2019-07-24 08:54:20 更新

概要

名取ぶちギレ案件発生!


前書き

皆さんこんにちは初めましての方は初めまして。読んで頂いてありがとうございます。仕事が忙しいのとネタを考えては纏まっていないため更新が遅れてしまいました。が読んで頂けるのは嬉しいのでどうぞよろしくお願いします。








私はパニックに陥っていた。

本来出てくることがないと思われていた海域に連合艦隊にあたる数の深海棲艦が現れた。

しかし私が一番パニックになった理由、それは今まで見たこと聞いたこともなかった姉の怒りに満ちた表情と怒号だった。







その日阿武隈はいつもより早く起きてしまった、朝は早いほうだったがあの時から眠るのが怖い。寝るより散歩でもしようと思い外に出た。朝の空気は気持ちがいい。

散歩していると朝御飯を作っているいい匂いとピアノの音が聞こえる。ふと食堂の窓を覗くと支給係のリコとピアノを弾いている提督がいた。端から見ると何故か親子に見えるのは恐らく提督が優しいからだろうと思った、と言うのもあの様に慈父のような表情をする上官を見たことがなかった。




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訓練は大体が午前中のみで午後は大体が自由時間となっている。というのもあの南鳥島海戦からは両好戦派の動きが沈静化しており無理に出撃する理由がないからだ。哨戒するにも燃料を使うが配給分で間に合っている為無理に遠征する理由がないと名取お姉ちゃんが教えてくれた。遠征といっても祥鳳さんの訓練がてら五月雨ちゃん達の防空射撃訓練位しかやっていない。

それも終わると時間をもて余してしまい私は訓練棟の三階にいた。ふと外を見てみると提督と初霜ちゃんが近接戦闘の訓練をしていた。




初霜「提督、お手合わせお願いします!!」つ棒




大川提督「ああ、来なさい」つ木刀




二人の手合わせが始まった。始まりと同時に初霜ちゃんは距離を詰め槍の様に突きを連続して繰り出した、提督はそれら全ていなし隙が大きくなった所を狙って反撃していた。




初霜「!?なら……!」




提督の攻撃を避けたが体制を崩された初霜ちゃんはとっさに棒を支点にして蹴りを出したがそれも提督に読まれていたみたいで




大川提督「初霜、それは悪手だ」




蹴りを避けられしまい棒を払われてバランスを崩されそのまま地に伏せられて木刀を突き付けられていた。




大川提督「そんな手は私には通じないぞ、まだまだ甘い」




頭を撫でられいるが初霜ちゃんは頬を膨らませて悔しがっていた。




初霜「むぅ~、攻めかた変えてみましたが全部ダメでした。」プクー




大川提督「いや、今までとは別の切り口で来たのはいいことだがそのせいで攻め手が単調になっていたな。奇襲として見るのであればいい手でもある。」




そんなやり取りを見て私は気がついたことがあった。




阿武隈「提督っていつも誰かといるよね……」




私はそう思った、朝はご飯を作っているリコちゃんといて午前中の執務は秘書官の古鷹さんか副官の五月雨ちゃんのどちらかといて午後の今のような近接戦闘訓練は今では加古さんも参加している。特に加古さんは自分にも近接武器を提督に選んで貰えた事で時間さえあれば提督や祥鳳さんと手合わせをしていた。私のはまだ決めかねているらしい。




阿武隈「…距離感が全然違う、どう接すればいいんだろう…?」




答えは直ぐに出そうになかった。




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大川提督「今日はここまでだな初霜、私は執務室に戻るが一緒に珈琲でもどうだ?」




