2018-07-14 21:37:55 更新

概要

深海棲艦”空母ヲ級”が解体され、武器も艤装も頭の飾りも全て取り上げられ途方に暮れる中・・・


「オ前ハ、解体ダ!!」


突然告げられた一言、


「オオッ!?  オオッ!?(解体!? 何で!?)」


味方に解体を告げられた空母ヲ級は呆然と立ち尽くす。


・・・・・・

・・・



事の発端は、


「今コソ好機!! 全軍進撃! 艦娘ドモヲ滅ボセ!!」


艦娘と深海棲艦の死闘、深海棲艦側が若干有利に立っていて、


「モウスグ空母ノ援軍ガ来ル、ソレマデ敵艦娘ヲ押サエルノダ!!」


旗艦だった戦艦ル級が重巡・軽巡たちに指示をする。



「・・・・・・」


海上を進む複数の影・・・旗艦に続き多数の軽空母が進軍していた。


「オオオッ! オオオオ!!(今から味方の援軍に向かう! 私に続いて!!)」


旗艦の空母ヲ級が味方の戦艦ル級に向けて進軍していた。


・・・・・・


「オオオッ? オオ・・・」


旗艦であるヲ級が急に足を止めた。


「???」


後に続く軽空母たちが「何事か?」と思い、足を止める。


「・・・・・・」


旗艦が無言で考える中、軽空母たちがじっと見守る中・・・


「オオ・・・(え~っと。)」


少し困った顔をして軽空母たちに向かって言った一言、


「オオオ、オオオオッ?(迷っちゃった、誰か道分かる?)」



そう、彼女は方向音痴だった。



当然のことながら、後続の軽空母たちがわかるはずもなく、ヲ級たちは場所を行ったり来たりと中々味方の元へたどり着けない。


・・・・・・


「何故ダ、何故援軍ガ来ナイ!!?」


今度は深海棲艦側が形勢不利に追い込まれ、全滅寸前だ。


「マダダ、少シスレバ援軍ガ必ズ来ル!! ソレマデ耐エルンダ!!」


ル級の鼓舞で味方部隊が必死に最後の抵抗を試みた。



「オオオオオ・・・(また同じ道に来ちゃった・・・)」


ル級たちの状況を全く知らずに相変わらず来た道を繰り返すヲ級たち。


「オオ、オオオオ~(う~ん、このままじゃ目的地に着けないよ~)。」


ヲ級は考えた末に、


「オオオオー!!(本拠地に戻ってもう一度目的地を確認しよう!!)」


何とヲ級は撤退を始めてしまった。



「オノレ・・・タカガ艦娘ゴトキガ!! ・・・覚エテイロ!!」


戦艦ル級は撤退を開始、艦娘側が勝利を収めた。


・・・・・・


本拠地に帰還したル級が見た光景、


「貴様! ドウシテココ二イル!?」


ヲ級が海図を必死に眺めている光景が、


「オオオ!? オオ~(あっ、ル級さん!? え~っとですね~)。」


「・・・・・・」



当然のことながらル級から叱責を受けたのは言うまでもない・・・


・・・・・・

・・・



その後の深海棲艦は奇襲・襲撃を掛けるが・・・一向に成果が上がらなかった。


戦力差もあるが一番の原因はヲ級の方向音痴、事前に海域情報を伝えているが本人には場所が分かっていないのか、


必ずと言っていいほど迷い、結果援軍として来ず敗北となる。


・・・そんな事態が何度も続いた中、



「空母ヲ級! 貴様ハ今日限りデ解体トスル!!」


突然の解体宣言、


「オオッ!? オオオオ!!(解体!? 何で、どうして!?)」


ヲ級は自覚がないのか反論をするが、


「言イ訳ハ聞カン!武器ト艤装、ソシテソノ頭ノ被リ物ハ全テ没収ダ!!」


「オオッ!? オオオオ!!(被り物!? 失礼な、これはれっきとした艤装ですよ!!)」


彼女の言い分などお構いなしに、ヲ級は本拠地から追い出されてしまった。


