2019-02-14 23:56:31 更新

概要

神人と呼ばれる青年「五十嵐 勇翔」
彼は初任務として、別世界に行く事になった。
そこはアスカロ王国と呼ばれる国があった。
その世界で出会う新たな仲間達。

彼に待ち受けているのは、正義か悪か────


前書き

「孤独な神人~アスカロ王国~」です。
アスカロ王国はオリジナルですので予めご了承ください。

前編は序章の様なものなので、内容的には薄いです。なので、今回は内容を濃くしていこうと思います。



王国の危機


五十嵐「あ?ここは…」


五十嵐が飛んだ場所は大きな街、と言うより王国に近かった。


城もある、外壁もある。


今五十嵐が居るのはその王国より、少し離れた森の中に居た。


五十嵐「にしても、デカくないか?王国って事は、他にも王国があんのか?完全に異世界じゃねぇか」


五十嵐には初めてであり、疑問が生まれるばかりである。


五十嵐「まぁ、ここにいてもしゃーねぇし、とりあえず行ってみっか!」


と思った矢先、背後から何か感じた。


五十嵐「なんだこの邪な感じは…」


すると、森の奥から奇妙な化け物が現れた。


五十嵐「なんだコイツ、気持ち悪い図体してんなぁ」


見た目はゲル状で人の形をしている化け物だ。


五十嵐「あれか、スライムってやつか。なら余裕だな、俺の能力で燃やし尽くしてやんよ」


五十嵐「いや待てよ。最近のスライムはボス級に強いって聞くぞ。ならこいつもか?どっちなんだよ!?」


そう考えてる内にスライムの化け物がこちらに襲ってきた。


五十嵐「あ、ヤベぇ」


と、その時


???「伏せて!」


五十嵐は条件反射で伏せた。


声がする方から雷の様なものがスライムに向かって直撃した。


あれか、魔法ってやつか。


スライムは攻撃により、怯んだ。


???「最後は私が仕留める!!」


先程の攻撃の方から走る音がし、剣を持つ騎士が現れた。


また剣士かよ。


???「はぁぁ!!」


騎士は剣が見えないスピードでスライムを真っ二つにした。


スライムはドロドロに溶け倒すことが出来た。


凛もそうだが、この騎士も中々やるな。


1人感心していると、


???「大丈夫か?怪我はしていないか?」


騎士がこちらに手を差し伸べてきた。


五十嵐「あ、あぁ。大丈夫だ」


五十嵐は騎士の手を掴み立ち上がった。


五十嵐「悪いな、助けてもらってな」


???「構わない、それが我々「ノアリス団」の役目だからな」


五十嵐「ノアリス団?なんだそれは?」


???「なんだ。お前、ノアリス団を知らないのか?」


五十嵐「あぁ、ちょっと仕事でコッチに来ててな」


???「アスカロ王国に何か用か?」


五十嵐「なんだよ、さっきからノアリスだのアスカロだの。そもそもあんた誰だよ」


???「それは失礼した。私の名は…」


???「リーシェ様〜!急に走らないで下さいよ〜!」


リーシェ「む、すまないな。ユーナ。最後の一太刀をキメたくてな…」


ユーナ「もう!私の魔法でも倒せるじゃないですか!」


リーシェ「はは、すまない。つい体が疼いてしまってな」


ユーナ「まぁいいです。それより、貴方大丈夫ですか?お怪我はありませんか?」


五十嵐「あ、あぁ。大丈夫だ」


ユーナと呼ばれる女性。緑色の髪で、首飾りを付けており、先程の魔法であろう杖を持っていた。


にしても、ワタワタしてる子だなぁ。


それはいい。俺が気にしてるのは…


胸だ。この子胸が大きい。


俺の街じゃこんなに大きい子は居ないぞ!?


背は165cmぐらいか?凛に比べると小さいな…


ユーナ「あの、私に何かついてますか?」


五十嵐「いや!なんでもないです!」


アカン、目が勝手に…


いつもなら気にもしないんだがな…


リーシェ「そうだ、自己紹介の途中だったな。

私の名は、「リーシェ」だ」


リーシェと名乗る者は面頬を取った。


嘘やろ。


女やん…!


リーシェは金色の髪で、とても凛とした顔立ちをしていた。


うわ、可愛いなこの子。


リーシェ「で、こっちの子が…」


ユーナ「ユーナです!見ての通り魔法使いです!お怪我がなくて良かったです!」


五十嵐「俺は五十嵐 勇翔。ちょっとした仕事で来たんだか、あの化け物に出くわしてな…助けてくれて感謝するよ」


リーシェ「その仕事とは何なんだ?」


五十嵐「まぁちょっとした事だよ。下見程度」


リーシェ「下見…か。アスカロ王国にか?」


五十嵐「そのアスカロ王国ってなんだよ」


リーシェ「あそこに城があるだろう?あそこがアスカロ王国だ」


ユーナ「アスカロ王国はとてもいい所ですよ。食べ物も美味しいし、街がいつも賑わってますよ。観光する所もたくさんありますし」


五十嵐「そうなのか」


リーシェ「我々もアスカロ王国に行くところなんだ。これも何かの縁。そこまで一緒に行こうか」


五十嵐「わかった。なんか悪いな」


リーシェ「気にするな、さぁ行こう」




・・・・・・・




五十嵐達はアスカロ王国の前まで来た。


五十嵐「いや、デカくね?主に外壁が。巨人でも攻めてくんじゃねぇのか」


リーシェ「巨人?この辺じゃ巨人は見ないぞ。

ドラゴンはいるがな」


いないのかよ。てか今さらっととんでもない事言ったよね?ドラゴン?馬鹿なの?死ぬの?


ユーナ「さぁさぁ!勇翔さんもリーシェさんも早く行きましょう!」


外壁に着いている大きな扉が開かれた。


警備騎士1「リーシェ様!お帰りなさいませ!」


警備騎士2「ん?おい、貴様!ここらじゃ見ない顔だな。何者だ!」


リーシェ「いや、彼は帰る途中に「ザルダ」に襲われてな。我々が助けてここに連れてきた」


警備騎士2「そうでありますか。申し訳ございません!」


リーシェ「いやいいんだ。それじゃ行こうか」




・・・・・・・




街人1「あら、リーシェちゃんじゃない!今度ウチの酒屋に来てちょうだいね」


街人2「お!リーシェちゃん。お仕事お疲れ。新鮮な魚がはいったんだ。持っていきな!」


先程からリーシェは街の人に声を掛けられる。


五十嵐「なぁ、ユーナ」


ユーナ「なんですか?勇翔さん?」


五十嵐「リーシェはなんでこんなに声掛けられるんだ?有名人かなんかか?」


ユーナ「知らないんですか?リーシェさんはアスカロ王国の王女なんですよ?」


五十嵐「…は?」


え、王女って聞こえたんだけど。


聞き間違いだよな?うん、聞き間違いだ。


こんな綺麗な子が剣を持って敵を倒してたんだぜ?


そんな訳ないよな。


いやぁ最近難聴が酷いわ。


もう末期かもしれんわ。


五十嵐「ゴメン、もう一度言ってくれない?」


ユーナ「だーかーらー!!リーシェさんはアスカロ王国の王女なんです!!」


五十嵐「…マジかよ」


ユーナ「マジです。大マジです」


マジかよ。


聞き間違いじゃなかったよ。


こんな鎧纏ってる子が王女なの?


ヤバくない?危険だろ。


五十嵐「いやいや、危なくない?王女はちゃんとお城に居なきゃダメでしょ」


ユーナ「リーシェさんはこう見えてノアリス団の隊長なんですよ。チョー強いんですよ!」


五十嵐「そのノアリス団ってなんだ?」


ユーナ「アスカロ王国の防衛隊の事です。アスカロ王国やその周辺に何か起こった時はノアリス団が出動するんですよ。偶に他国からも救援もあるので出動しますけどね。あ、因みに私もノアリス団の一員なんですよ!」


