇声を発している。


時雨 『動きが止まった!』


時雨はすぐさま主砲を構え、引金に手をかける。


すると、なにやら『プスッ・・・、プスッ・・・』という音が聞こえてきた。


時雨 『?』


時雨は、不自然な音の正体を探る。


音の発生源は、今時雨が手にしている主砲であった。


どうやら先程撤退した時に、ホ級の弾が主砲にダメージを与えていた様だ。


側面に大きな穴が開いていた。


全体にひびが入っており、黒煙が出ている箇所もあった。


ホ級に集中しすぎて気がつかなかったが、これではいつ主砲が暴発してもおかしくない。


そう思った時雨は主砲を廃棄せざるを得なかった。


愛用していた装備との別れを寂しく思いながら、時雨は主砲を外した。


その時、


ホ級 「ヴオォォォォォォォォ!!!」


ホ級の様子が急変し、再び奇声を上げる。


先程の弱り果てた様子を微塵も感じさせず、力強い気を出しながら。


時雨 『!?』ドクッ


時雨の心が、本能が、大音量で警鈴を鳴らす。


時雨 『・・・強い』ゴクリ


時雨は息を呑む。


時雨は前提督が着任した時から艦隊に加わっている古参の艦娘である。


何度も危険な場面に遭遇してきた。


大破した回数も、数えきれないほどあった。


しかし、これ程までに強い恐怖心を抱いたのは初めてであった。


目の前の深海棲艦の明らかにほかの艦とは違う異質さ、将又不気味さに強く、大きく恐怖した。


だがしかし、ここは戦場。


敵に恐怖することは、自らを破滅に導くのと同義である。


一時恐怖し、思考が鈍ってしまった時雨は気合で無理やり頭を働かせ、現状を把握する。


時雨 『攻撃も、立ち止まることもできないか』


時雨 『こうなれば、提督の作戦しかないか・・・』


ここで、時雨は迷った。




提督の作戦に素直に従うか、否か。




時雨は決して提督のことを信用していないわけではない。


むしろ提督の素性を知っている時雨は提督のことを信頼している。


しかし、提督のことを知っているからこそ、迷っている。


「あの人」にとって大切な存在である提督を危険な目に合わせたくない「空想」。


現状として、提督の作戦しか奴らを倒す術がないという「現実」。



「空想」と「現実」



どちらを取るか・・・。




時雨 『・・・』



    「悩む」



時雨 『・・』



    「考える」



時雨 『・』



 そして「決意する」



時雨は迷いを断ち切り、提督に作戦の詳細を教えてもらうため、孤島へと進み始めた・・・。




この間、ホ級はというと静かに佇んでいた。


まるで微動だにせずに。


赤い煙のようなものを全身に纏いながら・・・。




~深海棲艦・軽巡洋艦「ホ級」side~

時雨が撤退している時、ホ級にもまた、変化が訪れる・・・。




『クチクセヨ!』 『クチクセヨ!』 『クチクセヨ!』 『クチクセヨ!』 『クチクセヨ!』 


『クチクセヨ!』 『クチクセヨ!』 『クチクセヨ!』 『クチクセヨ!』


『クチクセヨ!』 『クチクセヨ!』 『クチクセヨ!』


『クチクセヨ!』 『クチクセヨ!』 


『クチクセヨ!』


『クチク・・・セ・・ヨ』


『・・・』




先程までの狂気染みた思考が途絶える。


その代わりに、不思議な感覚に包まれる。


遠く離れたところに標的が「見える」。


今自分が何をするべきなのかが「わかる」。


自分が思った通りに「動ける」。


「脳を働かせる」という感覚。


ホ級はどこか懐かしみのあるこの感覚に戸惑いつつも、何とか制御する。


ホ級は今までの思考、判断することがない「下等生物」ではなく、


物事を見、理解し、動くことのできる「高等生物」に生まれ変わった。


ホ級は手に入れた頭脳を駆使し、目的を遂行すべく遥か彼方に映る艦影を追い詰めるべく動き出す。




そしてこのホ級は、後々海軍の中で 「原初の精鋭」(ファースト エリート) と呼ばれるようになるのであった・・・。




~提督side~

同刻19:15(ヒトキューヒトゴー)。


目的の孤島へと辿り着いた提督は、時雨が帰還するのを待ちつつ、自分が乗っている小型船の装備を念入りに確認していた。


提督が乗っている船は、深海棲艦が現れる前に建造、運用されていたものだ。


だが艦娘という存在が現れたことにより、使用されることがなくなり、解体されたはずのものであった。


