2019-11-08 19:45:51 更新

概要

艦娘を作り上げるために実験され、同じ海の上で戦う提督と、共に戦う白露型の話です。


前書き

初投稿です。完全なオリジナルストーリーで、所々変な箇所があるかもしれない上、かなり特殊な内容です。駆逐艦提督って名前は色々とあながち間違ってないけど、この話の内容にロリコン要素は特に、ないです。時間がある時に誤字修正などで更新しています。基本は提督と白露型がメインで、主に提督目線で書いています。グロ要素ありです。


作品登場人物



・提督

艦娘のデータ回収のために被験者となった1

人。髪は茶髪、目は緑色で性格はしっかりとし

ているので周りからは人気がある。戦うことを

やめ、提督として新たな人生を送ろうとする

が…?


・大淀

提督のサポート役。普段は大本営で働いている

が、提督から要望があれば駆けつけてくれる


・白露

白露型1番艦。何事にも1番を目指す白露型の

姉。色んなことに1番を目指そうとしているの

で妹達は手を焼いている


・時雨

白露型2番艦。 物事にはしっかりとしていて、

妹達によく頼りにされる。

過去に別の提督との関係により、人間には不信

を抱いている


・村雨

白露型3番艦。「いい感じ、いい感じ」や、「はい

はーい」が口癖。恋関係の話が好きで、よく恋

バナを持ちかける


・夕立

白露型4番艦。語尾の「ぽい」が特徴的で、元気

で明るく、無邪気な性格。その性格か、いつも

犬のようにじゃれている


・春雨

白露型5番艦。料理や掃除が得意で鎮守府の世

話係。何故かいつも飯釜を持っている。姉達の

世話を毎日行っているが、嫌と思った日は1

度もない




駆逐艦提督



~大本営~



大淀「…はい!これで手続きは完了です。お疲れ様でした」



提督「あぁ、ありがとう」



たった今俺は提督としての手続きが終了したところだ。挨拶のために元帥殿の部屋へ向かっている途中に大淀に尋ねられる



大淀「つかぬ事をお聞きしますが、本当に提督になるんですね…」



提督「あぁ…もう戦うのは御免だからな」



大淀「そうですか…でもあなたならきっと艦娘達から信頼を得られますよ」



提督「そうか?」



隣にあった大きな鏡の前に立ち止まった。自分の姿に失礼な箇所はないだろうか…



提督「…とりあえず、今はどこの鎮守府に行くか不安だな…」



大淀「きっと良い鎮守府に就きますよ」



提督「そう願いたいね」



大淀と雑談していると、あっという間に元帥殿の部屋に着いた



大淀「着きましたよ。ここが元帥殿の部屋です」



提督「ここか…」ドキドキ



いざ部屋を目の前にすると胸の鼓動が途端に早くなった



実際に元帥殿と会うのは初めてだ。失礼のないようにせねば…



大淀「そんなに緊張しなくて大丈夫ですよ。では入りましょうか」



提督「あぁ…頼む」



大淀「元帥殿、失礼致します。新たに着任される提督を連れて参りました」



元帥「入って良いぞ」



提督「失礼致します」



元帥「ほう、君は…」



提督「お初にお目にかかります。今日から提督を務めさせていただきます。よろしくお願い致します」



元帥「うむ、礼儀があって良いことだ。噂には聞いている。どうやらあの実験に関わった一人らしいな」



提督「…はい」



元帥「まあ良い。ちょうど最近退職した提督がいたんだ。その鎮守府に就いてもらおう」



提督「ん?もう鎮守府は決まっていらっしゃるのですか?」



元帥「うむ、ここが今日から君の着任する鎮守府だ」ピラッ



渡された地図の場所は日本とはかけ離れた場所だった



提督「…ラバウル基地…」



大淀「え!?」



提督「え?」



大淀「あっ…いや…すみません、なんでもないです」



今何故大淀は驚いたんだ?



提督「…(嫌な予感しかしない)」



元帥「とにかく今は最前線が忙しい中だ。少しでも多くの戦力が欲しいので君もすぐに前線で戦えるように頑張って欲しい。車は手配してあるからすぐにいってもらっても構わない」



提督「はい…」



どうやら俺はほんとにとんでもない時期に着任してしまったようだ…



~ラバウル基地~



提督「ここがラバウル基地…」



思っていたものより立派な建物だった。



提督「結構立派な建物じゃないか。気分が高まるな」



大淀「え、えぇ…そうですよね…」



提督「なんでさっきからそんなに元気ないの…やっぱりこの鎮守府…」



大淀「あっいえ…後ほど説明します」



これ後で俺落胆とかしないよな?



ひとまず大淀にこの鎮守府の様々な施設を教えてくれたが、どこもしっかりと完備されていた。



ただし1つ問題があるとすれば…あまり掃除されていない。大きな場所には目立ったものはないが、隅や端っこにはホコリやゴミが散乱している



提督「(一旦何故大淀はあそこまで活気がないんだ?確かに空気は悪いし、汚れは目立ってるけど…)」



だけどあの顔は恐らくそんなものではないと感じた。別の理由があるに違いない



だが、特にこれといったものもなく最後の場所へ着いた



大淀「ここが執務室です」



提督「おぉ…」



噂には聞いていたが、実際に目にするとやはり迫力が違うな



大淀「今日からここであなたの仕事が始まります。頑張ってくださいね」



提督「あぁ、ありがとう。大淀はこれからどうするんだ?」



大淀「私はこれから大本営へ戻って執務をしますがその前に…」



提督「ん?」



大淀「これからあなたと共に過ごす艦娘を紹介したいのですが…」



提督「あぁそうだったな」



一体どんな子なんだろうか。できれば真面目な子であってほしい。



大淀「5人いるのですが…」



提督「5人?」



そういえば元々ここに違う提督が着任してたって言ってたっけ…



大淀「どうぞお入りください」



ガチャッ



入ってきたのはどんよりとしたオーラで、まるでたったいま地獄を見てきたかのような顔をしていた5人だった



提督「え、何どうしたのあの顔」



大淀「実は…」



大淀によるとどうやら以前の提督は有名な程のブラックで艦娘達にかなりの負担やストレスがかかっていたらしい。そのためかほとんどの艦娘達はここを離れていき、残ったのはこの5人だけであるという