五十嵐「そうなのか。なんかカッコイイな」


ユーナ「そうでしょ!そうでしょ!ノアリス団はみーんな強いんですから!」


五十嵐「あーわかったわかった。ホント元気だな、ユーナは」


ユーナ「私は元気が取り柄ですから!」エッヘン


五十嵐「はは、そいつは良いこったぁなぁ」


リーシェ「二人とも何を話している。早く行くぞ」


五十嵐・ユーナ「はーい」


にしてもユーナはよく喋るな。ちょっとうるさいのがイラッとくるが…


リーシェ「そういえば、勇翔は宿を見つけたのか?」


五十嵐「そういえばまだだったな…何処かいい所はあるか?」


リーシェ「わかった、いい所がある。そこに案内しよう」




・・・・・・・




リーシェ「ここだ」


リーシェが案内してくれた宿は他の宿とそう変わらない感じだ。


ちょっと他の所より綺麗な印象だ。


リーシェ「ここの女将はとてもいい人でな。料理も美味しいんだ。言わば穴場ってやつさ」


穴場か。そいつは期待できるな。


リーシェが扉を開け、


リーシェ「フロールさん!居ますか?」


カウンターの奥からフロールと言われる者が来た。


フロール「あら、リーシェちゃんとユーナちゃん、いらっしゃい。それと、そちらの方は?」


リーシェ「彼は五十嵐 勇翔だ。宿が見つからないからここを案内した。ここはとてもいい所だからな」


フロール「まぁ、そうなのね。女将の「フロール」です。よろしくお願いします」


五十嵐「あ、五十嵐 勇翔です。よろしくお願いします…」


フロールさんは白い服装に、やんわりとした人だった。


一言で言うならお母さん。


一目で母性溢れる人だとわかった。


リーシェ「じゃ彼を頼む」


フロール「わかったわ」


リーシェ「ではまたな勇翔。いつかまた会えるといいな」


五十嵐「こちらこそ色々ありがとう。助かったよ」


リーシェ「いいさ。困っている人を助けるのは当然さ」


ユーナ「勇翔さん!またね!時間があったら観光案内してあげます!」


五十嵐「お、そいつは嬉しいな。その時は頼むぜ」


ユーナ「わかりました!」


リーシェ「では行こうかユーナ」


ユーナ「はい!勇翔さんお城に頑張ってくださいね!」


五十嵐「おう、お前らも頑張れよ」


ユーナ「はい!では!」


そう言って2人は行ってしまった。


フロール「ではお部屋へ案内しますね」


五十嵐「ありがとうございます」


部屋の中はベッドとクローゼット、家具が何個かと非常に落ち着く部屋だった。


フロール「では後ゆっくり」ガチャ


五十嵐はベッドにダイブした。


五十嵐「あぁ〜、疲れた〜」


にしてもフロールさん綺麗だったな…


ユーナはかわいい系だな。


リーシェは可愛いと綺麗を掛け合わせた感じだな。


やっぱ王族だからか。


五十嵐「任務は明日からでいいか…もう疲れて動きたくない」


五十嵐は目を閉じそのまま眠りについた。




・・・・・・・




小鳥が囀り、窓から太陽の日がさしていた。


五十嵐「んぁ?あれ、俺寝てたのか?」


現在午前7時前。


五十嵐「やっば!?もう朝じゃねぇか!早く起きなきゃ!」


五十嵐はベッドから出て、シャワーを浴び着替え、カウンターへと向かった。


フロール「あら、おはようございます勇翔さん。昨日はぐっすり寝ておられましたね」


フロールはクスクスと笑う。


五十嵐「昨日は疲れてしまいまして…」


フロール「では朝食にしましょうか。ミリアちゃ〜ん!朝食運んでくれる〜?」


は?ミリアちゃん?って事は…


ミリア「はーい!ただいまお持ちしました!」


まただよ。また女だよ。どれだけ女が出てくりゃ気が済むんや…俺の人生はラブコメなのか!?嬉しいけども!!


ミリアと呼ばれる女性は、青い髪にツインテールであり、なんと言ってもその服装。


五十嵐「メイド服…」


こりゃご主人様も喜ぶわな。


ここの宿はそういう店なのか!?違うと言ってくれ!


フロール「運んでくれてありがとね」


そう言って、フロールはミリアの頭を撫でる。


ミリア「むふ〜!メイドとして当然です!」


フロール「こちらのお客様は五十嵐 勇翔さんよ。昨日から宿泊してるのよ」


ミリア「どうも初めまして!「ミリア」です!この宿でメイドとして働いてます!」


フロール「この子はウチの看板娘でね、結構前からここでメイドの仕事をしてもらってるの」


五十嵐「そうなんですか、でも結構若そうですけど…」


ミリア「こう見えて、17です!それに、メイドに年齢は関係ありませんからね!」


五十嵐「す、すんません…」


ミリア「フロールも若いんですからね」


フロール「と言っても24歳ですけどね」


2、24!?若いな…


確かに容姿も若く見える。ホントに若いとは…


フロール「今失礼な事考えてましたよね?」


五十嵐「い、いえ。なんでもありません…」


ミリア「まぁまぁお二人とも。せっかくの朝食が冷めてしまいますから。早く食べましょう!」


フロール「そうね。じゃ食べましょ」


五十嵐・フロール・ミリア「いただきます」


朝食はパンに卵焼き、ジャガイモ炒めにジャムやバター。


それに紅茶。


とても胃に優しい朝食だ。


五十嵐が1口食べてみる。


五十嵐「う、美味い…!」


フロール「あら良かったわね、ミリアちゃん」


ミリア「ミリアの腕は一流ですから!」


それは自分で言うもんなんだろうか…


五十嵐「はは、でもホントに美味いよ。流石メイドさんだね」


ミリア「ミリア褒められちゃいました〜」


フロール「良かったわねミリアちゃん。さぁ、冷めないうちに食べましょ」




・・・・・・・





五十嵐・フロール・ミリア「ご馳走様でした」


五十嵐「じゃ俺は部屋に戻ります。朝食ありがとうございました」


フロール「いいのよ、それじゃあね」


五十嵐は部屋に戻り、今日何をするか考えた。


五十嵐「ずっと部屋に居るのもあれだしな。外に出て観光でもするかな」


そう決めると、部屋から出た。


五十嵐「あのすいません」


フロール「どうしたの?勇翔さん」


五十嵐「少し街の方に観光に行ってきます」


フロール「それはいいわね。だったらミリアちゃんを連れていってあげて」


ミリア「ミリアがですか?」


フロール「ミリアちゃんは勇翔さんにこの街の案内をしてあげて」


ミリア「わかりました!ミリアにお任せ下さい!」


五十嵐「それはありがたい。お願いするよ」


ミリア「じゃ着替えてくるので宿の前で待っていてください」


五十嵐「わかった。先行ってるぞ」


そう伝え、五十嵐は宿を出た。


…にしても観光でいいのだろうか。


任務だから任務らしい事をしなければいけない気がする。


けど、自分の情報をバレずに協力者に接近するなんて。


簡単だと思ったが意外と難しいもんだな。


と、五十嵐が考えていると宿の扉が開いた。


ミリア「お待たせしました!」


わぉ。


水色のワンピースに青色のブレスレット。


サファイアだろうか?


にしても、青色が強いな。


でも優しい青だ。


ホントに青が似合う。


ミリア「?どうかなされましたか?」


五十嵐「いや、なんでもない」


ミリア「あ!もしかして、ミリアの姿に見とれちゃいましたか?」


五十嵐「うっさい。さっさと行くぞ」


ミリア「照れてますね〜!かぁ〜わい〜!」


五十嵐「うっせぇ!怒るぞ!」


ミリア「はーい。ごめんなさーい」


五十嵐「まったく…」


からかわれるのは苦手だ。


未だに慣れてないな。


あいつに散々からかわれているのに…


ミリア「さぁ。勇翔さん!行きましょう!」


五十嵐「はいよ」




・・・・・・・




五十嵐「にしてもホントにこの街は広いな」


ミリア「なんてったって王国ですから」


五十嵐「他にも王国はあるのか?」


ミリア「ありますよ。他に3つ王国があります」


ミリア「1つ目が科学の発展で最先端をいくオートロブ王国」


ミリア「2つ目が魔法の街と言われるサードス王国」


ミリア「3つ目が生物を扱い狩りをするモルティア王国」


ミリア「そしてここ、自然を愛し自然と共に生きるアスカロ王国です!」


五十嵐「そんなに王国があったなんて知らなかったな」


ミリア「勇翔さんは何処から来たんですか?一体何しにここへ?」


五十嵐「いやぁ、それはだな…」


まずいな…


自分の情報をバラす訳にはいかないし。


どう誤魔化そうか…


そう考えてるいると。


カーンカーン


何処からか鐘の音が聞こえた。


五十嵐「何だこの音?火事か?」


ミリア「違います。アスカロ王国が襲撃されています」


五十嵐「なに?襲撃だと?」


ミリア「そうです!ここから早く避難しましょう!」


ミリアは五十嵐を手に取り屋内へと向かった。


街人も皆屋内へと避難している。


するとそこへ…


五十嵐「おい、なんだあの集団は?皆鎧着てるじゃねぇか」


ミリア「あれはノアリス団ですね。この様にアスカロ王国に非常事態が起こった時は出動するんです」


五十嵐「ん?あれは?」


あの金髪のロングの髪型と緑色の三つ編みの女の子。間違いない。


五十嵐「おーい!リーシェ!ユーナ!」


リーシェ「ん?あぁ、勇翔じゃないか」


ユーナ「あ!勇翔さん昨日ぶりですね!」


五十嵐「昨日はありがとな」


リーシェ「礼には及ばんさ。それにミリアも一緒みたいだな」


五十嵐「あぁ、今日街の案内をしてもらっていてな」


???「リーシェ様、敵はすぐそこまで来ています。行きましょう」


リーシェ「おっと、すまないなダストル」


ダストル「いえ、さぁそこのお二人さんここは危険だ。早く屋内へ避難してください」


ミリア「わかりました。行きましょう勇翔さん」


五十嵐「わかった。じゃあな二人とも」


そう告げ、2人はまた屋内へと向かった。


ダストル「にしてもリーシェ様。あの御二方をご存知なのですか?」


リーシェ「あぁ、1人の女の子はとある宿の看板娘なんだ。もう1人は昨日帰還途中に道端で襲われているのを助けたんだ」


ダストル「そうでありましたか。流石リーシェ様ですね」


リーシェ「ありがとう。さぁ、行くぞ」




・・・・・・・




五十嵐とミリアはなんとか屋内へと避難する事が出来た。


ミリア「ここまで来ればもう大丈夫ですね…」


五十嵐「結構遠い所まで来たな。しかも教会の中だなんて洒落てんなぁ」


ミリア「ここは利用する人も少ないし、穴場のスポットみたいなものなんですよ」


五十嵐「襲撃されたって言ってたけど撃退出来るのか?」


ミリア「わかりませんけど、きっと大丈夫です。ノアリス団はとても強いですから」


五十嵐「ならいいんだがな…」


五十嵐は無性に不安だった。


このゾワゾワっとした感覚。


心臓の鼓動が速まっている。


胸騒ぎがする。


仕方ねぇ、透視でノアリス団の様子を見るか。


[透視能力]


