2018-09-07 21:03:55 更新

前書き

村雨ではありません(笑)


「あーっ、もうっ!!」


何故か白露の機嫌が悪い。


「ど、どうしたのさ?」


時雨が聞くと、


「今日、村雨の店に行ったらさぁ・・・」


・・・・・・

・・・



「村雨~! 今日はお姉ちゃんが遊びに来たよ!」


扉を開けて店内に入る白露、


「ありゃ? 誰もいない?」


今日は休業だろうか、店内は暗く奥の部屋が少し明るいだけ。


「村雨~、いる~?」


奥の部屋をゆっくりと開けると、


「あら、白露。」


白露が見たのは、


提督に耳かきをしてもらっている村雨の姿が、


「・・・何してんの、村雨?」


「何って、旦那様に耳かきをしてもらっているんだけど?」


見ればすぐに分かるのだが、


「今日はお店休み? なら今からお姉ちゃんとお話しようよ。」


白露の提案に、


「ごめんなさい、今日は久々の休日だから旦那様とゆっくりしたいから・・・ごめんね~。」


白露の提案を却下する村雨、


「むむむ、せっかく来たのに何よその態度!」


白露は内心苛立っていたが、当の村雨は、


「ああっ、そこそこ♡ うん、気持ちいい♡」


提督の耳かきにうっとりしている始末。


「もう帰る、村雨のバカぁ!」


白露は怒って店から出て行く。


「・・・何をそんなに怒っているの?」


村雨は首を傾げた。


・・・・・・


「あっ、そうだったの。 ふ~ん。」


時雨の反応は微妙である、


「酷いでしょ、わざわざお姉ちゃんが来てあげたのにあんな態度、酷いと思わない?」


白露の言葉に、


「いや、だって2人は夫婦なんだし、特に普通じゃないかな?」


「はぁっ! 時雨も村雨の肩を持つの!?」


「いや、そう言うわけじゃないって。」


普段と比べて機嫌が悪い白露に動揺する時雨。


「ただいまっぽい~♪」


夕立が帰還する、


「あっ、おかえり夕立。 遠征どうだった?」


「うん、大成功して提督さんに褒めて貰ったっぽい~♪」


夕立は上機嫌に語る、


「・・・あ、そう。」


白露はそっぽを向いて部屋から出て行く。


「? 白露どうしたっぽい~?」


「さぁ、朝から機嫌が悪いんだ。」


2人も何故機嫌が悪いのか分からない。


・・・・・・


「村雨も夕立も!皆寄ってたかって!」


廊下で1人叫ぶ白露、


「何が”旦那様に耳かきして貰ってる”? 何が”提督さんに褒めて貰った”って? ふざけないでよ!」


白露は思わず叫んだ、




あたしの事、誰も構って(褒めて)くれないじゃん!!!!




