2019-07-10 20:09:59 更新

概要

戦いで負傷した皆を治療するため、提督達は入渠施設を利用しようとするが問題が発生する。
白瀬は動けない鎮守府メンバーに代わってダムの調査に向かうがそこには悪臭を放つゴミの山とあの深海棲艦の姿が!


前書き

第2話になります。
1話毎に新しい姿(フォーム)を考えています。
それでは生暖かい目でご覧下さい。

※19/7/10少しストーリーを修正しました。
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このお話はウルトラマンオーブの話をモチーフにしています。
オーブをご存知無いと理解不能な話が出てくるのでご注意下さい。

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港から戻った提督達は入渠施設の前にいた。


戦闘前に明石が入渠の準備を済ませていたので直ぐに使える。


提督「さぁ、着いたぞ。」


明石「提督はここまでですよ。」


提督「言われなくてもわかってるよ。二人とも皆を頼む。」


明石「はい!」


大淀「お任せください。」


提督は入渠施設を出る。


できれば最後まで責任をもって見届けたいが、それは色々とマズイ。


なぜなら入渠は衣服を脱がなければならないからだ。


つまりは風呂と同じなのである。


提督「ま、兎に角これで一安心だな。」フウ


提督が一息ついたその時だった。


扉バーンッ!!


明石「・・・っさぁぁぁぁぁあいぃぃぃ!!!」バタッ


大淀「ぐっ、ゲホッ」フラフラバタッ


提督「おわっ!どうした二人共!何があったんだ!?」


提督は二人に駆け寄る。


提督「明石、大淀!しっかりしろ!」ユサユサ


明石と大淀を揺さぶり呼びかけるが反応が鈍い。


明石&大淀ピクピク


明石「ご、ごめんなさい提督。こ、こればっかりは私も無理です・・・。」


大淀シロメ


提督「なんだ?何が無理なんだ? 意味がわからんぞ?」


明石は入渠施設を指差して言う。


明石「入渠施設が・・・」


提督「入渠施設が?」


明石「鼻が曲がりそうな位臭いんです。」ガクッ


提督「はい?」


提督は入渠施設に目をやる


離れて見る限り、普段と特別変わった様子はない。


提督(こんな時に冗談は言わないだろう。ということは・・・。)


恐る恐る扉を開ける。


脱衣場にはまだ四人がいたが衣服は身に付けている。


なるべく視界に入らないように動きながら扉に近付く


提督「!確かに何時もと違うな。なんの臭いだ?」クンクン


提督「だが、今は俺しか動けん。行くしかない!」ガラッ


提督は浴室の扉を開けた。


モクモク


開けた瞬間湯気と悪臭が提督を襲った。


提督「うっ、ゲホッゲホッ!だ、駄目だ目を開けていられない位強烈だ・・・。た、退却!!」ピシャンッ


提督は勢いよく扉を閉めて明石達の元に向かう。


提督「明石!大淀!起きてくれ!」ユサユサ


大淀「うぅ、頭がフラフラします。」


提督「大淀、良かった。気がついたか!おい明石!明石!」ユサユサ


提督が揺さぶると明石は薄目を開けて反応する。


明石「はぁぁぁ。天使って提督みたいな顔してるんだぁ・・・」トオイメ


提督「なに言ってるんだコイツ・・・しっかりしろ!」ググッ


ピンッ!


