2019-02-20 23:13:36 更新

概要

かなりエロ描写を書き込みましたが、伝えたいのはエロではありません。大まじめです。


前書き

壁の外に辿り着いたエレンが、自ら動き出せるようになるまでの回復の時間の物語です。


 「じゃ、ぼくは光る鉱石の人体への毒性の可能性を調べる実験があるから先に行くね。」アルミンは、片目をつむると、俺たち二人を後にした。前方では、ハンジ調査兵団団長が振り向きこちらに視線を向けていたが、何も言わずにアルミンとともに去っていった。


 食事が終わり、それぞれの宿舎に戻る時間だ。俺たちは、シガンシナ区での戦いの後、兵士として功績を認められ個室が与えられることになったが、懇願して、二人部屋を用意してもらった。アルミンと俺は同室だ。


 ミカサと並んで歩く。女子棟は男子棟の向こうにあり、ミカサはサシャと同室で、一番奥の部屋だ。男子棟の入口で、ミカサと目が合う。俺は何も言わないが、ミカサは俺とアルミンの部屋に入ってくる。二人部屋ではあるが、振り分けになっており、プライバシーが守られている。東のアルミンのスペースは、机の周りが本や資料でぎっしりだ。俺のスペースは殺風景で、太陽が沈み切らない今の時間は陽が斜めに差し、西の空に帳が作られていくのが見える。


ミカサの後ろに立つ。いつの間にか、俺の方が背が高くなっている。ミカサの肩を抱いて引き寄せた。鼻を髪に埋もれさせると、汗と皮脂が、頭皮から温かく薫る。「やめて。汗臭いでしょ。」ミカサは恥ずかしそうに肩をすくめるが、訓練を終えた今日一日の匂いだ。今度は、右に顔を回して、耳の後ろに鼻と口を密着させる。「俺の方が臭えよ。」


「座れよ。」ミカサを俺のベッドに座らせる。アルミンは、全て知っている。知っていて黙っている。限られた時間。同じ運命をたどるあいつには、俺の気持ちがわかるのだろう。


激しい戦いを超え、俺たちは壁の外にたどり着いた。俺は自由を手にするためには命など惜しくない。しかし、死闘の先にあった敵の存在はさらに強大だった。俺は戦い続けられるだろうか。果てしない戦いの繰り返しに、心が押しつぶされそうだ。


ミカサを見る。瞳が潤んでいる。いずれ俺を喪う哀しみをたたえ、俺を欲しがっている瞳。前からそのことには気づいていたが、その頃の俺には準備ができていなかった。隣に座って両手で頬を包み、唇を合わせる。俺の舌をミカサの舌がとらえ、唇を使ってなめとる。音をたてて一度離れ、もう一度強く求め合う。


いつも、時間はかけない。俺たちは人類に平和をもたらした英雄ではなく、お互いの存在を慰め合う余裕などまだない。そして永遠に戦い続ける機械になれるほどには強くはなかった。今は精神が疲れ、全ての感情に対し鈍麻している。それでも、ミカサがそばにいると、本能が体を求める。ミカサが欲しいのか、それとも女であればだれでもいいのかよくわからない。一番身近にいた女、それがミカサだったから俺は一本の線を踏み越えた。


シャツのボタンをはずしながら横たわらせる。肌着を上げると、紅色の乳首があらわになる。唇と同じ色をしているなどと思う。胸は紅潮し、上下している。ズボンのウェストをゆるめ、下着の中に手を入れる。視線ははずさない。ミカサは全て任せるように俺に了解の眼差しを送ってくる。もう一度口づけしながら、奥深いところに中指を刺しこみ、手のひらで一番敏感な部分を静かに押しながらゆっくりなで回す。


音がしてくる。「…エレン。」かすれるような甘い声だ。重ねた胸からミカサの鼓動が伝わる。少し汗ばんでいる。俺の鼓動も高まっている。「エレン、もっと…。」「もっと何だ。」「もっと…そばにいて。」俺はたまらなくなり、自分のズボンを下ろし、ミカサの右足を引き上げて俺自身を深く侵入させた。俺の動きに合わせて、ミカサの喘ぎ声が速くなる。


ミカサの、息の匂い。


何度こうして俺の欲望をミカサに流し込んだろう。俺は17だ。この行為が新しい命をともすかもしれないことを知っている。ある時、ハンジ団長に呼び止められ、こう言われたことがある。


「エレン。君の持つ巨人は我々エルディア人の希望であり、君は特別な存在だ。しかし、ミカサが今壁内の戦力からしばしでも離脱することは避けたい。君はもう子供ではない。言いたいことはわかるね。よく考えて行動して欲しい。」


「はい。」その通りだと思ったから、答えた。しかし、ミカサがそばにいる時感じる耐え難い衝動。そして、俺を強く求めてくる熱を帯び湿った粘膜に応える束の間の喜びに抗うことはできなかった。


俺は、その時生きていることを感じられた。命など惜しくないと粋がりながら、自分の命は永遠だと信じている若い兵士たちは周りにたくさんいたが、俺には時間がない。このまま何も成さずに、大切だと思うものをどうすることもできずに命を終えるしかないのか。焦りと怒りに支配されそうになる。ミカサと肌を合わせる時はそのことを忘れることができたのだ。


移動途中の建物の陰で、宿舎の空き部屋で、訓練の休憩の木陰で、俺たちは二人になると唇を重ねて唾液をむさぼり、互いの体のどこにでも触れた。ミカサはどんな姿勢でもとることができ、俺の全ての要求に応えた。心の重い澱をぬぐえない中でも、その快感が俺の心の光を消さずにいた。


