2019-03-19 06:09:40 更新

概要

大本営よりカプセルコーポレーションに寄せられた協力依頼。
極秘事項のため世間に明かされることのないコラボレーション要請を受け、社長ブルマは夫ベジータを派遣する。


前書き

完結しました。
気になる所とかツッコミとか、コメント頂ければありがたく拝読させて頂きます。
本当に長々お付き合いありがとうございます!

3/19 細かな表現や誤字の修正


プロローグ


ベジータ 「チッ…車で送迎とはな…。飛べば一瞬だと言うのに、貴様らも無駄な仕事を増やされたな」 ブロロ


黒服 「今回の件は極秘ですので。窮屈で申し訳ございませんがご辛抱を。まもなく目的地です」


ベジータ 「フン…。面倒事を押し付けられたモンだぜ」


黒服 「旦那様、繰り返しになりますが今回の件は」


ベジータ 「誰にもバレるな、だろう?何度も聞いた」


黒服 「仰る通りです。失礼致しました」


ベジータ 「しかし解せんな。カプセルコーポへの依頼があって承けたのなら、むしろ名を出して宣伝したほうが都合はいいんじゃないのか?」


黒服 「私にはなんとも。社長のお考えですから」


ベジータ 「…ブルマたちの身辺警護は問題ないんだろうな?トランクスがいる以上、ある程度であればどうとでもなるとは思うが」


黒服 「しばし住み込みとなればご心配も無理からぬことですが、ご安心ください。旦那様が外されている間は、孫家の皆様にもご協力を頂くと伺っております」


ベジータ 「なんだと!?カカロットにか!?聞いていないぞそんな話!!」


黒服 「ご存知なかったのですか?なんでも一時的に、悟飯様のご一家を除く皆様に泊まり込んで頂くとか。坊っちゃんは大変喜んでおいてでしたが」


ベジータ 「悟天が泊まるのならそうだろうが…クソッ、カカロットか…」


黒服 「チチ様もご一緒ですから、旦那様がご心配なさるようなことは起こり得ぬかと」


ベジータ 「そういうことなら…いや待て、俺が何を心配してるだと!?」


黒服 「おや、旦那様は社長のお体を案じておいでなのでは?」


ベジータ 「…黙りやがれ」


黒服 「失礼致しました。…お待たせ致しました、到着です」 キキィ


ベジータ 「ご苦労だったな」 ガチャ


黒服 「ご武運をお祈りしております」


ベジータ 「いらん、誰に口聞いていやがるつもりだ」 バタン


黒服 「これは失礼致しました。私はこれで」 ブロロ…


ベジータ 「行ったか…。このベジータ様が、随分と舐めた口を叩かれるようになったモンだぜ…。それを受け入れている自分にも驚いたがな…」


ベジータ 「さて、ここが…鎮守府、ってヤツか」


ベジータ 「…そういや着いてならどうしろって話は聞いていなかったな…」


ベジータ 「む?おいそこの…掃き掃除しているガキ!」


「はわ!?い、電のことですか?」


ベジータ 「いなずま?貴様の名か?」


電 「は、はい。電は、電という名前なのです」


ベジータ 「貴様はここの関係者か?」


電 「はい、電はここの艦娘なのです。なにかご用なのですか?」


ベジータ (こいつが『艦娘』…。気も微弱、隠しているようにも思えんが…)


ベジータ 「話は通っていると聞いていたんだがな…。今日、新しくカプセルコーポレーションからベジータという男が来る、と聞いていないか?」


電 「はわ、では貴方が!?」


ベジータ 「あぁ、俺がベジータだ」


ベジータ提督、誕生


電 「お、お待ちしておりました!なのです!」 ビシッ


ベジータ 「あぁ。まずはどこに行けばいい?」


電 「少々お待ちください。大淀さんに聞いてみるのです」 トテテ


ベジータ 「何さんだか知らんが頼んだぞ」


ベジータ (…艦娘ってのは、過去の軍艦が人の姿をとり、魂を宿した物であると聞いた。なんでも海上に立ち、『深海棲艦』とやらと戦っている、と…。)


ベジータ (あのガキが戦っている、のか?気が小さすぎて分かりにくいが、並みの地球人と変わらないか、むしろ更に弱くすら思える。それこそ見た目相応な程に)


ベジータ 「…気になるな」


電 「お待たせしましたのです!これから大淀さんがこちらに来るので、もう少しお待ちください」


ベジータ 「分かった。…待つ間に聞きたいことがあるんだが」


電 「はい、電に分かることであればなんでもお答えするのです」


ベジータ 「貴様も戦っているのか?」


電 「はい、任務があれば海に出て戦うのです」


ベジータ 「戦えるようには見えんが」


電 「戦うと言っても、パンチやキックで戦う訳ではないのです。艤装を使って砲撃したりするのです」


ベジータ 「…なるほど、そういうことか」


ベジータ (ギソウってのは分からんが、人造人間みたいなモンか…。それなら気の小ささも頷ける)


電 「お役に立てたでしょうか?」


ベジータ 「あぁ。礼を言う。…ところでまだかかるのか?…なんとかさんとやらは」


電 「大淀さんなのです。もう来るとは思うのですが…あ、来たみたいなのです」


大淀 「すみません、お待たせ致しました。ベジータさん、でしょうか?」


ベジータ 「あぁ、俺がベジータだ」


大淀 「軽巡 大淀です。お待ちしておりました」 ビシッ


ベジータ (また戦えそうに見えん細い女か…やはり気も弱い)


ベジータ 「軽巡?」


大淀 「…えっと、お分かりになりませんか?」


ベジータ 「知らん」


大淀 「失礼ですが、本日より提督として着任なさるのですよね?」


ベジータ 「厳密に言えば『貴様らを勝利に導く』よう依頼を承けた。俺のやり方でな」


大淀 「…そうですか。話を戻しますが、軽巡とは軽巡洋艦の略語です。船事の役割、用途を指す言葉と考えて頂ければよろしいかと」


電 「電は駆逐艦なのです」


ベジータ 「軽巡に駆逐艦…。そんなことはどうでもいい。中を案内してくれ」


大淀 「わ、分かりました」


電 「行ってらっしゃいませ、なのです」 ビシッ


電・大淀 (だ、大丈夫でしょうか…)



~~~


大淀 「こちらが司令室です。提督には、仕事場としてはこちらを。プライベートな時間は併設されている私室を、それぞれ利用して頂く形となります」


ベジータ 「重力室はないのか?」


大淀 「は?…重力室、ですか?」


ベジータ 「いや、ないならいい」


大淀 「そ、そうですか」


ベジータ (ブルマに移動式の重力室を作らせるか…)


ベジータ 「さて、早速だが情報のすり合わせを行いたい。現在、この鎮守府で最も地位が高いのは貴様か?」


大淀 「はい、前提督の秘書艦である関係から、提督代理も務めておりますが…すり合わせ、と仰いますと?」


ベジータ 「さっきも言ったが、『貴様らを勝たせる』という依頼を承けた。カプセルコーポレーションとしてな。それは聞いているか?」


大淀 「はい、伺っています」


ベジータ 「そこは一致しているらしいな。それで俺がカプセルコーポから派遣されて来たワケだ」


大淀 「えぇ。『一時的にではあるが、新たに提督として着任する』と」


ベジータ 「そこだ。俺は貴様らを鍛え、戦いに勝たせる依頼と聞いた。言ってみればコーチや師匠ってのが近いだろう。その提督ってのは聞いていない」


大淀 「え!?本当ですか!?」


ベジータ 「嘘をついてどうなる。…ちなみに聞いておくが、その提督ってのは何をするんだ」


大淀 「艦隊の指揮や書類仕事などです」


ベジータ 「書類だと!?俺はそんなものやらんぞ!!」


大淀 「えぇ…で、ではどうすれば…」


ベジータ 「…ブルm、カプセルコーポに確認しておく。解答が来るまでは貴様がやれ」


大淀 「私ですか!?」


ベジータ 「代理なんだろう?そのまま続ければいい」


大淀 「で、では提督は何を?」


ベジータ 「そうだな、まずは…全員を集めろ。挨拶をしておかんとな」


大淀 「今からですか?何名かは遠征に出ておりますし、鎮守府周辺の警戒もありますので、全員とは行きませんが」


ベジータ 「ならばいるだけでいい」


大淀 「ではアナウンスを行い、講堂に集合をかけます」


大淀 『こちら大淀。本日、新たな提督が着任致しました。現在鎮守府にて待機中の艦娘は、速やかに講堂に集合してください。繰り返します…』


ベジータ提督のご挨拶


ガヤガヤ…ガヤガヤ…


ベジータ 「これが集められる最大か?」


大淀 「はい、全体の六割ほどになりますが」


ベジータ 「そうか。貴様はどうする?」


大淀 「共に登壇し、お隣に」


ベジータ 「なら着いてこい」 スタスタ


ピタッ


ベジータ (一瞬で黙ったか。その程度の躾はされてるらしいな。…しかし、こうしてみてもさほど大きな気は見当たらん)


ベジータ 『貴様らの礼儀は知らん。俺のやり方でやらせてもらう』


ドヨッ


ベジータ 『黙って聞きやがれ!…俺はベジータという。貴様らから依頼を承けたカプセルコーポレーションよりやってきた』


ベジータ 『聞くところによると貴様ら、保有する戦力のわりに戦果が乏しいらしいな?それを打開するというのが依頼の内容だ』


ベジータ 『よって、今日よりしばらくの間、俺が貴様らの指揮を執る!文句は言わせんぞ!!』


ビシッ!!


ベジータ 『フン、以上だ…が、これで終わっちゃ面白くない。貴様らの中で戦闘力に自信のあるヤツ、名乗り出ろ』


ドヨッ


大淀 「て、提督!?」


ベジータ 『自信のない者は黙っていやがれ!大淀、貴様もだ!』


シンッ…


ベジータ 『誰もいないのか?戦いに身を置いていると聞いていたが、自分の力も信用できんザコばかりか?』


スッ


ベジータ 『!…そこの手を挙げた貴様、名前は?』


「長門型一番艦、戦艦 長門だ」


ベジータ 『ほう、長門か。腕に覚えがあるのか?』


ベジータ (確かに気はわずかに大きいようだが、その程度だな…。人造人間だからか?)


長門 「その通りだ。それが?」


ベジータ 『簡単だ。俺と力比べだ』


長門 「…お言葉だが提督、艦娘の膂力は人間とは比較にならん。艦娘の、とりわけこの長門の力を甘く見るな」


ベジータ 『フン、デカい口を叩きやがる。周りのヤツらは場所を空けろ』 スタスタ


長門 「…」


ベジータ 「さて、貴様の力を見せてもらおう」


長門 「無礼を承知で進言するが、あまり自惚れないほうが身のためだ。女と侮ると怪我をするぞ?」


ベジータ 「そうか、貴様は怪我をさせることを嫌うのか。いいだろう、ならこうだ。両手を前に出せ」 スッ


長門 「…」 スッ


ベジータ 「そうして両手を組み」 ガシッ


ベジータ 「お互いに少しずつ、力を入れていくんだ」


ベジータ 「これなら怪我をさせる前に力を抜くことも出来るだろう?」


長門 「意味があるとは思えんが」


ベジータ 「どうだかな…。それだけの自信があるんだ、俺から力を入れていっても?」


長門 「好きにしろ。人間と艦娘の膂力の差を思い知るだけだがな」


ベジータ 「ほう、それは楽しみだ」 グッ


長門 「むっ…なるほど、確かに人間にしては相当な腕力を持っているらしいな」 ググッ


ベジータ 「まだまだこんなモンじゃないぞ?」 グッ


長門 「ぐっ…ぬっ!ぐぎぎぎ…っ!」 ググッ


ベジータ 「そら、そろそろ貴様も本腰入れたほうがいいんじゃないか?」 グッ


長門 「ぬっ…ぐぅ…バカな!なんだこの力は!?人間の腕力じゃないぞ!?」 グググッ


ベジータ 「そろそろやる気になって貰いたいんだがな」 グッ


長門 (この男ッ…!これだけの腕力を発揮しながら力みが見えん!そんなことがあるのか!?) ググググッ


ベジータ 「…ふむ、そうか」 スッ


長門 (力を緩めた!?)


ベジータ 「貴様らは海上に立って戦闘を行うらしいな。地上より海のほうがマシになるか?」


大淀 (確かに艦娘は地上よりも海上で、艤装を展開した状態が最も力は強い…けど、地上でだって長門さんの腕力は相当な物!組み合える人間などいないはず…!)


長門 (それをこの男は…涼しい顔をして、目の前に立っている…!そんなことが…)


長門 「…だがそちらは海上に立てんだろう。比べようもない」


ベジータ 「海上に立つことは出来ん。だが…」


ベジータ 「海面に浮くことは出来る」 フワッ


長門 「!?」


大淀 「浮いた!?」


電 「人間って飛ぶのですか!?」


長門 「地上とはいえこの私と張り合う、どころか上回る膂力…空中浮遊…」


大淀 「貴方は…いったい…?」


ベジータ 「言ったろう、俺の名はベジータ。誇り高き戦闘民族サイヤ人の王子、ベジータ様だ!!」


電 「王子様なのです!?」


長門 「待て、サイヤ人などという人種は聞いたことがないぞ!」


ベジータ 「貴様らから見れば、宇宙人というヤツだろうな」


長門 「宇宙人…?では貴方は、自分が宇宙人であり、王子であると?」


ベジータ 「そう言っているだろう?」


ドッ ガヤガヤ プッ ワハハ…


ベジータ 「フン、笑っていやがれ…。大淀、演習場があると言ったな」


大淀 「え…?あ!は、はい、ありますが」


ベジータ 「命令だ、場所を変えるぞ。全員移動しろ!」


ビシッ



