2018-09-10 19:38:18 更新

概要

※触手、百合表現が含まれます。苦手な方は閲覧をお控えください。

6人全員、無事に救助された空母艦娘たち。
しかし、翔鶴の心にはその陵辱の記憶が刻み込まれていた。
それを見た赤城は…


前書き

※誤字・脱字等ありましたらお知らせいただけると助かります。



↑こちらの話の続きです。



↑第一話はこちら




□□□□□□□□□


Side:飛龍



私達はすぐ赤城さん達と合流した。

皆黒い皮を纏っていたのに驚いたが、皆は私に感情が戻ったことに驚いていた。

皆にもみくちゃにされながら、私はその暖かさに涙を溢す。

もう会えないと思っていたから余計に嬉しくて仕方なかった。



その後すぐ、私達は地下施設から出る。外には提督と何人かの艦娘が待機しており、私達を見て驚愕の表情を浮かべていた。

まぁ、すごいビジュアルではあったと思う。

すぐに六人仲良く保護され、他に誰もいない病室へ連れ込まれた。

浸食衣を取り払う為だ。


私が一番に呼び出され、一人別の部屋へと移る。

そこには白衣を着た研究員の女と、それを取り囲むように艦娘や提督が詰めていた。

何をされるのかと身構えていたが、提督達がいるなら安心だ。

研究員は注射器を用意し、浸食衣に何かの薬剤が注射する。

すると、身体を包んでいた締め付けが僅かに緩くなった。


注射されたのは浸食衣を弛緩させる薬らしい。

ソレを打たれた浸食衣を引っ張るとまるでゴムのように伸びた。

背中側にハサミで切り込みが入れられ、久々の外気が肌を撫でる。


私はシャワー室に通され、そこで浸食衣を脱ぐよう指示された。

粘液がベタベタになっていて肌から剥がすと粘着質に糸を引いたが、脱げない程ではなかった。

私は腕を引き抜き、胸を肉から引っ張り出して解放する。

上半身まで一旦脱ぐと、シャワーを浴びながら全身の粘り気を落とし、下半身に手をかけた。

ぐっと黒い皮を引き摺り下ろし、白い下腹部が露になる。

そして、埋まっている肉棒も。


これが私を苦しめていたのかと思うと、私は歯痒い思いだった。

この肉棒だけは今だその固さを保っていたので、私はここまで来るのになんとももどかしい思いを味わっていた。

肉棒をゆっくり引き抜く。


飛龍「んっ……」


ピリピリと中が痺れ、僅かに内腿を擦り合わせる。

小さな水音と共に肉棒が抜けていった。

まるで脱皮するようにペリペリと足を皮から引き抜き、脱いだ皮を傍らのコンテナに放り込む。


遂に体が解放された。

私はシャワーヘッドを頭上に固定すると、凝りきった身体を解すようにお湯を浴びた。


温かいお湯が肌をなで、気持ち悪い粘液の感触が流れ落ちていく。

そうしていると、私は改めて自分が助かった事を強く認識していくのだった。


飛龍「……………助かったんだな、私」


そう一人呟く。

本当に、蒼龍や皆には感謝してもしきれないなと思った。




□□□□□□□□□


Side:翔鶴


飛龍さんが病室に戻ってくるまではしばらくかかった。

その間に瑞鶴や蒼龍さんや加賀さんが呼び出されていく。

蒼龍さんが病人用の浴衣に着替えて帰ってくると、なぜか肌艶が増していた。


瑞鶴「蒼龍…………やったの?」


蒼龍「っ…もう!私がどれだけもどかしい思いしたと思ってるのよ!」


先に戻っていた瑞鶴が蒼龍さんに話しかけると、蒼龍さんは真っ赤な顔で瑞鶴の背中を叩いている。

よくわからないが、それを見て瑞鶴は何故かニヤついていた。

赤城さんは何か察していたようだが、私にはわからなかった。


遂に部屋には私と赤城さんだけとなる。

すると、ふと赤城さんがトイレに立った。


私もトイレに行きたくなったので、赤城さんの後を追ってトイレに向かう。



トイレはすぐ近くにあり、個室に入り用を足す。

その時、あることが気になった。


私の股間は露出しており今は白衣で隠している。

そして、露出しているため用を足す分には問題ない。


しかし赤城さんはどうか。

股間には貞操帯型の淫具が張り付いていて、用など足せないはず。


なぜトイレに?