それは物体を透かし対象の物体を見る能力のことである。


五十嵐の場合、透視と同時に様々な方向から見ることが可能なのである。


五十嵐「正門辺りかな…」


ミリア「勇翔さん何か言いました?」


五十嵐「いやなんでもない」


ミリア「そうですか…」


見つけた。思った通り正門に居たな。


リーシェ「皆の者!敵はすぐそこまで来ている!!準備はいいか!!」


ノアリス団員「「「うぉぉぉぉぉ!!!」」」


リーシェ「正門を開けよ!」


正門が開き、平原には敵が居た。


かなりの数だ。


それは良かった。


リーシェ「なっ!?あれは…!?」


ダストル「あの禍々しい気、「デスアーク」か!?」


五十嵐「あ?デスアーク?」


ミリア「え?デスアーク!?」


あ、やべ。声に出てた…


ミリア「今、デスアークって言いましたよね!?」


五十嵐「そ、そうだな」


ミリア「攻めてきたのはザルダではなく、デスアーク…」


五十嵐「お、おい。そのデスアークってなんだ?」


ミリア「この世界にはデスアークと呼ばれる魔族が存在します」


ミリア「この世界を暗黒の闇に包み込み、魔族以外を全て皆殺しにしようとしたのです」


五十嵐「した?」


ミリア「ですが、何十年もの前。全国家で勢力を尽くし、デスアークは滅びました」


ミリア「ですが、何故デスアークが生きているのか」


ミリア「生き残りか、傍また別の勢力か」


五十嵐「結構ヤバいか?」


ミリア「はい、今のデスアークは未知数の存在です。下手すればアスカロ王国が崩壊するかもしれません」


五十嵐「王国をも破壊する勢力か…」


未知数の存在、デスアーク。


太刀打ち出来るだろうか。


だが、世界存亡の敵であることは確実だろう。


…ここはいっちょやってみるか。


五十嵐「すまない、少し外へ行ってくる」


ミリア「何言ってるんですか!?外は危険です!」


五十嵐「大丈夫すぐ戻ってくるから。御手洗だから速攻帰ってくるから。な?頼むよ」


ミリア「…わかりました。すぐ帰ってきてくだいね」


五十嵐「おう、任せとけ」


五十嵐は立ち上がり、教会から出た。


でも、自分の情報をバレずに敵を倒す方法か…


どうすれば…







運命と魔法


人には知られたくない事が存在する。


例えば趣味とか。


スゴくイケメンな男性でもアイドルオタクだったり。


超美少女でも臭いものが好きだったり。


五十嵐も例外ではない。


五十嵐、不良のくせして特撮が大好きなのだ。


特に仮面ライダーやウルトラマン等。


でもそれは憧れからなのだ。


あのヒーロー達のように皆を守りたいとそう思っていた。


五十嵐「…今がその時なのか」


五十嵐は考えた末辿り着いた答えは…


五十嵐「仮面ライダーになれば顔は隠れるし、戦うことも出来る」


五十嵐は仮面ライダーとして戦うことにした。


五十嵐「よし、なら何になるか…」


仮面ライダーは昭和から存在するヒーローである。


現在、平成まで続いており今は「仮面ライダージオウ」が活躍している。


そして、五十嵐が選んだ仮面ライダーは…


五十嵐「剣…仮面ライダー剣か。騎士に似ているし、良いかもな!」


五十嵐「ならさっさと召喚させますか!」


五十嵐は両手に気を送り、イメージした。


すると、両手にブレイバックルとスペードのラウズカードが現れた。


五十嵐「ホントになんでも出来るもんだな」


そう言い、五十嵐はブレイバックルにラウズカードをセットした。


そして、腰の位置に置くとブレイバックルのベルトが巻かれた。


五十嵐の右手が前の方に出され、手の甲を返すと。


五十嵐「変身!」


五十嵐は右手でブレイバックルのレバーを引いた。


「Turn Up」


音声と同時に


ブレイドアーマーを分解した光のゲートがブレイバックルから放たれた。


五十嵐はそのゲートに向かって走り、ゲートをくぐり抜けた。


見事に五十嵐は「仮面ライダー剣」に変身する事が出来た。


五十嵐「おぉ、これが仮面ライダーの力か。力がみなぎってくる」


五十嵐「こうしちゃいられねぇ。早く行かないとな」


五十嵐は自身の能力により、元いた世界から愛用していたバイクを出現させた。


光に包まれ光が弱くなると自身のバイクがあった。


五十嵐「やっぱり仮面ライダーはバイクだよな〜。ま、これは俺のバイクだけど」


五十嵐はバイクに跨り、戦場へと発進させた…




・・・・・・・




~アスカロ王国前草原~


リーシェ「くっ!なんて数だ。ここままじゃ押し切られてしまう」


幸い、ノアリス団の魔法部隊がアスカロ王国に結界を張っているが、それがいつまで続くか…


今はとにかく敵の殲滅に専念するしかないか。


ダストル「クソっ!デスアークはここまで強かったのか!?今までより力が増している気がする…」


???「ククっ…弱いな。こんなものでは我々デスアークは倒せませんよ?」


リーシェ「奥にいるのがこのデスアーク達のボスか…」


???「さぁ?どうします?ここままではあなた方の負けですよ?降参を認めるなら命だけは助けましょう」


リーシェ「馬鹿な事を!我々ノアリス団はどんな敵にも屈指はしない!貴様らを必ず倒す!」


???「フっ…そうですか。ならここで死ね」


デスアークを率いる主将のような人物が手を架がげた。


するとデスアーク達はノアリス団に向かって一斉に駆け出した。


リーシェ達はもうダメかと諦めそうになった瞬間…


ダストル「ん?何だこの音は?」


ユーナ「何か機械のようなものが此方に走ってくるような音ですね?」


その音の方を見ると。


仮面ライダー剣もとい、五十嵐 勇翔がバイクで走ってきたのだ。


五十嵐はデスアーク達の前でバイクを止めた。


五十嵐「ふぃ〜到着っと」


???「誰ですか、貴方は。妙な格好をしていますね…」


五十嵐「俺か?俺は仮面ライダー剣だ」


リーシェ「仮面ライダー剣?そんな奴がアスカロ王国に居たとはな…」


行かない「ノアリス団とか言ったっけか?アンタらは十分戦った。アンタらは王国に逃げな」


リーシェ「何を言っている!我々はノアリス団だぞ!この命にかけてアスカロ王国を守るのだ!そんな馬鹿な事は出来ん!」


五十嵐「わかってないねぇ」


リーシェ「何?」


五十嵐「命ってのは1つしかないんだ。その命をかけるんだろ?なら、こんな所で死んでねぇで守り続けろよ。アンタらの守りたいものってのをな」


ダストル「仮面ライダー…」


五十嵐「ここは俺に任せろ!アンタらは王国に戻ってガードを堅めろ!」


リーシェ「だが…!」


五十嵐「その傷じゃまともに動けないだろ?大丈夫だって。俺一人でも勝てるよ」


ユーナ「リーシェさん…」


五十嵐「わかったなら早く行け!時間は無いぞ!」


リーシェ「わかった。すまない仮面ライダー」


五十嵐「いいってことよ」


リーシェ「皆の者!全軍退避だ!王国の警備を堅めろ!」


リーシェ達は王国に戻って行った…


五十嵐「これで思う存分出来るってもんだな」


???「たった1人で何が出来る。貴方、死にたいのですか?」


五十嵐「俺は死なねぇよ。それなりの力があるからな」


???「ほぉ、面白い。ならその力見せてもらいましょうか」


五十嵐は構えた。


ざっと100か…


なら余裕かな。


五十嵐「んじゃ、怒涛の一戦を交えようか!」




・・・・・・・




五十嵐「うおおおおおっ!!!」


五十嵐はデスアーク軍に向かって走り出した。


デスアーク軍には色んな化け物が居た。


甲冑を着た骸骨とか。


どデカいオークとか、棍棒持ってるし。


ホントに異世界なんだなと呑気に考えていた。


五十嵐はデスアーク達に殴りや蹴りを入れていく。


五十嵐「ふん!はぁ!せぃ!」


この感覚だよ。


あの時と同じ。


俺が喧嘩していた時の感じ。


まさに生きてるって感覚だ。


五十嵐「オラァ!伊達に不良やってねぇぞゴラァ!」


五十嵐は腰からブレイラウザーを取り出した。


ブレイラウザーで敵を次々切っていく。


骸骨「グギァ!」


オーク「グォォ!」


だが敵はなかなか減らない。


五十嵐「ここらでいっちょやるか」


五十嵐はブレイラウザーを開き、12枚入っているラウズカードを2枚取り出した。


そのラウズカードをスキャンさせた。


「SLASH」


「THUNDER」


「LIGHTNING SLASH」


ブレイラウザーにスキャンした能力は技として使用することが出来る。


五十嵐「はぁぁぁぁぁ!!」


五十嵐は一気に敵を切りつけていく。


???「なかなかやりますね。ですが…」


奥から炎の玉が飛んできた。


五十嵐「あっぶね!なんだ?また魔法か?」


敵にはどうやら魔法使いもいるらしい。


いろどりみどりかよ…


五十嵐「魔法か…」


その瞬間、五十嵐は思いついた。


五十嵐「だったら、こいつだ」


そう言うと、五十嵐の気が溜まっていく。


五十嵐「はぁぁぁ…」


集中させ、五十嵐の両手に2つの指輪があった。


五十嵐「連続変身、やってみるか」


五十嵐は両手に指輪をはめた。


ブレイバックルより少し上辺りに手形のバックルがついていた。


五十嵐は右手でそのバックルにかざすと…


「ドライバーオン プリーズ」


バックルはウィザードライバーに変わった。


五十嵐は左右のレバーでハンドオーサーを左向きにかえた。すると…


「シャバ ドゥビ タッチヘンシン!

シャバ ドゥビ タッチヘンシン!」


五十嵐は左手のフレイムウィザードリングのバイザーを下げウィザードライバーにかざした。


「フレイム プリーズ」


「ヒーヒーヒーヒーヒー!」


五十嵐の左から赤い魔方陣が現れ、五十嵐を通り抜けた。


そして、五十嵐は仮面ライダー剣から「仮面ライダーウィザード」に変身する事が出来た。


???「何!?姿が変わっただと!?」


五十嵐「魔法には魔法ってな」


五十嵐「確か、決め台詞はこうだっけか?」


五十嵐「さぁ、ショータイムだ!」


???「クソっ!全軍かかれ!」


五十嵐はウィザードソードガンでデスアーク達を迎え撃つ。


先程の仮面ライダー剣のブレイラウザーと違い、ウィザードソードガンは剣と銃を両方使う事が出来る。


五十嵐「ふん!せぃ!」


五十嵐は華麗に切りつけていく。


まるで本物の魔法使いのように軽やかに。


五十嵐はウィザードソードガンのハンドオーサーを展開した。


「キャモナスラッシュ シェイクハンズ!

キャモナスラッシュ シェイクハンズ!」


五十嵐は左手をハンドオーサーにかざした。


「フレイム」


「スラッシュストライク!ヒ・ヒ・ヒ!」


ウィザードソードガンに炎が纏った。


五十嵐「はぁぁぁぁ、オラァァァ!!」


五十嵐は敵を切りつけた。


???「クッ、こんな1人にやられるなど…!?

ここは一旦引きましょう…!」


五十嵐「させねぇよ!」


???「何!?」


五十嵐はベルトのハンドオーサーを右に変え、右手にキックストライクウィザードリングをはめた。


「ルパッチ マジック タッチ ゴー!

ルパッチ マジック タッチ ゴー!」


五十嵐は右手をベルトにかざすと。


「チョーイイネ!キックストライク!サイコー!」


五十嵐は側転やハンドスプリングを掛け合わせた体操のように動きジャンプした。


そして、魔方陣が現れデスアークのボス目掛けキックストライクをした。


五十嵐「はぁぁ…だぁぁぁぁぁ!!!」


デスアークのボスは直撃をくらった。


そして、


???「グハァ!こんな…はずでは…グァァァァァ!!!」


叫び声と同時にデスアークのボスは爆散した…


五十嵐「ふぃ〜」


なんとか倒すことが出来た。


さて、王国にもど…


あれ?なんか忘れてるような…


五十嵐「…あ」


やべぇ。


ミリアの事忘れてた。


教会に置いてけぼりだった!


五十嵐「ヤバいヤバいヤバいヤバいヤバい」


落ち着け、とりあえず戻ろう。


言い訳は走りながら考えるとしよう。


うん、それがいい。


五十嵐「急げー!!」


五十嵐は急いでバイクに乗り王国に向けて走り出した…




・・・・・・・




リーシェ「やった…のか?」


ダストル「どうやらあの仮面ライダーとやらのおかげでデスアーク達は殲滅出来たようですね」


リーシェ「仮面ライダー…か。ダストル頼みがある」


ダストル「なんで御座いましょうか」


リーシェ「あの仮面ライダーという者は恐らくこのアスカロにいるだろう。見つけて来てはくれぬか?褒美を与えたい」


ダストル「ですがリーシェ様。あの仮面ライダーという者は誰だか存じませぬぞ。どう探せばよろしいのでしょうか?」


リーシェ「声は聞いた感じ男だろうな。それしかわからない」


ダストル「それだけでは探すのは困難かと…」


リーシェ「うむ…仕方あるまい。この頼みは聞かなかった事にしてくれ」


ダストル「承知しました」


リーシェ「にしてもあの仮面ライダー。たった1人でデスアーク達に勝つとは…一体何者なのだ…」


一方、ミリアの存在を忘れていた五十嵐は…


五十嵐「ヤバいヤバい。怒られちまう。どう説明しようか…」


五十嵐は教会の前まで来たは良いものの言い訳を考えていた。


五十嵐「仕方ない、トイレのドアが開かなくなったとかでいいか、それでいこう」


言い訳が決まり、教会のドアを開けた。


五十嵐「悪い!遅くなった!」


だが、ミリアの姿は見当たらない。


何処かに移動したのだろうか?


