2019-01-20 22:35:26 更新

概要

パーティ襲撃の騒動から数日
深海棲艦に関する情報提供を受け取った青葉は単独で現場に向かってしまう
一方白瀬は街である騒動に巻き込まれていた


前書き

第4話になります。
今回は青葉と二人の深海棲艦のお話です

=============
このSSはウルトラマンオーブを参考にしています。
オーブをご存じない方は理解不能な話が出てくるのでご注意下さい
================

※稚拙な文章なので、読んでてイラッとするかもしれません。
その場合はブラウザバックをすると治ります。


=====================



「はっ!」ドンッ!


「アハハハッ・・・」キュン


ドゴッ


「ぐあっ!くっ」


ドンドンッ!


「⚪⚪さん!」


「な、なんでここに!?早く逃げて!」


「アハッ、余所見ヲスルナンテ、イケナイ人ネ?」


シュゥゥゥッ ギュオッ!!


「しまっ!、ぐあぁぁぁぁぁぁっっ!!」ドォォォンッ!


「きゃぁぁぁぁっ・・・・」


「ぐっ・・・はっ!?」


「キエチャッタネ?アナタノセイデネ?」


「うおぉぉぉあぁぁぁぁっ!!」


シュゥゥゥゥゥゥ


「だぁぁぁぁぁっ!!」ズオッ‼


「アハッアハハハ、ヨケラレナイ・・・ネ?」


ドガァァァンッ!!!


ピシピシッ パリンッ‼


「はぁ、はぁはぁ・・・」キョロキョロ


「・・・・あぁ、うあああぁぁぁぁぁっ!」



====================



白瀬「はっ!」ガバッ


目を覚ました白瀬は辺りを見る


白瀬「夢・・・、ん?」パサッ


白瀬の額からタオルが落ちた


白瀬「誰か私を看てくれていた?」


隣には冷たい水の入った桶があり、自分は布団に寝ていた。


白瀬「たしかここに来た時は、誰もいなかったと思うけど・・・。」


よく見れば部屋には幾つかの生活用品がおいてあった。


白瀬「誰か住んでいたんだ。だとしたら悪いことしちゃったな。不法侵入だし・・・」


ふと窓を見るとその下に模型が飾られていた。


白瀬「これは、瑞雲? ここの人の趣味かな?でも、翼が折れてる・・・」


カードホルスター「ガタガタ」


白瀬「え?」


日向(今すぐフュージョンするぞ!)カシュッ


白瀬「ちょ、ちょっと勝手に出てこないでくださいよ!」パシッ


そういって外に飛び出した日向のカードを掴む


日向(離せ!傷ついた瑞雲を放っておけるか!)小破


白瀬「日向さんも傷ついてるじゃないですか!今は大人しくしていて下さい!!」


日向(まっ・・・)カシュッ スッ


白瀬は日向をホルスターにしまう


白瀬「ふう・・・」


白瀬「さてと、なにも言わずに出ていくのは、流石に駄目だし。荷物は・・・あれ?ない!?」


白瀬はもう一度部屋を見渡したが自分の荷物はなかった。


白瀬「あ、そうか。ホテルに置きっぱなしだったんだ。服もバーテンのままだし・・・。とりあえず外に」ガチャッ


白瀬は外に出て辺りを確認する。


白瀬「ホテルは・・・あそこか。そんなに遠くないから荷物だけでも取りに行こう。その間に家主の人が帰ってくるかもしれないし。」


白瀬は小屋を後にし、ホテルへ向かった。



=====================


ホテルで荷物を回収し、白瀬は小屋に戻るために海岸沿いを歩いていた。


白瀬「荷物、ちゃんと残っていて良かった。」


白瀬が歩いているとラムネとアイスの自転車販売を見つけた。


白瀬「あ!すいませーん。ラムネ下さい!」


おじさん「いらっしゃい!一本200円だ。」


白瀬「はい、丁度で。」チャリン


おじさん「毎度あり!」


すると二人のやり取りを男の子が見ていた。


おじさん「お、ボウズも欲しいのか?」


男の子「うん、でも100円しかないんだ・・・」


おじさん「よっしゃ、子供料金で100円にしとくぞ。」


男の子の目が輝いた


男の子「いいの!?」パァッ


おじさん「あぁ、もちろんだ。ほらっ」スッ


男の子「わーいヽ( ゚∀゚)ノ」


白瀬「優しいんですね。」


おじさん「それほどでも」


男の子「うーん?ふたが取れない・・・」グイッグイッ


白瀬「貸してみて、こうやるの」ポンッ


男の子「うわぁ!お姉さん、おじさんありがとう!」タッタッタ


おじさん「優しいじゃないか。」


白瀬「それほどでも。」


おじさん「ははっ。所でこの辺じゃみない顔だな。」


白瀬「はい、いろんな場所を旅しています。ここには先日来たばかりです。」


おじさん「そうかい。だったら災難だったな。昨日は久しぶりに深海棲艦が攻めてきやがった。結構激しい砲撃だったが、死人どころか誰1人怪我しなかったのが幸いだったよ。」


白瀬「そうだったんですか。」


白瀬(死傷者0?偶然かな・・・)


おじさん「それに、最近じゃ丘でも深海棲艦を見たなんて聞いたりするんだ。」


白瀬「えっ?この街でって事ですか?」


おじさん「ああ。2ヶ月前位から噂が出てな。俺は見たことないが、聞いた話じゃ海岸近くの洞窟で見ただの、この近くの魚屋で見掛けたとか、夜に波止場で釣りしてたやつが魚ぬすまれたとか、聞いたらキリがないくらいだ。」


白瀬「幾つかは怪談じみてますね。」


おじさん「まあ、殆んどガセだと思うがな。さて、そろそろ行くわ。」


白瀬「ごちそうさまでした。」


おじさん「昨日の事もあるから気を付けてな。あと・・・」スッ


差し出されたのはアイスだった。


白瀬「えっ?いいんですか?」


おじさん「ああ。優しいお嬢さんに餞別だ。」


白瀬「ありがとうございます。頂きます。」ペコッ


おじさん「じゃあ、気を付けてなー」チリンチリン


白瀬は自転車を見送りながら考えていた。


白瀬(深海棲艦が陸に・・・。あり得ない話じゃない。ちょっと調べてみようかな。)


白瀬はアイスとラムネを堪能しながら近所の魚屋へ向かった。


地元の人に道を尋ねて魚屋を目指し、10分程で到着した。


白瀬「ここか・・・。パット見た感じは普通の魚屋さんだけど」スタスタ


魚屋大将「らっしゃい!」


店先では魚屋の店主が接客をしていた。


主婦「今日はこれを貰おうかしら。」


大将「毎度あり!こいつはサービスだ。」


主婦「あら!いつもありがとうね。」


大将「奥さんだからサービスしたんだ。また来てくれよ?」


主婦「あらやだ、じゃあ明日も来るわ」スタスタ


白瀬を見つけた大将は


大将「お、いらっしゃい!」


白瀬「どれも美味しそうですね。」


大将「お、わかるかい?全部今朝揚がった魚だ。」


白瀬「へ~。今日はどれがおすすめですか?」


大将「どれも美味いがそうだな、今日はこいつだ!」


大将が取り出したのは鯛だった。


白瀬「じゃあ、それ頂きます!」


大将「お、毎度あり!」


白瀬が代金を支払うと鯛以外にも魚が数匹入っていた。


白瀬「あの、これ」


大将「なぁに、綺麗なお嬢さんにサービスだ、もってけ!」


白瀬「あ、ありがとうございます。」ペコッ


大将「いいって事よ。そういやあんた、ここいらじゃ見ない顔だな?観光客かい?」


白瀬「うーん、観光目的とは少し違います。人を探してましてあちこちを旅しています。それでついた街を色々見てるんです。」


大将「そうかい。まあ、この街には観光スポットはこれと言って無いからなぁ。」


白瀬「でも活気があって綺麗な街だと思いました。それにさっき海岸を歩いていたら洞窟のような場所を見つけたんです。」


大将「・・・もしかして近くに小屋のある洞窟かい?」


白瀬「はい。後で海岸を散歩するついでに行ってみようかと思いま」


すると大将が白瀬の言葉を遮った。


大将「やめとけお嬢さん。」


白瀬「えっ?」


大将「あそこは海蛇の巣になっていてな。地元の奴も近づかないんだ。近くの小屋も今は使われていないらしくてな。」


白瀬「そうだったんですか。」


大将「なんにせよ近付かない方がいい。小屋だって不審者がいるかも知らんしな。特に若いお嬢さんが1人で行く場所じゃないからな。」


白瀬(何か引っ掛かる。さっきのおじさんは゛近づくな゛とは言わなかった。小屋は誰かが住んでいるみたいだし)


白瀬「さっき街の人から聞いたんですが、不審者って噂の深海棲艦だったり・・・」


大将「い、いやそうじゃない。誰が潜んでいてもおかしくないって話だ。」


白瀬「あぁ、すいません、変な事言って・・・」


大将「いやいや、こっちも引き留めて悪かったな。」


白瀬「魚、ありがとうございます。美味しく頂きます。」


大将「ああ。また来てくれよー。」


白瀬が見えなくなり大将は安心した表情を見せる。


大将(ふぅ。あんな旅人の耳にまで噂がはいってるとは。まぁこれであのお嬢さんはあそこには近付かないだろ。)


大将が考え込んでいると店の奥から声がした。


???「大将サン、次ハ何ヲシマショウカ。」スッ


大将「おわっ、駄目だよコウちゃん!店先に顔だしちゃ!見つかったらどうすんの!?」


???「ゴ、ゴメンナサイ」


大将「まぁお客がいないときだったから良かったけど、次から気を付けなきゃな?」


???「ワカリマシタ、気ヲツケマス」


大将「よっしゃ、じゃあ次はこいつを・・・」


大将は店の奥へと戻っていった。


====================


魚屋を後にした白瀬は小屋へ向かっていた。


大将が言っていた事を確かめる為だ。


白瀬「とりあえず戻ってきたけど・・・」スッ


白瀬は小屋の前で耳を澄ます


しかし小屋からは音が聞こえてこなかった。


白瀬「まだ戻ってきてないのかな・・・?失礼しまーす」ガチャッ


扉をあけると小屋は白瀬が出た時と変わっていなかった。


誰かがいる気配もない。


白瀬「仕方ないか、荷物おいて洞窟を見てみよう。」ドサッ


白瀬は小屋を後にし、近くの洞窟へ向かった。


白瀬「ここか。奥は深くな無さそう。」ザッザッ


洞窟には流れ込んだ海水が溜まっていた。


満潮時には奥に行けなくなるようだった。


白瀬「海蛇は今のところいない・・・。」


白瀬「なにこれ・・・」


そこには大きな鉄の塊があった。


白瀬「明らかに自然の物じゃない。」スッ


塊は放置されてから時間が経っているようで、しばらく使われていない様に見えた。


その中の1つを見て白瀬は驚く。


白瀬「こ、これは深海棲艦の艦載機!?なんでこんな場所に・・・」ガシャッ


そこには既に機能していないが、深海棲艦が使用する艦載機があった。


白瀬が一つ一つ調べていると後ろから声がした。


???「・・・ミツケタ」ジャリッ


白瀬「!」クルッ


白瀬「貴女は・・・北方棲姫!」バッ


白瀬は後ろに下がり距離を取り構える。


白瀬(何でこんな所に・・・噂は本当だったって事!?)


白瀬(出口はあそこ1つだけ。・・・どうする?)


考えている間も北方棲姫は白瀬に向かって歩いてくる。


北方棲姫「ニンゲン・・・」トテトテ


白瀬(・・・・なんだろう。敵意を、感じない?)スッ


艦載機を展開せず、ただ近付いてくる北方棲姫を前に、白瀬は構えを解いた。


北方棲姫は白瀬の手を繋ぎ尋ねた


北方棲姫「ケガナオッタ?」キュッ


白瀬「えっ?」


北方棲姫「ケガ、シテタ。ネツモアッタ。」


白瀬「もしかして私を看てくれていたのは・・・貴女なの?」


北方棲姫「カエッテキタラ、カッテニネテタ。フトンニネカセタ。」


=====================


大将「さぁ、今日の仕事終り!」


港湾棲姫「オ疲レ様デシタ。」


大将「おう。コウちゃんもお疲れさん。コウちゃんが居てくれるから仕事が本当に助かるよ。」


港湾棲姫「感謝スルノハ私デス。私モホッポモ感謝シテマス。深海棲艦デアル私達ニ優シクシテクレテ。」


大将「なに言ってんだ。俺も女房が入院しちまって困ってたんだ、お互い様だよ。そう言えば、ホッポちゃんもう良くなったのかい?」


港湾棲姫「ハイ。随分良クナリマシタ。大将サンガクレタ薬ガ効イタミタイデス」


大将「そうかそうか、そりゃ良かった。ほら、今日はこいつを持って帰りな。」


差し出された袋には魚が数匹入っていた。


港湾棲姫「何時モアリガトウガザイマス。」


大将「帰り道みつかんねぇ様に気を付けてな?ホッポちゃんによろしくな。」


港湾棲姫「ハイ。ソレデハ。」


港湾棲姫は頭を下げ海に帰って行った。


大将「さて、風呂でもはいるか。あっ!渡すの忘れてたよ・・・どうすっかな」


そこには完成した烈風の模型があった。


====================


魚屋を後にした港湾棲姫は小屋がある海岸に戻ってきた


浜に上がりそのまま小屋に向かう


港湾棲姫「タダイマ・・・ホッポ?イナイノ?」


だがそこには北方棲姫も白瀬もいなかった


港湾棲姫「アノ人間モイナイ・・・一体ドコニ?」


近くの海岸を見るがやはり姿を確認できなかった


港湾棲姫「探サナイト・・・」


港湾棲姫が辺りを確認していると何処からか泣き声が聞こえた


「ウワァァァァン・・・」


港湾棲姫「ホッポ!?洞窟ノホウカラダ」ダッ


港湾棲姫は洞窟ヘ向かった。


だがそこに北方棲姫はいなかった


港湾棲姫「イナイ・・・何処ニイルノ?」


奥の艤装がある場所にもいない


港湾棲姫は耳を澄まし声を聞いた


・・・・・・タイ・・・


ご・・な・・い・・・


港湾棲姫「コッチカッ!」ダッ


わずかな声をたどり、到着したのは以前北方棲姫が見つけた洞窟から続く回りを岩で囲まれた海岸だった。


そこに北方棲姫と白瀬を発見する


港湾棲姫「ホッポ!!!」


北方棲姫「・・・オネエチャン」グズッ


白瀬「こ、港湾棲姫!?」


白瀬(一緒にいる事が多いと聞いていたから予想はしていたけど・・・。この状況は誤解される!)


