2019-01-18 08:48:06 更新

概要

元帥に養子として引き取られたワケ有り提督が元・ブラック鎮守府に着任なさるそうです。個人的に好きな艦娘が沢山出せればいいなと考えています。


前書き

久々のss投稿です。

他の人のssはほぼ毎日ってほど見てるのに、いざ書くとなると続かなくなるんですよねぇ。ネタが尽きてる訳でもないのに。

まぁ気ままに更新していくつもりです。

良かったら読んでみてください。

⚠︎文中に出てくる「あの娘達」の読み方は、「あのこたち」です。


提督「はいっという訳でやって参りました我が鎮守府」


提督「見習いとして他提督の所で手伝いをして早10年。15歳の頃から妖精さんが見えるということでスカウトされ、25歳になったからという理由で提督採用」


提督「ってか、特に面接とかしなかったんだけど……大丈夫なのか? 今の海軍状況──主に人材の面で」


鎮守府 ボロ


提督「……資材等の面でも問題あるな」白目








提督「なんだかんだで執務室的な所に着いたけど、もうアレだな、パないのぉ!」


提督「床とか木材で造られているけど もう穴だらけ。コンクリでできた壁にはヒビが入っていて、建物内からは異臭。ここが俺の着任する鎮守府とか認めたくねぇw」


提督「てか、インターホン押しても誰も来ないとかマジで機能してなくてワロタ」


提督「………って言ってる場合じゃねぇ。元帥からはここに艦娘が残ってるって言われたから、その残ってる娘 探さないと」


                 ギィ チラッ


提督「にしてもどうするかなぁ。片っ端から探していくか」


??「そこのお前! 何もんだ!!」ブン←刀 振り回す


提督「」ヒョイ


??「!?」


提督「にしても、どんだけ艦娘残ってるんだろ? そこんとこ訊いて来なかったのミスったなぁ。まぁ、最初に見つけた娘に訊けばいいかぁ」


??「お、おい! 無視すんな!」


提督「まさか いきなり斬りつけてくるような娘が軍所属の艦娘な訳ないし……参ったなぁ、理想と違いすぎて現実逃避でも始めたのかなぁ? 俺の脳。幻覚が見える」


??「幻覚じゃねぇ! コッチ向け!」


提督「なら最低限の敬意をはらうべきだろうが」ギロッ


??「」ビクッ


提督(ったく あのロクでなしめぇ。こんな所に新人を配属するとか どういう神経してんだ)ブツブツ


??「お、お前……何者だ」


提督「初対面の相手には敬語使えよ……ってか、報告来てるハズだろ」フリムキ


提督「!?」


提督(何だ この娘、左腕が無い……? それに、服もボロボロ、傷もアッチコッチに……)


??「報告……? 何のことだ?」


提督「………今日、この鎮守府に着任することになった提督だ。大本営から連絡が来なかったか?」


??「……提督、だと?」ギロッ


提督「………? 何だ?」


??「提督なら尚更 信用できねぇ! お前も、また あの娘達に酷な命令を出す気だろ!! やっぱりここで俺が───」

提督「あの娘達ってことは他にも艦娘がいるのか。その娘達の所に案内してくれないか?」


??「なっ、案内する訳ないだろ! お前バカか!?」


提督「バカはお前だ。お前の言動に様子を見たら、その娘達もケガした状態でほったらかされてるんだろ? なら、すぐに治してやらないと」


??「………治すって……どうやって……?」


提督「入渠施設を使えばすぐだろ」


??「あんなボロボロの施設、使える訳ない。それに、肝心な資材は」


提督「資材は……ほら、いろいろとツテがあるから。けど、施設がボロボロなのはマズいな。全く使えないのか?」


??「………それは分からない。基本 入渠には提督の許可がいるからな。勝手に準備なんてできない。ていうか、許可出してもらわないと、施設が動かないようになってるんだよ」


提督「……何だそりゃ」


提督(入渠施設なんて ずっと使えるように準備してるもんなんじゃないのか? もし予想外のことがあって艦娘がケガした時 困るだろうが)


提督「とりあえず、入渠施設を見たいんだが、どこにあるんだ?」


??「何で俺が案内しなきゃ───」

提督「いいからしろ」ギロッ


??「………コッチだ」









入渠施設到着


提督「これは……酷いな」


入渠施設 ボロ


提督「マジどうしよ これ? お湯とか入れた瞬間に漏れてくだろ」


提督「………高速修復剤とか無いの?」


??「あったら とっくに使ってる。俺よりあの娘達の方がよっぽど酷い状況なんだ、ほったらかしとく訳ないだろ」


提督「だよな……」


提督(参ったな、いきなり手詰まりだ。ホント大本営は何やってんだよ? もう最悪)ハァ


??「………」


提督「しゃあねぇ、電話するか」


??「……電話?」


提督「ちょっと待ってろ。………あぁ、えっと………」


??「………天龍だ」


提督「そ、そうか。ちょっと待っててな天龍」



天龍「………」







プルルルル


元帥「はい、コチラ大本営」


提督『あ、元帥? オレオレ』


元帥「オレオレ詐欺なら間に合ってますので」


提督『ちっげぇよ 声でわかるだろうが! 俺だよ提督だよ!!』


元帥「冗談じゃよ。で? どうしたのだ?」


提督『あっ、そうそう。テメェ、俺をこんな所に配属するとか何考えてんだ。しかも、こんなボロボロになるまで鎮守府 放棄するとか、職務怠慢でクレーム入れるぞコラ』


元帥「そう言われてもなぁ。鎮守府も数が多い。それら全てを完全に把握するなんて中々できんのだ」


提督『言い訳 乙。クレーム入れられたくなかったら、俺の条件を呑め』


元帥「………何じゃ?」


提督『資材一式と高速修復剤 相当数、早急にコッチに持ってこい』


元帥「また急じゃな」


提督『急じゃねぇよテメェらが放置してたツケだ』


元帥「………はぁ。よし、条件を呑もう。ただし、コチラも一つ、条件と言う訳じゃないがお願いがある」


提督『お願い?』


元帥「一言、父さんと言ってくれんか?」


提督『………死ね』ブツッ


元帥「ふぅ、全く……」


武蔵「酷い内容だったな。それを呑む貴方も貴方だが」現秘書艦


元帥「ふっ、まぁしょうがない状態ではあるからな。アソコは実質 機能不全だ。これからも何かしら要求してくるじゃろ」


武蔵「それ全て呑むつもりか? 流石にそれは他の鎮守府に面目が立たないと思うのだが……」


武蔵「息子だからか? そんな理由だとすれば、職権乱用だぞ?」


元帥「………まぁ、無くは無い。十五の頃に引き取った養子だがな」


武蔵「何? そうだったのか?」


元帥「主は着任して一年だったか? そうだな、知らぬのも無理はないか」


武蔵「?」


元帥「ワシもな、きちんと結婚して妻もおり、大学生にもなる息子がおったのだ」


武蔵「……なぜ急にそんな話を?」


武蔵(しかも、過去形)


元帥「不幸な事故だった。ワシはこういう職務上、中々休みが取れなくてな。その日は三泊四日の旅行に行こうと計画していたのだが、仕事が終わらず、次の日から合流しようと、先に息子と妻を旅行先に行かせていたのだ」


元帥「そして、それが失敗だった」


元帥「結果、車で向かっていた妻と息子は、前から突っ込んできたトラックによって潰され、即死だったとのことだ」


武蔵「……………それは、なんというか……」


元帥「何も言わんでもいい。もう立ち直ったことじゃ。で、その後に出会ったのがアヤツということだ」


武蔵「………養子にした経緯はわかった。だが、それで仕事も甘くするのとは別だろ?」


元帥「あの子には酷いことをした。報酬を得るには十分すぎるぐらいのな。だから、ある程度のことは呑むつもりだ」


武蔵(………酷いこと? 養子にしたことか? いや、それだけなら酷いなんてことには……何があったんだ?)


元帥「武蔵も、ワシがおらん時に要求が来たら、快く引き受けてやっくれ」


武蔵「……………まぁ、貴方が言うなら」


元帥「すまんな」








提督「………よし」


天龍「おい、今の電話の相手って……」


提督「おう、元帥だ」


天龍「はぁ!? 元帥!? お、おまっ、ホント何者!? てかっあんな言葉遣いダメじゃ───」

提督「いいんだよ、あんなヤツ。あれぐらいの対応で十分だ。それに、お前らのこと、こんなになるまでほったらかしていたんだ。文句は言えねえだろ」


天龍「………」


提督「さて、それじゃあ今度こそ他の娘達の所に案内してくれ。資材等が届くまでに応急処置ぐらいは───」




??「てん………りゅう……さん?」




天龍「暁!?」


提督「おっ?」


提督(この娘も酷いな。右目損傷に、右足損失ってところか? 鎮守府に取り付けられた手すりに掴まって、かろうじて歩けてる状況か。こんな状態でほったらかすか普通?)


天龍「暁、お前、出てくるなって………」


暁「目覚めたら……天龍さんがいなくて……」


提督「よっと」


暁「ヒャァ!?///」


天龍「お前! 何してる!?」


提督「何って、お姫様抱っこだけど?」


天龍「いや、だから何でそんなことを……」


提督「暁って言ったか? ダメじゃないか、ケガした状況で歩き回るなんて」


暁「えっ、え? あっ、ごめんなさい……?」キョトン


提督「うんうん。暁はれっきとしたレディなんだから、体は大切にしないとね」


暁「れ、レディ!?///」ボッ


提督「ほら天龍、行くぞ。部屋まで案内してくれ」


天龍「で、でも……」


提督「暁をこのまんまにしとくつもりか?」


天龍「っ、わかったよ……」スタスタ


提督「よろしい」スタスタ


暁「………アナタは誰なの?」


提督「ん、俺? そうだな……元帥の息子ってことになってる人かな」


暁「げ、げげげ元帥の!?」


提督「アハハハ、そんなかしこまらなくていいよ。元帥って言っても、あんなヤツ、ただのクソ野郎だから」


暁「え、え……?」


天龍「………」








提督「これは……酷いな」


提督(工廠の倉庫みたいな場所に来たと思ったら、そこにいる沢山の艦娘。皆傷付いて動けない状況で、多くの者がうめき声を上げてる。中には、まるで死んだかのように動かない者もいるけど……あれ? 死んでね?)


提督「って、そんなこと考えてる場合か!? 早く手当てしてやんないとっ」


提督「天龍! お前は比較的動けるな!? 包帯と消毒液はどこにある!?」


天龍「え、そりゃあ医務室にあると思うけど───」


提督「なら取りに行くぞ! 手伝え!」


天龍「えっ、はっ?」


提督「お前もつらいだろうけどもう少し辛抱してくれ! もうちょっとしたら全部治るからっそれまでこの娘達の手当てを手伝ってくれ!!」


天龍「あっうん……」








??「うっうー……」


提督「ゴメンな、ちょっと痛むぞ」


??「ギッ!」


提督「ゴメン、ゴメンなぁ」←消毒液で浸した綿を傷口に当ててる


天龍「おい、持ってきたぞ」←包帯を医務室から運んできた


提督「おっ、じゃあそこに置いといてくれ。次も頼む」


天龍「………あぁ」タッタッタッ


提督「よし、後は包帯を巻いて───」








提督「この娘は特に酷いな……」


提督(右手足 無くて、両目も負傷したのか? 左脇腹も酷く損傷して……肉が一部 飛び出てるな……本当に生きてるのか?)