大きい方かと首をかしげるが、ふと離れた個室から乱れた吐息が聞こえてきた。


くちゅくちゅという、淫らな音も。

それで、私は嫌でも赤城さんが何をしているか察してしまう。


赤城さん、まさか個室で……


赤城さんが、昂った身体を慰めている。

凛として気高く、いつも頼もしいあの人が手淫に耽っている。

その姿を想像していると次第に下腹部が切なくなり、気づけば秘部が蜜を溢していた。

その淫猥な吐息にあてられたのか、私も淫らな気分になっていたのである。


ただ、単純に欲情しているだけじゃない。

身体を包む黒い皮は、動かなくなったといっても未だ肉感的に着用者を締め付け、快感を倍増させている。

更には内側に残った媚薬入りの粘液が身体を昂らせ、僅かに身をよじっただけでも内壁の絨毛が肌や突起を擦り性感帯を刺激するのだ。


多分、赤城さんもそのせいで我慢しきれなくなったのだろう。

それに、赤城さんのナカには肉棒も捩じ込まれている。

尚更もどかしかった筈だ。


くちゅ……


翔鶴「んっ…」


気づけば、指で陰核を弄っていた。

陰核は充血し、いままで散々刺激されたせいで酷く敏感になっている。

私ももう、我慢できそうになかった。

イケナイ事をしていると思いながらも、声が漏れないよう口に手を当てながら秘部を弄っていく。


赤城「─────翔鶴さん、いるの?」


そうしていたら、赤城さんから声をかけられていた。

疑問符は付いているが、赤城さんの声は私の存在を確信していた。

勘が鋭い赤城さんなら、当然私の気配にも気づく。

ましてや僅かにでも声を出せば、確実に気づかれるだろう。


私は観念するしかなかった。


翔鶴「……いますよ、赤城さん。」


そう言うと、個室の扉が開く音がする。

そして、浸食衣を纏った者が歩く時のねちゃねちゃという音が近づいてきた。


赤城「扉、開けてもらえる?」


私は、扉の鍵を開けるか一瞬躊躇う。

開ければ、恐らく後戻りはできない。


けど、私の秘部はトロトロと蜜を溢し続け、中はもはや蜜壷と化していた。

体が酷く疼き、慰めたくて仕方がない。


私は、ゆっくりと扉を開けた。


赤城さんがフラフラと個室に入ってくる。

その頬は赤く染まり、蕩けた瞳が私の視線と交錯した。


ガチャン


赤城さんが、後ろ手に鍵をかける。

狭い個室に、二人っきり。

気づけば個室の側壁へと私は追いやられ、お互いの息が顔にかかる程私達は密着していた。


浸食衣越しに赤城さんの豊かな胸と私の胸が合わさり、その温もりと柔らかな感触が伝わってくる。

心臓が早鐘を打っている。

これから始まるであろう行為に、私は緊張を隠せなかった。


そんな私を、赤城さんは優しく包むように微笑んだ。


赤城「翔鶴さん……覚悟は、いい?」


翔鶴「赤城さ───んむっ」


赤城さんのプニプニとした唇が、私の唇に重なった。


初めてのキス。

お互いの唇が触れあい、豊かな幸福感が広がっていく。

僅かに濡れた赤城さんの唇が私の唇を撫で、覆い被さるように優しく食んだ。


何も知らない私を導くように、僅かに唇を外して息を吸わせ、そして唇の吸い方を教えてくれる。

私は赤城さんが教えてくれるやり方を真似するように、赤城さんの唇を舐め、包むように吸った。


赤城さんは一旦唇を放すと、紅潮する私の頭をゆっくりと撫でた。


赤城「翔鶴さん、その調子…次、いきますよ」


台詞こそ訓練の時のようだが、その口調は甘く私の心をくすぐってくる。

赤城さんは私の後頭部を軽く押さえ、唇を再び合わせてきた。

私も応じると、先程よりも早い動きでキスしてくる。

私もそれに合わせると、赤城さんは私の口に舌をゆっくりと差し込んできた。


私は驚くが、赤城さんは舌を絡めとるように動かし、私の口のなかを味わうように舐めてくる。

赤城さんは私の舌を器用に絡めとると、自分の口へと引き込んだ。

舌が吸われ、ピリピリとした快感が私の頭を蕩けさせる。


息継ぎのタイミングがピタリと合い、お互いの唇が離れる。

そして、今度は私が赤城さんの舌を絡めとった。

個室に響く私達の吐息とキスの音。

その音が壁に反響して私達の耳に返ってくると、私達の体は更に昂っていく。


唇が離れ、お互いの唾液が糸を引いた。

誉めるように、私の頭を赤城さんの手が撫でる。


赤城「ふふ……上手いわ翔鶴さん。」


翔鶴「赤城さんが上手なので……続き、教えてください。」


赤城「次はちょっとキツいですよ。ちゃんと、着いてきてね…?」


翔鶴「はい───んっ」


再び赤城さんの唇が合わさり、濃厚な舌の絡め合いになる。

すると、赤城さんの手が腰を這い昇るように背中をゆるゆると撫で、首筋を擦り、私の胸へと覆い被さった。

もう片方の手は私の腰に周り、私が離れないようしっかりと押さえている。


赤城さんの親指が私の乳首に触れると、そこをくにくにと揉んできた。

皮の内側で、私の乳首をくわえたままの肉唇が揺れ、先端の突起が私の乳首の先を擦った。

甘い刺激が胸を走り、赤城さんを抱く腕に力が入る。


私は赤城さんの真似をするように、するすると赤城さんの下腹部を撫でながら胸へと手を這わせ、黒い皮の上から突起を探した。

すぐに見つかり、同様に指で転がし、優しく摘まむ。


赤城さんの吐息が乱れ、気持ちいいということを私に示した。


赤城さんは応用に移った。

私の唇から離れると、私の胸へと顔を寄せた。

乳飲み子のように私の胸を吸い、チロチロと胸を包んだ皮を舐めた。

空いた方の胸も、手と指で同時に刺激してくる。


翔鶴「あっ、ん」



喘ぎ声が溢れる。

その反応を楽しむように赤城さんは私の胸をしゃぶり、更にはくちゅくちゅと音を立てるようにねぶった。勃起した乳首も指でコリコリと転がされ、胸の中に快感が膨らんでいく。


