2018-09-03 11:59:49 更新

概要

謎の艦娘が世界を救う!セクハラで!(多分)
百合っぽいハーレム!みんな、百合は好きかい?
私は大好物です


前書き

オリキャラが主人公です。オリキャラとかつまんねという方は速攻で退散推奨
それでも大丈夫って人はどうぞごゆるりとしていってください
オリキャラが嫌いな人もちらりとだけ目を通して欲しいな



―― 第壱話 「ところでスリーサイズは?」 ――



~ キス島 ~


吹雪「こちら吹雪、敵の包囲網を切り崩しキス島の奪還に成功しました!」


大淀『お疲れ様です。それでは守備隊を収容し撤収してください』


吹雪「了解です!」


大淀『帰ってくるまでが作戦です。最後まで気を抜かないでくださいね』フフッ


吹雪「あはは、遠足じゃありませんよー」


大淀『提督が皆さんのお帰りを心待ちにしているので早く帰ってきてくださいね』


吹雪「了解です!それでは通信終了します」プツッ


吹雪「……ふぅ。それじゃあ帰投するけど、みんないい?」


夕立(中破)「はーい、大丈夫っぽい」


時雨(小破)「僕も大丈夫だよ」


電(小破)「はわわ、電も大丈夫なのです!」


曙(大破)「早く帰って入渠したいわ……。というかなんで私だけ大破してるのよ!」プンプン


叢雲(小破)「アンタが弱いからじゃないの?」


曙「な、なんですってぇ!?」


叢雲「実際アンタの練度が一番低いし当然っちゃ当然よね」


曙「言わせておけば……!ここに沈めてやるわ!」ガチャ


叢雲「上等っ!返り討ちにしてあげる!」ガチャ


吹雪「ちょちょちょ!二人とも喧嘩しないで!電ちゃん、曙ちゃんを抑えて!」アセアセ


電「はわわわ!わ、分かりました!」


夕立「激戦終えた後なのにみんなまだまだ元気っぽいー」


吹雪「夕立ちゃんも傍観してないで二人を止めて!」


夕立「ぽいー」


夕立「……ぽい?」


時雨「どうしたんだい夕立?」


夕立「あそこの海岸、何か落ちてる……ぽい?」


時雨「海岸?どの辺りだい?」


夕立「ほら、あのU字に曲がったところのちょうど真ん中あたりっぽい」


時雨「んん……」ジー


時雨「本当だ。何か落ちてる。なんだろうアレ?赤い……ワカメ?」


夕立「確かめに行ってくるっぽいー!」バビューン


時雨「あ、夕立待って!吹雪、僕も確かめに行ってくるよ!」


吹雪「え、ちょっと、夕立ちゃん!時雨ちゃん!?」


電「はわわわ!電だけで抑えるのは大変なのです!」


吹雪「頑張って、電ちゃん!」


夕立「ただいまっぽい!」バビューン


吹雪「帰ってくるの速!」


夕立「当たり前っぽい!吹雪ちゃん、早く来て!早く!」グイグイ


吹雪「え?何?私叢雲ちゃん抑えるので大変なんだけど!」


夕立「そんなことより!早く来るっぽい!」グイグイ


吹雪「海岸に落ちてるワカメ見るよりは大切だよ!」


夕立「ワカメじゃないっぽい!早く!人命優先っぽい!」


吹雪「人命?」


時雨「吹雪ちゃん!」シャー


吹雪「時雨ちゃん、そんな慌ててどうしたの?」


時雨「海岸で人が倒れてる!!」


吹雪「海岸で人が……?それ本当?」


時雨「こんなこと冗談じゃ言わないよ!しかも酷い怪我をしてるみたいで、とにかく早く助けな        

   きゃ!」


吹雪「救助に行こう!」


電「はいなのです!」


曙「アンタ前から気に食わなかったのよここで白黒つけてやる覚悟しなさい!」ジタバタ


叢雲「あら負け犬の遠吠えかしら?負け犬はさっさと帰って司令官に尻尾でふってれば?」ブンブン


電「……いい加減に喧嘩はやめるのです!」ブチッ


電「電の本気を見るのです」ブン


曙「素手でぶっ飛ばしてあげるから顔面貸しやぎゃf!」ドサッ


叢雲「雑魚が調子づいてんじゃないわっふ!」バタッ


電「この二人は電に任せて吹雪ちゃんは早く救助に向かってください!」グッ


吹雪「酸素魚雷で殴った!?(わ、分かったよ!)」


夕立「本音と建て前が逆っぽい」


吹雪「夕立ちゃん、人が倒れてるところに連れてって!」


夕立「ぽい!」





吹雪「これは……」


夕立「息はしているから生きているっぽいけどかなり危険な状態っぽい!」


時雨「とりあえず作戦司令部に連絡を入れよう」


吹雪「そ、そうだね!」


吹雪「こちら吹雪!作戦司令部応答してください!緊急事態です!」


大淀『どうしました?まさか新手の深海棲艦ですか!?』


吹雪「いいえ、敵影は見えませんが海岸にて怪我人を発見しました!酷い怪我です。治療施設のある         

   鎮守府へ連れ帰る許可をください!」


大淀『提督!……はい、はい、分かりました。吹雪さん、その怪我人を連れて可及的速やかに帰投して下さい』


吹雪「了解です!」


大淀『ところでその怪我人は人ですか?それとも艦娘ですか?』


吹雪「見たことない顔だから人……ん?これは?」スッ


吹雪「鉄の塊……じゃない。何かのパーツ?もしかして……艤装」


吹雪「見たことはないですが、もしかしたら艦娘かもしれません!」


大淀『見たことのない艦娘……?分かりました。ドックは空けておきますのでその艦娘を速やかに連

   れ帰ってください』


吹雪「了解です!」


吹雪「夕立ちゃん!私は上半身を支えるから下半身の方お願い!」スッ


夕立「分かったっぽい!」


時雨「じゃあ僕は落ちている艤装のパーツを集めておくね」


吹雪「お願い!」


吹雪「これより第一特二艦隊、帰投する!!」







~ 鎮守府 医療区画にある病室 ~


??「んん……」ゴソ