天龍「………」


提督「……息はある。よし、なら応急処置だ。できるだけのことをしよう」


提督(こんな状態でも生きてるとはな……ハエやウジがたかってなかったのは奇跡としか言えない)


提督「………ずっと……耐えてきたんだな……」


天龍「……」ウル …!  ゴシゴシ


提督「よし、これで応急処置は終わりだ。後は資材が届くのを待つしか───」


 ココノテイトクハイマスカー


提督「………来たみたいだな」








榛名「お姉様! いきなり そんな大声を出しては───」

金剛「ノンノン♪ そうやってウジウジしてても何も始まらないネー。こういう時こそ思いっきりが大事ネー」


榛名「ここは思いっきりよりも礼儀の方を重視してください!」


提督「これはまた元気な艦娘が来たな。君達が大本営からの?」


榛名「へっ? あっはい! 金剛型三番艦の榛名です!」ケイレイ


金剛「一番艦の金剛ネー。Wow! 榛名、ここの提督、かなりのイケメン ネー」


榛名「もう お姉様! ………確かにかっこいいですけど……」


提督「はは、それで資材は?」


金剛「そこに置いてありマース!」


提督「……確かに。ここまで ご苦労様です」ケイレイ


榛名「い、いえ! そんな///」


金剛「ところで、どうして この鎮守府はこんなにボロボロなんデス?」


榛名「ちょっ、お姉様!?」


提督「ん? あぁ……それは俺が聞きたいぐらいだよ」


金剛「? どういうことデス?」クビカシゲ


提督「俺は今日 着任したばっかりでな。どうして こんなに鎮守府がボロボロなのか、どうして放置されたのか、まだ全くわからないんだよ」


金剛「Oh……それは失礼したネー……」


提督「なぁに、別に言いづらいことでもなかったし、気にすることはないさ」


榛名「姉が失礼しました。提督の寛大なお心に感謝します」フカブカー


提督「はは、金剛と違って榛名は堅いなぁ。もう少し肩の力を抜いたらどうだ?」


榛名「そ、そういう訳には……」


提督「別に、ここには規律をどうのと口うるさく言うヤツもいない。そういう時ぐらいリラックスするべきだよ」


榛名「………」


提督「さて、それじゃあ俺は鎮守府の方に戻るよ。二人も、気を付けて帰ってね」


榛名「はい! お勤めご苦労様です!」ケイレイ


金剛「了解ネー! ……あっそうだ、テイトクー!」


提督「ん? 何?」


金剛「またここに来ていいデスか?」


榛名「ちょっと、お姉様!?」


提督「あぁ、別に構わないぞ」ニコッ


榛名「えっ?」


金剛「やったネー! それじゃあ提督、またネー!」テ フリフリ


榛名「こ、金剛お姉様!? あっ、えとぉ……」


提督「榛名もまたおいで」ニコッ


榛名「!」パァァァ


榛名「はい! それでは提督、失礼します!」ニコ


提督「」テ フリフリ


提督「ふふ、元気な二人だ」








タッタッタッ


提督「よし! 高速修復剤が届いたぞ!!」ハァハァ


天龍「!!」


提督「天龍っ、悪いけどもう少し手伝ってくれ! 皆を治すぞ!」


天龍「っ、あぁ!!」ゴシゴシ








執務室now!


提督「………」


提督(高速修復剤を使い切るほどの必要量だったけど、なんとか全員の傷を治すことができた。けど、痛みによる精神的ダメージも大きかったみたいで、今も皆は寝てしまっている)


提督(………二人を除いては)


暁「………」


提督「………」ナデナデ


暁「〜♪///」ニコニコ


提督(この娘、執務室に来るなりナゼか俺の膝の上に乗ってきたんだよなぁ。まぁ、可愛いからいいけど)


天龍「ったく、随分となついたもんだな、おい」ガチャ


提督「おっ天龍、他の皆はどうだ?」


天龍「お前と一緒に運んだ時とあんまり変わりねぇな。皆 穏やかに眠ってるよ」


提督「そいつは良かった。………天龍は寝ないのか?」


天龍「俺が寝たら、誰がお前を見張っとくんだよ? 暁に変なことしないとも限らないし」クックックッ


提督「信用ねぇなー。まっ、会ったばっかだし仕方ないけど」


天龍「いんや、これでも最初に比べたら大分信頼してる方だぜ? そうじゃなきゃ、暁に触れさせたりしねぇよ。即効で腕を斬り落としてる」


提督「おぉ怖っ、そうならなくて心底良かったよ」


天龍「………大して怖がってもねぇくせに」フフ


天龍「でも、アンタがいてくれて良かった。こうして、俺の腕が戻ったのもアンタのおかげだ。本当に、ありがとうございます」アタマサゲル


提督「おいおい、急にどうした?」


暁「天龍さん?」


天龍「アンタなら信用できる。……いや、厳密にはまだ難しいけど、できるだけ信用するようにする。だから お願いだ……いや、お願いします。どうか裏切るようなことだけはしないでくれ。もう、裏切られるのは沢山だ」


提督「………っ」


提督(天龍の肩、震えてやがる。信用するのが難しい………正確には、信用するのが怖いんだろう。信用して裏切られるのが、つらくて、怖いんだ)


提督「…………ハァ……」


提督(それでも、そんなことを言われたら)


提督「おいそれと いい加減なことはできないよなぁ……」


暁「?」クビカシゲ


天龍「えっ?」


提督「しゃあねぇから、しっかりと提督やってやるよ。ホントはほどよくやってほどよくサボるスタンスでいこうと思ってたんだけど、やっぱりやめた」


天龍「って、ことは……」


提督「お前らのことは、俺が守ろう。安心しろ、俺には元帥の後ろ盾もある。おいそれと誰かに屈するなんてこともしねぇよ」


天龍「提督……」


提督「今日ここに、この鎮守府に着任することを宣言する。これから忙しくなるぞ」


天龍「───っ! あぁ! よろしくお願いしますっ提督!」


暁「わ、私もっ頑張るわ!」


提督「あぁ、暁もよろしく」ナデナデ


暁「〜♪///」


提督(さて、こうなった以上、やることはけっこうあるな。………まずは、他の娘とも挨拶を済まさないとな)








ザー ザー


『うぐっ! このままじゃ、私達……!』


『敵艦発見!』


『そんな! また!?』


『こんなのっ対処のしようがないのです!』


『………っ。───! 後ろから魚雷!?』


『避けろぉぉぉぉぉ!!!!』


『『きゃあぁぁぁぁ!!!!』』


─────

───


??「───はっ」バサッ


??「はぁ……はぁ……夢、なのです?」キョロキョロ


??「あれ?」スッ←かけてあった布団をどかし


??「…………ふぇ?」ウル


??「あ、あしが………足がっあるのです……!」ポロ ポロ


??「うっ………うぅ……」ポロポロ


??「うぇぇぇぇん」ビェーン


バァン!


天龍「電っどうした!?」ザザー!←超 走ってきた


電「天龍……さん?」


天龍「あぁ俺だ。どうした? 嫌な夢でも見たか?」


電「うっ……うぅ……!」ポロポロ


天龍「お、おいおい……どうしたんだよ?」


電「天龍さんも……腕が……あるのです」ポロポロ


天龍「………あぁ、そういうことか」ホッ


電「うぇぇぇぇん」˚‧º·(˚ ˃̣̣̥⌓˂̣̣̥ )‧º·˚








天龍「てことで、電が目を覚ました」


提督「うん わかんないよ 何があったんだよ 説明しろよ。ssだからって そう言えば事情説明されると思ったら大間違いだぞっ」←メタい


天龍「ただ単に電が先に回復して目を覚ましたってだけの話だよ。それぐらい察しろよ」


提督「お前が『何かあって目を覚ました』みたいに言うのが悪いんだろぉがっ!」


天龍「そんなことよりも……おい電! いつまで扉の所に隠れてるつもりだ!?」


提督(流しやがった……)


電「」ビクビク 【壁】Д・)チラッ


提督「…………あれが、電か?」


天龍「あぁ。でもアレだな、完全に萎縮しちまってる」


提督「……俺の顔、そんなに怖いかな」ハァ


天龍「いんや、そんなことねぇぞ。良くても、「何か企んでるんだろうな このイケメンは」ぐらいだな」


提督「うん、お前が俺の事をdisりたいってのはよく伝わった」


電「」ビクッビクッ


天龍「あちゃあ、これはダメだな。電、震えすぎて動けないみたいだ」


提督「前任、一体どんなことをしたんだよ おい」


天龍「………」





暁「……あれ? 電じゃないの! 良かったぁ起きたのね!」パァァァ←お花を積みに行ってた


電「はわっ!? ……あ、暁ちゃん……?」


暁「えぇそうよ、アナタの姉よ。あぁ……ホントに良かったぁ」ギュッ


電「………お姉ちゃん……」…ギュッ





提督「ふむ……電は暁の妹艦だったか」


天龍「電はっていうか、ここにいる駆逐艦は皆 暁の妹だぞ」


提督「えっあの二人も!?」


天龍「おう」


提督「はぇ〜……」




暁「……それにしても、どうしてこんな所で突っ立っていたの?」


電「はわっ!? そ、それは……」


提督「お〜暁ぃ、戻ったかぁ」


暁「! えぇ戻ったわ!」


提督「よっしゃ、こっちゃ来い来い」


暁「〜♪」トテトテ


電「あっ……」


暁「」トスン←提督の膝座り


電「」Σ(゚д゚;)


提督「」ナデナデ


暁「♪ ♪///」


電「」Σ"( 'OДO' )




天龍「驚いたか?」


電「」パクパク


天龍「……はは、やっぱビックリだよな。あの暁が、あんなにも提督と思わしき男と仲良さげにしているなんてさ」


電「っ! ………やっぱり、司令官さんなのです?」


天龍「あぁ、ここの新任だそうだ」


電「………」


天龍「まっ、もう少し時間があったら話してみろよ。悪いヤツじゃないのは私が保証するからさ」


電「……………」


提督「」ワシャワシャ


暁「〜♪///」キャッキャッ








廊下 スタスタ


提督(お、あれは……?)


提督「」ポンポン


電「ヒャワァ!!!!」Σ(×◇×;)!


提督「うおぅ!?」ビクッ


電「あっ……し、司令官さん……」


提督「お、おう……驚かせて悪かったな」ビクビク


電「い、いえ…………え?」


提督「何だ、どうした?」


電「あ、あの、その………」


提督「?」


電(司令官さんが……謝るなんて……)


提督(………う~ん、やっぱり気安かったかなぁ。電にとって俺は恐怖対照、気軽に接して距離を縮めるってのは無理そうだな)


提督「あ~……電?」


電「ひゃ、ひゃい!」ビクッ


提督「」ポリポリ


提督(ダメだな こりゃ)


提督「……いきなり話しかけて悪かったな。特に大した用も無くてな。不快な思いをしたようだし、再度謝るよ」


電「え、え? ………はぁ……?」


提督「じゃあ俺は執務に戻るよ、それじゃ」スタスタ


電「………」








提督「なぁ天龍、料理に興味ないか?」


天龍「何だよ、やぶからぼうに」


提督「いやな、料理ができるのが俺だけだと、天龍達が何か食べたくなっても、すぐには食べれないだろ? だから、もし天龍にその気があれば教えようなかぁと───」

天龍「ねぇな」


提督「………」


天龍「………」


提督「……拒否すんの はえぇよ少しは考えろよ」


天龍「はっ、俺なんかに料理が似合う訳ないだろ。それに、提督ほどの料理を作れって言われたって、俺にはどうやっても作れるイメージがわかないね」


提督「言いすぎだろ? そんな大したものでもないぞ」←無自覚


天龍「んな訳ねぇだろっ。食べただけでキラ付けができる料理なんて早々あってたまるかっ」


提督「と言っても、前研修でいたとこの鳳翔さんに料理を教えてもらったぐらいしかやってないけど」


天龍「えっ、鳳翔さん!?」


提督「ん? うん。だから特に大したことなんて───」

天龍「鳳翔さんとこで修行してたら十分だっての!」




電「………」|Д°)ジー








バァン!


暁「司令官! お腹が空いたわ!」ニコニコ


提督「んぅ? ………あぁ、もう三時か」


暁「司令官 何か作ってー」トテトテ


提督「そうだなぁ………よし、クッキーでも焼くか、ちょっと待ってろ」


暁「材料あるの?」


提督「………そういや無かったな。買いに行くしかないか」


暁「買いに行ってくれるの!? それじゃあ私は待ってるから、司令官お願いします」ペコリ


提督「なぁに言ってんだ、暁も行くんだよ」


暁「へっ? で、でも………」


提督「私服に着替えたらわからないって。ほらっ、そうと決まったら準備するぞー。ついでだから、市販の物と作った物の美味しさの違いを教えてやる」イソイソ


暁「あ、えと、その……はい!」




電「………」|Д°)ジー









夕刻 鎮守府近くの砂浜



電「………」ポツーン


提督「何だ電、こんな所にいたのか」


電「!?」


電「し、しし司令官さん!? どうしてここに!?」


提督「いや、驚きすぎたろ。そろそろ夕食を作ろうと思ったから、鎮守府に戻れって言いに来たんだよ」


電「あっ、そうだったのですか……」


提督「………」


電「………」


「「………」」


提督「……なぁ電」


電「へっ? あ、はいなのです」


提督「考えはまとまったか?」


電「………………え?」


提督「お前、今日ずっと俺のことつけてただろ。話しかけてこないところを見ると、特に急用とかがあった訳じゃないってのはわかったけど」


電「き、気付いていたのですか!?」


提督「あんな風に顔出していれば流石に気付くてか尾行下手すぎ」


電「あぅ……///」


提督「それで? 俺に伝えたいこと、話したいことはまとまったか?」


電「………」


提督「………」


提督(……まっ、一日二日で何かが変わるとは思っていなかったけどな。やっぱり電とは、もう一日二日、距離を空けるかなぁ)ポリポリ


電「……………どうして……」


提督「ん?」


電「どうして司令官さんは、そんなに優しいのですか?」


提督「………お?」


提督(優しい?)


