2019-03-05 23:40:59 更新

兄「総会の案内きたけど、賛成すべきか迷うな…欠席するのもなんだし」


コンコン。


兄「やば、パソコンのモニター電源消して…なに?」


ガチャ。


妹「またパソコンしてたでしょ?」


兄「別に関係ないだろ?俺は俺のしたいことをしてるだけないんだし迷惑だ」


妹「部屋でゴロゴロしてないでお母さんの手伝いとか料理すればいいのに」


兄「したところで俺の手料理は死ぬほどまずいって言ってただろ?」


妹「食べたことないけど…バイトすればいいじゃん!ほら料理関係とかさ」


兄「なんで料理縛りなの?」


妹「え?…んーっと、下手だったら私が教えたいから?」


兄「なんだそれ?ブラコンか?」


妹「死ね!」バタン


兄「料理ね…あいつたまに俺が料理作ってるとか知らないのか?」



ーーーーリビング。


母「あらあら、ダメだったみたいね」


妹「もー最悪!なんであんなこと言うかなぁ!」


母「ふふ、そんなに怒らないの。せっかくの可愛い顔が台無しよ?」ニコニコ


妹「お母さん、変なこと言わないでよ」ムスッ


母「…」カチャ、カチャカチャ


妹「今日のごはんってなにー?」


母「ふふ、今日は新作よー」


妹「え!本当!?先生、新しい料理教えてくれたの?」


母「うん、こんな簡単に料理を覚えられるなんて先生のおかげね」


妹「ねぇお母さん、私も先生のところで習いたいー」


母「ごめんね、先生ちょっと気難しいところがあって一人しか教えてくれないのよ」


妹「えーケチな先生」


母「無料で教えてもらえる条件として内緒だから…ごめんね」ニコッ


妹「はぁ無料で教えてくれるなら私にでもいいと思うんだけどなぁ…」


母「ふふ」


妹「ケチって言ったけど、今時に無料で教えてくれるっていい人だね。あのダメ兄にも教えてあげたい」


母「あらあら(その先生がお兄ちゃんなんだけどね)」アセアセ



「ただいまー、帰ったぞー」



妹「お父さんだ!」タ、タ、タ


母「ふふ」


ーーーー玄関。


妹「おかえりお父さん」


父「ん、ただいま」


妹「ちょっと聞いてよお父さんーー」


父「兄は居るか?」


妹「え?あ、うん。いつもいるけど?」


父「そうか、少し話があるからって(母)言っておいてくれ」


妹「えーそんなの自分で言えば良いのに、直ぐそこなんだし」


父「ちょっと急いでるんだごめんな」タ、タ、タ


妹「もーなんなの?」


ーーーー兄の部屋。


コンコン。


兄「今度はなんだ?開いてるよ」


父「少しいいか?」


兄「ああ、父さんかどうしたの?」


父「実は提携しようとしてる鐘内×商事なんだが、変な噂があってな」


兄「ああ、あの金無いとか突っ込まれてる会社ね。そのまんまで笑うよね」


父「正直、提携してもダメだとは思うんだが自分の力がないから否定ができないんだ。かと言ってこのまま提携してしまったらと思うと」


兄「なら答え出てるじゃん」


父「しかしな…」


兄「法律知ってるでしょ?この件は僕は何もできないよ」


父「そうか…」


兄「分かったよ。だからそんな顔しないでよ。母さんに愚痴られるの僕なんだから」


父「本当か?」


兄「その代わりに方法は聞かないで」


父「ああ、いつもすまんな」


兄「そう思うのなら母さんを旅行にでも連れてってあげてよ。世界一周ぐらいのお金なら渡すからさ」


父「そんなに休めないし、息子からお金を貰うほど落ちぶれてはないつもりだ」


兄「なら安心したよ。これ使って」


父「ん?これは?」


兄「優待券でもらった宿泊無料優待券。無料って珍しいでしょ?しかもハイシーズン問わないで上にさらに優遇してくれるんだとさ、内容は知らないけど」


父「本当か!?でもいいのか?彼女とかと行けば楽しいだろうに」


兄「彼女なんて幻想だよ。モテたことないのに」


父「そうか?親バカと差し引いてもお前は充分にモテると思うが」


兄「はいはい、どうも。有給をいつ取るか考えときなよ」


父「ああ、わかった」バタン


兄「今日の動きでも見るかな…」カチッ、カタカタ


ーーーーリビング。


妹「…」ムスッ


父「ただいま」


母「おかえりなさい、あなた」


父「うん、あのな」


母「?…どうしたの?考え込んで…もしかして会社で苛められたの?」


父「いや、なんでだ。いつもと変わらないよ」ニコッ


母「あらそう、ふふ、おかえりなさい」


父「う、うん。ただいま(昔から変わらないな)」


母「昔も今もあなたを好きよ」


父「あ、ああ(読まれた?)」


母「考えが読みやすくてそこが好きになったんだから」


父「今まで教えてくれなかった好きになった理由をこの瞬間で聞くことになるとは思わなかったよ」


母「あら、そうかしら?」


妹「もー!イチャつくならここじゃなくてどっかでやってよ!」


母「ふふ、あとでね」


父「あ、ああ」


妹「…」ムッスー



ーーーー次の日、学校、妹の教室。



妹友「それで朝から不機嫌なんだ」


妹「もー!もー!」


妹友「牛?」


妹「なんなのなんなのなんなのー!?私がせっかく兄の人生を心配してるのに!」


妹友「それは迷惑なんじゃないのかな?」アセ


妹「修正してやる!道を外す前に!」フンス



ーーーー兄の教室。



兄「携帯じゃスピードが遅いよな…そもそも携帯でやるのが怖いのなんのって」


友「なにブツブツ言ってんだ?」


兄「ああ、ちょっとな」


友「ってそれ昨日販売されたばかりの…機能と通信のでもハイスペック、値段もハイスペックの!!」


兄「うるさい」グニッ


友「ふひふぉふふぁむのふぁふぇろ」


兄「何言ってるのかわからん」


バシッ!


