2018-12-02 13:52:37 更新

概要

パート4からの続きです。よろしければまたお付き合い願います!


前書き



前回、突如抜き打ち検査と称してやってきた姉護島の艦娘達。あわや一触即発の事態になりかけるも何とか落ち着き、姉護島の艦娘が何故翔太に異常にこだわるのか?その訳を話し始めた。


姉護島の過去


11年前、姉護島鎮守府


その年は比較的温暖なはずの姉護島にも異常気象で冷気が流れ込み、ただでさえ住民が全員避難して物寂しさが漂っているのに、夕方からチラチラと降ったりやんだりしている雪がその寂しさを一層引き立てる冬の夜の事だった。


「ふぅ…」


執務室では着任したばかりの新任提督、『長内洋子』が業務日誌をつけ終えて、一息ついていた。


秘書艦もすでに退出しておらず、洋子は窓から鎮守府に設置された照明の灯りを眺めていた。


ふと視線を海へ向けると、海は視るものを引きずり込もうとするかのように真っ暗で、洋子はすぐに鎮守府の施設が放つ照明の光に目を戻した。


だが、照明の光もところどころ途切れた場所があり、そこはまるで人ならざる何者かが獲物を求めてじっと息を潜めているのでは?と洋子に思わせた。


ボーーーン…ボーーーン…ボーーーン…ボーーーン…


「もう11時…そろそろお風呂入って寝ようかしら」


執務室の柱時計が時間を告げて、洋子は執務室に隣接する自室に引き上げようとした。



ピカッ!


それは一瞬あったか無かったか位だったが


(何か光った?)


洋子は窓に目を向けた。


ピカッ!


(おかしい!光った場所は何もないはずの浜辺、もしかして深海!?いえ、ここはまだ味方の支配圏内だしその心配はないはず!なら住民?なおさら無いわ!)


「ようやく寝れると思ったのに…」


ぼやきながら洋子は執務室の固定電話を取ると、哨戒班の待機所に連絡した。


ガチャ!


「はい、哨戒班待機室、班長の金剛です」


「もしもし金剛?鎮守府の敷地内の浜辺で何か光ったから蒼龍と飛龍、雲龍を連れて様子を見てきてくれる?」


「了解しました」


「何かあったら執務室に連絡して」


「了解しました」


「頼むわね」


ガチャ!


「ハア…」


「相変わらず、か…」


着任して1月にも経たない洋子の鎮守府にいきなり戦艦やら正規空母がいる。それには訳がある。


着任前、洋子は修行先の船着山鎮守府の提督に『特別に』と言われて、多数の艦娘、しかも最高レベルの艦娘を与えられた。


だが、その艦娘達はいわゆる『ブラック鎮守府』に所属していたり、上層部の欲望の為に両思いの提督から無理やり引き離されたりして心と身体を食い潰された娘達だった。


提督から洋子は


「まだまだ戦局は良いと言えない状況で最高レベルの艦娘を失うのは痛いし、女同士だからウチで面倒見るより多少は反応すると思うんだよな。使えるようにすれば一気に戦功ランキングを駆け上がれる、お前にとっちゃお得だと思うぜ?」


「それに…このまま退役させて放り出すなんてあまりにも可哀想だ…」


という、最後は泣き落としに近い形で説得され、かなりの数の艦娘を引き取ったが、皆が皆感情を失い、まるでロボットのようにただ命令された事を淡々とこなしていた。


「せめて…何かきっかけでもあればいいのに…」


洋子はため息をついた。


ーーー


ザザーン…ザザーン…


波が寄せて帰る音


ザクザク、ザクザク、ザクザク、ザクザク…


砂を踏む音


スーッ…ハーッ…


微かに聞こえる吐息


チカッ!チカッ!


暗闇を切り裂くように動きまわるライトの光


一切の文句も雑談もなく、金剛を班長とした蒼龍、飛龍、雲龍の4名は浜辺を探索していた。


兵士にとって雑談は精神の緊張を和らげる手段として活用されるのだが、4人は必要以外全く喋らない。


かつて4人は一部の上層部の欲望の為に両思いの提督から引き離されて、弄ばれた結果、心が壊れてしまった。


笑う事も怒る事も悲しむ事も楽しむ事も全てを封じ込めて、一切の感情を閉ざしてしまった。


この鎮守府に居るのだって自らの意思ではなく、ただ命令されたから。


毎日がただ過ぎて、彼女達の世界はモノクロのままだった。



ホギャー!ホギャー!