提督は明石の鼻にデコピンならぬハナピンをする。


明石「いったぁぁぁい!!なにするんですか!」バタバタ


提督「仕方ないだろう!? それよりも、一体何が原因なんだこの臭い。」


明石「わ、私にもわかりません。少なくとも出撃前はこんな臭いしませんでした。」


大淀「なら、出撃中になにかあったって事?」


明石「たぶん・・・。それしか考えられないけど・・・」


カタカタ


提督「ん?」クルッ


物音に気付いた提督が入渠施設の方を見る。


カタカタカタカタガガガガ


明石「あれ?なんか・・・」


大淀「嫌な予感が」


提督「するな。」


バキンッ バシュゥゥゥ


三人「うわぁぁぁぁっ!」


入渠施設の水道管が破裂し扉を破るほど強烈な水流が3人を襲う


結果、三人は仲良く悪臭を放つ水を浴びた。


三人「キュウ・・・」


三人がその場に倒れた後その場に誰かが近づいてくる。


タッタッタッ


白瀬「な、なんの音!?」バッ


白瀬が駆け付けた時にはすでに全員が気絶した後だった。


白瀬「た、大変!早く何とかしないと!」


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数時間後・・・


鎮守府-医務室-


響「ここは・・・」パチッ


白瀬「あ、気が付きましたか?」


響「・・・白瀬さん。ここは?」


白瀬「鎮守府の医務室です。体は痛みますか?」


響「いいや。傷の痛みは随分とマシだよ。それよりも、なんだか嫌な臭いがするんだけど・・・」クンクン


白瀬「ああ・・・。実は、鎮守府の水道から異臭がする水が出るみたいで・・・。どこの水も使えないんです。」


白瀬「加えて入渠施設の水道管が破裂してしまって、その時に皆さんもその水を浴びてしまわれて明石さん、大淀さん、提督さんも気絶してしまいまして、間宮さんと協力して皆さんを運びました。」


白瀬「入渠が出来ず明石さんも気絶してしまったのでとりあえず傷の消毒と止血を皆さんにしました。響さんが最後だったんですよ」


響「そうなんだ。なら、仕方がないね。臭いくらい我慢するよ。」


白瀬「あ、でも間宮さんの消臭術で随分ましになったんです。」


響「あぁ、だから色々おいてあるんだ。」


白瀬「はい。因みに提督さんは破裂した時の水流が直撃だったので臭いが一番酷くて。」


白瀬「私は臭いに強いのでこの位は大丈夫なんですが、今は間宮さんが生姜を満載したベッドに寝かしています。」


響「生姜の臭いのする司令官は嫌だな・・・」


白瀬「あはは・・・。さて響さん、すいませんが私は少し外出します。」


響「どこへ行くんだい?」


白瀬「少し調べたんですが、どうやら町の方でも水から異臭がすると騒ぎになっているようなんです。」


白瀬「町での騒ぎは朝から既に異臭がしていたそうなんです。ですから、この町の水道の元になっているダムを調べて見ようかと思いまして。」


それを聞いた途端、響は体を起こそうとする


響「一人じゃ危ない。私も行くよ。」ムクッ


白瀬「ダメです。まだ傷は塞がっていません。無茶しないで下さい。」


響「だけど・・・」


白瀬「私なら大丈夫です。こう見えても結構頑丈ですから!それに、このままでは入渠も食事も出来ません。いくら明石さんが居ると言っても、やはり入渠しなければ本当の意味で完治はしないですから。」


響「・・・。」


響は周りを見る。


どうやら部屋には二人しか居ないようだ。


響は真剣な表情で言う。


響「白瀬さんが強いのはわかってるよ。でも心配なんだ。万が一はあり得るじゃないか。」


白瀬「響さん・・・」


響「もう嫌なんだ。誰かが居なくなるのは・・・。私の姉妹はもう・・・いない・・・。あんな思いもう味わいたくないんだ。」


響は涙を堪えながら白瀬に訴えた。


白瀬「!!」


白瀬(そうか・・・。この次元の第六駆逐隊はもう・・・)


白瀬「大丈夫ですよ。私は必ず戻りますから。」ギュッ


そう言って白瀬は響を抱きしめた。


響「うん・・・白瀬さん、2つ聴いて欲しい事があるんだ。」


白瀬「なんですか?」


響「白瀬さんが使う力は私達艦娘の力が宿った物なんだよね?」


白瀬「はい・・・。」


響「白瀬さんに呼ばれて現れた暁を見た時、嬉しかったんだ・・・。私が知る姉さんとは、違うと・・・分かっている。でも、また会えて嬉しくて、一緒に居たいと思ってしまった。」