友「口を掴むのはやめろって言ってんだよ!」


兄「ああ、そう」


友「いつも思うがクールだねぇ」


兄「クールとかないわーないわー」


友「うるせぇよ!クールって使っちゃいけないのかよ!?」


兄「はいはい、クールクール」


友「ぐぬぬ」


兄「冗談は置いといて次ってなんだっけ?」


友「あ?移動だよ。周囲見てみろよ、もう誰もいねぇぞ?」


兄「…いるじゃん」


友「あ?」


無口「…」ペコッ


友「うわっ!びっくりした…」


無口「…移動」


兄「うん、分かった。教えてくれてありがとう」


無口「…ん」ペコッ、タ、タ、タ、


友「変な奴だよな」


兄「お前よりは好感が持てるよ」


友「それどういう意味!ねぇ!それどういう意味!泣くぞ!」


兄「…泣けよ」ニヤッ


友「お前ドSだろ!」


兄「ど親切だ。行くぞ」タ、タ、タ


友「ちくしょー!!!」


ーーーー昼、中庭。


兄「…パン買ってきたか?」


友「…」ゼーハーゼーハー


兄「おいおい、陸上部がそれぐらいでへばるなよ」ニヤニヤ


友「…」ゼーハーゼーハー、プルプル


兄「そのレベルだから万年最下位なんだよ」ニヤッ


友「お前は何なんだよ!泣かしたいのか!つかよ!ここから3キロ離れてるコンビニに全力で走って数分で戻ってきたことを褒めろよ!」


兄「タクシー使えばいいのに」チュー


友「なんでパン買うためにタクシー使うんだよ…てかそれ俺のいちごミルクティー!!」


兄「…ホレッ」ヒュ


友「おっと」パシッ


バカが治る魔法のお茶


友「なにこれ?こんなの買ってないけど」


兄「飲めよ、チャンスだぞ」ニタァ


友「お前は…」プルプル、チュー


兄「…(怒る前に飲むのか、ただのお茶なのに)」


無口「…」ジー


兄「…ん?」チラッ


無口「…!」オロオロ


兄「…」タ、タ、タ


友「おい、どこ行くんだよそっちは(無口が座ってるベンチに向かって何しようってんだ?)」


兄「…となり失礼」スタッ


無口「…」プルプルプル


友「…(あーあ、あんなに震えちゃって。流石に同情する)」


無口「…ア、アノ」


兄「なに?迷惑?」ニコッ


無口「…」ブンブン


兄「あいつが君の隣に座れって命令した。酷い奴だよな」ニタァ


友「おいてめぇ!俺がいつそんなことを言ったよ!馬鹿かお前!」


兄「うるさいバカ、バカが治る魔法のお茶を飲んでる奴に言われたくない」


友「ハッ…(まさかこの伏線!!なんてやつだ末恐ろしい)」ブルブル


兄「って思ってる顔だよねあれ」


無口「…フフ」


兄「っと」スッ


無口「…?」


兄「食べ終わったし、行くよ。話が気になるなら遠くから見てないでいつでも来なよ。歓迎するよ」


無口「…」オロオロ


兄「大丈夫、いじるのはあれだけだから」ニコッ


友「おい!今絶対酷いこと言ったろ!」


無口「…」


ーーーー兄の教室。


兄「昼ご飯も終わったし、健全な男子高校生は寝るか」


友「寝るなよ!今日、昼のサッカー手伝ってくれるんだろ!?」


兄「なんで?」


友「約束しただろ!今日出てくれなきゃ困るんだよ!」


兄「どうせ、クラスの誰かに頼まれたんだろ?」


友「うっ…(女子に頼まれたとは言えない、ここは一つ、サッカー部のやつらが兄の実力を見たいとか言われたと言えば…)」


兄「…(女子に頼まれたな…しかも、何か特別な条件がもらえるから必死なんだろう)」


友「…(カラオケ一緒に行ってくれる約束をここで散らせるわけにはいかない!)」


兄「…(カラオケだな、狙ってる女子が誘えるから必死なんだろう)」


友「…(しかしどうする、どうやって兄をサッカーに連れて行く?強制?そんなことしたら)」ガタガタ


兄「…(分かってるじゃないか、お前の恥ずかしい情報を新聞部に渡してあげよう)」ニヤッ


友「…」ゴクリッ


兄「…」ニタァ


友「…(無理だぁ!この魔王を倒すにはフル装備で全回復アイテムカンスト、レベルもカンストじゃなきゃ無理だ)」ガクッ


兄「…(膝が折れた、諦めたな)」


友「…(まだだ、まだ終わらんよ!)」ガシッ


兄「…(まだ頑張るか)」


クラス男子「あの二人何やってんだ?」アセ


クラス男子2「すごい攻防してるのはわかるけど喋ってないからわからん」ゴクリッ


ガラガラ。


クラス女子「友君ごめーん、私呼ばれちゃって約束また今度」


友「…(もうやめて、私のライフはゼロよ)」スッ


クラス男子「友が…倒れる…」


ガシッ。


クラス男子2「兄が支えた、これが友情か…」


兄「…」


友「…兄」


兄「サッカー行こうぜ」キラキラ


クラス男子「兄が今まで見たことがないほどの笑顔だ」


友「…鬼ぃちゃーん」


クラス男子「お兄ちゃん?」


クラス男子2「察しろよ」


ーーーーグランウド。


兄「しねぇええええ!」ドンッ


友「グベラッ」ドガッ!


味方「友君ぶっ飛んだー!!」


味方2「友君に当たって軌道が変わったボールはそのままーゴール」


兄「よし四点目」


敵「悪魔だ」


敵2「ゴールするたびに奴の顔が潰れていく」


敵3「見ろよあれ」


友「…」ピク、ピクピク


兄「友、ナイスアシスト。目的の子がいないけどきっと女子も見てくれてるぞ」


女子1「キャー兄くん」


女子2「なかなかやるわね」


女子3「もうちょっと威力があれば」


兄「さぁ立て、あともう一点位はいけるだろ?」ニタァ


友「お、おおお」ブルブル


敵「見なかったことにしよう」


敵2「なるべく点を入れやすいようにゴール空けとこう」


敵3「そうだな…」


敵、敵2、敵3(死人が出る前に!!!)



