2019-03-09 11:56:29 更新

概要

ライカの服を買うために街へ繰り出す2人。道中で殺人事件の現場に出くわし、ルークスは推理を始める。
彼を除くすべての男性は頬を赤らめていた。
なぜ彼には異常が起こらないのかが明らかに。


前書き

※性的用語頻出。俗的な表記はしていません※


このページで終わるかも。ssらしさを出して短編で完結するかな?まだ途中です。まずは途中まで楽しんで(March.4th)

March.5th
完結。楽しんで!


[chapter3: 一晩明けて ]


屋根の上まで昇った太陽の光がカーテンの隙間をくぐりぬけ私の顔を照らす。なぜ太陽の光はこんなにも暖かいのだろう。熱量を感じるのとは違い、包まれるような感じを覚える。


「ん、んーっと」


伸びと同時に喉が鳴る。目をこすりながら隣を見るが、そこには寝ているはずのライカの姿がない。


「ふーっ、久しぶりに―――――――なぁ」


ライカの声だ。玄関の方から聞こえてくる。加えて、声に混じってバサ、バサ、という音も耳に入る。


「ライカー、いるのかー?」


寝室から歩み出ると、玄関に立っているライカを発見した。シャツ一枚で、どこかに出かけようとしているのだろうか。


「お、おはよう、ルー…」


「おはよう。そんな格好でどこかに行こうとしているのか?」


「う、ううん。」


私の質問に対してライカは横に首を振り否定する。続いて、俯きながらたどたどしくこう返した。


「じ、実は、出かけていたの。それで、今、帰ってきたところ、なの」


「なんだって?」


年頃の少女が破廉恥な格好で外に出るなど、襲ってほしいと言わんばかりの行動である。


「ライカ、その格好で外に出たのかい?それではいつ襲われても文句言えないぞ。」


「ごめんなさい…」


朝から説教を垂れるのも徒労なので、ライカへの叱責はこの程度にしておく。しかし、この格好のまま放置しておくわけにも行かない。そこで思いついた。


「ライカ、今日は服を買いに行こうか。女の子らしさのある格好になろう」


「ほんと?やったー!いく!」


ライカはその瞳を煌めかせながら笑顔で答える。支度を済ませなくては。


「ライカ、朝ごはんまだだろう?何食べる?」


冷蔵庫に向かいながらライカに尋ねる。


「わたし、もう外で食べてきたから」


「何を?」


「内緒」


「教えてくれたっていいじゃないか」


「教えたらきっと…」


「まぁいいや。女の子にはそれなりの秘密があるのは当然か」


執拗に詮索するのも紳士として避けるべき行為であるため、これ以上は問い詰めない。


トーストを一枚焼き、牛乳で流し込む。

今日の牛乳は異様に甘い。「今日の」というのは、毎朝牧場の農夫が搾りたてのものを配達してくれるためであるが、今日のものは少し違うようだ。


「よし、行こうか、ライカ」


「うん!」


一応付け加えるが、ライカにはシャツの上に麻布を着せてある。麻布は丈が長いものの袖を持たないので、そこはシャツで対応している。


「ルークスさーん!」


服屋に向かって歩いていると、向こうから短剣を携えた少年が走ってきた。


「どうしたんだい、ホリス」


彼の名はホリス。この街の警察長官の末っ子で、背は低いながらも多くの悪党をその短剣で懲らしめてきたという。住居区とは反対にある商店街のそばに住む私に、度々街中の情勢を教えてくれるのだが、今日は様子が違う。


「男が3人も死んでいるんです!」


「そうか。死因は分かるか?」


「分かりません。争ったような傷はないんですが、その、玉がないんです」


玉、おそらく睾丸のことだろう。


「3人ともか?」


「そうなんです!切り取られていて、それで、その3人の体にはどれも同じ指紋が付いているんです!」


なんと痛々しい。今にも自らの睾丸が落ちそうな話だ。


「ホルス、連れて行ってくれ。ライカ、変な話聞かせてごめんな。」


「ううん、大丈夫。謎は解決しなくちゃね」


なぜか乗り気なライカとともに、ホルスに導かれ死体へとたどり着く。そこには睾丸を切り取られた3人の男性の死体が並んで置かれている。


「んん…これは…」


一瞥したのち、私は犯人を絞ることができた。


「ルークスさん、何か分かりました?」


ホルスはしゃがんでいる私を覗き込むように尋ねる。


「うん。これは、サキュバスだな」


「サキュバス?何ですかそれ」


カミンの人々は歴史や勉学に疎い。というのも、現在の領主が教育の対象を上流階級に定めており、庶民は知識よりも知恵を重んじる生活になっているからである。加えて、子供を持つ官職の者は子どもたちに知識を与えてはいけないことになっている。


