2019-01-07 01:22:34 更新

概要

まだ見てない方は第0話〜第1話を見てねん。
イベントE3-2辛いぜ...丁作戦だけどね...許せまだ初心者なんや...。
峯雲やジョンストン可愛いですなぁ。


大淀:明石「...えっ?」


大淀と明石が素っ頓狂な声を上げた。

声が揃っていて思わず吹き出しそうになったが、なんとかこらえた。


大淀「それってどういうーー」


宮下「ただし、1つ条件がある」


大淀の問いかけを無視して、そう言った。

大淀と明石はまだ状況が理解できていないようだが、話を続けた。


宮下「それは...」


宮下「お前らの前任の提督を俺が殴り飛ばすこと。それだけだ」


...何故こんな事を言ってしまったのだろうか。

素直に自分がーーであることを伝えればいい話なんだが...

やはり言うべきか?

いや、話がこじれるから今は言わないでおこう。

こじれるどころか、さらに混乱するだろう。


大淀「...何故、前任の提督のことを知っておられるのですか?」


.....しまった。

何とか誤魔化さなくては。

脳をフル回転させて考えた。


宮下「....昨日の会話をドア越しにで聞いていてな。..という訳だ」


まるで自分が怪しい人みたいな言い訳をしてしまった。

少しの間、沈黙が流れた。

盗聴していたことがバレてそうで気まずかった。


明石「えっ、それじゃあ..」


突然口を開いたのは、明石だった。


宮下「ああ、お前が"明石"と呼ばれていた事も知っている。....お前も艦娘なんだな?」


明石はびっくりした表情を浮かべていた。

やがてくすくすと笑いだし、


明石「...ふふ、流石宮下さんは勘が鋭いですね。そうです。私は工作艦、明石と言います」


勘が鋭いとはよく言われるが、かげ..明石に言われるとイラッと来るのは何故だろう。

そんな中、大淀が真面目な顔で、


大淀「本当によろしいのですか?もう少し考えたほうが....」


と、尋ねてきた。


宮下「充分悩んで出た答えだ。悔いはない」


実際悔いしかないが。

まあ暇な人生を送るよりか、はるかにマシだろう。

やるからには、元帥まで行きたいものだ。

...一般人がなれるはずがないか。

そんなことを考えていたら、大淀がパンと手で音を立てて、弾んだ声で、


大淀「貴方は今日から提督です。さっそく手続きを始めますね!」


宮下「ああ、その前に院長に話をしてくる」


辞表を出しに院長室へ行こうとすると、


大淀「その必要はないです。事前に通告しておきましたので」


と、ドヤッとした顔で呼び止められた。

...俺が断ったらどうするつもりだったのだろうだろうか。

こいつは少し抜けている所があるのかもしれない。


大淀「手続き完了は午後には終わると思うので、それまでに明石と大本営に来てください」


大本営ーーこの地域のいわば海軍基地のような場所だ。

この地域は山からも海からも近い所に位置しているので、電車で行ける距離である。


大淀「...後...もうひとつお話しなくてはならない事があります」


声のトーンを下げて大淀は話始めた。

それは、前任の提督のことについてだった。

実は彼は転勤して、大本営直属の提督になった事。

前任の提督がいた鎮守府は艦娘が"人間"を怖がっているという事。

まあ、あんなことをされてはトラウマにもなるだろう。

そして、その鎮守府はかなりひどい状態になっている事。


大淀「そこで...医師である宮下さんには艦娘の、カウンセリングもしていただきたいのです。」


それはかなり難しい質問だった。

白髪に真っ白な肌、かなり高い背。

怖がられる要素しかないのに、どうしろと言うのか。

生憎、女性も苦手である。

しかも、心療内科は専門外ときた。


宮下「....やってみる」


と、曖昧な返事をした。




ひととおり話を終え、大淀と連絡先を交換し別れた。

早朝に病院を出たはずなのに、もう9時を過ぎていた。

明石は一旦家に帰り、準備をしてくるそうだ。

俺はいち早く準備を終わらせ、マンションを売った。

鎮守府に住むことになると思われるので、家は売れとのことであった。

住み込みで働くのに家を売れとは、もはやブラックなのでは...。

地下鉄のホームで明石と待ち合わせをしていると、ピンク色のロングの髪をした女性が走ってきた。


明石「はぁ...はぁ...お待たせしました〜」


宮下「....明石...か?」


一瞬誰かわからなかった。

病院で見た明石は黒髪の印象が強かったためかもしれない。

それにしても綺麗な髪だな、と思った。

病院の当直の時の寝起きの髪は酷かったからそう思っただけかもしれないが。


明石「あ、あの〜...」


いつの間にか眺めていたらしい。

明石が頬を赤らめて困ったように俯いた。


宮下「すまん、いつもよりは可愛らしかったからな。少し見とれていた」


明石「いつもより"は"って、いつもなんだと思ってるんですか...」


余計な言葉をつけたからだろうか、明石が頬を膨らませた。


宮下「明石、そろそろ行くぞ」


そんなことはお構いなしに明石に呼びかけた。


明石「は〜い..」


明石は不貞腐れたように、口を尖らせながら答えた。




大本営に到着し、大淀と合流して書類にサインして手続きを終了させた。

すると大淀から車に乗せられた。無論、明石も一緒だ。

話によると、今から鎮守府に向かうらしい。

鎮守府には1時間程で着いた。

車から降りると、鎮守府の前に二人の女性ーーいや、艦娘が立っていた。

??「...貴方が提督殿か?」


警戒した声で黒髪の凛とした顔立ちの女性が尋ねてきた。

その声は少し震えていたようにも聞こえた。

もう片方の女性は黙ったままだ。


宮下「そうだが...お前の名前はなんだ?」


長門「私の名前は長門、こちらは陸奥という。提督殿これからよろしくお願い致します」


陸奥「...よろしくお願いします」


物凄く警戒されている。

髪染めようかな...。


宮下「よろしく。...後俺には敬語を使うな。俺は上下関係は好まないんでね」


長門「しかし..」


長門が困惑して言い返そうとする。

前任の提督から厳しく言われていたのかもしれない。


宮下「その方が長門や陸奥も楽だろう?」


少し口調を柔らかくして聞いてみた。


長門「....分かった。配慮に感謝する提督。改めてよろしく」


陸奥「ふふっ、改めてよろしくね提督」


さっきとは違い少し明るい雰囲気となった。


大淀「良かったですね提督!....あ、ちなみにこれからは提督呼ばせていただきますね。

敵に名前がバレないようにしなくてはならないので」


明石「同じくです。提督!」


少し複雑な気持ちだが、これはこれで良しとしよう。


提督(宮下)「さて...」


俺は鎮守府に改めて向き合った。


提督「なに...これ?」


そこには大きな廃墟を連想するかのような建物があった。


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2019-01-08 14:35:49

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