2018-12-14 01:14:53 更新

 -ブラックジャック邸ー


電話「prrr、prrrガチャ」


ブラックジャック「はい、こちらブラックジャック。」


電話「・・・・・。」


ブラックジャック「もしもし?」


電話「・・・先生、助けて。・・・私、私オークの子供を妊娠しちゃった。」


ブラックジャック「おい、あんたは誰なんだ?」


電話「………。ガチャン」


ブラックジャック「オークの子供を妊娠しただと?」


ピノコ「ちぇんちぇー、だえから?」


ブラックジャック「さあな、切れちまったよ。」


ピノコ「ふーん、あ!ごはんできたよー。」


ブラックジャック「そうか、飯にするか。」


ピノコ「さっ、どーじょ。」


ブラックジャック「いただきます………、ブー!」


ピノコ「どうちたの?」


ブラックジャック「ピノコ、お前さん味噌汁にまた、ソースを入れたな。」


ピノコ「アッチョンブリケ!」


 ーG県五車学園園長室ー


アサギ「………。」


電話「prrr、prrr」


アサギ「……。」


電話「prrrガチャ、はい、ピノコれす。」


アサギ「もしもし、私はアサギと申します。そちらにブラックジャック先生はおられますか?」


電話「うーん、ちょっと待ってくだちゃい。ちぇんちぇー、れんわー。あしゃぎって女のひとー。」


アサギ「……。」


電話「はい、代わりました。ブラックジャックです。」


アサギ「先生、この前はありがとうございました。あの、当校の生徒のゆきかぜがそちらにうかがっていませんか?」


電話「いえ、来ていませんが。」


アサギ「そうですか…。」


電話「何かあったんですか?」


アサギ「…、ゆきかぜが失踪しました…。」


電話「なんですって?」


アサギ「彼女はある任務で東京キングダムに潜入していました。その際、彼女の正体が敵にばれて捕まってしまいました。そこで、なにをされたのかは分かりませんが私たちが彼女を解放した際彼女は白眼を剥いて気絶しオークの精液に体の外も中もまみれていました。」