「オオオッ・・・」


ヲ級は無一文同然で本拠地からの永久追放となった。


・・・・・・

・・・



「・・・・・・」


行く当てもない彼女は岩場でずっと座って時間を過ごしていた。


道中艦娘や人が「どうしたの?」 「大丈夫?」等声を掛けてくることがあった。


「・・・・・・」


ヲ級であるが、武器と艤装を取り上げられた身・・・周りからは「白い服に身を包まれた白い肌の女性」と思われたようだ。


「・・・・・・」


そのおかげで艦娘達に狙われなくて済むのはある意味幸運な事だが・・・


「・・・オッ?」


海から流れて来た1つの濡れた雑誌、


「・・・・・・」


ヲ級は拾ってページをめくる、


「オオオッ、オオオオ~(凄い、人間たちってこんなにいい家に住んでるのね~)。」


ヲ級が取った雑誌は「住宅情報誌」、今まで海の底の鉄で覆われた拠点でしか生活した事の無かったヲ級にとって、


雑誌に書いてある「住宅(家)」は輝いて見えた。


「オオオオ~(私も何か住んでみたい~)。」


深海棲艦に欲も無ければ寿命も無い、ただ岩場でじっとしていても苦ではないのだが・・・このヲ級は何故か欲があった。


「オオオオ!(よし、私専用の家を持つぞぉ~!)」


ヲ級は岩場から飛び降りると、街に向かって歩いて行った。


・・・・・・


自分の家を求めていざ不動産(雑誌で場所を特定した)へ・・・これで家を持てるはず、ヲ級はそう思った。


しかし、現実はそんな甘くない。


当然のことながら、まず資金が必要である。


次にヲ級は言葉を話せない(本人は話しているつもりだが、実際は「オオオ」としか周りに聞こえない)。」


そして最大の問題は・・・姿が気味悪い(全身白服且つ白肌なため)。



「オオオオ・・・(家って資金が必要なんだ、知らなかったなぁ~)。」


家を買うにも資金が必要なことを改めて実感するヲ級。


「オオ、オオオ(でもどうしよう・・・資金が無ければ調達すればいいんだよね?)?」


ヲ級は考えるが・・・


「オ、オオ~(分かんない、私としては遠征しか思い浮かばないし・・・)・・・」


ヲ級はその場で立ちすくんでいた。


・・・・・・


「オオ? オオオ?(あれ? どうして人間たちが集まってるの?)」


ヲ級が気づくと、さっきまで誰もいなかったはずの光景がたくさんの人だかりになっていた。


「・・・・・・」


人々は全員ヲ級を見つめていた・・・そんな中、


「君! 良ければ君をスカウトしたいんだけど、僕の職場に来ないか?」


スーツ姿の人間がヲ級に話しかける、


「オオ、オオオオ(何こいつ、気安く話しかけてきて・・・)。」


本来なら艦載機で攻撃できるはずだが、武器も艤装も所持していないため完全な丸腰である。


「その表情、その姿・・・うん! 僕の思い描いた理想そのものだよ!」


「・・・・・・」


「どう? 来てくれたら初回手当として前金支払うよ、どうだい?」


「オオ? オオオ!(前金? 資金ってこと? じゃあやる!)」


ヲ級は迷うこともなく、


「オオオ! オオ~(やりますやります! 私を職場へ連れて行って!)。」


ヲ級は叫んだ、


「そうか! つまり「OK!」って言ってるんだね? じゃあ今すぐ僕の職場へ来てくれ!」


そう言われて、ヲ級はスーツ姿の人間と一緒に職場へと向かった。


・・・・・・

・・・



それから・・・


「雪風ぇ~、あたし怖かったよぉ~!」


泣きながら雪風にまとわりつく時津風、


「そんなに泣かないで、雪風も・・・こ、怖かったんですから!」