少し離れた場所から突如発生した音に4人は身構えた。


ライトを向けつつ、腰に着けていたトンファーを警棒のように持ち、少しずつ近寄る。


ホギャー!ホギャー!


4人は音の発生源の約2メートル前で止まり、ライトを照らした。


白い布に包まれているらしいものと、大きな旅行鞄らしきものが波にさらわれない位の場所に置かれていた。


鞄は後で調べるとして、問題は音を発する白いものだ。


金剛は白いものに近づき、持ち上げると、それは布に包まれたカゴで布を開けると


「ホギャー!ホギャー!」


自分にとって今まで見たこともない生き物がいた。


小さく、でも力強く泣く生き物に何とも言えないものが金剛の胸に込み上げてくる。


(これは何だろう?胸の奥の奥の奥に温かいものが突然現れた)


それはかつてあったもの


(怖い、それが何だかわかってしまったら…)


それはかつて汚されたもの


(怖い?今までそんなものはなかったのに?)


そしてそれは何よりも欲しかったもの


(でも…知りたい)


「アーウ…ウアーウ!」


生き物は両手を前に突き出していた。


ドクン!


心臓の拍動が早くなる


今この生き物が求めているものが、言葉が無くても伝わってくる。


そして金剛は吸い寄せられるように生き物を抱き上げた。


「キャッキャッ!」


生き物はニコニコと笑い、その笑顔を見て


ズキューーーーーン❤️❤️!!


熱い奔流が金剛の身体を駆け巡り


「バ…」


曇りかけた夜空を晴らさんばかりの勢いで


「バアアアアアニングウウウウウウウウウ!」


久しく口に出さなかったあの言葉を


「ラアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアブウウウウ!」


天に向かって叫んだ。


その瞬間、姉護島に粉雪が降り始めた。







ーーー


「遅いわね…」


敷地内の浜はそれほど大きい訳ではなく、10分もあれば足りるはずなのに、30分経っても来ない。


「様子を見に行こうかしら?」


ドタドタドタドタドタドタドタドタ!


バアーン!


「ヘーイ!テートクー!」


ビクッ!


「え!?何!なんなのそのいきなりのハイテンションは!?」


「そんな事はいいのデース!これを見てくだサーイ!」


「キャッ!キャッ♪!」


「…………へ?あ、赤ん坊?」


「とってもprettyネー!浜辺で拾ってきたデース!」


「え…えええええええ!」


洋子は困惑した!


地元の住民は着任前に皆避難して本土にいるはずだから残して行ったとかはあり得ないし、捨てるにしたって場所としては最悪のこの場所に何故?


「ところでテートクー、赤ん坊て何ですカー?」


「へ?あ、ああ…赤ん坊っていうのは私達人間が産まれて間もない姿の事で、ここから20年近くかけて大きくなっていくのよ」


「ワアオ!これがbabyというものなんですネー!」


「ところで金剛、貴女いつからその口調に?ついさっきまで機械音声みたいな反応しかしなかったのに?」


「そのbabyを抱っこしたら身体に暖かい何かが流れて、気がついたらなってたデース!」


「そんな馬鹿な事が…」


「私が証拠デース!何なら他の娘にも抱っこしてみてもらって反応を見てみるデース!」


「失礼します」


ゾロゾロ…


金剛に置いていかれたのであろう蒼龍・飛龍・雲龍が入ってきた。


「うーん…じゃあ雲龍、この子を抱っこしてみなさい」


「はい」


「慎重に抱っこするネー、赤ん坊は大切に扱うのデース」


「はい」


金剛から雲龍に赤ん坊が手渡され


「アーウー…マ…マアウー…」


雲龍は抱っこしたまま動かなくなった。


「………何も変化はないようだけど?」


「おかしいデスネー?」


しかし

<・><・>


変化は

<●><●>


少しずつ

<❤️><❤️>


現れていった。


3分後…


「もういいわ雲龍、その子を渡して…」


「嫌です」


「へ?」


ムチュッ❤️!