私は赤城さんが愛しくて、つい抱き締めてしまった。

赤城さんはその抱擁も楽しむように、私の胸を優しく責め立てた。


翔鶴「あっ…はぁっ、はあっ…あかぎ、さん……」


赤城「んっ……次は、あなたの番よ。私を気持ちよくしてね」


赤城さんはするすると私の抱擁から外れると、逆に私を抱き締めながら胸を差し出してきた。

目の前に揺れる、赤城さんの豊かな胸。

浸食衣の黒い皮に胸が包まれている為、まるでゴムまりのようだと思った。


私は赤城さんの胸に吸い付き、舌で乳首を捏ね回す。

もう片方の手は胸ではなく、赤城さんの股間へと伸ばした。

固い皮に覆われた股間に手が触れ、私はそこを撫でるように押して圧迫する。


赤城「あんっ゛、っあ……流石ね翔鶴さん──飲み込みが早いわ、ふふっ……さぁ、もっとやってみて」


赤城さんに促され、私はその期待に応えようと動いた。

反対側の胸へと口を移し、咀嚼するように胸を食み、乳首を優しく噛む。


赤城「あふっ、ん……翔鶴さん可愛い。子供みたい」


赤城さんは、そう言いながら私を抱き締めてくる。

私はその感覚を楽しみながら、赤城さんの股間を強く責め始めた。


股間を撫で回す力を強め、ゆるやかに、時折早く股間を擦った。

その度に中からくぐもった水音が漏れ、中が水浸しになっている事と、赤城さんの蜜壷から愛液が沸きだしている事を示した。


赤城「んっ、はぁっ……あっあっ、あぁ…翔鶴さん、上手よ……気持ちいい、わ…あんっ」


浸食衣を介しての行為は、その快感を増加させる効果があった。

全身に淫具を纏っているようなもので、どこを触っても刺激はより強くなる。

単純な愛撫でさえ、絨毛のつぶつぶとした触感と粘液のねちゃねちゃとした背徳的な感触によって甘い刺激になるのだ。

敏感になった性感帯なら尚更であった。


しかも、浸食衣は窮屈な服のように私達の身体を常にキュっと締め付けている。

その淫らな感覚は、まるで体に快感を溜め込んでくるようにも思えた。



赤城さんの股間を、強くまさぐるように揉みこむ。

中では肉棒がぐねぐねと赤城さんの膣を捏ね回し、陰核を肉のイボイボと赤城さんの愛液と混ざった粘液がぐちゃぐちゃと擦っている筈だ。


いつのまにか、赤城さんは自分の股間を私の手に押し付け、内腿で私の手首を挟んでいた。


赤城「ぁあ、ぁ……イ、く……うんっ゛」


赤城さんは体をビクンと震わせ、私をギュッと抱き締めたまま痙攣した。

絶頂の余韻に浸るように、赤城さんは私を抱き締めながら、その頭を私の肩に乗せてきた。

赤城さんの艶やかな黒髪が頬を撫でる。

逆に、赤城さんは私の髪をくにくにと指で弄っていた。


赤城「ふぅ、ふぅ………それじゃ、次は翔鶴さんを気持ち良くさせてあげますね。」


そう言うと赤城さんは私を便座に座らせ、私の脚をぐいっと開いた。

トロトロになった股間を見られ、恥ずかしくなった私はもじもじと胸を揺らす。


翔鶴「あんまり、見ないでください…恥ずかしいです」


赤城「ふふっ、恥じらう姿も可愛いですよ。ここ……綺麗なままですね。よかった……」


私の秘裂を指で広げながら赤城さんは呟く。

そして、トロトロになった私のナカに、黒い皮に覆われた指をヌルリと滑り込ませた。


翔鶴「うあっ、ぁ…」


赤城「二本入っちゃったけど、痛くないですか?」


翔鶴「大丈夫、です……赤城さんの指、ナカでうねうね動いて───うんっ゛」


赤城さんは私のナカをくにくにと弄り回しながら、私の反応を見て気持ちいい部分を探り当てていく。

あっという間に私の気持ちいい部分を把握され、改めて赤城さんのその観察能力に舌を巻いた。


翔鶴「んんっ、あはあっ!───っ」


ぐちゅぐちゅと淫らな水音が私の股間から響き、それと共に快感が腰を貫いてきた。

あの浸食衣の責めと同じくらい強い刺激。

違うのは、赤城さんの指から与えられる刺激には愛があるという点。