「サキュバスって言うのは、男の精を糧として生きているものだ。本来は夢の中で襲うことが多いんだが、稀に現実の世界で行動に出る個体もいる」


「精…ってことは、精子ですか!?」


年頃の少年ならではの食いつき様だが、あまりにも声が大きすぎる。


「大声で言うな!」


声量は小さくとも張りをもたせた声でホルスを諌める。


「すみません。それで、なんでサキュバスだって分かるんですか?」


ホルスは死体を見つめては首を傾げる。未だに合点が行かないようだ。


「彼らのペニスを見てごらん。共通点があるんだが、分かるかい?」


今度はあえてホルスに考えさせてみる。事件でも、知識を与えることは禁止されているが、知識を会得させることは可能だ。


「えっと…あ、皆、勃起したまま死んでません?」


「そうだ。流石は警察長官の息子だな。」


「えへへ、それほどでも」


「でも、それとサキュバスがどう関係しているの?」


照れているホルスの横からライカが尋ねてきた。少女だからと言って侮るなかれ、彼女の目は真剣そのものである。


「昔からの言い伝えで、男の勃起するということは、ペニスに血液が多く運ばれることによるものなんだ。血液の量が増えるということは、ペニスにある血管が太くなるということ。つまり…」


「この人たちは、その状態で死んだの?」


ライカも中々鋭い思考をしている。ホルスは頭上にはてなを浮かべている。


「そうだ。加えてサキュバスは膣を経由して精を得る。そのためには性行為が必要だ。ペニスは刺激を受けて勃起する。見た感じ、3人とも膣内で射精している。その証拠に、筋に沿って白い半個体状のものがついているだろう」


「つまり?」


はてなを浮かべたホルスが答えを待ちかねて尋ねる。まだ説明することは残っているのだが、簡潔に見解を述べる。


「膣内射精を繰り返し、度重なる快感で気を失ったところで殺され、精子を蓄えた睾丸を切り取られ、死後硬直によりこの状態になっていると推測する」


「なるほどー!ルークスさん、流石ですー!」


ホルスは答えにたどり着けたと喜んでいるが、一方のライカは未だに眉間にしわを寄せている。


「だとしたら、この人たちはどうやって殺されたの?」


またも鋭い指摘をする。将来有望だろうか。


「簡単さ。神経毒を使ったんだろう。サキュバスの体から出るあらゆる液体には媚薬効果があることは学論でも確認されているが、一部の個体のものには神経毒が含まれていることもある」


「でも、どうやって毒を飲ませるんですか?」


今度はホルスが尋ねる。飲ませることが分かるのならその先も理解できるはずなのに、なんと無垢な男子なのだ。


「キスだよ」


私がそう答えると、ホルスは顔を赤らめた。


「き、キスなんてするんですか?」


「彼女たちの常套手段だよ。唾液を飲ませて射精を促す。それに毒を含ませればイチコロさ」


「そ、そうなんですか…」


ホルスの声がやけにうわずっている。頬を赤らめ、前屈みになっている。


「ホルス、どうしたんだ?」


「分からないんですけど、ちょっと、外しますね!」


そう残してホルスは通りの向こう側へと走っていった。


「まさか…」


目の前の死体とホルスの表情を鑑みると、サキュバスはまだこのあたりにいると見て差し支えないだろう。


死体の処理はその場に居た、これもまた頬が紅潮した警官に任せ、私とライカは本来の目的であった服屋へと足をはやめた。


歩くことおよそ15分。この間に私達は殆ど言葉を交わさなかった。通常、奴隷と主は言葉を交わすことはない。それに倣ったものだ。


服飾店・フェミニーズ。女性向けの服を主に扱っているらしいが、もちろん私は初めての入店となる。店主には、釣りはいらないと伝え、「奴隷が外に出ても恥をかかない」ようなコーディネートを頼んだ。

店の外で待っていると、およそ10分ほど経った頃にライカが出てきた。


「どうかな…?」


ライカが身につけているのは白のワンピースであるものの、光沢のある生地が使われているようだ。ファッションのことには疎い私でも、高級品であることはよく分かる。


「似合っているな。ライカにぴったりだ」


「そう?ルーに喜んでもらえて、うれしいな」


ライカは微笑みながらそう返した。


ふと商店街の壁に掛けてある時計に目をやると、短針と長針が重なり、12時ちようどを指している。昼食時だ。


「ライカ、昼を食べないとだな。僕は外食は苦手だから、買い物をして、家で作ろう」


「いいと思う」


私の申し出への応答がこれまでのそれよりもかなり早かった。加えてライカの声は普段よりも少し低く、憔悴を浮かべたような表情をしている。


「ライカ、どうしたんだ?」


「っ、ううん、なんでもない」


普段のライカに戻った。昨日の彼女とは違う様子に、私は眉をひそめた。

商店街の中を進み、粉末店に足を踏み入れた。この街では、物体の形状で販売店を分けており、小麦粉や片栗粉、砂糖や塩の他に、粉末状の薬品も同じ店に陳列されている。私にとってはこの上ないほど不便だが、街の人々は気にしないらしい。