どうやら、白露は自分を構って(褒めて)くれない事に苛立っていたようだ。


「昨日だって一昨日だって、あたし頑張ったんだよ! 遠征も出撃も! それなのに提督の態度は普通だし。」


更に愚痴を言い、


「村雨に話を聞いて貰おうと思ったら、何が”今日は旦那様と・・・”ってお姉ちゃんはどうでもいいって事!?」


愚痴は治まらず、


「挙句に夕立は”提督さんに褒めて貰った”って、もうふざけないでよ!!」


廊下で叫んだ後、そのまま立ち去る白露。


・・・・・・


翌日、


「提督ぅ、今日の資料を持って来たよ~!」


今日の秘書艦は白露、書類を持って机に置く。


「じゃああたしは書類整理するね。」


椅子に座って作業を始める白露、


「・・・・・・」


昼前に夕立が遠征から帰還した、


「遠征大成功っぽい! 提督さん、褒めて褒めて~♪」


夕立が頭を出すと、提督が「よしよし」と頭を撫でてあげる、夕立は嬉しそうな顔をする。


「・・・・・・」


それを見ていた白露が羨ましそうに見ていて思わず、


「ねぇ提督、あたしも褒めてよ!」


夕立の横に割り込む白露、


「昨日も今日もあたし頑張っているでしょ? あたしも褒めて欲しいかな~って♪」


白露の願いに、


「お前はお姉ちゃん、夕立は妹・・・もっと姉らしく振る舞え。」


提督に拒否されてしまう。


「むむむ、どうして妹ばっかりであたしは相手にされないのよ?」


妹の夕立だけ褒められている光景を見て、かなり不満気である。


・・・・・・


「あーっ! 提督のバカぁ! ちょっと位、頭撫でてくれたっていいじゃん!」


白露の不満はピークに達している。


「村雨聞いてよ! 夕立も提督も皆あたしの事を・・・」


再び村雨の店に来た白露に、


「あら、白露? 今日も来たの?」


昼休憩だろうか、カウンターで提督に肩もみしてもらっている村雨の姿が、


「・・・何してんのさ、村雨?」


「何って、肩が凝っているから旦那様に肩もみを頼んでいるんだけど?」


「・・・・・・」


村雨を見ると、昨日の耳かきのように気持ちよさそうだったので、


「じゃあさ、次あたしの肩揉んでよ! あたしも最近凝っているんだよねぇ~。」


白露の言葉に、


「時雨か夕立に揉んで貰えばいいじゃない、わざわざここに来て提督に揉んで貰う必要があるの?」


村雨の意見に、


「むむむ・・・」


ただでさえ、鎮守府で苛立ちが募っていたのに、提督にべったりとくっついている村雨を見て、


「ふざけないでよ、何で村雨ばっかり構って貰えてんのよ!!」


白露の怒りが頂点に達した。


「ちょっ!? 何怒っているのよ?」


「うるさい! 夕立と言い村雨と言い”構ってもらった、褒めて貰った”って・・・あたしは何で構っても褒めても


 貰えないのよ、ふざけないで!!」


散々店内で叫んだあと、出て行く白露。


「・・・一体どうしたのかしら白露は?」


提督共々首を傾げた村雨。


・・・・・・


布団の中に閉じこもる白露、


「白露、どうしたのさ? そんなに落ち込んで?」


時雨が近づき、心配するが、


「あたしの事は放っておいて。 ああ、もうあたし・・・寂しいし、死にたい。」


表情は暗く「死にたい」と口走る始末。


「ちょっ、「死にたい」って何かあったの!?」


時雨は驚き、事情を聞く。


・・・・・・


「何だ・・・そう言う事だったの。」


皆が白露を構ってくれない事、褒めてくれない事、それにショックを受けていただけと安心した時雨。


「あたしにとっては重大な事だよ!」


白露はやたら強調する。


「分かった分かった、じゃあ僕が代わりに褒めてあげるから。」


そう言って、白露の頭を撫でてあげるが、


「・・・妹に褒めて貰ったって全然嬉しくない!!」


白露はまた布団の中に閉じこもる。


「困ったなぁ、かなり重症だなこれは。」


時雨も手に負えず途方に暮れる。


・・・・・・


夕方になり、白露は時雨と一緒に食堂へ向かう。


「僕はカレーを食べよう。」


「あたしもカレー・・・後、プリンも追加で。」


注文をして、カレーとプリンを受け取る白露。


「いただきま~す、はむはむ。」


いつもなら元気いっぱいに話す白露だが、元気がないためか終始無言でカレーを食べていた。



カレーを食べ終え、プリンを手に取る白露。


「今日は頑張った、頑張ったよ白露。 ご褒美にプリンをあげるからこれで元気を出して。」


勝手に妄想していつもの頑張りを言葉に出す白露。


「プリンを食べたら、お風呂に入ってもう寝よう。」


そう言って、プリンの蓋を開けようとしたその時、


「えーっ! プリンはもう無いっぽい~!?」


突然聞こえた叫び声、白露は思わず振り向く。


「夕立・・・今日は出撃と遠征頑張ったのに~(泣)」


夕立にしては珍しく、食堂に来たのはやや遅めだ・・・出撃と遠征任務の影響だろう。


「ぷぅ~・・・夕立のご褒美、無いっぽい~。」


夕立は急に元気をなくし、夕食だけ注文して椅子に力なく座る。


「・・・・・・」


白露は夕立を見つめる、


「・・・・・・」


