2018-09-25 00:25:23 更新

「ふぅ…疲れたぁ…」

日も傾いた頃、路地を一人の少女が歩いている。

「和服の着方教えてもらえてよかったなぁ…夏祭りで恥かかなくて済みそう」

少女、近衛榛名はつい先ほどまで薙刀のお稽古をして、ついでに和服の着方も教わっていたのだ。

榛名「帰ったらとりあえず寝るかなぁ…」

あくびを噛み殺しつつ家路を急ぐ。


駅のホームに着き電車が来るまでまだ時間があったので、ベンチに座って休む事にした。

榛名「ふぁ…眠い…」

次第に荷物を抱えたままだんだん船を漕いできてしまう。

榛名「…」

ものの数分で意識が朧げになってきていつの間にか眠ってしまっていた。


『貴女の愛を頂戴』

誰かもわからない女の声が夢の中で聞こえた。


榛名「…はっ」

いきなり誰かもわからぬ声を聞いて目が覚める。

榛名「今の夢なんだったんだろう…」

ふと、周りを見渡すと自分の荷物が消えていて見知らぬところに座り込んでいる。

榛名「不気味なところ…まだ夢の中なのかしら…」

自分の頬をつねってみたが、確かな痛みがある。

榛名「痛い…てことは現実…。えぇ…早く帰らなきゃ…」

とりあえず立ち上がって土を払う。

榛名「なんか…貧民街みたい。晴れてるのにこんなに暗いのね」

暗くてそこまで広くない路地を、どこか大通りに出るために歩く。

榛名「出口ないなんてないよね」

かすかな不安が心をよぎるが、迷ってても意味がないと思ってとにかく歩く。


数分歩いたが大きい通りも人っ子一人も見ない。

榛名「誰もいない…見つかったら見つかったで大変そうだけど…」


ごろつきA「おいそこの嬢ちゃん」

榛名「はい?」

ごろつきA「そこで何してんだ??」

榛名「えぇっと…その…」

後ろのごろつきたちが何やらこそこそ話している。

ごろつきB「久しぶりに上玉じゃねえ?ヤっちまおうぜ」

榛名「っ…!」

その言葉を聞いて後ずさる。

しかし後ろからも数人のごろつきが来る。

榛名(やばい…)

