2019-01-07 18:03:08 更新

概要

この物語の主役は整備士!もし、提督以外に男性がもう一人いたらどうなるかを勝手に想像し、書かせていただきました!

お待たせしました!整備士と鎮守府の物語 1の続きです!

1を見てない方は、まずそちらから見ていただくと話しが分かりやすいと思います。


前書き

ここはなんの変哲もない鎮守府。日々、艦娘たちが訓練や出撃に勤しんでいます。
ただ、ひとつ他の鎮守府とは違うところがあります。それは提督以外にもう一人別の男性『整備士さん』がいることです。
これは整備士のいる鎮守府の物語…


提督はみんなから 「司令官 司令官さん 提督」 と呼ばれています。
整備士はみんなから 「整備士さん 整ちゃん 整さん」 と呼ばれています。

今回は2式大艇改造編などをお送りします。


整備士と鎮守府の物語 1の続きです。


ーーーーーー

[任務 2式大艇を改造せよ。]

ー工廠にて、今日の仕事が終わった整備士は図面を見て悩んでいた。2式大艇貰ったのは良かったが、大本営の『救助専用』という制約に悩まされていた。


整備士「『救助専用』か…となると機銃は撤去だな。あと爆弾を取り付けるやつをどうにか活用できないか…」ウーム


ー2式大艇は当時レシプロ飛行艇として傑作機と言われていた。航続距離の長さがなどが由縁である。その中で、2式大艇は800kg爆弾か魚雷を2本搭載できる。しかし、大本営からは『救助専用』ということで搭載できないこととなった。しかし800kgもの爆弾を備えるので主翼の強度は強靭なものになる。その活用方法を考えていたのだ。


(現在、2式大艇は「海上自衛隊鹿屋航空基地資料館」に屋外展示されている。)


整備士「機銃を撤去した部分を捜索隊妖精さんの窓に活用して…内部は、トイレとベッドなんかが必要か…」ブツブツ


ーその姿を見た妖精さんが


妖精さんA「ありゃ整ちゃん入ってるね…」ヒョコ


明石「何が入ってるんです?」ヒョコ


妖精さんB「ゾーンってやつよ明石。あんな感じに整備士さんが一点に集中してブツブツ言ってるときは、3時間ぐらいこっちの世界に戻ってこんから、先に食堂でも行ってご飯でも食べに行こう。」クイクイ


ー整備士はパソコンの設計図を前にブツブツと独り言を言いながら設計を進めるのであった。


整備士「できた!」ノビー


ー整備士が図面を書き上げた時には、23時を回っていた。


整備士「あちゃー。晩飯食いそびれたな…鳳翔さんの居酒屋も閉まったみたいだし。仕方ないカップ麵でも食うか…」


ー机から離れて工廠の台所に行ってみると、そこには小さなおにぎりが2つ置いてあった。その横には手紙がありこう書かれていた。



ーー

ーーー


飛行妖精 編隊長『整ちゃんお疲れさん。設計に没頭するのはいいけど、整備も抜かりなくしっかりやってくれよな!多分晩飯まだだろうから、おにぎり握ってやったぜ!感謝しな!』


ーーー

ーー



整備士「みんな、心配してくれてるのかな?それにしても、飛行妖精 編隊長さんよ…頑張って握ってくれたのはいいが、塩盛りすぎじゃないですかねぇ。」


ーそう言いながらも整備士は飛行妖精 編隊長が握ったおにぎりを頬張るのだった。


ー翌日


整備士「これが2式大艇…でかいな」オォー!