まだ口を付けていないプリン、一瞬夕立に譲ろうかと考えたが、


「・・・おっと、何譲ろうと考えてるんだろう、 遅れてやって来たんだから品切れになっても


 しょうがないじゃん! 結局早い者勝ちなんだし!」


そう言って、知らんぷりをする白露。


「・・・・・・」


再び夕立を見る白露。


「もう、たかがプリンが無い位であんな悲しい顔して・・・朝あれだけ提督に褒めて貰ったんだからいいじゃん!」


そう言って、またそっぽを向く。


「・・・・・・」


それでも、夕立をまた見つめる白露。


「・・・はぁ~、ああ~もうっ!!」


白露は立ち上がり、夕立の所に行き、


「あたしのプリン! あげるからそんな悲しい顔なんかしないで!」


そう言って、夕立にプリンを譲った。


「!? 白露! いいの!?」


夕立は驚く、


「うん、あたしはお姉ちゃんだし、妹が困っているなら手を差し伸べるのが務めだから!」


少し惜しい気持ちがあるものの、「妹のため」と割り切ってそそくさと食堂から出て行く白露。


・・・・・・


「はぁ~・・・プリン、食べれなかった。」


部屋に戻ってため息をつく白露。


「昨日と今日の自分へのご褒美と思って食べようと思ったのに・・・」


いつにも増して深いため息をつく白露。


「・・・まぁいいや。早くお風呂に入って寝よう。」


そう言って、立ち上がり部屋から出ようとした直後、


「駆逐艦白露、すぐに執務室に来ること!」


スピーカーから突然呼び出しを受ける白露、


「あれ? あたし呼ばれてるじゃん? 何かやらかしたかなぁ~。」


そう思いつつ、急いで執務室に向かう白露。



「提督ぅ、入るね。」


怒られるのかと思い、渋々入室する白露だが、


「白露! お前には関心したぞ!」


怒られるどころか、むしろ褒められる白露。


「ほぇっ? 一体どゆこと?」


白露は状況が分かっていない。


「妹のためにプリンを譲る姉としての振る舞い、流石は長女! 皆関心していたぞ!」


「・・・・・・」


先ほど、夕立にプリンを譲った行為、周りから好評価を受けたようで、


「べ、別にお姉ちゃんだから当たり前の事をしただけ、だよ。」


急に褒められたため、顔を赤くする白露。


「とにかく、これからも妹を大事にしろよ白露!」


そう言って、頭を撫でられる白露。


「・・・えへへ~♪ もっちろん! あたしの大事な妹だからね~♪」


白露は上機嫌になり、しばらく提督から褒められていた。


・・・・・・


「最近白露来ませんね~。」


村雨がカウンターで接客をしながら呟く、


「そうだね、何かいい事でもあったんじゃない?」


提督の言葉に、


「そうでしょうか? まぁ、それならいいんですが・・・」


心配気味だったが、深くは考えないことにした村雨。


・・・・・・


「遠征から帰って来たよ、提督~♪」


白露が遠征から帰還する、


「ご苦労様、そこにお菓子置いておいたから持って行っていいぞ。」


「わ~い、じゃあ貰っていくね、えへへ~♪」


両手に持てるだけ持って部屋へと戻る白露。



「時雨と夕立~、提督からお菓子を貰ったよ~♪」


部屋に戻ると、両手いっぱいに持っていたお菓子を机に置く。


「こんなに!? 持って来やし過ぎないかい?」


「お菓子がいっぱい! 夕立は大歓迎っぽい~♪」


2人の事をよそに、


「いいのいいの、提督がいいって言ったんだから! じゃあこれとこれはお姉ちゃんが貰うね~、いひひ~♪」


白露は上機嫌でお菓子を食べ始める。


「何か白露・・・やけに上機嫌だね。」


「うん、何かいいことがあったっぽい~?」


数日前と比べて急に上機嫌になった白露を不思議そうに見ている時雨と夕立の姿があった。 









「構ってちゃん」 終











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SS好きの名無しさんから
2018-09-08 22:22:01

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2018-09-08 22:22:02

このSSへのコメント

2件コメントされています

1: SS好きの名無しさん 2018-09-08 07:09:11 ID: CHFV5aDE

冷静に考えれば白露は外見&精神年齢中学生くらいの
多感なお年頃だろうし、周りに褒められたいって感情自体は持ってても
おかしくないよなー。村雨や時雨が大人び過ぎてるとも言えるが

2: SS好きの名無しさん 2018-09-08 22:22:38 ID: zRSIJ1VQ

ライブドアニュース(9月8日(土))

海上自衛隊、護衛艦『かが』に中国海軍フリゲート艦2隻が接近

加賀『流石に気分が高揚します。』


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1: SS好きの名無しさん 2018-09-08 22:23:08 ID: zRSIJ1VQ

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