提督「(だから大淀は驚いていたのか)」



提督「とんでもない過去をもってるんだな…」



大淀「ひ、ひとまず紹介させますね」



提督「あ、あぁ」



白露「白露型一番艦…いっちばーん…白露です…」



時雨「僕は白露型二番艦の時雨…だよ…」



村雨「白露型駆逐艦…3番艦の村雨です…」



夕立「白露型駆逐艦4番艦…夕立ぽ…です」



春雨「白露型5番艦の春雨です…はい…」



提督「…」



提督「…これはひどい…」



大淀「かなりのトラウマを持っていますからね…」



提督「特に提督という存在には多分かなりきついよな…」



大淀「恐らくそうだと思います…」



とんでもない所へ着任した…何とかして事情を聞かなければ



提督「…なあみんな、ちょっとこっちに来てくれないか?」



白露型「…?」ギロッ



提督「(ひえっ…人を殺めるような目をしてる…)」



とりあえず5人をソファーまで呼んだ



提督「ひとまずそこに座ってくれ」



時雨「僕たちは座れないよ…」



提督「え」



時雨「艦娘たちは提督の前では座ることも許されてないんだ…だから座れないよ」



提督「その提督の俺が言ってるんだ。座ってくれ」



村雨「ほ、ほんとにいいのかしら…」



白露「さ、さぁ…?」



提督「いいからみんな座って。話したいことがあるんだ」



夕立「解体ですか…?」



提督「何でここまできて解体の話になるんだ…別の件で話したいだけだよ」



何とか説得してみんなを座らせたが…



とりあえず辛いだろうが、過去のことを聞いてみなければ



提督「口に出すのは辛いかもしれないが教えてくれ。君たちは一体前の提督に何をされた?」



春雨「…話してもいいんですか?」



提督「あぁ、遠慮なくぶちまけてもらっていい」



春雨「…あの方は身勝手な人で…」



村雨「ちょ、ちょっと春雨…!」



提督「いいんだ、村雨。春雨、続けてくれ」



春雨「何か自分に不都合な事があればすぐに私達に向かって怒るんです…」



時雨「暴力も振られたよ」



村雨「時雨姉さん…」



時雨「酷いものさ、僕たちが艦娘だからって理由で…」



白露「戦果を挙げられなければ補給も入渠なし。私、いっちばん嫌いな人だよ」



夕立「すごく怖かった…」



村雨「…そうね、あの人ほんとに失礼しちゃう…」



提督「そうか…」



酷い過去だ。暴力に補給なしに加えて入渠もなしだと?他の艦娘がここを去るのも当然じゃないか



なのにこの子達は残っているなんて…



仕方ない。あまり公にしたくない話だが…



提督「なあ、聞いてくれ」



白露型「?」



提督「今の君たちには確かに提督というのは憎いし、怖い存在だと思う。」



提督「だけど俺も提督である以上課せられた任務は行わければならない」



白露型「…」



提督「気持ちは痛いほど分かる。全ての人間が良いやつってわけじゃない」



提督「俺も一部の人間を憎んでる。おかげで俺は半分人間をやめたからな」



大淀「提督…!?」



村雨「え…?」



春雨「人間をやめたって…」



提督「あぁ…俺は兵器化された…君たち駆逐艦を作るために実験台にされた駆逐艦試作型(プロトタイプ)0番艦だ」



駆逐艦提督と新たな生活



白露「試作型…?」



時雨「僕たちが作られるために…?」



夕立「どういうことっぽい…?」



提督「すぐには理解できないよな。今からしっかり説明しよう」



提督「今から数年前…深海棲艦に制海権を奪われた直後の話だ」



提督「俺と他数人が政府に選ばれ、君たち艦娘を作り上げるための実験体として、数年前に研究所に連れられた」



提督「もちろん俺に選択権はなかった」



白露型「…」



提督「ほぼ一日中実験台の上で何度も同じ苦しみを味わい、まともな食事も出ず、睡眠は仮眠程度、それが3ヶ月間続いた」



春雨「3ヶ月間…!?」



夕立「そんなの死んでしまうっぽい…」



提督「実際死にかけたさ。けど生き延びた。それが幸運か不運かは分からないけどな」



提督「実験は成功し、俺は一時的に開放された」



村雨「一時的に…?」



提督「そう、地獄はそこからだった。君達が作り上げられる間にも深海棲艦の猛攻は止まらなかった。だから俺達試作型がすぐに実戦投入されることになった」



提督「先の未来が懸かった最重要任務だ。俺達も全力を出した。2週間続いたが、俺達は敗北した。出来上がったばかりの素人で勝てるはずがなかった」



白露「敗北って…その後は…」



提督「すまない、ここから少し記憶が飛んでてな…ただ、その後の日本がどうなったかは教えよう」



提督「何とか艦娘達が実戦配備されて被害は抑えられたが、それでも多くの人を失った。大切な仲間も…さらに俺達は追放を受けた。色々あってそれは逃れたんだけどな」



白露型「…」



提督「それ以来俺は戦うのをやめて、新たな人生を送るために提督になった。気持ちは分かる。だから一緒に乗り越えよう」



白露「どっちかっていうと提督の方がやばかったような…」チラッ



提督「え?」



時雨「うん…僕たちより苛烈だったよね…」



村雨「確かにそうねぇ…」



夕立「すごく激しかったっぽい…」



春雨「私もそう思います…」



あれ?俺はてっきり同じくらいの辛さだと思って話したつもりなんだが…



提督「…なんかすみません」



村雨「いいえ、大丈夫よ。それよりもありがとう」



提督「え?」



村雨「提督のおかげで少し元気が出たわ。ね?春雨」



春雨「はい。少しだけ気分が楽になりました」



夕立「夕立もっぽい!」



白露「そうだよね。いつまでもどんよりしてちゃダメだよね」



時雨「提督…僕たちは提督と普通に接しても…大丈夫かな?」



提督「もちろんだ。君たちなりの元気を俺に見せてくれ」



時雨「うん、ありがとう」



提督「よし、じゃあこれを記念に何か掛け声でも作ろうか」



春雨「掛け声…ですか?」



提督「あぁ、場を高めるためにな」



白露「それなら最後はやっぱりいっちばーんって言おうよ!」



村雨「ちょっと白露姉さん!?」



提督「おっいいなそれ採用」



村雨「いいのね…」



提督「そうだな…」



~2分後~


提督「よし、それじゃあみんな、これからよりよい鎮守府にするために、俺達の目指す先は〜…」



みんな「いっちばーん!」



全員で上に向かって人差し指を掲げ、声を上げた。うん、すごくしっくりくる



大淀「ふふっ」



大淀「(…やはり私の予想は間違ってなかったみたいですね)」



大淀「(この方ならここの鎮守府を任せても問題なさそうですね)」



大淀「ではもう1つ記念に写真でも撮りましょうか」



提督「写真か、そうだな頼む」



大淀「ではみなさん撮りますよ」



カシャッ



提督「いい写真が撮れたな、ありがとう大淀」



この写真はきっといい思い出になる



大淀「はい、それでは提督、私はこれで失礼します。頑張ってくださいね」



提督「あぁ、今までありがとうな大淀」



大淀「また何かあったらご連絡ください」



話は終わり、村雨が秘書艦として残り、他の艦娘達はそれぞれ自由にさせて、俺は最初の執務をすることにした。



提督「…」カリカリ



村雨「…」ジー



提督「…(めっちゃ見てる)」



提督「村雨…どうかしたのか?」



村雨「え?あっ…提督、字が達筆なのね…」



提督「あっ、ありがとう。やはり提督として字は綺麗にせねばと結構練習したからな」



村雨「とっても綺麗だから見惚れちゃいそう…」



提督「おいおい、やめてくれ。恥ずかしくなる…」



村雨「あ、ごめんなさい。そうだ、お茶でも入れてきましょうか?」



提督「いいのか?ぜひ頼む」



村雨「えぇ、任せて」



~数分後~



コンコン



提督「どうぞ」



村雨「提督、お茶入れてきました」



提督「おぉ、助かる。ありがとな」ズズッ



提督「ふぅ〜落ち着くなぁ…」



村雨「書類が結構終わってる…さすがね」



提督「面倒なものはすぐに片付けるタイプだからな」



大体終わったから少し休憩するか…



~夕方~



提督「そろそろ夕飯の支度をした方がいいな」



村雨「そうね、みんなを呼んだ方が良いかしら?」



提督「あぁ、頼む。俺は先に食堂に行っておくからみんなに伝えておいてくれ」



村雨「分かったわ」



提督「さて、気合い入れて作るか」



~食堂~



白露「…これ本当に提督が作ったの?」



提督「まあ余ってた材料使っただけなんだけどな」



村雨「すごいわ…食べるのが勿体なくなっちゃう…」



夕立「夕立早く食べたいっぽーい!」



提督「そうだな。よし、んじゃ頂くとするか」



みんな「いただきまーす!」



パクッ



白露型「…」



料理を口にした瞬間5人が氷のように固まった…



提督「お、おいどうした?もしかして口に合わな…」



ポロポロ


うおっ!?5人が一斉に泣き出した!