「OH!いきなりbabyに、口同士のき、き、kiss///なんて!」


「ちょっとアンタいきなり何してんのよ!?淫行条例なんてレベルじゃないヤバい事してるのよ!?」


チュッ❤️チュッ❤️


「プアッ!問題ありません、スキンシップです」


「唇同士のキスがスキンシップなわけあるかー!!」


「スキンシップです。では、私はこれで失礼します」


「ヘーイ!ちょ!ちょっと!どこ行くつもりネー!」


「?部屋に戻ってこの子の寝床作りに…(キョトン?)」


「アンタはまだ待機任務中でしょーが!」


「雲龍ばっかりズルいネー!私もチューしたいデース!」


「アンタはアンタで何トチ狂ってんのよ金剛!」


「だってテートクー!」


「提督…私は…私、雲龍は何故産まれて、ここに来たのか解りました。今までの辛さも悲しさも、この子が溶かしてくれた。心に暖かいものをくれた。だから私はこの子と生きていく為に産まれたんだって理解しました」


「「飛躍しすぎ(デース)!」」


「ひとまずその子を持ってきたカゴに入れときなさい!これは『命令』よ!」


「……了解」


ガサガサ


「…ん?何かしら?」


カサッ


「手紙?提督、カゴの底に手紙が入ってたわ」


「見せて、雲龍」


カサカサ


「えーとなになに…」


『この子の名前は翔太です。訳あって自分で育てられなくなりました。姉護島鎮守府の皆様、誠に身勝手ですが、どうかこの子をお願いします。』


「……鞄の中身も調べましょう、何か他の事が解るかも」


「オーライね!テートク!」


ガチャ!ガサゴソ……


「紙オムツに哺乳瓶、粉ミルク、それに着替えと……何このノート?子育てマニュアルみたいね」


「どれもこれもこの翔太の為の物デスネー」


「捨て主の身元を示すものは無しか……この子は…どうしたものかしら?」


「?ここで育てるに決まっているでしょう?提督?」


「何いきなり無茶苦茶言ってるのよ雲龍!私…どころか私達全員揃って子育てなんかしたことないのよ!?無理に決まってるじゃない!!」


「無理は承知です、しかし…」


「しかしもかかしも無いわよ!」


「フ、フエエエエエエンン!フエエエエエエンン!」


「ああ、ごめんなさい翔太、びっくりしたの?それともお腹が空いたのかしら?」


雲龍はあわてて駆け寄り、中を覗いて翔太を慰め始めた。


「テートク~…赤ちゃんの前で大きな声はNGネー」


「ご、ごめんなさい…」


「…うん、うんちやおしっこじゃないし抱っこしたらおっぱいに口がいってる、だとしたらミルクね。待っててね翔太、今用意するわね」


「いきなり雲龍がお世話を始めているデース…」


「そうね、びっくりしているわ」


「何をしているの?提督も金剛も手伝ってちょうだい」


「「り、了解!」」


ーーーその後悪戦苦闘しながら何とかミルクを飲ませていた。


ング!ング!ング!


「たーくさん飲んで大きくなるんだよ♪多聞丸!」


「何言ってるの飛龍?この子の名前は龍神丸に決まっているじゃない?」


「「どっちも違うわよ(デース)!!」」


「特に龍神丸じゃ声が玄田○章さんになっちゃうデース!」


「良く知ってるわね金剛、って言うかいつの間に感情が戻ったのよ二人とも!?」


「「この子のお腹空かせた鳴き声聞いたら『助けなきゃ!』って思った瞬間に戻りました!!」」


「もうツッコまないデース…」


「私も疲れたわ…」


洋子と金剛は顔を見合わせて


「「ハア…」」


と深いため息をついた。


「でもテートク、真面目な話、この子はここにいた方が良いと思いマース」


「…理由は?まさか情が移って可哀想、なだけの理由じゃないわよね?」


「もちろんデス。テートク…」













「……『人間のbabyに艦娘の壊れた心を治す力はある』デスカ?」


「そんなの…」


聞いたことが無いしあるはずがない、だが、あるはずの無い事が起こった。それは喜ぶべき事でもあり、また、恐るべき事でもある。


(感情を取り戻させてくれて正直感謝はしているけど…得体の知れない力をこの子が秘めていたとしたら…)