ごろつきたちがじりじりと近づいてくる。

榛名「嫌っ…」

ごろつきの一人に腕をつかまれる。

榛名「離して!」

腕を離そうと抵抗する。

ごろつき「あんま暴れるとケガするぜ」

榛名「いいから離しなさい…!」

思いっきりごろつきをはたく。

ごろつき「このアマ…!」

片手で首をつかんで壁に思いっきり叩きつける。

榛名「かはっ…」

ごろつきがつかんだ腕を離して両手で首を絞めにかかる。

榛名「やめ…あっ…」

抵抗するがだんだん意識が遠のいてくる。

ごろつきc「殺すなよ~」

ごろつき「わーってるよ」

榛名「嫌ぁ…」

全身から力が抜けて目の前が真っ暗になる。


次に目を覚ました時に最初に目に入ったのは知らない薄暗い天井だ。

榛名「ここは…」

意識が鮮明になると同時に、腹部に鈍い痛みが感じられる。

ごろつき「やっと起きたか」

榛名「あなた…何を…」

ごろつき「自分の体見てみろや」

榛名が目を下に向けると、服が剥かれていて白く透き通るような肌が惜しげもなくさらされている。

榛名「なっ…!?」

手で隠そうとするが、腕が鎖に結ばれていて動かせない。

榛名「服返して!」

ごろつき「立場が分かってねえみたいだなぁ」

後ろから3人ほど全裸の男が入ってくる。

榛名「来ないで…!」

ごろつき「そいつは無理な相談だ」

体に触ってくる。

榛名「嫌ぁ…」


ほかのごろつき達も体を触ってきて暫くして行為に及んでくる。

榛名は三、四回目には意識が闇の中に落ちていた。


『あらら…死んじゃったみたいだね』

『まぁ君は戻るんだから別にいいけど…』

『ふむ…君のものが欲しくなった。代わりにいいもの上げるから許してね』

榛名がこの声を聞いたと思ったら次の瞬間最初の路地で目が覚めた。


榛名「え…?さっきまで…え?」

軽く混乱しているが、目の前は事実は変わらない。

いつの間にか戻っているのだから。

榛名「よくわかんないけど…さっきと同じなら早く逃げなきゃ」

最初と反対の方向に駆け出す。

榛名「体が軽い…?」

さっきの数倍以上速く走れていて戸惑いを見せる。


ドンッ

榛名「痛っ…」

ごろつき「痛ってえなぁ…」

榛名「あっ…ごめんなさ…っ!?」

顔を上げるとそこには先ほど襲ってきたごろつき達がいた。

ごろつき「あぁ?」

榛名「逃げなきゃ…」

後ろから出てきたごろつきの仲間たちは先ほどと違って武器を持っている。

榛名「嘘…」

ごろつき「抵抗しないで捕まるならこいつは使わねえが…」

榛名(さっきみたいに走れるなら逃げ切れる…はず)

ごろつきが榛名の腕をつかむが榛名が逃げようとする。

ごろつき「手足の一本折ればおとなしくなるか」

榛名「離してっ!」

ごろつき「うおっ!?意外に力強ぇ」

ごろつきが囲んできて、手に持つ武器で切りつけようとしてくる。

榛名「やめてっ!」

ごろつきのつかむ腕を振りほどく。

振りほどかれたごろつきが尻もちをつく。

ごろつき「痛ぇ…やりやがったな…やっちまえ!」

ごろつきが手にした武器を構えて襲ってくる。

榛名「ひっ…?!」

一瞬驚いて体が硬直してしまう。

その隙を見逃さず剣やハンマーで攻撃してくる。

榛名「ぐっ…がはっ…」

吹き飛んで、壁にたたきつけられて血を吐く。

さらにお腹にメイスがたたきつけられる。

榛名「ぁ…っ」

意識が遠のいていくが、気力を振り絞って立ち上がり逃げ出す。

榛名「はぁ…はぁ…出口は…」

後ろから弩や弓が飛んできて何発か背中に刺さってバランスを崩すが何とか耐える。

ごろつき「なんであれだけやって死なねえんだ…」

地面に滴ってる血を追ってごろつきもやってくる。


暫く逃げ続けると、先に明るい通りが見えてくる。

榛名「あそこまで…いければ…」

ごろつき「テメエ!待ちやがれ!」

飛び道具が後ろから絶え間なく飛んでくる。

榛名「あと…ちょっと…はぁ…はぁ…」

あと明るい通りまで二メートルというとこで、ごろつきの一人が放った弩が足に、もう一人の放った弓が背中に刺さって榛名を転ばせる。

ほかの者が放った矢は通路のほうに飛んで行った。

がその場で気にする者はいなかった。


榛名「嘘…」

ごろつき「手間かけさせやがって…」

寄ってきて髪を掴んで顔を強引に上げさせる。

榛名「そんな…」

ごろつき「楽には死なせてやらねえ」

ごろつきが榛名の足めがけて斧を叩きつけるため振りかぶる。

榛名(嘘…また死ぬ…?)