提督「おいおい、なんでそんなに泣いてるんだよ…」



白露「だって…こんなに美味しい料理食べたの初めてで…」



村雨「初めてだけど、とても懐かしい味…」



初めてまともなものを食った人みたいな感想だな…でもこの子たちは本当に辛い生活を強いられていたようだ



提督「そんなに泣くなよ、こういう料理ならいつでも作ってやる」



白露「ほんとに!?やったー!」



村雨「村雨もこの料理だーいすき!」



夕立「夕立もずっと食べたいっぽーい!」



提督「あぁ、任せておけ」



~風呂場~



提督「ふぅ〜…」



今日の疲れが一気に吹き飛ぶくらいに気持ちよかった。やはり風呂が1番落ち着く



基本的に風呂は入渠ドックとしても使うが、普段は先に艦娘達が入り、後に提督が入るというルールがある



提督「ふう〜さっぱりした…さて、後はどこで寝るかだな…」



夕立「あっ、提督さん!もうお風呂は大丈夫っぽい?」



提督「あぁ、夕立か。さっぱりしたよ」



夕立「それじゃあ、夕立についてきて欲しいっぽい!」



提督「ん?何でだ?」



夕立「いいからいいから!」



特に理由もなく腕を引っ張られた



~白露型の部屋~



提督「…なんで君達の部屋なんだ?」



夕立「えへへ、提督さんは今日からここでお泊まりっぽい!」



提督「へぇ〜…ん?」



提督「夕立今なんて?」



夕立「今日からここでお泊まりっぽい」



提督「この部屋で?」



夕立「ぽい」



提督「俺が?」



夕立「ぽい」



提督「…」



おいおい…異性の部屋だぞ?それは色々まずいのでは…それに今日からって…



提督「夕立…さすがに俺は…」



夕立「大丈夫っぽい!みんなもいいって言ってたっぽい!」



提督「なんでみんな承諾してんの…」



夕立「いいから入るっぽい!」



提督「え、ちょっと!あ、失礼しまーす!」



夕立に腕をぐいっと引っ張られ、部屋に強引に入れられた



白露「あ、提督!来たんだね」



提督「…夕立から俺のお泊まりを全員が許可したのは本当なのか?」



白露「うん、そうだよ」



提督「…ほんとにここで寝ていいのか?」



村雨「もちろん、今日一日で色々お世話になったしね」



提督「でもここは君たちも寝るんだろ?そこに男が混じるのはまずくないか?」



時雨「僕達は大丈夫だよ」



春雨「信頼しているんですよ」



提督「…」



信頼か…その言葉を聞いただけで安心する

…この子達には提督という存在に深い傷があるはずなのに…



提督「じゃあ、せめて俺はあっちの壁に寄って寝ておくよ」



夕立「ベッドじゃなくて大丈夫っぽい?」



提督「ベッド以外で寝ることには慣れてるからな」



夕立「提督さん鍛えられてるっぽい!」



提督「ははっどうも。あ、明日の予定言っとくな」



提督「明日は朝9時から昼までこの鎮守府を大掃除をしようと思う。その後15時から演習をするから各自しっかりと寝て明日の準備をしておくように」



白露「大掃除かー。ぴかぴかにしないとね!」



時雨「白露、張り切ってるね」



白露「もっちろん!一番を目指すよ!」



提督「ははっ、みんなも白露に負けないように頑張ろうな」



村雨「はいはーい、任せておいて♪」



春雨「掃除は少しだけ得意なんです、はい!」



提督「期待してるよ。それじゃ、みんなおやすみ」



真夜中…



提督「…うわぁ!…あ…」



こんな夜中に目が覚めてしまった。また同じ夢を見たからか…汗がびっしょりだ



提督「(風呂入ったのに…)」



かなりびっしょりだったので風呂場でザッと体を洗った後部屋に戻り、ベランダに出た



このベランダからは海がよく見える



提督「ふぅ…」



そよ風が気持ちいい。さっき見た夢から癒されるような風だ



提督「静かな夜はやはり和むな」



時雨「…?」ムクリ



時雨「提督?そんな所でどうしたの?」



提督「時雨か。ちょっと海を見てたところだ」



時雨「僕も少し隣いいかな」



提督「構わないよ」



時雨「ありがとう」



そう言って時雨は俺の隣に立った。風が時雨の髪にあたり、その横顔は普通の女の子と変わらない可愛さだった



提督「(艦娘と言えども、やはり人間とは変わらないものだな)」



時雨「提督?僕の顔に何かついてる?」



提督「あ!ごめん、つい…」



時雨「提督…僕たちに隠し事とか…してないよね?」



提督「ん?当たり前だ。君たちにはあの昼に俺の真実を話したし、嘘をつく理由もない」



時雨「提督に限って嘘はなさそうだけどやっぱり僕はまだ人が信用できそうにないんだ」



提督「…」



時雨「春雨は信頼していると言っていたけど、僕は違うんだ。やっぱり同じ提督としてどうしても疑い深くなってしまうんだ」



時雨の言う通り、あれだけの過去があれば人を疑うのは当然だ



提督「…時雨」



時雨「何?」



提督「明後日に出撃の予定がある。その時に君たちが本当に大切だという証拠を示す。だからそれまで待っていてくれ」



時雨「明後日…分かった。覚えておくよ」



提督「あぁ」



時雨「それじゃ、僕は先に寝るよ。おやすみ提督」



提督「おう、おやすみ」



時雨が部屋に戻り、自分は少しこの静かに波を立てる海を見ていたが、ふと母親を思い出した



提督「…母さん…」



もう何年も会っていない。心配してるかな…



提督「…この海の制海権を取り戻したらまた会えるかな…」



提督「(いつか必ず生きて戻るから、ずっと元気でいて欲しいな)」



無限に広がる海原に向かって心の中で囁いた



駆逐艦提督と朝の準備



~提督の夢の中~



ドーン ドーン



提督「ハア…ハア…」ザザー



?「こっちに来るんだ!早く!」



提督「くそっ…!間に合え…!」ハアハア



?「おい!危ねぇ!避けろぉ!」



提督「…!しまっ…」ドカーン



?「しっかりしろ!■■〜〜〜〜〜〜〜〜!!」



~早朝~



提督「…!」ガバッ



結局同じ夢を見てしまった。あまり眠れなかったし今日はちょっと不調だな…



提督「(…誰か起きてないかな)」



白露型「…」スヤ…



まあ寝てるよね。今5時だし。本当だったら8時くらいに起きるのがちょうど良かったのに。やはりあの夢には耐えられない



提督「(あの時の記憶を夢で苦しませるとは…)」



提督「…とりあえず顔洗うか」



洗面台に向かおうとしたものの、やはりまだ寝たい気持ちも出てくる



提督「(どうしよう…寝たいけどまたあの夢を見てしまったら…)」



そのままその場で動くこともなく、しばらく悩んでいたら6時になっていた。そして気づいたら誰かが起きていた



提督「(誰だ…?)」



起きていたのは春雨だった。こんな時間に起きるとはどうしたんだろうか



声をかけようとしたが春雨はこちらを見て何か伺っているようだ



すると春雨はせっせと着替え出した。あっ、あかん。これは見てはいけないやつだ。すぐに寝たフリをした



着替え終わると春雨はこちらに寄ってきた。まさかバレた…?