明石「!?」ガタッ


??「んぁ?んんん??」メゴシゴシ


明石「おはようございます。どこか痛いところや気分が悪いとかない?」


??「え、はぁ大丈夫です」


明石「良かった。少し待ってくださいね、提督に連絡します」ピッ


明石「もしもし、提督?今例の子が起きました。はい、分かりました。では」ピッ


明石「ごめんね、お待たせ」


??「いえいえお気になさらず。ところでここはどこ私は誰何時何分地球が回ってあなたのスリーサ

   イズは?」


明石「え……もしかして自分が誰なのか分からない?」


??「はい、全く分からないです」


明石「それは困りましたねぇ……」


??「痛いところとかないんだけど頭が少しボーッとするなぁ」


明石「それは仕方ないです。なんてったってまる二週間寝続けてますから」


??「二週間……。ソシャゲーやってたら引退考えるレベルですね」


明石「そういう知識はあるんですね」


??「不思議ですねー」


明石「不思議ですねー」


??「ところでスリーサイズは――」


提督「入るぞ」ガラッ


明石「乙女のいる部屋なんですからノックしてから入ってきてください」ハァ


提督「入る前にきちんと声をかけたが?」


明石「声をかけるのと同時にドアを開けたら意味ないじゃないですか」


提督「ふむ、確かに。今後気を付ける」


提督「で、そこの赤いの。名前は?」


??「…………」キョトン


提督「……もしかして喋られないのか?」


明石「いえさっきまで私と話していたのでそんなことはないのですが……あ、そうか!」


明石「えーっとそこのベッドのアナタ。これを見てください」スッ


??「鏡ですか?」


明石「はい。それで自分を確認してください」


??「ん、どれどれ。ほうほう。ふむふむ。ほほう……!」


??「美少女ktkr!!」テーレッテレー


明石「セリフのパクリは重罪ですよ」


??「っていうかこれホントにワタシ?超美少女なんですけど。鏡に細工とかしてて後で『ドッキリ  

   大成功!!』とか書いてあるの出してきて本当はおブスちゃんでしたとかっだったら怒るの通 

   り越してベロチューするからね?」


明石「あっはっは!君面白いね!大丈夫、種も仕掛けも何の変哲もないただの、フツーの鏡だよ」


??「そうか……ワタシは美少女だったのか……。ん?そういえばアタシ髪の色が赤いけどさっきオ 

   ジサンが『赤いの』って言ってたのは、もしかして私のこと?」


提督「そうだ。あとオジサンではない。提督と呼べ」


??「了解しました提督殿!じゃーワタシも名前で呼んで欲しいな!」ニコリ


提督「名前はなんて言うんだ?」


??「知らん」


提督「……おい明石。もしかして完治してないんじゃないか。主に頭が」


明石「いえ検査したところ完治しているようなのでこれが素だと思います」


提督「艦娘は個性が豊ではあるがここまでなのは初めてだ」ハァ


明石「私は面白くて好きですよ?」


??「ワタシも明石さんのこと大好きでーす!」


明石「あ、名前覚えてくれたんだ。ありがとう」


??「いえいえいえ、こちらこそ寝ている間どうやら面倒をおかけしてしまって」


明石「艦娘の治療も私の仕事だから気にしないで、ね?」


??「明石さんいい人すぎる///」ポッ


提督「たまに勝手に資材を使って妙な発明品を作るところ以外は、いい奴だ」


明石「ちょ、提督さん!///」アセアセ


提督「それより、お前のことについていくつか質問したい」


??「はい、なんでしょう」


提督「まず、覚えていることを教えてくれ」


??「えー……っと?納豆が好き?味噌汁も好き?どちらかというと肉派?」


提督「他には?」


??「果物はリンゴが好きで、お魚は鯛が好きかな」


提督「……他には」


??「お肉はレアが好きで、デザートは杏仁豆腐がいいな!」


提督「なぜ食べ物ばかりあげる。お前は赤城か」ハァ


??「えっ、食べ物以外?だったらー。スリーサイズは ひ み cyu――♪」チュッ


提督「よし解体しよう」


明石「ちょちょちょ待ってください提督!きっと自分が何者か分からないから混乱してるんですよ多

   分、きっと!」


提督「どうにも素で言ってるようにしか思えんのだがなぁ?」ジロリ


明石「いやいやこんな状況ですし仕方ありませんって!」ハハハ


提督「ふん、くだらん。質問を続けるぞ」


??「っとその前に一つ質問いいですか?」


提督「なんだ?」


??「さっきから見て見ぬふりをしてたんですが」


提督「ああ」


??「あの、なんで――」スッ





??「――なんでワタシ左腕ないの?」





明石「…………」


提督「…………諦めろ」


??「ぁいえ、助けてもらっててなんですが腕が無くなった理由ぐらいは聞きたいかなーって」


提督「残念だがお前を発見した時点でその有様だった。そしてそれについて俺からも質問がある」


提督「なぜ高速修復材を使っても治らない?」


??「分かりません」キッパリ


提督「そうか……」


提督「お前は自分のことに関して何も覚えてない、ということだな?」


??「そうなるな」


明石「セリフのパクリは重罪ですよ~」


提督「分かった。ではこれからのお前の処遇については後々話す。今は療養しろ」


??「はーい」


提督「それでは失礼する。明石、後は頼んだ」スッ


明石「はい。任されましたー」


??「……提督さん行っちゃいましたね」


明石「提督は忙しい人ですからねー」