電話「…。」


アサギ「学園で目を覚ました彼女は自分がされたことに絶望し、学園から姿を消してしまいました。」


電話「それは、お気の毒に…。」


アサギ「もしや、先生のお宅に行ったのではと思ったのですが…」


電話「実は今日、オークの子供を妊娠したという電話がありました。」


アサギ「なんですって?」


電話「名前を名乗らずすぐに切れてしまいました。」


アサギ「居場所は、居場所は言っていませんでしたか?」


電話「いえ、なにも。」


アサギ「そうですか…。」


電話「また、電話があればこちらからお伝えします。」


アサギ「はい、お願いいたします。」


電話「ではまた。」


電話「ガチャ」


サクラ「先生はなんて?」


アサギ「電話があったそうよ。ただ、すぐに切れたって。」


サクラ「そっか…手がかりなしか…」


アサギ「私たちで探すしかないわね。」


紫「学園長!大変です、凜子がいなくなりました!」


アサギ「なんですって!」


紫「部屋にこれが残されていました。」


アサギ「……ゆきかぜを探しに行きます……。」


サクラ「まあ、気持ちは分かるかな。」


アサギ「もう、勝手なことばっかりして!」


 ーブラックジャック邸ー


ブラックジャック「……。」


ピノコ「ちぇんちぇい、れんわはなんらったの?」


ブラックジャック「いや、なんでもない。さっ、もう寝よう。」


ピノコ「はーい。」


ブラックジャック「……。」


ピノコ「ちぇんちぇい、おやちゅみなちゃい。」


ブラックジャック「……。」


ブラックジャック「……。」


ブラックジャック「くそっ!」


ピノコ「ろこへいくのよさ?ねえッろこいくの!ちぇんちぇい!」


 ー車内ー


ブラックジャック「G県か…あの湖がちかいな…。」


 ー土砂降りの山道ー


ゆきかぜ「…ごめんね…達郎…ごめんね…。」


ゆきかぜ「………。」


車「プッープー、プッープー」


ゆきかぜ「…なに?」


ブラックジャック「やっと見つけた。さあ、こっちにおいで。」


ゆきかぜ「ブラックジャック先生?…どうしてここへ?」


ブラックジャック「お前さん、この先の湖に用があるんだね。そうでしょう?」


ゆきかぜ「えっ?」


ブラックジャック「お前さん湖に身を投げてしぬつもりなんだ。」


ゆきかぜ「違います!違う!けっして!」


ブラックジャック「そこの湖は自殺の名所だっていうからね。」


ゆきかぜ「そうじゃありません!…そんなんじゃ…。」


ブラックジャック「五車学園から連絡があったよ。」


ゆきかぜ「………。」


ブラックジャック「アサギさんだいぶ心配してたな。」


ゆきかぜ「…………。」


ブラックジャック「他の紫さん達も心配してるだろうな。」


ゆきかぜ「…………。」


ブラックジャック「酷い目にあったのは分かる、死にたくもなるだろう。」


ゆきかぜ「…………。」


ブラックジャック「だが、お前さんを心配してる人のことも考えたらどうだ?」


ゆきかぜ「……アサギ先生……、皆………。」


ブラックジャック「まあ、ゆっくり考えるこった。」


ゆきかぜ「………。」


ブラックジャック「…!くそっ!雨で崖が崩れてやがる。」


ゆきかぜ「…うっ、お、お腹が…」


ブラックジャック「どうした?」


ゆきかぜ「痛い、いたったた、お腹の、中でェア゛ア゛ア゛ア゛ア゛」


ブラックジャック「すぐ上に山小屋がある。そこへ行こう。」


ゆきかぜ「うっうう……。」


 ー山小屋ー


ブラックジャック「よし、さあここへ。」


ゆきかぜ「アッツツ、うゥ…。」


ブラックジャック「なんだ?急に腹が膨らみだしたぞ!」


ゆきかぜ「ウアアアアーーーー」


聴診器「ドックン、ドックン、ドックン」


ブラックジャック「腹から心音が聞こえる……本当に妊娠していたのか。」


ゆきかぜ「うう、何かが出てきそう……ぐああ、イタイっイタイ、やだっやめて!ウウーン、ウアアアア」


ブラックジャック「まさか陣痛か?もう、産まれるのか?」


ゆきかぜ「アッ…いっ…いた…い。」


ブラックジャック「お産は医局時代に立ち会っただけなんだがな、しょうがない。今度痛んだら思い切りきばれ、よしと言うまできばるんだぞ。」


ゆきかぜ「ハァハァ…はい…、うっうあーー。」


ブラックジャック「きばって!」


ゆきかぜ「ンンーーーー!!……ハァハァ」


ブラックジャック「きばって!」


ゆきかぜ「グアアッッンン、ンンーー!!……アッ……い……い……いた。」


ブラックジャック「む…胎児が大きすぎるんだっ帝王切開しなきゃならん。」


屋外用無菌室「プクーーー」

……………

ブラックジャック「よし、子宮に到達したぞ……ナム三!胎児が豚の頭をしている!…………。」


ブラックジャック「…………。」


……………

ゆきかぜ「すぅ…すぅ…。」


ブラックジャック「フー、術式終了。よく寝ているな。」


山小屋の扉「コンコン」


ブラックジャック「誰だ?」


山小屋の扉「その声はブラックジャック先生ですか?私です、秋山凜子です。入ってもいいですか?」


ブラックジャック「ああ、入ってくれ。」


凜子「失礼します。…あっ!」


ブラックジャック「静かに、手術を終えて今は寝ている。」


凜子「そうでしたか…、それでゆきかぜは?」


ブラックジャック「無事だよ。」


凜子「ホッ、それはよかった。ところで腹の中にいたオークは?」


ブラックジャック「死んだよ。」


凜子「死んだ?……まさか先生が?」


ブラックジャック「医者はな、時には患者のためなら悪魔にもなることがあるんだぜ。」


凜子「……ありがとうございます、先生。ゆきかぜがこれで余計に苦しめられずにすみました。」


ゆきかぜ「…う、ううん……凜子…先輩?」


凜子「ゆきかぜ!この馬鹿!いきなり居なくなるなんて!」


ゆきかぜ「うっ…す、すみません…」


凜子「グスッ…どれだけ心配したと思ってる、グスッ……無事でよがっだ…………。」


ゆきかぜ「うっうっ……凜子…スンッ……先輩…ウッウァワーーーン」


凜子「グスッ…さあ、五車学園に帰ろう。」


ゆきかぜ「うっグスッ……はい。」


凜子「ブラックジャック先生、ゆきかぜを助けていただきありがとうございました。後で必ず御礼をいたします。」


ブラックジャック「ああ、気をつけて帰りなさい。」


凜子「はい、ではこれで。」


ブラックジャック「………。」


ブラックジャック「これで一件落着か。今回はおまえは役に立たなかったが、こんな時もあるさ。」


小鳥の模型「………………。」



後書き

次回予告(未定)
キリコ「これが例の薬ですか?」
桐生佐馬斗「ええ、そして投与した様子がこちらです。」

アサギ「オぉぉぉんンんおマンゴイグイグーーッ!!」

ブラックジャック×対魔忍 番外編 白い死神


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2018-12-14 08:05:44

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