初霜「はい!ご一緒させて下さい!」




そう言って夕禅は初霜と手を繋いで執務室へ向かった。その途中で




五月雨「あっ、提督訓練終わりましたか?」




大川提督「ああ、今終わって執務室に向かうところだが何かあったのか?」




五月雨「はい、今大堂元帥から連絡があって古鷹さんが対応してます。」




大川提督「分かった、直ぐに向かおう。」




五月雨の話を聞いて足早に執務室へ入った。元帥とはモニターでのやり取りをしていた様で元帥も夕禅が入って来たことに気がついた。




大堂元帥「おう、夕禅来たか待ってたぞ」




大川提督「はっ、大堂元帥殿お久しぶりです。」ケイレイ




モニターに映っている元帥に夕禅と古鷹達3人も敬礼をしたが




大堂元帥「そういうのはいい、かたっ苦しい用事でもないからな。」




大川提督「それなら今日はいかが致しましたか?」




大堂元帥「なあに、この間はありがとな助かった。またこっちで進展あったらまた頼む。あとお前のとこに配属したいって娘がいてな、もう向かわせたから宜しく頼むぞ。」




大川提督「いつもながら急なことですね。了解しました。」




大堂元帥「その娘の航行ルートはお前らが大本営からそこに向かったのと同じだから大体2時間位だな、何もなかったら5時には着くだろ。じゃあな。」




と言いたい事だけ言って通信を切られた、夕禅はやれやれと言った表情を浮かべた。




大川提督「相変わらず忙しないと言うか雑と言うか。」




古鷹「まあまあ、そう言わずに」




五月雨「どんな人が来るんでしょうか、楽しみです!」




初霜「でも大本営からの人員ってそんなにぽんぽん異動させていいんでしょうか?」




大川提督「それなら大丈夫だ、今の大本営は一種の託児所みたいになってるからな。」




古鷹「はっきり言っちゃうんですね、確かに元帥も『その娘達の配属先や関する書類で仕事が増えた』って言ってましたから私も同じ事を思いました。」ニガワライ




大川提督「その様子なら今後も増えるな、とりあえず一息入れるか、珈琲を入れよう。掛けて待っててくれ。」




古鷹五月雨初霜「「「はーい\(^^)」」」




夕禅は手際よく準備をし人数分の珈琲を入れ皆に配った、ふと時計に目をやり今の時間を確認した。




大川提督(1547、ふむ……)




古鷹「提督、どうなさいました?」




大川提督「いや時間を確認しただけだよ。…名取と阿武隈に出迎えを頼むか。古鷹、二人を呼んでくれ。」




古鷹「了解しました。」ニコッ




古鷹は執務室に備えられた館内放送のマイクを使い呼び出しをした。その間に夕禅はもう二人分の珈琲を準備した時に二人が来た。




名取「失礼します。名取、阿武隈入ります。何か御用でしょうか?」




すぐに名取と阿武隈が執務室にやってきた阿武隈は名取の後についてきていた。




大川提督「呼び出してすまない、頼みたいことが出来てな2人に来てもらった。」つカップ




そう言いながら夕禅は名取と阿武隈に淹れたばかりの珈琲が入ったマグカップを渡した。




名取「ありがとうございます」




阿武隈「す、すいません…」




大川提督「名取は確か砂糖だったな、阿武隈は使うか?」




阿武隈「あ、それならミルクも……」




大川提督「分かった、確かミルクは…」




五月雨「あっ、私取ってきます!!」




大川提督「すまないな。さて飲みながらで聞いてくれ、今日また新しい仲間が配属することになってな、2人には「きゃーーー!!」ドンガラガッシャーン!