五十嵐「おーい!ミリアー!居るなら返事しろー!」


すると、女の子の泣く声が聞こえる。


その泣く方の所へ行くと…


五十嵐「ミリア…」


ミリアが教会の椅子の所で泣いていた。


五十嵐「おいミリア、怪我はしてないか?」


ミリア「勇翔…さん?」


五十嵐「あぁ、俺だ。今戻ってきた。遅くなって悪いな」


ミリア「勇翔さん…勇翔さぁぁぁぁん!!」


五十嵐「うぉっと!」


ミリアが更に泣きだし、五十嵐に抱きついた。


ミリア「勇翔さん、ミリアはメイドなのに…勇翔さんを守らなきゃいけないのに…」


五十嵐「わかったわかった。とりあえず泣くな。な?俺はここに居るから。だから泣きやめって」


ミリア「あの時勇翔さんを行かせなければよかったんです…帰りが遅くて、もしかしたらって思ってたのに、体が動かなくて…」


五十嵐「……」


ミリア「ミリアはメイド失格です…お客様も守れないなんて…」


五十嵐「それは違うぞミリア」


ミリア「え?」


五十嵐「ミリアは立派なメイドさ。料理も美味いし、皆からも慕われてる。こんないいメイドは滅多に居ないさ。それに俺が遅くなったのが悪いし、ミリアは何も悪くないよ」


ミリア「そんな事ありません…宿では失敗も度々ありますし、今回も勇翔さんを危険な目な中外へ行かせてしまいました。本当に申し訳ございません」


五十嵐「謝るのは俺さ。こんな危ない中ミリアを1人にさせてしまった。ホントにゴメン」


ミリア「でも…」


五十嵐「でもじゃない。悪かったのは俺だ。それにこうしてミリアの無事な姿が見られて安心したよ」


ミリア「ミリアもです。勇翔さんにまた会えて良かったです」


五十嵐「女の子は涙は似合わない、ミリアは笑顔が1番さ」


ミリア「えぇ!?それって…///」


五十嵐「いや今のは聞かなかった事にしてくれ。自分でも恥ずかしいんだから」


ミリア「ふふっ。勇翔さんは本当に面白い方ですね」


五十嵐「うるさい、からかうな」


ミリア「はーい、わかりましたよ」


そう言い、五十嵐とミリアはお互い顔を見て、ふふっと笑ったのであった。


ミリア「それにしてもデスアーク達はどうしたんでしょうか」


五十嵐「あぁ、それなら倒せたみたいだよ」


ミリア「本当ですか!?良かったですぅ〜」


五十嵐「街は今頃お祭り騒ぎじゃないか?」


ミリア「かもしれませんね!少し行ってみましょう!」




・・・・・・・




五十嵐「思った通り賑わいが増してるな」


ミリア「それはデスアーク達を倒すことが出来ましたからね!皆さんも騒ぎたいですよ」


街人1「おい、聞いたか。ノアリス団はボロボロに帰ってきたらしいぞ」


街人2「え!本当かよ。よくそれで倒せたな」


街人1「どうやら、ヘラクレスの顔した騎士や宝石の魔法使いが倒したみたいなんだよ!それも1人で!」


街人2「はぇ〜、そいつはすげぇな」


街人1「いや〜感謝しかないね!今日の酒は美味いぞ〜」


「「ハッハッハっ!!」」


ミリア「ヘラクレスの騎士と宝石の魔法使い?そんな人ノアリス団に居たんですかね?」


ミリアが五十嵐の方を見ると。


五十嵐「ど、どうなんだろうねー。は、はは」


凄い汗をかいていた。


これが冷や汗ってやつか。


ま、まぁバレなきゃいいんだよバレなきゃ…


ミリア「凄い汗ですけど、大丈夫ですか?」


五十嵐「お、おお!大丈夫大丈夫!余裕!」


ミリア「何が余裕なんですか…」


ジト目で五十嵐を睨む。


五十嵐「まぁまぁ、細かい事は気にしない。

ちょっとノアリス団の様子見に行かないか?」


ミリア「そうですね、皆さんの事が気になりますし」


五十嵐「んじゃま、行くか」


一方、アスカロ城では…


王様「何!?撤退だと!?」


リーシェ「も、申し訳ございません、父上」


王様「なら、デスアーク達はどうしたんだ!まさか、野放しと言うのではあるまいな!」


ダストル「いえ、その心配は御座いません。仮面ライダーという人物がデスアーク達を殲滅致しました」


王様「何?仮面ライダー?誰だそいつは」


リーシェ「我々ノアリス団も存じ上げません。

ですが、このアスカロ王国に居ると思われます」


王様「仮面ライダーかぁ…」


王様「その仮面ライダーに褒美をしたい。お前ら、その仮面ライダーと思われる人物を探し出せ!」


ダストル「ですが、顔は隠れており、男という事しかわかっておりません!」


王様「うるさい!なにがなんでも探し出すのだ!今回撤退した罰だ!いいか!1週間以内に見つけ出せ!わかったか!」


リーシェ「異論は認めん!さっさと探しにいくのだ!」


リーシェ「し、承知しました。父上」


王国「それと、次は撤退などするんじゃないぞ!王国とノアリス団の名が穢れるわ!」


リーシェ「承知しました…皆の者!行くぞ!」


「「「ハッ!」」」




・・・・・・・




五十嵐「ノアリス団ってよ組織なんだろ?建物とか無いのかよ」


ミリア「ノアリス団は基本城の中に居ますよ。出撃もそうですが、城の警備やアスカロの警備もしますからね」


五十嵐「え、ちょっと待て。じゃ俺ら入れなくない?無理だよね?」


ミリア「はい、無理ですね」


五十嵐「困ったなぁ」


ミリア「にしても勇翔さんはリーシェ様とお知り合いなんですか?結構親しく接しくされていましたけど」


五十嵐「いやね、ここに来る前にザルダ?だっけ?それに襲われてね。その時助けてもらったんだ」


ミリア「ザルダに襲われたんですか!?大丈夫なんですか?」


五十嵐「大丈夫大丈夫、リーシェとユーナに助けてもらったからね。あの二人は強いね」


ミリア「それは災難でしたね。でも、ここ最近ザルダはよく出没するらしいですからね」


五十嵐「あのさ、そのザルダってなんなの?」


ミリア「え!ザルダをご存知ないんですか!?」


五十嵐「いや、そうなんだよね。は、はは…」


ミリア「勇翔さんって何も知らないですよね?常識が欠けてますよ!」


五十嵐「す、すいません」


ミリア「はぁ…じゃ説明しますよ?」


ミリア「ザルダと言うのは言わゆる凶暴化した化物の事です。勇翔さんは何に襲われたのですか?」


五十嵐「あー、なんかゲルみたいな、スライムみたいな?」


ミリア「スライムですか。それもザルダですね。」


五十嵐「それも?」


ミリア「スライムの様な化物、中にはモンスターと言う方もいらっしゃいますね。あの様な化物をザルダで、魔獣や魔物を扱う魔族がデスアークです」


五十嵐「う、うん?なんとなくわかった。かも…」


ミリア「なんとなくって」


五十嵐「まぁまぁ、細かい事は気にしない気にしない!」


ミリア「はぁ、勇翔さんって適当ですよね」


五十嵐「まぁ難しく考えないでテキトーにやる。俺は何にも縛られずに自由気ままに生きたいからね」


ミリア「マイペースなんですね」


五十嵐「まぁ、そうかもしれんな」


そんな話をしていると


五十嵐「お?あれは…」


リーシェ「む、勇翔にミリアか。また会ったな」


ユーナ「また会いましたね!勇翔さん!」


五十嵐「お二人共お勤めご苦労さん。でも丁度良かった。2人に会いたくてね」


リーシェ「私達に何か用か?」


五十嵐「用って程でも無いんだけど、2人は無事かな〜ってね」


リーシェ「所々怪我はしているが何とか大丈夫だ。あの仮面ライダーのおかげでな」


その仮面ライダーは俺なんだけどね。


ユーナ「一時はどうなるかと思いましたよ。なんせデスアークが復活するし、ノアリス団は負けそうになるし」


五十嵐「それは良かったな」


リーシェ「良い訳がないだろう!」


リーシェが大声で言った。


五十嵐「おいおい、何怒ってんだよ」


リーシェ「我々ノアリス団は負けそうになり、おまけに王国に逃げたんだぞ!これは国家の信用に関わるんだ!民を不安にさせる訳にはいかないんだ」


五十嵐「でもその仮面ライダーのおかげで助かったんだろ?ならいいじゃねぇか。また戦えばさ」


リーシェ「それではダメなんだ。あの時デスアーク達は以前より強かった。それも我々が何も出来ない程に…」


リーシェはとうとう泣き出してしまった。


ユーナやミリアはどうしたらいいかと言う顔をしていた。


こういう雰囲気は好きじゃねぇな。


五十嵐「いいかリーシェ、よく聞け」


リーシェ「なんだ?」グスッ


五十嵐「これはチャンスなんだよ」


リーシェ「チャンス?」


五十嵐「そう、確かにあの時のお前らは弱かったかもしれない。でもな、今からでも強くなれるだろ?あの仮面ライダーだってずっと戦うのかはわからない。でも、お前らはずっと闘って守らなくちゃいけない」


