2018-09-09 06:07:10 更新

概要

終戦間近の日本。ある鎮守府でのお話
また、作者が中二病暗黒時代真っ最中だった頃書いた作品


前書き

この話は完全鬱モノです、最初に警告しておきます。
この物語は作者が暗黒の病み時代に入っていた時執筆したものですので、ところどころ不自然だったり、
わけのわからないナレーションが入ったりします、ご注意ください、そして、鬱モノです(二回目)
では、どうぞ


時は1945年、日本は深海棲艦との戦いで疲弊しきり、国家の存亡すら危うい状況であった


かつて日本が誇った数百隻にも及ぶ連合艦隊も、今ではその約7割を喪失しており、まともな補給、修理すらない状況だった


1944年に起きた深海棲艦との決戦において、日本は深海棲艦に完全に圧倒され


主力戦艦「武蔵」までもを失う大敗北を喫した。


それ以外の戦いでも日本は空母「大鳳」「翔鶴」などを失う敗北をしており


もはや戦争に勝つなど不可能な状況であった.......


提督「................」


その日も提督は、執務室でずっと無言を決め込み、なにかを考えていた


提督「.........」


続く沈黙は、まるでこの場所だけ時が止まったかのように静かで、心細いものだった


沈黙というと、そう、この鎮守府には艦娘がいないのだ


提督「」グゥゥゥゥゥ


提督「....ハァ、なんか食うか」スック


艦娘がいない鎮守府、いや、別にもともと艦娘がいなかったわけじゃない


数か月前まではいたのだ。そのもっと前には、さらに多くいたのだ


なんなら、日本の鎮守府の中でも大きめの鎮守府であったここには、各所から集められた艦娘が多く在籍していた


しかし、ある島をめぐる戦いが始まると同時に、その数は減少していき、ついに今年に入り、一人もいなくなってしまった


最後の一人がいなくなったのは、数日前の海戦においてだ


そのとき失った艦娘が、この鎮守府最後の艦娘だった


よって、ごはんを作ってくれる艦娘もいない


そのため必然的に自炊する必要があるのだが、提督は生まれてこの方飯を作ったことがなかった


提督「なに食うかな.....」


提督「缶詰でいいや......」


そのため保存食を食べることで、なんとか食いつないでいた、が、その保存食さえも残りは数少なかった


提督「あと何日くらい持つかな.....」


提督「ま、どうせ俺ももうすぐ死ぬ、どうでもいいこった」


提督はもう自暴自棄になっていた。艦娘たちを失ったショックから髪は変色し、本来美しい色をしていたはずの目は濁っていた


提督がもう長くないことは、本人が一番わかっていた


だが、それでも最後まであきらめずに戦わなくてはならないのが提督....いや、上に立つものとしての責務だった


提督「もう......やだな、やめてぇよ、こんな仕事.....」


提督「ハァ.....せめてお前らだけでも、そっちで幸せになってくれよ.....俺にはもう、幸せをつかむ権利もないからな.....」


そう言って提督は、薄汚れた天井を見上げた


提督がここまで落ち込むのは何も、艦娘を失ったことがすべてではない


むしろ、提督はその失った原因に深いショックを受けていた


.....その作戦自体は恐ろしく無謀なもので、やる必要すらなかったような作戦だった


しかし、提督は実行した、いや、やらねばならなかった。上の命令には逆らえないのだ


艦娘よりも自分の立場を優先した、そんな提督自信を提督は一番許せなかったのだ


結果、提督は艦娘に『死ね』と命じた。


直接言ったのではない。間接的に、だが確実に艦娘が沈むであろう作戦を承認し、そして出撃を命じたのだ


それは直接死ねというよりもよっぽど残酷なものだった。


ある艦娘が出撃前、鎮守府にある大きな桜の木の下で言った


『もしもこの作戦......いや、この戦争が終わったら、私を......花見に連れて行ってもらえますか?』


提督は頷いた。彼女が死ぬとわかっていて頷いた。


しかし彼女は嬉しそうにはにかんで言うのだ


『必ず、帰ってきますから....!』


提督はただ、去っていく彼女の後ろ姿だけを眺めていた


その艦娘が沈んだという連絡を受けたのは、翌日の午後だった


提督は悲しんだ


しかし同時に、それ以上に自分を憎んだ


だ、そんな状況にも慣れきってしまった提督には、そう悲しんでいる時間はなかった


というのも、艦娘が沈むと上層部へわざわざ面倒で意味もない報告をしなければならないからだ


提督は知らせを聞いてしばらくたったら、おもむろに手元の電話の受話器を手に、上層部へと報告するのだった


上層部からは、叱責の言葉と次の作戦の内容などについてが伝えられる、が、実質ほとんどが艦娘を失ったことへの叱責