悲鳴と何かが崩れる音がしたので見てみると、案の定五月雨がミルクと何故か砂糖を置いてあった机もひっくり返し大惨事となっていた。




五月雨「痛いです……」グスッ




古鷹「ち、ちょっと大丈夫五月雨ちゃん?」




大川提督「……すまない2人共今回はブラックで我慢してくれ。」




そう言って夕禅マグカップを置きは五月雨の側へ向かった。




阿武隈「えっと……あれは……?」




名取「うん、そういう反応になるよね、五月雨ちゃんたまに大惨事レベルのドジするから。」




大川提督「最近はすっかりなくてな、油断してた。大丈夫か五月雨?」




五月雨「ごべんなざい……」グスッ




大川提督「泣くな、可愛い顔が台無しになるぞ?初霜、すまないが五月雨の着替えを頼む。」ナデナデ




初霜「分かりました。五月雨さん行きますよ。」




初霜は五月雨を連れて執務室を出た、気を取り直して名取と阿武隈に向き直った。




大川提督「話がそれてしまったが要は出迎えに出てもらいたい。1610にて鎮守府を出てくれ2人のスピードなら1635にこの辺りで合流出来るはずだ。」




名取「分かりました。じゃあ早速準備しますね、珈琲ごちそうさまでした。阿武隈ちゃん、行ける?」ペコリ




阿武隈「う、うん大丈夫、珈琲ありがとうございました。」




そう言って名取達は出て行き残ったのは夕禅と古鷹、そして大惨事の現場であった。その惨状を改めて見て




大川提督「……古鷹すまないが執務室には誰も入れないようにしてくれ、掃除をする。」




古鷹「いえ、私もお手伝いしますよ2人でやった方が早いですし」ニコッ




微笑む古鷹が女神に見てたのはいうまでもない。





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1628鎮守府近海




「~♪~♪」




鎮守府近海に一つを影があった。小柄のポニーテールで胴着を着た娘、瑞鳳はこれから配属になる鎮守府に期待を向けて鼻歌混じりで航行していた。





瑞鳳「どんなところかなぁ?写真で見て提督かっこ良かったなぁワイルド系イケメンで好み~♪それに私のお姉ちゃんにあたる人もいるから楽しみだなぁ~」




これからの鎮守府の生活に想いを馳せていた。




……後ろから見てる影に気付く事無く。








1630名取と阿武隈の2人は合流予定地点まで来ていた。




名取「この辺りだね。」




阿武隈「うん、……お姉ちゃん聞いてもいい?」




名取「?なぁに?」




阿武隈「提督のこと…何だけど、名取お姉ちゃんって提督のことどう思ってるの?」




名取「大好きだよ。なんで?」




阿武隈「えっ!?えっと…」




上手く言い表せない阿武隈に対して逆に名取が聞いてみた。




名取「提督さんのこと怖い?」




阿武隈「……うん。」




名取「そうだよね、あんな目に遭ったんだからしょうがないよ。」




阿武隈「ち、違うの!そう言うことじゃなくて……」




名取「じゃあ顔が怖い?」




阿武隈「えっ!?う、うん……」




名取「それはわかるなぁ、私初対面の時に泣いちゃったし」




阿武隈「そうなの?」




名取「うん、唯一怖がらなかった古鷹さんの後ろに隠れた。」




名取は笑いながら話を続けた。




名取「でも提督さんで良かったって思ってるよ、私最初の頃ビビりで足引っ張ってばっかりだったから。」




阿武隈は今の名取からその様子が想像出来なかったが名取が話を続けた。




名取「提督さんに教わったんだ『諦めたら二度と立ち向かえなくなる』って」




阿武隈「諦めたら……」




名取「だからね…うん?」




阿武隈「どうしたのお姉ちゃん?」




名取「砲撃音……!阿武隈ちゃん急ぐよ!!」




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瑞鳳「うう、艤装が……」中破




不味い状況になった。瑞鳳は必死に頭を回して状況を確認した。こちらの射程圏外からの砲撃で艤装は飛行甲板がズタボロ、推進部もやられている様でまともな速度が出せない。しかも