よく見ると雪風の足がぶるぶると震えていた。


「はっ! あれくらいで震えるなんて・・・あんたたちはまだ子供ねぇ~。」


側で初風が愚痴をこぼす。


「そう言う初風だって、見た瞬間気絶しかかったくせに・・・」


隣で小声で呟く天津風の姿、


「!? あれは・・・ただび、びっくりしただけ・・・怖くなんてないわよ、ふん!」


初風はそっぽを向いた。


・・・・・・


「オオオ、オオ~!!」


明りの無い暗い場所でヲ級は働いていた。


「オオオ、オオオオ~(ぎゃ~、 お前を呪ってやる~)」


ヲ級はお化け屋敷の亡霊役を担当していた・・・これがまた怖くてすぐに有名になった。


「ぎゃああああ~!! で、出たぁ~!!(陽炎)」


「ふん、怖くなんか・・・あ、ありませんよ(ガクガク)。 (不知火)」


「これ、本物とちゃう!? リアルで作り物には見えへん!!(黒潮)」  ←本物のヲ級ですw


一般人ならぬ艦娘達にも人気のスポットとなっていた。


・・・・・・


「今日もご苦労様! これが今日の日給だよ。」


ヲ級はその日の手当てを貰う。



「オオオオ~♪(大分資金が貯まった~♪ これで家が買えるかな~)。」


ヲ級は上機嫌である、


ヲ級は腹も空かなければ、疲れることも無い・・・貰った資金は全く手を付けずに溜まっていき、


「オオオ、 オオオオ~♪(少し足りないけど、もう少しで家に住めそう、頑張ろう私♪)」


言葉は話せないが、仕事に就いたことで若干であるが人との交流を持てたようだ(最も、周りから無口と思われているらしい)。


ヲ級は貯めた資金を懐にしまっていつもの岩場へと戻る。


・・・・・・


道中、ある子供と出会う、


「・・・・・・」


その子はヲ級をじっと見つめる。


「オ? オオオ。(何この子? 何か気味悪い。)」


ヲ級は無視して素通りしようとしたが、


「深海棲艦だ! 皆あいつを捕まえて!!」


その子の言葉に、近くにいた戦艦と空母艦娘が彼女を一網打尽にした。


「オオ!? オオオオ!!(何!? 何するの!!)」


抵抗も空しく、ヲ級は鎮守府に連れて行かれた。



「・・・・・・」


即、鎮守府地下に幽閉された挙句、稼いだ所持金全てを没収させられた。


「オオオオ~(ああ、せっかく家の資金貯めたのに~)」


ヲ級はしょんぼりするが、


「・・・・・・」


ヲ級は辺りを見回す、


「オオオ・・・オオ!(暗くて周りは壁・・・ある意味家の室内と言えるかな!)」


どうやらヲ級は牢獄内を気に入った様子。


「オオオオオ。(私が買ったわけじゃないけど、まぁ結果オーライって事でいいか。)」


そう言って、緊張の糸も解れ本格的に住もうと決意したヲ級。


・・・・・・


それから、何度も艦娘や憲兵に提督まで牢にやって来て、ヲ級を徹底的に調べるが・・・


そもそも武器の杖、艤装も無ければ頭の被り物も無い・・・どう見ても「ヲ級じゃない!」と鎮守府内の意見は一致して、


「申し訳ない! うちの島風がとんだ勘違いで君を敵と認識してしまって・・・」


検査やテストでヲ級と立証出来なかったため、提督が自ら謝罪。 稼いだ所持金と謝礼金が付与された。



「オオオ・・・オオオオ・・・(稼いだ資金に謝礼金・・・これを足すと・・・)」


ヲ級は胸が躍った、


「オオ・・・オオオオオ!!!!(これで・・・これで、家が買える。 私の家が買えるぅ!!!!)」


ヲ級はそのまま不動産屋に直行した。








そして、




そして・・・




遂にヲ級は、




家を・・・家を買った!!(アパートではあるが。)