そして、提督への過度なプレッシャーだった


提督はただ、次の作戦の内容を聞くと、すぐに受話器を戻した


そしてそこから数日、部屋でただ座っていた





提督「....次はこの子か」


霞「.....」


提督「よろしく、霞」


霞「.....よろしく」


提督「どうした?上からの資料には上官に厳しく当たるタイプだと書いてあるが」


霞「戦況、周りの状況や環境によって性格、態度は変わっていくものなのよ」


提督「ハハ、たしかにそうだな......」


霞「で、次の作戦はどうすんのよ」


提督「........」


霞「早く答えなさい」


提督「えっと......霞は、どうしたい?」


霞「ハァ!?どうしたい?じゃなくて、あたしにとって大事なのはいつ!どこで!死ねばいいのかだけよ」


提督「そっか......」


霞「わかったならさっさと作戦概要を伝えなさいな!」


提督「じゃあ駆逐艦霞」


霞「....はい」


提督「お前を今から解体する」


霞「ハァ!?」


提督「我が国では資源が不足している。それを少しでも賄うためには、艦娘らの解体が必要だ」


霞「ッ.....わかった.....わよ」ナミダメ


提督「.....ブハッ......あははははははは!!」


霞「は?何笑ってんのよ....早く、連れて行きなさい....」ナミダメ


提督「お前、いつどこで死ぬかがどうとか勇ましいこと言ってたのにやっぱ死ぬの怖いのな!あはははは」


霞「!?ハ、ハァ!?あたしはいつでも死んでやるわ!!...どうせこんな世界よ.....」


提督「そっか、でも、俺はお前を失いたくない。だから次の作戦では出撃させない」


霞「は?そ、そんなことしたら!!」


提督「上層部への反逆?」


霞「そ、そうよ!」


提督「近海での哨戒任務中に敵潜水艦の攻撃により大破したため出撃は不可能、バケツも底をついている」


霞「....」


提督「これでたすかるな、お前!よかったじゃないか!」


霞「.....あんたは、それでいいの?」


提督「ああ、霞が沈まないでずっと笑顔でいてくれるならそれがいい」


提督「これ以上....仲間を失いたくないんだ」


霞「.....」


提督「実際に目の前で沈んでいくのを見ればあきらめもつくかもしれない....だがな」


提督「俺たち提督は、それを報告という形でしか聞くことができない。最期を、見守ってやることすらできないんだよ...」


霞「あのね」


提督「....?」


霞「あたしはあんたが好きよ」


提督「....は?」


霞「艦娘のことを思ってあんたは苦しんでる。それに、あんたはあたしを助けてくれようとしているわ」


提督「....」


霞「あたし、結構ちょろいのよ?あたしの命を助けてくれようとした、しかも、歯向かっちゃいけない相手に逆らって....そんなアニメの主人公みたいな展開」


霞「なんか、かっこいいじゃない?」


提督「......」


霞「だからさ」


霞「そんなかっこいい命の恩人、好きにならないわけない。って言ってんのよ」


提督「....は、はは、ずいぶんちょろいなあ!!さ、さて、上層部への資料作らなきゃな!」


霞「....今は、それでもいいわ。いつか、好きになってもらえればそれで」


提督「.....」


彼は、その言葉をきかなかったことにした。


いつか......いつか、そんなときが、恋愛などというものが自由にできる、そんな時代が来ればいいな、と思うのだった




上層部「.....で、近海で大破した駆逐艦の状況は?」


提督「えっと、修復まで時間がかかります」


上層部「そうか....では、いいだろう、次の作戦には貴官の鎮守府は不参加だ」


提督「....わかりました。それでは失礼します」


提督はここ数日で変わった


前よりも明るくなった


それもこれも霞のおかげであった


朝起こしてくれて、朝食まで作ってくれる、暇なときは話に乗ってくれるし、心細い夜は寄り添って寝てくれる。


そんな霞を、いつしか提督は好きになっていた


提督「....はぁ」


霞「なにため息ついてんのよ」


提督「いや、いつまで続くものかなと思って」


霞「なんのことかわからないけど、あんたはあんたらしく生きればいいのよ、ただ、最後まであんたらしく」


提督「俺らしくってなんだよ」ハハ


霞「そうねぇ」


霞「笑って、前を向いて生きなさい、つらくても悲しくても、できる限り心の中は笑顔で、自然に笑顔が出てくるようになるまでそうやって偽ればいいのよ」


提督「偽りの笑顔....ね」


霞「あんた、もう朝じゃない!!どうすんのよ!」


提督「!?うわマジだ!!いけねぇ!」