知らせの足元で蹲る北方棲姫は膝から青い血を流していた。


港湾棲姫「ッ人間!ホッポカラ離レロッ!!」ダッ


白瀬「ま、待って!誤解よ!」


港湾棲姫は聞く耳を持たず、鋭い爪で白瀬を襲う


白瀬「うわっ、ちょっと待って・・・」サッ


一撃目をかわしたが体制が崩れてしまう。


そこへ追撃の拳が白瀬を襲う


港湾棲姫「ウルサイッ!」ドゴッ!


白瀬「ぐっ・・・いったぁ・・・」ズサササッ


港湾棲姫の攻撃が白瀬を捉えた


両腕でガードしたが白瀬は吹き飛ばされる


港湾棲姫「戦ウノハ好キジャナイ・・・ダケドホッポヲ守ル為ナラ・・・」グイッ


北方棲姫「ダメ、タタカッチャダメ!」


港湾棲姫の腕を掴み北方棲姫は続けた


港湾棲姫「離レテイナサイ、スグニアノ人間ヲ・・・」


北方棲姫「チガウ!シラセワルクナイ!」グイッ


港湾棲姫「エ・・・?ホッポヲ怪我サセタンジャナイノ?」スッ


北方棲姫「シラセ、アソンデクレテタ。オニゴッコシテタ」


港湾棲姫はしゃがんで北方棲姫と同じ目線で喋る。


北方棲姫「ホッポニゲテタ、ソシタラコロンダ。コロンダバショニ、トガッタモノガアッテソレニアタッタ」


港湾棲姫「足ミセテ・・・ココハ・・・」


北方棲姫「ウン、ムカシウタレタバショ・・・」


白瀬「ごめんなさい・・・怪我させるつもりはなかったんです。」


港湾棲姫「ゴメンナサイ・・・。人間ガ怪我サセタト勘違イシテシマッタ・・・」


白瀬「仕方ありませんよ。あの場面じゃ勘違いしてもおかしくありませんし」


港湾棲姫「ヨク考エレバタダノ人間ガ私達ヲ傷ツケルノハ不可能ダッタ・・・本当ニゴメンナサイ」


白瀬「あははは・・・だいじょっぶっっ」ダキッ


白瀬が言いかけたとき北方棲姫が白瀬に抱きついた


北方棲姫「ゴメンナサイ!シラセッ!ゴメンナサイ・・・」ウワァァン


白瀬「謝らなくていいよ、今のは仕方がないことだったから」


北方棲姫「キライニ、ナラナイデッ・・・」グズッ


白瀬「うん。大丈夫だよ」ナデナデ


港湾棲姫(ホッポガココマデ懐クナンテ深海ニ居タ頃モアマリ無カッタ・・・。)


白瀬「足の手当てしないと・・・」


港湾棲姫「小屋ニ戻ロウ。ホッポ、オイデ」


北方棲姫「ウン」


白瀬「ちょっと待って・・・」


白瀬はタオルを取りだし北方棲姫の足に巻いてあげた


白瀬「とりあえずこれで・・・」


二人「アリガトウ。」


港湾棲姫は北方棲姫を抱き上げる。


白瀬「一緒に行っても?」


港湾棲姫「モチロンデス。エット・・・」


白瀬「あ、私は白瀬って言います。敬語じゃなくてもいいですよ。」


港湾棲姫「ワカッタ。白瀬サン、腕ハ大丈夫ナノカ?」


二人は小屋へ向かいながら話をする


白瀬「ちゃんと防いだので大丈夫です。こう見えて結構頑丈ですから。」


港湾棲姫「・・・ソウカ。ナラ良カッタ」


港湾棲姫(意識ハシナカッタガ、カナリノ威力デ殴ッタ。タダノ人間ナラ腕ガ無クナッテイテモオカシクナイガ・・・)


北方棲姫「スー、スー」


白瀬「あら、静かと思ったら・・・」


港湾棲姫「疲レテ寝テシマッタカ」


港湾棲姫「後デ話ヲシテモ?」


白瀬「ええ。いいですよ。」


北方棲姫の邪魔をしないように二人は静かに小屋へと向かった


==========================================


小屋に着いた二人は北方棲姫を布団に寝かせた。


北方棲姫「スー、スー」


白瀬「ふふ、かわいい寝顔・・・」


港湾棲姫「起コスノハ悪イ、怪我ノ具合ガ気ニナルガ少シ寝カシテオコウ。」


白瀬「そうですね。さて、話ってなんです?」


港湾棲姫「アア、率直ニ聞クガ・・・ナゼ私達ヲ恐レナイ?」


港湾棲姫「見テノトオリ私達ハ深海棲艦ダ。今尚、人類ノ敵ダロウ?ソレナノニ貴女ハ当タリ前ノヨウニ普通ニ接シテイル・・・」


白瀬「おっしゃる通り、そんなの当たり前です。二人は私を助けてくれました。敵として認識する相手を助けるでしょうか?」


白瀬「それにさっきの事は別として、ずっと二人から敵意を感じないからです。」


港湾棲姫「私達ガ取リ繕ッテイルダケカモシレナイゾ?」


白瀬「無いですね。それなら幾らでチャンスはあったと思います。それに、深海棲艦だから敵だと断定するのは間違っていると私は思っています。」


港湾棲姫「フフ、ソンナ言葉ヲ言ッテクレル人間ガ他ニモ居ルトハ思ワナカッタ。」


白瀬「えっ?」


港湾棲姫「イヤ、コチラノ話ダ。改メテサッキハスマナカッタ。」ペコッ


白瀬「いいえ、大丈夫ですよ。そうだっ!」


白瀬は自分の荷物から魚屋で買った鯛を取り出す。


白瀬「助けてくれたお礼、させて下さい!」


港湾棲姫「アリガトウ・・・頂クワ」


白瀬「じゃあ、ちょっと借りますね」


港湾棲姫「ン?ナニヲスルンダ?」


白瀬「調理ですけど・・・」


港湾棲姫「チョウリ?何ダ、ソレハ?」


白瀬は港湾棲姫ノリアクションから察した。


白瀬(よく見たらここ、調理器具的なものが一切無い・・・)


白瀬「もしかして料理とか、調理って知らないですか?」


港湾棲姫「ワカラナイ、仕込ミナラ分カル」


白瀬「えっと、いつもご飯はどうやって?」


港湾棲姫「ソノママ食ベル。コンナ感ジダ・・・」スッ


港湾棲姫は自身がもらった魚を一匹手に取り、頭からかぶりつく。


港湾棲姫「人間ハ違ウノカ?」バキバキ ムシャムシャ バリバリ モグモグ


白瀬「エエ、チガイマス・・・」サー


港湾棲姫「?」


白瀬「分かりました!少し待っててください!」


白瀬は自分の荷物からナイフと鍋を取り出し外に出る。


白瀬(まさか料理を知らないとは・・・。当然火も無いから熾さないと。とにかく持ってるもので作れるのは・・・シンプル・イズ・ベストでいこう!)


白瀬は慣れた手つきで火を熾し調理を開始した。


少し時間が経ち、小屋の中に調理の匂いが入ってくる


港湾棲姫「コノ匂イハ一体・・・何ヲシテイルノダロウカ?」クンクン


白瀬が外でしている事が気になっていた時、北方棲姫が目を覚ました


北方棲姫「ウ~ン」ムニャムニャ


港湾棲姫「起キタ?傷ハドウ?マダ痛イ?」


北方棲姫「オハヨウオネエチャン。ウウン、モウイタクナイ」


港湾棲姫「ナラ、良カッタワ」


北方棲姫「オナカスイタ」グー


どうやら北方棲姫は空腹で目覚めたようだった。


港湾棲姫「チョット待ッテテ。白瀬サンガ用意シテクレルカラ」


北方棲姫「ホント?」


港湾棲姫「エエ。ダカライイ子デ待ッテテネ?」


北方棲姫「ウン。ワカッタ、イイコニシテル!キョウハナンノサカナダロウ・・・」ワクワク


少しして白瀬が小屋の中に戻ってきた。


白瀬「お待たせしましたー。あ、ホッポちゃん起きたんだ。」


北方棲姫「シラセ、ハラヘッタ!」


港湾棲姫「コラ、行儀ガ悪イワヨ?」


白瀬「あはは、ごめんね。待たせちゃって。」


そう言うと白瀬は持っていた鍋を三人の中央に置く。


北方棲姫「ナニコレ?サカナジャナイノ?」


港湾棲姫「リョウリッテイウラシイ・・・」


北方棲姫「リョウリ?」ポカン


白瀬「助けてくれたお礼に簡単だけど作ってみたの。」パカッ


鍋の蓋を取るとそこには焼きあがった鯛があった。


港湾棲姫「コレハ・・・」


北方棲姫「ナンダカスゴイ!」


白瀬「後はコレも。」スッ


白瀬が取り出したのは木に刺した魚の丸焼きだった。


北方棲姫「コレモスゴイ!コンナサカナハジメテミル!クチカラキガデテル!」


港湾棲姫「ドウヤッテ食ベルンダ?」


白瀬「これはそのまままるかじりです。あ、熱いから気をつけて」


白瀬「いただきます」パンッ


北方棲姫&港湾棲姫「イタダキマス」


ガブッ


白瀬の食べ方をみて二人もお腹にかぶりつく


港湾棲姫「ッ!」プルプル


北方棲姫「ッ!」プルプル


白瀬(えっ・・・震え始めた・・・、シンプルに塩味だけど口に合わなかったかな・・・)


港湾棲姫「・・・ナンダカ」モグモグ


北方棲姫「・・・ウン」モグモグ


白瀬「美味しくなかった・・・?」


港湾棲姫「美味シイ?」


北方棲姫「ナニソレ?」


白瀬「え?」


二人「エ?」


白瀬「食べ物食べた時って、美味しいとか不味いとかあるでしょ?」


二人は白瀬の言葉が理解できず顔を合わせる


二人「ワカラナイ」


白瀬(うそ・・・!?味覚がなかったなんて思わなかった)


港湾棲姫「デモ」


北方棲姫「コレハ・・・」


白瀬「?」


二人「スゴク、イイッ!」


そう言うと二人は物凄い勢いで食べるのを再開した。


北方棲姫「ワタシ、オサカナマルカジリー!」ガツガツ


港湾棲姫「・・・・・」ムシャムシャ


ものの10秒程で食べ終わった二人は目が輝いていた


北方棲姫「モットホシイ!」キラキラ


港湾棲姫「ナンダロウ・・・コノ感覚ハ!」キラキラ


白瀬(そっか!知らないだけなんだ!)


白瀬「それが”美味しい”って事です」


港湾棲姫「美味シイ・・・初メテダ」


北方棲姫「シラセ!コレオイシイ!」


白瀬「良かったぁ」ホッ


白瀬(生魚しか食べたことが無かったから、もしかしたら焼きは受け付けないのかと思ったけどこの反応なら)


白瀬「次はもっと美味しいですよ!」


そう言うと白瀬は鯛を取り分け二人に渡す。


先程の味が感動的だった二人はすぐさま食べ始め、新しい味に打ち震えるのだった。


北方棲姫「ンーーーー」プルプル


港湾棲姫「オォ・・・」プルプル


白瀬「気に入ってもらえてよかった」


普段は静かな海岸が少し賑やかになった夜だった。


その後・・・


北方棲姫「スー、ムニャムニャ」


満腹になった北方棲姫はすぐに眠ってしまった。


港湾棲姫「ゴチソウサマデシタ。アリガトウ、美味シカッタ。」


白瀬「気に入ってもらえてよかったです。」


白瀬「海に居るときからいつも生で食べていたんですね。」


港湾棲姫「イイヤ、深海ニ居タ頃ハ食ベル事スラシテイナカッタ。」


港湾棲姫「”食事”ヲスルヨウニナッタノハ陸ニ上ガッテカラダ」


白瀬「え、空腹は感じないんですか?」


港湾棲姫「アア、ソレモ陸ニ来テカラダ。深海ニ居レバ補給ハ勝手ニ終ワッテイタカラ。」


白瀬「そうだったんですね。」


白瀬「あの、一つ聞いてもいいでしょうか?」


港湾棲姫「ナンダ?」


白瀬「なぜ陸に?今や深海棲艦を人類から探し出してまで攻撃しようとはしていません。」


白瀬「陸に上がれば人との接触率も上がるし、深海に居たほうが安全だったんじゃ・・・」


港湾棲姫「・・・・」


白瀬「あ、ごめんなさい。言いたくないなら言わな」


港湾棲姫は白瀬の言葉をさえぎる。


港湾棲姫「逃ゲテキタンダ」


白瀬「え?」


港湾棲姫「貴女ニ聞イテオイテ私ガ答エナイ訳ニハイカナイカラ。」


白瀬「聞いておいてですが、いいんですか?」


港湾棲姫「エエ。私達ガコノ街ニ来タノハ半年位前ダ」


港湾棲姫「私モホッポモ元々戦ウノハ好キジャナイ。何時モ向カッテ来ル艦娘ダケヲ相手シテイタ。ソレモ相手ガ逃ゲルナラ攻撃ヲ止メタ」


港湾棲姫「ソンナ好戦的デハ無イ私達ヲ他ノ深海棲艦モ良ク思ワナカッタ。次第ニ私達ハ深海デ孤立シテイッタ。」


白瀬「・・・・」


港湾棲姫「元々戦ウコトガ好キジャナイ私達ニハ好都合ダッタ。ダガ、アレガ起コッテシマッタ」


白瀬「あれとは?」


港湾棲姫「完全ニ孤立シテイタ私達ヲ艦娘達ハ正確ニ捕捉シテイタ。」


港湾棲姫「私達ヲ捕捉シタ艦娘達ハトテモ強カッタ。深海ニイル私達ハ爆雷ノ奇襲ヲ受ケ海中ニ居ラレナクナッタ。」


港湾棲姫「当然、海上ニ出タ瞬間砲撃ニ晒サレタ。」


港湾棲姫「ソノ時ホッポハ足ニ砲撃ヲ受ケカナリノ傷ヲ負ッタ。」


白瀬「それがさっき怪我した場所ですか」


港湾棲姫「ソウダ。逃ゲ道モ無クドウシヨウモ無カッタ。」


港湾棲姫「二人トモ沈ムノヲ覚悟シタ・・・。私ハホッポダケデモ逃ガソウトシタ。ソノ時ダッタ。」


港湾棲姫「飛行場姫ガ助ケニ来テクレタンダ」


白瀬「他の深海棲艦は・・・」


港湾棲姫「ソウ。ダケド彼女ダケハ私達ヲ気ニカケテクレテイタ」


港湾棲姫「私達ダケダト思ッテイタ艦娘達ハ動揺シタ。ソノ隙ニ彼女ハ自分ヲ省ミズ私達ヲ逃ガシテクレタ」


港湾棲姫「ソレカラモ大変ダッタ。飛行場姫ヲ犠牲ニシタ私達ヲ深海側ハ受ケ入レテクレナカッタ。コチラニ攻撃シテクル者モ現レタ・・・」


港湾棲姫「モウ深海ニハ帰レナイ。深海ニ居タホウガ艦娘ニモ同胞ニモ襲ワレル危険ガアルト分カッタカラ、コッチニ来タンダ。」


白瀬「ごめんなさい。聞くべきではありませんでした。」


港湾棲姫「聞カレタカラトハ言エ、私自身心ノ何処カデ誰カニ聞イテホシイト思ッテイタノカモシレナイ。ダカラ、気ニシナイデホシイ。」


少しの沈黙の後、


港湾棲姫「サテ、夜モ遅イ。私モ休ムトシヨウ。白瀬サンハコノ布団ヲ使ッテ」スッ


白瀬「いいんですか?布団2つしか有りませんけど・・・」


小屋には布団が二つしかない事を知っている。


それを気にして白瀬は尋ねた。


港湾棲姫「心配ナイ。普段カラホッポト一緒ニ寝テイルカラ。コチラハ一ツデイイ」


白瀬「わかりました。ありがとうございます。」


白瀬「おやすみなさい。」


港湾棲姫「オヤスミナサイ」


白瀬(・・・・私が艦娘だと知れば二人はどう思うだろう?わざわざ言う必要は、無い・・・よね?)