電「前の司令官さんはこう言っていたのです。『電達は兵器だ。本来、感情なんてものを持たなくてよかった、欠陥品だ。ならば、欠陥品は欠陥品らしく、兵器であるよう努めろ』と」


提督「………欠陥品、ねぇ」


電「それから、司令官さんは電達にいっぱい命令したのです。酷いと思うような命令を、いっぱい」


提督「………」


電「皆、自分の思っていることを口々に言っていたのです。『死ぬのが怖い』とか『こんな命令ふざけている』とか。でも、結局皆、最後には命令に従ったのです」


提督「………どうして?」


電「多分なのですが……皆、心の奥底では、司令官さんの言っていることの方が正しいと思っていたからだと思うのです。どこまで行こうと電達が兵器であることに変わりない、感情なんて無駄な物に左右されていい訳がない、と」


提督「………」


電「どうして……なのですか……?」フルフル


提督「電……」


電「どうして司令官さんはっ、電達に優しくするんですか!?」ポロポロ


電「電達は兵器でっ、司令官さんは電達に非道な命令をする! それが当たり前でっ間違いなんてないハズなのです!! おかしいのは司令官さんの方なのです!!」ポロポロ


電「電達に優しくしないでください! もっと残酷でいてくだい!もっと非常な命令をしてください! 電達にっ……希望を……教え……ないでください……」ポロポロ


電「じゃないと……今まで沈んでいった皆が……浮かばれないのです……」グスッ


提督「………」


提督(そうか、電は、優しさを、幸せを受け入れることが怖いんだ。前任のせいで沈んでいった艦娘がいたように、それで死に損なった電もまた、非常な命令で沈まなければならないと思い込んでいる。じゃないと、沈んでいった者達が「何でアナタは生きてる」と、恨まれると思っているんじゃないか?)


提督(………難儀なもんだな。せっかくブラックから解放されたってのに、その過去のせいで前を向けない。向くことを怖がり、向くことが許されないと思い込んでしまっている)


提督「ホント クソだな……」ギリッ


電「え?」ポロポロ


提督「あぁいや、コッチの話だ」


電「?」ポロポロ


提督「………」


電「………」グスッ ヒッグ


提督(………)


提督「確かに、俺はおかしいのかもしれないな」


電「……」ポロポロ


提督「艦娘に人権は無い。艦娘も人間と同じように接するべきだという意見の方が少数派だ。世間的に見れば、俺は異端者の部類に入るだろう」


電「………」ポロポロ


提督「……でも、それの何がいけないんだ?」


電「え……?」ポロポロ


提督「過去は過去でそれは変わらない。その過去があって今があるんだ。過去を否定することは、今を否定するのと遜色ない。じゃあ、過去を引きずれっていうのかと言うと、俺は違うと思う」


提督「過去は今の糧にするためにあるんだ。今を幸せに生きるために、そのために存在しているものだと俺は思う」


提督「前任の非道のせいで電の知り合いが、友が沈んだ、それは変えられない」


提督「だから、その沈んだ娘の気持ちを考え、電も沈む。それは違うぞ電。それはバカの考えることだ」


電「っ!!」ポロポロ


提督「死者は何も語らない。ましてや、蘇ることなんて以ての外だ。死者の気持ちを組む、これは単なる自己満足にほかならない」


電「っ………じゃ、じゃあ……」ポロポロ


提督「お前のやっていることは、苦しみから逃れるための現実逃避にほかならないんだよ」


電「じゃあっどうしろって言うのですか!?」


電「こんな幸せな道があったならっどうしてもっと早くに教えてくれなかったのですか!? どうして綾波ちゃんや深雪ちゃんが沈んだ後に来たのですか!?」


電「綾波ちゃん達は幸せを知らないで沈んだ。それなのにっ、同じ駆逐艦の電が優しさを知るなんてそんなこと……あっちゃダメなのです……」ポロポロ


提督「……幸せを受け入れるのはつらいか?」


電「………つらいのです……」ポロポロ


提督「自分は罪深いと思うか?」


電「………思うのです……」


提督「なら、これから優しさを受け入れるのが、お前への罰だよ、電」


電「………え?」


提督「優しくされるのはつらいんだろ? 自分は罪深いと思うんだろ? なら、これは罰なんだよ電」


提督「他の皆は沈んだのに、自分は生き残ってしまった電への、罰なんだよ」


電「そ、そんなの……」


提督「お前には生きる義務がある。沈んだ娘がお前に託した遺志を紡ぐ必要があるんだよ」


電「うっ、う……」ポロポロ


提督「特型駆逐艦 電っ立て!!」クワッ


電「っ」ポロポロ


提督「お前にっ提督として最初の司令を与える!」


電「」ポロポロ





提督「生きろ」





提督「お前が、沈んだ娘の分まで、この海を見続けるんだ。それがお前への最初の司令であり、罰だ」


電「うっうぅ……」ポロポロ


提督「さぁ帰ろう電、夕食の時間だ。過去は過去で、今日は今日だ。これだって いつ崩れるかわからないんだし、今はこの幸せを噛み締めていこうぜ? 誰も死なない、そんな幸せを」


電「あっあぁ……うっ、くっ……ふぅ……」ポロポロ ポロポロ


提督「な?」ニコッ


電「うわぁぁぁぁぁん!!!!」








提督「さて、どうするかなぁ」スタスタ


電「」スヤスヤ←泣き疲れて眠った


提督←提督おんぶ中


提督「夜ご飯、ホントどうするかなぁ」スタスタ


タッタッタッ


提督「ん?」


天龍「あぁいた! おっせぇぞ提督!」タッタッタッ


提督「おっ天龍」


天龍「ったく、今までどこに───って電? 何で提督の背中で電が寝てんだ?」


提督「泣き疲れたんだろうよ。けっこう長い間泣いていたからな」


天龍「泣いていた?」ピクッ


提督(ん?)


天龍「おいっ、電を泣かせたのかテメェ」ギラッ


提督(あー……)


提督「別に酷いことはしてないって。ちょっと過去話してただけだから。だから刀身をだそうとするな」


天龍「………過去話って……」


提督「まっ、コイツなりに抱えてたもんがあったってことだよ」


天龍「…………電は」


提督「多分、もう大丈夫だろうよ。あんだけ吐き出したんだ、それなりにスッキリしたハズだよ」


天龍「………そっか」





提督「さて、来てもらってなんなんだが、電 頼めるか?」


天龍「え? あぁ、そりゃあ構わねえけど……」


提督「いやぁ、夜ご飯まだ作ってなかったから どうしようか悩んでたんだよねぇ。天龍が来てくれて助かったわ」


天龍「………」


提督「それじゃあ、電を頼むな」ヒョイ


天龍「お、おぉ……」ヨット


提督「」サテ、イソガナイトナー





天龍「………」電を見ながら


天龍「あんがとな、提督」








翌日


暁「〜♪///」フルフル


電「」(❁´ ︶ `❁)*✲゚*モキュモキュ


天龍「うんっうまい!」


提督「そいつは良うござんした」パク


提督「それにしても、他の三人はまだ起きないのか……丸一日 経ったってのになぁ」


天龍「まぁ……元々の傷が深かったからなぁ。しょうがないと言えばしょうがないだろ」モグモグ


提督「こればっかりは気長に待つかー」


提督(できれば、他の娘達がどんな娘なのか、早めに把握しておきたいんだけどなぁ)








ドォン!


『───がっ』バチャ←大破して海面に倒れる


『〇〇! 何で雷ちゃん!? どうして撃ったの!?』


『……だって、こうしないと……』ワナワナ


『いけない! 〇〇が!』


『いやぁぁぁ〇〇!!』


『こんなの……あんまりよ……!』


『仲間殺し!』



─────

───




雷「」パチ


雷「…………ゆ……め……?」


雷「………!? 何で……左手があるの……?」


雷「……………そっか……私、生き残っちゃったんだ……」








執務室 朝食後


暁「〜♪///」アタマナデラレ


電「司令官さん! お茶なのでさ!」コト


提督「あぁ、ありがと電」ナデナデ


電「///」アタマナデラレ


電「………」


電「……」ウズウズ チラチラ


提督「? ………なるほど、そういうことか」クスッ


暁「司令官、どうしたの?」


提督「ん? あぁ。暁、もう少ししたら電に交代してあげてくれ」


電「!」


暁「交代? って………もしかして、ここ?」ポンポン


提督「あぁ」


暁「え〜……そんなぁ……」シュン


提督「そうガッカリしないでくれよ。ほらっ、暁はお姉ちゃんなんだろ?」


暁「! し、仕方ないわね! なんて言ったって、私は電のお姉ちゃんなんだし!」


暁「………で、でも、もうちょっとだけ」上目遣い


提督「あぁ。だから、もうちょっとしたらって言っただろ?」


暁「」パァァァ


電「よ、よろしいのですか?」オドオド


提督「良いも何も、暁がこうやってるのに、電だけしない訳にもいかないだろ」フフッ


電「」パァァァ


電「で、ではその、よろしくお願いするのです……///」


提督「おう」




ガチャ




天龍「あーあー、電まで見事に堕とされちゃってまぁ」


提督「……ノックしろよ」


暁「落とされる? 天龍さん、私は別に落ちてないわよ?」


電「なのです」


天龍「いやそういう意味じゃなくてだな……ったく、お前はここにいる艦娘全員を堕とすつとりかよ」


提督「………」


暁「?」


電「?」クビカシゲ




提督「!」ピコーン


提督「あぁ、その通りだ」ニヤ


天龍「はいはい、そうで───今何て?」


提督「だから、お前の言う通りだって天龍。俺はここにいる全員の心を堕とすつもりだ。それに───」チョット ゴメンナ、アカツキ ヒョイ


提督「」スタスタ


天龍「え? ちょ──」


提督「」顎クイ


天龍「なっ!?///」


提督「その堕とす相手の中には、お前も入っているんだぜ? 天龍」


天龍「───」ボン


天龍「なっ………なっ、なっ、」ワナワナ


提督(クックックッ、効果覿面だなぁおい。チョロい、チョロ過ぎるぞ天龍よ。………将来、悪い男に騙されないか心配だな、うん)


天龍「〜〜っ! っ、〜〜〜!!!///」混乱中


天龍「〜〜〜!!!!/////」バッ ダッ


提督「あっ、ちょっ天龍」


タッタッタッ バァン!


提督「やべぇ……用訊く前に帰っちゃった」


提督「ん?」フリカエリ


暁「///」カオ マッカッカ


電「はわわわ///」カオ カクシテ メ カクサズ


提督「」ポリポリ


提督「………やらかした」




雷「あ、あの……」ギィ


雷「!」


提督「ん? 君は……」


暁「あっ………」


電「雷ちゃん……」


雷「あっ、あ………」サー フルフル


雷「し、失礼しました!」バタン


提督「………な、何なんだ一体。てか、天龍の用って、もしかして 今の娘のことか?」


暁「………」ウツムキ


電「………」(´..`||)


提督「?」


提督(何だ? 二人共 急に静かになったな。……あの雷って娘と何かあったのか?)








in 食堂


提督「ってことがあったんだけどさ……天龍、何か知らないか?」


天龍「いや何があったんだよ? そこ詳しく話せっての」


提督「雷って娘が部屋に入ってきたと思ったら顔青ざめて扉から出ていったのと、その雷を見た電と暁の反応が明らかにおかしかったんだよ」


天龍「………」


提督「……何か知ってるんだな?」


天龍「……あぁ、やっぱ こうなっちまったか。俺がいながら情けねぇ話だ」


提督「やっぱってことは、こうなることは少なからず予想してたってことか。それがわかってたのになにやってんだよ お前」


天龍「誰かさんがいきなり変なことするからだろうが!!」机バン


提督「誰かって誰だよ」


天龍「この話の流れで提督以外 誰がいんだよ!!」


提督「ふむ………俺 何かしたか?」


天龍「て、テメェ……わざと言ってんだろ?」ワナワナ


提督「う〜ん、ちょっと俺には何のことか───」ニヤニヤ

天龍「よし、喧嘩売ってんだな? わかった、ここで引導渡してやるよ」カチャ←刀持って


提督「………わ、わかった。悪かった天龍。な? だから刀 仕舞えって」( ˊᵕˋ ;)


天龍「もうおせぇ。ここでテメェを八つ裂きにしてやる!」ブン


提督「うおっ!?」ヒョイ


提督「あっあぶねぇ! 机とかあんのに思いっきり振り回してきやがった!!」


天龍「うるせぇ! そのまま黙って斬られやがれ!!」ブン


提督「ぐっ! こ、ここは逃げるんダヨー」ヒューン


天龍「待やがれぇぇぇ!!!!」ダッ


トマレ ゴラァァァ!!!