「……」


洋子は答えに窮した。


「テートク、手紙には『鎮守府の皆様』と書いてありマシタ。『本来危ないはずのこの場所に預けていく』という事は、この子にはそれと同等の『危険』が近くにあったという事になりマス」


「確かに…名指しで言われるからにはそれくらいの事はありそうね」


洋子は同意した。


「でもそれと同時に『この場所ならその危険もおいそれと手が出せない』という事でもありマス、ならここで保護して、この子が持っている力を調べて、もし危険な力ならそれを制御するすべを身につけさせるべきデース!」


「でも…これからきついわよ?今までの事に加えて子育てなんて…」


「……解ってマース…でも…手紙をよく見て下サイ」


「?……水滴が落ちた跡?」


「……恐らくは涙デス。それに鉛筆で何回も書いたり消したりした跡がありマス。書いた人はきっととても苦しい決断だったのデス…」


「……」


金剛の言葉に皆、耳を傾ける。


「本当は自分のそばに置いておきタイ、離れたくナイ、そんな気持ちをこらえて…こらえて…この子の…翔太の為に手放す決意をしたのデス…そんな…そんな気持ちに答えてあげタイ…テートク…」


四人の視線が洋子に注がれる。


「私は………」


「未婚でママは流石にキツいから…うん!弟にしよう!」


「弟デスカ?」


「そうよ、そして私達はこの子のお姉ちゃんだからね!」


「お姉ちゃん…OKネ!」


「やったね!多聞丸♪」


「だから龍神丸だって!」


「どちらも外れよ、そして将来は『雲龍翔太』になるわよ」


「あんたらいい加減にしなさい!」



---


蒼龍「という訳で翔太は私達の弟になったったんだよ」


飛龍「翔太が居なかったらここにいる全員が感情を失ったまま朽ち果ててただろうね」


長良「あれ?そういえば雲龍さんはどこ行ったのかな?」


暁「きっと迷子になったのね!もう!相変わらずの困ったちゃんなんだから!」


夕雲(暁ちゃんも大概だけど…黙っておきましょう)


提督「うーん…」


叢雲「な、なかなかにヘビーな話だったわね…」


那珂「ウウッ…グスッ!姉護島の皆にそんな過去があったなんて…」


蒼龍<●><●>「さて、理解してもらえた所で…」


飛龍<●><●>「改めて聞くけど…」


夕雲<●><●>「私達の可愛い可愛い…」


長良<●><●>「翔太は…」


暁<●><●>「どこ?」


提督&叢雲&那珂(((ち、超怖い!)))



---翔太の部屋


ガシッ!ドン!(胸ぐら掴んで壁ドン)


潮「キャッ!」


雲龍「やはりこんなところに翔太を預けたのは間違いね、早めにわかって良かったわ」


ギリギリ…


潮「あ…が…」


雲龍「あら?ごめんなさい、苦しいかしら?でも小さい子の服の匂いで感じる変態にはお似合いよ?」


潮(い、いけない!このままじゃ!皆の前で匂いフェチなんてバラされたら!)


雲龍「さて、このまま執務室まで連行するわ」


潮「う…ぐ…」


潮(な、何とかしないと!)


ジタバタジタバタ!


雲龍「無駄だと言っているのが…」


チラッ!


潮(あ!あれは!)


潮「えいっ!」


ガシッ!(前蹴り)


雲龍「グッ!」


ドサッ!


潮「ごめんなさい!」


ピラッ!(スカートめくり!)


雲龍「あっ!」


潮「これは…翔太君のブリーフ!なんで貴女がはいて…」


潮(ニヤリ)


カシャッ!


雲龍「な!」


潮「撮らせてもらいましたよ、小さい子のはいた下着をはいてる変態さん(クスクス)」


雲龍「クッ!よこしなさい!」


潮「動かないで下さい!動いたら鎮守府の皆にこの画像を一斉送信しますよ?」


雲龍「ひ、卑怯よ!」


潮「卑怯も読経もありません、使えるものは最大限活用するのが戦です」


雲龍「チッ!」


潮「でもこのままではらちがあかないので取り引きをしましょう」


雲龍「取り引き?」


潮「ええ、取り引きです」





---再び執務室


提督「なあ、姉護島のお嬢さん方」


蒼龍<●><●>「なーに?」


提督「なんで俺があんたらにその事を聞いたのか、解るかい?」


飛龍「?興味があったからかな?」


提督「それもあるが…後もうひとつは」


コンコン!