ーーーー授業開始前。


友「…」


兄「どうした、いつもうるさいのに静かだな」


友「もがもがもが」


兄「そうか…大変だな」


友「…」


ガラガラ。


女性教師「みんなー授業始めるから座ってヒィイイ!と、友君どうしたのその顔」ガタガタ


友「モガモガモガ」


兄「バク転に失敗して地面でブレイクダンスした結果だそうです」


友「…」


女性教師「そ、そうなの?(怖いよぉ)」ガタガタ


ーーーー放課後。



兄「さて帰るか」


友「ちょっと待て」


兄「なんだ復活したのか」


友「お前…今日という今日は絶対、ぜーったい」


兄「駅前のラーメン行こうぜー奢るから」


友「おう!俺とんこつな」


兄「店で言おうぜ」


友「トッピングもいいよな」


兄「ああ、別にかまわないよ」


友「しゃー!」


クラス男子「仲良いんだ悪いんだか」


クラス男子2「あの二人は謎だよなぁ、勢いで生きてる感じで女子は近づけないみたいだし」


クラス男子「え?あれわざとやって女子を遠ざけてるんだろ?」


クラス男子2「そうなのか?」


兄「いくぞー」


友「ちょ、ちょっと待って他にも誘おうぜ」


ーーーーラーメン屋。


友「おっちゃん!とんこつでトッピング味玉とチャーシュー」


おっちゃん「いや、何度も言ってるけど食券買えよ」


兄「はずっ他人のふりしようぜ」


女「いや、なんで私ここにいるの?呼ばれる理由思いつかないんだけど」


兄「頭数合わせ?」


女「ひど、てかあんたらとあんまり関わってないのになんで呼ばれたのが本当に不思議で」


兄「食いたいものあるなら奢るよ。半ば強制的に呼んだのは悪かったと思いたい」


女「思いたいって…アンタねぇ…まぁいいわ、最近ラーメン食べてなかったからご馳走になるわよ」


兄「そのサッパリ感は買いたいね」


女「売るほどあるわよ」


兄「そか、ところで無口さんは何食べる?」


無口「…」オロオロ


女「無口さん呼んだの?」


兄「下駄箱で靴履き替えてる時に背負ってたカバンを掴んで連れてきた」


女「鬼か」


兄「兄です」


女「知らんわ、大変だったわね無口さん」


無口「…」ペコペコ


女「怒ってないのに…」


兄「小型犬はよく吠えるけど負けを認めたときお腹を見せるあれだね」


女「その例えかなり微妙だと思う」


兄「だよね」


友「なぁ席どこがいい?」


兄「お前と離れた席」


友「やだよ!ぼっちになるだろ」


兄「別にいつもぼっちじゃん」


友「いや、友達居るから、少なからず居るから」


兄「…」ニヤッ


友「友達だよね?俺たち友達だよね??」


友「ちょーうめぇ!」ズルズル


兄「…」モグモグ


無口「…」モグ…モグ・・・


女「・・・会話ないわねー」


兄「美味しいものは黙って食うものだよ」


おっちゃん「嬉しいこと言ってくれるねぇほれ味玉サービスだ」


友「うぉおおおおおきたぁあああああ」


ドガッ!


友「」


兄「ありがとうございます」


女「ありがとう、おじさん」


無口「・・・」ペコッ


女「さっきの話しぶりからここには結構通ってるの?」


兄「三日に一度位かな」


女「お得意様じゃない」


兄「友のせいでグレーリストの客だけどね」


女「なにかやらかしてるの?」


兄「そこで死んでるのが騒ぐから客がね・・・でも外にいる客が繁盛してるって勘違いしてくるから半々なんだよね」


女「迷惑な客ね」


兄「一緒にしないでくれよ?」


女「強引に女の子を連れてくるあたりで迷惑を考えないわけ?」


兄「・・・」


女「・・・」


兄「やるな」


女「いや、仲間じゃないし、認めないでよ」


兄「まぁいつもこんな感じだよ」


女「なに急に?」


兄「女子が噂してるみたいだしね。ここいらで潔白を払拭しておかないと一部の女の子のテンションが止まらない」


女「そんなのごく一部じゃない」


兄「興味アリと」


女「うるさい」


兄「腐ってやがる・・・遅すぎたんだ」


女「腐で悪いか、脳内であんたらの絡み考えてあげようか?」


兄「噂の原因女さんかよ」


女「しまった」


兄「まぁいいけど」


女「ふ、ふふふ」


兄「こえぇ・・・無口さん行こうかこいつらといるとダメになる気がする」


無口「・・・」カァ


兄「あー興味あるのね」


ーーーーラーメン屋、外。


兄「味が変わらないことが大切だ」


女「なに急にって言いたいところだけどそれは言えてる」


無口「…ゴチソ」


女「ごちそうさま、奢りならまた付き合う」


兄「高くつきそうだ」


女「投資って思えばいいじゃん」


兄「はは、いいねそれ。燃えるよ」


女「?意味わかんないけど、またね」タ、タ、タ


兄「たしかに売るほどあるさっぱり感だ」


無口「…ア、アノ」


友「いやー美味かった次は土曜日に行こう」


兄「明日じゃん、部活の後に行くのか?」


友「そうだった、明日は土曜日だから朝から死ぬほど動くんだった」


兄「…」プルルル


友「おい、どこに電話してんだ!」


兄「あ、明日友が部活なんてやってらんねぇーからラーメン屋行くとか言ってました」


「なぁにー!あのバカそんなこと言ってたの?!分かった教えてくれてありがとうね!ところで君誰?なんで私の番ーー」


兄「…」ピッ


友「てめぇなにしてくれんだ!!」


兄「明日は地獄だな」ニヤニヤ


友「あぁあああ先輩に電話して誤解を…いや、電話番号…副部長のしか知らないし…あぁあああ」


兄「副部長に電話すればいいじゃん」


友「部長に言ったらすぐに副部長に伝わるんだよ!」


兄「へーそうなのかー」ニタァ


友「わざとやりやがったな!」


兄「さっさと家に帰って誤解を解く方法考えるといいよ」


友「チックショー!」ダッダッダッ


兄「ふっ、相変わらず楽しいやつだ」


無口「…ア、アノ」


兄「どういたしまして、帰り近くまでなら送ってくよ」


無口「…」コクンッ


ーーーー帰り道。


兄「意外と家が近いんだな、知らなかったよ」


無口「…」コクンッ


兄「あー友?あいつはいつもあんな扱いだよ」


無口「…」


兄「いじめられるのが好きなんだよ、ドMだから」


無口「…」アセアセ


兄「いじめるのダメか…今度、無口さんがいじめてみれば?意外といい反応すると思うよ」


無口「…」アセ


兄「なんで喋ってないのにわかるって?」


無口「…」コクコク


兄「…勘、かな?」


無口「!」


兄「そんな驚くことでもないよ。昔からこうしたらこうなるって結果が見えててね」


無口「…?」


兄「いや、超能力とは違うんじゃないのかな?」


無口「…」


兄「あー鋭いね、たしかに悪意も感じられるよ」


無口「…」


兄「へー、優しいね」


無口「…」アセアセ


兄「いや気にしなくていいよ。それにしてもそこまで気づかれたのも初めてだったからさ」


無口「…」シュン


兄「踏み込んだこと聞いたところで、別にいいんじゃない?友達なんだし」


無口「…」ビクッ


兄「いじらないって言ったけどいじってみた」ニヤニヤ


無口「…」ペコッ


兄「…調子狂うな、まぁよろしく」


無口「…」ペコッ


兄「ん?ここでいいの?」


無口「…」コクッ


兄「あいよ、またなー」


無口「…」オロオロ


兄「…?いやそれはわかんない、どうした?」


無口「…」ニ、ニヤ


兄「お、おう」


無口「…」ズンッ


兄「気持ちはわかるけど無理すんな」


無口「…」シュン、トボトボ


兄「ぷ、あぶね本気で笑いそうだった。変な奴だけど今まであった奴で一番いいやつだ」タ、タ、タ


ーーーー自宅。


兄「ただいまー」


妹「遅い!何してたの?」


兄「デート」


妹「…」


兄「おー固まった、やはりブラコンか」


妹「…」プルプル


兄「よし、逃げるか」タ、タ、タ


妹「詳しく聞かせろおらぁああああ」ダッ


兄「…」ダッ!