加えて、容器はすべて同じものを使用しているため、使う際はどの順に並べたか使う本人が知っていなくてはならない。私は薬品と食品の別を問わず、五十音順に並べている。なお、私は粒子の大きさで区別できるので使うものを間違えたことは一度もない。


「ライカ、この3つの瓶を持ってくれるか?」


「いいけど…これ、なに?」


「恐らく膨らし粉と砂糖と、あとは精神安定剤の順に入れてあるはずだ」


3つとも正しいが、言う順番は変えてある。昔も今のような場面に遭遇したが、順番を正しく伝えたところでその通りに並べられた試しがない。どのケースも女性のもので、それ以来異性を信頼したことはない。


「ふーん、そっかー」


ライカの口調は明らかに興味なしと示しているものだった。精神安定剤の消費者には質問の余地なしだろうか。


その後は特に会話をせずに家に辿り着いた。ライカの表情はおだやかなものに戻り、昨晩と同じように椅子に腰を掛け、足をパタパタと揺らしている。手際よく調理の支度を進め、私の中では定番のパンケーキを焼き始める。


「いい香りがするね」


穏やかな声でライカが話しかける。


「だろう?パンケーキならではの甘い香り、最高だね」


個人的にはパンケーキを作っているときが至福である。この調理、そして食する喜びは筆舌に尽くしがたい。


「ほら、できたぞ。それと、即席だけど僕特製のジャムだ」


市販されているレシピには蜂蜜やメープルシロップをかけるものが多く記載されているが、私はジャムをつけて食べる。材料については秘匿である。


「いただきます」

「いただきます」


ライカと声を合わせて唱える。


「はむ、んぐんぐ…」


ライカが一口目を大きく頬張る。無言で咀嚼しながらも、その顔は喜びで満ちている。


「どうだ」


「お、おいしい!ルー、これおいしいよ!」


笑顔で二口、三口と飲み込んでいく。よほど気に入ったようで作った甲斐があった。

ライカは瞬く間に2枚のパンケーキを平らげ、私の分まで食べてしまった。相当に空腹だったのだろう。

しばらくして、ライカが目をこすり、うとうとし始めた。


「どうしたライカ、眠くなってきたか?」


私がそう尋ねると、ライカはこくりと頷く。私はライカを抱え、寝室へと運ぶ。


「おやすみ、ライカ」


彼女の頭を撫でながらそう告げ、寝室を後にした。



[chapter4: それではあまい ]


あれから8時間ほど経過したころ、つまり時刻は20:30。寝室の扉が開いた。


「ライカ、目が覚めたんだね。おはよう」


暗がりから姿を現したライカは、不機嫌そうな表情を浮かべている。


「寝起きで機嫌が悪いのか?もう一回寝たほうが良いんじゃないか?」


「うるさい!!だまれ!!」


途端にライカが怒鳴り散らす。全身に力が入り、その拳は爪がめり込むほどに固く握られている。


「お前、睡眠薬を入れたんだな。一般人の癖に生意気なことをしてくれるじゃないの」


「一般人?まあいいや。そうさ、君のパンケーキには睡眠薬というか、ちょっとしたお薬を仕込んだね」


私は笑みを浮かべて返答する。


「大体、君は甘すぎるんだ。昨日の夜、僕がなぜ君を襲わなかったのか、なぜ高級な服を着せたのか。色々と気づくタイミングはあったろう?」


「訳のわからない御託並べてんじゃねえよ。今すぐ吸い付くして…あれ?っくそ、なんで!」


ようやっと、彼女は自らの身体に起きている異変に気付いたようだ。


「羽が開かないなぁ。なんでだろうなあ?」


私は腕を組んで尋ねる。仕組んだのは私だが。


「くっそ、なにをしやがった!なんで羽の事を知ってやがる!」


「簡単さ。君と風呂に入ったときから、君がサキュバスであることには気づいていたんだ」


「…!」


彼女は目をはっと開き、直後、その瞳孔を怒りで大きく開かせたように見えた。


「君は16歳の割には大人っぽい部分があったし、後姿は妖艶そのもので襲ってしまいたくなるほどだったよ。…といっても、今まで接してきた女性たちとそっくりだったから、もしや、とは思ってたんだけど、ね」