提督「入れ!」


ガチャ!


??「失礼します」


提督「アメちゃん風に言うならこうだ、『騎兵隊の到着』ってやつを待ってたのさ(ニヤリ)」


??「申告いたします、『船着山鎮守府所属・妙高型重巡洋艦一番艦・妙高、特別教導任務の為、只今着任いたしました』


姉護島一同『ゲッ!』


提督「待っていたよ、妙高君」


叢雲(あ…あれが…)


那珂(『船着山の地獄の教官歌(きょうかんうた)』に出てくる、ふ、『不動妙高』!い、威圧感が半端じゃない!提督!騎兵隊どころかターミネーターだよあの人!)


妙高「那珂さん…」ゴゴゴゴ…


那珂「ひ、ひゃい!」


妙高<●><●>「口には出していないから許しますけど、ターミネーター扱いはやめてくださいね♪」


那珂(あ、頭の中を読まれた!?)


叢雲(今日は私達の命日かしら?)


妙高「叢雲さん、命日はまだまだ先ですよ♪」


叢雲(白眼)


---船着山の『不動妙高』


それは『現世の地獄』、『人外魔境』、『頭のネジが年中品切れ』、『所属してる奴らが上から下まで中身が両津勘吉』、『武器と権力を持たせた稲中卓球部』と(上層部には)悪名高い船着山鎮守府において法の番人としてやり過ぎる鎮守府のメンバーを取り締まる一方、『あまりの厳しさに神通が泣いて吐いた』とまで言われる位過酷な訓練をラジオ体操するかのようにこなすその動じなさからついたアダ名である。


提督「と、遠いところをよく来てくれた、か、歓迎する」


妙高「ありがとうございます♪ところで…」


妙高<●><●>「こちらの見馴れた方々は姉護島の所属のようですが…演習の予定がおありでしたか?」


姉護島一同(ギクッ!)


妙高<●><●>「まさか…とは思いますが、戦功ランキング上位の猛者が、『可愛い弟が恋しくてたまらずにやって来た』、などという理由ではありませんよね?」


提督&叢雲&那珂(バレテーラ!)


妙高「ハア……提督、お手数ですが姉護島に連絡をお願いできますか?」


提督「は、はひ!わかりまひた!」


叢雲(あまりの緊張にかんだわね)


那珂(提督…今だけは笑わないよ。だって仕方ないもん!)


---風呂場


翔太「………ハア……」


鏡に映る姿を見てはため息がもれる


女の子みたいな顔に細い体つき、鍛えても鍛えてもパワー自体はあがっているのに見た目だけが変わらない自分の姿がたまに恨めしくなる。


翔太「少しは大きくなって欲しいんだけどな…」


トレーニングはちゃんと指導を受けてやっているし、八点葉鎮守府の提督も『まだまだ時間はあるから心配するな』と励ましてくれる。


サスサス


翔太「特に胸がな…」


盛り上がりのない、ツルペタな胸をさすってみるが無いものはない。


翔太「……早く兄貴みたいなムキムキマッチョになりたいな…」


………女の子みたいな顔にムキムキマッチョな自分を想像する。


翔太「……うん!考えても仕方ない!さっさとお風呂入ってさっぱりしよう♪」


脱ぎ脱ぎ、パサッ!


翔太「フンフフーン♪」


ガチャ!バタン!




カチャ、キイイイイイ…


足柄「フフフフ…提督の自室の扉が2つあって助かったわ。お陰で気づかれる事なく潜入できたわ♪」


ジャー!ザブザブ!カポーン!


足柄「よし、翔太きゅんがお風呂に入ってる今のうちに…」


カチャ!(風呂場の脱衣場に潜入)


足柄「隠し撮りカメラを回収して…と…」


残念ながら餓えた狼は盗撮魔にくら替えした。


足柄「画像をチェック、と…」


一糸まとわぬ姿の翔太


足柄「ウホッ!」


足柄「た、たまらないわ///」


どうしよう、この餓えた狼、既に手遅れである。


足柄(…この壁一枚隔てた先に、素っ裸の///翔太きゅんが❤️)


足柄<❤️><❤️>(………コミュニケーションを取る名目なら…いいよね?)