レ級「ナンダ、タダノザコカヨ」キャハハ




ル級「レキュウ、サクセンコウドウチュウダオトナシクシテイロ。」




タ級「モー、ルキュウハカタイナー」




深海棲艦の戦艦クラスを中心とした艦隊12体、空母は確認出来ないもののまともに動けないこの状態は的でしかなかった。




レ級「マ、イイジャンイイジャンコマカイトコハトットトシズメヨウゼ。」ガコッ




不味い、狙いを付けられたと瑞鳳は身をこわばらせた運良く大破で凌げても次は無いと諦めかけたその時




タ級「ホウゲキダ!」




警戒していない方向付けから飛んできた砲撃に駆逐の1体が沈んだようだ。砲撃のあった方を見ると2つの影があった。




レ級「コイツノナカマカ?」




名取「こちらエッジ3からエッジリーダーへ、友軍が攻撃を受けている。敵の数は戦艦3重巡2軽巡2駆逐4至急援軍を!」




大川提督『エッジリーダー了解した。至急向かわせるそれまで頼む。』




名取「頼まれました!阿武隈ちゃんはあの娘の救助と直衛に私は前に出ます。」




阿武隈「りょ、了解!」




名取と阿武隈が間に合った、ある程度しか狙ってなかったが運良く直撃してくれたようだ。ル級は名取を見るに否や




ル級「ソウインコウゲキジュンビ!テキノヒトリハザンキダ!!」




レ級「ザンキ?ナニソレツヨイノ?」




ネ級A「ウラギリモノドモヲカクマッテイルニンゲンドモダナ。」




タ級「ミンナセンジョウデアイタクナイッテイッテルカラツヨインジャナイ?」




レ級「ハッ、キタノハケイジュンダロ?カルクヒネロウゼ」ケケケ




ネ級B「…………」




この深海棲艦達のなかで夕禅達のことを知っていたのはル級とこのネ級の2体のみ、だからこそ知っていた目の前に来た艦娘が誰かを。




名取「遅い!!」バァン!




タ級「ガァ!」大破!

ネ級B「クッ!」中破!

へ級「!」撃沈!