??「ところでハニー。今は二人きりなんだけどワタシと楽しいことしない?」


明石「そうですね。とりあえずもう一度楽しい検査しときましょうか」


??「オォー、ウップス!」


明石「本当に個性的な子ですねー」


??「ところでスリーサイズは?」


明石「ひ み chu--♪」


??「明石さんマジ天使」



――第壱話 「ところでスリーサイズは?」 艦 ――




―― 第二話 「アナタ艦娘辞めて鎮守府を出なさい」 ――



―― 約半月流レル ――


~ 鎮守府 『華香る美少女』の部屋 ~


??「というわけで今日からここがワタシの部屋だドーン!」ドーン


大淀「好きに使って下さいという前にすでに好きに使ってますね」フフフ


??「いい部屋名でしょ?」ニヤリ


大淀「あなたのそういうところ結構気に入ってますよ」ニコリ


??「……素直に褒められると恥ずかしいなぁ」ポリポリ


大淀「明日から艦娘としての仕事がありますが、分からないことがあればいつでも聞きに来てくださ   

   いね」


??「ははーありがとうございますー」ペコリ


大淀「それでは失礼します」


??「また来てくださいねー」フリフリ


大淀「――っといけないいけない忘れるところでした」ピタリ


??「他にまだ何か??」


大淀「えぇ。大切なことを伝え忘れてました」


??「大切なこと?」


大淀「提督が早く名前を決めて欲しいと仰っていました」


??「提督か……チッ」


大淀「……提督と何かあったんですか?」


??「少しね」プンプン


大淀「そ、そうですか……」


大淀「ところで名前に何か候補はあるんですか?」


??「あるよ。でも折角何時間も考えた名前をあのクソ提督、『却下』の一言で没にするんだよ!酷

   くない!?」プンプン


大淀「もしかしてそれが喧嘩の原因ですか?」


??「喧嘩なんてしてないし。ワタシが提督嫌いなだけだし」プイ


大淀「どんな名前だったんですか?」


??「糧留菜(カテリーナ)」


大淀「ワーオ」ワーオ


大淀「早く名前を決めてくださいね♪」


??「え?なんか辛辣?」


大淀「困ったことがあったら呼んでください」ニコリ


??「今進行形ですごく困ってるよ?もしかしてこの名前ダメだった?教えて大えもん」


大淀「それではー♪」ノシ


??「ちょっと!大淀さんん!?名前!ねぇ!」


??「行ってしまった……」ションボリ


??「もしかしてワタシの考えた名前ダサい?いやそんなはずはあるまい……」ブツブツ


吹雪「もう少し分かりやすい名前の方がいいんじゃないでしょうか?」


??「おぉ、びっくりした。初めて会う艦娘さんだ」


吹雪「扉が開いていたので先に声をかけちゃいました」エヘヘ


糧留菜(仮)「可愛いお嬢さん、名前を聞いてもいい?ちなみに私は糧留菜(仮)」


吹雪「私は吹雪。特型一番艦の吹雪です。これからよろしくお願いします」スッ


??「吹雪ちゃんか。よろしくね!」ニギ


吹雪「提督の指令で鎮守府の案内に来ました。今から時間をいただいてもいいですか?」


??「全然OK!それと敬語は無しの方向でお願い。見た目同じような年齢っぽいし」


吹雪「……そうですね。じゃなくてそうだね!私もあなたとは敬語無しで話せると嬉しいな」


??「可愛いこと言うじゃない」ニギニギ


吹雪「ははは」


??「それじゃ案内してもらおうかな」ニギニギ


吹雪「案内はいいけど『このまま』行くの?」


??「ん?ダメ?」キョトン


吹雪「流石に握手したまま行くのは恥ずかしいかな」


??「ワタシは気にしないから大丈夫」ニギニギ


吹雪「私が気になるんだけど、なんで握手したままがいいの?」


??「だって吹雪ちゃんの手やーらかいし、きもってぃー」ニギニギ


吹雪「あ、そうですか」サッ


??「あ……」


吹雪「それでは案内します」ニコニコ


??「もしかしてバッドコミュニケーション?」



~ 工廠 ~


吹雪「まずはここ。見たら分かると思うけど『工廠』だよ」


??「なんかごちゃごちゃした機械がいっぱいあるね」


吹雪「何かに使うんだろうけど、この機械達が稼働しているところを見たことがないなぁ」


??「つまりゴミ?」


吹雪「あはは、多分ゴミじゃないよー」


明石「吹雪さんの言う通りです!この子達はゴミじゃありません!」ドアバーン


??「あ、明石さんだ。こんにちはー」


明石「こんにちは、名無しちゃん」ニコリ


??「明石さん、ここにある機械あまり動いてないみたいだけどゴミじゃないの?」


明石「ゴミじゃありません!れっきとした私とばりちゃんの発明品です!」


??「発明品?」


明石「例えばコレ!」バッ


??「何ですこれ、ヘルメットに腕が生えてるんですけど」


明石「ただのヘルメットではありません!なんとかぶるだけで――」スチャ


明石「自分の考えてることを読み込んで、腕が勝手に動いてくれる便利アイタちょ殴らないでアイタ 

   タタ!!」


??「明石さんSM好きなんですね、ははは……」ヒキ


明石「違います、私はドMじゃありません!(少しMなだけ)」ポイー


吹雪「明石さん、頼んでたアレ受け取りに来たんですけど出来てますか?」


明石「あ、ああアレね。ちょっと待っててね」タタタ


??「アレって何ブッキー?」


吹雪「いきなりの渾名に驚いたけど、とりあえず現物を見たら分かるよ」


??「現物?」


明石「さぁさぁお待たせ!取ってきたよ!」バン


明石「じゃじゃーん『アレ』とはまさにコレ!この流麗なフォルムの中に秘められた様々な機能美!