ガチャッ、バタン、カチャリ。


兄「ふぅ…」


「開けろぉおおお、誰だ相手はー教えなさいぃぃいいいい」


兄「ストーカーかよ、顔は良いのに性格がダメなんだよなー、多分彼氏どころか結婚も危ういぞあれ」プルル


「はーい、誰ですか?」


兄「あーうちの妹が暴走してるから慰めてやって」


「え?あ、は、はい…妹ちゃん?ってお兄さん?」


兄「んだ」


「え?どうやって電話番号?え?えぇ?」


兄「実は君のストーカーだったんだ、はぁはぁ」


「あ、はい…よろしくお願いします」


兄「済まなかった、混乱させたようだ」


「一応、この番号登録しといてもいいんですか?」


兄「ああ、着拒否で登録するといいよ」


「しませんよぉ、妹ちゃんに電話しますねー」


兄「サンキュー」ピッ


「誰と電話してんだぁああああ!彼女かぁああああ、うわぁあああん」


「妹ちゃん、電話なってるわよー?」


「うあぁあああん」


タ、タ、タ。


兄「魔王は去ったか、モニターの電源入れてっと…流石に八台もモニターあるとPC予備で買っておいたほうが良さそうだな」カチャカチャ


ピピピ。


兄「電話?ってこいつか…」ピッ


ピピピ。


兄「…」ピッ


ピピピ。


兄「…」ピッ、ピッピッピ


『着信拒否設定しました』


兄「…この銘柄売れてるな、でもパターンから1円抜きしてもこれは負けるだろうな」


「兄ちゃん、電話よー」


兄「いつになったらちゃん付けやめるんだよ…はいはい!」



ーーーー受話器前。


兄「…はぁ、ただいま電話に出ることができません。御用のある方は今すぐ死ね」


「なんでだよ!死ねってなんでだよ!!」


兄「なんか用?友(笑)」ピ、ロクオンカイシシマシタ


「なんか気になるが…まぁ、あのな!今日女さん来ただろ」


兄「ああ、来たな。強引に誘ったからな」


「今更だけど、すっげー可愛いよな!」


兄「目当ての女の子どうした?」


「あ、いや、それはそれこれはこれ」


「お兄ちゃんがひどいんだよおおおおおおおおうわああああん」


「なんぞ?」


兄「気にすんなそれで?」


「あ、いや、今度はカラオケに誘わないか?」


兄「段階いろいろ吹っ飛ばしすぎだろ」


「ここは強引に行くべきだろ?常識的に考えたらそうだと言っている」


兄「(誰がだよ)…まぁ誘えばいいんじゃない?」


「そこなんですよ!ここは兄さんがなんとかしてくれると思うんですよ」


兄「わかりやすいパターンで笑いそうだった。断る。」


「いや、なんでだよ」


兄「こっちがなんでだよ」


「チッチッチッ、分かってねぇですよ旦那。いいか?女はいつでも誘われたいと思ってるんだよ」


兄「お前って気持ち悪いね」


「いや、気持ち悪ことはないだろ!俺だってモテたいんだよ」


兄「お互いモテないんだから仕方ないだろ」


「は?」


兄「は?」


「いや、本気で言ってるのか?」


兄「どうでもいいけど、これ以上、下らない話するなら」


「待ってくれ、切らないでくれ!」


兄「…なんだよ」


「月曜日、土下座するから一緒に誘ってください」


兄「部活大丈夫なのか?」


「なんでだ?」


兄「その口ぶりだと明日の件、なんとかなったんだろ」


「…おう」


兄「(忘れてたな)まぁいいよ、誘うだけ誘ってみるからとりあえず切らせろ。暇じゃないんだよ」


「なんだよつれねぇーなー」


兄「明日、買い物に行く予定が出来たからな」


「よし、付き合おう。何買うんだ」


兄「部活あるんだろ!」


「おいおい、耳元で大きな声出さなくても聞こえてるって。文明はそこまで退化してないぜ」


兄「…」


「なぁ頼むよ、明日の部活死ぬって分かってるんだからサボらせてくれ」


兄「考えとくよ」


「頼むぞ!それからな」


ガチャッ。


兄「だめだこいつ」


ーーーー土曜日、とある店前。


友「なぁ兄、ここで買い物するのか?」


兄「他にどこがあるんだよ」


友「だってなぁ…」


兄「とりあえず入るぞ」


友「ダンヘルって変な名前だよな」


兄「なんで地獄なんだよお前の頭の中どうなってるんだよ」


友「なんか違うのか?」


兄「訂正する必要なからいいけど」


友「ふーん」


ーーーー店内。


男性店員「いらっしゃいませ」スッ


友「うわっなんかすげぇ丁寧だな」ボソッ


男性店員「どのようなものをお探しですか?」


兄「オーダーメイドのスーツをお願いしたいんですが」


男性店員「畏まりました。只今ご案内いたしますので、少々お待ちいただけますでしょうか?」


兄「はい」


男性店員「ありがとうございます。それでは失礼致します」スッ


兄「…」


友「なぁ、俺って場違いなんじゃ?」


兄「別にいいんじゃない?強引に来といてそれはないだろ」


友「そりゃそうだけどよ、まさかこんな高級そうなところに来るとは思わなかった」


兄「どこに行くと思ってたんだよ…」


友「そもそもなんでスーツなんて必要なんだ?」


兄「ちょっと顔出さないとってところがあってな」


友「スーツが必要なのか?」


兄「いや全然、常識的な普段着でいいんだけどね」


友「なんだか面接みたいだな」


兄「違いないかもな」


ーーーー外、店前。


友「あ、ありえねぇ…スーツが12万…」


兄「なにブツブツ言ってんだよ?行くぞ」


友「お前いくら持ってるんだよ?」


兄「別にスーツ代ぐらいしか持ってきてないけど?」


友「信じらんねぇ…あ、親の金だよな?」


兄「お前が何を言いたいのかわからないから置いてくよ」タ、タ、タ、


友「…二着何に使うんだよ」


ーーーー商店街。


友「んで?これからどうする?」


兄「買いたいものは買ったしな、どうせノープランでぶらぶらするのがいつものパターンだろ」


友「じゃあゲーセンいかねぇ?新しい台入ったんだってよ」


兄「却下、お前の場合メダルだろ?」


友「別にいいじゃねーかせっかくのんびり出来るんだからよ」


兄「そりゃズル休みだからだろうよ」


友「ふひ、まぁいいじゃん」


兄「…ん?向こうから走って来るのって」


友「な!もしかして部活の奴らか!?」


タッ、タッ、タッ。


兄「すぐに会うもんだな」


女「災厄、最低」


兄「そこまで言うか?」


女「私が言ったのはその後ろにいる部活休んで遊んでるやつよ」


兄「ああ…」


友「ん?なんだ女さんじゃないか!どうしたの?偶然じゃね?運命デスティニー!」


女「…キモッ」ボソッ


兄「だよな」


女「聞こえてた?」


兄「結構耳良いんだよ」


女「そっ、ところでそこのダメ男、先輩が探してたよ」


友「…」キョロキョロ


兄「お前だお前、ダメ男」