=====================



夜が更け、日付けがかわった頃小屋がある海岸に2つの影が現れる。


???「ヤット見ツケタ。」スッ


右手を前に突き出し力をいれる


港湾棲姫「ーーッ!?」ガバッ


港湾棲姫「コノ感覚ハ、マサカ・・・」


異様な気配に港湾棲姫は飛び起きた。


北方棲姫「ウ~ン、オネエチャン?」ムニャムニャ


港湾棲姫「ゴメンネ?起コシチャッタ?」


北方棲姫「Zzz・・・」


港湾棲姫「良カッタ、気付イタ訳デハナサソウネ・・・」スッ


港湾棲姫は白瀬を見る。


白瀬「zzzz」


港湾棲姫「コッチモ寝テイル。行カナイト!」ガチャッ


バタンッ


白瀬「・・・・」ムクッ


海岸に出た港湾棲姫は目を疑った


戦艦水鬼「久シブリネ、港湾棲姫」


港湾棲姫「ヤハリ貴女ダッタノ・・・・」


戦艦水鬼「コウシテ会ウノハイツ以来カシラ?」


港湾棲姫「・・・・」


戦艦水鬼「話モシテクレナイノ?マァイイケド」


港湾棲姫「今更何ノ用?」


戦艦水鬼「ソウネ、単刀直入ニ言ウケド貴女ノ力ヲ貸シテモラエナイ?」


港湾棲姫「チカラ?」


戦艦水鬼「私達ハ人類ニ負ケタワ。今ハ貴女ト同ジデ深海ニ帰レナイ。」


戦艦水鬼「残ッテイタ仲間達モイナクナッテシマッタ。残ッタノハアノ子ト心ニ残ッタ怨念・・・。貴女モ深海棲艦ナノダカラ分カルデショウ?」ズズズズ


港湾棲姫(ナンテ暗クテ冷タイオーラ・・・)


港湾棲姫「ダッタラ?」


戦艦水鬼「私ハコノママ朽チルノヲ待ツツモリハ無イ・・・最後ニ残ッタ鎮守府、アレヲ破壊スル。」


港湾棲姫「ソレニ参加シロト言イタイノ?」


戦艦水鬼「違ウワ。戦闘意欲ノ無イ貴女ヲ連レテ行ッテモ足手マトイ。ヤルノハ私トアノ子ヨ」スッ


戦艦水鬼の指差した先には戦艦水鬼と行動を共にする艤装魔獣の姿があった。


だがあちこち傷を負っており、双頭の片方は無くなっていた。


戦艦水鬼「ソノ為ニハ、アノ子ノ怪我ヲ治サナイトイケナイ。ソレヲ貴女ニ頼ミタイノヨ。」


戦艦水鬼「貴女ノ両手ハ他ノ同胞ノ傷ヲ癒セタハズ。ソレヲ頼ミタクテネ」


港湾棲鬼(ソノ力ハポッポノ傷ヲ癒スノニ使ッテカラ失セテシマッタ。)


港湾棲姫「・・・嫌ダト言ッタラ?」


戦艦水鬼「死ヌワヨ?」ズズズズッ


港湾棲姫「甘ク見ナイデホシイ・・・」ズズッ


二人が戦闘体制に入りオーラを纏った


戦艦水鬼「嫌ネェ、死ヌノハ貴女ジャナクテ、ア・ノ・子」スッ


港湾棲姫「ナッ!?」


戦艦水鬼の攻撃目標は北方棲姫達が眠る小屋だった。


戦艦水鬼「一緒ニイル事位分カッテイルワヨ」


港湾棲姫「ヤメロッ!ホッポハ関係無イ!」


戦艦水鬼「ドウスル?私ハドチラデモ構ワナイワ」


港湾棲姫(ドウスレバ・・・。ソウカ!)


港湾棲姫は構えを解き、オーラも消して静かに言った


港湾棲姫「ワカッタ。傷ヲ治ソウ・・・」


戦艦水鬼「アラ、意外トアッサリネ。ソンナニ北方棲姫ガ大事?」


港湾棲姫は戦艦水鬼に近付き手を広げる。


港湾棲姫「アノ子ハ貴女トリンクシテイルノデショウ?」


戦艦水鬼「今ハ出来テイナイワ。首ノケーブルガ切レテルカラ。」


港湾棲姫「ソウ。ナラ貴女カラ治スワ」ガシッ


戦艦水鬼の細い首を港湾棲姫は掴んだ。


戦艦水鬼「痛イワヨ?モット優シクシテ欲シイワ」


港湾棲姫「今スグ止メサセロ。サモナイト首ヲ折ル」


戦艦水鬼「騙シタノ?」ググッ


港湾棲姫「マヌケダナ。貴女自身ハ砲ヲ持タナイ。」


戦艦水鬼「アア、ダカラ近付イテコウスレバ良イト思ッタノネ?」


港湾棲姫「ドウシタ、早クシロッ!」ググッ


戦艦水鬼「フフッ、マヌケナノハ貴女ヨ」シュゥゥ


戦艦水鬼の手に赤黒い光が集まる。


港湾棲姫「ナニ!?」


ギュオッ!!


発射された光弾は港湾棲姫の腹部に命中した。


港湾棲姫「グアァァッ!、ガハッ!!」ズザザッ


戦艦水鬼「昔ノ私ト思ッタ貴女ノ負ケ。ソレニ貴女ノ考エナンテオ見通シ」


港湾棲姫「グフッ、フーッフーッ!」ガクッ


戦艦水鬼「無駄ヨ。暫クマトモニ動ケナイワ。」スッ


戦艦水鬼の指示で艤装魔獣は砲に赤黒い光を収束し始める


港湾棲姫「何・・・ヲ!?」


戦艦水鬼「コレハ罰ヨ?」シュゥゥ


港湾棲姫「ヤ、ヤメテ・・・ホッポ!ニゲ」ガシッ


戦艦水鬼「五月蠅イ」


戦艦水鬼は港湾棲姫の口を塞ぎ軽く持ち上げた。


港湾棲姫(ホッポ!白瀬サン!)


咆哮と共に、赤黒い閃光が走る


ジュッ


戦艦水鬼「何度見テモ、綺麗ナ光・・・」


港湾棲姫(ア、アァァ・・・・)


光線に当たった小屋は吹き飛ぶ等では無く、まるで蒸発するように跡形もなく消えた。


戦艦水鬼「サテ、次は貴女ノ番ヨ?」


戦艦水鬼は全く抵抗しなくなった港湾棲姫を引きずり艤装魔獣の元へ連れていく。


戦艦水鬼「貴女ニ治シテ貰ウノガ一番早カッタケド、仕方無イワネ。」


戦艦水鬼「コノ子ノ餌ニナッテモラウワ。」


港湾棲姫「アァ・・・」


戦艦水鬼「モウカナリノ人間ヲ喰ワセタワ。酷カッタ傷ガ人間ヲ喰ワセルト治ルノヨ。」


戦艦水鬼「サッキ言ッタワヨネ?ドッチデモ良イッテ。貴女ニ治シテ貰ワナクテモ方法ハアッタノ。・・・・ッテ聞イテナイカ。」


港湾棲姫「・・・・・」


戦艦水鬼「同胞ヲ食ベサセタ事ハ無イケド。」スッ
































戦艦水鬼「貴女ヲ食エバ片方ノ頭モ戻ルカモシレナイワネ。サア、食ベナサイ」


ガシッ


艤装魔獣が港湾棲姫を握り、大きく開いた口に運ぶ。


港湾棲姫(ゴメンネホッポ、守ッテアゲラレナクテ・・・。私モスグ行クカラ寂シクナイワ・・・)


その時だった。


「吹雪さん!、暁さん!特型駆逐艦の力!!御借りしますっ!!!」


フュージョンアップ‼


〔特型駆逐艦 白瀬 ブリザードフラッシュ!〕


戦艦水鬼「ナッ!?誰ダッ!!」


港湾棲姫(コ、コノ声ハマサカ・・・・)


ピカッ


海岸から強烈な光が照らされる


強い光に魔獣も戦艦水鬼も少し怯み、魔獣は港湾棲姫を手放した。


港湾棲姫「グッ」バシャッ


白瀬「私の名は白瀬!闇を照らして悪を討つっ!!」


戦艦水鬼「ナゼ艦娘ガココニイル!?」


白瀬「その人から離れろっ!」ギュン


ドンドンドンッ!!!


白瀬は海に入ったと同時に速度を最大にし、砲撃を開始する。


砲撃は正確に戦艦水鬼と艤装魔獣に命中した。


更に砲撃を行い戦艦水鬼へ接近する。


常に探照灯の光が戦艦水鬼達の視界を奪う


そこへ足下に着弾した砲撃により水柱が起り一瞬視界が無くなる


戦艦水鬼「グッ、忌マ忌マシイ!」


戦艦水鬼は艤装魔獣に命令する。


戦艦水鬼「アノ光ニ向カッテ撃チナサイッ!」スッ


戦艦水鬼は高速で移動する探照灯の光に向かって攻撃の指示を出す


艤装魔獣はそれに従い、砲撃を行った


艤装魔獣「グォォォ!!」ドォン!ドォン!


ドガァァアン!


艤装魔獣の放った砲撃が命中し、爆発が起こった


港湾棲姫「白瀬サン!」


着弾による煙が無くなり命中した場所を見るがそこには探照灯の破片しかなかった。


港湾棲姫「アァ、ソンナ・・・」


戦艦水鬼「跡形モ無ク消エ去ッタカ。タカガ駆逐艦ゴトキデドウニカナルトデモ思ッタノカ」


白瀬「そうね。でも戦い方次第でどうにでもなる。」ヌッ


戦艦水鬼「!?」


白瀬「隙ありっ!」ボンッ


白瀬(小屋にあった浮きに探照灯を取り付けて魚雷で引っ張れば身代わりの完成っと!)


白瀬の出現に驚いた戦艦水鬼は後手に回ってしまい、煙幕に呑まれる。


戦艦水鬼「オノレェッ!」ズズズズッ


艤装魔獣「オ゛ォォォッ!!」


先程港湾棲姫と対峙した時よりも濃いオーラが戦艦水鬼と艤装魔獣に現れる


白瀬「掴まって!」


ガシッ


港湾棲姫に肩を貸し、急いでその場を離れる


港湾棲姫「白瀬サン・・・・」


白瀬「話は後です。でも、これだけは伝えておきます。」


港湾棲姫「?」


白瀬「ホッポちゃんは無事です。」ニコッ


港湾棲姫「本当ニ・・・?」


白瀬「ええ。今は安全な場所に隠れてもらっています。」


白瀬「さあ、急いで離れますよ!」ギュン


海岸に到着した白瀬は港湾棲姫を背負い、あの洞窟へと走る


白瀬(相手の動きが無さすぎる。煙幕はもう少し持つけど・・・)


洞窟へ入ったと同時に突然突風が吹く


ゴゥッ‼‼


二人「!?」ゾクッ


戦艦水鬼「ドコダ・・・。ドコニイッタァァッ!!」


白瀬「マズイな・・・港湾棲姫さん。ホッポちゃんはこの奥の海岸にいます。そこへ行ってください。」


港湾棲姫「ア、アナタハ?」


白瀬「戦艦水鬼を止めます。多分、次の行動は」


戦艦水鬼「デデコイッ!コナイナラ街ヲ焼キツクシテヤルダケダッ!」


白瀬「・・・ね?あのまま帰る訳ありませんし、放っておけません。」


港湾棲姫「イケナイ、行ッテハダメダ!」


白瀬「・・・黙っていてごめんなさい。」


港湾棲姫「エ?」


白瀬「私は艦娘です。だから、相手が誰であれ平和を乱そうとするなら私は行かなきゃならないんです。」


港湾棲姫「・・・」


ドォンッ!


二人「!?」


白瀬「しまった!街が・・・あれ?」


港湾棲姫「アレハ・・・」


二人が目にしたのは攻撃を受けた戦艦水鬼だった


白瀬「いったい誰が?」


ドォン!