ー到着した2式大艇4艇に圧巻しながらも、整備士は整備妖精・建造妖精に図面を見せながら2式大艇の改造に取り掛かる。


整備士「まず、機銃をすべて撤去します。その撤去した機銃の所に捜索隊妖精さんのスペースを設け、窓は半球面体のものを取り付けます。なお、上部と下部の機銃場所はハッチを設けます。」ズメンユビサシ


整備士「次にパイロット席・捜索隊妖精席にはこのタブレットとインカムを設けます。これで全員が救助者の位置を把握できるようなります。救助者スペースはベット、椅子がどちらも可能になる網を格納しておくので、その時の状況になったら変更できるようにします。トイレ・簡易台所も設置して、最低限の生活ができるように設計しました。毛布や着替えも装備できます。」


整備士「最後に、爆弾や魚雷をつける場所はそのままにしておき、そこに増槽。もしくは小型救命船を装備することにしました。」


ー整備士が悩んで出した答えは、増槽もしくは小型救命船だった。


整備士「小型救命は、波が高く着水できないときに超低空飛行で2式大艇から切り離し、飛行妖精さんをこちらに乗せ換えて、波の低いところまで移動してもらうことを目的としています。衝撃により壊れる心配もありましたが、妖精さんの力で何とかなりました。この小型救命船には2式大艇と交信できる無線がついているので、2式大艇が下りた場所に移動してもらうことになります。また、もし着水できる場所がなくともこの救命船には食料や毛布なども入っているので1週間以上生存が可能です。」


整備士「もちろん鎮守府に連絡して、着水できない場合は艦娘に救助を求めることも可能です。」


整備・建造妖精さん「なるほどなるほど…」フムフム


ー整備士はてきぱきと図面の説明などを行い2式大艇の改造を進めるのであった。


ー1週間後


整備・建造妖精さん「できたー!」バンザーイ!


ー2式大艇救助専用が1艇、出来上がった。運用する前にテストを行うため、整備士は2式大艇救助専用妖精さんたちを集めテストの内容を伝える。


整備士「今回のテストは、実践に入る前の最終チェックを行うものです。これで上手くいけば、晴れてこの2式大艇救助専用の運用が可能となります。妖精さんは日ごろの鍛錬を存分に発揮してください。では最終チェック内容を伝えます。」


ー最終チェック内容はこうだった。

1.実際の妖精さんを用いた救助テスト

2.飛行中 着水時 離陸時のエンジントラブルテスト

3.小型救命船の切り離しテスト

4.多量救助者の往復テスト


このテストを1週間かけて行った。


ーーー

ーー



ー1週間後


整備士「お疲れさまでした。採取されたデータおよび運用に誤りがなかったため、以上持ちまして最終チェックを終了します。ここだけの話テストは合格です。ただ、正式な発表は後日みんなの前で行うのでそれまで内緒で。では解散!」


2式大艇救助専用妖精さん「おつかれしたー!」ヤッタナ!キョウハノムゾー!ヒャッハー!


ー後日。他の2式大艇も改造が済んだので、艦娘や妖精さんたちがグラウンドに召集された。


提督「えー。みんな。今日は集まってもらってありがとう。本日は新しい妖精部隊が配属となったのでその報告をしたかったんだ。整備士さん後はよろしく。」アタラシイブタイッテナンダロウ?カッコイイトイイッポイ!ハヤイノカナ!?ハルナハダイジョウブデス!


ー整備士は少し高い壇上に上がる。


整備士「今回この新部隊の創設にかかわった整備士です。主な概要は先に配った資料を見てください。」オゥ!サスガニキブンガコウヨウシマス。ジョウジョウネ!ハルナハダイジョウブデス!


整備士「以上になります。また本日より正式な妖精部隊となったためこの部隊を『2式大艇救命隊』と命名します。以後3艇体制の8時間交代で運用し、残る1艇はローテーションでトラブル対応の為に待機するようお願いします。」


2式大艇救命隊妖精さん(ビシ!)