~~~


ガヤガヤ


ベジータ 「ほう、ここか」


大淀 「はい。本来は訓練の際などに使用するのですが…」


ベジータ 「そんなことはどうでもいい。長門、中央まで行け」


長門 「了解した」 チャプン


ベジータ 「ほう、確かに海上に立っているな」


長門 「提督、艤装展開の許可を」


ベジータ 「ギソウ?そういや電も言っていたな…。なんのことだか知らんがいいだろう」


長門 「艤装を知らんのか…。大丈夫なのか?本当に…」 ガチャガチャン


ベジータ 「!…戦闘力が大きく増した…。それに一瞬で武装が…何も持っていなかったってのに…。まさかギャグ漫画の住人か!?」


大淀 「いえ、艦娘は戦闘時、あのように艤装を展開するんです。砲撃や魚雷での爆撃も可能ですが、単純な身体能力も向上します。…あの、ギャグ漫画とは?」


ベジータ 「つまり、今がヤツの全力だと言うことだな。ギャグ漫画は忘れろ」 フワッスーッ


大淀 「あ、また飛んだ…」


ベジータ 「おい長門、さっきとどの程度変わるんだ?」


長門 「…自分で確かめてみればいい」


ベジータ 「さっきまでの自信はどこに行ったんだ?」


長門 「宇宙人かどうかはさておき、貴方がただの人間ではないことは理解できた。もはや油断はしない。さぁ、手を」 スッ


ベジータ 「フン、いい心掛けだ」 スッ ガシッ


長門 「今度はこちらから行かせてもらう!」 ググッ


ベジータ 「あぁ、もっと力を入れていいぞ」 グッ


長門 「くっ…既にさっきよりも、強いはずなんだが、な…!」 グググッ


ベジータ 「確かに、さっきよりはマシだな。そしてまだ全力ではなさそうだ」 グッ


長門 「ぐぬっ…なのにっ…びくともしない…のか!」 ググググッ


ベジータ 「これでもまだ俺に怪我をさせられると?」 グッ


長門 「…いや…全力で…やらせてもらう…!ぬぁぁぁあああああ…!!!」 ググググググッ


ベジータ 「地上とはえらい違いだな。ここまで変わる物なのか」 グッ


長門 「これっ!でもっ!…まっっ…たくっ!動かないのか!!!」 ググググググッ


ベジータ 「ふむ、これで全力らしいな…。おい長門、左手を離せ」


長門 「左手…っ?こうか?」 スッ


ベジータ 「そのまま俺の左手に両手を添えろ」


長門 「…片手で充分、と?」


ベジータ 「面白いものを見せてやろうかと思ってな」


長門 「…何を見せて貰えるんだ?」


ベジータ 「いいからそのまま力を掛けてみろ」


長門 「…では!」 ググググググッ


ベジータ 「…」 ググッ


長門 「流石にそちらも、さっきまでよりも、力を入れているな…!!」 ググググググッ


ベジータ 「まぁな…さて、それじゃあお見せしようか!全員よく見ておきやがれ!!かぁっ!!」 カッ


長門 「ぬ!?まぶしっ…!?」


ベジータ 「どうした、緩んでいるぞ」 シュインシュイン


長門 「!?…その髪は!?」


大淀 「提督が…」


電 「金髪になっているのです!?」


ベジータ 「そら、力を入れろ長門」 シュインシュイン


長門 「あ…あぁ…!ぐぬ…!」 ググググググッ


ベジータ 「…片手どころか、指一本で充分だな」 スッ


長門 「な!なんだと…!この長門が…全力を出しているというのに…人差し指で…!!」 ググググググッ


ベジータ 「…まだ続けるか?」


長門 「…いや」 スッ


長門 「悔しいが…まったく太刀打ち出来る気がしない…」


ベジータ 「賢い判断だ」 フッ


電 「髪の毛が黒くなったのです…」


大淀 「あの…提督、今の姿は…?」


ベジータ 「超サイヤ人だ」


長門 「スーパー…サイヤ人…」


ベジータ 「おい、さっき笑っていやがったヤツら!貴様らの知る地球人は、艦娘を圧倒する力を持つのか?髪の色を変化させるか?」


シ…ン


ベジータ 「『そんなことが出来る地球人がいる』のと、『宇宙人』だってのと、どちらが信用できる!?」


ベジータ (まぁ艦娘より強い地球人は何人かいるがな)


ザワザワ


ベジータ 「改めて言う!俺は誇り高き戦闘民族サイヤ人の王子、ベジータだ!!今日より貴様らを徹底的に鍛え上げる!!文句があるヤツはかかってこい!!何人でも構わんぞ!!」


ザワザワ


ベジータ 「フン…長門。手っ取り早く力を見せ付けるため、貴様を利用させてもらった。礼を言う」


長門 「いや…あの!私たちも…貴方の元で鍛えれば、あそこまで強くなれるのか…?」


ベジータ 「ふざけるな!!」


長門 「!?」 ビクッ


ベジータ 「貴様らごときがサイヤ人ほど強くなれるはずがないだろうが!!」


長門 「そ、そうか…」 シュン


ベジータ 「だが、深海棲艦とやらに何をされようが傷も負わん程度には強くしてやる」


長門 「そ、そうか!」 パァッ


ベジータ 「…誰もかかってこないってことは、黙って従うってことでいいんだな?なら全員着いてきやがれ!!」


ビシッ


ベジータ 「まずは…飯だ!!!食い終わったら貴様らと話をさせてもらう。確か…なんとかって括りで組分けされているって話だったな?」


大淀 「姉妹艦です。すべての艦娘に姉妹艦がいる訳ではありませんが、多くの艦娘は姉妹艦と行動を共にすることが多いです。私室についても、ルームシェアという形を取って共同生活を行っています」


ベジータ 「ならばその姉妹艦と共に執務室に来い。…今は何時だ?」


大淀 「まもなく一二○○になります」


ベジータ 「ひとふ…なんだ?」


大淀 「…後程ご説明致しますね。12時になるところです」


ベジータ 「最初からそう言え!…では13時からだ!それまでは好きにしろ!」


大淀 「では解散してください。一三○○より、こちらがお呼びした順に執務室までお願いします。時間になったら内線でお呼びしますから、私室にて待機してください」


ベジータ 「ひとさん…?」


大淀 「…。解散!」


ガヤガヤ…


~~~


ベジータ 「ほう、ここが食道か」


大淀 「はい、こちらでは鳳翔さん、間宮さん、伊良湖さんが常駐し、皆さんに食事を提供しています」


ベジータ 「そいつらも艦娘か?」


大淀 「そうですが、基本的には戦闘には参加しません。鳳翔さんは退役済み、間宮さんと伊良湖さんは戦闘向きではありません」


ベジータ 「フン、それぞれの仕事をこなしているならそれでいい…。全員ここで食うのか?」


大淀 「多くはここで食事をとりますが、注文をして部屋に持ち込む者などもおりますね」


ベジータ 「なるほどな…。さっきので六割と言っていたな、席は足りるのか?」


大淀 「全員が一度にここに集まれば、流石に足りないですね。ですがそんな機会もありませんので…」


ベジータ 「そうか…。まぁそんなことはどうでもいい」


大淀 (なら聞かないでくださいよ)


ベジータ 「ここで飯を頼むんだな」


鳳翔 「始めまして。航空母艦、鳳翔です。よろしくお願いしますね」 ビシッ


ベジータ 「ベジータだ。話は聞いた。相当腕に自信があるらしいな」


鳳翔 「自信だなんて…。退役してお役に立てそうなのが、お料理だけだったというだけです」


ベジータ 「謙遜はいらん。ここに来るまでに、貴様の飯を心待ちにする声を何人かから聞いた。楽しみだぜ…!」


鳳翔 「提督にご満足いただけるよう、全力を尽くさせていただきますね。それで、ご注文は?」


ベジータ 「…先に聞くが、一人前はどの程度の量なんだ?」


鳳翔 「そうですね、基本は…彼女が持っている物が一人分です」 ユビサシ


ベジータ 「…足りんな。ならとりあえず十人前だ。メニューは任せる」


大淀 「じゅ!?」


鳳翔 「十人ですか!?」


ベジータ 「そう言っただろう。出せんのか?」


鳳翔 「いえ、出せないことはありませんが…その、提督と言えども食材を無駄にするような真似は看過できません」


ベジータ 「無駄にはならん、全部食う。いいから用意しろ」


鳳翔 「しかし十人前となると…」


「余るようなら私が食べます!!」


ベジータ 「む?」 クルッ


鳳翔 「赤城さん!」


赤城 「あ、先にご挨拶ですね。航空母艦、赤城です。後程改めて伺いますが、お見知りおきを」 ビシッ


ベジータ 「赤城、だな。ベジータだ」


赤城 「鳳翔さん、提督にお食事をお出ししてください。もし余るのなら私が頂きますので」


鳳翔 「それなら…」


ベジータ 「ほう…貴様、相当食いそうだな?」


赤城 「提督こそ、食をとても愛しておられるご様子。放ってはおけません」


ベジータ 「フン、面白そうなヤツがいるじゃないか…!赤城、貴様の名、覚えておこう」


赤城 「光栄です」


大淀 (なんか共鳴してますね)


鳳翔 「お待たせ致しました。他の娘たちの分あって十人前をすぐには用意できませんので、随時お持ちしますね?」 カチャ


ベジータ 「あぁ、それでいい。だが急げよ、この程度じゃ数分持たんぞ。来い赤城!」 スタスタ


赤城 「はっ!…鳳翔さん、今日は私、提督が食べきれなかった分を頂きますね」 テクテク


鳳翔 「分かりました。くれぐれも残り物を出さないようにお願いします」


大淀 「赤城さんがいますし、とりあえずは心配ないと思いますが…」 テクテク



~十数分後~



ザワザワ ガヤガヤ


大淀 (こんな…こんなことが…!!)


ベジータ 「…これで何人前食った?」 ガツガツ


大淀 「し、七人前です」


ベジータ 「あと三人分か…。味は悪くないが、やはり足りん!もう二十人前持ってこい!!」 ガツガツ


赤城 「わ、私の分…」


大淀 「二十ですか!?合わせて三十人前ですよ!?」


ベジータ 「フン!その程度でこのベジータ様の腹を満たせるはずがないだろうが!!」


赤城 「と、とても人間の召し上がる量とは思えませんが」


大淀 (赤城さんが引いてる)


ベジータ 「俺はサイヤ人だからな」 ガツガツ


赤城 (サイヤ人てすごい)



~さらに十数分後~



ザワザワザワザワ


ベジータ 「足りん!二十人前追加だ!」


鳳翔 「あ、あの…」


ベジータ 「む?…飯はどうした」


鳳翔 「申し訳ありません…。これ以上は用意できません…」


ベジータ 「なんだと!?どういうことだ!!」


鳳翔 「皆さんにもお料理をお出ししなければなりませんので、食材が足りません…。どうかご勘弁を」


ベジータ 「なっ…くっ…!」


赤城 「あれ、私の分って」


鳳翔 「…て、提督が食べきれなかった分を、ということでしたので…。ありません…」


赤城 「」


大淀 (流石に同情します)


ベジータ 「…ま、まさか明日からも、か…?」


鳳翔 「そう…ですね…」


ベジータ 「」


ベジータ 「…くっ、分かった、とりあえず今はこれで我慢してやる。まだ半分も満たせちゃいないが…」


鳳翔 「半分も…」


ベジータ 「今夜からの分はカプセルコーポレーションから提供させる。部屋に戻り次第連絡するから受け取る準備をしておけ」


鳳翔 「しょ、承知しました」


鳳翔 (倉庫の大きさ足りるかしら)


赤城 「あの!私のご飯は!?」


鳳翔 「…」 メソラシ


赤城 「」


大淀 「わ、私の食べます?」



ベジータ提督の面談



ベジータ 「さて、執務室に戻ってきたワケだが…大淀、電話はどこにある?」


大淀 「電話でしたらそちらに。…あの、どちらに?」


ベジータ 「カプセルコーポだ。何点か用があるからな」 プルル


ベジータ 『ベジータだ。ブルマに繋いでくれ。忙しい?こっちも緊急だ!すぐに済むからさっさと繋ぎやがれ!』


大淀 (今さらですけどこの方どの立場なんでしょう)


~~~


ベジータ 『あぁ、言っておくが飯が最優先だ!次に重力室、提督の件は最悪どうでもいい!』


大淀 (よくありませんよ)


ベジータ 『任せたぞ。ではな』 ガチャ


大淀 「終わりましたか?」


ベジータ 「あぁ。食材は夕方までに運ばせる」


大淀 「あの、費用は…」


ベジータ 「カプセルコーポ持ちだ。ほとんど俺の飯になるだろうしな。それより今は何時だ?」


大淀 「一二…いえ、あと3分で面談の時間です」


ベジータ 「そうか。誰からかは決めてあるのか?」


大淀 「特には。何かご希望は?」


ベジータ 「そうだな…。なんでもいいが、まずは電の姉妹艦からにしておくか」


大淀 「では六駆を呼びますね」 ナイセンプルル


ベジータ (ロック…?)


大淀 『こちら大淀です。六駆の皆さんから面談致しますので、司令室までお願いします』 ガチャ


大淀 「この間に、次の方々をお呼びしておきますか?」


ベジータ 「いや、どの程度時間がかかるか分からん。俺に聞きたいこともあるはずだ。終わってからでいい」


大淀 「了解しました」


ベジータ 「それより大淀、俺の前で専門用語は使うな」


大淀 「専門用語、ですか?」


ベジータ 「ヒトフタなんたらとかロックがどうとか、何を言っているのか分からん」


大淀 「あぁ…あの、覚えて頂くつもりは?」


ベジータ 「さらさらない」


大淀 (ですよねー)


コンコン


ベジータ 「む、来たか。入れ」


「失礼します!」 ガチャバタン


ベジータ 「堅苦しいのはいらん、楽にしろ。…まずは一人ずつ名乗れ」


暁 「暁型駆逐艦一番艦、暁です!」


響 「同じく二番艦、響」


雷 「三番艦、雷よ!」


電 「四番艦、電なのです!」


ベジータ 「俺はベジータだ。しばらくの間、よろしく頼む。貴様らから何か聞きたいことは?」


暁 「はい!司令官は、宇宙人なのよね!?」


ベジータ 「貴様らから見ればそうなるな」


暁 「司令官の他にも宇宙人っているのかしら!?」


ベジータ 「当然だ。純血のサイヤ人はほぼ滅んだが…宇宙には様々な種族の人間たちがいる」


雷 「え、滅んじゃったの?」


ベジータ 「あぁ。今生き残っているのは俺の他に…三人だな」


響 「なるほど、それで王になれないからまだ王子なんだね」


ベジータ 「…王の座などどうでもいい。所詮ガキの頃の俺にさえ劣る無能が着いた立場でしかない」


電 「たった四人ということなのですか?」


ベジータ 「そうだ。だが俺ともう一人は地球人との間に子供がいる」


響 「妻帯者なのかい!?」


ベジータ 「なにかおかしいか?」


響 「あ、いや、そういう訳じゃ…」


大淀 (よく結婚できたなこの人)


ベジータ 「何か言いたそうだな、大淀」


大淀 「いえ、特にはなにも」


ベジータ 「フン…。というか貴様ら、俺に関する質問はないのか?」


雷 「あ、じゃあさっきの金髪の話が聞きたいわ!」


暁 「暁も気になるわ!」


ベジータ 「あれは超サイヤ人だ。簡単に言えば…サイヤ人がパワーアップする変身、とでも解釈すればいい」


響 「変身?だがなんというか、変身ってもっと姿が変わるようなイメージなんだが」


電 「司令官さんは金髪になったこと以外、変わった感じはしなかったのです」


ベジータ 「戦闘力は格段に変わるんだがな。しかし、貴様らの言いたいような、大きく姿が変わる変身もある」


雷 「すーぱーさいやじん以外にも変身できるの?」


ベジータ 「サイヤ人は満月を見ると大猿に変身する」


暁 「大猿!?」 ビクッ


ベジータ 「そうだ。戦闘力が10倍になるが、引き換えに理性を失うサイ


響 「10倍…。大猿、って、どのくらいの…?」


ベジータ 「そうだな…。貴様ら四人まとめて片足で踏み潰してまだ余る、とでも言っておこうか」


大淀 「提督、脅すような言動は慎んでください!」


暁 「ひぃぃ…」 ガタガタ


電 「し、司令官さんに満月見せちゃダメなのです!」 プルプル


ベジータ 「くっくっく、心配するな。今の俺が大猿になることはない」


雷 「そ、そうなの…?」 ビクビク


ベジータ 「大猿になる為には尻尾が必要なんだが、俺は既に失っていてな。なりたくてもなれん」


響 「本当かい…?僕たちを潰したり…」


ベジータ 「しない。そもそも理性を失うヤツが多いだけで、俺は理性を保てる」


暁 「よ、よかったぁ…。長門さんが手も足も出ないのに、10倍になっておっきくなったらどうしようかと…!」


ベジータ (超サイヤ人はもっと上だがな)