ル級「レキュウ!ネキュウ!ウゴキガイイノヲヤル!ホカノヤツモカコメ!」




レ級「メンドッチイナ、オレアッチイッテルゼ」




ル級「マテ!レキュウ!!チィ……」




名取「行かせない……!」




ル級「オマエノアイテハワタシダ!」










阿武隈「あの……動けますか?」




瑞鳳「ごめん、推進部もやられちゃってて……」




阿武隈は動けない瑞鳳の救助にあたっていたが難航していた。その時




瑞鳳「後ろ!あぶない!」




阿武隈「えっ…?きゃぁ!?」




阿武隈が反応出来ずに砲撃をモロに喰らってしまい倒れてしまう。撃った敵が近づいて来た。




瑞鳳「阿武隈さん……?」




レ級「キャハハ!ヨワッチイノ!」




人を馬鹿にしたように笑いながらレ級が近づいてくる。




レ級「アーアツマンネ、トットトシズメヨ」




瑞鳳はどうすることも出来ず死を覚悟したが、倒れていた阿武隈が起き上がった。




瑞鳳「阿武隈さん無茶だよ!そんな体じゃ…」




阿武隈「…………」大破




阿武隈は答えない、だが生きている砲塔をレ級に向けて砲撃した。しかしまともに狙いを絞ることが出来ずあたっても決定打にはほど遠かった。




レ級「ヘン、ダカラヨワッチインダヨ!」ブン




レ級はその行為がウザったいように尻尾の砲塔ごと阿武隈に叩きつけた。しかしそれを喰らっても阿武隈は立ち上がった。




レ級「ハァ?マダヤラレタイノォ?」ニヤリ




瑞鳳「阿武隈さんやめてよ……死んじゃうよ……」




阿武隈は何も答えないだがそれでも瑞鳳を守るようにレ級に立ちはだかり続けた。その目は死んでいない。




レ級「ハンヤクタダズノゴミガ、モウシズメヨ。ネキュウニアイテルヤツラモヤロウゼ」ゲラゲラ




レ級やネ級ら笑いながら砲塔が阿武隈に向けられそして一斉に砲撃した。それに瑞鳳は思わず目を背けた。

轟音が響きレ級達は満足そうに下品な笑いをしていたがネ級の片割れが硝煙が晴れてき始めた時に目の前の光景に絶句していた。




レ級「オイドウシタンダヨネキュ……!!!?」




阿武隈「お…ねえちゃん…?」




その砲撃は阿武隈には一発も届かなかった。

何故なら射線上にはル級を盾にした名取がいた。ル級はちから無く項垂れていることからレ級達の砲撃で事切れているようだった。




ネ級A「ルキュウサンガ……」




レ級「ナ、ナンダアイ「誰だ」へ……?」













名取「今私の妹を嗤ったのは誰だっ!!!!!」




名取は持っていたル級をネ級の片割れに投げつけ、そして投げたと同時に背負っていた斬馬刀を抜き高速で接近、そのネ級をル級の死体ごと貫いた。そして引き抜くとネ級はル級ごと海へ沈んでいった。屠った名取の目は殺気で満ちておりその目のまま生き残っている深海棲艦達に向けられる。




タ級「ヒィィィィ!!」ガクガクガクガク




それを目の当たりにしたタ級や何体かの深海棲艦達が戦意を喪失していたタ級は他の連中が出会いたくないと言っていた理由がやっと分かった。純粋で強い殺気、その殺気が自分達の戦意を削ぎ支配していた。

抵抗したら殺される。これしか考えることが出来なかった。こんなにも強い殺気を向けられたのは初めてだったからだ。が




レ級「ナ、ナンダヨイルジャンカツヨイノ」




レ級が無謀にも名取に挑発する。




レ級「オイオマ「お前か」ハァ?」




名取「お前か?嗤ったのは?」<●><●>




レ級「ハァ?ダッタラナンダッテンダ?ゴミヲゴミアツカイシタトコロ「分かった」デ……?」




そう言うと名取は瞬時にレ級との距離を詰めて斬馬刀を振り下ろした。




レ級「コンナノフリオロシタトコロデ」




レ級は尻尾の艤装を使い防御しようとするが




名取「重波斬……!」




レ級「へ……?」




名取の斬撃はレ級の装甲に関係無く両断しレ級はその事に気付く事無く海へ沈んでいった。そして名取は生き残っていたネ級達に殺気を飛ばす。




名取「まだやりますか?」




ネ級B「……ソウインテッタイシマス。」




生き残っていたネ級がそう言い残った深海棲艦達に撤退を促し離脱しようとしていたので名取は見逃そうとしたが突然ニ級が撃沈した。




というのも少し時間を遡り。




瑞鳳「阿武隈さんしっかりして!」




阿武隈「瑞鳳さん……私の艤装の魚雷……取ってくれますか…?一発だけあるはずなので……」ハァハァ




瑞鳳は阿武隈の言う通りに阿武隈の艤装に残った魚雷を渡した。その間阿武隈の視線はずっとある一点を見ていた。




瑞鳳「う、うんでもなにするの?」




阿武隈「見えた………」

瑞鳳「えっ?」




阿武隈は瑞鳳から魚雷を受けとると上に放り投げてサッカーでいうジャンピングボレー要領で魚雷を蹴り飛ばした。魚雷は名取の隙を狙っていたニ級に直撃して沈んでいった。名取は一瞬呆気にとられてしまいその間に残存部隊は離脱していた。負傷者がいる為追撃せず2人に駆け寄った。