   私とばりちゃんが毎日徹夜で仕上げた最高傑作――」




明石「AY3型特殊艤装レヴルム!!」




??「ロボットの腕……いや、もしかしてそれ義手……?」


明石「義手ではありません。AY3型特殊艤装レヴルムです!」ドドーン


??「義手じゃないの?だったら何に使う物なんですか?」キョトン


明石「あ、いえ義手は義手なんですけど、通常の義手とは全然違くて、例えばほらここコレをこうす

   ると――」


吹雪「提督が片腕だけじゃ大変だろうからって明石さんと夕張さんに義手を頼んでたんだ」


??「チッ、提督の差し金か……いけすかん」


吹雪「提督が嫌い?」


??「いけすかん」ケッ


吹雪「確かに提督は難しい性格だけどいい人だよ。この鎮守府じゃ提督のこと嫌いな人はいないん

   じゃないかな」


??「ここにいーまーすー」


吹雪「ははは、そうだった。でもいつか提督の良さが分かるといいな」


??「つーん」


吹雪「そんな拗ねないで!とりあえずプレゼントの義手つけてみない?」


??「……つけてみる」ボソリ


吹雪「それでは明石さんよろしくお願いします」


明石「合点招致!」ビシッ


― 時計少々進ム ―


明石「これで良し、と」ガチン


??「おお!こいつ……動くぞ!」ギッギッ


明石「違和感とかない?」


??「ないない全然ない!むしろ右腕よりも快調だよ!」


明石「ふふん、私とばりちゃんの最高傑作だからね!」ニッ


吹雪「最高傑作ということは何か凄い機能でもついてるんですか?」


明石「オフコース!この手で艤装を扱えば正確な照準を合わせてくれるのはもちろん、身体のバラン

   スやら角度を計算して転倒時に即座に支えてくれたりします!」


吹雪「それは確かに凄いですね!五月雨ちゃんが欲しがりそうです!」


明石「でしょう!」ドヤァ


??「他に便利な機能はないんですか?」


明石「んん?ええーと、なんとこの細い腕で握力が最大1t出ます!コアラと同じ!!」


??「コアラと同じ!?しゅ、しゅごい!他には?」


明石「私とばりちゃんで考えた特殊合金AY製法によって作られてるから、従来の鉄の硬さ十倍に対  

   して重さは鉄の百分の一!チタンもびっくり!」


??「よく分かんないけどとりあえず凄そう!まだあります?」


明石「自動調理機能もついてて包丁さばきもさっくさく!鳳翔さん顔負けです」


??「後で鳳翔さんに報告しておきますね!それからそれから?」


明石「う、うーんと他に何があったっけ?ばりちゃんと調子に乗りすぎて機能てんこもりにしたから

   細かく覚えてないんですよねぇ。とにかく凄いんです!ちゃんと取説もあるからそっちで確認

   してみてください!」


??「最後の調理機能はいらないけどありがとうございます明石さん」


明石「いえいえー。調子が悪くなったらいつでも言ってくださいね。あと調理機能は必須です」


吹雪「義手の調整は済んだみたいだし次のところ案内するね」


??「了解!明石さんまた遊びにきますね!」


明石「いつでもウェルカム!」グッ



~ 食堂 ~


吹雪「ではこちら、食堂になります!」ババン


??「おおー食堂」


吹雪「ちょうどお昼ごはん時だし、食事していこう」


??「これは楽しみだよー」ジュルリ


電「あ、吹雪ちゃんなのです!吹雪ちゃん一緒にご飯を――っ!そちらの人はもしかして?」


吹雪「はい、キス島攻略時のあの子です」


電「はわわわ!いっぱい怪我してたみたいだけど大丈夫ですか?困ったことがあればいつでも言って

  ほしいのです!」


??「ありがと!でも怪我はもう大丈夫だから心配しないでね。えー……っと?」


電「あ、い、電の名前は電なのです!電気の電と書いて『いなづま』と読みます」


??「電ちゃんか!可愛い名前だね!これからもよろしく!」


電「可愛い名前///よ、よろしくお願いします///」ペコリ


雷「おーい電ー!席空いてたー?……ってこの人誰?電の知り合い?」


電「はいなのです!前に話したキス島で救出した人なのです」


雷「あ、あの話の!怪我はもう大丈夫なの?」


??「お陰さまで元気もりもり!」モリモリ


雷「ふふ、大丈夫そうね!私は雷、よろしく!」


雷「困ったときは私をいーーっぱい頼ってね!」ペカー


??「なんだこの圧倒的包容力は……!ママになって欲しい!」


響「そして私は響。不死鳥の響。よろしくね」スッ


??「うぉ、いつの間に背後に!」


響「川内師匠直伝『影渡』さ。この技は相手の死角を移動することで消えたように見せかける忍者

  アーツさ」フッ


??「アイエー、川内何者……」


暁「そして私はこn 時雨「みんな集まってどうしたんだい?――あ、もしかして君は?」


??「ワタシのことを知ってる?」


吹雪「時雨ちゃんはあなたを見つけた人の一人だから、命の恩人になるのかな」


時雨「はは、僕はそんな大層なことはしてないさ」


??「いやいやいや、今ワタシがここにいるのは時雨ちゃんのおかげだよ。ありがとう」ペコリ


時雨「君が元気なら僕はそれだけで満足さ」


??「キュンときた///」キュン


暁「ちょっとーーーー!私をほったらかしにして話を盛り上げないでよ!!」プンスカ


??「あ、ごめんね!放置してたわけじゃないよ?」


暁「ふーん、どうだか」


??「美しいレディー。ワタシにあなたの可憐な名前を聞かせてくれないかい?」キリッ


暁「美しいレディー///」ポッ


電「レディーと呼ばれて嬉しそうなのです」


暁「れ、レディーなんだから当然じゃない(意味不明)///」


暁「ごほん、私は特Ⅲ型駆逐艦1番艦の暁よ。鎮守府一のレディーとは私のことよ!!」


??「レディーの暁ちゃんね、覚えた!これからよろしく!」


暁「こちらこそよろしくお願いするわ!それで、あなたの名前はなんて言うの?」


糧留菜(仮)「私は糧留菜(仮)。吹雪ちゃんとは婚姻関係で近々結婚式を挙げる予定です」


吹雪「ちょ、ちょっと!いきなりなに言ってるの!?///私たちそんな関係じゃありませんからね!私

   はノーマルです!」


??「んん゛、残念だ」ショボーン


電「あ、あの……」モジモジ


??「ん?どうしたの電ちゃん」


電「えぇと……少し聞きづらいのですが……」


??「ふん?」


電「え、えぇっと……」ジー


??「ん?もしかしてこれ(義手兼レブルン)が気になる?」スッ


電「あ、あ、でも!言いづらいことなら話さないで欲しいのです!」


??「全然OK!むしろワタシのことどんどん知って欲しいな!」


電「はわわわ、すみませんなのです!」ペコリ


??「気にしないで。いつかは説明しなきゃなんだし!」


時雨「その腕は修復材で治らなかったのかい?」


??「うーん治らないみたい。どうもこの『姿』がワタシ本来の恰好らしい」


時雨「そうなんだね……でもどんな形であれ、君とこうやって会話出来てるこの状況に僕は感謝して

   いるよ」


??「ははは、時雨ちゃん大げさだよー」


時雨「全然大げさじゃないよ。君を最初見つけた時から僕は君と歓談することを心待ちにしていたん

   だから」


??「……時雨ちゃんはワタシと結婚(ガチ)する気ない?」


時雨「気が向いたらね」


??「アダルティな反応だね」


暁「あだるてぃって何?」


吹雪「大人って意味だよ暁ちゃん」


暁「大人!?大人と言えば私、暁よ!」ドーン


??「君は、うん、立派なれでぃーだよ」ナデナデ


暁「ナデナデしないでー!」ジタバタ


響「立ち話するよりも席に座って話さないかい?」


雷「そうね!だったらまずはカウンターで注文しましょ!」


響「と言ってもメニューは決まってるんだけどね」


??「メニューが決まってる?どゆこと?」キョトン


電「『食堂』という名前がついてますが、基本ここでの食事を作るのは私たち艦娘なのです!なので  

  メニューは一品だけになるのですがほぼ毎日違うお料理が食べられるのです」