それが、私の愛しさを駆り立てて感度を引き上げていく。


赤城「可愛い声で啼くのね、翔鶴さん。さぁ、もっと聞かせて頂戴──」


そう言うと、赤城さんは私の股間へと頭を埋めてきた。

汚いからと押し退けそうになるが、それよりも先に赤城さんの唇が私の陰核に吸い付いていた。


充血してぷっくりと膨れた陰唇を舌で器用に掻き分け、ピンと張った陰核を舌と歯で擦り、ちゅうちゅうと吸い上げてくる。

それにナカからの刺激が合わさり、腰が砕けるような感覚を味わった。


翔鶴「赤城さん、わたし……もう──ああ゛っっつ」


私ははしたない声をあげながら、腰を震わせて果てた。

秘部からは絶え間なく蜜が溢れ、赤城さんの顔にまで私の蜜がかかっていた。


翔鶴「あ、赤城さん失礼しました…!すぐにお顔を──」


私はそれを拭こうとトイレットペーパーに手を伸ばすが、赤城さんがその手を引き止めた。


赤城「ふふふ……翔鶴さんの蜜、美味しかったですよ……おすそ分け、してあげますね。」


そういって、赤城さんは私の顎を手で押さえ唇を合わせた。

先程まで私の秘部を舐めていた舌が、私の口に入ってくる。

舌が絡み付き、お互いの唾液が混ざりあっていく。

これが愛液の味なのか唾液の味なのかは全然わからなかったが、私は甘酸っぱいと思った。


お互いに唇をねぶり合いながら、お互いの股間へと手を伸ばす。

赤城さんの手が私の股間を覆い、私の手は赤城さんの股間を覆った。


胸が合わさり、乳首と乳首が触れあう。

背に空いた方の腕が周り、準備は整った。


赤城「んっ────用意は、いい?」


翔鶴「…はい」


お互いに確かめ合い、そして絡み合った。

粘液が泡立つぐちゅりという音と共に、皮を巻き込む肉感が全身を包む。


浸食衣の内側の仕掛けが最大限に生かされ、私達の身体をぐちゃぐちゃと愛撫した。

お互いに絡み合うように抱き合えば、それだけで敏感な身体を擦られて気持ちよくなる。


蛇の交尾のように絡み合い、私達はお互いの体を求めあった。


翔鶴「あかぎさ、あぁんっ、あぁ…」


赤城「しょうかくっ──うふぅんっ、はぁっ、はあっ」


そして、跳ねる。

赤城さんの術が私の秘部をぐちょぐちょにし、私の技が赤城さんの秘部をトロトロにする。

その刺激がお互いの身体を貫き、私達は身体を震わせた。


そして、声が漏れないようにお互いの唇を合わせ、舌を絡ませる。



翔鶴「っ゛────」


赤城「んふっ────」


私達は、同時に絶頂へと達した。

全身が幸福感に包まれ、フワフワとした感覚を堪能する。

赤城さんと共に過ごすこの余韻が、たまらなく心地いい。

赤城さんの腕に抱かれ、体が蕩けそうになる。

私は自分の愛しさを示すように赤城さんの胸に顔を埋めた。


赤城さんも、そんな私を優しく抱き締めながら、私の髪に顔を埋めてくる。


お互いの愛が、温もりとなって流れ込んでくる。


とても幸せな時間だった。


それでも、終わりは来る。

私達は後ろ髪を引かれながらも、その個室を後にした。

次に会った時には、綺麗な肌色の体へと戻っていた。


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Side:翔鶴



翔鶴「いい天気──」


私達は提督からしばらくの休養期間が与えられ、浸食衣の陵辱によって受けた心身の傷を癒すこととなった。


今では基地から離れ、艦娘用の保養施設でゆったりと過ごしている。

海の畔に隣接する風光明媚なホテルだ。

私は日の当たるテラスで、穏やかな陽射しを浴びながら読書に耽っていた。

持ってきていた本は粗方読み終えてしまい、ふと海へ視線を移す。

そして、あの実験とその後の顛末を思い出していた。



あの実験は、良い結果と悪い結果の両方を残すことになった。