響「だから今一緒に行けない分、私の力を連れていって欲しいんだ。」


白瀬「それは・・・」


響「ダメかな・・・?」


白瀬「確かにこのカードに魂の力を宿しても、その方が艦娘としての力を失う訳ではありません。」


響「1つ目は、私のお願い。私の力、受け取って欲しい。」


響「そしてもう1つは、私のわがまま。魂だけでも姉さんと一緒に居させてくれないかな・・・?」


響の眼は白瀬の眼をまっすぐ見て離さない。


仮に艦娘の力を失うとしても、響は白瀬に力を託すだろう。


それほどまでに真剣な眼差しだった。


白瀬「分かりました。ここに手をかざしてください。」


白瀬はフュージョンリングを取り出しそう言った。


響「困らせてごめんなさい。自己満足なのは、わかっているんだ。」


白瀬「謝らないで下さい。その気持ちは、とても大切な事だと思います。」


響「ありがとう」スッ


響はリングの中に手をかざす。


響「これでいいかな?」


白瀬は頷く。


白瀬「はい。では、行きます、はっ!」


かざしたリングから粒子が舞う。


次第に粒子が集まり、響の艦娘カードが現れる。


カードを手に取り、白瀬は響に礼を言う。


白瀬「ありがとう響さん。不死鳥の力、お借りします。」


響「こちらこそだよ。存分に使って欲しい。」ニコッ


白瀬はカードをホルスターに入れ、響に言った。


白瀬「では、行ってきます。」


響「行ってらっしゃい。気をつけて。」


白瀬は間宮に後をお願いし鎮守府を離れ、件のダムへと向かった。





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件のダムは鎮守府から一時間位の場所にある。


ダムに着いた白瀬は眼を疑う。


白瀬「これは・・・。何でこんなにゴミまみれに?」


資料で見たダムは綺麗に整備され、水もある程度綺麗だった。


だが今はゴミで溢れ、鎮守府で嗅いだよりも酷い臭いを放っている。


白瀬「流石に、私でもちょっとキツイかも。」


そう言いながらも白瀬は調査を開始する。


ゴミには色々な物があったが、そのなかでも一番多かったのが


白瀬「食料系の缶詰?なんでこんなに山積みに?」


良く見れば至るところに缶の山がある。


なんの缶詰かはわからないが、原因はこれにありそうだった。


白瀬「誰かが不法投棄した・・・?でも、こんな量を短時間でここに持ってくるなんて・・・」


少なくとも白瀬がこの街に来たときは異臭騒ぎは起きていなかった。


つまりその時はまだここにゴミは無かったと考えられる。


調べていくなかで湖の中央に人影が見えた。


白瀬「あれは!」


中央にあるガラクタの上に深海棲艦がいた。


白瀬「集積地棲姫!。貴女が原因!?」


白瀬の声に気付いた集積地棲姫が言う。


集積地棲姫「ナンダ?オマエ。」モグモグ


白瀬「なんだ?じゃない!ここは皆さんの生活に必要な水になる場所です!そんな場所をゴミだらけにして、マナー違反もいいとこよ!?」


集積地棲姫「ウルサイ!イマショクジチュウダ、カエレヨ!」ヒュッ!


白瀬「うわっ!」サッ


集積地棲姫は何かを投げつけた。


正体は未開封の缶詰の様だ。


白瀬「こ、これ・・・」


シュールストレミング


その他諸々悪臭缶詰シリーズ


白瀬「やっぱり貴女が原因じゃない!それに、食べ物投げるなんてもう許さない!」


白瀬はカードを取り出す。


白瀬「吹雪さん!、暁さん!特型駆逐艦の力、お借りします!」ギュイン


フュージョンアップ!


〔特型駆逐艦 白瀬 ブリザード フラッシュ〕


白瀬は水面へと降り構えをとる。


白瀬「うぅ。やっぱり凄い臭い・・・。気をしっかり持たないと。」


白瀬は集積地棲姫に向かって水面を走り出す。


水面はゴミが散乱しているが、それを気にせず滑走する白瀬をみて集積地棲姫は怒り出す。


集積地棲姫「ヤメロヨ!セッカクアツメタノニ!」


ドンドンッ


集積地棲姫は白瀬に向かって主砲を放つ。


白瀬「っ!」サッ


ドーンッ!