吹雪「あと、晩御飯が足りない人やお酒が呑みたい人は外にある『居酒屋 鳳翔』で食事したりして

   るからもし足りなかったらそっちにも行ってみてね」


??「ほほぅなるほどー。ということは今日はどの艦娘が料理してるの?」」


吹雪「今日は確か、第七駆逐隊の子だったかな」


時雨「ということは今日のお昼はラーメンとチャーハンかな」


吹雪「になりそうですね」


??「第七駆逐隊=ラーメンセットってことでいいのかな?」


吹雪「たまに釜めしと味噌汁になるけど基本ラーメンセットかな」


??「へぇー、それじゃ早速頼んでみよっかな。すみませーんラーメンセットお願いしまーす」


潮「は、はい。ラーメンとチャーハンですね?少々お待ちください」アセアセ


??「あとデザートに君も注文しようかな?」キリッ


潮「ひやぁ!う、潮はデザートじゃありませんーーーー!!///」タッタッタ


??「愛いやつよ」ホッコリ


時雨「君は本当に自由だね」


曙「ちょぉぉっとおおーーーーー!!!」ダッダッダ


??「んん?」


曙「潮をからかったのはアンタね!?」バン


??「いいえ、人違いです」


曙「え、あれ?ご、ごめん」


??「気にしないで、人には間違いがあるものだよ」キリッ


曙「う……つ、次からは確認することにするわ///」ポッ


潮「あ、曙ちゃんこの子です」プルプル


曙「やっぱりアンタじゃない!?」ガーン


??「ワタシはそこのおっぱいちゃんをからかってなどいない。頬もとろける美味しい果実がなって

   たらあなたも食べるでしょう?イヴよ」


曙「わけのわからない屁理屈をををを……!!アンタには料理出してあげない!さっさと帰って頂

  戴!」


吹雪「まぁまぁ曙ちゃん。初めての鎮守府だから緊張してるんだよ」


曙「初めての鎮守府?――あ。もしかしてこの子あの時拾った……!あの時と印象が全然違うから気

  付かなかったわ!」


時雨「彼女も(頭が)大変で精神が不安定なんだ。察して欲しいな」


曙「確かに、大、変そうね……」チラリ


曙「いいわ、今回だけ許してあげる。でも次したらただじゃおかないんだから」


??「時雨ちゃん、少しワタシは傷ついたかな」


時雨「おや、それは大変だね。早速明石さんに診てもらうといいよ」


??「んんー、見事なスルー」


曙「それで、結局料理は七人分でいいの?」


時雨「うん、それでよろしく」


曙「了ー解」


曙「ラーメンとチャーハン七人前入ったわよー!」


朧「注文了解!」


曙「それじゃ料理できたら持ってきてあげるから適当に席に座って待ってて」


??「あいあいさー!」


― 時計少々進ム ―


漣「じゃじゃーん!料理お待ちー!」


??「料理ktkr!」


漣「ムム、もしかしてアナタいける口ですか?」


??「モチのロン!」


漣「ウェーイ!!」ハイタッチ


??「ウェーイ!!」ハイタッチ


漣「これはなかなか期待できる新人ですね」クックック


吹雪「……流れが読めない」


時雨「考えるな、感じるんだ」


漣「ふふふ、今日は気分がいいので特別にアレをやってあげましょう」


??「アレ?義手の話?」


漣「違います!もっと萌え萌えになるやつです☆」スッ



漣「おいしくな~れ♪ おいしくな~れ♪」サッサッ



漣「もーっととっても おいしくな~れ♪」サササ




漣「萌え萌えふんん゛っっ!!」バババ




??「うお゛!?」ビクッ


漣「今日は特別サービスですよー?」ニコリ


??「す、すごい。いつの間にかラーメンの中に煮卵とチャーシューが全員分トッピングされている  

   ……!」


漣「どやぁ」ドヤァ


??「さらに絶対失敗しないという自信に、『スゴ味』があるッ!」ドゴアッ


漣「お、分かってますね~。我が鎮守府の漣はァァァァァァァアアア!世界一ィィィイイイイ」


??「フフフ」ニヤリ


漣「フッフッフ」ニヤリ



??&漣「同志!!」グワシ



吹雪「盛り上がってるところ悪いんだけどそろそろラーメン食べないと伸びちゃうよ?」ズズズ


??「ハッ!しまった!今はラーメンを食べなくては!この話の続きは是非いずれまた」


漣「待ってるぜ、相棒!」bグッ


??「っ!!」bグッ


― 艦娘食事休憩中 ―


??「ふぅ~食べた食べた。ブッキー、次はどこ行くの?」


吹雪「次は入渠施設――お風呂だね」


??「お風呂!いいねぇしびれるねぇ」ジュルリ


電「お風呂は今叢雲さんが使っているのです」


吹雪「叢雲ちゃんがお風呂に……だったら紹介も兼ねて一石二鳥だね」


??「叢雲ちゃんってどんな人なの?」


時雨「叢雲は真面目で努力家で厳しい一面もあるけど、本当はとても優しい艦娘だよ」


??「か、かわいい?」ジュルリ


時雨「とても可愛いよ。見た目だけなら清楚なお嬢様かな」


??「吹雪、早く行こう」グイグイ


吹雪「分かった、分かったから、引っ張らないで!」


電「電達は今から遠征なのでお風呂に付き合えませんが、帰ってきたらまたお話ししたいのです」


雷「その時はゆっくりお話ししましょ!」


響「忍術の話もしようか」


暁「それじゃあここでお別れね」


時雨「僕もこの後夕立と約束があるから付き合えないかな」


??「(´・ω・`)」皆とお風呂に入りたかった


吹雪「言いたいことが顔だけで分かる」


電「それでは電達は行くのです」


??「うん!遠征頑張ってきてね!」


雷「折角だからあなたもゆっくりお風呂に浸かってくるといいわ!」


響「お風呂場で転ばないように気を付けて」


暁「レディーなら100まで浸かるのが基本よ!」


電「それではみんな遠征に行くのです」


雷響暁「「「はーい 行こうか ちょっとなんで電が指揮してるのよ!」」」」タッタッタ


時雨「僕もそろそろ失礼するよ」


??「うん、時雨ちゃんもまた話そうね!」


時雨「もちろんさ。それじゃあね」タッタッタ


??「よぅし!それじゃ私たちもお風呂に行こうか!」グイグイ


吹雪「行くから!行くから引っ張らないで、ってそっち食堂の方向!逆だから!」


??「れっつごー!」ダッダッダ


吹雪「だから逆ーーーーーーーー!!」



~ 入渠施設(お風呂場) ~


叢雲「それで?私はあなたと仲良くするつもりはないわ!///」ドン


吹雪「ちょ、ちょっと、叢雲ちゃん!」アセアセ


叢雲「当然でしょ!?お風呂に入ってたらいきなり抱き着いてくるヤツとどう仲良くしろっての

   よ!///」


吹雪「…………」メソラシ


??「叢雲ちゃんは照れ屋さんだなぁ」アハハ


叢雲「アナタが非常識なだけでしょ!?///」


??「いやだって想像してたよりも可愛くて、つい」


叢雲「つい、じゃないわよ!?というかべ、別に可愛くないし!///」


??「ワタシが今日会った中では一番好みだよ」


叢雲「好みってアナタ……!///女性に好かれても嬉しくなんかないわ!!///」


吹雪「でも少し嬉しそうだよね」ボソリ


叢雲「なななななに言ってんのよ吹雪!!私にそんな趣味はない!///」


??「ワタシも別に誰でも抱き着きたいってわけじゃないんだけどなぁ」


叢雲「それだったら私に抱き着かないで頂戴!いいことなんて何もないわよ!!」


??「叢雲ちゃんの抱き心地はすごくよかったよ?それだけで理由は十分」


叢雲「あな、アナタ何言って……!///」プルプル


??「結婚しよう叢雲」キリッ


叢雲「けけけけけけけ、けっけっけけけけ!///」カオマッカ


吹雪「ニワトリ?」


叢雲「けけけ、結婚なんてか、かる、軽々しく言わないで!///」


??「いや本気だよ?」マガオ


叢雲「アナタ絶対頭おかしいわ!」


??「おかしくさせたのは叢雲ちゃんじゃないか!」キリッ


叢雲「馬鹿じゃないの!?///」カァー


??「馬鹿になるだけで君といられるならワタシは一生馬鹿なままでいい!」ダキッ


叢雲「ちょ!ななななにまた、だ、抱きしめ、だだ、抱きしめてんのニョ!//////」カオマッカ


??「叢雲ちゃん、可愛いよ」チュッ


叢雲「ひにゃ!!///」ビクン!