名取「2人共怪我は!?」




瑞鳳「私は大丈夫ですが阿武隈さんが…」




阿武隈は艤装のほとんどが損傷しており阿武隈自身も虫の息に等しかった。




名取「阿武隈ちゃん!聞こえる!!「……れた」なに?何て言ったの!?」




阿武隈「やっ…と……ま…も…れた。」




阿武隈が気を失い救援が着たのはこの5分後だった。




_____________________




その後阿武隈と瑞鳳は医務室へ運ばれ必要な治療は受けたが阿武隈は気を失ったままでベッドに寝かされていた。




大川提督「名取、お前も休め。私が変わろう。」




名取「だ、大丈夫ですよ!まだこれくらいは」




大川提督「休める時に休んでおけ。これはお願いだ」




名取「はい…提督さんお願いします。」ペコリ




名取が医務室を出ていき夕禅は静かに阿武隈が目を覚ますのを待つことにした。そして、阿武隈が目を覚ましたようだ。




阿武隈「うん……あれ…?」




大川提督「目が覚めたか?」




阿武隈「ふぇっ!?提督……?あれ、ここは?」




大川提督「ここは鎮守府の医務室だ。戦闘の後お前は気を失ってここに運ばれた。」




阿武隈「そうでしたか……あの「ありがとう」え?」




大川提督「ありがとう阿武隈。お前のお陰で私達は仲間を失わずにすんだよ。」




阿武隈「そんな…私、何にも出来なくてただボロボロにされて…」




大川提督「瑞鳳が言っていたよ、自分を守る為に立ち続けていたと。後でお礼を言いたいそうだ。」




阿武隈「私、何にも出来なかったのに…」ポロ




大川提督「これも瑞鳳が言っていたが、魚雷を蹴り飛ばして沈めたと。戦果を上げているから何にも出来なかったは間違いだな。阿武隈」




阿武隈「私……私は……」ポロポロ




大川提督「阿武隈」




夕禅は阿武隈を自分の胸元に抱き寄せて優しく頭を撫でた。いきなりのことで阿武隈は頭の中が真っ白になったが




「よく、頑張ったな」ナデナデ




その言葉を聞いた阿武隈は今まで抑えてつけてきた感情が抑えられなくなり夕禅の胸で泣いた。




大川提督「阿武隈は相手を含め周りが良く見えているな。大変良いことだ、ちゃんと周りが見えていれば自分がどう動けば効果的かが分かっているからな。うちではまだ古鷹しか出来ない事だ。」ナデナデ




さらに夕禅は続けた




大川提督「魚雷を蹴り飛ばしたのが証拠だな。艤装を診させてもらったが魚雷発射管がやられている、だから投げるより蹴り飛ばした方が早いと判断した。その結果撃沈と言う結果が出ているなら私はそれを称えるだけだ。」




阿武隈「否定したり…しないんですか?」グスッ




大川提督「こんな話がある。須藤元気と言う格闘家が居てな、その格闘家は現役時代試合が始まってロボットダンスや尻を叩いて挑発したりするんだ。」




阿武隈「?なんでですか?そんな事したら…」




大川提督「ボコボコにされると思うだろ?だが不思議なことに対戦相手はただ見ていただけだ。何故かわかるか?」




阿武隈「えっと…い、意表を付かれて判断に困るからですか?」




大川提督「うん、ほとんど正解だ。それがわかるならやはりお前は頭が良いな。人は自分の予想外な行動をされると冷静な判断力を失う。これは深海棲艦相手にも立証されていることだ。」




夕禅は阿武隈にこう伝えた




大川提督「だから阿武隈、お前は自分のやりたいようにやってみろ、私はそれを受け入れる。だからお前は自分の最善だと思う判断をしろ。いいな?」




阿武隈「…はい!」ニコッ




阿武隈は夕禅を真っ直ぐに見据えしっかりと答えた。その顔は以前のような陰りは無くその顔は夕禅が見たかった心からの笑顔だった。


後書き

読んで頂いてありがとうございます。いやぁガードベントは鉄板ですね。(笑)
元ネタの重波斬はリフレクト無視の技だったのでここでは装甲無視と言う解釈で表しています。うちの名取さんですがそれなりに死線潜って周りといい信頼関係、提督との絆も強くなれば自信も有って性格も前向きになるだろうと思って考えていましたらキレたら怖い娘になってました。
次回は比較的いっぱい出ます。


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