悪い結果は言わずもがな、研究員達の暴走だ。


私は結局前の時の倍近くあの中に閉じ込められ、浸食衣と浸食嚢の拷問を受けさせられた。

更には瑞鶴と蒼龍さん、飛龍さんも実験材料にされ、流れ弾を食う形で赤城さんと加賀さんも被害に遭う事となった。


大本営からの度重なる突き上げに焦った研究部が、殆ど独断でこの一連の実験を行っていたらしい。

それが中断されなかったという事は大本営内部にも裏で糸を引いていた人物がいたのだろう。

しかし研究員達は見棄てられ、その責任をすべて押し付けた形での幕引きとなった。


彼らの処断については、独断専行によって行われたということから艦娘の不当な拘束及び虐待を行ったとして、今では全員が軍刑務所に収監されている。



良い結果としては私達が身体を張った事で多くのデータが得られ、事態解決の光明が見えた事だ。

観測機器類がきちんと機能していたのが何よりもの救いだ。


私達が身を挺した事で得られたデータは、鹵獲された艦娘の生還率を上げる対抗策を作り上げるのに充分なものだったらしい。


私が浸食衣の快楽拷問に対抗できた理由。

それは、あの浸食衣が分泌させる催淫液に対して高い抵抗力を持っていたからだ。


浸食衣が分泌させる催淫液は艦娘の脳や神経に作用して発情させ、身体を絶頂しやすい状態にする。

”未開発”の性感帯をも強制的に機能させ、本来なら性感とはまるで関係の無いような箇所まで快楽を感じるようにしてしまうのだ。

ある種の麻薬である。


そうやって艦娘の抵抗力を無くしたところで、あの強力な快感を連日連夜浴びせる事で発狂させる。


しかし私の場合、体液中に含まれている”精神防御因子”と名付けられたものが催淫液の作用を大幅に軽減し、それによってあの責めに耐えることができた。


しかも、精神防御因子は危機にさらされると前よりも増える性質を持っていた。

あの実験で催淫液の直接投与にすら耐えていたのはそれが理由だそうだ。


今の私の因子保有量なら理論上は2ヶ月耐えられるとの事だが、もう二度とあんな事はやりたくない。



さて、その抵抗力の源となる因子だが、私だけが持っている訳ではないようで、ある一定の割合で他の艦娘も持っていることがわかった。


では、何故私だけ因子の量が多かったのか。

それは、『あの戦争』で幾度となく死に目に会いながら生還した事に起因する。

この因子の量は艦娘が辿った過去に併せて潜在的に保有している、命を繋ぐ能力に直結していた。

云わば潜在的に秘めたダメコン機能だったのだ。


そして、蒼龍さんの実験で得られたもう一つの発見。

それは、この因子は保有量が増えたとしても艦娘の体には影響を及ぼさず、また他の艦娘から提供された因子でも問題ないという事だ。

それ故、私から抽出された因子を提供された蒼龍さんは強烈な責めにも耐えられた。



一定以上保有量があれば、あの浸食衣の責めから身を守れる。

この理論が正しいかどうか追加検証するべく、簡単な実験が行われた。


精神防御因子を一定量投与された艦娘に、直接催淫液を注射するというものだ。

被験者には赤城さんが立候補した。

この実験で、赤城さんには普通の艦娘なら動けなくなるレベルの催淫液を投与されたが、少し上気した程度で行動能力には殆ど影響しなかった。

まぁ、実験後軽く自分で慰めたそうだが。


これにより、精神防御因子が投与されていればあの浸食衣に対抗できる事が証明された。

直ちにこの研究結果は大本営へと報告され、因子の量産と艦娘への因子投与が行われる事になる。



例の囮作戦はその生還率が大幅に向上したことで認可され、参加する全艦娘に因子が投与された後に作戦は決行された。


この作戦によって囮となった艦娘は鹵獲されたが、増加投与された因子によって浸食衣の拷問に耐え抜き、無事救出されている。

そして艦娘を拐う手口もまた、この作戦によって白日のものとなった。