??「ワタシが本気って分かった――――ん?叢雲ちゃん?」


叢雲「……………………」チーン


吹雪「叢雲ちゃん気絶しちゃった!?」


??「純情だね」アハハ


吹雪「いや、笑いごとじゃないよ!?とりあえず脱衣所に運んで寝かせよう!?」


??「その前にもう一度キスを」スッ


吹雪「いい加減にしろ」ドカッ


??「アイタッ!」


―― 暫ク待ツ ――


??「ごめんなさい」ペコリ


叢雲「謝らなくていいわ。許すつもりないから」


??「うぅ……」


叢雲「アナタちょっと艦娘としての意識が足りてないんじゃないの?」ジロリ


??「申し訳ございません」


叢雲「だから謝らなくていいわ」


??「はい、すみま――いえなんでもないです」シュン


叢雲「ハァ、もういいわ。疲れた」ハァ


吹雪「そ、それじゃあお風呂も見たことだし次行こうか!」


叢雲「ちょっと待ちなさい!」


吹雪「ど、どうしたの叢雲ちゃん?」ビクビク


叢雲「その子明日からここで私達と一緒に行動するんでしょ?」


吹雪「その予定です」


叢雲「だったらその子に聞いておきたいことがあるの」ジッ


??「なに?」


叢雲「艦娘の仕事が何か知ってる?」


??「それは――」


叢雲「真面目に答えなさいよ?」ジロリ


??「はい」シュン


叢雲「それで、さっきの質問の答えは?」


??「えっと、深海棲艦と戦うこと……でいいかな?」


叢雲「そうよ。逆に戦えない艦娘はただのお荷物でしかないの。分かる?」


??「ワタシは戦えない艦娘がいてもいいと思うけどなー」


叢雲「それは戦場に一度も出たことがないヤツのセリフよ。戦場では力が全てなの覚えておいて」


??「うん、覚えとく」コクリ


叢雲「素直でいい子じゃない。でもね、もう一つ聞いていいかしら?」


??「一つと言わず何個でも聞いてよ!好きなもの趣味スリーサイズ何でも聞いてね!」


叢雲「アナタその腕で戦えるの?」ジロリ


吹雪「む、叢雲ちゃん!?」


叢雲「戦えないヤツが戦場に出ても周りに迷惑がかかるだけ。だったらいっそのこと鎮守府でお留守

   番していた方がまだ役に立つわ。アナタ、戦えるの?」


??「……分からない」


叢雲「戦えるかどうかで迷ってるようじゃ戦場に立つ資格は無いわ。アナタ艦娘辞めて鎮守府を出な

   さい」


??「嫌だ」キッパリ


叢雲「アナタの意見は聞いていない。出ていきなさい」ジロリ


??「嫌なこった」ベー


叢雲「……いいわ。だったら私がたたき出してあげる」スッ


吹雪「叢雲ちゃん、何言ってるの!?喧嘩はダメだよ!」


叢雲「これは喧嘩じゃないわ。喧嘩にもならない。ただのリンチよ」


吹雪「もっとダメだよ!?」


??「吹雪ちゃん、ワタシは大丈夫だよ。この腕だとどうせいつかは叢雲ちゃんを認めさせないとダ

   メだろうし、それが今か先かってだけの話だよ」


叢雲「アンタなかなかいい度胸してるじゃない、気に入ったわ。でも残念ね」スッ


叢雲「今日でアンタとはおさらばよ!」ブンッ


??「ッ!」サッ


叢雲「ここががら空きよ!」ゴッ


??「ち゛っ!」ゴロゴロ


叢雲「さっきのを回避できるなんてやるじゃない。でも駄目。全然駄目。それじゃあ戦場では生き残

   られないわよ!」ヒュバッ


??「くっ!」バシッ


叢雲「ほらほらどうしたどうした!!」バシバシバシバシ


??「ッ!」ガッガッガッガ


吹雪「叢雲ちゃん、もう止めて!」


叢雲「はぁっ!」ブンッ


??「ぐっ!」ドンッ


叢雲「どうしたの?もうふらふらよ?深海棲艦はこんなに優しくないわよ」


??「 ハァハァハァ、…………そうだろうね」


叢雲「今すぐ出ていくって約束するならやめてあげるわ」


??「ははっ、吹雪ちゃんの前でそんなかっこ悪いこと出来ないよ」


叢雲「あっそ」


??「当然、叢雲ちゃんにもそんなかっこ悪いワタシを見てほしくないしね!」ニヤリ


叢雲「アンタ本当に馬鹿なのね」ハァ


??「誉め言葉として受け取っておくよ(このままじゃまずい!回避と防御で手一杯になって攻撃出

   来ない!どうすれば反撃できる!?)」


叢雲「さて、それじゃあそろそろお開きにしましょうか」スッ


??「叢雲ちゃんの負けでね(一瞬でも気を逸らすことが出来れば、カウンターを決めるチャンスが

   できるはず!けどどうやって――)」


叢雲「さような、らっ!」ブゥン


??「(気を逸らす……?そうだ――これなら!!)」


??「叢雲ちゃん!」




??「隙だ、結婚して!!」バン!