春雨「司令官、起きていますか?」



いやもうダメでしょこれ。せめてもの紛らわしをするしかない。ここは起きたフリしとこう



提督「うーん…」



春雨「あ、起こしてしまいましたか?すみません」



どうやら気づいてないみたいだ…あ、危ねぇ…



提督「…いや、大丈夫だよ。おはよう春雨」



春雨「あ、おはようございます」



小さな笑顔にドキッとした。…いかん、しっかりしなければ…



提督「…こんな時間に起きるとは立派だな」



春雨「早く起きることには慣れているので」



提督「良いことだ。無理せず続けてくれ」



春雨「…!はい!」



提督「でも早く起きすぎたな。どうしようか?」



春雨「私は今から食堂でみなさんの朝食の準備をしてきます」



提督「そうなのか?なら俺も手伝うよ」



春雨「え?いいんですか?」



提督「もちろんだ。いいだろ?」



春雨「は、はい!」



春雨との共同作業か。しっかりやらないとな



~食堂~



春雨「司令官は料理は得意なんですか?」



提督「得意というより、生きていくためにつけたかな。家を離れてからずっと母のいない生活だったから自分の独学で作ってたんだ」



春雨「あ、そうだったんですね…」



提督「…」チラッ



春雨の指には傷跡が数箇所残っていた。ずっと食事を作らされていたのだろうか…



提督「大丈夫、もう気にしてないことだから」



春雨「は、はい…」



これでは暗い雰囲気になってしまう…話を逸らすか



提督「それより、春雨の料理もすごくうまそうじゃないか」



春雨「これですか?春雨特製味噌汁ですよ」



提督「春雨特製味噌汁…春雨スープ?」



春雨「そっちの春雨じゃないです!」



提督「ひえ!すみません!」



春雨「もう…」



ぷいっとそっぽを向いてほっぺをぷくっとさせていた



提督「(なんだこの可愛い生き物は)」



春雨「す、少し味見してみますか…?」



提督「え、いいのか?」



春雨「司令官には特別です…」



提督「ではお言葉に甘えて…」



他の人の手作り料理は母の料理以来だ。もう何年も他人の料理は口にしたことは無かったが…



提督「…!」



提督「お、美味しい…」



いや、ものすごく美味しい。母親の味噌汁を思い出した



提督「めちゃくちゃ美味いぞ春雨。早く食べたいもんだ」



春雨「本当ですか?ふふっ結構力を入れたんですよ♪」



提督「完成が楽しみだ」



~10分後~



提督「ふう、これで一通り準備は終わったな」



春雨「そうですね。では私は姉さん達を起こしてきますね」



提督「あぁ、分かった」



7時か、少し早いが掃除もなるべく早く終わらせておきたいし、大丈夫だよな



白露「提督、おはよう〜…」



時雨「おはよう提督」



提督「みんなおはよう」



村雨「あら、とってもいい香りがするわね」



夕立「夕立、もうお腹ぺこぺこっぽーい」



提督「もうできてるよ。早速頂こうか」



朝食の時間は少しでも過去のことを忘れられるように色々と雑談を挟んだ。彼女たちからは笑顔が溢れ、食事に関しては、おいしーい!と何度も言っていた



提督「春雨の味噌汁も最高だな」ズズッ



春雨「ありがとうございます♪」



村雨「あらあら、春雨ったら気合い入れちゃった?うふふ」



春雨「む、村雨姉さん!」



提督「いいじゃないか、毎日春雨に頼みたいもんだ」



春雨「司令官が美味しいって言うなら…」ボソッ



提督「何か言ったか?」



春雨「いえ!何でもないです!」



提督「そうか?」



村雨「やっぱり気合い入れたのね!」



春雨「もう!村雨姉さん!」



提督「(微笑ましい光景だ…)」



一通り食べ終わったし、少し早いが大掃除に移ることにした



提督「予定より早いけど、大掃除を始めようか」



村雨「準備万端よ♪」



時雨「僕もいつでも大丈夫だよ」



夕立「お腹いっぱいでやる気いっぱいっぽい!」



提督「鎮守府は意外と広い上に俺たちしかいないからな。2人でチームを組んで掃除してもらう」



提督「まず1階と風呂場は時雨・夕立チームでやってもらう」



夕立「時雨一緒に頑張ろー!」



時雨「うん、よろしくね夕立」



提督「次に2階と食堂。村雨と春雨チームだ。」



村雨「春雨、時雨たちに負けないように頑張りましょ」



春雨「はい!」



提督「そして3階と工廠は俺と白露チームで行う」



白露「提督も一緒にやるの?」



提督「君達5人なのに誰と一緒にする気だったんだ…」



白露「よーし、じゃあいっちばんに終わらせるよ!」



提督「早さを競うのもいいがしっかりと掃除するんだぞ。以上、何か質問は?」



春雨「問題ありません」



時雨「大丈夫だよ」


提督「よし、それじゃ大掃除開始だ!」



白露型「おー!」



駆逐艦提督と鎮守府大掃除計画



~鎮守府3階~



さて、俺と白露は3階を掃除に来たわけだが…



白露「いっちばーん!」ドタドタドタ



さすが白露。一番という言葉に過剰なだけあってものすごい速さで雑巾がけしている



提督「白露〜早く終わらせるのもいいが、そんなに早いと転ぶぞ〜」



白露「分かってるって!あっ」ツルッドーン



あぁ言わんこっちゃない…言った側から転ぶとは…



提督「分かってないじゃん…おい大丈夫か?」



白露「痛〜い…顔面強打だよ…」



提督「だから転ぶぞと警告したのに…」



白露「うぅ…気をつけるよ」



提督「まあ大事に至らなくて良かった。それに君のおかげで床はあっという間に終わったよ」



白露「みんなより一番に終わったかな?」



提督「多分な」



白露「やったー!このままのペースでどんどんいくよ!」ドタドタドタ



提督「だから走るなっての!」



ズベッドーン



\イターイ!!/



提督「…」



こんな調子でどこも波乱万丈だった…特に工廠は…



~工廠~



白露「いっちばーん!」ダダダ



提督「ちょっ!そっちは燃料庫だって!」ダッ



白露「大丈夫だって!足元気をつければ…あ」ツルッ



提督「フンヌ!」ガシッ



白露「あ、危なかった〜…」



提督「白露…フラグ立つのが早すぎだ…」



白露「ごめんね!気をつけるよ!」ダダダ



提督「絶対フラグの意味分かってないだろ!」



提督「…って!待て白露!そっちは弾薬庫だ!」ダッ



提督「うおおぉ間に合えぇぇぇ」



ドガーン



\ギャアアアアア/



~風呂場~



ガラッ



提督「おっす、ちょっといいか…?」



夕立「あっ提督さん!ご用事は…ってどうしたのその格好!?」



提督「君達の姉を入渠させに来たんだが」ボロッ



白露「…」ボロッ



時雨「なんで中破してるんだい…」



提督「激しく走り回ってあちこちでぶつかってな。おかげで俺も中破だ」



白露「でもでも!私達は一番に終わったんだから!」



時雨「はいはい。提督、白露のことは後は任せてよ」



提督「あぁ頼む」



夕立「提督さんは大丈夫っぽい?」



提督「問題ない。汚れることは覚悟してたから、あとでゆっくり洗うとするよ」



提督「ひとまず、俺は村雨達の手伝いに行くよ」



時雨「分かったよ。気をつけてね」



夕立「提督さんまたねー」フリフリ



提督「おう、また後でな」



~食堂~



提督「村雨〜順調か?手伝いに来たぞ」



村雨「あっ提督…って何その汚れ!」



提督「想定外の事が起きた」



春雨「あっ、司令か…わ!どうしたんですかそれ!?」



提督「工廠でちょっとトラブってな…白露は入渠してるし…まあ問題は無いさ」



春雨「白露姉さん…」



村雨「せめて服だけでも着替えたら?食堂でその服は汚いわよ…」



提督「そうするか」



数分後…



提督「戻ったぞ」



村雨「あら?提督その服…」



提督「あぁ、トレーニングウェアだな。今はこれしかなくて…」



村雨「トレーニングウェアというより戦闘服に近い感じね」



提督「あ〜…確かに。まあこれなら動きやすいし、掃除もしやすいからいいじゃないか」



村雨「そうね早く終わらせましょ」



提督「そうだな」



さらに数分後…



春雨「む〜…」フキフキ



提督「春雨、どうかしたか?」



春雨「あっ司令官、ここの汚れが中々取れなくて…」



提督「あ〜こりゃかなり染み付いてるな。あまり無理しなくていいぞ」



春雨「でもやっぱり気になっちゃうんですよね…」



提督「そういえば春雨は掃除が得意って言っていたな」



村雨「そうよ。春雨は誰よりもお利口さんなんだから」



春雨「ちょ、ちょっと村雨姉さん!」



村雨「気づいたら私達の周りを奉仕してくれてるぐらいだし」



提督「それはそれは」



春雨「うぅ…恥ずかしい…//」



提督「凄いことじゃないか春雨。むしろ誇ってもいいんじゃないか?」



村雨「春雨はあまりそういう性格じゃないのよね。むしろ内気というか…」



提督「そうなのか…」



春雨「村雨姉さん語りすぎです…」



村雨「あらあら、ごめんなさい。立派な妹を自慢しちゃいたくて…」



提督「いい姉さんだな」



村雨「うふふ♪」



春雨「もう…//」



この後は特に大きな問題もなく、無事に大掃除は終了した



~執務室~



提督「みんなお疲れさん。おかげで鎮守府は過ごしやすい場所になったよ」



白露「いっちばん綺麗にしたからね!」



時雨「逆に酷いことになった所もあるけどね…」



白露「いいじゃん、きちんと綺麗にしたんだから」



村雨「そうね、いい感じいい感じ♪」



夕立「ん〜気持ちいいっぽい〜」



春雨「とても新鮮な感じです。はい」



提督「みんなのおかげで早く終わったし、昼食を済ませたらゆっくり休憩をとっててくれ」



白露「そういえば、午後から演習があるんだよね」



提督「そうだ。まあきついものではない。軽い訓練だからな」



時雨「具体的にどういうことをするんだい?」



提督「そうだな、俺が君たちの連携力を測りたいのもあって艦隊行動、射撃訓練を主体に行う感じだ」



村雨「的とかはどうするの?」



提督「こちらで用意する。この後俺はそのための準備をしてくる」



春雨「手伝いましょうか?」



提督「いや、大丈夫だよ。簡単に終わるような作業だから」



白露「オッケー、分かったよ」



夕立「わくわくするっぽい!」



提督「他に聞くことはないか?…よし、では一旦解散」



駆逐艦提督と初めての演習



演習の準備を行うために俺は工廠へ赴いた



~工廠~



提督「ふぅ…」



倉庫の中に置かれていた訓練用の道具を見つけ、俺はとある人物を待っていた



提督「そろそろ来る時間帯だな」



大淀「提督、失礼します」ガチャッ



提督「おっきたか」



大淀「はい、ちゃんと連れてきましたよ」



明石「こんにちはー明石です。あなたがラバウルの新しい提督ですね。これからよろしくお願いします」



彼女は明石。工作艦で艦娘のちょっとした修理、装備の改修や修理を行ってくれる優秀な人材の1人だ



提督「よろしくな。早速で悪いんだけど、少し頼み事があるんだが、いいかな?」



明石「いいですよ。修理ですか?」



提督「あぁ、この装備を修理してもらいたいんだ」



明石「ふむふむ…なるほど、お任せ下さい!」



提督「ありがとう。大淀もわざわざありがとな」



大淀「いえいえ。じゃ、明石、提督に迷惑を掛けないようにね」



明石「大丈夫よ!安心して!」



大淀「相変わらずね。では提督、失礼します」



提督「あぁ、またな」



提督「んじゃま、早速修理といきますか」カチャッ



明石「あれ?提督も修理するんですか?」