深海棲艦が健在な艦娘を鹵獲する手法。

それは、麻酔作用のある特殊なガスによって艦娘を眠らせ拐うという、蓋を開けてみれば単純なものであった。


それ以降、大本営はそのガスを検知するセンサーと防護用のガスマスクを開発し、作戦行動中の艦娘に常備させるよう各鎮守府に通達。

それに併せて、さながら予防接種のように艦娘へ因子を投与することで、万が一の鹵獲にも対抗できるように対策を行ったのだ。

そのお陰もあり、艦娘鹵獲改造の被害は一気に低下する事となった。




更に、廃人化した艦娘へのショック療法の開発。

飛龍さんが実験によって復活した事からその開発が行われた。


艦娘が廃人化するのは一種の自己防御機能らしく、艦娘に宿る艦魂が荒魂となる前に精神の機能を落としてしまうことで、生きても死んでもいない状態になるのだ。



深海棲艦が艦娘を改造するには、その艦娘に宿る艦魂が荒魂化していることが条件だとわかっている。

荒魂となるには精神の影響が強く、恐怖や憎しみのような負の感情に艦魂が染まりきる事でその魂を荒魂へと変える。

深海棲艦化するのは”轟沈”して艦魂が荒魂化した艦娘であり、だからこそ深海棲艦が入り込む余地があった。

そのために、艦娘を浸食衣によって徹底的にいたぶり、その艦魂を荒魂化する必要があったのだろう。


廃人化した艦娘というのは、いわば殻に閉じ籠った貝のような状態だ。

つまり、廃人化した艦娘も依然抵抗を続けていたということ。

そもそも廃人化という言い方が間違いだったのだ。


考えてみれば、その艦娘は深海棲艦に改造されていないのだから納得がいく。

浸食衣が艦娘を深海棲艦へ改造する訳ではないのだから。


廃人化すると、それ以上は精神に影響が及ばなくなる。

となると後は実際に殺すしかなくなるが、それでは深海棲艦の本来の目的は達成できない。

深海棲艦側からすれば、廃人化した艦娘というのは”不良債権”もいいところなのである。


連中が廃人化した艦娘を復活させる技術を持っているか否かは定かではない。

しかし、それはこちらも同じ。

私達もまた、廃人化した艦娘を元に戻す手段は持ち合わせていなかった。


そこであえて浸食衣を着せ、快感信号で脳を刺激して閉じ籠った艦娘の精神を引きずり出すという荒療治が発案されたようだ。

飛龍さんが無事回復したところをみると、一定の効果はあると見ていいだろう。


現在、限定的に浸食衣を使ったショック療法が試されており、廃人化──いまでは誤解を是正するため“シェル状態”と呼ばれる状態から回復した事例も増えてきていた。



事態は解決の方向に向かっている。

海軍部内では最早事態は解決に至ったと見る者もいるらしい。


しかし、私はそうは思っていなかった。

深海棲艦の事だ。また何か策を講じてくるに決まっている。


今回の一件で、私は深海棲艦に対して強い恐怖を抱くようになっていた。

いままで感じたことのない、戦いへの恐怖だ。

こんな恐怖を抱えたまま、私はまた海の上に立てるのだろうか。

こんな私に、仲間は命を預けてくれるのだろうか。

そういった思いが胸中に溢れ、私は複雑な思いで海を見つめていた。


「翔鶴さん、隣……いいかしら。」


「赤城さん…」


いつの間にか、赤城さんがテラスに来ていた。

私と対面するように椅子に腰掛け、持ってきていた二人分のコーヒーをテーブルに置く。


赤城さんとは、あの後実は関係を持っている。

あの個室での出来事以来、赤城さんは私にいままで以上に関わってくる事が多くなった。

後輩として可愛がって貰っているというよりも、恋人として愛されているというような感じだ。

私達は、禁断の心をお互いに抱くようになっていた。

けど、決して肉欲に耽るような事はなかった。あれ以来お互いの体を求めたことはない。


赤城「昨日またうなされていたようだけど……大丈夫?」