ーこれにより初めて妖精さんを助ける正式部隊が発足した。

また他の鎮守府からも2式大艇救命隊発足の要請が多数来たため、整備士は専用改修施設と飛行場を設けた。これは、技術流失を防ぐ目的があり、また出向くより来てもらった方が訓練がスムーズに行うことができ、改修を行う妖精さんたちの負担軽減になるからである。


ー整備士が改造し、その改造内容を提督が他の鎮守府に送った仕様書は以下のとうりである。



ーー

ーーー


ー2式大艇救命隊 詳細内容(1艇につき)

・パイロット妖精2人 捜索隊妖精2人 機体整備員妖精2人 通信・救難指示妖精1人 救命員妖精 3人 計10名

(基本常務、飛行長時間勤務では交代も可能。その場合収容人からを差し引き、乗務員を増やす。)

・専用整備妖精 5名

・燃料満載飛行時間 約15時間

(増槽1つ追加+約1時間 増槽は最大2つ装備可)

・追加装備 増槽2つ 小型救命船2つ

(2式大艇救助専用艇主翼下に搭載可能追加装備は2つ)

・最高速度 450km以上

・航続距離 5250km以上(重量超過時)

・構造 収容妖精最大30名

(3段ベット使用時最大45名)

・トイレ 簡易台所完備

・毛布・着替え・レーション収容可

・飛行艇母艦「秋津州」搭載可能

・使用機体 2式大艇救助専用艇

・使用迷彩 全機洋上迷彩

・スローガン 必見必救



ー改造費(妖精訓練費含む) 100万円(基本現金のみ。ただし資材でも交渉により変更可能。)

ーオプション付き +25万円(現金のみ)

(オプションの内容は再度お問い合わせください。その他、質問や疑問があれば当鎮守府まで連絡をください。)


ーーー

ーー





ーーーーーー

[空母と整備士]

ー2式大艇救命隊の発足以降、空母艦娘が工廠に来るようになった。今日も仕事終わりに艦娘が工廠にやってきた。


瑞鳳「九九艦爆は足が可愛いのよ!足が!」


整備士「来ていきなりそれかよ…」


瑞鳳「なに?整備士さんは九九艦爆の可愛さがわからないの!?」


整備士「可愛いかどうかわからんが、あの車輪を覆うカバーの尾翼に向けてのシャープな形はかっこいいと思うよ。」


瑞鳳「整備士さんあの可愛さがわかるの!」ガバ!


整備士「わかるよ…あの流線形は後方に気流の渦を作らない理想的な形だ。」ウムウム


瑞鳳「そうよね!あの足があるから九九艦爆なのよね!」キラキラ


整備士「そうだな。俺は艦載機の整備は出来んが、改良設計などはできるからな。図面を見てもあの足の設計は素晴らしい。設計者に会って話を聞きたいぐらいだよ。」ウムウム


整備士「九九艦爆の後継機、彗星も名機だな。ただあれは整備が大変らしいけど。」


瑞鳳「そうなのよ!水冷エンジンや最新技術を投入しすぎて、整備が難しいの!」


整備士「まあ、でもその技術が後の流星や彩雲にも受け継がれたといわれているんだから、いいじゃないか。新しい技術に苦労するのは俺も一緒だし。」


ーっと話していると


龍驤「邪魔するでー」ガチャ


整備士「邪魔するならかえってー」


龍驤「あいよー」ガチャン


瑞鳳「………」


龍驤「って!なんでやね~ん!」バーン!


整備士「で?何の用だ龍驤?てかこれ、毎回やるのか?」


龍驤「当たり前やん!これは龍驤さんと話すときのウォーミングアップみたいなもんやで!」


整備士「はぁ~。わかったよ。で?何の用だ?」


龍驤「お話しに来たんや!うちのほかにもう何人か来てるで~。」


鳳翔「失礼いたします。」ペコ


赤城「失礼しますね。整備士さん。」ペコ


加賀「失礼します。」ペコ


瑞鶴「整備士さん!爆撃されたいの!?」ユミカマエ


整備士「瑞鶴はほっておいて…なんだうちの空母全員集合してるじゃないか。」


瑞鶴「何よ無視は酷いじゃない!」ギャー!