提督「ん?あぁ、応急修理とかやったことあるし多少はな」



明石「すみません、助かります!」



提督「いや、気にしないでくれ。よし始めるか」



数分後…



明石「それにしても修理すごく上手ですね…どれだけやってきたんですか?」



提督「いや、実の所あまりやったことはないんだよな」



明石「え?そうなんですか?見る限りとてもそうには見えませんけど…」



提督「昔色々あってな…臨時で装備の修理をすることとかあったからそのぐらいかな」



明石「へぇ〜…さすがですね…」



提督「ははっありがとう」



しばらく修理を続け、ある程度終わり、時間も演習まであと30分といったところだった



提督「そろそろ切り上げるか」



明石「これから用事でも?」



提督「演習の準備だ。この演習の間に開発を頼んでくれるか?」



明石「いいですよ。どのレシピにします?」



提督「魚雷と電探を頼む」



明石「分かりました!」



~鎮守府付近の海~



提督「…よし」



演習の準備が整った。白露型を呼ぼうと思ったが、既に艤装を装備して待機していた



提督「準備がいいな。手っ取り早くて助かるよ」



村雨「早めの行動には慣れてるのよね」



白露「1番早かったのは私だったね!」



夕立「みんな同じぐらいだったっぽい」



時雨「提督、こっちはいつでも大丈夫だよ」



提督「よし、ならすぐにでも始めようか」



提督「最初は艦隊行動だ。出撃の基本といえども艦隊での動き方によって一気に勝敗が決まることもある。障害物をうまく避けながら動いてくれ」



結構複雑に障害物を置いたが彼女たちはどう動くか…



提督「こっちでは無線で白露に次の指示を出すから、白露頼んだぞ」



白露「オッケー!よーし、1番に行くよ!みんなついてきて!」



時雨「うん、ついていくよ」



村雨「はいはーい!」



夕立「ぽーい!」



春雨「はい、頑張ります!」



白露「よーし、行っくよー!」



提督「白露、聞こえてるか?」



白露「うん大丈夫、聞こえてるよ」



提督「この無線でルートの指示を送る。君だけしか聞こえないからしっかり彼女達を引っ張ってくれ」



白露「任せといて!」ザザー



…さすが姉妹艦だ。障害物を避けつつしっかりとあとをついている。まるで以心伝心だ。初めて白露の姉らしさを見れた気がする



提督「次はその先の的で砲撃演習だ。なるべく1発で的に当ててくれ」



白露「了解、みんな、前方の的に砲撃だよ!」



白露「よーい、ってー!」



ドーンッ



提督「全員命中か…流石だな。以前がブラックといえどもかなり鍛えられているんだな」



提督「白露、その先は障害物と的が複数ある。障害物をうまく回避しながら的を撃ってくれ」



白露「オッケー任せといて!みんな、艦隊行動をとりながら砲撃だよ!私の指示に合わせてね!」



ドーンッ



提督「…」カリカリ



素晴らしい成果だ。艦隊行動も砲撃演習もS評価だ。白露の動きにブレない行動。外すことなく的に当てた砲撃。文句なしだ。しっかり記録しとかねば



提督「白露、そこまでだ。砲撃を終了してこっちに戻ってくれ」



白露「了解!」



提督「みんなお疲れさん。完璧な演習だった。俺の予想を遥かに超えた結果だった」



村雨「うふふ、いい感じ♪」



春雨「少し嬉しいです。はい♪」



演習を見る限り、明日の実践は問題なさそうだが、彼女たちは過去に苦しい思いをしながら戦っていた。経験は豊富だがその代償も大きい



白露「提督、どうかしたの?」



夕立「顔が少し歪んでるっぽい」



提督「…ん?あぁすまない、明日の出撃について考えていてな」



時雨「そうか、明日は提督にとって初めてに出撃なるんだよね」



提督「そうだな。少し不安だが君達ならきっと大丈夫だろう」



提督「よし、今日は解散だ。各自明日に備えてゆっくり休息を取っておくように」



~執務室~



提督「ふぅ〜…ちょっと疲れたな…」



自分が演習した訳じゃないのになんでこんなに疲れてるんだろ…



提督「18時前か………ん?」



18時…何かあったような…



提督「あ!しまった!」



忘れていた…確か食堂に…



提督「やべぇ!笹食ってる場合じゃねぇ!」



早きこと風の如く、廊下を駆け抜け、あっという間に食堂に着いた。人を待たせていたのだ



提督「ま…間宮さん…いますか…」ゼェーゼェー



間宮「あっ提督…どうやら御察しして来たご様子ですね…」



提督「申し訳ない…初めて会っていきなり遅刻とは…」



給糧艦間宮。甘味処間宮として有名だが、今日から空いてる時間にここで食事を作ってもらうことにした



間宮「大丈夫ですよ。まさか全力疾走で来てくれるなんてビックリしました」



提督「ははっ…人を待たせるなんて最低ですから…」



間宮「そんなことないですよ!むしろ安心してます。少なくとも前の提督のような人ではないというのは分かったので」



提督「やっぱり、間宮さんも以前の提督と面識があるんですね…」



間宮「はい…良い人ではありませんでしたから…」



提督「以前の提督がどこまで酷いかは分かりませんが、必ず艦娘達は命にかえても守ると約束します」



間宮「提督…私も信じてます」



提督「そんじゃあ、暗い話はここまでにして、夕食作りましょうか」



間宮「はい!」



間宮さんと共同で夕食を作ったが、間宮さんの料理が眩しく見える…



提督「(しゅ、しゅごい…語彙力がなくなりそう…)」



もちろん、白露型からも最高との評価だった。俺は毎日この食事を食べたいと思ったのでレシピをついでに教えてもらった



~工廠~



提督「明石〜いるか?」



明石「あっ提督、装備の開発ですか?」



提督「あぁ、状況を見に来た」



明石「無事に完成しましたよ。四連装(酸素)魚雷と33号対水上電探です」



提督「いいねぇ、明日の出撃に役に立ちそうだ」



明石「建造の方は行わないんですか?現状の艦娘数だと建造をお勧めしますが…」



提督「あーそれなんだがな」



鎮守府では艦娘の保有数は限られている。今この鎮守府では5人しかいないが、過去にここから離れていった艦娘達がいるためルール上建造ができないのだ



提督「…まーそんなわけで、建造は申し訳ないが遠慮しとくよ」



明石「分かりました。提督も大変ですね…」



提督「全くほんとだよ…以前の提督のせいなんだけどな…無責任だよほんとに」



提督「だからといってもう今別の鎮守府に移るなんて気はサラッサラないけどな」



明石「提督、優しいんですね…みんな提督のような方であればいいのに」



提督「難しい話だな、人間優しい者は少ないんだ」



明石と駄弁っている内にすっかり一日が終わった。明日は出撃…時間と共に期待と不安が込み上げていた



駆逐艦提督と初めての出撃



~白露型の部屋~



提督「………」スピー



目覚まし時計「朝やで」カチッ



提督「…朝か」カチッ



提督の朝は早い。誰よりも早い。多分



提督「うっ頭が…」ズキズキ



昨日は明石と駄弁ってたら日付けが変わってて、すぐに寝ようとしたが、緊張と夢の件で眠れなかった。それが繋がって起きたら頭痛だ…



提督「最悪だな…とりあえず顔洗お…」



頭を殴られたような痛みを抑えながら何とか顔を洗い、執務室に向かった



提督「今日は…出撃か…」



コンディションは最悪だが、提督としての務めは最低限務めなければ



提督「(くそ…このままでは時雨との約束が果たせなくなる…)」



提督「とりあえず彼女達が起きるまで執務しとくか…」



~1時間後~



コンコン



提督「入って、どうぞ」カリカリ



白露「提督、おはよ〜!」



提督「白露、今日は1番か?」



白露「うん!1番に起きたよ!」



提督「いい心がけだな」



白露「提督、今日は出撃なんだよね?」



提督「そうだが?」



白露「時雨との約束が分かるんだよね?」



提督「聞いてたのか」



白露「なんかすぐに相談しにきたよ。大事な約束なんだよね?」



提督「まあ…そうだな」



白露「そっかぁ〜」



頭痛いけど確かに約束は果たさないとな…



30分後…



提督「よし、全員起きたな。1名はまだ夢を楽しんでいるようだが…」



夕立「ぽい〜…」スヤッ



春雨「夕立姉さん…!起きてください今執務室ですよ!」



提督「どうやって、執務室まで連れてきたんだ…」



春雨「1回起きたんですけど、そのまま立ったまま寝ちゃって…」



提督「えぇ…器用だな…」



夕立「春雨…夕立は麻婆春雨より春雨スープがいいっぽい〜…」



春雨「何言ってるんですか!」



提督「夕立、気持ちはわかるが…」



村雨「提督何言ってるの…」



提督「すまん、本音出た」



春雨「司令官〜…何とかしてくださ〜い…」



提督「あぁ分かったよ…夕立、今日の夕飯はハンバーグだぞ」



夕立「ハンバーグっぽい!?」バッ



提督「うお!あぶね!」



白露「あ、起きた」



提督「ゆ、夕立、おはよう…目は覚めたか…?」



夕立「あっ、提督さんおはよう!なんで海老反りになってるっぽい?」



提督「咄嗟の反射神経」



夕立「マト〇ックスみたいっぽい」



提督「弾避けれるかも」



時雨「提督…」



提督「おっと、冗談はここまでにして…今日は出撃だ。これが作戦海域だ」



執務机いっぱいに海図を広げた



提督「今回の作戦は鎮守府近海にいる駆逐イ級とロ級、そしてホ級の撃滅だ。数は多くないが、油断すれば痛い敵だ。昨日の演習をしっかり活かすように」



村雨「ホ級…軽巡がいるのね」



提督「大丈夫、君たちなら必ず勝てるさ」



提督「30分後に出撃出来るように準備しててくれ。みんなの幸運を祈る。以上、解散」



時雨「提督…」クイクイ



提督「ん?どうした時雨」



時雨「あの時の約束、出撃中に分かるんだよね?」



提督「そうだな。きっと分かる。だからそれまで集中して戦ってくれ」



時雨「うん、分かったよ」



30分後…



提督「こちら提督。みんな準備はいいか?」



白露「うん、バッチリだよ!」



提督「装備は問題ないな?」



時雨「大丈夫だよ」



提督「よし、第一艦隊の出撃を許可する」



白露「白露型1番艦、白露出ます!」



時雨「駆逐艦時雨、出撃するね」



村雨「村雨、いっきまーす!」



夕立「駆逐艦夕立、出撃よ!」



春雨「はい、白露型5番艦春雨、出撃です!」



提督「…ついに出撃か…不安だが、俺も覚悟を決めないとな」



~鎮守府近海~



白露「…!1番先に敵艦発見!前方!」



村雨「イ級2隻にロ級1隻、ホ級1隻ね…」



夕立「一気に片付けるっぽい?」



春雨「司令官、どうします?」



提督「奇襲をかけよう、まだそちらに気づいてないはずだ。まずはイ級2隻からだ」



白露「了解!みんな私についてきて!」



白露「よしここ!よーい、ってー!」



ドーン



イ級「イー!!」ドガーン



白露「よし!イ級1隻撃沈確認!次行くよー!」



ドーン



イ級「イー!イー!」ドカーン



ロ級「ギー!」



ドーン



白露「撃ってきた!避けるよー!」



提督「今のところは順調だ。そのままロ級を倒してホ級を狙うぞ」



…何となくだが嫌な予感がしてきた。今まで俺の嫌な予感は大体当たっていた…もし本当に予感が当たるなら…



提督「出るなら今だよな…」スクッ



ドーン



白露「あとはロ級とホ級だけ…」



時雨「僕が決めてくるよ」ザザー



白露「あ!ちょっと時雨!?」



時雨「(提督とした約束、結局あまり分からなかった…確かに僕達に損傷のないような立ち回りをさせていたけど、これじゃ本当に大切だという気持ちが伝わってこない。やっぱり人間は…)」