目をぎゅっとつぶる。

しかし、いつまでたっても斧が振り下ろされない。

不思議に思って恐る恐る上を向いてみると、ごろつきの手首から先がなくなっている。


「何をやっている」

ごろつき「て…テメエは…」

路地の出口に、緑色の髪の凛々しい女の人が立っている。

榛名「た…助けて…」

男が硬直しているうちに這って女の方へ向かう。

「その言葉受け取った」

ごろつき達が逃げようとするが女が腕を振るだけで足が切れて転ぶ。

女の後ろから猫耳の女の子が出てくる。

「にゃにゃ?大丈夫かにゃ?」

榛名「助けて…」

緑髪の女が目配せして猫耳の娘が治療を始める。

その間に緑髪の女がごろつきを拘束する。

暫くして猫耳の娘が治療を終えて一息つく。

ほぼ同じタイミングで安心感によって榛名が気を失ってしまう。

「ありゃりゃ。どうしましょ?クルシュ様」

「ふむ…とりあえずはこやつらを引っ張っていかなきゃいけないからな…。事情も聴きたいし手ごろな宿屋にでも連れて行っておいて診ておいてくれ」

「了解しました~」

抱っこして猫耳の娘が宿屋へ連れて行く。


榛名が目を開けるとそこは清潔感のある高級そうな部屋だった。

「あ、目を覚ました?」

榛名「は…はい…」

「とりあえず、外傷は全部直したからね。ただ、抜けた血は戻せないから激しい運動はしないでね」

榛名「ありがとうございます…なんとお礼をしたらいいのか…」

「お礼…ねぇ…。じゃあお話し聞かせてくれないかにゃ?」

榛名「…?わかりました。何でも話します」

「ん。いい返事。まず気になったのがね?あんだけ出血してたのに生きてたね」

榛名「それは…奇跡としか…」

ガチャ

扉を開けて、助けてくれた緑の髪の女が入ってくる。

「おお。目を覚ましていたか」

榛名「おかげで助かりました…ありがとうございました」

「いや、助けたのはフェリスだ。礼はフェリスに言うといい」

榛名「フェリス…さん。改めてありがとうございます」

フェリス「いいっていいって~」

榛名「そういえば、名乗ってませんでした。私、近衛榛名と申します」

名乗りと同時にベッドの上で深々と礼。

フェリス「ハルナちゃんか~いい名前だね」

クルシュ「私はカルステン家のクルシュだ。よろしく頼む」

榛名「クルシュさん…よろしくお願いします」


クルシュ「話は変わるが…よくハルナは生きていたな」

榛名「いえ…助けて頂いたおかげで…」

フェリス「いやいや。普通の女の子が矢やら弩やら刺さっててあんなにお腹えぐれてたら死んでるよ?」

クルシュ「あやつらの中にはメイスを持っているものもいたからな。よく死ななかった」

榛名「そう…ですか」

フェリス「うんうん」


クルシュ「さて。ハルナはどこ出身だ?というか君の家まで送り届けようと思うのだが」

榛名「えぇっと…」

恐らく多分ここは前いた世界とは異なる場所だと考えている榛名は答えに詰まってしまう。

榛名「とっても東…から来ました」

クルシュ「東?」

フェリス「それってほんと?」

榛名「はい」

榛名の応答を聞いてクルシュ達は顔を見合わせる。


フェリス「ここよりずーっと東って言うと大瀑布しかないよ?」

榛名「大瀑布…そんな呼び方なんですね…」

なんとなく、答えられない事情なのだろうと二人とも察しこの話題を打ち切る。


フェリス「ふーん…。そういえばなんであんなとこにいたのかにゃ?」

榛名「それが…いつの間にかあそこにいて…」

フェリス「いつの間にか?」

榛名「はい…どう来たのかすら覚えてないんです」

フェリス「それは…なんというか…大変だったネ」


クルシュ「ということは誰かと一緒に来てはぐれた、ということでもないしこれからのあてもない…ということか?」

榛名「はい…」

クルシュがそこで少し考え込む。

フェリス「とりあえず…暫く面倒見てあげてもいいんじゃないですか?クルシュ様」

榛名に聞こえないくらいの声でこそこそ話しかける。


榛名(というか荷物も全部なくなっちゃったのかなぁ…困った)