「オオオ~オオ!!(私の家~私の家だぁ~!!)」


嬉しくてリビングで大の字になるヲ級。


「オオオ、オオ!(今日から私の新生活、今度はベッドでも買おうかな!)」


新しい家での新生活に胸を躍らせるヲ級の姿があった。


・・・・・・


ヲ級が家に住み始めて数日たった頃、


仕事で貯めた資金を持って家具屋に行った時の事・・・


家具を物色しているヲ級の前に意外な人物との再会を果たす。


「オ? オオオ!(あれ? ル級さん!)」


元同僚の戦艦ル級と久しぶりの再会を果たした。


「アラ、ヲ級ジャナイ、久シブリ。」


ル級は笑って返す。



ル級から言われた驚きの一言、


「オオオ? オオオ~!(ル級さんも解雇? 一体何で!)」


どうやらル級はヲ級と同じ解体された挙句、本拠地から追い出されたらしい。


「エエ、私ノ後継機トナル「エリート」ト「フラッグシップ」・・・更二「強化型」マデ投入サレテ、


 私ハオ払イ箱二ナッタワ。」


「・・・・・・」


「幸イニモ生活ニハ困ッテイナイノガ救イネ。」


ヲ級同様、空腹にもならなければ病気にもならない。


「ソロソロ私ハ戻ルワ、時間ガアエバマタ会イマショウ。」


また会う約束をして2人は喫茶店で別れた。


・・・・・・


後に知ったが、ル級は一日のほとんどを外で過ごしていた(もちろん住む家も無い)。


ヲ級と同じように「働きながら生活する」気持ちはあったものの、


容姿が不気味(見た目で言うなら貞〇)でどこにも就けないらしい。


それに同情したのか、ヲ級はル級を家に呼んだ。


ル級はヲ級の厚意に感謝して共同生活を始める。



「今マデズット深海デ暮ラシテイタガ、ココノ生活モ中々イイナ。」


リビングのど真ん中でヲ級と共に大の字に寝転ぶル級。


ヲ級の勧めでル級も職に就くことが出来た(ホラー映画(リング)の貞〇役w)。


ヲ級たちは元々の容姿からこのような特殊な役職が合っているようだ。


・・・・・・


特殊な役職の恩恵か、資金を全く消費しない影響か1軒屋が買えるほどの額になり、


「オオオオ、オオオ~!(いっぱい貯まったね、これだけあれば1軒屋に住めるよ!)」


ヲ級は住宅情報誌に書いてある1軒屋に目を輝かせた。


「ソウネ、他二欲シイ物ナンテ無イシイッソノコト購入スルカ?」


2人の意見はまとまった。





そして・・・





そして、今度はアパートから・・・”1軒屋”へとバージョンアップした。



・・・・・・


艦娘達の戦力も短期間で上がってきている中、対策として深海棲艦たちも大規模な戦力強化を行った。


その結果、ほとんどが「エリート」 「フラッグシップ」の配置となり、「ノーマル」であるヲ級以外の皆が


一斉に本拠地から追い出される事態となる・・・


潜水艦・駆逐艦などはそのまま海底を漂っているが、軽巡・重巡(辛うじて人型を保っている)は地上へと足を踏み入れた。



深海棲艦として戦っていた時は各人に他の仲間とテレパシーのような能力で戦闘状況や海域情報などを


情報共有していた。 解体した後でもその能力は残ったままで、ヲ級とル級が再会できたのも実はこの能力の影響である。


人間の情報共有に”新聞” ”電報” などが挙げられるが、深海棲艦にはそんな情報共有は無いため、テレパシーが唯一の方法だ。


ノーマル艦の他の皆がリストラされたことを知ったのも、この能力の影響で知ったのだ。



地上へと足を踏み入れた軽巡と重巡だが、重巡(リ級)の方はまだ人としての面影を残しているが、軽巡(ト級)は見た目が


怪物のような姿をしているため、顔を隠す必要がある上、単独行動が出来なかった。


「オオオ!オオオオ♪(ト級とリ級じゃん! 久しぶり♪」


2人との再会を果たすヲ級。


恒例であるが、2人を自分とル級が住む1軒屋へと招待、これでまた仲間が増えたのだ。


・・・・・・


その後、ト級を上司に紹介したところ・・・


「君にぴったりの仕事があるよ!!」


と言われ、とある映画の役を演じることとなり、大ブレイクした(エイリ〇ン、エイリ〇ン2等)。


※:エイリ〇ンシリーズに出て来るエイリ〇ンは実はト級が演じていた!!          ←全くの嘘ですwww



ヲ級と同じ食欲も物欲も無い状態で、資金は一気に貯まっていき、


「オオオ~、オオオオ!(これだけあれば、今度はタワーマンションに住めるよ!)」


高い階からの眺め、朝は建物に覆われていない光景、夜になれば見渡す限り夜を照らす明りは絶景となる、


いつの間に入手したのか、既にヲ級は「タワーマンションの住宅情報誌」を見て目を輝かせていた。


「ソウネ、マタ貯マッタンダシ皆デ引ッ越シスルカ?」


ル級の提案に全員が賛成した。




そして・・・




そして遂に、ヲ級たちは、




タワーマンションに移り住んだ。




解体・リストラされたヲ級たちは、昔いた本拠地よりも遥かに贅沢な生活基準を得たのだ。



・・・・・・


ヲ級たちの家に珍しい客がやって来た。


北方棲姫の通称”ほっぽちゃん”。 深海棲艦の間ではアイドル的存在で、戦闘力もボス級クラス。


たくさんの艦娘を大破撤退に追い詰める程の実力者である。


毎年、”菱餅ビジネス”で大稼ぎすることでも有名だ。


その有名なほっぽちゃんが何故解体・リストラされたヲ級たちの前に現れたのか?


「チョット・・・事情ガアッテ。」


ほっぽちゃんのお守の港湾棲姫が説明する。



港湾棲姫にとると、最初は応援のため本拠地へと向かったが本拠地ではイベント海域の編成に追われ、


ほっぽちゃんの出る幕が全く無かったらしい(大抵は戦艦棲姫・防空棲姫・駆逐棲姫等)。


艦娘達もイベント海域出撃がほとんどで3-5の北ルートに赴くことはなく、誰も構ってくれない事でほっぽちゃんが激怒、


急遽、暇そうなヲ級たちの元にやって来たのだ。



「オオオ~、オオ♪(大した歓迎は出来ないけど、ゆっくりして行って♪)」


ヲ級が促すと、


「・・・・・・」


ほっぽがヲ級の前に立つ、


「オオ? (どうしたの?)」


ヲ級が不思議に思っていると、ほっぽが一言。


「零か烈風オイテケ!!」


恒例の名言を放つ。


「オオオ、オオ~!(ほら、ここに烈風があるよ~!)」


昔、艦娘からふんだくった烈風をほっぽに見せると、彼女は大興奮!