加賀「うるさいわよ、七面鳥。」ハァ~


瑞鶴「ヤキトリノブンザイデ」ボソッ


加賀「何か言ったかしら?」


瑞鶴「いえいえ。何も~。」


鳳翔「こら。二人とも喧嘩するのが目的でここに来たんじゃないでしょう?」ハァ~


整備士「で?空母全員集合して何の用だ?」


瑞鳳「これを渡しに来たんですよ!」フクロサシダシ


ー整備士は瑞鳳から袋を受け取ると中身を確認した。その中には真新しい作業着が入っていた。


整備士「これは?」


赤城「整備士さん、洗濯してるとはいえ作業着の汚れがひどいじゃないですか。」


龍驤「ってなわけで、新しい作業着をプレゼントすることにしたんや!」


加賀「上着の右袖の所には、私たちの名前の刺繡が入っています。」


鳳翔「あと、もう一つ理由があって…飛行妖精さんの救助部隊創設に尽力していただいたお礼でもあります。そして、他の鎮守府にも2式大艇救命隊の必要性を訴えていると聞きました。」


瑞鳳「私たちは、自分の力じゃ船を動かせないし飛行機も飛ばせない。妖精さんの力と私たちの力が合わさってやっと戦うことができるの。そして妖精さんを助けたいのは私たちも同じだったの!整備士さんの行動力が私たちはとっても嬉しかった!」


瑞鶴「だから、今回はそのお礼でこの作業着をプレゼントしたんだよ。言っとくけど、着てなかったら爆撃するからね!」


ー整備士は空母たちからもらった新しい作業着に袖を通した。


整備士「サイズもぴったりだ。ありがとう。」


整備士「ただ、この作業着がまたボロボロになったら…また、新しい作業着をプレゼントしてくれるかい?」


鳳翔「ええ。その時は新しく入ってきた子の名前も入れましょうか。」ニコ


ー整備士は空母たちのプレゼントに感謝すると共に、いつも以上に整備もしっかりとやらなければと気合いを入れるのだった。




ーーーーーー

[休む暇]

ー飛行妖精救命いかだ、2式大艇改造の仕事を終えた整備士は、やっと休憩時間を削らずに済むと思っていた。しかし、そうはさせてくれなかったのである。


整備士「………」


雪風「♪~♪~」セイビシノ、ヒザノウエ


整備士(どうしてこうなった…)



ーー

ーーー


ー整備士が休憩をとっていると、雪風が工廠に入ってきた。


雪風「せいびしさん!」


整備士「ん?なんだ雪風。珍しいな工廠に来るなんて。なんか艤装に不備でもあったか?」


雪風「いえ!違います!雪風はせいびしさんと遊びに来たんです!」


整備士「は?」


ー整備士は驚いた。いきなり駆逐艦 雪風が訪ねてきて遊ぼうと言ってきたのである。こんなことは初めてだ。


雪風「せいびしさん!遊びましょう!」


整備士「いいけど…何して遊ぶんだ?」


雪風「それはですね~!そうですね~!なにしましょう!」


整備士「(自分から遊ぼうって言っておいて、何も考えてなかったのか…)俺にきかれてもな…。提督はどんなことしてくれるんだ?」


雪風「しれーはですね~。膝の上に座らせてくれます!」


整備士(提督何やってんだよ…てか、雪風もそれを遊ぶというのか…)


雪風「あ!じゃあしれーと同じことをすればいいんですね!では失礼します!」モゾモゾ


整備士「あ!おい!」


ーーー

ーー



雪風「♪~♪~♪~」


整備士「なあ…雪風。」


雪風「はい!なんでしょう?」♪~


整備士「俺の服、油臭くないか…」


ー整備士は勤務中、作業着を着て作業をしている。その作業着は明石が来てから毎日洗濯しているが、日々の整備の油汚れは完ぺきに落とせない。また、工廠独特の油臭さがしみついている。今着ているのは、空母たちからもらった作業着だが少し臭いは心配だ。