フェリス「そういえば、治療のために服脱がせてもらったけどお手紙が入ってたよ?」

榛名「お手紙?」

フェリス「はいこれ」

そこまで厚くない白い手紙を手渡される。

榛名「これ…いつの間に…」

フェリス「まぁ読んでみたら?」

榛名がこくりと頷いて封を切る。


仲には一枚の地図が入っている。

榛名「地図…印が一つだけついてますね」

フェリス「地図?ちょっと見せてー?」

榛名「どうぞ」

フェリス「んー…?これってここらへんだネ」

榛名「そうなんですか?」

フェリス「うん。でも商店ばっかだよ?何があるんだろ…」


クルシュ「よし。決めた。ハルナよ。我が館に暫くいるといい」

榛名「いいんですか…?」

クルシュ「構わん。どっちにしろこれからのあてもないのだろう?」

榛名「はい…ありがとうございます」

フェリス「やっぱりクルシュ様素敵すぎ…」

うっとりとフェリスがつぶやいている。


フェリス「そうだクルシュ様。この地図のところちょっと見てから行きません?」

クルシュ「この地図は?」

フェリス「ハルナちゃんの懐から出てきた謎の手紙ですよ」

クルシュ「まぁ、構わないぞ」

フェリス「だってサ」

榛名「何から何まで…ありがとうございます」


次の日

フェリス「立てる??」

榛名「はい…何とか大丈夫ですフェリスさん」

フェリス「さん付けなんて堅いにゃあ…フェリちゃんでいいよ?」

榛名「じゃ…じゃあ…フェリちゃん」

フェリス「よろしいっ」


宿屋の玄関前でクルシュが待っている。

榛名「お待たせしました!クルシュさん」

クルシュ「そこまで待っていないから心配しなくて良いぞ」


宿屋を離れて、地図に記されているところに向かう。


榛名「賑やかなとこですね…」

フェリス「まぁ商人いっぱいいるしね〜」

榛名「なんか魅力的なものが多くて目移りしちゃいそうです…」


フェリス「この細道入って右手にお店あるみたいだネ」

榛名「細道ですか…」

クルシュ「今回は卿一人ではないのだから安心するといい」

フェリス「そうそう!クルシュ様がいればだーれも襲ってなんかこないこない!」

榛名「えへへ…ですね!」

3人が細道へ入り、例の店に入る。


店主「いらっしゃい」

少し顔の厳つい体つきのガッチリした店主が迎えてくれた。

榛名「あ…あの…。この地図がいつの間にかあって…ここに印がつけてあったんですけど…」

店主「ん…?もしかして、あんたがハルナ…?さんかい?」

榛名「あ…そうです」

店主「ちょっと待ってくんな!」

店の奥に引っ込んでから大きい木箱を持ってくる。

店主「うちは荷物を仲介するのもやってんだけどな?数日前にこれをあんたに渡しといてくれってやつが来てさ」

榛名「これは…開けてもいいですか…?」

店主「おうとも。そっちの台使っていいからそこで開けてくれ」

と言いつつ店主が木箱を台まで持っていく。

榛名「ありがとうございます」


フェリス「なあに?この木箱」

榛名「さぁ…開けて見ますね」

榛名がギギギっと木箱を開く。

中には、ここにくる前持っていた和服やその他の日用品の入ったバッグとともに

本物の薙刀が入っていた。

榛名「これ…薙刀…うちに飾ってあった奴…」

フェリス「なにこれ?」

