2019-03-16 22:44:04 更新

2017年10月3日(火) PM:15:45


守山 黒百合旅館(もりやまくろゆりりょかん)の近くの紅葉公園(こうようこうえん)


山中さん 「えー、舞子さん御一行の本日の次の観光スケジュールは、この紅葉公園(こうようこうえん)での紅葉狩り(もみじがり)です。」


楽 「あのー、山中さん。

さっきの鹿公園(しかこうえん)もこの公園も、守山 黒百合旅館(もりやまくろゆりりょかんの所有地なんですか?」


山中さん 「そうですよ。

さっきのが、ウチの第1所有公園の鹿公園(しかこうえん)、

そしてここが、

第2所有公園の「紅葉公園(こうようこうえん)」です。」


千棘 「この旅館、色んなところを所有地にしてるんだねえ。」


山中さん 「ここでは皆さんには、紅葉狩り(もみじがり)を楽しんで貰い、

集めた紅葉(もみじ)や黄葉(イチョウ)は、ウチの従業員の加工しが、全てを腐らない様に加工して差し上げます。」


小咲 「へぇ〜〜、思い出の品が出来るね。」


山中さん 「あと、ここの紅葉は、

この守山 黒百合旅館(もりやまくろゆりりょかん)を作った創業者の方が恋人と2人で一本ずつ苗を植えたもので、恋のおまじないが掛かっています。」


千棘 「えっ?」


万里花 「恋のおまじない?」


山中さん 「だから、拾った葉っぱを恋人にプレゼントしたら、愛情が恋人に伝わって行きます。

枚数が多ければ多いほど良いです。」


楽 「なっ!」


千棘 (これは………)


万里花 (何としても、桐崎さんより沢山拾わなくては………

さっきの鹿公園(しかこうえん)でのリベンジですわ。)


楽 (また、千棘と万里花にスイッチが入っちまった………)


集 「どーだい、楽?

第1恋結びイベントの「良縁鯉(りょうえんごい)」と、

第2恋結びイベントの「縁結び鹿(えんむすびしか)」に続く、

第3恋結びイベントの、「恋染紅葉(こいぞめもみじ)」は?」


楽 「この旅館、一体いくつ縁結びのイベントがあるんだよ………」



そして、各々(おのおの)紅葉狩りに出発して………



小咲・るり・集組



るり 「小咲〜〜、モミジは取れた〜〜?」


小咲 「うん。結構たくさん取れたよるりちゃんーー。」


ドサッ


小咲 「このモミジやイチョウ、腐らない様に加工して貰ったら。

ウチのお店に飾ろうかな。

ウチは和菓子屋だから似合うと思うんだ。」


るり 「あ、いいわねそれ。」


集 「えーっと、この紅葉(モミジ)はあの子にあげて、この黄葉(イチョウ)はあの子に………」


るり 「ちょっと、集くん?」


ゴゴゴ………


集 「やだなー、冗談だよーるりちゃん。

勿論(もちろん)、これは全部、るりちゃんにプレゼントするって!」


るり 「ならいいけど。

もし、さっきのが冗談じゃ無かったら、

あなたが集めた紅葉(もみじ)を全部焼いて、

焼き芋の材料にするわよ?」


ゴゴゴ………


小咲 「アハハ………」



鶫・蒼也組



鶫 「これが日本古来からの、紅葉狩り(もみじがり)、というやつか、

中々風流でいいものだな蒼也。」


蒼也 「そうだな………」


蒼也 (………そういえば、玲香とアメリカでこうやって、花を摘みに行った事も昔はあったな。)


蒼也 (……………)


鶫 「ん?どうかしたか、蒼也?」


蒼也 「あ!いや、何でも無い………

さあ、行こう誠士郎。」


ブウロ (……………蒼也、やはりまだ玲香さんと過ごした記憶を、根強く覚えているのですね。)