雪風「そんなことありません!艤装と同じ油のにおいがするのでこの匂いはとても安心します!」クンクン


ーそういうと、雪風は整備士の方を向き整備士の胸元に顔をうずめ服のにおいを嗅ぐのであった。


整備士「おいおいやめてくれ…(やっぱ俺ってロリコンなのかな)」


雪風「………………」


整備士「雪風?」


雪風「………Zzz」グゥー


整備士「おいおい…寝ちゃったよ…この後も仕事あるのに…明石は建造行ってるしどうしたものか」ハァー


妖精さん「整ちゃん…」


整備士「ん?なんだ妖精さん。」


妖精さん「整ちゃんってやっぱりろr『おいまて』」


整備士「これは雪風が勝手に乗っかて来ただけだ。」


妖精さん「………」ジー


整備士「なんだよ…」


妖精さん「内心は?」


整備士「すっごく嬉しいです。すみません。」


妖精さん「初めから認めればいいのに」ハァー


整備士「雪風が可愛いのが悪い。てか、子供の世話好きはロリコンに入らんだろう。」キリ


妖精さん「いいけど、そろそろ仕事始めるから。雪風を駆逐艦寮に連れていってね。」


整備士「了解。雪風返したらすぐに仕事にかかるよ。」テクテク


ー駆逐艦寮雪風 時津風部屋前


整備士(途中でいろんな艦娘に見られたけど、大丈夫だよな?)


ーコンコン


時津風「はぁ~い!」ガチャ


整備士「どーも」


時津風「整備士さんだー。雪風抱えてどうしたの?」


整備士さん「こいつが工廠まで遊びに来てそんまま寝ちまったから、お届けだ。」


時津風「なるほどー。ありがとね~。 ん?その作業着どうしたの?空母さんたちの名前が入ってる。」


整備士「あぁこれか?空母組からのプレゼントだ。なんでも2式大艇救命隊創設のお礼だって。」


時津風「ふぅ~ん。」


整備士「じゃあ俺は行くから。」テクテク


時津風「バイバーイ」フリフリ




ーーーーーー

[休む暇2]


雪風「せいびしさんのお膝椅子最高でした!」キラキラ


ー整備士に膝椅子をさせてもらった雪風は、その後の出撃で大活躍を見せた。その秘訣を、整備士の膝椅子だと思った雪風は他の駆逐艦の前でそのことを話した。話してしまった。話してしまったのである。そしてそれを聞いた駆逐艦たちは…


整備士「さてと休憩に入るかな…」ノビー


ードタドタドタ!バーン!