友「いや、冗談きついぜ。イケメンのこの俺がダメ男な訳無いだろ?」


女「その自信は評価するけど気持ち悪い」


友「ぐふほっ!」


兄「いいね、才能あるよ」ニコニコ


女「何言ってるの?」


女「あんまり先輩困らせないでよね、後々大変だから」


兄「先輩ってあのちっちゃい子だよな」


女「ちっちゃい子って言わない…気にしてるんだから」


兄「あの合法ロリが友を探してるってなんか犯罪だよな」


女「…どちらかというとダメ男が近づいたら通報するけど」


兄「いいね!」キラキラ


友「ちょっとまて!なんで仲良く雑談してるんだよ!俺も混ぜろよぉ!」


女「ダメ男はさっさと部活に今からでも出なよ」


友「いや、無理だね。俺には今日兄と行動する使命があるんだよ」


女「できてるの?」ソワソワ


兄「落ち着け、とりあえず待ってくれ」ピ、ピ、プルル


「はーい、昨日の人ー?」


兄「いま商店街に変態がいるんで気をつけてください」


「変態さん?大変だねー」


兄「友って言う変態らしいですよ」


「えー!友っちそこにいるの!?わかった!全員で行くね!」


兄「頑張ってください」


「ところで昨日の人さんはーー」


兄「…」ピッ



ーーーーグラウンド。


ロリ先輩「うぇええ話聞いてよ!」


副部長「ちょ!だれだ泣かした奴は!出てこい!」ギロッ


部員1「自分じゃないっすよ」アセアセ


副部長「…」ガルル


部員22「どうした?」オロオロ


部員46「ロリ先輩が泣いてるんだが」グッ


ロリ先輩「あのね…グスッ、友っちがね」ポロポロ


副部長&部員達「あのクズがどうしたました?」ゴ、ゴ、ゴ・・・


ロリ先輩「電話ね…切ったの…商店街でグスッ」


副部長「つまりそれは部長に失礼なことを言いまくった挙句に一方的に切ったって事ですよね」


ロリ先輩「チガ・・・」


副部長「野郎ども!この学園のアイドルはだれだ!」


部員達「先輩!先輩!ロリ先輩!!」


副部長「そのアイドルの涙はなんだ」


部員達「夢!希望!青春!」


副部長「アイドルをいじめた奴がいる!」


部員達「殺せ!殺せ!殺せ!」


副部長「商店街だ!」ダッ!


部員達「ガンホー!ガンホー!ガンホー!」ゴゴゴゴゴゴ


ロリ先輩「うぇえええ待ってよぉ置いてかないでよぉおおおお」ペタペタ


野球部員1「・・・なんでロリ先輩、陸上部なんだろうな・・・」


野球部員2「遅いんだけどな・・・ロリ先輩が大会に出るとそのレースだけ最低記録出るらしいぞ」


野球部員1「あのスピードじゃな・・・」


野球部員2「いや、ロリ先輩が出るレース全員がらしい」


ロリ先輩「待ってよぉ」ペタペタ


野球部員1「分かる」


野球部員2「だって副部長と部員の奴ら数メートルしか進んでないしな・・・」


副部長「おらぁ!それじゃあ日が暮れるぞ!!」ダッ!


部員達「うぃーっす!」ゴゴゴゴゴ


ロリ先輩「あうっ」ペタン


野球部員1「平和が一番だ」


野球部員2「だな」



ーーーー商店街。


女「今のって先輩?」


兄「まぁね」


女「君って何者なの?先輩の電話番号なんてあの人気じゃなかなか手に入らないのに」


兄「基本的にほとんどの情報なら入ってくるよ」


女「新聞部にだけは入らないで欲しい人種ね」


兄「照れるぜ」


女「褒めてない」


兄「さて友、お前が女さんの胸を凝視してる間に後どのぐらいの時間で来るかな」


友「は!?み、みてねーし」


女「・・・」スッ


友「ちょ!胸を隠すな!俺は見てないんだよ!」


兄「大きさはCか?」


友「いや、Dだ間違いない。しかもお椀型。限りなく正解に近いスペシャル胸だ」


兄「だ、そうだ」


友「ちょっとまってくれぇ!訂正させてくれぇええええええええ」


女「サイッテー!」


友「はうぁ…イインダヨ、ベツニ、ドウテイダモンオレハイツダッテイツマデモドウテイ、チェリィキングサ」


兄「…おお、久々に」


女「何あれキモイ」


兄「だよね!そう思うよね!」キラキラ


女「あなたもよ、普通じゃないと思うけど?」


兄「えーなんでだよ、俺って超普通じゃね?超普通」


女「いつも思うけどさ、なんか普通じゃないのよねあんたら」


兄「じゃあ、普通って何さ?」


女「んー、アルバイトして部活するとか?」


兄「なんだ女さんも同じなのか」スッ


女「・・・なによ?」


兄「さてー行くかな」


女「どこに?」


兄「んー決めてない」ニコッ、タ、タ、タ、


女「…」


友「あーあいつにさ、何かしろとか『知らない』で言うのはやめておいた方がいいぜー」


女「訳わかんないわよ」ジトッ


ーーーー商店街。


兄「あークッソ、女さんに八つ当たりしたところで解決するわけでもなしに…まぁいいか、それほど仲良くもないし」


無口「…」ボー


兄「…(今日は顔見知りに良く会うな)」タ、タ、タ


無口「…」ゴソゴソ・・・シュン


兄「・・・所持金は五千二百円か、結構持ってるじゃん」


無口「・・・!!」


兄「あ、悪い。ちょっと虫の居所が悪くてな」


無口「・・・」アタフタ


兄「八つ当たりする気はないと思うよ」


無口「・・・?・・・!?」


兄「まぁいいや、あの服が欲しいの?いいセンスしてるじゃん」


無口「・・・」ブンブン


兄「値段は三万四千円、うん、全然足りてないね」


無口「・・・」コクン


兄「服のサイズは合ってるの?」


無口「?」


兄「とりあえず中入ってみよう!」グイッ


無口「!!!」


兄「手を握られたぐらいで驚かない!さー行くぞー」グイグイ


無口「!!!」ジタバタ


ーーーー店内。


兄「へーこういう店は初めてだから新鮮だな」


女性店員「いらっしゃいませ」


無口「・・・」オロオロ


女性店員「お探し物はございますか?」


兄「外に展示されてたやつってどこにあります?」


女性店員「それでしたら、こちらです」


兄「ほら行くよ」


無口「・・・」アセアセ


タ、タ、タ。


女性店員「こちらになります」


兄「ありがとうございます。見させてもらいますね」


女性店員「はい、分かりました」タ、タ、タ


無口「・・・」ポー


兄「さて、着てみようか?」


無口「!」ブンブン


兄「着なくちゃわからないだろ」ニヤニヤ


無口「・・・」アセアセ


兄「いや、わざとじゃないよ。なんとなく着てみてほしいから」


無口「・・・」オロオロ


兄「お、見てたやつってこれじゃん、ほれ」


無口「・・・」


兄「諦めよう」ニヤッ


無口「・・・」



ーーーー数分後。



兄「長いな・・・何してるんだ?」


ーーーー試着室。


無口「・・・」


シャー!