ベジータ 「他に質問は?」


「「「「…」」」」


ベジータ 「なさそうだな。では解散しろ!」


大淀 「提督から質問などは?」


ベジータ 「ない。訓練の中で覚えていく」


「「「「はっ!失礼します!」」」」 ビシッ ガチャバタン


ベジータ 「…予想しちゃいたが、やはり俺自身よりもサイヤ人そのものに対する興味が勝っていたな」


大淀 「無理もないかと」


ベジータ 「だろうな。…次は長門を呼べ」


大淀 「姉妹艦である陸奥さんは現在出ておりますが」


ベジータ 「そいつは改めて出向かせろ。今は長門だけで構わん」


大淀 「了解しました」 ナイセンプルル


大淀 『こちら大淀です。~…』



~~~


コンコン


「失礼する」 ガチャバタン


ベジータ 「来たな」


長門 「あぁ。改めて、長門型一番艦、長門だ。よろしくお願いする」


ベジータ 「しおらしくなったモンだな?」


長門 「あれだけの力量差を見せ付けられてはな…」


ベジータ 「フン、殊勝なことだ。何か質問は?」


長門 「普段はどんなトレーニングを行っているんだ?」


ベジータ 「重力室で高負荷をかけている」


長門 「重力室?」


ベジータ 「そうだ。部屋の中の重力をコントロールしているんだ」


長門 「そんなことが出来るのか?」


ベジータ 「カプセルコーポならば可能だ。今持ち運べるように小型化させている。完成したらこちらに持ち込み、貴様らの訓練にも使う予定だ」


長門 「部屋を持ち運ぶ?」


ベジータ 「ホイポイカプセルを知らんのか?…まぁ説明するより見せたほうが早いだろう。完成を待つんだな」


長門 「よく分からんが楽しみにしておく。…もう一つ、聞いておきたいんだが」


ベジータ 「遠慮はいらんぞ」


長門 「…貴方ほどの力があるなら、深海棲艦を壊滅させられるのでは?私たちは…不要なのではないか?」


大淀 (やはり気になりますか。私も聞きたかったことです)


ベジータ 「…」


ベジータ (来たな。コイツらは戦うためだけの存在、深海棲艦を滅ぼすことこそが役割…。しかし自我を持ち、人格を持つ。故にそれを奪うことなく、つまりコイツらの存在を否定せず、コイツら自身の手で勝利するよう導け。それが依頼内容だ)


ベジータ (確かに長門の言う通り、俺が出ればカタはつく。だが…)


ベジータ 「それが出来んらしくてな」


長門 「そんなはずはない!この長門の全力を、指一本で受け止めるのだぞ!?深海棲艦とて相手にならないはずだ!」


ベジータ 「落ち着け。確かに俺が戦えば負けることはない。だが、撃退は出来ても撃破は出来んのだ。それが出来るのは貴様ら艦娘だけと聞いている」


長門 「どういうことだ?」


ベジータ 「俺も理屈は知らんが、一度ヤツらとは戦った。ヤツらごときの火力では俺に傷一つ負わせることは出来んが、俺がいくら攻撃しようとダメージが通らんのだ」


長門 「そうなのか!?」


ベジータ 「あぁ。屈辱だったぜ、実力で遥かに劣る連中だってのに、返り討ちにしてやれないんだからな…」


長門 「…」


ベジータ 「どうやら、貴様らが戦わなければ倒すことは出来んらしい。その為、俺が戦うんじゃなく、貴様らを戦えるようにするんだ」


ベジータ (セリフはこれでいいんだったな、ブルマ…。この俺がガキ共のご機嫌取りの為に、こんな下らんセリフを覚えさせられるとは…。屈辱なのはむしろこっちだぜ…!)


長門 「そうだったのか…。分かった。そういうことならこの長門、貴方の指導の元、全力を持って精進しよう」


ベジータ 「それでいい。貴様にはとりあえず、ノーマルの状態の俺とはまともに打ち合えるレベルを目指してもらうつもりだ」


長門 「それは…難関だな…」


ベジータ 「すぐにとは言わん。ゆくゆくは、だ。まずは目の前の修行をこなせ」


長門 「了解した」


ベジータ 「他に質問はあるか?」


長門 「最後にもう一点だけ。超サイヤ人…あれが貴方の全力か?」


ベジータ 「…その質問は、貴様がノーマルの俺と戦えるようになった時に答えてやる」


長門 「ふふ…では意地でもそうならねばな」


ベジータ 「フン、期待してるぜ。下がれ」


長門 「うむ。失礼する」 ビシッ ガチャバタン



大淀 「…本当ですか?」


ベジータ 「なにがだ?」


大淀 「先程のお話、深海棲艦を倒せない、という件です」


ベジータ 「なにか気になるか?」


大淀 「いえ…」


大淀 (そんな話、明石からも聞いたことがありません。現代兵器で倒せないのは事実ですが、生身の人間…あ、宇宙人ですけど。でもダメなのでしょうか)


ベジータ 「後の順番は任せる。近い順にでも呼べばいい」


大淀 「…分かりました」



~~~


「宇宙人だから飛べるんですか!?」


ベジータ 「地球人だって飛べるヤツは飛べる」


~~~


「長門さんの手どうでしたか!?」


ベジータ 「聞いてどうするんだそれ」


~~~


「素敵な髪型ですね!」


ベジータ 「死にたいらしいな」


~~~


「すーぱーさいやじんになりたい!」


ベジータ 「サイヤ人じゃないんだ、諦めろ」


※重複した質問は省略しております※

~~~



大淀 「お疲れ様でした。これで一通り、終りましたね」


ベジータ 「流石に数が多いな。…さて、どうするか…」


大淀 「何がですか?」


ベジータ 「貴様らの現在の実力が知りたいんだが、どうしたモンかと思ってな…」


大淀 「では訓練を見学なさいますか?」


ベジータ 「いや…とりあえず何人か集めろ。今日の所は希望者だけで構わん」


大淀 「希望者だけですか」


ベジータ 「そうだ。俺が直接相手をしてやる」


大淀 「それは!…いえ、提督であれば…?」


ベジータ 「貴様も聞いていただろう?深海棲艦だろうが貴様らだろうが物の数ではない」


大淀 「分かりました。ではアナウンスをかけます。演習場でよろしいですか?」


ベジータ 「あぁ、それでいい」


大淀 『こちら大淀です。これより演習場にて、希望者のみの戦闘訓練を行います。希望者は演習場に集合してください。また、本訓練は提督がご覧になります。繰り返します。~…』


ベジータ 「おい、ご覧にってのは何だ?俺がやると言ったはずだが」


大淀 「『提督が戦います』とも言えないかな、と」


ベジータ 「くだらん…。さて、俺も行くか…!」



ベジータ提督の運動



ベジータ 「果たして誰が来るか…。恐らく長門は参加するだろうが、他のヤツは読めんな…」


電 「はわ、一番乗りなのです!」


ベジータ 「電?訓練に参加するのか?」


電 「はい!電はまだまだ弱いのです…。強くなる為には訓練なのです!」


ベジータ 「…フン。いい心掛けだ」


電 「暁ちゃんも来ると言っていたのです。準備に時間がかかっているようですが…」


ベジータ 「他の二人は?」


電 「今回は不参加なのです」


ベジータ 「まぁいい、希望者だけと言ったのは俺だ」


長門 「おや、出遅れてしまったか」


ベジータ 「やはり来たな」


長門 「当然だ。『提督がご覧に』とか言っていたが、貴方が鍛えてくれるのだろう?」


ベジータ 「お見通しか」


長門 「早く貴方と戦えるようにならねば、質問に答えてもらえないからな」


ベジータ 「そう簡単に行くと思うな」


「お、いたいた!アタシも参加するぜー!」


ベジータ 「む、貴様は…摩耶、だったか」


摩耶 「だったかってなんだよ、自己紹介したじゃねーか」


ベジータ 「こうも数が多いと一度に覚えられん。訓練の中で覚えていくつもりだ」


摩耶 「お、なのにアタシの名前は覚えてたのか?」


ベジータ 「貴様はなんとなく、俺の嫌いなヤツに似ているんでな」


摩耶 「嫌いなヤツかよー…。ま、いいけどよ!」


ベジータ 「…そういう楽観的な所が特にな」


「まだ始まってねぇみてぇだな、間に合ったぜ」


ベジータ 「…天龍だったか?」


天龍 「そうだ!俺も参加するぜ」


ベジータ 「世界水準がどうとか言ってたが、世界程度で俺について来れるのか?」


天龍 「へっ!言うじゃねーか!楽しみだぜ!」


暁 「ごめんなさい!お、遅くなっちゃった?」


ベジータ 「いや、まだ始めていない」


暁 「あ、暁も参加するわ!」


ベジータ 「暁、電、長門、摩耶、天龍で五人か…。とりあえず始めるとするか。後から来るヤツがいたら都度対応すればいい」


ハイ! オウ!


ベジータ 「まずは…ギソウだったか。あれは外せるのか?」


摩耶 「そりゃ外せはするよ」


ベジータ 「外せ」


天龍 「訓練だってのに艤装外してどーすんだよ」


ベジータ 「本格的に訓練を開始する時に話すがな、俺がいる間はそんなもん使わせん」


暁 「え!?」


摩耶 「艤装使わねーでどう戦えってんだよ!?」


ベジータ 「蹴って殴ればいいだろう」


電 「で、でもそれじゃあ…」


長門 「分かった」


摩耶 「長門さん!?正気かよ!」


長門 「考えようによっては、艤装を持ち込まなければ被弾して修理することもなくなる。艤装分の資源の消費を抑えられるじゃないか」


暁 「け、けど危ないわ!」


ベジータ 「心配いらん。俺が鍛える以上、ノーガードで攻撃を受けても問題ないようにしてやる」


天龍 「言ってることメチャクチャだぜ…!」


長門 「私は提督を信じてみようと思う」


摩耶 「長門さんさ、言いたかないけどどうかしてるぜ…。力で圧倒されて心酔しちまったのか?」


ベジータ 「俺は昼に、文句があるならかかってこいと言ったはずだがな」


暁 「それは言ってたけど、でも…」


ベジータ 「今は俺から攻撃はしない。味方の動きに注意を払えば危険もないはずだ」


長門 「長門、準備完了した」 チャプン


電 「長門さん!」


ベジータ 「まずは思うまま、好きなように打ってこい!」 フワッ


ベジータ 「貴様らはどうする?怖じけたなら帰っても構わんぞ!希望者だけの訓練だからな!」 スカッ


天龍 「余所見しながらスイスイかわしてやがる…なんなんだアイツ」


暁 「宇宙人だって」


電 「い、電も行くのです!」


摩耶 「は!?本気かよ!?」


電 「着いていけば、強くなれそうな気がするのです!」 チャプン


ベジータ 「いい度胸だ!来い!!」


長門 「!ここだ!」 ブン


ベジータ 「狙いは悪くないぞ!」 ピタッ


長門 「くっ!またも指先で!」 ググッ


ベジータ 「なんだ腰抜けども、まだいやがったのか?やる気がないなら失せろ!修行の邪魔だ!!」


電 「えいっ」 ブン


ベジータ 「目を瞑るな!敵を見据えろ!」 スカッ


電 「はいなのです!」


天龍 「ナメてくれんじゃねーか…上等だぜ」 チャプン


摩耶 「同感だな…目に物見せてやるよ!」 チャプン


暁 「や、やるの!?二人とも?」


摩耶 「あそこまでナメた口聞かれて引き下がれっかよ!…ぅおりゃー!」 ブン


天龍 「世界水準思い知らせてやるぜ!ぬぁりゃ!!」 ブン


ベジータ 「フン!デカイのは口だけか!?」 スカッ パシッ


長門 「背中貰った!」 グオッ


ベジータ 「甘い!」 ピシュン


摩耶 「あだっ!」 ゴッ


電 「すり抜けたのです!?」


長門 「す、すまない!大丈夫か!?」


ベジータ 「気を付けろと言っておいたはずだが?」 フッ


天龍 「今のなんだよ…どうやった?」


ベジータ 「ただ移動しただけだ。…貴様らの目に捉えられん速さでな!」


天龍 (カッコいいじゃねーか!!)