夕立「整備士さん!今すぐその膝貸すっぽい!」ポイポイ


白露「あーずるい!私が1番に座るんだから!」イッチバーン


島風「私が1番早く座るんだからね!」オゥッ


響「それはずるいな。」ウイスキーグビー


電「はわわわわ!工廠が人でいっぱいなのです。」アワアワ


雷「整備士さん!疲れていたら私に頼ってもいいのよ!」ワクワク


暁「私は別に…整備士さんがどうしてもって言うなら仕方なく座ってあげるわよ。」チラ


不知火「整備士さんに、落ち度はありません。」キリ


雪風「せいびしさん!またお膝椅子お願いします!」キラキラ


ワタシガサキ!イヤワタシガ!………


ワラワラワラワラ


整備士「」


ー工廠は駆逐艦たちで溢れかえった。整備士の膝を求めて…そのころ執務室では


ー執務室

提督「」チーン


吹雪「提督、最近元気がありませんがどうしました?」


提督「休憩中に駆逐艦たちが来なくなった…駆逐艦成分が足りない…」


吹雪「提督が『忙しいから整備士さんと遊んでおいで』って言うからですよ。」


提督「だって…本当に忙しかったんだもん…」ショボーン


吹雪「はぁ~。わかりました。今日の仕事が早く終われば私が癒してあげます。」


提督「ウォーーーーー!!」カキカキカキカキカキ


吹雪(ほんと、単純な人なんだから)クスクス


ー工廠にて


ワラワラワラ…ガヤガヤガヤ…


明石「なんか建造終わって工廠に戻ったら、駆逐艦たちで溢れかえてたんだけど…妖精さんどうゆうこと?」


妖精さん「整ちゃんがロリコンなだけだよ。」


整備士「こら。妖精さん適当なことを言わんでくれ!それより明石この駆逐艦軍団をどうにかしてくれ~!」ヒエ~


ーーー

ーー



ーその後、明石や妖精さんの働きにより週3回だけ整備士の膝椅子が出来ることとなった。座る艦娘は駆逐艦で座る時間は1分までと制約されたが、それでも艦娘は絶えなかった。整備士さんは休憩時間が休憩時間でなくなっていたとことに嘆いていたが、艦娘のコミュニケーションが取れる良い機会として、情報収集に活用したりしていた。そして、長門がまた整備士に近寄るのであった。




ーーーーーー

[駆逐艦と整備士]

ー今日は駆逐艦も座りに来ない日なので整備士は、椅子に座りコーヒーを飲んでいた。すると…


吹雪「失礼します!整備士さん!」ガチャ


整備士「吹雪か。どうした?また提督がサボって逃走中か?」


吹雪「いえ!司令官なら椅子に縛り付けているので、大丈夫です!」ニコ


整備士「(この子、笑いながらとんでもないこと言ってるんだけど…)そ、そうか。んじゃ、どのようなご用件で?」


吹雪「駆逐艦を代表しまして、これをプレゼントしに来ました!」フクロサシダシ


ー整備士は少し予想しながらも袋をもらい、中身を確認する。


整備士「これって…」


吹雪「はい!時津風ちゃん提案の、この鎮守府に所属している駆逐艦ネーム入り作業着です。いつも整備や艤装テストの感謝の気持ちです!」


整備士「(ですよねー)あ、ありがとう。」


ー整備士は空母組と同じように袖を通し、同じ言葉を言った。


整備士「サイズもぴったりだ。ありがとう。」


整備士「ただ、この作業着がまたボロボロになったらまた、新しい作業着をプレゼントしてくれるかい?」


吹雪「もちろんです!その時は新しく入った駆逐艦の名前も一緒に入れましょう!」


ーと、同じ答えが返ってきた。


ーそうなってしまうと、戦艦・重巡洋艦・軽巡洋艦・潜水艦その他の艦種艦娘からも同じようにネーム入り作業着のプレゼントを渡された。これで、6着の作業着がそろい整備士は日替わりで作業着を着ていくのであった。なお戦艦・軽巡洋艦から貰った作業着には胸元にもう1つ別の刺繍がされており、戦艦は『瑞雲を称えよ』 軽巡からは『夜戦!』と刺繍がされていた。整備士は恥ずかしく思いながらも、こんな作業着でも悪くないと思うのだった。



ーーーーーー

[大型建造]

ー鎮守府も少し大きくなり提督も昇級したため、大型建造が可能になった。ただし資材消費の激しい大型建造に、秘書艦である吹雪が了解するはずもなかった。そこで提督はある手段に出る。