キラレルト ワカッテイテ トマル バカガイルカァァァ!!


雷「………」


雷(あれが……天龍さんが言っていた今の司令官……)


雷(確かに、前の司令官とは別人な感じがする。天龍さんもとても明るく接していたし)


雷「でも、私は………」


暁「………」|Д・)ジー









提督「なるほど、ね……それが、今の雷が、置かれてる、状況なのねっ……」フルフル


天龍「あぁっ………しかも、雷は、俺が何か言う、前に出撃して、ケガを負った、からなっ……ケアも何も、やれて、ないんだよっ……!」フルフル


提督「雷のっ……ふぅ、事情は、わかった……だからっ」




提督「そろそろっ、刀から力を抜いてくれませんかねぇぇぇ!!!!」←真剣白刃取り中


天龍「いいや抜かねぇ! このまま頭蓋ごと斬り落としてやるっ!!」グググ


提督「ちょっおまっ!? これ以上 力 入れるとかっ、正気か!?」グググ


天龍「しぃねぇぇぇぇぇ!!!!!」グググ


提督「ぬぬぬっ! やっ……やられるかぁぁぁ!!!!」セェイ!


天龍「なぁ!?」


ダァァァン←刀が提督にそらされ、横の床に勢いよく下ろされる


提督「ハァ……ハァ……」


天龍「チッ……クソが……」ハァハァ


提督「……マジっ……しゃれになんねぇ……」ハァハァ




天龍「で、どうすんだ提督」


提督「あぁ?」


天龍「どうせアンタのことだ。雷のこと、このまま俺達に任せっきりってことにはしないんだろ?」


提督「………さて、どうかね」クックックッ


天龍「それを聞いて安心したよ。正直、今回に関しては、マジで俺は役に立たないからな。アンタならどうにかしてくれんだろ」


提督「随分と信用を得られたもんだなぁ。けど、役に立たないってことはないだろ? 雷も同じ鎮守府所属の艦娘だ。少なくとも、俺より天龍の方が心を開いているだろ」


天龍「………だからダメなんじゃないか」


提督「……」


天龍「雷のことは、中途半端な信頼関係しか築けていない俺じゃ、うまくアイツの心には届かない。姉妹のような深い絆を結んだヤツか、事情を客観的に判断できるヤツの言葉、その二つぐらいしか雷は受け付けないだろうさ」


天龍「だからアンタにお願いするんだ。頼む! 雷が背負った過去も、電のように軽くしてやってくれっこの通りだ!」アタマサゲー


提督「………」


提督「……お願いする相手に刀を振るってる時点で、頼み方としてはアウトだな」


天龍「うぐっ」


提督「まぉいいさ。やれるだけやってみよう。正直、今回の場合、時間が解決してくれるとか生易しい事情でもないしな」


天龍「本当か!?」バッ←アタマアゲ


提督「まぁ……過度な期待はすんな。お前も言った通り、今回は複雑だからな」


天龍「あぁ! ありがとなっ提督!」








提督(とは言ってみたものの、何をどうすればいいのやら。それとなく訊いたところで何も答えてはくれないだろうし、ストレートに言うなんてのは論外。あれ? 詰んでね?)


提督「………う〜ん」


暁「何か悩み事かしら? 司令官」ヒョコ


提督「うおっ!? 暁!?」ビクッ


暁「ひぅっ!?」ビクゥ


提督「び、ビックリさせるなよ……いつ執務室に入ってきたんだ?」


暁「な、何回もノックした……」ビクビク


提督「え? あ、そうだったのか……考え事してたから気付かなかった」


暁「」グス


提督「」


提督「あ、あああ暁!? どうした!?」


暁「お、怒ってますか?」( ´;ω;` )


提督「怒ってない怒ってない! 俺が本当にビックリしただけだから! 怒ったりしないから!」


暁「」( ´;ω;` ホント?


提督「ホントだホント! だから泣きやめって!」


暁「うん……」グスッ ゴシゴシ


提督(しまった………そうだよな、暁だって前任に酷いこと命令されてたんだよな。普段は普通(?)に振る舞ってはきてくれているものの、まだ心の底では『提督』への恐怖が残っているんだろう。………配慮が足りなかった)


暁「………司令官?」涙グイ グイ


提督「ん? あぁ、ごめんな暁」


暁「ううん、もう大丈夫よ!」


提督「そうか…………ところで、暁はどうしてここに?」


暁「へ? あっ、そうだった。うっかり伝え忘れるところだった……」


提督(おい!)


暁「実は、お願いがあるの!」








コンコン


提督「どうぞ」


ガチャ


雷「失礼するわ! 特型駆逐艦の雷よ!」


提督「おぉ雷、やっと来たか」


雷「えぇ! ………でも、本気? 私を秘書艦にするだなんて」


提督「まぁ……慣れるまで一週間の、いわば なんちゃって秘書艦だしな。そんな考え込まなくていいぞ〜」


雷「な、なんちゃって………」


提督「さっ、早速仕事を頼めるか?」


雷「! えぇ! 任せてちょうだい!」パァァァ ニコッ








提督「………」カリカリ


雷「………」カリカリ


提督「……ふぅ、終わったぁ……」ノビー


雷「お疲れ様っ、司令官! 私も もう少しで終わるから、司令官は休先にんでて───」

提督「終わるまで待ってるから、急がなくていいぞ〜」ファァァ


雷「え?」


提督「ん?」


雷「あ、えっと……わ、わかったわ! 急いで終わらすわね!」カリカリカリ


提督「いや、だから急がなくても……聴いてないな」


雷「終わったわ!」


提督「はやっ!?」


雷「さぁ司令官! これで休め───」

提督「あー雷、ここ、間違いがあるぞ」


雷「へっ? う、嘘!?」ガタッ


提督「ほら、これとこれに……後ここも」ユビサシ


雷「あっ」


提督「だから急ぐなって言っただろ?」ハァ


雷「───! ご、ごめんなさい司令官! すぐに直すから……」


提督「んぅや、後この書類には俺の判も押さなかんから俺がやっとくよ」


雷「で、でも!」


提督「いいから。ほれ、ご飯食べてこい」テ ヒラヒラ


雷「………」ウツムキ


提督「今日の仕事はこれで終わりだ。ご飯食べたら お風呂に入るなり好きにしてくれていい」


雷「……ごめんなさい……」ボソッ


提督「じゃ、また明日も頼むな」


雷「………………えっ?」カオアゲ


提督「え?」


雷「あ、明日? 私は、ミスをしたのよ? それなのに、明日って……」


提督「別に、最初はこんなもんだろ。というか、ここ以外ミス無かったし、最初にしたら優秀な方だ」


雷「で、でも………」


提督「それ以上ゴチャゴチャ言うと怒るぞ。ほれ、ご飯食べてこい」テ ヒラヒラ


雷「うん………」








ヨクジツ~


提督「うしっ、今日の執務しゅうりょっ」ノビー


雷「………っ」カリカリ


提督「雷〜、昨日も言った通り、急がなくていいからな〜」


雷「えぇ、同じ失敗は繰り返さないわ!」カリカリ


提督「よし」


雷「終わったわ!」


提督「え……マジ? 早くね?」


雷「チェックお願いしまーす」スッ


提督「お、おぅ……問題無いな」


雷「やったっ」ガッツポーズ


提督(昨日の今日だぞ? それでこの執務スピードって………もしかして、雷って かなり優秀なんじゃ……?)


雷「司令官?」


提督「ん? どうした?」


雷「う、ううん、何か難しい顔してたから……」


提督「あっいや、雷が想像以上に優秀で驚いていただけだ」


雷「そんなことないわ。実際、私の分は司令官よりも少ないハズなのに、終わるの司令官より遅かったし」


提督(いや、そうだとしてもだっての)


提督「………まぁいいや。それじゃ、今日はもう仕事終わりだから、食堂に行ってきていいぞ。昨日と同じように、夕飯は作り置きしてあるから」


雷「わかったわ! ご馳走様です司令官!」


提督「ほいほい、お疲れさん」


ガチャ バタン


提督「………………」








イッシュウカンゴ~


雷「司令官っ、終わったわ!」


提督「………マジか」カリカリ


提督(ついに俺より先に執務を終わらせやがった……!)


雷「司令官の分は……まだ残ってるわね。手伝うわ!」


提督「いや、いいよ。これは俺の分の仕事だ。自分の分はキチッと自分でやる」


雷「そう? でも、辛くなったらいつでも言って? 私が全部やってあげるから!」


提督「はは、それじゃあヒモじゃないか」


雷「そんなことないわ! 司令官は私達をとても大事にしてくれているのがよく伝わってくる。それって つまり、司令官が細かいところまで気を配ってくれているからでしょ? そんな司令官に、少し多めに仕事を秘書艦に任されたぐらいじゃ、誰も文句は言わないわ!」


提督「で、でもな……」


雷「遠慮しなくてもいいのよ司令官! もぉ〜っと私を頼ってくれて───」




『そうか。なら、一つ仕事を任せようかな雷』ニヤッ




雷「───」サー←顔から血の気が引く


提督「雷? おい、どうしたんだ?」スッ←手を雷の肩に近付ける


雷「ヒッ!」ビクッ


提督「っ! い、雷……?」


雷「…………さい……めんなさい」ブツブツ


提督「お、おい、どうしたんだ!?」ガシッ←雷の肩を掴む


雷「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」


提督「落ち着け雷!」ユサユサ!


雷「───っ! ………あ、司令官……」


提督「大丈夫か? 何か嫌なことでも思い出したか?」


雷「………」


ダッ


提督「雷!」


バタン


提督「………」








鎮守府近くの砂浜


ザザァァァ


雷「どうして……またあんなことを言おうとしたんだろ……?」


『も~っと私を頼っていいのよ!』


雷「今の司令官が前の司令官より優しそうな人だったから? フフッ、笑っちゃうわね。前の司令官だって、最初は優しそうだったじゃない」


─────

───



数年前


雷「この鎮守府に着任することになった雷よ! よろしくねっ司令官!」バァン!


前提督「………君が新しく配属されたという駆逐艦か。……執務室に入る時は、きちんとドアをノックしてから入りなさい」


雷「あっ……ご、ごめんなさい! 今度から気を付けるわ」シュン


前提督「ふむ、ならいい」


雷「………そうだ! お詫びと言ってはアレだけど……司令官、何か仕事ないかしら?」


前提督「仕事?」


雷「えぇそうよ! 司令官はこんな大規模な鎮守府の司令官なんだもの。きっと疲れがいっぱい溜まってるでしょ? だから何でも言って。私、できる限りのことはするから!」


前提督「……ほぅ」


雷「遠慮することはないわ! いっぱいいっぱい私を頼ってね!」


前提督「そうか。なら雷、手始めにこれをお願いできないかな?」


─────

───



雷(それから司令官はたくさんの雑務を私に押し付けてきた。今思えば、アレって司令官がやらずに怠けて溜まったものだったのよねぇ)


雷(でも、当時の私は、司令官が着任当初から頼ってくれることが嬉しくて、それ以外のことは考えられなくなっていた)


雷(そういった雑務を全て引き受けていたから、司令官の態度はとても柔らかいものだった。他の娘に対して向けていた冷酷な態度なんかは、一度も見ることは無かったわ。……そう、あの時までは)


─────

───



雷「もう、吹雪ちゃんたら司令官に対して あんなこと言っちゃって……。そりゃ、少しハードワークなところはあるけど、それは今の海域が荒れているだけで、もう少し戦況が落ち着けば……」


雷「全く、誰も司令官の本性を理解してあげれてないんだから。皆も司令官の思いを知れば、きっと……」


前提督「雷」


雷「───! し、司令官!? ビックリしたぁ……」


前提督「頼んでいた仕事は終わったか?」


雷「えぇ終わったわ! 司令官、次の仕事は何かあるかしら? も~っと私を頼ってくれてもいいのよ!」


前提督「フフッ、丁度 仕事を頼もうとしていたところだ。やってくれるか?」


雷「勿論よ! 私に任せて!」


前提督「それは良かった。仕事というのはだな───」




雷「……………え?」





前提督「そこまで難しい仕事でもないだろ? 雷でも楽にこなせる仕事のハズだ」


雷「えっ、え? でも……」


前提督「大丈夫だ。戦闘後に狙えば確実だ」


雷「で、でも!」





雷「味方を撃てだなんて!」





前提督「確かに味方と言えば聞こえは悪いが、あれはただの使えないゴミだ。しかも、一丁前に俺に反論してきやがった。囮にする価値すら無い」


雷「お、囮……」


『雷ちゃん! 貴女は騙されてるの! アイツは雷ちゃんが言うような真っ当な提督じゃない! 目を覚まして!』


『雷、物事はもっと視野を広くして見るべきだ。一つのことに執着していると、大事な事が見えなくなるぞ』


雷(ち、違う! 確かに今の言い方はアレだったけど、きっと、司令官は戦況が悪くなって気が動転してるだけなんだわ。きちんと話せば、わかってくれるハズよ!)


