2019-03-07 20:49:54 更新

2017年10月3日(火) AM:9:30


京都府京都市 守山 黒百合旅館(もりやまくろゆりりょかん)


千棘 「わぁ〜〜〜、大っきな旅館!

それに何だか、まさに和風って感じで、

日本の旅館っぽい〜〜!」


鶫 「京都はにほんの都市の中でも、「歴史の都」と呼ばれる程、歴史の古い都市ですからね。

数百年から1000年前までは、東京の前の日本の中心都市だったみたいです。」



守山 黒百合旅館(もりやまくろゆりりょかん)と言う、羽(ユイ)と集が二泊三日の予約を取ったその旅館は、3階建ての木造日本建築で、

庭には何本ものモミジやイチョウの木や、

錦鯉(にしきごい)達が優雅に泳ぐ池などがあった。




小咲 「キレイな旅館だね〜〜、るりちゃん。」


るり 「そうね。昨日集君と2人で慌てて、急いで皆んなに連絡を回して、皆でお金を出し合って旅館の予約を取った甲斐があったわ。」


集 「そうそう〜〜。それに、京都の旅館と言えば、綺麗(キレイ)な女将さんや巫女さんや、舞子さん!

俺、今から楽しみだよ〜〜〜♪」


るり 「集君。一応言っておくけど、

私と付き合ってる身で、浮気は許さないわよ?」


ゴゴゴ………


集 「嫌だな〜〜〜。

分かってるって、るりちゃん〜〜。」


鶫 「舞子集が、京都の舞子への期待で宮本様に釘を刺されている………」


楽 (ふぅ………。しっかし、集の奴が探して選んだ旅館だ。

見た目はどんなに良くても、何か変な噂とかあるんじゃねーか?)


蒼也 「中々いい、日本様式の旅館ですね。

これなら俺も、ビーハイブの任務と楽の戦闘訓練の息抜きを入れれそうだ。」


羽(ユイ) 「蒼也くんも、楽ちゃんを強くしてくれるのは私としてもすっごく嬉しいけど、たまにはこういうところで息抜きしないと。

昔の私みたいに、倒れちゃったら大変だよ!」


蒼也 「………分かりましたよ。

首領 羽(ドン ユイ)。」


羽(ユイ) 「さあみんな!旅館の中に入って、

予約を済ませるわよ〜〜!」


楽・集・千棘 「はーい!」


? 「?ああ、お客さんですか?

いらっしゃ………」


? 「………!」


小咲 「ああ、この旅館の従業員さんですか?

はい。私達はこの旅館に二泊三日の予約をしていた者です。」


? (………この気配に、しかもこの数………)


? 「はい。私共(わたくしども)の旅館の入り口はこちらです、どうぞ。」


小咲 (何だか、随分と若い従業員さんだね………)




楽達を旅館の入り口まで案内したその従業員は、小咲の考えた通り、

随分と若く、彼等と同程度の20歳(ハタチ)前後の年齢にも見えた。


蒼也と同じ様に青みがかかった黒髪を肩ほどの長さまで伸ばし、

おそらくは女性用と思われる、京都風の2つのピンク色の玉が付いた串の入った紐で

結んで結(ゆ)っている。

そして、端正な顔立ちの右側の目元には、

青色の涙の絵が3つ、フェイスペイントしてある。



そして楽達は、そのやや異様で妖艶な様相(ようそう)をした青年に案内され、

守山 黒百合旅館(もりやまくろゆりりょかん)の入り口まで案内され。

玄関に靴を入れて旅館内容のスリッパに履き替えて、

受付の前まで来た。


? 「山中さん。

二泊三日の予約をしておいたお客さん9名を案内して来ましたよ。」


山中 「ああ。風介ちゃん、ありがとう。

私が受け付けておくから、風介ちゃんは舞子の子達と踊りの仕事に戻っていいよー。」


風介 「はい。」


スタスタ………


小咲 「あ、どうもありがとうございましたー。」


山中 「ようこそいらっしゃいました。

私はこの旅館の女将(おかみ)の山中 志穂(やまなか しほ)と申します。

二泊三日を予約していた、舞子様御一行9名様ですねー。」


山中と名乗ったその女将(おかみ)は、四十代程の年齢だと思われる外見だったが、

どこか気品の漂う京都小町(きょうとこまち)といった感じの着物を着た中年女性だった。


集 「はいそうでーす。

はいこれお代。」


山中 「これが部屋の鍵です。

お客様は男女混同で、2人一組のお部屋になりまーす。」


集 「はいはーい。」


楽 「ん?集、この旅館も男女混同で2人一部屋なのか?」


集 「ああ、楽。

この旅館も5月に行ったたんぽぽ旅館と同じで、2人一部屋なんだ。

そこも俺がしっかりと選んでおいたんだぜ。

そして部屋割りは………」


第1巻 第142話 完




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