ハンジさんに言われるまでもなく、俺は特別で、偶像視して近づいてくる女はたくさんいた。俺はその気にさえなれば欲のはけ口となる相手をたやすく手に入れることができたのだ。しかし、そうしなかったのは、おやじ、おふくろと俺とミカサ四人の暮らしの思い出があったからだと思う。残り多くない時間を、つまらないことで煩いたくない。俺は触れるのはミカサだけと決めていた。


実際にはおやじには前妻がいた。記憶というよりは感情がフラッシュバックし、その女性を深く愛していたこと、胸が引き裂かれそうな壮絶な別れの苦しみを感じることができた。そして、もう一方の感情。おやじは過去についておふくろに何も語らなかったようだが、俺とおふくろを確かに愛してくれていた。十歳になるあの日まで、俺は両親を心の基地とした、壁の外を夢見ることができる幸せな子どもだったのだ。


日没し、部屋も闇に覆われ始めた。俺の心配をよそに、あれだけ欲望のまま行為を行っていながら、ミカサが妊娠することは一度もなかった。俺の不利になるようなことは一切起こさせない…ミカサにはそうプログラミングされているようでもあり、俺には不思議であり当然でもあるように思えた。


ベッドに並んで横になり、呼吸が落ち着くと、頭が働いてくる。大きくはないが形の良いミカサの乳房。美しいと感じる。5本の指でそっと揉みしだき、人差し指で乳首をもてあそびながら思う。お前は、多くの命を育むのだろう。唇を乳首に寄せて含み、舌で転がす。ミカサが小さな声を上げる。


お前に恋をしているのかと問われると、よくわからない。お前を愛しく思う気持ちは、アルミンやヒストリア、信頼し力を合わせて戦ってきた104期や他の仲間へもつながる。お前との違いは、体を重ねていないだけのようにも思える。


しかし、だ。お前を守りたい。強大な敵から、破滅の運命から。長生きしてくれ。ミカサ、お前は俺に依存しすぎだ。俺はきっとお前を解放してやる。それから…右の頬骨の上をそっとなでる。「傷跡、消えねえな。」ごめん、という言葉を飲み込む。ミカサは俺の左手に、右手を重ねる。


外を数人の人が通り過ぎる音がする。左手を背に回してミカサの上体を起きあがらせる。「服を着ろよ。サシャが帰ってくるぞ。」「ええ。」恥ずかしそうに、少し悲しそうにミカサは、服を整える。俺は、ボタンをはめるのを手伝う。すると、ミカサは俺のまくれた服をもどすのだった。


もう一度、長い長い口づけをする。互いの息が顔にかかり、唇を離しては相手の舌を求め、音をたてながら口の中をなめまわす。ああ、もう一度…。


ガチャ。その時、部屋のドアの開く音がした。「エレン。いるの?」アルミンだった。「ああ、アルミン。早かったな。」俺たちは慌てて離れ、平静を装う。「開けていいかい?…ミカサ、来ていたんだね。」「だいぶ早かったな。実験は済んだのか?」「うん。それが、ハンジさんが、準備が足りないから今日は止めにするって。前から約束していたのにどうしたんだろう。」おそらく、俺たちの行為を止めるために、アルミンを帰したに違いない。


俺はハンジさんの部屋に、夜中何度か男の影が入っていったのを見たことがある。どうみても仕事の相談ではなさそうだった。その証拠に、その後部屋の明かりはしばらく消えたままだった。大人は俺たちのすることが気になるようだが、俺たちも大人の行為を見ているのだ。


「そんなわけで、僕は上官専用の浴室は借りられなくなって急いで戻ってきた。ごめんよ。でもミカサ、入浴の時間が終わってしまう。僕たちは戦いの功労者ではあるけれど、規律を維持する立場でもあるんだ。」「その通り、アルミン。私はもう部屋にもどる。…エレン、また明日。」「…ああ」


ミカサが去った後の俺のベッドは、俺たちの行為をアルミンに知らせるかのように布団が落ち、シーツに二人分のしわを寄せていた。アルミンは、こんな光景は何度も目撃している。


「エレン。」アルミンはすっかり暗くなった俺たちの部屋の明かりを灯しながら言った。「僕たちは全てを思い通りにすることはできない。人ひとりの力なんて巨人を継承していたって大したことはないんだ。大きな敵が襲ってくることを考えると怖いよ。情報もない中焦りを抑えることができない。でも、僕たちが行動しなければならないときはきっとくる。

ぼくは、僕に与えられた巨人の役割がわかるまで、鉱石の研究を続けるよ。…君にとってはミカサなんだね。」


じゃ、ぼくは先に行くよ、とアルミンは自分のスペースにもどって、風呂の支度をすると部屋を出ていった。…俺の役割は何だ。まだわからない。けれど今は、ミカサのそばで体にすがりながらもとにかく生きることかもしれない。何度も俺の命を救ってくれたミカサ。こうしてまた俺は守られている。そうだな、アルミン。俺たちに世の中全てをすぐに変えることはできない。その日のために、今を生きていよう。


俺も新しい服を取り、袋に入れる。ふと、右手の中指に目が行く。ミカサに少し前深く入れた指。舌を固くたて、指の根元から指先までたどるようになめてみる。まだこの手を洗いたくない、と思った。


後書き

よい子はマネしないでください。こんなことをしていたら、確実に妊娠しますから。


このSSへの評価

このSSへの応援

このSSへのコメント


このSSへのオススメ


オススメ度を★で指定してください