榛名「そっちは…私の服とかが入ってますね」

フェリス「へぇ…あんま見ない感じだネ」

榛名「あとでしっかりお見せしますね」

フェリス「この反ってる剣?みたいなのもハルナちゃんの?」

榛名「ここにあるってことは…多分」

フェリス「へぇ…」

榛名「とりあえず…全部持って行ってもいいですか…?」

クルシュが無言で頷く。

榛名「ありがとうございます…!」


店主「毎度ー」

いったん全部の荷物を回収して店を出て、竜車の元へ向かう。

榛名「ほぁぁ…これが…竜?ですか」

フェリス「ハルナちゃん竜車乗ったことないのかにゃ?」

榛名「はい…初めてです」

フェリス「ま、いいや。乗って乗って!」

クルシュ達と竜車に乗る。

榛名「中は結構広いんですね…」


暫くして竜車が出発し、速度も乗り始めた頃。

クルシュ「さて」

榛名は改めて背筋を伸ばしてクルシュに向き合う。

クルシュ「質問をいくつかいいだろうか?」

榛名「はい…!」

クルシュ「まず一つ。卿はなぜあのようなところにいたのだ?」

榛名「えぇっと…わからないんです…」

クルシュ「ふむ…」

少し榛名を見つめた後次の質問に移る。

クルシュ「では次の質問。卿は加護を持っているのか?」

榛名「加護…?」

フェリス「まさかしらにゃい…?」

驚いたように聞き返す。

榛名「ごめんなさい…わからないです」


フェリス「えーっとね?加護っていうのは生まれた時から備わってる能力みたいなものにゃんだけどね…?」

榛名「生まれた時から…誰にでもあるんですか?」

クルシュ「加護を持っている者のほうが圧倒的に少ない…と言われている」

榛名「そうなんですか…私には備わってるんでしょうか…」

クルシュ「フェリスが言ったように生まれたときから備わっているから、もしあるなら何か無意識にでも自覚があるはずだが…」

榛名「自覚…確かに体が軽くなって身体能力が上がったような…上がってないような…」

フェリス「結構曖昧だネ…」

榛名「ごめんなさい…」

フェリス「攻めてるんじゃにゃいんだから謝らなくてもいいよ」


クルシュ「まぁ…質問はこのくらいでいいだろう。また卿に聞きたいことがあればそのとき聞かせてもらうが…大丈夫だろうか」

榛名「もちろんです!」


そこで質問はいったん終わりになり、屋敷に着くまで他愛のない会話をして過ごした。


榛名(かっこいい人だなぁ…クルシュさん)


屋敷についたので、竜車の扉が開く。

クルシュ「もう降りても大丈夫だぞ」

榛名「あ…ありがとうございます!全然揺れませんでしたね…竜車って」

フェリス「この竜には加護が付いてるからネ」

榛名「へぇ…竜にも加護が…」


竜車から降りると目の前に豪華で大きな屋敷が現れた。

榛名「おっきい…ですね。圧倒されちゃいます…」

クルシュ達は先に屋敷の中に入っていく。

フェリス「早くおいでー!!」

榛名「はーい!」

足早に追いかけていく。


大きい正面扉を開くと、そこには数人のメイドが主の帰りを待っていた。

メイド衆「おかえりなさいませ」

クルシュ「ただいま。留守中何かなかったか?」

メイド「これと言ってとくには」

クルシュ「そうか」


榛名(すご…生でメイド見たの初めてかも)