白露「時雨危ない!」



時雨「え…?」



ホ級「…」ガシャッ



時雨「(いつの間にかホ級が目の前に…)」



村雨「時雨姉さん!」



ロ級「ギー!」



ドーン



村雨「くっ…しまったロ級が…」



夕立「時雨ー!」



時雨「(嘘…こんな所で…)」グッ



ドカーン



時雨「………」



時雨「……?」パチリ



白露「あ、あれ…?」



村雨「ホ級がやられてる…」



夕立「誰がやったぽい…?」



春雨「…司令官…」



時雨「え?」クルッ



提督「…」



少し先で提督が立っていた…僕達と同じ武装だ



装備は駆逐艦と同じく右手に連装砲、左手には高角砲、両足には魚雷、そして腰には護身用の刀を装備していた



提督「…間に合ってよかった…危なかったな時雨」



時雨「提督…もう戦わないはずじゃ…」



提督「確かに戦わないと決めていた…けど君達の姿を見て考えが変わった。同じ辛い過去を背負っていても艦娘は戦わなければいけない。なのに俺だけ安全な場所にいるのは不平等だ」



提督「だからあの時約束をした。守られるだけじゃなく守る側にもならないとな」



時雨「…」



時雨「(全然違った。前の提督とは真逆だった。この人は本当に僕達を守ろうとしている)」



時雨「提督、僕間違ってたよ」



提督「それが当たり前だ。提督という同じ存在が来てすぐに信用することなんて出来ない」



時雨「でも、提督は違う。僕達を本当に大切にしてくれるんだね…」



提督「当然だ。それが提督としての務めだからな」



時雨「ありがとう…提督…」ポロッ



提督「おいおい、泣くなよ…あ!白露達は平気か?」



白露「うん!こっちも倒したよ!」



村雨「提督、その姿は…」



提督「これが俺の兵装だ。背中の艤装はないが、しっかりと動ける。駆逐艦をベースに作られた兵装だから素早く動けるんだ」



提督「これからは俺も戦いに加わる。俺がいる限り君達を必ず守ってみせる」



村雨「あら、それはお互い様じゃない?」



提督「え?」



春雨「私達も司令官を守る使命があります」



夕立「提督さんのために、夕立頑張るっぽい!」



提督「…そうだな、一緒に乗り越えよう」



ピピー



提督「ん?」



白露「提督、どうしたの?」



提督「あの方向に敵反応、ロ級複数だな」



春雨「戦闘を続行しますか?」



提督「あぁ、残らず始末するぞ」



提督「ここからは俺が指示を出す。臨機応変にいくぞ」



白露型「了解!」



~~



提督「よし、まだ敵は気づいていない。俺が突っ込むからみんなは援護を頼む」



白露「え、突っ込むの?」



夕立「夕立も行きたいっぽ〜い!」



提督「じゃあ、夕立も一緒に来てくれ。お互いに援護し合うぞ」



夕立「分かったっぽい!」



提督「いくぞ!」



ロ級「ギ?」



提督「遅い!」ドーン



ロ級「ギー!」ドカーン



提督「残り4体だ」



夕立「さあ、素敵なパーティーしましょ!」ドーン



ロ級「ギギャー!」ドガーン



提督「残り3体」



ロ級「ギー!」ガチャッ



村雨「やらせない!」ドーン



ロ級「ギギッ!」ドカーン



提督「2体、ここだ、魚雷発射!」バシュッ



ロ級「ギー!ギー!」ドカーン



提督「あと1体、一気に決める」シャキン



夕立「提督さん、刀でやるっぽい?」



提督「あぁ、夕立は足止めを頼む」



夕立「お任せっぽい!」ドーン



ロ級「ギッギッ…」



提督「これで終わりだ」



~~



提督「これで全て片付いたな」



夕立「提督さんすごくかっこよかったぽーい!」



村雨「すごい…あんな動きが出来ちゃうなんて」



春雨「動きに見とれちゃいました…」



提督「体が鈍ってなくて良かったよ」



白露「提督、もう過去の事は大丈夫なの?」



提督「もう吹っ切れたよ。これからは俺も共に戦う。もう誰も失わない、絶対に守り抜く」



時雨「提督…」



提督「いいよな?時雨」



時雨「うん…もちろんだよ」



提督「よし、じゃあ帰ろうか。今日の夕飯はハンバーグだからな」



夕立「ハンバーグっぽ〜い!」



駆逐艦提督と白露型の仲間探し



俺がラバウル基地に着任してから3ヶ月、白露型5人と共に何度か出撃して順調に進んでいるが、最近は敵の勢力がどんどん大きくなっている。今の戦力でこの先戦い続けるのははっきり言って無謀と言っていいだろう