正に子羊に迫る餓狼である!


足柄「……よし、ではいざ…」


ゾクッ!


足柄「ウヒッ!」


足柄(こ、この凄まじい、壁越しにでもわかる殺気は…まさか妙高姉さん!?)


足柄は風呂場から離れ、気づかれないように脱出し、執務室の様子を伺った。



そこには……ニコニコしてはいるが、怒りのオーラを隠しきれていない姉がいた(笑)


足柄(……危ない危ない、危うく問答無用でお仕置き食らうとこだったわ)


足柄(悔しいけど、ここは一時撤退ね。でも諦めないわよ!)


そう心に誓い、静かに撤退する足柄であった。


---執務室


妙高「さて、姉護島と連絡は繋がりましたか?」


提督「は、はひ…繋がりました今スピーカーに繋ぎます」


ブツッ、


提督「もしもし、繋がりまし…」


洋子『くおおおんのおおおおおおおお!!アホどもおおおおおおおおおおお!!!』


提督&叢雲&那珂「「「ヒイッ!」」」


洋子『アンタ達!翔太がどんな思いで姉護島を出たかわかってるの!?

きっかけはともあれ皆の役にたてる強い男になりたい!って思って出たのに肝心のアンタらが恋しさに負けて会いに来てどーすんのよ!』


姉護島一同『ご、ごめんなさい…』


洋子『ン?雲龍!雲龍!居ないの!?返事なさい!』


長良「そういえばさっきからずっと見ないね。どこ行ったのかな?走り込みかな?」


夕雲「それは無いかと…」


暁「迷子にしては長すぎるわね?誰か居れば道を聞けばいいんだし」


洋子『今すぐひっ捕まえて連れて来なさい!』


姉護島『イエス!マム!』


洋子『誰がオカンじゃ!』



━━━…一方その頃、風呂(防音、防音です!大事な事以下略)


ザバーン…


チャプ、チャプ


翔太「フゥ…気持ちいい♪」


翔太「姉護島の時は大浴場しか使えなかったからいつも誰かがいたけど、こういう風に1人でゆっくり入れるならお風呂もいいなぁ~(ウフフ!)」


翔太「…皆と一緒が嫌って訳じゃなかったけど、雲龍姉ちゃんとか蒼龍姉ちゃんとか飛龍姉ちゃんはいつも身体を洗おうとしてくるからなあ。僕、自分でできるのにいつもやらせてくれないんだもん!いつまでも赤ちゃんじゃないの!」


翔太「………皆、元気にしてるかな…」


翔太「……あれ?何でそんな気持ちに?」


『それは貴方が寂しいと感じているからよ、翔太』


翔太「う~ん、そうかな~?」


『そうよ、貴方はお姉ちゃんと居たくて堪らないの。本当は帰りたくて堪らないの』


翔太「嫌、そんな事はない!僕は兄貴みたいに強い男になるために来たんだ!ちょっと寂しくたって皆に胸をはれる位にならなきゃ帰れないよ!」


『あの筋肉ゴリラマンは見習っては駄目、頭の中に爆弾…じゃなく筋肉が詰まってるから。貴方は強くなくても良いの。貴方は帰るべきなの』


翔太「嫌、帰らない…って僕誰と話して」


『ち、ちょっと、な、何いきなり帰らせようとしてるんですか!』


『うるさい黙りなさい、おっぱいないおばけに頼んでそのホルスタイン(意味深)をお乳が出ないペッタン子にされたいの?』


『そのおばけって龍○さんか瑞○さんですよね!』


ギャーギャー!


翔太「こ、この声は…まさか雲龍姉ちゃんと潮さん!?」


雲龍『そうよ、今入るから…』


バシャッ!(湯船から脱出!)


カチッ!(からのすばやい施錠!)


ドンドンドンドン!