前提督「やってくれるな?」


雷「………え、えっと……その、司令官?」オドオド


前提督「何だ? 作戦にわからないところでもあったか?」


雷「う、ううん、そうじゃないの。ただ……」


雷「やっぱり、そういうやり方や言い方はよくないと思うの。例え力不足であろうと、皆 一生懸命頑張ってるし。そんな娘を後ろから狙撃したり、苛立ってるからってゴミとか囮とか そんな言い方」


前提督「………」


雷「そりゃ、これは戦争だもの。時には犠牲が必要になる時はあるわ。でも、だからって……故意にそれをするのは、よくないわ」


雷「だから司令官、冷静に考えて……?」


前提督「……………」


雷「………」ドキドキ


前提督「そうか……」


雷「───! わかってくれたのね司令官! よかっ───」

前提督「ガッカリだよ雷。できれば こんな方法は使いたくなかったんだがな」


雷「……え? 司令官、何を言って……」


前提督「雷ぃ。君には確か、3人の姉妹がいたよなぁ」ニヤッ


雷「!」


前提督「もし、この命令を聞き入れなかったり、失敗するようなことがあれば、俺は構わず その3人を解体する」


雷「そんな!?」


前提督「さぁ、選べ雷。仲間の命か、姉妹の命か。といっても、答えはハナから決まっているか。他人の命よりも、家族の命だよなぁ」


雷「し、司令官……」ウル


前提督「さぁ……やるんだよ雷ぃ!」ハハハ!








雷(そうして、私は味方を後ろから撃った。敵を退け、安心している その間に)


雷(皆、私を非難してたなぁ。当然よね、あんなことをすれば)


雷(結局、皆の言っていたことは正しかった。人間には、本当の意味で優しい人なんて いないって理解させられた。なのに───)


雷(何でまた、引き金となるような あの言葉を……しかも、アイツと同じ『提督』という立場の人に)


雷(やっぱり、私の中身は変わってない。私の卑しい心は、結局、思うがままの自己満足を得ようと動き出す)


雷「………もう嫌ぁ。何で、こんなに醜くて、ドス黒いの? 誰か……誰か、助けてよぉ」グスッ


提督「お、いたいた。やっぱ姉妹だな、電と同じ砂場にいるなんてさ」


雷「───!?」バッ


提督「何でここに? って顔してんな。でも、いきなり顔面蒼白にして いなくなった部下を追わない上官なんていないだろ」フフッ


雷「………」


提督「……てのはまぁ、建前っつうか、今思いついた言い訳だ」


雷「え?」


提督「天龍から聴いたんだよ、お前の過去。お前に、前任がどんなことをして、どんな不幸が襲いかかったかを」


雷「……天龍……さんが……」


雷「………」


雷「で、司令官は私のこと、どう思ったのかしら?」


提督「………」


雷「信用できないと思った? 危ないヤツだと思った? それとも、卑怯だと思ったのかしら?」


提督「……」


雷「まぁ、いい印象は受けないわよね。で、それを知っていながら、どうして司令官は私を追ってきたのかしら? というか、もしかして秘書艦にする前には聴いてたんじゃない? なら、なおそら どうして、私を秘書艦なんかにしてたのかしか?」


提督「……」


雷「どうして、私なんかを………どうして……」


雷「どうじで、わだしがこんな目にあわなきゃいげないの?」グスッ


提督「───っ!」


雷「わだしはっただっ、みんなの役にたぢだがっただけ! 前はあんまりかづやぐでぎながったからっ、こんどごぞって!」ポロポロ


雷「それなのにっ、なんで!? なんでこんな……」ウッ ウッ ポロポロ


雷「もう何も信じない! 人間なんてだいぎらい! わだじは……わだじはっ、自分自身が一番っだいっっっぎらいよっ!!」ウワーン ガッ←提督の服を掴む


提督「………」


ポンポン←雷の頭を撫でる


雷「うわぁぁぁぁん」









雷「」ウッ ウッ←提督の胸に頭をうずめている


提督「」ポンポン


提督(今まで何も感じさせなかったのに、キッカケができた瞬間、吹き出すように本音が出てきたな)


提督(そうとう我慢してたんだろうな。こんな小さい体で、あれだけ大きな負の思いを。誰にでもできることじゃない。普通の人間なら壊れてる)


提督(雷は壊れる前に吐き出してくれたから良かったものの、もしあのまま呑み込み続けていたらと思うと……)


提督「………ホント、よく頑張った」ボソッ


雷「………」グイ グイ←提督から離れ、涙を拭い出す


提督「もういいのか?」


雷「えぇ、かなりスッキリしたわ。ありがとね、司令官」


提督「まだ何もしてないのに、お礼を言われてもなぁ」


雷「こういう時は、そう言わず素直に受け取るものよ。………って、まだ?」


提督「……」フッ


提督「雷はさ、これからどうしたい?」


雷「え?」


提督「撃ってしまった仲間に対して償いをしたい? それとも、失ってしまったと思っている仲間の信頼を取り戻したい?」


雷「そ、それは……」


提督「それとも、もう消えて無くなりたい?」


雷「!!」


提督「この世には、もう死んでしまいたいと思う人がいることを俺は知っている。それが悪いとも思わないし、止めようとも思わない。あくまで、その人 個人の意志を尊重すべきだと思っている」


雷「………」


提督「雷が解体を望むなら、俺はそれを快く引き受ける所存だ。だから、遠慮なく言え」


雷「……それって……司令官は大丈夫なの? ここを立て直すために配属されたんでしょ? なのに、『私を解体した』なんて報告したら、司令官の評価が……」


提督(まだ人の心配が出来るなんてなぁ……。やっぱり この娘はとても優しい娘だ)


提督「そんなことは気にしなくていい。それに、俺が解体したとしても、『そこまで放置していた大本営、又は元帥殿が悪い』って報告書 突きつけてやるから」


雷「フフッ、そんなことしたら、司令官のクビが危ないんじゃない?」


提督「そんなこと、知ったこっちゃねぇな」


雷「後先考えずに行動したら、後悔するわよ」フフッ


提督「」ニッ




提督「なぁ雷よ、俺はさっきも言ったように、『死にたい』って言うなら その意見を尊重する。でも、俺にはお前がそう思っているようには見えないんだ」


雷「………」


提督「もしさ、お前の中で、ほんの少しでも生きたいって思う気持ちがあるならさ、死ぬのはもう少し後でもいいんじゃないか?」


雷「……………え?」


提督「人なんて、いつかは死ぬものだしさぁ。死ぬなら、もう少しいろいろなものを見てからでも遅くないんじゃないか?」


提督「勿論、お前が生きたいと言うのなら、俺は全力でサポートする。なんていったって、俺はお前らの提督だしな」


雷「司令官……」


提督「なぉ雷よ。お前には、沈めてしまった娘への贖罪の気持ちがあることはわかった。人が本当は大嫌いだってこともな。でも、死んでしまったら それこそ終わりだ。死ぬことこそ、本当の謝罪だと思ってるヤツは多いけど、実際はそうじゃない。殺った側が死んだところで、殺られた側の気持ちは一切晴れはしない。だって、死んだしまった者の気持ちは……思いは、死んだ その時で止まってしまうのだから」


雷「っ……」


提督「どうせ謝罪にもならないなら、死ぬだけ損じゃん。なら、少しでも、彼女達のいない未来を見守るのもありだと思う」


提督「雷。生きてみないか? この世界、赤い血でまみれた、酷く醜いこの世界だけど、それでも美しい景色は沢山ある。だから───」


「生きよう。俺が全力で、支えてやるから」


雷「───!」ウル


提督「……」


雷「………私、仲間を殺した」ポロ


提督「知ってる」


雷「人間が憎い、信じられない」ポロ ポロ


提督「それも知ってる」


雷「司令官のことだって、未だに信用してない」


提督「だろうな」


雷「なのに、それなのに……どうして……?」ポロポロ


提督「そりゃ、」


提督「可愛い女の子が泣いていたら、日本男児として、手を差し伸べるのは当たり前だろ?」ニッ


雷「───っ」


雷「」ギュッ


提督「うお?」


雷「………嫌い」


提督「え?」


雷「人間なんて嫌い。どうせ人間なんて、最初は調子のいいことばから言っておいて、後々になったら絶対裏切るのよ」


提督「……そうかなぁ」ポンポン


雷「でも、そんな人間を、また信じたいと思う私は、きっと大バカなんだと思うわ」


提督「じゃあ……」


雷「裏切ったら……後悔させたら、許さないから」グスッ


提督「はいよ、心に留めておきます、お嬢様」


雷「ん」ギュッ←提督の服に顔をうずめる







提督「」ナデナデ


暁「」ニコニコ キラキラ


電(撫でられただけでキラ付けされたのです!?)∑(๑º口º๑)


ガチャ


雷「」|Д・)チラッ


電「雷ちゃん……」


雷「……」ビクビク


雷「あ、あの……二人共、その……」


暁「何してるのよ雷。早くコッチ来なさいよ」


雷「え──?」


暁「どうせ、仲間を撃ったことについて謝ろうとしてたんでしょ? バカね。あれがただの私怨じゃなく、私達を思っての行動だってぐらい、わかってるわよ。ね? 電」


電「なのです! 電達に相談せずにやったことはいただけませんけど、それでも、雷ちゃんが電達を思って行動したということは伝わっているのです」


雷「え、え? ……どうして……?」


暁「あんたねー、私はアナタのお姉ちゃんよ? そんなことぐらい簡単にわかるっていうのよ。全く、コッチ来なさい」クイクイ


雷「………」トコトコ


暁「」ギュッ


雷「!?」


暁「ごめんなさい。アナタ一人で抱え込ませてしまって。あの時、わかってあげれなくてごめんね」ギュッ


雷「あ、うぁ……あぁ……」ポロ


「うわぁぁぁぁん」


暁「よしよし」ナデナデ


雷「うぇぇぇん、グスッ、わぁぁぁん」ポロポロ


電「雷ちゃん……」ウル グイッ


提督「」フッ








天龍「で、この状態って訳か」


暁「う〜ん……」ムニャムニャ←提督の膝で居眠り中


電「………Zz」コテ←提督の横で、肩に寄りかかり居眠り中


雷「えへへ♪」←頭だけ、空いている膝の上に置いて撫でられている


提督「………そういうことだ」ナデナデ←ソファに座り、雷の頭を撫でている


天龍「かー、何とかしてくれるとは思っていたけど、まさか こんな完全に解決してくれとはなぁ。今までの俺らの苦難は何だったんだよ」


提督「そう悲観することもないだろ。雷のは、かなりヘビーで、なおかつデリケートな問題だったからな。迂闊に突っ込まないでいたのは正解だ」


天龍「でもなぁ……」ポリポリ


提督「ったく……ほら、コッチこい天龍」クイクイ


天龍「?」スタスタ


提督「そこかがめ」


天龍「は? 何でだよ」


提督「いいから かがめっての」


天龍「? 何だってんだよ……」スッ


提督「」ポン


天龍「は?」


提督「深く考えんな。結果的に良い方向に進んだんだ。お前の判断は間違ってなかった、それで良いだろ」ナデナデ


天龍「ちょっおまっ、やめろっての!///」カァァァ


提督「お疲れ様、天龍」ナデナデ


天龍「!」


提督「」ナデナデ


天龍「」ウル ゴシゴシ


天龍「………い、いつまで撫でてんだゴラァ!」バッ


提督「うおっ」


天龍「も、戻る!///」スタスタ


提督「ったく………顔赤いぞ天りゅー」


天龍「う、うるせぇ!!」バァン←ドアが勢いよく閉められる


提督「」クククッ




電「Zz……」


暁「えへ〜」Zzz


提督「………今ので起きないのか」



雷「………」


提督『俺が全力で支えてやるから』


雷「ふふっ///」スリスリ








アレカラー


執務室


電「司令官さん、お茶いれました」( *´꒳`* )コト


提督「お、ありがと」カリカリ


雷「あ、ここ間違ってるわよ司令官」ユビサシ←提督の膝に座り中


提督「え? あ、ホントだ」ケシケシ カリカリ


提督「よし、どうだ雷?」


雷「えぇ、大丈夫よ!」


提督「よし」




雷「……………て、何で雷ちゃんが司令官さんの膝に座ってるのですか!?」∑(๑º口º๑)!!


雷「え? だって司令官と一緒にいたいんだもの」


電「答えになってないのです!!」٩( `㎜´キー!