戦艦水鬼「死ンデイナカッタカ。北方棲姫!」


そこには避難しているはずの北方棲姫の姿があった。


北方棲姫「オネエチャン、イジメルナッ!」


港湾棲姫「ホッポ!」


戦艦水鬼「次カラ次ヘト鬱陶シイッ!」


港湾棲姫は北方棲姫に向かって叫ぶ


港湾棲姫「ダメヨホッポ!危ナイカラ早ク逃ゲテ!」


北方棲姫「ワタシハ、ニゲナイ!」


港湾棲姫「!」


北方棲姫「ワタシガマモルッ!」グッ


ドォン!ドォン!


北方棲姫は砲撃を開始した。


白瀬「貴女はここに居てください!」ダッ


北方棲姫の砲撃は戦艦水鬼と艤装魔獣に命中した。


白瀬(おかしい!明らかに避けようともしていない!)ギュン


白瀬は急いで北方棲姫に近づく


北方棲姫「カ、カエレッ!」ドォン!


戦艦水鬼「愚カ者メッ!」ガキンッ


北方棲姫の放った弾丸を素手で払い除ける。


北方棲姫「ソ、ソンナ」


夢中で攻撃していた北方棲姫は驚き、たじろぐ。


戦艦水鬼「今度ハチャント狙ッテヤロウ」ズズズズッ


艤装魔獣「グォォォッ!」シュゥゥゥ


北方棲姫「ア、ア・・・」プルプル


今まで感じたことのないプレッシャーに身動きがとれなってしまう。


戦艦水鬼「ナキサケンデ、シズンデイケェ!」


ギュオッ!


艤装魔獣は先程小屋に放った光線を発射する


北方棲姫「ヒィッ!」バッ


白瀬「フリージングシールド!」パキパキパキッ


間一髪、白瀬が前に入りシールドを発動する。


戦艦水鬼「ソンナ飴細工デ防ゲルカ!」


バシュゥゥッ!


接触と同時にシールドはみるみるうちに溶かされていった。


白瀬「ふん、ぬぐぐぐっ・・・・!やっ!」グイッ


白瀬は途中からシールドの精製角度を変えて光線を空へと流す。


白瀬「よしっ、もう大丈夫!」


北方棲姫「シ、ラセ・・・」


光線の発射が終ると同時に艤装魔獣が倒れる


艤装魔獣「グォォォ・・・」ガクッ


戦艦水鬼「!?ドウシタノ・・・?」


艤装魔獣「グゥゥ・・・」


戦艦水鬼「戦イガ長引キ過ギタワネ・・・」


艤装魔獣の頭を撫でながら戦艦水鬼は言った


戦艦水鬼「イイワ。今日ハコレデ引イテアゲル。」


白瀬「このまま黙って逃がすとでも?」ガチャッ


戦艦水鬼「エエ。黙ッテイテモラウワ。」


北方棲姫「キャァァァッ!」


白瀬「えっ!」クルッ


白瀬が振り返るとそこには巨大な腕に掴まれた北方棲姫の姿があった


白瀬「な、何処から!?」ガシャッ!


白瀬は腕に向かって砲を向ける


戦艦水鬼「動クナッ!」


ギュゥゥゥ


北方棲姫「イ、イタイッ!」


白瀬「くっ!卑怯な・・・」


海岸で倒れていた港湾棲姫は堪らず北方棲姫に駆け寄ろうとする


港湾棲姫「ホッポ!」


戦艦水鬼「邪魔ダッ!」バッ


戦艦水鬼の手から光弾が放たれ、港湾棲姫に命中する。


港湾棲姫「グアッ!」


白瀬「港湾棲姫さん!」


港湾棲姫「ホッポ・・・」ガクッ


北方棲姫「オネエチャン!」


戦艦水鬼「コノ子ノ手ハ伸ビル。誰ニモ見セタコトハ無イ。」


艤装魔獣は倒れながらも手を伸ばし、北方棲姫を捕らえたのだった


戦艦水鬼「貴女ヲ取リ込メバヨリ良カッタケドコノ際コノ子デイイワ。」


白瀬「そんなことさせないっ!」


戦艦水鬼「ナラ、今コノ子ガ潰レルノヲ見タイ?私ハソレデモイイワ。」


戦艦水鬼「傷ハ人間ヲ食べサセタラ良イモノ。」


白瀬「くっ!」ギリッ


北方棲姫「モウイイ・・・シラセ、ウゴカナイデ」


白瀬「!?」


北方棲姫「キズツクノ・・・ミタクナイ・・・」


北方棲姫「コレガイチバンイイ。ダカラ・・・」
























北方棲姫「バイバイ・・・」ツー


北方棲姫の眼からは涙が流れていた。


戦艦水鬼「イイ子ネ。サア、行キマショウカ」ズズズズッ


戦艦水鬼と艤装魔獣が北方棲姫を連れて海に潜っていく。


白瀬「駄目よっ!そんなの!!」


戦艦水鬼「貴女ノ事覚エタワ。完璧ニナッタラ貴女ヲ先ニ殺シテアゲル。楽シミニシテイテネ?」


戦艦水鬼達の姿が海中に入り気配が消えた。


白瀬「ぐうっ・・・あああぁぁぁぁっっっ!!!」バシャッバシャッ


白瀬は何度も拳を海に落とす


白瀬(何がこれが1番よ!だったら何で貴女は泣いたの!?)


白瀬「絶体に助けるわ・・・。絶体に!」












とある海辺の廃墟にて


戦艦水鬼「マサカ食ベルノデハナク飲ミ込ンデ取リ込ムトハ・・・。シカモ取リ込ンダソノママ現レルナンテ思ワナカッタワ。」


戦艦水鬼「ソレニチカラハ増シタケド、取リ込ンダカラ傷ハ治ラナイノネ。」


艤装魔獣-壊-「グォォォ」


戦艦水鬼「フフッ。ソウダワ、イイコト思イ付イタ」ニヤッ


艤装魔獣の胸元には水晶の様な球体の中で拘束された北方棲姫の姿があった。


北方棲姫(オ・・ネ・エチャ・・・ン・・・)


=====================


戦艦水鬼が去り白瀬は港湾棲姫に出来るだけの手当てをしていた。


白瀬「血を止めるぐらいしか出来ない。手持ちの薬はろくなものが無いし、そもそも効果が有るかどうかもわからない。どうすれば・・・」


白瀬は戦艦水鬼と港湾棲姫が対峙していた時、北方棲姫を逃がしながら自分の荷物も持ち出していた。


白瀬「ホッポちゃん・・・。どうか無事で居て・・・」カチャッ


白瀬の手にはあの壊れた瑞雲があった。


小屋から逃げる時、北方棲姫が「コレダケハ」と持ち出した物だった。


何か方法は無いかと模索していると海岸の方からから声がした。


大将「おぉーい!コウちゃーん!ホッポちゃーん!!どこ行ったんだー!?」


白瀬「あれは・・・魚屋の大将さん?なんで二人の名前を?」


港湾棲姫「私達ガオ世話二ナッテイル人ナンダ」ムクッ


白瀬「大丈夫ですか!?」


港湾棲姫「大丈夫ダ。ソンナニヤワジャナイ・・・。ホッポハ?」


白瀬「ごめんなさい。連れて行かれてしまいました。」


港湾棲姫「ソウ・・・」ガクッ


港湾棲姫は立ち上がろうとするが膝が落ちてしまう。


白瀬「大丈夫じゃないじゃないですか!」ガシッ


大将「ん? あっ!コウちゃん!?一体どうしたんだ!?」


港湾棲姫「大将サン・・・」


大将「ひでぇ傷だ・・・。小屋もねえし。ホッポちゃんはどこだい?」キョロキョロ


港湾棲姫「・・・・」


ショックから言葉が出ない港湾棲姫に代わって白瀬が口を開く


白瀬「・・・連れ去られました」


大将「あんたは昼間に会ったお嬢ちゃんじゃないか。それに連れ去られたってどういう・・・」ハッ


様々な疑問が出てくる状況だったが港湾棲姫の傷を見て大将は言った


大将「兎に角俺ん家に来な!話はそれからだな。ほら、お嬢ちゃんも手伝ってくれ!」ガシッ


白瀬「えっ、は、はいっ!」


砲撃音等の音により深夜にも関わらず海岸には人が集まってきていた。


誰かが通報したのであろう警察の姿も見える。


大将「野次馬が居るから少し遠回りしよう。こっちだ」


白瀬「わかりました。」


周囲に気を配りつつ、バレないように二人は港湾棲姫を魚屋に運んだ。


店に到着した二人は港湾棲姫を布団に寝かせる


到着するまでの間に港湾棲姫は再び気を失ってしまった。


港湾棲姫「ゴ・・メン・・・ネ」


港湾棲姫は弱々しい声で謝り続けていた。


大将「さて、話を聞かしてもらえねぇかい?旅のお嬢さん。」


白瀬「・・・はい。実はーーーーーー」


白瀬は大将に初めから全て話した。


自分が二人に助けられた事。


礼をする為に再び小屋を訪れた事。


戦艦水鬼が現れ港湾棲姫を襲い、北方棲姫を連れ去った事。


だが自分が艦娘であることは伏せた。


白瀬「ーーーーーそれで、今に至ります。」


大将はなにも言わず白瀬の話を黙って聞いていた。


話が終わり大将は湯呑みを口に運ぶ


大将「・・・・」ズズッ


大将「アッチィっ!!」ブハッ


白瀬「大丈夫ですか!?」


大将「アチチ。だ、大丈夫だ。そうか、大変だったなお嬢ちゃん。」


白瀬「すいません・・・」


大将「お前さんが謝る事は無いだろ。お嬢ちゃんが居なきゃ二人とも今頃どうなってたか・・・・。礼を言わせてくれ。ありがとうな。」


白瀬「お礼なんて」


大将「いや、二人を助けようとしてくれた事と、二人に普通に接してくれた事に対してだよ。」


白瀬「!」


大将「俺は深海棲艦だから人類の敵と決めつけるのは間違ってると思っていてな。確かに昔はこの町もよく襲われた。」


大将「命を落とした奴等もそれに恨みを持ってる遺族からすりゃ俺の言動は、頭のオカシイ奴さ」


白瀬「そんな事は・・・」


大将「いいんだ。だが実際、あの二人とは分かり合えたんだからな。」


大将「自分以外にもそうやって接してくれた人がいたのが嬉しいのさ。」ポリポリ


白瀬(港湾棲姫さんが言っていたのは大将の事だったんだ。なら、)


白瀬「大将さん!お願いがあります。」ガタッ


大将「おう。なんだ?」


白瀬「私はホッポちゃんを助けたいと思っています。だからその間、港湾棲姫さんをお願いしたいんです。」


大将「いいよ。」


白瀬「難しい事を言っているのは・・・えっ?」


大将「俺はなんもできねえけどここで看といてやる位できるさ。それにコウちゃんはここで毎日仕事を手伝ってくれてたからな。ずっと居ても問題ねぇさ。」


白瀬(そうか。仕込みならわかるって言っていたのはそう言うことだったのか。)


大将「ただ、」


白瀬「?」


大将「助けると言ってもどうすんだ?何かあてがあるのかい?ヤツが何処に居るかも分からんだろ?」


白瀬「・・・紅鎮守府を頼ります。」


大将「んーだが、一般人の話をすんなり聞いてくれるか?門前払いされそうだが・・・」


白瀬「その点は大丈夫、と思います。先日訳あってお世話になったので話は聞いて貰えるかと。」


大将「そりゃぁ驚きだ! なら行方捜索はそれで良いとしてだ・・・。これは、考えたくねぇが」


白瀬「ホッポちゃんは、もう手遅れかもって事ですよね?」


大将「あぁ・・・。あんたの話じゃ何時喰われてもおかしくないんだろ?だったらもうー」


白瀬「生きてますよ!」ガタッ


大将「!」


白瀬「あ、ごめんなさい・・・。でもそんな気がするんです!」


大将「・・・そうだな。悪かったよ。嫌な方に考えちまった。」


白瀬「いえ、大将さんが言っているのはあり得る事です。でも、私は二人にまだ恩を返しきっていません!だからっ」


大将「よっしゃわかった。コウちゃんの事は任せな。傷が心配だから出来るだけのそばに居るようにする。」


大将「だからあんたも信じる。そしてホッポちゃんも生きてると信じる。」


白瀬「はい!ありがとうございます!」


白瀬は大将に礼を言った後、港湾棲姫に近付き、手を握る。


白瀬「必ずホッポちゃんを連れ戻します。だから、生きて下さい。」


港湾棲姫「オネガイ・・・」ツー


大将「今は泣いちゃいけねぇ。その涙は後にとっとかねぇと駄目だ」スッ


そう言って大将は涙を拭いてあげた。


大将「ホッポちゃんと無事に再会した時の為にな。」フキフキ


白瀬「では、行ってきます!」


大将「おいおい。まだ夜中だぞ?」


白瀬「大丈夫です!それでは!」ダッ


呼び止める間もなく白瀬は行ってしまった。


大将「行っちまったよ・・・。あの嬢ちゃん自身、無理しなきゃ良いが・・・」


見送った大将はふと気が付いた


大将「あ、そう言えば、あの嬢ちゃんの名前聞いてねぇな・・・」



====================


《紅鎮守府にて》


執務室には提督に代わって長門がいた。


提督がホテルで負った傷は大事には至らなかったが念のため数日間の入院していた。


その為提督代理として長門が執務をこなしていた。


コンコン


長門「どうぞ。」


大淀「失礼します。」


執務室に大淀がやって来る


大淀「昨夜の深海棲艦についての報告書をもって参りました。」スッ


長門「ご苦労。」


長門は報告書を受け取り目を通す


長門「今になって戦艦水鬼とはな」


大淀「艦隊が現場に急行した時は既に居ませんでしたが、その後の調査ではほぼ間違いないそうです。」


長門「それに加えて少なくとも後二人以上の存在か。」


大淀「はい。報告書の通りですが一人は港湾棲姫と思われます。」


長門「港湾棲姫か・・・。たしか深海棲艦の中でもかなりおとなしい姫級だったな。私が記憶している限りでは彼女の攻撃で轟沈した艦娘は居ない」


大淀「その通りです。一部では唯一話の通じる深海棲艦とも言われて居ました。」


大淀「ですがY鎮守府によって飛行場姫、北方棲姫と共に撃沈と記録されて居ました。」


長門「生きていたって事か。ならその三人の可能性があるな。」


大淀「それにしても一体何が目的だったのでしょうか。明らかに戦闘の痕跡がありました。深海棲艦が同士討ちなんて聞いた事ありません。」


長門「ここ最近深海棲艦の残党達の動きはおかしな事ばかりだ。」


大淀「その件ですが、大本営も急遽調査チームを編成。神風さんが中心となって調べてくれる事になりました。」


長門「そうか。大淀、明日には提督も退院する。それまでこの件は機密とする。」


大淀「それは構いませんがいつかは皆にも知らせなければ・・・」


長門「これが戦艦水鬼でなければそこまでしない。大淀も察しがつくだろう?」


大淀「はい。青葉さんの事ですね・・・。」


長門「青葉にとっては六戦の・・・三人の仇だ。たとえそれが同一個体でないにしろ、な。」


大淀「・・・そうですね。」


長門「何れにせよ、今回は青葉を鎮守府の護衛にまわすように提督に進言する。提督もわかっておられると思うがな。」


大淀「わかりました。それがいいと思います」


ガタッ


長門「ん?」


大淀「どうしました?」


長門は執務室の扉を開け廊下を確認する。


提督「いや、誰かいたような気がしたんだが。」


大淀「私は感じませんでした」


長門「気のせいか・・・」バタン


だが長門の勘は間違っていなかった。


青葉「・・・・」ギリッ


青葉(盗み聞きするつもりはありませんでした。)