リーシェ「………」


五十嵐「だからここで立ち止まってはいけないんだよ。民を守りたいなら強くなれ。それがノアリス団の隊長の役目だろ?」


五十嵐はそう力強く言い、リーシェの頭を撫でた。


リーシェはいきなり撫でられた為びっくりした顔で五十嵐を見た。


五十嵐「いや、悪い!近所の子どもを世話してるせいで、つい癖で…」


そう言うと、リーシェは微笑んだ。


リーシェ「いや、少し驚いただけさ。撫でられるなんてそんなになかったからな」


五十嵐「そうなのか?俺は今でも両親から撫でられるぜ?全くこっちはもうガキじゃねぇってのに…」


リーシェ「それは羨ましいな。私は昔、母に撫でてもらった事しかない」


そりゃそうだ。18にもなって撫でられる方がおかしいだろ。


リーシェ「でも、それも昔の話。今は母上はいない。私の家族はもう父上しかいない」


それを聞いた瞬間五十嵐は言葉を失った。


ミリアとユーナを見ると悲しそうに顔を俯かせていた。


五十嵐「悪い、余計な事聞いたな」


リーシェ「いやいいんだ。もう昔の事さ。気にすることは無い」


五十嵐は黙っている事しか出来なかった。


リーシェ「さて、世間話はここまでとしよう。ユーナ行こうか」


ミリア「どちらに行かれるのですか?」


リーシェ「父上の命令でな。仮面ライダーを探せと言われてな。ノアリス団の団員達でその者を探しているんだ。と言っても男という事しかわかってないのだがな…」


あ、これまずいやつだ。


五十嵐「そ、そうなのか。見つかるといいな」


ユーナ「でも情報が無さすぎますよ!街の人に聞いても誰も知らないんですから」


そりゃそうだ。俺だもん。


リーシェ「全く父上も無理難題な命令をしてくるものだ」


ミリア「それは困りましたね。良かったらミリア達も手伝いましょうか?」


おいミリア。なんちゅう事言ってくれるんや。


リーシェ「いや大丈夫だ。君達の手を煩わせる訳にはいかない」


ミリア「でも少しでも人手が多い方がいいじゃないですか!」


五十嵐「おいミリア。リーシェも大丈夫って言ってるじゃないか。困らせるんじゃないぞ?」


ミリア「なんですか。勇翔さんは手伝いたくないんですか?リーシェさん達に助けてもらったんですよね?」


五十嵐「いや、それはだな…」


ミリア「なら手伝いましょう。恩を仇で返してはいけませんよ」


五十嵐「それ言われたら何も言い返せない…」


ミリア「決まりですね!私達も手伝いますよ!」


リーシェ「本当にいいのか?かなり大変だぞ?」


ミリア「大丈夫です。なんせ勇翔さんがいますから!」


五十嵐「おいなんで俺任せなんだ?一応客なんだけど?」


ミリア「何か言いました?」


五十嵐「いえ、何も言ってません!」


ミリア「わかればいいんです」


ミリアはそう言いふふっと笑う。


リーシェ「ふっ。2人は仲が良いんだな」


ユーナ「まるでカップルですね!」


五十嵐「はぁ!?カップル!?」


五十嵐「何言ってんだよ。俺は客でミリアは宿のメイドなんだぞ?そういう関係じゃないんだよ。な、ミリア?」


五十嵐がミリアの方を見ると。


ミリア「ミ、ミリアと勇翔さんが、カカカ、カップル…///」


おいマジかよ。


リーシェ「ミリアの方は満更でも無さそうだな」


五十嵐「おいおい、勘弁してくれよ…」


ミリアはずっと顔が赤くなっている。湯気が見えそうな程に。


リーシェ「さ、時間は少ない。早速行こうか」


五十嵐「ほら、ミリア。行くってよ。しっかりしろって」


ミリア「はひゃ!?な、なな、なんですか!?勇翔しゃん!」


噛んだな、可愛い。


ミリアは噛んだことにより、更に赤くなる。


五十嵐「落ち着けって。ほら仮面ライダー探しに行くんだろ?行くぞ」


ミリア「は、はい!」


こうして、4人は街に仮面ライダー探しに、ほぼ情報集めに近いが、気にしないでおこう。


仮面ライダーはすぐ側に居ることを知らず闇雲に聞き出していく。


五十嵐(さて、どうしたものか…)