いつも焦って忙しい、だがその二人の顔は、どこか楽しそうでもあった。というより、楽しさそのもののようだった


だが....楽しい日々はそう長くは続かなかった


間もなく、上層部に例の件がバレた


霞を作戦に参加させていなかったことが、報告書からバレたのだ


提督は焦った、今の日本、どうせ呼び出されても死刑か終身刑、または人体実験だろう、と


だが、提督は非常にあきらめが早い人物でもあった


どうせ死ぬなら、上層部によってどこの誰かもわからない人物に銃で撃たれるか人体実験に使われて死ぬかより、自分で死ぬと決めたのだ


提督「自分の人生には自分でけりをつけるべきだよな....」


だが、彼には同時に不安もあった


提督「(俺は、霞のことが好きだ。だから不安だ。どうすればいいんだ。彼女はこれからどうすればいい)」


提督「(もし戦争が終わっても、きっと負けているだろう、だったら、この荒れ果てた土地で一人で生きていけるのか?)」


提督「(しかも彼女はまだ子供だ。できないこと、わからないことだってあるだろう)」


提督「(だが...どちらにせよ、俺は死ぬ、ならば、最後に打ち明けるべきか....?)」


提督は一人、あの時と同じような静寂の中、これからについて考えていた


提督「(思えば、霞が来る前もこんな静かだったな.....)」


提督「(霞、早く会いたいよ、早く帰ってきてくれ)」


......提督は、現実を受け入れられていなかった。


数日前、上層部に例の件がバレてしまった提督は、必死で解決策を練った


しかし、霞は上層部に連れていかれ、わざと危険な海域へと出撃させられたのだ


そして.....戻らなかった


それを上層部により聞かされた提督はただ、呆然と、部屋で座っていた


そして、一日呆然と天井を見上げた末、ついに妄想を始めた


霞はいなくなってなどいなかったと妄想し、ねつ造し、昼間を過ごす


夜になると、布団に入り、ただ、霞との楽しい時間を思い出すようにしている


そうして、現実から逃れていたのだ


結果、上層部に霞の件がバレたところまで記憶をタイムスリップさせ、対策、解説策を練っているのだった


だが、結果はわかっていた


提督は、心のどこかではもう霞はいないことを認識していた


そして、提督自身は、霞のいない世界では生きていけないと感じ、解決策を練った


霞をどうしても必要とする提督と、霞のいない世界、そして無意識にだがそれを認識している提督。


これらが示すものは、提督自身のこの世界からの逃亡、すなわち自殺であった


霞のいない世界にはもう用はない、ということであった


提督は、手元の拳銃を手に取ると、ゆっくりと額に近づけ


「霞....君が助かるなら、これでいいさ」


と一言いい、重い引き金を力いっぱい引くのだった


BAD END


後書き

鬱です、鬱モノです、昔書いたSSですが、読み終わって「救いようはなかったのか」と思いました
過去を懐かしめた作品でしたが、とにかくナレーションというか、第三者視点からのナレーションが謎
必要以上に入ってる気がしました、まあ当時は暗黒時代でしたし()
というか最後、BAD ENDということはHAPPY ENDもあるのかな?と思い記憶をたどったところ、どうもハッピーエンドバージョンも書いていたらしかったです、でも何かの手違いかフォルダに埋もれてしまったか、見当たらないので諦めました、どうもこのエンドはつらい、二人を助けたい、そう思って書いたのでしょうね、見つけたら絶対投稿させていただきます。では最後に、ここまで見てくださった方々、コメント等くださった方、本当にありがとうございます!ではまた!


このSSへの評価

2件評価されています


SS好きの名無しさんから
2018-09-09 07:17:10

SS好きの名無しさんから
2018-09-09 06:11:29

このSSへの応援

2件応援されています


SS好きの名無しさんから
2018-09-09 07:17:12

SS好きの名無しさんから
2018-09-09 06:11:26

このSSへのコメント

1件コメントされています

1: SS好きの名無しさん 2018-09-09 07:17:51 ID: YY9upYQT

ライブドアニュース(9月8日(土))

海上自衛隊、護衛艦『かが』に中国海軍フリゲート艦2隻が接近

加賀『流石に気分が高揚します。』


このSSへのオススメ

1件オススメされています

1: SS好きの名無しさん 2018-09-09 07:18:27 ID: YY9upYQT

ライブドアニュース(9月8日(土))

海上自衛隊、護衛艦『かが』に中国海軍フリゲート艦2隻が接近

加賀『流石に気分が高揚します。』


オススメ度を★で指定してください