青葉(ですが聞いてしまった以上大人しくしているつもりは無いんです!)ダッ



《鎮守府 宿舎 青葉の自室》



青葉は自室に戻り外に出る用意をしていた。


ふと机に視線を向ける。


青葉「古鷹・・・、加古・・・、ガサ・・・」


青葉の視線の先には六戦の写真があった。


青葉「・・・絶対に、仇をとるよ」


ピロンッピロンッ♪♪♪


青葉「電話、誰だろう?」


ベッドに置いていた携帯が鳴る


青葉「知らない番号だ、もしもし?」ピッ


「あ、あの。深海棲艦に関する情報提供なんですけど!」


青葉「はい?どちら様でしょうか?」


ミズキ「私、ミズキって言います。情報サイトSSP(エスエスピー)の管理者さんですよね?」


青葉(あ、少し前に作ったサイトに専用の番号書いたんだった。すっかり忘れてた)


青葉「えっと、ミズキさんですね。どう言った情報でしょうか?」


ミズキ「い、今まさに深海棲艦を尾行してるんです!」


青葉「・・・えっ?」


ミズキ「色白で、頭に角があって、黒い服着てます」


青葉(そ、それって戦艦水鬼の特長と似てる!)


青葉「貴女は今どこにいるんですか?」


ミズキ「彩賀町の廃港近くにいます!早く来てください!ひ、一人じゃ恐くて・・・」


青葉(彩賀町といえば昨日戦闘があった場所!決まりですね!)


青葉「わかりました!すぐに向かいますので無茶はしないでください!」


ミズキ「お願いします!」ピッ


青葉「この事を言ったら、長門さんは私を行かせてくれない・・・」グッ


青葉「・・・ごめんなさい」ダッ


青葉(あとは艤装をなんとかしないと・・・)


青葉はカメラと携帯を手に工舎に向かった


=================


時間は少し戻り明け方


白瀬「さすがに早すぎたか」


大将の魚屋を後にした白瀬は鎮守府まで走って移動していた。


だが到着時刻はまだ6時前であり、話を聞いてもらうにも早すぎたのだ。


白瀬「急ぎたいけど、仕方ない。先にこれを返そう」スッ


白瀬はバックから双眼鏡を取り出した


先日丹陽となった雪風が持っていた物で、戦闘後に白瀬の前に飛んできた。


白瀬は宿っていた嵐の力を受け取った


錨石に供えられていた双眼鏡と気が付いた白瀬は元あった場所に返しに来た


白瀬「たしか、この道。」


10分程歩くと錨石に到着した。


白瀬「双眼鏡、お返しします。」スッ


白瀬は双眼鏡を戻し、手を合わせた。


《ーーーーーー》


白瀬「?」クルッ


《ーーーーーー》


白瀬「誰か、呼んでる?」


振り返ると以前は気が付かなかった場所に道があり、奥へと続いていた。


白瀬が道を辿って歩いて行くと少し開けた場所に出た


錨石がある場所より半分程の広さでそこにも1つ石碑があった。


白瀬「こんな場所があったんだ。前は気が付かなかったな。」


白瀬は石碑に近付き、あることに気が付く。


白瀬「これ、慰霊碑だ。年数も最近・・・。ならこれは、」


白瀬は慰霊碑に刻まれた名前を見る


白瀬(暁さん、雷さん、電さん。やっぱり響さんの言っていた通り第六駆逐隊の皆さんはもう・・・。)カタッ


白瀬の腰のカードホルスターが少し動いた。


白瀬(他の名前も知っている先輩方・・・)


白瀬は刻まれた名前を追っていく。


白瀬「これ・・・」


そこには六戦の三人


古鷹、加古、衣笠の名前があった。


白瀬(青葉さんも・・・)


???「おや、ここに参拝者とは珍しい。」


白瀬「!」クルッ


???「おはよう。驚かせてすまない。」


白瀬「い、いえ。おはようございます。」


白瀬(気配も音もなかったから、びっくりした・・・)


現れたのは和装に身を包んだ女性だった。


年齢は自分よりも少し上くらいだろうか


その女性が纏う雰囲気は慎ましくも凛々しく感じた。


???「それは、この戦いで散った艦娘達の為の物なんだ。」ザッ


???「君はあの鎮守府の関係者かい?」


白瀬「いえ、この辺りを旅している者です。鎮守府へ用があってきたのですが到着が早かったのでこの下にある錨石へ立ち寄ったんです。」


白瀬「そしたらここへ続く道を見つけて」


???「そうか。」スッ


その人物は石碑に近づき手を合わせ、お茶と饅頭を供えた。


白瀬(この戦いで散った艦娘達の・・・か)


???「私はこの山と石碑を管理している管理人だ。よろしくね。」


白瀬「私は白瀬と申します。こちらこそよろしくお願いします。」


管理人「それにしても驚いたよ。ここに人がいるのは珍しくてね。」


白瀬「そうなんですか?」


管理人「ああ。みんなこの下の錨石までは来るんだがここはあまり知られていないのか、鎮守府関係者以外人が来なくてね。」


白瀬「私も始めて錨石に来たときは気がつきませんでした。」


管理人「だろう?道が分かりづらいからね。」


白瀬(本当は誰かに呼ばれた気がしたんだけど結局誰も居なかった。)


白瀬(管理人さんとは違う感じがするし・・・。気のせいだったのかな?)


管理人「いつもどおり朝のお参りに来たんだが人の気配がするから驚いたよ。」


白瀬「そうだ、私お参り済ませてないのでちょっと失礼します。」


管理人「ああ。」


白瀬は改めて石碑の前で手を合わせ艦娘達の冥福を祈った。


その様子を管理人は後ろから見ていた


管理人(偶然道を見つけてか・・・)


管理人(ここは本来、艦娘に縁あるものでなくてはここへは来れないんだが・・・。)


管理人(それに、この人から感じる気配は・・・?)


管理人が考え込んでいるとお参りを済ませた白瀬は立ち上がる。


白瀬「お待たせしました。」ユラッ


管理人「!!」


白瀬が立ち上がった時、管理人の目には白瀬と一人の艦娘の面影が重なって見えた。


管理人「・・・・・・」


白瀬「どうかされましたか?」クビカシゲ


管理人「ああ、すまない。少しボーっとしていた。」


白瀬「大丈夫ですか?」


管理人「心配ない。ここへ来ると思うことが多くてね。」


白瀬「管理人さんは紅鎮守府と縁がある方なんですか?」


管理人「ああ。あの鎮守府と直接関係は無いが昔は軍に所属していた。元軍人だよ。」


管理人「今は退役してここの管理をしている。」


白瀬「えっ!?」


管理人「どうした?」


白瀬「いえ・・・ちょっと意外に思ってしまって。」


管理人「そうかい?」


白瀬「管理人さん若いですし、あんまりイメージが」


管理人「ははっ。若いなんて嬉しいね。」


白瀬「え?管理人さん、私と同じくらいに思っていたんですが・・・」


管理人「君がいくつかは知らないが、おそらく私は20以上上だよ?」


白瀬「えっ?ええ?ごめんなさい!失礼なことを」


管理人「気にしなくていいよ。気分を害された事は無いからね。」


白瀬(人は見かけによらないって事か。まぁ、私もだけど・・・)


管理人「さて、白瀬さん。せっかくだからこれ、食べないか?」


管理人は最初に備えたお茶と饅頭を手に白瀬に言った。


白瀬「え、よろしいのですか?」


グゥゥゥ


管理人「ぷっ・・・・」クスクス


白瀬「あ・・・・」カァァァァ


タイミング悪く腹の虫が鳴り白瀬は赤面する


管理人「腹の虫は正直だ。朝、食べていないんだろう?遠慮しないでくれ。」


白瀬「あははは・・・お恥ずかしい。」


白瀬「ありがとうございます。いただきます」


管理人(それにしてもさっきのは一体・・・。あの娘と白瀬さんは何か関係があるのか?)


=====================================


白瀬「ごちそうさまでした。」


管理人「お粗末様でした」


饅頭とお茶を堪能し管理人はゴミを片付けていた。


管理人「さて、そろそろあの鎮守府に行っても大丈夫な時間だろう。」


白瀬「そうなんですか?」


管理人「ああ、いつもこの時間には鎮守府が稼動し始める。もう起きているものもいるだろう。」


管理人「面白い話がたくさん聞けて楽しかったよ。」


白瀬「こちらこそいろいろなお話が聞けて楽しかったです。」


管理人「旅の安全を願っているよ。また近くに来たらここに立ち寄ってくれると嬉しい。」


白瀬「もちろんです。ありがとうございました!」


深々とお辞儀をした白瀬は錨石へと続く道を戻っていった。


管理人は白瀬を見送った後再び石碑を見ていた。


刻まれた名前を見ながら先ほどの事を考えていた。


管理人(あの面影は一体・・・。)


名前を目で追っていると、ある艦娘の名前が光って見えた。


管理人(!・・・そうか、やはり君が彼女をここへ呼んだんだな?)


三笠(管理人)「なら、彼女は君の・・・」


=====================


石碑から鎮守府へと戻り、正門前に到着した。


白瀬が中へ入ろうとした時声をかけられた。


響「あれ?白瀬さん?」


白瀬「あ、響さん。おはようございます。」クルッ


響「おはよう。どうしたんだい?こんな早くから。」


白瀬「ちょうど良かった。実は渋川提督にお話がありまして。お会いできますか?」


響「提督に?残念だけど提督は今入院中なんだ。」


白瀬「えっ?そうだったんですか。」


響「うん。数日前に少し怪我をしてしまってね。念のためだけど」


響「だから今は長門さんが提督代理をしているんだ。」


白瀬(先日のパーティでの怪我の事か・・・)


白瀬(ここの長門さんは鎮守府にお世話になった時はいらっしゃなかった。初対面&一般人の話で直ぐに動いてくれるだろうか?)


白瀬(いや、動いてもらわなきゃダメだ。よしっ・・・)


白瀬「響さん。長門さんに会わせていただけませんか?」


響「取り次ぐことは出来るよ。ただ今は大淀さんと会議中だから少し後になるよ?」


白瀬「はい。かまいません。」


響「ならどこかで時間を潰そうか。」


白瀬「実はもう一つお願いがあるんですが・・・」


響「なんだい?」


白瀬「明石さんにお会いできますか?」


響「明石さんに?いいよ」


白瀬「無理なお願いを言っているのは・・・え、いいんですか?そんなあっさり」


白瀬「言っておいてなんですが、私一応一般人ですから勝手に案内したのがバレたら大変なんじゃ」


響「私も工舎へ行く所だったんだ。それに白瀬さんなら問題ないよ。」


響「もしバレても秘策があるから大丈夫。」


白瀬「分かりました。ではお願いします。」


響「助けてもらった恩があるからね。」


白瀬「そんな、恩だなんて。気になさらなくても」


響「白瀬さんには2回も助けてもらっている。まだ一つも返したつもりは無いよ。」


響「さて、行こうか。」


ギュッ


白瀬「?」


響は白瀬の手を握っていた。


響「ダメかな?」


白瀬「いえ、ダメな訳無いですよ!」


響「ふふ・・・スパシーバ」


こうして二人は工舎へ向かった


工舎へ向かう途中響とは何気ない会話が続いた。


しかし響は白瀬の用件については聞いてこなかった。


響(本当は気になるけど、あの白瀬さんがわざわざここを頼って来たということは何か大変なことなんだと思う。私がここであえて聞く必要はない。)


白瀬(どんな用件か聞かれると思ったけどそんな様子は無い・・・。響さんなりに気を使ってくれているんだ。)


白瀬(私が二人を、深海棲艦を助けようとしていると知れば響さんはどう思うだろうか・・・)


そうこうしているうちに工舎に到着した。


響「明石さんはこの時間ならたぶんこっちに居るはず・・・」


???「きゃーーーー!!」


突然工舎に悲鳴が響き渡る


二人「!?」


白瀬「悲鳴!?」


響「こっちだ!」ダッ


響が悲鳴の聞こえた方へ走り、白瀬が後を追う。


工舎内の一室にたどり着き扉を開ける。


響「明石さん!」


白瀬「なっ」


明石「うがぁーーー、目が、目がぁー」ゴロゴロ


そこには目を押さえながらのた打ち回る明石の姿があった。


白瀬「大丈夫ですか!?」


明石「ど、どちら様ですかぁ?視覚が無いので誰か分かりません」


響「私だよ。響だよ。」


白瀬「先日お世話になった白瀬です。」


明石「うえ?響さんは分かりますがなぜに白瀬さんが?」ナミダドバー


響「それは後で説明するよ。とにかく何があったんだい?」


白瀬「これで顔を拭いてください」スッ


白瀬は鞄からタオルを取り出し明石に渡す。


明石「ありがとうございますぅぅ。」フキフキ


白瀬「大丈夫ですか?」


明石「まだ目はぼんやりしか見えませんが大丈夫です。」


明石「実は自分でもよく分からなくて・・・」


響「どういうことだい?」


明石「いつも通り朝食を終えて工舎に来たら作業台にダンボールが置いてありまして」


明石「宛名が書いていなかったのですが先日注文していた資材やパーツが届いたと思って」


響「警戒せずに開けてしまったと」


明石「そうなんです。そしたら部屋が強烈な光に包まれて・・・」


白瀬「さっきの状態になったと」


明石「そうなんです。その後すぐに足音がしてお二人が来てくれました。どうやら閃光弾のようなものが仕込んであったようです。」


響「誰かのイタズラかな?」


明石「私もそう思ったんですが誰が何の為に・・・」


白瀬(・・・おかしい。私達はすぐに来たといっても工舎の外にいた。光ってすぐ足音がしたなら、室内に誰かがいた・・・?)