咄嗟に回避したがガラクタの山が1つ吹き飛ぶ。


集積地棲姫「ナンデヨケルンダヨ!ブッシガナクナッタジャナイカ!」


白瀬「普通避けるでしょ!さぁ、今すぐ片付けるなら痛い目にはあわずに済むけど、どうする?」


集積地棲姫「フフ、ヤッテヤル。カエリウチダ。」


白瀬「やっぱり無駄か・・・。」スッ


白瀬は右手の主砲を構える。


白瀬「はっ!」ドンッ


集積地棲姫「アタラナイヨ。」スッ


集積地棲姫は連続して主砲を放つ。ドンドンッドンッ!


だが砲撃は白瀬を狙っていないように見える。


白瀬(当てるつもりがない?)


一応回避行動をしつつ撃ち返す。


数発が命中するが、白瀬の主砲では集積地棲姫の装甲を破れなかった。


集積地棲姫「キカナイナァ、ホラホラ!」


白瀬「くっ!駄目だ、一端隠れないと。」バシュ


白瀬は魚雷を放ち主砲で打抜いて水柱を作り、視界を奪う。


集積地棲姫「クッ。カクレタカ?」


ガラクタの山に隠れた白瀬は呟く


白瀬(ふぅ。正面からは危険かな。駆逐戦姫より耐久力ありそうだから、光弾を当てても1発で倒せるかどうか・・・)


白瀬が作戦を練っているときだった。


集積地棲姫「カクレタツモリダロウケド、ソレハチガウ」


白瀬(・・・?)


集積地棲姫「ワタシガオイコンダンダヨ!ソコダッ!」ドンドンドンドンッ


白瀬「ぐあぁっ!」(な、なんでバレた!?しかも、ガラクタごと攻撃してくるなんて!)中破


白瀬は回避も防御も間に合わず、直撃をもらう。


白瀬「うぅっ・・・ぐっ」フラフラ


吹雪(くっ・・・しっかりして!)


暁(いったぁぁい!)


白瀬がふらつくと同時に吹雪と暁が浮かび上がる。


白瀬(! フュージョンが解除仕掛かってる。吹雪さんの言う通りしっかりしないと・・・)グッ


白瀬は気合いを入れ直す。


白瀬「何でこんな場所でこんな事を」


集積地棲姫「ナニヲイッテイル?ダレガスキコノンデコンナトコニクルカヨ」


白瀬「え?」


集積地棲姫「ワタシハ、トツゼンココニオトサレタ。イツモノヨウニブッシヲアツメテスミカニカエルトチュウニトツゼンダ。」


集積地棲姫「ダレノシワザカワカラナカッタガ、ココニオチテキタトキワタシガアツメタモノイガイニモイロイロフッテキタ。」


集積地棲姫「ワタシハソレヲブンベツシテヤッタダケダ。」


白瀬(この世界の集積地棲姫では無い?別世界から飛ばされたって事?)


集積地棲姫「ワザトココニオイコンダ。ココハ、ゴミシカオイテナイカラコワシテモ、モンダイナイ。」


白瀬「これがゴミなら他も全部そうじゃない!」


集積地棲姫「チガウ!モノノカチモワカラナイオロカモノメッ!コレデカエルナラミノガシテヤロウカトオモッタケドヤメダ!シズメッ!」ドンッ


今度は確実に放たれた主砲が自分に向かってくる。


白瀬「吹雪さん、お借りします!」


吹雪(はい!)


白瀬「フリージングシールドっ!」パキパキパキッ


白瀬は左手で氷の壁を作り、弾丸を氷付けにした。


集積地棲姫「ナ、ナンダト!?」


白瀬「隙あり!」ドンドン


驚いた集積地棲姫の隙をつき、主砲を放つ


集積地棲姫「グアッ!イタイジャナイカッ!アレ?」グググ


白瀬「足元注意。」


集積地棲姫「ア、アシガ、コオッテイル!?」


白瀬「さっきの主砲は只の目眩まし。貴女の耐久力に対して、このサイズの口径じゃいくら撃ってもキリがないからね。」


集積地棲姫「アァァア・・・」パキパキパキ


集積地棲姫の体は既に首から下は固まっていた。


白瀬「こっちが本命!はぁぁぁぁあっ!」シュウゥゥ


両手を交互に動かし十字に軌跡を描き、中心に光を集める


集積地棲姫「ヤ、ヤメロ!」


白瀬「はっ!」バシュ!