~執務室~



提督「そろそろ新しい仲間が欲しいよな〜…」



時雨「急にどうしたんだい?」



提督「最近の深海棲艦強いやつが出てきていると思わないか?」



時雨「確かに最近はリ級やル級とか出てきてるよね」



提督「何とか凌いでいるが、こっちも無限に戦える訳じゃないからな。そろそろ戦力を増強したいもんだ」



時雨「でもたしか今は規定でこれ以上の建造はできないんだよね?」



提督「そうなんだよなぁ…」ウーン…



提督「そうだ!ここを出た艦娘達を探しに行こう」



時雨「えぇ!?」



提督「てかそれしかないしな。時間はかかるかもしれないが、きっと見つかるはずだ」



時雨「先に聞くけど手がかりはあるのかい?」



提督「ないです(即答)」



時雨「まあそうだよね。あ、でも特型駆逐艦の子がまだこの辺りにいるっていうのは聞いたよ」



提督「おっ、本当か?周辺なら探しやすいな」



時雨「でも闇雲に探すより人から聞いた方が早いんじゃないかな」



提督「だな。でも特型駆逐艦ってたくさんいるだろ?さすがに全員ってことはないだろ」



時雨「うん、少人数らしいよ。誰かも分からないんだ」



提督「ひとまずここらの人から聞き込むしかないな。今日は特に用事もないし、支度して行こう」



時雨「分かった。みんなを呼んでくるね」



提督「あぁ頼む」



特型駆逐艦か。特Ⅰ型とか特Ⅱ型とか様々だけど誰でもいい。1人でも多く見つけたい



コンコン



白露「提督ー艦娘探しに出るんだってー?」



提督「おっ、みんな来たか。そうだ、時雨から聞いたと思うが戦力を増やすために艦娘を探そうと思うんだ。とりあえず近くの街で聞き込みをするからそこまで行こう」



村雨「お出かけかしら?」



提督「そうだな、仲間探しのついでに買い物もするか」



夕立「お出かけ楽しみっぽ〜い!」



提督「んじゃあそろそろ行くぞ。あ、変な人物に声掛けられたらこいつを押してくれ」



春雨「これは?」



提督「ブザーみたいなものだ。街は人が多いからな。押せば俺がすぐに駆けつける。何かあればそれを押してくれ」



春雨「分かりました」



提督「よし、じゃあ行くぞ。明石、留守は任せた」



明石「お任せ下さい!」



~街~



ワイワイガヤガヤ



春雨「わぁ…」



村雨「すごい活気だわ…」



時雨「すごい…街ってこんなに人がいるんだ」



提督「来たことないのか?」



時雨「うん、僕達いつも鎮守府か海だったから」



提督「そうか…色々回ってみてみよう。きっと何か目につくはずだ」



夕立「夕立あっちから行きたいっぽ〜い!」



提督「分かった行こう。そこで話も聞いてみるか」



店員「いらっしゃい!おっ!艦娘じゃねぇか!あんたはその提督かい?」



提督「はい、つい最近近くの鎮守府に着任したものです」



店員「いい顔してんな!前の提督みたいな感じじゃないことを期待してるぜ」



提督「(やはり街でも以前の提督は知っているみたいだな)」



白露「わぁ〜美味しそ〜」



提督「すみません、これ5人分ください」



店員「はいよ!毎度あり!」



提督「ありがとうございます。白露、これ持ってあそこでみんなと食べててくれ」



白露「分かった!ありがとう」



以前の提督のことを知っているなら一部の艦娘の存在も知っているはずだ



提督「あの、少しお聞きしてもよろしいでしょうか」



店員「おうよ!何でも聞いてくれ」



提督「最近ここらで他の艦娘を見ませんでしたか?」



店員「んー悪いがうちは見てねぇな〜…あっでもそこの店の店員が見たって言ってた気がするぜ」



提督「本当ですか?分かりました。ありがとうございます」



店員「いいってことよ!艦娘探しでもしてるのかい?」



提督「はい。飛び出した艦娘達を呼び戻そうと思って」



店員「それは大変だなぁ…よっしゃ!微力ながらうちも協力するぜ!」



提督「え、本当ですか?」



店員「おう!あんたは前の提督とは全然違うみたいだしな!俺にとってこの街は庭みたいなもんだ。もし見つけたら教えるぜ!」



提督「ありがとうございます…助かります…」



店員「いいってことよ!ひとまずあそこの店員から情報を聞いたらどうだ?」



提督「はい。そうします。ありがとうございました」



店員「おう!頑張れよ!」



提督「(いい人だったな…みんなあんな感じならな…)」



提督「(さっき言ってた人はあの人か)」



提督「あのう、すみません、少しよろしいでしょうか」



店員「はい、何でしょう?」



提督「ここらで艦娘を目撃したとお聞きして尋ねたのですが」



店員「あぁ、艦娘ですか。数日前ですが、確かここから西の方へ数人走っていく姿を見ましたよ」



提督「ありがとうございます。助かりました」



提督「(西か、西には確か街から少し離れたところに小屋がある。そこにいるかもしれない)」



ピー



提督「ん?」



ブザーが鳴った。まさか…



提督「(まずい、急がないと)」ダッ



~~



市民1「なぁ、ちょっとぐらいいいだろ?」



春雨「い、いやです!行きません!」



市民2「すぐそこで少し遊ぶだけだって」



時雨「春雨…!」



市民3「君も一緒に遊ぼうよ」グイッ



時雨「うっ…」



村雨「やだ!離してよ!」



市民4「いいだろ少しくらい」



村雨「ダメに決まってるじゃない!」



夕立「白露!しっかりするっぽい!」



白露「くぅ…いった〜…」



春雨「や、やめてぇ!」



春雨「(司令官…!)」



市民1「さあ、向こうであ」ドンッ



提督「何してる」



市民1「あ?誰だあんた」



春雨「司令官!」



市民1「司令官?…あぁあんた提督か」



提督「あぁ、ひとまずその手を離そうか」グッ



市民1「いっつ…!」



市民2「てめぇ何してん…」ガッ



提督「白露、何をされた?」



白露「時雨達が連れられそうだったから止めに入ったら押し飛ばされちゃって…」



提督「よくもうちの大切な艦娘を傷つけやがったな」



市民1「お、おい!はやくこいつをやれ!」



市民3「てめぇ!」ダッ



提督「んじゃこいつはお返しする」バッ



市民1「うわ!」



市民3「な!」ドカーン



市民4「くそ!おい!こっちこい!」グイッ



村雨「いやぁ!」



提督「春雨!これ借りるぞ」



春雨「え?は、はい!」



提督「村雨、伏せろ!」ブンッ



市民4「ぐはっ!」ガン



春雨「(私の飯釜…)」



提督「お前は地面で寝てろ」ゴッ



市民2「うぐっ!」



市民1「くそっ…てめえ!」シャキッ



時雨「提督危ない!」



提督「!」サッ



市民1「なっ!」



提督「悪いな、こっちは近接戦闘はみっちり鍛えられてるんだ。ナイフを出されても対応できる」ググッ



市民1「ぐはっ…」ドサッ



市民3「くそ!俺はもう逃げるぞ!」ダッ



提督「…まったく」



ザワザワ



何があったの?