明石「ふー、ようやく目が見えるようになりました。」


白瀬「大丈夫ですか?」


明石「ええ。特には」


響「一時的なもので良かったね。」


明石「まだちょっとチカチカしますが・・・。さて、明石になにか用ですか?」


響「そうだ、白瀬さん。明石さんに用があるんだよね?」


白瀬「あ、そうでした。明石さんにこれの修理をお願いしたくて。」ガサガサ


白瀬は鞄から北方棲姫が大切にしていた瑞雲の模型を取り出した。


明石「おや。プラモデルですか?」


白瀬「ええ。知り合いの子が大切にしていた物なんですが壊してしまったみたいで」


白瀬「今私が会える人物の中でこういったことに一番強そうな人が明石さんでして・・・」


明石「ちょっと見せてくださいね・・・ふむふむ」


明石(なんて丁寧な作り方・・・これを組み立てた人はかなりの技術の持ち主!これを修理するのは腕が鳴りますね!)


白瀬「どうですか?」


明石「大丈夫です!これくらいすぐに直りますよ!折れた部分の繋ぎ目も跡形も無く消し去ってやります!」ウヒョー


響「言葉の使い方間違ってるよね?」


白瀬「大丈夫かな・・・」


明石「いーからいーからー♪ 明石を信じてー♪」カチャカチャ 


そうして明石が作業を開始した。


白瀬が危惧したとおり工舎裏に潜む青葉に気付かずに


工舎裏口


青葉(あ、危なかった・・・、まさか響さんと白瀬さんが来るなんて想定外だった!)


青葉(明石さんごめんなさい・・・あんな事して。でもアイツだけは私の手で!)ガシャ


青葉は自分の艤装を手に鎮守府を後にした。


============================


鎮守府を後にして30分ほど


青葉「ここね」


目的地に到着した青葉は一旦艤装を解除する。


青葉(陸では艤装は使えないからここにおいて置こう)


港湾水鬼がいると思われる廃港の入り口付近に移動し情報提供者を探す。


青葉「何処だろう?」


青葉が辺りを見回していると物陰から声がした。


ミズキ「あの!」


青葉「あ!貴女がミズキさんですか?」


ミズキ「はい!SSPの管理人さんですか?」


青葉「はい!それで深海棲艦は何処ですか?」


ミズキ「あの建物の中にいます!」


青葉(ここにアイツが!)ググッ


青葉は高ぶる気持ちを抑えつつミズキに言った


青葉「分かりました。貴女は危険なのでここに居て下さい。」


ミズキ「何言ってるんですか!私が案内します!さあこっちです!」グイ


青葉「え?ちょ、ちょっと!」


ミズキは青葉の手をとって強引に建物に入っていった。


その建物は以前は船の修繕場だったようで放棄された工具や機会が散乱していた。


ミズキ「こっちです」


青葉は言われるがままミズキへついて行く


やがて階段を降り、地下へとたどり着く。


既に廃港になっていることもあり明かりは無く、地下は暗闇に包まれていた


どこかに地上に通じる場所があるのか、風の通るような音がしている。


青葉「暗くて何も見えない・・・携帯のライトで・・・」ピカッ


ミズキ「この奥にいます・・・」ヒソヒソ


青葉(やっぱり一般人がこれ以上一緒にいると危ない。)


少し進んだ所で青葉が言った。


青葉「ミズキさん。やはりこれ以上は危険なので貴女は、ムグッ」


突然青葉はミズキに口を手で塞がれた


ミズキ「聞こえませんか・・・?」


青葉「?」


二人は耳を澄ます


「・・・・オオオオオォォォォォ」


最初は風の音かと思ったがそれが何かの息遣いだと分かった


青葉は声のする方へ顔を覗かす


青葉「あれは!」


目にしたのは戦艦水鬼が従える艤装魔獣だった。


青葉(やっぱりここにヤツが居る!一旦戻って艤装を・・・)ガシッ


青葉「痛ッ!」ギリギリ


ミズキ「警戒心ナサスギ。ソンナンダカラ簡単ニ罠ニカカル」


青葉「ミズキさん!?一体何を!?」グググ


間接を極められ身動きが取れなくなる。


青葉(一般人に私が力負けしている!?こうなったら全力で!)グッ


パッ


青葉が力をこめた瞬間手を離され青葉は体制を崩してしまう。


青葉「うわっ!くっ・・・」ドサッ


戦艦水鬼「久シブリネ?ソロモンノ狼」


青葉「なっ・・・・お前は!」


戦艦水鬼「少シハ疑ワナカッタノ?周リガ見エテイナイ証拠ネ。」


青葉「あの時の戦艦水鬼ッ!」ダッ


青葉は戦艦水鬼に向かって突進し体当たりを喰らわせる。


そのまま戦艦水鬼を押し倒し、馬乗り状態になる


青葉「お前は私が倒す!絶対!」ガシッ


戦艦水鬼「艤装モ無シデデキルト思ッテ?」


青葉「関係ない!」グオッ


青葉は拳を振り上げ殴ろうとする


戦艦水鬼「ホラ、マタ周リガ見エテイナイ」ニヤッ


艤装魔獣-壊-「ガアアアッ!」ブオッ


青葉「な、しまっ!!」ドゴッ


激昂した青葉は艤装魔獣の攻撃に気がつかず拳による直撃を食らう。


吹き飛ばされた青葉は柱に叩き付けられた


青葉「ガハッ!」ググッ


戦艦水鬼「必死ニナッテ、カワイイナァ」シュウゥゥゥ


青葉(こ、こんなはずじゃ・・・)


戦艦水鬼「安心シナサイ、スグニハ殺サナイカラ」ドンッ


戦艦水鬼は青葉に光弾を放ち気絶させた。


青葉「ぐ・・・」ガクッ


戦艦水鬼「イイコネ」ナデナデ


艤装魔獣-壊-「グウウゥ」


戦艦水鬼は青葉を柱に鎖で拘束した。


拘束した青葉の頭に手を当て目を閉じる


戦艦水鬼「ヘェ、今アノ鎮守府ニアイツガイルノネ。丁度イイワ」


戦艦水鬼「サア、後ハアイツヲ呼バナイトネ・・・」スッ


戦艦水鬼は青葉が持っていた携帯を拾いある番号に電話を掛けた。


=============================


工舎にて


明石「出来ましたー!」


瑞雲 ピッカピカヤデ キラッキラデスゼ


白瀬「す、すごい・・・」


響「流石だよね。宣言どおり折れた部分の繋ぎ目も無い」


明石「いやぁ、昔はよくプラモデルも作っていたんですが、久しぶりだったのでちょっと緊張しました。」


白瀬「ありがとうございます。」


明石「いえいえ。私も久しぶりに楽しめました!それとこれを作った人は相当の技術を持った方ですね。」


響「分かるのかい?」


明石「もちろん。更に言えばこれは最初から他人の為に作った物ですね。作者さんの思いやりが感じられました。」


白瀬(ホッポちゃんはこれを誰からもらったんだろう。やっぱり大将さんかな・・・)


響「そんなことまで分かるのか・・・明石さんはただの機械オタクじゃ無かったんだね。」


明石「褒めてます?貶してます?」


響「もちろん褒めてるさ」


白瀬「感謝します。明石さん。今度何かお礼をさせて下さい。」


明石「お気になさらず!楽しめたのでそれで満足です。」


響「さて、もう会議は終わってるだろうから私は長門さんに会ってくるよ。白瀬さんここで少し待っててくれるかな?」


白瀬「はい。よろしくお願いしますね。」


その時工舎に着信メロディが鳴り響いた。


♪~~♪~~♪


白瀬(・・・え?これ・・・)


明石「あ、青葉さんから電話だ。ちょっと失礼しますね。」


響「明石さんも着メロにしているのか。」


白瀬「響さん。あのメロディは?」


響「ああ。あれは雪風がよく演奏しているんだ。」


響「良いメロディだから私が頼んで演奏してもらったんだ。それを私の着メロにしているんだ。」


白瀬「そうでしたか・・・」


響「・・・?」


白瀬(あのメロディはあの子と二人で創ったものと同じだった・・・。なんで雪風さんが?)


明石は電話に出る。


明石「もしもし?」


明石「青葉さん?どうしました?」


響「?」


白瀬「どうしたんですか?」


明石「ん~?何でしょう、青葉さんからの着信なのですが相手側の声が聞こえなくて・・・」


響「電波が悪いのかな?」


明石「ですかね?ずっとテレビの砂嵐画面のような音がしているんですよ」


明石「こんな感じで」ピッ


明石は電話の音声をスピーカーにする


電話口から聞こえてくるのは確かに雑音しか聞こえない。


一人を除いては・・・


響「掛けなおしたほうがいいんじゃないかな?」


白瀬「ちょっと待ってください。」スッ


明石「え?ど、どうしました?」


白瀬(聞こえる・・・)


<ソウネ、アナタニハキコエルデショウ?


イチドシンカイニオチタアナタニハ、コノコウシンヲトラエラレルデショウ?


ソウソウ、イマアナタノシッテイルオオカミヲアズカッテイルノ


キョウボウナコデ、オソッテキタカライマハネムッテモラッテイルワ


ワカルワヨネ?


ワタシタチハアヤカチョウノハイコウニイルワ


カナラズヒトリデキナサイ


モシコナカッタラワタシノカワイイコノエサニナッテモラウワ>


白瀬(ホッポちゃんだけじゃなく、青葉さんまで!)ギリィ


響「し、白瀬さん?」


明石「あ、電話切れちゃいました。」


終始雑音のみだった音を真剣に聞いていた白瀬を見て響は心配する。


響「大丈夫かい?」


白瀬「響さん、明石さんごめんなさい!急用を思い出しましたので、これで失礼します!」ダッ


そう言い残し白瀬は工舎を飛び出した。


響「ま、待って白瀬さん!」


ただならぬ雰囲気を感じた響きは白瀬を追う


明石「は、はい。ってあれ?プラモデル忘れてますよー!!」


状況が理解できない明石が白瀬を呼んだときには既に二人の姿が見えなくなっていた。


明石「行っちゃった・・・まあ戻ってくるよね。それにしてもさっきの電話なんだったんだろう?」


=======================


工舎を飛び出した白瀬は全速力で鎮守府を走る。


白瀬「急がないと!」


響「白瀬さん!待ってくれ!」


白瀬「!」ザザッ


響「はぁはぁ・・・どこへ・・・」


白瀬「・・・・」


響「また、一人で戦いに行くの?」


白瀬「ごめんなさい・・・」


響「謝ってほしいわけじゃないよ!」


響「なんで何も言わずに行こうとするんだ!?」


白瀬「響さん・・・」


響「もっと頼ってくれても良いじゃないか・・・」グズッ


白瀬「・・・本当にごめんなさい」ギュッ


白瀬は泣きそうな響を抱き寄せる。


白瀬(響さんは私の事を知っている。私も響さんの事を知っているのに・・・。迂闊だった・・・)


白瀬「響さん、聞いてください。」


響「・・・うん。」


白瀬「さっきの電話、あれは戦艦水鬼からでした。二人には雑音しか聞こえなかったと思いますが私に直接交信してきました。」


響「なっ!」


白瀬「内容は、青葉さんを預かっている。お前一人で彩加町の廃港に来いと」


響「青葉さんが!?それに戦艦水鬼だなんて・・・」


白瀬「詳しい説明は必ずします。だから・・・私を信じてもらえませんか?」


響「・・・ずるいよ。そんな言い方。」


響「でも、分かったよ。友達の命には代えられない。」


響(私が駄々をこねている場合じゃないか・・・。)スッ


響「行ってらっしゃい。必ず戻ってきてね。」ニコッ


白瀬「はい。行ってきます!」ダッ


白瀬を見送った後響は少し感傷に浸っていた


響「ダメだな・・・私は・・・・。昔から成長できていない・・・」


響「でも私も黙って大人しくしているつもりは無いよ」


響はすぐに引き返し鎮守府へ消えていった。


===================









そんな・・・なんでこんな場所に・・・戦艦水鬼が!?


みんな、早く逃げて!


加古!そっちに回避しちゃダメ!


古鷹、私を庇って・・・


衣笠!ダメだよ!諦めないで!


嫌、嫌ぁぁぁぁぁぁ!














青葉「はっ・・・」


戦艦水鬼「オ目覚メ?随分楽シイ夢ヲ見テイタノネ」


青葉「貴様!」ジャリッ


青葉は飛びかかろうとするが拘束されている鎖に気がつく


青葉「ぐっ、鎖!?」


戦艦水鬼「良イワネェ。モット暴レテチョウダイ?」


青葉「何を言って・・・」


戦艦水鬼「餌ハ生キガ良イホド食イツキガ良イモノ」


青葉「餌?」


戦艦水鬼「自分ノ事ヨ?アノ子ノ為ノ餌」スッ


戦艦水鬼は自分の真横を指差す


指差す方へ顔を向けるとそこには口を大きく開いた艤装魔獣の姿があった。


青葉「な・・・きゃぁぁぁっ!」


戦艦水鬼「アラ、マダ駄目ヨ?先ニアイツヲ殺サナイト」


艤装魔獣-壊-「グウウゥゥゥ」


一瞬ではあったが青葉は”ソレ”を見逃さなかった。


青葉(あれはなに!?なんで北方棲姫があの艤装魔獣の胸元に・・・!?)