兄「着替え終わったらすぐに出てこないと心配するぞ」


無口「ーッ!!!」


無口「・・・」ジロッ


兄「HAHAHA、事故だ」


無口「・・・」


兄「まぁ怒るな怒るな、下見てみ」


少女「?」ジッ


無口「・・・?」


兄「お母さん入ってなかっただろ?急に開けたらダメだよ」


少女「ごめんなさい」


兄「というわけだ、俺は止めようとしたがすまんな」


無口「・・・」ペコペコ、アセアセ


兄「ほんの少しでも疑ってくれてありがとう」ニヤニヤ


無口「・・・」オロオロ


兄「まぁ間違いは誰にでもあるしな」


無口「・・・」ズーン


兄「さすがに着替え終わってなかったら止めてたけどな」ボソ


無口「・・・?」


兄「さて、さっきの服着てみてどうだったんだ?」


無口「・・・」


兄「案外、明るい色が好きなんだな」


無口「・・・」


兄「まぁ、当たり前だろうな無口なのは周りが怖いだけだろうし」


無口「!」


兄「あーわりぃ、踏み込みすぎた」


無口「…」シュン


兄「まーそんな顔すんなって」


無口「・・・」


兄「さっきの服、気に入ったなら買おうか?」


無口「・・・」ブンブン


兄「じゃー、ジュースでも奢るわ」


無口「・・・」フルフル


兄「なら何を奢ればいい?」


無口「・・・」フルフル


兄「とりあえず外に出るかー」


無口「・・・」コクッ


兄「・・・」


ーーーーレストラン。


兄「えーっと、これとこれ下さい」


店員「畏まりました」


無口「・・・」アセアセ


兄「彼女にはこれを」


店員「食前酒の方は如何なされます?」


兄「ああ、自分も飲まないので彼女にはjus d'abricot、自分はjus d'orangeをお願いします」


店員「畏まりました。この度は当店にお越しいただき誠にありとうございます。兄様」


無口「・・・??」アセアセ


兄「・・・いえ、それより彼女は初めてなので挨拶などは無しで」


店員「・・・失礼しました。少々お待ちください」スッ


無口「???」


兄「静かなところでいいよね、そう思わない?」


無口「・・・」アセアセ


兄「周り気にしたって意味ないでしょ」


無口「・・・」キョロキョロ


兄「はは、反応面白いね」


無口「・・・」シュン


兄「いやいや、気にしない気にしない」


無口「・・・?」


兄「いや、たまに来るぐらいだよ」


無口「・・・」


兄「彼女は居ないって」


無口「・・・?」


兄「来る理由?まぁ、いろんな相談かなぁ」


無口「…」


兄「たまーに女性とも来るけど大人ばっかりだからなぁ」


無口「…」ドキドキ


兄「いや、まだ学生だから」


ーーーー数分後。


店員「どうぞ」スッ、トン


兄「どうも」


無口「…」ペコペコ


兄「…さてー食べるか」スッ、モグモグ


無口「…」アセ


兄「テーブルマナー?適当でいいだろ?」


無口「…」シュン


兄「ああ、俺は慣れてるからってだけだし気にしないけど?」


無口「…デモ」


兄「喋るほど困ってるのか…分かった。じゃあナイフとフォークは外側からってーー」


ーーーー更に数分後。


兄「うん、それ以上詰め込むとせっかくの料理が冷めるから食べようか」


無口「…」シュー


兄「パンクしそうだしな」スッ、モグモグ


無口「…」スッ、モグモグ


兄「…(一応食べてるけど、美味いとかの反応は分かんないな、普通にファミレスの方が良かったか?)」


無口「…」モグモグ、パァァ


兄「今頃反応かよ」


無口「…!?」ビクッ


ーーーー店の外。


カランカラン。


兄「外で待ってもらって悪いな」


無口「…」フルフル


兄「奢りだからって機嫌取るような顔しなくていいから、またグギギってなるぞ」ケラケラ


無口「…」ガーン


兄「すいませんした」


「オニイチャン、ソノヒトダレ?」ゴゴゴ


兄「…(面倒臭い声が聞こえた)」


妹友「お兄ちゃんって?…って、お兄さん!?」


兄「やぁやぁ、久しぶりだね」


妹友「あはは、電話してくれたじゃないですか」


「ソレハ、ドウイウコト?」


妹友「ヒッ」


兄「…こらこら、数少ない友達を怯えさせるな」ガシッ


妹「…いっぱい居るもん」グググ


無口「…」ビクビク


兄「絶対嘘だろ、とりあえず無口っちに威嚇するのもやめろ」


妹「ソレハ、カンケイナイヨ。ムクチッチッテダレダロウネ」


兄「機械みたいな喋り方やめろ」ヒョイッ


妹「離せー!そいつはお兄ちゃんの!お兄ちゃんの!」


兄「移動するかー」テクテク


妹「降ろしてよ!離してよ!」ジタバタ


妹友「すごい力ですね…」タ、タ、タ、


無口「…?」タ、タ、タ



ーーーーカフェ。


兄「俺たちは飯食ったから食べないけど、何か食べたいのあったら注文しちゃっていいよ」


妹友「奢りですか!?」


兄「奢りです」


妹友「頂きます」パァァ


兄「はいよ(なかなかいい性格してる妹の友達だな、奢る側としては気が楽だ。んで、こいつは)」


妹「ぐ、ぐぬぬ」


兄「…(メニューを威嚇するなよ。さっさと決めてくれ)」ハァ


妹友「じゃあ私は、これとこれ!」


妹「なっ!?それじゃ、じゃあ私はこれ!」


兄「はいはい…すいません」


「はーい、すぐに伺います!」


店員「畏まりました~。少々お待ちください~」タ、タ、タ、


兄「さて、簡単に自己紹介しておこうか」


妹「妹です。今後よろしくしないと思うので以上です」


無口「・・・」ペコッ


妹「・・・」キッ


無口「・・・」ビクビク


兄「お前、いい加減怒るぞ」


妹友「まぁまぁ、お兄さん。じゃあ私は妹友です、お兄さんとはスト」


兄「はいストップ、あれは冗談だからね」


妹友「残念です」


兄「なかなかいい性格だけどこいつ(妹)の前で言わない方がいいぞ」


妹友「ですよねー」


妹「なに?二人して」ジトッ


無口「・・・」アセアセ


兄「んで、クラスメイトの無口と兄だ。よろしく」


無口「・・・」ペコペコ


妹友「よろしくお願いしますね!」


無口「・・・ハイ」


妹「・・・」


兄「なんか言えよ」


妹「・・・よろしく、しません」


兄「・・・」


妹友「もーそんなんだから折角、告白されても男子が泣いて帰っちゃうんだよ?」


妹「なっ!お兄ちゃんの前でその話はしないでよ!」


兄「この後どうする?」


無口「・・・」アセアセ


妹「・・・」ギリリ


妹友「妹ちゃん、睨まないの」


妹「・・・」プイッ


兄「子供かお前は」


妹「まだ子供だもん」


兄「都合の悪い時だけ子供だなおい」


妹「・・・」プクー


無口「・・・」アセアセ


兄「どうでもいいけど、不機嫌は食物が不味くなる。他の人もいるんだからそれくらいは考えろよ」ジッ


妹「・・・うぅ、分かった」


兄「聞き分けの良い奴は好きだぞー」棒


妹「・・・」パァァ


兄「・・・(ちょろい)」


妹友「・・・(単純すぎだよー)」


無口「・・・」オロオロ



ーーーー数分後。


妹「おいしい~」モグモグ


兄「・・・」ズズッ