「チョーダイ、チョーダイ!!」


あまりに欲しがるので、「仕方ないなぁ」と素直に渡すヲ級。


「キャッ、キャッ♪」


ほっぽの機嫌が直った。


「スイマセン、アリガトウ。」


お守の港湾棲姫も礼を言う。



その後、ヲ級たちとタワーマンションでの生活を過ごした後、2人は満足して海に帰って行った。


「オオオ! オオオオ!!(皆見て! ほっぽちゃんが「お礼に」って資金を置いて行ったよ!!)」


烈風で満足したのか、遊んでくれたお礼かは不明だが、去り際にヲ級たちが普段稼ぐ数倍もの資金を


置いて行ってくれた。


「オオオオオ~!!(これだけあれば今度は豪邸に住めるよ~!!)」


またどこから持ってきたのかは不明だが、新たな「贅沢住宅情報誌」を所持していたヲ級。


「ヨシ、マタ貯マッタナ。 皆デマタ新タナ場所へ行クカ?」


ル級の提案に皆が応じた。




そして、




そして・・・ヲ級たちは今度は・・・豪邸を購入しちゃった!!




これでヲ級たちは世界で一番贅沢な生活を手に入れたのだった。


・・・・・・


しばらくは豪邸内で贅沢な生活をしていた解体・リストラ組のヲ級たち・・・でも、


「オオオ、オオオオオ~(願いは叶ったけど、家が大き過ぎて私たちには広すぎるなぁ~)」


全員がリビングで毎日就寝、生活するのだが、小部屋や2階の部屋、庭やプールなど一切使っていなかった。


「オオオ、オオ・・・(アパートで良かったかな、これならもっと仲間が欲しい・・・)」


割に合わない広さで寂しさを覚えるヲ級。


・・・・・・


しかし、そんな状況はすぐに無くなる。


豪邸にまたもや珍客が現れる・・・現在本拠地で活躍中の「フラッグシップ」のヲ級だ。


「オオオオオ、オオオオ!(今艦娘達との応戦で我が深海棲艦は壊滅的被害を受けている、今すぐに応援を求む!)」


突然の報告だった、


「オオオオ、オオ~!!(解体とリストラは帳消しにするから今すぐに来てくれ、頼む!!)」


その言葉に、


「オオ、オオオ? オオオオ~!!(帳消し、本当に? やったぁ、行く行く!!)」


ヲ級たち全員は喜んで本拠地に戻ることにした。


「オオオ、オオオ~(でもこの豪邸どうしよう、本拠地に戻るってことはもう帰らないってことだし~)」


ヲ級は考えた末、


「オオオオ!!(そうだ、誰かにあげればいいじゃん!!)」


ヲ級は周りをキョロキョロして、


「オオオ、オオ!(おっ、あそこに子供が、よし、あの子に豪邸をプレゼントしよう!)」


ヲ級はその子供を呼び止め相手の意見などお構いなしに豪邸をプレゼントしてしまった。


「オオオオ、オオオ~!(よぉ~し皆、本拠地へと帰ろう~!)」


ヲ級の掛け声で皆は本拠地へと戻って行った。


・・・・・・

・・・



そして、ヲ級たちは・・・本拠地へと帰還、


すぐに解体とリストラ案を取り消し、艤装と頭の被り物を返してもらえた。


「オオオ、オオオ~♪ (やっぱ武器と艤装、揃うと落ち着くな~♪)」


部隊は各海域に出撃、艦娘達との戦闘に励んだ。



今現在、ヲ級は1,2の海域の道中とボス海域で艦娘達の防衛に取り組んでいた。



・・・・・・


「しれぇ~、しれぇ~!」


とある鎮守府に雪風が大急ぎで戻って来た。


「どうした雪風、そんなに慌てて?」


「しれぇ~、雪風・・・雪風が・・・」


「?」


「ご・・・豪邸を貰っちゃいました~!!!!」


「? はい?」


訳が分からず提督は首を傾げた。











「ヲ級、家に住む」 終








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