・・・・・・・




陽は沈み、すっかり辺りが暗くなってきてしまった。


結局、仮面ライダーおろか、有力な情報も得られなかった。


ユーナ「仮面ライダー見つかりませんでしたね…」


リーシェ「仕方ないさ。まだ探し始めたばかりだし、1週間まで猶予がある。また明日探すとしよう」


ミリア「何も情報も得られませんでしたし、誰も仮面ライダーをご存知無いのですね…」


リーシェ「今日はもう遅い。2人は宿に戻るといい」


ミリア「お役に立てなくてすいません」


リーシェ「いやいいんだ。此方も探してもらい感謝している。ありがとう」


ユーナ「さっきから勇翔さん喋ってませんけどどうかしましたか?」


勇翔「ん?い、いやなんでもないよ。ちょっと疲れただけさ」


ミリア「なら、早く宿に戻りましょう。きっとフロールさんも夕食を作って待っている頃ですよ」


あっぶねー、考え込んでて気づかなかった。


にしても、バレなくて良かった。


どうやら誰にもバレていないようだし、ひとまず一安心だな。


リーシェ「じゃ、ユーナ。城に戻ろうか」


ユーナ「はい。ではまた明日よろしくお願いしますね」


五十嵐「わかった、じゃここでまた立ち会おう」


ミリア「では、さようなら」


五十嵐とミリアは宿へと足を進める。




・・・・・・・




現在時刻午後7時をまわる前に宿に着いた。


ミリア「ただいま戻りました」


フロール「おかえりなさい。デスアークの襲撃にあったけど、2人共怪我はない?」


五十嵐「はい、ミリアと2人で教会の中で身を潜めていました」


ミリア「勇翔さんったら途中で居なくなるんですもの。ビックリしましたよ」


五十嵐「それで泣いてたのはどこのどいつだっけ〜?」


五十嵐は意地悪っぽく言う。


ミリア「ちょっと勇翔さん!言わないで下さいよ!」


五十嵐「ははは、悪い悪い!」


2人の仲の良さを見て、フロールは笑う。


フロール「ふふふ、もうすっかり仲良くなったみたいね」


ミリア「むぅ、確かにそうですけど!ミリアの事はからかわないで欲しいです!」


五十嵐「お前いっつもやってんだろ…」


フロール「まぁまぁ、2人共。夕食も出来たし、食べちゃいましょう?」


ミリア「早く食べたいです〜!お腹ぺこぺこです〜」


フロール「じゃ、手を洗って席に着いててね〜」


五十嵐「じゃ俺は一度部屋に戻りますね」


ミリア「わかりました。ではまた後でお呼びしますね」


五十嵐「じゃ頼むよ」


五十嵐はそう言い残し、部屋に戻った。


五十嵐は部屋に戻り、ベッドにダイブした。


五十嵐「はぁぁぁぁ…今日は一段と疲れたな」


どっと疲れが押し寄せてき、でかい溜め息が出る。


五十嵐「実践の戦闘は初めてだったな。結構疲れるな〜」


五十嵐の能力は全て扱える。


恐らく、小さい能力はさほど力を使う必要は無いが、今回の様にかなり力を使うと体力の消費が速い。


五十嵐「体力をつけて、戦っても疲れないぐらいに訓練しないとな」


そうすれば、まだ強い力が使えるだろう。


物は試し、どんどん能力を使っていこう。


五十嵐「さて、明日はどうするかな…」


問題は明日の事。


仮面ライダーを探すと言っても、それが自分だという事は誰も知らない。


俺が仮面ライダーと言ってバラすのは容易いが、それは任務違反になる為バラす訳にはいかなかった。


五十嵐「世界を救う協力者か…」


考え込んでいるとドアの方から声が聞こえた。


ミリア「勇翔さん。夕食の準備が出来ました。早く食べましょう?」


五十嵐「おっけー今行くよ」


とりあえず後で考えよう、なんとかなるさ。




・・・・・・・




ここはアスカロ城のノアリス団の本部。


ダストル「結局見つける事は出来なかった…」


リーシェ「まぁ、まだ始まったばかりだ。直ぐに見つかるとは限らんさ」


ユーナ「1週間で見つかるのでしょうか…」


リーシェ「見つけなければならないだろうな。父上がお怒りになるからな」


ユーナ「でも、見つからなかったら…」


ダストル「何かしらの処罰があるかもな。撤退もしてしまったし。王はそこを気にかけている」


リーシェ「仕方あるまい。これも全て国の為だ。こんなところで信用を落とす訳にはいかないからな」


ダストル「リーシェ様、お疲れではありませんか?お部屋に戻られた方が…」


リーシェ「いや気にするな。今日はかなり動いたからな。父上に報告もしなければならない」


そう言い、リーシェは立ち上がろうとするとよろめいてしまった。


ダストル「大丈夫ですか!やはりお部屋に戻られた方いい。報告は私がしますので」


リーシェ「すまない、ではお言葉に甘えるよ」


そう言って、リーシェは部屋に戻った。


ユーナ「リーシェ様大丈夫でしょうか?」


ダストル「あれでもかなり責任を感じているのであろう。王もかなりお怒りだったからな」


ユーナ「リーシェ様…」


ダストル「我々ももっと強くならないとな。でなければアスカロおろか、世界もデスアーク共に飲み込まれてしまう」


ユーナ「私もっと頑張って強くなります!」


ダストル「そうか。私も精進しなくてはな」




・・・・・・・




部屋に戻ったリーシェはベッドに横たわった。


リーシェ「仮面ライダー、見つける事が出来なかったな…」


リーシェは仮面ライダーを見つけられなかった事に酷く落ち込んだ。


リーシェ「情報も無しに1週間…か」


一体父上は何故そこまでして、仮面ライダーに対して褒美をしたいのだろうか。


リーシェはその事だけがずっと気がかりだった。


リーシェは懐からペンダントを取り出し、フタを開けた。そこには1人の女性が写っていた。


リーシェ「母上…」


その写真はリーシェの母親が写っていた。


リーシェ「こういう時、母上ならどうしますか?」


そう1人呟き、リーシェは昔の事を思い出していた。




・・・・・・・




アスカロ王国の城内の一室。


そこに1人の女の子と女性がいた。


???「はい、出来ましたよ。リーシェ」


リーシェ「わぁ!すごくキレイ!ありがとう母上!」


リーシェは母親からドレスを着せてもらった。


リーシェ「ねぇ!父上に見せに行ってもいい?」


リーシェ母「ふふ、いいわよ。行きましょう?」


リーシェは母親の手を取り、王室へと向かった。


王室で1人の男が机に向かい、今後の他国の面会の書類を見ていた。


扉からノックが聞こえた。


???「どうぞ」


リーシェ母「失礼します。ほらリーシェ」


リーシェ「父上!母上にドレスを着せてもらいました!どうですか?」


王様「ほっほっほ。よく似合ってるじゃないか!凄く綺麗だぞ〜」


リーシェ「ありがとう父上!」


リーシェ母「良かったわねリーシェ」


リーシェ「はい!」


王様「こんな綺麗なドレスなんだ。きっと大きくなったらもっと綺麗になるんだろうな、君と一緒でね」


リーシェ母「もぅ、あなたったら」


リーシェ「父上と母上は仲良しですね!」


王様「そうだね。でもリーシェと入れて3人で仲良しだぞ」


リーシェ母「そうね。ほら、リーシェいらっしゃい」


リーシェは母親と父親の元に向かった。


リーシェ「母上も父上も大好きです!」


王様「ほっほっほ。私達もだぞ」


リーシェ母「リーシェは私達の宝物よ」


そう言って、リーシェの頭を撫でた。


リーシェ「母上…父上…」




・・・・・・・




リーシェ「んぅ…」


リーシェはベッドから体を起こした。


どうやら寝てしまったようだ。


気づけば外は陽が出ていた。


手にはペンダントが握られていた。


リーシェ「懐かしい夢を見たな…」


リーシェは立ち上がり、今日の準備を始めた。


同時刻


五十嵐が泊まる宿では…


ドンドン


扉の叩く音が聞こえた。


五十嵐「な、なんだ!?敵襲か!?」


扉越しから声が聞こえる。


ミリア「勇翔さん!いつまで寝てるんですか!もう朝食出来てますよ!早く降りてきてください!」


そう言い残し、ミリアは下に降りていった。


五十嵐「なんだ。もうこんな時間かよ…」


五十嵐は昨日の疲れですぐに眠ることが出来た。


五十嵐「にしても昨日は疲れたな。今の体の調子はよさそうだ。うん、じゃ今日も仕事に取り掛かるか」