天龍 「俺らも出来るようになんのか!?」


ベジータ 「貴様ら次第だろうな」


摩耶 「ってて…。出来ねぇ訳じゃねぇってことだな!」


ベジータ 「フン!…暁!」


暁 「ひゃい!?」


ベジータ 「貴様はどうするんだ?そこで見てるだけか?」


天龍 「たりゃ!」 ブン


ベジータ 「構わんぞそれでも!」 スカッ


暁 「こ、怖くて…!」


電 「えい!」 ブン


ベジータ 「…」 ペチ


電 「当たったのです!」


ベジータ 「勘違いするな!避けなかっただけだ!」


電 「ごめんなさいなのです!」


ベジータ 「さぁどうした!四人がかりでそのザマか!来い!!」



~~~


ベジータ 「…貴様らの力量は分かった」


天龍 「クソッ…一発も当てらんなかった…」 ハァハァ


電 「電は一発だけ当てたのです…」 ゼェゼェ


ベジータ 「避けなかっただけだと言っただろうが」


長門 「だが…一発は一発だ…」 ハァハァ


摩耶 「MVPは電かよ…」 ゼェゼェ


ベジータ 「フン…。貴様ら、力はあっても戦い方はさっぱりらしいな」


摩耶 「当たり前だろ…ずっと艤装で戦ってたんだぞ…」 ハァハァ


電 「素手で戦うなんて考えたこともなかったのです…」 ゼェゼェ


長門 「力任せではいけない、ということか…」 ハァハァ


天龍 「そうらしいな…奥が深いぜ…」 ゼェゼェ


ベジータ 「こんな程度で戦いを理解したつもりになってもらっては困る。というか貴様ら、喋ってないで息を整えろ」


暁 「あ、あの…」


ベジータ 「…まだいやがったのか?訓練に参加しないのなら何故ここにいる?」


暁 「ごめんなさい…」


ベジータ 「そんなことでこれまでよく戦ってこれたな。戦果を出せんのも頷けるぜ」


暁 「あ、ぅ…」


電 「…」


ベジータ 「腑抜けたヤツの根性は叩き直してやるつもりでいたが、本人にやる気がないんじゃな…。」


暁 「っ」 ダッ


電 「暁ちゃん!」


ベジータ 「放っておけ!戦えぬなら無理に戦わせる必要はない!」


天龍 「なぁ提督、暁はあれで戦って来たんじゃない。まだ戦いに出たことがねぇんだ」


ベジータ 「なに?」


天龍 「つい最近来たばっかでよ。他所で戦ってたとかでもなく、文字通りド新米なんだよ」


ベジータ 「そんな新米が何故この訓練に参加しようとしたんだ。希望者だけでいいと言っておいたはずだが」


電 「あ、電がちょっと強引に誘っちゃったのです…。訓練自体に慣れさせないとと思って…」


ベジータ 「見込みが外れたな」


電 「…」


ベジータ 「まぁいい。ヤツとは後で俺が話をしておく。今は貴様らだ!戦い方がまるでなっていない!気合いを入れてもらうぞ!!」


摩耶 「これ訓練中に死ぬかもな…」


ベジータ 「死んだ方がマシかもな」


天龍 「うっげー…」


長門 「つ、強くならねば…」


ベジータ 「安心しろ、今日はこれで切り上げてやる」


摩耶 「マジか!」


ベジータ 「貴様らの腕は分かった。明日からは覚悟しておくんだな」


電 「ちょっと寿命が伸びただけだったのです…」


ベジータ 「貴様らは風呂に入れば傷を癒せるんだろう?さっさと入ってくるんだな」


長門 「提督は?」


ベジータ 「暁のヤツと話をしてくる」


電 「あ、でしたらたぶn」


ベジータ 「場所は分かる」


摩耶 「え、なんで?」


ベジータ 「気を探ればいいだけだ」


天龍 「木?木なんか探ってなんになんだよ?」


ベジータ 「…どうせ他のヤツにも同じ説明をしなきゃならんのだ、明日話してやる」 フワッ


天龍 「えー」


ベジータ 「ガチャガチャ抜かすな!とっとと失せろ!…貴様らのお陰で、少しは体を動かせた。礼を言うぞ」 スー


長門 「飛んでいったな」


摩耶 「なぁ、訓練とかどうでもよくてアイツが動きたかっただけなんじゃねぇかコレ」


電 「そうかもしれないのです…」


天龍 「汗一つかいてなかったけどな…」



~~~


暁 (訓練しなきゃいけないのは分かってる…けど、怖いんだもん…!死ぬのも、殺すのも…!)


ベジータ 「いやがったな」


暁 「!!」 ビクッ


暁 「し、司令官…なんでここが分かったの…?」


ベジータ 「気を探った」


暁 「え、木?木で何が分かるの?」


ベジータ 「…何度も同じ話をするのは面倒だが、貴様には特別に先に話してやる。気ってのは、それぞれが持ってるエネルギーだ。一人一人違うから、誰の気か特定できればどこにいても分かる」


暁 「すごい…。どこにいても?」


ベジータ 「あぁ。訓練を積めば貴様らも出来るようになるだろう」


暁 「訓練…」


ベジータ 「聞いたぞ。戦ったことがないんだってな」


暁 「…」


ベジータ 「どうして訓練に来た?大淀は自由参加と言っていただろう?」


暁 「電が、一緒に行こうって…」


ベジータ 「では貴様自身は参加するつもりはなかったのか?」


暁 「訓練しなきゃいけない、ってことは分かってるの。暁は艦娘だから…。けどやっぱり怖くて…。」


ベジータ 「何が怖い?死ぬことか?」


暁 「死ぬのは怖いわ。司令官だってそうでしょ?」


ベジータ (二回死んでいるんだがな)


ベジータ 「死にたくないなら強くなれ!決して殺されんようにな!」


暁 「…それだけじゃないの。死ぬのも怖いし、殺すのも怖いのよ…。当たり前じゃない…怖いわよ…!」


ベジータ (殺した人数も一人や二人じゃないが、それも黙っておくか)


ベジータ 「敵であってもか?」


暁 「そうよ…だって生きてるのよ?敵だって…。それを暁が…殺さなきゃいけないなんて、怖いじゃない…。」


ベジータ 「フン!綺麗事だな」


暁 「っ!…司令官みたいな強い人には分からないのね」


ベジータ 「分からんな。だが貴様が目指すべき道は分かる」


暁 「目指す道?」


ベジータ 「強くなれ暁!敵に殺されないほど、敵を殺さずに済むほど強く!」


暁 「殺さずに済む…?どういうこと?」


ベジータ 「簡単だ。敵を殺さずに制圧するのは、殺すより遥かに難しい。要は加減しなきゃならんワケだからな」


暁 「加減…」


ベジータ 「そうだ。だからこそ、殺さず勝つには強さが必要なんだ。敵を捕らえるにしろ、力の差を見せ諦めさせるにしろ、強くなければ話にならん!その為に何が必要か、分かるか?」


暁 「訓練…?」


ベジータ 「確かに訓練は必要だ。だが何より必要なのは意志だ!気持ちと言い換えてもいい!意志がなければ訓練を積んでも意味はない!」


暁 「意志…」


ベジータ 「強くなりたいだけじゃない!強くなってどうしたいのか、強くなって何をしたいのか!それを思い描け!!」


暁 「暁は…強くなって、死ななくても、殺さなくてもいいようにしたい…戦いを終わらせたい!」


ベジータ 「ならば強くなれ!綺麗事だと笑った俺を、実力で黙らせてみろ!!」


暁 「分かったわ!すぐに謝らせてあげるんだから!覚悟してよね!」


ベジータ 「フン、覚悟するのは貴様の方だ!明日からの訓練、貴様は特に厳しく行くぞ!」


暁 「望むところよ!…ありがとう、司令官!」


ベジータ 「…礼などいらん。今後の態度で示せ」


暁 「任せてよ!…私、行くわね!明日に備えて体を休めておかないと!」


ベジータ 「…休めるもクソも、動いてないだろう貴様」


暁 「…ば、バイバイ!」 タッタッタ


ベジータ (なんのために強さ、か…。まさかこの俺が、そんな言葉を口にする日が来るとはな…。かつては自分の楽しみの為に力を求めていたこの俺が…。)


ベジータ (だが、俺は地球に来て変わった。カカロットに敗れ、ブルマと結ばれ、トランクスとブラが産まれ…。殺すことための力から、守るための力へ…。)


ベジータ (カカロットは勝つためじゃなく、負けないために強さを求めた…。気がつけば、既にアイツとも別の道にいるんだな、俺は…。)


ベジータ (それでいい!負けない強さでも身勝手の極意でも好きにしやがれ!俺は俺の道を往く!待っていろカカロット!!)



~~~


大淀 「あ、お帰りなさい」 カキカキ


ベジータ 「あぁ。そっちはどうだ?」


大淀 「まぁ、これまで通りですからね…。慣れた物ですよ」


ベジータ 「フン…。そのまま書類担当でいいんじゃないか?」


大淀 「そういう訳にも…。どこまで行こうと、私は代理ですから」


ベジータ 「チッ…面倒な話だぜ」


大淀 「それで、そちらはいかがでしたか?訓練は」


ベジータ 「ダメだな。力はあっても戦い方がまったくなっていない」


大淀 「戦い方、ですか?」


ベジータ 「あんなモンに頼っていたんじゃ無理もないがな。なに、すぐに戦えるようにしてやる」


大淀 「あの、あんなモンというのは?」


ベジータ 「決まってるだろう。あのギソウとかいう機械だ」


大淀 「ちょ、ちょっと待って貰えます?」


ベジータ 「なんだ」


大淀 「提督の言う戦うって…?」


ベジータ 「何を言っていやがる?戦いは戦いだろう」


大淀 「その、パンチとかキックで…?」


ベジータ 「それ以外に何がある?」


大淀 「剣とか銃とか、それこそ砲撃だって戦いじゃないですか!」


ベジータ 「くだらん」


大淀 「くだっ…」


ベジータ 「考えても見ろ。そんなモン使ったところで破壊力には限界がある。現に貴様らの最大火力を俺にぶつけたところで、掠り傷さえ負わせられんぞ」


大淀 「それは提督が例外なだけでしょう!」


ベジータ 「俺だけじゃないぞ。俺の知っている地球人の中にも、貴様らが束になっても敵わんヤツが何人かいる」


大淀 「…それは流石に嘘ですよね?」


ベジータ 「なんなら連れてきてやろうか?」


大淀 「地球人…ただの人間ってことですよね…?そんなはずが…」


ベジータ (ただの人間…。クリリンの野郎はダメだな、鼻がない。天津飯の野郎も目が三つあるからダメだ。…ヤムチャしかいないか。…大丈夫だよな?)


ベジータ 「まぁ見ておけ。すぐに大砲撃つより殴る方が強くしてやる」


大淀 「あの…いえ、なんでもありません…」


ベジータ 「そんなことより、飯はまだ来てないのか?」


大淀 「あ、届きましたよ。とてつもない量が」


ベジータ 「なにぃ!?なぜそれを先に言わんのだ!!」


大淀 「鳳翔さんは食料庫に入るか不安がっていましたが、スゴいですね…あのぽいぽいカプセル?という技術」


ベジータ 「ホイポイカプセルだ」


大淀 「アレ、世界が変わる発明ってヤツなのでは…?あ、それから提督に言伝を預かっています」


ベジータ 「なんだ」


大淀 「重力室は二、三日中には完成する予定で、出来たらすぐに届ける、とのことでした」


ベジータ 「思ったより早かったな。さすがカプセルコーポだ…!」


大淀 「…もしかして、それもほいほいカプセルで来るのでしょうか?」


ベジータ 「ホイポイカプセルだ。恐らくそうだろうな」


大淀 「明石に見せたら目の色変えそうですね…。ぽいほいカプセル…」


ベジータ 「ホイポイカプセルだ!貴様わざとだな?…俺は早速飯を食いに行くが、貴様はどうする?」


大淀 「あ、私はもう少し書類を片付けてから頂きますので、お先にどうぞ」


ベジータ 「そうか。では俺は行ってくる…。飯が残ってるといいな?」 ガチャバタン


大淀 「…え?流石に残ってますよね…?」



ベジータ提督の夕食と訓練



ベジータ 「む?」


赤城 「あ、提督!これからお食事ですか?」


ベジータ 「あぁ。昼の分じゃとても持たん」


赤城 「私もです。大淀さんに分けて頂いたのは大変ありがたかったですが、とても満たされたとは…」


ベジータ 「だが、既に追加の食料は届いたようだからな。ようやく満足の行く飯が食えそうだぜ」


赤城 「本当ですか!それは吉報です!私もご一緒します!」


ベジータ 「いいだろう、席を確保しておけ」


赤城 「はっ!」



~~~


ベジータ 「そういえば貴様、なぜ訓練に来なかった?」 モグモグ


赤城 「自由参加だと伺ったのですが…」 パクパク


ベジータ 「責めたいワケじゃない。だが貴様の強さに少し興味があったのでな。残念なだけだ」 ガツガツ


赤城 「それは光栄です!実はお昼のご飯が足りなさすぎて、ロクに動けなかったんです」 パクパク


ベジータ 「なるほどな。少しでも無駄な体力消費を抑えたかったワケか」 モグモグ


ベジータ 「む、まずいな、飯がなくなる。おい、追加を持ってこい!今の分がなくなる前にな!」


赤城 「あ、私にもおかわりお願いします!」


ザワザワ ザワザワ


赤城 「あら?なんだがざわついていますね」


ベジータ 「知らん」


摩耶 「お、提督じゃねーか!赤城さんも一緒か」


ベジータ 「風呂はもういいのか?」


摩耶 「一方的に殴ってバテただけで怪我した訳でもねーしな。っていうか食い過ぎだろ二人とも。周りのヤツら引いてるぜ?」


赤城 「あ、それでですか」


ベジータ 「フン、勝手に引かせておけ」


摩耶 「あ、そーだ提督、上手いことやったみたいじゃねーか?」


ベジータ 「上手いこと?」


摩耶 「暁だよ!さっきすれ違ったけどえらい機嫌良かったぜ?」


ベジータ 「…それも知らん」


摩耶 「なんだよ照れてんのか~?ん~?」


ベジータ 「どうやら消されたいらしいな」


摩耶 「アンタが言うとマジで出来そうで怖ぇよ…。アタシもここで食ってっていいか?」


ベジータ 「好きにしろ」


摩耶 「どーも!…赤城さん、美味そうなの食ってるね。そんなんあったっけ?」


赤城 「えぇ、とても美味しいですよ!なんでもすごくいい食材が入ってきたから新しく、とのことで」


摩耶 「へー。いい食材ねぇ…業者変えたの?」


ベジータ 「細かいことは知らんが、俺がいる間の食料はカプセルコーポからだ」


摩耶 「あー、そういや提督もそっから来てんだったな。一口ちょーだい」


赤城 「えぇ、どうぞ。一口ですよ?」


摩耶 「…え、マジで美味ぇ。すげぇ美味ぇ」


赤城 「同感です。鳳翔さんや間宮さんの腕に関しては言うまでもありませんが、食材がいいとここまで美味しいんですねぇ…」


摩耶 「これ提督がいる間だけなの?」


ベジータ 「そう言ったろ」


摩耶 「ずっといようぜ提督」


ベジータ 「くだらん」



~~~


摩耶 「ふぃー、食った食った」


赤城 「あら、もういいんですか?」


摩耶 「アンタら基準で飯の量考えんの止めたほうがいいぜ赤城さん」


赤城 「そうでしょうか…」


ベジータ 「フン」 ガタッ


赤城 「提督、もう行かれるのですか?」


ベジータ 「あぁ。飯を食い終わればここに用はない」


摩耶 「っても、なんかやることあんのか?提督業は大淀さん任せなんだろ?」


ベジータ 「一度司令室に戻り、明日の訓練についてスケジュールを詰める。それが済んだらトレーニングだ」


摩耶 「ほー、トレーニングねぇ…」


ベジータ 「文句でもあるか?」


摩耶 「ねぇけどさ、アタシも見せて貰っていいか?」


ベジータ 「トレーニングをか?見てて面白くもないだろう」


摩耶 「アンタがどんなトレーニングしてんのか、単純に興味あんだよ。赤城さんもどうだ?」


赤城 「え、私もですか?」


摩耶 「訓練に来てないから提督のバケモノっぷりわかんねぇだろ?」


ベジータ 「おい」


赤城 「長門さんが力負けした時点で相当な物だと思いますが」


摩耶 「そりゃそーなんだけどよ、実際見たらすげーぜ!四人がかりで当たりもしねーの!」


赤城 「待ってください、提督に模擬弾を使ったんですか!?訓練用とはいえ、人に向けて撃つなど!」


摩耶 「いやパンチ」


赤城 「ぱんち?」


摩耶 「うん」


赤城 「パンチっていうと、拳?」


摩耶 「うん」


赤城 「…艦娘がパンチしてなんの意味が?」


ベジータ 「何度も同じ話をするのも面倒だ。貴様から説明しておけ。俺は行くぞ」


摩耶 「あ、待てよ!見てていいのか!?」


ベジータ 「好きにしろ」


赤城 「???」


摩耶 「あ、実はな…」