メイド「時にクルシュ様。そちらの見慣れない御仁はどなたでしょうか」

クルシュ「ああ。ちょっとした事情があったのでしばらくこの屋敷に泊めることにした。部屋は余っていたな?」

メイド「はい。今すぐにでもご用意いたします」

クルシュ「では案内してやってくれ。旅の疲れもあるだろうしな」

メイド「かしこまりました」


そういうと、メイドが榛名の元へ来る。

メイド「ではお客様。こちらになります」

榛名「あ、ありがとうございます!」

メイド「申し訳ありませんが、お手持ちの武器はそこのメイドにお預けくださいませ」

こくりと頷いて武器をメイドに預ける。

メイド「以上でよろしいでしょうか?」

榛名「はい」


メイドに連れられ大きい扉のある客室に案内される。

榛名「広い…」

メイド「ご用件ございましたらお気軽にお呼びくださいませ」

榛名「はい!」


メイドが部屋から出て行ったところでベッドにダイブして天井を見上げる。

榛名「すごいとこに来ちゃったなぁ…」

そのまま天井を見上げてるうちに睡魔に耐え切れなくなって眠ってしまった。


クルシュ達は同じ頃、執務室にフェリスと入って何事か話していた。

クルシュ「フェリス。率直に聞こう」

フェリス「にゃんでしょうか?」

クルシュ「ハルナのことについてだ。フェリスはあの娘をどう思う?」

フェリス「ハルナちゃん…。フェリちゃん的にはしっかりとした教育は受けてるそれなりの身分の娘にゃんだと思うんですけど…」

クルシュ「常識がなさすぎる…か?」

フェリス「はい…誰でも知ってる事知らないとかってあの言葉遣いの丁寧さから考えられるんでしょうかにゃあ…」

クルシュ「やはりそう思うか」

フェリス「あと、多分にゃんですけど…クルシュ様みたいに加護持ってるんじゃないかにゃあって思います」

クルシュ「どのようなものだと思う?」

フェリス「ハルナちゃんが亜人だとは考えにくいので…普通にゃらあの傷で生きてられるとは思えにゃいので身体強化…もしくは身体保護…とかでしょうかネ」

クルシュ「自覚は曖昧だがあるようだし…見極めが必要だな」

フェリス「ですネ」


翌日

榛名の体を誰かが揺すっている。

榛名「ん…ぁ」

メイド「ハルナ様。起きてくださいませ」

榛名「メイドさん…?」

メイド「朝になりましたわ。朝ごはんのご用意もできております」

榛名「朝…」

寝ぼけ眼を擦りながら体を起こす。

メイド「おはようございます。ハルナ様」

丁寧にお辞儀をして挨拶をする。

榛名「おはよう…ございます…」

ぼーっとしつつもメイドに連れられて朝ごはんを食べるため大部屋に向かう。


大扉がぎぎっと音を立てながら開けられると、既に中にはクルシュ達がいた。

フェリス「ハルナちゃん朝弱いのかにゃ?おはよ~」

榛名「おはようございます…フェリスさん…クルシュさん」

クルシュ「おはよう」

メイドに席まで案内されて、夢現ながら椅子に座る。

座ったところで朝ごはんが運ばれてくる。

メイド「どうぞ」

榛名「ありがとう…ございます…」

榛名「いただきまーす」


榛名「おいしい…!」

クルシュ「それはよかった。作った者も喜んでいるだろう」

榛名「こんなご飯食べれて幸せです…」

蕩ける様な笑顔を周りに振りまいている。

フェリス「幸せそうだにゃぁ」


食べ終わる頃になってクルシュがまた話しかけてきた。

クルシュ「ハルナよ。卿は今日何するつもりだ?」

榛名「うーん…このお屋敷見て回りたいです。あと…大丈夫だったらなんですけど…薙刀に触らせてもらってもいいですか…?」

クルシュ「ナギナタ…あぁ卿が持っていたあの武器か」

榛名「無理なら全然いいんですけど…」

クルシュ「ふむ…少々待ってもらってもいいだろうか」

榛名「はい!わかりました!」


朝ごはんを食べ終わってから、部屋に戻って備え付けてあった本を読もうとする。

榛名「こっちの本はどんな感じなんだろう…」

ぺらぺらと数ページめくってみる。が…

榛名「何この文字…読めない…」

少なくとも英語や日本語ではない文字がつらつらと書き連ねてある。

榛名「後で聞いてみよう…」

読むのを諦めて本を閉じて元の場所に戻す。

榛名「ちょっと暇…だなぁ」

ぼーっと天井を見つめながら今までにあった出来事を思い出す。


数時間たったところで部屋の扉がノックされる。

榛名「はーい」

メイド「失礼いたします」

榛名「どうされました?」

メイドが榛名の薙刀を持って入ってくる。

メイドの後ろには初老の執事のような人が立っている。

榛名「えっと…初めましてです…」

ヴィルヘルム「お初にお目にかかります。ヴィルヘルムと申します。この館で雇われております」

榛名「近衛榛名と言います…よろしくお願いします」

メイド「自己紹介が終わったところで…本題に移らせていただきます」

榛名「はい」

メイド「ハルナ様に薙刀を渡すことをクルシュ様は条件付きで認可されました」

榛名「条件?」


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6件コメントされています

1: SS好きの名無しさん 2018-09-07 21:20:45 ID: TZFGveCi

ほんの少し、とても少し、かなり少し、気になるのは事実ですねw
表現の仕方はなかなかだと思いますが、キャラの口調とかまだ掴みきれてない気がします。

2: こけこっこ 2018-09-07 23:59:08 ID: eIpj8sqS

コメントありがとうございます!
ごめんなさい…まだ10巻までを1周+Zeropediaしかしてないので…もっと読み込んで口調つかんでいきます!

それまではどうかご容赦を…

3: SS好きの名無しさん 2018-09-09 02:25:18 ID: QYOH32rf

↑の者ですw
そうだったんですか、でしたら「Re:ゼロから始める異世界生活Ex 獅子王の見た夢」を読んでみてはいかがでしょう? あれでしたら、クルシュやフェリスのこともよく知れると思いますよ(^-^)

4: こけこっこ 2018-09-09 08:58:15 ID: JnbRyloc

コメントありがとうございます!
獅子王の見た夢読んでみました!

何回か読み返して深めてきます!

5: SS好きの名無しさん 2018-09-09 11:01:41 ID: QYOH32rf

お、そうですかw
頑張ってください!

6: SS好きの名無しさん 2018-09-14 01:45:08 ID: Jjb50BF4

プリシラさんよぉ、フェリスがナ行を普通に喋ってんとこあるんすけど、いいんですかいな?


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