その頃、万里花


万里花 「オーホッホッホッ!紅葉(モミジ)も、黄葉(イチョウ)も、私(わたくし)が取り尽くして、楽様のハートをゲットしてみせますわ!」


レム 「うーん……万里花、よくやるね〜〜、

アタシは眠たくて、メンドくさくて、とてもムリだよ〜〜。」


万里花 「さて!目標は1万枚ですわ!」


ガサッ ガサッ ガサッ




その頃、千棘


千棘 「さーて、いくわよシルフ。」


シルフ 「うん、千棘。」


千棘 「ハァッ!」


ボウッ


千棘は星体技(せいたいぎ)で、両手に月の光を集めた


千棘 「てやぁーー!!」


ドガッ


バサ バサッ


千棘は星体技(せいたいぎ)で紅葉(モミジ)の木を殴りつけて、紅葉(モミジ)の木からは大量の紅葉(モミジ)が落ちた。


千棘 「やったーー!大量大量♪」


ガサッ ガサッ


千棘は紅葉の葉を袋の中に入れた。


シルフ 「力加減間違えて、木を折っちゃわ無いようにね。」


千棘 「分かってるわよ!私、そんな事しないわよ!」


シルフ (あなたならしそうだから、言ってるのよ………)


千棘 「さーて、次はこの木ね。

てりゃぁっ!」


ドガッ


千棘は、そこら一体で1番大きな木を殴り付けた。


バサーーッ


千棘 「やったーー!またまた大量………って、え?」


ドサ ドサ ドサ


先ほどの3〜4倍もの葉っぱが落ちてきて、千棘はそれに埋もれてしまった。


千棘 「ちょっとーー!大量過ぎるでしょーー!!

モゴモゴ………」




その頃、楽。


楽 「何だぁ!?今の何かを強く叩いたみたいなスゲーー、音!」


レオン 「ねえ楽、月の光の気配がしない?」


楽 「そう言えば………ここに来てるメンバーの中で、月属性の奴と言えば………」




その頃、千棘は大量に落ちてきた紅葉(モミジ)に埋もれて、暗所恐怖症と閉所恐怖症故(ゆえ)に、身動きが取れずに怯えていた。



千棘 「うぅ〜〜、怖いよぉ………

やっぱり、シルフの言う通り、

やり過ぎなきゃ良かった………」


千棘 (何で私って、いっつもこうなんだろう………

人の話も聞かないで、1人で突っ走って、

いつも楽やみんなに迷惑かけてる………)


楽 「おーい、千棘ーー!

お前、この葉っぱの中にいるのかー?」


千棘 「!?楽?」


ガサッ


楽 「お!やっぱりお前か………

大丈夫か?」


千棘 「う、うん………」


スッ


楽は大量の落ち葉を掻き分けて、千棘を見つけて千棘の手を引いて千棘を葉っぱのプールから出した。


楽 「全く………

やっぱりお前か………

いくら、橘より落ち葉を集めたいからって、星体技(ほしたいぎ)で木を殴って落とすなんてムチャ、するなよな。」


千棘 「ご、ごめん………

だって、万里花に負けたく無かったんだもん………」


楽 「………別にいいんじゃねーのか、負けても。」


千棘 「えっ?」


楽 「だって、あの鯉や鹿やこの葉っぱの縁結び効果なんて、

しょせんはおまじないみたいなモンだろ?

そんなんに頼らなくても、

今では俺が好きだし、1番大事な女の子だ。

お前だってそうだろ?」


千棘 「そりゃ、そうだけど………」


楽 「それに、俺はお前のこういうムチャするところも含めて好きだぞ。」


千棘 「えっ?」


楽 「前に鶫が言ってたんだ。

「お嬢は昔から、私達の心配をよそに、

いつも勝手に飛び出して、泥まみれになって帰ってくるような方でした。」

って、俺もそうだと思うし、

凡高来てからも、友達と何かするだけで楽しくて仕方が無いところや、

こういう事を心の底から楽しむ無邪気なところも、俺は大好きだぞ。」


千棘 「ら…楽………」


ウルウル………


千棘 (楽ったら、私がいっつも、自分勝手に楽しんで、みんなに迷惑ばかりかけてるのに、そんなところまで含めて好きになってくれてたんだ………)


ジーン………


楽 「お、おい。千棘?」


千棘 「ありがとう!楽、大好き!」


ダキッ


楽 「なっ!?」


千棘は楽に抱きついた


ギュウウゥ………


楽 「………俺も、千棘の事好きだよ。」


ナデナデ


楽は千棘のピンクのかかった金髪を優しく撫でた。


第150話 完



このSSへの評価

このSSへの応援

このSSへのコメント


このSSへのオススメ


オススメ度を★で指定してください