叢雲「は、ハァ!?この期に及んでアンタ何言って――///」フワン


??「今だ!」バッ




??「自己流『影渡』!」シュッ




叢雲「き、消えた!?」


??「ここだよ!」スッ


叢雲「背後!?卑怯な!」グルン


??「遅い!」ドゴッ


叢雲「っあ!」ゴロゴロゴロ


??「ワタシはちゃんと言ったよ?『隙だ』ってね」


叢雲「くっ、あ、イタタ……。やっぱり卑怯じゃない……」


??「戦略です」マガオ


叢雲「それは戦略とは言わないわ。小細工って言うの」


??「叢雲ちゃんに認められるならどんな小細工だって使って見せるさ」フフ


叢雲「何言ってんのよ、アンタってヤツは………………くふ、ふはははははははは!」


吹雪「叢雲ちゃんが壊れた!?」


叢雲「違うわよ吹雪。この子が予想以上に面白くて笑ってるだけ」フフフ


叢雲「艦娘として使えないようならここでふるい落とそうと思ってたけど、アンタなかなかやるじゃ

   ない」


??「やればできる子ですから」フンス


叢雲「言ってなさい」クスクス


叢雲「私は特型駆逐艦、五番艦の叢雲よ。よろしくルーキー」スッ


糧留菜(仮)「ワタシは糧留菜(仮)、よろしくね!」グッ


叢雲「なにそのダッサイ名前、もう一度考え直したほうがいいわよ?」


??「やっぱりダサかったの!?」ガガーン


叢雲「……誰にも言ってもらえなかったの?」


??「うん」グスン


叢雲「そう」



叢雲「なら私と出会えたことに感謝しなさい!」






吹雪「……っていい感じに終わらせると思ったらそうはさせません!」


吹雪「この部屋どうするんですか!?」


部屋「小破!」グチャグチャ


??「……どうしよう?」


吹雪「私は止めたからね!」


??「叢雲ちゃんどうする?」


叢雲「そうね。アンタに任せるわ、それじゃ!」バビューン


??「あ、逃げた!?」


吹雪「とりあえず片付けよう?」


??「うん……」グスン


~ 『華香る美少女』の部屋 ~


??「速攻で逃げるなんて酷いよ叢雲ちゃん」グスン


吹雪「壊れたところは後で提督に報告だね」


??「うわーん、内緒にしててよブッキー!」


吹雪「だーめーでーすー」


??「ちぇー吹雪ちゃんのケチー。でもまぁ叢雲ちゃんとイチャイチャできたからプラマイゼロか

   な!」ホクホク


吹雪「もうああいうセクハラみたいなことは禁止だからね!」


??「だが後悔はしていない!」バーン


吹雪「まったく、なんていうかブレないね……」


??「ワタシのいいところの一つだよ」


吹雪「そこが致命的な短所なんだけどなー」


??「そこは愛嬌でカバー!」ニッコリ


吹雪「はぁ、まあいいや。最後に案内しなくちゃいけない場所があるんだけど、今から行っても大丈

   夫?」


??「だいじょうブイブイ」vv


吹雪「それじゃあ付いてきてくれるかな?」


??「おっけー。それで最後はどこに連れてってくれるの?」


吹雪「最後はね――」


吹雪「執務室だよ」



~ 執務室 ~


吹雪「本日の任務の報告は以上です!」ビシッ


提督「ご苦労」


提督「それで、お前はどうだった?」


??「どう、とは?」ツーン


提督「鎮守府を見て回って、どう感じた?」


??「……みんないい人だと思った。ワタシもここでみんなと一緒に戦いたい」


提督「……そうか」


提督「だったらまず名前を決めなくてはな」


??「うーん、糧留菜は叢雲ちゃんにダサいって言われたからなー……そうだ!」


女修亜(仮)「『女修亜(じょしゅあ)』にしよう!」


提督「却下だ」


吹雪「アハハ……」


提督「他には?」


??「『減団亭(ベルダンディ)』『浮輪(プリン)』『競亜(セリア)』『疲史亜(ダルシ

   ア)』のどれにしようか迷ってる。提督はどれがいいと思う?」


提督「…………………ハァァァァ」フカブカ


吹雪「もう司令官が決めてしまっていいのではないですか?」


提督「そうだな、そうしよう」


??「えぇーっ!ちょっと待って!何がいけなかったの!?全部カッコいいじゃん!」


提督「却下だ。名前は考えておくからそれまで待ってろ」


??「ムムーっ!」プリプリ


提督「そう怒るな。お前を無理やりこの鎮守府にねじ込むのは大変だったんだ。それで許してくれ」


??「……それをここで持ってくるのは卑怯だよ」ボソリ


提督「それでは二人とも、本日の任務ご苦労だった。部屋でゆっくり休むといい」


吹雪「はっ!」ビシッ


??「あーっと、ちょっと待った」


提督「どうした?」


??「いくつか質問してもいい?」


提督「構わん」


??「じゃあ一つ目。提督は恐らく私が誰かを調べたと思っているんだけど、どう?」


提督「この鎮守府を預かるものとして、見知らぬものをタダで通すわけにはいかないからな。当然、

   あらゆる手段を使って調べた」


??「ワタシの正体は分った?」


提督「結論から言おう。全く、ほぼ何の情報も出てこなかった。俺のコネを使って他鎮守府の提督か 

   ら情報を集め、探偵を雇ってお前に似た人物の捜索をこなし、海軍本部にある艦娘に関する情

   報を片っ端から調べたが、面白いぐらいに何の情報も得られなかった。強いて得られた情報が  

   あるとすれば、『何も分からなかった』だな」


??「そっ、か……」


吹雪「…………」


提督「気を落とさなくていい」


提督「確かに、今回の調査では手掛かりは掴めなかったが必ずお前が何者であるかを突き止める」