私は未だ悪夢から解放されていなかった。

昨晩もうなされ、夜中に起きている。

赤城さんがそれを知っているのは昨晩私の隣で寝ていたからだ。

私がうなされているのを知って、赤城さんが添い寝してくれていたのである。


翔鶴「……」


私を見つめてくる赤城さんの瞳は、私の恐怖を察したかのように悲痛な色を浮かべていた。

わかった上で、赤城さんは私に聞いているのだ。

赤城さんは、私から感情を引き出そうとしている。



翔鶴「…………赤城さん、私──少しお休みを貰おうと思って…」


赤城「……」


翔鶴「狭い空間に押し込められて、磔にされて、時間の感覚も曖昧になるくらい犯されて………ずっと犯され続けて、頭が狂っていって……心が壊れる寸前までいったんです……体も心もボロボロだって、自分でわかるんです。だから、少し休みたい」


赤城「………」


私は涙声になりながら、赤城さんに溜め込んでいた感情を吐露した。

話していると記憶が甦ってきて、体が震えて止まらなかった。


翔鶴「怖かった………苦しかった………でも、私は壊れずに済んだ。壊れる前に、偶々助かったから………」


赤城「偶々……そうね」


私は海に立てなかった。

例え対策が完成しようと、実戦ではリスクが必ず付き纏う。

もう、二度もあんな体験をさせられたのだ。

正直、任務に臨むのが怖くて堪らなかった。

海の上に立つとあの体験が脳裏を掠めてしまい、その度に私は身動きが出来なくなる程体が震えてしまう。


深海棲艦が、こちらの対策を無効化する手を打ってくる可能性も十分にあった。

そして、もしまたその毒牙に自分がかかったらと思うと怖くて仕方がない。

私が無事だったのは偶々抵抗力があり、救出作戦が間に合ったからだ。

次拐われてまた助かるという保証はない。


翔鶴「私は運が良かっただけです。じゃあ、次は?…海の上に立つと、また拐われるんじゃないかって……そうなったら、もう二度と助からないんじゃないかって思って。そうしたら……怖くなって……」


悪夢を見る度に思ってしまうのだ。

もし、あの時助からなかったら。

また捕まってしまったら。


体には、いまだにあの快感と苦痛が刻み込まれている。

それが、悪夢を見る度に現実ではないかと錯覚するほどリアルに甦るのだ。


浸食嚢に囚われ、浸食衣に犯され続けるあの感覚が。


翔鶴「私……もう二度と、あんな目には遭いたくない。でも、何度も夢に見るんです……あの場所を……あの犯され続ける感覚を…!怖くて……辛くて…もう…嫌なのっ」


私は赤城さんの前だというのに、涙を堪えきれなくなった。

止めどなく涙が溢れてきて、拭いても拭いても追いつかない。

そんな私を。

赤城さんは突然抱き締めてきた。


赤城「大丈夫よ、翔鶴さん。翔鶴さんが辛いなら、誰も文句なんて言わない。それに、私が言わせない。翔鶴さんはずっと頑張ってきたんだから。もう、休んだっていいの」


翔鶴「赤城、さん──」


赤城「辛かったのよね…苦しかったのよね…早く気づいてあげられなくてごめん…もう、大丈夫…大丈夫だから……」


翔鶴「赤城さん………ありが、とう…ございます」


赤城「翔鶴さん、あなたの心は今とても傷ついているの。だから、少し聞いて頂戴。」


翔鶴「え…?」


赤城「……私ね、前は恋人がいたの。とても良い人だったわ。床にも入った。けど……わかるでしょう?」


翔鶴「───っ」


察してくれという風に、赤城さんは私を見た。

そして、懐から半分に砕けた指輪を取り出して私に見せる。

私はそれを見てすぐ、赤城さんの恋人がもうこの世にいないものと察した。


赤城「そう。だから、誰かに恋するという事に億劫だったの。あの辛さと痛みを思い出してしまうから。けど、あなたと交わって久しぶりに向き合えたのよ…心に。奥底で凍りきっていた思いが、あなたとの交わりとあなたへの愛で解けた。」