雷「今日は電が秘書艦でしょ? だから、今日は私には司令官の書類を片付ける お手伝いはできない。なら、司令官の膝に座る役につこうと思ったのよ!」


電「文が繋がっていないのです! 何なのですか「なら」って!!」٩(๑`н´๑)۶ムー!


雷「電だって、私が秘書艦なら司令官の膝に乗ろうとするでしょ?」


電「え!? い、電は……司令官の許可が無ければ、そんなことしないのです!」


雷「ほら、するんじゃない。ねぇ、司令官」


提督「ん? 何だ?」


雷「私、司令官の膝に乗っていてもいい?」


提督「んー……別に邪魔にもなっていないし、それどころか間違えたところを指摘してくれるから、むしろ助かってるぞ。確認の手間が省ける」


雷「ほらね」


電「っ………むぅ……」




提督「そういや、暁はどうしたんだ? 二度寝しにいったか?」


電「暁ちゃんですか? 暁ちゃんは」

雷「響の様子を見に行ったわ」


提督「響? まだ眠っている娘のどちらかか?」


雷「えぇ、白い髪の娘の方よ。私達姉妹の中で、まだ響だけ起きていないから……」←雷の顔に影が差す


電「………」シュン


提督「そうか………早く目覚めるといいな」


雷「えぇ……」


電「はい……」




「いやぁぁぁ!!!! やめて響!!!!」




三人「「「!!?!」」」


電「あ、暁ちゃんの声なのです……」


雷「響って……起きたってこと? でも、今の、悲鳴よね?」


提督「っ、いつまでも ほうけてる場合じゃないぞ二人共! 暁の所に行くぞ!」バッ


電&雷「! は、はい!」








提督「暁! どうした!?」ドアバーン


暁「やめて響! そのナイフを捨てて!」


響「うるさい離せ! もう私は生きたくないんだ!!」


電「ひ、響ちゃん……?」


雷「ちょっと響!? 何やってんのよ!!」バッ←すぐに暁と一緒になって響を抑え出す


提督「チッ、予想以上に面倒なことになってんな……」


雷「早く そのナイフを捨てなさい!」←右腕抑え


暁「そんなこと言わないで響! お願いだからやめて!」グスッ←左腕抑え


響「は な せ ぇ ぇ ぇ ! ! !」


提督「」スッ


提督「」プスッ←部屋にあった注射器を打つ


響「あっ………」ガクッ


提督「ったく、手間かけさせやがって」


電「し、司令官さん、何を打ったのです?」オソルオソル


提督「睡眠薬だ。せっかく起きたところ悪いが、もうちょっと寝てもらうことにした」


電「そ、そうなのですか……」ホッ


暁「響……」


雷「暁、響に何があったの?」


暁「………」


雷「起きて いきなり この騒ぎなんて尋常じゃないわ。何か、あったのよね?」


電「雷ちゃん……」


雷「私は、この中で一番最初に重症を負ってしまった。だから、私には何があったか わからない。 暁……つらいかもしれないけど、話してくれない?」


暁「」ギュッ←唇を噛む


電「雷ちゃん、それ以上は」


雷「電……だけど」


電「響ちゃんのことは電が話すのです。だから、今はソッとしておいて欲しいのです」


雷「………」


提督「雷、今は電の言うことを聞くぞ。ほら」


雷「……わかったわ」




ガチャ バタン





暁「………」


響「」Zzz


暁「………響……ごめん……ごめんなさい……」ポロポロ









執務室


ハナシオエタゾー


提督「………」


雷「そんな……そんなことが……」


電「だから、今の響ちゃんと暁ちゃんを追い詰めるのは、やめて欲しいのです……」


雷「………」


提督「……」


提督(………ハァ、何でこう日を追うごとにこんなヤバい過去が明るみになっていくんだ? 正直、聴いているコッチが鬱になりそう)


提督(最初は、適度に仕事やって適度に休憩を取って、艦娘達と気楽に話しながら過ごせばいっか〜、とか考えていたのに)


提督(おい、これ考えたヤツ誰だよ。作者出てこい!)←メタ発言


雷「………わかったわ。配慮が足りなかったわね……後で暁に謝らないと」


電「この件は無かった、のように振る舞うのが一番良いのです。だから、謝るのはやめた方がいいのです」


雷「………そう……」


提督「………」


提督(あぁ……また重苦しい雰囲気になった)ハァ








ヨクジツー


提督(あの後、結局 暁は部屋から出てこずでまともに様子も見られずじまい。電と雷も、笑顔こそ見せていたが、どこかぎこちないものだったなぁ)


提督(………響の件、解決は難しいかもな。今回は、本人の意思が違いすぎる)


コンコン


提督(ん?)


提督「どうぞ〜」


ガチャ


響「失礼するよ司令官」


提督「!?」


響「お初に目にかかる。特型駆逐艦の響だ」


提督「お、おぅ……」


提督(な、何でだ!? 注射した睡眠薬のせいで、後二、三日は寝たままだと思っていたのに!)


響「………初ってのはおかしな言い方だったかな? 司令官にはすでに、私の見苦しいところを見られているから」


提督「おまっ、昨日のこと覚えて……」


響「全く、司令官も酷いお方だ。寝起きの少女に対して、いきなり注射器を使ってくるのだから」


提督「………」


提督(何だ? やけに饒舌だな。昨日は死にたくて仕方がないという感じだったのに)


響「まぁ、あの時の私も混乱していたからね。処置としては仕方がないと言えばそれまでだ。そこまで気にかける必要はないさ」


提督「……響、暁はどうした?」


響「暁? 暁ならまだ部屋で寝ているよ」


提督「………そうか」


響「………」


提督「……………」


響「……それで?」


提督「あぁ?」


響「罰則は何かな?」


提督「……………はっ?」


響「司令官のお手を煩わせたんだ。何かしらの罰則は覚悟しているよ。見たところ、今この鎮守府には資材が少ないように見える。使えない駆逐艦は解体かな? それとも、単機で遠征にでも出すかい? あっ、敵艦隊の前に出て囮の役を担う方がいいかな? そうして敵を撃破すれば、この鎮守府も評価も上がるだろうしね」


提督「お前、何言ってんの?」


響「さぁ、司令官。早く私に罰則を言い渡しなよ。大丈夫、罰則を受ける覚悟はできてる。躊躇する必要はこれっぽっちもないよ」


提督「……」


提督(こりゃ、コッチの話も聴く気は無いって感じだな。意見を求めているように見えて、『私を沈める以外の選択肢は許さない』って遠回しに言ってきてやがる。けど、このままコイツに解体か出撃を言い渡して、沈ませてしまったら………そうしたら、残ったあの三人は……)


提督(ハッキリ言って、死ぬ決心をした相手に対しては、説得なんて無意味だ。どんな言葉を使っても、最初は納得したような態度を見せて、結局は死の闇に飲み込まれる。そんな相手に対して、生きるように説得するのは時間の無駄)




提督(と、前の俺なら割り切っていただろうな)


提督「わかった、お前に罰則を与える」


響「───! じゃあ!」


提督「あぁ。響、お前に───」




提督「一週間、食事を作る手伝いをすることを命じる」




響「………………はっ?」


提督「いやぁ、毎日三食、皆の分のご飯を作るのって結構大変なんだぜ? 丁度 人手が欲しいと思っていたところなんだ。助かるよ響」


響「ちょ、ちょっと待って! 司令官のお手を煩わせて」


提督「煩わさたって、俺は注射器を打っただけだぞ? 本当の意味で苦労したのは暁と雷だ。アイツら、暴れるお前を抑えるためにかなり体力を使っていたからな。申し訳ないと思っているなら、まずその二人に謝りに行きな」


響「………」


提督「それに、罰則を決めるのは俺だ。お前は罰を受けたい、俺は人手が欲しい。お互いwinwinな関係じゃないか」


響「ちがっ、私は」

提督「死ぬなら その後にしろよ」


響「───!」


提督「別に、死にたいと言っているヤツを無理に留めはしないさ。死にたいなら勝手にどうぞって話だ」


提督「でも、俺の手をわずらわせたっていう言い分も確かだ。だから、せめて罰則は受けてからにしろ」


響「……」


提督「まぁ、暁達には会いたくないだろうから、そこの配慮はしてやる。手伝うのは調理場での作業のみ。皿運びや盛り付けはしなくていい」


提督(死にたいって思ってるヤツは、『生きろ』と説得させられるのを一番嫌う。だから、この条件でどうだ?)


響「………わかった。一週間か」スッ


提督(……雰囲気が変わった。やはり、俺に沈ませるよう仕向けるため、意図的に饒舌へとなっていたのか)


提督「それじゃ、今日の昼食からよろしく」


響「………」


ガチャ バタン


提督「……さて、これが吉と出るか凶と出るか」








てな訳で食堂


提督「………」


提督(というか、思ったけどアイツ、ホントに来るか? 普通に考えたら、いくら上司とはいえ、初対面の人間に「こうしろ」と言われて、素直に従うヤツの方が少ない)


提督「…………ハァ、仕方ない。先に料理始めとくか」スッ←冷蔵庫に向かい


提督「」ガチャ


提督「」スッ スッ スッ


提督「」バタン


提督「」コツコツコツ


提督「」ゴトッ


提督「」ジャー バチャバチャ


提督「」スッ スッ


響「」ヒョコ


提督「」ストンストン


響「」|ω・`)ジー


提督「」トットットッ


響「」スタスタ


提督「」ジャー


響「」(。・-・。`)ジー


提督「来たな」ニッ


響「」ビクッ サッ


提督「おいおい、隠れようとすんなよ。何のために来たんだ」


響「すまない、今のは情景反射というものだ」


提督「情景反射ねぇ……」


響「それで、私は何をすればいい?」


提督「ん、そうだな……。野菜はあらかた切り終わったから……よし、なら調味料をすり潰してくれ」


響「すり潰し……?」


提督「ほら、この器具を使うんだ。調味料はすでに入ってる」スッ


響「ふむ……こんなものまで料理で使うのか」


提督「意外か?」


響「意外だね」スッ


響「」ゴリゴリ


提督(っし、じゃあ今の内に鉄鍋でも取りに行くか)コツコツ








昼食後……


電「司令官っ、今日も美味しかったのです!」キラキラ


提督「おう、夜も残さず食えよ」


電「もちろんなのです! これ、お皿です」


提督「ん、あんがとなー」


提督(皆、一見いつもと変わらずに食事を取っているように見えたけど……誰も響の話題には触れようとしなかった。響も響で、厨房の奥に引っ込んだまま顔を出そうともしねぇ)


提督(わかってたことではあるが、これは重症だなぁ。アイツらの考えはなんとなくわかる。、言ってもどうにもならないとか、ここで言っても雰囲気を悪くさせるだけだとか、そういう考えなんだろう。けど……響に関しては、イマイチ考えが読めん)


提督(死にたいって気持ちはわかってる。でも、今まで一緒に戦ってきた仲間に対して、気にする素振りすらないというのは、どういうことなんだ? 別に、恨んでるとかそういうのではないと思うんだが……)


提督「…………て、何考えてんだ俺。本当に死にたいなら、それで構わないと言ったのは俺じゃないか」


提督(俺が響に対して一週間の手伝いを命じたのは、死に急いでいるだけなんじゃないかと思ったからだ。本当は死にたくもないのに、悪い状況が重なってしまったから、死にたいと誤解してしまってるだけ。そう思ったからだ)


提督(でも、それだけが理由じゃないとしたら………)


提督「俺の深層心理が、変わってきているとしたら………」


提督「………」


提督「」ポリポリ


提督「馬鹿らし。だから何だっていうんだよ」コツコツ


提督(深層心理がどう変わろうとも、俺が俺であることには変わりねぇじゃねえか)コツコツ








厨房


響「………」


提督「お、いるな」


響「やぁ司令官。それで、後はお皿を片付ければ今回は終了かい?」


提督「う〜ん、まぁ普通に考えればそうなんだが……少し待ってろ」コツコツ←冷蔵庫に向かって歩き出す


響「?」クビカシゲ


提督「お、あったあった」スッ


提督「ほれ」←とある物が乗った皿を響の上に置く


響「………」


提督「どうした? 甘い物は苦手か?」


響「いや、そういう訳ではないんだけど……これは?」


提督「見ての通り、苺ショートケーキだけど」


響「そうじゃない! ………そうじゃなく、何で私にそれを出す? こういうのは、電とかに渡した方が喜ばれるだろうに」


提督「これな、時間的に2つしか作れなくてな。それで、アイツらの内 誰かに出しちゃうと、「「何であの子だけ」とか「差別か?」と言われるかもしれないだろ?」


響「……そんなに器はちっちゃくないと思うんけど」


提督「それでも、だ。万が一にでもそんな可能性があるなら却下だ。という訳で、アイツらにバレない内に、食っちゃおうぜ響」


響「まぁ、くれると言うのなら素直にもらうよ。いただきます」


提督「おう、食え食え」


響「」パク


響「!!?」


響「」パクパク


響「」モキュモキュ


響「」ゴクン


響「ふぅ///」ホンワカー


提督「」クス


提督「気に入ってくれたようで何よりだ」


響「っ!」ピクッ


響「///」カァー


提督「」ククッ








響「ふぅー、ごちそうさま///」ポワポワ


提督「お粗末さまでした。………て、口元にクリームついてるぞ」スッ←手を出し


響「ん」←大人しく拭き取られる


響「……………司令官」


提督「何だ?」


響「……何で、私にケーキを出したんだい?」


提督「またそれか? さっきも言ったろ、材料が───」

響「じゃあ質問を変える。


響「提督は、何でケーキを作ろうと?」


提督「………」


響「材料が無いなら、そもそも作ろうとしなければいい。それなのに、司令官は作った」


響「つまり、別の意図があったってことだ」


提督「………」


響「……司令官も、私を行かそうとするのか」


提督「………」


提督(ったく、勘のいい艦娘だなぁおい。大人しく「ケーキ美味しい」って言って終われよ)