~~~


ベジータ 「流石にあれだけの人数を一人で鍛えるってのも無理があるな…」


大淀 「しかし、肉弾戦について指南できる艦娘はいないかと」


ベジータ 「分かっている」


ベジータ (やむを得ん…。ヤツを呼ぶか)


ベジータ 「少し電話する」


大淀 「分かりました」


プルル…


ベジータ 『ベジータだ。ブルマに繋げ。…ブルマか。あぁ、それは聞いた。三日後が楽しみだが、今は重力室についてじゃない。…悟飯のスケジュールを抑えろ、明日一日だ。それから送迎の準備もな。極秘なんだろう?…カカロット?ヤツはいらん。…あぁ、それから明日の食料は相当な量がいる。任せたぞ』 ガチャン


ベジータ 「待たせたな」


大淀 「いえ。どなたか呼ばれるのですか?」


ベジータ 「あぁ。アシスタントをな」


大淀 「では、お迎えする手筈を整えておきます」


ベジータ 「任せる。名は孫悟飯だ」


大淀 「…それがお名前ですか?変わったお名前ですが…」


ベジータ 「間違いなく本名だ」


大淀 「分かりました。孫悟飯 様ですね」


ベジータ 「細かいスケジュールは貴様に任せる。俺は少し出てくる」


大淀 「どちらに?」


ベジータ 「…自分のトレーニングだ。寝る前にな」 ガチャバタン



ベジータ 「む?」


摩耶 「お、話終わったかい?」


ベジータ 「ここで待っていやがったのか?」


赤城 「はい。何時、どこに向かえばいいのか分からなかったものですから」


ベジータ 「結局貴様も来たのか」


赤城 「正直、私たちに素手で戦えとおっしゃる提督の意図が分かりません。それが少しでも見えれば、と」


摩耶 「かってぇなぁ赤城さん。興味本位でいーじゃねーか」


ベジータ 「なんだって構わん。来るなら着いてこい」


摩耶 「また演習場か?」


ベジータ 「いや、グラウンドでいい。俺は水面である必要もない」


摩耶 「そりゃそうだ」


赤城 「参りましょう」


ベジータ 「…」


摩耶 「どした?」


ベジータ 「…グラウンドってどっちだ」


赤城 「あ、まだ行かれておりませんか?」


ベジータ 「あるとは聞いたが場所は知らん」


摩耶 「だぁーれに着いていけって?ん?」


ベジータ 「…」 イラッ


赤城 「摩耶さん…。提督、ご案内します」



~~~


ベジータ 「ほう?中々広いじゃないか」


摩耶 「アタシらも水の上でばっか訓練してる訳じゃねーからな」


赤城 「えぇ。陸上で鍛えることも無意味ではありません」


ベジータ 「フン…そんなことはどうでもいい」


摩耶 「へーへーそうですかー。んで、どんなトレーニングを見せてくれんだ?」


ベジータ 「貴様らに見せる為じゃない。ただ普段通りにやるだけだ」


ベジータ (重力が足りんがな)


赤城 「拝見させて頂きます」


ベジータ 「…邪魔はするなよ」


ベジータ 「…はぁぁぁ…でやぁああああ!!!」 ズババババ


摩耶 「はっえー…あれパンチ打ちまくってんだよな?」


赤城 「たぶん…速くて見えませんけど…」


ベジータ 「だっ!」 ビューン


摩耶 「あ、飛んだ。たっけー」


ベジータ 「はぁぁぁああああ…!」 ポッ


赤城 「提督の手、光ってません?」


摩耶 「ホントだ、光ってる」


ベジータ 「ずぇりゃぁあああああ!!!」 ズドドドド


摩耶 「なんか撃ったぁ!?」


赤城 「こっこれっ、大丈夫なんですか地面!?」


ベジータ 「フン!」 ピシュン


ベジータ 「つぇりゃぁぁああああ!!!」 バチバチバチバチバチ


摩耶 「え、あ!?下にいる!」


赤城 「自分で撃った光の玉が着弾するより速く動いて」


摩耶 「全部弾き飛ばしたのか…?」


ベジータ 「…やかましいヤツらだ。邪魔するなと言っておいたはずだが」


摩耶 「いやー…ここまですげぇと思わなかった。つーかすごすぎて意味がわかんねぇ」


赤城 「まったくです…こんなことって…」


ベジータ 「黙りやがれ貴様ら!気が散る!邪魔するなら失せろ!」


赤城 「あ、申し訳ありません、静かにしてます」


摩耶 「黙ってっから見てていーだろ?」


ベジータ 「…チッ。次に騒ぎやがったら覚悟しておけよ」


摩耶 「へーい」


赤城 「承知しました」


ベジータ 「フン!」 ズババババ



~~~


ベジータ (やはり重力も普通、相手もいない状態ではいくらやったところで足りん、か)


ベジータ 「そろそろ切り上げるか」


摩耶 「お、終わりか?」


赤城 「お疲れ様でした」


摩耶 「っていうほど疲れた感じもなさそうだな、あれだけやってて…」


ベジータ 「この程度ではな…。しかし三日間どうするか…」


摩耶 「三日?」


ベジータ 「三日後には重量…いや、愛用のトレーニング器具が届く予定になっている」


ベジータ (説明が面倒だ)


赤城 「トレーニング器具…」


摩耶 「今の見せられた後だとよ、どんな器具も役に立たなさそうに思えるんだが」


ベジータ 「届けば分かる。俺はもう行くぞ」


摩耶 「あ、おう。お疲れー」


赤城 「はい、お疲れ様でした」



摩耶 「…どうだった?」


赤城 「なんというか、とんでもなかったです」


摩耶 「分かる」


赤城 「提督の意図を推し測るつもりだったのに、なにもかもが意味不明です」


摩耶 「…すげぇんだな、宇宙人って」


赤城 「あれを見てしまうと、地球人と言われたほうが疑わしいですね…」


摩耶 「だな…。アタシたちも帰るか…」


赤城 「そうですね…」


摩耶 「あっ」


赤城 「どうしました?」


摩耶 「手から光出してたヤツ聞くの忘れた」


赤城 「あぁ…。明日でいいのではないでしょうか」


摩耶 「そうだな…」



こうして、ベジータ提督の着任初日は終わりを迎えた…


ベジータ提督とアシスタントの孫悟飯


ベジータ 「…」


大淀 「提督、お連れしました」


ベジータ 「来たか」


悟飯 「おはようございます、ベジータさん!」


ベジータ 「あぁ。呼び出して済まなかったな」


悟飯 「いきなりで驚きましたよー。ブルマさん、詳しいことはベジータさんに聞けってなんも教えてくれませんでしたし」


ベジータ 「アイツ、何も説明しておらんのか…!」


悟飯 「ブルマさんも聞いてないから知らないって言ってましたけど…」


大淀 「確かに昨日のお電話では、スケジュールを抑えろ、としか仰っていなかったかと」


ベジータ 「…道着は持って来てるだろうな」


大淀 (逃げた)


悟飯 「いえ、道着は…。ジャージならありますけど」 スッ


ベジータ 「なに?何故道着を持ってこなかった!?」


悟飯 「何するか分からなかったので…。戦うでもなければ必要ないかなって…」


ベジータ 「ぬっ…。まぁいい。ならそのジャージに着替えろ」


大淀 (自分に非がある時は怒鳴らないで引っ込める辺り、誠実な人ではありますね)


悟飯 「分かりました。それで、何するんですか?」 ヌギッ


大淀 「ここでですか!?」


悟飯 「えっあっ、すみません!」


ベジータ 「…大淀、貴様は先に演習場に向かえ。点呼でもとっておくんだな」


大淀 「はっはい!失礼します!」 ガチャバタン


ベジータ 「…フン。向こうに着いたらまとめて説明してやる」


悟飯 「あ、はい。」 ヌギッ



~~~


ガヤガヤ ザワザワ


ベジータ 「大淀!揃っていやがるか!」


大淀 「はい、参加可能な者はすべて」


ベジータ 「そうか。…聞け貴様ら!」


シ…ン


ベジータ 「今日よりこの俺が、貴様らを本格的にシゴいてやる!覚悟を決めろ!」


ビシッ


ベジータ 「最初に言っておくが、貴様らギソウを装備しているな。それを外せ!」


ザワッ


ベジータ 「この俺がいる間、そんなものに頼った戦いなどさせん!貴様ら自身の肉体を使え!!」


ザワザワ


ベジータ 「昨日言ったはずだ!文句があるヤツはかかってこいと!それで誰も来なかったということは、貴様らは俺に従うことを選んだということだ!黙って外しやがれ!!」


ガチャ ガチャ ガチャン


ベジータ 「それでいい。…まずは貴様らに紹介しておこう。…悟飯」


悟飯 「は、はい!…えと、孫悟飯です。ベジータに呼ばれて、今日はお邪魔してます。よろしくお願いします!」


ザワザワ


ベジータ 「コイツには俺のアシスタントをしてもらう。流石にこれだけの人数、一人では見てられんのでな」


ベジータ 「まずは貴様ら全員、今から一ヶ月間で舞空術を習得してもらう!」


悟飯 「舞空術ですか!?」


ベジータ 「貴様、ビーデルに舞空術を教え込んだのだろう?適役じゃないか」


悟飯 「あぁ、それで僕を…。でも一ヶ月で全員は難しくないですか?」


ベジータ 「…コイツらは、今はてんで弱い気しか発していないが、ギソウってのを展開することで格段に気がデカくなるんだ」


悟飯 「さっき外させたヤツですよね?増幅装置みたい物なのかな?だったら着けたままのほうがよかったんじゃ…」


ベジータ 「いや、俺の見立てでは違う。むしろギソウはリミッターだ」


悟飯 「リミッターですか?」


ベジータ 「つまりギソウを展開した状態が本来の全力で、格納した状態ではある程度まで強制的に制限されている、ということだ」


悟飯 「けど、外した今もそんなに大きな気は、正直…」


ベジータ 「今はな。俺は昨日、ヤツらの中の数人にギソウを外させた上で相手をしてやったんだ。向こうから一方的に攻撃させただけだがな。慣れてくると気が少しずつ大きくなり、ギソウを展開した状態に近付いていた」


悟飯 「ということは」


ベジータ 「要は、潜在能力はあるが引き出せていない、ということだ」


悟飯 「…子供の時の僕みたいですね」


ベジータ 「それも貴様を呼んだ理由だ。引き出す手伝いをしてやれ」


長門 「済まない、質問をいいだろうか」


ベジータ 「言ってみろ」


長門 「ブクウジュツ、というのは?」


ベジータ 「あぁ、これだ」 フワッ


ザワッ


悟飯 「空を舞う術、と書きます。慣れれば走るよりよっぽど速いですよ!」


天龍 「俺たちも飛べるってことか!?」


悟飯 「はい、これは体質とかによらない技術ですから、覚えさえすれば」


電 「すごいのです…!電もお空を飛んでみたいのです!」


暁 「そうね…」


摩耶 「どうやったら出来るんだ!?」


悟飯 「いえ、流石に今すぐってワケには。練習しないと」


ベジータ 「それを俺と悟飯で仕込んでやると言っているんだ!悟飯、貴様はガキ共を相手しろ」


悟飯 「ベジータさん、子供苦手そうですもんね…」


ベジータ 「…フン!図体のデカい連中は俺が見てやる!二組に別れろ!!」


ザワザワ


暁 「あのっ、司令官!」


ベジータ 「なんだ、貴様は悟飯のほうに…」


暁 「暁は大人のレディーよ!司令官に見てもらいたいわ!」


電 「暁ちゃん!?」


ベジータ 「なんだと!?冗談じゃない!俺様はガキの相手h


暁 「昨日言ったわよね?暁は特に厳しくするって」


ベジータ 「…チッ。いいだろう。こっちに来い」


電 「えぇ!?」


暁 「ありがと、司令官!そういう訳だから電、私はこっちでやるわ!」


電 「じゃ、じゃあ電も…!」


暁 「ううん、電は悟飯さんのほうに行って?」


電 「どうしてなのですか!?暁ちゃんだけじゃ…」


暁 「大丈夫よ!暁は強くなるんだから!」


電 「!」


暁 「それに、ライバルがいたほうが張り合いがあるじゃない!どっちが先に飛べるか競争よ!」


電 「…分かったのです。電は悟飯さんに見てもらって、暁ちゃんより先に飛ぶのです」


暁 「負けないんだから!…後でね」


電 「はいなのです!」 タッタッタ


長門 「…ん?暁はこっちなのか?」


暁 「えぇ、特別よ!」


長門 「そうか…。お互い、早く飛べるように頑張ろう」


暁 「よろしくね、長門さん!」


ベジータ 「…フン。全員別れたな!今から昼飯まではすべて舞空術の習得に費やせ!時間も体力もな!…始め!!」



~~~


悟飯 「いきなり飛ぼうとしても無理だから、まずは自分の中の力…気を引き出すことに集中しよう。こうして両手を…」


電 「こうなのですか?」



ベジータ 「そうじゃないと言っているだろう!もっとこう…違う!何故分からんのだ!」


天龍 「説明ザツすぎんだよ!」


ベジータ 「口答えするな!」


暁 (しっ…失敗だったかも知れない…!)



~~~


悟飯 「ベジータさん!そろそろお昼ですよ!」


ベジータ 「だからそうじゃないと…何?もうそんな時間か…」


悟飯 「休憩にしましょう」


ベジータ 「そうだな…。よし、今から一時間休憩だ!飯を食うなり好きに使え!一時間後には全員ここにいろ!いいな!!解散!!」


ガヤガヤ


電 「なんとなく気が分かってきたのです!」


暁 「…悟飯さんに習うべきだったわ」


長門 「先は長そうだな…」


摩耶 「そうか?アタシは少し見えてきたけど」


天龍 「マジで!?あの説明で!?」


スタスタ



ベジータ 「くそったれ…」


悟飯 「あー…教わらなくても出来ちゃうタイプって、教えるの難しそうですよね…?」


ベジータ 「黙りやがれ…」


悟飯 (結構傷付いてるな…)


悟飯 「それより僕たちも食べに行きましょうよ!僕もうお腹減っちゃって…!」


ベジータ 「フン…」 スタスタ


悟飯 (意外とナイーブなんだよなぁ、ベジータさん…) スタスタ



~~~


ガヤガヤ


摩耶 「アンタも宇宙人なのか!?」


悟飯 「あ、僕は母さんが地球人で、父さんはベジータさんと同じサイヤ人なんです。だからハーフですね」 ガツガツ


天龍 「へー…見た感じそんな強そうでもねーけどなぁ」


悟飯 「は、ははは…」 ズズズッ


摩耶 「でも食う量見てると納得出来るな」


暁 「悟飯さんも超サイヤ人になれるの!?」


悟飯 「あ、ベジータさん見せたんだ…。まぁ、一応」 モグモグ


電 「すごいのです!見せてほしいのです!」


悟飯 「いっ!?いや、一緒だよベジータさんと…!」 パクパク


ベジータ 「…」 ガツモグパクズズッ


長門 「寂しそうだな、提督」


ベジータ 「ふざけたことを抜かすな。落ち着いて飯が食えて助かるぜ」 パクガツズズモグ


長門 (落ち着いてその量平らげるのか)