五十嵐は自身の調子を確認した、準備を始めた。




・・・・・・・




とある噴水前────


五十嵐「お!いたいた。おーい!」


リーシェ「勇翔か。遅かったじゃないか」


ミリア「勇翔さん準備が遅いんですよ」


五十嵐「お前それは言わない約束だろ!」


ミリア「はて?そんな約束しましたかね?」


五十嵐「してません…」


ユーナ「本当に仲が良いんですね」


五十嵐「ま、まぁそうかもな」


ミリア「ミリアはこんな人が居て大変ですよ」


五十嵐「俺が客である事忘れんなよ」


リーシェ「まぁいい。さて、今日も行こうか」


五十嵐「ちょっと待って」


リーシェ「どうした?勇翔」


五十嵐「そのさ、仮面ライダーってさ。ホントにアスカロに居るのか?もしかしたらよ、他の王国の奴なんじゃないか?」


リーシェ「どうしてそう思う?」


五十嵐「アスカロには誰も知る人が居ないじゃん?なら、他の王国の可能性もあるんじゃないか?」


リーシェ「ふむ、確かにそうかもしれないが、あの時仮面ライダーはアスカロの方から来たんだぞ」


五十嵐「一時的にアスカロに居て本来は他の王国かもしれないじゃん?」


五十嵐「恐らくアスカロには居ないと思うよ。他の王国だよきっと」


リーシェ「なら今日は他の王国に行くとするか」


ユーナ「そうですね、勇翔さんがそこまで言うなら行ってみましょうか」


五十嵐「悪いな俺の我儘で」


リーシェ「いやいいんだ。私も他の王国に居るという考えは少なからずあったからな。丁度いい機会さ」


五十嵐自身何故こんな事を言ったかには理由がある。


他の王国に行き、時間稼ぎもあるが、他の国に行き何かしらのこの世界の情報が知りたかったからだ。


ミリア「なら何処へ行きましょうか」


ユーナ「ならサードス王国はどうでしょうか。あの仮面ライダーも魔法を使っていましたし」


リーシェ「成程、魔法にはサードス王国が先端をいってるからな。よし、ではサードスに行くとしよう」


ミリア「かなり長旅になりそうですね」


リーシェ「とりあえず、父上に伝えなければな」


ミリア「私もフロールさんに聞かないと」


五十嵐「じゃ、また後でここで合流だな」


ユーナ「わかりました。お荷物も忘れないでくださいね」


五十嵐「わかった。じゃ後で」


そう言い残し、双方は戻る事にした。


正午を過ぎたあたり双方は再会した。


五十嵐「王様はなんだって?」


リーシェ「行くのはいいが必ず連れて来いと言っていた」


ミリア「ミリアもフロールさんに気をつけてと言われました」


ユーナ「私はリーシェ様のお供をするので大丈夫です」


五十嵐「ここからどれくらいかかるんだ?」


リーシェ「そうだな。大体1日半ってところか」


五十嵐「かなりかかるな。それじゃ明日ぐらいには着くか」


リーシェ「そうだな。時間も惜しい。すぐ出発しよう」


五十嵐一行は馬車を雇いサードス王国へと向かった。




・・・・・・・




道中────


五十嵐「腹減ったな」


ユーナ「丁度良かった。昼食持ってきましたよ」


五十嵐「おぉ!こいつは助かるぜ!」


ユーナが持ってきたカゴにはサンドウィッチが入っていた。


五十嵐「んじゃいただきます」


五十嵐は1つのサンドウィッチを手に取り、口に運んだ。


五十嵐「はむ、モグモグ。んん!こいつはいけるな」


五十嵐が食べたものはハムとレタスが挟まっているサンドウィッチだ。


コンビニよりはるかに美味かった。


ユーナ「喜んでもらえて良かったです」


ミリア「ユーナさん。レシピとか教えていただけますか?」


ユーナ「えぇ、いいですよ」


ユーナがにっこり笑い2人が話してる中、1人寂しく行く先の前を見ていた。


五十嵐「なーにやってんだ?飯無くなっちまうぞ?」


リーシェ「いや遠慮しておく。いつ襲われてもいいように警戒しとかねば」


リーシェはそう言うが。


グゥ〜


五十嵐「へぇ、お腹は悲鳴をあげてるみたいだけどな?」


リーシェ「こ、これは違うんだ///その、だな」


五十嵐「いいよいいよ。見張りなら俺がしとくから食ってこいよ。いつ襲われてもいいように腹いっぱいにしとけ」


リーシェ「そうか。すまないな」


五十嵐「いいって事よ」


リーシェは五十嵐と見張りを交代し、昼食を取り始めた。


五十嵐「こうしてみるとホント平和だよな〜世界なんか滅亡するのかって疑うくらいな」


馬主「何か言いましたか?」


五十嵐「いんや、何も言ってねぇよ」


しばらくして、五十嵐が見張りをしているとあるものが物体に飛び込んだ。


五十嵐「なんだありゃ…」


黒い生き物、集団でこちらに向かって走ってくる。


五十嵐「おい馬主!馬車を止めろ!」


馬車が止まり、五十嵐は馬車から降りる。


五十嵐「ありゃ一体なんなんだよ」


リーシェ「あれは「モシア」だな」


ミリア「ザルダですね。その中の凶暴な魔物です」


五十嵐「まるで闘牛だな…」


リーシェ「これは厄介な事になったぞ。モシアは真っ直ぐにしか走らない。何かしら大きな衝撃を与えないと止まることは出来ない」


五十嵐「ならどうしろってんだよ…」


ユーナ「ここは私がいきます」


五十嵐「え?ユーナが?」


ユーナ「この前見せましたよね?私は雷の魔法使いですから。何とか痺れされて動きを止めます」


五十嵐「そうか、じゃ頼んだぞ。じゃ俺ら3人は下がって…あれ?ミリアは?」


五十嵐はミリアが居ないことに気づき辺りを見回す。


ミリアは何故かユーナの隣に居た。


五十嵐「おい!ミリア危ないぞ!こっち来い!」


ミリア「ミリアもやります!」


五十嵐「何言ってんだよ!危険だからこっち来いって!」


リーシェ「なんだ。勇翔は知らんのか?」


五十嵐「あ?何がだよ!」


リーシェ「ミリアもまた、魔法使いなんだ。水の魔法使い」


五十嵐「え」


そう言えば教会に居た時守るだのなんだの言ってたな…


そういう事だったのか…


ミリア「ミリアの魔法で洪水をモシアにぶつけます。その時にユーナさんの電撃でミリアの魔法に流し込んでください」


ユーナ「わかった!やってみるよ!」


2人は意識を集中させ、力を溜め込んでいる。


そして、2人の前に魔方陣が現れ、こう唱えた。


ユーナ「サンダーブロー!!」


ミリア「ウォータースター!!」


瞬間、魔方陣から大量の水がモシア目掛け流れ込んだ。


そしてユーナの魔法により、モシアに流れ込んだ水に電撃が走った。


「「「グモォォォォォォ!!!」」」


魔法をくらったモシア達は洪水の勢いと電撃により、倒れ込んだ。


五十嵐「こいつはすげぇ…」


ミリア「やりました!」


リーシェ「2人ともありがとう。おかげで助かったよ」


ユーナ「いえいえ、このくらい当然ですよ!」


五十嵐「にしてもミリアが魔法使いだったとはね」


ミリア「こう見えてメイド意外にも出来ますからね」フフン


五十嵐「あの時の言葉通りってか…」


ミリア「言ったじゃないですか。勇翔さんはミリアが守るって」


五十嵐「なんか女に守られんのは性にあわんな」


ミリア「いいじゃないですか。勇翔さんは弱いんですから」


五十嵐「あのなぁ…」


馬主「皆様助かりました。なんとお礼を言っていいやら」


リーシェ「いや、気にするな。サードスまで送ってもらうお礼さ」


馬主「そうですか。では安全にお届けしなければなりませんな」


馬主は笑い、馬車に乗る。


五十嵐達も馬車に乗り再び出発した。




・・・・・・・




リーシェ「だいぶ日が暮れてきたな。馬主よ、今日はここで休ませてくれないか?」


馬主「わかりました。では、ゆっくりおやすみください」


馬車が止まり、五十嵐達は野宿する事にした。


ユーナ「野宿なんて久しぶりですね」


リーシェ「そうだな。あの時以来あまりしてないな」


五十嵐「ん?あの時?」


五十嵐は夜食にジャガイモの蒸しものを食べながら聞いた。


リーシェ「あぁ、かつてデスアーク達がこの世界を包み込もうとした時があった。その時は我々の祖先が命を懸けて戦い勝利を収めてくれた。だが、残党は未だに残っていてな。私達はその残党の殲滅をしていたんだ」