雲龍『開けなさい翔太、お姉ちゃんがキレイにしてあげるから』


翔太「嫌だよ!僕はもう1人で…ってゆーか何でいるのさ!」


雲龍『貴方を迎えに来たの、さあ、開けなさい。キレイキレイしてから姉護島に帰りましょう』


翔太「やだ!帰らない!僕はここで一人前になるまでは帰らないの!」


雲龍『早く開けて、今裸で寒いの』


翔太「服着てよ!って雲龍姉ちゃんいつも薄着じゃん!?」


潮『し、翔太君…さ、寒いよお…』


翔太「潮さんまで何やってるんですか!?お願いですから正気に戻って下さい!」


雲龍『あっ、開けなくていいわ』


翔太「よ、良かった…」


カチャカチャ、カチッ!ガチャ!


翔太「ゑ!嘘!なんで…」


雲龍(全裸)「マイナスドライバーがあれば外から開けられるタイプよ、この扉」


翔太「え…」


潮(タオル1枚で前隠し)「翔太君…寒いです」


雲龍「そうね、翔太がすぐに開けてくれなかったから身体が冷えてしまったわ」


雲龍「だから…」


潮「翔太君の身体で…」


<●><●><●><●>「「温めて」」


翔太「うわ!ちょっと!待って!」


ガシッ!ガシッ!


翔太「いきなり抱きつかないで…ってメチャクチャつめたーい!」


スリスリ♪


雲龍「ああ…暖かい…この暖かさが欲しかった」


翔太「頬ずりしないで!」


ムニュムニュ♪


潮「………」


翔太「潮さん無言で身体を押し付けないで下さい!怖いです!」


………並の男なら泣いて喜ぶシチュエーションだが、翔太の場合姉護島での姉達による過剰なスキンシップや、女子集団に見られる羞恥心の無い生活スタイルの為に女の裸に恥ずかしさが無くなっていた。


特に三馬鹿龍の過剰スキンシップ、そして『姉護島のだらし姉ちゃん』こと阿賀野の、保護者(能代)不在時の下着だけでの徘徊やら暑い時のスカートめくってのうちわあおぎ等をさんざん見ている為、健全な男子には珍しく、女の裸に興奮しない。全くもって将来が心配である。



後書き

今回は姉護島の過去の話から、書けるところまで書いていきます。ゆっくり更新ですが、よろしければ気長にお待ちいただけると幸いです。


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2018-11-29 16:46:41

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2018-07-28 20:10:47

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2018-07-22 18:34:33

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1: SS好きの名無しさん 2018-07-28 20:18:01 ID: fsnfPcgB

50AEです。

みんな・・・辛かったんだね。苦しかったんだね。
でも大丈夫、君たちには幸せになる権利と翔太君を愛でる義務があるんだ!
だから何も問題はないんだよ!(錯乱)

・・・少し前の記憶がない。頭が痛ぇ・・・。一体何だったんだ?

2: ムフロン 2018-07-30 11:33:43 ID: 6DeqIifi

50AE氏、ご覧いただきありがとうございます!

そうですね、問題ありませんね(白目)

3: SS好きの名無しさん 2018-07-30 20:54:01 ID: Wumgz5nt

ヒェッ!気づけばどいつもこいつもショタコンになっていく!

そして目の切り替わりの表現方法がセクシー、エロイ!

海外艦がでてきてら、てぇへんな事になりそうだなぁ(チラッチラッ)

4: ムフロン 2018-08-01 13:25:35 ID: Q9YnyDs5

3氏、ご覧いただきありがとうございます!

でえじょうぶだ、最初っから好感度Maxのヤベー海外艦出す予定だから、オラ今からワクワクしてっぞ!(笑)

5: SS好きの名無しさん 2018-09-03 16:56:30 ID: hC-a6Xbc

50AEです。

皆さんの弾けぶりに大笑いしていたら、急にシリアスが。
翔太くんのお母さん、苦渋の決断だったんですね。どうしているのかな。
手紙に残された母としての思いに気づいた金剛さんの慧眼に感服です。

6: ムフロン 2018-09-04 15:49:28 ID: QyiwPkpY

50E氏、ご覧いただきありがとうございます!

金剛さんは皆のお姉ちゃんだという認識だったので。

翔太の母親については…まぁ鎮守府に置いていく位ですからやはり裏街道を行く人なので、今は無事を祈るのみです。


このSSへのオススメ


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