青葉(・・・駄目だ駄目だ。しっかりしなきゃ!チャンスは必ず来る・・・それまで恐怖に、飲まれるな!)ブンブン


戦艦水鬼「アラ、ドウシタノ?眼ツキガサッキト違ウワネ」


戦艦水鬼「モット怖ガッテモ良イノヨ?」


青葉「黙れ・・・」


戦艦水鬼「折角、貴女ヲカラカッテアイツガ来ルマデ時間ヲ潰ソウト思ッタノニ」


青葉「まさか、鎮守府の誰かを呼んだの!?」


戦艦水鬼「違ウワ。デモ貴女達ヲ絶対ニ見捨テナイ艦娘」


青葉「何を言って・・・。」


戦艦水鬼「ソイツヲ殺シタラ貴女モスグニ3人ノ元ヘ送ッテアゲルカラ、楽シミニシテネ?」


青葉「・・・この、死に損ないめっ!」


戦艦水鬼「アラ、口ノ悪イ子ニハオ仕置キガ必要ネ?」ガシッ


戦艦水鬼は青葉の顔を掴み殴りかかろうとする。


その時だった


♪~♪~♪


青葉(このメロディは、雪風さんの・・・)


戦艦水鬼「ホラネ?ヤッパリ来タ」


青葉「来ちゃ駄目です!あなたを呼んだのは罠なんです!」


青葉は入り口に向かって叫ぶ。


しかし返答と、その声の主に驚く。


白瀬「生憎、ひねくれ者でしてね。来るなと言われると逆らいたくなる。」ザッ


青葉(こ、この声って)


戦艦水鬼「待ッテイタワ。出来損ナイノ艦娘!」


青葉(白瀬さん!?なんで!?それに艦娘って・・・)


白瀬「青葉さんを放してもらう。」


戦艦水鬼「簡単ニ放スト思ッテイルノ?」


戦艦水鬼「コノ狼サンヲ放シテホシカッタラ大人シクシテネ?」


白瀬(青葉さんはあそこか・・・。ホッポちゃんは何処へ・・・?)


艤装魔獣-壊-「ガァァァアッ」ブン


白瀬「っ!」サッ


現れた艤装魔獣は白瀬を狙って拳を振るう


寸での所で回避した白瀬は体制を整える。


白瀬「艤装魔獣・・・!」


戦艦水鬼「動クト当タラナイデショウ?」


白瀬「なっ・・・あれは・・・」


白瀬が目にしたのは艤装魔獣に取り込まれた北方棲姫の姿だった


白瀬(そんな・・・ホッポちゃん!)


戦艦水鬼は白瀬の動揺を見逃さなかった。


戦艦水鬼「綺麗デショウ?本当ハ食ベサセルツモリダッタケド取リ込ンダミタイナノ。」


白瀬「お前!」


艤装魔獣-壊-「ガアアアッ!」グアッ


白瀬「しまっ・・・ぐあっ!」ドゴッ!


青葉「白瀬さん!」


戦艦水鬼に気をそらした隙を付き艤装魔獣は攻撃を加える。


白瀬(ぐっ、なんて威力・・・)


戦艦水鬼「隙ダラケネ。サア、トドメヲ!」


艤装魔獣-壊-「ガアッ!」グオッ


白瀬は回避しようとするが膝が落ちてしまう


白瀬「くっ・・・!」








しかし、艤装魔獣は直前で拳を止める。


戦艦水鬼「ナ・・・ナゼ?」


白瀬「・・・?」


青葉「攻撃を、止めた?」


白瀬(まさか・・・ホッポちゃん?)


白瀬の呼びかけに捕らわれている北方棲姫は目を開ける。


北方棲姫(シ・・・ラ・・・s・・・)


白瀬(やっぱり、ホッポちゃんはまだ生きてるのね!?)


北方棲姫(ハヤ・・・・ク・・・)


白瀬(分かった。でも貴女も絶対助けるから、待ってて!)ダッ


白瀬は状況が飲み込めない戦艦水鬼に向かって走り出す。


戦艦水鬼「ナッ!?」


白瀬「そこをどけぇぇっ!」ガシッ ブンッ!


落ちていたコンクリート片を拾い戦艦水鬼に投げつける


戦艦水鬼「ナメルナッ!」バシッ


戦艦水鬼はコンクリート片を手で払いのける。


スッ


だが一つ目の影から更にコンクリート片が現れた


戦艦水鬼「ガッ」ガンッ


白瀬「隙あり!」ドゴッ!


戦艦水鬼「グハァァ!ッ」


二つ目が直撃し、隙を見せた戦艦水鬼に飛び蹴りを喰らわせる。


青葉「・・・」


白瀬「放心している場合じゃありませんよ!」キィンッ!


白瀬は青葉を拘束している鎖を開放する。


青葉「なぜ、貴女が・・・」


白瀬「後先考えないからこうなるんです!とにかく地上へ!」グイッ


青葉「嫌です!アイツを倒すまでは!」バシッ


白瀬「なっ!?装備も無い状態で何行ってるんですか!?早く逃げますよ!」


青葉「私は、逃げません!」


白瀬「!」


青葉「アイツは、青葉の命に代えても!」


白瀬「青葉さんっ!!!!!」ガシッ


今までの白瀬からは考えられないほどの声量に青葉は驚く。


青葉「うわっ!!」


白瀬「しっかりして下さいっ!死んではダメです!」


青葉「だけど!・・・アイツは六戦の、みんなの・・・!」


白瀬「無茶と勇気を間違えないで下さい!」


青葉「青葉は無茶なんて・・・」


白瀬「ここで貴女に何かあったら、鎮守府の皆さんはどう思いますか!?」


青葉「!!」


少しの沈黙の後青葉は口を開く。


青葉「・・・すいません。白瀬さんの言うとおりです。」


白瀬「分かってもらえたなら、良いんです。」


白瀬(死んでしまったら・・・もうどんな事も出来なくなりますよ?)


白瀬(もっとも、私も人の事言えませんが・・・)


ドガッ!


戦艦水鬼が叩き付けられた壁を怒りに任せて破壊する音が聞こえる


白瀬「急ぎましょう。とにかく地上へ!」


青葉「は、はい!」


戦艦水鬼「オノレェ!」ズズズ


艤装魔獣-壊-「グガァァァァァッ!」パァンッ


艤装魔獣はオーラを纏い北方棲姫の制御を解く


戦艦水鬼「イマココデ死インデシマエェェッ!」


戦艦水鬼は艤装魔獣に砲撃命令を出す。


艤装魔獣-壊-「ガァァッ!」ドンッ


艤装魔獣から発射された光弾は青葉に向かって飛んでいく。


白瀬「危ない!」バッ


青葉「え!?」


ドゴォォォォォン!


光弾は青葉を庇った白瀬の背中に命中する。


白瀬「ぐっ・・・」


青葉「白瀬さん!な、なんで青葉を・・・艦娘を庇うんですか!傷を見せてください!」


白瀬「か、擦っただけです、早く行きましょう。」グッ


戦艦水鬼「フフ・・・。ヤッパリ庇ッタワネ。ドウヤラ聞イタトオリ見捨テラレナイノネ貴女。哀レナ艦娘・・・」


青葉「艦娘・・・?」


白瀬「・・・ヤツが何を勘違いしているか分かりませんがとにかく走って!」


青葉「わ、分かりました・・・」


青葉を先に走らせ少し遅れて白瀬も走る。


青葉(白瀬さんの背中、少ししか見えなかったけどほとんど怪我してなかった・・・。まさか本当に?)


戦艦水鬼「逃ガスカ!」ダッ


当然仕留め損なった戦艦水鬼も後を追う


青葉(もうすぐ出口!・・・あ、あれは!)


出口付近には青葉が持ち込んだカメラと携帯が置いてあった。


青葉「よし、これを!」ジーッジーッ カチャカチャ


青葉はカメラを手に取り細工をし始める。


白瀬「青葉さん!何してるんですか!?早く逃げますよ!」


青葉「よし、これで」カチャッ


青葉がカメラを触っている間に戦艦水鬼と艤装魔獣はすぐそこまで迫っていた。


青葉「お待たせしました!行きましょう」ダッ


青葉はカメラを近くのドラム缶に置き出口へ向かう。


白瀬「え?カメラ置いていくんですか!?」


青葉「白瀬さん!青葉が合図したら後ろを向かないで下さい!」


白瀬「え?え?」


二人を射程距離に捕らえた戦艦水鬼は光弾を放とうと構える。


戦艦水鬼「喰ライナサイ!」シュゥゥゥゥ


青葉「・・・今です!」サッ


白瀬「っ!」


バシュッ!!!!


戦艦水鬼「ッ!!!!」


艤装魔獣「ッ!!!」


青葉の合図と共に地下室に一瞬強烈な光が発生する


戦艦水鬼「グアアァッ目ガ・・・!」


白瀬「この強烈な光は一体・・・!?」


青葉「さっきのカメラ明石さんに頼んで作って貰ったカメラなんです!フラッシュを最大に設定してタイマーを仕掛けました!」


白瀬「なるほど・・・って明石さんやりすぎでしょう!?どのタイミングであんな出力が必要ですか!?」


青葉「こんな時の為です!名付けて”タイマーフラッシュスペシャル”です!!」キリッ


白瀬「合ってるけどなんか違う!!」


青葉「え?」


白瀬「あ、いえ・・・こっちの話です・・・」


青葉「?・・・もうすぐ地上です。地上に私の装備があります!」


階段を上り地上へ出た二人は青葉が艤装を置いた場所へ向かう。


白瀬は追っ手を確認するために後ろを振り返る。


白瀬(フラッシュが効いているのか、まだ追ってきていない・・・)


引き続き走っていると突然地響きが発生した。


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ


白瀬「うわっ」グラグラ


青葉「じ、地震!?」


二人の足が止まった次の瞬間二人の足元が地割が発生した


白瀬「うわっ!」バッ


間一髪、巻き込まれずにすんだ二人はその場から離れる。


青葉「危なかった・・・」


ドガァァンッ!!!


更に地響きが起こり先ほどの亀裂から爆発が起こる


爆発により地面の裂け目が広がり、そこから戦艦水鬼達が現れる。


青葉「もう追ってきた・・!」グラグラ


艤装魔獣‐壊‐「グガァァッ!」


艤装魔獣は出現すると同時に砲撃を始める


ドンッ!


白瀬「青葉さん!避けて!」


先程の地響きの影響で青葉の足元は地面が不安定になっていた。


足をとられてしまった青葉は回避し損ねる。


青葉「しまっ!」ズルッ


ドガァンッ!


青葉「ぐ、うぅ・・・」中破


戦艦水鬼「フフッ」スッ


苦しむ青葉を見て戦艦水鬼は不適な笑みを浮かべる


戦艦水鬼の指示で更に砲撃が行われる。


ドンッ‼


白瀬「!?」


白瀬(軌道が違う!?狙いは青葉さんじゃない!)


ドガァンッ


青葉「なっ!?」


その一発は青葉の近くにあった鉄塔に命中した


鉄塔は崩壊し青葉の頭上に無数の鉄骨が落下する。


青葉「そんな、避けられない・・・うわぁぁぁ!」


無数の鉄骨を目にした青葉は足を止めてしまった。


白瀬「青葉さんっ!」ダッ


白瀬は動けなくなってしまった青葉に向かって走る


この時、白瀬の頭の中ではある光景がフラッシュバックしていた。




助けられなかった、自分が間に合わなかった為に。


あと少しで助けられた・・・


命は自分をすり抜けていった





白瀬(あんな事、もうたくさんだ!)


白瀬(死なせはしない!絶対に!)スッ


白瀬はフュージョンリングを取り出し青葉の元へ走った


ヒュイィィン


白瀬「吹雪さん!」スッ


〔特型駆逐艦 吹雪!〕


吹雪(はいっ!)


白瀬「暁さん!」スッ


〔特型駆逐艦 暁!〕


暁(任せて!)


白瀬「特型駆逐艦の力、お借りしますっ!」ギュインッ


〔フュージョンアップ!〕


白瀬は光に包まれながら青葉の元へ走った。


ドドドドッ・・・


轟音をたてながら落下する鉄骨を見て戦艦水鬼は呟く


戦艦水鬼「フフフ・・・。サア、ドウナッタカシラ?」


艤装魔獣-壊-「・・・・」
















青葉(私は、死んだんでしょうか・・・。)


青葉(痛みはなかった・・・。死の瞬間は、こんな感じなのかな・・・。なんにも・・・出来ずに)


青葉は死の恐怖から目を開けられなかった。


だが閉じたままの瞳にも感じられる程の光が差した。


スーッ


青葉(・・・光?)


青葉が恐る恐る目を開けると光に包まれた人物が目の前に立っている


青葉(誰・・・?)


白瀬「良かった。間に合って・・・」


〔特型駆逐艦 白瀬 ブリザード フラッシュ〕


そこには艤装を装備した白瀬の姿があった


間一髪間に合った白瀬はフリージングシールドをドーム型に発動し、青葉を守った。


青葉は一瞬、目の前に立つ人物の正体驚く。


青葉「あ、えっ?・・・その声」


白瀬「・・・・」


青葉「白瀬さんなんですか!?」


白瀬「はい。私です。」


青葉「いやっでも、その姿・・・その装備・・・」


白瀬「ちょっと待って下さいね。」スッ


白瀬「はあっ!!!」ドゴッ


白瀬はシールドの一部を解除し、塞いでいた鉄骨を吹き飛ばす。


青葉(な、何が起こって・・・。髪の色も、服装も違う!?それに今の力は・・・・)


白瀬「・・・色々と、聞きたい事、言いたい事があると思います。」


白瀬「ですが、まずは戦艦水鬼達を止めます!」


白瀬「貴女はここにいてください。このシールドは私が解かない限り解除されませんから。」バッ


青葉「白瀬さん、待ってください!」クグッ


青葉「痛ッ!」バタッ


青葉は追いかけようとするが、倒れてしまう


どうやら最初の砲撃で足を痛めてしまっていたようだ。


青葉(足が・・・。こんな時にっ)


=====================



白瀬が外に出ると戦艦水鬼が待ち構えていた。


白瀬「!」


戦艦水鬼「ヨウヤクネ。アラ、コノ前ト同ジ姿ナノネ」


白瀬「だったら?」


戦艦水鬼「別ニ、貴女ガソレデイイナラ」ダンッ


戦艦水鬼は艤装魔獣と共に海岸方向へ跳んだ


白瀬も続い後を追う。


海に到着し二人は対峙する。


白瀬「・・・」


戦艦水鬼「ナニカ言イタソウネ?」


白瀬「意外に思っただけ。てっきりそのまま攻撃してくると思ったから。」


戦艦水鬼「言ッタデショウ?貴女ヲ最初ニ殺スッテ。マァ、完璧ニハマダ遠イケド。」


白瀬は艤装魔獣を見る。


白瀬(ホッポちゃん・・・)


先程と同じように北方棲姫に交信する。


だが返事は返ってこなかった。


北方棲姫を取り込み、オーラの凶悪さが増しているのが感じられる。


だが以前と同じく全身の傷は完治したとは言いがたい姿だった


白瀬「そんな姿で戦うつもり?」


戦艦水鬼「傷ハ関係ナイワ・・・。私トコノ子ガ一ツトナルノダカラ!」ガシッ


白瀬「なにを・・・?」


艤装魔獣は戦艦水鬼を抱える。


戦艦水鬼も艤装魔獣に抱きついた。


カッ!