五十嵐「成程。だから野宿ねぇ」


ミリア「ミリアは野宿は初めてです」


リーシェ「そうか。室内とは違い解放的で悪くは無いぞ」


ミリア「確かにこの星空の下で寝れるなんてロマンチックですね」


リーシェ「そうだろう?旅はいいものさ」


ミリア「そうですね。偶にはいいかもしれませんね」


リーシェ「すまない、辺りを少し見てくる」


ユーナ「じゃ私も行きます」


リーシェ「いや、大丈夫だ。明日も早い。もう寝た方がいいだろう。すぐ戻ってくる」


ユーナ「わかりました。お気をつけて」


リーシェはそう言い残し、川辺へと向かった。


ミリア「にしても今日は久々に魔力を使ってとても疲れました」


ユーナ「私もです。ふわぁ〜」


ユーナは眠そうに欠伸をする。


五十嵐「今日はもう遅い。2人は寝な」


ミリア「勇翔さんは?」


五十嵐「俺はリーシェが帰ってくるまで起きてるよ。見張りも兼ねてね」


ユーナ「わかりました。ではお言葉に甘えて。おやすみなさい」


ミリア「おやすみなさいませ勇翔さん」


五十嵐「あぁおやすみ」


2人はかなり疲れていたのであろう。すぐに眠ってしまった。


2人が寝てしばらくして、五十嵐は違和感を感じた。


五十嵐「リーシェの奴、遅くないか?」


川辺に行ってからかなり時間が経ったが、未だにリーシェは帰ってこない。


五十嵐「様子を見に行くか」


五十嵐は立ち上がり川辺へと向かった。


五十嵐が暗い中探していると、月の光で辺りが少し明るくなった。


リーシェは川辺の石に座っていた。


五十嵐「何やってんだこんな所で。風邪引くぞ」


リーシェは五十嵐の存在に気づきこちらを向いた。


五十嵐「な…!」


リーシェは泣いていた。


リーシェ「すまない。変なところを見せたな」


五十嵐「いや別に…なんか、あったのか?」


リーシェ「少し、昔を思い出していたんだ」


五十嵐「昔の事か…」


リーシェ「少し聞いてくれないか?今は話していたい気分なんだ」


五十嵐「わかった」


五十嵐はリーシェの横に座る。


リーシェはぽつぽつと話してくれた。


リーシェ「まだ、母上が生きていた時だ。私はまだ幼く王女になる前の話だ」


リーシェ「母上はとても優しくて、いつも傍に居てくれた。父上はその時から国を収める王で、ノアリス団の隊長でもあったんだ」


リーシェ「父上は力にこだわりを持っていた。だから私に剣術を教えてくれた。その時はよく泣きながらやっていたよ。父上はそんなんじゃ民を守れんぞ!って言っててね。その時の父上は魔物より怖かったかもね」


リーシェ「でも、ある時。1度デスアークの残党がアスカロ王国に襲撃した時があったんだ。父上はノアリス団と共にデスアークの残党と戦っている中、私と母上は城に身を潜めていたんだ」


リーシェ「1人の側近が、いやデスアークが化けていてね。デスアークは私を殺そうとしたんだ。私は怖かった。死ぬのが嫌だった。私は目をつぶったんだ。でもいつまで待っても殺されなかったんだ」


リーシェ「母上が私の身代わりにデスアークの攻撃を受けてしまったんだ。母上は私の目の前で殺された。その時は何も考えられなかった。ただ母上を呼び泣いていた。それから父上が城に来てくれてそのデスアークを倒したんだ」


リーシェ「父上も泣いていたよ。ずっと母上を抱きしめながらね」


リーシェ「それからなのかもしれない。父上との訓練はいっそう厳しくなったよ。私も強くなり、民を守ると自分でも思い始めていたんだ」


リーシェ「でも父上は今もずっと厳しいまま。民は平和で過ごせていても、父上はずっと後悔している。私も後悔している。だから私はノアリス団の隊長を志願したんだ」


五十嵐「そう、なのか…」


リーシェ「私はデスアークを許さない。民を守り、いつか母上の無念を晴らす」


リーシェは泣きながらも目には強く決意の様なものを感じた。


五十嵐「ずっと辛かったんだな。親父さんも、お前も」


リーシェ「あぁ…」グス


五十嵐「今は泣け。辛いもんは全部吐き出しちまえ」


リーシェ「う、うあぁぁぁぁあん!!」


五十嵐はリーシェを抱き寄せ背中を撫でてやる。


五十嵐「皆お前の辛さを知ってる。頑張りも知ってる。だからいつまでもそう悲しむな」


リーシェは泣きじゃくった。


その日は騎士ではなく、1人の女性として戻ったときであった。




・・・・・・・




リーシェがは泣きやみ、五十嵐に抱かれたまま寝てしまった。


リーシェ「すぅ…すぅ…」


五十嵐「ホント溜め込んでたんだな…」


五十嵐はリーシェの頭を撫でる。


リーシェ「ん、んぅ…」


五十嵐「ふっ。いい寝顔だな」


さてと、どうすっかな。


リーシェは寝てしまい、動くに動けない。


けどここに居てはミリアは2人っきりだし、俺も寝たい。


五十嵐「瞬間移動しかないか…」


リーシェを起こさないまま瞬間移動をする。


バレては一巻の終わりだ。


五十嵐「頼むぜ、起きんなよ…」


五十嵐は目を閉じ、一瞬で川辺から姿を消した。


五十嵐「っとと。どうやら成功みたいだな。リーシェも起きていないし、このまま寝床に連れていこう」


五十嵐はリーシェを焚き火の傍に寝かせた。


五十嵐「さてと、俺も寝るかな」


五十嵐も横になり、目を閉じた…




・・・・・・・




???「おい、朝だぞ。起きろ!」


五十嵐「んぁ?課題は明日やるから今は寝かせろ…」


???「何わけのわからないこと言ってるんだ。置いてくぞ」


五十嵐「んん?なんだもう朝か…おはようリーシェ」


リーシェ「随分とぐっすり寝ていたな」


五十嵐「まぁな。どっかの誰かさんが遅くまで起きてるもんでな」


リーシェ「なっ!そ、それはだな…」


五十嵐「ま、別にいいよ。人間時には吐き出す時も大事だからな」


リーシェ「そ、そうか。すまないな感謝する。それとだな、昨日の事は2人に言うなよ!」


五十嵐「はいはい、仰せのままに隊長殿?」ニヤ


リーシェ「~~~〜っ!!」


五十嵐「んじゃま朝飯にすっか〜!」


ミリア「あ!勇翔さん!おはようございます。相変わらずお寝坊さんですね」


五十嵐「ほっとけ。昨日は少し寝付けなくてな」


ユーナ「そうなんですね。なら朝ご飯をしっかり食べて今日に備えましょう」


五十嵐「そうだな。今日はコーンポタージュにパンか。軽いもので助かるな」


リーシェ「ではいただこうか」


「「「「いただきます」」」」


リーシェ「今日中にはサードスに着けるようにしよう。あまり油をうっては父上もお怒りになる事であろう」


ユーナ「なら今日は少し急ぎで行きましょうか」


ミリア「それにしてもリーシェ様は昨日遅かったですね」


ユーナ「そうですよ!どうなされたんですか?」


リーシェ「い、いやそれはだな…」


五十嵐「あー大丈夫。2人が寝た後すぐ来たから。そうだろ?」


リーシェ「そ、そうだ!その通りだ」


ユーナ「良かった〜。心配しましたよ」


リーシェ「すまないな。以後気をつけよう」


五十嵐「じゃ俺は先食ったから、馬主のとこに話してくるわ」


ミリア「ではミリア達も出発の準備をしましょうか」


リーシェ「そうだな。ごちそうさまでした」


五十嵐は3人から離れ馬主の所へ向かった。


五十嵐「馬主さん。おはようございます」


馬主「おぉ。これはどうも。よく眠れましたか?」


五十嵐「まぁまぁですかね」


馬主「そうですか」


五十嵐「それと今日中にはサードスに着きたいんだ。急ぎで行けますか?」


馬主「分かりました。少々荒い運転になるかもしれませんがご了承くださいな」


五十嵐「分かりました。ではよろしくお願いします」


五十嵐は3人の元に戻り、


ミリア「勇翔さん、準備が出来ましたよ。いつでも行けます!」


五十嵐「よし、じゃ馬車に乗ろうか」


こうして、再び馬車は出発しサードス王国に向かう一行であった。































後書き

ご愛読ありがとうございました。
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長編なので時間は掛かりますが何卒よろしくお願いします。


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