私は淡々と彼女に伝える。彼女の表情に変わりはない。


「けれど、朝の君の帰宅、それと牛乳の甘さ、プラス、3人の死亡で確信が持てた。」


「クソ…」


「さて、どうする?君の返事次第で僕の対応も変わるんだけど」


そう言いながら私は彼女に近づく。同時に、彼女も私の方へと歩き始める。


「チャームをかけて殺してやるよ」


彼女は笑みを浮かべてそう答え、その直後、甘い靄が私を包みかけた。


「んー、残念!」


私が指をパチン、と鳴らすと、その靄は彼女を包み始める。


「え?ウソ、なんで?チャームが帰ってきた?」


無理もない。なぜなら


「当然さ、僕はインキュバス、だからね」


チャームに包まれながら、彼女は戸惑いを隠しきれず


「う、そ…でしょ……?」


と漏らす。サキュバスのくせに襲われる瞬間の女性の顔をしている。この表情を見る限り、駆け出しだろう。


「ほんと。大体、昨日の夜、寝る直前にチャームをかけようとしたろ?あれでは遅い。体が触れている入浴時に掛けておけば、僕の精を吸い尽くせたはずなのに」


インキュバス相手に精を吸うなんて芸当は高等でないとできないが。


「クソ、クソッ!!」


どうやら、彼女は反射したチャームで身動きが取れなくなってしまったようだ。今ではすっかり怯えきった表情で震えている。


「いいね、その怯えた顔…、ますます犯したくなるよ…」


耳元で囁き、彼女の腰に手をかける。夢魔たちは対象に密着したときに最も色仕掛けをしやすくなる。


「い、いや…!サキュバスは生殖できないんだから、犯したってムダじゃない!!」


体をピク、ピクと震わせ、恐怖に染まった声色で彼女は訴える。それもまた至高。


「生殖?そんなぬるい話じゃないよ。君の捕食器官を僕のモノでメタメタにして、悪魔の精子でたぷたぷに満たしてあげるのさぁ!インキュバスに犯されて、生きるための器官を潰されて、終いには死んでしまう…最高だと思わない?ねえ?」


尻や胸に舐めるように触れ、ワンピースをたくし上げながら彼女の耳元で囁き、猛る肉棒を彼女の陰口にあてがう。


「さあ、死への片道切符を、召・し・上・が・れ!」


「いやああああああぁぁぁああああ!!!」









覚えていることを書き出してみたのだが、ここから先は思い出せない。上記と全く同じことを彼女にしたのだが、あの後、彼女と僕はどうなったのか、皆目検討もつかない。

あれから数ヶ月、異性と関わりを持つことはなくなった。政治体系が大きく変わり、奴隷市は廃止され、街は男性区、女性区と分けられるようになった。

そもそも、どうして僕は生きているのか。彼女はサキュバスで、僕はインキュバスだった。それなのに僕は「悪魔の子」を孕ませようとはしてこなかったし、これからもないだろう。


…また、ひとりだ。


【完】


後書き

ご覧頂き誠にありがとうございます。
あなたのようなカンのいい読者はもう結末が見えたかもしれません。数日中に最後まで書くので、期待しないで待ってて(矛盾)3/4

March.5th
カンの通りでしたか?
後半の展開の速さには自分でも「?」ってなります。小説風にして書いたのは初めてなので、このくらいで妥協。やっぱssは台本調が1番、かな。お疲れ様でした、読者様。


このSSへの評価

2件評価されています


柔時雨さんから
2019-03-05 22:56:55

SS好きの名無しさんから
2019-03-05 03:41:37

このSSへの応援

2件応援されています


柔時雨さんから
2019-03-05 22:56:59

SS好きの名無しさんから
2019-03-05 03:41:29

このSSへのコメント

2件コメントされています

1: 柔時雨 2019-03-05 23:00:47 ID: S:i25EOj

どうも!最後まで読ませていただきました。

途中更新に気付かず、一気読みをさせていただいたのですが……まさかの展開でした。
最後、切ない。

自分の作品にもサキュバスを出しているものの、ここまで詳細には書いていないので
『 なるほど、こういう展開も有りか 』 と学ばせていただきました。

稚拙な言葉で申し訳ありませんが、おもしろかったです!楽しませていただきました。

2: クロード 2019-03-06 08:57:09 ID: S:2uX4kx

柔時雨さん、前話に引き続きコメントありがとうございます!
私の作品で学ぶなんて仰って頂き、恐縮です。
サキュバスもの、書かれているんですね!読ませて頂きます(^o^ゞ


このSSへのオススメ

1件オススメされています

1: 柔時雨 2019-03-05 23:03:22 ID: S:MB-Tuj

サキュバス ( 下に寝る )とインキュバス( 上に圧し掛かる者 )の名前の意味を合わせると、性行為の正常位になるのです


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