提督「」ポリポリ


提督「でもうまかっただろ?」


響「!」


提督「今の質問は是でも否でもない。ぶっちゃけると、そこまで深く考えてはなかった」


提督(これは嘘だけど)↑


提督「けど、どんな理由であれ、お前はうまいもんが食えて、俺は作った物を「美味しい」と言ってもらえた。その事実以上に必要なものってあるか?」


響「………」


提督「納得するかどうかはお前次第だ。けど、1週間の料理手伝いはしてくれよ。上司命令」


響「………」


響「ふぅー。わかったよ、今回はそういうことにしておく」


提督「ん、けっこう」


響「それじゃあ、また夜ご飯時に」ガタッ


提督「おう」








ナンダカンダデ トキハスギー


響「司令官、仕込み終わったよ」


提督「よし、じゃあコッチ手伝ってくれ」


響「わかった」


提督(それにしても、響のヤツ、呑み込みが早いな。最初の頃は料理の『り』の字も知らない感じだったってのに、今ではもう普通の人以上の料理は作れるんじゃないか?)


響「司令官、どうかしたかい?」


提督「ん? いや、何でもない」


響「そう」




響「フフッ、でもこれで、やっと約束の1週間だ。今日が終われば、私は………」




提督「………」


提督「なぁ響」


響「何だい?」


提督「今日の夜はお前1人で飯作ってみるか?」


響「………え?」


提督「どうせ今日で終わりなんだ。最後ぐらい、全行程 自分でやるのも悪くないんじゃないか?」


響「………」


提督「何気に、この時間も苦痛では無かっただろ?」


響「………」


響(『良かっただろ?』ではなく、『苦痛ではなかっただろ』、か。この提督は、本当に口が上手だ)


響「…………わかった。最後なんだ、1人でやってみることにするよ」


提督「」ニッ


響「それじゃあ」ガタッ


提督「あぁ。ここまできてバックれるなよー」


響「する訳ないじゃないか」スタスタ








執務室


提督「」カリカリ


ガチャ


天龍「邪魔するぜ」


提督「邪魔するなら帰ってー」カリカリ


天龍「」ピタッ


提督「………」


天龍「………」


提督「おいどうした? ナゼ帰らない?」


天龍「」ピキッ


天龍「……ハァ。ちょっと話したいことが───」

提督「邪魔しに来たんだろ? そんなヤツと話すことはない。とっとと帰れ」


天龍「……………」


提督「」ニヤニヤ


天龍「てめぇ、人が大事な話をしに来たってのに………」


提督「『邪魔するぜー』」


天龍「………」


提督「『邪魔するぜー』」


天龍「……………」ポリポリ


提督「『邪魔す───』」

天龍「わかった! 俺が悪かった! だから もうやめてくれ!!///」バッ


提督「………」


天龍「ったく、そんな何度も復唱する必要ないだろ……///」


提督「『邪魔す───』」

天龍「やめろっつってんだろうがあぁぁあああ!!」







天龍「」(ʘ言ʘ╬)


提督「」ボコボコー


提督「……お前、限度ってもんがあるだろ」


天龍「提督に言われたくねぇ」


提督「まったく………」イテテ




提督「で、話って何だ?」


天龍「………」


提督「……………響のことか?」


天龍「……あぁ」


提督「……………意外だな」


天龍「あぁ?」


提督「いやなに、お前はさ、どこか他優先って感じで、響が起きたことを知った瞬間、1番に飛んでくると思ってたんだよな」


提督「でも、実際はこんな後。響のことはスルーなのかと思ったら、そうでもない。どういう風の吹き回しだ?」


天龍「っ」


天龍「………」


天龍「……」


天龍「………………」


天龍「……最初はさ、響のことには口を出さないつもりだった」


天龍「ずっと一緒だったから。知ってるんだよ、アイツがどんな目にあって、どんな感情を抱いたかなんて」


天龍「響は、このまま何もせず、死なせてやった方がいいんじゃないかって、そう思ってたんだ」


提督「………」


天龍「………でも、無理だ。知ってるぞ。響のヤツ、お前と一緒に料理作ってるだろ? 何度か、覗いた」


天龍「そしたらさ、アイツ、明るい顔してんだよ。あんなに暗い顔してばっかだったアイツが、朗らかな表情してたんだよ」フルフル


提督「!」


提督(あれ、明るい表情だったのか……!)


天龍「アイツら4人はさ、ホントに仲の良い姉妹なんだよ。揃って部屋にいた時は、よく笑い声が廊下に響いてた」


天龍「でも、外に出た瞬間、アイツらの笑みは消える。理由はわかってる。それでも、アイツらの笑みが消えているのを見るのは、すごくつらかった」


天龍「だから!」バッ


提督「天龍!?」


天龍「頼む! 響を殺さないでやってくれ! どうか、解体なんてしないでくれ!」


提督「おまっ、土下座って……」


天龍「これは俺のエゴだワガママだ! でもっ、どうしても見たいんだよ……。アイツらが、4人揃って、外で笑う姿をっ」


天龍「だから頼む! 俺じゃあどうにもできなかった! 不甲斐ない話だけど、どうかっ、頼むよ……」ポロポロ


提督「………」








提督(結局、天龍の頼みには『わかった』と答えてやることができなかった)


提督(それを決めるのは響自身だ。俺はせいぜい、生きたいと思わせるように、ほんの少し誘導することしかできない)


提督(ほんの少し背中を押すぐらいが精一杯。やるだけやって後は放置だ。卑怯なやり方かもしれない。けど、『死にたい』と思ってるヤツを止める資格なんて、俺には無い)


提督「決めるのは結局、アイツ自身だ」


コンコン


提督「ん?」


響「失礼するよ」ガチャ


提督「響か。どうした?」


響「夕食を作ろうと思ったんだけど、この作り方がわからなかったんだ。司令官なら知ってると思って」


提督「なるほどな。で、何を作ろうと───」


響「………」


提督「これって……!」








電「今日の夜ご飯、何なのでしょうか?」トコトコ


雷「司令官が楽しみにしとけって言ったんだもの。とっても美味しい物に決まってるわ!」トコトコ


暁「もう、二人共はしゃぎすきよ」トコトコ


雷「でも、暁も気になるでしょ?」


暁「それは………まぁ」


雷「やっぱり〜」




暁「………」



電「……暁ちゃん」


暁「───! ど、どうしたの電」


電「やっぱり心配しているのですか? 響ちゃんのこと」


暁「………」


電「電も、響ちゃんのこと、心配です」


暁「!」


電「けど、すでに安心もしているのです」


暁「………え?」


電「今、響ちゃんのところには司令官がいるのです。司令官ならきっと、響ちゃんの心も変えてくれるのです」


暁「でも……」


電「暁ちゃん」


電「ここは司令官を信じるべきなのです。司令官に任せておけば大丈夫なのです。だって、司令官に助けられた電が言うのですから、間違いないのです!」フンス


暁「電………」


暁「……フフッ、何で電がドヤ顔するのよ」


電「はわっ!? 電、今どんな顔していたのです!?」


暁「しかも無意識だったの? まったくもう」クスクス


電「///」


雷「暁ぃ〜電ぁ〜早く食堂行きましょ〜」


電「わわっ、待って欲しいのです!」トテトテ


暁「だから、走ったら危ないってばぁ〜!」トテトテ




天龍「………」








食堂


雷「わぁ〜良い匂い〜!」スンスン


電「この匂いは………カレーなのです!」


天龍(楽しみにしとけって言ってた割に、夜ご飯はカレー。前も普通に出してきたヤツだよな? それとも、前のとは違うのか?)


天龍「ほらチビども、席に座るぞ〜」


電「はいなのです!」

雷「わかったわ!」

暁「もうっ! チビって言わないでよ天龍さん!」


天龍「じゃあ、俺は運ぶ手伝いを───」




響「いや、座ってていいよ天龍さん」




天龍「!」


響「」トコトコ←両手に皿を持って


電「響ちゃん……」


雷「響……」


暁「………」


響「」コト コト


響「」トコトコ


天龍「………」


天龍「響、やっぱり俺も手伝う。その方が効率いいだろ」ダッ


響「………そうだね、お願いするよ」


天龍「おう」







天龍「これで全部か?」コト


響「うん、それで最後だよ」


天龍「よし」


電「これって……!」


雷「───!」







暁『ねぇ! 見てよ3人共! これ!』


雷『もう何いきなり……そんな はしゃぐと部屋の外まで声がもれるわよ』


電『どうしたのですか? 暁ちゃん』


響『』ヒョコ


暁『これよこれ! これもカレーなんだって!』


雷『えっ、これが!?』


電『ご飯が無いのです……!?』


響『』ビックリ


暁『インドとかでよく食べられてるんですって! どんな味がするのかしら』॑⸜(* ॑꒳ ॑* )⸝⋆*


雷『モチモチした食感って書いてあるわね』


電『美味しそうなのです』


響『………』


響『いつか、皆で食べたいね』


暁『えぇ! いつか絶対 4人で食べましょ!』


電『なのです!』


キャッキャッ







暁「………響ぃ……」ウル


響「」フッ


響「それじゃあ……召し上がれ」トコトコ


天龍「カレーナンか。初めて見たなぁ……いただきます!」


電&雷&暁「「「いただきます……」」」スッ


電「!」パク


雷「これ!」パク


暁「美味しい!」パク グスッ


天龍「普通のカレーも美味かったけど、ナンもナンでいいな! うまい!」パク


暁「ちょっとしょっぱいけど……それでも美味しい、美味しいよ……」ポロポロ


雷「それは暁の涙のせいでしょ? 私のは全然……アレ? ちょっとしょっぱいかも」グスッ


電「雷ちゃんも泣いているのです」ウルウル


雷「そういう電だって」グスッ



天龍「……」


天龍(このカレーナンにどういう意図があるかわかんねぇけど、チビどもには何か思い入れのある物なんだろうな。ったく、粋な計らいだぜ、提督よ……)



響「」厨房から覗き中


提督「どうだ?」


響「」フフッ


響「皆、美味しそうに食べてくれてる」


提督「そうか」


響「改めて礼を言うよ司令官。これで、暁達との約束を果たせた」


提督「………」


響「………」


響「……で、その、今皆はご飯を食べている最中な訳だけど、私達は食べ終わった」


提督「そうだな」


響「………」


提督「………」


響「……その、デザート的な物は、何か無いのかい?」


提督「」クスッ


提督「ついにねだり始めたか」フフッ←毎食 響だけにデザートを出していた


響「ち、ちがっ! ………いや、まぁ……うん……」


提督「大丈夫だ。ちゃんと用意してあるよ」


響「」パァァァ


提督「ちょっと待ってな」








響「」パク


響「」(*´ω`*)フゥ


提督(幸せそうな顔しやがって)


響「フフッ、ホントに司令官のスイーツは最高だ」


提督「そりゃようござんした」


響「これで、もう悔いは無い」


提督「………」


響「さっきも礼を言ったけど……言い足りないな。感謝してもしきれないぐらいだ」


響「司令官、この1週間の猶予をくれて……私の心残りを消させてくれて、ホントにありがとうございました」


響「これで、静かに眠りにつける」


提督「………」


響「ホントに、本当にありがとうございました」




提督「………」


提督「いちよ、お前には生きて、電や雷、暁と一緒に笑いながら過ごすって選択肢があるんだが?」


響「」クスッ


響「はなっから そんな選択肢、私には無いよ。そんなつもりも、資格もない」


提督「………資格……?」


響「いや、資格は私が勝手に思ってるだけかな?けど、死にたいという意志を変える気は無い」


提督「何でそこまで頑なに───」

響「いないからだ」


提督「………:」


響「もう、ここにはいない。一緒に笑い合って、いつかこの戦争を終わらせたらと話していた人達は、もういない。皆、死んでしまった」


響「それなのに、私はまだのうのうと生きてしまっている。おかしいじゃないか! 皆と私の違いは? そんなものは無い!」


響「………あぁそうか。私には、生きる資格が無いんじゃなく、皆がいないことを直視するのが耐えられないんだ」


響「もうこんな、苦しい世界で生きるのはまっぴらだ。『日本艦としての誇りは無いのか?』と訊かれれば、私は迷わず『はい』と答えるよ」


響「逆に訊きたいぐらいだ、司令官。こんな世界に生きていて何になるんだい? このつらい現実の何かが変わるの? こんな世界に生きて、どんな意味があるっていうんだい?」


提督「………」


響「………答えられない。それが答えだよ司令官。考えても思いつかないから黙るんだ。つまり、無いってことだ」フッ


響「……ありがとう司令官。おかげで決心を強めることができた。これでスムーズに死ねるよ」スッ←提督に背を向けて歩き出す


響「それじゃあ、私は一足先に工廠に向かうよ。本当にありがとう、司令官」




響「バイバイ」




提督「───っ」ダッ


響「───え」グイ


提督「」ギュウ!