整備士「ん?提督からメールだ。」スマホイジリ


提督 『整備士さんへ。大切なお話があります。誰にもきずかれないように工廠裏に来てください』


整備士「なんだ?」


ー不思議に思いながらも整備士はヒソヒソと工廠裏に向かう。



ーー

ーーー


ー工廠裏

提督「お。きたきた。」コッチコッチ


整備士「どーしたんですか提督?」ヒソヒソ


提督「大型建造やりたい。」ヒソヒソ


整備士「はい?」ヒソヒソ


提督「お願い!」ヒソヒソ


整備士「いや。無理でしょう。吹雪がOKしたなら別ですが…」ヒソヒソ


提督「大本営がうるさいんだよ。大型建造しろって(嘘だけど)」ヒソヒソ


整備士「なら吹雪にそういえばいいじゃないですか?」ヒソヒソ


提督「あいつ今、遠征で長時間戻ってこないし。今日中にやらないと降格させるって脅してきたんだ。(大嘘)」ヒソヒソ


整備士「はあ?大本営がそう言ってるならいいですけど…」ヒソヒソ


提督「そうか。ならやってくれ!あと、大型建造は業務が終わってから誰にも気づかれないようにやってね!」ヒソヒソ


整備士「なんでです?」ヒソヒソ


提督「他の艦娘に、資材より階級を優先したとか思われたら困るじゃん!建造が終わってから、あとで辻褄合わせればいいし。」ヒソヒソ


整備士「了解しました。じゃあ、業務が終わったら行いますが資材の量はどうしますか?」ヒソヒソ


提督「3500/3500/6000/6000 開発資材20で!なんか知り合いにがこれで大和でたっていってから!」ヒソヒソ


ーーー

ーー



ー業務終了後…建造ドックにて


提督「建造ドックのカギは締めたか?」


整備士「はい。」


提督「資材の量は大丈夫か?」


整備士「3500/3500/6000/6000 開発資材20で準備できてます。」


提督「よし!やるぞ!」


整備士「はい。大型建造妖精さん。」


大型建造妖精さん「なんだよ。整ちゃん。」


整備士「3500/3500/6000/6000 開発資材20 で建造を頼みたい。」


大型建造妖精さん「いいけど、これ業務時間外だから高くつくぜ。」


整備士「これでどうだ」チケットピラ~


大型建造妖精さん「おい!これは…あの伝説の…」


ー整備士が取り出したのは、『間宮 一週間食べ放題チケット』だった。


整備士「しかも人数分あるぜ!」ピラ~


大型建造妖精さん「取引完了だ!おい!ヤローども仕事だ!報酬は伝説のチケットだってよ!気合い入れて行くぜー!」オォー!


ー妖精の掛け声とともに、初の大型建造が始まった。


提督「おい…なんでそんなに間宮の伝説のチケットを持ってんだよ…」


整備士「他の鎮守府に納品する2式大艇救助専用艇の改造での報酬で…提督経由で報酬をもらったのはいいですけど使いどころなくて…ちょうどその時に間宮さんがチケットを売ってたんである分買っちゃいました。」


整備士「でもまだ報酬が残ってるので…」


提督「マジか…」


ーこの鎮守府では、他の鎮守府に明け渡した2式大艇救助専用艇の改造費などの利益でお金をもらっていた。その際に設計者である整備士にも報酬が行くようにされたのだが、基本報酬の管理は提督が行っている。主に整備士に支払われる報酬以外は、鎮守府の関連施設の投資や、資材購入に充てていた。連絡役の提督にも多少の報酬は出たのだが…


整備士「提督も少し報酬貰ったでしょ?何に使われたんですか?」


提督「………吹雪にとられた………」グスン


整備士「ちゃっかり財布の紐握られてますね………」


整備士「それにしても完成までまだまだ時間がありますし、鳳翔さんの居酒屋で飲みましょう。おごりますよ。」


提督「この野郎!こうなったらやけだ!覚悟しとけよ整備士!」ウガー


提督「あ!妖精さん!建造終わっての初顔見せは、明日の業務外に行うから建造終了の連絡はしなくていいよ~」ヒラヒラ


ー整備士と提督は建造ドックを後にし、居酒屋 鳳翔へ向かうのだった。


大型建造妖精さん「あ!建造完了時間伝えるの忘れてた!まぁ、いいか!」


ー『建造完了まであと 6時間35分18秒』


ーーーーーー


後書き

お待たせしました!整備士と鎮守府の物語 2 いかがだったでしょうか。

出来れば評価・応援やコメントしていただければありがたいです。

本編における2式大艇救助専用艇のイメージは、戦時中の2式大艇(川西航空機 生産)と海上自衛隊が運用している、US 2(新明和工業株式会社 生産)をごっちゃにかけ合わせたものです。なのでかなり無理な設定になっています。余談ですが、新明和工業株式会社は川西航空機の前身であり戦時中・戦後も数々の飛行機・飛行艇を作り上げてきました。名機、紫電も川西航空機生産です。

次回は、『居酒屋 鳳翔の出来事』『大型建造出来た艦娘は』などをお送りしようと思います。更新は1~2週間後です。

次回もお楽しみに!


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