白瀬は主砲から出力最大で光弾を放つ。


ドガァァァァンッ!


集積地棲姫「グアァァァ・・・。モ、モエル・・・。」


白瀬「終わりよ。」


動かない相手への射撃。


それは急所への一撃を加えるのに最適な状況だった。


集積地棲姫の力が弱まるのを確認した白瀬がフュージョンを解除しようとしたその時だった。


バチッ!


集積地棲姫の頭上に赤い霧が現れる。


白瀬「こ、これは!?」


集積地棲姫「モウ、ホノオハ、イヤダァァァァアッ!」ゴウッ!


白瀬「くっ!霧が集まって・・・いく・・・!?」


一瞬辺りが赤い光に包まれる。


次の瞬間、白瀬が目にしたのは先程とは明らかに違うオーラを纏った集積地棲姫だった。


白瀬「一体、何が・・・?」


???「少し手を貸してやっただけだ。」スッ


白瀬「!」


???「どうした?随分余裕だな?こっちを気にするなんて。」


白瀬「やっぱり貴女がっ!」ダッ


???「今のお前とは、戦うつもりはない。お前の相手はアイツだろ?」スゥ


白瀬「待てっ!くっ、今はこっちを何とかしないと!」


全ての霧を完全に取り込み、ついに集積地棲姫は眼を開く。


白瀬(明らかにさっきと違う!-壊-になった訳でもない!?)


???(災姫の力を取り込んだ禍集積災姫だ。お前に倒せるかな?)


???(まあ、このぐらいで倒れるようなら、それまでの事だ。)


禍集積災姫「ウオォアァァァッ!!!」ヒュン


白瀬「しまっ!」ガシッ


禍集積災姫は先程とは違い直に白瀬を殴ろうと接近してきた。


先程からは想像できない速度で間合いを詰め、禍々しく変化した巨大な拳で白瀬を掴む


禍集積災姫「ガアァッ!」ブン


反応が遅れた白瀬は投げ飛ばされ受身も出来ず水面に叩きつけられる。


白瀬「ぐっ!」バッ


すぐさま立ち上がるが禍集積災姫は既に至近距離に接近していた。


禍集積災姫「アァァアァアッ!」ドゴッ


白瀬「ぐっ・・・あっ」ガクッ


強力な打撃に膝が落ちてしまう。


禍集積災姫「シズメッシズメッシズメッシズメッシズメッシズメッ!!!!」ガンガンガン


最初の一撃で動きの鈍った白瀬は、腹部に連続攻撃を受ける。


白瀬「ッぐっあっがは!・・・・ち、調子に、のるなっ!」ピカッ


禍集積災姫「ガッ!」


白瀬は肩の探照灯を光らせ、禍集積災姫の司会を一瞬奪う


眩しさに耐えかねて手から力が抜けた瞬間を逃さず白瀬は禍集積災姫から離れる。


白瀬「はぁはぁっ、近接は今のままじゃ厳しい・・・。」大破


気付けば状態は大破まで追い込まれていた。


禍集積災姫「ニガスカァァァアアァァッッ!!!」ギュン!