赤城 「悟飯さんの食べっぷりを見るに、提督が特別よく食べる訳でもないようですね。サイヤ人の特性なのかしら?」 ズズモグバクガツ


長門 (負けていないが)


ベジータ 「俺の知る限り、戦闘向きのサイヤ人は食う」


赤城 「戦闘向き?戦闘に向かないサイヤ人もいたんですか?」


長門 「戦闘民族とか言っていた気がしたが」


ベジータ 「当然だ。貴様らや地球人にも個性という物があるだろう。戦いに向かん者は技術者になるなり飯を作ったり…役目はいくらでもある」


長門 「ふむ、個性か…。そう言われると頷くしかないな」


赤城 「確か生き残っているサイヤ人は、提督を含め四名だったとか」


ベジータ 「純血はな。そのすべてが男だ。俺たちが死ねば、純粋なサイヤ人は消滅することになる」


長門 「そうか、提督にもハーフのお子さんがいるんだったな」


ベジータ 「二人な。他のヤツの血筋も含めれば、ハーフは合わせて四人。あとはクォーターが一人だ」


赤城 「そうですか…。血が薄れてしまうことは避けられないのですね…」


ベジータ 「…そんなことはどうでもいい。血などいくら薄れようが、サイヤ人の誇りが受け継がれさえすればそれでいい」


長門 「…高潔だな、貴方は」


ベジータ 「フン…俺とて割り切れるようになったのは最近になってからだ。かつての俺は、誰よりこの血に拘っていた。…だが地球に居着き、暮らす内に…変わったんだ。…チッ、話しすぎたか」


赤城 「その、興味本位なのですが、提督はどうして地球に?」


ベジータ 「…どうだっていいだろう、そんなことは」


長門 「いや、私も気になる。地球に来る前は何をしていたんだ?」


天龍 「おぉっとこっちでも面白そうな話してんなぁ!」 グイッ


ベジータ 「ぬおっ!?なんだ貴様!」


摩耶 「聞かせてくれよー、しっかり交流しようぜー」


悟飯 「やめといたほうが…」


ベジータ 「余計なことは言うなよ、悟飯」


悟飯 「いっ!?」


暁 「悟飯さん知ってるの!?」


ベジータ 「なっ!?」


悟飯 「今のは自爆ですよ…」


電 「電も少し気になるのです…」


悟飯 「ベジータさん、少しくらい話してあげれば…」


ベジータ 「チッ…。ふざけたヤツらだ…!俺は体を動かしてくる。…悟飯、繰り返すが余計なことを言うな」 スタスタ


天龍 「あ、行っちまうのかよ!?」


赤城 「…怒らせてしまったでしょうか?」


悟飯 「恥ずかしいんだと思います。ベジータさん結構照れ屋なんですよ」


悟飯 (過去を話して引かれたくないのもあるだろうけど)


摩耶 「それでそれで?」


電 「悟飯さん、どれくらい知ってるのですか?」


悟飯 「うーん…。余計なこと言うなってのは、ある程度だったら話していいってことだよな…」


悟飯 「ベジータさんと初めて会ったのは、僕が五歳の頃だったかな」


天龍 「五歳…。悟飯さん、今いくつなんだ?」


悟飯 「二十三歳」


長門 「ということは、十八年前か?」


悟飯 (精神と時の部屋の話とかしたら混乱するよなぁ)


悟飯 「はい、そのくらいです」


摩耶 「っていうかよ、見た感じそんなに歳離れてる訳でもねーよな?随分腰が低いみてーだけど」


悟飯 「いや、ずっと歳上ですよ。五十くらいかな?」


「「「「「「五十!!?」」」」」」


悟飯 「はい。僕の父さんより歳上だし」


天龍 「…いやいやいや嘘だろ、流石に。どう高く見積もっても三十前半ってとこだろ」


悟飯 「あぁ、サイヤ人って戦うために若い時間が長いらしいです。八十くらいまでは若いとか言ってたかな」


摩耶 「えぇ…。信じられるか?」


長門 「…にわかには信じがたいが、食事量と強さを鑑みるとあり得ないとも言えん…」


暁 「すごーい!」


電 「さすが宇宙人なのです!」


赤城 「疑いすらしていない子もいますけどね」


長門 「…まぁ、歳のことはいいじゃないか。それで、提督は何をしに地球に?」


悟飯 「あ、えっと…その…」


摩耶 (めっちゃ言葉選んでる)


赤城 (これが提督の言う余計なこと、なのかしら?)


悟飯 「ね、願いを叶えるため?」



~~~


長門 「む、そろそろ戻ろうか」


悟飯 「あ、そうですね!」


悟飯 (なんとかベジータさんが

人殺しも躊躇わない悪魔だったことや

自分は優しいからと全身の骨がバッキバキの父さんの隣で僕を殺そうとしたことや

サイヤ人を滅ぼしたフリーザに顎で使われてたことや

下品な女とまで言ってたブルマさんとくっついたことや

倒せたはずの敵を好奇心で強くしてボッコボコにされたことや

せっかく家族出来て更正しかけてたのに全部壊して何人も殺した上に魔人復活に貢献したこと

は濁して説明できました!やりましたよベジータさん!)


天龍 (悟飯さんのシドロモドロっぷりで、提督の過去は余計なことだらけだってのは理解できた)


摩耶 (全然分かった気がしねぇ)


悟飯 「い、急ぎましょう!遅れたら怒りますよ、ベジータさん…!」


長門 「それは御免被りたいな…急ぐぞ!」



~~~


ベジータ 「ギリギリ間に合いやがったか。一秒でも遅れたら地獄を見せてやるつもりだったんだがな、そこの出歯亀ども」


悟飯 「はは…。で、でも余計なことは言いませんでしたよ!」


長門 (余計なことの方が多いんだろうな)


ベジータ 「さて…では修行を再開する!…とは言え、やることは同じだ。舞空術の習得に励め。その過程で見えてくる物があるはずだ」


悟飯 「えと、じゃあ僕のグループはこっちに」


摩耶 「あ、また忘れるとこだった。提督!質問!」


ベジータ 「なんだ」


摩耶 「昨日手から出してた光の玉さ、あれってなんだ?」


ベジータ 「あれは貴様らにはまだ早い。頃合いを見て教えてやる」


摩耶 「えー」


赤城 (私もちょっとがっくり)


悟飯 「ベジータさん、具体的なことはともかく、ざっくりとでも気の話はしておいたほうがいいんじゃないですか?」


ベジータ 「むっ…。では貴様から説明してやれ」


悟飯 「はい。えー、朝も少し話しましたが、気というのは、みなさんそれぞれの中にあるエネルギーです。これを操れるようになることは、僕たちから見れば大前提と言うか、必要不可欠な物なんです」


悟飯 「例えば自在に撃ち出せるようになれば道具を使わず離れた相手に攻撃出来ますし、精密なコントロールが出来れば、腕に纏わせて気の剣、みたいなものを作ることも出来ます」


天龍 (かっけー!!)


暁 (かっこいいわ!!)


悟飯 「他人の気を感知できるようになれば、気が届く限りどこにいても分かる、なんてことも出来ます」


暁 (昨日司令官が言ってたヤツね!)


悟飯 「逆に、自分の気をゼロまでコントロール出来れば、気を探知出来る相手も誤魔化すことが出来ます。この場合、気配ってのがなくなるので、目で見るとか音とか臭いとか、そういうので直接見つけられなければ気付かれません」


電 (提督より悟飯さんに依頼すべきだったと思うのです)


悟飯 「で、舞空術は、そんな気のコントロールを物にしなければ使えません。ですから、舞空術の習得を目指しながら、あらゆる気の技術を覚えてください」


悟飯 「…こんな感じでどうでしょう?」


ベジータ 「…上出来だ」


天龍 (何様だよ)


摩耶 (って聞いたらベジータ様だ!とか言うぜきっと)


ベジータ 「聞いた通り、舞空術には気のコントロールが不可欠だ!よって貴様らには舞空術を通じ、気の技術を習得してもらう!」


長門 (見事なおうむ返し)


赤城 (というかこれ最初に言っておくべきなのでは?)


天龍 (今まで突っ込まなかった辺り、悟飯さんも結構抜けてるよな)


ベジータ 「では改めて、それぞれのグループに別れて修行を始めろ!!」


ハーイ


~~~


悟飯 「すごいや!かなり筋がいいと思うよ!」


電 「教え方がいいのです!」



ベジータ 「だからそっちじゃない!もっとグッとやれ!貴様ら覚える気あるのか!?」


天龍 「テメーこそホントに教える気あんのかこの野郎!!」


長門 「済まない提督、さすがに…」


摩耶 「あー力みすぎだ、もっと緩めて」


暁 「摩耶さんのほうが分かりやすいわ!」


ベジータ 「…クソッタレ」



ベジータ提督と運動、ついでに授業


ベジータ 「…よし!今日はここまでだ!今日のデキを踏まえた上でいくつかのグループに別ける!明日以降はグループ毎にメニューを変えるから、とっとと上のグループに上がれるよう修行に励め!!解散!!」


ガヤガヤ ワイワイ


悟飯 「お疲れ様です。流石にこれだけの人数を一度に見るとくたびれるなぁ…。夕食も頂いてっていいんですか?」


ベジータ 「それは構わん。が、貴様にはまだ役目がある」


悟飯 「え?でももう終わりって」


ベジータ 「修行はな。…ここには重力室もなく、俺と戦りあえる相手もいない。フラストレーションってのが溜まっちまっててな…」


悟飯 「…僕、明日ビーデルさんと久々にデートするんですよ。怪我したくないんですけど…」


ベジータ 「仙豆を食えば済むだろう」


悟飯 「いつ、何があるか分からないですから、出来れば無駄に使いたくないじゃないですか」


天龍 「戦うのか!?」 ヌッ


ベジータ 「ぬお!?貴様まだいやがったのか!?」


天龍 「まぁな!おーい皆!提督と悟飯さんが戦うんだってよ!戻ってこい!」


ベジータ 「おい待て勝手に」


悟飯 (チャンス!)


悟飯 「ベジータさんベジータさん(小声)」


ベジータ 「なんだ!見世物じゃないんだぞ!」


悟飯 「ここはこの際、教材にしちゃいません?(小声)」


ベジータ 「…教材?(小声)」


悟飯 「はい。彼女たちにお手本を(小声)」


ベジータ 「俺と貴様ではレベルが高すぎて参考にもならんだろう(小声)」


悟飯 「それはそうですが、そこはわざと落として。ベジータさんのフラストレーションを解消できる程度に(小声)」


ベジータ (…あまり格段な差を見せてモチベーションが落ちてしまうのは避けたい。だが悟飯の言う通り、手本を見せておきたいのも事実…)


ベジータ 「…やむを得ん、か(小声)」


悟飯 (やった!)


悟飯 「じゃ、それで行きましょう。超サイヤ人はお互い封印ってことでどうですか?(小声)」


ベジータ 「…いいだろう(小声)」


天龍 「話纏まったか?」


ガヤガヤ


ベジータ 「本当に全員戻ってきたのか」


天龍 「こんな面白そうなモン見逃す手はねぇって」


長門 「面白いかどうかはともかく、これからこの体で戦うのであれば、一度はハイレベルな戦闘も見ておきたいからな」


ベジータ 「フン…ならば邪魔にならんよう端に固まっていろ!」


ハーイ


悟飯 「場所はここで?」


ベジータ 「構わん。…ふふ」


悟飯 「なんですか?」


ベジータ 「いや、貴様との付き合いも随分長くなったが、戦ったのはガキの頃だけだったことに気付いてな」


悟飯 「あぁ、そういえばそうですね…。ナメック星ではフリーザがいたから一応味方でしたし、地球に住み初めてからは修行としても試合としても戦ってませんね」


ベジータ 「敢えて貴様と戦う状況にもならなかったからな…。楽しみだぜ…!」


悟飯 「ご期待に添えるといいですが…」


暁 「なんか緊張してきた」


電 「怪我しないで欲しいのです…」


ベジータ 「フン…来い!」


悟飯 「行きます!だりゃあ!!」 ダッ グオッ


長門 「一気に詰めた!」


ベジータ 「ぬん!」 バチッ


摩耶 「あの速さをアッサリ捌くのか…!」


悟飯 「ふふ…」 ギリギリ


ベジータ 「フン…」 ギリギリ


悟飯 「だりゃりゃりゃりゃりゃ!!」 バババババ


ベジータ 「てぇありゃあああああ!!」 バババババ


赤城 「やっぱり速すぎて見えない…!」


天龍 「何してんのかもわかんねぇが、あれだけの速さでやりあっててお互い一発も貰ってねぇのは分かる…」


ベジータ 「ずぇあ!!」 ブオッ


悟飯 「くっ!」 ヒョイ ダッ


暁 「離れたわ!」


電 「仕切り直すのですか…?」


悟飯 「はぁ!」 ポッ ズボッ


長門 「なんだあれは!?」


摩耶 「光の玉!昨日のだ!」


赤城 「悟飯さんも出来るんですか!」


ベジータ (気弾を目眩ましにし、弾き飛ばした所を本人が…。陳腐な手だが悪くない。あくまでも教材に徹するつもりだな)


ベジータ 「こんなもの!」 バチィ


電 「弾いたのです!」


暁 「でも悟飯さんが突っ込んでるわ!」


悟飯 「でやぁぁ!!」 ギュンッ


ベジータ 「しっ!!」 バシィ


赤城 「防いだ!読んでたの!?」


ベジータ 「ずあっ!!」 ドスッ


悟飯 「ぐえぇ…っ!」 ゴフッ


ベジータ 「でやぁ!!」 バキィ


悟飯 「ぐわぁぁ…!!!」 ギューン


摩耶 「ボディブローで動きを止めてから殴り飛ばした…で合ってるよな?」


長門 「…恐らく」


悟飯 「…まだまだ!!」 ギュルン ズザザザ


天龍 「で、苦もなく立て直すのか…!」


悟飯 「…流石ですねベジータさん!」


ベジータ 「うん?」


悟飯 「気弾で目隠しをしたのに完璧に防がれて、その上反撃まで…。分かってたんですか?」


ベジータ (アイツらに聞かせるためか…。グレートサイヤマンもそうだが、芝居っ気が強すぎるぞ…!仕方あるまい、乗っておくか)


ベジータ 「フン!常に相手の気を感じ取って戦っていれば、目を瞑っていても戦える!」


摩耶 「そうか、光の玉は目隠しだったのか!」


電 「気を極めると見なくても分かるのですか…」


ベジータ (…素直なヤツらだ)


ベジータ 「さて、今度はこっちからも行かせてもらうぞ」


悟飯 「いつでもどうぞ!」


ベジータ 「…」 ピシュン


悟飯 「後ろ!」 ガシッ


天龍 「え?あ!一瞬で!?」


暁 「悟飯さんが気付けたのも気を感じてるからかしら」


悟飯 「ふっ!!」 グルグルグル


ベジータ 「ぬおお…!」 グルグルグル


悟飯 「だっ!!」 バッ


摩耶 「ぶん投げた!」


ベジータ 「ぐっ…!」 ギューン


ベジータ 「つぇりゃ!」 ポッポッポッ


長門 「光の玉!三発か!?」


暁 「吹っ飛ばされながら反撃してるのね!」


悟飯 「りゃ!」 ピシュン


ズドンズドンズドォン


電 「けどもういないのです!」


ベジータ 「チィ!!」


悟飯 「ここです!!」 ピシュン ズオッ


ベジータ 「甘い!」 ピシュン スカッ


ベジータ 「貰った!!」 グオッ


悟飯 「そっちこそ!」 ピシュン スカッ


ピシュン スカッ ピシュン スカッ ピシュン スカッ


天龍 「ダメだ脳ミソが追い付かねぇ!」


長門 「お互いに残像が残るほどのスピードで背後を取り、攻撃しては避けられている…ということだと思うんだが、恐らく」


赤城 「次元が違う、とはこういうことを言うんでしょうね…」


悟飯 「…」 バッ スタッ


ベジータ 「…」 バッ フワフワ


摩耶 「離れたな…お互い諦めたか?」


ベジータ 「…貴様の技術はそんなものか!」


悟飯 「!」


悟飯 (もっと技術を見せろ、ってことですね!それなら…技を借ります!)


悟飯 「はぁぁぁ…!!」 ポウッ


悟飯 「でやりゃりゃりゃりゃ」 ズドドドド


天龍 「またあの玉か!何発撃ってんだ!?」


長門 「だが狙いが甘い!全て外れてるぞ!」


ベジータ 「…ふざけていやがるのか?」


悟飯 「…まさか」 ニッ


ベジータ 「…むっ!?」 キョロキョロ


ブゥゥゥゥン


暁 「あっ!司令官の周りに玉が止まってるわ!」


摩耶 「外したんじゃない!これが狙いなんだ!」


ベジータ (コイツは…!確かピッコロが力の大会で使っていた!)


悟飯 「行きますよ!!でや!!!」 グッ


ベジータ 「クソッ!!」


ズドドドド


赤城 「玉が一気に提督に!!」


天龍 「すげぇ…!こんなことも出来んのかよ!!」


電 「それより司令官さん大丈夫なのですか!?」


パラパラパラ…


悟飯 「…さすがです」


ベジータ 「…」 ブゥン


長門 「…大丈夫、みたいだな…」


暁 「ダメージ受けてなさそうだけど…」


悟飯 「練り上げた気を球状に展開してバリアを作ったんですね」


ベジータ 「俺の気を貫けん程度の攻撃なら、俺には届かん!」


電 「バリア…」


摩耶 「もうなんでもアリだなこれ…」


天龍 「言葉が出てこねぇ」


ベジータ 「…こうして空から貴様を見ていると…初めてカカロットと戦った時を思い出すな…」 スッ


悟飯 「…」


ベジータ 「かぁぁぁああああ…!!」 バチバチバチ


暁 「司令官の体が光ってるわ…紫に…」


電 「綺麗な色なのです…」


長門 「まだ何かあるのか…?」


悟飯 「か~…」 スッ


悟飯 「め~…」 ポッ


摩耶 「悟飯さんも手の間に水色の玉作り始めたぞ…」


天龍 「お互い大技出しそうな雰囲気だな、なんか…」


赤城 「さっきまでより、更に…?」


悟飯 「は~…あっ」 チラッ


悟飯 (やばいっやり過ぎた!)


悟飯 「ベジータさんタイム!ターイム!!」


ベジータ 「なに!?」 スッ


「「「「「「?」」」」」」


悟飯 「ベジータさん!」 ギューン


ベジータ 「いいところで…なんだと言うんだ!」


悟飯 「まずいです、みんなポカンとしてます!(小声)」


ベジータ 「なに!?」 チラッ


「「「「「「…」」」」」」


ベジータ 「…そのようだな」


悟飯 「やりすぎちゃったんですよ!もう終わりにしましょう!(小声)」


ベジータ 「チッ…夢中になりすぎたか…」


ベジータ 「ここまでだ!!」


摩耶 「あ…え?」


暁 「終わり…?」


ベジータ 「そうだ!貴様らには今の戦闘レベルを目指してもらう!」


天龍 「いや…えぇ…?」


長門 「無理…じゃないだろうか…」


ベジータ (まずい!)


ベジータ 「す、すぐには当然無理だ!だが修行を重ねていけば、この領域も見えてくる!」


赤城 「流石にそれは…」


電 「出来るワケないのです…」


ベジータ 「で、出来るはずだ!諦めるんじゃない!!俺も悟飯も、何もせず強くなったワケじゃないんだ!!なぁ!?」


悟飯 「いっ!?あ、えっと、はい。頑張って修行しました」


ベジータ 「この俺が修行をつけてやるんだ!むしろ弱いままでいられると思うな!!」


悟飯 (こんな必死なベジータさん初めて見たかもしれない)


ベジータ 「悟飯は今後も折を見て参加する!これほどいい師匠が二人同時につくことなどあり得んのだぞ!!」


悟飯 「ちょ!?そんな勝手に…!」


ベジータ 「黙れ!来いと言ったら来るんだ!絶対に逃がさんぞ…!!」


悟飯 「…はい」