妹友「お兄さん、よくコーヒーなんて飲めますね」


兄「あー・・・砂糖入ってるけどね」


妹友「・・・?ああ、あはは」


兄「・・・」ニコッ


妹「・・・」ムッス


無口「・・・」


妹友「お兄さん達は今日はどうしたのですか?」


兄「今日は無口っちとたまたま会ってね買い物に付き合っただけ」


妹友「なるほどーそれで」チラッ


妹「なによ?」


妹友「よかったじゃん」


妹「う、うっさい」アセアセ


兄「二人は買い物?」


妹友「そうですよー、新しい服とか出たので見に来ましたー」


兄「直接見ないと服のサイズとか自分に合うかとかわからないもんなー」


妹友「そうなんですよー、だから妹ちゃんがすっごく迷っちゃって今の今までずーっと選んでたんですよ」グッタリ


兄「それは災難だったね」


妹友「わかってくれます?」


兄「こいつは優柔不断だからなぁ、父さんに似て」


妹「お父さんになんて似てないよ!」


兄「否定するのもそっくりなんだぜ・・・これ」


妹「うるさい!」


妹友「あはは、私はお母さんに似てるって言われますねー」


兄「へーそれはいいことじゃん、料理とかもするの?」


妹友「まだまだ上手くならないんですけどね、頑張ります!」


兄「頑張ってるじゃなくて頑張るか、いいね」


妹友「褒めても何も出ないですよー」ニコニコ


兄「笑顔になったじゃん」ニコッ


妹友「うっ、からかわないで下さい」


妹「・・・」ムッスー


無口「・・・」


妹友「・・・い、妹ちゃん。そんなに怒らないでよ」アセアセ


妹「怒ってないし!そもそも怒ってるとしたらーー」


兄「・・・」


無口「・・・」アセアセ


兄「妹、騒がしいだろ?」


無口「・・・」フルフル


兄「マジか、すごいな」


無口「・・・楽し・・・い」


兄「・・・へぇ、なら良かったよ」


無口「・・・」コクン


兄「・・・」


妹「ってわけなの!聞いてた!?」


兄「うんうん、マグロってスゲェよな最後までトロたっぷりだもん」


妹「何一つ合ってないよ!?赤身も入れようよ!」


兄「ほぉ、なかなかいいツッコミじゃねぇーか」


妹「知らない!ちゃんと話聞いてよ!」


妹友「あはは」


無口「・・・」クスッ


ーーーー数十分後。


兄「結構居たな、店員になにか言われる前に移動するか」


妹「じゃあこのあとどうするの?カラオケ?」


兄「なんでナチュラルに一緒に行動することになってるんだよ」


妹「え?そんなの、当たり前じゃん」


兄「当たり前なのか?」チラッ


妹友「どうでしょう?」アハハ


無口「・・・」アセアセ


兄「・・・カラオケはなしだな」


妹「えぇ~カラオケ行こうよー!」


兄「そもそも俺は無口っちとたまたまあっただけだしな」


無口「・・・」


兄「・・・まぁ少し強引だったかもしれんが」


妹「その話、もうちょっと詳しく」


兄「する訳無いだろ、とりあえずここは奢るからあとは別行動な」


妹「やだ」


兄「やだじゃねぇーよ」


無口「・・・」アセアセ


兄「用事?」


無口「・・・」コクコク


兄「・・・なら仕方がないな」


無口「・・・」コク


妹「何話してるの?」ジトー


妹友「そもそも話してるのかな?」アセ


ーーーーカフェ、外。


兄「さー帰るぞ」


妹「ちょ!さっきカラオケ行こうって言ったじゃん!」


兄「忘れた」ピピピ


妹友「電話ですね」


兄「うん、ちょっと待ってね。はい」ピッ


妹「誰だ!」


兄「…はい、その件でしたら買いで…はい」ガシッ


妹「もが!もがもが!」ジタバタ


無口「…」アセアセ


妹友「あ、あはは…」アセッ


兄「あと、次電話したら担当変わってもらうんで気をつけてくださいね」ニコッ、ピッ


無口「…」ビクッ


兄「ん?」


無口「…」フルフル


妹友「お兄さん、妹ちゃんピンチです」


妹「…も…が」


兄「…おお、すまない」


妹「はぁはぁ、あと少しで死ぬところだった」


兄「…チッ」


妹「その舌打ちはどういう意味だこらぁあああ」ブオン


兄「ふっ、当たるわけないだろ」スッ


妹「もー!くやしいぃ!」ジタバタ


妹友「…エイッ」シュッ


兄「ぐはっ」ドガッ


妹友「…妹ちゃんあまりいじめないで下さいね」


兄「馬鹿な…グフッ」ガクッ


妹友「ご、ごめんなさい。手加減したつもりでした」


兄「これで手加減で本気だったら死ねる…」


妹「天罰だ!」


兄「はいはい、天罰天罰」


妹「キィー!!」


兄「猿じゃないんだから暴れるな、本当に俺が猿回しになっちまう」


妹「もうちょっと優しくしてくれたっていいじゃん!」


兄「お前がもう少しお淑やかだったら」


妹「なるから!」


兄「…」チラッ


妹友「…」ソー


無口「…」オロオロ


妹「無理ってかー!ばかー!」


兄「まぁこんなもんだろ、とりあえずここで解散な」


妹「カラオケ~行こうよ~」


兄「今度な」


妹「約束?」


兄「…他に人誘うからな」


妹「…分かった」


兄「不満そうにするなよ。あ、そうだ…無口さん今度、頼みがあるから後で連絡する」


無口「…?」…コクッ


妹「…」ギリッ


無口「…」ビクビク


ーーーー駅。


無口「・・・」ペコッ


兄「じゃあな」フリフリ


無口「・・・」タ、タ、タ


兄「・・・」ピッ、プルル


「はい、兄さん。大変お世話になってます」


兄「あー、ども。今度の総会なんですけど一人増えても大丈夫です?」


「はい、大丈夫です。細かい日程などはいつもの」


兄「メールですね。分かりました」


「取材の方はやはりNGですか?」


兄「ダメです」


「・・・分かりました。そちらの方面には私から申し伝えておきます」


兄「よろしくお願いします」


「・・・ここからは私からの私的な話なんですが」


兄「なんでしょう?」


「今度また、食事はどうでしょうか?」


兄「・・・いいですよ」


「嬉しいです。楽しみにしてますね」


兄「はい、それじゃあまた」


「失礼します」


兄「・・・はぁ」


ーーーー自宅。


兄「ただいまー」


ドタドタドタ。


兄「・・・」


妹「ちょっとお兄ちゃん」


兄「んだよ?」


妹「もうこんな時間じゃん、早く帰ってこないとダメでしょ!?」


兄「お前はおかえりなさいも言えないのか?」ジトッ


妹「う、おかえりなさい」


兄「はいはい、よくできました」ポンポン


妹「ふへ・・・じゃなくて!誤魔化さないでよ!」


兄「誤魔化してねーよ。親に注意されるならわかるけどお前が言うなって」


妹「家族でしょ!」


兄「なんか凄く重い話に聞こえるんだけど」


母「あら、おかえりなさい」ニコニコ


兄「ただいま、父さんは?」


父「いるぞ、おかえり」タ、タ、タ


兄「うん」


母「・・・」ニコニコ


父「・・・?」


妹「・・・」


兄「な、何も言われないだろ?」


妹「どうして!?」


ーーーー兄の部屋。


兄「・・・(この銘柄、円高のせいでえげつないことになってるな・・・)」


トントン