視力が回復した禍集積災姫はすぐに白瀬に向かってきた。


白瀬「こうなったら、この力をっ!!」


白瀬はリングを取り出しフュージョンを発動する。


ホルスターからカードを取り出し名前を呼ぶ。


白瀬「日向さん!」


〔戦艦 日向!〕


日向(いいだろう。)


白瀬「響さん!」


〔駆逐艦 響!〕


響(うん。)


白瀬「熱いやつ!頼みますっ!」ギュイン


〔フュージョンアップ!〕


〔航空戦艦 白瀬 フェニックス マイト〕


白瀬「紅に燃えるっ!」


禍集積災姫「ソレガァ、ドオシタァァァ!」


白瀬に向かって拳を振るう。


だが


白瀬「ふんっ!」バキィ


禍集積災姫「ガアッ!グウ・・・」グラッ


一直線に向かってくる禍集積災姫の拳を払い、逆に禍集積災姫を殴り返した。


禍集積災姫「シズメッ!ガラクタ!」バシュバシュッ


打撃を受けた禍集積災姫は先程とは打って変わって距離をとり、自身の持てる武装全てを発射する。


白瀬「はぁっ!」バシャッ


掛け声と共に白瀬は飛び上がり回避した。


禍集積災姫「トンダダト!?ダガトベバソレイジョウウゴケナイ!」ガチャッ


禍集積災姫は対空装備で白瀬を狙う。


白瀬「だっ!」クルクルックル


白瀬は空中で体を捻って回転し、対空射撃を全て避ける。


禍集積災姫「ナニッ!?」


白瀬「うぉらぁっ!」バキッ!


対空射撃を避けきった白瀬はその勢いのまま禍集積災姫に強烈な跳び蹴りを食らわせる


蹴りを食らった禍集積災姫は吹き飛ばされ、倒れる。


禍集積災姫「グハッ」バシャッ


禍集積災姫「イタイ、イタイッ!コノガラクタメガッ!」ドンッ


すぐさま起き上がり白瀬に向かって主砲を発射する。


白瀬「あまいっ!」ヒュンッ


禍集積災姫の放った弾丸の下をスライディングの体制で滑りながらかわし、すれ違い様に主砲を放つ。


白瀬「零距離榴弾をくらえっ!」ドガァァン!


直撃を受けた禍集積災姫に火が燃え移る。


禍集積災姫「ヒハイヤダ・・・、モウ、モエルノハ・・・」フラフラ


白瀬「今なら!はぁぁぁぁあっ!」ボウッ


白瀬は自身に炎を纏い禍集積災姫へと突進する。


白瀬「フェニックス・ダイナマイトォッ!!!」ガシッ


禍集積災姫を捕まえそのまま拘束する。


次第に白瀬が纏う炎が禍集積災姫を包み込んでいく。


禍集積災姫「モヤスノハ ヤメテ…。 アア、デモ……モエルホノオ…なんだか、綺麗だ…」


ドガァァァァァンッッ!!!


次の瞬間大爆発を起こし、二人は跡形もなく消えてしまった。


数秒後、爆発した場所に光の粒子が集まる。


次第に形を帯びていき白瀬が現れた。


白瀬「ふぅー。ちゃんと戻れて良かった。」


その言葉に反応した日向と響が現れる。


日向(当たり前だろう。)


響(そうだよ。)


白瀬「あぁ、ごめんなさい。二人の力を疑ったわけではなくて、自分がちゃんと出来るか心配だったわけで・・・」アセアセ


日向(ふふっ。まぁいいさ。また必要になったら呼ぶといい。力を貸そう。)スゥ


響(不死鳥の名は伊達じゃない。また頼ってくれると嬉しいな。)スゥ


白瀬「はい!ありがとうございました。」


二人が消え、フュージョンが解除された。


すると、禍集積災姫が爆発した場所から光が現れ、白瀬は光をフュージョンリングで受けとる。


光は形を帯びるとカードとなり、綾波の艦娘カードが現れた


白瀬「綾波さんでしたか。お疲れ様です。」


綾波(よろしくお願いしますね。)


白瀬「こちらこそよろしくお願いします。」


白瀬は綾波のカードをホルスターにしまい、辺りを見回した。


白瀬「さてと、ここからが大変よね・・・」


ゴミぐちゃぁ


白瀬(集積地棲姫の言っていたことが本当なら、彼女は何処かから飛ばされてきた・・・。意図してここに来たわけじゃない。)