1人で4人相手にしてたよ



すっげぇ…



提督「(まずい…人の注目が…)」



憲兵「何があった!む、あなたは…」



提督「あ、どうも…」



憲兵「その制服…もしかしてあなたがラバウル基地の提督ですか?」



提督「はい、そうですが…」



憲兵「これはあなたが?」



提督「えぇ一応…うちの艦娘を連れ去ろうとしてたもんで…てかあなたは?」



憲兵「すみません、紹介が遅れました。私はラバウル基地の憲兵です。これからよろしくお願いします」



提督「いえ、こちらこそ」



憲兵「おい!こいつらを独房に連れて行け!」



憲兵「それにしてもこの数を1人で相手するとは…」



提督「昔近接戦闘の訓練をみっちり受けてたもんで」



憲兵「大事に至らなくて良かった…ご協力感謝致します」



提督「いえいえ、そんな…」



憲兵「では我々はこれにて失礼致します。またお会いしましょう」



提督「えぇ、また」



時雨「提督」



提督「あぁ…そうだ!白露は大丈夫か!?」



白露「私は軽傷だから大丈夫!提督ありがとね」



村雨「私も助けられちゃったわね。本当にありがとう」



春雨「本当にありがとうございます。司令官のおかげです」



提督「そんな…あ、飯釜はほんとにごめん」



春雨「大丈夫ですよ!何も入ってませんでしたし」



提督「そうか…ありがとう。みんな大きな怪我がなくてよかった」



時雨「提督のおかげだよ」



提督「ありがとな。よし、こっちも艦娘の情報を得られたし艦娘探しを再開するか」



駆逐艦提督と白露型と仲間探し2



提督「確かこの先を行ったところに小屋があったはずだ」



白露「提督ってここに来たの初めてだよね?」



提督「そうだが?」



白露「なんでそんなに場所が分かるの?」



提督「あぁ、鎮守府に来る前にここら辺を一通り回ったからな。意外と記憶力には自信があるんだ」



白露「へぇ〜すごいね」



夕立「1週間前に食べたご飯覚えてるっぽい?」



提督「ハンバーグだ!」



夕立「シチューっぽい…」



提督「あれ」



白露「夕立ご飯のことになると記憶力は誰よりもいいんだよね」



提督「ばんなそかな…」



春雨「あ!見えましたよ。あの小屋ですか?」



提督「お、そうだあの小屋だ」



時雨「あまり人の気配はなさそうだけど」



提督「ひとまず近づくか」



提督「誰かいますかー?」コンコン



シーン…



提督「…反応無し」



夕立「!何か聞こえるっぽい!」



ヒソヒソ



提督「ほんとだ。何か喋ってるけど聞き取れないな」



夕立「突撃するっぽい?」



提督「やめとけって…」



村雨「中の子が怖がっちゃうわよ」



提督「あの〜艦娘を探しに来たんですけど」



?「艦娘…?」



提督「もしかして艦娘ですか?」



?「あなたは誰ですか…?」



提督「つい最近ラバウル基地に着任した提督です。艦娘を探しに来ました」



?「提督…!帰ってください!」



提督「…やはり艦娘か?」



春雨「提督という言葉に反応したので恐らく…」


提督「違うんだ。俺は君達を助けに来たんだ。一旦出て話し合わないか?」



?「…私達は司令官に幾度となく裏切られました…あなたの言葉には従えません…」



時雨「じゃあ僕達と話すかい?」



?「…!その声は時雨ちゃん…?」



時雨「うん、それに僕だけじゃなくて白露型とも一緒だよ」



時雨「とりあえず外に出て話そうよ吹雪」



吹雪「…なんで時雨ちゃん達は司令官と一緒にいるの?」



時雨「信頼しているからさ」



提督「…」



時雨から信頼の言葉が…あっ涙出そう



吹雪「どうして!?今まであんなにひどい仕打ちをされてきてどうして信頼できるの!?」



時雨「確かに以前の提督は酷かったさ。でも今の提督は違う。僕達を本気で守ろうとしてくれている。この数ヶ月で分かったんだ」



吹雪「正気なの…?司令官がまたいつ裏切るかもわからないのに?」



時雨「その可能性はゼロとは言えないね。最初は僕もずっと疑ってたさ」



時雨「でもこの人ならきっと僕達を裏切ったりはしないはずだよ」



吹雪「…」



時雨「吹雪、そこに他に誰がいるんだい?」



吹雪「白雪ちゃんと綾波ちゃん…」



提督「ひとまずそこから出てお互いの状況を話そう。その話の後に俺といるのが無理なら離れてもらっても構わない」



時雨「提督、いいのかい?」



提督「いいんだ時雨。ここで彼女達を拘束するのは結局前の提督と変わらないだろ。だから話の後の判断は彼女達に任せる」



時雨「…そうだね、分かったよ」



提督「だから一旦そこから出て…」



ガチャッ



提督「あ」



吹雪「…」



提督「出てきてくれたか。ありがとう」



吹雪「…鎮守府で話し合うんでしたよね…」



提督「あぁ、君達には苦しい場所かも知れないけど我慢してくれ」



~執務室~



提督「さて、ここまでついて来てくれてありがとう」



吹雪「一体何を話すんですか…」



提督「そうだなぁ…まずこの場所は君達にとってどういう所だ?」



吹雪「…」



白雪「地獄のような場所です」



提督「やっぱそうだよな。じゃあ、ここに入ってきた時なにか気づかなかったか?」



白雪「…?」



綾波「何かありましたか?」



吹雪「前いた時より空気が綺麗だったような…」



提督「正解だ吹雪。この鎮守府を俺達で徹底的に掃除した」



吹雪「え?」



提督「まあ汚すぎだよなここ。執務ができるような状態じゃなかったし。前の提督は掃除してたか?」



吹雪「いえ…それどころか執務室から出た所を見たことありません…」



提督「え、まじかよ…ブラックな上に不衛生なの…?」



吹雪「私達はとにかく出撃していたので詳しくは分かりませんが…」



提督「んじゃあとりあえずその提督と俺の違いを分かる範囲で教えるよ」



以前の提督との違いや過去のことを吹雪達に話した



吹雪「え…私達は司令官のデータによって作られたのですか…?」



提督「まあそうなるかな、他に駆逐はいなかったし」



綾波「司令官にそんな過去が…」



白雪「ほ、ほんとに司令官は兵器になってしまったんですか?」



提督「まあこれが証拠じゃないかな」



手首にかけていた腕輪には【駆逐艦コード0】と書かれていた



吹雪「ほんとに駆逐艦なんだ…」



白露「提督、それ私達も初めて見たんだけど」



提督「あれ?そうだっけ?」



村雨「そうよ、その腕輪は初めて見たわ」



提督「じゃあ一緒に説明するか。俺達は名前で呼び合うのではなく、コード番号で呼びあってた」



夕立「名前で呼んじゃダメっぽい?」



提督「名前で呼び合えば親しみが深まるからな。親しみが深まってしまうと仲間を失った時に我を忘れてしまうということを考慮してコード番号だった。もちろん普段の交流もほとんどなかった」



提督「言ってしまえば独房生活みたいな感じだな」



吹雪「独房生活…私達もそんな感じでした」



提督「だよな。やっぱり俺達は似たような存在なんだ。どんなに苦しくても仲間がいれば乗り越えられるさ。だからここで一緒に戦わないか?」



綾波「司令官の言う通りですね…」



白雪「私も綾波ちゃんと同意見です。吹雪ちゃんは?」



吹雪「私は…」



提督「無理しなくていい。ほんとに嫌なら強制なんてしない。考えが変わったらまたここに来てもらえば…」



吹雪「いえ!私も同じ意見です!これから司令官について行きます!そうだよね?白雪ちゃん、綾波ちゃん」



白雪「はい!」



綾波「もちろん!司令官、これから迷惑をかけるかもしれませんがよろしくお願いします」



提督「!あぁ、よろしく頼む」



夕立「吹雪ちゃん、白雪ちゃん、綾波ちゃん!お帰りっぽい〜!」



吹雪「夕立ちゃん…またよろしくね」



提督「(感動の再開か…こういうの少し弱いんだよな…)」



~白露型の部屋~



村雨「無事に戻ってきてくれて良かったわね」



提督「あぁ、ほんとにそうだな。彼女達には家もないからな。戻ってきてくれて良かったよ」



村雨「ところで提督、それ何読んでるの?」



提督「あぁこれ?時雨と夕立のさらなる改装の設計図だけど」



村雨「へ〜…え?改装!?設計図!?えぇ!?」



駆逐艦提督と2人の改装



提督「なんでそんなに驚いてんだ…」



村雨「そりゃ驚くわよ!あの2人にさらなる改装ってさらに強くなるってことでしょ?」



提督「まあそうだな。どちらもかなり強い存在になってくれる」



村雨「2人には言ったの?」



提督「いやまだだ。ほんとは明日全員集まってから話そうと思ったが、村雨には特別に…な」



村雨「…私いけないこと聞いちゃった感じかしら…」



提督「そんなことないよ。いずれ全員に話すつもりだし」



村雨「そ、そうなのね…良かったぁ〜…」



提督「明日2人の改装の姿が楽しみだな」



村雨「ほんとね」



次の日



~執務室~



提督「え〜みんなに集まってもらったのは大事な連絡があったので報告しときます」



提督「つい先日、大本営から時雨と夕立のさらなる改装の設計図をいただきました」



白露「え!?時雨と夕立が!?」



村雨「(あぁこれは始まるわね…)」ヒソ



春雨「(始まりますね…)」ヒソ



時雨「さらなる改装…?」



夕立「それって夕立強くなれるっぽい!?」



提督「うん、なれるよ」



夕立「やったー!」



白露「妹に先越された…」ガックリ



村雨「あぁ、やっぱり…白露姉さんそんなに落ち込まないで…」



提督「村雨の言う通りだ。他の子達もいずれ来るはずだから多分」



春雨「(多分って…)」



白露「うぅ…妹に先越されたのは悔しいけど、ここは成長を祝うしかないよね」



時雨「白露…」



白露「おめでとう時雨、夕立!2人を妹に持てて私は1番幸せだから!」



時雨「ありがとう白露…これからも頑張るよ」



夕立「白露すごくお姉ちゃんっぽーい!」



白露「そりゃあんた達の1番のお姉ちゃんだからね!」



提督「良い光景だァ…」



村雨「提督、改装は?」



提督「おっといけね。姉妹の愛に見とれていた…2人とも準備はいいか?」



時雨「僕は大丈夫だよ」



夕立「早く強くなりたいっぽ〜い!」



提督「よーし、じゃあ工廠行くぞ〜。もちろんみんなもついてくるよな?」



白露「もちろん!」



春雨「姉さん達の改装…楽しみです。はい」



吹雪「白雪ちゃん、綾波ちゃん、私達も行こう!」



白雪「そうですね、行きましょう」



綾波「楽しみですね〜」



提督「じゃあ行くぞ」



~工廠~



提督「明石、改装の準備はできてるか?」



明石「提督お待ちしてましたよ。こっちは準備万端です」



提督「こっちも2人準備はOKだ。すぐに始められるか?」



明石「お任せ下さい!」



提督「よし、時雨、夕立。明石について行ってくれ」



時雨「楽しみだけど、少し緊張するね…」



夕立「夕立はワクワクが止まらないっぽい〜!」



提督「大丈夫だ時雨。痛いのはないから…」



村雨「提督、それは危ない人が放つ言葉よ…」



提督「事実を言ってあげただけなのに…明石、時雨と夕立を頼む」



明石「了解です。じゃあ2人ともこっちにきて」



夕立「〜♪」



時雨「さらなる改装…これで僕達はさらに強くなるんだね」



明石「そうねぇ、データによると2人ともかなりの性能を持つらしいからほんとに強くなれると思うよ」



時雨「そ、そうなんだ…」



明石「さ、ここに入って。準備ができたら始めるよ」



春雨「姉さん達、どういう姿になるんでしょうか」



村雨「きっと凛々しい姿になってくるに違いないわ」



提督「8等身になったりとかか?」



村雨「それはちょっと怖いわ…」



吹雪「見た目だけじゃなくて装備も一新するんですよね?」



提督「そうだな。それもかなり優秀なやつだ。特に夕立なんかはな…」



数分後…



綾波「あっ2人とも帰ってきましたよ!」



提督「おっ改装した2人とご対面か」



時雨「みんな、ただいま」



夕立「改装完了っぽ〜い!」



みんな「お〜!」



吹雪「すごい!2人とも見違えたね!」



提督「しゅ、しゅごい…(語彙力)」



村雨「2人ともいい感じいい感じ♪」



春雨「とても美しいです、はい…」



白雪「これは…以前とは全く違う雰囲気ですね…」



白露「2人ともこんなに成長しちゃって…」



提督「悔しいか?」



白露「…いや、今はいっちばん嬉しいよ!」



時雨「白露…みんな、ありがとう」



提督「改装された2人は時雨改二、夕立改二と呼称するらしい」



村雨「改二…いい響きね」



提督「でも呼ぶ時に改二はめんどくさいからいつも通り時雨と夕立でいいよな」



時雨「うん、僕は気にしないから大丈夫だよ」



夕立「夕立も大丈夫っぽーい!」



提督「ありがとな。よし、2人とも無事に改装完了したし、パーっと祝うか」



夕立「お祝いっぽい!?ご飯食べれるっぽい!?」



提督「お、おう…食べれるからそんなに近づかなくても大丈夫だから…」



夕立「わーい!ごっはん、ごっはん♪」タッタッ



春雨「食事の準備しましょうか?」



提督「大丈夫だ。今日は間宮さんも来てるからな」



吹雪「あの…夕立ちゃんもう行っちゃいましたけど…」



提督「え!?あっ!おい!はえぇよ夕立!待てー!」ダッ



春雨「あっ!待ってください司令官〜!」



白露「あ〜!白露が1番だよー!」



吹雪「ちょ、ちょっと〜!?白雪ちゃん、綾波ちゃん!行くよ!」



白雪「え?は、はい!」



綾波「ま、待って〜!」



時雨「…取り残されちゃったね…」



村雨「ほんとね…もう、夕立も提督もせっかちなんだから…」



時雨「でもなんかいいよねこういうの」



村雨「?」