その瞬間強烈な光が発生する。


白瀬「っ!」サッ


白瀬は閃光から目を塞ぎ、一瞬敵から目を逸らす。


次の瞬間白瀬が目にしたのは敵の異様な姿だった。


白瀬「なっ・・・融合した!?」


禍戦艦水鬼-壊-「ウフフフフ、アハハハハッ」


禍戦艦水鬼-壊-「ナニヲオドロイテイルノ?アナタガヤッテイルコトトオナジデショウ?」


白瀬「そんな力と、一緒にするな!」


戦艦水鬼は艤装魔獣の無くなっていた双頭の片方に下半身が融合していた。


北方棲姫を取り込み、戦艦水鬼と融合した艤装魔獣は先程とは比べ物にならないオーラを纏っている。


禍戦艦水鬼-壊-「サア、ハジメマショウ!シタイガノコッテイレバ、アナタモトリコンデアゲル!」


白瀬「お断りよっ!」ギュン


白瀬(融合では無いなら、ホッポちゃんにはダメージは行かないはず。でもまずは確めないと)


戦闘が始まったと同時に白瀬は最大速度で接近する


白瀬(ホッポちゃんが入っているあの球体は傷つけないようにしないと!)ドンドンドンッ


白瀬は艤装魔獣の双頭に向かって砲撃をする


禍戦艦水鬼-壊-「フフフッ」ヒョイッ


だが・・・


白瀬「くっ!」ドンドンッ!


ギュンッ


前回と違い、いくら狙っても命中しない。


禍戦艦水鬼-壊-「ドコヲネラッテイルノ?コッチヨ?」


予測ではなくまるで白瀬の行動を事前に知っているかのようだった。


移動速度をコントロールし、フェイントを仕掛けても効果がない。


その状況を楽しみ、弄んでいるようだった。


白瀬(なんで当たらない!?あんなでかい図体で)


禍戦艦水鬼-壊-「ナンデアタラナイ?ッテオモッテイルノデショウ?」


白瀬「!」


禍戦艦水鬼-壊-「オシエテアゲマショウカ。アナタノコトハ”あの方”ニゼンブオシエテモラッタノ。」


白瀬「なにを言って!?」


禍戦艦水鬼-壊-「タトエバコウスルト・・・」ドンッ


白瀬「っ!」サッ


白瀬は砲撃に対して左へ回避する


だが、次の瞬間白瀬は禍戦艦水鬼-壊-の伸びる腕に掴まれてしまう。


持ち上げられ胴を締め上げられる。


白瀬「ぐあぁぁっ!」ギリギリギリ


禍戦艦水鬼-壊-「アハハハッ。オモッタトオリニナルノハオモシロイワァ」ブンッ


白瀬は投げ飛ばされ、海面に叩きつけられる。


白瀬「ぐはぁっ!」バシャッ


白瀬「・・・いけっ!」バシュッ


白瀬は投げ飛ばされながらも禍戦艦水鬼に向かって魚雷を発射していた。


禍戦艦水鬼-壊-「ナ!?シマッタ!」


白瀬「これならいける!」


禍戦艦水鬼-壊-「ナンテネ・・・」ニヤッ


禍戦艦水鬼は艤装魔獣の両腕で魚雷を全て掴み取った。


白瀬「そんなっ!」


禍戦艦水鬼-壊-「フフ、ナニヲオドロイテイルノ?」


禍戦艦水鬼-壊-「アナタノトクイナコウゲキホウホウデショウ?」ブンッ


白瀬「--っっ!!!」


白瀬は投げ返された魚雷を何とか避け、距離をとって体制を立て直す。


白瀬「・・・・・・っ。」


白瀬(私の事を聞いた?あの方とは一体・・・)


白瀬(でも了戎じゃないのは確か・・・か。)


禍戦艦水鬼-壊-「”あの方”ハイママデノアナタノスベテヲオシエテクレタワ。」


禍戦艦水鬼-壊-「ダカラ、オマエハワタシタチニハカテナイ!」


行動を把握されている。


次の一手を把握されている以上、苦戦は必至だった


だが、


白瀬(今までの私・・・ね)


白瀬「だったら、まだ誰も知らない姿を・・・見せてやる!」


禍戦艦水鬼-壊-「ヘエ・・・」


白瀬はフュージョンリングを取り出し発動する。


ヒュイイィィン


カードホルスターからカードを取り出し、名前を呼ぶ。


白瀬「嵐さんっ!」スッ


〔駆逐艦 嵐!〕


カードをリードした粒子から嵐が現れる


嵐〔さぁ、嵐巻き起こそうぜ!〕


白瀬「天龍さんっ!」スッ


〔軽巡 天龍!〕


天龍〔うっしゃぁぁぁ!〕


同じく粒子から天龍が現れる。


白瀬「”キレ”のいいヤツ、頼みますっ!」


ギュインッ!


〔フュージョンアップ!!〕


天龍&嵐〔はあっ!〕


掛け声と共に二人は白瀬の体に融合する。


〔高速巡洋艦 白瀬 ハリケーンスラッシュ!〕


白瀬「光を超えて、闇を切るっ!」


白瀬の体には両腕に小口径の砲が現れ、天龍と同じ眼帯、頭部艤装が現れた。


腰には嵐と同じ探照灯と思われる物が装備されている。


だが、ほかの形体と違い背後の艤装には砲が積まれていなかった。


禍戦艦水鬼-壊-「ドンナスガタカトオモッタラ、ソンナヒンソウナソウビデナニガデキル?」


白瀬(嵐さん!お力、お借りします!)


嵐(ああ!)


白瀬の腰に装備されていた艤装が青く光る


白瀬「っしゃ!」ギュン


次の瞬間先程とは比べ物にならないほどの速力で禍戦艦水鬼に近づく。


禍戦艦水鬼-壊-「ナッ!?」


白瀬「くらえっ!」ガシャッ


ドンッ!


白瀬は両腕の砲を禍戦艦水鬼の双頭に向かって発射する。


白瀬(やっぱり、ホッポちゃんにはダメージは来てない。なら!)ガシャッ


確認した白瀬は、砲撃を連射する。


バガガガガガガガガガカッ‼


口径こそ小さいが機関銃にも引けをとらない連射力に禍戦艦水鬼は怯み、ダメージが入る。


白瀬「どうした!私の行動は分かるんでしょう!?」


禍戦艦水鬼-壊-「グウゥッ、チョウシニ、ノルナァツ!」ブンッ


白瀬「見える!」サッ


禍戦艦水鬼は両腕を振り回し、白瀬を退ける。


禍戦艦水鬼-壊-「シズミナサイ!」ガシャッ


距離が開いた瞬間、全砲門を白瀬に向けて発射する


ドンドンドンドンドンドンドンドンッッ!!!!!


白瀬「そんな攻撃にっ!」フッ


着弾する瞬間、白瀬は姿を消す。


禍戦艦水鬼-壊-「バカナッ!ドコニイッタ」


白瀬「ここだっ!」フッ


白瀬「スラッガーショット!」シュッ


次の瞬間白瀬は禍戦艦水鬼の背後に現れ、頭部の二つの艤装を禍戦艦水鬼に向かって投擲する。


禍戦艦水鬼-壊-「ナメルナッ!」バシッ


双頭を狙って投げられた艤装を禍戦艦水鬼は腕で払いのける。


白瀬「まだまだ!」クイッ グッ


弾かれた艤装は白瀬の手の動きに合わせて再度禍戦艦水鬼に向かっていく。


禍戦艦水鬼-壊-「グアァァッ!」ザシュッ ザシュッ


一つは魔獣の頭に命中し、一つは腕を切り落とした。


艤装はそのまま白瀬の頭に戻り、再度装着される。


切り落とされた腕は海中に沈んでいった。


白瀬(とにかく動きを封じないとホッポちゃんを助けられない!)


禍戦艦水鬼-壊-「オノレェェ!ヨクモ、ヨクモォッ!」ガシャ


禍戦艦水鬼は怯まず反撃を行う。


ドドドドドッ!


正確な射撃ではなく白瀬の動きを封じるように乱射する。


白瀬(くっ、この数・・・また瞬間移動を!)バシャッ


ガシッ


白瀬が瞬間移動を発動しようとした時、背後から何かに掴まれた。


白瀬「なっ!?腕!?」


ギュウウウウッ


禍戦艦水鬼-壊-「フフフッ!」


白瀬「ぐっ、ああああぁ!」メキメキメキ


禍戦艦水鬼-壊-「イクラハヤクテモ、コウシテツカマエレバッ!」


白瀬は締め上げられる激痛に耐えながら禍戦艦水鬼を見る。


白瀬(残った腕は、海面にある・・・。つまり、この腕は)


禍戦艦水鬼-壊-「オマエガサッキキリオトシタホウダ。キラレテモマダウゴケルノヨ。」


禍戦艦水鬼-壊-「サア、クライナサイッ!」ドンドン!


禍戦艦水鬼は掴んでいる腕ごと白瀬に向かって砲撃をする。


白瀬「ぐはっ!」ドガァァンッ!


放たれた全てが命中し白瀬はダメージを受ける


白瀬を拘束していた腕は跡形もなく吹き飛んだ。


白瀬(掴まれた腕が壁になっていたから、助かった・・・)


白瀬「くっ・・・」小破


状態は小破にとどまったが衝撃によって足が止まる


禍戦艦水鬼-壊-(イマノジョウタイナラ、ナクナッタウデモモトニモドセルワネ・・・)ジュルジュルジュル


禍戦艦水鬼は無くなった腕を再生しようとしている。


禍戦艦水鬼-壊-「コノイチゲキデ、アトカタモナクケシテアゲル。」シュウゥゥゥゥ


禍戦艦水鬼は砲に禍々しいオーラを収束し光線を放とうとする。


禍戦艦水鬼-壊-「コンドコソ、キエテナクナレェェェ!」ギュオッッ!


先程の砲撃で少し動きの鈍った白瀬に禍戦艦水鬼は光線を発射する。


白瀬(っ。天龍さん!お力、お借りします!)


天龍(おうっ!貸してやるぜ!)


先程使用した頭部の艤装が白瀬の前で高速回転を始め、光線を遮断した。


禍戦艦水鬼-壊-「ソンナモノデッ!」グッ


禍戦艦水鬼は更に出力を上げようとする。


しかし、


禍戦艦水鬼-壊-「ッ!」ガクンッ


禍戦艦水鬼-壊-(・・・ナニガオコッタ?)チラッ


禍戦艦水鬼-壊-(ウデガ・・・サイセイシナイ!?・・・ナ、ナゼ!?)


腕の再生は不完全な状態で止まっていた。


艤装魔獣の傷が想像以上に深く、戦艦水鬼と融合したとはいえ先程からのダメージもあってか、力が弱まっていた。


白瀬「!」


天龍(今だぜっ!)


白瀬(はいっ!)


白瀬「はぁっ!」シュンッ


回転していた艤装に手をかざし、二つの刃を一つに融合する。


粒子状になった艤装は天龍の持つ艤装刀となり姿を現す。


白瀬「二刀、一刃!」ガシッ


禍戦艦水鬼-壊-「!!」


白瀬「はぁぁぁぁっ!!」


刀を手にした白瀬は高速移動で禍戦艦水鬼に接近する。


禍戦艦水鬼は白瀬の高速移動に対応できなかった。


白瀬「はっ!」ザン


すれ違いざまに禍戦艦水鬼の本体に一撃を加える。


そのまま高速移動状態で連続で斬りかかる。


禍戦艦水鬼-壊-「ガハッ、ガッ」ザンッズバッ


四方八方から絶え間なく続く攻撃に禍戦艦水鬼はなす術が無かった。


禍戦艦水鬼-壊-「アアアアアアッ!」グワッ


禍戦艦水鬼が攻撃に耐えかね大きく仰け反った。


白瀬(今この瞬間しか無い!)ヒュン


白瀬はその隙を見逃さず、禍戦艦水鬼の正面に回る


天龍(アイツまで斬らねえように気をつけろよ!)


白瀬(はい!)


白瀬「でやっ!」ザシュザシュザシュッ


北方棲姫が捕らわれている球体を切り裂く


白瀬「ホッポちゃん!」ズルッ


北方棲姫「ゲホッゲホッ・・・・」ドロドロ


球体の裂け目から北方棲姫を引きずり出す。


助け出された北方棲姫は飲み込んでしまっていた液体を吐き出した。


弱々しい呼吸が生存を知らせていた。


白瀬(先にホッポちゃんを安全な場所へ!)フッ


禍戦艦水鬼-壊-「マダ、マダオワラナイ・・・!」


攻撃する最大のチャンスだったが北方棲姫の安全を考え白瀬は一旦陸へ移動する。


フッ


近くの陸へ瞬間移動し、北方棲姫を寝かせる。


白瀬「ごめんね・・・、遅くなって」ナデナデ


北方棲姫「・・・・」


白瀬「すぐに戻るからね。ここで待ってて」


白瀬(念のため、シールドを張っておこう)フワッ


白瀬は嵐の力で風のドームを造り北方棲姫を包む


白瀬(行こう。決着をつけに!)フッ


白瀬はその後すぐに禍戦艦水鬼の元へ再度移動した。


================


白瀬が姿を消した後、禍戦艦水鬼は自身の状況を理解していた。


禍戦艦水鬼-壊-「ソウナノネ・・・、モウ・・・」


禍戦艦水鬼-壊-「マワリガミエテイナカッタノハ、ワタシノホウダッタ・・・ッテコトネ」


融合した後は一切を戦艦水鬼に託していた艤装魔獣の声を聞いたのだった。


禍戦艦水鬼-壊-「・・・サイゴマデイッショヨ。」


フッ


直後白瀬が現れる


嵐(残った力じゃ、もう瞬間移動は出来ないぜ。)


天龍(次で決めろよっ!)


白瀬自身も既に残された戦闘可能な時間は少なかった。


白瀬「お互いに、残された時間は少ないみたいね。」


禍戦艦水鬼-壊-「ソウネ。ダケド、ワタシタチノモクテキハ、サイゴニタタカッテオワルコトダ。」