~~~


ベジータ 「戻ったぞ」 ガチャバタン


大淀 「おかえりなさい」


ベジータ 「あぁ。貴様の仕事の進みは?」


大淀 「書類は本来私の仕事じゃないんですけどね…。特に問題は出ていません」


ベジータ 「そうか」


大淀 「悟飯さんは?」


ベジータ 「飯を食って帰った」


大淀 「あの、貴方たちは何者なんですか?」


ベジータ 「なんだ急に」


大淀 「窓から提督と悟飯さんが戦っているのを見ておりましたが…やはり人間とは思えません」


悟飯 「何度も言っているだろう。サイヤ人だ。…悟飯はハーフだがな」


大淀 「…提督は、艦娘にもあんな戦闘を望んでおられますか?」


ベジータ 「…いや、正直あのレベルとまでは考えていない。本当はもっとレベルを下げて、ヤツらの参考にさせるつもりだったんだが…少し熱くなりすぎたな」


大淀 「あれで少し、ですか。まだまだ本気には程遠い、と?」


ベジータ 「…まぁな」


大淀 「気になっていることがあります」


ベジータ 「言ってみろ」


大淀 「提督は昨日、『艦娘でなければ深海棲む艦を倒せない』と仰っていました。…私にはやはり、あんな戦いが出来る人に倒せないとは思えません」


ベジータ 「…貴様、戦闘には出ないのか?」


大淀 「えぇ、他の大淀が戦うことはあるでしょうが、私が戦うことはありません」


ベジータ 「…鍵を掛けろ。万一にも聞かれたくない」


大淀 「はい」 ガチャ


ベジータ 「…まぁ、貴様の言う通りだ」


大淀 「やっぱり…!」


ベジータ 「恐らく、貴様らに人格や感情なんて物がなければ、カプセルコーポへの依頼は『深海棲艦を壊滅させろ』といった物だったろうな」


大淀 「感情、ですか」


ベジータ 「あぁ。要は、艦娘が不貞腐れないようにご機嫌を取れってことだ」


ベジータ 「確かに深海棲艦を滅ぼすことが目的ならば、俺が動けば今日中に終わる。だが…貴様ら、深海棲艦と戦うために生きているのだろう?」


大淀 「えぇ」


ベジータ 「貴様らが深海棲艦を倒し目的を達成するのと、横からかっさらわれ目的を失うのでは意味が違う」


大淀 「…」


ベジータ 「…俺は今回の件について、俺は伝えられた以上のことは知らん。だが、ブルマ…カプセルコーポからは、貴様ら側のお偉方の大多数は、そのまま壊滅させるよう依頼するつもりだったらしいと聞いた」


ベジータ 「そして、少数は貴様らを勝たせるよく頼むべきだと主張したと。結果、俺に貴様らを鍛えさせ、万一の際には俺自身が防衛に出て撃退する、という折衷案に落ち着いたそうだ」


ベジータ 「その少数がいなければ貴様らはただ存在意義を奪われていたことだろう。感謝してやるんだな」


大淀 「そうだったんですね…」


ベジータ 「そうだ。貴様らを兵器としてしか見ておらん大多数に、個人として見た少数派が抗った結果が今だ」


大淀 「…」


ベジータ 「長門を見るに、その判断は間違っていなかった。…やはり、自分の存在意義を失うのは堪えるらしい。…気持ちは分かる」


大淀 「…提督にも、そんなことが?」


ベジータ 「意外か?」


大淀 「…その、少し」


ベジータ 「フン、だろうな。…俺とて、自分の在り方ってヤツに悩んだこともあった。サイヤ人の王子としての在り方と、この星での生活のギャップにな」


大淀 「…」


ベジータ 「…まぁその結果は思い出したくない物だが」


ベジータ (プライドのために民間人を何人も殺しました、など言えん)


大淀 「提督は、私が思っていたよりも人間らしい方なんですね」


ベジータ 「人間らしい、か…。昔の俺であれば、この俺にそんな口を叩いた貴様は死んでいたかも知れんぞ」


大淀 「今の提督とお会いできてよかったです」


ベジータ 「喋りすぎたな。…口外はするなよ」


大淀 「えぇ、お任せください。」


ベジータ 「フン…話が済んだら少し手伝え」


大淀 「はい、何をでしょう?」


ベジータ 「今日の成績を元に、全員を組分けする。流石に一人では骨が折れるからな」


大淀 「了解しました。…あ、そういえば提督、カプセルコーポレーションからお電話がありました」


ベジータ 「ほう?」


大淀 「急ぎの用ではないとのことでしたが、なんでも重力室の完成が早まり、明後日には届けられそうとのことd


ベジータ 「なんだと!!?」


大淀 「ひゃい!?」


ベジータ 「なぜそれを早く言わんのだ!!」


大淀 「い、急ぎではないと…」


ベジータ 「最優先だろうが!!!」


大淀 「えぇ…?」


大淀 (早く伝えたところですぐに届く訳でもないのに…)


ベジータ 「待ちきれんぞ!!とっとと来やがれ…!!!」


大淀 「あの、組分けは…」


ベジータ 「はーっはっはっは!!」



ベジータ提督と重力室


~二日後~


ベジータ 「ふっ…。くっくっく…。はーっはっはっは!!!」


大淀 (うるさいです)


ベジータ 「ようやく来やがったな待たせやがって!!一昨日は悟飯と戦ったからともかく、昨日はツラかったぞ…!」


大淀 「艦娘と修行なさってたじゃないですか」


ベジータ 「艦娘に修行をつけていたんだ!俺自身の修行とはワケが違う!」


大淀 (うーんこの修行ジャンキー)


大淀 「…というか、あれだけお強いのにまだ修行なさるんですか?」


ベジータ 「当然だ!サイヤ人の強さに限界などありはしない!!早速使うぞ!!」


大淀 「あ、そろそろ修行のお時間ですが。艦娘の」


ベジータ 「むっ…そ、そうか…。いやしかし…」


大淀 (どんだけ修行したいんですか)


ベジータ 「…仕方あるまい。ヤツらの重力修行は流石に早いからな…。楽しみはとっておくとするか…」 ショボン


大淀 (すごい寂しそうな背中してる)



~~~


ベジータ 「さて、全員集まったな…。今日の修行を開始する…。昨日に続き、舞空術の習得に励みやがれ…」


天龍 「なんだよ、今日は元着ねーな」


ベジータ 「黙れ。とっとと舞空術くらい覚えろ」


天龍 「教え方が悪ぃんだよ教え方が…」


ベジータ 「ほう?摩耶は既にある程度物にしているが?」


ヒャッホー!!


ベジータ 「…やかましいなアイツは」


天龍 「アイツが例外なんだよ…」


長門 「済まない提督、私もまだ…」


ベジータ 「…まぁ、貴様らに時間がかかるのは予想していた。技術で勝負ってタイプでもないからな。むしろ摩耶が器用だったほうが意外だったぜ」


ベジータ 「次いで暁、電…ヤツらも既に多少は浮けている。今日中には空を飛んでいる、と呼べるレベルまで行けるだろう。」


ベジータ 「赤城は…もうじき浮けそうってとこか。おい!赤城も来い!」


赤城 「は、はい!」


ベジータ 「今日は貴様らを集中的に見る」


長門 「本当か!」


ベジータ 「勘違いするな!舞空術くらい覚えて貰わねば先に進めんからだ!」


長門 「す、すまない」


ベジータ 「おい摩耶!」


摩耶 「ひぃーやっふぉぉ…ん?呼んだ?」 スイー


ベジータ 「貴様はもう充分だ。自分の技術は一人で高めやがれ。今は他の連中を見てやれ。俺は今日、コイツらを見る」


摩耶 「えー、アタシ教えるのとか得意じゃねーんだけど」


天龍 (むしろ提督より摩耶に教わったほうが早いんじゃねーか?)


ベジータ 「黙れ。他人に教えることは自分の理解を深めることに繋がる。これも修行だと思え」


摩耶 「へいへい、分かりましたよー」


ベジータ 「フン…。さて天龍、長門、赤城…。覚悟はいいな?貴様ら、意地でも今日中に飛んでもらうぞ!」


天龍 「うげ~…」


赤城 「が、頑張ります…」


長門 「お、お手柔らかに頼む」