提督「俺は艦娘を指揮する提督だ。艦娘は黙って俺を信じていたらいい」


??「そういうのパワハラだよ」フン


提督「ほう?少しは元気が出たようだな」


??「誰かさんが必死にワタシを励まそうとする姿が面白くて、少しだけ、ほんっっの少しだけ元気

   がでたよバーカ」


提督「それは上官への侮辱罪だぞ」


??「そんなの知らないしー」ベー


提督「お前は」


??「何さ」


提督「お前は何も考えなくていい。何も考えずただひたすら前を向いて歩け。道は俺が作る」


??「……急に真面目になんないでよ。反応に困るじゃん」


提督「俺はいつだって真面目だ」


??「提督はさ、私がもし、その、敵、だったらどうする?」


提督「知らん」キッパリ


??「知らんって……」


提督「お前の言う『敵』というのは何を指しているのか分らんが、俺はどんな状況になろうとお前を

   敵だと思わない」


??「どうして?」


提督「お前を信じているからだ」


??「はんっ、会って間もない人を信じるなんて馬鹿のすることだよ。提督ならもっと慎重になっ

   た方がいいんじゃない?」


提督「提督だからこそ、だ。お前が何者であっても俺の艦娘に違いはない。だから俺はお前の調査を

   すれどもお前を疑ったことは一度もない」


提督「提督は――いや、俺は」



提督「俺は艦娘を信じている」



??「……提督も以外と熱いとこあるじゃん」


提督「俺は感情を出すのが苦手なだけだ」


??「フン、あっそ」フフ


??「じゃあそんなに言うならワタシのことについては提督に全部任せることにするよ!でもワタシ

のことが分かるまでワタシに話しかけないで!いい?」ジトー


提督「クック!それは難しい相談だ」


??「話しかけてきても無視するからね!あの時のことワタシはまだ根に持ってるんだからね!?」


提督「なら応じるまで話しかけるまで」


??「ホンット、この人嫌い……」ムスー


提督「それで?お前の質問はそれで終わりか?」


??「あ、いや、もう一つ……」


提督「何だ?」


??「例えばだよ?例えばー、事故か何かで壁にひびが入ったとするでしょ?そう、例えばお風呂場  

   だとして、そこの壁がたまたま偶然ひびが入ったとしても、その時居合わせた人に責任って

   いよね?」


提督「さっさと直してこい」


??「はい」



~ 『華香る美少女』の部屋 ~


??「ああ゛あ゛ぁぁぁ疲れたっ!!」グッタリ


吹雪「お疲れ様」


??「吹雪ー修理手伝ってくれてありがとー」ダキッ


??「吹雪がいなかったら明日の朝まで続いてだよ……」グスン


吹雪「これに懲りたらもうあんな馬鹿なことしちゃダメだよ?」メッ


??「はーい、もうしません」


吹雪「それじゃあ私は自分の部屋に戻るね」


??「あ、吹雪、ちょっと待って」


吹雪「どうしたの?」


??「今日は鎮守府を案内してくれてありがと」ギュ


吹雪「えへへ、どういたしまして」


??「吹雪ちゃん、泊まってく?」チラリ


吹雪「遠慮しておきます」ズィ


??「ちぇー」


吹雪「それじゃあまた明日」


??「おやすみー」


吹雪「早く提督に名前決めてもらえるといいね」


??「いい名前になるといいんだけどねー」


吹雪「……あれ?そう言えば大淀さんとの会話をたまたま聞いたんだけど」ピタリ


??「今朝のこと?」


吹雪「うん。提督の嫌いな理由が自分の考えた名前を否定されたからって話だったよね」


??「そうだよ」


吹雪「じゃあばっさり切り捨てた叢雲ちゃんも嫌いな対象になるのでは?」ハテ


??「……………………あーまぁね。うん、叢雲ちゃんは特別だよ特別。めっちゃ可愛いもん」アセ


吹雪「それに執務室で提督が名前を却下した時も大して怒ってなかったよね?」


??「んん?そんなことはないよ?激怒よ、そりゃもう鬼怒よ」アセアセ


吹雪「………………」ジー


??「どうしたの吹雪」


吹雪「怪しい」


??「怪しくない、よ?」メソラシー


吹雪「もしかして提督と何かあった?」ジトー


??「っ!?そ、そんなことあるはずがないじゃないですかやだー///」


吹雪「顔が赤くなってる!?やっぱり何かあったんだ!」


??「ないない!何もない!何もなかったの!!///」


吹雪「よし。今日はここに泊まろうかな!」


??「えぇ!?いきなりの心の変化!」


吹雪「今日はこのネタで一晩いじり倒しちゃうんだからねー♪」ワキワキ


??「いや、もう解散しよ!ねっ?」


吹雪「今日は割と散々な目に合わされたからたっぷりとお返しをしなくちゃね♪」


??「あー根に持ってたー」



吹雪「それじゃあ覚悟してね?」ニッコリ



―― 第二話 「アナタ艦娘辞めて鎮守府を出なさい」  艦 ――




後書き

ここまで読んで下さりありがとうございます
応援メッセージなど頂けると続編を書く気力が沸きます
よろしくお願いします
要望あればストーリーに出てこなかった主人公の裏話とか書いていきます


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謎提督さんから
2018-08-31 19:23:46

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謎提督さんから
2018-08-31 19:23:50

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