白瀬「とは言え、元は倒してもこれを片付けなくちゃ意味無いし・・・。はぁ、誰かの力お借りしようかな」スッ


ホルスター(ビクッ)ガチッ


白瀬「あ、あれ?ホルスターが開かない!ちょ、ちょっと諸先輩方!?誰か手伝ってくださいよぉ!」グググ


ホルスター〔 ・・・・・・〕シーン


白瀬「そ、そんなぁ。・・・仕方ない、1回鎮守府に戻ろう。」トボトボ


そうして白瀬は鎮守府に戻るのであった。


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白瀬が鎮守府に向かったあと、禍集積災姫が爆発した場所には謎の人物が立っていた。


紅く光るリングを構え、禍集積災姫が纏っていたオーラを回収する。


粒子が集まり、やがてそれは艦娘カードの一部になった。


???「・・・あと2つだ。この調子で頼むぞ?」


そう言い残し謎の人物は姿を消した。


不適な笑みを浮かべながら。





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鎮守府に戻った白瀬は、すぐに響の待つ医務室へ向かう。


白瀬「響さんただいま戻りまし・・・、あれ?」


そこにいたのは響ではなく、脱臭グッズで全身を覆った提督だった。


白瀬「えっと、なにか退治しに行くんですか?」


提督「・・・俺自身こうしないと倒れそうなんです。」


響が奥のカーテンから顔を覗かせる。


響「提督、臭い。」


提督「これだけやってまだ臭い!?」クンクン


提督「ゲホッ、駄目だ確かに臭い!洗ってない柔道着の臭いがする。」クンクン


白瀬「あ、その件ですが。勝手な事とは思いましたが、街に行って調べてきました。どうやらここ近くのダムにゴミが溢れてるそうなんです。それが原因と思うんですが、何とかならないでしょうか?」


提督「そうなんですか!わかりました。大至急撤去作業を依頼します。ありがとうございました!」ピュー


提督は電話をするために執務室に戻っていった。


カーテンの裏に隠れていた響が出てきた


響「おかえりなさい、白瀬さん。」


白瀬「はい!戻りました!」ニコッ


響「やっぱり戦ったのかい?」


白瀬「はい。早速響さんの力お借りしました。」


響「自分の力が使われたのはなんとなく分かったよ。役に立ったなら良かった。でも白瀬さんからも相当臭うね」


白瀬「やっぱり分かりますか。戦闘中は気にならなかったんですが・・・。帰りの道中、すれ違う人の視線が痛かったです。」


白瀬(流石に変な目で見られました)


響「施設が使えるようになり次第綺麗にしなくちゃね。一緒にどうかな?」


白瀬「えっ、でも私は部外者ですから入渠施設に入るわけには・・・」


響「皆を介抱してくれたんだから、そのお礼だよ。提督も納得するさ。それに、白瀬さんの傷も治さないと。」スッ


響は白瀬の左腕を指差す。


白瀬「あはは、バレましたか。響さんには嘘つけないですね。」ポリポリ


白瀬(私は皆と違って放っておけばすぐ塞がるんですが好意は受けなきゃ。)


白瀬は頭をかきながら答える。


白瀬「ありがとうございます、響さん。その時はぜひ背中を流さして下さい。」


響「うん、お願いしようかな。楽しみが増えたよ。」


響(白瀬さんのスタイルを勉強させてもらおう。)


それからすぐに撤去作業が手配された。


半日ほどで撤去作業が終わり、日付が変わる頃には再び水道設備が元に戻った。


明石「お待たせしました!入渠施設が利用可能です!」ガラッ


水が元に戻り残った匂いを消臭していた明石が入渠施設から出てくる


提督「いやぁ、一時はどうなるかと思ったが、なんとかなったな。みんなゆっくり休んでくれ!」


雪風「しれぇも一緒に入りましょう!」ダキッ


提督「ぶっ、俺はまだ死にたくない・・・。」


青葉「私はいいですよ?」


提督「良かねぇよ!? 俺は自室のシャワー使うから。」


北上「意気地無しだねぇ。別に気にしないんだけど。」


提督「そこは気にしなさい。それに、入るのはお前らだけじゃないんだからな!?」


白瀬「本当にいいんですか?軍の施設を使わせていただいて」


提督「いいんです!今回は白瀬さんと間宮さんに随分お世話になりましたから。お礼と思ってください」


提督(響からのお願いもあったし、世話にもなった。入渠施設のお湯も一般の人が入っても何のデメリットも無いから問題ないだろう。)