~~~


ベジータ 「よし!今日はここまでだ!」


天龍 「し、死ぬ…飛べたけど死ぬ…」 ゼェゼェ


長門 「喜んでいる余裕もない…!」 ハァハァ


赤城 「」


ベジータ 「今日中とは言ったが本当にギリギリまで掛けやがって…!貴様らが最後だぞ!」


天龍 「んなこと言ったって…」 ハァハァ


長門 「言われたことは守った…」 ゼェゼェ


摩耶 「だ、大丈夫か?」


電 「お、お水飲むのです!」 スッ


天龍 「さんきゅ…」


長門 「あ、ありがとう…」


暁 「あ、赤城さん?生きてるわよね?」


赤城 「」


ベジータ 「だがこれで全員、ある程度ではあるが舞空術を体得した!あとは自分で磨いていけ!明日よりは本格的な戦闘訓練だ!」


ベジータ 「体を休めて備えておけ!解散だ!!」



天龍 「…朝は元気なかったのに、今はすっげぇ元気だな…」


暁 「全員飛べるようになったのが嬉しいんじゃない?」


摩耶 「それであんな喜ぶタマか?」


赤城 「あら、聞いていませんか?」


暁 「復活したわ」


長門 「聞いてないって何をだ?」


赤城 「摩耶さん、提督のトレーニング器具が届くって話、覚えてますか?」


摩耶 「あー、そういやそんなん言ってたな。明日だったっけ?」


赤城 「いえ、それがもう届いたらしくて。よほど嬉しかったのか、一人言を」


暁 「とれーにんぐきぐ?」


赤城 「はい。私と摩耶さんは提督の自主トレーニングを見させてもらったのですが、その時に愛用のトレーニング器具を待っていると仰っていました」


長門 「提督のトレーニングか…。いったいどんな…」


摩耶 「なんかもうスゴかったぜ」


赤城 「えぇ、悟飯さんとの試合も凄かったですが、お一人でのトレーニングも凄まじかったです」


天龍 「これから使うんかなソレ」


暁 「ちょっと見てみたいわ」


長門 「私も気になるな…。見せてくれと頼んでみようか」


電 「賛成なのです」


天龍 「と来れば…おーい提督~!!」



~~~


ベジータ 「で?今度は貴様ら六人か?」


赤城 「えぇ、邪魔はしませんので」


ベジータ 「…ならば好きにしろ」


暁 「やった!」


長門 「なんでも愛用のトレーニング器具が届いたと聞いたが、いったいどんな物なんだ?」


ベジータ 「これだ」 スッ


電 「…トレーニング器具?なのですか?」


天龍 「ちっこいカプセルじゃねーか」


ベジータ 「貴様らも知らんのか…」


赤城 「あの、これは?」


ベジータ 「これはホイポイカプセルと言ってな。無論これでトレーニングするワケではない。中身を使うんだ」


摩耶 「…中身ったって、片手で余裕で握れちまうじゃねーか」


ベジータ 「まぁ見ておけ…。この辺りでいいか」 カチッ ポイッ


B O M !


天龍 「?…んん!?」


電 「え?え?え?」


暁 「なんか出てきたわよ!?」


ベジータ 「出したんだ」


摩耶 「ドアついてんな…」


赤城 「これは…ドーム?ですか?」


長門 「ドーム…あっ!」


ベジータ 「入ってみろ…ほう、中々広く作ったな」 ガチャ


赤城 「では失礼しま…え!?」


摩耶 「どした赤城さん?…あれ?」


天龍 「え、広さおかしくねぇ!?」


暁 「外から見た大きさより広いわ!」


ベジータ 「細かいことは俺にも分からんが、ホイポイカプセルの圧縮技術を応用したそうだ。説明書に書いてあった」


長門 (説明書とか読むのか)


電 (結局ホイポイカプセルの説明はなかったのです)


ベジータ 「で…説明書によると、出入り口近くのエリアは効果が及ばない、と…。俺だけが使うならともかく、いずれコイツらに使わせるのなら必要か…。さすがブルマだ」


赤城 「あの、これは結局…?」


長門 「…重力室、じゃないか?」


ベジータ 「そうだ。貴様には話したか?」


長門 「面談の時に少しだけ」


暁 「じゅーりょくしつ??」


ベジータ 「その名の通りだが…まぁ体感したほうが早いか。…1.1倍でいいか」 カチッ


ズシッ


「「「「「「!!」」」」」」


摩耶 「なっなんだ!?」


電 「急に体が…!」


長門 「…こういうことか」


ベジータ 「あぁ。こうして重力を上げ、負荷をかけるんだ」 カチッ


フッ


天龍 「も、戻った…」


赤城 「こんな技術が…!」


暁 「ねぇ、これで体を鍛えるの?」


ベジータ 「そうだ。そっちの隅は重力操作の影響を受けんらしい。そこで見てやがれ」


暁 「あ、あの!」


ベジータ 「ん?なんだ」


暁 「暁も少しやってみたいんだけど…」


電 「暁ちゃん?」


ベジータ 「なに?重力修行をか?」


暁 「っていうか…司令官のやってるトレーニングを?」


長門 「それはいい。私も同感だ」


ベジータ 「貴様らにはまだ早いと思うが…」


摩耶 「じゃあさ、少しずつ重力増やしてってくれよ!キツいと思ったら端っこ行けばいいんだろ?」


ベジータ 「…好きにしろ」


天龍 「しっかしキツそうなこと考えるよなー」


赤城 「重力を操作なんて、思い付いても出来ないと思いますが…」


ベジータ 「一応言っておくが無理はするなよ。不慣れな者が無理をしても、体にダメージが出るだけだ」


電 「わ、分かったのです…」


ベジータ 「さて…それでは2倍から行くぞ」 カチッ


ズンッ


天龍 「うっお!」


摩耶 「ずしっときたずしっと!」


長門 「なるほど…これは確かに…」


赤城 「提督はこれでトレーニングを…」


電 「暁ちゃん、大丈夫なのですか?」


電 「こ、これくらい平気よ!」


ベジータ 「ほう?それなら3倍だ」 カチッ


ズンッ


長門 「くっ…!」


摩耶 「2倍と3倍でここまで…!」


赤城 「確かにこれは…鍛えられそうですね…!」


天龍 「ま、まだまだ…!」


暁 「ふんぬぬぬ…っ!」


電 「こ、これっ…重いのですぅ…!」


ベジータ (やはり体格の劣る二人は限界も近いな)


ベジータ 「おい、貴様ら二人は脱落だ。端に行け」


暁 「ま、まだやれるわ!」


電 「暁ちゃん!」


ベジータ 「無理はするなと言ったはずだ!強くなる前にぶっ壊れたいのか!?」


暁 「それは…でも!」


長門 「暁、提督の言う通りだ。焦りは禁物だぞ。少しずつ強くなるんだ」


暁 「長門さん…。分かったわ、抜けるわ」 ノッシノッシ


電 「電もなのです」 ノッシノッシ


暁 「あ、こっち来たらすごい楽になったわ!」


電 「3倍ってすごいのです!」


摩耶 「無邪気だなおい」


天龍 「こっちは結構キツいんだけどな」


赤城 「微笑ましいじゃないですか」


ベジータ 「フン…。貴様らなら、5倍くらいは問題なかろう」 カチッ


ズズンッ


赤城 「きゃっ…!」


摩耶 「んな一気にっ…!っくく…!」


天龍 「やべぇ…これやべぇ…!」


長門 「ぐっ…ぎぃ…!」


ベジータ 「…忘れてるかもしれんが、耐えて終わりじゃないぞ?この状態で動かねば意味がないからな」


天龍 「そうだった…いやでも無理だろこれ!」


摩耶 「アタシ限界かも…」


赤城 「同感です…」


ベジータ 「ならば端に行け」


摩耶 「あーい…」 ドスンドスン


摩耶 「天国かな?」


赤城 「この足音嫌ですね…!」 ドスンドスン


赤城 「体が軽い!」


天龍 「移動もキツい…!」 ドスンドスン


天龍 「すっげぇ快適」


電 「いらっしゃいなのです」


暁 「歓迎するわ!」


ベジータ 「…貴様はまだ行けるのか?」


長門 「な、なんとか…!」


ベジータ 「フン…。7倍だ」 カチッ


ズズズンッ


長門 「ぐっ…あぁ…ぎぎぎ…!!」


電 「耐えてるのです!!」


暁 「す、すごいわ長門さん!」


ベジータ 「…」


摩耶 「おい天龍、ちょっと手ぇ出して見ろよ」


天龍 「俺ぇ!?やりたくねー…きゃあ重い!」 スッ ビタン


摩耶 「きゃあてwwwきゃあってwwwwww」


天龍 「笑ってねーで…やべぇ重くて戻せねぇ!手伝え!引っ張れテメェ!」 グイッグイッ


赤城 「二人とも…」


長門 「だっダメだ…!潰される…!!」


ベジータ 「限界らしいな」


長門 「くっ…悔しいが…ピクリとも動けん…!」


ベジータ 「フン…。切ってやる」 カチッ


フッ


長門 「ぬっ…くぁぁ…」 フラッ パタリ


暁 「長門さん!大丈夫!?」


天龍 「手が軽い!…おい摩耶テメェ笑ってんじゃねぇ!地面バンバンしながら腹抱えて笑ってんじゃねぇ!」


ベジータ 「あのバカどもは…。まぁいい、これで理解できたか?」


赤城 「えぇ、とても」


ベジータ 「だったらとっとと消えるんだな。修行の邪魔だ」


電 「し、司令官さんは?」


ベジータ 「へばってるように見えるか?」


電 「み、見えないのです」


ベジータ 「そういうことだ。分かったらさっさt


長門 「見ていっていいだろうか」


ベジータ 「…何?」


長門 「あちらの影響がないエリアで、提督のトレーニングを見せてもらいたい」


ベジータ 「なぜだ」


長門 「私が目指すべき道だからだ」


天龍 「いいじゃねぇか、俺も見てぇ。なぁ摩y…いつまで笑ってんだテメェ!?」


摩耶 「ひっひっひっ…!…あー笑った…。提督、アタシと赤城さんだけ見せてもらったんじゃ不公平じゃねーか」


暁 「お願い司令官!」


ベジータ 「…」


赤城 「なにか不都合が?」


ベジータ (ある!普段通りの修行をすればまた絶望的な格差を見せ付けることになる!悟飯との戦いをやっとの思いで取り繕ったってのに…!)


ベジータ (だが拒絶してモチベーションが落ちるのも困る!!)


ベジータ 「…いいだろう、騒ぐなよ。特に摩耶、天龍」


天龍 「あれ俺じゃねぇって」


長門 「ところで、提督はどのくらいの重力で?」


ベジータ 「…15倍だ」


「「「「「「15!?」」」」」」


ベジータ (これでも高すぎたか!?)


ベジータ 「た、耐えるだけならな!修行は…その…12倍だ」


長門 「7倍で身動きもとれんと言うのに、12倍だと…!?」


ベジータ (まだ高いのか!?)


赤城 「ですが納得です」


ベジータ (よしいいとこ突いた!!)


ベジータ 「わ、分かったらさっさとどけ!」


ベジータ (ボロが出る前に始めなければ!!)



~~~


ベジータ 「こんなところか」 カチッ フッ


長門 「12倍の重力下であんなに…!」


電 「司令官さんの強さの秘密が見えた気がしたのです」


ベジータ (微塵も見えてないが)


暁 「すっごいわねぇ…暁たちが3倍だったから…さらに4倍ってことでしょ?」


天龍 「5倍組から見ても2倍以上だからな…」


赤城 「見れば見るほど差が広がる気がしますね…」


ベジータ (こっちからは全力で歩み寄ってるんだがな)


摩耶 「…」


ベジータ 「今日はこれで切り上げる。ゆくゆくは貴様らにもこの部屋で修行をしてもらうつもりだ。精々鍛えておきやがれ!さぁ部屋を出ろ!」


摩耶 「うーい」 ガチャ


ゾロゾロ


ベジータ 「…スイッチは…ここだな」 カチッ シュルルル


天龍 「カプセルに戻った!」


長門 「本当に凄い技術だな…!」


赤城 「えぇ…。あれがあれば、補給物資をいくらでも持ち込めます」


ベジータ 「フン…。俺はもう行くぞ。じゃあな…」


電 「あ、ありがとうございました!」


暁 「私たちも解散しましょ」


長門 「そうだな…失礼する」



摩耶 「…」


天龍 「どしたんだよさっきから。黙りこんで難しい面してよ」


摩耶 「ん?あぁ、思い出してたんだよ」


天龍 「思い出す?」


摩耶 「さっきの天龍面白かったなって」 ダッ


天龍 「テメェ!!」 ダッ


摩耶 (普段本当に12倍使ってんなら、あんな涼しい顔でいられるか…?一人言かますほど心待ちにしてた重力室が来て、ようやく使って修行出来たってのに、あまりウレシそうじゃなかったのも気になんだよなぁ…)



ベジータ (…)


ベジータ (物 足 り ん !!!)



ベジータ提督と格闘訓練


~翌日~


ベジータ 「昨日言った通り、今日からはより本格的な格闘を学んでもらう。流石にこの人数を全員相手してやるには時間が足りんから、二人一組で組手を行うのが主となる。具体的な話はパートナーを捕まえてからだ!」


ワイワイ ガヤガヤ


ベジータ 「長門、貴様はまずこっちで俺と組め。見本役だ」


長門 「私か!?務まるのかそんな…」


摩耶 「単にお気に入りなだけなんじゃねーか?なーんつって」


ベジータ 「そうか摩耶、そんなに見本になりたいか!なら来い!容赦はせんぞ!」


摩耶 「えっ、ちょっ」


天龍 (言わなくてよかった)


長門 「…応援しているぞ」


暁 「摩耶さんって怖いものないの?」


電 「司令官さんも加減してくれる…と思うのです」


摩耶 「マジでアタシが行く流れこれ?」


ベジータ 「フン!始めるぞ!まず言っておくが、索敵は目に頼るな!」


ザワッ


ベジータ 「俺と悟飯の戦いを思い出せ!目に頼っていては残像に騙されたり、物理的な目隠しに対応できん!常に気を感じ取って戦え!」


長門 「…言うのは簡単だが、それは…」


ベジータ 「一朝一夕に出来るものではない!訓練以外の時間でも常に気を感じろ!寝てる時間以外はすべてだ!感覚を研ぎ澄ませろ!ゆくゆくは目を閉じたまま組手してもらう!」


摩耶 「また難しそうな…」


ベジータ 「今すぐにとは言わん。まずは基本を覚えてからだ。だが今から気を感じるよう意識だけでもしておけ。その時が来てから意識し始めるんじゃそれだけ遅れるぞ!」


電 「暁ちゃん、電と組みましょう」


暁 「…ううん。電とはまだ組まないわ!」


電 「ダメなのですか?」


暁 「だってライバルなのよ!どうせなら強くなってから戦いたいじゃない」


電 「…分かりました。楽しみにしてるのです」


暁 「今から覚悟しておくのね!」


長門 「じゃあ暁、私と組もうか」


暁 「長門さん!いいの?」


長門 「二人の話を待っている間に、他の皆は組んでしまっていてな」


天龍 「そーゆーこったから、電は俺とだ」


電 「はい、よろしくお願いするのです」


暁 「分かったわ!よろしくね、長門さん!」


ベジータ 「始める前に貴様らに、いくつか基本的な技を教えておく!相手を実験台にして覚えろ!まずは~…」


摩耶 「待ってマジで怖い!優しくしてほんとに!謝るから!」



~~~


長門 「暁、そこはもっと上から…あぁ、もっと力を入れても大丈夫だぞ」


暁 「こ、こうかしら!?」 ググッ



電 「や、優しくお願いするのです!優しく!!」


天龍 「そんなビビんなって、わかってっから」


~~~


ベジータ 「よし、そろそろ切り上げるぞ!」


摩耶 「」


電 「摩耶さん大丈夫なのですか…?」


ベジータ 「死んではいない。たぶんな」


暁 「たぶん!?」


天龍 「俺らはちょこちょこ相手変えてたのに、アイツはずっと提督の相手だからな…。死んでても不思議じゃねぇ」


赤城 「以外と殴ったりしませんけど、こういう形で制裁するんですね…」


天龍 (口には気を付けよう)