兄「はいはい?」


「お兄ちゃん居る?」


兄「いるから返事してるんだろ」


「・・・うん」


兄「・・・?」


ガチャ。


ーーーー廊下、兄の部屋前。


兄「なんだよ?」


妹「えーっと・・・その・・・」


兄「・・・?」


妹「あの後、あの人と何かあった?」


兄「あの人?」


妹「あの・・・喋らない人」ムスッ


兄「ああ、無口さんか、とくになんもねぇーよ。普通に駅まで送っただけだ」


妹「ホント?」


兄「本当だ、マジだ、ガチだ。」


妹「ふ、ふふん。ならいいや」タ、タ、タ


兄「・・・なんなんだあれ」



ーーーー数十分後。



「お兄ちゃん電話よー」


兄「もう・・・何も言うまい」


ーーーー受話器前。



兄「はいはい誰ですかー兄ですよー要件は早めにね」


「もしもーし今晩は~」


兄「だれだ?」


「えへへ、仕返しできたみたいで嬉しいよー」


兄「まぁそうですね。要件が終わったみたいなので切ります」


「うぇえええ待ってよー!ごめんなさいだから待ってよー!」


兄「なら待ちましょう」


「ほんとぉ?嘘じゃないよねー?油断させといて切らないよねー?」


兄「それ以上に疑うのであれば切ります」


「ごめんなさい」


兄「後で会ったらいいこいいこしてあげましょう」


「むー!私これでも先輩なの!ちゃかさないで!」


兄「別にいいじゃないですか、それにいいこいいこされると身長が伸びるらしいですよ」


「ほんとぉ!」


兄「嘘です」


「うぁああああん、頑張ってるのにー!」


兄「そうですね。毎日牛乳飲んでもあまり意味はありませんよ」


「そうなの!?」


兄「ええ、日々のバランスのとれた食事と睡眠が一番です。かなりの確率ですがホルモン関係の病気もあるみたいですね」


「変態さんは博識」


兄「自分は…いや、変態はその行動をするためならいろいろな知識を知っていますよ」


「すごい!変態すごい!」


兄「あとは遺伝ですね」


「うぅ…」


兄「頑張ってください」


「いいこいいこしてくれたら伸びるかも…」


兄「それはほかの人が聞いたら発狂しますよ(特にファンとか親衛隊とか)」


「え!あっ!ああっ!そういう意味じゃないよ!勘違いしたらダメだよ!私だってそういうの憧れるけどダメなの!」


兄「頑張ってください」…ガチャ



ーーーーロリ先輩の部屋。



ロリ先輩「違うよー!ってうああああん!また切った~!」


ピピピ。


ロリ先輩「うわああん、だれぇえええ」グスン


「また誰かにいじめられたんですね!どいつですか!またあのバカですか!?」


ロリ先輩「ふくぶちょーさん・・・」グスン


「どうしました!私に出来ることあればなんでもします!」


ロリ先輩「明日、あたまなでなでして・・・」グスン


「ふおおおおおおきたあああああああ!」


ーーーー兄の部屋。


ガチャ。


兄「・・・何がしたかったんだ?」


妹「まだ何もしてないよ!?」


兄「出てけ、出て行かなくてもとりあえずベットから降りろ」


妹「出て行かないからベットからは降りる」トンッ


兄「何してたんだ?」


妹「ふかふかそうだったから入ってみた」


兄「そうか・・・」


妹「・・・うん」


兄「感想は」ジロッ


妹「・・・結構な頻度で干してる?」アセッ


兄「まぁな、暇なときは干してるし干してもらったりってお前もしてもらってるだろ」


妹「うっ、そうだけど・・・お兄ちゃんの布団の方がいい」


兄「訳分かんねぇよ。同じもの買ってやろうか?」


妹「そんなお金無いでしょ?バイトしてないのにさ」


兄「親からもらってる小遣いは全く使ってないから買えないこともない」


妹「嘘!使ってないの!?」


兄「お前と違ってな」


妹「う~!」


兄「男だから服とかそれほど気を使わないんだよ。そういう意味だ」


妹「・・・うん。一応女の子として見てくれてるの?」


兄「お前の言い方は何処かおかしい」


妹「おかしくない、全然普通だから」バンッ


兄「そこまで言うほどでもないだろ」


妹「分かってないよ!全然分かってない!」バンバンッ


兄「一応掃除してるけどな、埃が出るからやめろ。近所迷惑でもあるしな」


妹「はい」


兄「・・・それで?何が言いたんだよ」


妹「今日一緒に寝よ」


兄「死ねよ」


妹「妹間違えました。寝られないのでお兄ちゃんのベットで寝かしてください」


兄「なら俺はホテルを今から予約するだけだ」


妹「そんなお金あるの?何日泊まれるの?」


兄「数年は泊まれるな」


妹「嘘でしょ!?」


兄「嘘だ」


妹「ぐぬぬ、妹、兄の言動に傷つきました」


兄「お前そんな喋り方だっけ?」


妹「この喋り方だと萌えるって聞いたから」


兄「なにそれ燃える?」


妹「萌える!」


兄「とりあえずどうするつもりなんだ?」


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2019-07-08 11:24:32

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2019-06-21 07:10:42

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2019-06-03 13:11:57

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2019-03-05 00:58:43

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2018-10-23 14:43:02

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2024-01-05 23:08:52

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2018-11-12 22:41:48

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1: SS好きの名無しさん 2018-10-19 20:54:33 ID: ISNsYorR

やったぁ!
続き楽しみにしてます!

2: SS好きの名無しさん 2019-02-12 23:53:08 ID: S:ZVF46u

更新止まった?

3: 四季 2019-02-18 22:08:45 ID: S:vj8psT

生きてますよ、毎日5時間残業で死にかけてますが。

4: SS好きの名無しさん 2020-10-12 00:16:41 ID: S:i-RqIQ

更新ねぇなあ

5: SS好きの名無しさん 2021-01-25 12:53:00 ID: S:_HfjZP

(´・ω・`)マダカナー

6: SS好きの名無しさん 2024-01-05 23:09:58 ID: S:69UKbX

マダカナー(´・ω・`)


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