提督は、養成学校にいた時に偶々この艦に乗る機会があり、運転することが出来た。


提督 『何故未だにこんなものが残っているんだ・・・』ウーム


不思議だった。がしかし、今はそんなことを考えている場合ではない。


そう思った提督はすぐ思考を切り替え、使えそうな装備を粗方確認し終える。


この艦は、少人数で運用することを想定して造られたようで、


装備は機銃が2丁前後にあるのと、魚雷が5、6本あるだけであった。


しかも、今この艦に乗っているのは提督だけなので、


機銃を使用するには操縦を一旦止める必要があるため、


実質使用が可能な装備は、魚雷だけであった。


提督 『・・・』


この現状に何か虚しさを感じる提督。


そして、


提督 「自分、この戦いが終わったら上に頼んでボッチ脱却してやるんだ・・・」


と、明後日の方向を向きつつ「一人」で呟く提督であった・・・。




時刻は少し進み19:20(ヒトキューフタマル)。


提督と時雨は、久しぶりの再会を果たした。


だが、提督は時雨の傷つき様に言葉を失った。


提督 『嘘だろ・・・』


提督の目に映っている少女の服は所々破け、艤装は弾痕で原型を留めていなかった。


肝心の少女も、大量の火傷のせいで華奢な身体は傷つき、見るだけで心が痛んだ。


提督 「時雨、大丈夫・・・なのか?」


時雨 「大丈夫だよ、問題ない。」


提督 「本当に?」


時雨 「本当だよ。」


提督 「そうか・・・」


そこから先は、声が出なかった。


かける言葉が見つからなかった。


時雨は大丈夫と言っていたが、その顔が痛みで一瞬歪んだのを、提督は見逃していなかった。


提督の心は更に痛んだ。



自分よりも小さく、華奢な少女を危険な目に遭わせてしまっていることへの「罪悪感」により、苦悶する。



傷ついている少女に言葉の1つもかけてやれない自分の「無力さ」により、更に苦悶する。



提督 『自分には、何か出来ることはないのか・・・?』クッ


提督は、必死に、考える。




時雨は苦悩する提督をずっと見ていた。


それしか、出来なかった。


悩む提督と、何もせずただ見ている自分。


時雨 『あの時と同じだ・・・』


時雨は、「前提督」(あの人)とのことを思い出す。




~回想~

それは、自分が初めて出撃した日、そして前提督が初めて指揮を執った日のことだ。


その日、自分は敵艦隊の砲撃をもろに受けて大破し、鎮守府に帰還した。


その時、自分を見た前提督も今の提督の様な


何か思い詰めたような顔をしていた。


提督がなぜそのような顔をしているのか分からなかった時雨は、ただ見守ることしか出来なかった。




~回想終了~

時雨は気がつくと提督に歩み寄り、その身体を抱きしめていた。


提督は何やら驚いたような顔をしていたが、時雨は気にせず提督に語りかける。


時雨 「提督」


提督 「・・・」


時雨 「心配してくれて、ありがとう」


提督 「・・・」


時雨 「僕のために、色々と考えてくれているんだよね・・・」


提督 「・・・」


時雨 「ありがとう」


時雨 「大丈夫だよ、大丈夫」


時雨はより強く、提督を抱きしめる。


時雨 「今度こそ・・・、僕が絶対守るから・・・」


時雨の目に涙が溜まる。そして、口が勝手に動き出す。


出すつもりはないのに、言葉が溢れ出る。


提督 「時雨・・・」


時雨 「だから提督も、僕のことを守ってよ・・・」


時雨の目から、自然と涙が零れ、提督に伝わる。


提督 「!?」


時雨 「もう・・・あんな思いはしたくないし、させたくないんだ・・・」


時雨は、忌まわしいとある日の記憶を思い出し、静かに泣いた。




目から溢れ、提督へと伝った一粒の涙は、


月の光に照らされ、銀色に光りつつ海へと消えていった・・・。

















































後書き

先ずは、投稿サボって申し訳ありませんでした!!!(汗)
ストーリーの構成に大分手間取ってしまいました。
物語を考えるのって・・・難しいんですね・・・。
これからは、出来るだけ早く投稿するつもりですので、
どうかこれからも新米提督(f)をよろしくお願いいたします。
※ミス等のご指摘含めたコメントや、応援等も出来ればよろしくお願いします!


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