響「───」


響「し、司令官? これは一体なんの真似だい?」


提督「震えてんじゃん」


響「え?」フルフル


提督「やっぱり、死ぬのは怖いんじゃねえか。無理してここからいなくなる必要はない」ギュッ


響「何を……言って……」フルフル


提督「お前がつらいっていうのは痛いほど伝わってきた。死にたいって気持ちも、本当にあるんだろう。けど、それと同じくらい『死にたくない』って気持ちがある」


響「そ、そんなこと───」

提督「ならどうして震える? どれだけ胸の内で否定しても、深層心理はそう簡単に変えることはできない。別に、死にたくないと思うのはおかしいことじゃない。生きてるなら、誰しもが持ってる感情だ」


響「………だけど……私は……」


提督「死んでいった仲間達を見たことで、もう彼女達がいないという今を見たことで、生きるのがつらくなった。けど、心の内ではいつも、『死にたくない』っていう生存欲求がその思いに穴を開ける。その証拠に、お前はさっき、『決心を強めることがてきた』と言ったんだ」


提督「お前からしたら、無意識に出た言葉かもしれない。けど、これを言ったということは、まださっきまでは決心が固まりきってはいなかったということだ。そしておそらく、今もそうなんだろ?」


提督「もういい、もういいんだよ響。自分の気持ちに……自分自身に、苦しめられるのは。素直になれ。そしたら、俺達が手を差し伸べるから」ギュッ


響「───っ」


響「っ………〜〜〜っ」


響「違う!」バッ


提督「!」


響「そんなんじゃない! 私にそんな気持ちは無い! 私は……私はっ、本当に死にたいんだ! 」


響「やめて……これ以上私を惑わさないで…………」ポロポロ←頭を抱え、ゆっくりと膝から崩れ落ちる


響「私はっ、生きたくないんだ。もうこんな現実は沢山だ。なんのっ、ために生きるのかっ、わからない……」ポロポロ


響「もうっ、やめて………」ポロポロ


提督「………」


響「」ウッ グスッ ウゥ


響「司令官……」ポロポロ




響「助けて………」




提督「───っ」


提督「当然だっ」ギュッ!


提督「約束する。お前が二度とこんな思いをしないよう、俺が全力を尽くす」


提督「お前が笑って、アイツらと外で歩けるよう、俺が力を尽くすから」


響「」ウゥゥ フゥゥ…ポロポロ


提督「もう、偽らなくていいんだ。誰もお前を責めないから」


響「〜〜〜」ウルッ


提督「俺が、お前を守る」


響「っ! ───っ、うっ、ヒグッ、うぅぅ」ポロポロ


提督「」ナデナデ


響「わぁぁぁぁ」ギュウ! ポロポロ








提督(結局のところ、響の心はすでに壊れていた)


提督(自分が本当はどうしたいのか、それが正常に判断できず、つらい出来事が重なっていたから、『死にたい』と自分は感じてると勘違いし、あぁなってしまった)


提督「どんだけだよ、それ……」ナデナデ


響「Zzz」スー


暁「響!」ダッ!


提督「ん? 暁か、どうした?」


暁「───えっ、アレっ? 響が大声を出していた気がしたからっ、心配なって……アレ?」ハァハァ


電「ま、待って欲しいのです暁ちゃーん!」


雷「いきなり走り出すなんて……ハァハァ、心臓に負担がかかるわよ……ハァハァ」


提督「お前らも来たのか」


天龍「そりゃ、響は目を覚ましてすぐに死のうとしたんだ。心配になるのは当然だろ」スッ


提督「うぉっ!? 天龍おまっ、いつの間にっ」ビクッ


天龍「俺はコイツらが来る前からいたぜ」


提督「えっ? それって……お前、もしかして聴いていたのか?」


天龍「ん〜? いやぁ別にぃ、『俺が守ってやる』キリ なんて言ってたことなんか知らないぜ?」ニヤニヤ


提督「ガッツリ聴いてんじゃねぇかコノヤロォ!! 今すぐ忘れろっ、その時の記憶ごと消去しろっ!!」


天龍「ははっ、やなこった。それじゃあな提督。響を無理に起こすんじゃねぇぞぉ」テ フリフリ


提督「ちょっおまっ、待てゴラァ! ………」チラ


響「Zzz」スー


提督「ハァ………しゃあねぇ。天龍をしばくのはとりあえず後だ」


電「響ちゃん、凄く安心しているのです」


提督「ん? そうなのか? 俺には表情が変わっているようには見えんが」


雷「まったく……ダメね、司令官は。そんなんじゃ、女の子をハートを掴むのは難しいわよ」


提督「うっせ。別にいいんだよ俺は。………今までだって、女性と関わってきたことほとんど無かったし」


雷「えっ、じゃあ、司令官って女性経験ゼロ?」ワォ!


提督「やかましぃわ! 余計なお世話だ!」


暁「………良かったぁ。響、これで思い詰めて死のうとすることは無くなるよね。良かった……本当に良かった………良かったね、響」ウル


響「Zzz」フフッ


電「あ、笑ったのです」


暁「フフッ、本当だ」ゴシゴシ


雷「幸せそう。どんな夢を見てるのかしら」クスッ


提督「」フッ









暁「」ヒビキー コッチ テツダッテー


響「」ワカッタ トコトコ


雷「」エット コレハ ココデイイノヨネ?


電「」ナノデス!


提督「」フッ


提督(あれからというもの、響もきちんと暁達の輪の中に戻って和やかな雰囲気になった。時折 寂しそうな笑顔を浮かべるものの、かなり前向きになった、と思う)


提督(で、今俺達はこのボロい鎮守府の改善修理中な訳だが………)


天龍「おい提督ー! 木材持ってきたぞー!」


提督「サンキュー! じゃあ天龍はそのまま暁達を手伝ってやってくれー!」


天龍「あいよー!」


提督(鎮守府デカすぎワロタ。全然終わる気配がねぇ笑笑。もう何これ? えっ、何日かかるん?)


提督「てか、改善つっても、雨が降った時に雨漏りしないよう、木材を釘でとめるだけだしなぁ。見栄えも最悪」


提督(こういう時に“妖精さん”達がいてくれればなぁ。もうちょっとマシにはなるんだろうけど)


提督「………ん? あれ……?」


提督(そういえば、何でいないんだ? 妖精さんって、鎮守府にはかかせない存在だろ。確かに、妖精さんに愛想を尽かされ いなくなったという例もあったけど、ここには負傷した艦娘がいたんだぞ? その娘達を置いていなくなるなんて、流石に無いとは思うんだが……)


提督「でも、事実妖精さん達は……」


提督「………? 、??」





電「司令官さん?」


提督「うおっ!?」


提督「……なんだ電か。脅かすなよ」


電「どうしたのです? 何か難しい顔をしているようだったのですが……」


提督「あぁ……いやな、何でこの鎮守府には妖精さんがいないんだろうなって」


電「………」


提督「電、何か知らないか?」


電「……わからないのです。電も起きた時にはいなくなってしまっていて……」


提督「そうか……結局、何もわからずじまいか。ありがとな、電」ポリポリ


電「いえいえ。コチラこそ、力になれなくてごめんなさいなのです」


電「………」


後書き

響編 終わったー!
ぬわぁぁぁ疲れたもぉぉぉん!!!!
予想以上に長かった。いや、これホント。こんな長くなるとは思わなかった。もうね、自分の頭の中で動いていくキャラをそのまま文に起こしているだけなんだけど、そしたらこれが予想以上に多いこと。

今ssは後一人書いて、もうワンエピソード書いて締めようと思います。
本当はね、もう二人書くつもりだったんですよ。けどね、俺のモチベーション的に続かない(笑)。なので、次ssに持ち越しで。次ssは俺のモチベーションが回復したら書きますわー。

それでは皆さん、後もう少し、このssにお付き合いください。では〜


このSSへの評価

56件評価されています


ウンチーコングさんから
2019-01-08 15:00:11

2019-01-07 10:34:33

SS好きの名無しさんから
2019-01-06 22:41:26

桃蜘蛛さんから
2019-01-06 19:12:32

SS好きの名無しさんから
2019-01-03 05:52:57

謎提督さんから
2019-01-01 23:40:43

SS好きの名無しさんから
2018-12-22 20:35:04

udonさんから
2018-12-23 06:43:28

暗闇(くらや)さんから
2018-12-21 16:19:04

SS好きの名無しさんから
2018-12-13 21:51:08

SS好きの名無しさんから
2018-12-13 12:25:06

SS好きの名無しさんから
2018-12-13 00:59:53

四季(夏)さんから
2018-12-13 00:26:54

2018-12-12 02:04:40

丙提督さんから
2018-12-09 19:06:23

エメラグーンさんから
2018-12-26 22:56:50

SS好きの名無しさんから
2018-12-02 23:16:20

tubaboくんさんから
2018-12-04 18:40:53

トキヤですさんから
2018-11-30 10:30:18

SS好きの名無しさんから
2018-12-19 13:17:26

SS好きの名無しさんから
2018-11-29 10:29:32

SS好きの名無しさんから
2018-12-11 09:40:00

SS好きの名無しさんから
2018-11-26 16:27:11

SS好きの名無しさんから
2018-11-25 21:51:37

タマモーさんから
2018-11-24 23:43:14

SS好きの名無しさんから
2018-11-23 21:39:53

SS好きの名無しさんから
2018-12-04 09:36:37

SS好きの名無しさんから
2018-11-21 18:23:59

SS好きの名無しさんから
2018-11-21 18:12:40

SS好きの名無しさんから
2018-11-21 16:54:15

SS好きの名無しさんから
2018-11-20 15:45:32

SS好きの名無しさんから
2018-11-30 23:12:59

SS好きの名無しさんから
2018-11-19 13:32:48

艦これ好きさんから
2018-11-19 02:51:30

名前のない戦艦さんから
2018-11-18 19:57:35

SS好きの名無しさんから
2018-11-18 15:14:12

エリーさんから
2018-11-17 21:40:25

SS好きの名無しさんから
2018-11-17 18:24:57

SS好きの名無しさんから
2018-12-10 20:14:28

SS好きの名無しさんから
2018-11-17 02:00:35

苗木さんから
2018-11-17 00:44:48

SS好きの名無しさんから
2018-11-16 23:40:19

kurowassanさんから
2018-11-30 20:42:07

SS好きの名無しさんから
2018-12-17 10:04:36

クリンスマンさんから
2018-11-16 16:23:49

SS好きの名無しさんから
2018-11-15 22:54:42

ルーでさんから
2018-11-14 22:50:14

SS好きの名無しさんから
2018-11-14 15:31:32

だるまんじさんから
2019-01-10 23:14:55

SS好きの名無しさんから
2018-11-13 20:10:12

SS好きの名無しさんから
2018-11-13 18:47:10

SS好きの名無しさんから
2018-11-13 18:38:24

SS好きの名無しさんから
2018-11-13 16:27:32

SS好きの名無しさんから
2018-11-19 17:19:12

SS好きの名無しさんから
2018-11-13 13:17:06

戦艦れきゅーさんから
2018-11-13 11:29:40

このSSへの応援

54件応援されています


SS好きの名無しさんから
2019-01-08 23:49:30

ウンチーコングさんから
2019-01-08 21:41:09

2019-01-07 10:34:16

SS好きの名無しさんから
2019-01-06 22:41:27

桃蜘蛛さんから
2019-01-06 19:12:34

謎提督さんから
2019-01-01 23:40:47

ヒメ巫女♂さんから