翔鶴「赤城さんの心……私が、ですか?」


赤城「重しが消えて、私の心はあなたに救われた。だから、今度は私があなたの心を守るわ。あなたが心の傷を癒せるまで、私があなたを支えてあげる。」


赤城さんは席を立つと、私を優しく抱き締めてくる。

そして、軽く唇を交えてきた。

赤城さんの温もりが、恐怖に染まっていた私の心を溶かしていくのを感じる。


こうやって貰えるだけで、私は十分ですよ。


そう言いかけて、私はそれを胸中に留めた。

今だけは、この優しい人に甘えようと思った。




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数ヶ月後────



翔鶴「朝、か…」


ここ最近、私は海の上に立っていない。

私は予備役となり、後方で艦隊を補助する任に就いていた。


赤城さんとの話の後、私は提督にしばらく予備役にして欲しいと嘆願しに行った。

なんと言われるか恐々としていたが、提督は二つ返事で快く了承してくれた。

今までよく頑張ってくれた、感謝していると言われた時は、嬉しさと申し訳なさで目が潤んでしまった。 


提督は、端から私が心の傷を癒すまで前線から退かせるつもりだったらしい。

手続きはあっという間で、私はその日のうちに予備役に編入され、前線から身を退いた。

飛龍さんも私と同様で、今は後方で傷を癒すのに専念している。

突然の事に同僚の艦娘たちからはかなり驚かれたが、赤城さんが一喝してくれた為それ以上の騒ぎにはならなかった。


赤城さんが寄り添ってくれるようになってから、悪夢を見る日は着実に減ってきている。

まだ見なくなった訳ではないが、毎晩という訳ではない。

飛龍さんはまだかなりうなされているらしく、毎晩蒼龍さんが付きっきりなんだとか。




瑞鶴「───おはよう、翔鶴姉。調子はどう?」


翔鶴「おはよう瑞鶴。そうね…だいぶ調子がいいわ。今日は出撃?」


瑞鶴「うん。翔鶴姉は……いつものカウンセリング?」


翔鶴「えぇ。出撃、頑張ってね。でも無事に帰ってくること。いい?」


瑞鶴「あったり前じゃない!今日は加賀さんも赤城さんもいるし、大丈夫だって!」


翔鶴「ふふふ……瑞鶴、慢心。ダメ、絶対。」


瑞鶴「わかってるよ!それじゃ、翔鶴姉もカウンセリング頑張ってね!」


瑞鶴も浸食衣に犯されたのだから復帰は難しいと思っていたが、最近になって戦線に復帰していた。強い子だと思う。


出撃していく瑞鶴を見送ってから、私はいつもの場所へと向かう。

といっても、浸食衣にレイプされに行くわけじゃない。

別の仕事だ。


私は廊下を歩きながら、そこから見える海に視線を移す。

出撃していく艦娘を目で追いながら、心の中で無事帰還して欲しいと祈った。


予備役となった私は、秘書艦の補佐や事務仕事、鳳翔さんの仕事の手伝いなどを行う傍ら、鹵獲の被害にあった艦娘達へのカウンセリングを任されている。

被害にあった彼女達にとって、二度も長期間に渡る浸食衣の猛攻を退けた私は英雄に映るらしく、プロのカウンセラーからも励ましになるからと協力を仰がれての参加だった。

同じ被害にあった者同士で、辛い体験を聞いたり話したりするだけでも大きな助けになるのだ。


あの忌々しい記憶は、多分一生消えないだろう。

私達は艦娘である以上に、一人の女なのだ。

好きな殿方と床に入る時、あの記憶は絶対に頭をよぎる。

それを乗り越えなければ、いつまでもあの肉繭の中に囚われたままになる。


翔鶴「こんにちわ。元気?」


今日のカウンセリング相手の部屋に訪問する。

彼女の部屋を訪れるのはもう何度目になるだろう。

最初は生気のなかった彼女の瞳には、今ではだいぶ生きる活気が戻ってきていた。

もうすぐ、姉妹艦のもとへ戻れる日が来るだろうと思う。


カウンセリングの仕事は、私にも良い影響を与えていた。

甦ろうと足掻く彼女達の姿を目の当たりにして、私も負けていられないと思ったのだ。


最近は飛龍さんと共に、恐怖を克服するべく鍛練に励んでいる。

鍛練に精を出していれば、あの恐怖は薄れていくからだ。

悪夢も日に日に見なくなっていた。私は確実に恐怖を克服してきている。

赤城さん達が戦ってくれているのだ。私が後方で呆けている訳にはいかない。

いつかまた、赤城さんや瑞鶴と肩を並べて海を駆ける日を目指して。


私は、力強く弦を弾いた。


END

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後書き

※本話にて今作は完結です。二話更新から次話投稿まで、随分と長い間が空いてしまい申し訳ございませんでした。
お読みいただいた方々、拙い文章ではありましたがここまでお付き合い頂きましてありがとうございました!


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2018-09-10 17:43:01

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2018-09-10 06:06:50

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2018-09-10 19:42:08

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