間宮「提督もこう言ってますから、ね?」


白瀬「ありがとうございます。では頂きますね。」ペコッ


響「じゃあ皆、入ろうか。」


間宮「覗いちゃ駄目ですよ?」


提督「・・・俺ってそんなに信用ありません?泣きますよ?」


間宮「冗談です。ふふっ。」


バタン


入渠施設の扉が閉まったのを確認し、提督は自室に戻った。


提督(・・・撤去作業の中で明らかに戦闘した痕跡が見つかったとの報告があった。一体誰が?)


撤去作業員からの真新しい戦闘の痕跡有りとの報告が上がっていた。


提督(まさか、白瀬さんが・・・?いや、まさかな・・・)


プ~ン


提督(うっ、兎に角風呂に入ってから考えよう。)スタスタ






一方、入渠施設では白瀬と明石が湯槽に浸かっていた


白瀬「ふぅ。やっぱりお風呂は最高ですね。」パシャッ


明石「ですねー。生き返ります~。」




大淀「何時でも綺麗な水を使える。当たり前ですが、感謝しないとですね。」バシャバシャ


北上「大袈裟じゃない?」ゴシゴシ


青葉「そんな事はありませんよ。こういった小さなことでも感謝感謝です!」


そんな話をしていた時、雪風と響が湯船に飛び込んだ。


雪風&響「やーっ!」ピョーン


白瀬「えっ!?」ドボーン


すっかり気を抜いていた白瀬はモロにお湯をかぶる。


バシャッ!


ポタポタ


明石「こら!危ないでしょ!?白瀬さん、大丈夫です・・・か?」


ほんの少しのイタズラのつもりだったようだが、二人はすぐに白瀬の雰囲気を感じ取る。


二人「あ・・・」


白瀬「・・・湯船に飛び込んじゃいけませんっ!!!」クワッ


雪風&響「ご、ごめんなさい!」


北上&青葉&大淀&明石(優しい人は、怒るとこわいって本当だったんだ・・・)


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セーカイジュウガー♪キミヲマッテイルー♪


-次回予告-


鎮守府の近くに昔からある人々の願いを叶えると言われる不思議な石碑、゛錨石゛(いかりいし)


だが、その石碑から突然強大な怨霊が現れる!


真っ黒な艤装と装備に身を包んだ艦娘の霊!


果たしてその正体は!?


夕立さん、綾波さん。


私に新たな力を貸してください!


次回 《 私の中の死神 》



逆境不屈、闇を討つ!




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後書き

さて、配役説明です!

日向と響をチョイスしたのは

日向
1、2度の爆発事故にも関わらず沈まなかった。
2、ネット上でよく師匠と呼ばれている

元ネタのメビウスの師匠がタロウだったので、艦これで誰か師匠と呼ばれてる艦娘がいないかと探したらいらっしゃいました、はい。(探すまでも無いけど)
特に日向と響は師弟関係ではありませんが。



何度も損傷しながらもその都度戦線に復帰し、不死鳥と呼ばれていた。
不死鳥=フェニックス
メビウスの強化フォームにフェニックスの名を冠する物があったので響をチョイス。
技が自爆系な事もありましたので、他にも配役の候補はたくさんありました。
色々悩みましたが最終的には日向&響でフェニックス マイトで落ち着きました。
響は先程も言った通りフェニックス
日向をどうしようか悩んだのですがマイトで妥協しました。
フェニックスヒュウガでも格好いいけど、それじゃあ日向の強化フォームみたいなのでボツに。


どうも駆逐艦とのフュージョンが多い気もする・・・

基本思いつきなので仕方ない・・・のか?


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2018-08-29 21:50:42

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1: SS好きの名無しさん 2018-08-29 21:54:57 ID: t_AhX0iB

なるべく速く第3話更新してくださいお願いします✨


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